JP6928924B2 - プロセス用離型フィルム、その用途、及びそれを用いた樹脂封止半導体の製造方法 - Google Patents
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Description
また、半導体封止樹脂の種類によっては、成形時加熱された封止樹脂から発生するオリゴマー等の低分子量の気体(以下、「アウトガス」という。)が離型フィルムを透過して金型を汚染が生ずる場合があり、その抑制が求められていた。特に、半導体封止プロセス用離型フィルムに皺が発生する場合、例えばガス透過抑制層に無機膜や有機膜を有する離型フィルムを使用する場合、そのガス透過抑制層自体がフィルムに比べ薄膜であるため、離型フィルムに皺が発生するとガス透過抑制層はクラックや破れ、穴などが生じやすくなる。その結果加熱によって発生する封止樹脂から穴などが生じやすくなった箇所からアウトガスがフィルムを透過して金型面に堆積し局所的な金型の汚染が顕著に発生する場合がある。このような金型の汚染の進行によりフィルムの皺が発生しやすくなることがあるため、金型の洗浄サイクルが短くなることから半導体パッケージ工程の生産効率の低下や製造コスト等の観点から、金型汚染防止が求められていた。(例えば特許文献6参照。)
すなわち本発明及びその各態様は、下記[1]から[17]に記載のとおりである。
離型層Aと、耐熱樹脂層Bと、を含む積層フィルムであるプロセス用離型フィルムであって、
前記離型層Aの水に対する接触角が、90°から130°であり、
前記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下であり、
前記積層フィルムのJIS K 7126に準じ、温度20℃、湿度50%R.H.の条件で測定した酸素透過度が、1000ml/m2・day・MPa以下である、プロセス用離型フィルム 。
[2]
離型層Aと、耐熱樹脂層Bと、を含む積層フィルムであるプロセス用離型フィルムであって、
前記離型層Aの水に対する接触角が、90°から130°であり、
前記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下であり、
前記積層フィルムの以下の手順(1)から(3)に従い測定されたアウトガス透過度が1.0重量%以下である上記プロセス用離型フィルム:
(1)封止樹脂10mgをバイアル瓶1の中に入れ、キャップとゴム栓で密栓後、120℃30分間加熱し静的ヘッドスペース法によるGC−MS測定を実施して、バイアル瓶1中アウトガス量1を測定する;
(2)封止樹脂10mgをバイアル瓶1の中に入れ、バイアル瓶1の口に、プロセス用離型フィルムを瓶口にかぶせて密栓したものを用意し、続いてバイアル瓶1が入る大きさのバイアル瓶2を用意し、このバイアル瓶2の中にバイアル瓶1を格納し、キャップとゴム栓で密栓後、120℃30分間加熱し静的ヘッドスペース法によるGC−MS測定を実施し、プロセス用離型フィルムを透過したバイアル瓶2中のアウトガス量2を測定する;
(3)下記(式1)に従い、プロセス用離型フィルムのアウトガス透過度を計算する。
アウトガス透過度=アウトガス量2/アウトガス量1×100(重量%)(式1)
[3]
前記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率と縦(MD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率の和が6%以下である、[1]又は[2]に記載のプロセス用離型フィルム。
[4]
前記耐熱樹脂層Bの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下である、[1]から[3]のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
[5]
前記耐熱樹脂層Bの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率と縦(MD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率の和が6%以下である、[4]に記載のプロセス用離型フィルム。
[6]
前記離型層Aが、フッ素樹脂、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体、及びポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれる樹脂を含む、[1]から[5]のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
[7]
前記耐熱樹脂層Bに、ガスバリア層Cが積層されている、[1]から[6]のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
[8]
前記ガスバリア層Cが、無機層又は有機層である、[7]に記載のプロセス用離型フィルム。
[9]
前記ガスバリア層C上に、有機コーティングである保護樹脂層Dが積層されている、[7]又は[8]に記載のプロセス用離型フィルム。
[10]
前記耐熱樹脂層BのJISK7221に準じて示差走査熱量測定(DSC)によって測定した第1回昇温工程での結晶融解熱量15J/g以上、60J/g以下である、[1]から[9]のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
[11]
前記積層フィルムが、更に離型層A’を有し、かつ、該離型層Aと、前記耐熱樹脂層Bと、前記離型層A’と、をこの順で含み、
該離型層A’の水に対する接触角が、90°から130°である、[1]から[10]のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
[12]
前記離型層A及び前記離型層A’の少なくとも一方が、フッ素樹脂、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体、及びポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれる樹脂を含む、[11]に記載のプロセス用離型フィルム。
[13]
熱硬化性樹脂による封止プロセスに用いる、[1]から[12]のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム
[14]
半導体封止プロセスに用いる、[1]から[13]のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
[15]
繊維強化プラスチック成形プロセス、またはプラスチックレンズ成形プロセスに用いる、[1]から[12]のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
[16]
樹脂封止半導体の製造方法であって、
成形金型内の所定位置に、樹脂封止される半導体装置を配置する工程と、
前記成形金型内面に、[1]から[14]のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルムを、前記離型層Aが前記半導体装置と対向するように配置する工程と、
前記成形金型を型締めした後、前記半導体装置と、前記プロセス用離型フィルムとの間に封止樹脂を注入成形する工程と、
を有する、上記樹脂封止半導体の製造方法。
[17]
樹脂封止半導体の製造方法であって、
成形金型内の所定位置に、樹脂封止される半導体装置を配置する工程と、
前記成形金型内面に、[11]又は[12]に記載のプロセス用離型フィルムを、前記離型層A’が前記半導体装置と対向するように配置する工程と、
前記成形金型を型締めした後、前記半導体装置と、前記プロセス用離型フィルムとの間に封止樹脂を注入成形する工程と、
を有する、上記樹脂封止半導体の製造方法。
本発明のプロセス用離型フィルムは、以下の2態様を含む。
(第1態様)
離型層Aと、耐熱樹脂層Bと、を含む積層フィルムであるプロセス用離型フィルムであって、
前記離型層Aの水に対する接触角が、90°から130°であり、
前記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下であり、
前記積層フィルムの酸素透過度が、1000ml/m2・day・MPa以下である、上記プロセス用離型フィルム。なお、本発明における酸素透過度とはモコン社製OX−TRAN2/21MLを用いて、JIS K 7126に準じ、温度20℃、湿度50%R.H.の条件で測定した酸素透過度をいう。
酸素透過度としては、金型汚染を効果的に防止する観点から、500ml/m2・day・MPa以下であることがより好ましく、250ml/m2・day・MPa以下であることが特に好ましい。
上記第1態様は、更に以下の条件をも具備することが好ましい。
離型層Aと、耐熱樹脂層Bと、を含む積層フィルムであるプロセス用離型フィルムであって、
前記離型層Aの水に対する接触角が、90°から130°であり、
前記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から170℃までの熱寸法変化率が4%以下である、上記プロセス用離型フィルム。
(第2態様)
離型層Aと、耐熱樹脂層Bと、を含む積層フィルムであるプロセス用離型フィルムであって、
前記離型層A、及び前記離型層A’の水に対する接触角が、90°から130°であり、
前記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下であり、
後述の方法で測定された前記積層フィルムのアウトガス透過度が、1.0重量%以下である、上記プロセス用離型フィルム。
アウトガス透過度としては、金型汚染を効果的に防止する観点から、0.8重量%以下であることが好ましく、0.7重量%以下であることがより好ましく、0.5重量%未満であることが特に好ましい。
上記第2態様は、更に以下の条件をも具備する満たすことが好ましい。
離型層Aと、耐熱樹脂層Bと、を含む積層フィルムであるプロセス用離型フィルムであって、
前記離型層Aの水に対する接触角が、90°から130°であり、
前記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から170℃までの熱寸法変化率が4%以下である、上記プロセス用離型フィルム。
上記第1対応及び第2態様は、更に離型層A’を有し、離型層Aと、耐熱樹脂層Bと、離型層A’と、をこの順で含むものであってもよい。
離型層Aの水に対する接触角は、90°から130°であり、この様な接触角を有することにより離型層Aは濡れ性が低く、硬化した封止樹脂や金型表面に固着することなく、成形品を容易に離型することができる。
離型層Aの水に対する接触角は、好ましくは95°から120°であり、より好ましくは98°から115°、更に好ましくは100°から110°である。
すなわち、離型層A(及び所望により離型層A’)、並びに該離型層を支持する耐熱樹脂層B、を含む積層フィルムは、そのTD方向(横方向)の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下である。また、そのTD方向(横方向)の23℃から170℃までの熱寸法変化率が4%以下であることが好ましい。
上記積層フィルムのTD方向(横方向)の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下であり、好ましくは更にそのTD方向(横方向)の23℃から170℃までの熱寸法変化率が4%以下であることにより、樹脂封止工程等における離型層の皺の発生を有効に抑制することができる。プロセス用離型フィルムを構成する積層フィルムとして横(TD)方向の熱寸法変化率が上記の特定の値を示すもの用いることで、離型層の皺の発生が抑制されるメカニズムは必ずしも明らかではないが、比較的熱膨張/収縮の小さい積層フィルムを用いることにより、プロセス時の加熱/冷却による離型層A(又は離型層A’)の熱膨張/収縮が抑制されることと関連があるものと推測される。
本発明のプロセス用離型フィルムを構成する積層フィルムは、そのTD方向(横方向)の23℃から170℃までの熱寸法変化率が3.5%以下であることが好ましく、3.0%以下であることがより好ましく、2.0%以下であることが更に好ましくい。一方、積層フィルムは、そのTD方向(横方向)の23℃から170℃までの熱寸法変化率が−5.0%以上であることが好ましい。
すなわち、上記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率と縦(MD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率の和は、6%以下であることが好ましく、一方、前記積層フィルムは、そのTD方向(横方向)の23℃から120℃までの熱寸法変化率と縦(MD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率の和が−5.0%以上であることが好ましい。
離型層A(及び所望により離型層A’)、並びに耐熱樹脂層B、を含む積層フィルムの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率と縦(MD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率の和が6%以下であることにより、金型内面に装着された際の皺の発生を一層有効に抑制することができる。
上記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から170℃までの熱寸法変化率と縦(MD)方向の23℃から170℃までの熱寸法変化率の和が7%以下であることにより、金型内面に装着された際の皺の発生を更に有効に抑制することができる。
積層フィルムのアウトガス透過度が、1.0重量%以下であることにより、半導体封止プロセス等における金型の汚染を有効に抑制することができる。
従来技術においては、封止樹脂であるエポキシ樹脂等からの易揮発性成分等がフィルムを透過し、金型への汚染を起こしていると推定される。そのアウトガスの成分としては封止樹脂から加熱時に揮発する低分子量成分であり、その中でも特に例えばシリコーンオイルのような常温で非揮発性の物質が金型を汚染すると推定される。
アウトガス透過度が所定値以下である、第2態様のプロセス用離型フィルムを構成する積層体はアウトガス中の汚染物質も透過しにくいために、封止樹脂等からの汚染物質を遮断して汚染物質の金型への付着を防止しうるものと推定される。
ここで本態様のプロセス用離型フィルムを用いた製造プロセスで好ましく使用される封止樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、当該技術分野においては熱硬化性樹脂が広く用いられている。樹脂の材質にも特に限定は無いが、エポキシ系の熱硬化性樹脂、やシリコーン封止樹脂を好ましく使用することができ、特にエポキシ系の封止樹脂を用いることが好ましい。
本態様のプロセス用離型フィルムを用いた製造プロセスで好ましく特に好ましく使用されるエポキシ系の封止樹脂として、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤及び(D)無機充填材を含有するとするエポキシ樹脂組成物を挙げることができる。
上記エポキシ樹脂組成物で用いられるエポキシ樹脂(A)は、1分子内に2個以上のエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、及びポリマー全般を言う。例えば、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニル骨格等を含む)、ナフトール型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらには限定されない。また、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらの内では、特に、溶融粘度が低く、無機充填材を高充填化することができ、ひいてはエポキシ樹脂組成物の低吸湿化が可能となり、耐半田クラック性を向上できる、結晶性のエポキシ樹脂が好ましい。
積層フィルムのアウトガス透過度には特に下限は無いが、経済性、入手容易性当の観点から現実的な材料を使用する限り、通常0.01重量%以上となる。
(アウトガス透過度[重量%]の測定)
エポキシ封止樹脂10mgをバイアル瓶1の中に入れ、キャップとゴム栓で密栓後、120℃30分間加熱し静的ヘッドスペース法によるGC−MS測定を実施して、バイアル瓶1中のアウトガス量1を測定する。(分析1)
続いて、別途エポキシ封止樹脂10mgをバイアル瓶1の中に入れ、バイアル瓶1の口に、ゴム栓に代えてフィルムを瓶口にかぶせてキャップで密栓したものを用意し、続いてこのバイアル瓶1が入る大きさのバイアル瓶2を用意し、このバイアル瓶2の中にバイアル瓶1を格納し、キャップとゴム栓で密栓後、120℃30分間加熱し静的ヘッドスペース法によるGC−MS測定を実施し、フィルムを透過したバイアル瓶2中のアウトガス量2を評価する。(分析2)
各フィルムに対し、分析1で得られたアウトガス量1と、分析2で得られた、フィルムを透過したアウトガス量2とから、下記(式1)に従って、アウトガス透過度を計算することができる。
アウトガス透過度=アウトガス量2/アウトガス量1×100 (重量%) (式1)
また、ガスバリア層C等の層を設けることによっても、積層フィルムのアウトガス透過度を効果的に調整することが可能である。
ここで、酸素透過度は、モコン社製OX−TRAN2/21MLを用いて、JIS K 7126に準じ、温度20℃、湿度50%R.H.の条件で測定される。
当該積層フィルムの酸素透過度が1000ml/m2・day・MPa以下であることにより、半導体封止プロセス等における金型の汚染を有効に抑制することができる。
酸素透過度は、上述のアウトガス透過度と一定の正の相関関係が有り、酸素透過度が1000ml/m2・day・MPa以下である場合、アウトガス透過度も金型の汚染を有効に抑制できるような低い値、例えば本発明の第2態様に規定するような値である可能性が高い。従って、本発明の第1態様における様に、より簡便に測定可能であり、また市販のフィルムについては測定済みで既知である場合も多い酸素透過度を指標とすることで、所定のアウトガス透過度を有する本発明の第2態様のプロセス用離型フィルムまたはその部材を、一層効率良く、設計、製造、又は入手することができる。
積層フィルムの酸素透過度には特に下限は無いが、経済性、入手容易性当の観点から現実的な材料を使用する限り、通常1ml/m2・day・MPa以上となる。
積層フィルムの酸素透過度は、例えばJIS K 7126に従い、ガスバリア試験装置を用いて測定することができる。
積層フィルムの酸素透過度は、積層フィルムを構成する離型層A及び耐熱樹脂層B、並びに存在する場合には離型層A’のいずれかの酸素透過度を調整することで適宜調整することが可能であるが、 後述のように耐熱樹脂層Bの酸素透過度を調整することにより調整することが容易かつ実用的である。
また、ガスバリア層C等の層を設けることによっても、積層フィルムの酸素透過度を効果的に調整することが可能である。
本発明のプロセス用離型フィルムを構成する離型層Aは、水に対する接触角が、90°から130°であり、好ましくは95°から120°であり、より好ましくは98°から115°、更に好ましくは100°から110°である。成形品の離型性に優れること、入手の容易さなどから、フッ素樹脂、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体、及びポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれる樹脂を含むことが好ましい。
チル−1−ペンテンに可とう性を付与し得る。炭素原子数2〜20のオレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が含まれる。これらのオレフィンは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
ポリスチレン系樹脂は、アイソタクチックポリスチレンであってもシンジオタクチックポリスチレンであってもよいが、透明性、入手の容易さなどの観点からはアイソタクチックポリスチレンが好ましく、離型性、耐熱性などの観点からは、シンジオタクチックポリスチレンが好ましい。ポリスチレンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
離型層Aに結晶性をもたらすため、例えばフッ素樹脂においてはテトラフルオロエチレンから導かれる構成単位を少なくとも含むことが好ましく、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体においては4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を少なくとも含むことが好ましく、ポリスチレン系樹脂においてはシンジオタクチックポリスチレンを少なくとも含むことが好ましい。離型層Aを構成する樹脂に結晶成分が含まれることにより、樹脂封止工程等において皺が発生し難く、皺が成形品に転写されて外観不良を生じることを抑制するのに好適である。
上させることができる。離型層Aの表面に凹凸を付与する方法は、特に制限はないが、エ
ンボス加工等の一般的な方法が採用できる。
本発明のプロセス用離型フィルムは、離型層A及び耐熱樹脂層Bに加えて、更に離型層A’を有していてもよい。すなわち、本発明のプロセス用離型フィルムは、離型層Aと、耐熱樹脂層Bと、離型層A’とをこの順で含む積層フィルムであるプロセス用離型フィルムであってもよい。
本発明のプロセス用離型フィルムを構成してもよい離型層A’の水に対する接触角は、90°から130°であり、好ましくは95°から120°であり、より好ましくは98°から115°、更に好ましくは100°から110°である。そして、離型層A’の好ましい材質、構成、物性等は、上記において離型層Aについて説明したものと同様である。
反りの防止や、いずれの面も同様の離型性を有することによる取り扱いの容易さ等の観点からは、離型層Aと離型層A’とは同一または略同一の構成であることが好ましく、離型層Aと離型層A’とを使用するプロセスとの関係でそれぞれ最適に設計する観点、例えば、離型層Aを金型からの離型性に優れたものとし、離型層A’を成形物からの剥離性に優れたものとする等の観点からは、離型層Aと離型層A’とを異なる構成のものとすることが好ましい。
離型層Aと離型層A’とを異なる構成のものとする場合には、離型層Aと離型層A’とを同一の材料であって厚み等の構成が異なるものとしてもよいし、材料もそれ以外の構成も異なるものとしてもよい。
本発明のプロセス用離型フィルムを構成する耐熱樹脂層Bは、離型層A(及び場合により離型層A’)を支持し、かつ金型温度等による皺発生を抑制する機能を有する。
本発明のプロセス用離型フィルムにおいては、耐熱樹脂層Bは、ガスバリア性を有することが好ましく、また耐熱樹脂層Bの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下であるか、又は耐熱樹脂層Bの横(TD)方向の23℃から170℃までの熱寸法変化率が3%以下であることが好ましい。さらに、耐熱樹脂層Bは、その横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下であってかつ横(TD)方向の23℃から170℃までの熱寸法変化率が3%以下であることがより好ましい。
耐熱樹脂層Bとして、横(TD)方向の熱寸法変化率が上記の特定の値を示す樹脂層を用いることで、より効果的に離型層の皺の発生が抑制されるメカニズムは必ずしも明らかではないが、比較的熱膨張/収縮の小さい耐熱樹脂層Bを用いることにより、プロセス時の加熱/冷却による離型層A(又は離型層A’)の熱膨張/収縮が抑制されることと関連があるものと推測される。
延伸フィルムは、製造のプロセスにおける延伸の影響で、熱膨張率が低いか又は負となる傾向があり、耐熱樹脂層Bの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下であるか、又は耐熱樹脂層Bの横(TD)方向の23℃から170℃までの熱寸法変化率が3%以下であるという特性を実現することが比較的容易であるので、耐熱樹脂層Bとして好適に使用することができる。
耐熱樹脂層Bの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率は、2%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましく、一方、−10%以上であることが好ましい。
耐熱樹脂層Bの横(TD)方向の23℃から170℃までの熱寸法変化率は、2%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましく、一方、−10%以上であることが好ましい。
上記延伸フィルムを得るための方法、装置にも特に限定は無く、当業界において公知の方法で延伸を行えばよい。例えば、加熱ロールやテンター式延伸機で延伸することができる。
延伸ポリアミドフィルムを構成するポリアミドには特に限定は無いが、ポリアミド−6、ポリアミド−66等を好ましく用いることができる。
延伸ポリプロピレンフィルムとしては、一軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等を好ましく用いることができる。
延伸ポリエチレンフィルムとしては、一軸延伸ポリエチレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンフィルム等を好ましく用いることができる。
延伸倍率には特に限定はなく、熱寸法変化率を適切に制御し、好適な機械的性質を実現するために適切な値を適宜設定すれば良いが、例えば延伸ポリエステルフィルムの場合は、縦方向、横方向ともに2.7〜8.0倍の範囲であることが好ましく、延伸ポリアミドフィルムの場合は、縦方向、横方向ともに2.7〜5.0倍の範囲であることが好ましく、延伸ポリプロピレンフィルムの場合は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの場合は、縦方向、横方向ともに5.0〜10.0倍の範囲であることが好ましく、一軸延伸ポリプロピレンフィルムの場合は、縦方向に1.5〜10.0倍の範囲であることが好ましい。
耐熱樹脂層Bを構成する樹脂は、JISK7221に準じて示差走査熱量測定(DSC)によって測定した第1回昇温工程での結晶融解熱量が20J/g以上、100J/g以下であることが好ましく、25J/g以上、65J/g以下であることがより好ましく、25J/g以上、55J/g以下であることがより好ましく、28J/g以上、50J/g以下であることがより好ましく、28J/g以上、40J/g以下であることがより好ましく、28J/g以上、35J/g以下であることがさらに好ましい。20J/g以上であると、樹脂封止工程等での熱プレス成形に耐え得る耐熱性及び離型性を効果的に発現させることができ、また寸法変化率も僅少に抑制することができるため、皺の発生も防止することができる。一方、前記結晶融解熱量が100J/g以下であることにより、耐熱樹脂層Bに適度な硬度を付与することができるため樹脂封止工程等においてフィルムの十分な金型への追随性が確保することができることに加えフィルムが破損しやすくなるおそれもない。なお、本実施形態において、結晶融解熱量とは、JISK7221に準じて示差走査熱量測定(DSC)による測定での第1回昇温工程で得られた縦軸の熱量(J/g)と横軸の温度(℃)との関係を示すチャート図において、120℃以上でピークを有するピーク面積の和によって求められる数値をいう。
耐熱樹脂層Bの結晶融解熱量は、フィルム製造時の加熱、冷却の条件や、延伸の条件を適宜設定することで調節することができる。
00μm、好ましくは5〜50μmである。
耐熱樹脂層B(又は耐熱樹脂層B及びそれに隣接する層)のアウトガス透過度は、0.7重量%以下であることがより好ましく、0.5重量%未満であることが特に好ましい。
耐熱樹脂層B(又は耐熱樹脂層B及びそれに隣接する層)の酸素透過度の測定方法は、離型層Aと、耐熱樹脂層Bと、所望により離型層A’とを含む積層フィルムの酸素透過殿測定方法として上記にて説明したものと同様である。
或いは、耐熱樹脂層Bに、ガスバリア層Cを積層することで、耐熱樹脂層B及びそれに隣接するガスバリア層Cの全体でのガスバリア性を向上させてもよい。
ガスバリア層Cは、無機層であっても有機層であってもよい。コスト、透明性、耐熱性などの観点からは無機層であることが好ましく、基材との密着性や割れが生じにくいことなどの観点からは有機層であることが好ましく、さらに無機層と有機層を積層することにより双方の特長を生かした構成とすることもできる。
無機層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
無機層の厚さは、5〜200nmが好ましく、より好ましくは8〜180nm、さらに好ましくは10〜150nmである。
無機層としてアルミニウム層を使用した場合にも、5〜200nmが好ましく、より好ましくは8〜180nm、さらに好ましくは10〜150nmである。
なお、「ビニルアルコール単位」とは、酢酸ビニルの重合によって得られた重合体を化学変換することによって酢酸ビニル単位のアセトキシ基が水酸基に変換された単位である。
該重合体は、架橋構造を有してもよく、有しなくてもよい。
重合体(ア)中のビニルアルコール単位の割合には特に制限は無いが、全単位の合計に対し、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上が特に好ましい。ビニルアルコール単位の割合が前記の下限値以上であれば、ガスバリア性がより優れる。
重合体(ア1):ビニルアルコール単位を有し、かつ架橋構造を有しない重合体。
重合体(ア2):ビニルアルコール単位を有し、かつ架橋構造を有する重合体。
重合体(ア1)としては、たとえばポリビニルアルコール(以下、「PVA」ともいう。)、ビニルアルコール単位と、ビニルアルコール単位および酢酸ビニル単位以外の単位とを有する共重合体(以下、「共重合体(ア11)」ともいう。)等が挙げられる。共重合体(ア11)は、酢酸ビニル単位をさらに有してもよい。これらの重合体はいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
PVAとしては、ポリ酢酸ビニルの完全けん化物(けん化度99モル%以上100モル%以下)、準完全けん化物(けん化度90モル%以上99モル%未満)、部分けん化物(けん化度70モル%以上90モル%未満)等が挙げられる。
PVAのけん化度は、80〜100モル%が好ましく、85〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%が特に好ましい。けん化度が高いほど、ガスバリア層Cのガスバリア性が高い傾向がある。
けん化度は、PVAの原料であるポリ酢酸ビニルに含まれるアセトキシ基がけん化により水酸基に変化した割合を単位比(モル%)で表したものであり、下式で定義される。けん化度は、JIS K6726:1994で規定されている方法で求めることができる。
けん化度(モル%)={(水酸基の数)/(水酸基の数+アセトキシ基の数)}×100
重合体(イ1):塩化ビニリデン単位を有し、かつ架橋構造を有しない重合体。
重合体(イ2):塩化ビニリデン単位を有し、かつ架橋構造を有する重合体。
重合体(イ2)としては、たとえば、重合体(イ1)と架橋剤とを反応させて得られる重合体が挙げられる。
架橋剤としては、ハロゲン基、あるいはアルキルアクリレートに結合した官能基と反応して架橋構造を形成する水溶性の架橋剤が好ましい。具体例として、有機金属化合物、イソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物、ビスビニルスルホン化合物等が挙げられる。これらの架橋剤の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。
また、ポリカルボン酸ポリアクリル酸とポリアミン化合物の比率は(ガスバリア用塗材中のポリカルボン酸に含まれる−COO−基のモル数)/(ガスバリア用塗材中のポリアミン化合物に含まれるアミノ基のモル数)は、好ましくは100/22超、より好ましくは100/25以上、特に好ましくは100/29以上である。一方、(ガスバリア用塗材中のポリカルボン酸に含まれる−COO−基のモル数)/(ガスバリア用塗材中のポリアミン化合物に含まれるアミノ基のモル数)は、好ましくは100/99以下、より好ましくは100/86以下、特に好ましくは100/75以下である。
前記ポリカルボン酸の分子量は通常5000〜1500000であり、好ましくは10000〜1000000である。
一方、ポリアミン化合物の重合平均分子量は通常1500〜1000000であり、好ましくは1500〜5000000であり、1500〜250000がより好ましく、1500〜100000が特に好ましい。
本発明のプロセス用離型フィルムは、本発明の目的に反しない限りにおいて、離型層A、耐熱樹脂層B、離型層A’、及びガスバリア層C以外の層を有していてもよい。例えば、上述の保護樹脂層Dをガスバリア層C上に有していてもよいし、離型層A(又は離型層A’)と耐熱樹脂層Bとの間に、必要に応じて接着層を有してもよい。接着層に用いる材料は、離型層Aと耐熱樹脂層Bとを強固に接着でき、樹脂封止工程や離型工程においても剥離しないものであれば、特に制限されない。
また、図3に示すように、耐熱樹脂層12に隣接してガスバリア層17を設けてもよい。
また、図4に示すように、耐熱樹脂層12に隣接してガスバリア層17を設けてもよい。
本発明のプロセス用離型フィルムを用いた製造プロセスで好ましく特に好ましく使用されるエポキシ系の封止樹脂として、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤及び(D)無機充填材を含有するとするエポキシ樹脂組成物を挙げることができる。
上記エポキシ樹脂組成物で用いられるエポキシ樹脂(A)は、1分子内に2個以上のエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、及びポリマー全般を言う。例えば、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニル骨格等を含む)、ナフトール型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらには限定されない。また、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらの内では、特に、溶融粘度が低く、無機充填材を高充填化することができ、ひいてはエポキシ樹脂組成物の低吸湿化が可能となり、耐半田クラック性を向上できる、結晶性のエポキシ樹脂が好ましい。
本発明のプロセス用離型フィルムは、任意の方法で製造されうる。例えば、1)離型層Aと耐熱樹脂層Bを共押出成形して積層することにより、プロセス用離型フィルムを製造する方法(共押出し形成法)、2)耐熱樹脂層Bとなるフィルム上に、離型層Aや接着層となる樹脂の溶融樹脂を塗布・乾燥したり、または離型層Aや接着層となる樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を塗布・乾燥したりして、プロセス用離型フィルムを製造する方法(塗布法)、3)予め離型層Aとなるフィルムと、耐熱樹脂層Bとなるフィルムとを製造しておき、これらのフィルムを積層(ラミネート)することにより、プロセス用離型フィルムを製造する方法(ラミネート法)などがある。
ドライラミネート法では、接着剤を用いて各樹脂フィルムを積層する。接着剤としては、ドライラミネート用の接着剤として公知のものを使用できる。例えばポリ酢酸ビニル系接着剤;アクリル酸エステル(アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等)の単独重合体もしくは共重合体、またはアクリル酸エステルと他の単量体(メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等)との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤;シアノアクリレ−ト系接着剤;エチレンと他の単量体(酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等)との共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤;セルロ−ス系接着剤;ポリエステル系接着剤;ポリアミド系接着剤;ポリイミド系接着剤;尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤;フェノ−ル樹脂系接着剤;エポキシ系接着剤;ポリオール(ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等)とイソシアネートおよび/またはイソシアヌレートと架橋させるポリウレタン系接着剤;反応型(メタ)アクリル系接着剤;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤;シリコーン系接着剤;アルカリ金属シリケ−ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤;その他等の接着剤を使用できる。3)の方法で積層する樹脂フィルムは、市販のものを用いてもよく、公
知の製造方法により製造したものを用いてもよい。樹脂フィルムには、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、プライマー塗工処理等の表面処理が施されてもよい。樹脂フィルムの製造方法としては、特に限定されず、公知の製造方法を利用できる。
本発明のプロセス用離型フィルムは、金型内に半導体チップ等を配置して樹脂を注入成形する際に、半導体チップ等と金型内面との間に配置して使用することができる。本発明のプロセス用離型フィルムを用いることで、金型からの離型不良、バリの発生等を効果的に防止することができる。
上記製造プロセスに用いる樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、当該技術分野においては熱硬化性樹脂が広く用いられており、特にエポキシ系の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
上記製造プロセスとしては、半導体チップの封止が最も代表的であるが、これに限定されるものではなく、本発明は、繊維強化プラスチック成形プロセス、プラスチックレンズ成形プロセス等にも適用することができる。
図5aに示すように、本発明の離型フィルム1を、ロール状の巻物からロール1−2およびロール1−3により、成形金型2内に供給する。次いで、離型フィルム1を上型2の内面に配置する。必要に応じて、上型2内面を真空引きして、離型フィルム1を上型2内面に密着させてもよい。モールディング成形装置の下金型5に、基板上に配置した半導体チップ6が配置されており、その半導体チップ6上に封止樹脂を配するか、又は半導体チップ6を覆うように液状封止樹脂を注入することで、排気吸引され密着された離型フィルム1を配置した上金型2と下金5型との間に封止樹脂4が収容される。次に図5bに示すように、上金型2と下金型5とを、本発明の離型フィルム1を介して型閉じし、封止樹脂4を硬化させる。
ールドすることにより金型への樹脂の付着を防ぎ、金型の樹脂モールド面を汚さず、かつ
成形品を容易に離型させることができる。
なお、離型フィルムは一回の樹脂モールド操作ごとに新たに供給して樹脂モールドする
こともできるし複数回の樹脂モールド操作ごとに新たに供給して樹脂モールドすることも
できる。
各種成形品を成形および離型する工程、例えば繊維強化プラスチック成形および離型工程、プラスチックレンズ成形および離型工程等においても好ましく使用できる。
されるものではない。
(熱寸法変化率)
フィルムサンプルをフィルムの長手方向および幅方向にそれぞれ長さ20mm、幅4mmに切り出し、TAインスツルメンツ社製TMA(熱機械分析装置、製品名:Q400)を用い、チャック間距離8mmにて0.005Nの荷重をかけた状態で23℃5分間保持後、23℃から120℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させ、それぞれの方向の寸法変化を測定し、下記式(1)により寸法変化率を算出した。
熱寸法変化率(%)(23→120℃) = {[(L2−L1)/L1]×100}
・・・(1)
L1:23℃時のサンプル長(mm)
L2:120℃時のサンプル長(mm)
JIS R3257に準拠して、接触角測定器(Kyowa Inter face Science社製、FACECA−W)を用いて離型層A、A’の表面の水接触角を測定した。
示差走査熱量計(DSC)としてティー・エイ・インスツルメント社製Q100を用い、重合体試料約5mgを精秤し、JISK7121に準拠し、窒素ガス流入量:50ml/分の条件下で、25℃から加熱速度:10℃/分で280℃まで昇温して熱融解曲線を測定し、得られた熱融解曲線から、試料の融点(Tm)及び結晶融解熱量を求めた。
各実施例/比較例で作製したプロセス用離型フィルムを、図5に示されるように、上型と下型との間に10Nの張力を印加した状態で配置した後、上型のパーティング面に真空吸着させた。次いで、半導体チップを覆うように基板上に封止樹脂(商品名:R4212−2C、長瀬産業株式会社製)を充填後、基板に固定された半導体チップを下型に配置し、型締めした。このとき、成形金型の温度(成形温度)を120℃、成形圧力を10MPa、成形時間を400秒とした。そして、図5cに示されるように、半導体チップを封止樹脂で封止した後、樹脂封止された半導体チップ(半導体パッケージ)を離型フィルムから離型した。
離型フィルムの離型性を、以下の基準で評価した。
○:離型フィルムが、金型の開放と同時に自然に剥がれる。
△:離型フィルムは自然には剥がれないが、手で引っ張ると(張力を加えると)簡単に剥がれる。
×:離型フィルムが、半導体パッケージの樹脂封止面に密着しており、手では剥がせない。
上記工程で離型を行った後の、離型フィルム、および半導体パッケージの樹脂封止面の皺の状態を、以下の基準で評価した。
○:離型フィルムおよび半導体パッケージのいずれにも皺が全くない。
△:離型フィルムにはわずかに皺があるが、半導体パッケージへの皺の転写はない。
×:離型フィルムはもちろん、半導体パッケージにも多数の皺あり。
上記工程で離型を行った際の離型フィルムの金型追従性を、以下の基準で評価した。
○:半導体パッケージに、樹脂欠け(樹脂が充填されない部分)が全くない。
△:半導体パッケージの端部に、樹脂欠けが僅かにある(ただし皺による欠けは除く) ×:半導体パッケージの端部に、樹脂欠けが多くある(ただし皺による欠けは除く)
図8に示すように、0.3mm厚みのAl板、ロの字形状にした0.5mm厚みのSUSの枠(内枠100mm四角)、各実施例/比較例で作製したプロセス用離型フィルムを2枚、0.3mm厚みのAl板を順に重ねて配置した。さらに、ロの字の形状に裁断した0.1mm厚みのSUSの枠をスペーサーとして2枚の離型フィルムの間に、半導体用封止樹脂(商品名:R4212−2C、長瀬産業株式会社製)を注入し、120℃、10MPa、400秒環境下で平板プレスにて熱プレスした。プレス後、0.3mm厚みのAl板は繰り返し使用し、それ以外は上記条件にてプレス成形を1000回繰り返し、Al板表面に付着した汚れを、下記の基準に従い金型汚れとして評価した。評価の際の配置を、図8に示す。
○:Al表面の汚れが見られない
×:Al表面の汚れが見られた
図9(a)に示すように、上記半導体用封止樹脂10mg(商品名:R4212−2C、長瀬産業株式会社製)をバイアル瓶1の中に入れ、キャップとゴム栓で密栓後、120℃30分間加熱し静的ヘッドスペース法によるGC−MS測定を実施して、バイアル瓶1中のアウトガス量1を測定した。(分析1)
<分析条件>
前処理装置:ヘッドスペースサンプラー (アジレントテクノロジー社製)
測定装置 :GC−MS(アジレントテクノロジー社製)
注入方法 :スプリット法 (10 : 1)
カラム :DB−5MS (30m×250μm×0.25μm)
昇温条件 :40℃(0min hold)→320℃(0min hold)(10℃/min)
測定モード:SCAN(m/z = 30〜600)
続いて、図9(b)に示すように、別途エポキシ封止樹脂10mg(商品名:R4212−2C、長瀬産業株式会社製)をバイアル瓶1の中に入れ、ゴム栓に代えて各実施例/比較例で作製したプロセス用離型フィルムをバイアル瓶1の瓶口にかぶせ、該プロセス用離型フィルムとキャップで密栓したものを用意し、続いてバイアル瓶1が入る大きさのバイアル瓶2を用意し、このバイアル瓶2の中にバイアル瓶1を格納し、キャップとゴム栓で密栓後、120℃30分間加熱し静的ヘッドスペース法によるGC−MS測定を実施し、該プロセス用離型フィルムを透過したバイアル瓶2中のアウトガス量2を測定した。(分析2)
各実施例/比較例で作製したプロセス用離型フィルムについて、分析1で得られたアウトガス量1と、分析2で得られたプロセス用離型フィルムを透過したアウトガス量2から、下記(式1)に従い、アウトガス透過度を計算した。
アウトガス透過度=アウトガス量2/アウトガス量1×100(重量%)(式1)
各実施例/比較例で作製したプロセス用離型フィルムを、モコン社製OX−TRAN2/21MLを用いて、JIS K 7126に準じ、温度20℃、湿度50%R.H.の条件で測定した。
無機ガスバリア層Cを積層した耐熱樹脂層Bとして、フィルムの片面に酸化アルミ(ALO膜)を蒸着した膜厚12μmの二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムB1(三井化学東セロ株式会社製、製品名:TL−PET H)を使用した。当該フィルムB1の23℃から120℃までの熱寸法変化率は、縦(MD)方向で0.1%、横(TD)方向で0.4%であった。また、当該二軸延伸PETフィルムの融点は、260℃であり、結晶融解熱量は、38J/gであった。
無延伸の4−メチル−1−ペンテン共重合樹脂フィルムは、表面の水接触角が105°であったが、一方のフィルム表面が、JIS R3257に基づく水接触角が30°以下となるように、接着剤による接着性向上の観点からコロナ処理を施した。
当該4−メチル−1−ペンテン共重合樹脂フィルムの23℃から120℃までの熱寸法変化率は、縦(MD)方向で6.5%、横(TD)方向で3.1%であった。
各フィルムを貼り合せるドライラミ工程で使用する接着剤としては、以下のウレタン系接着剤を用いた。
[ウレタン系接着剤]
主剤:タケラックA−616(三井化学社製)。硬化剤:タケネートA−65(三井化学社製)。主剤と硬化剤とを、重量比(主剤:硬化剤)が16:1となるように混合し、希釈剤として酢酸エチルを用いた。
無機ガスバリア層Cを積層した二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムB1の一方の面に、グラビアコートで上記ウレタン系接着剤を1.5g/m2で塗工し、無延伸の4−メチル−1−ペンテン共重合樹脂フィルムのコロナ処理面をドライラミネートにて貼り合わせ後、続いてこのラミネートフィルムの二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム面の側に、ウレタン系接着剤を1.5g/m2で塗工し、無延伸の4−メチル−1−ペンテン共重合樹脂フィルムのコロナ処理面をドライラミネートにて貼り合わせて、5層構造(離型層A/接着層/ガスバリア層C/耐熱樹脂層B/接着層/離型層A’)のプロセス用離型フィルムを得た。
ドライラミネート条件は、基材幅900mm、搬送速度30m/分、乾燥温度50〜60℃、ラミネートロール温度50℃、ロール圧力3.0MPaとした。
離型性、皺、金型追従性、及び金型汚染性の評価結果を表1に示す。離型フィルムが、金型の開放と同時に自然に剥がれる良好な離型性を示し、離型フィルムおよび半導体パッケージのいずれにも皺が全くなく、すなわち皺が十分に抑制され、半導体パッケージに樹脂欠けが全くない良好な金型追従性を示した。また、金型の汚染は認められなかった。すなわち、実施例1のプロセス用離型フィルムは、離型性、皺の抑制、及び金型追従性が良好であるうえに金型の汚染を有効に抑制することが可能なプロセス用離型フィルムであった。
無機ガスバリア層Cを積層した二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムB1に代えて、ポリビニルアルコールを含む有機ガスバリア層Cを積層したOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムB2(膜厚20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面にポリビニルアルコール共重合体ガスバリア層Cを形成したガスバリアフィルムB2(三井化学東セロ株式会社製 製品名:A−OP AG))を用いて有機ガスバリア層Cの面の反対側の面にコロナ処理を行った他は、実施例1と同様にしてプロセス用離型フィルムを作製し、封止、離型を行い、特性を評価した。なお、フィルムB2の23℃から120℃までの熱寸法変化率は、縦(MD)方向で0.2%、横(TD)方向で−0.3%であった。また、OPPフィルムB2の融点は、161℃であり、結晶融解熱量は、93J/gであった。
作製されたプロセス用離型フィルムの23℃から120℃までの熱寸法変化率は、縦(MD)方向で2.4%、横(TD)方向で0.4%であった。また、25℃、相対湿度50%における酸素透過度は、10ml/m2・day・MPaであり、アウトガス透過度は、0.5重量%未満であった。
離型性、皺、金型追従性、及び金型汚染性の評価結果を表1に示す。離型フィルムが、金型の開放と同時に自然に剥がれる良好な離型性を示し、離型フィルムおよび半導体パッケージのいずれにも皺が全くなく、すなわち皺が十分に抑制され、半導体パッケージに樹脂欠けが全くない良好な金型追従性を示した。また、金型の汚染は認められなかった。すなわち、実施例2のプロセス用離型フィルムは、離型性、皺の抑制、及び金型追従性が良好であるうえに金型の汚染を有効に抑制することが可能なプロセス用離型フィルムであった。
耐熱樹脂層BとしてB2に代えて膜厚20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面にポリ塩化ビニリデン共重合体を形成したガスバリアフィルムB3(三井化学東セロ株式会社製 製品名:V−OP OLE)(融点:160℃、結晶融解熱量:91J/g)を用いた以外は実施例2と同様にしてプロセス用離型フィルムを作成し封止、離型を行い、特性を評価した。なお、フィルムB3の23℃から120℃までの熱寸法変化率は、縦(MD)方向で0.4%、横(TD)方向で0.7%であった。また、OPPフィルムB2の融点は、160℃であり、結晶融解熱量は、91J/gであった。
作製されたプロセス用離型フィルムの23℃から120℃までの熱寸法変化率は、縦(MD)方向で2.6%、横(TD)方向で0.7%であった。また、25℃、相対湿度50%における酸素透過度は、50ml/m2・day・MPaであり、アウトガス透過度は、0.5重量%未満であった。
離型性、皺、金型追従性、及び金型汚染性の評価結果を表1に示す。離型フィルムが、金型の開放と同時に自然に剥がれる良好な離型性を示し、離型フィルムおよび半導体パッケージのいずれにも皺が全くなく、すなわち皺が十分に抑制され、半導体パッケージに樹脂欠けが全くない良好な金型追従性を示した。また、金型の汚染は認められなかった。すなわち、実施例3のプロセス用離型フィルムは、離型性、皺の抑制、及び金型追従性が良好であるうえに金型の汚染を有効に抑制することが可能なプロセス用離型フィルムであった。
[比較例1]
無機ガスバリア層を積層した二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムB1に代えて、ガスバリア層を有さないOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムB4(膜厚20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ株式会社製、製品名:U−2))を用いた他は、実施例1と同様にしてプロセス用離型フィルムを作製し、封止、離型を行い、特性を評価した。なお、OPPフィルムB4の23℃から120℃までの熱寸法変化率は、縦(MD)方向で0.3%、横(TD)方向で−0.4%であった。また、OPPフィルムB4の融点は、161℃であり、結晶融解熱量は、92J/gであった。
作製されたプロセス用離型フィルムの23℃から120℃までの熱寸法変化率は、縦(MD)方向で2.1%、横(TD)方向で1.3%であった。また、25℃、相対湿度50%における酸素透過度は、15,000ml/m2・day・MPaであり、アウトガス透過度は、1.3重量%であった。
離型性、皺、金型追従性、及び金型汚染性の評価結果を表1に示す。離型フィルムが、金型の開放と同時に自然に剥がれる良好な離型性を示し、離型フィルムおよび半導体パッケージのいずれにも皺が全くなく、すなわち皺が十分に抑制され、半導体パッケージに樹脂欠けが全くない良好な金型追従性を示したが、金型に汚染が認められた。すなわち、比較例1のプロセス用離型フィルムは、離型性、皺の抑制、及び金型追従性は良好であったものの、金型の汚染を有効に抑制することができなかった。
二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムB1を用いず、フィルムA2(三井化学株式会社製4−メチル−1−ペンテン共重合樹脂(製品名:TPX、銘柄名:MX022)を用いて厚み50μmの無延伸フィルムを成膜したもの(融点:229℃、結晶融解熱量:21.7J/g))を単独でプロセス用離型フィルムとして使用し、実施例1と同様にして、封止、離型を行い、特性を評価した。なお、無延伸の4−メチル−1−ペンテン共重合樹脂フィルムA2の23℃から120℃までの熱寸法変化率は、縦(MD)方向で7.2%、横(TD)方向で3.6%であった。また、25℃、相対湿度50%における酸素透過度は、300,000ml/m2・day・MPaであり、アウトガス透過度は、30重量%であった。
離型性、皺、金型追従性、及び金型汚染性の評価結果を表1に示す。離型フィルムが、金型の開放と同時に自然に剥がれる良好な離型性を示し、半導体パッケージに樹脂欠けが全くない良好な金型追従性を示したが、離型フィルムはもちろん、半導体パッケージにも多数の皺が認められ、皺を十分に抑制することができなかった。また、金型に汚染が認められた。すなわち、比較例2のプロセス用離型フィルムは、離型性、及び金型追従性は良好であったものの、皺及び金型の汚染を有効に抑制することができなかった。
[比較例3]
無機ガスバリア層を積層した二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムB1に代えて、無機ガスバリア層を積層した無延伸ポリプロピレンフィルムB5(膜厚20μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ株式会社製、製品名:S))の両面にコロナ処理を行い、さらにその片面に酸化アルミニウム蒸着膜(ALO膜)を10nm厚付与したガスバリアフィルム)を用いた他は、実施例1と同様にしてプロセス用離型フィルムを作製し、封止、離型を行い、特性を評価した。なお、無機ガスバリア層を積層した無延伸ポリプロピレンフィルムB5の23℃から120℃までの熱寸法変化率は、縦(MD)方向で5.7%、横(TD)方向で6.2%であった。また、無延伸ポリプロピレンフィルムB5の融点は、162℃であり、結晶融解熱量は、114J/gであった。
作製されたプロセス用離型フィルムの23℃から120℃までの熱寸法変化率は、縦(MD)方向で6.8%、横(TD)方向で7.2%であった。また、25℃、相対湿度50%における酸素透過度は、30ml/m2・day・MPaであり、アウトガス透過度は、0.5重量%未満であった。
離型性、皺、金型追従性、及び金型汚染性の評価結果を表1に示す。良好な離型性を示したものの、皺の発生を有効に抑制することができず、さらに金型汚染性評価においても×の判定となった。フィルムに皺が発生した箇所でガスバリア性低下が生じた結果、アウトガス透過性が大きくなり汚れが顕在化したものと推測される。
また、本発明のプロセス用離型フィルムは、半導体パッケージに限らず、繊維強化プラスチック成形プロセス、プラスチックレンズ成形プロセス等における種々の金型成形にも用いることができるので、半導体産業以外の金型成形を行う産業の各分野においても、高い利用可能性を有する。
2: 上金型
3: 吸引口
4: 封止樹脂
4−2:半導体パッケージ
5: 下金型
6: 半導体チップ
7: 基板
8: 成形金型
10、20、30、40、22: 離型フィルム
12: 耐熱樹脂層B
14: 接着層
16、16A:離型層A
16B: 離型層A´
17: ガスバリア層C
24、26: ロール
28: 成形金型
30: 上型
32: 下型
34: 半導体チップ
34A: 基板
36: 封止樹脂
40、44: 半導体パッケージ
51:Al板
52、65:離型フィルム
53:SUS枠
54、66:封止樹脂
61:バイアル瓶1
62:バイアル瓶2
63:キャップ
64:ゴム栓
Claims (17)
- 離型層Aと、耐熱樹脂層Bと、を含む積層フィルムであるプロセス用離型フィルムであって、
前記離型層Aの水に対する接触角が、90°から130°であり、
前記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下であり、
前記積層フィルムのJIS K 7126に準じ、温度20℃、湿度50%R.H.の条件で測定した酸素透過度が、1000ml/m2・day・MPa以下である、プロセス用離型フィルム。 - 離型層Aと、耐熱樹脂層Bと、を含む積層フィルムであるプロセス用離型フィルムであって、
前記離型層Aの水に対する接触角が、90°から130°であり、
前記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下であり、
前記積層フィルムの以下の手順(1)から(3)に従い測定されたアウトガス透過度が1.0重量%以下である上記プロセス用離型フィルム:
(1)エポキシ封止樹脂組成物10mgをバイアル瓶1の中に入れ、キャップとゴム栓で密栓後、120℃30分間加熱し静的ヘッドスペース法によるGC−MS測定を実施して、バイアル瓶1中アウトガス量1を測定する;
(2)封止樹脂10mgをバイアル瓶1の中に入れ、バイアル瓶1の口に、プロセス用離型フィルムを瓶口にかぶせて密栓したものを用意し、続いてバイアル瓶1が入る大きさのバイアル瓶2を用意し、このバイアル瓶2の中にバイアル瓶1を格納し、キャップとゴム栓で密栓後、120℃30分間加熱し静的ヘッドスペース法によるGC−MS測定を実施し、プロセス用離型フィルムを透過したバイアル瓶2中のアウトガス量2を測定する;
(3)下記(式1)に従い、プロセス用離型フィルムのアウトガス透過度を計算する。
アウトガス透過度=アウトガス量2/アウトガス量1×100(重量%)(式1) - 前記積層フィルムの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率と縦(MD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率の和が6%以下である、請求項1又は2に記載のプロセス用離型フィルム。
- 前記耐熱樹脂層Bの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率が3%以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
- 前記耐熱樹脂層Bの横(TD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率と縦(MD)方向の23℃から120℃までの熱寸法変化率の和が6%以下である、請求項4に記載のプロセス用離型フィルム。
- 前記離型層Aが、フッ素樹脂、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体、及びポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれる樹脂を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
- 前記耐熱樹脂層Bに、ガスバリア層Cが積層されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
- 前記ガスバリア層Cが、無機層又は有機層である、請求項7に記載のプロセス用離型フィルム。
- 前記ガスバリア層C上に、有機コーティングである保護樹脂層Dが積層されている、請求項7又は8に記載のプロセス用離型フィルム。
- 前記耐熱樹脂層BのJISK7221に準じて示差走査熱量測定(DSC)によって測定した第1回昇温工程での結晶融解熱量20J/g以上、100J/g以下である、請求項1から9のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
- 前記積層フィルムが、更に離型層A’を有し、かつ、該離型層Aと、前記耐熱樹脂層Bと、前記離型層A’と、をこの順で含み、
該離型層A’の水に対する接触角が、90°から130°である、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。 - 前記離型層A及び前記離型層A’の少なくとも一方が、フッ素樹脂、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体、及びポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれる樹脂を含む、請求項11に記載のプロセス用離型フィルム。
- 熱硬化性樹脂による封止プロセスに用いる、請求項1から12のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム
- 半導体封止プロセスに用いる、請求項1から13のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
- 繊維強化プラスチック成形プロセス、またはプラスチックレンズ成形プロセスに用いる、請求項1から12のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルム。
- 樹脂封止半導体の製造方法であって、
成形金型内の所定位置に、樹脂封止される半導体装置を配置する工程と、
前記成形金型内面に、請求項1から14のいずれか一項に記載のプロセス用離型フィルムを、前記離型層Aが前記半導体装置と対向するように配置する工程と、
前記成形金型を型締めした後、前記半導体装置と、前記プロセス用離型フィルムとの間に封止樹脂を注入成形する工程と、
を有する、上記樹脂封止半導体の製造方法。 - 樹脂封止半導体の製造方法であって、
成形金型内の所定位置に、樹脂封止される半導体装置を配置する工程と、
前記成形金型内面に、請求項11又は12に記載のプロセス用離型フィルムを、前記離型層A’が前記半導体装置と対向するように配置する工程と、
前記成形金型を型締めした後、前記半導体装置と、前記プロセス用離型フィルムとの間に封止樹脂を注入成形する工程と、
を有する、上記樹脂封止半導体の製造方法。
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