JP2023150032A - ボールエンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】加工面の品質を向上させることができるボールエンドミルの提供。【解決手段】2枚刃のボールエンドミル1であって、切刃51、52はギャッシュ溝81、82の溝壁面81a,82aと、逃げ面61,62との交差稜線に形成され、逃げ面61,62は、チゼルエッジ10aを形成する第1逃げ面61a,62aと、第1逃げ面61a,62aから回転方向後方により大きな逃げ角で延在する第2逃げ面61b,62bとを有する。軸方向先端側から見たとき、2つの切刃のうち一方の切刃51、52とチゼルエッジ10aとの交点を第1交点とし、第1交点における切刃接線に直交するとともに、軸線を通る直線を基準線とし、切刃のうち他方の切刃の第1逃げ面と第2逃げ面との逃げ面境界線と、溝壁面との交点を第2交点とすると、第2交点は、基準線よりも回転方向前方側に位置し、他方の切刃の逃げ面境界線は、一方の切刃の切刃接線と交差する。【選択図】図4

Description

本発明は、ボールエンドミルに関する。
ボールエンドミルの切刃によって生成された切屑の大半は、切刃に隣接するギャッシュ溝から円滑に排出される。しかし、チゼルエッジが形成されている回転軸付近にて生成された切屑は、近くにチゼルエッジと逃げ面と加工面とによって閉塞された空間が形成されるため、切屑が滞留しやすい。
特許文献1では、超硬合金のような極めて硬質な材料を加工する場合において、回転軸付近において切屑詰まりが発生すると、工具中心付近の欠損につながることから、底刃内周端の切屑排出性を向上させる工夫として、底刃内周端が、ギャッシュ溝の溝壁面の開始点となるようにした構成が開示されている。
また、特許文献2、特許文献3では、良好な加工面粗さを得るために、刃部肉厚角度、チゼル幅、チゼル角などを所定の範囲にするとともに、円弧状切刃に隣接する逃げ面として、比較的小さな所定の逃げ角と逃げ面幅とを有する逃げ面を設けることを開示している。
特開2018-83245号公報 特開2005-342835号公報 特開2006-088232号公報
特許文献1のようにギャッシュ溝の溝壁面形状の工夫を行なっても、超硬合金のような極めて硬質な被削材の加工において、極めて硬質な切屑の詰まりによる回転軸付近の欠損を抑制できる程度の切屑排出性は得られたとしても、高い加工面性状が望まれる仕上げ加工においては、加工面に溶着が発生することがあり、それが加工面性状を悪化させるという課題が残されていた。また、特許文献2、特許文献3のようにチゼルエッジの形状、逃げ面の逃げ角や逃げ面幅などを調整したとしても、加工面に溶着またはむしれが発生することがあった。
本発明は、このような背景のもとになされたもので、チゼルエッジが形成されるボールエンドミルにおいて、加工面の品質を向上させることができるボールエンドミルの提供を目的の一つとしている。
本発明の1つの態様によれば、
軸線回りに回転されるエンドミル本体を有する2枚の切刃を有するボールエンドミルであって、
前記切刃はギャッシュ溝の溝壁面と、前記ギャッシュ溝の回転方向後方に位置する逃げ面との交差稜線に形成され、前記逃げ面は、チゼルエッジを形成する第1逃げ面と、前記第1逃げ面から回転方向後方により大きな逃げ角で延在する第2逃げ面とを有し、
前記軸方向先端側から見たとき、前記切刃のうち一方の切刃と前記チゼルエッジとの交点を第1交点とし、前記第1交点における切刃接線に直交するとともに、軸線を通る直線を基準線とし、前記切刃のうち他方の切刃の前記第1逃げ面と前記第2逃げ面との逃げ面境界線と、前記溝壁面との交点を第2交点とすると、
前記第2交点は、前記基準線よりも回転方向前方側に位置し、
前記他方の切刃の前記逃げ面境界線は、前記一方の切刃の前記切刃接線と交差する
ことを特徴とするボールエンドミルが提供される。
即ち、チゼルエッジと、チゼルエッジの回転方向前方に位置する切刃と、基準線とによって囲まれる領域(チゼルエッジ前方領域)は、第1逃げ面のみから構成され、第1逃げ面と第2逃げ面との境界部(逃げ面境界線)を含まない。この構成によれば、切削加工時、切屑が生成される領域の近傍であるとともに、閉塞されやすい領域であるチゼルエッジ前方領域に、加工面に向かって凸となるエッジ部が形成されなくなる。これにより、回転軸付近において切屑が加工面に押し付けられにくくなり、溶着の発生を抑制できる。
同時に、もともとチゼルエッジ前方領域を規定する切刃(軸心側切刃)は回転軸に近く、切削速度が上がりにくいが、チゼルエッジ前方領域を第1逃げ面のみから構成することで、軸心側切刃の刃物角が、チゼルエッジ前方領域に第2逃げ面が存在している場合と比べて相対的に小さくなる。これにより、軸心側切刃の切削性が高まり、むしれの発生も抑制することができる。
さらに、一方の切刃の逃げ面境界線と、他方の切刃のチゼルエッジとの交点(第1交点)における切刃接線とが交差することで、外周側に位置する切刃の第1逃げ面の刃直角方向の幅を狭くできるので、必要以上に切削抵抗が大きくなるのを抑え、主に切削を行う切刃の切削性を確保できる。
これら溶着発生の抑制と、むしれ発生の抑制と、切刃における良好な切削性という相乗効果により、仕上げ加工における仕上げ面性状(粗さや品位)を総合的に向上させることができる。
前記軸方向先端側から見たとき、前記先端面は、前記チゼルエッジにて互いに隣接する、前記一方の切刃の第1逃げ面と、前記他方の切刃の第1逃げ面との前記基準線の延在方向の合計逃げ面幅が、前記第2交点から径方向外周側に向かって減少する部分を有する構成としてもよい。
前記軸方向先端側から見たとき、前記逃げ面境界線は、前記第2交点から径方向外周側に向かって、前記チゼルエッジに近づく方向に延びる部分を有する構成としてもよい。
前記軸方向先端側から見たとき、前記基準線よりも径方向外周側かつ前記第1交点よりも径方向軸心側に位置する軸心側切刃のすくい面の刃直角方向のすくい角は負角である、構成としてもよい。
前記すくい角は、-30°以上-15°以下であり、前記第1逃げ面の逃げ角は5°以上10°未満である構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、加工面の品質を向上させることができるボールエンドミルが提供される。
図1は、実施形態のボールエンドミルを示す側面図である。 図2は、実施形態のボールエンドミルの先端部を示す部分側面図である。 図3は、ボールエンドミルの先端面を軸線方向に見た平面図である。 図4は、第1実施形態のチゼル付近を拡大して示す平面図である。 図5は、第2実施形態のチゼル付近を拡大して示す平面図である。 図6は、図4および図5の基準線Lに沿う位置におけるチゼル部の部分断面図である。 図7は、比較のために他の構成のチゼルエッジ領域を示す参考図である。 図8は、図7に示す基準線Lに沿う断面を示す参考図である。 図9は、実施例および比較例における加工面の写真である。
<第1実施形態>
図1は、実施形態のボールエンドミルを示す側面図である。図2は、実施形態のボールエンドミルの先端部を示す部分側面図である。図3は、ボールエンドミルの先端面を軸線方向に見た平面図である。図4は、第1実施形態のチゼル付近を拡大して示す平面図である。
本実施形態のボールエンドミル1は、超硬合金等の硬質材料によりなる母材から軸線Oを中心とした図1に示すような多段の概略円柱状に一体形成されている。ボールエンドミル1の後端部(図1および図2において上側部分)は大径円柱状のシャンク2とされる。ボールエンドミル1の先端部(図1および図2において下側部分)はシャンク2よりも小径の略円柱状のエンドミル本体3とされている。また、シャンク2とエンドミル本体3との間は、軸線Oを中心とする先細りの円錐台状のテーパーネック4によって繋がれている。
本明細書では、軸線Oに平行な方向を単に「軸方向」、軸線Oに直交する方向を単に「径方向」と呼び、軸線Oを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ場合がある。また、軸方向に見たときに、径方向の外側を外周側、径方向の内側を内周側または軸心側と呼ぶ場合がある。
ボールエンドミル1は、シャンク2が工作機械の主軸に把持されて軸線O回りにエンドミル回転方向Tに向かって回転させられつつ、軸線Oに交差する方向に送り出されることにより、エンドミル本体3に形成された切刃51、52によって被削材に切削加工を施す。すなわち、ボールエンドミル1の回転軸は、軸線Oに一致する。
ボールエンドミル1は、2つの切刃51、52を有する2枚刃のボールエンドミルである。切刃51は、底刃51aと外周刃51bとを有する。切刃52は、底刃52aと外周刃52bとを有する。
エンドミル本体3の外周部には、ボールエンドミル1の先端に位置する先端逃げ面61、62に開口して後端側に延びる2つの切屑排出溝71、72が軸線Oに関して回転対称に形成されている。切屑排出溝71、72は、ボールエンドミル1の後端側に向かうに従い、軸線O回りにエンドミル回転方向Tとは反対側に向かうように螺旋状に捩れて形成されている。なお、ボールエンドミル1は、軸線Oに関して180°回転対称形状に形成されている。
2つの切屑排出溝71、72のそれぞれの先端部には、先端側に向かうに従いボールエンドミル1の内周側に延びるように、凹溝状のギャッシュ溝81、82がそれぞれ形成されている。ギャッシュ溝81、82のエンドミル回転方向Tを向く溝壁面81a、82aと先端逃げ面61、62との交差稜線部に、切刃51、52のうちの底刃51a、52aが形成されている。底刃51a、52aは、図2に示すように、軸線O回りの回転軌跡が軸線O上に中心を有する凸半球面状をなす。本実施形態では、底刃51a、52aの回転軌跡がなす凸半球面の直径Dは、2mm以下である。直径Dの下限値は特に限定されないが、直径Dは、0.1mm以上が好ましい。直径Dが0.1mm以上であれば、後述するチゼル部10の幅および形状を精度よく制御可能である。
エンドミル本体3の外周面には、切屑排出溝71、72に沿って延びる外周逃げ面91、92が形成されている。外周逃げ面91、92は、各々、切屑排出溝71、72のエンドミル回転方向T反対側に隣接する。外周逃げ面91と、ギャッシュ溝81よりも後端側の切屑排出溝71のエンドミル回転方向Tを向く壁面との交差稜線部に、切刃51のうちの外周刃51bが形成されている。外周逃げ面92と、ギャッシュ溝82よりも後端側の切屑排出溝72のエンドミル回転方向Tを向く壁面との交差稜線部に、切刃52のうちの外周刃52bが形成されている。
外周刃51b、52bは、軸線O回りの回転軌跡が、底刃51a、52aの回転軌跡がなす凸半球面の直径Dと等しい直径の軸線Oを中心とした円筒面状をなす。外周刃51b、52bは、必要に応じて設けられる。すなわち、ボールエンドミル1の切刃は、底刃のみからなる構成であってもよい。
図3および図4に示すように、2つのギャッシュ溝81、82同士は、軸方向先端側から見て、軸線Oを間にして互いに重なり合うことなく反対側に行き違っている。図2に示すように、ギャッシュ溝81のエンドミル回転方向Tを向く溝壁面81aの内周部分は、溝壁面81aに対向する方向から見た側面視において、軸線Oをまたいで延びている。ギャッシュ溝82の溝壁面82aも同様である。
先端逃げ面61は、底刃51aのエンドミル回転方向T後方側に隣接する第1逃げ面61aと、第1逃げ面61aのエンドミル回転方向T後方側に隣接する第2逃げ面61bとを有する。先端逃げ面62は、底刃52aのエンドミル回転方向T後方側に隣接する第1逃げ面62aと、第1逃げ面62aのエンドミル回転方向T後方側に隣接する第2逃げ面62bとを有する。先端逃げ面61、62の回転軌跡は、底刃51a、52aの回転軌跡よりも内側に逃げている。第2逃げ面61b、62bの逃げ角は、第1逃げ面61a、62aの逃げ角よりも大きい。
エンドミル本体3の先端内周部には、互いに行き違って延びる2つのギャッシュ溝81、82の間にチゼル部10が形成されている。チゼル部10には、2つの底刃51a、52aのエンドミル回転方向Tとは反対側に連なる2つの先端逃げ面61、62同士が交差した交差稜線として、軸線Oに交差するチゼルエッジ10aが形成される。本実施形態では、2つの第1逃げ面61a、62a同士の交差稜線にチゼルエッジ10aが形成される。
本実施形態では、軸方向先端側から見て、底刃51a、52aは、底刃51a、52aに平行で軸線Oを通る線よりもエンドミル回転方向T側に位置するように配置される、いわゆる芯上がり配置とされている。底刃51a、52aが芯上がり配置とされることで、底刃51a、52aにおける切屑離れが良くなり好ましい。
図4に示すように、底刃51a、52aは、それぞれ、第1交点P11、P21においてチゼルエッジ10aと交差する。底刃51aは、第1交点P11から外周側に向かって延びる主切刃51Aと、第1交点P11から軸線O側に向かって延びる軸心側切刃51Bとを有する。底刃52aは、第1交点P21から外周側に向かって延びる主切刃52Aと、第1交点P21から軸線O側に向かって延びる軸心側切刃52Bとを有する。
本明細書において、主切刃51Aは、主切刃51Aのエンドミル回転方向T前方に位置し、すくい面として機能するギャッシュ溝81の溝壁面81aと、主切刃51Aの回転方向後方に位置し、主切刃51Aの回転軌跡よりも軸線O寄りの回転軌跡を形成する第1逃げ面61aとの交差稜線を意味する。軸心側切刃51Bは、一方の主切刃51Aに接続するものの、一方の主切刃51Aとは異なる別の主切刃52Aの第1逃げ面62aと溝壁面81aとの交差稜線に形成される。底刃52aの主切刃52Aおよび軸心側切刃52Bも同様である。
図4に示す基準線Lは、軸方向先端側から見て、第1交点P11、P21における切刃の接線(切刃接線L1、L2)に対して直交し、かつ軸線Oを通る直線である。本実施形態の場合、軸線Oを通り、第1交点P11における切刃接線に直交する基準線と、軸線Oを通り、第1交点P21における切刃接線に直交する基準線とが、軸方向先端側から見て互いに一致しているため、1本の基準線Lとして示している。軸線Oを通り、第1交点P11における切刃接線に直交する基準線と、軸線Oを通り、第1交点P21における切刃接線に直交する基準線は、軸方向先端側から見て、互いに重ならない直線であってもよい。
次に、本実施形態の特徴部分について説明する。第1逃げ面62aと第2逃げ面62bとの境界線である逃げ面境界線62cと、ギャッシュ溝81の溝壁面81aとの交点である第2交点P12は、基準線Lよりもエンドミル回転方向T前方側に位置する。
言い換えると、チゼルエッジ10aと、基準線Lと、軸心側切刃51Bとによって囲まれる領域(チゼルエッジ前方領域A1)は、第1逃げ面62aのみから構成され、第2逃げ面62bを含まない。即ち、チゼルエッジ前方領域A1は、第1逃げ面62aと第2逃げ面62bとの境界部(逃げ面境界線62c)を含まない。同様に、チゼルエッジ前方領域A2も、第1逃げ面61aと第2逃げ面61bとの境界部(逃げ面境界線61c)を含まない。
このような構成とすることで、本実施形態のボールエンドミル1は、チゼルエッジ前方領域A1、A2に逃げ角が異なる逃げ面の境界部がなく、チゼルエッジ前方領域A1、A2に加工面に向かって凸となるエッジ部が形成されないため、軸線O付近において切屑が加工面に押し付けられにくくなり、溶着の発生を抑制することができる。
同時に、本実施形態のボールエンドミル1は、チゼルエッジ前方領域A1、A2に第2逃げ面62b、61bを含まないため、本実施形態の軸心側切刃51B、52Bの刃物角αを、第2逃げ面62b、61bを含む場合と比べて相対的に小さくすることができる。これにより、本実施形態では、軸心側切刃51B、52Bの切削性が向上し、むしれの発生を抑制することもできる。
更に、図4に示すように、一方の底刃51aの逃げ面境界線61cは、他方の底刃52aのチゼルエッジ10aとの交点(第1交点P21)における切刃接線L2と交差する。同様に、他方の底刃52aの逃げ面境界線62cは、一方の底刃51aのチゼルエッジ10aとの交点(第1交点P11)における切刃接線L1と交差する。
このような構成とすることで、本実施形態のボールエンドミル1は、軸心側においては、第1逃げ面が占める領域を大きく確保しつつ、より外周側においては、第1逃げ面の刃直角方向の幅を狭めることができ、必要以上に切削抵抗が大きくなることを抑えて、切削に主に寄与する切刃の切削性を確保することもできる。
また、図4に示すように、本実施形態では、軸方向先端側から見たとき、チゼルエッジにて互いに隣接する、一方の底刃51aの第1逃げ面61aと、他方の底刃52aの第1逃げ面62aとの基準線が延びる方向の合計逃げ面幅Wは、第2交点から径方向外周側に向かって減少する部分を有する。
このような構成とすることで、本実施形態のボールエンドミル1は、軸心側においては、第1逃げ面が占める領域を大きく確保しつつ、より外周側においては、第1逃げ面の刃直角方向の幅を狭めることができ、必要以上に切削抵抗が大きくなることを抑えて、切削に主に寄与する切刃の切削性を確保することもできる。
<第2実施形態>
第1実施形態の変形例として、第2実施形態を図5に示す。第1実施形態では、逃げ面境界線61c、62cに明確な屈曲部が存在していなかったが、第2実施形態では、明確な屈曲部(接続位置)61C、62Cが存在している。その他の形状は、第1実施形態と同じである。第1実施形態と同じ箇所には同じ符号を付している。
先端逃げ面61において、第1逃げ面61aと第2逃げ面61bとの境界線である逃げ面境界線61cは、図5に示すように、第1逃げ面61aに隣接する底刃51aに沿って延びる第1部分61Aと、第1部分61Aの内周側端部に連続し、底刃51aから離れる方向に延びてギャッシュ溝82の端縁に達する第2部分61Bと、を有する。先端逃げ面62における、第1逃げ面62aと第2逃げ面62bとの逃げ面境界線62cは、逃げ面境界線61cと同様に、第1部分62Aと第2部分62Bとを有する。
逃げ面境界線61cの第1部分61Aは、一方の底刃51aの主切刃51Aとほぼ平行に延びる。本実施形態の場合、第1部分61Aの内周側の端部は、主切刃51Aの内周端である第1交点P11よりもやや内側(軸線O側)まで延びている。逃げ面境界線61cは、第1部分61Aと第2部分61Bとの接続位置61Cにおいて屈曲する。第2部分61Bは、接続位置61Cから、一方の底刃51aから離れる方向に延びている。第2部分61Bは、反対側の底刃52aに隣接するギャッシュ溝82に向かって延びている。第2部分61Bは、第1実施形態と同様に、反対側のギャッシュ溝82(溝壁面82a)と第2交点P22において交差する。
逃げ面境界線62cは、逃げ面境界線61cと同様の構成を有する。すなわち、第1部分62Aは底刃52aの主切刃52Aに沿って延びている。逃げ面境界線62cは、第1交点P21の近傍に位置する接続位置62Cにおいて屈曲する。第2部分62Bは、反対側のギャッシュ溝81に向かって延び、ギャッシュ溝81の端縁(溝壁面81a)と第2交点P12において交差する。
本実施形態では、底刃51aにおいても、第2交点P12が、基準線Lよりもエンドミル回転方向T前方側に位置する。底刃52aでは、第2交点P22が、基準線Lよりエンドミル回転方向T前方側に位置する。
この構成によれば、チゼルエッジ10aとギャッシュ溝81(言い換えると、軸心側切刃51B)と基準線Lとによって囲まれるチゼルエッジ前方領域A1が、第1逃げ面62aのみから構成される。すなわち、チゼルエッジ前方領域A1に、第2逃げ面62bが入り込まない。これにより、第1実施形態と同様に、被削材への溶着やむしれの発生を抑制できる。チゼルエッジ10aとギャッシュ溝82(言い換えると、軸心側切刃52B)と基準線Lとによって囲まれるチゼルエッジ前方領域A2も、同様に第1逃げ面61aのみから構成される。
次に、第2実施形態に特有の構成ついて説明する。
本実施形態では、図5に示すように、一方の底刃51aの逃げ面境界線61cの第1部分61Aと第2部分61Bとの接続位置61Cは、基準線Lが延びる方向(図示の上下方向)において、他方の底刃52aと基準線Lとの交点である第3交点P23と、軸線Oとの間に位置する。また、他方の底刃の逃げ面境界線62cの第1部分62Aと第2部分62Bとの接続位置62Cは、基準線Lが延びる方向において、一方の底刃51aと基準線Lとの交点である第3交点P13と、軸線Oとの間に位置する。
これにより、内周側においては、チゼルエッジ前方領域に逃げ面境界線が含まれないようにして溶着の発生を抑制しつつ、より外周側においては、第1逃げ面61a、62aの刃直角方向の幅を狭めることができ、必要以上に切削抵抗が大きくなるのを抑え、主に切削を行う主切刃51A、52Aの切削性を確保できる。総合的に加工面性状を向上させることができる。
本実施形態のボールエンドミル1では、第1交点P11の位置における基準線Lに沿う方向の第1逃げ面61aの幅W1は、底刃51aにおける切刃接線L1と底刃52aにおける切刃接線L2との基準線Lに沿う方向における間隔の幅W2よりも小さい。本実施形態では、第1交点P21の位置における基準線Lに沿う方向の第1逃げ面62aの幅は、上記した第1逃げ面61aの幅W1にほぼ等しく、同様に幅W2よりも小さい。
この構成によれば、外周側に位置する切刃の第1逃げ面61a、62aの刃直角方向の幅をより狭く抑えることができるので、切削抵抗を低減し、主切刃51A、52Aの切削性を向上させることができる。
なお、基準線Lに沿う方向における切刃接線L1、L2間の間隔の幅W2は、チゼル部10の幅に概ね一致する。チゼル部10の幅は、軸方向先端側から見て、互いに行き違う2つのギャッシュ溝81、82におけるエンドミル回転方向Tを向く溝壁面81a、82a同士の間の最も薄い部分の幅である。したがって、第1逃げ面61a、62aの幅W1は、チゼル部10の幅より小さい幅であってもよい。
本実施形態では、軸方向先端側から見たとき、第2部分61Bは、ギャッシュ溝82に近づくほどチゼルエッジ10aから離れる方向に延びる。また、第2部分62Bは、ギャッシュ溝81に近づくほどチゼルエッジ10aから離れる方向に延びる。この構成によれば、第1逃げ面61aはチゼルエッジ前方領域A2に近づくほど幅広くなり、第1逃げ面62aは、チゼルエッジ前方領域A1に近づくほど幅広くなる。これにより、チゼル部10において肉厚の大きい部分の面積をより大きく確保できる。軸心側切刃51B、52Bの強度を高めることができる。
本実施形態では、軸方向先端側から見たとき、逃げ面境界線61cの第1部分61Aと第2部分61Bとの接続位置61Cよりも内周側の領域において、2つの第1逃げ面61a、62aの基準線Lが延びる方向における合計逃げ面幅Wは、接続位置61Cから第2交点P22までの区間で内周側に向かうに従って大きくなる。同様に、逃げ面境界線62cの第1部分62Aと第2部分62Bとの接続位置62Cよりも内周側の領域において、2つの第1逃げ面61a、62aの基準線Lが延びる方向における合計逃げ面幅Wは、接続位置62Cから第2交点P12までの区間で内周側に向かうに従って大きくなる。これにより、チゼル部10において肉厚の大きい部分の面積をより大きく確保できる。軸心側切刃51B、52Bの強度を高めることができる。
第1実施形態および第2実施形態に共通する作用効果について、より詳細に説明する。
図6は、図4または図5の基準線Lに沿う位置におけるチゼル部10の部分断面図である。図7は、比較のために他の構成のチゼルエッジ領域を示す参考図である。図8は、図7に示す基準線Lに沿う断面を示す参考図である。
いずれの実施形態においても、本発明では、チゼルエッジ前方領域A1、A2が、それぞれ第1逃げ面62a、61aのみからなる構成であるため、図6に示すように、チゼルエッジ前方領域A1、A2は、表面が平坦面からなる領域となる。
一方、比較例では、図7に示すように、第1逃げ面と第2逃げ面との境界線が、底刃51aに沿って延びる逃げ面境界線61vおよび底刃52aに沿って延びる逃げ面境界線62vである場合、逃げ面境界線61vとギャッシュ溝82の端縁との交点は、基準線Lよりも回転方向後方側に位置する第2交点P22vとなる。また、逃げ面境界線62vとギャッシュ溝81の端縁との交点は、基準線Lよりも回転方向後方側に位置する第2交点P12vとなる。
図7に示す構成では、チゼルエッジ前方領域A1には、第1逃げ面62aからなる部分と第2逃げ面62bからなる部分とが含まれる。チゼルエッジ前方領域A2には、第1逃げ面61aからなる部分と第2逃げ面61bからなる部分とが含まれる。言い換えると、チゼルエッジ前方領域に、逃げ角の異なる逃げ面の境界部が存在している。このような構成では、図7、8に示すように、チゼルエッジ前方領域A1、A2内に、逃げ面境界線62v、61vからなる、加工面に向かって凸となるエッジ部が形成される。チゼルエッジ前方領域A1、A2は、切削加工時、切屑が生成される領域の近傍であるとともに、チゼルエッジ10aと加工面とによって閉塞されやすい領域である。そのため、チゼルエッジ前方領域A1、A2の内部にエッジ部があると、切屑がエッジ部に引っ掛かり、軸線O付近において切屑が加工面に押しつけられるため、被削材への溶着が生じやすくなる。
上記に対して、第1および第2実施形態のボールエンドミル1では、チゼルエッジ前方領域A1、A2に逃げ角の異なる逃げ面の境界部がなく、チゼルエッジ前方領域A1、A2が平坦な面であるため、軸線O付近において切屑が加工面に押し付けられにくくなり、溶着の発生を抑制できる。
同時に、もともと軸心側切刃51B、52Bは回転軸(軸線O)に近く、切削速度が上がりにくいが、チゼルエッジ前方領域A1、A2を、第1逃げ面62a、61aのみから構成することで、軸心側切刃51B、52Bの刃物角(図6の角度α)が、チゼルエッジ前方領域A1、A2に第2逃げ面62b、61bが存在している場合(図8の角度β)と比べて相対的に小さくなる。これにより、本実施形態では、軸心側切刃51B、52Bの切削性が高まり、むしれの発生も抑制することができる。
更に、本実施形態のボールエンドミル1では、一方の切刃の逃げ面境界線と、他方の切刃のチゼルエッジとの交点(第1交点)における切刃接線とが交差している。そのため、内周側においては、チゼルエッジ前方領域が逃げ面境界線が含まれないようにして溶着の発生を抑制しつつも、より外周側においては、第1逃げ面の刃直角方向の幅を狭めることができるため、必要以上に切削抵抗が大きくなることも抑え、主として切削を行なう切刃の切削性を確保することもできる。
本実施形態のボールエンドミル1によれば、以上の溶着発生の抑制と、むしれ発生の抑制、切削性の確保という相乗効果により、仕上げ加工における仕上げ面性状(粗さや品位)を向上させることができる。
本実施形態において、主切刃51A,52Aの第1逃げ面61a、62aそれぞれの刃直角方向の幅は特に限定されないが、例えば、底刃51a、52aの円弧状回転軌跡の直径Dの1%以上15%以下の範囲内とすることができる。
第1実施形態および第2実施形態において、ギャッシュ溝81、82のエンドミル回転方向Tを向く溝壁面81a、82aは、底刃51a、52aから離れて底刃51a、52aの回転軌跡がなす凸半球面の中心側に向かうに従いエンドミル回転方向T側に向かう傾斜面とされている。これにより、底刃51aのうち第1交点P11と第3交点P13との間に位置する軸心側切刃51B、および底刃52aのうち第1交点P21と第3交点P23との間に位置する軸心側切刃52Bは、いずれも刃直角方向のすくい角が負角となっている。本明細書における軸心側切刃51B、52Bの刃直角方向のすくい角とは、軸心側切刃51B、52Bを通り、かつ基準線Lおよび軸線Oに平行な断面において、軸心側切刃51B、52Bを通り、かつ軸線Oに平行な直線と、すくい面とのなす角度である。
第1実施形態および第2実施形態の場合、軸心側切刃51B、52Bの刃直角方向のすくい角は-30°以上-15°以下の範囲内の角度である。この構成によれば、軸心側切刃51B、52Bの刃物角αを、回転速度が遅く、また閉塞空間近傍に位置する軸心側切刃51B、52Bにとって、切削性と刃先強度とのバランスがよい刃物角にすることができ、軸心側切刃51B、52Bにチッピングまたは欠損が発生するのを抑制しつつ、むしれや溶着の発生をより抑制することができる。
チゼル部10において軸心側切刃51B、52Bのすくい角が-15°よりも正角側に大きいと、底刃51a、52aの刃物角が小さくなり、刃先強度が不十分となり、チッピングや欠損が発生しやすくなる。一方、軸心側切刃51B、52Bのすくい角が-30°よりも負角側に大きいと、切削性が悪化し、むしれが発生しやすくなる。底刃51a、52aのすくい角は、チゼル部10から外周刃51b、52b側に向けては漸次変化していてもよい。底刃51a、52aの第1交点P11、P21よりも外周側の部分では、底刃51a、52aのすくい角は負角でもよいし、正角でもよい。
本発明において、第1逃げ面61a、62aのチゼル近傍の逃げ角、第2逃げ面61b、62bの逃げ角は、いずれも特に限定されない。例えば、第1逃げ面61a、62aの逃げ角は5°以上10°未満の範囲内とすることができる。第2逃げ面61b、62bの逃げ角は、10°以上30°以下の範囲内とすることができる。
この構成によれば、回転軸付近において切屑が加工面により押し付けられにくくなり、回転軸付近における溶着の発生をより抑制できるとともに、回転軸付近の刃物角の切削性と刃先強度とのバランスをより良くすることができ、むしれの発生をより抑制することができる。
ボールエンドミル1の先端部の少なくともエンドミル本体3の表面には、硬質皮膜が被覆されていてもよい。硬質皮膜は、シャンク2やテーパーネック4も含めたボールエンドミル1の全体の表面に被覆されていてもよい。硬質皮膜は、例えば、被覆温度が比較的低い物理蒸着法を用いて被覆される。硬質皮膜は、物理蒸着法の中でも皮膜の密着性が優れるアークイオンプレーティング法を用いて被覆することが望ましい。
硬質皮膜の膜種としては、耐熱性と耐摩耗性に優れる膜種である窒化物または炭窒化物が望ましい。具体的には、耐熱性と耐摩耗性に優れる膜種であるAlの含有比率が最も多く、AlとCrの合計の含有比率が90原子%以上の窒化物または炭窒化物よりなる硬質皮膜を被覆することが望ましい。また、このような硬質皮膜の中でも皮膜組織を微細化した硬質皮膜を被覆することが望ましい。なお、この硬質皮膜は、ボールエンドミル1を形成する母材よりも硬度が高い。
硬質皮膜としては、例えば特許第6410797号公報に記載される硬質皮膜を好適に用いることができる。上記特許公報に記載される硬質皮膜は、金属(半金属を含む)元素の総量に対して、アルミニウム(Al)の含有比率が50原子%以上68原子%以下、クロム(Cr)の含有比率が20原子%以上46原子%以下、ケイ素(Si)の含有比率が4原子%以上15原子%以下である窒化物又は炭窒化物からなる。金属(半金属を含む)元素、窒素、酸素および炭素の合計を100原子%とした場合の金属(半金属を含む)元素の原子比率(原子%)Aと窒素の原子比率(原子%)Bとが1.03≦B/A≦1.07の関係を満たす。X線回折パターンまたは透過型電子顕微鏡の制限視野回折パターンから求められる強度プロファイルにおいて、面心立方格子構造の(200)面または(111)面に起因するピーク強度が最大強度を示す。
硬質皮膜の膜厚は、1.0μm以上であることが望ましく、2.0μm以上であることがより望ましい。硬質皮膜の膜厚は、3.0μm以下であることが望ましい。さらに、同じく特許第6410797号公報に記載されているように、硬質皮膜の上には、保護皮膜が形成されていてもよい。上記特許公報に記載の保護皮膜は、金属(半金属を含む)元素の総量に対して、Tiの含有比率が50原子%以上、Siの含有比率が1原子%以上30原子%以下である窒化物又は炭窒化物からなる。このような保護皮膜を被覆することで、高硬度な被削材に対しても耐摩耗性をより高めることができる。
また、硬質皮膜は、同じく特許第6410797号公報に記載の方法を用いて成膜できる。上記特許公報に記載の成膜方法では、金属(半金属を含む)元素の総量に対して、アルミニウム(Al)の含有比率が55原子%以上70原子%以下であり、クロム(Cr)の含有比率が20原子%以上35原子%以下であり、ケイ素(Si)の含有比率が7原子%以上20原子%以下である合金ターゲットをカソードに設置し、アークイオンプレーティング法により成膜する。成膜条件は、基材に印加するバイアス電圧が-220V以上-60V以下、かつ、カソード電圧が22V以上27V以下である条件、または、基材に印加するバイアス電圧が-120V以上-60V以下、かつ、カソード電圧が28V以上32V以下である条件とされる。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
本実施例では、上述した実施形態に基づいたボールエンドミルと、図7、8を参照して説明した比較例に基づくボールエンドミルとを作製した。すなわち、実施例のボールエンドミルは、第2逃げ面がチゼルエッジ前方領域まで入り込んでいない。実施例のボールエンドミルは、第1逃げ面と第2逃げ面との逃げ面境界線が、軸線O付近において延在方向を変え、逃げ面境界線とギャッシュ溝の壁面との交点は、基準線Lよりも回転方向前方側に位置している。また、一方の底刃とチゼルエッジとの交点における切刃接線と、他方の底刃の逃げ面境界線とは交差している。一方、比較例のボールエンドミルは、チゼルエッジ前方領域の内側まで第2逃げ面が入り込んでいる。下記に、共通の工具諸元を示す。
(工具諸元)
・刃径 :0.6mm
・第1逃げ角 :9°
・第2逃げ角 :17°
実施例と比較例のボールエンドミルについて、下記切削条件にて底面の等高線加工を行い、加工面の状態を観察した。図9に観察結果の写真を示す。図9に示すように、比較例のボールエンドミルで切削した被削材の加工面では、至る所に溶着が見られた。また、等高線加工における向きが変わる箇所にておいて、むしれが発生していた。一方、実施例のボールエンドミルで切削した被削材の加工面では、溶着もむしれも生じていなかった。また、加工面の表面粗さも、実施例のボールエンドミルで切削した加工面の方が小さくなった。
(切削条件)
・回転数n :40000min-1
・回転速度Vc :75m/min
・切削速度Vf :800mm/min
・1刃当たり送り量fz :0.01mm/t
・軸方向切り込み量ap :0.005mm
・径方向切り込み量ae :0.01mm
・被削材 :VANADIS23(64HRC)
・加工箇所 :底面加工
・クーラント :ミストブロー
1…ボールエンドミル、3…エンドミル本体、10a…チゼルエッジ、51,52…切刃、52A,52B…軸心側切刃、61a,62a…第1逃げ面、61b,62b…第2逃げ面、61c,61v,62c,62v…逃げ面境界線、81,82…ギャッシュ溝、81a,82a…溝壁面、L…基準線、L1,L2…切刃接線、O…軸線、P11,P21…第1交点、P12,P22,P12v,P22v…第2交点、W…合計逃げ面幅、W1,W2…幅

Claims (5)

  1. 軸線回りに回転されるエンドミル本体を有する2枚の切刃を有するボールエンドミルであって、
    前記切刃はギャッシュ溝の溝壁面と、前記ギャッシュ溝の回転方向後方に位置する逃げ面との交差稜線に形成され、前記逃げ面は、チゼルエッジを形成する第1逃げ面と、前記第1逃げ面から回転方向後方により大きな逃げ角で延在する第2逃げ面とを有し、
    前記軸方向先端側から見たとき、前記切刃のうち一方の切刃と前記チゼルエッジとの交点を第1交点とし、前記第1交点における切刃接線に直交するとともに、軸線を通る直線を基準線とし、前記切刃のうち他方の切刃の前記第1逃げ面と前記第2逃げ面との逃げ面境界線と、前記溝壁面との交点を第2交点とすると、
    前記第2交点は、前記基準線よりも回転方向前方側に位置し、
    前記他方の切刃の前記逃げ面境界線は、前記一方の切刃の前記切刃接線と交差する
    ことを特徴とするボールエンドミル。
  2. 前記軸方向先端側から見たとき、前記先端面は、前記チゼルエッジにて互いに隣接する、前記一方の切刃の第1逃げ面と、前記他方の切刃の第1逃げ面との前記基準線の延在方向の合計逃げ面幅が、前記第2交点から径方向外周側に向かって減少する部分を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のボールエンドミル。
  3. 前記軸方向先端側から見たとき、前記逃げ面境界線は、前記第2交点から径方向外周側に向かって、前記チゼルエッジに近づく方向に延びる部分を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のボールエンドミル。
  4. 前記軸方向先端側から見たとき、前記基準線よりも径方向外周側かつ前記第1交点よりも径方向軸心側に位置する軸心側切刃のすくい面の刃直角方向のすくい角は負角である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のボールエンドミル。
  5. 前記すくい角は、-30°以上-15°以下であり、前記第1逃げ面の逃げ角は5°以上10°未満である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のボールエンドミル。
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