JP7233175B2 - プレススルーパッケージ - Google Patents

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Description

本発明は、プレススルーパッケージに関する。
医薬品の錠剤やカプセル等の包装容器として、プレススルーパッケージ(以下、「PTP」と省略する。)が多用されている。PTPは、被包装物が収容される複数のポケット部を備えたシート状容器と、このシート状容器に接着され、ポケット部の開口面を覆う蓋材とを有している。
PTPでは、通常、ポケット部を押し込み、蓋材を破断させつつ錠剤等を押し出すという簡便な作業により、ポケット部内に収容された錠剤等を取り出すことができる。しかし、例えば薬局等において、複数種の医薬品を包装から一度取り出した後、1回に服用する量及び種類ごとに医薬品をまとめて包装し直すことがある。このような場合、PTPに包装された錠剤等を取り出そうとすると、各ポケット部から被包装物である錠剤等を押し出す作業を繰り返し行う必要があった。
かかる問題に対し、シート状容器から蓋材を引き剥がし、複数のポケット部から錠剤等を一括して取り出すことができるPTPが提案されている。例えば、特許文献1には、蓋材と本体とを接着する熱接着層にイージーピール性熱接着層を採用したPTPが記載されている。
特開2010-254315号公報
特許文献1のPTPは、シート状容器から蓋材を引き剥がすことを可能とするために、従来のPTPに比べてシート状容器と蓋材との剥離強度が弱くなっている。そのため、例えば保管中等に蓋材がシート状容器から自然に分離し、両者の間に隙間が形成されやすい。また、蓋材とシート状容器との間に隙間が生じると、ポケット部がこの隙間を介して外部空間に連通することもある。この場合には、上記隙間を介してポケット部に進入した大気によって、被包装物の品質が損なわれるおそれもある。
しかし、保管中等に蓋材がシート状容器から自然に分離することを抑制するために、単純に蓋材の剥離強度を強めると、蓋材をシート状容器から引き剥がすことが難しくなる。それ故、蓋材とシート状容器との剥離強度を強めることには限界があった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、蓋材をシート状容器から引き剥がすことができ、被包装物の品質を長期間に亘って維持することができるPTPを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、被包装物が収容される複数のポケット部を備えたシート状容器と、
上記シート状容器上に配置され、上記複数のポケット部の開口面を覆う蓋材と、
上記シート状容器と上記蓋材との間に介在し、両者を接着するシール層とを有し、
上記蓋材は支持フィルムを有さず、アルミニウム箔を有しており
上記シール層は、強シール部と、上記強シール部に比べて上記シート状容器からの上記蓋材の剥離強度が弱い弱シール部とを有しており、
上記ポケット部の周囲に全周に亘って上記強シール部が配置されており、
上記シール層に占める上記弱シール部の面積比率は20~95%である、プレススルーパッケージ(PTP)にある。
上記PTPは、シート状容器と、このシート状容器にシール層を介して接着された蓋材とを有している。また、シール層は、強シール部と、この強シール部に比べて上記シート状容器からの上記蓋材の剥離強度が弱い弱シール部とを有している。
上記PTPにおける蓋材の平均的な剥離強度、即ち使用者がシート状容器から蓋材を引き剥がして被包装物を取り出す際の剥離のしやすさに相当する剥離強度は、強シール部における剥離強度と弱シール部における剥離強度との中間の値となる。これにより、シート状容器から蓋材を引き剥がす作業を可能としつつ、剥離可能な蓋材を備えた従来のPTPに比べて、強シール部における剥離強度をより強くすることができる。
そして、シール層の一部に強シール部を設けることにより、強シール部において蓋材とシート状容器とが接着された状態を長期間に亘って維持することができる。それ故、上記PTPは、シート状容器からの蓋材の自然な分離を長期間に亘って抑制することができる。
また、例えば弱シール部において何らかの理由によってシート状容器から蓋材が自然に分離した場合には、蓋材とシート状容器の間に隙間が形成され得る。しかし、この場合においても、強シール部において蓋材とシート状容器とが接着されているため、蓋材とシート状容器との隙間がさらに広がることを抑制することができる。
このように、上記PTPは、蓋材をシート状容器から引き剥がすことを可能としつつ、シート状容器からの蓋材の自然な分離を抑制することができる。また、何らかの原因で蓋材の一部が自然に分離した場合にも、蓋材とシート状容器の間の隙間の拡大を抑制することができる。その結果、ポケット部が外部空間に連通することを抑制し、被包装物の品質を長期間に亘って維持することができる。
実施例1における、PTPをシート状容器側から見た平面図である。 図1のII-II線矢視断面図である。 図2における幅方向の端部の拡大図である。 実施例1のシート状容器から蓋材を引き剥がす途中の一部矢視断面図である。 参考例1における、支持フィルムとアルミニウム箔とを有する蓋材をシート状容器から引き剥がす途中の一部矢視断面図(図4に相当する図)である。 参考例2のシート状容器から蓋材を引き剥がす途中の一部矢視断面図(図4に相当する図)である。 実験例1における、剥離強度測定の説明図である。 実験例1における、突刺し強さ測定の説明図である。 強シール部と弱シール部とがPTPの長手方向に対して傾いた方向に延設されたシール層の平面図である。 円形を呈する多数の弱シール部が等間隔に配置されたシール層の平面図である。 弱シール部が格子状に配置されたシール層の平面図である。 強シール部がポケット部の周囲に配置されたシール層の平面図である。 弱シール部が偏って配置されたシール層の平面図である。 環状を呈する強シール部がポケット部の周囲に配置されたシール層の平面図である。 分割線上に強シール部が配置されたシール層の平面図である。 分割線上に弱シール部が配置されたシール層の平面図である。 強シール部が分割線上及びPTPの外周縁部の全周に亘って配置されたシール層の平面図である。 強シール部が分割線上及びPTPの外周縁部の全周に亘って配置されたシール層の別の態様の平面図である。 強シール部及び弱シール部の配置の別の態様の例である。 強シール部及び弱シール部の配置の別の態様の例である。
上記PTPにおいて、シート状容器としては、PTP用として公知のものを採用することができる。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、非晶性ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる厚み60~400μmのシート材をシート状容器に採用することができる。
シート状容器には、周囲よりも陥没している複数のポケット部が設けられている。ポケット部は、平面視において、医薬品の錠剤やカプセル等の被収容物の形状に合致する形状を有している。
シート状容器には、シール層を介して蓋材が接着されている。蓋材の外表面、即ちシール層に接着された面と反対側の面には、白着色層、着色層、文字印刷層、柄印刷層等の、被包装物に関する情報を表示する層や、アンカーコート層、オーバーコート層等の、上述した白着色層等を保護する層が設けられていてもよい。
蓋材は、アルミニウム箔から構成されている。より具体的には、例えば、1000系アルミニウム、3000系アルミニウム合金、8000系アルミニウム合金からなる厚み10~30μmのアルミニウム箔を蓋材とすることができる。また、上記アルミニウム箔は、硬質材であってもよく、軟質材であってもよい。
また、蓋材は、上記シール層上に積層されたアルミニウム箔と、樹脂からなり、上記アルミニウム箔上に設けられた支持フィルムとを有していてもよい。この場合には、支持フィルムを有さない場合に比べて蓋材の引張強さをより強くすることができる。それ故、シート状容器から蓋材を引き剥がす作業において、蓋材が千切れることをより確実に抑制することができる。
また、この場合には、支持フィルムを有さない場合に比べて蓋材の突刺し強さをより強くすることができる。それ故、幼児が誤ってポケット部から被包装物を押し出すことを抑制するチャイルドレジスタンス機能と呼ばれる機能を上記PTPに付与することができる。
支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリカーボネート等の、比較的耐熱性の高い樹脂からなる厚み2~16μmのフィルムを採用することができる。支持フィルムとアルミニウム箔とを接着する方法としては、例えば、ドライラミネート法やウェットラミネート法等の公知の接着方法を採用することができる。
蓋材は、直径1.0mmの半球状の先端を有する試験ツールが50mm/分の速度で押し込まれた際に、3.0~5.0Nの突刺し強さを有していることが好ましい。蓋材の突刺し強さを上記特定の範囲とすることにより、ポケット部を押し込んだ際に、幼児にとって蓋材を破断させることが難しくなる。それ故、幼児が誤ってポケット部から被包装物を押し出すことをより確実に抑制することができる。
蓋材とシート状容器との間には、両者を接着するシール層が介在している。シール層は、接着剤からなる接着剤層のみを有する単層構造を有していてもよく、複数の接着剤層を有する多層構造を有していてもよい。また、シール層は、接着剤層と、接着剤以外の材料からなる層を更に含む多層構造を有していてもよい。上記接着剤としては、例えば、ポリオレフィン系接着剤、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤等の、熱溶着が可能な接着剤を使用することができる。これらの接着剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、シール層には、比較的剥離強度が強い強シール部と、該強シール部よりも剥離強度が弱い弱シール部とが設けられている。
強シール部における剥離強度は、シート状容器の材質やシール層の材質、熱溶着の条件等によって種々の値をとり得る。例えば、塩化ビニルからなる厚み250μmのシート状容器を使用し、温度150℃、圧力0.1MPa、加圧時間1秒の条件で蓋材とシート状容器との熱溶着を行った場合には、移動速度200mm/分での180度剥離試験による剥離強度を7~12N/15mmとすることができる。強シール部における剥離強度が弱くなると、シート状容器から蓋材が自然に分離しやすくなり、両者の間に隙間が生じやすくなる。一方、強シール部における剥離強度が強くなると、蓋材の平均的な剥離強度が上昇し、蓋材を引き剥がすことが難しくなるおそれがある。強シール部における剥離強度を7~12N/15mmとすることにより、蓋材を引き剥がすことを可能としつつ、シート状容器と蓋材とが接着された状態を長期間に亘って維持することができる。
強シール部の形状、個数及び配置は種々の態様を採り得る。例えば、強シール部は、上記PTPの積層方向から見た平面視において、円形、環状、四角形、直線あるいは曲線等の種々の形状を採り得る。また、PTPにおける強シール部の数は、1か所であってもよいし、複数個所であってもよい。強シール部が複数存在する場合には、隣り合う強シール部の間隔を一定にするなどの規則的な配置としてもよいし、無秩序に配置することもできる。
また、強シール部は、上記PTPの積層方向から見た平面視において均一に配置されていてもよいし、偏って配置されていてもよい。強シール部を偏って配置する場合には、例えば、一部の強シール部の間隔を他の強シール部の間隔よりも広くする、あるいは、一部の強シール部を他の強シール部よりも大きくする等の態様を採用することができる。
強シール部は、ポケット部の周囲に全周に亘って配置されている。即ち、ポケット部の周囲の全周が強シール部によって取り囲まれている。そのため、弱シール部において何らかの理由によってシート状容器から蓋材が自然に分離した際に、ポケット部の周囲に配置された強シール部においてシート状容器と蓋材とが接着された状態を維持することができる。その結果、ポケット部が外部空間に連通することをより効果的に抑制し、被包装物の品質をより長期間に亘って維持することができる。
上述のように強シール部を配置する場合、強シール部によって取り囲まれるポケット部の数は、1か所であってもよいし、2か所以上であってもよい。例えば、強シール部は、個々のポケット部の周囲に配置することができる。また、互いに隣り合う2か所以上のポケット部を取り囲むように強シール部を配置してもよいし、PTPに設けられた全てのポケット部を取り囲むように強シール部を配置してもよい。
弱シール部における剥離強度は、強シール部と同様に、シート状容器の材質やシール層の材質、熱溶着の条件等によって種々の値をとり得る。例えば、塩化ビニルからなる厚み250μmのシート状容器を使用し、温度150℃、圧力0.1MPa、加圧時間1秒の条件で蓋材とシート状容器との熱溶着を行った場合には、移動速度200mm/分での180度剥離試験による剥離強度を2~7N/15mmとすることができる。弱シール部における剥離強度が弱くなると、シート状容器から蓋材が自然に分離しやすくなり、両者の間に隙間が生じやすくなる。一方、弱シール部における剥離強度が強くなると、蓋材の平均的な剥離強度が上昇し、蓋材を引き剥がすことが難しくなるおそれがある。弱シール部における剥離強度を2~7N/15mmとすることにより、蓋材を引き剥がすことを可能としつつ、シート状容器と蓋材とが接着された状態を長期間に亘って維持することができる。
シール層に占める弱シール部の面積比率は、20~95%である。シール層に占める弱シール部の面積比率が大きくなると、シート状容器から蓋材が自然に分離しやすくなり、隙間が生じやすくなる。一方、シール層に占める弱シール部の面積比率が小さくなると、蓋材の平均的な剥離強度が上昇し、蓋材を引き剥がすことが難しくなるおそれがある。
従って、シール層に占める弱シール部の面積比率を20~95%とすることにより、蓋材を引き剥がすことを可能としつつ、シート状容器と蓋材とが接着された状態を長期間に亘って維持することができる。シート状容器と蓋材とが接着された状態をより長期間に亘って維持する観点からは、シール層に占める弱シール部の面積比率を20~70%とすることが好ましく、25~65%とすることがより好ましく、30~60%とすることが更に好ましい。
弱シール部の形状、個数及び配置は、上述した強シール部と同様に、種々の態様を採り得る。
弱シール部の剥離強度を強シール部よりも弱くする方法としては、例えば、弱シール部に、強シール部に配置する接着剤よりも剥離強度の弱い接着剤を配置する方法を採用することができる。この場合、強シール部の接着剤と弱シール部の接着剤とを塗り分けて配置してもよいし、強シール部の接着剤を塗布した後に、当該接着剤上に弱シール部の接着剤を積層してもよい。
また、上記シール層は、強シール部及び弱シール部の両方に配置された接着剤層と、弱シール部の上記接着剤層上に配置された接着抑制剤層とを有しており、接着抑制剤層には、上記接着剤層に含まれる樹脂とは異なる樹脂が含まれていてもよい。接着抑制剤層に含まれる樹脂を接着剤層とは異なる樹脂とすることにより、弱シール部における剥離強度を強シール部における剥離強度よりも弱くすることができる。
また、この場合には、PTPの製造工程において、蓋材上に上記の各層を積層するという単純な作業により、強シール部と弱シール部とを備えたシール層を設けることができる。
接着抑制剤層に含まれる樹脂は、接着剤層に含まれる樹脂とは異なっていればよい。例えば、接着剤層に塩化ビニル系接着剤や酢酸ビニル系接着剤を採用した場合には、接着抑制剤層として、ポリオレフィン系樹脂、硝化綿系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ゴム系樹脂、アクリルメラミン系樹脂、エポキシメラミン系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂を含むインキを採用することができる。これらのインキは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、例えば、接着剤層にポリオレフィン系接着剤を採用した場合には、接着抑制剤層として、塩化ビニル系樹脂、硝化綿系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ゴム系樹脂、アクリルメラミン系樹脂、エポキシメラミン系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂を含むインキを採用することができる。これらのインキは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
蓋材とシール層の間には、上述した強シール部及び弱シール部の機能が損なわれない範囲において、白着色層、着色層、文字印刷層、柄印刷層等の、被包装物に関する情報の表示のための層や、アンカーコート層、オーバーコート層等の、上述した白着色層等の保護のための層が設けられていてもよい。
プレススルーパッケージは、他の方向に比べて蓋材を容易に剥離することができるイージーピール方向を有しており、強シール部及び弱シール部は、イージーピール方向に沿って延設されていてもよい。この場合には、蓋材を引き剥がす際に弱シール部が強シール部よりも先にシート状ケースから剥離する。その結果、蓋材がイージーピール方向、即ち弱シール部の延設方向に沿って剥がれるように、蓋材の引き剥がし方向を誘導することができる。
(実施例1)
上記PTPの実施例を、図を用いて説明する。図1及び図2に示すように、PTP1は、被包装物5が収容される複数のポケット部21を備えたシート状容器2と、シート状容器2上に配置され、複数のポケット部21の開口面211を覆う蓋材4と、シート状容器2と蓋材4との間に介在し、両者を接着するシール層3とを有している。また、図1及び図3に示すように、シール層3は、強シール部31と、強シール部31よりも剥離強度が弱い弱シール部32とを有している。
図1に示すように、本例のPTP1は、その積層方向から視た平面視において、略長方形状を呈している。PTP1は、一般的なPTPと同様に、ポケット部21を押し込むことにより、蓋材4を破断させつつ被包装物5をポケット部21から押し出すことができるように構成されている。PTP1は、更に、図4に示すようにシート状容器2から蓋材4を引き剥がし、複数の被包装物5を一括してポケット部21から取り出すことができるようにも構成されている。
本例のシート状容器2は、ポリ塩化ビニルから構成されており、250μmの厚みを有している。図3に示すように、シート状容器2は、シール層3を介して蓋材4に接着されている。
本例の蓋材4は、1N30の硬質材からなる厚み20μmのアルミニウム箔41である。アルミニウム箔41のマット面411は、図2及び図3に示すように、シール層3に接着されている。また、図3に示すように、アルミニウム箔41のブライト面412には、インキ層42及びオーバーコート層43が順次積層されている。なお、便宜上、図2へのインキ層42及びオーバーコート層43の記載は省略した。
インキ層42は、具体的には、白着色層、着色層、文字印刷層、柄印刷層等の、被包装物5に関する情報の表示のための層として構成することができる。また、必要に応じてインキの塗布と乾燥とを繰り返すことにより、インキ層42を多層構造としてもよい。
インキ層42に用いるインキとしては、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、硝化綿系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ゴム系樹脂、アクリルメラミン系樹脂、エポキシメラミン系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂を含むインキを採用することができる。本例のインキ層42は、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合系樹脂を含むインキから構成されている。
オーバーコート層43は、具体的には、インキ層42、即ち白着色層等の、被包装物5に関する情報の表示のための層を保護する機能を有する。オーバーコート層43を構成するコート剤としては、硝化綿系コート剤、エポキシ系コート剤、アクリル系コート剤等の、比較的耐熱性の高いコート剤を使用することができる。本例のオーバーコート層43は、硝化綿メラミンブチラール樹脂を含むコート剤から構成されている。
図3に示すように、シート状容器2と蓋材4との間には、強シール部31と弱シール部32とを備えたシール層3が介在している。図1に示すように、強シール部31は、PTP1の周縁部の全周に亘って配置されている。また、PTP1の周縁部よりも内側において、強シール部31と弱シール部32とが、PTP1の幅方向、即ち長手方向に直交する方向に交互に並んでいる。
図3に示すように、シール層3は、強シール部31及び弱シール部32の両方に配置された接着剤層33と、弱シール部32の接着剤層33上に配置された接着抑制剤層34とを有している。接着抑制剤層34には、接着剤層33に含まれる樹脂とは異なる樹脂が含まれている。
本例の接着抑制剤層34は、アルミニウム箔41のマット面411の一部に積層されており、マレイン酸変性ポリプロピレンを含むインキから構成されている。接着剤層33は、マット面411と接着抑制剤層34との両方を覆い、シート状容器2に接着されている。また、接着剤層33は、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体とポリエステル樹脂とを含み、熱溶着が可能な接着剤から構成されている。
図4に示すように、本例の蓋材4をシート状容器2から引き剥がした場合、強シール部31においては、接着剤層33とアルミニウム箔41との界面で蓋材4がシート状容器2から分離する。また、弱シール部32においては、接着剤層33と接着抑制剤層34との界面で蓋材4がシート状容器2から分離する。
より詳細に説明すると、図3に示すように、強シール部31においては、蓋材4のアルミニウム箔41とシート状容器2とが、接着剤層33により直接接着されている。そのため、PTP1の積層方向において、強シール部31には、シート状容器2と接着剤層33との界面、及び、接着剤層33とアルミニウム箔41との界面の2つの界面が存在している。
そして、本例のように、接着剤層33に塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体とポリエステル樹脂とを含む接着剤を採用した場合には、シート状容器2と接着剤層33との間の剥離強度よりも接着剤層33とアルミニウム箔41との間の剥離強度の方が小さくなる。そのため、シート状容器2から蓋材4を引き剥がした場合、強シール部31においては、接着剤層33とアルミニウム箔41との界面で蓋材4がシート状容器2から分離する(図4参照)。
また、図3に示すように、弱シール部32においては、シート状容器2の上に、接着剤層33、接着抑制剤層34及びアルミニウム箔41が順次積層されている。そのため、PTP1の積層方向において、弱シール部32には、シート状容器2と接着剤層33との界面、接着剤層33と接着抑制剤層34との界面、及び、接着抑制剤層34とアルミニウム箔41との界面の3つの界面が存在している。
そして、接着剤層33と接着抑制剤層34とを本例の組み合わせとした場合には、上記3つの界面のうち、接着剤層33と接着抑制剤層34との界面の剥離強度が最も弱くなる。そのため、シート状容器2から蓋材4を引き剥がした場合、弱シール部32においては、接着剤層33と接着抑制剤層34との界面で蓋材4がシート状容器2から分離する(図4参照)。
本例のPTP1は、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、予め準備したアルミニウム箔41のブライト面412に塩化ビニル-酢酸ビニル系樹脂を含むインキを塗布する。インキの塗布量は、例えば、0.1~10g/m2の範囲で適宜設定することができる。乾燥オーブンを用いてこのインキを乾燥させ、ブライト面412上にインキ層42を形成する。
次に、インキ層42上にコート剤を塗布する。コート剤の塗布量は、0.1~10g/m2の範囲で適宜設定することができる。乾燥オーブンを用いてコート剤を乾燥させ、インキ層42上にオーバーコート層43を形成する。
その後、アルミニウム箔41のマット面411の一部に、マレイン酸変性ポリプロピレンを含むインキを塗布する。このインキの塗布量は、0.1~10g/m2の範囲で適宜設定することができる。乾燥オーブンを用いてこのインキを乾燥させ、マット面411の一部に接着抑制剤層34を形成する。
次いで、マット面411上に塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体とポリエステル樹脂とを含む接着剤を塗布し、マット面411と接着抑制剤層34とを接着剤で被覆する。接着剤の塗布量は、例えば、1~10g/m2の範囲で適宜設定することができる。その後、乾燥オーブンを用いて接着剤を乾燥させ、接着剤層33を形成する。
以上により、蓋材4上に、接着剤層33と接着抑制剤層34とを備えたシール層3を形成することができる。その後、別途準備したシート状容器2を熱溶着によりシール層3に接着する。以上により、PTP1を得ることができる。
次に、本例の作用効果を説明する。PTP1は、シート状容器2と、このシート状容器2にシール層3を介して接着された蓋材4とを有している。また、シール層3は、強シール部31と、この強シール部31に比べてシート状容器2からの蓋材4の剥離強度が弱い弱シール部32とを有している。
そのため、PTP1における蓋材4の平均的な剥離強度、即ち使用者がシート状容器2から蓋材4を引き剥がして被包装物5を取り出す際の剥離のしやすさに相当する剥離強度は、強シール部31における剥離強度と弱シール部32における剥離強度との中間の値となる。これにより、シート状容器2から蓋材4を引き剥がす作業を可能としつつ、剥離可能な蓋材4を備えた従来のPTP1に比べて、強シール部31における剥離強度をより強くすることができる。
そして、シール層3の一部に強シール部31を設けることにより、強シール部31において蓋材4とシート状容器2とが接着された状態を長期間に亘って維持することができる。それ故、PTP1は、シート状容器2からの蓋材4の自然な分離を長期間に亘って抑制することができる。
また、例えば弱シール部32において何らかの理由によってシート状容器2から蓋材4が自然に分離した場合には、蓋材4とシート状容器2の間に隙間が形成され得る。しかし、この場合においても、強シール部31において蓋材4とシート状容器2とが接着されているため、蓋材4とシート状容器2との隙間がさらに広がることを抑制することができる。
以上の結果、PTP1は、蓋材4をシート状容器2から引き剥がすことを可能としつつ、シート状容器2からの蓋材4の自然な分離を抑制することができる。また、何らかの原因で蓋材4の一部が自然に分離した場合にも、蓋材4とシート状容器2の間の隙間の拡大を抑制することができる。その結果、ポケット部21が外部空間に連通することを抑制し、被包装物5の品質を長期間に亘って維持することができる。
また、本例のシール層3は、強シール部31及び弱シール部32の両方に配置された接着剤層33と、弱シール部32の接着剤層33上に配置された接着抑制剤層34とを有している。そして、接着抑制剤層34には、接着剤層33に含まれる樹脂とは異なる樹脂が含まれている。これにより、弱シール部32における剥離強度を強シール部31における剥離強度よりも弱くすることができる。また、PTP1の製造工程において、蓋材4上に接着抑制剤層34と接着剤層33とを順次積層するという単純な作業により、強シール部31と弱シール部32とを備えたシール層3を設けることができる。
本例の強シール部31は、PTP1の周縁部の全周に亘って配置されている。これにより、PTP1における全てのポケット部21が強シール部31によって取り囲まれている。そのため、弱シール部32において何らかの理由によってシート状容器2から蓋材4が自然に分離した際に、ポケット部21の周囲に配置された強シール部31においてシート状容器2と蓋材4とが接着された状態を維持することができる。その結果、ポケット部21が外部空間に連通することをより効果的に抑制し、被包装物の品質をより長期間に亘って維持することができる。
また、PTP1において、シート状容器2から蓋材4を引き剥がす際には、弱シール部32が強シール部31よりも先にシート状容器2から剥離する。本例の強シール部31及び弱シール部32は、PTP1の周縁部よりも内側においてPTP1の長手方向に延設されているため、蓋材4は、弱シール部32の延設方向であるPTP1の長手方向に沿って剥離される。このように、本例のPTPは、長手方向がイージーピール方向となり、長手方向に沿って蓋材4を引き剥がすように、蓋材4を引き剥がす方向を誘導することができる。
参考例1
本例は、アルミニウム箔41と支持フィルム45とが積層された蓋材402を有するPTP102の例である。なお、本参考例以降において用いる符号のうち、既出の実施例及び参考例において用いた符号と同一のものは、特に説明のない限り、既出の実施例及び参考例における構成要素等と同様の構成要素等を表す。
図5に示すように、本例の蓋材402は、シール層3上に積層されたアルミニウム箔41と、樹脂からなり、アルミニウム箔41上に設けられた支持フィルム45とを有している。支持フィルム45とアルミニウム箔41との間には、アルミニウム箔41上に積層されたインキ層42と、インキ層42と支持フィルム45との間に介在するラミネート層44とが設けられている。
本例のアルミニウム箔41は、1N30の硬質材からなり、20μmの厚みを有している。本例のインキ層42は、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合系樹脂を含むインキから構成されている。ラミネート層44は、ポリエステル-ポリウレタン樹脂を含むドライラミネート用の接着剤から構成されている。支持フィルム45は、ポリエチレンテレフタレートから構成されており、3.5μmの厚みを有している。その他は実施例1と同様である。
本例のPTP102は、例えば、以下の方法により作製することができる、まず、予め準備したアルミニウム箔41のブライト面412に、塩化ビニル-酢酸ビニル系樹脂を含むインキを塗布し、このインキを乾燥オーブンで乾燥させることによりインキ層42を形成する。
次に、インキ層42上に、ポリエステル-ポリウレタン樹脂を含むドライラミネート用の接着剤を塗布し、ラミネート層44を形成する。この接着剤の塗布量は、例えば、1~10g/m2の範囲で適宜設定することができる。
次いで、ドライラミネート法により、ラミネート層44上に支持フィルム45を貼り合わせる。
その後、実施例1と同様に、アルミニウム箔41のマット面411上にシール層3及びシート状容器2を順次積層することにより、PTP102を得ることができる。
本例の蓋材402は、シール層3上に積層されたアルミニウム箔41と、樹脂からなり、アルミニウム箔41上に設けられた支持フィルム45とを有している。そのため、支持フィルム45を有さない場合に比べて蓋材402の引張強さをより強くすることができる。それ故、シート状容器2から蓋材402を引き剥がす作業において、蓋材402が千切れることをより確実に抑制することができる。
また、PTP102は、支持フィルム45を有さない場合に比べて蓋材402の突刺し強さをより強くすることができる。それ故、チャイルドレジスタンス機能、即ち幼児が誤ってポケット部21から被包装物5を押し出すことを抑制する機能をPTP102に付与することができる。その他、本例のPTP102は、実施例1と同様の作用効果を奏する。
参考例2
本例は、接着抑制剤層343に含まれる樹脂を変更したPTP103の例である。本例のPTP103は、接着抑制剤層343に塩化ビニル-アミノ樹脂を含むインキを採用した以外は、参考例1と同様の構成を有している。
本例のPTP103においてシート状容器2から蓋材402を引き剥がした場合、強シール部31においては、参考例1と同様に、接着剤層33とアルミニウム箔41との界面で蓋材402がシール層3から分離する(図6参照)。
一方、弱シール部32には、シート状容器2と接着剤層33との界面、接着剤層33と接着抑制剤層343との界面、及び、接着抑制剤層343とアルミニウム箔41との界面の3つの界面が存在している。
そして、接着剤層33と接着抑制剤層343とを本例の組み合わせとした場合には、上記3つの界面のうち、接着抑制剤層343とアルミニウム箔41との界面の剥離強度が最も弱くなる。そのため、シート状容器2から蓋材402を引き剥がした場合、弱シール部32においては、接着抑制剤層343とアルミニウム箔41との界面で蓋材402がシール層3から分離する(図6参照)。
本例のPTP103においては、蓋材402のアルミニウム箔41と接着抑制剤層343との剥離強度が、接着抑制剤層343と接着剤層33との剥離強度よりも小さい。そのため、蓋材402を引き剥がした際に、接着抑制剤層343とアルミニウム箔41との界面で蓋材402がシート状容器2から分離し、接着抑制剤層343がシート状容器2に付着する。この場合にも、参考例1と同様の作用効果を奏することができる。
実験例1
本例では、上記PTPの蓋材を模擬した試験材を作製し、シート状容器からの蓋材の剥離強度及び突刺し強さを測定した。本例において作製した試験材の構成及び作成方法を以下に説明する。
・試験材A1
試験材A1は、実施例1のPTP1における強シール部を模擬するための試験材である。試験材A1の作製に当たっては、まず、1N30の硬質材からなり、20μmの厚みを有するアルミニウム箔を準備した。このアルミニウム箔のブライト面に塩化ビニル-酢酸ビニル系樹脂を含むインキを塗布した。このインキの塗布量は1g/m2とした。その後、乾燥オーブンを用いてインキを乾燥させ、ブライト面上にインキ層を形成した。
次いで、インキ層の上に硝化綿メラミンブチラール樹脂を含むコート剤を塗布した。コート剤の塗布量は1.5g/m2とした。その後、乾燥オーブンを用いてコート剤を乾燥させ、インキ層上にオーバーコート層を形成した。
次に、アルミニウム箔のマット面上に、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体及びポリエステル樹脂を含む接着剤を塗布した。この接着剤の塗布量は3.5g/m2とした。
その後、乾燥オーブンで接着剤を乾燥させてマット面上に接着剤層を形成した。以上により、試験材A1を得た。
・試験材A2
試験材A2は、実施例1のPTP1における弱シール部を模擬するための試験材である。試験材A2の作製に当たっては、試験材A1と同様の手順により、アルミニウム箔のブライト面上にインキ層及びオーバーコート層を積層した。
次いで、アルミニウム箔のマット面上に、マレイン酸変性ポリプロピレンを含むインキを塗布した。このインキの塗布量は1g/m2とした。乾燥オーブンを用いてこのインキを乾燥させることにより、マット面上に接着抑制剤層を形成した。
次に、接着抑制剤層上に、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体及びポリエステル樹脂を含む接着剤を塗布した。この接着剤の塗布量は3.5g/m2とした。その後、乾燥オーブンを用いて接着剤を乾燥させることにより、接着抑制剤層上に接着剤層を形成した。以上により、試験材A2を得た。
・試験材B1
試験材B1は、参考例1のPTP102における強シール部を模擬するための試験材である。試験材B1の作製に当たっては、まず、1N30の硬質材からなり、20μmの厚みを有するアルミニウム箔を準備した。このアルミニウム箔のブライト面に塩化ビニル-酢酸ビニル系樹脂のインキを塗布した。このインキの塗布量は1g/m2とした。その後、乾燥オーブンを用いてインキを乾燥させ、ブライト面上にインキ層を形成した。
次いで、インキ層の上にポリエステル-ポリウレタン樹脂を含むドライラミネート用の接着剤を塗布し、ラミネート層を形成した。この接着剤の塗布量は3.5g/m2とした。
次いで、ドライラミネート法により、ラミネート層上に支持フィルムを貼り合わせた。本例の支持フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(東レ株式会社製「ルミラー(登録商標)F-51」からなり、3.5μmの厚みを有している。
その後、試験材A1と同様の手順により、アルミニウム箔のマット面上に接着剤層を積層した。以上により、試験材B1を得た。
・試験材B2
試験材B2は、参考例1のPTP102における弱シール部を模擬するための試験材である。試験材B2の作製に当たっては、試験材B1と同様の手順により、アルミニウム箔のブライト面上に柄印刷層、ラミネート層及び支持フィルムを順次積層した。
その後、試験材A2と同様の手順により、アルミニウム箔のマット面上に、接着抑制剤層及び接着剤層を順次積層した。以上により、試験材B2を得た。
・試験材C1
試験材C1は、参考例2のPTP103における強シール部を模擬するための試験材である。試験材C1の作製方法は、試験材B1と同様である。
・試験材C2
試験材C2は、参考例2のPTP103における弱シール部を模擬するための試験材である。試験材C2の作製方法は、マット面上に塗布するインキを塩化ビニル-アミノ樹脂を含むインキに変更した以外は、試験材B2と同様である。
以上により得られた試験体を用い、シート状容器からの剥離強度及び突刺し強さの測定を行った。
・剥離強度
塩化ビニル(住友ベークライト株式会社製「VSS-1101」)からなる厚み250μmの樹脂シートに、各試験材を熱溶着により接着した。熱溶着は株式会社安田精機製作所製No.212YSSヒートシーラーを用いて行い、熱溶着の条件は、温度150℃、圧力0.1MPa、加圧時間1秒とした。そして、樹脂シートと試験材との積層体から幅15mmの短冊状試験片を採取した。
万能試験機(株式会社島津製作所製オートグラフ(登録商標)AG-X)を用い、以下の手順で短冊状試験片の剥離強度を測定した。まず、図7に示すように、短冊状試験片100の樹脂シート200における長手方向の両端201(201a、201b)を治具61に固定した。この短冊状試験片100の長手方向の一端201aから試験材400を引き剥がし、チャック62に固定した。そして、チャック62を長手方向と平行な方向に移動させ、剥離角度が180°となるように試験材400を引き剥がした(矢印621)。チャック62の移動速度は200mm/分とした。
チャック62を移動させている間、チャック62に加わる荷重をロードセルにより測定し、荷重の平均値を樹脂シート200からの試験材400の剥離強度(N/15mm)とした。以上の測定を各試験材400について5回ずつ実施した。表1に、5回の測定により得られた剥離強度の平均値を示す。
・突刺し強さ
レオメータ(株式会社サン化学製CR-200D/CR-150)を用い、以下の手順で試験材の突刺し強さを測定した。まず、図8に示すように、内径30mmの穴711を有する下側治具71の上に試験材400を載置した。次いで、試験材400上に内径25mmの穴721を有する上側治具72を載置し、上側治具72と下側治具71との間に試験材400を挟み込んだ。このとき、下側治具71の穴711の中心と上側治具72の穴721の中心とが一致するように両治具71、72の位置を調整した。
直径1mmの半球状の先端731を有する試験ツール73を上側治具72の穴721に挿入し、試験材400が破断するまで試験ツール73を押し込んだ(矢印732)。試験ツールの移動速度は50mm/分とした。試験材400が破断するまでの間、試験ツール73に加わる荷重をロードセルにより測定し、各測定における荷重の最大値を突刺し強さ(N)とした。以上の測定を各試験材400について5回ずつ実施した。表1に、5回の測定により得られた突刺し強さの平均値を示す。
Figure 0007233175000001
表1に示すように、接着剤層とアルミニウム箔とが直接接着されている試験材A1、B1、C1は、接着剤層とアルミニウム箔との間に接着抑制剤層が介在している試験材A2、B2、C2に比べて剥離強度が強くなった。これらの結果から、実施例1及び参考例1~2のPTP1、102、103では、接着抑制剤層34、343が設けられた部分が弱シール部32となり、接着抑制剤層34、343を有さない部分が強シール部31となることが理解できる。
また、支持フィルムを備えた試験材B1、B2、C1、C2は、支持フィルムを有さない試験材A1、A2に比べて突刺し強さが強くなった。更に、試験材B1、B2、C1、C2の突刺し強さは3.0~5.0Nとなった。それ故、支持フィルム45を備えた参考例1、2のPTP102、103は、チャイルドレジスタンス機能を備えていることが理解できる。
実験例2
本例では、表2に示す厚みを有するアルミニウム箔を用いて上記PTPの蓋材を模擬した試験材を作製し、蓋材の突刺し強さを測定した。本例において作製した試験材D1、E1、F1は、表2に示す厚みを備えたアルミニウム箔を使用した以外は、試験材A1と同様の構成を有している。また、試験材D2、E2、F2は、表2に示す厚みを備えたアルミニウム箔を使用した以外は、試験材A2と同様の構成を有している。
これらの試験材について、実験例1と同様の方法により突刺し強さの測定を行った。各試験材の突刺し強さは表2に示す通りであった。
Figure 0007233175000002
表2に示したように、試験材D1、D2、E1、E2、F1、F2は、試験材A1、A2に比べて厚いアルミニウム箔を使用したため、試験材A1、A2に比べて突刺し強さが強くなった。更に、試験材D1、D2、E1、E2、F1、F2の突刺し強さは3.0~5.0Nとなった。これらの結果から、アルミニウム箔の厚みを厚くすることによってもPTPにチャイルドレジスタンス機能を付与できることが理解できる。
本発明に係るPTPは、上述した実施例及び参考例の態様に限定されるものではなく、その趣旨を損なわない範囲において適宜構成を変更することができる。例えば、実施例1及び参考例1~2においては、強シール部31と弱シール部32とが縞状に配置され、蓋材4の引き剥がし方向をPTP1の長手方向に誘導するシール層3の例を示したが、強シール部31と弱シール部32との配置はこれに限られるものではない。
例えば図9に示すように、強シール部31と弱シール部32とは、PTP1の長手方向に対して傾いた方向に延設されていてもよい。この場合には、強シール部31及び弱シール部32の延設方向がイージーピール方向となり、蓋材4の引き剥がし方向をイージーピール方向に誘導することができる。
また、シール層3は、例えば、円形を呈する多数の弱シール部32が等間隔に配置された態様(図10参照)や、弱シール部32が格子状に配置された態様(図11参照)、ポケット部21の周囲を強シール部31とし、強シール部31よりも外方を弱シール部32とする態様(図12参照)とすることができる。また、シール層3は、例えば図13に示すように、PTP1の長手方向における一方の端部に円形を呈する弱シール部32が偏って配置された態様としてもよい。また、シール層3は、図14に示すように、ポケット部21の周囲に環状を呈する強シール部31が配置された態様とすることもできる。
PTP1におけるシート状容器2には、シート状容器2を小片に分割するための分割線22が設けられていてもよい。分割線22は、例えば、シート状容器2を貫通して形成されたミシン目であってもよいし、シート状容器2の厚み方向に入れられたノッチであってもよい。シート状容器2が分割線22を有する場合には、例えば、図15に示すように、強シール部31を分割線22と重なるように配置してもよいし、図16に示すように、分割線22と重なるように弱シール部32を配置するとともに、当該弱シール部32の両側に強シール部31を配置してもよい。
分割線22がミシン目である場合には、分割線22上の強シール部31の形状を直線以外の形状とすることもできる。例えば図17に示すように、分割線22上の強シール部31は、ポケット部21の近傍において幅が太くなり、ポケット部21から離れるほど幅が細くなるように、分割線22に沿う方向の位置に応じて異なる幅を有していてもよい。
また、強シール部31は、例えば図17及び図18に示すように、PTP1の外周縁部の全周に亘って配置されていてもよい。シート状容器2が分割線22を有する場合には、強シール部31を分割線22上または分割線22の両側に加えてPTP1の外周縁部の全周にも配置することにより、分割後のPTP1の各小片において、ポケット部21の外周全体に強シール部31を配置することができる。その結果、PTP1を小片に分割した後においてもシート状容器2と蓋材4との接着を維持することができる。
また、図19及び図20に示すように、PTP1の長手方向における中央部の分割線22a上に弱シール部32を配置し、他の分割線22b上に強シール部31を配置することもできる。
また、図9、図10、図12及び図13~図20に示した態様は、1か所以上のポケット部21において、強シール部31が各ポケット部21の周囲に全周に亘って配置されている。そのため、当該ポケット部21が外部空間に連通することをより効果的に抑制し、被包装物の品質をより長期間に亘って維持することができる。
更に、上述した実施例1及び参考例1~2や図9~図13に示した態様における強シール部31と弱シール部32とを入れ替えた態様とすることも可能である。
1、102、103 プレススルーパッケージ
2 シート状容器
21 ポケット部
211 開口面
3 シール層
31 強シール部
32 弱シール部
4 蓋材

Claims (5)

  1. 被包装物が収容される複数のポケット部を備えたシート状容器と、
    上記シート状容器上に配置され、上記複数のポケット部の開口面を覆う蓋材と、
    上記シート状容器と上記蓋材との間に介在し、両者を接着するシール層とを有し、
    上記蓋材は支持フィルムを有さず、アルミニウム箔を有しており
    上記シール層は、強シール部と、上記強シール部に比べて上記シート状容器からの上記蓋材の剥離強度が弱い弱シール部とを有しており、
    上記ポケット部の周囲に全周に亘って上記強シール部が配置されており、
    上記シール層に占める上記弱シール部の面積比率は20~95%である、プレススルーパッケージ。
  2. 上記シール層は、上記強シール部及び上記弱シール部の両方に配置された接着剤層と、上記弱シール部の上記接着剤層上に配置された接着抑制剤層とを有しており、上記接着抑制剤層には、上記接着剤層に含まれる樹脂とは異なる樹脂が含まれている、請求項1に記載のプレススルーパッケージ。
  3. 上記蓋材は、直径1.0mmの半球状の先端を有する試験ツールが50mm/分の速度で押し込まれた際に、3.0~5.0Nの突刺し強さを有している、請求項1または2に記載のプレススルーパッケージ。
  4. 上記プレススルーパッケージは、他の方向に比べて上記蓋材を容易に剥離することができるイージーピール方向を有しており、上記強シール部及び上記弱シール部は、上記イージーピール方向に沿って延設されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のプレススルーパッケージ。
  5. 上記プレススルーパッケージは、上記シート状容器から上記蓋材を引き剥がし、複数の上記被包装物を一括して上記ポケット部から取り出すことができるように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のプレススルーパッケージ。
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