JP6830819B2 - 水素製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水素精製器から導出される水素含有ガスを燃焼器に供給して熱エネルギー源として用いる場合、水素精製器の水素回収率を考慮して水素製造装置全体のエネルギー効率(システム効率)を高めることができる水素製造装置に関する。本発明では、水素精製器からは、水素濃度が高い製品水素(第2水素含有物)と、製品水素より水素濃度が低い第1水素含有物(非透過ガス、オフガス)が導出されるものとする。
従来から、有機ハイドライドの一種である芳香族炭化水素の水素化物を加熱して水素と脱水素物質とに分解する脱水素反応器によって生成された脱水素反応物を水素精製器によって水素を精製する水素ステーションなどの水素製造装置が知られている。
ここで、特許文献1には、脱水素反応器を用いて有機ハイドライドを水素と脱水素反応物とに分解する水素製造装置が記載されている。脱水素反応器から導出される反応後ガスの中には、水素以外に不純物が含まれるため、冷却凝縮によって凝縮性物質を除去して水素の純度を高めるようにしている。なお、水素精製器からの非透過ガスは、脱水素反応器の後段に導入されている。
一方、特許文献2には、水素精製器から導出される水素を含むオフガスを脱水素反応器に供給するものが記載されている。なお、特許文献2には、水素精製器からのオフガスをバーナー用の燃料として用いることも記載されている。
特開2005−213087号公報 特開2014−73921号公報
ところで、従来の水素製造装置では、水素精製器などから導出される水素含有ガスを、脱水素反応器を加熱するバーナーなどの燃焼器に供給し、水素製造装置全体のエネルギー効率(または、システム効率)を高めるようにしている。
しかしながら、単に水素含有ガスを燃焼器に供給しても水素製造装置全体のエネルギー効率が高まるとは限らない。
また、図3に示す従来の水素製造装置では、水素精製器30の水素回収率を調整し、そこから全体のエネルギー効率を調整することができた。例えば、図4は、水素精製器30の水素回収率に対する水素製造装置1の全体エネルギー効率の変化を示す図である。なお、水素回収率は、水素精製器30に導入される脱水素反応物V30に対して精製した水素V31の量を百分率で示したものである。図4では、水素回収率80%、85%、90%、92%、94%、95%のときの全体エネルギー効率をそれぞれ点PP1〜PP6としてプロットし、近似曲線LLを描いたものである。図4に示すように、全体エネルギーシステム効率は、水素回収率94%の時、最大値をとる。したがって、全体エネルギー効率を最大にしたい場合は、水素精製器30は、水素回収率94%に設定するとよい。しかし、水素製造装置の運転中に水素精製器30の水素回収率の設定変更が困難な場合があり、水素精製器30以外で調整する手段が必要だった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、水素精製器から導出される第1水素含有物などの水素含有ガスを燃焼器に供給して熱エネルギー源として用いる場合、水素精製器の水素回収率を考慮して水素製造装置全体のシステム効率を高めることができる水素製造装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる水素製造装置は、有機ハイドライドを水素と脱水素物質とに分解する脱水素触媒を有する脱水素反応器と、前記水素および前記脱水素物質を含んでなる脱水素反応物から水素を精製する水素精製器と、前記脱水素反応器及び前記脱水素反応器に導入される前記有機ハイドライドを加熱する加熱器に熱を供給する熱媒体を加熱する熱媒ボイラと、前記水素精製器から精製された製品水素以外のガスである第1水素含有物を前記熱媒ボイラに導く供給ラインと、を備えた水素製造装置において、前記水素精製器の水素回収率が固定である場合、前記水素製造装置全体の水素製造に関する全体エネルギー効率の水素回収率依存性をもとに、前記全体エネルギー効率が最も高くなるように、前記水素精製器の前段から脱水素反応物ガスを前記第1水素含有物に混合し、前記脱水素反応物ガスの混合量を調整して水素回収率を制御することを特徴とする。
また、本発明にかかる水素製造装置は、有機ハイドライドを水素と脱水素物質とに分解する脱水素触媒を有する脱水素反応器と、前記水素および前記脱水素物質を含んでなる脱水素反応物から水素を精製する水素精製器と、前記脱水素反応器及び前記脱水素反応器に導入される前記有機ハイドライドを加熱する加熱器に熱を供給する熱媒体を加熱する熱媒ボイラと、前記水素精製器から精製された製品水素以外のガスである第1水素含有物を前記熱媒ボイラに導く供給ラインと、を備えた水素製造装置において、前記水素精製器の水素回収率が固定である場合、前記水素製造装置全体の水素製造に関する全体エネルギー効率の水素回収率依存性をもとに、前記全体エネルギー効率が最も高くなるように、前記第1水素含有物に対し、前記水素精製器の後段から前記製品水素を混合し、前記製品水素の混合量を制御することを特徴とする。
本発明によれば、水素製造装置全体のシステム効率を高めることができる。
図1は、本発明の実施の形態である水素製造装置の構成を示す回路図であり、コンプレッサ前段の脱水素反応物の一部を引き抜いて実質的水素回収率を低くし、第1水素含有物とともに熱媒ボイラの燃料として用いる場合の構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態である水素製造装置の構成を示す回路図であり、水素精製器で透過した水素の一部を引き抜いて実質的水素回収率を低くし、第1水素含有物とともに熱媒ボイラの燃料として用いる場合の構成を示す図である。 図3は、従来の水素製造装置の構成を示す回路図である。 図4は、図3に示した水素精製器の水素回収率に対する水素製造装置の全体エネルギー効率の変化を示す図である。
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態である水素製造装置1の構成を示す回路図である。この水素製造装置1は、脱水素反応により有機ハイドライドから水素を製造する装置であり、例えば燃料電池自動車や水素エンジン車などに水素を供給する水素ステーションに採用されるものである。図1に示すように、水素製造装置1は、脱水素反応系1Aと水素精製系1Bとを有する。脱水素反応系1Aは、脱水素反応器10によって有機ハイドライドを水素と脱水素物質とに分解し、当該水素および当該脱水素物質と分解されなかった未分解反応物とを含む脱水素反応物を出力する。水素精製系1Bは、脱水素反応系1Aから導出された脱水素反応物から水素精製器30によって水素を分離して外部出力する。
有機ハイドライドは、不飽和結合を有する有機化合物の水素化物であり、脱水素触媒を用いて、水素と脱水素物質(不飽和結合を有する有機化合物)とを含む脱水素反応物に分解することができる。有機ハイドライドは、常温常圧下で液体状のものが好ましく、このようなものを採用する場合、ガソリンなどと同様に液体燃料としてローリーなどによって水素ステーションなどの水素製造装置1へ輸送することができる。本実施の形態では、有機ハイドライドとして、メチルシクロヘキサン(以下、MCHと称する)を用いて説明するが、これには限られない。なお、不飽和結合を有する有機化合物とは、二重結合あるいは三重結合を分子内に一つ以上有し、常温常圧下で液状である有機化合物である。二重結合としては、炭素−炭素二重結合(C=C)、炭素−窒素二重結合(C=N)、炭素−酸素二重結合(C=O)、窒素−酸素二重結合(N=O)が例示される。三重結合としては、炭素−炭素三重結合、炭素−窒素三重結合が例示される。不飽和結合を有する有機化合物としては、貯蔵性および輸送性の観点から、常温常圧下で液体状の有機化合物であることが好ましい。
不飽和結合を有する有機化合物としては、例えばオレフィン類、ジエン類、アセチレン類、ベンゼン、炭素鎖置換芳香族類、へテロ置換芳香族類、多環芳香族類、シフ塩基類、ヘテロ芳香族類、ヘテロ5員環化合物類、キノン類、ケトン類などが挙げられる。オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセンなどが挙げられる。ジエン類としては、アレン、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、へブタジエン、オクタジエン、ピペリレン、イソプレンなどが挙げられる。アセチレン類としては、アセチレン、プロピン、ビニルアセチレンなどが挙げられる。炭素鎖置換芳香族類としては、アルキル置換芳香族類などが挙げられる。アルキル置換芳香族類としては、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、クメン、安息香酸などが挙げられる。へテロ置換芳香族類としては、アニソール、ジメトキシベンゼン、フェノール、アニリン、N、N−ジメチルアニリンなどが挙げられる。多環芳香族類としては、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、テトラセン、フェナントレン、テトラリン、アズレンなどが挙げられる。シフ塩基類としては、2-aza-hept-1-en-1-yl-cyclohexaneなどが挙げられる。ヘテロ芳香族類としては、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリンなどが挙げられる。ヘテロ5員環化合物類としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾールなどが挙げられる。キノン類としては、ベンゾキノン、ナフトキノンなどが挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。なお、言うまでもないことであるが、二酸化炭素や一酸化炭素は不飽和結合を有しているが一般に有機化合物とは見なされないので、本実施形態における不飽和結合を有する有機化合物から除外される。
上記の不飽和化合物の中でも、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、テトラリンなど(以下、「ベンゼン等」と記載する。)は、水素化の前後において非水溶性であり、水と相分離可能であるため、生成物としての回収が非常に容易である点において、アセトン等の水溶性の有機化合物よりも好ましい。これらベンゼン等として、純粋な化合物を用いても良いし、複数の化合物の混合物を用いても良い。
[脱水素反応系]
図1に示すように、ローリーなどによって輸送されたMCHは、タンクT1内に貯留される。貯留されたMCHは、ポンプP1によって吸い上げられる。ポンプP1からの吐出流量は、フローコントローラ100によって制御される。ポンプP1から吐出されたMCH(L1)は、予熱器11によって20〜120℃に昇温される。昇温された液状のMCH(L2)は、蒸発器12によって蒸発され、180℃の気化されたMCH(V1)となる。MCH(V1)は、さらに加熱器13によって300℃に昇温され、MCH(V2)として脱水素反応器10に入力される。
脱水素反応器10内には、脱水素触媒やMCH(V2)を加熱するために、熱媒油などの熱媒体が通る管が配置される。また、脱水素反応器10内には、脱水素触媒が取り付けられる。MCH(V2)の脱水素反応は吸熱反応であるため、熱媒体としては例えば350℃程度のものを用いて、脱水素反応器10内を通過するMCH(V2)の脱水素反応が効率良く行われる300℃程度に維持できるように脱水素反応器10内を加熱する。脱水素反応器10内に導入されたMCH(V2)は、水素とトルエンとに分解され、水素とトルエンと未分解のMCHを含む脱水素反応物V3として330℃程度で脱水素反応器10から導出される。
脱水素反応物V3は、加熱器13において、加熱器13に導入されるMCH(V1)と熱交換を行う。熱交換された脱水素反応物V3は、例えば210℃〜220℃程度に降温した脱水素反応物V4となる。この脱水素反応物V4は、予熱器11において、予熱器11に入力されるMCH(L1)と熱交換を行う。この予熱器11において、脱水素反応物V4とMCH(L1)とを熱交換することによって、後段の蒸発器12での熱交換量を減らすことができる。すなわち、このような構成とすることによって、後述するように、熱媒体を加熱するためのエネルギー消費を抑制することができるため、装置全体のエネルギー効率を高めることができる。この予熱器11において熱交換されたMCH(V5)は、例えば130℃〜140℃まで降温し、その後、水素精製系1Bに導出される。
脱水素反応器10に導入される熱媒体L11は、熱媒ボイラ21において加熱される。脱水素反応器10内で吸熱された熱媒体L12は、蒸発器12においてMCH(L2)と熱交換してMCH(L2)を蒸発させて180℃程度まで昇温する。その後、降温した熱媒体L13は、ポンプP2によって再び熱媒ボイラ21に入力されて加熱される。本実施形態1において熱媒体は、伝熱効率の観点から熱媒油を採用しているが、これには限られない。なお、熱媒体は、タンクT2に貯留され、熱媒体の循環系において熱媒体が不足する場合には当該循環系を構成する管路に熱媒体が補給され、熱媒体が多い場合には当該循環系を構成する管路から引き抜かれる。
熱媒ボイラ21は、ラインLN11を流れるLPガスG1とラインLN12を流れる空気G2とが流入し、LPガスG1を燃焼することによって熱媒体L13を加熱する。なお、ラインLN11には、水素精製器30のオフガスG31を供給する供給ラインLN1が接続される。したがって、LPガスG1には、オフガスG31が混入される。空気G2は、ブロア22によって吸引され、空気予熱器23によって予熱された後、熱媒ボイラ21に入力される。熱媒ボイラ21で燃焼した燃焼ガスG3は、空気予熱器23で空気G2と熱交換を行った後、燃焼排ガスとして大気に排出される。この空気予熱器23を用いた空気予熱によってエネルギー効率を高めることができる。なお、熱媒ボイラ21による熱媒体の加熱制御は、温度コントローラ200が脱水素反応器10内の温度を検出し、この検出温度をもとにポンプP2による熱媒ボイラ21への熱媒体流量を調整するとともに、温度コントローラ201が検出する脱水素反応器10に流入する熱媒体L11の温度を検出し、この検出温度をもとに、フローコントローラ103を介して、熱媒ボイラ21で燃焼するLPガスG1の流量を調整することによってなされる。フローコントローラ103は、バルブVL103の開閉制御を行う。
なお、本実施の形態では、熱媒ボイラ21を用いて熱媒体を加熱し、この加熱された熱媒体によって脱水素反応器10の加熱を行っている。このような熱媒体を用いた加熱機構を採用すると、例えばバーナーにより直接加熱する加熱機構に比べて、より均一に加熱することができるため、脱水素反応器10の温度制御をより安定して行うことができる。熱媒体を用いた加熱機構としては、液体状の熱媒体を用いたものには限られず、例えばLPガスをバーナーなどによって燃焼した燃焼ガスを直接、脱水素反応器10内の配管に流入してMCH(V2)を加熱するような気体状の熱媒体を用いたものでもよい。また、加熱機構としては、熱媒体を用いたものには限られず、例えばバーナーにより直接加熱する機構を採用しても良い。
また、上述した熱媒ボイラ21は、LPガスG1を燃焼するようにしているが、これに限らず、灯油などの燃料を用いてもよい。ただし、供給ラインLN1を介して第1水素含有物G31と混合する場合、気化された状態の灯油に第1水素含有物G31を混合することが好ましい。
本実施の形態による脱水素反応系1Aでは、脱水素反応器10から出力される脱水素反応物V3の熱エネルギーを用いて加熱器13で脱水素反応器10に流入するMCH(V1)を加熱するとともに、蒸発器12の前段に配置された予熱器11が、加熱器13による熱交換後の脱水素反応物V4の熱エネルギーを用いて、蒸発前の液状のMCH(L1)を予熱するようにしている。この結果、蒸発器12においてMCH(L1)の蒸発に消費される熱媒体L12の熱エネルギーを減少することができる。この熱媒体L12から失われる熱エネルギーの減少は、熱媒ボイラ21で消費されるエネルギーの減少をもたらし、結果的に装置全体のエネルギー効率を向上させることができる。
[水素精製系]
一方、予熱器11を介した脱水素反応物V5は、水素精製系1Bに流入する。脱水素反応物V5は、冷却器31で例えば140℃から40℃程度まで冷却され、気液分離器35によって気液分離される。気液分離器35で液状物質として分離されず、水素含有量が高い脱水素反応物V6は、さらに冷却器32で例えば40℃から15℃程度まで冷却され、気液分離器36によって気液分離される。気液分離器36で液状物質として分離されず、水素含有量がさらに高まった脱水素反応物V7は、コンプレッサP3によって加圧された脱水素反応物V30として水素精製器30に入力される。なお、コンプレッサP3によって加圧された脱水素反応物V30は、加圧によって温度上昇するため、水素精製器30に導入する前に、冷却器33によって例えば80℃〜100℃まで冷却される。
また、図1に示すように、脱水素反応物V7は、コンプレッサP3の前段から一部を引き抜くことができる。この点が、図3に示す従来の水素製造装置と異なる点である。引き抜かれた脱水素反応物V7の一部は、供給ラインLN4を介して供給ラインLN1に接続され、供給ラインLN1を介してLPガスG1と混合する。
水素精製器30は、脱水素反応物V30から製品水素である水素V31と、水素V31よりも水素濃度が低い第1水素含有物とに分離する機能を有するものであり、本実施の形態では膜分離機構を用いたものが採用される。膜分離機構に採用される水素分離膜としては、コンプレッサP3から導入される圧力に耐え得る(例えば900kPa以上の耐圧性がある)膜として、カーボン膜、パラジウム膜、ゼオライト膜などが挙げられるが、耐圧性や小さい差圧での実用化の観点ではカーボン膜およびゼオライト膜が比較的好ましく、中でもカーボン膜が振動に対する機械的強度の観点で特に好ましい。カーボン膜は、分子量の小さい水素を透過させ、トルエンや未分解物質などの相対的に分子量の大きいものを透過させない機能を有している。コンプレッサP3は、200kPaの脱水素反応物V7を900kPaまで昇圧した脱水素反応物V30として水素精製器30に出力する。水素精製器30における水素分離時の差圧は、200kPaであるため、分離された水素V31は、90℃で700kPaとなる。水素V31は、冷却器34で、40℃まで冷却し、フローコントローラ101で調整して700kPaの水素V32として外部へ導出される。すなわち、要求された外部圧力及び温度をもつ製品水素として外部に供給される。
また、上述した水素精製器30は、膜分離方式を用いたものであったが、これに限らず、圧力スイング吸着(PSA:Pressure Swing Adsorption)方式の水素分離器であるPSA装置や、温度スイング吸着(TSA:Temperature Swing Adsorption)方式の水素精製器を用いてもよい。
ここで、圧力コントローラ400は、コンプレッサP3が出力する圧力が所定圧となるように制御する。この所定圧は、圧力損失を考慮し、水素精製器30における水素精製により生じる差圧200kPaと、水素精製器30によって分離された水素V31の外部出力の圧力700kPaとを合わせた圧力900kPaよりも高い圧力にする。コンプレッサP3が出力する圧力をこのような所定圧にすることによって、水素精製器30の後段に従来設けていた、製品水素として必要な圧力に昇圧するための製品水素出力専用のコンプレッサを設ける必要がなくなる。この結果、装置全体をコンパクトにすることができる。また、コンプレッサを分散配置せず、大型のコンプレッサに集約することによって圧力効率を高めることができ、結果的に、水素精製器30による水素精製処理に必要なエネルギー及び製品水素の供給処理に必要なエネルギーのトータルエネルギーを削減することができる。
なお、気液分離器35,36において液状物質として分離されたトルエン含有量が大きく水素が含まれる液化不純物L21,L22は、タンクT3に捕集され、回収トルエンとして用いられる。回収トルエンは、再び水素と反応させることにより水素化物(MCH)として繰り返し使用することができる。
水素精製器30における膜分離機構の水素分離膜を透過しなかった第1水素含有物(オフガス)G31は、供給ラインLN1を介してラインLN11に接続され、LPガスG1に混合されて熱媒ボイラ21に導入される。第1水素含有物G31には、水素分離膜を透過できなかった水素が含まれ、少なくともこの水素が燃焼に寄与する。ここで、フローコントローラ102は、第1水素含有物G31の流量が所定流量となるように、バルブVL102を制御する。
なお、図1において、温度コントローラ202〜204は、冷却器31〜33から出力されたガス温度を検出し、各冷却器31〜33に流入する冷却水の流量を調整することによって温度制御を行っている。ここで、冷却器31,33,34は、必要冷却能力が小さいため、クーリングタワーを介して自然冷却した冷却水を用いており、冷却器32は、必要冷却能力が大きいため、チラーを介して強制的に電気冷却した冷却水を用いている。なお、クーリングタワーを有効活用し、冷却器31,32による多段冷却を行うことによって強制冷却による電力消費が抑えられるため、装置全体のエネルギー効率を高めることができる。
また、気液分離器35,36の液化したトルエンの排出は、それぞれレベルコントローラ301,302によって排出制御される。すなわち、レベルコントローラ301,302は、それぞれ検出する液面が所定高さ以上となった場合にバルブを開いてトルエンをタンクT3に排出する。また、フローコントローラ101は、水素V32の導出流量が所定流量となるように、バルブを制御する。
[全体エネルギー効率の制御]
図1に示す水素製造装置では、高い全体エネルギー効率を維持したいが、水素精製器30の水素回収率の設定値がすぐには変更できない場合や、変更したくない場合、すなわち、水素精製器30の水素回収率の設定値が固定の場合、以下のようにして全体エネルギー効率を制御することができる。図1に示すように、コンプレッサP3の前段から脱水素反応物V7の一部を引き抜き、供給ラインLN4を介して供給ラインLN1に接続される。供給ラインLN4上では、フローコントローラ104によってバルブVL104の開度制御を行って流量制御が行われる。
水素精製器30に導入される脱水素反応物V7の量が減るため、引き抜かれる前の脱水素反応物V7に対する水素V31の量が減り、脱水素反応物V7との対比でみると水素回収率は減少するが、熱媒ボイラ21の燃料の消費が減少することにより、全体のエネルギー効率を向上することができる。
また、図2に示すように、水素精製器30から導出された水素V31の一部を、供給ラインLN5を介して引き抜き、これによって実質的な水素回収率を調整してもよい。供給ラインLN5は、供給ラインLN1に接続され、供給ラインLN5上では、フローコントローラ105によってバルブVL105の開度制御を行って流量を制御する。
本実施の形態では、第1水素含有物G31に含まれる水素を熱媒ボイラ21の燃焼に用いることによって、熱媒ボイラ21の燃料(LPガスG1)を減らすことができ、全体エネルギー効率を向上させることができる。
なお、図1及び図2に示した構成を混在させた構成としてもよい。すなわち、脱水素反応物V7の一部及び水素V31の一部を引き抜く構成としてもよい。
以上により、装置全体の水素製造に関する全体エネルギー効率の水素回収率依存性をもとに、全体エネルギー効率が最も高くなる最適水素回収率となるように水素精製器30の水素回収率を設定することができる。
また、本実施の形態では、水素回収率の設定を変えずに全体エネルギー効率を制御する場合について述べたが、水素精製器に導入される脱水素反応物V30の精製時間を調節することで、水素回収率を変更することもできる。
1 水素製造装置
1A 脱水素反応系
1B 水素精製系
10 脱水素反応器
11 予熱器
12 蒸発器
13 加熱器
21 熱媒ボイラ
22 ブロア
23 空気予熱器
30 水素精製器
31,32,33,34 冷却器
35,36 気液分離器
100,101,102,103,104,105 フローコントローラ
200,201,202,203,204 温度コントローラ
301,302 レベルコントローラ
400 圧力コントローラ
G1 LPガス
G2 空気
G31 第1水素含有物(オフガス)
L11,L12,L13 熱媒体
L21,L22 液化不純物
P1,P2 ポンプ
P3 コンプレッサ
T1,T2,T3 タンク
V3,V4,V5,V6,V7,V30 脱水素反応物
V31,V32 水素
VL102,VL103,VL104,VL105 バルブ
LN1,LN4,LN5 供給ライン
LN11,LN12 ライン

Claims (2)

  1. 有機ハイドライドを水素と脱水素物質とに分解する脱水素触媒を有する脱水素反応器と、
    前記水素および前記脱水素物質を含んでなる脱水素反応物から水素を精製する水素精製器と、
    前記脱水素反応器及び前記脱水素反応器に導入される前記有機ハイドライドを加熱する加熱器に熱を供給する熱媒体を加熱する熱媒ボイラと、
    前記水素精製器から精製された製品水素以外のガスである第1水素含有物を前記熱媒ボイラに導く供給ラインと、
    を備えた水素製造装置において、
    前記水素精製器の水素回収率の設定値が固定である場合、前記水素製造装置全体の水素製造に関する全体エネルギー効率の水素回収率依存性をもとに、前記全体エネルギー効率が最も高くなるように、前記水素精製器の前段から脱水素反応物ガスを前記第1水素含有物に混合し、前記脱水素反応物ガスの混合量を調整して水素回収率を制御することを特徴とする水素製造装置。
  2. 有機ハイドライドを水素と脱水素物質とに分解する脱水素触媒を有する脱水素反応器と、
    前記水素および前記脱水素物質を含んでなる脱水素反応物から水素を精製する水素精製器と、
    前記脱水素反応器及び前記脱水素反応器に導入される前記有機ハイドライドを加熱する加熱器に熱を供給する熱媒体を加熱する熱媒ボイラと、
    前記水素精製器から精製された製品水素以外のガスである第1水素含有物を前記熱媒ボイラに導く供給ラインと、
    を備えた水素製造装置において、
    前記水素精製器の水素回収率の設定値が固定である場合、前記水素製造装置全体の水素製造に関する全体エネルギー効率の水素回収率依存性をもとに、前記全体エネルギー効率が最も高くなるように、前記第1水素含有物に対し、前記水素精製器の後段から前記製品水素を混合し、前記製品水素の混合量を調整して水素回収率を制御することを特徴とする水素製造装置。
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