JP6442879B2 - 積層防湿フィルム - Google Patents
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Description
防湿フィルムと他のフィルムとを積層したフィルム(積層防湿フィルム)には、防湿性のほか、例えば太陽電池の保護材等として用いる場合は透明性が要求される。また、高温高湿条件等の過酷な条件下においても、積層フィルムを構成する防湿フィルムと他のプラスチックフィルムとの間の密着性が長期間にわたり良好であることが求められる。該フィルム間は通常接着層を介して接着されるが、特に防湿フィルム上の無機薄膜との接着性に優れる積層フィルムが開発されている。
また、特許文献2には、フッ素系樹脂フィルムに無機酸化物を蒸着したフィルムの蒸着面に、架橋剤を含有する、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体、ポリビニルブチラール、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、シリコーン樹脂のいずれかの樹脂を主成分として形成された充填材層を積層した太陽電池のカバーフィルムが開示されている。
特許文献2に開示された充填材層は、無機酸化物の蒸着面と太陽電池素子との間に設けられ、太陽電池素子の埋め込み適性等に優れる層(すなわち封止材層)であることから、フィルム同士を接着する接着層とは用途及び要求特性が異なるものである。該充填材層は厚膜であるため、このような層を有する積層フィルムは、太陽電池用途等に用いるフィルムとしては透明性が十分でない。また、特許文献2に開示された充填材層を構成する樹脂は架橋剤を含有していることから、得られる充填材層は架橋構造を有しており、熱可塑性を示さないことが予想される。
[2]前記樹脂層を構成する樹脂中のエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有量が5〜100質量%である、上記[1]に記載の積層防湿フィルム。
[3]前記樹脂層が、不飽和カルボン酸化合物の単独重合体及び共重合体のいずれも含まない、上記[1]又は[2]に記載の積層防湿フィルム。
[4]前記樹脂層が更にポリオレフィンを含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[5]前記樹脂層を構成する樹脂中のポリオレフィンの含有量が0質量%超95質量%以下である、上記[4]に記載の積層防湿フィルム。
[6]前記樹脂層と前記無機層とが接しており、樹脂層の厚みaと、該樹脂層に接する無機層の厚みbとの比a/bが200〜10000の範囲である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[7]前記樹脂層を構成する樹脂の温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが20g/10分以下である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[8]前記無機層を構成する無機物質が酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、及び窒化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[9]前記耐候層がフッ素系樹脂フィルムからなる、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[10]前記基材がポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナフタレートフィルムである、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[11]温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が0.1[g/m2/day]以下である、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[12]温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した、下記式で示される水蒸気透過率の低下度Aが4以下である、上記[1]〜[11]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
水蒸気透過率の低下度A=(温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
[13]温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した、下記式で示される水蒸気透過率の低下度Bが4以下である、上記[1]〜[12]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
水蒸気透過率の低下度B=(温度85℃、相対湿度85%環境下で500時間保持した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
[14]光線透過率が80%以上である、上記[1]〜[13]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[15]上記[1]〜[14]のいずれかに記載の積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材。
[16]上記[15]に記載の太陽電池用保護材を有する太陽電池。
本発明の積層防湿フィルムは、少なくとも、耐候層、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含む樹脂層、及び、基材の少なくとも一方の面に無機層を有する防湿層を順に有する。以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明において、耐候層としては、耐候性の樹脂組成物の塗布層や、耐候性フィルムからなるものが挙げられるが、耐候性フィルムからなるものが好ましい。
本発明において、耐候性フィルムは、耐加水分解性や耐候性を有するものが制限なく使用でき、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂;ポリアミド等の各種樹脂のフィルムを用いることができる。耐候性フィルムは、これらの樹脂の2種以上を含むものであってもよく、また、2枚以上のフィルムの積層フィルムであってもよい。
中でも、耐候性、透明性の観点から、耐候性フィルムはフッ素系樹脂フィルムであることか好ましく、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選ばれる1種以上からなるフッ素系樹脂フィルムであることがより好ましい。
更に、耐候性フィルムは、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、光安定剤等の安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。また、これらの各種添加剤を含有する樹脂層を積層してもよい。
耐候層の厚さは、一般に20〜200μm程度であり、耐候性フィルムの場合は取り扱いやすさとコストの点から20〜100μmが好ましく、20〜75μmがより好ましい。
本発明に係る防湿層は、基材の少なくとも一方の面に無機層を少なくとも1層有する層であり、防湿性及び透明性を有する層である。本発明の積層防湿フィルムを太陽電池用保護材に用いる場合には、湿気、水の透過による太陽電池等の内面側を保護することができる。
なお、防湿層は後述する樹脂層を介して既述の耐候層と積層される。
中でも、フィルム物性の点から、基材はポリエステルフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又はポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムがより好ましい。
上記基材としての樹脂フィルムは、未延伸であってもよいし延伸したものであってもよい。
また、上記無機層は、無機層は単層の他、多層であってもよく、上記に挙げられる種々の成膜法を用い多層成膜し、防湿性を高めることが可能である。その場合、同一の成膜法を用いてもよいし、各層ごとに異なる成膜法を用いてもよいが、いずれも減圧下で連続して行うことが、効率的な防湿性向上、生産性の点で好ましい。
また、無機層が多層の場合、各層は同じ無機物質からなっていても、異なる無機物質からなっていてもよい。
バリアコート層の厚みは、クラックの発生を防止し、高い防湿性能を発現する観点から、好ましくは5〜120nm、より好ましくは10〜90nmである。バリアコート層は、例えば上記有機無機ハイブリッド材料を含む塗布液を調製し、これを無機層上に所望の厚みとなるように塗布、加熱乾燥することにより形成できる。
防湿層の水蒸気透過率の調整は、前記のとおり、前記無機層を構成する無機物質の選択、無機層の厚み、防湿層の厚み、バリアコート層の形成、及び無機物質の酸化数等を適宜調整することにより行うことができる。
水蒸気透過率の測定方法は、JIS Z 0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、具体的には実施例に記載の方法で測定される。
樹脂層は、前記耐候層と防湿層との間に位置するものであり、加熱により軟化して接着性を発現する層である。樹脂層は、樹脂成分を好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90〜100質量%含む。
積層防湿フィルムを構成する層同士を接着させるために、粘着剤や接着剤を使用する方法が知られている。粘着剤や接着剤は一般にポリマー溶液に架橋剤を加えたものであり、塗布後に乾燥・硬化させて粘着剤層又は接着剤層を形成する。しかしながら架橋剤の反応率は100%にはならないいため、層内に未反応性基が残存し、これにより積層防湿フィルムの高温高湿条件下での防湿性が低下する。また、粘着剤や接着剤はべたつき(タック)を有するため、耐候層や防湿層に塗布した直後に他のフィルムでラミネートしてから巻き取る必要があり、製造工程が煩雑になる。
一方、本発明における樹脂層を使用すれば、耐候層や防湿層に該樹脂層を設けた状態で冷却し、得られた積層体に他のフィルムをラミネートせずにそのまま巻き取ることが可能である。また、これを再度加熱することで樹脂層が接着性を発現するので、パッケージ化する際に他方の層を熱ラミネートにより容易に貼り合わせることができる点でも好適である。
なお本発明において用いられるエチレン−(メタ)アルキルアクリレート共重合体とは、エチレンと1種又は2種以上のアルキル(メタ)アクリレートとを共重合させた重合体を意味し、エチレン及びアルキル(メタ)アクリレート以外の単量体に由来する単量体単位を実質的に含有しないものである。「実質的に含有しない」とは、共重合体を構成する単量体単位のうち、エチレン及びアルキル(メタ)アクリレート以外の単量体単位が0.1質量%未満であることをいう。
樹脂層がエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含むことにより上記効果が得られる理由は、次のように考えられる。樹脂層がポリエチレン等のポリオレフィンのみから構成される場合には、前述した無機層のような親水性表面と接着させる場合において十分な接着性を得ることができない。特に、長期耐候性及び防湿性を要求される太陽電池用途においては、屋外使用を想定した様々な環境試験下で長期に渡って接着性を維持する必要がある。また、ポリエチレンは結晶性が高いため、透明性が低くなる傾向がある。
これに対し、アルキル(メタ)アクリレートはエステル結合を有するため極性を有しており、エチレンと共重合体させることで、ポリエチレンと比較して樹脂層と無機層との接着性を向上させることができ、また、アモルファス性を付与できるので高透明性を得ることができる。
また積層防湿フィルムにおいて樹脂層が酸性官能基を含むと、特に樹脂層と無機層とが接する場合に、積層防湿フィルムを高温高湿条件下で保存した後の防湿性が低下する。これに対しエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体は酸性官能基を含まないため、本発明の積層防湿フィルムでは、高温高湿条件下で保存した後も優れた防湿性を維持することができる。
アルキル(メタ)アクリレートとは、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートを意味し、接着性発現の観点からはアルキルアクリレートが好ましい。
本発明に用いられるエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体としては、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ヘキシル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ペンチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−オクチル(メタ)アクリレート共重合、エチレン−デシル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ドデシル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、耐熱性及び接着性の観点から、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体及びエチレン−ブチル(メタ)アクリレート共重合体から選ばれる1種以上が好ましく、エチレン−メチルアクリレート共重合体及びエチレン−ブチルアクリレート共重合体から選ばれる1種以上がより好ましい。
なお、本発明において「樹脂層を構成する樹脂中の含有量」とは、樹脂層に含まれるすべての樹脂成分を混合した樹脂中の含有量をいう。
ポリオレフィンとしては、エチレンやイソブチレン、α−オレフィンの単独重合体又は共重合体が挙げられる。
上記重合体としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、及び、これら重合体を変性した変性ポリオレフィン等が挙げられる。中でも、透明性の観点から、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンから選ばれる1種以上が好ましく、低密度ポリエチレンがより好ましい。
α−オレフィンは、エチレンとの共重合体中の全単量体単位に対して、通常、2モル%以上であり、好ましくは40モル%以下、より好ましくは3〜30モル%、更に好ましくは5〜25モル%である。該範囲内であれば、α−オレフィンを共重合させることで共重合体の結晶性が低減されるため透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難い。エチレン−α−オレフィン共重合体の中でも、透明性や柔軟性などの観点からエチレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。
ここで、不飽和カルボン酸化合物とは、重合性不飽和結合を有するカルボン酸化合物又はカルボン酸無水物のいずれも含む概念であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等が挙げられ、それらの酸性ユニットを主鎖、側鎖など構造内の一部に有する化合物、すなわち2量体や3量体、オリゴマー、ポリマーを含む。
また、樹脂層を構成する樹脂は、加熱及び冷却サイクルにおける樹脂層の残留応力を低減する観点から、ガラス転移温度が−20℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が前記範囲にあることで、特に低温度領域下での防湿性低下を抑制することができる。
ここで、樹脂層を構成する樹脂のMFRとは、樹脂層に含まれるすべての樹脂成分を混合した樹脂のMFRをいう。
紫外線吸収剤としては、配合後ブリードアウト等が生じにくい、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤;p−tert−ブチルフェニルサリシレート、フェニルサリシレート等のサリシレート系紫外線吸収剤のうち、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
特に耐熱性及び耐久性の観点から、紫外線吸収剤の全量に対し、トリアジン系紫外線吸収剤を50〜100質量%含むことが好ましい。
紫外線吸収剤の配合量は、樹脂層中、通常0.01〜2.5質量%程度であり、好ましくは0.05〜2.0質量%である。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ}]、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などを挙げることができる。これら光安定剤は、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
光安定剤の配合量は、樹脂層中、通常0.01〜2.0質量%程度であり、好ましくは0.05〜1.0質量%である。
モノフェノール系としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等を挙げることができる。ビスフェノール系としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,9,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカン等を挙げることができる。
硫黄系としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート等を挙げることができる。
また、樹脂層は、常温(20℃)において接着強度を維持する観点から、20℃、周波数10Hz、歪0.1%における引張貯蔵弾性率が1×107Pa以上であることが好ましい。
また、塗工液を調製せず、樹脂層を構成する樹脂及びその他添加剤を溶融混練した樹脂層形成用組成物を、耐候層又は防湿層上に流し、冷却ロールで冷却して樹脂層を形成してもよい(押し出しラミネート法)。あるいは、樹脂層を構成する樹脂及びその他添加剤を溶融混練した樹脂層形成用組成物を、キャスト法により、フィルム状に成形してもよい。
有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。塗工液は、塗工の利便さから、これらの有機溶剤を使用して、固形分濃度が10〜50質量%の範囲になるように調製するのが好ましい。
塗工液の塗工は、例えば、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、エアドクターコート法、ドクターブレードコート法等、従来公知の塗工方法により行うことができる。
塗工後、通常70〜110℃の温度で1〜5分程度乾燥処理することにより、樹脂層が形成される。
このようにして得た積層体の樹脂層側に、再度押し出しラミネートにより樹脂層形成用組成物を流し冷却することにより、樹脂層を2層重ねることができる。樹脂層を重ねる際は、各層で同じ樹脂を用いてもよいし、異なった樹脂を用いてもよい。また、3層、4層とさらに重ねてもよい。この方法により樹脂層の厚みと構成を任意に選ぶことができる。一度に設ける樹脂層の厚みは、ダイから押し出す樹脂層形成用組成物の吐出量と、フィルムを搬送するライン速度によって制御できる。また、一度に設ける樹脂層の厚みは、樹脂の温度、延展性、層厚みの均一性、生産性を考慮して選択することが好ましく、通常3〜100μmであり、加工安定性の点で10〜80μmが好ましい。
なお、押し出しラミネートにより樹脂層が2層積層された積層体を作製する場合、樹脂層を耐候性フィルム、又は防湿フィルム上に形成し、該樹脂層の上に更に樹脂層を積層することが好ましい。樹脂層上に更に押し出しラミネートにより樹脂層を形成すると、樹脂層間の界面での割れや光学的な濁りがなく、樹脂層が完全に一体化した積層フィルムを得ることができる。あるいは、一方の樹脂層を耐候性フィルム上に形成し、他方の樹脂層を防湿フィルム上に形成し、その後、耐候性フィルム上の樹脂層と、防湿フィルム上の樹脂層とが対向するように積層してもよい。
押し出しラミネート法では、樹脂層の両側に一度にフィルムを貼り合わせることが可能である。例えば、防湿層を構成する防湿フィルム上に樹脂層を形成する場合、樹脂層の防湿フィルム側とは反対側から、耐候層を構成する耐候性フィルムを繰り出すことにより、2枚のフィルム間に樹脂層を設けた積層体を得ることができる。
また、防湿層に用いられる基材の厚みをcとした場合に、樹脂層の厚みaと、該基材の厚みcとの比a/cが0.1〜8の範囲にあることが好ましい。a/cが0.1以上であれば、耐候層と防湿層との初期接着性がより良くなる。a/cが8以下であれば、積層防湿フィルムの作製における加熱圧着時(真空ラミネート時)に、該樹脂層の収縮による該基材の変形が起こり難い。a/cは、0.1〜3.3の範囲がより好ましく、0.2〜2.0の範囲が更に好ましい。
防湿層が基材の一方のみに無機層を有する場合、防湿層は、無機層側の面を樹脂層側にして積層することが好ましい。
本発明の積層防湿フィルムの総厚みは、用途等により適宜選択することができるが、好ましくは25〜500μm、より好ましくは40〜350μm、更に好ましくは50〜300μmである。
また、本発明の積層防湿フィルムは、温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した、下記式で示される水蒸気透過率の低下度Aが好ましくは4以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2.5以下、より更に好ましくは2.0未満のものとすることができる。
水蒸気透過率の低下度A=(温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
ここで、温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率とは、作製した積層防湿フィルムを更に温度150℃で20分加熱した後に、温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した水蒸気透過率をいう。
水蒸気透過率の低下度Aの値が1に近いほど、本発明の積層防湿フィルムは、作製後に加熱を行っても防湿性を維持できることを示す。
水蒸気透過率の低下度B=(温度85℃、相対湿度85%環境下で500時間保持した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
本発明の積層防湿フィルムを温度85℃、相対湿度85%環境下で500時間保持する加速試験(以下「ダンプヒート試験」ともいう)は、JIS C 60068−3−4に準拠した方法により行われ、具体的には実施例に記載の方法で行うことができる。
本発明における各フィルムの水蒸気透過率は、JISZ0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JISZ0208「防湿包装材量の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ評価することができる。具体的には実施例に記載の方法で測定される。
本発明の積層防湿フィルムの製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述した耐候層、樹脂層、及び防湿層を順に積層して加熱圧着を行う方法等が挙げられる。
樹脂層の形成方法としては、前述したコーティング法や押し出しラミネート法が挙げられる。
本発明の太陽電池用保護材は、本発明の積層防湿フィルムを有するものであり、本発明の積層防湿フィルムをそのまま太陽電池用保護材として用いることもできる。
また、本発明の太陽電池用保護材は、封止材を積層してなる封止材・前面保護材一体型であってもよい。予め封止材を積層することにより、真空ラミネーション工程における裏面保護材、封止材、発電素子、封止材、前面保護材それぞれを個々に積層する作業を低減でき、太陽電池モジュール製造の効率化を図ることができる。
本発明の太陽電池は、既述の本発明の太陽電池用保護材を有する構成である。すなわち、本発明の太陽電池用保護材を、封止材や太陽電池用セル等の他の太陽電池用部材と積層したものである。本発明の太陽電池は、本発明の太陽電池用保護材を使用することで、良好な外観を実現することができるのみならず、発電効率の低下を防止できる。
なお、前述の封止材・前面保護材一体型の前面保護材を用いる場合は、前記の封止材は用いなくてもよい場合がある。
なお、上記で、例えば、A/B/Cの表記は、下から(あるいは上から)A、B、Cの順に積層していることを示す。
上記の製造方法においては、バッチ式の製造設備やロール・ツー・ロール式の製造設備等も適用することができる。
樹脂層を構成する樹脂のMFRは、JIS K7210に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgにて測定した。
(1)ダンプヒート(DH)試験
実施例及び比較例で作製した積層防湿フィルムを15cm×15cm角に切り出した。厚み3mmの15cm×15cm角白板ガラス上に、15cm×15cm角の封止材(エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、三井・デュポンポリケミカル(株)製、厚み500μm)、10cm×10cm角の離型用フィルム(テフロン(登録商標)、三井・デュポンフロロケミカル(株)製、厚み50μm)を順次積層し、この上に、15cm×15cm角の上記積層防湿フィルムを、該防湿フィルムの基材側が離型用フィルムと接するように積層した。これを真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製、商品名:LM30×30)を用いて、150℃、20分、圧力0.1MPaの条件で真空ラミネーションを行い、ダンプヒート試験用サンプルを得た。
JIS C 60068−3−4に準拠した方法により、恒温恒湿機(エスペック(株)製、商品名:PH−3KT)を用いて、上記試験用サンプルを温度85℃、相対湿度85%環境下で500時間保持した。
500時間後に試験用サンプルを取り出し、離型用フィルムの内側をカッターで切り出して、10cm×10cm角の積層防湿フィルムを取り出した。該フィルムを温度25℃、相対湿度50%の環境下で1日静置して養生を行い、ダンプヒート試験後の積層防湿フィルムを得た。
(2)積層防湿フィルムの層間強度及び層間強度低下率
積層防湿フィルムを幅15mmの短冊状に切り出し、引張試験機((株)オリエンテック製、商品名:STA−1150)を用いて、引張速度:300mm/min、引張方向:180度の条件で、耐候性フィルムと防湿フィルムとの層間強度(N/15mm)を測定した。
測定は、ダンプヒート試験前及びダンプヒート試験後のそれぞれについて行った。
また、積層防湿フィルムの層間強度(初期層間強度)に対して、ダンプヒート試験後の層間強度がどれだけ低下したかを層間強度低下率(%)として次式により求めた。
層間強度低下率(%)=[1−(ダンプヒート試験後の積層防湿フィルムの層間強度)/(積層防湿フィルムの層間強度)]×100
<防湿性(水蒸気透過率)>
実施例及び比較例で使用した防湿フィルム、及び実施例及び比較例で作製した積層防湿フィルムの防湿性は、JIS Z 0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、次の手法で水蒸気透過率を求め、評価した。
10cm×10cm角の防湿フィルム又は積層防湿フィルムを各2枚用い、無機層形成面(積層防湿フィルムにおいては耐候層側の面)が外側になるようにして、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製した。その袋を温度40℃、相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、72時間以上の間隔でおよそ200日目まで質量測定し、4日目以降の経過時間と袋質量との回帰直線の傾きから水蒸気透過率[g/m2/day]を算出し、防湿フィルム又は積層防湿フィルムの水蒸気透過率とした。
実施例及び比較例で作製した積層防湿フィルムを15cm×15cm角に切り出した。厚み3mmの15cm×15cm角白板ガラス上に、15cm×15cm角の封止材(エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、三井・デュポンポリケミカル(株)製、厚み450μm)、10cm角の離型用フィルム(テフロン(登録商標)、三井・デュポンフロロケミカル(株)製、厚み50μm)を順次積層し、この上に、15cm×15cm角の上記積層防湿フィルムを、防湿フィルムの基材側が離型用フィルムと接するように積層した。これを真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製、商品名:LM30×30)を用いて、温度150℃、20分、圧力0.1MPaの条件で真空ラミネーションを行った。
離型用フィルムの内側をカッターで切り出して、10cm×10cm角の積層防湿フィルムを取り出した。該フィルムを温度25℃、相対湿度50%の環境下で1日静置して養生を行った。この積層防湿フィルムを「温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルム」とした。
該積層防湿フィルム各2枚を用い、前記と同様の方法で水蒸気透過率を測定した。水蒸気透過率の低下度Aは次式により求めた。
水蒸気透過率の低下度A=(温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
10cm×10cm角の前記ダンプヒート試験後の積層防湿フィルム各2枚を用い、前記と同様の方法で水蒸気透過率を測定した。水蒸気透過率の低下度Bは次式により求めた。
水蒸気透過率の低下度B=(積層防湿フィルムのダンプヒート試験後の水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
積層防湿フィルムを5cm×5cm角に切り出し、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、商品名:NDH2000)を用いて、JIS K 7361−1に準拠した方法で光線透過率及びヘイズ値を測定した。
<耐候性フィルム>
耐候性フィルムとして、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)フィルム(旭硝子(株)製、商品名:アフレックス50NT1250DCS、厚み50μm)を使用した。
(防湿フィルム1)
基材として、厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(KOLON社製、商品名:CI800)を用い、そのコロナ処理面に、下記のコート液を塗布乾燥して厚さ0.1μmのアンカーコート層を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して1.33×10-3Pa(1×10-5Torr)の真空下でSiOを加熱蒸発させ、アンカーコート層上に厚さ50nmのSiOx(x=1.5)無機層を有する防湿フィルム1を得た。作製した防湿フィルム1の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
ポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学(株)製、商品名:「ゴーセノール」、ケン化度:97.0〜98.8mol%、重合度:2400)220gをイオン交換水2810gに加え加温溶解した水溶液に、20℃で撹拌しながら35mol%塩酸645gを加えた。次いで、10℃でブチルアルデヒド3.6gを撹拌しながら添加し、5分後に、アセトアルデヒド143gを撹拌しながら滴下し、樹脂微粒子を析出させた。次いで、60℃で2時間保持した後、液を冷却し、炭酸水素ナトリウムで中和し、水洗、乾燥し、ポリビニルアセトアセタール樹脂粉末(アセタール化度75mol%)を得た。
また、架橋剤としてイソシアネート樹脂(住友バイエルウレタン(株)製、商品名:「スミジュールN−3200」)を用い、水酸基に対するイソシアネート基の当量比が1:2になるように混合した。
基材として、厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(KOLON社製、商品名:CI800)を用いたこと以外は、防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム2を得た。作製した防湿フィルム2の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
基材として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:Q51C)を用いたこと以外は、防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム3を得た。作製した防湿フィルム3の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.01[g/m2/day]であった。
真空蒸着装置を使用して0.3Pa(2.26×10-3Torr)の真空下で、Siターゲットを用いて反応性スパッタ法にてSiONを成膜し、アンカーコート層上に厚さ25nmのSiON無機層を形成したこと以外は、防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム4を得た。作製した防湿フィルム4の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.004[g/m2/day]であった。
真空蒸着装置を使用して0.3Pa(2.26×10-3Torr)の真空下で、Alターゲットを用いて反応性スパッタ法にてAlOを成膜し、アンカーコート層上に厚さ25nmのAlOx(x=1.4)無機層を形成したこと以外は、防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム5を得た。作製した防湿フィルム5の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.004[g/m2/day]であった。
SiOx(x=1.5)無機層の厚みを15nmにしたこと以外は防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム6を得た。作製した防湿フィルム6の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
SiOx(x=1.5)無機層の厚みを90nmにしたこと以外は防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム7を得た。作製した防湿フィルム7の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
SiOx(x=1.5)無機層の厚みを40nmにしたこと以外は防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム8を得た。作製した防湿フィルム8の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
SiOx(x=1.5)無機層の厚みを120nmにしたこと以外は防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム9を得た。作製した防湿フィルム9の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
SiOx(x=1.5)無機層の厚みを5nmにしたこと以外は防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム10を得た。作製した防湿フィルム10の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
・エチレン−ブチルアクリレート(EBA)共重合体
ARKEMA社製、商品名:Lotryl 35BA40(エチレン−ブチルアクリレート共重合比65/35)と、ARKEMA社製、商品名:30BA02(エチレン−ブチルアクリレート共重合比70/30)とを質量比3:2でブレンドしたもの
・エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体
日本ポリエチレン(株)製、商品名:レクスパールEB240H(エチレン−メチルアクリレート共重合比80/20)
・低密度ポリエチレン
日本ポリエチレン(株)製、商品名:カーネル(登録商標)KC452T
・エチレン−メタクリル酸(EMAA)共重合体
三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名:ニュクレル N1108C(エチレン−メタクリル酸共重合比89/11)
・エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸(E・EA・MAH)共重合体
ARKEMA社製、商品名:BONDINE AX8390(E・EA・MAH共重合比69/29/2)
エチレン−ブチルアクリレート(EBA)共重合体とエチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体とを50/50の質量比で混合した。トリアジン系紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin1600)を上記樹脂全量に対して1.5質量%、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF社製、商品名:Chimassorb2020FDL)を樹脂全量に対して0.5質量%混合し、Tダイ押出成型機(創研社製)を用いて170℃で溶融混練した。これを40μm厚みのフィルム状にキャスト成形して、樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムを作製した。
前記防湿フィルム1の無機層面に熱可塑性樹脂フィルムを積層し、更にこの上に耐候性フィルムを積層して、真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製、商品名:LM30×30)を用いて、100℃、5分、圧力0.1MPaの条件で加熱圧着を行い、積層防湿フィルムを得た。得られた積層防湿フィルムを用いて、各種評価を行った。結果を表1に示す。なお、積層防湿フィルムの温度40℃、相対湿度90%における初期の水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムの樹脂組成及び厚みを表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
防湿フィルム1を防湿フィルム2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムの樹脂組成及び厚みを表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
防湿フィルム1を防湿フィルム2〜10にそれぞれ変更し、及び樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムの樹脂組成及び厚みを表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
防湿フィルム1の代わりに、厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(KOLON社製、商品名:CI800)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして積層フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムの樹脂組成を表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
前記防湿フィルム1の無機層面に、接着層として下記の接着剤塗液1を固形分40%に調整し、36g/m2となるよう塗布乾燥し、厚み30μmのポリウレタン接着層を形成した。該ポリウレタン接着層上に耐候性フィルムを積層して、40℃で5日間養生して積層フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(接着剤塗液1の調製)
ポリカーボネートポリオール成分を含む主剤として、平均分子量2000のポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセル210N」)、平均分子量500のポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルCD CD205」)を使用し、ポリカプロラクトンポリオール/ポリカーボネートジオールの質量比が60/40となるように混合し、酢酸エチルに溶解させ、固形分約50質量%、粘度400[mPa・s]のポリオール溶液とした。このポリオール溶液に、硬化成分としてスミジュールN3300(住化バイエルウレタン(株)製)を、質量比が10/0.5となるように配合し、固形分濃度が35質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液1を調製した。
樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムの樹脂組成を表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (15)
- 少なくとも、耐候層、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含む樹脂層、及び、厚さが50〜150μmである基材の少なくとも一方の面に無機層を有する防湿層を順に有する積層防湿フィルムであって、該樹脂層を構成する樹脂中のエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有量が50質量%以上であり、該樹脂層が、不飽和カルボン酸化合物の単独重合体及び共重合体のいずれも含まない、積層防湿フィルム。
- 前記樹脂層を構成する樹脂中のエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有量が50〜100質量%である、請求項1に記載の積層防湿フィルム。
- 前記樹脂層が更にポリオレフィンを含む、請求項1又は2に記載の積層防湿フィルム。
- 前記樹脂層を構成する樹脂中のポリオレフィンの含有量が0質量%超50質量%以下である、請求項3に記載の積層防湿フィルム。
- 前記樹脂層と前記無機層とが接しており、樹脂層の厚みaと、該樹脂層に接する無機層の厚みbとの比a/bが200〜10000の範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
- 前記樹脂層を構成する樹脂の温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが20g/10分以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
- 前記無機層を構成する無機物質が酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、及び窒化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
- 前記耐候層がフッ素系樹脂フィルムからなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
- 前記基材がポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナフタレートフィルムである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
- 温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が0.1[g/m2/day]以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
- 温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した、下記式で示される水蒸気透過率の低下度Aが4以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
水蒸気透過率の低下度A=(温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率) - 温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した、下記式で示される水蒸気透過率の低下度Bが4以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
水蒸気透過率の低下度B=(温度85℃、相対湿度85%環境下で500時間保持した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率) - 光線透過率が80%以上である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材。
- 請求項14に記載の太陽電池用保護材を有する太陽電池。
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