JP6896711B2 - ビヘテロアリール置換1,4−ベンゾジアゼピン及び癌の治療のためのその使用 - Google Patents

ビヘテロアリール置換1,4−ベンゾジアゼピン及び癌の治療のためのその使用 Download PDF

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    • C07D471/04Ortho-condensed systems

Description

本発明は、新規キノリン、ピリドピラジン、ナフチリジン、及びキナゾリノン誘導体化合物、前記化合物を含む医薬組成物、前記化合物の調製のプロセス、並びに疾病、例えば、癌の治療における前記化合物の使用に関する。
本発明の第1の態様によると、そのあらゆる互変異性形態又は立体化学的異性体形態を含む式(I)の化合物:
Figure 0006896711

(式中、
はCHであり、XはCHであり;XはCHであり、且つXはCである(a);
はNであり、XはCHであり、XはNであり、且つXはCである(b);
はNであり、XはCHであり、XはCHであり、且つXはCである(c);或いは
はCHであり、XはCHであり、XはC(=O)であり、且つXはNである(d);
ここで、(a)、(b)及び(c)の場合点線は結合を表し、(d)の場合点線は存在せず;
nは、1又は2に等しい整数を表し;
は、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、−C(=O)NHCHにより置換されたC1〜6アルキル、又は−S(=O)−C1〜4アルキルにより置換されたC1〜6アルキルを表し;
2aは、水素、フルオロ、又はクロロを表し;
2bは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
2cは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、又はC3〜6シクロアルキルにより置換されたC1〜2アルキルを表し;
は、水素、メチル、又はエチルを表す);
その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物が提供される。
一実施形態において、そのあらゆる互変異性形態又は立体化学的異性体形態を含む式(Ia)の化合物:
Figure 0006896711

(式中、
nは、1又は2に等しい整数を表し;
は、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、−C(=O)NHCHにより置換されたC1〜6アルキル、又は−S(=O)−C1〜4アルキルにより置換されたC1〜6アルキルを表し;
2aは、水素、フルオロ又はクロロを表し;
2bは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
2cは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、又はC3〜6シクロアルキルにより置換されたC1〜2アルキルを表し;
は、水素、メチル、又はエチルを表す);
その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物が提供される。
一実施形態において、そのあらゆる互変異性形態又は立体化学的異性体形態を含む式(Ib)の化合物:
Figure 0006896711

(式中、
nは、1又は2に等しい整数を表し;
は、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、−C(=O)NHCHにより置換されたC1〜6アルキル、又は−S(=O)−C1〜4アルキルにより置換されたC1〜6アルキルを表し;
2aは、水素、フルオロ又はクロロを表し;
2bは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
2cは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、又はC3〜6シクロアルキルにより置換されたC1〜2アルキルを表し;
は、水素、メチル、又はエチルを表す);
その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物が提供される。
一実施形態において、そのあらゆる互変異性形態又は立体化学的異性体形態を含む式(Ic)の化合物:
Figure 0006896711

(式中、
nは、1又は2に等しい整数を表し;
は、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、−C(=O)NHCHにより置換されたC1〜6アルキル、又は−S(=O)−C1〜4アルキルにより置換されたC1〜6アルキルを表し;
2aは、水素、フルオロ又はクロロを表し;
2bは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
2cは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、又はC3〜6シクロアルキルにより置換されたC1〜2アルキルを表し;
は、水素、メチル、又はエチルを表す);
その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物が提供される。
一実施形態において、そのあらゆる互変異性形態又は立体化学的異性体形態を含む式(Id)の化合物:
Figure 0006896711

(式中、
nは、1又は2に等しい整数を表し;
は、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、−C(=O)NHCHにより置換されたC1〜6アルキル、又は−S(=O)−C1〜4アルキルにより置換されたC1〜6アルキルを表し;
2aは、水素、フルオロ、又はクロロを表し;
2bは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
2cは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、又はC3〜6シクロアルキルにより置換されたC1〜2アルキルを表し;
は、水素、メチル、又はエチルを表す);
その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物が提供される。
それぞれ一連のヘテロシクリル誘導体を開示する国際公開第2006/092430号パンフレット、国際公開第2008/003702号パンフレット、国際公開第01/68047号パンフレット、国際公開第2005/007099号パンフレット、国際公開第2004/098494号パンフレット、国際公開第2009/141386号パンフレット、国際公開第2004/030635号パンフレット、国際公開第2008/141065号パンフレット、国際公開第2011/026579号パンフレット、国際公開第2011/028947号パンフレット、国際公開第2007/003419号パンフレット、国際公開第00/42026号パンフレット、国際公開第2012/154760号パンフレット、国際公開第2011/047129号パンフレット、国際公開第2003/076416号パンフレット、国際公開第2002/096873号パンフレット、国際公開第2000/055153号パンフレット、欧州特許第548934号明細書、米国特許第4166117号明細書、国際公開第2011/135376号パンフレット、国際公開第2012/073017号パンフレット、国際公開第2013/061074号パンフレット、国際公開第2013/061081号パンフレット、国際公開第2013/061077号パンフレット、国際公開第2013/061080号パンフレット、国際公開第2013/179034号パンフレット、国際公開第2013/179033号パンフレット、国際公開第2014/174307号パンフレット、国際公開第2015/144803号パンフレット、国際公開第2015/144804号パンフレット、国際公開第2015/144808号パンフレット。
文脈が他の意味を示す場合を除き、本文書の全項(本発明の用途、方法、及び他の態様を含む)における式(I)への言及は、本明細書に定義される他の全ての下位式(sub−formula)(例えば、Ia、Ib、Ic、Id)、下位群(sub−groups)、選択物(preferences)、実施形態、及び例への言及を含む。
本明細書での接頭語「Cx〜y」(式中、x及びyは整数である)は、所与の基における炭素原子の数を指す。そのため、C1〜6アルキル基は1〜6つの炭素原子を含み、C3〜6シクロアルキル基は3〜6つの炭素原子を含み、ヒドロキシC1〜6アルキル基は1〜6つの炭素原子を含むなどである。
本明細書で基又は基の一部として使用される用語「C1〜2アルキル」、「C1〜4アルキル」、又は「C1〜6アルキル」は、1若しくは2、又は1〜4、又は1〜6つの炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基を指す。そのような基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、又はヘキシルなどがある。
本明細書での用語「C3〜6シクロアルキル」は、3〜6つの炭素原子の飽和単環式炭化水素環を指す。そのような基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルがある。
本明細書で基又は基の一部として使用される用語「ヒドロキシC1〜4アルキル」又は「ヒドロキシC1〜6アルキル」は、1つ以上の水素原子がヒドロキシル基に置き換えられている、本明細書に定義されるC1〜4アルキル又はC1〜6アルキル基を指す。したがって、用語「ヒドロキシC1〜4アルキル」又は「ヒドロキシC1〜6アルキル」は、モノヒドロキシC1〜4アルキル、モノヒドロキシC1〜6アルキル並びにポリヒドロキシC1〜4アルキル及びポリヒドロキシC1〜6アルキルを含む。ヒドロキシル基に置き換えられる1、2、3つ以上の水素原子があり得るので、ヒドロキシC1〜4アルキル又はヒドロキシC1〜6アルキルは、1、2、3つ以上のヒドロキシル基を有し得る。そのような基の例には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルなどがある。
上記又は下記で、置換基が、多くの定義のリストからそれぞれ独立に選択され得ると使用される場合は常に、化学的に可能である全ての可能性ある組み合わせが意図される。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)の化合物において、nは1に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)の化合物において、nは2に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)の化合物において、Rは、水素又はC1〜6アルキル、特にC1〜6アルキル、さらに特にメチルを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)の化合物において、R2aはフルオロを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)の化合物において、R2aはクロロを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)の化合物において、R2aはフルオロを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、R2aは、フルオロ又はクロロ、特に、フルオロを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、R2bはメトキシを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、R2bはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、R2cはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、R2bはメトキシを表し、R2cはヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、R2bはヒドロキシルを表し、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、R2bとR2cは両方ともメトキシを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、R2bとR2cは両方ともヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、Rは、C1〜6アルキル、特に、C1〜4アルキル、さらにより特に、メチル又はイソプロピル、特に、イソプロピルを表す。
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、又は(Id)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、下記の1つ以上、特に下記の全てが当てはまる:
nは、1に等しい整数を表す;
は、水素又はC1〜6アルキル、特にC1〜6アルキル、より特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチルを表す;
2aは、水素又はフルオロを表す;
2bは、メトキシ又はヒドロキシル、特にメトキシを表す;
2cは、メトキシ又はヒドロキシル、特にメトキシを表す;
は、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチル又はイソプロピル、特にイソプロピルを表す;
は水素を表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、nは2に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、nは1に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、Rは、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチルを表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、R2aは、水素を表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、R2aは、フルオロ又はクロロ、特にフルオロを表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、R2bはメトキシを表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、R2bはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、R2cはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、R2bはメトキシを表し、R2cはヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、R2bはヒドロキシルを表し、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、R2bとR2cは両方ともメトキシを表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、R2bとR2cは両方ともヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、Rは、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチル又はイソプロピル、特にイソプロピルを表す。
一実施形態において、式(I)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、下記の1つ以上、特に下記の全てが当てはまる:
nは、1に等しい整数を表す;
は、水素又はC1〜6アルキル、特にC1〜6アルキル、より特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチルを表す;
2aは、水素又はフルオロ、特に水素を表す;
2bは、メトキシ又はヒドロキシル、特にメトキシを表す;
2cは、メトキシ又はヒドロキシル、特にメトキシを表す;
は、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチル又はイソプロピル、特にイソプロピルを表す;
は水素を表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、nは2に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、nは1に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、Rは、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチルを表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、R2aは水素を表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、R2aは、フルオロ又はクロロ、特にフルオロを表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、R2bはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、R2bはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、R2cはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、R2bはメトキシを表し、R2cはヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、R2bはヒドロキシルを表し、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、R2bとR2cは両方ともメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、R2bとR2cは両方ともヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、Rは、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチル又はイソプロピル、特にイソプロピルを表す。
一実施形態において、式(Ia)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、下記の1つ以上、特に下記の全てが当てはまる:
nは1に等しい整数を表す;
は、水素又はC1〜6アルキル、特にC1〜6アルキル、より特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチルを表す;
2aは、水素又はフルオロを表す;
2bは、メトキシ又はヒドロキシル、特にメトキシを表す;
2cは、メトキシ又はヒドロキシル、特にメトキシを表す;
は、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチル又はイソプロピル、特にイソプロピルを表す;
は水素を表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、nは2に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、nは1に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、Rは、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチルを表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、R2aは、水素を表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、R2aは、フルオロ又はクロロ、特にフルオロを表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、R2bはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、R2bはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、R2cはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、R2bはメトキシを表し、R2cはヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、R2bはヒドロキシルを表し、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、R2bとR2cは両方ともメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、R2bとR2cは両方ともヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、Rは、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチル又はイソプロピル、特にイソプロピルを表す。
一実施形態において、式(Ib)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、下記の1つ以上、特に下記の全てが当てはまる:
nは1に等しい整数を表す;
は、水素又はC1〜6アルキル、特にC1〜6アルキル、より特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチルを表す;
2aは、水素又はフルオロを表す;
2bは、メトキシ又はヒドロキシル、特にメトキシを表す;
2cは、メトキシ又はヒドロキシル、特にメトキシを表す;
は、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチル又はイソプロピル、特にイソプロピルを表す;
は水素を表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、nは2に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、nは1に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、Rは、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチルを表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、R2aは、水素を表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、R2aは、フルオロ又はクロロ、特にフルオロを表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、R2bはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、R2bはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、R2cはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、R2bはメトキシを表し、R2cはヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、R2bはヒドロキシルを表し、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、R2bとR2cは両方ともメトキシを表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、R2bとR2cは両方ともヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、Rは、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチル又はイソプロピル、特にイソプロピルを表す。
一実施形態において、式(Ic)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、下記の1つ以上、特に下記の全てが当てはまる:
nは1に等しい整数を表す;
は、水素又はC1〜6アルキル、特にC1〜6アルキル、より特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチルを表す;
2aは、水素又はフルオロを表す;
2bは、メトキシ又はヒドロキシル、特にメトキシを表す;
2cは、メトキシ又はヒドロキシル、特にメトキシを表す;
は、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチル又はイソプロピル、特にイソプロピルを表す;
は水素を表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、nは2に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、nは1に等しい整数を表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、Rは、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチルを表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、R2aは水素を表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、R2aは、フルオロ又はクロロ、特にフルオロを表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、R2bはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、R2bはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、R2cはヒドロキシを表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、R2bはメトキシを表し、R2cはヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、R2bはヒドロキシルを表し、R2cはメトキシを表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、R2bとR2cは両方ともメトキシを表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、R2bとR2cは両方ともヒドロキシルを表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、Rは、C1〜6アルキル、特にC1〜4アルキル、さらにより特にメチル又はイソプロピル、特にイソプロピルを表す。
一実施形態において、式(Id)の化合物において、Rは水素を表す。
一実施形態において、本明細書に定義される式(I)の化合物は、以下の化合物から選択されるか、或いは以下の化合物の1つ:
Figure 0006896711

Figure 0006896711

Figure 0006896711

Figure 0006896711

その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物である。
一実施形態において、本明細書に定義される式(I)の化合物は、以下の化合物から選択されるか、或いは以下の化合物の1つ:
Figure 0006896711

Figure 0006896711

Figure 0006896711

その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物である。
一実施形態において、本明細書に定義される式(I)の化合物は、以下の化合物から選択されるか、或いは以下の化合物の1つ:
Figure 0006896711

その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物である。
一実施形態において、本明細書に定義される式(I)の化合物は、以下の化合物から選択されるか、或いは以下の化合物の1つ:
Figure 0006896711

Figure 0006896711

その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物である。
一実施形態において、本明細書に定義される式(I)の化合物は、以下の化合物から選択されるか、或いは以下の化合物の1つ:
Figure 0006896711

その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物である。
一実施形態において、本明細書に定義される式(I)の化合物は、以下の化合物から選択されるか、或いは以下の化合物の1つ:
Figure 0006896711

その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物である。
一実施形態において、本明細書に定義される式(I)の化合物は、以下の化合物から選択されるか、或いは以下の化合物の1つ:
Figure 0006896711

その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物である。
誤解を避けるために記すが、ある置換基の各全般的及び具体的な選択物、実施形態、並びに例が、本明細書に定義される1つ以上の、好ましくは、他の全置換基の各全般的及び具体的な選択物、実施形態、並びに例と組み合わされ得ること並びにそのような実施形態が全て本願により包含されることを理解されたい。
式(I)の化合物の調製の方法
この項において、本願の他の全項と同様に、文脈が他の意味を示す場合を除き、式(I)への言及は、本明細書に定義される他のその下位群及び例の全ても含む。
一般に、式(I)の化合物は、以下の反応スキーム1に従って調製できる。
Figure 0006896711
スキーム1において、以下の反応条件が当てはまる:
1:例えば、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの好適な溶媒の存在下で、室温から還流の範囲の温度での、式(II)の中間体とホルムアルデヒドとの反応。
一般に、
がCHであり、XがCHであり;XがCHであり、且つXがCである(a);
がNであり、XがCHであり、XがNであり、且つXがCである(b);或いは
がNであり、XがCHであり、XがCHであり、且つXがCである(c);ここで、点線が結合を表し、式(Ie)により表される式(I)の化合物は、以下の反応スキーム2に従って調製できる。スキーム2において、W及びWは、例えば、Cl、Br、又はIなどの好適な脱離基を表し;PGは、例えば、tert−ブチル−ジメチルシリルなどの好適な保護基を表し;PGは、例えば、tert−ブトキシカルボニルなどの好適な保護基を表す。
Figure 0006896711
スキーム2において、以下の反応条件が当てはまる:
1:例えば水素化アルミニウムリチウムなどの好適な還元剤の存在下、例えばジエチルエーテルなどの好適な溶媒中、例えば、0℃〜室温の範囲などの好適な温度で;
2:例えば水素化ナトリウムなどの好適な脱プロトン化剤の存在下で、例えばジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒中で;
3:XがCHであり、XがCHであり;XがCHであり、且つXがCである化合物に関して:例えばパラジウム触媒、例えば酢酸パラジウムなどの好適な触媒、例えばrac−2,2’−ビス−1,1’−ビナフチル(binaphtyl)などの好適なリガンド、例えばナトリウムtertブトキシドなどの好適な塩基、例えばジオキサンなどの好適な溶媒の存在下で、例えば100℃などの好適な温度で;
がNであり、XがCHであり、XがNであり、且つXがCである化合物に関して:例えばアルコール、例えば1−プロパノールなどの好適な溶媒の存在下で、例えば100℃などの好適な温度で;
がNであり、XがCHであり、XがCHであり、且つXがCである化合物に関して:例えばカリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどの好適な塩基、例えばテトラヒドロフランなどの好適な溶媒の存在下で、例えば0℃〜室温の範囲などの好適な温度で;
4:例えば水素化ナトリウムなどの好適な脱プロトン化剤及び例えばジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒の存在下で;
5:例えば塩化水素酸又はトリフルオロ酢酸などの好適な酸及び例えばアルコール、例えばメタノール、又はジクロロメタンなどの好適な溶媒の存在下で;
6:例えばジクロロメタンなどの好適な溶媒の存在下で;
7:例えばトリアセトキシボロヒドリドなどの好適な還元剤及び例えばアルコール、例えばメタノールなどの好適な溶媒の存在下で。
どのような状態で、分子のどの部分に保護基が適切であり得るかを認識することは、当業者の知識内であると考えられる。例えば、R置換基上若しくはピラゾール(pyrrazole)部分上の保護基、又はR置換基上若しくはR2a、b、c置換基上、若しくはこれらの組み合わせの保護基。当業者は、例えば、−C(=O)−O−C1〜4アルキル又は
Figure 0006896711

又はO−Si(CH(C(CH)又は−CH−O−CHCH−O−CHなど、最も適した保護基を認識できるとも考えられる。
本発明は、重水素化された化合物も含む。これらの重水素化された化合物は、合成プロセスの間に、適切な重水素化された中間体を使用することにより調製できる。
式(I)の化合物は、当技術分野に公知である反応又は官能基変換により互いに変換することもできる。
が水素を表す式(I)の化合物は、例えば水素化ナトリウム又は炭酸カリウムなどの好適な塩基及び例えばアセトニトリル又はN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒の存在下での、C1〜6アルキル−W又はヒドロキシC1〜6アルキル−W(ここで、Wは、例えばハロ、例えば、ブロモなどの好適な脱離基を表す)との反応により、RがC1〜6アルキル又はヒドロキシC1〜6アルキルを表す式(I)の化合物に変換することができる。
が水素を表す式(I)の化合物は、例えば水素化ナトリウムなどの好適な塩基及び例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒の存在下でのW−C1〜6アルキル−O−Si(CH(C(CH)との反応と、それに続く当技術分野に公知である方法によるシリル保護基の脱保護反応により、RがC1〜6アルキル−OHを表す式(I)の化合物にも変換できる。
が水素を表す式(I)の化合物は、例えばトリエチルアミンなどの好適な塩基及び例えばアルコール、例えばメタノールなどの好適な溶媒の存在下でのC1〜4アルキル−ビニルスルホンとの反応により、又は例えばNaHなどの好適な脱プロトン化剤及び例えばジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒の存在下でのC1〜4アルキル−2−ブロモエチルスルホンとの反応により、Rが−S(=O)−C1〜4アルキルにより置換されたエチルを表す式(I)の化合物にも変換できる。
2b又はR2cが−OCHを表す式(I)の化合物は、例えばジクロロメタンなどの好適な溶媒の存在下での三臭化ホウ素との反応により、R2b又はR2cが−OHを表す式(I)の化合物に変換できる。
2b又はR2cが−OHを表す式(I)の化合物は、例えば炭酸カリウムなどの好適な塩基及び例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒の存在下でのメチルヨウ素(methyl iodine)との反応により、R2b又はR2cが−OCHを表す式(I)の化合物に変換できる。
式(II)の中間体は、国際公開第2013/061074号パンフレット、国際公開第2013/061077号パンフレット、国際公開第2013/061080号パンフレット及び国際公開第2014/174307号パンフレットに記載の通り調製できる。
本発明のさらなる態様は、本明細書に定義される式(I)の化合物の調製のプロセスであって:
(i)式(II)の化合物を、例えばジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの好適な溶媒の存在下、室温から還流の範囲の温度などの好適な温度でホルムアルデヒドと反応させること;
Figure 0006896711

(式中、点線、X、X、X、X、R、R2a、R2b、R2c、R、R、及びnは本明細書に定義される通りである);及び任意選択で、その後に式(I)の一化合物を式(I)の別な化合物に変換することを含むプロセスである。
その薬学的に許容できる塩、溶媒和物、又は誘導体
本項では、本願の他の全項と同様に、文脈が他の意味を示す場合を除き、式(I)への言及は、本明細書に定義される他のその下位群、選択物、実施形態、及び例の全てへの言及を含む。
特記されない限り、特定の化合物への言及は、例えば以下に議論されるそのイオン形態、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、エステル、プロドラッグ、同位元素、及び保護された形態;好ましくは、そのイオン形態、又は塩又は互変異性体又は異性体又は溶媒和物;より好ましくは、そのイオン形態、又は塩又は互変異性体又は溶媒和物又は保護された形態、さらにより好ましくは、その塩又は互変異性体又は溶媒和物も含む。式(I)の多くの化合物は、塩、例えば酸付加塩又は、特定の場合、カルボン酸塩、スルホン酸塩、及びリン酸塩などの有機及び無機塩基の塩の形態で存在し得る。そのような塩は全て本発明の範囲内にあり、式(I)の化合物への言及は、化合物の塩形態を含む。「誘導体」への言及が、そのイオン形態、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、エステル、プロドラッグ、同位元素、及び保護された形態を含むことが認識されるだろう。
本発明の一態様によると、本明細書に定義される化合物、又はその塩、互変異性体、若しくは溶媒和物が提供される。本発明のさらなる態様によると、本明細書に定義される化合物、又はその塩若しくは溶媒和物が提供される。本明細書に定義される式(I)の化合物及びその下位群への言及は、その範囲内に、化合物の塩又は溶媒和物又は互変異性体を含む。
本発明の化合物の塩形態は、典型的には薬学的に許容できる塩であり、薬学的に許容できる塩の例は、Berge et al.(1977)“Pharmaceutically Acceptable Salts,”J.Pharm.Sci.,Vol.66,pp.1−19に議論されている。しかし、薬学的に許容できない塩も、中間体形態として調製でき、次いで、薬学的に許容できる塩に変換できる。そのような薬学的に許容できない塩形態は、例えば、本発明の化合物の精製又は分離において有用になることがあり、本発明の一部を形成する。
本発明の塩は、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,P.Heinrich Stahl(Editor),Camille G.Wermuth(Editor),ISBN:3−90639−026−8,Hardcover,388 pages,August 2002に記載されている方法などの従来の化学的方法により、塩基性部分又は酸性部分を含む親化合物から合成できる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸又は塩基形態を、水中、又は有機溶媒中、又はその2つの混合物中で、適切な塩基又は酸と反応させることにより調製できる;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルなどの非水性媒体が使用される。本発明の化合物は、塩が形成される元の酸のpKaによって一塩又は二塩として存在し得る。
酸付加塩は、無機と有機の両方の多種多様な酸により形成できる。酸付加塩の例には、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L−アスコルビン酸)、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)ショウノウ酸、カンファー−スルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、グルクロン酸(例えば、D−グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L−グルタミン酸)、α−オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(例えば、ナフタレン−2−スルホン酸)、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、L−ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸)、ウンデシレン酸、及び吉草酸、並びにアシル化アミノ酸及びカチオン交換樹脂からなる群から選択される酸により形成される塩がある。
ある特定の群の塩は、酢酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸(メシル酸塩(mesylate))、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、吉草酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、マロン酸、グルクロン酸、及びラクトビオン酸から形成された塩からなる。別の群の酸付加塩は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、クエン酸、DL−乳酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、馬尿酸、塩化水素酸、グルタミン酸、DL−リンゴ酸、メタンスルホン酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、及び酒石酸から形成された塩を含む。
化合物がアニオン性であるか、或いはアニオン性になり得る官能基を有する場合、好適なカチオンにより塩が形成され得る。好適な無機カチオンの例には、Na及びKなどのアルカリ金属イオン、Ca2+及びMg2+などのアルカリ土類金属カチオン、並びにAl3+などの他のカチオンがあるが、これらに限定されない。好適な有機カチオンの例には、アンモニウムイオン(すなわちNH )及び置換されたアンモニウムイオン(例えば、NH、NH 、NHR 、NR )があるが、これらに限定されない。
いくつかの好適な置換されたアンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、及びトロメタミン、並びにリジン及びアルギニンなどのアミノ酸から誘導されたものである。一般的な四級アンモニウムイオンの一例はN(CH である。
式(I)の化合物がアミン官能基を含む場合、これらは、当業者に周知である方法により、例えば、アルキル化剤との反応により四級アンモニウム塩を形成し得る。そのような四級アンモニウム化合物は、式(I)の範囲内である。アミン官能基を含む式(I)の化合物は、N−オキシドも形成し得る。アミン官能基を含む式(I)の化合物への本明細書での言及は、N−オキシドも含む。化合物がいくつかのアミン官能基を含む場合、1つ又は2つ以上の窒素原子が酸化されてN−オキシドを形成し得る。N−オキシドの特定の例は、三級アミン又は窒素含有複素環の窒素原子のN−オキシドである。N−オキシドは、過酸化水素又は過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)などの酸化剤による、対応するアミンの処理により形成することができ、例えば、Jerry MarchによるAdvanced Organic Chemistry,4th Edition,Wiley Interscience,pagesを参照されたい。より詳細には、N−オキシドは、例えばジクロロメタンなどの不活性溶媒中でアミン化合物をm−クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)と反応させるL.W.Deady(Syn.Comm.(1977),7,509−514)の手順により製造できる。
本発明の化合物は、例えば水(すなわち水和物)又は一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成し得る。本明細書では、用語「溶媒和物」は、本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む、様々な程度のイオン結合及び共有結合を含む。特定の場合に、例えば1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に取り込まれる場合、溶媒和物を単離することが可能である。用語「溶媒和物」は、溶液相と単離可能な溶媒和物の両方を包含するものとする。好適な溶媒和物の非限定的な例には、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、又はエタノールアミンなどと組み合わせた本発明の化合物がある。本発明の化合物は、溶解状態でその生物学的作用を発揮し得る。
溶媒和物は医薬品化学において周知である。それらは、物質の調製のプロセス(例えば、その精製に関連して、物質の保存(例えば、その安定性)、及び物質の取り扱いの容易さにとって重要なことがあり、多くの場合化学合成の単離段階又は精製段階の一部として形成される。当業者は、標準的で長く利用された技法により、水和物又は他の溶媒和物が、所与の化合物を調製するのに利用された単離条件又は精製条件により形成されたかどうかを決定できる。そのような技法の例には、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)、X線結晶学(例えば、単結晶X線結晶学又はX線粉末回折)、及び固体状態NMR(SS−NMR、別名マジックアングルスピニングNMR又はMAS−NMR)がある。そのような技法は、NMR、IR、HPLC、及びMSと同様に、熟練した化学者の標準的な分析道具一式の一部である。或いは、当業者は、特定の溶媒和物に要する溶媒の量を含む結晶化条件を利用して、故意に溶媒和物を形成できる。その後、上述の標準的な方法を利用して、溶媒和物が形成したかどうかを確認できる。化合物のあらゆる錯体(例えば、シクロデキストリンなどの化合物との包接錯体若しくはクラスレート、又は金属との錯体)も式(I)により包含される。
さらに、本発明の化合物は、1つ以上の多形体(結晶性)又は非晶質形態を有することがあり、それ自体本発明の範囲内に含まれるものとする。
式(I)の化合物は、いくつかの異なる幾何異性体形態及び互変異性形態で存在することがあり、式(I)の化合物への言及は、そのような形態全てを含む。誤解を避けるために記すと、化合物がいくつかの幾何異性体形態又は互変異性形態の1つとして存在することがあり、1つのみが具体的に記載又は示されている場合、それにもかかわらず他の全てが式(I)により包含される。互変異性形態の他の例には、例えば、以下の互変異性の対:ケト/エノール(以下に示す)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/エンジアミン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、及びニトロ/aci−ニトロなどの、例えば、ケト−、エノール−、及びエノラート−形態がある。
Figure 0006896711
式(I)の化合物が1つ以上のキラル中心を含み、2つ以上の光学異性体の形態で存在し得る場合、式(I)の化合物への言及は、文脈から反対の意味が要求されない限り、その全ての光学異性体形態(例えば、エナンチオマー、エピマー、及びジアステレオ異性体)を、個別の光学異性体か2つ以上の光学異性体の混合物(例えば、ラセミ混合物)として含む。光学異性体は、その光学活性(すなわち、+及び−異性体、又はd及びl異性体として)により特性化及び同定されることも、それらが、カーン、インゴルド、及びプレローグにより開発された「R及びS」命名法を利用してその絶対立体化学の点で特性化されることもあり、Jerry MarchによるAdvanced Organic Chemistry,4th Edition,John Wiley & Sons,New York,1992,pages 109−114を参照されたく、また、Cahn,Ingold & Prelog(1966)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,5,385−415も参照されたい。光学異性体は、キラルクロマトグラフィー(キラルな担体上のクロマトグラフィー)を含むいくつかの技法により分離でき、そのような技法は当業者に周知である。キラルクロマトグラフィーに代るものとして、光学異性体は、(+)−酒石酸、(−)−ピログルタミン酸、(−)−ジ−トルオイル−L−酒石酸、(+)−マンデル酸、(−)−リンゴ酸、及び(−)−カンファースルホン酸などのキラルな酸とジアステレオ異性体塩を形成し、ジアステレオ異性体を優先晶出により分離し、次いで、塩を解離させて、遊離塩基の個別のエナンチオマーを与えることによって分離できる。
式(I)の化合物が2つ以上の光学異性体形態として存在する場合、1対のエナンチオマーのうち1つのエナンチオマーは、例えば生物学的活性の点で他のエナンチオマーに優る利点を示し得る。そのため、特定の状況で、1対のエナンチオマーの一方のみ、又は複数のジアステレオ異性体の1つのみを治療剤として使用するのが望ましくなり得る。したがって、本発明は、式(I)の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%)が単一の光学異性体(例えば、エナンチオマー又はジアステレオ異性体)として存在する、1つ以上のキラル中心を有する式(I)の化合物を含む組成物を提供する。一般的な一実施形態において、式(I)の化合物の全量の99%以上(例えば、実質的に全て)が、単一の光学異性体(例えば、エナンチオマー又はジアステレオ異性体)として存在し得る。具体的な異性体形態(例えば、S配置、又はE異性体)が特定される場合、これは、前記異性体形態が、実質的に他の異性体を含まない、すなわち前記異性体形態が、本発明の化合物の全量の少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%以上(例えば、実質的に全て)で存在することを意味する。
上記又は下記で、化合物が以下の結合
Figure 0006896711

を含む場合、これは、化合物が未知の配置を持つ単一の立体異性体又は立体異性体の混合物であることを示す。
本発明の化合物は、1つ以上の同位体置換を有する化合物を含み、特定の元素への言及は、その元素の全同位元素をその範囲内に含む。例えば、水素への言及は、その範囲内に、H、H(D)、及びH(T)を含む。同様に、炭素及び酸素への言及は、その範囲内に、それぞれ、12C、13C、及び14C並びに16O及び18Oを含む。同位元素は、放射性でも、非放射性でもあり得る。本発明の一実施形態において、化合物は放射性同位元素を全く含まない。そのような化合物は治療用途に好ましい。しかし、別の実施形態において、化合物は1つ以上の放射性同位元素を含み得る。そのような放射性同位元素を含む化合物は、診断の状況で有用になり得る。
カルボン酸基又はヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のカルボン酸エステル及びアシルオキシエステルなどのエステルも式(I)により包含される。本発明の一実施形態において、式(I)は、その範囲内に、ヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のエステルを含む。本発明の別の実施形態において、式(I)は、その範囲内に、ヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のエステルを含まない。アシルオキシ(逆エステル)基の例は−OC(=O)Rにより表され、ここで、Rはアシルオキシ置換基、例えば、C1〜7アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、又はC5〜20アリール基、好ましくはC1〜7アルキル基である。アシルオキシ基の特定の例には、−OC(=O)CH(アセトキシ)、−OC(=O)CHCH、−OC(=O)C(CH、−OC(=O)Ph、及び−OC(=O)CHPhがあるが、これらに限定されない。
例えば、一部のプロドラッグは、活性化合物のエステル(例えば、生理的に許容できる代謝的に不安定なエステル)である。「プロドラッグ」は、例えば、インビボで、生物活性のある式(I)の化合物に変換されるあらゆる化合物を意味する。代謝の間に、エステル基は切断されて、活性な薬物が生み出される。そのようなエステルは、例えば、親化合物中のヒドロキシル基のいずれかを、適切な場合に親化合物に存在するあらゆる他の反応性のある基の事前の保護をしてエステル化し、それに続いて必要な場合に脱保護することにより形成され得る。
そのような代謝的に不安定なエステルの例には、C1〜6アミノアルキル[例えば、アミノエチル;2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル;2−(4−モルホリノ)エチル);及びアシルオキシ−C1〜7アルキル[例えば、アシルオキシメチル;アシルオキシエチル;ピバロイルオキシメチル;アセトキシメチル;1−アセトキシエチル;1−(1−メトキシ−1−メチル)エチル−カルボニルオキシエチル;1−(ベンゾイルオキシ)エチル;イソプロポキシ−カルボニルオキシメチル;1−イソプロポキシ−カルボニルオキシエチル;シクロヘキシル−カルボニルオキシメチル;1−シクロヘキシル−カルボニルオキシエチル;シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシメチル;1−シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシエチル;(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシメチル;1−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチル;(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシメチル;及び1−(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチル]がある。また、一部のプロドラッグは酵素的に活性化されて、活性化合物又はさらなる化学反応と同時に活性化合物を生み出す化合物が生じる(例えば、抗原指向性酵素プロドラッグ療法(ADEPT)、遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法(GDEPT)、及びリガンド指向性酵素プロドラッグ療法(LIDEPT)などの場合)。例えば、プロドラッグは、糖誘導体又は他のグリコシド複合体でも、アミノ酸エステル誘導体でもあり得る。
プロテインチロシンキナーゼ(PTK)
本明細書に記載される本発明の化合物は、特定のチロシンキナーゼの活性を阻害又は調節し、そのため、化合物は、これらのチロシンキナーゼ、特にFGFRにより媒介される病状又は病態の治療又は予防、特に治療に有用だろう。
FGFR
プロテインチロシンキナーゼ(PTK)受容体の線維芽細胞増殖因子(FGF)ファミリーは、有糸***誘発、創傷治癒、細胞分化及び血管新生、並びに発生を含む多種多様な生理機能を制御する。正常と悪性の両方の細胞成長並びに増殖は、自己分泌並びに傍分泌因子として作用する細胞外シグナル伝達分子であるFGFの局所濃度の変化により影響を受ける。自己分泌FGFシグナル伝達は、ステロイドホルモン依存性癌のホルモン非依存性状態への進行において特に重要になり得る。FGF及びそれらの受容体は、いくつかの組織及び細胞株で増加したレベルで発現され、過剰発現は悪性表現型の一因であると考えられている。さらに、いくつかの発癌遺伝子は、成長因子受容体をコードする遺伝子のホモログであり、ヒト膵臓癌においてFGF依存性シグナル伝達の異常な活性化の可能性がある(Knights et al.,Pharmacology and Therapeutics 2010 125:1(105−117);Korc M.et al Current Cancer Drug Targets 2009 9:5(639−651))。
2つのプロトタイプメンバーは、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF又はFGF1)及び塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF又はFGF2)であり、現在までに少なくとも20の異なるFGFファミリーメンバーが特定されてきた。FGFに対する細胞応答は、1〜4の番号のついた(FGFR1からFGFR4)4種の高親和性膜貫通型プロテインチロシンキナーゼ線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)により伝えられる。
このキナーゼは、内皮細胞を増殖させる他に、多くの腫瘍タイプで活性化されるため、FGFR1経路の混乱は、腫瘍細胞増殖に影響するはずである。腫瘍関連脈管構造におけるFGFR1の過剰発現及び活性化は、腫瘍血管新生におけるこれらの分子の役割を示唆した。
最近の研究は、FGFR1発現と古典的小葉癌(Classic Lobular Carcinomas)(CLC)における発癌性との間の関連を示した。CLCは全乳癌の10〜15%を占め、一般に、p53及びHer2発現を欠く一方で、エストロゲン受容体の発現を保つ。8p12−p11.2の遺伝子増幅がCLC症例の約50%に示され、これはFGFR1の発現増大と関連していることが示された。FGFR1に対して向けられたsiRNA、又は受容体の小分子阻害剤による予備的な研究は、この増幅を有する細胞株がこのシグナル伝達経路の阻害に特に感受性があることを示した。横紋筋肉腫(RMS)は、骨格の筋形成の間の異常な増殖及び分化から恐らく生じる最もよくみられる小児科の軟部肉腫である。FGFR1は、原発横紋筋肉腫腫瘍において過剰発現され、5’CpGアイランドの低メチル化並びにAKT1、NOG、及びBMP4遺伝子の異常な発現と関連している。FGFR1は、扁平上皮肺癌、大腸癌、膠芽腫、星状細胞腫、前立腺癌、小細胞肺癌、メラノーマ、頭頸部癌、甲状腺癌、子宮癌とも関連づけられた。
線維芽細胞増殖因子受容体2は、酸性及び/又は塩基性線維芽細胞増殖因子、並びにケラチン生成細胞成長因子リガンドに高い親和性を有する。線維芽細胞増殖因子受容体2は、骨芽細胞の成長及び分化の間にFGFの強力な骨形成効果も伝達する。線維芽細胞増殖因子受容体2の突然変異は、複雑な機能改変につながるが、頭蓋縫合の異常な骨化(頭蓋骨縫合早期癒合症)を誘発することが示され、膜内骨形成におけるFGFRシグナル伝達の主要な役割を意味する。例えば、早期の頭蓋縫合骨化を特徴とするアペール(AP)症候群において、ほとんどの症例は、線維芽細胞増殖因子受容体2における機能獲得を発生させる点突然変異と関連している。さらに、症候性頭蓋骨縫合早期癒合症を有する患者における突然変異スクリーニングは、いくつかのFGFR2反復突然変異が、重症な形態のファイファー症候群の原因となることを示す。FGFR2の特定の変異には、FGFR2中のW290C、D321A、Y340C、C342R、C342S、C342W、N549H、K641Rがある。
アペール、クルーゾン、ジャクソン・ワイス、ベーレ・スティーブンソン脳回状頭皮症、及びファイファー症候群を含むヒトの骨格発達におけるいくつかの重度の異常は、線維芽細胞増殖因子受容体2における突然変異の発生と関連している。ファイファー症候群(PS)の症例の全部でないとしてもほとんども、線維芽細胞増殖因子受容体2遺伝子の新規突然変異により起こり、線維芽細胞増殖因子受容体2における突然変異が、リガンド特異性を管理する基本ルールの1つを破ることが最近示された。すなわち、線維芽細胞増殖因子受容体の2つの突然変異体スプライス形態、FGFR2c及びFGFR2bは、非定型なFGFリガンドに結合し、それにより活性化される能力を獲得した。このリガンド特異性の喪失は、異常なシグナル伝達につながり、これらの疾病症候群の重度な表現型が、線維芽細胞増殖因子受容体2の異所性のリガンド依存性活性化から生じることを示唆している。
染色体転座又は点突然変異などのFGFR3受容体型チロシンキナーゼの遺伝子異常は、異所的に発現した、又は脱制御された構成的活性型のFGFR3受容体をもたらす。そのような異常は、多発性骨髄腫のサブセットに、並びに、膀胱癌、肝細胞癌、口腔扁平上皮癌、及び子宮頸癌において関連づけられている。したがって、FGFR3阻害剤があれば、多発性骨髄腫、膀胱癌、及び子宮頸癌の治療に有用であろう。FGFR3は、膀胱癌、特に浸潤性膀胱癌においても過剰発現している。FGFR3は、尿路上皮癌(UC)において突然変異により頻繁に活性化されている。発現増加は、突然変異と関連していたが(変異腫瘍の85%は高レベルの発現を示した)、多くの筋浸潤性腫瘍を含む、検出可能な突然変異がない腫瘍の42%も過剰発現を示した。FGFR3は子宮内膜癌及び甲状腺癌にも関連づけられている。
FGFR4の過剰発現は、前立腺癌と甲状腺癌の両方の予後不良と関連づけられてきた。さらに、生殖細胞系多型(Gly388Arg)が、肺癌、乳癌、結腸癌、肝臓癌(HCC)及び前立腺癌の発生率増加と関連している。さらに、FGFR4の欠失型(キナーゼドメインを含む)が、下垂体腫瘍の40%に存在しているが正常組織には存在していないことも見出された。FGFR4過剰発現は、肝臓腫瘍、結腸腫瘍、及び肺腫瘍においても観察されている。FGFR4は、そのリガンドFGF19の発現が多くの場合増大している大腸癌及び肝臓癌の原因とされてきた。FGFR4は、星状細胞腫、横紋筋肉腫にも関連づけられている。
線維化の病態は、線維組織の異常又は過度の沈着から生じる主要な医学的問題である。これは、肝硬変、糸球体腎炎、肺線維症、全身性線維症、関節リウマチを含む多くの疾病、並びに創傷治癒の自然なプロセスで起こる。病的な線維症の機構は完全には理解されていないが、線維芽細胞の増殖及び細胞外マトリックスタンパク質(コラーゲン及びフィブロネクチンを含む)の沈着に関与する種々のサイトカイン(腫瘍壊死因子(TNF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)及びトランスフォーミング成長因子β(TGFβ)の作用から生じると考えられている。これが、組織の構造及び機能の変化並びにその後の病状をひき起こす。
いくつかの前臨床試験は、肺線維症の前臨床モデルにおける線維芽細胞増殖因子の上方制御を表した。TGFβ1及びPDGFは、線維形成プロセスに関与していることが報告され、さらに発表された研究は、FGFの上昇とその結果として生じる線維芽細胞増殖の増加が、上昇したTGFβ1に対する反応であり得ることを示唆する。特発性肺線維症(IPF)などの病態において線維形成機構を標的とする潜在的な治療効果は、抗線維化剤ピルフェニドンの報告される臨床効果により示唆される。特発性肺線維症(原因不明の線維化肺胞炎とも称される)は、肺の瘢痕化を伴う進行性病態である。肺の肺胞が徐々に線維組織に置き換えられ、それは厚くなり、酸素を血流に運ぶ組織の能力の不可逆な喪失を起こす。病態の症状には、息切れ、慢性の乾性咳、疲労、胸痛、及び急速な体重減少を起こす食欲不振がある。病態は非常に重篤であり、5年後におよそ50%死亡率を有する。
したがって、FGFRを阻害する化合物は、特に血管新生を阻害することにより、腫瘍の成長を防ぎ、又は腫瘍のアポトーシスを誘導する手段を与えることに有用だろう。したがって、化合物が、癌などの増殖性疾患の治療又は予防に有用であると判明することが予想される。受容体型チロシンキナーゼ(RTK)の活性化変異体(activating mutant)又は受容体型チロシンキナーゼの上方制御を有する特定の腫瘍は、阻害剤に特に感受性があり得る。本明細書で議論される具体的なRTKのアイソフォームのいずれかの活性化変異体を有する患者、例えば、FGFR3−TACC3転座を有する腫瘍、例えば、膀胱又は脳の腫瘍を有する患者は、RTK阻害剤による治療が特に有益であることに気づくだろう。
血管内皮細胞成長因子受容体(VEGFR)
慢性の増殖性疾患は、多くの場合深在性の血管新生を伴い、それは、炎症状態及び/若しくは増殖状態の一因となることも、それを維持することもあり、或いは血管の浸潤性増殖による組織破壊をもたらす。
血管新生は、一般に、新たな又は交換血管(replacement blood vessels)の発生、又は新生血管形成を説明するために使用される。それは、胚中で脈管構造が確立される、必要且つ生理学的に正常なプロセスである。血管新生は、一般には、ほとんどの正常な成体組織では起こらないが、***、月経、及び創傷治癒の部位は例外である。しかし、多くの疾病は、持続的で制御されていない血管新生を特徴とする。例えば、関節炎では、新たな毛細血管が関節に侵入し、軟骨を破壊する。糖尿病(及び多くの異なる眼疾病)では、新たな血管が黄斑又は網膜又は他の眼の構造に侵入し、失明を起こし得る。アテローム性動脈硬化のプロセスは、血管新生に関連付けられてきた。腫瘍の成長及び転移は、血管新生依存性であることが分かっている。
主要な疾病における血管新生の関与の認識は、血管新生の阻害剤を特定し開発する研究に伴われてきた。これらの阻害剤は、血管新生シグナルによる内皮細胞の活性化;分解酵素の合成及び放出;内皮細胞移動;内皮細胞の増殖;並びに毛細血管の形成など、血管新生カスケードの別個の標的に応じて一般的に分類される。したがって、血管新生は多くの段階で起こり、これらの種々の段階で血管新生を遮断するように作用する化合物を発見し開発する試みが進められている。
多様な機構により作用する血管新生の阻害剤が、癌及び転移、眼の疾病、関節炎、及び血管腫などの疾病に有益であることを教示する刊行物がある。
ポリペプチドである血管内皮細胞成長因子(VEGF)は、インビトロで内皮細胞にとって細胞***誘発性であり、インビボで血管新生反応を刺激する。VEGFは、不適当な血管新生と関連付けられてきた。VEGFRは、プロテインチロシンキナーゼ(PTK)である。PTKは、細胞機能に関与するタンパク質中の特定のチロシン残基のリン酸化を触媒し、それにより、細胞成長、生存、及び分化を制御する。
VEGFの3つのPTK受容体:VEGFR−1(Flt−1);VEGFR−2(Flk−1又はKDR)、及びVEGFR−3(Flt−4)が特定されている。これらの受容体は血管新生に関与し、シグナル伝達に加わっている。特に興味深いのはVEGFR−2であり、主として内皮細胞に発現する膜貫通型受容体PTKである。VEGFによるVEGFR−2の活性化は、腫瘍血管新生を開始するシグナル伝達経路における決定的な工程である。VEGF発現は、腫瘍細胞に対して構成的であることがあり、特定の刺激に反応して上方制御もされ得る。そのような刺激の1つは低酸素症であり、VEGF発現が、腫瘍と関連宿主組織の両方において上方制御される。VEGFリガンドは、VEGFR−2を、その細胞外VEGF結合部位と結合することにより活性化する。これは、VEGFRの受容体二量体化及びVEGFR−2の細胞内キナーゼドメインでのチロシン残基の自己リン酸化をもたらす。キナーゼドメインは、リン酸をATPからチロシン残基に移すように働き、そのため、VEGFR−2の下流のシグナル伝達タンパク質に結合部位を与え、最終的に血管新生の開始に至る。
VEGFR−2のキナーゼドメイン結合部位での阻害は、チロシン残基のリン酸化を遮断し、血管新生の開始を中断するように働くだろう。
血管新生は、血管新生因子と呼ばれる種々のサイトカインにより媒介される新たな血管形成の生理的プロセスである。固形腫瘍におけるその潜在的な病態生理学的役割は、30年以上広く研究されてきたが、慢性リンパ球性白血病(CLL)及び他の悪性の血液疾患における血管新生の増大は、より最近になって認識されてきた。血管新生のレベル増大は、CLLの患者の骨髄とリンパ節の両方において種々の実験方法により証明されてきた。この疾病の病態生理学における血管新生の役割は完全には解明されていないままであるが、実験データは、いくつかの血管新生因子が疾病進行に役割を果たすことを示唆している。血管新生の生物学的マーカーが、CLLにおける予後に関連性があることも示された。これは、VEGFR阻害剤が、CLLなどの白血病の患者にとっても有益であり得ることを示す。
腫瘍塊が決定的な大きさを超えるには、関連する脈管構造を発達させなければならない。腫瘍脈管構造の標的化が腫瘍拡大を制限し、有用な癌療法になり得ることが提案されてきた。腫瘍成長の観察結果は、小さい腫瘍塊が腫瘍に特異的な脈管構造なしに組織内に長く残り得ることを示した。血管のない腫瘍の成長停止は、腫瘍の中心での低酸素症の効果に帰するとされてきた。より最近では、種々の血管新生誘導因子及び抗血管新生因子が特定され、それにより、腫瘍塊中の血管新生の刺激と阻害剤の正常な比率の乱れが自律性の血管新生を可能にするプロセス、「血管新生スイッチ」の概念がもたらされた。血管新生スイッチは、悪性転換を進行させる同じ遺伝子変異:発癌遺伝子の活性化及び癌抑制遺伝子の喪失により制御されているようである。いくつかの成長因子は、血管新生の正の調節因子として作用する。それらの中で最も重要なものは、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、及びアンジオゲニンである。トロンボスポンジン(Tsp−1)、アンギオスタチン、及びエンドスタチンなどのタンパク質は、血管新生の負の調節因子として機能する。
VEGFR1ではなくVEGFR2の阻害は、マウスモデルにおいて、血管新生スイッチ、持続性の血管新生、及び初期の腫瘍成長を著しく妨害した。末期の腫瘍において、最初の成長抑制の期間の後で治療の間に腫瘍が再成長するにつれ、VEGFR2遮断に対する表現型耐性が出現した。VEGF遮断に対するこの耐性は、VEGFと無関係でFGFファミリーのメンバーを含む他の血管新生誘導因子の低酸素症媒介性の誘導と関連する腫瘍血管新生の再活性化を含む。これらの他の血管新生誘導シグナルは、回避期(evasion phase)における血管再生及び腫瘍の再成長に機能的に関連づけられるが、その理由は、VEGF阻害にもかかわらずFGF遮断が進行を減退させるからである。
第2相試験において、汎VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、AZD2171により治療された患者における膠芽腫血管の正常化のエビデンスがある。循環バイオマーカーと組み合わせた血管正常化のMRI測定は、抗血管新生剤に対する応答を評価する効果的な手段を与える。
PDGFR
悪性腫瘍は、制御されない細胞増殖の産物である。細胞成長は、成長促進因子と成長阻害因子の間の微妙なバランスにより制御されている。正常組織では、これらの因子の産生及び活性は、器官の正常な完全性及び機能を維持する制御され調節された方法で成長する分化細胞を生み出す。悪性細胞はこの制御を逃れる;自然のバランスは乱され(種々の機構により)、制御されない異常な細胞成長が起こる。腫瘍の発生において重要な成長因子は、細胞表面チロシンキナーゼ受容体(PDGFR)を通ってシグナルを送り、成長、増殖、及び分化を含む種々の細胞機能を刺激するペプチド成長因子のファミリーを構成する血小板由来成長因子(PDGF)である。
選択的阻害剤の利点
違いのある(differentiated)選択性プロファイルを有するFGFRキナーゼ阻害剤の開発は、疾病がFGFR脱制御により推進される患者下位群においてこれらの標的化された薬剤を使用する新たな機会を提供する。追加のキナーゼ、特にVEGFR2及びPDGFR−βに対して減少した阻害作用を示す化合物は、違いのある副作用又は毒性プロファイルを有する機会を与え、したがってこれらの適応症のより効果的な治療を可能にする。VEGFR2及びPDGFR−βの阻害剤は、それぞれ高血圧又は浮腫などの毒性を伴う。VEGFR2阻害剤の場合、この高血圧を招く効果はしばしば用量制限性であり、特定の患者集団では禁忌とされることがあり、臨床管理が必要とされる。
生物学的活性及び治療用途
本発明の化合物及びその下位群は、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害若しくは調節活性、及び/又は血管内皮細胞成長因子受容体(VEGFR)阻害若しくは調節活性、及び/又は血小板由来成長因子受容体(PDGFR)阻害若しくは調節活性を有し、本明細書に記載される病状又は病態の予防又は治療に有用だろう。さらに、本発明の化合物及びその下位群は、キナーゼにより媒介される疾病又は病態の予防又は治療に有用だろう。癌などの病状又は病態の予防(preventing)又は予防(prophylaxis)又は治療への言及は、その範囲内に、癌の発生率を緩和又は減少させることを含む。
本明細書では、キナーゼの活性に適用される場合の用語「調節」は、プロテインキナーゼの生物学的活性のレベルの変化を定義するものとする。そのため、調節は、関連するプロテインキナーゼ活性の増加又は減少をもたらす生理学的変化を包含する。後者の場合、調節は「阻害」と記載され得る。調節は直接にも間接にも生じることがあり、あらゆる機構により、例えば、遺伝子発現のレベル(例えば、転写、翻訳、及び/又は翻訳後修飾を含む)、キナーゼ活性のレベルに直接又は間接に作用する調節エレメントをコードする遺伝子の発現のレベルを含むあらゆる生理学的レベルで媒介され得る。そのため、調節は、転写効果による遺伝子増幅(すなわち複数の遺伝子コピー)及び/又は増加若しくは減少した発現、並びに突然変異によるプロテインキナーゼの過剰(又は低)活性及び(不)活性化((不)活性化を含む)を含む、キナーゼの上昇した/抑制された発現又は過剰若しくは過小発現を意味し得る。用語「調節された」、「調節すること」、及び「調節する」は、適宜解釈されるものとする。
本明細書では、例えば、本明細書に記載されるキナーゼと共に使用される(且つ、例えば、種々の生理学的プロセス、疾病、状態、病態、療法、治療、又は介入に適用される)用語「媒介された」は、用語が適用される種々のプロセス、疾病、状態、病態、治療、及び介入が、キナーゼが生物学的役割を果たすものであるように限定的に作用するものとする。用語が疾病、状態、又は病態に適用される場合、キナーゼにより果たされる生物学的役割は直接のことも間接のこともあり、疾病、状態、又は病態の症状(又はその病因若しくは進行)の現れに必要及び/又は充分であり得る。そのため、キナーゼ活性(及び特に異常なレベルのキナーゼ活性、例えば、キナーゼ過剰発現)は、必ずしも疾病、状態、又は病態の近因である必要はない:むしろ、キナーゼにより媒介される疾病、状態、又は病態が、多因子の病因を有し、着目しているキナーゼが部分的にしか関与していない複雑な進行を有するものを含むことが企図される。用語が治療、予防、又は介入に適用される場合、キナーゼにより果たされる役割は、直接のことも間接のこともあり、治療、予防の操作又は介入の結果に必要及び/又は充分であり得る。そのため、キナーゼにより媒介される病状又は病態は、特定の癌の薬又は治療に対する耐性の発生を含む。
そのため、例えば、本発明の化合物は、癌の発生率の緩和又は減少に有用であり得る。
より詳細には、式(I)の化合物及びその下位群はFGFRの阻害剤である。例えば、本発明の化合物は、FGFR1、FGFR2、FGFR3、及び/又はFGFR4、特に、FGFR1、FGFR2、及びFGFR3から選択されるFGFRに対して活性を有し;或いは、特に、式(I)の化合物及びその下位群はFGFR4の阻害剤である。
好ましい化合物は、FGFR1、FGFR2、FGFR3、及びFGFR4から選択された1種以上のFGFRを阻害する化合物である。好ましい本発明の化合物は、0.1μM未満のIC50値を有するものである。
本発明の化合物は、VEGFRに対する活性も有する。
さらに、本発明の化合物の多くは、VEGFR(特にVEGFR2)及び/又はPDGFRに対するのと比べて、FGFR1、2、及び/又は3、及び/又は4に対する選択性を示し、そのような化合物は本発明の好ましい一実施形態を表す。特に、化合物は、VEGFR2より高い選択性を示す。例えば、本発明の多くの化合物は、VEGFR(特にVEGFR2)及び/又はPDGFR Bに対するIC50の10分の1から100分の1である、FGFR1、2、及び/又は3、及び/又は4に対するIC50値を有する。特に、好ましい本発明の化合物は、VEGFR2よりもFGFR、特にFGFR1、FGFR2、FGFR3、及び/又はFGFR4に対して少なくとも10倍の活性又は阻害を有する。より好ましくは、本発明の化合物は、VEGFR2よりもFGFR、特にFGFR1、FGFR2、FGFR3、及び/又はFGFR4に対して少なくとも100倍の活性又は阻害を有する。これは、本明細書に記載される方法を利用して決定できる。
FGFR及び/又はVEGFRキナーゼを調節又は阻害するその活性の結果として、化合物は、特に血管新生を阻害することにより、新生物の成長を予防し、又は新生物のアポトーシスを誘導する手段を提供するのに有用だろう。したがって、化合物が癌などの増殖性疾患を治療又は予防するのに有用であると判明することが予期される。さらに、本発明の化合物は、増殖、アポトーシス、又は分化の障害がある疾病の治療に有用になり得る。
特に、VEGFRの活性化変異体又はVEGFRの上方制御を有する腫瘍及び上昇したレベルの血清乳酸デヒドロゲナーゼを有する患者は、本発明の化合物に対して特に感受性を有し得る。本明細書で議論される具体的なRTKのアイソフォームのいずれかの活性化変異体を有する患者も、本発明の化合物による治療が特に有益であることに気づくだろう。例えば、クローン性前駆細胞(clonal progenitor)がVEGFRを発現し得る急性白血病細胞中のVEGFR過剰発現。また、FGFR1、FGFR2、又はFGFR3、又はFGFR4など、FGFRのアイソフォームのいずれかの活性化変異体又は上方制御若しくは過剰発現を有する特定の腫瘍は、本発明の化合物に特に感受性を有することがあり、そのため、そのような特定の腫瘍を有する本明細書に議論される患者は、本発明の化合物に治療が特に有益であることに気づくだろう。治療が、本明細書で議論されるなどの受容体型チロシンキナーゼの1つの突然変異した形態に関連又は向けられることが好ましくなり得る。そのような突然変異を有する腫瘍の診断は、当業者に公知であり本明細書に記載されるRTPCR及びFISHなどの技法を利用して実施され得る。
治療され得る(又は阻害され得る)癌の例には、癌腫、例えば、膀胱、***、結腸(例えば、結腸腺癌及び結腸腺腫などの大腸癌)、腎臓、尿路上皮、子宮、表皮、肝臓、肺(例えば腺癌、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌、扁平上皮肺癌)、食道、頭頚部、胆嚢、卵巣、膵臓(例えば、外分泌膵臓癌)、胃、消化器の(別名、胃の)癌(例えば、消化管間質腫瘍)、子宮頸部、子宮内膜、甲状腺、前立腺、又は皮膚(例えば扁平上皮癌又は***性皮膚線維肉腫)の癌腫;下垂体癌、リンパ系の造血器腫瘍、例えば白血病、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫(hairy cell lymphoma)、又はバーケット(Burkett’s)リンパ腫;骨髄性の造血器腫瘍、例えば白血病、急性及び慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄増殖性疾患、骨髄増殖症候群、骨髄異形成症候群、又は前骨髄球性白血病;多発性骨髄腫;甲状腺濾胞癌;肝細胞癌、間葉系起源の腫瘍(例えば、ユーイング肉腫)、例えば線維肉腫又は横紋筋肉腫;中枢神経又は末梢神経系の腫瘍、例えば星状細胞腫、神経芽細胞腫、グリオーマ(多形膠芽細胞腫など)又は神経鞘腫;メラノーマ;精上皮腫;奇形癌腫;骨肉腫;色素性乾皮症;ケラトクタントーマ(keratoctanthoma);甲状腺濾胞癌;又はカポジ肉腫があるが、これらに限定されない。特に、扁平上皮肺癌、乳癌、大腸癌、膠芽腫、星状細胞腫、前立腺癌、小細胞肺癌、メラノーマ、頭頸部癌、甲状腺癌、子宮癌、胃癌、肝細胞癌、子宮頸癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、子宮内膜癌、尿路上皮癌、結腸癌、横紋筋肉腫、下垂体癌。
治療され得る(又は阻害され得る)癌の例には、膀胱癌、尿路上皮癌、転移性尿路上皮癌、外科的切除不能な尿路上皮癌、乳癌、膠芽腫、肺癌、非小細胞肺癌、扁平上皮細胞肺癌、肺の腺癌(adenocarcinoma of the lung)、肺腺癌(pulmonary adenocarcinoma)、小細胞肺癌、卵巣癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、軟部肉腫、頭頚部扁平上皮癌、胃癌、食道癌、食道扁平上皮癌、食道腺癌、胆管癌、肝細胞癌があるが、これらに限定されない。
ある癌は、特定の薬物による治療に耐性を有する。これは、腫瘍の種類によることも、化合物による治療により発生することもある。この点で、多発性骨髄腫への言及は、ボルテゾミブ感受性多発性骨髄腫又は難治性多発性骨髄腫を含む。同様に、慢性骨髄性白血病への言及は、イミタニブ(imitanib)感受性慢性骨髄性白血病及び難治性慢性骨髄性白血病を含む。慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia)は、慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia)、慢性顆粒球性白血病又はCMLとしても知られている。同様に、急性骨髄性白血病は、急性骨髄芽球性白血病、急性顆粒球性白血病、急性非リンパ球性白血病又はAMLとしても知られている。
本発明の化合物は、骨髄増多症など、前悪性であろうと安定であろうと、異常な細胞増殖の造血器疾病の治療にも使用できる。骨髄増多症(「MPD」)は、過剰な細胞が産生される、一群の骨髄の疾病である。それらは、骨髄異形成症候群に関連するか、又は骨髄異形成症候群になり得る。骨髄増多症には、真性多血病、本態性血小板症、及び原発性骨髄線維症がある。さらなる血液疾患は好酸球増加症候群である。T細胞リンパ増殖性疾患には、ナチュラルキラー細胞から誘導されるものがある。
さらに、本発明の化合物は、消化器の(別名、胃の)癌、例えば、消化管間質腫瘍の治療にも使用できる。消化器癌は、食道、胃、肝臓、胆管系、膵臓、腸、及び肛門を含む消化管の悪性病態を指す。
そのため、異常な細胞成長を含む疾病又は病態を治療するための本発明の医薬組成物、用途、又は方法において、一実施形態における異常な細胞成長を含む疾病又は病態は癌である。
癌の特定のサブセットには、多発性骨髄腫、膀胱癌、子宮頸癌、前立腺癌、及び甲状腺癌、肺癌、乳癌、及び結腸癌がある。
癌のさらなるサブセットには、多発性骨髄腫、膀胱癌、肝細胞癌、口腔扁平上皮癌、及び子宮頸癌がある。
癌のさらなるサブセットには、FGF19増幅又は過剰発現を有する肝細胞癌がある。
癌のサブセットには、胆管癌、特にFGFRゲノム変化(融合及び/又は突然変異)を有する胆管癌がある。
癌のサブセットには、進行性又は難治性NSCLC、乳癌、多形膠芽細胞腫、尿路上皮癌、卵巣癌、頭頸部癌、食道癌、胃癌及び胆管癌、特にFGFRゲノム変化(融合及び/又は突然変異)を有する、進行性又は難治性NSCLC、乳癌、多形膠芽細胞腫、尿路上皮癌、卵巣癌、頭頸部癌、食道癌、胃癌、及び胆管癌がある。
癌のサブセットには、転移性又は外科的切除不能な尿路上皮癌、特にFGFRゲノム変化(融合及び/又は突然変異)を有する転移性又は外科的切除不能な尿路上皮癌がある。
癌のサブセットには、FGFRゲノム変化(融合及び/又は突然変異)を有する癌がある。
FGFR1などのFGFR阻害活性を有する本発明の化合物は、乳癌、特に古典的小葉癌(CLC)の治療又は予防に特に有用であり得る。
本発明の化合物はFGFR4活性を有するので、それらは、前立腺癌又は下垂体癌の治療にも有用であるか、或いは、それらは、乳癌、肺癌、前立腺癌、肝臓癌(HCC)、又は肺癌の治療に有用だろう。
特に、FGFR阻害剤としての本発明の化合物は、多発性骨髄腫、骨髄増殖性(myeloproliferatoive)疾患、子宮内膜癌、前立腺癌、膀胱癌、肺癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、大腸癌、及び口腔扁平上皮癌の治療に有用である。
癌のさらなるサブセットは、多発性骨髄腫、子宮内膜癌、膀胱癌、子宮頸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、大腸癌、及び甲状腺癌である。
特に、本発明の化合物は、多発性骨髄腫(特に、t(4;14)転座又は過剰発現しているFGFR3を有する多発性骨髄腫)、前立腺癌(ホルモン不応性匍匐性(prostrate)癌腫)、子宮内膜癌(特に、FGFR2中に活性化突然変異を有する子宮内膜の腫瘍)、及び乳癌(特に***小葉癌)の治療に有用である。
特に、化合物は、CLC(古典的小葉癌)などの小葉癌の治療に有用である。
化合物がFGFR3に対する活性を有するので、それは多発性骨髄腫及び膀胱癌の治療に有用だろう。
特に、化合物は、FGFR3−TACC3転座を有する腫瘍、特に、FGFR3−TACC3転座を有する膀胱又は脳の腫瘍に対して活性を有する。
特に、化合物は、t(4;14)転座陽性の多発性骨髄腫の治療に有用である。
一実施形態において、化合物は肉腫の治療に有用であり得る。一実施形態において、化合物は、肺癌、例えば、扁平上皮癌の治療に有用であり得る。
化合物はFGFR2に対する活性を有するので、それらは、子宮内膜癌、卵巣癌、胃癌、肝細胞癌、子宮癌、子宮頸癌、及び大腸癌の治療に有用だろう。FGFR2は上皮卵巣癌においても過剰発現しているので、本発明の化合物は、上皮卵巣癌などの卵巣癌の治療にとりわけ有用であり得る。
一実施形態において、化合物は、肺癌、特にNSCLC(非小細胞肺癌)、扁平上皮癌、肝臓癌、腎臓癌、乳癌、結腸癌、大腸癌、前立腺癌の治療に有用であり得る。
本発明の化合物は、VEGFR2阻害剤又はVEGFR2抗体(例えば、アバスチン)により事前治療された腫瘍の治療にも有用であり得る。
特に、本発明の化合物は、VEGFR2耐性腫瘍の治療に有用であり得る。VEGFR2の阻害剤及び抗体は、甲状腺癌及び腎細胞癌の治療に使用されるので、本発明の化合物は、VEGFR2耐性の甲状腺癌及び腎細胞癌の治療に有用であり得る。
癌は、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4から選択されるいずれか1つ以上のFGFR、例えば、FGFR1、FGFR2、又はFGFR3から選択される1つ以上のFGFRの阻害に感受性がある癌であり得る。
特定の癌がFGFR又はVEGFRシグナル伝達の阻害に感受性のあるものであるかどうかは、以下に述べられる細胞成長アッセイにより、又は「診断の方法」という見出しの項に述べられる方法により決定できる。
本発明の化合物、及び特にFGFR又はVEGFR阻害活性を有する化合物は、上昇したレベルのFGFR若しくはVEGFRの存在と関連するか、又はそれを特徴とするタイプの癌、例えば、本願の導入項でこの文脈において言及されている癌の治療又は予防に特に有用になり得る。
本発明の化合物は、成人集団の治療に有用になり得る。本発明の化合物は、小児集団の治療に有用になり得る。
一部のFGFR阻害剤を他の抗癌剤と組み合わせて使用できることが発見された。例えば、アポトーシスを誘導する阻害剤を、細胞成長を制御する異なる機構により作用する別の薬剤と組み合わせて、癌発生の独特の特徴の2つを治療することが有益になり得る。そのような組み合わせの例は以下に述べられる。
本発明の化合物は、II型又はインスリン非依存型糖尿病、自己免疫疾患、頭部外傷、脳卒中、てんかん、アルツハイマーなどの神経変性疾患、運動ニューロン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、及びピック病、例えば自己免疫疾患及び神経変性疾患など、増殖における障害から生じる他の病態を治療するのに有用であり得る。
本発明の化合物が有用になり得る病状及び病態の一下位群は、炎症性疾患、心血管疾患、及び創傷治癒からなる。
FGFR及びVEGFRは、アポトーシス、血管新生、増殖、分化、及び転写において役割を果たすことも知られており、したがって、本発明の化合物は、癌以外の以下の疾病の治療において有用になり得る;慢性炎症性疾患、例えば全身性エリテマトーデス、自己免疫媒介性糸球体腎炎、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫糖尿病、湿疹過敏症反応(Eczema hypersensitivity reactions)、喘息、COPD、鼻炎、及び上気道疾病;心血管疾患、例えば、心臓肥大、再狭窄、アテローム性動脈硬化;神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、AIDS関連認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atropy)、及び小脳変性症;糸球体腎炎;骨髄異形成症候群、虚血障害関連心筋梗塞、脳卒中、及び再潅流障害、不整脈、アテローム性動脈硬化、毒素誘導又はアルコール関連肝臓疾病、血液疾患、例えば、慢性貧血及び再生不良性貧血;筋骨格系の変性疾患、例えば、骨粗鬆症及び関節炎、アスピリン感受性副鼻腔炎、嚢胞性線維症、多発性硬化症、腎臓病、及び癌性疼痛。
さらに、FGFR2の突然変異は、ヒトの骨格発達におけるいくつかの重度の異常と関連しており、そのため、本発明の化合物は、頭蓋縫合の異常な骨化(頭蓋骨縫合早期癒合症)、アペール(AP)症候群、クルーゾン症候群、ジャクソン・ワイス症候群、ベーレ・スティーブンソン脳回状頭皮(cutis gyrate)症候群、及びファイファー症候群を含む、ヒトの骨格発達における異常の治療に有用になり得る。
FGFR2又はFGFR3などのFGFR阻害活性を有する本発明の化合物は、骨格疾病の治療又は予防に特に有用になり得る。特定の骨格疾病は、軟骨発育不全症又は致死性小人症(別名、致死性骨異形成症)である。
FGFR1、FGFR2、又はFGFR3などのFGFR阻害活性を有する本発明の化合物は、進行性の線維症が症状である病変の治療又は予防に特に有用になり得る。本発明の化合物が治療において有用であり得る線維形成状態には、線維組織の異常な又は過度の沈着を示す疾病、例えば、肝硬変、糸球体腎炎、肺線維症、全身性線維症、関節リウマチ、並びに創傷治癒の自然なプロセスがある。特に、本発明の化合物は、肺線維症、特に特発性肺線維症の治療にも有用であり得る。
腫瘍関連脈管構造におけるFGFR及びVEGFRの過剰発現及び活性化は、腫瘍血管新生の予防及びその開始の中断における本発明の化合物の役割も示唆した。特に、本発明の化合物は、癌、転移、CLLなどの白血病、加齢黄斑変性、特に滲出型の加齢黄斑変性、未熟児網膜症(ROP)などの虚血性増殖性網膜症、及び糖尿病性網膜症などの眼疾患、関節リウマチ、並びに血管腫の治療に有用であり得る。
FGFR1〜4、VEGFR、及び/又はPDGFR A/Bの阻害剤としての本発明の化合物の活性は、以下の実施例に述べられるアッセイを利用して測定でき、所与の化合物により示される活性のレベルは、IC50値の点で定義できる。好ましい本発明の化合物は、1μM未満、より好ましくは0.1μM未満のIC50値を有する化合物である。
本発明は、FGFR阻害若しくは調節活性を有し、FGFRキナーゼにより媒介される病状又は病態を予防又は治療するのに有用になり得る化合物を提供する。
一実施形態において、療法に使用するための、医薬として使用するための本明細書に定義される化合物が提供される。さらなる実施形態において、FGFRキナーゼにより媒介される病状又は病態の予防又は治療、特に治療に使用するための本明細書に定義される化合物が提供される。
そのため、例えば、本発明の化合物は、癌の発生率を緩和又は減少させるのに有用であり得る。したがって、さらなる実施形態において、癌の予防又は治療、特に治療に使用するための本明細書に定義される化合物が提供される。一実施形態において、本明細書に定義される化合物は、FGFR依存性癌の予防又は治療に使用するためのものである。一実施形態において、本明細書に定義される化合物は、FGFRキナーゼにより媒介される癌の予防又は治療に使用するためのものである。
したがって、本発明は特に下記を提供する:
− FGFRキナーゼにより媒介される病状又は病態の予防又は治療の方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に定義される式(I)の化合物を投与することを含む方法。
− 本明細書に記載される病状又は病態の予防又は治療の方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に定義される式(I)の化合物を投与することを含む方法。
− 癌の予防又は治療の方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に定義される式(I)の化合物を投与することを含む方法。
− FGFRキナーゼにより媒介される病状又は病態の発生率を緩和又は減少させる方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に定義される式(I)の化合物を投与することを含む方法。
− FGFRキナーゼを阻害する方法であって、キナーゼを、本明細書に定義されるキナーゼを阻害する式(I)の化合物と接触させることを含む方法。
− 本明細書に定義される式(I)の化合物を使用してFGFRキナーゼの活性を阻害することにより、細胞プロセス(例えば細胞***)を調節する方法。
− FGFRキナーゼの活性を阻害することによる、細胞プロセス(例えば細胞***)の調節物質として使用するための、本明細書に定義される式(I)の化合物。
− 癌の予防又は治療、特に癌の治療に使用するための、本明細書に定義される式(I)の化合物。
− FGFRの調節物質(例えば、阻害剤)として使用するための、本明細書に定義される式(I)の化合物。
− FGFRキナーゼにより媒介される病状又は病態の予防又は治療のための医薬品の製造のための、本明細書に定義される式(I)を有する化合物の、本明細書に定義される式(I)の化合物の使用。
− 本明細書に記載される病状又は病態の予防又は治療のための医薬品の製造のための、本明細書に定義される式(I)の化合物の使用。
− 癌の予防又は治療、特に治療のための医薬品の製造のための、本明細書に定義される式(I)の化合物の使用。
− FGFRの活性を調節する(例えば、阻害する)ための医薬品の製造のための、本明細書に定義される式(I)の化合物の使用。
− FGFRキナーゼの活性を阻害することにより細胞プロセス(例えば細胞***)を調節するための医薬品の製造における、本明細書に定義される式(I)の化合物の使用。
− FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1又はFGFR2又はFGFR3又はFGFR4)の上方制御を特徴とする疾病又は病態の予防又は治療のための医薬品の製造のための、本明細書に定義される式(I)の化合物の使用。
− FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1又はFGFR2又はFGFR3又はFGFR4)の上方制御を特徴とするものである癌の予防又は治療のための医薬品の製造のための、本明細書に定義される式(I)の化合物の使用。
− FGFR3キナーゼの遺伝子異常を有する亜集団から選択された患者における癌の予防又は治療のための医薬品の製造のための、本明細書に定義される式(I)の化合物の使用。
− FGFR3キナーゼの遺伝子異常を有する亜集団の一部を形成すると診断された患者における癌の予防又は治療のための医薬品の製造のための、本明細書に定義される式(I)の化合物の使用。
− FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1又はFGFR2又はFGFR3又はFGFR4)の上方制御を特徴とする疾病又は病態の予防又は治療の方法であって、本明細書に定義される式(I)の化合物を投与することを含む方法。
− FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1又はFGFR2又はFGFR3又はFGFR4)の上方制御を特徴とする疾病又は病態の発生率を緩和又は減少させる方法であって、本明細書に定義される式(I)の化合物を投与することを含む方法。
− 癌に罹患しているか、又は罹患していると疑われる患者における癌の予防又は治療の(又は癌の発生率を緩和若しくは減少させる)方法であって、(i)患者に診断テストを受けさせて、患者がFGFR3遺伝子の遺伝子異常を有するかどうかを決定すること;及び(ii)患者が前記バリアントを有する場合、その後に、患者に、FGFR3キナーゼ阻害活性を有する、本明細書に定義される式(I)の化合物を投与することを含む方法。
− FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1又はFGFR2又はFGFR3又はFGFR4)の上方制御を特徴とする病状又は病態の予防又は治療の(又は病状若しくは病態の発生率を緩和若しくは減少させる)方法であって、(i)患者に診断テストを受けさせて、FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1又はFGFR2又はFGFR3又はFGFR4)の上方制御に特徴的なマーカーを検出すること、及び(ii)診断テストがFGFRキナーゼの上方制御を示す場合、その後に、患者に、FGFRキナーゼ阻害活性を有する、本明細書に定義される式(I)の化合物を投与することを含む方法。
一実施形態において、FGFRキナーゼにより媒介される疾病は、腫瘍学関連疾病(例えば、癌)である。一実施形態において、FGFRキナーゼにより媒介される疾病は非腫瘍学関連疾病(例えば、癌以外の本明細書に開示されるあらゆる疾病)である。一実施形態において、FGFRキナーゼにより媒介される疾病は、本明細書に記載される病態である。一実施形態において、FGFRキナーゼにより媒介される疾病は、本明細書に記載される骨格の病態である。ヒトの骨格発達における特定の異常には、頭蓋縫合の異常な骨化(頭蓋骨縫合早期癒合症)、アペール(AP)症候群、クルーゾン症候群、ジャクソン・ワイス症候群、ベーレ・スティーブンソン脳回状頭皮症候群、ファイファー症候群、軟骨発育不全症、及び致死性小人症(別名、致死性骨異形成症)がある。
変異したキナーゼ
薬剤耐性キナーゼ突然変異は、キナーゼ阻害剤により治療される患者集団に起こり得る。これらは、一部、療法に使用される特定の阻害剤に結合又は相互作用するタンパク質の領域で起こる。そのような突然変異は、阻害剤が、問題とするキナーゼに結合して阻害する能力を減少又は増加させる。これは、阻害剤と相互作用するか、又は前記阻害剤の標的への結合を支持するのに重要なアミノ酸残基のいずれでも起こり得る。変異したアミノ酸残基との相互作用を要さずに標的キナーゼに結合する阻害剤は、恐らく突然変異により影響されず、酵素の効果的な阻害剤のままだろう。
胃癌患者試料の研究は、FGFR2中の2つの突然変異、エクソンIIIa中のSer167Pro及びエクソンIIIc中のスプライス部位突然変異940−2A−Gの存在を示した。これらの突然変異は、頭蓋骨縫合早期癒合(craniosynotosis)症候群を起こす生殖細胞系活性化突然変異と同一であり、試験された原発性胃癌組織の13%に観察された。さらに、FGFR3中の活性化突然変異は、試験された患者試料の5%に観察され、FGFRの過剰発現は、この患者群の予後不良と相関していた。
さらに、機能獲得、過剰発現、又は構成的活性型生物学的状態を起こすFGFR中に観察された染色体転座又は点突然変異がある。
したがって、本発明の化合物ならば、FGFRなどの突然変異した分子標的を発現する癌に関連して特定の用途を見出すだろう。そのような突然変異を有する腫瘍の診断は、RTPCR及びFISHなど、当業者に公知であり本明細書に記載される技法を利用して実施できる。
FGFRのATP結合部位の保存されたスレオニン残基の突然変異が阻害剤耐性を起こすだろうことが示唆された。アミノ酸バリン561は、FGFR1においてメチオニンに変異したが、それは、選択的阻害剤に耐性を付与することが示されたAbl(T315)及びEGFR(T766)に見られる、以前に報告された突然変異に対応している。FGFR1 V561Mのアッセイデータは、この突然変異が、野生型のものと比べて、チロシンキナーゼ阻害剤に耐性を付与したことを示した。
診断の方法
式(I)の化合物の投与の前に、患者をスクリーニングして、患者が罹患しているか、又は罹患し得る疾病又は病態が、FGFR及び/又はVEGFRに対する活性を有する化合物による治療に感受性があり得るものであるかどうかを決定できる。
例えば、患者から採取された生体試料を分析して、患者が罹患しているか、又は罹患し得る癌などの病態又は疾病が、FGFR及び/若しくはVEGFRのレベル若しくは活性の上方制御、又は正常なFGFR及び/若しくはVEGFR活性への経路の感作(sensitisation)、又は成長因子リガンドレベル若しくは成長因子リガンド活性などこれらの成長因子シグナル伝達経路の上方制御、又はFGFR及び/若しくはVEGFR活性化の下流の生化学的経路の上方制御をもたらす遺伝的異常又は異常なタンパク質発現を特徴とするものであるかどうかを決定できる。
FGFR及び/又はVEGFRシグナルの活性化又は感作を生じるそのような異常の例には、アポトーシス経路の喪失若しくは阻害、受容体若しくはリガンドの上方制御、又は受容体若しくはリガンドの変異体バリアント、例えばPTKバリアントの存在がある。FGFR1、FGFR2、若しくはFGFR3、若しくはFGFR4の変異体、又は上方制御、特にFGFR1の過剰発現、又はFGFR2若しくはFGFR3の機能獲得変異体を有する腫瘍は、FGFR阻害剤に特に感受性を持ち得る。
例えば、FGFR2中に機能獲得を発生させる点突然変異が、いくつかの病態に特定されてきた。特に、FGFR2中の活性化突然変異が、子宮内膜腫瘍の10%に特定されてきた。
さらに、異所的に発現した、又は脱制御された構成的活性型のFGFR3受容体をもたらす染色体転座又は点突然変異など、FGFR3受容体型チロシンキナーゼの遺伝子異常が特定されてきており、多発性骨髄腫、膀胱癌、及び子宮頸癌のサブセットに関連付けられている。PDGF受容体の特定の突然変異T674Iは、イマチニブにより治療された患者に確認されてきた。さらに、8p12−p11.2の遺伝子増幅は、***小葉癌(CLC)症例の約50%に示され、これがFGFR1の発現増加と関連していることが示された。FGFR1に対して向けられたsiRNA、又は受容体の小分子阻害剤による予備的試験は、この増幅を有する細胞株が、このシグナル伝達経路の阻害に特に感受性を有することを示した。
或いは、患者から採取された生体試料を、FGFR又はVEGFRの負の調節因子又は抑制因子の喪失に関して分析できる。本文脈において、用語「喪失」は、調節因子若しくは抑制因子をコードする遺伝子の欠失、遺伝子の短縮化(例えば突然変異による)、遺伝子の転写産物の短縮化、又は転写産物の不活性化(例えば点突然変異による)、又は別の遺伝子産物による隔離を包含する。
用語上方制御は、遺伝子増幅(すなわち多数の遺伝子コピー)及び転写効果による増加した発現を含む上昇した発現又は過剰発現、並びに突然変異による活性化を含む過剰活性及び活性化を含む。そのため、患者に診断テストを受けさせて、FGFR及び/又はVEGFRの上方制御に特徴的なマーカーを検出することができる。用語診断はスクリーニングを含む。マーカーは、例えば、FGFR及び/又はVEGFRの突然変異を特定するDNA組成物の測定を含む遺伝子マーカーを含む。用語マーカーは、上述のタンパク質の酵素活性、酵素レベル、酵素状態(例えば、リン酸化されたか否か)、及びmRNAレベルを含む、FGFR及び/又はVEGFRの上方制御に特徴的なマーカーも含む。
診断テスト及びスクリーンは、典型的には、腫瘍生検材料試料、血液試料(脱落した腫瘍細胞の単離及び濃縮)、便生検、痰、染色体分析、胸膜液、腹水、頬側スピア(spears)、生検材料、又は尿から選択される生体試料に実施される。
タンパク質の突然変異及び上方制御の特定及び分析の方法は当業者に公知である。スクリーニング方法には、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)又は蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)などのインサイチュハイブリダイゼーションなどの標準的な方法があり得るが、これらに限定されない。
FGFR及び/又はVEGFRにおける突然変異を有する個人の特定は、患者がFGFR及び/又はVEGFR阻害剤による治療に特に好適であろうことを意味し得る。腫瘍は、優先的には、治療前に、FGFR及び/又はVEGFRバリアントの存在に関してスクリーニングされ得る。スクリーニングプロセスは、典型的には、直接配列決定、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ分析、又は変異体特異的抗体を含むだろう。さらに、そのような突然変異を有する腫瘍の診断は、RT−PCR及びFISHなど、当業者に公知であり本明細書に記載される技法を利用して実施できる。
さらに、例えばFGFR又はVEGFR2の変異体形態は、例えば、PCR及び本明細書に先に記載された通りPCR産物を直接配列決定する方法を利用して、腫瘍生検の直接配列決定により特定できる。当業者は、上述のタンパク質の過剰発現、活性化、又は突然変異の検出のためのそのような周知の全技法が、本件に適用可能であることを認識するだろう。
RT−PCRによるスクリーニングにおいて、腫瘍中のmRNAのレベルは、mRNAのcDNAコピーの作成と、それに続くPCRによるcDNAの増幅により評価される。PCR増幅の方法、プライマーの選択、及び増幅の条件は当業者に公知である。核酸操作及びPCRは、例えば、Ausubel,F.M.et al.,eds.(2004)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons Inc.,又はInnis,M.A.et al.,eds.(1990)PCR Protocols:a guide to methods and applications,Academic Press,San Diegoに記載されている標準的な方法により実施される。核酸技法を含む反応及び操作も、Sambrook et al.,(2001),3rd Ed,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Pressに記載されている。或いは、RT−PCRの市販キット(例えば、Roche Molecular Biochemicals)、又は米国特許第4,666,828号明細書;米国特許第4,683,202号明細書;米国特許第4,801,531号明細書;米国特許第5,192,659号明細書、米国特許第5,272,057号明細書、米国特許第5,882,864号明細書、及び米国特許第6,218,529号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に述べられた方法を利用できる。mRNA発現を評価するインサイチュハイブリダイゼーション技法の例は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)だろう(Angerer(1987)Meth.Enzymol.,152:649参照)。
一般に、インサイチュハイブリダイゼーションは以下の主な工程を含む:(1)分析すべき組織の固定化;(2)標的核酸のアクセシビリティを増加させ、非特異的結合を減少させるための試料のハイブリダイゼーション前の処理;(3)生物学的構造又は組織中の核酸の混合物の核酸へのハイブリダイゼーション;(4)ハイブリダイゼーションで結合しなかった核酸断片を除くためのハイブリダイゼーション後の洗浄、及び(5)ハイブリダイズされた核酸断片の検出。そのような用途に使用されるプローブは、典型的には、例えば、放射性同位元素又は蛍光レポーターにより標識されている。好ましいプローブは、ストリンジェントな条件下での標的核酸との特異的なハイブリダイゼーションを可能にするほど、例えば、約50、100、又は200ヌクレオチドから約1000以上のヌクレオチドなど充分に長い。FISHを実施する標準的な方法は、Ausubel,F.M.et al.,eds.(2004)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons Inc及びMolecular Diagnosis of Cancer,Methods and Protocols,2nd ed.;ISBN:1−59259−760−2;March 2004,pps.077−088;Series:Methods in Molecular Medicine中のJohn M.S.BartlettによるFluorescence In Situ Hybridization:Technical Overviewに記載されている。
遺伝子発現プロファイリングの方法は、(DePrimo et al.(2003),BMC Cancer,3:3)により記載されている。簡単に言うと、プロトコルは以下の通りである:二本鎖cDNAを、全RNAから、第1鎖cDNA合成を準備するための(dT)24オリゴマーを使用して合成し、それに続いてランダムヘキサマープライマーによる第2鎖cDNA合成を行う。二本鎖cDNAを、ビオチン化リボヌクレオチドを使用するcRNAのインビトロ転写の鋳型として使用する。cRNAを、Affymetrix(Santa Clara、CA、USA)により記載されるプロトコルに従って化学的に断片化し、次いでHuman Genome Array上で一晩ハイブリダイズする。
或いは、mRNAから発現されたタンパク質産物は、腫瘍試料の免疫組織化学、マイクロタイタープレートによる固相免疫アッセイ、ウェスタンブロッティング、2次元SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、ELISA、フローサイトメトリー、及び当技術分野に公知である特定のタンパク質を検出する他の方法によりアッセイできる。検出方法は、部位特異的抗体の使用を含むだろう。当業者は、FGFR及び/若しくはVEGFRの上方制御の検出、又はFGFR及び/若しくはVEGFRバリアント若しくは変異体の検出のためのそのような周知の全技法が、本件に適用可能であることを認識するだろう。
FGFR又はVEGFRなどのタンパク質の異常なレベルは、標準的な酵素アッセイ、例えば、本明細書に記載されるアッセイを利用して測定できる。活性化又は過剰発現も、組織試料、例えば、腫瘍組織中に検出できるだろう。Chemicon Internationalから得られるものなどのアッセイによりチロシンキナーゼ活性を測定することにより。着目しているチロシンキナーゼは、試料溶解物から免疫沈降され、その活性が測定されるだろう。
アイソフォームを含むFGFR又はVEGFRの過剰発現又は活性化の測定の代替方法は、微小血管密度の測定を含む。これは、例えば、Orre and Rogers(Int J Cancer(1999)、84(2)101−8)により記載される方法を利用して測定できる。アッセイ方法は、例えば、VEGFRの場合にマーカーの使用も含む。これらには、CD31、CD34及びCD105がある。
したがって、これらの技法の全てを利用して、本発明の化合物による治療に特に好適な腫瘍を特定することもできる。
本発明の化合物は、変異したFGFRを有する患者の治療に特に有用である。FGFR3中のG697C突然変異は、口腔扁平上皮細胞癌(carcmonas)の62%に観察され、キナーゼ活性の構成的活性化を起こす。FGFR3の活性化突然変異は、膀胱癌の症例においても特定された。これらの突然変異は、様々な優勢(prevelence)度を有する6種であった:R248C、S249C、G372C、S373C、Y375C、K652Q。さらに、FGFR4中のGly388Arg多型は、前立腺癌、結腸癌、肺癌、肝臓癌(HCC)、及び乳癌の発生率及び侵攻性の増加と関連することが見出された。本発明の化合物は、FGFR3−TACC3転座を有する患者の治療に特に有用である。
したがって、さらなる態様において、本発明は、スクリーニングされて、FGFRに対する活性を有する化合物による治療に感受性があるだろう疾病又は病態に罹患しているか、又は罹患する危険性があると決定された患者における病状又は病態の治療又は予防のための医薬品の製造のための、本発明による化合物の使用を含む。
患者がスクリーニングされる特定の突然変異には、FGFR3中のG697C、R248C、S249C、G372C、S373C、Y375C、K652Q突然変異及びFGFR4中のGly388Arg多型がある。
別の態様において、本発明は、FGFR遺伝子のバリアント(例えば、FGFR3中のG697C突然変異及びFGFR4中のGly388Arg多型)を有する亜集団から選択された患者における癌の予防又は治療に使用するための本発明の化合物を含む。
循環バイオマーカー(循環始原細胞(CPC)、CEC、SDF1、及びFGF2)と組み合わせた血管正常化のMRI測定(例えば、MRI勾配エコー、スピンエコー、及びコントラスト増強を利用して、血液体積、相対血管径、及び血管浸透性を測定する)を利用しても、本発明の化合物による治療のために、VEGFR2耐性腫瘍を特定できる。
医薬組成物及び組み合わせ
対象化合物の有用な薬理学的性質に鑑みて、対象化合物は、投与目的で種々の医薬形態に製剤され得る。
一実施形態において、医薬組成物(例えば、製剤)は、少なくとも1種の本発明の活性化合物を、1種以上の薬学的に許容できる担体、補助剤、賦形剤、希釈剤、充填剤、緩衝剤、安定剤、保存剤、滑沢剤、又は当業者に周知である他の物質、及び任意選択で他の治療剤又は予防剤と共に含む。
本発明の医薬組成物を調製するために、有効成分としての有効量の本発明の化合物は、薬学的に許容できる担体と完全に混合されるが、担体は、投与に望まれる調製物の形態に応じて多種多様な形態をとり得る。医薬組成物は、経口、非経口、局所、鼻腔内、眼、耳、直腸、膣内、又は経皮投与に好適なあらゆる形態であり得る。これらの医薬組成物は、好ましくは、経口的、直腸内、経皮的、又は非経口注射による投与に好適な単位剤形であることが望ましい。例えば、経口剤形である組成物を調製する際には、例えば、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、及び液剤などの経口液体調合物の場合、水、グリコール、油、アルコールなど;又は散剤、丸剤、カプセル剤、及び錠剤の場合、スターチ、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などの固体の担体など、通常の医薬用媒体のいずれも利用できる。
投与における容易さのため、錠剤及びカプセル剤は、最も有利な経口用量単位形態であり、その場合、固体の医薬用担体が明らかに利用される。非経口組成物では、例えば溶解度を高める他の成分も含まれ得るが、担体は、通常滅菌水を少なくとも大部分含む。例えば、担体が、食塩水、グルコース溶液、又は食塩水とグルコース溶液の混合物を含む注射用液剤が調製され得る。注射用懸濁剤も調製され得るが、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤などが利用され得る。経皮投与に好適な組成物において、担体は、任意選択で、浸透促進剤及び/又は好適な湿潤剤を、任意選択で低い比率で任意の性質の好適な添加剤と組み合わせて含むが、添加剤は、皮膚への著しい有害作用を起こさない。前記添加剤は、皮膚への投与を容易にし得るか、且つ/又は所望の組成物を調製するのに有用であり得る。これらの組成物は、種々の方法で、例えば、経皮パッチとして、スポットオン剤として、軟膏として、投与できる。上述の医薬組成物を、投与の容易さ及び用量の均一性のために、用量単位形態で製剤することが特に有利である。本明細書の明細書及び特許請求の範囲で使用される用量単位形態は、各単位が、所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の有効成分を、要求される医薬用担体と共に含む、単位用量として好適な物理的に別個の単位を指す。そのような用量単位形態の例は、錠剤(分割錠又はコート錠を含む)、カプセル剤、丸剤、パウダーパケット(powder packets)、ウェハー、注射用液剤又は懸濁剤、小さじ一杯、大さじ一杯など、及びその分離された倍数(segregated multiples)である。
上述の医薬組成物を、投与の容易さ及び用量の均一性のために、用量単位形態で製剤することが特に有利である。本明細書の明細書及び特許請求の範囲で使用される用量単位形態は、各単位が、所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の有効成分を、要求される医薬用担体と共に含む、単位用量として好適な物理的に別個の単位を指す。そのような用量単位形態の例は、錠剤(分割錠又はコート錠を含む)、カプセル剤、丸剤、パウダーパケット、ウェハー、注射用液剤又は懸濁剤、小さじ一杯、大さじ一杯など、及びその分離された倍数である。
本発明の化合物は、その抗腫瘍活性を発揮するのに充分な量で投与される。
当業者であれば、以下に表される試験結果から有効量を容易に決定できるだろう。一般に、治療上有効な量は、0.005mg/kg〜100mg/kg体重、特に0.005mg/kg〜10mg/kg体重であろうことが企図される。要求される投与量を、単一、2、3、4以上の副用量として、1日を通して適切な間隔で投与することが適切であり得る。前記副用量は、例えば、単位剤形あたり0.5〜500mg、特に1mg〜500mg、より特に10mg〜500mgの有効成分を含む単位剤形として製剤され得る。
投与様式によって、医薬組成物は、全パーセンテージが組成物の総重量に基づくとして、好ましくは、0.05〜99重量%、より好ましくは0.1〜70重量%、さらにより好ましくは0.1〜50重量%の本発明の化合物及び1〜99.95重量%、より好ましくは30〜99.9重量%、さらにより好ましくは50〜99.9重量%の薬学的に許容できる担体を含むだろう。
本発明の別の態様として、本発明の化合物と別の抗癌剤との組み合わせが、特に医薬として使用するために、より具体的には、癌又は関連疾病の治療に使用するために想定される。
上記病態の治療のために、本発明の化合物は、1種以上の他の医薬品と、より具体的には、他の抗癌剤又は補助剤と組み合わされて、癌療法において有利に利用され得る。抗癌剤又は補助剤(療法における支持剤)の例には、下記があるが、これらに限定されない:
− 任意選択で、アミフォスチン、カルボプラチン、又はオキサリプラチンと組み合わせた白金配位化合物、例えば、シスプラチン;
− タキサン化合物、例えば、パクリタキセル、パクリタキセルタンパク結合粒子(アブラキサン(商標))又はドセタキセル;
− カンプトテシン化合物などのトポイソメラーゼI阻害剤、例えばイリノテカン、SN−38、トポテカン、トポテカンhcl;
− 抗腫瘍エピポドフィロトキシン又はポドフィロトキシン誘導体などのトポイソメラーゼII阻害剤、例えばエトポシド、エトポシドリン酸塩又はテニポシド;
− 抗腫瘍ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、又はビノレルビン;
− 抗腫瘍ヌクレオシド誘導体、例えば、5−フロオロウラシル、ロイコボリン、ゲムシタビン、ゲムシタビンhcl、カペシタビン、クラドリビン、フルダラビン、ナララビン;
− 任意選択で、メスナ、ピポブロマン、プロカルバジン、ストレプトゾシン、テロゾロミド(telozolomide)、ウラシルと組み合わせた、ナイトロジェンマスタード又はニトロソウレアなどのアルキル化剤、例えば、シクロホスファミド、クロラムブシル、カルムスチン、チオテパ、メファラン(mephalan)(メルファラン)、ロムスチン、アルトレタミン、ブスルファン、ダカルバジン、エストラムスチン、イホスファミド;
− 任意選択で、デクスラゾキサン、ドキシル、イダルビシン、ミトキサントロン、エピルビシン、エピルビシンhcl、バルルビシンと組み合わせた、抗腫瘍アントラサイクリン誘導体、例えばダウノルビシン、ドキソルビシン;
− IGF−1受容体を標的とする分子、例えばピクロポドフィリン;
− テトラカルシン(tetracarcin)誘導体、例えばテトロカルシンA;
− グルココルチコイド、例えばプレドニゾン;
− 抗体、例えば、トラスツズマブ(HER2抗体)、リツキシマブ(CD20抗体)、ゲムツズマブ、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、セツキシマブ、ペルツズマブ、ベバシズマブ、アレムツズマブ、エクリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、ノフェツモマブ、パニツムマブ、トシツモマブ、CNTO 328;
− エストロゲン受容体拮抗剤又は選択的エストロゲン受容体調節剤又はエストロゲン合成の阻害剤、例えば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ドロロキシフェン、ファスロデックス、ラロキシフェン、又はレトロゾール;
− エキセメスタン、アナストロゾール、レトラゾール(letrazole)、テストラクトン、及びボロゾールなどのアロマターゼ阻害剤;
− レチノイド、ビタミンD、又はレチノイン酸などの分化誘導剤及びレチノイン酸代謝遮断剤(RAMBA)、例えばアキュテイン;
− DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、アザシチジン又はデシタビン;
− 抗葉酸剤、例えば、プレメトレキセド(premetrexed)二ナトリウム;
− 抗生物質、例えば、アンチノマイシン(antinomycin)D、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、カルミノマイシン、ダウノマイシン、レバミゾール、プリカマイシン、ミトラマイシン;
− 代謝拮抗剤、例えばクロファラビン、アミノプテリン、シトシンアラビノシド又はメトトレキサート、アザシチジン、シタラビン、フロクスウリジン、ペントスタチン、チオグアニン;
− Bcl−2阻害剤などのアポトーシス誘導剤及び抗血管新生剤、例えば、YC 137、BH 312、ABT 737、ゴシポール、HA 14−1、TW 37又はデカン酸;
− チューブリン結合剤、例えば、コンブレスタチン、コルヒチン、又はノコダゾール;
− キナーゼ阻害剤(例えば、EGFR(上皮成長因子受容体)阻害剤、MTKI(マルチターゲットキナーゼ阻害剤)、mTOR阻害剤、cmet阻害剤)、例えば、フラボペリドール(flavoperidol)、イマチニブメシル酸塩、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダサチニブ、ラパチニブ、ラパチニブトシル酸塩、ソラフェニブ、スニチニブ、スニチニブマレイン酸塩、テンシロリムス、6−{ジフルオロ[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]メチル}キノリン又はその薬学的に許容できる塩、6−[ジフルオロ(6−ピリジン−4−イル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)メチル]キノリン又はその薬学的に許容できる塩;
− ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、チピファルニブ;
− ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、例えば、酪酸ナトリウム、スベロイルアニリドヒドロキサミド(hydroxamide)酸(SAHA)、デプシペプチド(FR 901228)、NVP−LAQ824、R306465、JNJ−26481585、トリコスタチンA、ボリノスタット;
− ユビキチン−プロテアソーム経路の阻害剤、例えば、PS−341、MLN.41又はボルテゾミブ;
− ヨンデリス;
− テロメラーゼ阻害剤、例えば、テロメスタチン;
− マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えば、バチマスタット、マリマスタット、プリノスタット(prinostat)、又はメタスタット(metastat)。
− 組換え型インターロイキン、例えば、アルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス、インターフェロンα2a、インターフェロンα2b、ペグインターフェロンα2b
− MAPK阻害剤
− レチノイド、例えば、アリトレチノイン、ベキサロテン、トレチノイン
− 三酸化ヒ素
− アスパラギナーゼ
− ステロイド、例えば、プロピオン酸ドロモスタノロン、酢酸メゲストロール、ナンドロロン(デカン酸エステル、フェンプロピオン酸エステル)、デキサメタゾン
− ゴナドトロピン放出ホルモン作動剤又は拮抗剤、例えば、アバレリクス、酢酸ゴセレリン、ヒストレリン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩
− サリドマイド、レナリドミド
− メルカプトプリン、ミトタン、パミドロネート、ペガデマーゼ、ペグアスパラガーゼ、ラスブリカーゼ
− BH3ミメティクス、例えば、ABT−737
− MEK阻害剤、例えば、PD98059、AZD6244、CI−1040
− コロニー刺激因子アナログ、例えば、フィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、サルグラモスチム;エリスロポエチン又はそのアナログ(例えば、ダルベポエチンアルファ);インターロイキン11;オプレルベキン;ゾレドロネート、ゾレドロン酸;フェンタニル;ビスホスホネート;パリフェルミン。
− ステロイド性チトクロムP450 17α−ヒドロキシラーゼ−17,20−リアーゼ阻害剤(CYP17)、例えば、アビラテロン、アビラテロン酢酸エステル。
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、その薬学的に許容できる塩若しくはその溶媒和物、又はその任意の下位群及び例と6−{ジフルオロ[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]メチル}キノリン又はその薬学的に許容できる塩との組み合わせに関する。
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、その薬学的に許容できる塩若しくはその溶媒和物、又はその任意の下位群及び例と6−[ジフルオロ(6−ピリジン−4−イル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)メチル]キノリン又はその薬学的に許容できる塩との組み合わせに関する。
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、その薬学的に許容できる塩若しくはその溶媒和物、又はその任意の下位群及び例及び6−{ジフルオロ[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]メチル}キノリン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物に関する。
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、その薬学的に許容できる塩若しくはその溶媒和物、又はその任意の下位群及び例及び6−[ジフルオロ(6−ピリジン−4−イル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)メチル]キノリン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物に関する。
本発明の化合物は、腫瘍細胞に放射線療法及び化学療法に対する感受性を与えることにも治療用途を有する。
そのため、本発明の化合物は、「放射線増感剤」及び/又は「化学療法増感剤」として使用することも、別の「放射線増感剤」及び/又は「化学療法増感剤」と組み合わせて与えることもできる。
本明細書での用語「放射線増感剤」は、電離放射線に対する細胞の感受性を増加させるか、且つ/又は電離放射線により治療可能である疾病の治療を促進するために、治療上有効な量で動物に投与される分子、好ましくは低分子量分子と定義される。
本明細書での用語「化学療法増感剤」は、化学療法に対する細胞の感受性を増加させるか、且つ/又は化学療法剤により治療可能である疾病の治療を促進するために、治療上有効な量で動物に投与される分子、好ましくは低分子量分子と定義される。
下記を含む、放射線増感剤の作用様式のいくつかの機構が文献に示唆されてきた:酸素を模倣するか、或いは低酸素下で生体内還元剤のように挙動する低酸素細胞放射線増感剤(例えば、2−ニトロイミダゾール化合物、及びベンゾトリアジンジオキシド化合物);非低酸素細胞放射線増感剤(例えば、ハロゲン化されたピリミジン)はDNA塩基のアナログであることがあり、優先的に癌細胞のDNA中に組み込まれ、それにより放射線により誘発されるDNA分子の破壊を促進するか、且つ/又は正常なDNA修復機構を妨げる;及び種々の他の潜在的な作用機序が、疾病の治療における放射線増感剤に仮説として認められてきた。
多くの癌治療プロトコルは、現在、X線の放射と共に放射線増感剤を利用している。X線により活性化される放射線増感剤の例には下記があるがこれらに限定されない:メトロニダゾール、ミソニダゾール、デスメチルミソニダゾール、ピモニダゾール、エタニダゾール、ニモラゾール、マイトマイシンC、RSU 1069、SR 4233、EO9、RB 6145、ニコチンアミド、5−ブロモデオキシウリジン(BUdR)、5−ヨードデオキシウリジン(IUdR)、ブロモデオキシシチジン、フルオロデオキシウリジン(FudR)、ヒドロキシウレア、シスプラチン、並びに前記の治療上有効なアナログ及び誘導体。
癌の光線力学療法(PDT)は、増感剤の放射活性化剤(radiation activator)として可視光を利用する。光線力学放射線増感剤の例には下記があるがこれらに限定されない:ヘマトポルフィリン誘導体、フォトフリン、ベンゾポルフィリン誘導体、エチオポルフィリンスズ、フェオボルビド(pheoborbide)−a、バクテリオクロロフィル−a、ナフタロシアニン、フタロシアニン、フタロシアニン亜鉛、並びに前記の治療上有効なアナログ及び誘導体。
放射線増感剤は、治療上有効な量の、非限定的に下記を含む1種以上の他の化合物と共に投与できる:放射線増感剤の標的細胞の組み込みを促進する化合物;治療剤、栄養素、及び/又は酸素の標的細胞への流れを制御する化合物;追加の放射線があってもなくても腫瘍に作用する化学療法剤;又は癌若しくは他の疾病を治療するための他の治療上有効な化合物。
化学療法増感剤は、非限定的に下記を含む治療上有効な量の1種以上の他の化合物と共に投与できる:化学療法増感剤の標的細胞への組み込みを促進する化合物;治療剤、栄養素、及び/又は酸素の標的細胞への流れを制御する化合物;腫瘍に作用する化学療法剤、又は癌若しくは他の疾病を治療するための他の治療上有効な化合物。カルシウム拮抗剤、例えばベラパミルは、抗新生物剤と組み合わせると、認められている化学療法剤に耐性を有する腫瘍細胞における化学療法感受性を確立し、薬剤感受性のある悪性腫瘍におけるそのような化合物の効能を強化するのに有用であることが分かっている。
それらの有用な薬理学的性質を鑑みて、本発明による組み合わせの成分、すなわち1種以上の他の医薬剤(medicinal agent)と本発明による化合物は、投与目的で種々の医薬形態に製剤され得る。成分は、個別の医薬組成物に別々に製剤されても、全成分を含む単位医薬組成物に製剤されてもよい。
したがって、本発明は、1種以上の他の医薬剤及び本発明による化合物を、医薬用担体と共に含む医薬組成物にも関する。
本発明は、腫瘍細胞の成長を阻害する医薬組成物の製造における、本発明による組み合わせの使用にさらに関する。
本発明は、癌に罹患している患者の治療における同時、別々、又は連続的な使用のための組み合わせ調合物としての、第1の有効成分として本発明による化合物、及びさらなる有効成分として1種以上の抗癌剤を含む製品にさらに関する。
1種以上の他の医薬剤及び本発明による化合物は、同時に(例えば、別々な又は単位組成物中)投与しても、どの順序で連続的に投与してもよい。後者の場合、2種以上の化合物は、有利な効果又は相乗効果が得られることを確実にするのに充分な期間内、及び量及び方法で投与されるだろう。投与の好ましい方法及び順序並びに組み合わせの各成分のそれぞれの用量及びレジームが、投与されている特定の他の医薬剤及び本発明の化合物、それらの投与経路、治療されている特定の腫瘍、並びに特定の治療される宿主に依存することが認識されるだろう。投与の最適な方法及び順序並びに用量及びレジームは、従来の方法を利用し、本明細書で述べられる情報を鑑みて、当業者により容易に決定され得る。
組み合わせとして与えられる場合の本発明による化合物と1種以上の他の抗癌剤との重量比は、当業者により決定され得る。前記比率及び正確な用量及び投与頻度は、当業者に周知である通り、使用される本発明による特定の化合物及び他の抗癌剤、治療されている特定の病態、治療されている病態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、食事、投与の時間、及び全身の肉体的状態、投与様式、並びに個人が服用している可能性がある他の医薬品に依存する。さらに、有効な1日量が、治療されている対象の反応に応じて、且つ/又は本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて増減され得ることが明らかである。式(I)の本化合物と別の抗癌剤との特定の重量比は、1/10〜10/1、より特に1/5〜5/1、さらにより特に1/3〜3/1の範囲であり得る。
白金配位化合物は、好都合には、体表面積の平方メートルあたり1〜500mg(mg/m)、例えば50〜400mg/mの用量で、特にシスプラチンでは約75mg/mの用量で、カルボプラチンでは治療のクールあたり約300mg/mで投与される。
タキサン化合物は、好都合には、体表面積の平方メートルあたり50〜400mg(mg/m)、例えば75〜250mg/mの用量で、特にパクリタキセルでは約175〜250mg/mの用量で、ドセタキセルでは治療のクールあたり約75〜150mg/mで投与される。
カンプトテシン化合物は、好都合には、体表面積の平方メートルあたり0.1〜400mg(mg/m)、例えば1〜300mg/mの用量で、特にイリノテカンでは約100〜350mg/mの用量で、トポテカンでは治療のクールあたり約1〜2mg/mで投与される。
抗腫瘍ポドフィロトキシン誘導体は、好都合には、体表面積の平方メートルあたり30〜300mg(mg/m)、例えば50〜250mg/mの用量で、特にエトポシドでは約35〜100mg/mの用量で、テニポシドでは治療のクールあたり約50〜250mg/mで投与される。
抗腫瘍ビンカアルカロイドは、好都合には、体表面積の平方メートルあたり2〜30mg(mg/m)の用量で、特にビンブラスチンでは、約3〜12mg/mの用量で、ビンクリスチンでは約1〜2mg/mの用量で、ビノレルビンでは治療のクールあたり約10〜30mg/mの用量で投与される。
抗腫瘍ヌクレオシド誘導体は、好都合には、体表面積の平方メートルあたり200〜2500mg(mg/m)、例えば700〜1500mg/mの用量で、特に5−FUでは200〜500mg/mの用量で、ゲムシタビンでは約800〜1200mg/mの用量で、カペシタビンでは治療のクールあたり約1000〜2500mg/mで投与される。
ナイトロジェンマスタード又はニトロソウレアなどのアルキル化剤は、好都合には、体表面積の平方メートルあたり100〜500mg(mg/m)、例えば120〜200mg/mの用量で、特にシクロホスファミドでは約100〜500mg/mの用量で、クロラムブシルでは約0.1〜0.2mg/kgの用量で、カルムスチンでは約150〜200mg/mの用量で、ロムスチンでは治療のクールあたり約100〜150mg/mの用量で投与される。
抗腫瘍アントラサイクリン誘導体は、好都合には、体表面積の平方メートルあたり10〜75mg(mg/m)、例えば15〜60mg/mの用量で、特にドキソルビシンでは約40〜75mg/mの用量で、ダウノルビシンでは約25〜45mg/mの用量で、イダルビシンでは治療のクールあたり約10〜15mg/mの用量で投与される。
抗エストロゲン剤は、好都合には、特定の薬剤及び治療されている病態に応じて1日約1〜100mgの用量で投与される。タモキシフェンは、治療効果を得て維持するのに充分な時間療法を継続しながら、好都合には、1日2回5〜50mg、好ましくは10〜20mgの用量で経口投与される。トレミフェンは、治療効果を得て維持するのに充分な時間療法を継続しながら、好都合には、1日1回約60mgの用量で経口投与される。アナストロゾールは、好都合には、1日1回約1mgの用量で経口投与される。ドロロキシフェンは、好都合には、1日1回約20〜100mgの用量で経口投与される。ラロキシフェンは、好都合には、1日1回約60mgの用量で経口投与される。エキセメスタンは、好都合には、1日1回約25mgの用量で経口投与される。
抗体は、好都合には、体表面積の平方メートルあたり約1〜5mg(mg/m)の用量で、又は異なる場合当技術分野に公知である通り投与される。トラスツズマブは、好都合には、体表面積の平方メートルあたり1〜5mg(mg/m)、特に治療のクールあたり2〜4mg/mの用量で投与される。
これらの用量は、治療のクールあたり、例えば、1回、2回、又はそれ以上投与でき、それが、例えば、7日毎、14日毎、21日毎、又は28日毎に繰り返され得る。
式(I)の化合物、その薬学的に許容できる付加塩、特に薬学的に許容できる酸付加塩、及び立体異性形態は、それらが、標識された化合物と他の分子、ペプチド、タンパク質、酵素、又は受容体との間の複合体の形成を検出又は特定することに使用できるという点で有用な診断用の性質を有し得る。
検出又は特定する方法は、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などの標識剤により標識されている化合物を使用できる。放射性同位元素の例には、125I、131I、H、及び14Cがある。酵素は、通常、適切な物質の結合により検出可能にされ、それが検出可能な反応を触媒する。その例には、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、好ましくはホースラディッシュペルオキシダーゼがある。発光物質には、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、エクオリン、及びルシフェラーゼがある。
生体試料は、体組織又は体液と定義できる。体液の例は、脳脊髄液、血液、血漿、血清、尿、痰、唾液などである。
全般的な合成経路
以下の実施例は本発明を説明するが、例に過ぎず、請求項の範囲を決して限定しないものとする。
式(II)の中間体は、参照により本明細書に組み込まれている国際公開第2013/061074号パンフレット、国際公開第2013/061077号パンフレット、国際公開第2013/061080号パンフレット及び国際公開第2014/174307号パンフレットに記載の通り調製できる。
実験パート
以下で、用語「DCM」はジクロロメタンを意味し、「Me」はメチルを意味し、「Et」はエチルを意味し、「MeOH」はメタノールを意味し、「EtO」はジエチルエーテルを意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「ACN」又は「CHCN」はアセトニトリルを意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を意味し、「CO」は二酸化炭素を意味し、「CHCOONH」は酢酸アンモニウムを意味し、「MgSO」は硫酸マグネシウムを意味し、「NHOH」は水酸化アンモニウムを意味し、「KCO」は炭酸二カリウムを意味し、「iPrNH」はイソプロピルアミンを意味し、「DMSO」はジメチルスルホキシドを意味し、「EDTA」はエチレンジアミン四酢酸を意味し、「SFC」は超臨界流体クロマトグラフィーを意味し、「MP」は融点を意味する。
A.中間体の調製
実施例A1:
Figure 0006896711

チューブ中で、THF中の2Mメチルアミン(18.6ml;37.3mmol)を、室温で、国際公開第2013/061074号パンフレットの中間体11(1.8g;3.73mmol)、炭酸カリウム(2.6g;18.7mmol)のアセトニトリル(30mL)中の懸濁液に滴加した。チューブを密封し、混合物を80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、氷水に注いだ。EtOAcを加え、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。
粗製物(1.6g)をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(固定相:不定形SiOH 15〜40μm 80g、移動相:92%DCM、8%MeOH、0.1%NHOH)。生成物を含むフラクションを混合し、溶媒を蒸発させると、160mg(10%)の中間体1を与えた。
B.式(I)の化合物の調製
実施例B1:
Figure 0006896711

Figure 0006896711

(国際公開第2013/061074号パンフレットの化合物1)(32mg;0.072mmol)、ホルムアルデヒド(37%水溶液;0.11mL;1.4mmol)、及びジオキサン(5mL)の溶液を室温で3日間撹拌した。溶液を冷水に注ぎ、生成物をDCMで抽出した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。
粗製物(48mg)をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(不定形ベアシリカ40g、移動相:0.2%NHOH、98%DCM、2%MeOH)。生成物を含むフラクションを混合し、濃縮すると中間体フラクション(20mg)を得たが、それをアキラルのSFC(固定相:Chiralpak IA 5μm 250×20mm、移動相:55%CO、45%MeOH(0.3%iPrNH))により再び精製した。純粋なフラクションを混合し、濃縮し、アセトニトリル/水(20/80)と共に凍結乾燥させると、16mg(49%;黄色粉末)の化合物1を与えた。M.P.=80℃(粘着性)。
他の化合物を、実施例1の上記プロトコルに従って調製した。
例えば、
Figure 0006896711

Figure 0006896711
以下の化合物を以下の通り調製する:
化合物13
Figure 0006896711


Figure 0006896711

から調製する。この中間体は、国際公開第2013/061074号パンフレットの化合物1に関して記載されたプロトコルに従って、国際公開第2013/061074号パンフレットの化合物4から調製する。
実施例B2:
化合物4
Figure 0006896711

化合物5
Figure 0006896711

及び化合物6
Figure 0006896711

の調製。
反応を、異なる量で5回実施した(合計:1.05g;2.21mmol;純度96%):
上記化合物を、三臭化ホウ素の1MのDCM溶液(6.3mL;6.316mmol)を、5℃で、化合物1(500mg;1.053mmol;純度96%)のDCM(40mL)溶液に加えることにより調製した。溶液を放置して室温まで温め、1.5時間撹拌した。反応混合物をDCMにより希釈し、MeOH(15mL)でクエンチし、蒸発乾固させた。残渣を合わせ、逆相クロマトグラフィーにより精製した(Gemini 150×25、5μ;移動相:20%CHCN、80%NHOH(0.05%水溶液)から50%CHCN、50%NHOH(0.05%水溶液)の勾配。純粋なフラクションを回収し、溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させると、200mgの化合物6(21%)、14mgの化合物5(3%)、及び20mgの化合物4(2%)が生じた。
実施例B3
化合物8
Figure 0006896711

及び化合物10
Figure 0006896711

を、上述のスキーム2に報告された方法に従って調製する。
分析パート
LCMS(液体クロマトグラフィー/質量分析法)(以下の表参照)
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を、LCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)又はUV検出器、及びそれぞれの方法に明示されたカラムを使用して実施した。必要な場合、追加の検出器を含めた(以下の方法の表参照)。
カラムからの流れは、大気圧イオン源と共に構成された質量分析計(MS)に導かれた。化合物のノミナルモノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、チューンパラメーター(tune parameters)(例えば、走査範囲、滞留時間...)を設定することは当業者の知識内である。データ取得は、適切なソフトウェアにより実施した。化合物は、その実験による保持時間(Rt)及びイオンにより説明される。データの表に異なるように明示されていない場合、報告された分子イオンは、[M+H](プロトン化された分子)及び/又は[M−H](脱プロトン化された分子)に相当する。化合物が直接イオン化可能でなかった場合、アダクトのタイプが明示される(すなわち[M+NH、[M+HCOO]など)。複数の同位体のパターン(Br、Cl)を有する分子では、報告される値は、最低の同位体質量で得られたものである。結果は全て、利用された方法と通常関連する実験的な不確かさと共に得られた。
以下で、「SQD」はシングル四重極質量分析器を意味し、「RT」は室温を、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを、「HSS」は高強度シリカを、「DAD」はダイオードアレイ検出器を意味する。
方法の表:LCMS方法コード(流量はmL/分で表され;カラム温度(T)は℃で表され;ランタイムは分で表される)。
Figure 0006896711
融点
いくつかの化合物では、融点(MP)を、DSC1(Mettler−Toledo)を利用して決定した。融点を、10℃/分の温度勾配で測定した。最高温度は300℃であった。値はピーク値であった。
いくつかの化合物では、融点は、直線温度勾配を持つ加熱されたプレート、スライディングポインター(sliding pointer)、及びセルシウス度の温度目盛りからなるコフラー型ホットベンチにより得られた。
いくつかの化合物では、融点は、自動融点装置WRS−2Aにより得られた。
NMR
NMR実験は、z勾配のついた逆三重共鳴(reverse triple−resonance)(H、13C、15N TXI)プローブヘッドを備え、プロトンでは500MHz及びカーボンでは125MHzで運転するBruker Avance 500分光計を利用して実施した。
Figure 0006896711
Figure 0006896711
Figure 0006896711
化合物1
H NMR(500MHz,DMSO−d)δppm8.83(d,J=2.2Hz,1H)8.32(s,1H)8.15(d,J=1.9Hz,1H)8.03(s,1H)7.74(d,J=9.5Hz,1H)7.22(dd,J=9.3,2.0Hz,1H)6.91(brs,1H)6.52(d,J=2.2Hz,1H)6.38(d,J=2.5Hz,1H)3.36−3.96(m,13H)2.74−2.88(m,3H)0.96(d,J=6.6Hz,6H)
薬理学的パート
生物学的アッセイA
FGFR1(酵素アッセイ)
30μLの最終反応体積で、FGFR1(h)(25ng/ml)を、50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0,1mM NaVO、0,01%Triton−X−100、500nM Btn−Flt3、及び5μM ATPと共に、化合物(1%DMSO最終)の存在下でインキュベートする。室温での60分間のインキュベーション後に、反応を、室温で60分間存在する2.27nM EU−抗P−Tyr、7mM EDTA、31.25nM SA−XL−665、及び0.02%BSAにより停止する。時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)シグナル(ex340nm.Em620nm、em655nm)をその後測定し、結果をRFU(相対蛍光単位)で表す。このアッセイにおいて、異なる化合物濃度(範囲10μM〜0.1nM)の阻害効果を決定し、IC50(M)及びpIC50(−logIC50)値の計算に使用する。
FGFR2(酵素アッセイ)
30μLの最終反応体積で、FGFR2(h)(150ng/ml)を、50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0,1mM NaVO、0,01%Triton−X−100、500nM Btn−Flt3、及び0.4μM ATPと共に、化合物(1%DMSO最終)の存在下でインキュベートする。室温での60分間のインキュベーション後に、反応を、60分間室温で存在する2.27nM EU−抗P−Tyr、7mM EDTA、31.25nM SA−XL−665、及び0.02%BSAにより停止する。時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)シグナル(ex340nm.Em620nm、em655nm)をその後測定し、結果を(相対蛍光単位)で表す。このアッセイにおいて、異なる化合物濃度(範囲10μM〜0.1nM)の阻害効果を決定し、IC50(M)及びpIC50(−logIC50)値の計算に使用する。
FGFR3(酵素アッセイ)
30μLの最終反応体積で、FGFR3(h)(40ng/ml)を、50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0,1mM NaVO、0,01%Triton−X−100、500nM Btn−Flt3、及び25μM ATPと共に、化合物(1%DMSO最終)の存在下でインキュベートする。室温での60分間のインキュベーション後に、反応を、60分間室温で存在する2.27nM EU−抗P−Tyr、7mM EDTA、31.25nM SA−XL−665、及び0.02%BSAにより停止する。時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)シグナル(ex340nm.Em620nm、em655nm)をその後測定し、結果をRFU(相対蛍光単位)で表す。このアッセイにおいて、異なる化合物濃度(範囲10μM〜0.1nM)の阻害効果を決定し、IC50(M)及びpIC50(−logIC50)値の計算に使用する。
FGFR4(酵素アッセイ)
30μLの最終反応体積で、FGFR4(h)(60ng/ml)を、50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0,1mM NaVO、0,01%Triton−X−100、500nM Btn−Flt3、及び5μM ATPと共に、化合物(1%DMSO最終)の存在下でインキュベートする。室温での60分間のインキュベーション後に、反応を、60分間室温で存在する2.27nM EU−抗P−Tyr、7mM EDTA、31.25nM SA−XL−665、及び0.02%BSAにより停止する。時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)シグナル(ex340nm.Em620nm、em655nm)をその後測定し、結果をRFU(相対蛍光単位)で表す。このアッセイにおいて、異なる化合物濃度(範囲10μM〜0.1nM)の阻害効果を決定し、IC50(M)及びpIC50(−logIC50)値の計算に使用する。
KDR(VEGFR2)(酵素アッセイ)
30μLの最終反応体積で、KDR(h)(150ng/ml)を、50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0,1mM NaVO、0,01%Triton−X−100、500nM Btn−Flt3、及び3μM ATPと共に、化合物(1%DMSO最終)の存在下でインキュベートする。室温で120分間のインキュベーションの後に、反応を、60分間室温で存在する2.27nM EU−抗P−Tyr、7mM EDTA、31.25nM SA−XL−665、及び0.02%BSAにより停止する。時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)シグナル(ex340nm.Em620nm、em655nm)をその後測定し、結果をRFU(相対蛍光単位)で表す。このアッセイにおいて、異なる化合物濃度(範囲10μM〜0.1nM)の阻害効果を決定し、IC50(M)及びpIC50(−logIC50)値の計算に使用する。
Ba/F3−FGFR1(IL3なし又はIL3あり)(細胞増殖アッセイ)
384ウェルプレート中で、DMSO中の化合物希釈液100nlを噴霧してから、ウェルあたり20000細胞のBa/F3−FGFR1−トランスフェクト細胞を含む50μl細胞培地(フェノールレッド不含RPMI−1640、10%FBS、2mM L−グルタミン、及び50μg/mlゲンタマイシン)を加える。細胞を、37℃及び5%COのインキュベーターに入れる。24時間後、10μlのアラマーブルー溶液(0.5mM KFe(CN)、0.5mM KFe(CN)、0.15mMレサズリン、及び100mMリン酸緩衝液)をウェルに加え、37℃及び5%COで4時間インキュベートしてから、RFU(相対蛍光単位)(ex540nm.、em590nm.)を蛍光プレートリーダー中で測定する。
このアッセイにおいて、異なる化合物濃度(範囲10μM〜0.1nM)の阻害効果を決定し、IC50(M)及びpIC50(−logIC50)値の計算に使用する。
カウンタースクリーンとして、同じ実験を10ng/mlのネズミIL3の存在下で実施する。
Ba/F3−FGFR3(IL3なし又はIL3あり)(細胞増殖アッセイ)
384ウェルプレート中で、DMSO中の化合物希釈液100nlを噴霧してから、ウェルあたり20000細胞のBa/F3−FGFR3−トランスフェクト細胞を含む50μl細胞培地(フェノールレッド不含RPMI−1640、10%FBS、2mM L−グルタミン、及び50μg/mlゲンタマイシン)を加える。細胞を37℃及び5%COのインキュベーターに入れる。24時間後、10μlのアラマーブルー溶液(0.5mM KFe(CN)、0.5mM KFe(CN)、0.15mMレサズリン、及び100mMリン酸緩衝液)をウェルに加え、37℃及び5%COで4時間インキュベートしてから、RFU(相対蛍光単位)(ex540nm.、em590nm.)を蛍光プレートリーダー中で測定する。
このアッセイにおいて、異なる化合物濃度(範囲10μM〜0.1nM)の阻害効果を決定し、IC50(M)及びpIC50(−logIC50)値の計算に使用する。
カウンタースクリーンとして、同じ実験を10ng/mlのネズミIL3の存在下で実施する。
Ba/F3−KDR(IL3なし又はIL3あり)(細胞増殖アッセイ)
384ウェルプレート中で、DMSO中の化合物希釈液100nlを噴霧してから、ウェルあたり20000細胞のBa/F3−KDR−トランスフェクト細胞を含む50μl細胞培地(フェノールレッド不含RPMI−1640、10%FBS、2mM L−グルタミン、及び50μg/mlゲンタマイシン)を加える。細胞を37℃及び5%COのインキュベーターに入れる。24時間後、10μlのアラマーブルー溶液(0.5mM KFe(CN)、0.5mM KFe(CN)、0.15mMレサズリン、及び100mMリン酸緩衝液)をウェルに加え、37℃及び5%COで4時間インキュベートしてから、RFU(相対蛍光単位)(ex540nm.、em590nm.)を蛍光プレートリーダー中で測定する。
このアッセイにおいて、異なる化合物濃度(範囲10μM〜0.1nM)の阻害効果を決定し、IC50(M)及びpIC50(−logIC50)値の計算に使用する。
カウンタースクリーンとして、同じ実験を10ng/mlのネズミIL3の存在下で実施する。
Ba/F3−FGFR4(細胞増殖アッセイ)
384ウェルプレート中で、DMSO中の化合物希釈液100nlを噴霧してから、ウェルあたり20000細胞のBa/F3−FGFR4−トランスフェクト細胞を含む50μl細胞培地(フェノールレッド不含RPMI−1640、10%FBS、2mM L−グルタミン、及び50μg/mlゲンタマイシン)を加える。細胞を37℃及び5%COのインキュベーターに入れる。24時間後、10μlのアラマーブルー溶液(0.5mM KFe(CN)、0.5mM KFe(CN)、0.15mMレサズリン、及び100mMリン酸緩衝液)をウェルに加え、37℃及び5%COで4時間インキュベートしてから、RFU(相対蛍光単位)(ex540nm.、em590nm.)を蛍光プレートリーダー中で測定する。
このアッセイにおいて、異なる化合物濃度(範囲10μM〜0.1nM)の阻害効果を決定し、IC50(M)及びpIC50(−logIC50)値の計算に使用する。
生物学的アッセイB
酵素結合アッセイ(KINOMEscan(登録商標))
本明細書に開示される化合物のキナーゼ酵素結合親和性を、DiscoveRx Corporation,San Diego,California,USA(www.kinomescan.com)により実施されるKINOMEscan(登録商標)技術を利用して決定した。表A2は、得られたpKd値を報告するが、Kd(M)は阻害剤結合定数値であり、pKdは−logKdである。
Figure 0006896711

Claims (22)

  1. そのあらゆる互変異性形態又は立体化学的異性体形態を含む式(I)の化合物
    Figure 0006896711
    (式中、
    はCHであり、XはCHであり;XはCHであり、且つXはCである(a);
    はNであり、XはCHであり、XはNであり、且つXはCである(b);
    はNであり、XはCHであり、XはCHであり、且つXはCである(c);或いは
    はCHであり、XはCHであり、XはC(=O)であり、且つXはN(d)である;
    ここで、(a)、(b)、及び(c)の場合点線は結合を表し、(d)の場合点線は存在せず;
    nは1又は2に等しい整数を表し;
    は、水素、又は1〜6アルキルを表し;
    2aは、水素、フルオロ、又はクロロを表し;
    2bは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
    2cは、メトキシ又はヒドロキシルを表し;
    は、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、又はC3〜6シクロアルキルにより置換されたC1〜2アルキルを表し;
    は、水素、メチル、又はエチルを表す);
    その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物。
  2. 以下の構造
    Figure 0006896711
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  3. 以下の構造
    Figure 0006896711
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  4. 以下の構造
    Figure 0006896711
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  5. 以下の構造
    Figure 0006896711
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  6. nが1に等しい整数を表す、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. がC1〜4アルキルを表す、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 2aが、水素又はフルオロを表す、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 2aがフルオロを表す、請求項に記載の化合物。
  10. 2bがメトキシを表す、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  11. 2cがメトキシを表す、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. がC1〜6アルキルを表す、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. が水素を表す、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. 下記から選択される、請求項1に記載の化合物
    Figure 0006896711
    Figure 0006896711
    Figure 0006896711
    その薬学的に許容できる塩又はその溶媒和物。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
  16. 療法に使用するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
  17. FGFRキナーゼにより媒介される病状又は病態の予防又は治療に使用するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
  18. 癌の予防又は治療に使用するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
  19. FGFRキナーゼにより媒介される病状又は病態の予防又は治療のための医薬品の製造のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  20. 癌の予防又は治療のための医薬品の製造のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  21. FGFRキナーゼにより媒介される病状又は病態の予防又は治療のために用いられる、請求項15に記載の医薬組成物
  22. 癌の予防又は治療のために用いられる、請求項15に記載の医薬組成物
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