JP7060598B2 - ボールエンドミル - Google Patents

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Description

本発明は、ボールエンドミルに関するものである。
近年、ボールエンドミルとして、仕上げ加工を目的として先端部を半球状にしたものが提案されている(特許文献1等参照)。
特開2016-112678号公報
ところで、上記特許文献1等に開示される先端部が半球状のボールエンドミルにおいては、ボール刃が存在しないため、切り込み量が極めて小さく、実質的には切削加工が行えないという問題点がある。
また、先端部にチゼルエッジが存在しないため、先端部の切削抵抗が大きくなり、工具の破損や先端部で加工されるワーク表面の性状悪化の原因となる。
本発明は、上述の問題点を解決したもので、切削加工及び磨き加工の双方を良好に行え、しかも、先端部の切削抵抗が小さい実用的なボールエンドミルを提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
本発明の第一の態様は、工具本体1の外周に、工具先端から基端側に向かう複数の切り屑排出溝2が形成され、この切り屑排出溝2のすくい面3と前記工具本体1の先端球状面4との交差稜線部にボール刃5,6が設けられたボールエンドミルであって、工具回転中心Oが先端球状面4上に存在し、工具先端視において一の前記ボール刃5にして工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離Xが、他の前記ボール刃6の同距離Yより小さくなるように設定された中心寄りボール刃5を有するものであることを特徴とするボールエンドミルに係るものである。
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様において、前記先端球状面4は前記ボール刃5,6により切削された面に摺接するものであることを特徴とするボールエンドミルに係るものである。
また、本発明の第三の態様は、前記第一,第二のいずれかの態様において、前記先端球状面4の工具回転方向後方側には逃げ面7が連設されていることを特徴とするボールエンドミルに係るものである。
また、本発明の第四の態様は、前記第一~第三のいずれかの態様において、前記先端球状面4の刃直角方向の幅Wは工具外径の0.5%以上25%以下であることを特徴とするボールエンドミルに係るものである。
また、本発明の第五の態様は、前記第一~第三のいずれかの態様において、前記先端球状面4の刃直角方向の幅Wは工具外径の2.5%以上20%以下であることを特徴とするボールエンドミルに係るものである。
また、本発明の第六の態様は、前記第一~第五のいずれかの態様において、前記中心寄りボール刃5の前記工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離Xは、工具外径の0%を超え3%以下であることを特徴とするボールエンドミルに係るものである。
また、本発明の第七の態様は、前記第一~第六のいずれかの態様において、前記中心寄りボール刃5でない他の前記ボール刃6の前記工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離Yは、工具外径の2%以上10%以下で且つ前記中心寄りボール刃5の前記工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離Xの1.3倍以上であることを特徴とするボールエンドミルに係るものである。
また、本発明の第八の態様は、前記第一~第七のいずれかの態様において、前記ボール刃の数は、2乃至4であることを特徴とするボールエンドミルに係るものである。
本発明は上述のように構成したから、切削加工及び磨き加工の双方を良好に行え、しかも、先端部の切削抵抗が小さい実用的なボールエンドミルとなる。
本実施例の概略説明正面図である。 本実施例の概略説明側面図である。 加工面の比較写真である。 別例1の概略説明正面図である。 別例2の概略説明正面図である。 別例3の概略説明正面図である。 実験結果を示す表である。 実験条件を示す表、実験結果を示すグラフ及び写真である。 実験結果を示す表である。 実験結果を示す表である。 球状面を確認する方法の一例を示す説明図である。 高さの理論値hを示す説明図である。 測定装置による実際の測定画面の一例を示す説明図である。 近似直線の傾きを説明する説明図である。 ボールエンドミルの先端のRの測定方法の一例を示す説明図である。 測定結果を示す表である。 測定結果を示す表である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
ボール刃5,6により切削加工が行われると共に、先端球状面4により磨き加工が行われる。即ち、ワーク表面を切削すると共に切削面を擦ることで、表面粗さが小さく、且つ、光沢のある加工面を得ることができる。
また、回転中心に対して偏って配置される中心寄りボール刃5があるから、先端部にチゼルエッジが存在しなくてもワークに対する食い付き性が向上し、切削抵抗が小さくなる。また、他のボール刃6を中心近傍に寄せずに離すことにより中心近傍の剛性が高まることになる。よって、ボール刃5,6の破損やワーク表面の性状悪化を抑制できる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、図1,2に図示したように、工具本体1の外周に、工具先端から基端側に向かう複数の切り屑排出溝2が形成され、この切り屑排出溝2のすくい面3と前記工具本体1の先端球状面4との交差稜線部にボール刃5,6が設けられたボールエンドミルであって、工具回転中心Oが先端球状面4上に存在し、工具先端視において一の前記ボール刃5にして工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離Xが、他の前記ボール刃6の同距離Yより小さくなるように設定された中心寄りボール刃5を有するものである。
本実施例は、超硬合金製のシャンク側部材の先端に半球状のCBN(立方晶窒化硼素)材を溶接等により接合し、溝加工を施し、この先端のCBN材に刃付け加工を施すことで刃部を形成している。本実施例は切り屑排出溝が2つ、ボール刃が2つ設けられた2枚刃ボールエンドミルであり、特に仕上げ加工に用いられるものである。
先端球状面4は刃付け加工前のCBN材の外面(半球状面)の一部をそのまま残すことで形成されたものである。即ち、加工前のCBN材にギャッシュ、すくい面及び逃げ面等を設ける刃付け加工をする際、工具回転中心Oを含む先端球状面に相当する部分には面取り加工等を施さないことで先端球状面が上記形状となる。なお、前記刃付け加工をした後に先端球状面4を切削・研磨加工等により形成する手順としても良い。更に、先端の素材はCBNに限らず、全体を超硬合金製とするなど、他の構成としても良い。
刃付け加工の際、先端球状面に相当する部分には加工を施さないことで、半球状のCBN材の球状表面の一部である先端球状面4が各ボール刃5,6の工具回転方向後方側に配置された構成となる。
本実施例においては、先端球状面4はボール刃5,6により切削された面に摺接する球面である。即ち、先端球状面4はボール刃5,6に対して逃げる面ではなく、回転加工時にワークの切削加工面(仕上面)に擦り付けられる。先端球状面4が切削加工面に摺接することで磨き作用が発揮される。なお、先端球状面4は球面に限らず、ボール刃5,6により切削された面に摺接し磨き作用を発揮し得る構成であれば適宜採用できる。例えば球面に近似する階段状面等、工具回転中心Oを頂点とする凸球面に概ね沿った形状であれば適宜採用できる。また、ボールエンドミルの外方に膨出する曲面(凸となる曲面)を含む形状であっても(前記凸球面に沿った形状でなくとも)、前記磨き作用を発揮し得る構成であれば適宜採用できる。
また、先端球状面4の工具回転方向後方側には逃げ面7が連設されている。この逃げ面7の設け方により、先端球状面4の刃直角方向の幅Wを適宜設定して前記ボール刃5,6により切削された面への接触量を調節できる。本実施例では、第一逃げ面7に、更に第二逃げ面8を連設した構成としている。
先端球状面4の刃直角方向の幅Wは工具外径(刃部の先端部の直径)の0.5%以上25%以下に設定する。具体的には、前記幅Wは先端球状面4の全域において上記数値範囲内となるように設定している。また、本実施例においては、幅Wが、先端球状面4にして中心寄りボール刃5の工具回転方向後方側の領域において最小値を取り、ボール刃6の工具回転方向後方側の領域において最大値を取る構成としている。0.5%未満ではボール刃5,6の切削痕の除去効果(磨き効果)が十分に発揮されず、25%を超えると加工面にむしれが生じる。好ましくは2.5%以上20%以下に設定すると、特に良好な切削痕除去効果を得られる。
また、中心寄りボール刃5は、先端球状面4による先端部の切削抵抗の増大を回避するために設けられたものである。
即ち、ボール刃を工具回転中心Oに対して対称に配置せず、少なくとも1枚のボール刃は他のボール刃より工具先端部中心近傍側を通過する形状とし、これにより切削抵抗を低減する。すくい面と逃げ面とでボール刃が形成される一般的なボールエンドミルで各刃を不等位置に配すると工具本体の振れとなってしまうが、本実施例のようにすくい面3と先端球状面4とでボール刃を形成する場合、どの位置に刃がきても、振れは生じないため、中心寄りボール刃5を設けた構成であっても工具本体1の振れは生ぜず、良好な加工が可能である。
中心寄りボール刃5の工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離Xは、工具外径の0%を超え3%以下に設定されている。工具外径の3%を超えると切削抵抗の低減効果が得られず、僅かでも存在しないと切削痕の除去効果が十分に発揮されないからである。
また、他のボール刃6の工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離Yは、工具外径の2%以上10%以下で且つ前記距離Xの1.3倍以上に設定するのが好ましい。距離Yを距離Xの1.3倍以上とすることにより、不等分割による防振効果で、さらに良好な加工面が得られる。
以上の構成により、本実施例は、加工時にボール刃5,6の切削と先端球状面4の擦りとにより、ワークの加工面の表面粗さを小さくできると共に、美しい光沢が得られるものとなる。即ち、通常のすくい面と逃げ面との交差稜線部に切れ刃が形成された回転切削工具により加工した場合、ワークの加工面には切削痕、所謂カッターマークが現出する(図3(a)参照)。このようなカッターマークはワーク表面の光沢を失わせ、表面粗さを悪化させる要因となる。
また、仕上げ加工を目的とした特許文献1のように先端部を半球状としたボールエンドミルは、その目的は擦るだけで切れ刃を有しないため、極僅かな切込み量でしか使用できず、さらに高精度な加工機を使用し、機械姿勢を保つために長時間一定温度を保つなどのシビアな加工環境が要求される。この環境下で仕上げ前加工の残り代から均一にし、その上で仕上げ加工の切込み量も均一にし、ようやく目的の加工面が得られる。実際に特許文献1と同様の先端にボール刃がない球面のみの工具を製作し、この工具を用いて前述したシビアな加工環境とすることなく仕上げ加工を実施したところ、加工面はむしれて光沢は得られなかった(図3(b)参照)。
この点、本実施例によれば、ボール刃5,6によるカットラインが先端球状面4により均された凹凸感のない美しい表面性状となり(図3(c)参照)、美しい光沢のある加工面(鏡面)を得ることができる。また、本実施例は切れ刃を有するため切り込みを入れることが可能であり、特許文献1のような球面のみの仕上げ工具と比較し、シビアな加工環境を要求せず、通常の仕上げ加工のレベルでの使用が可能で、さらに切れ刃で効率よく切削するため、従来品に比べ短時間での仕上げが可能となる。
なお、本実施例は2枚刃ボールエンドミルについて説明したが、3枚刃以上のボールエンドミルについても同様である。この場合、例えば3枚刃ボールエンドミルでは、図4に図示した別例1のように工具回転中心Oに対して非対称にボール刃を配置し、工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離X,Y1,Y2が、最も小さいボール刃を中心寄りボール刃5とすることができる。
また、4枚刃ボールエンドミルでは、図5に図示した別例2及び図6に図示した別例3のように工具回転中心Oに対して非対称にボール刃を配置し、工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離X,Y1,Y2,Y3が、最も小さいボール刃を中心寄りボール刃5とすることができる。別例2は、いずれか1つのボール刃を極端に工具回転中心Oに寄せた構成であり、別例3は、工具回転中心Oを挟んだ一対のボール刃の工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離X,Y2を工具回転中心Oに比較的寄せた構成である。
本実施例は上述のように構成したから、ボール刃5,6により切削加工が行われると共に、先端球状面4により磨き加工が行われる。即ち、ワーク表面を切削すると共に切削面を擦ることで、表面粗さが小さく、且つ、光沢のある加工面を得ることができる。
また、回転中心に対して偏って配置される中心寄りボール刃5があるから、先端部にチゼルエッジが存在しなくてもワークに対する食い付き性が向上し、切削抵抗が小さくなる。また、他のボール刃6を中心近傍に寄せずに離すことにより中心近傍の剛性が高まることになる。よって、ボール刃5,6の破損やワーク表面の性状悪化を抑制できる。
よって、本実施例は、切削加工及び磨き加工の双方を良好に行え、しかも、先端部の切削抵抗が小さい実用的なものとなる。
本実施例の効果を裏付ける実験例について説明する。
図7は、先端球状面4の刃直角方向の幅Wに対する加工面(仕上面)の状態を比較した実験結果を示すものである。ここで、目視での仕上面の状態の判定は、特に良好なものを◎、良好なものを〇、先端が半球状の従来品と同等のものを△、従来品より劣るものを×とした。
具体的には、本実施例に係る工具外径1mmの2枚刃ボールエンドミルを用い、被削材としての高速度工具鋼(64HRC)を、回転速度30000min-1、送り速度750mm/min、仕上げ代0.005mm、ピックフィード0.02mmの条件で加工した。
その結果、先端球状面4の刃直角方向の幅Wの最小値及び最大値(上述した通り、本実施例に係る工具において幅Wは中心寄りボール刃5の工具回転方向後方側の領域において最小値を取り、ボール刃6の工具回転方向後方側の領域において最大値を取る。)が、工具外径の2.5%以上20%以下の範囲となるように設定することが特に好ましいことが確認できた。また、他の工具外径の場合にも同様の結果が得られることを確認している。
また、図8は、従来例(通常のすくい面と逃げ面との交差稜線部に切れ刃が形成された回転切削工具)と本実施例に係る実験例によりワーク表面を0.005mmの切り込み量で仕上げ加工を行った加工面の表面粗さ及び表面状態を比較した結果を示すものである。図8(a)には実験例の仕様及び実験条件を示す。なお、実験例の先端球状面4の刃直角方向の幅Wは、最小値を0.041mm(工具外径の6.8%)、最大値を0.065mm(工具外径の10.8%)に設定した。
実験結果より、実験例による加工面の方が、15°傾斜面及び45°傾斜面のいずれにおいても表面粗さが小さく(図8(b))、表面の光沢が強く鏡面のようになっている(図8(c))ことが確認できる。
また、図9は、中心寄りボール刃5の工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離Xと、他の前記ボール刃6の同距離Yに対する加工面(仕上面)、工具先端の状態、総合評価を比較した実験結果を示すものである。ここで、目視での仕上面の状態については、特に良好なものを◎、良好なものを〇、先端が半球状の従来品と同等のものを△、従来品より劣るものを×とした。また、加工後の工具先端の状態については、加工後の工具先端に異常な損傷が見られないものを〇、大きな欠損や微小な欠け等の異常損傷があるものを×とした。そして、仕上面と工具の状態を合わせた総合評価を同様に◎○△×で示した。
具体的には、本実施例に係る工具外径1mmの2枚刃ボールエンドミルを用い、被削材としての高速度工具鋼(64HRC)を、回転速度30000min-1、送り速度750mm/min、仕上げ代0.005mm、ピックフィード0.02mmの条件で加工した。
その結果、ボール刃6の工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離Yは、工具外径の2%以上10%以下で且つ前記距離Xの1.3倍以上に設定するのが好ましいことが確認できた。
また、図10は、中心寄りボール刃5の工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離Xと、工具先端部の工具状態の実験結果を示すものである。
具体的には、本実施例に係る工具外径0.8mmの2枚刃ボールエンドミルを用い、被削材としての高速度工具鋼(64HRC)を、回転速度30000min-1、送り速度750mm/min、仕上げ代0.005mm、ピックフィード0.016mmの条件で加工した。
その結果、中心寄りボール刃5の工具回転中心Oに最も近接する点の該工具回転中心Oからの距離Xが0.005mm、工具外径の0.6%と工具中心に偏って配されることで切削抵抗が低減し、工具損傷を抑制できることが確認できた。
なお、ボールエンドミルの先端面が本実施例の先端球状面4であるか否かは、接触プローブ式三次元形状測定装置、レーザプローブ式三次元形状測定装置(レーザ顕微鏡)等、接触式・非接触式を問わず一般的な三次元形状測定装置を用いた球面測定により確認することが可能である。具体的には、先端面が、砥石等で加工された平坦な逃げ面、即ち平面とは異なり、工具回転中心Oを頂点とする凸球面に概ね沿った曲面形状となっていることが確認できれば良い。
また、例えば、測定装置としてレーザ顕微鏡(例えば株式会社キーエンス製の形状解析レーザ顕微鏡VK-X160等)を用い、以下のようにして確認することもできる。
図11に図示したように、球(半球)を正面から見て頂点となる部分を中心とした任意の半径rの円を描いたとき、その半径rの円上のどの部分でも高さ(工具軸方向高さ)は同一となる(A)。また、その高さは、図12に図示したように、側面視方向で前記半径r及び球の半径Rの真円をもとに算出される高さの理論値h(R-Rcosθ)と一致する(B)。そこで、例えば、ボールエンドミルの先端面がこの(A)及び(B)を半径の異なる複数の前記円で満たすものは球状面と判断できる。
上記(A)については、レーザ顕微鏡を用い、任意の半径の円上のZ座標(工具軸方向高さ)を適宜な間隔で測定し、工具先端面の当該円上の全Z座標値に最小二乗法で近似直線を引くことで確認できる(図13)。即ち、理論値通り全Z座標値が同一であれば近似直線の傾きは0となる。従って、傾きが概ね0であれば球状面と判断できるし、近似直線の傾斜が明らかに大きい場合(例えば±5°以上の場合)には、球面状ではないと判断できる。なお、ここでは図14に図示したように、前記近似直線の傾きは、ボール刃に対し逃げる方向を正、ボール刃から突出する方向を負とする。また、傾きをμmで表現する場合は前記近似直線の左右両端の高さの差を示し、角度で表現する場合は近似直線の軸直角方向に対する角度を示す。
具体的には、近似直線の傾斜は上述の通り0が望ましいが、ボール刃に対し逃げる方向で2°以下、ボール刃から突出する方向で2°以下の範囲(±2°の範囲)であれば良好な切削痕除去効果を得られる。即ち、加工時にスラスト荷重が加わることにより、ワークは工具軸方向に弾性変形し、ボール刃通過後に弾性変形の戻りにより先端球状面に接触するため、軸方向でボール刃に対して僅かに先端球状面が逃げていても切削加工面に摺接するが、2°を超えるほど接触量が小さくなり、磨きの効果は徐々に失われる。また、ボール刃に対して先端球状面が突出していても切削痕除去効果を発揮するが、2°を超えて大きく突出すると過度に擦り、加工面をむしれさせてしまう。望ましくは±0.5°以内の範囲である。
また、上記(B)については、例えばCCDカメラを使用した非接触工具径測定機を用い、工具側面から対象となるボール刃の0°、10°、20°…90°位置のX座標(工具回転中心からの距離)とY座標(先端からの距離)を測定し、この非接触工具径測定機で測定したX-Y座標から最小二乗法で近似円の半径Rを算出し(図15参照)、この半径Rから算出される前記高さの理論値hと任意の円上の工具軸方向高さ(レーザ顕微鏡により測定したZ座標値)とを比較することで確認できる。
具体的には、上記(A)を満たすものにおいて、前記近似直線の最大値側(工具先端側に突出する側)の値と前記高さの理論値hとが一致若しくは近似していれば球状面と判断できるし、前記近似直線の最大値側の値と前記高さの理論値hとの差が大きい場合、球面状ではないと判断できる。
なお、ボール刃の前記X-Y座標は必ずしも0°から10°刻みで90°まで測定する必要はなく、所定間隔で複数点測定すれば良い。例えば、図15の(a)のような通常のボールエンドミルに限らず、(b)のようなテーパボールエンドミルの場合には、ボール刃の前記X-Y座標を0°から10°刻みで60°まで測定してRを算出しても良い。
実際に、呼びRが0.5mmである、本実施例に係るボールエンドミルの上記(A)及び(B)の測定結果を図16に、従来品(球状面ではなく一般的な逃げ面の例)の上記(A)の測定結果を図17に示す。
上記(A)については、前記ボールエンドミルの工具回転中心Oを中心とした半径0.05、0.1、0.15、0.2、0.25mmの各円上のZ座標を夫々所定間隔で測定し、工具先端面の当該円上の全Z座標値に最小二乗法で近似直線を引いて確認した。
上記(B)については、前記ボールエンドミルの実際のRを測定したところ、本実施例に係るボールエンドミルの実際のRは0.5018mmであった。そして、R=0.5018mmの近似円から算出できる高さの理論値hとZ座標(近似直線の最大値)とを比較して確認した。なお、従来品については上記(A)を満たさないことが明らかであることから上記(B)の確認は行っていない。
これらの結果から、本実施例に係るボールエンドミルは、近似直線の傾きはμm表記、角度表記とも略0であり、高さの理論値hとZ座標(近似直線の最大値)との差も略0であることから、球状面であることが確認できた。
一方、従来品は、近似直線に明らかな傾きが確認でき、球面の特徴を備えておらず球状面でないことが確認できた。
1 工具本体
2 切り屑排出溝
3 すくい面
4 先端球状面
5・6 ボール刃
7 逃げ面
O 工具回転中心
W 先端球状面の刃直角方向の幅

Claims (6)

  1. 工具本体の外周に、工具先端から基端側に向かう複数の切り屑排出溝が形成され、前記各切り屑排出溝のすくい面と前記工具本体の先端球状面との交差稜線部にボール刃が設けられ、前記先端球状面は前記ボール刃により切削された面に摺接する形状であり、前記各交差稜線部に設けられた前記ボール刃は工具回転中心に対して非対称に配置され、工具先端視において一の前記ボール刃にして前記先端球状面上の前記工具回転中心に最も近接する点の該工具回転中心からの距離が、他の前記ボール刃の同距離より小さくなるように設定された中心寄りボール刃を有し、この中心寄りボール刃の前記距離Xは、工具外径の0%を超え3%以下であり、また、前記中心寄りボール刃以外の他のボール刃の前記距離Yは、工具外径の2%以上10%以下で且つ前記距離Xの1.3倍以上であり、さらに、前記中心寄りボール刃が設けられた前記交差稜線部を形成する先端球状面と前記他のボール刃が設けられた前記交差稜線部を形成する前記先端球状面とが連続する一つの面として形成されていることを特徴とするボールエンドミル。
  2. 請求項1記載のボールエンドミルにおいて、前記先端球状面の工具回転方向後方側には第一逃げ面が連設され、さらに、この第一逃げ面の工具回転方向後方側に該第一逃げ面と異なる角度に設定された第二逃げ面が連設されていることを特徴とするボールエンドミル。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載のボールエンドミルにおいて、前記先端球状面の刃直角方向の幅は工具外径の0.5%以上25%以下であることを特徴とするボールエンドミル。
  4. 請求項1,2いずれか1項に記載のボールエンドミルにおいて、前記先端球状面の刃直角方向の幅は工具外径の2.5%以上20%以下であることを特徴とするボールエンドミル。
  5. 請求項1~いずれか1項に記載のボールエンドミルにおいて、前記ボール刃の数は、2乃至4であり、工具先端視において、前記中心寄りボール刃と前記他のボール刃の少なくとも一つは、前記工具回転中心に対し一側から該工具回転中心を通り過ぎ他側に亘って設けられていることを特徴とするボールエンドミル。
  6. 請求項1~5いずれか1項に記載のボールエンドミルにおいて、前記ボール刃の数は、2若しくは4であり、前記中心寄りボール刃及び該中心寄りボール刃と前記工具回転中心を挟んで対向位置に設けられた前記他のボール刃は、前記中心寄りボール刃の前記工具回転中心に最も近接する点と、前記他のボール刃の前記工具回転中心に最も近接する点と、前記工具回転中心とが一直線上に在するように設けられていることを特徴とするボールエンドミル。
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