JP6253533B2 - 切削工具の製造方法 - Google Patents

切削工具の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6253533B2
JP6253533B2 JP2014135944A JP2014135944A JP6253533B2 JP 6253533 B2 JP6253533 B2 JP 6253533B2 JP 2014135944 A JP2014135944 A JP 2014135944A JP 2014135944 A JP2014135944 A JP 2014135944A JP 6253533 B2 JP6253533 B2 JP 6253533B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
value
cutting tool
test
drill
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014135944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016013586A (ja
Inventor
裕瑛 二井
裕瑛 二井
山本 兼司
兼司 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2014135944A priority Critical patent/JP6253533B2/ja
Priority to KR1020167036946A priority patent/KR20170010866A/ko
Priority to US15/322,991 priority patent/US20170165797A1/en
Priority to EP15815171.2A priority patent/EP3165329A4/en
Priority to PCT/JP2015/065483 priority patent/WO2016002402A1/ja
Priority to CN201580035271.3A priority patent/CN106457501A/zh
Publication of JP2016013586A publication Critical patent/JP2016013586A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6253533B2 publication Critical patent/JP6253533B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23PMETAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; COMBINED OPERATIONS; UNIVERSAL MACHINE TOOLS
    • B23P15/00Making specific metal objects by operations not covered by a single other subclass or a group in this subclass
    • B23P15/28Making specific metal objects by operations not covered by a single other subclass or a group in this subclass cutting tools
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B51/00Tools for drilling machines
    • B23B51/02Twist drills
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/10Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B3/00Sharpening cutting edges, e.g. of tools; Accessories therefor, e.g. for holding the tools
    • B24B3/24Sharpening cutting edges, e.g. of tools; Accessories therefor, e.g. for holding the tools of drills
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N3/00Investigating strength properties of solid materials by application of mechanical stress
    • G01N3/58Investigating machinability by cutting tools; Investigating the cutting ability of tools
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23PMETAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; COMBINED OPERATIONS; UNIVERSAL MACHINE TOOLS
    • B23P15/00Making specific metal objects by operations not covered by a single other subclass or a group in this subclass
    • B23P15/28Making specific metal objects by operations not covered by a single other subclass or a group in this subclass cutting tools
    • B23P15/32Making specific metal objects by operations not covered by a single other subclass or a group in this subclass cutting tools twist-drills
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23PMETAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; COMBINED OPERATIONS; UNIVERSAL MACHINE TOOLS
    • B23P15/00Making specific metal objects by operations not covered by a single other subclass or a group in this subclass
    • B23P15/28Making specific metal objects by operations not covered by a single other subclass or a group in this subclass cutting tools
    • B23P15/34Making specific metal objects by operations not covered by a single other subclass or a group in this subclass cutting tools milling cutters
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2203/00Investigating strength properties of solid materials by application of mechanical stress
    • G01N2203/02Details not specific for a particular testing method
    • G01N2203/026Specifications of the specimen
    • G01N2203/0298Manufacturing or preparing specimens

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Drilling Tools (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

本発明は、例えば、被加工材に対して切削加工や研削加工を行う際に用いられるドリル、エンドミル、切削バイトなどの切削工具を製造する方法に関する。
従来より、被加工材(例えば、鋼材など)を切削加工するにあたっては、切削工具を用いている。具体的には、切削バイトなどを用い、旋盤により削り出し加工をしたり、ドリル、エンドミルなどを用い、ボーリング加工、中ぐり加工やフライス加工などを行っている。
ところで、このような切削加工においては、切削工具の摩耗状況によって、製造される製品の品質が低くなる虞がある。例えば、被加工材との摩擦により、切削工具の先端部(刃先)が欠損してしまい、加工面の寸法精度が低下してしまう虞がある。また、切削工具の先端部が欠損したことを知らずに、被加工材を切削加工してゆくと、切削工具の先端部に過剰に負荷を与えるようになり、切削工具全体に過大な負荷がかかって損傷してしまう虞がある。
上記した課題を解決するために、切削工具の先端部に丸みを付ける研磨加工(R面形成)を行い、被加工材との摩擦を低減する切削工具を製造する技術が開発されている。
先端部にR面が形成された切削工具を製造する技術としては、例えば、特許文献1〜特許文献3に開示されているようなものがある。
特許文献1には、1つ又は複数の歯を具備し、各歯がすくい面が形成された先端と2つの側面と主切刃と2つの側刃とを有し、各刃が刃の半径を有している、金属切削用工具であって、主切刃が研摩処理によりつくり出された大きな半径を有し、側刃が前記研摩処理に続く主切刃に最も近い側面の少なくとも一部の平滑な研削によってつくり出された小さな半径を有している金属切削用工具が開示されている。
特許文献2には、各々焼結硬質材料からなる切刃チップのロウ付けによる外周側切刃と中間切刃及び中心側切刃を備えたドリルヘッドの製造方法において、前記外周側切刃用の切刃チップとして外縁側に削り代を設けたものを用い、この切刃チップをヘッド本体部の切刃取付座にロウ付けしたのち、該切刃チップの外縁側を一段目の研磨加工によって直線状に研磨除去して外周側切刃の外周縁の位置を設定し、次いで二段目の研磨加工によって外周側切刃の外端側をアール状に研磨除去してアールをなす刃先外端部を形成するドリルヘッドの製造方法が開示されている。
特許文献3には、回転式切削工具の切刃を形成する方法であって、前記回転式切削工具が本体と、少なくとも1つのフルートとを有し、前記フルートが前記回転式切削工具の切削端に隣接する切刃を画定し、前記本体の全長の少なくとも一部に沿って前記本体に形成され、前記方法は、レーザビームを出して前記回転式切削工具の前記切削端から材料を除去して、前記切刃と、前記切刃に隣接する所定の3次元曲面とを形成することを含む、方法が開示されている。
特開2000−334609号公報 特開2011−245619号公報 特表2013−508168号公報
しかしながら、上記した特許文献1〜特許文献3に示す技術を用いても、以下に述べるような難点が存在する。
すなわち、特許文献1、2の技術には、先端部(刃先)に、規定のR面を形成した切削工具及びその製造方法が開示されているが、R面を形成するにあたっては、切削加工時の
切削条件や被加工材の材質などが考慮されておらず、切削条件や被加工材の材質が異なると切削加工が良好に行えない虞がある。
また、特許文献3には、レーザビームを使用して、切削工具の刃先形状を形成する方法が開示されているが、レーザビームが切削端の成形面に垂直な方向の成分を有する角度θで回転式切削工具の切削端に向かって出されており、レーザビームが照射されにくい面の加工が困難である。また、特許文献3は、高価とされるレーザビームを使用しているので、切削工具の製造コストが嵩む虞がある。加えて、特許文献3においても、R面を形成するにあたっては、切削加工時の切削条件や被加工材の材質などが考慮されておらず、切削条件や被加工材の材質が異なると切削加工が良好に行えない虞がある。
以上より、ドリルなど切削工具の刃先(チャンファー)にR面を形成する際には、切削条件や被加工材の材質などを鑑みて、それぞれの切削工具に最適なR値を算出する必要がある。つまり、最適なR値を求めることは、長寿命な切削工具を製造する際の重要な工程の一つである。しかしながら、特許文献1〜特許文献3の技術は、この要望に応えるものとはなっていない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、簡便且つ容易にR面のR値を求め、そのR値に基づいてチャンファーと逃げ面との間に最適なR面を形成することができる切削工具の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の切削工具の製造方法は、切削工具の基となる母材に対して、すくい面を形成する「すくい面形成ステップ」と、前記切削工具の基となる前記母材に対して、逃げ面を形成する「逃げ面形成ステップ」と、前記すくい面と前記逃げ面との間に、R面を形成する「R面形成ステップ」と、を有し、前記R面形成ステップにて形成される前記R面の半径の値であるR値を算出する「R値算出ステップ」を備えることを特徴とする。
本発明の切削工具の製造方法は、切削工具の基となる母材に対して、すくい面を形成する「すくい面形成ステップ」と、前記切削工具の基となる前記母材に対して、逃げ面を形成する「逃げ面形成ステップ」と、形成された前記逃げ面と前記すくい面とが交差した部位に、チャンファーを形成する「チャンファー形成ステップ」と、前記チャンファーと前記逃げ面との間に、R面を形成する「R面形成ステップ」と、を有し、前記R面形成ステップにて形成される前記R面の半径の値であるR値を算出する「R値算出ステップ」を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記R値算出ステップにおいては、切削予備試験を行って前記R値を算出するものとし、前記切削予備試験に用いる切削工具は、R面未形成のものを用いるとよい。
好ましくは、前記R面形成ステップでは、噴射型ラップ装置を用いて前記R面を形成するとよい。
好ましくは、前記R面形成ステップの後に、前記切削工具に対して表面処理を行う成膜処理ステップを備えているとよい。
本発明の切削工具の製造方法の最も好ましい形態は、切削工具の基となる母材に対して、すくい面を形成するすくい面形成ステップと、前記切削工具の基となる前記母材に対して、逃げ面を形成する逃げ面形成ステップと、前記すくい面と前記逃げ面との間に、R面を形成するR面形成ステップと、を有し、前記R面形成ステップにて形成される前記R面の半径の値であるR値を算出するR値算出ステップを備えており、前記R値算出ステップにおいては、切削予備試験を行って前記R値を算出するものとし、前記切削予備試験に用いる試験用切削工具は、R面未形成のものを用いることとし、前記切削予備試験においては、前記試験用切削工具による切削長さと前記試験用切削工具の摩耗幅測定値との関係を求め、前記関係から切削長さの増加にも関わらず摩耗幅が一定の範囲内で推移する定常摩耗範囲を特定し、前記定常摩耗範囲において前記試験用切削工具に形成されるR面の半径を測定して前記R値とすることを特徴とする。
本発明の切削工具の製造方法の最も好ましい他の形態は、切削工具の基となる母材に対して、すくい面を形成するすくい面形成ステップと、前記切削工具の基となる前記母材に対して、逃げ面を形成する逃げ面形成ステップと、形成された前記逃げ面と前記すくい面とが交差した部位に、チャンファーを形成するチャンファー形成ステップと、前記チャンファーと前記逃げ面との間に、R面を形成するR面形成ステップと、を有し、前記R面形成ステップにて形成される前記R面の半径の値であるR値を算出するR値算出ステップを備えており、前記R値算出ステップにおいては、切削予備試験を行って前記R値を算出するものとし、前記切削予備試験に用いる試験用切削工具は、R面未形成のものを用いることとし、前記切削予備試験においては、前記試験用切削工具による切削長さと前記試験用切削工具の摩耗幅測定値との関係を求め、前記関係から切削長さの増加にも関わらず摩耗幅が一定の範囲内で推移する定常摩耗範囲を特定し、前記定常摩耗範囲において前記試験用切削工具に形成されるR面の半径を測定して前記R値とすることを特徴とする。
本発明の切削工具の製造方法によれば、簡便且つ容易に切削条件に適したR面のR値を求め、そのR値に基づいてチャンファーと逃げ面との間に最適なR面を形成することができる。
ドリルを模式的に示した図である。 本発明の切削工具の製造方法で製造されたドリルのチャンファーを拡大して示した図である。 本発明の切削工具の製造方法を示すフローチャートである。 切削工具の切削長さと摩耗幅との関係を示した図である。 本発明の試験結果を示した図である。
以下、本発明にかかる切削工具の製造方法を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示内容だけに限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、切削工具1のうち、回転切削工具のドリルを例に挙げて説明するが、ドリルは一つの例であり、被加工材に対して研磨又は研削する切削工具1(切削バイトやフライスなど)であれば、特に限定しない。
また、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、ドリル1を模式的に示した図であり、図2は、本発明の切削工具1の製造方法で製造されたドリル1のチャンファー2(刃先面)を拡大して示した図である。また、図3は、本発明の切削工具1の製造方法を示すフローチャートである。図4は、切削工具1の切削長さと摩耗幅との関係(切削予備実験の結果)を示した図である。
本発明の切削工具1の製造方法は、被加工材に、ボーリング加工、中ぐり加工、フライス加工などの切削加工を行う切削工具1の刃先に対して、適切なR面3を形成する方法、すなわちチャンファー2と逃げ面4との間に最適なR値を算出する方法である。
図1に示すように、切削加工用のドリル1は、被加工材に対して切削加工を行う刃先(切刃部)が先端に形成され、切削加工を行ったあとの切り屑を外部に排出する螺旋状の溝部6が先端〜中途部にかけての外周面に形成されている。また、螺旋状の溝部6の両端に、マージン部7が形成され、ドリル1の中途部から基端部にかけて、工具ホルダに取付可能とされるシャンク部8が形成されている。
また、ドリル1の刃先(切刃部)には、「すくい面5」(先端の溝部6)と「逃げ面4」とが形成され、すくい面5と逃げ面4との間に「チャンファー2」が形成されている(図1のA拡大図参照)。
本発明は、図1に示すような切削工具1の製造方法に関するものであり、その製造方法は、ドリル1(切削工具)の基となる母材に対して、すくい面5を形成する「すくい面形成ステップ」と、ドリル1の基となる母材に対して、逃げ面4を形成する「逃げ面形成ステップ」と、形成された逃げ面4とすくい面5とが交差した部位に、チャンファー2を形成する「チャンファー形成ステップ」と、チャンファー2と逃げ面4との間に、R面3を形成する「R面形成ステップ」と、を有し、R面形成ステップにて形成されるR面3の半径の値であるR値を算出する「R値算出ステップ」を備える。
さらには、R面形成ステップの後に、ドリル1に対して表面処理を行う「成膜処理ステップ」を備えている。
また、「R値算出ステップ」においては、切削予備試験を行ってR値を算出するものとし、切削予備試験に用いるドリル(切削工具)は、予め用意しておいた、R面未形成のドリルを用いる。
以下、本発明の切削工具1の製造方法を、図3のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
なお、以降の本実施形態の説明において、R面形成前のドリルをベースドリル1aと呼び、R面形成後のドリルを加工ドリル1b(本願発明のドリル)と呼び、切削予備試験に用いるドリルを切削予備試験用ドリル1c(単に、試験用ドリル1c)と呼ぶこととする。
図3に示すように、すくい面形成ステップ(S1)において、加工ドリル1bの基となる円柱状の母材の軸方向(長手方向)の外周面に、所定のねじれ角(例えば、30°など)、深さ及び長さなどを有する螺旋状の溝部6を形成する。このように、母材の先端に形成された溝部6の面が、すくい面5とされる。
次に、逃げ面形成ステップ(S2)において、溝部6が形成された母材の先端を、所定の角度(例えば、先端角が118°,130°など)を有した先細るテーパ形状に加工する。このように、母材の先端に形成されたテーパ状の傾斜面が、逃げ面4とされる。
そして、チャンファー形成ステップ(S3)において、母材の先端に形成された逃げ面4とすくい面5との間に、所定の面積を有する平面、すなわちチャンファー2を形成する。なお、このチャンファー2は、光学顕微鏡などで確認できる程度の極わずかな平面である。
図1に示すように、ここまでの3ステップにて、ベースドリル1aの概要となる形状(チャンファー2、逃げ面4、すくい面5(溝部6)、マージン部7など)が母材に形成される(図1及び図2上側のB拡大断面図参照)。
つまり、チャンファー2に対して研磨加工する前、R面形成前のベースドリル1aが製造されることとなる。
続いて、チャンファー2の端部に対して研磨加工する、すなわち本発明の特徴であるチャンファー2と逃げ面4との間にR面3を形成する「R面形成ステップ」及び、そのR面形成ステップに必要な目標R値を算出する「R値算出ステップ」について説明する。
チャンファー2と逃げ面4との間にR面3を形成するにあたっては、まず、R面3に最適な目標R値(R面3の半径)を「R値算出ステップ」にて算出する。
R値算出ステップ(S4)においては、別に用意した試験用ドリル1c(R面形成前の切削工具1)を用いて切削予備試験を行う。切削予備試験として、例えば、未研磨、未コーティング且つ未切削のベースドリル1aを、切削予備試験用に一つ用意し、所定の切削条件にて被加工材を切削する。なお、切削予備試験時の被加工材及び切削条件は、以降に製造する加工ドリル1bが適用可能とされるものと同じ条件とすることが望ましい。
この切削予備試験においては、一定の切削長さ毎に試験用ドリル1cの摩耗幅(摩耗量)を計測すると共に、チャンファー2と逃げ面4との間に形成されるR値を測定する。このチャンファー2と逃げ面4との間に形成されるR値を測定するにあたっては、例えば3次元形状測定器を用いるとよい。
図4は、切削予備試験の結果、すなわち所定の切削長さ毎に摩耗幅を測定した値(●印)をまとめたものを示した図であり、予備試験における切削工具1の切削長さと摩耗幅との関係を示したものである。
図4に示すように、切削予備試験を開始してから、切削長さが所定の長さに到達するまでの間(原点〜測定値のA点の間)、摩耗幅は切削長さが長くなるに従って増加する。その後、切削長さは増加していくが、摩耗幅は一定の範囲内を推移するようになる(測定値のA点〜B点の間)。そして、切削長さがさらに増加してゆくと、摩耗幅も再度増加するようになって、切削工具1が損傷する可能性が生じるようになる(測定値のB点〜C点の間)。
なお、本実施形態においては、原点〜測定値のA点の間、すなわち、切削予備試験の開始から、切削長さが増加すると共に、摩耗幅も増加する間を「初期摩耗」と呼ぶこととする。また、測定値においてのA点〜B点の間、すなわち切削長さの増加にも関わらず、摩耗幅が一定の範囲内で推移する間を「定常摩耗」と呼ぶこととする。
ここで、「定常摩耗」の判断方法について、説明する。
図4に示すように、所定の切削長さ毎に摩耗幅を測定する(原点〜例えばA+5点)。
これら測定値より、切削長さは増加しているが、摩耗幅が増加せず一定の範囲内を推移する測定値、例えば図4に示す測定値の(A+1)点以降の数点(A点〜A+5点)を抽出する。抽出したA点〜A+5点のデータでは、摩耗幅が増加しないため、少なくとも(A+1)点以降は、「定常摩耗」に移行したと判断することができる。
そして、「定常摩耗」の開始点を求める。「定常摩耗」に移行したと判断した測定点(A+1)点の直前の点、すなわちA点を「定常摩耗」の開始点とする。
以上より、測定点のA点〜B点の間の摩耗幅を「定常摩耗」の範囲と判断し、測定値のA点より前の摩耗幅を「初期摩耗」と判断する(原点〜A点の間)。
上記した試験用ドリル1cを用いて切削予備試験を行った摩耗幅の結果(R値算出ステップ)により、定常摩耗時にチャンファー2と逃げ面4との間に形成されるR面3の半径(R値)を算出する。
例えば、定常摩耗の範囲内(A点〜B点間)の測定値より、定常摩耗の開始点であって
、最も切削長さの値が小さい箇所の摩耗幅である測定値のA点を抽出する。その抽出したA点における試験用ドリル1cに形成されるR面3の半径を算出し、その半径を加工ドリル1bに形成するR面3の目標R値とする。
なお、定常摩耗に移行した直後の測定値(A点)を用いてR値を求めることが好ましいが、摩耗幅がほぼ一定である定常摩耗の範囲内(例えば、A点〜A+5点)であれば、いずれの測定値を用いてR値を求めてもよい。
図2下側のB拡大断面図に示すように、R面形成ステップ(S5)においては、R値算出ステップにて算出された目標R値を基に、試験用ドリル1cとは別に製造される、未研磨、未コーティングのベースドリル1a(上記のすくい面形成ステップ〜チャンファー形成ステップにて製造されたもの)のチャンファー2と逃げ面4との間に、当該目標R値が適用されたR面3を形成する。
R面3を形成する方法としては、噴射型ラップ装置による研磨、ブラシ処理による研磨、機械加工による研磨等が挙げられるが、特に噴射型ラップ装置による研磨が望ましい。噴射型ラップ装置として、例えば、エアロラップ処理やSMAP処理などが挙げられる。
これら噴射型ラップ装置を用いることで、逃げ面4及びすくい面5における摩擦低減効果も期待できる。また、これら噴射型ラップ装置を用いるときは、噴射される研磨メディアがチャンファー2(切刃の部分)に当たるように噴射位置を調整することが好ましい。
そして、噴射型ラップ装置によって研磨されたR面3の形状を測定する。詳しくは、研磨されたR面3の形状、すなわち加工ドリル1bのR値が、R値算出ステップにて得られた目標R値と略同一であるか否かを、3次元形状測定器を用いて測定する。
なお、研磨された加工ドリル1bのR値の許容範囲は、目標R値の±20%の範囲内とする。さらに好ましくは、目標R値の±15%の範囲内であるとよい。
加工ドリル1bのR値の許容範囲を上記とする理由としては、目標R値より20%を超える値の場合、切削加工が難しくなり、びびりや振動が発生して仕上げ面不良が発生しやすくなるためである。一方で、目標R値より20%下回る値の場合、チャンファー2(刃先)へ応力集中が発生してしまうためである。
そして、成膜処理ステップ(S6)においては、チャンファー2と逃げ面4との間にR面3が形成された加工ドリル1bに対して、硬質皮膜の表面処理を行う。例えば、AIP装置(アークイオンプレーティング装置)を用いて表面処理を行う。
以上述べた手順を経ることで、簡便且つ容易に目標R値を求めることができ、その目標R値に基づいてチャンファー2と逃げ面4との間に最適なR面3を形成することができる。それ故、びびりや振動を防止することのできる長寿命化された加工ドリル1b(切削工具)を製造することができる。また、目標R値のR面3が形成されているので、コーティングへの応力集中が低減されて、切削寿命をさらに高めることができるようになる。
[実験例]
次に、以上述べた本発明の切削工具1の製造方法の実験例について、説明する。
図5は、本発明の実験結果を示した図である。
図5に示すように、本発明の切削工具1の製造方法を用いて製造した加工ドリル1bを12本用意し(実施例1〜実施例12)、その比較例としてのドリルを8本用意した(比較例13〜比較例20)。
本実験例は、始めに試験用ドリル1cを用いて、切削予備試験(R値算出ステップ)を行い、その後ベースドリル1aのチャンファー2と逃げ面4と間にR面3を形成して加工ドリル1bとし(R面形成ステップ)、そのR面3が形成された加工ドリル1bの耐摩耗性を確認するための切削加工試験(本試験)を行った。
まず、試験用ドリル1c(未加工の切削工具)、被加工材、切削条件の概要を以下に示す。なお、本実験例の試験用ドリル1cは、上記したすくい面形成ステップ〜チャンファー形成ステップにて製造されたベースドリル1aものと同等の形状を有するものとする。[切削条件(切削予備実験)]
・ 被加工材:S50C、SCM440(2種類の鋼材)
・ 板厚:60mm
・ ベースドリル:住友電工ハードメタル(株)製、マルチドリル(登録商標)、
型番:MDS085SG、直径φ8.50、材質Al、ノンコート
・ 切削速度:35m/min、75m/min(2種類の速度)
・ 刃送り:0.24mm/REV
・ 孔深さ:23mm(ドリル1の先端から)
以上の切削条件より、試験用ドリル1cを用いた切削加工実験、すなわち切削予備試験(R値算出ステップ)を行った。
本実験例の切削予備試験は、まず100孔(100回穿孔)毎に、試験用ドリル1cの摩耗幅を光学顕微鏡で測定し、且つチャンファー2(刃先)に形成されるR面3のR値を3次元形状測定器で測定する。
そして、測定した摩耗幅が変動しなくなった、すなわち摩耗幅が一定となったとされるときの測定値(例えば、図4の(A+1)の点)と、その直前の測定値(図4のA点)から、摩耗幅が一定となったとされる直前の測定値(図4のA点)を、試験用ドリル1cの定常摩耗の開始点とし、その開始点のR値を加工ドリル1bのチャンファー2と逃げ面4と間に形成されるR面3の目標R値とする。
なお、摩耗幅の測定方法としては、光学顕微鏡を用いてチャンファー2を撮像し、その画像から摩耗幅を求める方法を用いた。
詳しくは、本実験例においては、光学顕微鏡の倍率を200倍に設定し、且つその光学顕微鏡の対物レンズを、チャンファー2(刃先)近傍の逃げ面4と略平行になるように設置する。その試験用ドリル1cに形成されているチャンファー2(刃先)近傍の逃げ面4(両刃)を撮像し、その逃げ面4の画像から、最大摩耗幅を計測してそれらの平均を算出し、その平均値を摩耗幅とする。なお、摩耗はチャンファーではなく、切れ刃に近い逃げ面上で生じる。
また、R値の測定方法としては、3次元表面形状測定装置を用いて、試験用ドリル1cのチャンファー2及びその近傍を撮像し、その画像からチャンファー2と逃げ面4と間に形成されたR面3のR値を測定する方法を用いた。
以下に、本実験例におけるR値の測定方法の概要を示す。
[R値の測定方法]
・ 観察装置:alicona社製、InfiniteFocus(全焦点3D表面形状測定装置)
・ 測定倍率:20倍
・ 撮像位置:試験用ドリル1cのチャンファー2と平行な位置から、チャンファー2・逃げ面4・すくい面5・マージン部7の4箇所を測定する。
・ 測定方法:チャンファー2を約40μm含んだ矩形範囲での平均プロファイルを表示し、チャンファー2(刃先)と逃げ面4のなす角度から、R値を測定する。マージン部7側2箇所のチャンファー2の平均を求め、その平均値から加工ドリル1bの目標R値とする。
図5に示すように、本実験例の切削予備試験におけるR値の測定結果の概要を以下に示す。
[切削予備試験]
・ 切削予備試験1
被加工材:S50C
切削速度:35m/min
定常摩耗に移行したときの穿孔数:900孔
測定したR値(目標R値):18μm
・ 切削予備試験2
被加工材:S50C
切削速度:75m/min
定常摩耗に移行したときの穿孔数:500孔
測定したR値(目標R値):27μm
・ 切削予備試験3
被加工材:SCM440
切削速度:35m/min
定常摩耗に移行したときの穿孔数:700孔
測定したR値(目標R値):24μm
・ 切削予備試験4
被加工材:SCM440
切削速度:75m/min
定常摩耗に移行したときの穿孔数:300孔
測定したR値(目標R値):29μm
そして、目標R値を基に、ベースドリル1aのチャンファー2と逃げ面4と間にR面3を形成して加工ドリル1bに加工する(R面形成ステップ)。チャンファー2と逃げ面4と間に目標R値のR面3を形成するにあたっては、噴射型ラップ装置にて、30秒間チャンファー2の端部を研磨し、その後3次元表面形状測定装置でチャンファー2と逃げ面4と間に形成されたR面3のR値を測定する。そして、上記したチャンファー2の研磨と研磨後のR値の測定を、R面3のR値が目標R値になるまで繰り返す。
以下に、本実験例のR面形成ステップに用いられるR面形成方法の概要を示す。
[R面形成方法]
・ 噴射型ラップ装置:(株)ヤマシタワークス製、AEROLAP(登録商標)
型番:YT−100
・ 使用メディア:マルチコーン(研磨砥粒を複合させた研磨材)、粗さ:♯3000
・ コンベア速度:100m/min
・ R面形成条件:チャンファー2が、メディア噴射口に対して垂直な方向、且つそのメディア噴射口から10mm離れた位置に配備する。
以上述べた研磨工程、すなわちR面形成ステップにかかった時間を合算し、以後の加工ドリル1bの製造に適用させるようにする。
続いて、目標R値となったR値を有するR面3が形成された加工ドリル1bの表面に対して、AIP装置にてコーティングを行った(成膜処理ステップ)。
以下に、本実験例の成膜処理ステップに用いられる成膜条件の概要を示す。
[成膜条件]
・ 成膜処理装置:(株)神戸製鋼所製、アークイオンプレーティング装置
(型番)AIP−SS002
・ 使用ターゲット:Ti50Al50、1枚
・ 成膜時間:30分
・ アーク電流:150A
・ バイアス電圧:−30V
そして、表面処理された加工ドリル1bの切削試験(本試験)を行った。
加工ドリル1bの耐摩耗性を確認するための切削試験について、図5を参照しながら説明する。
図5の実施例1〜実施例12は、本発明の切削工具1の製造方法を用いて製造した加工ドリル1bである。
一方、図5の比較例13、比較例14は、本発明の切削工具1の製造方法を用いて製造した加工ドリル1bではあるが、比較のために意図的にR面3のR値(目標R値との差が大)を変化させてコーティングを施したものである。
また、図5の比較例15、比較例16は、チャンファー2と逃げ面4と間にR面3が形成されていないドリル、すなわちベースドリル1aと略同形状であり、図5の比較例17〜比較例20は、チャンファー2と逃げ面4と間に、任意に設定したR値を基に形成したR面3を有するドリルである。
以下に、加工ドリル1bと比較対象のドリルの切削試験における切削条件の概要を示す

[切削条件(耐摩耗性確認)]
・ 被加工材:S50C、SCM440(2種類の鋼材)
・ 板厚:60mm
・ ドリル(実施例、比較例の基となる):住友電気工業(株)製、マルチドリル(登録商標)、型番:MDS085SG、直径φ8.50、材質Al、ノンコート
・ 切削速度:35m/min、75m/min(2種類の速度)
・ 刃送り:0.24mm/REV
・ 孔深さ:23mm(ドリル1の先端から)
・ 評価条件:1500孔を穿孔した後のドリル1の逃げ面4における超硬の最大露出幅(二つのR面3の平均)
図5の実施例1において、切削予備試験1より目標Rを20μmとし、チャンファー2と逃げ面4との間にR面3を形成した。そして、実施例1の加工ドリル1bの切削速度を35m/minとし、S50Cの被加工材に対して切削試験を行った。1500孔穿孔後の最大摩耗幅が13μmと少なく、良好の結果が得られた(○印)。また、図5の実施例2,3の加工ドリル1bも、実施例1と同様な手順を経て切削試験を行った結果、最大摩耗幅が15μm,14μmと少なく、良好の結果が得られた(○印)。
図5の実施例4において、切削予備試験2より目標Rを27μmとし、チャンファー2と逃げ面4との間にR面3を形成した。そして、実施例4の加工ドリル1bの切削速度を75m/minとし、S50Cの被加工材に対して切削試験を行った。1500孔穿孔後の最大摩耗幅が19μmと少なく、良好の結果が得られた(○印)。また、図5の実施例5,6の加工ドリル1bも、実施例4と同様な手順を経て切削試験を行った結果、最大摩耗幅が19μm,20μmと少なく、良好の結果が得られた(○印)。
図5の実施例7において、切削予備試験3より目標Rを23μmとし、チャンファー2と逃げ面4との間にR面3を形成した。そして、実施例7の加工ドリル1bの切削速度を35m/minとし、SCM440の被加工材に対して切削試験を行った。1500孔穿孔後の最大摩耗幅が12μmと少なく、良好の結果が得られた(○印)。また、図5の実施例8,9の加工ドリル1bも、実施例7と同様な手順を経て切削試験を行った結果、最大摩耗幅が11μm,13μmと少なく、良好の結果が得られた(○印)。
図5の実施例10において、切削予備試験4より目標Rを32μmとし、チャンファー2と逃げ面4との間にR面3を形成した。そして、実施例10の加工ドリル1bの切削速度を75m/minとし、SCM440の被加工材に対して切削試験を行った。1500孔穿孔後の最大摩耗幅が23μmと少なく、良好の結果が得られた(○印)。また、図5の実施例11,12の加工ドリル1bも、実施例10と同様な手順を経て切削試験を行った結果、最大摩耗幅が22μm,23μmと少なく、良好の結果が得られた(○印)。
一方で、図5の比較例13において、切削予備試験4より目標Rを20μmとし、チャンファー2と逃げ面4との間にR面3を形成した。そして、比較例13のドリルの切削速度を75m/minとし、SCM440の被加工材に対して切削試験を行った。1500孔穿孔後の最大摩耗幅が31μmと大きく、切削工具として用いることが不適であることが分かった(×印)。また、図5の比較例14も、実施例13と同様な結果が得られ、切削工具として用いることが不適であることが分かった(×印)。
図5の比較例15において、チャンファー2と逃げ面4との間にR面3を形成しないドリルを用いて切削試験を行った。1500孔穿孔後の最大摩耗幅が31μmと大きく、切削工具として用いることが不適であることが分かった(×印)。また、図5の比較例16も、実施例15と同様な結果が得られ、切削工具として用いることが不適であることが分かった(×印)。
図5の比較例17において、任意に設定したR値(5μm)を基にR面3を形成したドリルを用いて切削試験を行った。1500孔穿孔後の最大摩耗幅が48μmと大きく、切削工具として用いることが不適であることが分かった(×印)。また、図5の比較例18〜20も、実施例17と同様な結果が得られ、切削工具として用いることが不適であるこ
とが分かった(×印)。
以上の結果より、形成されるR面3のR値を、目標R値の±20%の範囲内とするとよいことが分かった。さらに好ましくは、R値を目標R値の±15%の範囲内とするとよい。
以上述べたように、試験用ドリル1cを用いて、チャンファー2と逃げ面4との間に形成するR面3の基となる目標R値を算出する切削予備試験を行い、得られた目標R値を基に最適なR値を設定することで、切削加工に良好なR面3を加工ドリル1bに形成することができる。そして、このように製造された加工ドリル1bは、最大摩耗幅が極めて小さく、且つ長寿命とされるものである。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、本実施形態においては、一定の平面を有するチャンファー2と逃げ面4との間にR面3を形成するものとして説明したが、チャンファー2がペン先のように鋭利に尖った形状、すくい面5と逃げ面4とが直接接する形状であっても本願発明は適用可能である。すなわち、すくい面5と逃げ面4との間にR面3を形成してもよい。
この場合、切削工具1の基となる母材に対して、すくい面5を形成する「すくい面形成ステップ」と、切削工具1の基となる母材に対して、逃げ面4を形成する「逃げ面形成ステップ」とで形成されたベースドリル1aに対して、「R値算出ステップ」にて算出されたR面3のR値を基に、すくい面5と逃げ面4との間にR面3を「R面形成ステップ」にて形成して加工ドリル1bとするとよい。
ところで、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 切削工具(ドリル)
1a ベースドリル(R面形成前)
1b 加工ドリル(R面形成後)
1c 切削予備試験用ドリル
2 チャンファー
3 R面
4 逃げ面
5 すくい面
6 溝部
7 マージン部
8 シャンク部

Claims (4)

  1. 切削工具の基となる母材に対して、すくい面を形成するすくい面形成ステップと
    前記切削工具の基となる前記母材に対して、逃げ面を形成する逃げ面形成ステップと、前記すくい面と前記逃げ面との間に、R面を形成するR面形成ステップと、を有し、前記R面形成ステップにて形成される前記R面の半径の値であるR値を算出するR値算出ステップを備えており、
    前記R値算出ステップにおいては、切削予備試験を行って前記R値を算出するものとし、前記切削予備試験に用いる試験用切削工具は、R面未形成のものを用いることとし、
    前記切削予備試験においては、前記試験用切削工具による切削長さと前記試験用切削工具の摩耗幅測定値との関係を求め、前記関係から切削長さの増加にも関わらず摩耗幅が一定の範囲内で推移する定常摩耗範囲を特定し、前記定常摩耗範囲において前記試験用切削工具に形成されるR面の半径を測定して前記R値とする
    ことを特徴とする切削工具の製造方法。
  2. 切削工具の基となる母材に対して、すくい面を形成するすくい面形成ステップと
    前記切削工具の基となる前記母材に対して、逃げ面を形成する逃げ面形成ステップと、形成された前記逃げ面と前記すくい面とが交差した部位に、チャンファーを形成するチャンファー形成ステップと、前記チャンファーと前記逃げ面との間に、R面を形成するR面形成ステップと、を有し、前記R面形成ステップにて形成される前記R面の半径の値であるR値を算出するR値算出ステップを備えており、
    前記R値算出ステップにおいては、切削予備試験を行って前記R値を算出するものとし、前記切削予備試験に用いる試験用切削工具は、R面未形成のものを用いることとし、
    前記切削予備試験においては、前記試験用切削工具による切削長さと前記試験用切削工具の摩耗幅測定値との関係を求め、前記関係から切削長さの増加にも関わらず摩耗幅が一定の範囲内で推移する定常摩耗範囲を特定し、前記定常摩耗範囲において前記試験用切削工具に形成されるR面の半径を測定して前記R値とする
    ことを特徴とする切削工具の製造方法。
  3. 前記R面形成ステップでは、噴射型ラップ装置を用いて前記R面を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具の製造方法。
  4. 前記R面形成ステップの後に、前記切削工具に対して表面処理を行う成膜処理ステップを備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の切削工具の製造方法。
JP2014135944A 2014-07-01 2014-07-01 切削工具の製造方法 Expired - Fee Related JP6253533B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014135944A JP6253533B2 (ja) 2014-07-01 2014-07-01 切削工具の製造方法
KR1020167036946A KR20170010866A (ko) 2014-07-01 2015-05-28 절삭 공구의 제조 방법 및 절삭 공구
US15/322,991 US20170165797A1 (en) 2014-07-01 2015-05-28 Cutting tool production method and cutting tool
EP15815171.2A EP3165329A4 (en) 2014-07-01 2015-05-28 Cutting tool production method and cutting tool
PCT/JP2015/065483 WO2016002402A1 (ja) 2014-07-01 2015-05-28 切削工具の製造方法及び切削工具
CN201580035271.3A CN106457501A (zh) 2014-07-01 2015-05-28 切削工具的制造方法以及切削工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014135944A JP6253533B2 (ja) 2014-07-01 2014-07-01 切削工具の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016013586A JP2016013586A (ja) 2016-01-28
JP6253533B2 true JP6253533B2 (ja) 2017-12-27

Family

ID=55018955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014135944A Expired - Fee Related JP6253533B2 (ja) 2014-07-01 2014-07-01 切削工具の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20170165797A1 (ja)
EP (1) EP3165329A4 (ja)
JP (1) JP6253533B2 (ja)
KR (1) KR20170010866A (ja)
CN (1) CN106457501A (ja)
WO (1) WO2016002402A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013102900A1 (en) * 2012-01-04 2013-07-11 Mike Goldstein Inspection device for mechanical instruments and uses thereof
JP1581012S (ja) * 2016-11-17 2017-07-10
USD882082S1 (en) * 2018-01-31 2020-04-21 Beijing Smtp Technology Co., Ltd. Ultrasonic cutter head
USD878438S1 (en) * 2018-08-06 2020-03-17 Peter L. Bono Helical fluted forward and reverse rotation cutting tool
USD878437S1 (en) * 2018-08-06 2020-03-17 Peter L. Bono Helical fluted forward and reverse rotation cutting tool
JP1622531S (ja) * 2018-08-07 2019-01-21
US20210291282A1 (en) * 2019-10-15 2021-09-23 Sumitomo Electric Hardmetal Corp. Drill
CN112605718B (zh) * 2020-12-15 2022-05-24 株洲钻石切削刀具股份有限公司 带前角修正的麻花钻及麻花钻的加工方法

Family Cites Families (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2377329A (en) * 1944-04-01 1945-06-05 Weldon Tool Co End mill
US2467302A (en) * 1947-06-21 1949-04-12 Heli Coil Corp Method of making edged tool blades
US3078546A (en) * 1960-06-13 1963-02-26 Bruce E Kiernan Cutting tool
US3667857A (en) * 1970-10-30 1972-06-06 Nat Twist Drill & Tool Co Combined drill and reamer construction
US3973307A (en) * 1974-11-29 1976-08-10 Kennametal Inc. Cutting insert
JPS6010843B2 (ja) * 1979-01-16 1985-03-20 三菱マテリアル株式会社 スロ−アウエイチツプのホ−ニング形状及びホ−ニング方法
US4285618A (en) * 1979-10-12 1981-08-25 Shanley Stephen E Jr Rotary milling cutter
DE10238334A1 (de) * 2002-08-16 2004-02-26 Sandvik Ab Bohr- oder Fräswerkzeug und Verfahren zu dessen Herstellung
US4330229A (en) * 1980-12-04 1982-05-18 Omark Industries, Inc. Drill bit
US4810136A (en) * 1983-11-09 1989-03-07 The Boeing Company Milling cutter for composite laminates
DE3830525A1 (de) * 1988-09-08 1990-03-22 Beck August Gmbh Co Mit hartstoff beschichtete hartmetallschneidplatte und verfahren zu ihrer herstellung
CN1042104A (zh) * 1989-10-07 1990-05-16 河北省石家庄拖拉机厂 波形刃螺旋铣刀及其加工方法
US5178645A (en) * 1990-10-08 1993-01-12 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Cutting tool of polycrystalline diamond and method of manufacturing the same
JPH04152015A (ja) * 1990-10-12 1992-05-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ボールエンドミル
US5249485A (en) * 1991-12-31 1993-10-05 Sandvik Ab Bandsaw blade and method of manufacturing same
US5173014A (en) * 1992-02-07 1992-12-22 General Motors Corporation Four flute center cutting drill
US5437343A (en) * 1992-06-05 1995-08-01 Baker Hughes Incorporated Diamond cutters having modified cutting edge geometry and drill bit mounting arrangement therefor
FR2713527B1 (fr) * 1993-12-08 1996-01-12 Snecma Foret de perçage à tête hémisphérique à coupe évolutive.
USD363728S (en) * 1994-12-22 1995-10-31 Nitto Kohki Co., Ltd. Hole cutter
US6321618B1 (en) 1999-05-10 2001-11-27 Sandvik Ab Cutting tip having rounded main cutting edge and sharp side cutting edges
DE10006932A1 (de) * 2000-02-16 2001-08-23 Hilti Ag Bohrwerkzeug für Gestein
US6443674B1 (en) * 2000-05-19 2002-09-03 Ics Cutting Tools, Inc. Self-centering twist drill having a modified flat bottom section and a helical crown point tip
JP4290869B2 (ja) * 2000-12-27 2009-07-08 京セラ株式会社 切削工具の製造方法
CN1304632C (zh) * 2002-09-17 2007-03-14 湘潭大学 氮化硼复合涂层切削刀具及其制备方法
DE10319020B4 (de) * 2003-04-27 2006-06-14 Mtu Aero Engines Gmbh Verfahren zum Verrunden von Kanten an Schaufeln von Turbomaschinen
USD539315S1 (en) * 2004-11-17 2007-03-27 Cool Frootz, Llc Food cutter
USD549249S1 (en) * 2007-02-06 2007-08-21 Omi Kogyo Co., Ltd. End mill
JP5194637B2 (ja) * 2007-08-21 2013-05-08 三菱マテリアル株式会社 エンドミル
DE112009000013C5 (de) * 2008-03-31 2018-08-09 Sumitomo Electric Hardmetal Corp. Stirnfräser
USD602965S1 (en) * 2008-10-14 2009-10-27 Seco Tools Ab Drilling tool tip
IL195372A0 (en) * 2008-11-18 2009-08-03 Iscar Ltd Trepanning drill
USD602054S1 (en) * 2008-11-28 2009-10-13 Mitsubishi Materials Corporation Drill with unique shaped coolant holes
USD602055S1 (en) * 2008-11-28 2009-10-13 Mitsubishi Materials Corporation Drill with unique shaped coolant holes
USD627806S1 (en) * 2009-06-11 2010-11-23 Iscar, Ltd Helical flute end mill
IL201486A (en) * 2009-10-13 2015-05-31 Iscar Ltd drill
US9463531B2 (en) 2009-10-23 2016-10-11 Kennametal Inc. Three-dimensional surface shaping of rotary cutting tool edges with lasers
USD632319S1 (en) * 2010-02-25 2011-02-08 Gn Tool Co., Ltd. Endmill
USD671155S1 (en) * 2010-09-30 2012-11-20 Diager Drill
JP2011245619A (ja) 2011-07-27 2011-12-08 Yunitakku Kk ドリルヘッドの製造方法
CN103906592B (zh) * 2011-11-04 2016-03-16 Osg株式会社 钻头
JP2014008549A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Sumitomo Electric Hardmetal Corp ドリル
USD693861S1 (en) * 2013-04-02 2013-11-19 Sumitomo Electric Hardmetal Corp. Drill
US9216462B2 (en) * 2013-05-28 2015-12-22 Iscar, Ltd. Rotary cutting tool having a chip-splitting arrangement with two diverging grooves
USD734790S1 (en) * 2013-06-12 2015-07-21 Element Six (Production) (Pty) Ltd Drill bit tip
USD774573S1 (en) * 2014-04-10 2016-12-20 Kennametal Inc Cutting tool with W-shaped flute gully
US10118236B2 (en) * 2014-09-26 2018-11-06 Kennametal Inc. Rotary cutting tool
US20170066062A1 (en) * 2015-09-08 2017-03-09 Mitsubishi Materials Corporation Drill
DE102016208228B4 (de) * 2016-05-12 2022-08-04 Kennametal Inc. Bohrer
JP1568741S (ja) * 2016-09-09 2017-02-06

Also Published As

Publication number Publication date
EP3165329A4 (en) 2018-02-28
KR20170010866A (ko) 2017-02-01
JP2016013586A (ja) 2016-01-28
EP3165329A1 (en) 2017-05-10
WO2016002402A1 (ja) 2016-01-07
US20170165797A1 (en) 2017-06-15
CN106457501A (zh) 2017-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6253533B2 (ja) 切削工具の製造方法
JP5764181B2 (ja) 硬質皮膜被覆切削工具
US7278806B1 (en) Two edge deburring tool
JP5088678B2 (ja) ロングネックラジアスエンドミル
JP6428919B2 (ja) 切削工具、スカイビング加工装置および方法
WO2018123133A1 (ja) 切削工具及びその製造方法
JP6828824B2 (ja) 小径ドリルおよび小径ドリルの製造方法
JP2011073129A (ja) 穴あけ用ドリル
JP2019063904A (ja) ダイヤモンド被覆回転切削工具
JP7060598B2 (ja) ボールエンドミル
JP2016175141A (ja) 硬質炭素被膜付切削工具
JP2014054680A (ja) 段付きドリル
KR102399372B1 (ko) 드릴
JP6212863B2 (ja) ラジアスエンドミル
JP6751571B2 (ja) エンドミルを用いた穴加工方法
JP2020040179A (ja) リブ溝の壁面の加工方法およびテーパエンドミル
JP6727567B1 (ja) 炭素繊維複合材用ドリル
JP2008307621A (ja) 荒切削用クリスマスカッタ
KR102470286B1 (ko) 경면 가공 방법 및 경면 가공 공구
JP2014034080A (ja) ドリル
JP2013013962A (ja) Cbnエンドミル
JP2006088242A (ja) 穴明け工具
JP7481377B2 (ja) 仕上げ加工用工具
JP5617366B2 (ja) 穴あけ用ドリル
JP2016147328A (ja) ドリル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6253533

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees