以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である容器用キャップ1が、これに適合する容器本体2に装着された状態を示す。なお、本明細書、特許請求の範囲、要約書および図面では、後述する蓋体50が位置する側を上方(図1における上側)とし、容器本体2が位置する側を下方(図1における下側)とする。また、径方向外側とは、図1における容器用キャップ1の中心軸線O1を通り中心軸線O1に垂直な直線に沿って外側に向かう方向であり、径方向内側とは、当該直線に沿って中心軸線O1に向かう方向を意味するものとする。本実施形態に係る容器用キャップ1は、キャップ本体10と、蓋体50とを備えている。
まず、容器本体2について説明する。本実施形態で用いられる容器本体2は、筒状の口部4と、口部4の下端に連なる図示しない胴部と、胴部の下端を閉塞する底部とを備えている。本実施形態において容器本体2は、合成樹脂素材により形成されるパリソンに対し、押出しブロー成形を行うことによって形作っている。そして、容器本体2を構成する材料には、低密度ポリエチレン(LDPE)又は高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)を用いており、特にLDPEを用いた場合には高いスクイズ性を付与することができる。しかし、この態様に限定されず、例えば二軸延伸ブロー成形を行うことによって容器本体2を形成する場合には、容器本体2を構成する材料にはポリエチレンテレフタレート(PET)等を用いてもよい。
図1に示すように、容器本体2は、その内側に内容物を収容する収容空間Sを備えている。
図1に示すように、口部4の外周面には、後述するキャップ本体10の外周壁11に設けた係合突壁11aにアンダーカット係合させるための環状凸部4aを設けている。また、口部4の内周面には後述するキャップ本体10に設けられるシール壁16が嵌合する。このように、容器本体2は、口部4が外周壁11とシール壁16との間で挟持されると共に環状凸部4aが係合突壁11aにアンダーカット係合することによりキャップ本体10を強固に固定することができる。
次に、容器用キャップ1を構成するキャップ本体10について説明する。キャップ本体10は、口部4を取り囲む外周壁11を備えていて、外周壁11の内周面には、口部4の環状凸部4aにアンダーカット係合する係合突壁11aが形成されている。また、外周壁11の上部には、頂壁13が一体に連結されている。頂壁13の上面には、内容物を注出する注出口14aを画定する注出筒14が設けられている。頂壁13の外周端には係合突起13aが設けられ、蓋体50を閉じる時に蓋体50の蓋体周壁53の内周面に設けられた蓋体突起57がアンダーカット係合して蓋体50をキャップ本体10に対して固定する。
また、外周壁11の径方向外側には、略円筒形状のリング体12が設けられている。リング体12は、外周壁11を径方向外側から覆うと共に蓋体50とヒンジ部40を介して一体に連結されている。本実施形態において、外周壁11とリング体12は、図1及び図2に示すように、ヒンジ部40に対向する周方向位置(図1及び図2の左側位置)において連結片12aによって連結されている。また、外周壁11とリング体12は、連結片12aよりもヒンジ部40に近い周方向位置において、連結片12aよりも径方向に直交する断面による断面積が小さい弱化片12bにより連結されている。連結片12a及び弱化片12bは、図1に示すように外周壁11の上端部に配置されている。
本実施形態において、弱化片12bは、図2に示すようにヒンジ部40の周囲に複数個を等間隔で設けているがこの態様には限定されず、個数や周方向の間隔は任意に定めることができる。また、高さ方向の厚みについても連結片12aと弱化片12bの厚みは同一である必要はなく、例えば弱化片12bがより破断し易いように連結片12aよりも弱化片12bの厚みを薄く構成してもよい。後述するように、蓋体50を把持してヒンジ部40を介してリング体12を引っ張ったときに、弱化片12bが破断する一方、連結片12aが破断しないように、両者の断面積に適切な差異が設けられていればよい。また、ヒンジ部40が設けられた範囲には、弱化片12bを形成しなくてもよい。
リング体12の上端部における周方向1か所には、外周方向に向けてヒンジ部40が設けられており、キャップ本体10に対して後述する蓋体50を開閉可能に結合している。
本実施形態において、注出筒14の上端部には径方向外側に突出する環状突部14bが形成されている。この注出筒14の外面に設けられた環状突部14bが、後述する蓋体50の天壁52の下面から垂下する外筒54に嵌合すると共に、天壁52の下面に設けられたシール部55が注出筒14の上端部に当接することにより、蓋体50の閉塞時において注出口14aは液密にシールされている。また、注出筒14は、中心軸線O1よりも偏心した位置(摘み部51側)に設けられている。
注出筒14の上端部における内面には、注出口14aを閉塞する栓体15が弱化部15bを介して連なっている。図1に示す、弱化部15bが破断していない容器の未使用状態において栓体15は注出口14aを閉塞している。そして、弱化部15bの破断の有無を確認することによって、容器用キャップ1を装着した容器が未開封であるか否かを判断することができる。つまり、本実施形態において、弱化部15bは未開封保証機能を有している。この弱化部15bは、利用者が未使用状態の容器の蓋体50を開放する際に所定の力を作用させることにより容易に破断させることができる程度の断面積を有している。
栓体15は、図1に示すように、上部において径方向外側に突出する突出部15aを備えている。この突出部15aが後述する蓋体50側の蓋体開口52aの周縁部にアンダーカット係合することで栓体15は、蓋体50に強固に固定されている。
蓋体50は、図1に示すように、キャップ本体10のリング体12の上端部においてヒンジ部40を介して連結されており、ヒンジ部40を折り曲げることによって注出筒14を覆い隠すことができる。蓋体50の周壁(蓋体周壁53)の内面には蓋体突起57が設けられている。蓋体50を閉めたときに蓋体突起57が頂壁13の係合突起13aにアンダーカット係合して蓋体50はキャップ本体10に固定される。
蓋体50における注出口14aに対応する(水平方向)位置には、天壁52を貫通する蓋体開口52aが設けられている。そして蓋体開口52aの周縁部に形成された環状突部52cには、栓体15から径方向外側に突出する突出部15aがアンダーカット係合し固定されている。環状突部52cと突出部15aとの係合は、図1に示すように互いの当接面が略水平面をなす係合であり、後述する栓体嵌合冶具60(図4参照)を用いて両者を係合させた後は、解除不能な強固な係合となる。また、突出部15aの外周端上面に形成された傾斜面は、蓋体開口52aの周縁部から延びる覆い部52b2により覆われており、これによって栓体15は蓋体50に更に強固に固定されている。なお、覆い部52b2の形成については、後述する。
次に、栓体15の突出部15aを蓋体50の環状突部52cに係合させて図1に示す未使用状態の容器用キャップ1を構成する手順について説明する。
図3は、射出成形等によって形成された、栓体15を蓋体50に係合させる前の初期状態の容器用キャップ1を示している。初期状態の容器用キャップ1には、蓋体開口52aの周縁部において上方(図3の下方)に突出する突起部52bが設けられている。作業者またはセット機で、ヒンジ部40を折り返すことによって蓋体50が注出口14aを覆う位置まで移動させたのち、容器用キャップ1を図4に示す栓体嵌合冶具60にセットする。
作業者またはセット機に於いて、栓体15の下端部15dを栓体嵌合冶具60の下側冶具63で支持した状態で、蓋体50を上方から栓体15に押し付ける。これによって、蓋体50側の環状突部52cの下面の傾斜面が、栓体15側の突出部15aの上面の傾斜面上を滑りながら両者が係合する。環状突部52cと突出部15aとがアンダーカット係合した後、図4に示す栓体嵌合冶具60の上側冶具61で蓋体50の天壁52及び栓体15の上端部15cを上方から押圧する。このとき、上側冶具61で天壁52の蓋体開口52aの周縁部に設けられた突起部52bを同時に押圧することで突起部52bを潰して水平方向に広がるようにする。これによって、潰された突起部52bの一部が栓体15の突出部15aの傾斜面を覆って覆い部52b2となるため、栓体15の突出部15aは覆い部52b2と環状突部52cの間で更に強固に固定される。
なお、上側冶具61で突起部52bを押圧する代わりに、突起部52bを加熱するなどして水平方向に広がらせることで覆い部52b2を形成し、栓体15を熱溶着することで、栓体15を更に強固に蓋体50に固定するようにしてもよい。
図4に示す栓体嵌合冶具60によって、栓体15を蓋体50に固定した後、キャップ本体10を内容物が充填された容器本体2の口部4に装着することによって、図1に示す未使用状態の容器が完成する。
初めて容器本体2内の内容物を使用するにあたっては、図1の状態から利用者が蓋体50の摘み部51を指で摘みながらヒンジ部40周りに図5の矢印で示す方向に蓋体50を開放させる。このとき、栓体15は既に蓋体50に強固に固定されているため、利用者が所定以上の力で蓋体50を開放することにより、栓体15と注出筒14とを繋ぐ弱化部15bが破断し、図5に示すように、栓体15が蓋体50と一体化した状態で注出口14aから離間する。これによって、注出口14aは開放され、利用者が内容物を利用可能な状態となる。従って、未使用状態において栓体15により密封性を確保しつつ、蓋体50を摘んで引き上げるという簡単な操作で開栓することが可能となる。この蓋体50を引き上げる操作は、プルリングを引っ張って開栓する操作よりも指にかかる負荷が少なく利用者が操作し易いと言える。
また、利用者は、図5のように未開封保証機能を有する弱化部15bが破断したことを視認することで容器が開封されたことを認識することができる。
利用者が容器本体2内の内容物を使い切って容器用キャップ1を分別する際には、図5の状態から蓋体50を図の右方に引っ張ってヒンジ部40に隣接する弱化片12bを破断し、連結片12aを支点に蓋体50を図の反時計回りに移動させることでリング体12を反時計回りに回転させ、破断した弱化片12bに隣接する弱化片12bを順次破断させることができる。そして、リング体12が連結片12aを介してのみ外周壁11と連結された状態となった後、今度は連結片12aを介して外周壁11を図の左斜め上方に引き上げることで外周壁11と口部4との係合を連結片12a側から順次解除することができる。以上の手順によって、蓋体50及びキャップ本体10を有する容器用キャップ1を容器本体2から取り外して分別することができる。
以上述べたように、本実施形態は、内容物の収容空間Sを有する容器本体2に装着可能な容器用キャップ1であって、収容空間Sからの内容物を注出する注出口14aを有し、容器本体2の口部4に装着されるキャップ本体10と、注出口14aを覆う開閉可能な蓋体50とを備え、注出口14aの周縁部に弱化部15bを介して連なる栓体15が注出口14aを閉塞しており、蓋体50における注出口14aに対応する(水平)位置には蓋体50の天壁52を貫く蓋体開口52aが設けられ、栓体15において径方向外側に突出する突出部15aが蓋体開口52aの周縁部にアンダーカット係合するように構成した。このような構成の採用によって、未使用状態の容器用キャップ1において、注出筒14に弱化部15bを介して連なると共に注出口14aを閉塞する栓体15が蓋体50に固定され、蓋体50を摘んでヒンジ部40周りに回すことにより栓体15を蓋体50と共に移動させて注出口14aを容易に開放状態とすることができる。従って、未使用状態において栓体15により密封性を確保しつつ、蓋体50を摘んで引き上げるという簡単な操作で開栓することが可能となる。そして利用者は、弱化部15bが破断した状態から容器用キャップ1が未使用ではないことを認識することができる。従って、簡素な構成で容器用キャップ1に未開封保証機能を持たせることが可能となる。
また、本実施形態では、キャップ本体10は、注出口14aを画定する注出筒14を備え、天壁52の下面には、蓋体50の閉塞時に注出筒14の上端部に当接するシール部55、及び注出筒14の外面が嵌合する外筒54が設けられるように構成した。このような構成の採用によって、栓体15と注出筒14とを連結する弱化部15bが破断した後においても、シール部55及び外筒54により注出口14aを液密にシールし、内容物が注出筒14の外側に漏れ出さないようにすることができる。
また、本実施形態では、キャップ本体10は、口部4の外面に係合可能な外周壁11と、外周壁11を径方向外側から覆うと共にヒンジ部40を介して蓋体50と連結されたリング体12とを備え、外周壁11とリング体12とは、ヒンジ部40に対向する周方向位置において連結片12aにより連結されると共に、連結片12aよりもヒンジ部40に近い周方向位置において連結片12aよりも径方向に直交する断面による断面積が小さい弱化片12bにより連結されるように構成した。このような構成の採用によって、容器本体2内の内容物を使い切った後に、利用者が蓋体50をヒンジ部40側に引っ張ることで弱化片12bを容易に破断し、続いて連結片12aを介して外周壁11を外側に引っ張ることで外周壁11と口部4との係合を連結片12a側から順次解除することができる。従って、内容物を使用後の容器用キャップ1の分別が容易になる。
次に、本発明の第2実施形態である容器用キャップ101について、図6から図11を参照して具体的に説明する。なお、第1実施形態と機能が共通する部分には、同一の符号を付して説明する。
図6は、本発明の第2実施形態である容器用キャップ101が、これに適合する容器本体2に装着された状態を示す。本実施形態に係る容器用キャップ101は、キャップ本体110と、蓋体50とを備えている。
図6に示すように、容器本体2の口部4の外周面には、後述するキャップ本体110の外周壁11に設けた係合突壁11aにアンダーカット係合させるための環状凸部4aを設けている。また、口部4の内周面にはキャップ本体110に設けられるシール壁16が嵌合する。このように、容器本体2は、口部4が外周壁11とシール壁16との間で挟持されると共に環状凸部4aが係合突壁11aにアンダーカット係合することによりキャップ本体110を強固に固定することができる。
次に、容器用キャップ101を構成するキャップ本体110について説明する。キャップ本体110は、口部4を取り囲む外周壁11を備えていて、外周壁11の内周面には、口部4の環状凸部4aにアンダーカット係合する係合突壁11aが形成されている。また、外周壁11の上部内周側には内周壁112が設けられており、内周壁112の内側には頂壁13が一体に連結されている。また、頂壁13の上面には、内容物を注出する注出口14aを画定する注出筒14が設けられている。頂壁13の外周端には係合リング13bが立設され、係合リング13bの上端には外側に突出する係合突起13aが設けられている。蓋体50を閉じる時に、係合突起13aが蓋体50の蓋体周壁53の内周面に設けられた蓋体突起57にアンダーカット係合することで蓋体50をキャップ本体110に対して固定することができる。外周壁11は、図6に示すように、ヒンジ部40を介して蓋体50と一体に連結されている。
外周壁11と内周壁112との間には、図6に示すようにスリット溝112gが形成されている。また、外周壁11と内周壁112とは、図6及び図8に示すように、第1弱化部112c1、第2弱化部112c2及び第3弱化部112c3及び定常連結部112fを介して連結されている。図8から分かるように、第1弱化部112c1よりも第2弱化部112c2の方が径方向の幅が大きく、第2弱化部112c2よりも第3弱化部112c3の方が径方向の幅が更に大きくなっている。
外周壁11は、図8に示すように、周方向におけるヒンジ部40近傍の1箇所に切り欠き部112ctを有している。この切り欠き部112ctは、図8に示すように平面視でV字形状を有しており、下端部に薄肉の底壁を残して切り込まれている。係合突壁11aの切り欠き部112ctに対応する位置には、図示しない内周切込み部が縦方向に設けられ、縦方向弱化部が形成される。切り欠き部112ctの端面から内周側の第1弱化部112c1(スリット)を起点として周方向にスリット溝112gが設けられ、端面を始点として、約345°に亘って延びている。このような構成により、利用者は、蓋体50を開放し、蓋体50を把持して径方向外側に引っ張ることで、ヒンジ部40近傍に設けられた切り欠き部112ctを起点として第1弱化部112c1の一端を切断し、第1弱化部112c1、第2弱化部112c2、第3弱化部112c3の順に切断していくことができる。これによって、利用者は、キャップ本体110から定常連結部112f近傍を除く外周壁11の殆ど全ての部分を容易に分断して径方向外側に引き離すことができる。従って、外周壁11とシール壁16による口部4の挟持を解除して、容器用キャップ101を容器本体2から容易に分別することができる。
ここでは、第1弱化部112c1から第2弱化部112c2を経由して第3弱化部112c3までを切断する例を挙げて説明したが、図8の例では、第1弱化部112c1と第2弱化部112c2を切断することにより外周壁11の2分の1以上をキャップ本体110から分断することができる。従って、第1弱化部112c1と第2弱化部112c2のみを切断した状態で外周壁11を径方向外側に引っ張りながら容器用キャップ101を容器本体2から取り外すこともできる。
本実施形態では、注出筒14の上部内側が、蓋体50の天壁52の下面から垂下する内筒154の外周面に嵌合することにより、蓋体50の閉塞時において注出口14aは液密にシールされている。
注出筒14の内面には、注出口14aを閉塞する栓体115が弱化部115bを介して連なっている。図6に示す、弱化部115bが破断していない容器の未使用状態において栓体115は注出口14aを閉塞している。そして、弱化部115bの破断の有無を確認することによって、容器用キャップ101を装着した容器が未開封であるか否かを判断することができる。つまり、本実施形態において、弱化部115bは未開封保証機能を有している。この弱化部115bは、利用者が未使用状態の容器の蓋体50を開放する際に所定の力を作用させることにより容易に破断させることができる程度の断面積を有している。
栓体115は、図6に示すように、弱化部115bに連なり、注出口14aを閉塞する平板状の閉塞部115fと、閉塞部115fから上方に向けて立設された立設部115cとを備えている。立設部115cは、略円筒形状を有しており、上部において径方向外側に突出する突出部115aを備えている。この突出部115aが後述する蓋体50側の蓋体開口52aの周縁部にアンダーカット係合することで栓体115は、蓋体50に強固に固定されている。
また、立設部115cにおける後述するヒンジ部40と対向する側の側部には、下方に向けて径方向外側に延びる引張リブ115eが設けられている。この引張リブ115eは、図6に示す、弱化部115bが破断していない容器の未使用状態から蓋体50を持ち上げて開放する際に、栓体115が蓋体50と共に持ち上げられる際の上向きの引っ張り力をヒンジ部40と対向する側の弱化部115bに伝える役割を果たしている。この引張リブ115eにより、図6の状態から蓋体50を持ち上げた時に、ヒンジ部40と対向する側の弱化部115bを容易に切断することができる。
蓋体50は、図6に示すように、キャップ本体110の外周壁11の上端部に対してヒンジ部40を介して連結されており、ヒンジ部40を折り曲げることによって注出筒14を覆い隠すことができる。また、蓋体50の周壁(蓋体周壁53)の内面には蓋体突起57が設けられている。蓋体50を閉めたときに蓋体突起57が係合リング13bの係合突起13aにアンダーカット係合して蓋体50はキャップ本体110に固定される。
蓋体50における注出口14aに対応する(水平方向)位置には、天壁52を貫通する蓋体開口52aが設けられている。そして蓋体開口52aの周縁部に形成された環状突部52cには、立設部115cの上部から径方向外側に突出する突出部115aがアンダーカット係合し固定されている。環状突部52cと突出部115aとの係合は、図6に示すように互いの当接面が略水平面をなす係合であり、後述する栓体形成冶具160(図10参照)を用いて両者が係合するように栓体115を形成した後は、解除不能な強固な係合となる。より具体的には、弱化部115bを破断させるのに必要な引張り力よりも大きな押圧力で立設部115cを押圧しないと、環状突部52cと突出部115aとの係合が解除できないようにされている。
次に、栓体115の突出部115aを蓋体50の環状突部52cに係合させて図6に示す未使用状態の容器用キャップ101を構成する手順について説明する。
図7は、射出成形等によって形成された、栓体115を蓋体50に係合させる前の初期状態の容器用キャップ101を示している。初期状態の容器用キャップ101は、立設部115cに未だ突出部115aが形成されておらず、立設部115cの上端部は、図7及び図8に示すように、略円錐台形状を有する上壁形成材115g1となっている。図9に示すように、ヒンジ部40を折り返すことによって蓋体50が注出口14aを覆う位置まで移動させ、上壁形成材115g1の上部が蓋体開口52aを貫通して上方に突出した状態とした後、容器用キャップ101を図10に示す栓体形成冶具160にセットする。
栓体115の閉塞部115fを栓体形成冶具160の下側冶具163で支持した状態で、図10に示す栓体形成冶具160の上側冶具61で立設部115cの上壁形成材115g1を上方から押圧する。押圧された上壁形成材115g1は、径方向外側に押し広げられながら蓋体50の天壁52の上面と略同一高さになるまで変形し、図10に示す上壁部115g2となる。また、上壁形成材115g1の側部は環状突部52cの上方に突出部115aとして形成される。これによって、突出部115aが環状突部52cとアンダーカット係合し、栓体115は蓋体開口52aを下方に通り抜け不能な状態となる。
なお、上側冶具61で上壁形成材115g1を押圧する代わりに、上壁形成材115g1を加熱するなどして水平方向に広がらせることで上壁部115g2及び突出部115aを形成し、栓体115を蓋体50にアンダーカット係合させるようにしてもよい。
図10に示す栓体形成冶具160によって、栓体115を形成して蓋体50に固定した後、キャップ本体110を内容物が充填された容器本体2の口部4に装着することによって、図6に示す未使用状態の容器が完成する。
初めて容器本体2内の内容物を使用するにあたっては、図6の状態から利用者が蓋体50の摘み部51を指で摘みながらヒンジ部40周りに図11の矢印で示す方向に蓋体50を開放させる。このとき、栓体115は既に蓋体50に強固に固定されているため、利用者が所定以上の力で蓋体50を開放することにより、栓体115と注出筒14とを繋ぐ弱化部115bが切断され、図11に示すように、栓体115が蓋体50と一体化した状態で注出筒14から離間する。これによって、注出口14aは開放され、利用者が内容物を利用可能な状態となる。従って、未使用状態において栓体115により密封性を確保しつつ、蓋体50を摘んで引き上げるという簡単な操作で開栓することが可能となる。この蓋体50を引き上げる操作は、プルリングを引っ張って開栓する操作よりも指にかかる負荷が少なく利用者が操作し易いと言える。
また、利用者は、図11のように未開封保証機能を有する弱化部115bが破断したことを視認することで容器が開封されたことを認識することができる。
利用者が容器本体2内の内容物を使い切って容器用キャップ101を分別する際には、まず蓋体50をヒンジ部40周りに回転させて開放し、蓋体50を把持して径方向外側に引っ張る。これによって、ヒンジ部40近傍に設けられた切り欠き部112ct(図8参照)を起点として第1弱化部112c1の一端を切断し、第1弱化部112c1、第2弱化部112c2、第3弱化部112c3の順に切断して外周壁11を内周壁112及び頂壁13から切り離していくことができる。これによって、利用者は、キャップ本体110から定常連結部112f近傍を除く外周壁11の殆ど全ての部分を容易に分断して径方向外側に引き離すことができるので、外周壁11とシール壁16による口部4の挟持を解除して、容器用キャップ101を容器本体2から容易に分別することができる。
以上述べたように、本実施形態では、栓体115は、注出口14aを画定する注出筒14の径方向内側に配置されており、弱化部115bに連なり注出口14aを閉塞する閉塞部115fと、閉塞部115fから上方に立設され突出部115aが形成された立設部115cとを有するように構成した。このような構成の採用によって、弱化部115bの高さ位置を立設部115cの高さ分だけ注出筒14の下部に配置することができるので、内容物を注出筒14から注出させる際の流れを安定化させることができる。
また、本実施形態では、立設部115cの側部には、栓体115の径方向外側に延びる引張リブ115eが形成されるように構成した。このような構成の採用によって、弱化部115bが破断していない容器の未使用状態から蓋体50を持ち上げて開放する際に、栓体115が蓋体50と共に持ち上げられる際の上向きの引っ張り力を弱化部115bに効率よく伝えることができるため、蓋体50を持ち上げることにより弱化部115bを容易に切断することができる。
なお、本実施形態では、図6等に示すように、引張リブ115eをヒンジ部40と対向する側に設けることが望ましいが、立設部115cの側部であれば、どの部分に設けてもよい。
次に、本発明の第3実施形態である容器用キャップ201について、図12から図17を参照して具体的に説明する。なお、本実施形態は、第2実施形態と比較して、栓体215の立設部215cの構成が異なる他は、第2実施形態と近似している。従って、ここでは、第2実施形態との差異点に絞って説明する。また、第1、第2実施形態と機能が共通する部分には、同一の符号を付して説明する。
図12は、本発明の第3実施形態である容器用キャップ201が、これに適合する容器本体2に装着された状態を示す。本実施形態に係る容器用キャップ201は、キャップ本体210と、蓋体50とを備えている。
注出筒14の内面には、注出口14aを閉塞する栓体215が弱化部215bを介して連なっている。図12に示す、弱化部215bが破断していない容器の未使用状態において栓体215は注出口14aを閉塞している。そして、弱化部215bの破断の有無を確認することによって、容器用キャップ201を装着した容器が未開封であるか否かを判断することができる。つまり、本実施形態において、弱化部215bは未開封保証機能を有している。この弱化部215bは、利用者が未使用状態の容器の蓋体50を開放する際に所定の力を作用させることにより容易に破断させることができる程度の断面積を有している。
栓体215は、図12に示すように、弱化部215bに連なり、注出口14aを閉塞する平板状の閉塞部215fと、閉塞部215fから上方に向けて立設された立設部215cとを備えている。本実施形態において、立設部215cは、閉塞部215fから上方に立設された環状の外壁215c2と、外壁215c2の径方向内側において閉塞部215fに対して薄肉部215sにより弾性支持され閉塞部215fから上方に突出する可動立設部215c1とを備えている。また、可動立設部215c1の上部には、径方向外側に突出する突出部215aが設けられている。なお、突出部215aは、必ずしも可動立設部215c1の他の全ての高さ領域と比べて径方向外側に突出している必要はなく、図12に示すように、突出部215aの直下の領域と比べて径方向外側に突出していてもよい。この突出部215aが後述する蓋体50側の蓋体開口52aの周縁部にアンダーカット係合することで栓体215は、蓋体50に強固に固定されている。
また、立設部215c(外壁215c2)におけるヒンジ部40側の側部には、下方に向けて径方向外側に延びる引張リブ215eが設けられている(図12及び図14参照)。この引張リブ215eは、図12に示す、弱化部215bが破断していない容器の未使用状態から蓋体50を持ち上げて開放する際に、栓体215が蓋体50と共に持ち上げられる際の上向きの引っ張り力をヒンジ部40側の弱化部215bに伝える役割を果たしている。この引張リブ215eにより、図12の状態から蓋体50を持ち上げた時に、ヒンジ部40側の弱化部215bを容易に切断することができる。
蓋体50における注出口14aに対応する(水平方向)位置には、天壁52を貫通する蓋体開口52aが設けられている。そして蓋体開口52aの周縁部に形成された環状突部52cには、可動立設部215c1の上部から径方向外側に突出する突出部215aがアンダーカット係合し固定されている。なお、環状突部52cの上面は水平面となっており、環状突部52cと突出部215aとの係合は、利用者が可動立設部215c1の上部を通常の押圧力で押圧しただけでは容易に解除できない強固な係合である。より具体的には、弱化部215bを破断させるのに必要な引張り力よりも大きな押圧力で可動立設部215c1を押圧しないと、環状突部52cと突出部215aとの係合が解除できないようにされている。
次に、栓体215の突出部215aを蓋体50の環状突部52cに係合させて図12に示す未使用状態の容器用キャップ201を構成する手順について説明する。
図13及び図14は、射出成形等によって形成された、栓体215を蓋体50に係合させる前の初期状態の容器用キャップ201を示している。この容器用キャップ201に対して、図15に示すようにヒンジ部40を折り返すことによって蓋体50が注出口14aを覆う位置まで移動させ、可動立設部215c1が蓋体開口52aの直下に配置されるものの未だ突出部215aが環状突部52cと係合していない状態にセットする。
次に、図15の状態から閉塞部215fに弾性支持された可動立設部215c1を上方に押圧することで薄肉部215sを弾性変形させ、図16に示すように可動立設部215c1の上部に設けられた突出部215aを蓋体50の環状突部52cにアンダーカット係合させる。これによって、栓体215は蓋体開口52aから下方に容易に抜け出せない状態となる。
なお、本実施形態では、図16に示すように、蓋体50の天壁52の下面における外壁215c2に対向する2箇所(ヒンジ部40側及びヒンジ部40に対向する側)に、天壁52から下方に突出する凸部52dが設けられている。可動立設部215c1を上方に押圧したとき、外壁215c2がこの凸部52dの下面に当接することで閉塞部215fの上方への移動を制限する。従って、可動立設部215c1を蓋体50に係合させる際に、閉塞部215fが上方に大きく変位して弱化部215bが意図せず切断されてしまうのを抑制することができる。
栓体215を蓋体50に固定した後、キャップ本体210を内容物が充填された容器本体2の口部4に装着することによって、図12に示す未使用状態の容器が完成する。
容器用キャップ201を栓体冶具にセットすることにより栓体冶具に設けられた押圧部が可動立設部215c1の下端部を上方に押圧するように構成してもよい。
初めて容器本体2内の内容物を使用するにあたっては、図12の状態から利用者が蓋体50の摘み部51を指で摘みながらヒンジ部40周りに図17に矢印で示す方向に蓋体50を開放させる。このとき、栓体215は既に蓋体50に強固に固定されているため、利用者が所定以上の力で蓋体50を開放することにより、栓体215と注出筒14とを繋ぐ弱化部215bが切断され、図17に示すように、栓体215が蓋体50と一体化した状態で注出筒14から離間する。これによって、注出口14aは開放され、利用者が内容物を利用可能な状態となる。従って、未使用状態において栓体215により密封性を確保しつつ、蓋体50を摘んで引き上げるという簡単な操作で開栓することが可能となる。この蓋体50を引き上げる操作は、プルリングを引っ張って開栓する操作よりも指にかかる負荷が少なく利用者が操作し易いと言える。
また、利用者は、未開封保証機能を有する弱化部215bが破断したことを視認することで容器が開封されたことを認識することができる。
以上述べたように、本実施形態では、立設部215cは、閉塞部215fから上方に立設された外壁215c2と、外壁215c2の径方向内側において閉塞部215fに対して弾性支持され閉塞部215fから上方に突出する可動立設部215c1とを備え、突出部215aは可動立設部215c1の外側部に形成されるように構成した。このような構成の採用によって、第1及び第2実施形態のように栓体嵌合冶具60又は栓体形成冶具160等の設備を用いることなく、閉塞部215fに弾性支持された可動立設部215c1を上方に押圧するという簡易的な手段によって栓体215を蓋体50に固定することができる。
また、本実施形態では、外壁215c2の側部には、栓体215の径方向外側に延びる引張リブ215eが形成されるように構成した。このような構成の採用によって、栓体215が蓋体50と共に持ち上げられる際の上向きの引っ張り力を外壁215c2の側部の引張リブ215eを介して弱化部215bに効率よく伝えることができる。従って、蓋体50を持ち上げることにより弱化部215bを容易に切断することができる。
なお、本実施形態では、図12等に示すように、引張リブ215eをヒンジ部40側に設けることが望ましいが、外壁215c2の側部であれば、どの部分に設けてもよい。
本開示を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、第1から第3実施形態では、蓋体50がヒンジ部40によりキャップ本体10,110,210に連結され、蓋体50がキャップ本体10,110,210にアンダーカット係合するように構成したが、この態様には限定されない。蓋体50は、例えばねじ係合によってキャップ本体10,110,210に装着されるように構成してもよい。この場合、注出口14a及び栓体15,115,215の中心軸線と、係合ねじの中心軸線とが概ね一致していることが好ましい。
また、第1から第3実施形態では、栓体15,115,215に設けた突出部15a,115a,215aが蓋体開口52aの周縁部に設けた環状突部52cにアンダーカット係合するように構成したが、この態様には限定されない。例えば、環状突部52cを設けずに、栓体15,115,215の突出部15a,115a,215aが蓋体開口52aの周縁部に直接アンダーカット係合するように構成してもよい。
また、第1実施形態では、リング体12と蓋体50とがヒンジ部40を介して連結されるように構成したが、この態様には限定されない。リング体12を設けずに、外周壁11と蓋体50とが直接ヒンジ部40により連結されるように構成してもよい。