JP6442879B2 - 積層防湿フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、積層防湿フィルム、該積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材、及び当該太陽電池用保護材を有する太陽電池に関する。
プラスチックフィルム基材の表面に酸化珪素等の無機薄膜を形成した防湿フィルム(バリアフィルム)は、他のプラスチックフィルムと積層され、さまざまな包装用途に用いられてきた。近年は、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、有機TFT、有機半導体センサー、有機発光デバイス、電子ペーパー、フィルムコンデンサー、無機EL素子、カラーフィルター等で使用される基材フィルムや真空断熱材としての新しい用途にも使用されている。
防湿フィルムと他のフィルムとを積層したフィルム(積層防湿フィルム)には、防湿性のほか、例えば太陽電池の保護材等として用いる場合は透明性が要求される。また、高温高湿条件等の過酷な条件下においても、積層フィルムを構成する防湿フィルムと他のプラスチックフィルムとの間の密着性が長期間にわたり良好であることが求められる。該フィルム間は通常接着層を介して接着されるが、特に防湿フィルム上の無機薄膜との接着性に優れる積層フィルムが開発されている。
特許文献1には、無機酸化物蒸着フィルムの蒸着面側に、エチレン・不飽和カルボン酸ランダム共重合体60〜99重量部及びエチレン・(メタ)アクリル酸エステル・無水マレイン酸ランダム共重合体又は無水マレイン酸でグラフト変性したエチレン・α−オレフィン共重合体40〜1重量部からなるエチレン共重合体組成物を積層した積層構造を有し、層間接着性、透明性、ガスバリア性等に優れる積層フィルムが開示されている。
また、特許文献2には、フッ素系樹脂フィルムに無機酸化物を蒸着したフィルムの蒸着面に、架橋剤を含有する、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体、ポリビニルブチラール、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、シリコーン樹脂のいずれかの樹脂を主成分として形成された充填材層を積層した太陽電池のカバーフィルムが開示されている。
特開2000−43180号公報 特開2000−91611号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたエチレン・不飽和カルボン酸ランダム共重合体を主成分とする接着層はカルボキシ基を含有するため、該接着層を有する積層フィルムは、高温高湿環境下に長時間暴露した後の防湿性が著しく低下する。
特許文献2に開示された充填材層は、無機酸化物の蒸着面と太陽電池素子との間に設けられ、太陽電池素子の埋め込み適性等に優れる層(すなわち封止材層)であることから、フィルム同士を接着する接着層とは用途及び要求特性が異なるものである。該充填材層は厚膜であるため、このような層を有する積層フィルムは、太陽電池用途等に用いるフィルムとしては透明性が十分でない。また、特許文献2に開示された充填材層を構成する樹脂は架橋剤を含有していることから、得られる充填材層は架橋構造を有しており、熱可塑性を示さないことが予想される。
また、太陽電池用途等に用いる積層防湿フィルムは、フッ素樹脂フィルム等の耐候性フィルムと防湿フィルムとを接着層を介して積層することにより得られる。この場合、該接着層は耐候性フィルム及び防湿フィルム双方との接着性が良好であることが要求される。しかしながら、特許文献1、2のいずれにも、耐候性フィルムとの接着性が良好な接着層の開示はない。
以上から、本発明の課題は、透明性が高く、高温高湿条件下での保存後においても、優れた防湿性及びフィルム間の密着性を維持できる積層防湿フィルム、該積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材、及び当該太陽電池用保護材を有する太陽電池を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、耐候性フィルム、接着層、及び防湿フィルムを順に有する積層防湿フィルムにおいて、該接着層として特定の組成の樹脂層を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]少なくとも、耐候層、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含む樹脂層、及び、基材の少なくとも一方の面に無機層を有する防湿層を順に有する積層防湿フィルム。
[2]前記樹脂層を構成する樹脂中のエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有量が5〜100質量%である、上記[1]に記載の積層防湿フィルム。
[3]前記樹脂層が、不飽和カルボン酸化合物の単独重合体及び共重合体のいずれも含まない、上記[1]又は[2]に記載の積層防湿フィルム。
[4]前記樹脂層が更にポリオレフィンを含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[5]前記樹脂層を構成する樹脂中のポリオレフィンの含有量が0質量%超95質量%以下である、上記[4]に記載の積層防湿フィルム。
[6]前記樹脂層と前記無機層とが接しており、樹脂層の厚みaと、該樹脂層に接する無機層の厚みbとの比a/bが200〜10000の範囲である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[7]前記樹脂層を構成する樹脂の温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが20g/10分以下である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[8]前記無機層を構成する無機物質が酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、及び窒化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[9]前記耐候層がフッ素系樹脂フィルムからなる、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[10]前記基材がポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナフタレートフィルムである、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[11]温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が0.1[g/m2/day]以下である、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[12]温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した、下記式で示される水蒸気透過率の低下度Aが4以下である、上記[1]〜[11]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
水蒸気透過率の低下度A=(温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
[13]温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した、下記式で示される水蒸気透過率の低下度Bが4以下である、上記[1]〜[12]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
水蒸気透過率の低下度B=(温度85℃、相対湿度85%環境下で500時間保持した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
[14]光線透過率が80%以上である、上記[1]〜[13]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[15]上記[1]〜[14]のいずれかに記載の積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材。
[16]上記[15]に記載の太陽電池用保護材を有する太陽電池。
本発明によれば、透明性が高く、高温高湿条件下での保存後においても、優れた防湿性及び密着性を維持できる積層防湿フィルム、該積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材、及び当該太陽電池用保護材を有する太陽電池を提供することができる。
<積層防湿フィルム及び太陽電池用保護材>
本発明の積層防湿フィルムは、少なくとも、耐候層、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含む樹脂層、及び、基材の少なくとも一方の面に無機層を有する防湿層を順に有する。以下に本発明を更に詳細に説明する。
[耐候層]
本発明において、耐候層としては、耐候性の樹脂組成物の塗布層や、耐候性フィルムからなるものが挙げられるが、耐候性フィルムからなるものが好ましい。
本発明において、耐候性フィルムは、耐加水分解性や耐候性を有するものが制限なく使用でき、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂;ポリアミド等の各種樹脂のフィルムを用いることができる。耐候性フィルムは、これらの樹脂の2種以上を含むものであってもよく、また、2枚以上のフィルムの積層フィルムであってもよい。
中でも、耐候性、透明性の観点から、耐候性フィルムはフッ素系樹脂フィルムであることか好ましく、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選ばれる1種以上からなるフッ素系樹脂フィルムであることがより好ましい。
本発明の積層防湿フィルムの製造における加熱圧着時に生じた耐候層の残留歪を軽減し、高温高湿時の積層防湿フィルム内の残留応力を低減する効果を得るためには、耐候性フィルムは、ガラス転移温度−50〜180℃のフィルムを用いることが好ましい。ガラス転移温度が上記の温度範囲内の耐候性フィルムを用いることで、加熱圧着時の温度で、それまでの工程で加えられた力の履歴や熱履歴によって生じたフィルム内の分子、結晶配向を緩和させ、残留歪を低減させることができる。
また、積層防湿フィルムの製造における真空ラミネーション時や、高温高湿時の温度・湿度変化においてもその特性変化が小さいことが好ましいことから、耐候性フィルムとして、事前の熱処理等による低収縮率化等が行われたフィルムが好ましく使用される。
更に、耐候性フィルムは、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、光安定剤等の安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。また、これらの各種添加剤を含有する樹脂層を積層してもよい。
耐候層の厚さは、一般に20〜200μm程度であり、耐候性フィルムの場合は取り扱いやすさとコストの点から20〜100μmが好ましく、20〜75μmがより好ましい。
[防湿層]
本発明に係る防湿層は、基材の少なくとも一方の面に無機層を少なくとも1層有する層であり、防湿性及び透明性を有する層である。本発明の積層防湿フィルムを太陽電池用保護材に用いる場合には、湿気、水の透過による太陽電池等の内面側を保護することができる。
なお、防湿層は後述する樹脂層を介して既述の耐候層と積層される。
防湿層に用いられる基材としては、樹脂フィルムが好ましく、その材料としては、通常の包装材料や電子デバイス等のパッケージ材料や、太陽電池用部材、電子ペーパー用部材、有機EL用部材に使用しうる樹脂であれば特に制限なく用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン;環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド;エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリル樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。これらの中では、フィルム物性、コスト等の点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましい。基材は、これらの樹脂の2種以上を含むものであってもよい。
中でも、フィルム物性の点から、基材はポリエステルフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又はポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムがより好ましい。
また、上記基材は、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
上記基材としての樹脂フィルムは、未延伸であってもよいし延伸したものであってもよい。
かかる基材は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、原料を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押出して、急冷することにより実質的に無定型で配向していない未延伸フィルムを製造することができる。また、多層ダイを用いることにより、1種の樹脂からなる単層フィルム、1種の樹脂からなる多層フィルム、多種の樹脂からなる多層フィルム等を製造することができる。
この未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向又はフィルムの流れ方向とそれに直角な(横軸)方向に延伸することにより、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムを製造することができる。延伸倍率は任意に設定できるが、100℃における熱収縮率が、好ましくは0.01〜5%、より好ましくは0.01〜2%である。中でもフィルム物性の点から、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムや、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートの共押出二軸延伸フィルム、又はこれらの樹脂と他の樹脂の共押出二軸延伸フィルムが好ましい。
本発明において、上記基材の厚さは、積層防湿フィルムの端面防湿性の観点から、好ましくは10〜150μm、より好ましくは10〜100μm、更に好ましくは10〜75μm、更に好ましくは12〜50μmである。
なお、上記基材には、無機層との密着性向上のため、アンカーコート層を設けることが好ましい。アンカーコート層形成用のアンカーコート剤としては、溶剤性又は水性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂等のアルコール性水酸基含有樹脂、ビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、メチレン基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、スチレン樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、アンカーコート層は必要に応じ、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルキルチタネート、紫外線吸収剤、耐候安定剤等の安定剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
アンカーコート層の厚みは、無機層との密着性向上の観点から10〜200nmであることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましい。アンカーコート層の形成方法としては、公知のコーティング方法が適宜採択される。例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター、スプレイを用いたコーティング方法等の方法がいずれも使用できる。また、基材を樹脂液に浸漬して行ってもよい。塗布後は、80〜200℃程度の温度での熱風乾燥、熱ロール乾燥等の加熱乾燥や、赤外線乾燥等の公知の乾燥方法を用いて溶媒を蒸発させることができる。また、耐水性、耐久性を高めるために、電子線照射による架橋処理を行うこともできる。また、アンカーコート層の形成は、基材の製造ラインの途中で行う方法(インライン)でも、基材製造後に行う方法(オフライン)でもよい。
無機層を構成する無機物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン、あるいはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、酸化炭化物、酸化窒化物、酸化炭化窒化物、ダイヤモンドライクカーボン又はこれらの混合物等が挙げられる。太陽電池に適用した場合に電流がリークする等のおそれがない点から、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム及び酸化窒化アルミニウム等の無機酸化物、窒化珪素及び窒化アルミニウム等の窒化物、ダイヤモンドライクカーボン並びにこれらの混合物が好ましい。特に、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化アルミニウム及びこれらの混合物は、高い防湿性が安定に維持できる点で好ましく、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、及び窒化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
無機層の形成方法としては、蒸着法、コーティング法等の方法がいずれも使用できるが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法には、物理気相蒸着(PVD)、あるいは化学気相蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)等の方法がいずれも含まれる。物理気相蒸着法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられ、化学気相蒸着法としては、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等が挙げられる。原子層蒸着は、真空容器内に設置した基板上に、原料化合物の分子をモノレイヤーごとに表面へ吸着、反応による成膜、パージによる余剰分子の除去、のサイクルを繰り返し行うことによって、原子層を一層ずつ積み上げる手法である。
また、上記無機層は、無機層は単層の他、多層であってもよく、上記に挙げられる種々の成膜法を用い多層成膜し、防湿性を高めることが可能である。その場合、同一の成膜法を用いてもよいし、各層ごとに異なる成膜法を用いてもよいが、いずれも減圧下で連続して行うことが、効率的な防湿性向上、生産性の点で好ましい。
また、無機層が多層の場合、各層は同じ無機物質からなっていても、異なる無機物質からなっていてもよい。
無機層の厚さは、高い防湿性能の発現と透明性の点から、5〜1000nmであることが好ましく、10〜800nmがより好ましく、10〜500nmが更に好ましく、10〜200nmが更に好ましく、20〜200nmが更に好ましい。
無機層上には、高い防湿性能を発現する観点から、更にバリアコート層を形成してもよい。バリアコート層は、無機層の微細な欠陥を補完する役割を果たし、より高い防湿性の発現が期待できる。該バリアコート層としては有機無機ハイブリッド材料を含むコート層が好ましく用いられ、具体的には、ポリシラザン、ポリシロキサン等が用いられる。
バリアコート層の厚みは、クラックの発生を防止し、高い防湿性能を発現する観点から、好ましくは5〜120nm、より好ましくは10〜90nmである。バリアコート層は、例えば上記有機無機ハイブリッド材料を含む塗布液を調製し、これを無機層上に所望の厚みとなるように塗布、加熱乾燥することにより形成できる。
防湿層の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は、防湿性の観点から、好ましくは0.1[g/m2/day]未満、より好ましくは0.05[g/m2/day]以下、更に好ましくは、0.03[g/m2/day]以下である。
防湿層の水蒸気透過率の調整は、前記のとおり、前記無機層を構成する無機物質の選択、無機層の厚み、防湿層の厚み、バリアコート層の形成、及び無機物質の酸化数等を適宜調整することにより行うことができる。
水蒸気透過率の測定方法は、JIS Z 0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、具体的には実施例に記載の方法で測定される。
[樹脂層]
樹脂層は、前記耐候層と防湿層との間に位置するものであり、加熱により軟化して接着性を発現する層である。樹脂層は、樹脂成分を好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90〜100質量%含む。
積層防湿フィルムを構成する層同士を接着させるために、粘着剤や接着剤を使用する方法が知られている。粘着剤や接着剤は一般にポリマー溶液に架橋剤を加えたものであり、塗布後に乾燥・硬化させて粘着剤層又は接着剤層を形成する。しかしながら架橋剤の反応率は100%にはならないいため、層内に未反応性基が残存し、これにより積層防湿フィルムの高温高湿条件下での防湿性が低下する。また、粘着剤や接着剤はべたつき(タック)を有するため、耐候層や防湿層に塗布した直後に他のフィルムでラミネートしてから巻き取る必要があり、製造工程が煩雑になる。
一方、本発明における樹脂層を使用すれば、耐候層や防湿層に該樹脂層を設けた状態で冷却し、得られた積層体に他のフィルムをラミネートせずにそのまま巻き取ることが可能である。また、これを再度加熱することで樹脂層が接着性を発現するので、パッケージ化する際に他方の層を熱ラミネートにより容易に貼り合わせることができる点でも好適である。
本発明における樹脂層は、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含む。これにより、本発明の積層防湿フィルムは高温高湿条件下での保存後においても優れた防湿性を維持し、かつ耐候層と防湿層との接着性を維持することが可能となる。更に、得られる積層防湿フィルムは高い透明性を有するものとなる。
なお本発明において用いられるエチレン−(メタ)アルキルアクリレート共重合体とは、エチレンと1種又は2種以上のアルキル(メタ)アクリレートとを共重合させた重合体を意味し、エチレン及びアルキル(メタ)アクリレート以外の単量体に由来する単量体単位を実質的に含有しないものである。「実質的に含有しない」とは、共重合体を構成する単量体単位のうち、エチレン及びアルキル(メタ)アクリレート以外の単量体単位が0.1質量%未満であることをいう。
樹脂層がエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含むことにより上記効果が得られる理由は、次のように考えられる。樹脂層がポリエチレン等のポリオレフィンのみから構成される場合には、前述した無機層のような親水性表面と接着させる場合において十分な接着性を得ることができない。特に、長期耐候性及び防湿性を要求される太陽電池用途においては、屋外使用を想定した様々な環境試験下で長期に渡って接着性を維持する必要がある。また、ポリエチレンは結晶性が高いため、透明性が低くなる傾向がある。
これに対し、アルキル(メタ)アクリレートはエステル結合を有するため極性を有しており、エチレンと共重合体させることで、ポリエチレンと比較して樹脂層と無機層との接着性を向上させることができ、また、アモルファス性を付与できるので高透明性を得ることができる。
また積層防湿フィルムにおいて樹脂層が酸性官能基を含むと、特に樹脂層と無機層とが接する場合に、積層防湿フィルムを高温高湿条件下で保存した後の防湿性が低下する。これに対しエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体は酸性官能基を含まないため、本発明の積層防湿フィルムでは、高温高湿条件下で保存した後も優れた防湿性を維持することができる。
上記効果を得る観点から、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体におけるアルキル(メタ)アクリレート由来の単量体単位の含有量は、共重合体中の全単量体単位に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは10〜60質量%である。
エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体におけるアルキル(メタ)アクリレートは、耐熱性及び接着安定性の点から、アルキル基の炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜4が更に好ましい。また該アルキル基は直鎖でもよく、分岐構造を有していてもよく、環状構造であってもよい。
アルキル(メタ)アクリレートとは、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートを意味し、接着性発現の観点からはアルキルアクリレートが好ましい。
本発明に用いられるエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体としては、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ヘキシル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ペンチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−オクチル(メタ)アクリレート共重合、エチレン−デシル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ドデシル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、耐熱性及び接着性の観点から、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体及びエチレン−ブチル(メタ)アクリレート共重合体から選ばれる1種以上が好ましく、エチレン−メチルアクリレート共重合体及びエチレン−ブチルアクリレート共重合体から選ばれる1種以上がより好ましい。
エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体はブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。エチレンに由来する構成単位とアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位とは極性が異なるため、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体は樹脂層中で海島構造を取ることが予想される。エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体がランダム共重合体である方が島構造が小さくなり、接着性が均一となるので好ましい。
エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体の分子量は任意であるが、重量平均分子量が5,000以上100万以下であることが好ましい。重量平均分子量が5,000以上であれば、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含む樹脂層の加熱時に、該共重合体が層間から流れ出るおそれがない。また重量平均分子量が100万以下であれば加工性が良好であり、樹脂層の厚みを容易に制御できる。耐熱性と加工性のバランスの観点から、重量平均分子量は1万以上10万以下がより好ましい。
樹脂層を構成する樹脂中のエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有量は、好ましくは5〜100質量%であり、より好ましくは20〜100質量%、更に好ましくは20〜95質量%、より更に好ましくは30〜80質量%、より更に好ましくは40〜70質量%である。樹脂層を構成する樹脂中のエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有量が5質量%以上であれば、接着性に寄与するアルキル(メタ)アクリレート由来の単量体単位の密度が十分であり、均一な接着性を得ることができるので、高温高湿条件下での保存後においても防湿性、密着性を有する積層防湿フィルムとすることができる。
なお、本発明において「樹脂層を構成する樹脂中の含有量」とは、樹脂層に含まれるすべての樹脂成分を混合した樹脂中の含有量をいう。
樹脂層は、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体以外の熱可塑性樹脂を含有してもよい。エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体以外の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、高温高湿条件下での保存後においても優れた防湿性を維持できる観点から、更にポリオレフィンを含むことが好ましい。
ポリオレフィンとしては、エチレンやイソブチレン、α−オレフィンの単独重合体又は共重合体が挙げられる。
上記重合体としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、及び、これら重合体を変性した変性ポリオレフィン等が挙げられる。中でも、透明性の観点から、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンから選ばれる1種以上が好ましく、低密度ポリエチレンがより好ましい。
エチレンとα−オレフィンとの共重合体において、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等が例示される。工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点から、上記のうちプロピレン、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテンが好適に用いられる。α−オレフィンは、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
α−オレフィンは、エチレンとの共重合体中の全単量体単位に対して、通常、2モル%以上であり、好ましくは40モル%以下、より好ましくは3〜30モル%、更に好ましくは5〜25モル%である。該範囲内であれば、α−オレフィンを共重合させることで共重合体の結晶性が低減されるため透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難い。エチレン−α−オレフィン共重合体の中でも、透明性や柔軟性などの観点からエチレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。
ポリオレフィンの好ましい重量平均分子量は、前述のエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体と同じである。
樹脂層を構成する樹脂中のポリオレフィンの含有量は、95質量%以下、好ましくは80質量%以下であり、好ましい含有量は0質量%超であればよく、より好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは20〜70質量%、より更に好ましくは30〜60質量%である。ポリオレフィンの含有量が上記範囲であれば、積層防湿フィルムは接着性を維持しつつ、高温高湿条件下での保存後においても優れた防湿性を維持できる。また、ポリオレフィンは耐加水分解性に優れているので、樹脂層中にポリオレフィンが上記範囲で含まれることが好ましい。
本発明における樹脂層は、不飽和カルボン酸化合物の単独重合体及び共重合体のいずれも含まないことが好ましい。樹脂層中のカルボキシ基の含有量が少ない方が、高温高湿条件下での保存後にも防湿性の劣化が少なく、優れた防湿性を維持することができる。同様の観点から、樹脂層を構成する樹脂は、酸価が100mgKOH/g以下のものを用いることが好ましく、10mgKOH/g以下のものを用いることがより好ましい。
ここで、不飽和カルボン酸化合物とは、重合性不飽和結合を有するカルボン酸化合物又はカルボン酸無水物のいずれも含む概念であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等が挙げられ、それらの酸性ユニットを主鎖、側鎖など構造内の一部に有する化合物、すなわち2量体や3量体、オリゴマー、ポリマーを含む。
樹脂層は、加熱による接着性を発現するために、熱可塑性樹脂を主成分とすることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、前述のエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体や、前述のポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は樹脂層中に50質量%以上含まれることが好ましく、80質量%以上含まれることがより好ましく、90〜100質量%含まれることが更に好ましい。
樹脂層を構成する樹脂は、積層防湿フィルムの製造における加熱圧着工程における加工温度の選択性の観点から、融点が60〜150℃であることが好ましく、60〜120℃であることがより好ましい。
また、樹脂層を構成する樹脂は、加熱及び冷却サイクルにおける樹脂層の残留応力を低減する観点から、ガラス転移温度が−20℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が前記範囲にあることで、特に低温度領域下での防湿性低下を抑制することができる。
樹脂層を構成する樹脂のメルトフローレート(MFR)は、温度190℃、荷重2.16kgにおいて20g/10分以下であることが好ましい。本発明の積層防湿フィルムを太陽電池用保護材として用いる場合には、太陽電池を作製する際、150℃程度で十数分の真空ラミネーション工程を経るため、該保護材の性能が真空ラミネーション工程において低下しないことが必要である。樹脂層を構成する樹脂のMFRが20g/10分以下であれば、真空ラミネーション工程において、樹脂が層間から流れ出るおそれがなく、樹脂層の厚みの均一性を保持できるので、外観が良好になる。樹脂層を構成する樹脂のMFRは、温度190℃、荷重2.16kgにおいて18g/10分以下であることがより好ましく、15g/10分以下であることが更に好ましい。MFRは、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
ここで、樹脂層を構成する樹脂のMFRとは、樹脂層に含まれるすべての樹脂成分を混合した樹脂のMFRをいう。
本発明における樹脂層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含有してもよい。中でも、添加剤として紫外線吸収剤及び光安定剤を含有することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、配合後ブリードアウト等が生じにくい、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤;p−tert−ブチルフェニルサリシレート、フェニルサリシレート等のサリシレート系紫外線吸収剤のうち、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
特に耐熱性及び耐久性の観点から、紫外線吸収剤の全量に対し、トリアジン系紫外線吸収剤を50〜100質量%含むことが好ましい。
紫外線吸収剤の配合量は、樹脂層中、通常0.01〜2.5質量%程度であり、好ましくは0.05〜2.0質量%である。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好適に用いられる。ヒンダードアミン系光安定剤は、紫外線吸収剤のようには紫外線を吸収しないが、紫外線吸収剤と併用することによって著しい相乗効果を示す。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ}]、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などを挙げることができる。これら光安定剤は、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
光安定剤の配合量は、樹脂層中、通常0.01〜2.0質量%程度であり、好ましくは0.05〜1.0質量%である。
酸化防止剤としては、種々の市販品が使用でき、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等各種タイプのものを挙げることができる。
モノフェノール系としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等を挙げることができる。ビスフェノール系としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,9,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカン等を挙げることができる。
高分子フェノール系としては、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ビドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェロール(ビタミンE)等を挙げることができる。
硫黄系としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート等を挙げることができる。
ホスファイト系としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(モノ及び/又はジ)フェニルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等を挙げることができる。
本発明においては、酸化防止剤の効果、熱安定性、経済性等からフェノール系及びホスファイト系の酸化防止剤が好ましく用いられ、両者を組み合わせて用いることがより好ましい。該酸化防止剤の添加量は、樹脂層中、通常、0.1〜1質量%程度であり、好ましくは0.2〜0.5質量%である。
樹脂層は、架橋剤を実質的に含まないことが好ましい。架橋剤を実質的に含まないとは、架橋剤の含有量が樹脂層中の0.1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましく、0.001質量%以下であることが更に好ましい。
樹脂層は、対向するフィルムの収縮等により発生する応力を樹脂層で吸収することで無機層へのダメージを防ぐために、100℃、周波数10Hz、歪0.1%における引張貯蔵弾性率が5×105Pa以下であることが好ましい。
また、樹脂層は、常温(20℃)において接着強度を維持する観点から、20℃、周波数10Hz、歪0.1%における引張貯蔵弾性率が1×107Pa以上であることが好ましい。
本発明において、樹脂層は、耐候層、又は防湿層の無機層に、樹脂層を構成する樹脂、及び紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を混合した樹脂層形成用組成物の塗工液を直接塗工することにより形成してもよいし、樹脂層形成用組成物の塗工液を、剥離処理された剥離シートの剥離処理面に塗工し、これを耐候層又は防湿層の無機層に貼り合わせた後に剥離シートを剥離することにより形成してもよい(コーティング法)。
また、塗工液を調製せず、樹脂層を構成する樹脂及びその他添加剤を溶融混練した樹脂層形成用組成物を、耐候層又は防湿層上に流し、冷却ロールで冷却して樹脂層を形成してもよい(押し出しラミネート法)。あるいは、樹脂層を構成する樹脂及びその他添加剤を溶融混練した樹脂層形成用組成物を、キャスト法により、フィルム状に成形してもよい。
コーティング法で使用される塗工液は、樹脂層を構成する樹脂、及び紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を混合した樹脂層形成用組成物を、有機溶剤に溶解させたもの、水に溶解又は分散させたもの等を使用することが好ましい。耐水性が問われる太陽電池部材等の用途には有機溶剤に溶解させたものが好ましい。
有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。塗工液は、塗工の利便さから、これらの有機溶剤を使用して、固形分濃度が10〜50質量%の範囲になるように調製するのが好ましい。
塗工液の塗工は、例えば、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、エアドクターコート法、ドクターブレードコート法等、従来公知の塗工方法により行うことができる。
塗工後、通常70〜110℃の温度で1〜5分程度乾燥処理することにより、樹脂層が形成される。
押し出しラミネート法では、樹脂層を構成する樹脂、及びその他添加剤を溶融混練した樹脂層形成用組成物を、耐候層を構成する耐候性フィルム又は防湿層を構成する防湿フィルム等の上に流し、冷却ロールで冷却することで、耐候層と樹脂層との積層体や、防湿層と樹脂層との積層体を得ることができる。樹脂層を構成する原料が複数の場合、ドライブレンドにて混ぜ合わせ、押し出し加工機に投入してもよく、事前にコンパウンドを実施してもよい。樹脂の均一性を向上させ、加工性をよくするため事前にコンパウンドを実施することがより好ましい。樹脂の熱分解を防止するためコンパウンドは押し出しラミネートの加工温度以下で実施することが好ましい。
このようにして得た積層体の樹脂層側に、再度押し出しラミネートにより樹脂層形成用組成物を流し冷却することにより、樹脂層を2層重ねることができる。樹脂層を重ねる際は、各層で同じ樹脂を用いてもよいし、異なった樹脂を用いてもよい。また、3層、4層とさらに重ねてもよい。この方法により樹脂層の厚みと構成を任意に選ぶことができる。一度に設ける樹脂層の厚みは、ダイから押し出す樹脂層形成用組成物の吐出量と、フィルムを搬送するライン速度によって制御できる。また、一度に設ける樹脂層の厚みは、樹脂の温度、延展性、層厚みの均一性、生産性を考慮して選択することが好ましく、通常3〜100μmであり、加工安定性の点で10〜80μmが好ましい。
なお、押し出しラミネートにより樹脂層が2層積層された積層体を作製する場合、樹脂層を耐候性フィルム、又は防湿フィルム上に形成し、該樹脂層の上に更に樹脂層を積層することが好ましい。樹脂層上に更に押し出しラミネートにより樹脂層を形成すると、樹脂層間の界面での割れや光学的な濁りがなく、樹脂層が完全に一体化した積層フィルムを得ることができる。あるいは、一方の樹脂層を耐候性フィルム上に形成し、他方の樹脂層を防湿フィルム上に形成し、その後、耐候性フィルム上の樹脂層と、防湿フィルム上の樹脂層とが対向するように積層してもよい。
押し出しラミネート加工において押し出す樹脂温度は通常150〜350℃である。150℃以上であれば樹脂の流れが良好になり、350℃以下であれば樹脂の熱分解のおそれがない。加工性と樹脂の熱分解防止の点から、樹脂温度は200〜320℃が好ましく、260〜300℃がより好ましい。ライン速度は装置能力に応じて任意に選ぶことができるが、通常10〜200m/分程度で実施される。加工安定性の観点からは10〜150m/分が好ましく、生産性の点からは50〜150m/分が好ましい。
押し出しラミネート法では、樹脂層の両側に一度にフィルムを貼り合わせることが可能である。例えば、防湿層を構成する防湿フィルム上に樹脂層を形成する場合、樹脂層の防湿フィルム側とは反対側から、耐候層を構成する耐候性フィルムを繰り出すことにより、2枚のフィルム間に樹脂層を設けた積層体を得ることができる。
樹脂層は、上述のように2層以上から形成してもよい。樹脂層を2層以上とする場合、防湿層側に位置する樹脂層よりも、耐候層側に位置する樹脂層の方が、上述の紫外線吸収剤や光安定剤等の種々の添加剤を多く含有することが好ましい。このように構成することにより、長期間での曝露試験の環境下において添加剤がブリードアウトした場合でも、防湿層の防湿性劣化の程度を低減することができる。また、耐候層側の樹脂層のみに上述の種々の添加剤を含有させ、防湿層側の樹脂層には上述の種々の添加剤を含有させないことがより好ましい。
樹脂層の厚みは、5〜120μmであるのが好ましく、より好ましくは10〜100μm、更に好ましくは10〜80μm、より更に好ましくは20〜80μmである。樹脂層の厚みが5μm以上であれば、十分な接着力を得ることができ、120μm以下であれば、防湿層の無機層面への応力が増大して防湿性が低下するのを防止できる。
更に、本発明の積層防湿フィルムは、樹脂層と無機層とが接しており、樹脂層の厚みをaとし、無機層の厚みをbとした場合に、樹脂層の厚みaと、該樹脂層に接する無機層の厚みbとの比a/bは200〜10000の範囲にあることが好ましく、250〜9000の範囲になることがより好ましく、400〜2000の範囲になることが更に好ましい。これにより、積層防湿フィルムの作製における、樹脂層の加熱圧着時の防湿性低下を抑制することができる。加熱圧着時には無機層の垂直方向に圧力が加えられ、その衝撃に対して防湿性が低下しないことが必要である。また、加熱圧着時の加熱・冷却過程において、樹脂層に含まれる熱可塑性樹脂が溶融し冷却により固化する際、その収縮応力によって該樹脂層と接する無機層にダメージが与えられ、防湿性が低下しないことが必要である。a/bが200以上であれば、無機層の厚みに対する樹脂層の厚みが小さすぎず、耐衝撃性が不足することにより無機層にダメージを与える懸念がない。一方、a/bが10000以下であれば、樹脂層と接する無機層にかかる収縮応力が過大にならず、防湿性の低下を抑制できる。
また、防湿層に用いられる基材の厚みをcとした場合に、樹脂層の厚みaと、該基材の厚みcとの比a/cが0.1〜8の範囲にあることが好ましい。a/cが0.1以上であれば、耐候層と防湿層との初期接着性がより良くなる。a/cが8以下であれば、積層防湿フィルムの作製における加熱圧着時(真空ラミネート時)に、該樹脂層の収縮による該基材の変形が起こり難い。a/cは、0.1〜3.3の範囲がより好ましく、0.2〜2.0の範囲が更に好ましい。
本発明の積層防湿フィルムは、上述した耐候層、樹脂層、及び防湿層を順に有していればよく、更に上記以外の層を有していてもよい。また、樹脂層及び防湿層は2層以上積層されていてもよい。
防湿層が基材の一方のみに無機層を有する場合、防湿層は、無機層側の面を樹脂層側にして積層することが好ましい。
本発明の積層防湿フィルムの総厚みは、用途等により適宜選択することができるが、好ましくは25〜500μm、より好ましくは40〜350μm、更に好ましくは50〜300μmである。
本発明の積層防湿フィルムは、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が好ましくは0.1[g/m2/day]以下、より好ましくは0.05[g/m2/day]以下、更に好ましくは0.03[g/m2/day]以下のものとすることができる。
また、本発明の積層防湿フィルムは、温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した、下記式で示される水蒸気透過率の低下度Aが好ましくは4以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2.5以下、より更に好ましくは2.0未満のものとすることができる。
水蒸気透過率の低下度A=(温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
ここで、温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率とは、作製した積層防湿フィルムを更に温度150℃で20分加熱した後に、温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した水蒸気透過率をいう。
水蒸気透過率の低下度Aの値が1に近いほど、本発明の積層防湿フィルムは、作製後に加熱を行っても防湿性を維持できることを示す。
更に本発明の積層防湿フィルムは、温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した、下記式で示される水蒸気透過率の低下度Bが好ましくは4以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2.5以下のものとすることができる。
水蒸気透過率の低下度B=(温度85℃、相対湿度85%環境下で500時間保持した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
本発明の積層防湿フィルムを温度85℃、相対湿度85%環境下で500時間保持する加速試験(以下「ダンプヒート試験」ともいう)は、JIS C 60068−3−4に準拠した方法により行われ、具体的には実施例に記載の方法で行うことができる。
本発明における各フィルムの水蒸気透過率は、JISZ0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JISZ0208「防湿包装材量の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ評価することができる。具体的には実施例に記載の方法で測定される。
本発明の積層防湿フィルムは、耐候層と防湿層との層間強度が5N/15mm以上、好ましくは10N/15mm以上のものとすることができる。また、初期層間強度に対する、上記ダンプヒート試験後の層間強度の低下率は60%以下、好ましくは50%以下とすることができる。積層防湿フィルムの層間強度及び層間強度低下率は、具体的には実施例に記載の方法で測定される。
本発明の積層防湿フィルムは、光線透過率を80%以上、好ましくは85%以上とすることができる。また、ヘイズは20%以下、好ましくは15%以下とすることができる。積層防湿フィルムの光線透過率及びヘイズは、具体的には実施例に記載の方法で測定される。
[積層防湿フィルムの製造方法]
本発明の積層防湿フィルムの製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述した耐候層、樹脂層、及び防湿層を順に積層して加熱圧着を行う方法等が挙げられる。
樹脂層の形成方法としては、前述したコーティング法や押し出しラミネート法が挙げられる。
本発明の積層防湿フィルムは、太陽電池用部材や、有機EL用部材、電子ペーパーの表面保護部材等の用途、特に太陽電池用保護材に用いることが、湿気の透過による発電素子の劣化防止、内部の導線や電極の発錆を防止することができ、環境変動に影響されず長期にわたる起電力の保持を達成できることから好ましい。
<太陽電池用保護材>
本発明の太陽電池用保護材は、本発明の積層防湿フィルムを有するものであり、本発明の積層防湿フィルムをそのまま太陽電池用保護材として用いることもできる。
また、本発明の太陽電池用保護材は、封止材を積層してなる封止材・前面保護材一体型であってもよい。予め封止材を積層することにより、真空ラミネーション工程における裏面保護材、封止材、発電素子、封止材、前面保護材それぞれを個々に積層する作業を低減でき、太陽電池モジュール製造の効率化を図ることができる。
<太陽電池>
本発明の太陽電池は、既述の本発明の太陽電池用保護材を有する構成である。すなわち、本発明の太陽電池用保護材を、封止材や太陽電池用セル等の他の太陽電池用部材と積層したものである。本発明の太陽電池は、本発明の太陽電池用保護材を使用することで、良好な外観を実現することができるのみならず、発電効率の低下を防止できる。
本発明の太陽電池用保護材を太陽電池用フロントシート、バックシート等の表面保護部材の層構成に使用し、太陽電池素子を封止材とともに固定することにより太陽電池モジュールを作製することができる。このような太陽電池としては、種々のタイプのものを例示することができ、好ましくは、本発明の太陽電池用保護材を前面保護材として使用した場合、封止材と、太陽電池素子と、裏面保護材とを用いて作製された太陽電池モジュールが挙げられ、具体的には、前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)/封止材(封止樹脂層)/太陽電池素子/封止材(封止樹脂層)/裏面保護材の構成のもの、裏面保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子上に封止材と前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)を形成させるような構成のもの、前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)の内周面上に形成させた太陽電池素子、例えばフッ素樹脂系透明保護材上にアモルファス太陽電池素子をスパッタリング等で作製したものの上に封止材と裏面保護材を形成させるような構成のもの等を挙げることができる。前面保護材として本発明の太陽電池用保護材の外側にガラス板を貼り合わせることは任意である。
なお、前述の封止材・前面保護材一体型の前面保護材を用いる場合は、前記の封止材は用いなくてもよい場合がある。
太陽電池素子としては、例えば、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレン、銅−インジウム−ガリウム−セレン、カドミウム−テルル等のIII−V族やII−VI族化合物半導体型、色素増感型、有機薄膜型等が挙げられる。
本発明の太陽電池を構成する他の各部材については、特に限定されるものではなく、例えば、封止材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やポリエチレンが挙げられる。
本発明の太陽電池用保護材を前面保護材として使用する場合、裏面保護材としては、公知のものがいずれも使用可能であるが、例えば、無機材料や各種熱可塑性樹脂フィルム等の単層もしくは多層のシートが挙げられる。無機材料としては、例えば、錫、アルミ、ステンレス等の金属やガラス等が挙げられ、熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、無機物蒸着ポリエステルフィルム、フッ素含有樹脂フィルム、ポリオレフィンフィルム等が挙げられる。また、本発明の太陽電池用保護材を裏面保護材として使用する場合、前面保護材としては、公知のものがいずれも使用可能であり、例えば、ガラスや熱可塑性樹脂フィルム等の単層もしくは多層シート又はこれらの積層シートが挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、無機物蒸着ポリエステルフィルム、フッ素系樹脂フィルム、ポリオレフィンフィルム及びこれらの積層シートが挙げられる。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、上述の上部及び/又は下部の各部材や、本発明の太陽電池用保護材の表面には、封止材や他の部材との接着性を向上させるためにプライマー処理やコロナ処理等公知の表面処理を施すことができる。
本発明の太陽電池用保護材を用いて作製された太陽電池を前述した前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)/封止材/太陽電池素子/封止材/裏面保護材のような構成のものを例として説明する。太陽光受光側から順に、本発明の太陽電池用保護材、封止材、太陽電池素子、封止材、裏面保護材が積層されてなり、さらに、裏面保護材の下面にジャンクションボックス(太陽電池素子から発電した電気を外部へ取り出すための配線を接続する端子ボックス)が接着されてなる。太陽電池素子は、発電電流を外部へ電導するために配線により連結されている。配線は、バックシートに設けられた貫通孔を通じて外部へ取り出され、ジャンクションボックスに接続されている。
なお、上記で、例えば、A/B/Cの表記は、下から(あるいは上から)A、B、Cの順に積層していることを示す。
太陽電池の製造方法としては、公知の製造方法が適用でき、特に限定されるものではないが、一般的には、本発明の太陽電池用保護材、封止材、太陽電池素子、封止材、裏面保護材の順に積層する工程と、それらを真空吸引し加熱圧着する工程を有する。具体的には、上記の各部材を順に積層し、常法に従って、真空ラミネーターで、温度が好ましくは130〜180℃、より好ましくは130〜150℃、脱気時間が2〜15分、プレス圧力が0.05〜0.1MPa、プレス時間が好ましくは8〜45分、より好ましくは10〜40分で加熱加圧圧着することにより容易に製造することができる。
上記の製造方法においては、バッチ式の製造設備やロール・ツー・ロール式の製造設備等も適用することができる。
本発明の太陽電池用保護材を用いて作製された太陽電池は、適用される太陽電池のタイプとモジュール形状によらず、モバイル機器に代表される小型太陽電池、屋根や屋上に設置される大型太陽電池等、屋内、屋外に関わらず各種用途に適用することができる。特に、電子デバイスの中でも、化合物系発電素子太陽電池やアモルファスシリコン系等のフレキシブル太陽電池への使用においては、高防湿性が要求されることから、好ましく用いられる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例及び比較例により本発明は制限を受けるものではない。なお、種々の物性の測定及び評価は次のようにして行った。
(MFR)
樹脂層を構成する樹脂のMFRは、JIS K7210に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgにて測定した。
[加速試験]
(1)ダンプヒート(DH)試験
実施例及び比較例で作製した積層防湿フィルムを15cm×15cm角に切り出した。厚み3mmの15cm×15cm角白板ガラス上に、15cm×15cm角の封止材(エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、三井・デュポンポリケミカル(株)製、厚み500μm)、10cm×10cm角の離型用フィルム(テフロン(登録商標)、三井・デュポンフロロケミカル(株)製、厚み50μm)を順次積層し、この上に、15cm×15cm角の上記積層防湿フィルムを、該防湿フィルムの基材側が離型用フィルムと接するように積層した。これを真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製、商品名:LM30×30)を用いて、150℃、20分、圧力0.1MPaの条件で真空ラミネーションを行い、ダンプヒート試験用サンプルを得た。
JIS C 60068−3−4に準拠した方法により、恒温恒湿機(エスペック(株)製、商品名:PH−3KT)を用いて、上記試験用サンプルを温度85℃、相対湿度85%環境下で500時間保持した。
500時間後に試験用サンプルを取り出し、離型用フィルムの内側をカッターで切り出して、10cm×10cm角の積層防湿フィルムを取り出した。該フィルムを温度25℃、相対湿度50%の環境下で1日静置して養生を行い、ダンプヒート試験後の積層防湿フィルムを得た。
[物性評価]
(2)積層防湿フィルムの層間強度及び層間強度低下率
積層防湿フィルムを幅15mmの短冊状に切り出し、引張試験機((株)オリエンテック製、商品名:STA−1150)を用いて、引張速度:300mm/min、引張方向:180度の条件で、耐候性フィルムと防湿フィルムとの層間強度(N/15mm)を測定した。
測定は、ダンプヒート試験前及びダンプヒート試験後のそれぞれについて行った。
また、積層防湿フィルムの層間強度(初期層間強度)に対して、ダンプヒート試験後の層間強度がどれだけ低下したかを層間強度低下率(%)として次式により求めた。
層間強度低下率(%)=[1−(ダンプヒート試験後の積層防湿フィルムの層間強度)/(積層防湿フィルムの層間強度)]×100
(3)防湿性(水蒸気透過率)及び水蒸気透過率の低下度
<防湿性(水蒸気透過率)>
実施例及び比較例で使用した防湿フィルム、及び実施例及び比較例で作製した積層防湿フィルムの防湿性は、JIS Z 0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、次の手法で水蒸気透過率を求め、評価した。
10cm×10cm角の防湿フィルム又は積層防湿フィルムを各2枚用い、無機層形成面(積層防湿フィルムにおいては耐候層側の面)が外側になるようにして、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製した。その袋を温度40℃、相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、72時間以上の間隔でおよそ200日目まで質量測定し、4日目以降の経過時間と袋質量との回帰直線の傾きから水蒸気透過率[g/m2/day]を算出し、防湿フィルム又は積層防湿フィルムの水蒸気透過率とした。
<水蒸気透過率の低下度A>
実施例及び比較例で作製した積層防湿フィルムを15cm×15cm角に切り出した。厚み3mmの15cm×15cm角白板ガラス上に、15cm×15cm角の封止材(エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、三井・デュポンポリケミカル(株)製、厚み450μm)、10cm角の離型用フィルム(テフロン(登録商標)、三井・デュポンフロロケミカル(株)製、厚み50μm)を順次積層し、この上に、15cm×15cm角の上記積層防湿フィルムを、防湿フィルムの基材側が離型用フィルムと接するように積層した。これを真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製、商品名:LM30×30)を用いて、温度150℃、20分、圧力0.1MPaの条件で真空ラミネーションを行った。
離型用フィルムの内側をカッターで切り出して、10cm×10cm角の積層防湿フィルムを取り出した。該フィルムを温度25℃、相対湿度50%の環境下で1日静置して養生を行った。この積層防湿フィルムを「温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルム」とした。
該積層防湿フィルム各2枚を用い、前記と同様の方法で水蒸気透過率を測定した。水蒸気透過率の低下度Aは次式により求めた。
水蒸気透過率の低下度A=(温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
<水蒸気透過率の低下度B>
10cm×10cm角の前記ダンプヒート試験後の積層防湿フィルム各2枚を用い、前記と同様の方法で水蒸気透過率を測定した。水蒸気透過率の低下度Bは次式により求めた。
水蒸気透過率の低下度B=(積層防湿フィルムのダンプヒート試験後の水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
(4)光線透過率、ヘイズ値
積層防湿フィルムを5cm×5cm角に切り出し、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、商品名:NDH2000)を用いて、JIS K 7361−1に準拠した方法で光線透過率及びヘイズ値を測定した。
[構成フィルム]
<耐候性フィルム>
耐候性フィルムとして、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)フィルム(旭硝子(株)製、商品名:アフレックス50NT1250DCS、厚み50μm)を使用した。
<基材上に無機層を有する防湿フィルム>
(防湿フィルム1)
基材として、厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(KOLON社製、商品名:CI800)を用い、そのコロナ処理面に、下記のコート液を塗布乾燥して厚さ0.1μmのアンカーコート層を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して1.33×10-3Pa(1×10-5Torr)の真空下でSiOを加熱蒸発させ、アンカーコート層上に厚さ50nmのSiOx(x=1.5)無機層を有する防湿フィルム1を得た。作製した防湿フィルム1の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
(コート液)
ポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学(株)製、商品名:「ゴーセノール」、ケン化度:97.0〜98.8mol%、重合度:2400)220gをイオン交換水2810gに加え加温溶解した水溶液に、20℃で撹拌しながら35mol%塩酸645gを加えた。次いで、10℃でブチルアルデヒド3.6gを撹拌しながら添加し、5分後に、アセトアルデヒド143gを撹拌しながら滴下し、樹脂微粒子を析出させた。次いで、60℃で2時間保持した後、液を冷却し、炭酸水素ナトリウムで中和し、水洗、乾燥し、ポリビニルアセトアセタール樹脂粉末(アセタール化度75mol%)を得た。
また、架橋剤としてイソシアネート樹脂(住友バイエルウレタン(株)製、商品名:「スミジュールN−3200」)を用い、水酸基に対するイソシアネート基の当量比が1:2になるように混合した。
(防湿フィルム2)
基材として、厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(KOLON社製、商品名:CI800)を用いたこと以外は、防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム2を得た。作製した防湿フィルム2の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
(防湿フィルム3)
基材として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:Q51C)を用いたこと以外は、防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム3を得た。作製した防湿フィルム3の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.01[g/m2/day]であった。
(防湿フィルム4)
真空蒸着装置を使用して0.3Pa(2.26×10-3Torr)の真空下で、Siターゲットを用いて反応性スパッタ法にてSiONを成膜し、アンカーコート層上に厚さ25nmのSiON無機層を形成したこと以外は、防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム4を得た。作製した防湿フィルム4の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.004[g/m2/day]であった。
(防湿フィルム5)
真空蒸着装置を使用して0.3Pa(2.26×10-3Torr)の真空下で、Alターゲットを用いて反応性スパッタ法にてAlOを成膜し、アンカーコート層上に厚さ25nmのAlOx(x=1.4)無機層を形成したこと以外は、防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム5を得た。作製した防湿フィルム5の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.004[g/m2/day]であった。
(防湿フィルム6)
SiOx(x=1.5)無機層の厚みを15nmにしたこと以外は防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム6を得た。作製した防湿フィルム6の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
(防湿フィルム7)
SiOx(x=1.5)無機層の厚みを90nmにしたこと以外は防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム7を得た。作製した防湿フィルム7の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
(防湿フィルム8)
SiOx(x=1.5)無機層の厚みを40nmにしたこと以外は防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム8を得た。作製した防湿フィルム8の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
(防湿フィルム9)
SiOx(x=1.5)無機層の厚みを120nmにしたこと以外は防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム9を得た。作製した防湿フィルム9の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
(防湿フィルム10)
SiOx(x=1.5)無機層の厚みを5nmにしたこと以外は防湿フィルム1と同様の方法で防湿フィルム10を得た。作製した防湿フィルム10の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
以下の実施例、比較例では、下記に示す材料を使用した。なお、下記に示す共重合比はいずれも質量比である。
・エチレン−ブチルアクリレート(EBA)共重合体
ARKEMA社製、商品名:Lotryl 35BA40(エチレン−ブチルアクリレート共重合比65/35)と、ARKEMA社製、商品名:30BA02(エチレン−ブチルアクリレート共重合比70/30)とを質量比3:2でブレンドしたもの
・エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体
日本ポリエチレン(株)製、商品名:レクスパールEB240H(エチレン−メチルアクリレート共重合比80/20)
・低密度ポリエチレン
日本ポリエチレン(株)製、商品名:カーネル(登録商標)KC452T
・エチレン−メタクリル酸(EMAA)共重合体
三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名:ニュクレル N1108C(エチレン−メタクリル酸共重合比89/11)
・エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸(E・EA・MAH)共重合体
ARKEMA社製、商品名:BONDINE AX8390(E・EA・MAH共重合比69/29/2)
実施例1
エチレン−ブチルアクリレート(EBA)共重合体とエチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体とを50/50の質量比で混合した。トリアジン系紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin1600)を上記樹脂全量に対して1.5質量%、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF社製、商品名:Chimassorb2020FDL)を樹脂全量に対して0.5質量%混合し、Tダイ押出成型機(創研社製)を用いて170℃で溶融混練した。これを40μm厚みのフィルム状にキャスト成形して、樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムを作製した。
前記防湿フィルム1の無機層面に熱可塑性樹脂フィルムを積層し、更にこの上に耐候性フィルムを積層して、真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製、商品名:LM30×30)を用いて、100℃、5分、圧力0.1MPaの条件で加熱圧着を行い、積層防湿フィルムを得た。得られた積層防湿フィルムを用いて、各種評価を行った。結果を表1に示す。なお、積層防湿フィルムの温度40℃、相対湿度90%における初期の水蒸気透過率は0.02[g/m2/day]であった。
実施例2〜5
樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムの樹脂組成及び厚みを表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6
防湿フィルム1を防湿フィルム2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7〜9
樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムの樹脂組成及び厚みを表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
実施例10〜20
防湿フィルム1を防湿フィルム2〜10にそれぞれ変更し、及び樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムの樹脂組成及び厚みを表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
防湿フィルム1の代わりに、厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(KOLON社製、商品名:CI800)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして積層フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムの樹脂組成を表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3
前記防湿フィルム1の無機層面に、接着層として下記の接着剤塗液1を固形分40%に調整し、36g/m2となるよう塗布乾燥し、厚み30μmのポリウレタン接着層を形成した。該ポリウレタン接着層上に耐候性フィルムを積層して、40℃で5日間養生して積層フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(接着剤塗液1の調製)
ポリカーボネートポリオール成分を含む主剤として、平均分子量2000のポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセル210N」)、平均分子量500のポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルCD CD205」)を使用し、ポリカプロラクトンポリオール/ポリカーボネートジオールの質量比が60/40となるように混合し、酢酸エチルに溶解させ、固形分約50質量%、粘度400[mPa・s]のポリオール溶液とした。このポリオール溶液に、硬化成分としてスミジュールN3300(住化バイエルウレタン(株)製)を、質量比が10/0.5となるように配合し、固形分濃度が35質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液1を調製した。
比較例4〜5
樹脂層形成用の熱可塑性樹脂フィルムの樹脂組成を表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006442879
本発明によれば、透明性が高く、高温高湿条件下での保存後においても、優れた防湿性及び密着性を維持できる積層防湿フィルム、該積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材、及び当該太陽電池用保護材を有する太陽電池を提供することができる。

Claims (15)

  1. 少なくとも、耐候層、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含む樹脂層、及び、厚さが50〜150μmである基材の少なくとも一方の面に無機層を有する防湿層を順に有する積層防湿フィルムであって、該樹脂層を構成する樹脂中のエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有量が50質量%以上であり、該樹脂層が、不飽和カルボン酸化合物の単独重合体及び共重合体のいずれも含まない、積層防湿フィルム。
  2. 前記樹脂層を構成する樹脂中のエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有量が50〜100質量%である、請求項1に記載の積層防湿フィルム。
  3. 前記樹脂層が更にポリオレフィンを含む、請求項1又は2に記載の積層防湿フィルム。
  4. 前記樹脂層を構成する樹脂中のポリオレフィンの含有量が0質量%超50質量%以下である、請求項に記載の積層防湿フィルム。
  5. 前記樹脂層と前記無機層とが接しており、樹脂層の厚みaと、該樹脂層に接する無機層の厚みbとの比a/bが200〜10000の範囲である、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  6. 前記樹脂層を構成する樹脂の温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが20g/10分以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  7. 前記無機層を構成する無機物質が酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、及び窒化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  8. 前記耐候層がフッ素系樹脂フィルムからなる、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  9. 前記基材がポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナフタレートフィルムである、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  10. 温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が0.1[g/m/day]以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  11. 温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した、下記式で示される水蒸気透過率の低下度Aが4以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
    水蒸気透過率の低下度A=(温度150℃で20分加熱した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
  12. 温度40℃、相対湿度90%条件下で測定した、下記式で示される水蒸気透過率の低下度Bが4以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
    水蒸気透過率の低下度B=(温度85℃、相対湿度85%環境下で500時間保持した後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの水蒸気透過率)
  13. 光線透過率が80%以上である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材。
  15. 請求項14に記載の太陽電池用保護材を有する太陽電池。
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