JPH0430141Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、薬品や、ケチヤツプ、マヨネーズ
などの分包に適した包装体に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

上記のような物品の分包には、収納凹所を設け
たシート或は平坦なシートを２枚対向させて周囲
をヒートシールした包装形態が一般に用いられ
る。

そして、前記のような物品は、光や空気、水分
などによつて変質し易いため、バリヤー性の高い
包装体が求められるため、前記シート自体、バリ
ヤー性が良好で、しかもヒートシール部も出来る
だけ密封性が良好であることが望ましい。

しかるに、密封性を高めると、開封時に手で剥
離して開封するのが容易でなく、刃物やハサミが
必要となり、不便である。

そこで、この考案の目的は、バリヤー性、密封
性に優れ、かつ開封が容易な包装体を提供するこ
とにある。

〔目的達成の手段〕

上記の目的を達成するため、この考案は、シー
トを２枚対向させて周囲をヒートシールし、その
内部に物品を収納した包装体において、前記シー
トは、内面がヒートシール性を有しかつベースフ
イルムを含む基材と、バリヤー性を有する外面剥
離層とを、接着剤層及び接着力の弱い樹脂層を介
して積層した積層体より成り、前記基材の少くと
もベースフイルムを貫通し、前記物品の収納部分
全体にわたつて延びる不連続切り目を設けてある
ことを特徴とする。

〔作用〕

外面剥離層がバリヤー性を有するので、包装体
自体は優れたバリヤー性を発揮する。

そして、収納物品を取り出す際には、上記のよ
うに、接着剤層の界面に、接着力の弱い樹脂層が
介在しているので、外面剥離層を基材から剥離す
ることができ、剥離が完了すると基材のみから成
る包装体が残る。ところが、基材のベースフイル
ムに前述のような不連続貫通切り目が設けてある
ので、この切り目に沿つて基材を手で破断する
と、裂け目又は開口が形成される。そこから、収
納物品を取り出せばよい。

〔実施例〕

まず、包装体を形成するシートについて説明す
る。

第１図に示すように、シート１は、合成樹脂基
材２と外面剥離挿３を、比較的接着強度の弱い樹
脂層４及び接着剤層５を介して積層したものであ
る。

前記基材２は、第２図に示すように、ポリエス
テル、ナイロン（商品名）、ポリプロピレンフイ
ルムなどのベースフイルム２１の外面に、ヒート
シール層２２を設けたものであるが、ベースフイ
ルム２１にヒートシール性があれば、層２２を省
略することができる。

前記外面剥離層３は、合成樹脂フイルムや金属
箔などの単体や複合体、いずれでもよい。第３図
及び第４図にその例を示す。図中、１１は、金属
箔や金属蒸着フイルムのような金属薄膜、１２は
印刷層、１３は表面保護層、１４は補強層であ
る。

前記樹脂層４は、比較的接着強度の弱い樹脂、
例えばアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコー
ン樹脂、ビニル樹脂などの単体或は混合物から成
り、これらの樹脂を部分的に塗布（パートコー
ト）することによつて形成するのがよい。その塗
布パターンの一例を第５図イ，ロ，ハに示す。図
示のように、樹脂の塗布されていない部分が線
状、点状、格子状などの模様を形成している。な
お、場合によつては、樹脂を全面塗布して、層４
を形成してもよい。また、層４は、第１図のよう
に、基材２の面に設けてもよいが、剥離層３に設
けてもよい。要は、接着剤層５の界面に、樹脂層
４が存在すればよい。

次に、前記基材２を貫通するか、或は少くとも
ベースフイルム２１を貫通する不連続切り目８が
設けられている。この切り目８の形状は、第６図
イのように、いわゆるミシン目のほか、第６図
ロ，ハ，ニのような種々の形状を採りうる。勿
論、その他の形状であつてもよい。

次に、上記のシート１を用いて、包装体を形成
した例を第７図及び第８図に示す。

図示のように、予め成形によつて収納凹所６を
形成し、同形のシート１を対向して重ね合せ、凹
所６の周囲をヒートシールして、物品収納部７を
形成し、物品Ａを封入する。図中９は、接着剤欠
除部（第１図参照）、１０はヒートシール部であ
る。

この包装体を開封するには、接着剤欠除部９に
おいて、外面剥離層３を引き起こし、そのまま上
方に引張ると、基材２を剥離層３の接着強度が樹
脂層４によつて弱くなつているので、剥離層３が
基材２から剥離される。そこで、露出した基材２
の切り目８に沿つて、基材を破断すると、収納部
７が２分割されるので、物品Ａを取り出すことが
できる。

前記凹所６は、必ずしも設ける必要はなく、収
納物品の性状、包装方法などによつて、任意に選
択すればよい。

前記ヒートシール部１０によつて画される収納
部７の平面形状は、任意である。例えば、第９図
のようなほぼ長方形、第１０図のような瓶形な
ど、種々選択することができる。また、収納部７
の個数も、任意である。一連のシートに、複数個
設けてもよい。

前記切り目８は、第８図乃至第９図に示すよう
に、収納部７の任意個所を、単列または複数例で
横断又は縦断する直線状のもののほか、斜断する
ものでもよく、また曲線であつてもよい。要は、
収納部７の周縁から他の周縁まで延びるものであ
ればよい。

〔効果〕

この考案によれば、以上のように、基材バリヤ
ー性を有する外面剥離層を積層して、その基材の
少なくともベースフイルムを貫通する不連続切り
目を設けたので、切り目によつてバリヤー性が阻
害されるおそれが全くなく、また取り扱い中の衝
撃等によつて切り目から破断が生じることもな
く、さらに、外面剥離層か包装体全面を被つてい
るので、子供等による誤開封を防止することがで
きる。

そのほか、バリヤー性を完全なものにするた
め、外面剥離層に金属箔を用いても、使用時には
これが除去され、内面の基材に切り目が設けてあ
るので、開封が極めて容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の包装体を形成するシートの
例を示す断面図、第２図は同上の基材の構成を示
す断面図、第３図及び第４図は外面剥離層の構造
例を示す断面図、第５図は同上のシート蓋材のう
ち接着力の弱い樹脂層のパターンを示す平面線
図、第６図は切りり目８の形状を示す平面図、第
７図は包装体の一例を示す断面図、第８図は同上
の平面図、第９図及び第１０図は包装体の他の例
を示す平面図である。 １……シート、２……基材、３……外面剥離
層、４……接着力の弱い樹脂層、５……接着剤
層、７……物品収納部、８……不連続切り目、１
０……ヒートシール部、２１……ベースフイル
ム、２２……ヒートシール層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートを２枚対向させて周囲をヒートシール
   し、その内部に物品を収納した包装体において、
   前記シートは、内面がヒートシール性を有しかつ
   ベースフイルムを含む基材と、バリヤー性を有す
   る外面剥離層とを、接着剤層及び接着力の弱い樹
   脂層を介して積層した積層体より成り、前記基材
   の少くともベースフイルムを貫通し、前記物品の
   収納部分全体にわたつて延びる不連続切り目を設
   けてあることを特徴とする包装体。