JP7032977B2 - 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 - Google Patents
硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7032977B2 JP7032977B2 JP2018070143A JP2018070143A JP7032977B2 JP 7032977 B2 JP7032977 B2 JP 7032977B2 JP 2018070143 A JP2018070143 A JP 2018070143A JP 2018070143 A JP2018070143 A JP 2018070143A JP 7032977 B2 JP7032977 B2 JP 7032977B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- silica particles
- particle size
- compound
- coated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
このようなパッケージ基板では、配線パターンがより高密度に、互いに近接して形成されているため、かかるパッケージ基板に用いられるソルダーレジスト等の永久被膜には、より高い信頼性(B-HAST耐性、PCT耐性、耐熱性、強靭性、熱寸法安定性等)が求められるようになってきた。
本発明の硬化性樹脂組成物は、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニウムの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種により被覆されたシリカ粒子を含む。上記の累積粒度分布となるように調整することが容易になることやCTEを下げることから、前記被覆されたシリカ粒子は、更に表面に硬化性反応基を有するシリカ粒子であることが好ましい。
しかしながら、本発明においては、前記被覆されたシリカ粒子が表面に硬化性反応基を有していても、シリカ粒子と硬化性反応基との間に、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニウムの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種が介在していているので、HAST環境下でも加水分解による密着性の低下がないことも確認されている。即ちHAST処理後においても硬化性樹脂との濡れ性が維持できているため密着性が低下しにくいという優れた効果を得ることができ、さらに、硬化性反応基による硬化物の物性の改善、例えば低CTE化も可能である。また、本発明においては、シリカ粒子の表面に水和酸化物に基づく水酸基を多くし、そこに効果的に硬化性反応基を付与できることで溶融粘度をより低下できるため、表面に硬化性反応基を有することが好ましい。さらに、本発明においては、被覆された粒子径の大きいシリカ粒子をある一定割合混在させることにより、ファインパターンの回路間へも粒子径の小さい粒子が流れ込み易くなり、回路間と回路のない平坦部分でのシリカ粒子の充填分布が均一化しCTE差がなくなる。これにより安定した信頼性が担保できるようになる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する。本発明において用いられる硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂であり、これらの混合物であってもよい。硬化性樹脂の配合量は、例えば、組成物の固形分全量中、1~50質量%である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む場合、硬化物の耐熱性が向上し、また、下地との密着性が向上する。熱硬化性樹脂としては、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂などの公知慣用の熱硬化性樹脂が使用できる。これらの中でもエポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、分子内に2個以上のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂が好ましく、エポキシ化合物がより好ましい。熱硬化性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
光硬化性樹脂としては、活性エネルギー線照射により硬化して電気絶縁性を示す樹脂であればよく、分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物が好ましく用いられる。エチレン性不飽和基を有する化合物としては、公知慣用の感光性モノマーである光重合性オリゴマー、光重合性ビニルモノマー等を用いることができ、ラジカル重合性のモノマーやカチオン重合性のモノマーでもよい。また、光硬化性樹脂として、後述するようなエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂等のポリマーを用いることができる。光硬化性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有してもよい。アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物、カルボキシル基含有樹脂、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する化合物、チオール基を2個以上有する化合物が挙げられる。中でも、アルカリ可溶性樹脂がカルボキシル基含有樹脂またはフェノール樹脂であると、下地との密着性が向上するため好ましい。特に、現像性に優れるため、アルカリ可溶性樹脂はカルボキシル基含有樹脂であることがより好ましい。カルボキシル基含有樹脂は、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有感光性樹脂でも、エチレン性不飽和基を有さないカルボキシル基含有樹脂でもよい。アルカリ可溶性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、光反応開始剤を含有することができる。光反応開始剤は、光照射により樹脂層を硬化できるものであればよく、光照射によりラジカルを発生する光重合開始剤および光照射により塩基を発生する光塩基発生剤のうちのいずれか1種が好ましい。なお、光反応開始剤は、光照射によりラジカルと塩基の両方を発生する化合物でももちろんよい。光照射とは、波長350~450nmの範囲の紫外線を照射することをいう。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-ジメチルアミノピリジン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物等が挙げられる。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS-トリアジン誘導体を用いることもできる。中でも、分散性、流動性がよくなるため、アミン化合物が好ましい。また、好ましくはこれら密着性付与剤としても機能する化合物を熱硬化触媒と併用する。硬化促進剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化剤を含有することができる。硬化剤としては、フェノール性水酸基を有する化合物、ポリカルボン酸およびその酸無水物、シアネートエステル基を有する化合物、活性エステル基を有する化合物、マレイミド基を有する化合物、脂環式オレフィン重合体等が挙げられる。硬化剤は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の中でも、水酸基当量が100g/eq.以上のものが好ましい。水酸基当量が100g/eq.以上のフェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、ジシクロペンタジエン骨格フェノールノボラック樹脂(GDPシリーズ、群栄化学社製)、ザイロック型フェノールノボラック樹脂(MEH-7800、明和化成社製)、ビフェニルアラルキル型ノボラック樹脂(MEH-7851、明和化成社製)、ナフトールアラルキル型硬化剤(SNシリーズ、新日鉄住金社製)、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック樹脂(LA-3018-50P、DIC社製)、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂(LA-705N、DIC社製)などが挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、得られる硬化膜の機械的強度を向上させるために、さらに熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂は、溶剤に可溶であることが好ましい。溶剤に可溶である場合、ドライフィルムの柔軟性が向上し、クラックの発生や粉落ちを抑制できる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂や、エピクロルヒドリンと各種2官能フェノール化合物の縮合物であるフェノキシ樹脂或いはその骨格に存在するヒドロキシエーテル部の水酸基を各種酸無水物や酸クロリドを使用してエステル化したフェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ブロック共重合体、ゴム粒子等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、着色剤が含まれていてもよい。着色剤としては、赤、青、緑、黄、黒、白等の公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。着色剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、硬化性樹脂組成物の調製や、該硬化性樹脂組成物をキャリアフィルムに塗布する際の粘度調整等の目的で、有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は、単独で、または二種類以上組み合わせて用いることができる。
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物には、電子材料の分野において公知慣用の他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、酸化防止剤、抗菌・防黴剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、密着性付与剤、チキソ性付与剤、光開始助剤、増感剤、有機フィラー、エラストマー、離型剤、表面処理剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、安定剤、蛍光体等が挙げられる。
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(商品名「ショーノールCRG951」、昭和高分子社製、OH当量:119.4)119.4部、水酸化カリウム1.19部およびトルエン119.4部を導入し、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8部を徐々に滴下し、125~132℃、0~4.8kg/cm2で16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56部を添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2mgKOH/g(307.9g/eq.)であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りプロピレンオキシドが平均1.08モル付加したものであった。
得られたノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液293.0部、アクリル酸43.2部、メタンスルホン酸11.53部、メチルハイドロキノン0.18部およびトルエン252.9部を、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6部の水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35部で中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート118.1部で置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5部およびトリフェニルホスフィン1.22部を、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8部を徐々に加え、95~101℃で6時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして、不揮発分65%、固形物の酸価80mgKOH/gのカルボキシル基含有感光性樹脂A-1の溶液を得た。
球状シリカ粒子(デンカ社製SFP-20M、平均粒径:400nm)50gの水スラリーを70℃に昇温後、20%アルミン酸ナトリウム(NaAlO2)水溶液をシリカ粒子に対してアルミナ(Al2O3)換算で2~3%添加した。この後、20%水酸化ナトリウム水浴液を加え、pHを7に調整し、30分間熟成した。この後、スラリーをフィルタープレスにてろ過水洗し、真空乾燥し、アルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子の固形物を得た。
球状シリカ粒子(デンカ社製SFP-20M、平均粒径:400nm)50gの水スラリーを70℃に昇温後、100g/lオキシ塩化ジルコニウム等の水溶性ジルコニウム化合物の水溶液をシリカ粒子に対してジルコニア(ZrO2)換算で2~3%添加した。この後、20%水酸化ナトリウム水浴液を加え、pHを7に調整し、30分間熟成した。この後、スラリーをフィルタープレスにてろ過水洗し、真空乾燥し、ジルコニアの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子の固形物を得た。
球状シリカ粒子(デンカ社製SFP-20M、平均粒径:400nm)50gの水スラリーを70℃に昇温後、硫酸亜鉛の水溶液をシリカ粒子に対してZnO換算で2~3%添加した。この後、20%水酸化ナトリウム水浴液を加え、pHを7に調整し、30分間熟成した。この後、スラリーをフィルタープレスにてろ過水洗し、真空乾燥し、亜鉛の水和酸化物で被覆されたシリカ粒子の固形物を得た。
球状シリカ粒子(デンカ社製SFP-20M、平均粒径:400nm)50gの水スラリーを70℃に昇温後、100g/lチタニル硫酸水溶液をシリカ粒子に対してTiO2換算で2~3%添加した。この後、20%水酸化ナトリウム水浴液を加え、pHを7に調整し、30分間熟成した。この後、スラリーをフィルタープレスにてろ過水洗し、真空乾燥し、チタンの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子の固形物を得た。
上記で得られたアルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子50gと、溶剤としてPMA48gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤(信越化学工業社製KBM-503)2gとを均一分散させて、濾過、水洗、真空乾燥によりメタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子の固形物を得た。
被覆および表面処理するシリカ粒子を、ゾルゲル球状シリカ粒子(堺化学社製Sciqus、平均粒径400nm)に変更した以外は、上記(アルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子1)と同様にシリカ粒子を調製した。
被覆および表面処理するシリカ粒子を、球状シリカ粒子(デンカ社製SFP-30M、平均粒径:600nm)に変更し、被覆剤および表面処理剤の添加量を約2/3にした以外は、上記(アルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子1)と同様にシリカ粒子を調製した。
被覆および表面処理するシリカ粒子を、球状シリカ粒子(デンカ社製UFP-30、平均粒径100nm)に変更し、被覆剤および表面処理剤の添加量を約3倍にした以外は、上記(アルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子1)と同様にシリカ粒子を調製した。
被覆するシリカ粒子を、球状シリカ粒子(アドマテックス社製SO-E4、平均粒径1μm)に変更し、被覆剤の添加量は約1/3とした以外は上記(アルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子1)と同様にシリカを調製した。
被覆するシリカ粒子を、球状シリカ粒子(ゾルゲル法にて粒度分布をコントロールして作製した日本触媒社製、IX-3-A、平均粒径400nm)に変更した以外は、上記(アルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子1)と同様にシリカを調製した。
球状シリカ粒子(デンカ社製SFP-20M、平均粒径:400nm)50gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)48gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤(信越化学工業社製KBM-503)1gとを均一分散させて、濾過、水洗、真空乾燥により、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子の固形物を得た。
上記で調製したシリカ粒子20gと、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)80gとの混合物を攪拌し、10分間超音波照射したシリカ粒子の分散試料を得た。
得られた各分散試料に含まれるシリカ粒子の粒度分布を、粗粒分布測定装置(日機装株式会社製、Nanotrac Wave II UT151)により測定した。
また、シリカ粒子(デンカ社製SFP-20M)および硫酸バリウム(堺化学社製B-30)についても同様に測定した。
各粒度は、表1、2中に記載の通りである。
上記粒度分布のシリカ粒子または硫酸バリウムをPMAに固形分50%となるよう調整したスラリーを、下記表中の感光性カルボキシル基含有樹脂とビーズミルにて分散した。各無機フィラー量は固形分として下記表中の各実施例、比較例中の添加量となるよう調整して添加した。
下記表1、2示す種々の成分(ただし、感光性カルボキシル基含有樹脂と無機フィラーについては上記で調製したスラリー)を表1、2に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、ビーズミルで混練し、硬化性樹脂組成物を調製した。尚、表中の配合量は固形分量を示す。
上記のようにして得られた硬化性樹脂組成物にメチルエチルケトン300gを加えて希釈し、攪拌機で15分間撹拌して塗工液を得た。塗工液を、算術表面粗さRa150nmである厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(キャリアフィルム、ユニチカ社製エンブレットPTH-25)上に塗布し、通常、80℃の温度で15分間乾燥し、厚み40μmの樹脂層を形成した。次いで、樹脂層上に、厚み18μmのポリプロピレンフィルム(カバーフィルム、フタムラ社製OPP-FOA)を貼り合わせて、ドライフィルムを作製した。
作製したドライフィルムをラミネート温度80℃で重ね合わせ、厚さ約300μm、幅20mmのフィルムを作製し、Thermo Scientific社製RS-6000を用い下記測定条件で溶融粘度を測定した。
昇温速度:5℃/min、測定周波数:1Hz、測定圧力:3Pa
◎:100~1000Pa・s未満
〇:1000~10000Pa・s未満
×:100000Pa・s以上
上記のようにして得られたドライフィルムからカバーフィルムを剥離して、GTS-MP箔(古河サーキットフォイル社製)の銅箔の光沢面側に、ドライフィルムの樹脂層を貼り合わせ、続いて、真空ラミネーター(名機製作所製 MVLP-500)を用いて加圧度:0.8MPa、70℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、銅箔と樹脂層とを密着させた。
次に、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、ドライフィルム上から露光(露光量:400~600mJ/cm2)した後、ドライフィルムからポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、樹脂層を露出させた。その後、1重量%Na2CO3水溶液を用いて、30℃、スプレー圧2kg/cm2の条件で60秒間現像を行い、3mm幅のレジストパターンを有する樹脂層を形成した。続いて、高圧水銀灯を備えたUVコンベア炉にて1J/cm2の露光量で樹脂層に照射した後、160℃で60分加熱して樹脂層を完全硬化させて硬化膜を作製した。
銅厚10μm、L(ライン:配線幅)/S(スペース:間隔幅)=10/10μmの櫛歯パターンの微細回路が形成されている両面プリント配線基板に前処理として、メック社製CZ処理にてRa0.05μm相当のエッチング処理を行った。次いで、上記で作製したドライフィルムを、カバーフィルムを剥離した後、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機社製)を用い、前記エッチング処理した基板にラミネートした。ラミネート条件は、5kgf/cm2、80℃、1分、1Torrの条件にて加熱ラミネートし、次いで熱板プレス機で10kgf/cm2、90℃、1分の条件にてレベリングさせた。ラミネート後にラインとスペースの境界部分に空気が入り込み、樹脂層中に気泡(ボイド)が発生しているか否かを100ヶ所、キャリアフィルム越しに確認した。評価基準は以下のとおりである。
◎: ボイドが確認されなかった。
○: 1~2ヶ所のボイドが確認された。
△: 3~5ヶ所のボイドが確認された。
×: 6ヶ所以上のボイドが確認された。
*2:日本化薬社製NC-6000
*3: 昭和電工社製PETG
*4:BASFジャパン社製イルガキュアTPO(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド)
*5:BASFジャパン社製イルガキュアOXE02(エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(o-アセチルオキシム)
*6:新中村化学工業社製A-DCP(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)
*7:ジシアンジアミド
*8:メラミン
*9:上記で調製した、アルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子1のスラリーB-1
*10:上記で調製した、ジルコニアの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子のスラリーB-2
*11:上記で調製した、亜鉛の水和酸化物で被覆されたシリカ粒子のスラリーB-3
*12:上記で調製した、チタンの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子のスラリーB-4
*13:上記で調製した、アルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子1のスラリーB-5
*14:上記で調製した、アルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子2のスラリーB-6
*15:上記で調製した、アルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子3のスラリーB-7
*16:上記で調製した、アルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子4のスラリーB-8
*17:上記で調製した、アルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子2のスラリーR-1
*18:上記で調製した、アルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子3のスラリーR-2
*19:上記で調製した、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子のスラリーR-3
*20:シリカ粒子(デンカ社製SFP-20M、平均粒径:400nm)のスラリーR-4
*21:シリカアルミナ表面処理された硫酸バリウム(堺化学社製B-30)のスラリーR-5
*22:50~95%の累積粒子径の粒度分布幅/10~50%の累積粒子径の粒度分布幅
Claims (5)
- アルミニウムの水和酸化物、ジルコニウムの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種により被覆されたシリカ粒子と、硬化性樹脂と、を含む組成物であって、
前記被覆されたシリカ粒子の50%累積粒子径が0.05~0.8μmであり、
50~95%の累積粒子径の粒度分布幅が、10~50%の累積粒子径の粒度分布幅の2倍以上であり、
95%累積粒子径が2μm以下であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - 前記被覆されたシリカ粒子が、さらに、表面に硬化性反応基を有することを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
- 請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物、または、請求項3記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
- 請求項4記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018070143A JP7032977B2 (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018070143A JP7032977B2 (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019178303A JP2019178303A (ja) | 2019-10-17 |
JP7032977B2 true JP7032977B2 (ja) | 2022-03-09 |
Family
ID=68277897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018070143A Active JP7032977B2 (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7032977B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116982001A (zh) * | 2021-03-15 | 2023-10-31 | 太阳油墨制造株式会社 | 固化性树脂组合物、干膜、固化物和电子部件 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1993010043A1 (en) | 1991-11-16 | 1993-05-27 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Fine spherical composite particle, production thereof, and polyester composition containing the same |
US20020172827A1 (en) | 2001-04-11 | 2002-11-21 | O'connor Thomas | Nano-sized dispersible powders and method of making |
JP2003147228A (ja) | 2001-11-14 | 2003-05-21 | Toda Kogyo Corp | 黒色複合粒子粉末及び該黒色複合粒子粉末を含有する塗料及び樹脂組成物 |
WO2006068020A1 (ja) | 2004-12-21 | 2006-06-29 | Catalysts & Chemicals Industries Co., Ltd. | 多孔質シリカ系粒子の製造方法および該方法から得られる多孔質シリカ系粒子 |
JP2011026183A (ja) | 2009-06-24 | 2011-02-10 | Jgc Catalysts & Chemicals Ltd | シリカ系微粒子分散ゾルの製造方法、シリカ系微粒子分散ゾル、該分散ゾルを含む塗料組成物、硬化性塗膜および硬化性塗膜付き基材 |
JP2012237952A (ja) | 2011-02-25 | 2012-12-06 | Fujifilm Corp | 遮光性組成物、遮光性組成物の製造方法、ソルダレジスト、パターン形成方法、及び固体撮像素子 |
JP2013519756A (ja) | 2010-02-11 | 2013-05-30 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 分散多モード表面改質ナノ粒子を含む樹脂系 |
JP2016169281A (ja) | 2015-03-12 | 2016-09-23 | 株式会社トクヤマ | 複合フィラーおよびこれを含む樹脂組成物 |
JP2017181848A (ja) | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 太陽インキ製造株式会社 | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0611872B2 (ja) * | 1984-08-28 | 1994-02-16 | テイカ株式会社 | 二酸化チタン被覆シリカビ−ズ、その製造法および用途 |
JPH04175219A (ja) * | 1990-11-08 | 1992-06-23 | Ube Nitto Kasei Co Ltd | ジルコニア被覆シリカ微粒子及びその製造方法 |
JPH1117073A (ja) * | 1997-06-20 | 1999-01-22 | Toshiba Chem Corp | 光結合半導体装置および封止用樹脂組成物 |
-
2018
- 2018-03-30 JP JP2018070143A patent/JP7032977B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1993010043A1 (en) | 1991-11-16 | 1993-05-27 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Fine spherical composite particle, production thereof, and polyester composition containing the same |
US20020172827A1 (en) | 2001-04-11 | 2002-11-21 | O'connor Thomas | Nano-sized dispersible powders and method of making |
JP2003147228A (ja) | 2001-11-14 | 2003-05-21 | Toda Kogyo Corp | 黒色複合粒子粉末及び該黒色複合粒子粉末を含有する塗料及び樹脂組成物 |
WO2006068020A1 (ja) | 2004-12-21 | 2006-06-29 | Catalysts & Chemicals Industries Co., Ltd. | 多孔質シリカ系粒子の製造方法および該方法から得られる多孔質シリカ系粒子 |
JP2011026183A (ja) | 2009-06-24 | 2011-02-10 | Jgc Catalysts & Chemicals Ltd | シリカ系微粒子分散ゾルの製造方法、シリカ系微粒子分散ゾル、該分散ゾルを含む塗料組成物、硬化性塗膜および硬化性塗膜付き基材 |
JP2013519756A (ja) | 2010-02-11 | 2013-05-30 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 分散多モード表面改質ナノ粒子を含む樹脂系 |
JP2012237952A (ja) | 2011-02-25 | 2012-12-06 | Fujifilm Corp | 遮光性組成物、遮光性組成物の製造方法、ソルダレジスト、パターン形成方法、及び固体撮像素子 |
JP2016169281A (ja) | 2015-03-12 | 2016-09-23 | 株式会社トクヤマ | 複合フィラーおよびこれを含む樹脂組成物 |
JP2017181848A (ja) | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 太陽インキ製造株式会社 | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019178303A (ja) | 2019-10-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6702617B2 (ja) | 光硬化性および熱硬化性を有する樹脂組成物およびドライフィルムソルダーレジスト | |
JP7076263B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 | |
JP5977361B2 (ja) | 光硬化性および熱硬化性を有する樹脂組成物と、ドライフィルムソルダレジスト | |
JP6770131B2 (ja) | 硬化性組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 | |
JP6951323B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 | |
WO2018143220A1 (ja) | 光硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、およびプリント配線板 | |
JP2019178307A (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 | |
TWI761412B (zh) | 硬化性組成物、主劑及硬化劑、乾膜、硬化物以及印刷配線板 | |
KR20150098216A (ko) | 프린트 배선판 | |
JPWO2020066601A1 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、プリント配線板および電子部品 | |
JP7032977B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 | |
JP2018173609A (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 | |
TWI814970B (zh) | 硬化性樹脂組成物、乾膜、硬化物及電子零件 | |
JP7101513B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 | |
JP2021044387A (ja) | 積層硬化体、硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、および、積層硬化体の製造方法 | |
KR101296851B1 (ko) | 광경화성 및 열경화성을 갖는 수지 조성물 및 드라이 필름 솔더 레지스트 | |
JP2019178306A (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 | |
KR102571046B1 (ko) | 경화성 수지 조성물, 드라이 필름, 경화물 및 프린트 배선판 | |
KR102543365B1 (ko) | 경화성 조성물, 드라이 필름, 경화물 및 프린트 배선판 | |
JPWO2019187587A1 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、積層構造体、および、電子部品 | |
JP2021044386A (ja) | 積層硬化体、硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、および、積層硬化体の製造方法 | |
JP6774185B2 (ja) | 積層構造体およびプリント配線板 | |
JP2022159248A (ja) | 積層構造体、硬化物およびプリント配線板 | |
JP2021144097A (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 | |
JP2021051263A (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210323 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220201 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220225 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7032977 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |