JP2015188979A - エンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】被削材の加工面を高品位に仕上げることが可能なエンドミルを提供すること。【解決手段】軸状をなすエンドミル本体2と、エンドミル本体2の軸線O方向に沿う先端から基端側へ向かうに従い漸次工具回転方向Tの後方へ向けて延び、周方向に互いに間隔をあけて形成された複数の切屑排出溝4と、複数の切屑排出溝4における工具回転方向Tの前方を向く各壁面とエンドミル本体2の外周面との交差稜線部にそれぞれ形成された複数の外周刃6と、エンドミル本体2の先端面に配置され、複数の外周刃6の先端にそれぞれ連なるとともに、該先端から径方向の内側へ向かうように延びる複数の底刃と、を備え、エンドミル本体2の外周刃6が形成された軸線O方向に沿う全域にわたって、複数の外周刃6のうち、1つの外周刃6Aにおける回転軌跡C1の直径D1が、1つの外周刃6A以外の外周刃6Bにおける回転軌跡C2の直径D2よりも大きいことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、エンドミルに関するものである。
従来、この種のエンドミルとして、例えば下記特許文献1に示されるような、軸線回りに回転させられるエンドミル本体の先端部外周に、エンドミル本体の先端から基端側に向けて延びる複数条の切屑排出溝が形成され、これらの切屑排出溝の工具回転方向を向く壁面の外周側辺稜部にそれぞれ外周刃が形成されるとともに、エンドミル本体の先端面にはこれらの外周刃の先端から内周側に延びる底刃が形成されたものが知られている。
エンドミルは、工具回転方向に回転させられつつ、軸線に交差する方向に送りを与えられて、被削材に切削加工を施していく。
特開2013−202748号公報
しかしながら、従来のエンドミルにおいては、下記の課題を有していた。
すなわち、エンドミルを用いて被削材に側面加工や深溝加工等を行う場合に、被削材の加工面に、該エンドミルの軸線方向に間隔をあけ工具送り方向に延びるスジ状の切削痕が残ることがあった。そして、この切削痕自体や、該切削痕を挟む上下の加工面部分の反射の違い(金属光沢の角度による明暗の見え方の違い)が視認されることで、加工面の品位が損なわれていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被削材の加工面を高品位に仕上げることが可能なエンドミルを提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明のエンドミルは、軸状をなすエンドミル本体と、前記エンドミル本体の外周のうち少なくとも先端部に配置され、該エンドミル本体の軸線方向に沿う先端から基端側へ向かうに従い漸次前記軸線回りに沿う周方向のうち工具回転方向の後方へ向けて延びるとともに、前記周方向に互いに間隔をあけて形成された複数の切屑排出溝と、前記複数の切屑排出溝における前記工具回転方向の前方を向く各壁面と、前記エンドミル本体の外周面との交差稜線部にそれぞれ形成された複数の外周刃と、前記エンドミル本体の先端面に配置され、前記複数の外周刃の先端にそれぞれ連なるとともに、該先端から前記軸線に直交する径方向の内側へ向かうように延びる複数の底刃と、を備え、前記エンドミル本体の前記外周刃が形成された前記軸線方向に沿う全域にわたって、前記複数の外周刃のうち、1つの外周刃における前記軸線を中心とする回転軌跡の直径が、前記1つの外周刃以外の外周刃における前記回転軌跡の直径よりも大きいことを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の発明者は鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得るに至った。
すなわち、エンドミルを用いて被削材に側面加工や深溝加工等を行う場合、被削材の加工面は、複数の外周刃によって仕上げ加工されている。具体的には、エンドミルを工作機械の主軸等に装着したときに生じる振れ精度の影響などにより、被削材の加工面が、そのエンドミルの軸線方向に沿う各部分において、異なる外周刃により仕上げ加工されている。そのため、異なる外周刃が仕上げた加工面の部分同士の間に、工具送り方向に延びるスジ状の切削痕が形成され、この切削痕自体や、該切削痕を挟む上下の加工面部分の反射の違いが視認されることで、加工面の品位が損なわれていた。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、エンドミル本体の外周刃が形成された軸線方向に沿う全域にわたって、複数の外周刃のうち、1つの外周刃における軸線を中心とする回転軌跡の直径が、前記1つの外周刃以外の外周刃(以下、他の外周刃という)における回転軌跡の直径よりも大きいので、被削材の加工面が、前記1つの外周刃のみで仕上げられるようになっている。
すなわち、複数の外周刃のうち、1つの外周刃が軸線から径方向の外側に向けて突出する突出量が、他の外周刃の前記突出量よりも大きいことから、被削材の加工面は、所定の前記1つの外周刃によって仕上げ加工されることになる。
これにより、被削材の加工面にスジ状の切削痕が形成されることや、該切削痕を挟む上下の加工面部分に反射の違い(金属光沢の明暗の見え方の違い)が生じることを確実に防止できる。
よって本発明によれば、被削材の加工面を高品位に仕上げることが可能である。
尚、本発明による上述の作用効果は、仕上げ加工用の外周刃が2つ以上設けられていては得ることができず(これら外周刃同士の間で加工面に切削痕が生じるため)、1つの外周刃のみによって仕上げ加工されることにより効果を奏する。
また、本発明のエンドミルにおいて、前記複数の外周刃のうち、前記1つの外周刃が、該1つの外周刃以外の外周刃よりも前記径方向の外側へ向けて突出する突出量が、5〜30μmであることとしてもよい。
上記構成のように、複数の外周刃のうち、前記1つの外周刃の、他の外周刃に対する径方向外側へ向けた突出量が、5〜30μmの範囲内に設定されることにより、上述した作用効果が格別顕著に得られることになる。
具体的に、前記突出量が5μm未満の場合には、エンドミルを工作機械の主軸等に装着したときに生じる振れ精度の影響などにより、他の外周刃が前記1つの外周刃より径方向の外側に部分的に突出するなどして、上述した効果が十分に得られないおそれがある。
また、前記突出量が30μmを超える場合には、仕上げ加工用の前記1つの外周刃に対する切削負荷の割合が大きくなり過ぎて、該1つの外周刃が早期に損傷(摩耗や欠損)するおそれがある。
また、本発明のエンドミルにおいて、前記エンドミル本体の外周面のうち、前記1つの外周刃の前記工具回転方向の後方に連なる部位に、該1つの外周刃の前記軸線を中心とする回転軌跡上に位置するマージンが形成されていることとしてもよい。
また、本発明のエンドミルにおいて、前記エンドミル本体の外周面のうち、前記1つの外周刃の前記工具回転方向の後方に連なる部位に、該1つの外周刃から前記工具回転方向の後方に向かうに従い漸次前記径方向の内側へ向けて傾斜する外周逃げ面が形成され、前記軸線に垂直な断面視で、前記1つの外周刃の前記軸線を中心とする回転軌跡の円周に接するとともに該1つの外周刃を通る接線と、前記外周逃げ面の前記工具回転方向の後端と前記1つの外周刃とを結ぶ仮想直線と、の間に挟まれる角度が5°以下であることとしてもよい。
この場合、仕上げ加工用の前記1つの外周刃の工具回転方向の後方に、マージン又は極小さな逃げ角(5°以下)を有する外周逃げ面が形成されるので、被削材の加工面はバニッシュ効果により、さらに高品位に仕上げられることになる。
尚、上述の外周逃げ面が形成される場合の「逃げ角」とは、前記1つの外周刃を通る前記接線と、外周逃げ面における工具回転方向の後端と該1つの外周刃とを結ぶ仮想直線と、の間に形成される角度(挟角)であるから、軸線に垂直な断面視で、外周逃げ面が直線状をなす場合(平面状の外周逃げ面、いわゆる直線二番)及び凸曲線状をなす場合(凸曲面状の外周逃げ面、いわゆる偏心二番)を含んでいる。
また、本発明のエンドミルにおいて、前記マージンの前記周方向に沿う幅が、0.02〜0.2mmであることとしてもよい。
この場合、上述のバニッシュ効果が安定して得られるとともに、加工精度が良好に維持される。
具体的に、マージンの周方向に沿う幅が0.02mm未満であると、切削初期摩耗によって、効果が早期に失われるおそれがある。また、マージンの周方向に沿う幅が0.2mmを超えると、切削抵抗が大きくなり、加工寸法不良や加工面変形のおそれがある。
また、本発明のエンドミルにおいて、前記外周逃げ面には、前記1つの外周刃に達するとともに該外周刃から離間する向きに延び、互いに平行とされた複数の研削条が形成され、前記複数の研削条は、前記工具回転方向に対して45°以上の角度で傾斜していることとしてもよい。
前記1つの外周刃の刃先を微視的に見ると、該1つの外周刃にはその刃長方向に沿って複数の研削条(エンドミル製造時に外周逃げ面を砥石で研削加工した際に形成された研削スジ)による凹凸形状が形成されている。本発明の上記構成によれば、これら研削条が工具回転方向に対して45°以上の角度で大きく傾斜させられていることから、刃先の上記凹凸形状が、被削材の加工面に転写されにくくなっている。
具体的に、1つの外周刃近傍では、研削条の稜線、及び該稜線に隣接する研削条の側壁が、被削材の加工面に工具回転方向の後方から対向する(加工面に対して露出される)とともに、接触可能であるので、これら研削条の稜線及び側壁が加工面を擦りつつ平坦化して、仕上げることができる。
尚、上記構成とは異なり、例えば複数の研削条が、工具回転方向に対して45°未満の角度で傾斜したり、工具回転方向に沿って(平行に)延びていてもよいが、この場合、これら研削条の凹凸形状が、被削材の加工面にそのまま転写されやすくなり凹凸差(表面粗さ)が大きくなるため、上述した効果が得られにくくなるおそれがある。
本発明のエンドミルによれば、被削材の加工面を高品位に仕上げることができる。
本発明の一実施形態に係るエンドミルを示す側面図である。 図1のA−A断面を示す図である。 図2のB部を拡大して示す図である。 1つの外周刃に連なる逃げ面に形成された複数の研削条を示す図であり、該外周刃の微視的な断面形状(凹凸形状)を表している。 1つの外周刃に連なる逃げ面に形成された複数の研削条を示す図であり、該外周刃の微視的な断面形状(凹凸形状)を表している。 エンドミルで切削加工した被削材の加工面を拡大して示す縦断面図であり、(a)本発明の実施例、(b)従来の比較例を示している。
以下、本発明の一実施形態に係るエンドミル1について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示されるように、本実施形態のエンドミル1は、軸状をなすエンドミル本体2を有している。具体的に、このエンドミル本体2は概略円柱状をなしており、該エンドミル本体2の軸線O方向に沿う少なくとも先端部に刃部3aが形成され、該刃部3a以外の部位がシャンク部3bとされている。
エンドミル1は、エンドミル本体2において円柱状をなすシャンク部3bが工作機械の主軸等に把持され、軸線O回りの工具回転方向Tに回転させられることで、金属材料等からなる被削材の切削加工(転削加工)に使用される。また上記回転とともに、軸線Oに交差する方向に送りを与えられて、刃部3aにより被削材に対して側面加工や深溝加工、正面削り加工等を行う。
ここで、本明細書では、エンドミル本体2の軸線O方向のうち、刃部3a側へ向かう方向(図1における下方)を先端側、刃部3aとは反対側へ向かう方向(シャンク部3b側へ向かう方向、図1における上方)を基端側という。また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。尚、前記周方向のうち、切削加工時にエンドミル本体2が回転させられる方向を工具回転方向T(又は工具回転方向Tの前方)といい、工具回転方向Tとは反対側へ向かう方向を工具回転方向Tの後方という。
刃部3aの外周には、複数条の切屑排出溝4が周方向に間隔をあけて形成されている。これら切屑排出溝4は、エンドミル本体2の外周のうち少なくとも先端部に配置されており、具体的には刃部3aの形成領域に対応している。
切屑排出溝4は、エンドミル本体2の先端面に開口しており、該先端面から基端側へ向かうに従い漸次工具回転方向Tの後方へ向けて捩れて延びている。本実施形態のエンドミル1では、4条の切屑排出溝4が互いに周方向に間隔(等間隔又は不等間隔)をあけて形成されている。
複数の切屑排出溝4における工具回転方向Tの前方を向く各壁面と、エンドミル本体2の外周面との交差稜線部には、外周刃6がそれぞれ形成されている。切屑排出溝4の前記壁面は、外周刃6のすくい面となっている。
具体的に、外周刃6は、切屑排出溝4の壁面(溝の内面)のうち、工具回転方向Tの後方端部に位置するとともに工具回転方向Tの前方を向く壁面部分と、刃部3aにおいて径方向外側を向く外周逃げ面5と、の交差稜線部に形成されている。
刃部3aには、4枚の外周刃6が互いに周方向に間隔をあけて形成されている。これら外周刃6は、各外周刃6の工具回転方向Tの前方に隣接する各切屑排出溝4と等しいリードで、エンドミル本体2の基端側へ向かうに従い漸次工具回転方向Tの後方に向けて捩れて延びている。外周刃6が軸線O回りに回転して形成される回転軌跡は、軸線Oを中心とする略円筒面となる。
刃部3aの外周面には、4つの切屑排出溝4同士の間に、4つの外周逃げ面5が形成されている。外周逃げ面5は、外周刃6から工具回転方向Tの後方に向かうに従い漸次径方向の内側へ向けて傾斜している。外周逃げ面5の幅は、外周刃6の延在方向に沿って略一定とされている。
切屑排出溝4の先端部には、該切屑排出溝4の壁面を径方向の内側へ向けて切り欠くようにして、溝状(凹状)のギャッシュ7が形成されている。ギャッシュ7は、切屑排出溝4の先端部において径方向に沿うように延びており、その径方向内側の端部は、軸線O近傍に配置されている。
ギャッシュ7において工具回転方向Tの前方を向く壁面の先端側辺陵部(この壁面の先端縁に沿って径方向に延びる稜線部)には、底刃(先端刃)9がそれぞれ形成されている。ギャッシュ7の前記壁面は、底刃9のすくい面となっている。
具体的に、底刃9は、ギャッシュ7の壁面(溝の内面)のうち、工具回転方向Tの後方端部に位置するとともに工具回転方向Tの前方を向く壁面部分と、刃部3aにおいて先端側を向く先端逃げ面8と、の交差稜線部に形成されている。
複数の底刃9は、エンドミル本体2の先端面に配置され、複数の外周刃6の先端にそれぞれ連なるとともに、該先端から径方向の内側へ向かうように延びている。これら連続する外周刃6及び底刃9の組は、長辺が捩れたL字状をなすように、一連の切れ刃を形成している。尚、一連の切れ刃における外周刃6と底刃9との間に、凸曲線状のコーナ刃が形成されていてもよい。
また、底刃9が軸線O回りに回転して形成される回転軌跡は、軸線Oに直交する1つの平面上、又は径方向内側に向かうに従い漸次軸線O方向の基端側へ向けて極僅かに窪む1つの凹円錐面上に位置している。
刃部3aの先端面には、4つの切屑排出溝4の先端部(ギャッシュ7)同士の間に、4つの先端逃げ面8が形成されている。先端逃げ面8は、底刃9から工具回転方向Tの後方に向かうに従い漸次軸線O方向の基端側へ向けて傾斜している。
また特に図示していないが、エンドミル本体2の内部には、クーラント(油性や水溶性の切削剤)の流路となるクーラント穴が形成されていてもよい。クーラント穴は、エンドミル本体2の基端面に開口するとともに先端側へ向けて延び、幹路から複数の枝路に分岐して、刃部3aの切屑排出溝4や先端面に開口する。
このように構成された本実施形態のエンドミル1は、4枚切れ刃の刃部3aを有するスクエアエンドミルである。尚、刃部3aの切れ刃の数(一繋がりの切れ刃を構成する底刃9及び外周刃6の組数)は、本実施形態で説明した4枚刃に限定されない。
そして、図2に示されるように本実施形態のエンドミル1は、エンドミル本体2の外周刃6が形成された軸線O方向に沿う全域にわたって(つまり刃部3aの全域にわたって)、複数の外周刃6のうち、1つの外周刃6Aにおける軸線Oを中心とする回転軌跡C1の直径D1が、前記1つの外周刃6A以外の外周刃6B(以下、他の外周刃6Bという場合がある)における回転軌跡C2の直径D2よりも大きくなっている。
具体的に本実施形態では、エンドミル本体2の刃部3aに4つの外周刃6が設けられており、これら外周刃6のうち、1つの外周刃6Aにおける径方向位置が、該外周刃6A以外の他の(3つの)外周刃6Bにおける径方向位置に対して、径方向外側に配置されている。言い換えると、1つの外周刃6Aの径方向に沿う軸線Oからの距離(半径)が、他の外周刃6Bの径方向に沿う軸線Oからの距離(半径)に対して、大きくされている。
尚、他の外周刃6B同士の径方向位置(径方向に沿う軸線Oから各外周刃6Bまでの距離、つまり半径)は、互いに同一とされている。
また、複数の外周刃6のうち、1つの外周刃6Aが、他の外周刃6Bよりも径方向の外側へ向けて突出する突出量Pは、5〜30μmの範囲内に設定されている。
また図3において、エンドミル本体2の外周面のうち、1つの外周刃6Aの工具回転方向Tの後方に連なる部位に配置された外周逃げ面5Aは、該1つの外周刃6Aから工具回転方向Tの後方に向かうに従い漸次径方向の内側へ向けて傾斜しており、この点において、外周逃げ面5Aは他の外周刃6Bの工具回転方向Tの後方に連なる外周逃げ面5Bと同様の構成を有しているが、下記の点において、特別な構成(異なる構成)を有している。
すなわち、図3に示される軸線Oに垂直な断面視で、1つの外周刃6Aの回転軌跡C1の円周に接するとともに該1つの外周刃6Aを通る接線Lと、外周逃げ面5Aの工具回転方向Tの後端と前記1つの外周刃6Aとを結ぶ仮想直線(図3における符号「5A(5)」が指す直線部分に相当)と、の間に挟まれる角度(つまり逃げ角)θが、5°以下の小さな角度に設定されている。具体的に、1つの外周刃6Aの外周逃げ面5Aにおける逃げ角(角度θ)は、他の外周刃6Bの外周逃げ面5Bにおける逃げ角よりも、小さく設定されている。
尚、本明細書でいう上記「角度(逃げ角)θ」とは、前記1つの外周刃6Aを通る前記接線Lと、外周逃げ面5Aにおける工具回転方向Tの後端と該1つの外周刃6Aとを結ぶ仮想直線と、の間に形成される角度(挟角)θであるから、図3に示される軸線Oに垂直な断面視で、外周逃げ面5Aが直線状をなす場合(平面状の外周逃げ面5A、いわゆる直線二番)、及び外周逃げ面5Aが凸曲線状をなす場合(凸曲面状の外周逃げ面5A、いわゆる偏心二番)を含む。
本実施形態の例では図示されるように、外周逃げ面5Aは直線二番となっている。
より詳しくは、図3において外周逃げ面5Aは、1つの外周刃6Aから工具回転方向Tの後方に向かって、逃げ角が段階的に(順次)大きくなる第1〜第3逃げ面部を有しており、上記角度θは、外周逃げ面5Aにおいて外周刃6Aに隣接配置された第1逃げ面部と、接線Lとの間に形成される逃げ角を指している。尚、図示の例では、外周逃げ面5Aの第1〜第3逃げ面部のうち、第1、第2逃げ面部が、径方向に沿う回転軌跡C1、C2同士の間に配置され、第3逃げ面部が、回転軌跡C2上に位置して該回転軌跡C2に交差している。
尚、特に図示していないが、外周逃げ面5Aには、上記第1逃げ面部の代わりに、1つの外周刃6Aの回転軌跡C1上に位置する(つまり回転軌跡C1に部分的に一致する)マージンが形成されていてもよい。すなわち、マージンは、図3に示される外周逃げ面5Aのうち、外周刃6Aの工具回転方向Tの後方に隣接する上記第1逃げ面部の相当位置に配置されて、軸線Oを中心とする円筒面の一部をなすように形成される。
また、外周逃げ面5Aにマージンが形成される場合には、該マージンの周方向に沿う幅が、0.02〜0.2mmの範囲内に設定されることが好ましい。
また、図2において外周逃げ面5Bは、他の外周刃6Bから工具回転方向Tの後方に向かって、逃げ角が段階的に(順次)大きくなる第1、第2逃げ面部を有しており、外周逃げ面5Bにおいて外周刃6Bに隣接配置された第1逃げ面部の逃げ角が、外周逃げ面5Aの上記角度θよりも大きくなっている。
図4に示されるように、1つの外周刃6Aに連なる外周逃げ面5Aには、該1つの外周刃6Aに達するとともに該外周刃6Aから離間する向きに延び、互いに平行とされた複数の研削条10が形成されている。これら研削条10は、エンドミル1の製造時に外周逃げ面5Aを砥石で研削加工した際に形成された研削スジである。複数の研削条10は、工具回転方向Tに対して45°以上の角度(傾斜角)αで傾斜して延びている。
またこれら研削条10が、工具回転方向Tに対して傾斜して延びていることで、工具回転方向Tに垂直な断面視(図4のE−E断面、F−F断面を参照)において、各研削条10の稜線もやはり、工具回転方向Tに交差する向きに、該工具回転方向Tに対して角度αで傾斜して延びることになる。そして、研削条10の稜線、及び該稜線に隣接する研削条10の側壁は、被削材の加工面に工具回転方向Tの後方から対向するとともに、接触可能である。従って、外周刃6A近傍では、これら研削条10の稜線及び側壁が切削に関与して、加工面を仕上げるようになっている。
以上説明した本実施形態のエンドミル1によれば、エンドミル本体2の外周刃6が形成された軸線O方向に沿う全域(刃部3a全域)にわたって、複数の外周刃6のうち、1つの外周刃6Aにおける回転軌跡C1の直径D1が、他の外周刃6Bにおける回転軌跡C2の直径D2よりも大きいので、被削材の加工面が、前記1つの外周刃6Aのみで仕上げられるようになっている。
すなわち、複数の外周刃6のうち、1つの外周刃6Aが軸線Oから径方向の外側に向けて突出する突出量が、他の外周刃6Bの前記突出量よりも大きいことから、被削材の加工面は、所定の前記1つの外周刃6Aによって仕上げ加工されることになる。
これにより、被削材の加工面にスジ状の切削痕が形成されることや、該切削痕を挟む上下(軸線O方向に沿う上下)の加工面部分に反射の違い(金属光沢の明暗の見え方の違い)が生じることを確実に防止できる。
よって本実施形態によれば、被削材の加工面を高品位に仕上げることが可能である。
尚、本実施形態による上述の作用効果は、仕上げ加工用の外周刃6Aが2つ以上設けられていては得ることができず(これら外周刃6A同士の間で加工面に切削痕が生じるため)、1つの外周刃6Aのみによって仕上げ加工されることにより効果を奏する。
また本実施形態では、複数の外周刃6のうち、1つの外周刃6Aが、他の外周刃6Bよりも径方向の外側へ向けて突出する突出量Pが、5〜30μmであるので、上述した作用効果が格別顕著に得られることになる。
具体的に、前記突出量Pが5μm未満の場合には、エンドミル1を工作機械の主軸等に装着したときに生じる振れ精度の影響などにより、他の外周刃6Bが前記1つの外周刃6Aより径方向の外側に部分的に突出するなどして、上述した効果が十分に得られないおそれがある。
また、前記突出量Pが30μmを超える場合には、仕上げ加工用の前記1つの外周刃6Aに対する切削負荷の割合が大きくなり過ぎて、該1つの外周刃6Aが早期に損傷(摩耗や欠損)するおそれがある。
また本実施形態では、軸線Oに垂直な断面視で、1つの外周刃6Aの回転軌跡C1の円周に接するとともに該1つの外周刃6Aを通る接線Lと、外周逃げ面5Aとの間に形成される角度θが5°以下であり、或いは、外周逃げ面5Aに1つの外周刃6Aの回転軌跡C1上に位置するようにマージンが形成されているので、下記の効果を奏する。
すなわちこの場合、仕上げ加工用の1つの外周刃6Aの工具回転方向Tの後方に、マージン又は極小さな逃げ角(5°以下)を有する外周逃げ面5Aが形成されるので、被削材の加工面はバニッシュ効果により、さらに高品位に仕上げられることになる。
尚、外周逃げ面5Aにマージンが設けられる場合において、該マージンの周方向に沿う幅が0.02〜0.2mmである場合には、上述のバニッシュ効果が安定して得られるとともに、加工精度が良好に維持される。
具体的に、マージンの周方向に沿う幅が0.02mm未満であると、切削初期摩耗によって、効果が早期に失われるおそれがある。また、マージンの周方向に沿う幅が0.2mmを超えると、切削抵抗が大きくなり、加工寸法不良や加工面変形のおそれがある。
また、外周逃げ面5Aに形成された複数の研削条10が、工具回転方向Tに対して45°以上の角度αで傾斜しているので、下記の効果を奏する。
すなわち、図4に示されるように1つの外周刃6Aの刃先を微視的に見ると、該1つの外周刃6Aにはその刃長方向に沿って複数の研削条10による凹凸形状が形成されている。本実施形態で説明した上記構成によれば、これら研削条10が工具回転方向Tに対して45°以上の角度αで大きく傾斜させられていることから、刃先の上記凹凸形状が、被削材の加工面に転写されにくくなっている。
具体的に、外周刃6A近傍では、研削条10の稜線、及び該稜線に隣接する研削条10の側壁が、被削材の加工面に工具回転方向Tの後方から対向する(加工面に対して露出される)とともに、接触可能であるので、これら研削条10の稜線及び側壁が加工面を擦りつつ平坦化して、仕上げることができる。
尚、外周逃げ面5Aに形成された複数の研削条10の延在する向きは、上述した45°以上の角度αに限定されるものではなく、例えば45°未満の角度αで傾斜したり、工具回転方向Tに沿って(平行に)延びていてもよい。
ここで、図5は、本実施形態の変形例を表している。この変形例では、複数の研削条10は、工具回転方向Tに対して平行に延びている(つまり角度αが0°)。
ただしこの場合、図5のG−G断面及びH−H断面に示されるように、外周刃6Aの刃先に表れる複数の研削条10の凹凸形状が、該外周刃6Aから工具回転方向Tの後方に向けて刃長方向に沿う同一位置で連続することになる。詳しくは、図5のG−G断面における研削条10の稜線(凸条の頂点)を通り、工具回転方向Tに沿って延ばした仮想直線(図5に2点鎖線で示される直線)が、G−G断面よりも工具回転方向Tの後方に位置するH−H断面における研削条10の稜線を通っている。
つまり、上述の角度αが45°以上に設定された場合に比べて、角度αが45°未満や0°であると、被削材の加工面に対して研削条10の稜線や側壁が対向されにくくなるので、複数の研削条10の凹凸形状が、被削材の加工面にそのまま転写されやすくなり凹凸差(表面粗さ)が大きくなるため、上述した効果が得られにくくなるおそれがある。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、エンドミル1として4枚刃のスクエアエンドミルを用いて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、エンドミル1の刃数は、4枚刃以外の3枚刃や、5枚刃以上であってもよい。また、エンドミル1の種類は、スクエアエンドミル以外のラジアスエンドミル等であってもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例として、前述した実施形態で説明した4枚刃のエンドミル1を作製した。具体的には、超硬合金からなるとともに刃部3aの外径がφ25mmとされたエンドミル本体2において、刃部3aの全域にわたって、複数の外周刃6のうち1つの外周刃6Aの径方向位置が、他の3つの外周刃6Bの径方向位置よりも径方向外側に配置されたものを用意した。
一方、従来の比較例のエンドミルとして、刃部に形成された4枚の外周刃の径方向位置がすべて同一に設定され、それ以外は上記実施例と同様の仕様とされたものを用意した。
そして、これら実施例及び比較例の各エンドミルを用いて、被削材:SKD11(60HRC)を切削加工して、該被削材の加工面の縦断面における軸線O方向に沿う凹凸の状態を確認した。尚、切削条件については、切削速度:75m/min、1刃あたり送り:0.1mm/tooth、軸方向(軸線O方向)切込み:30mm、半径方向(径方向)切込み:0.2mmとした。
図6に示される試験結果のとおり、図6(a)の実施例では、被削材(ワーク)の加工面が断面略直線状に形成されており、切削痕は見受けられなかった。
一方、図6(b)の比較例では、被削材の加工面に凹凸形状が明確に表れ、複数の切削痕(切削スジ)Mが確認された。
1 エンドミル
2 エンドミル本体
4 切屑排出溝
5A 1つの外周刃の外周逃げ面
6 外周刃
6A 1つの外周刃
6B 他の外周刃(1つの外周刃以外の外周刃)
9 底刃
10 研削条
C1、C2 回転軌跡
D1、D2 直径
L 接線
O 軸線
P 突出量
T 工具回転方向
α 角度(研削条の傾斜角)
θ 角度(逃げ角)

Claims (6)

  1. 軸状をなすエンドミル本体と、
    前記エンドミル本体の外周のうち少なくとも先端部に配置され、該エンドミル本体の軸線方向に沿う先端から基端側へ向かうに従い漸次前記軸線回りに沿う周方向のうち工具回転方向の後方へ向けて延びるとともに、前記周方向に互いに間隔をあけて形成された複数の切屑排出溝と、
    前記複数の切屑排出溝における前記工具回転方向の前方を向く各壁面と、前記エンドミル本体の外周面との交差稜線部にそれぞれ形成された複数の外周刃と、
    前記エンドミル本体の先端面に配置され、前記複数の外周刃の先端にそれぞれ連なるとともに、該先端から前記軸線に直交する径方向の内側へ向かうように延びる複数の底刃と、を備え、
    前記エンドミル本体の前記外周刃が形成された前記軸線方向に沿う全域にわたって、前記複数の外周刃のうち、1つの外周刃における前記軸線を中心とする回転軌跡の直径が、前記1つの外周刃以外の外周刃における前記回転軌跡の直径よりも大きいことを特徴とするエンドミル。
  2. 請求項1に記載のエンドミルであって、
    前記複数の外周刃のうち、前記1つの外周刃が、該1つの外周刃以外の外周刃よりも前記径方向の外側へ向けて突出する突出量が、5〜30μmであることを特徴とするエンドミル。
  3. 請求項1又は2に記載のエンドミルであって、
    前記エンドミル本体の外周面のうち、前記1つの外周刃の前記工具回転方向の後方に連なる部位に、該1つの外周刃の前記軸線を中心とする回転軌跡上に位置するマージンが形成されていることを特徴とするエンドミル。
  4. 請求項1又は2に記載のエンドミルであって、
    前記エンドミル本体の外周面のうち、前記1つの外周刃の前記工具回転方向の後方に連なる部位に、該1つの外周刃から前記工具回転方向の後方に向かうに従い漸次前記径方向の内側へ向けて傾斜する外周逃げ面が形成され、
    前記軸線に垂直な断面視で、
    前記1つの外周刃の前記軸線を中心とする回転軌跡の円周に接するとともに該1つの外周刃を通る接線と、
    前記外周逃げ面の前記工具回転方向の後端と前記1つの外周刃とを結ぶ仮想直線と、の間に挟まれる角度が5°以下であることを特徴とするエンドミル。
  5. 請求項3に記載のエンドミルであって、
    前記マージンの前記周方向に沿う幅が、0.02〜0.2mmであることを特徴とするエンドミル。
  6. 請求項4に記載のエンドミルであって、
    前記外周逃げ面には、前記1つの外周刃に達するとともに該外周刃から離間する向きに延び、互いに平行とされた複数の研削条が形成され、
    前記複数の研削条は、前記工具回転方向に対して45°以上の角度で傾斜していることを特徴とするエンドミル。
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