JP2018002566A - 水素製造装置 - Google Patents

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慎弥 宇井
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未来子 畑間
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暁 山本
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幸次郎 中川
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Abstract

【課題】有機ハイドライドの加熱に関し、水素製造装置内でエネルギー効率を高めることができる水素製造装置を提供すること。
【解決手段】有機ハイドライドを加熱する第1熱交換器12と、加熱された有機ハイドライドを水素と脱水素物質とに分解する脱水素触媒を有する脱水素反応器10と、脱水素反応物から水素を精製する水素精製器30と、精製された水素を圧縮して高圧水素を生成する高圧水素圧縮機40と、前記高圧水素を冷却して外部に導出する第2熱交換器41と、第1熱交換器12と第2熱交換器41との間で媒体を循環させる循環ラインLN40と、脱水素反応器10及び第1熱交換器12に供給する熱媒体を加熱する熱媒ボイラ21と、を備え、第1熱交換器12は、装置の起動運転時に熱媒ボイラ21が加熱した熱媒体を用いて加熱し、装置の定常運転時に循環ラインLN40を介した前記高圧水素の排熱を用いて加熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機ハイドライドの加熱に関し、水素製造装置内でエネルギー効率を高めることができる水素製造装置に関する。
従来から、有機ハイドライドの一種である芳香族炭化水素の水素化物を加熱して水素と脱水素物質とに分解する脱水素反応器によって生成された脱水素反応物を水素精製器によって水素を精製する水素ステーションなどの水素製造装置が知られている。水素ステーションでは、精製された水素を圧縮機によって圧縮して貯蔵し、貯蔵された水素をディスペンサによって製品水素として供給する。
ここで、特許文献1には、エンジンやタービンなどの燃焼機関から供給される熱を利用して水素を供給する水素供給装置と、燃焼機関の動力を利用して供給された水素を圧縮する圧縮機とを有し、圧縮機で圧縮した水素を水素貯蔵タンクに貯蔵する水素貯蔵システムが記載されている。
また、特許文献2には、触媒を用いて有機ハイドライドから水素を生成する水素生成装置と、水素生成装置によって生成された水素を燃焼させて動力を得る動力変換装置とを備え、動力変換装置の排ガスを用いて有機ハイドライドを加熱する動力変換システムが記載されている。
特開2010−83687号公報 特開2013−67588号公報
しかしながら、上述した特許文献1,2に記載されたものは、いずれも燃焼機関や動力変換装置を必要とし、水素製造装置内でのエネルギー効率を高めるものではない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、有機ハイドライドの加熱に関し、水素製造装置内でエネルギー効率を高めることができる水素製造装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる水素製造装置は、導入される有機ハイドライドを加熱する第1熱交換器と、前記第1熱交換器で加熱された有機ハイドライドを水素と脱水素物質とに分解する脱水素触媒を有する脱水素反応器と、前記水素および前記脱水素物質を含んでなる脱水素反応物から水素を精製する水素精製器と、精製された水素を圧縮して高圧水素を生成する圧縮機と、前記高圧水素を冷却して外部に導出する第2熱交換器と、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間で媒体を循環させ前記高圧水素の排熱を回収する循環ラインと、前記脱水素反応器及び前記第1熱交換器に熱を供給する熱媒体を加熱する熱媒ボイラと、を備え、前記第1熱交換器は、水素製造装置の起動運転時に前記熱媒ボイラが加熱した熱媒体を用いて有機ハイドライドを加熱し、前記水素製造装置の定常運転時に前記循環ラインを介した前記高圧水素の排熱を用いて前記有機ハイドライドを加熱することを特徴とする。
また、本発明にかかる水素製造装置は、上記の発明において、前記第1熱交換器に導入される有機ハイドライドを加熱するヒータを備え、前記第1熱交換器は、装置の起動時に前記ヒータを用いて前記有機ハイドライドを加熱し、装置の定常運転時に前記循環ラインを介した前記高圧水素の排熱を用いて前記有機ハイドライドを加熱することを特徴とする。
また、本発明にかかる水素製造装置は、上記の発明において、前記高圧水素の排熱回収量を監視する監視部と、前記排熱回収量をもとに前記熱媒ボイラによる熱媒体の加熱量を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、有機ハイドライドの加熱に関し、水素製造装置内でエネルギー効率を高めることができる。
図1は、本発明の実施の形態1である水素製造装置の全体構成を示す回路図である。 図2は、制御部による熱交換部内のバルブ制御処理を示すフローチャートである。 図3は、実施の形態2の制御部の開度調整制御による熱媒体ライン内の媒体の熱量の変化と循環ライン内の媒体の熱量の変化を示すタイムチャートである。 図4は、本発明の実施の形態3である水素製造装置の全体構成を示す回路図である。
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1である水素製造装置1の全体構成を示す回路図である。この水素製造装置1は、脱水素反応により有機ハイドライドから水素を製造する装置であり、例えば燃料電池自動車や水素エンジン車などに水素を供給する水素ステーションに採用されるものである。図1に示すように、水素製造装置1は、脱水素反応系1Aと水素精製系1Bと高圧水素圧縮系1Cとを有する。脱水素反応系1Aは、脱水素反応器10によって有機ハイドライドを水素と脱水素物質とに分解し、当該水素および当該脱水素物質と分解されなかった未分解反応物とを含む脱水素反応物を出力する。水素精製系1Bは、脱水素反応系1Aから導出された脱水素反応物から水素精製器30によって水素を分離して外部出力する。高圧水素圧縮系1Cは、水素分離系1Bから供給された水素を高圧水素圧縮機40によって水素を圧縮し蓄圧器42に貯蔵する。なお、高圧水素圧縮系1Cには、蓄圧器42に貯蔵された水素を製品水素として供給するディスペンサ43と、ディスペンサ43によって製品水素を水素供給先に供給する際、断熱圧縮による水素供給先のタンクの温度上昇を抑えるため、製品水素を予め冷却するプレクーラ44とを有する。
有機ハイドライドは、不飽和結合を有する有機化合物の水素化物であり、脱水素触媒を用いて、水素と脱水素物質(不飽和結合を有する有機化合物)とを含む脱水素反応物に分解することができる。有機ハイドライドは、常温常圧下で液体状のものが好ましく、このようなものを採用する場合、ガソリンなどと同様に液体燃料としてローリーなどによって水素ステーションなどの水素製造装置1へ輸送することができる。本実施の形態1では、有機ハイドライドとして、メチルシクロヘキサン(以下、MCHと称する)を用いて説明するが、これには限られない。なお、不飽和結合を有する有機化合物とは、二重結合あるいは三重結合を分子内に一つ以上有し、常温常圧下で液状である有機化合物である。二重結合としては、炭素−炭素二重結合(C=C)、炭素−窒素二重結合(C=N)、炭素−酸素二重結合(C=O)、窒素−酸素二重結合(N=O)が例示される。三重結合としては、炭素−炭素三重結合、炭素−窒素三重結合が例示される。不飽和結合を有する有機化合物としては、貯蔵性および輸送性の観点から、常温常圧下で液体状の有機化合物であることが好ましい。
不飽和結合を有する有機化合物としては、例えばオレフィン類、ジエン類、アセチレン類、ベンゼン、炭素鎖置換芳香族類、へテロ置換芳香族類、多環芳香族類、シフ塩基類、ヘテロ芳香族類、ヘテロ5員環化合物類、キノン類、ケトン類などが挙げられる。オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセンなどが挙げられる。ジエン類としては、アレン、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、へブタジエン、オクタジエン、ピペリレン,イソプレンなどが挙げられる。アセチレン類としては、アセチレン、プロピン、ビニルアセチレンなどが挙げられる。炭素鎖置換芳香族類としては、アルキル置換芳香族類などが挙げられる。アルキル置換芳香族類としては、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、クメン、安息香酸などが挙げられる。へテロ置換芳香族類としては、アニソール、ジメトキシベンゼン、フェノール、アニリン、N、N−ジメチルアニリンなどが挙げられる。多環芳香族類としては、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、テトラセン、フェナントレン、テトラリン、アズレンなどが挙げられる。シフ塩基類としては、2-aza-hept-1-en-1-yl-cyclohexaneなどが挙げられる。ヘテロ芳香族類としては、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリンなどが挙げられる。ヘテロ5員環化合物類としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾールなどが挙げられる。キノン類としては、ベンゾキノン、ナフトキノンなどが挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。なお、言うまでもないことであるが、二酸化炭素や一酸化炭素は不飽和結合を有しているが一般に有機化合物とは見なされないので、本実施形態1における不飽和結合を有する有機化合物から除外される。
上記の不飽和化合物の中でも、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、テトラリンなど(以下、「ベンゼン等」と記載する。)は、水素化の前後において非水溶性であり、水と相分離可能であるため、生成物としての回収が非常に容易である点において、アセトン等の水溶性の有機化合物よりも好ましい。これらベンゼン等として、純粋な化合物を用いても良いし、複数の化合物の混合物を用いても良い。
[脱水素反応系]
図1に示すように、ローリーなどによって輸送されたMCHは、図示しないタンク内に貯留される。貯留されたMCHは、ポンプP1によって吸い上げられ、ラインLN10に導出される。ポンプP1から吐出されたMCHは、予熱器11によって20〜120℃に昇温される。昇温された液状のMCHは、熱交換部50内で蒸発器として機能する第1熱交換器12によって蒸発され、180℃の気化されたMCHとなる。MCHは、さらに加熱器13によって300℃に昇温され、脱水素反応器10に入力される。
脱水素反応器10は、管状の筐体内に、触媒が詰められた触媒層15を柱状に形成した触媒管14が並列配置され、触媒管14の周囲に熱媒体が流れる。有機ハイドライドは、脱水素反応器10の上部に設けられた、ラインLN10に接続される有機ハイドライド導入口10aから導入され、触媒層15に導入される。触媒層15を介した脱水素反応物は、脱水素反応器の下部に設けられた、ラインLN11に接続される脱水素反応物導出口10bから導出される。一方、熱媒体は、脱水素反応器10の下部に設けられた、熱媒体ラインLN21に接続された熱媒体導入口20aから導入され、触媒管14の周囲を通って脱水素反応器10の上部に設けられた、熱媒体ラインLN22に接続される熱媒体導出口20bから導出される。すなわち、有機ハイドライドの流動方向と熱媒体の流動方向とを対向させている。
脱水素反応器10内のMCHの脱水素反応は吸熱反応であり、導入された熱媒体によって脱水素反応器10内が加熱される。熱媒体としては例えば350℃程度のものを用いて、脱水素反応器10内を通過するMCHの脱水素反応が効率良く行われる300℃程度に維持できるように脱水素反応器10内を加熱する。脱水素反応器10内に導入されたMCHは、水素とトルエンとに分解され、水素とトルエンと未分解のMCHを含む脱水素反応物として330℃程度で脱水素反応器10の脱水素反応物導出口10bから導出される。
脱水素反応物導出口10bから導出された脱水素反応物は、加熱器13において、加熱器13に導入されるラインLN10上のMCHと熱交換を行う。熱交換された脱水素反応物は、例えば210℃〜220℃程度に降温した脱水素反応物となる。この脱水素反応物は、予熱器11において、予熱器11に入力されるラインLN10上のMCHと熱交換を行う。この予熱器11において、脱水素反応物とMCHとを熱交換することによって、後段の第1熱交換器12での熱交換量を減らすことができる。すなわち、このような構成とすることによって、熱媒体を加熱するためのエネルギー消費を抑制することができるため、装置全体のエネルギー効率を高めることができる。この予熱器11において熱交換された脱水素反応物は、例えば130℃〜140℃まで降温し、その後、水素精製系1Bに導出される。
熱媒体ラインLN21を介して脱水素反応器10に導入される熱媒体は、熱媒ボイラ21において加熱される。脱水素反応器10内で吸熱された熱媒体は、第1熱交換器12においてMCHと熱交換してMCHを蒸発させて180℃程度まで昇温する。その後、降温した熱媒体は、熱媒体ラインLN22を介してポンプP2に戻り、ポンプP2によって再び熱媒ボイラ21に入力されて加熱される。本実施形態1において熱媒体は、伝熱効率の観点から熱媒油を採用しているが、これには限られない。なお、熱媒体は、図示しないタンクに貯留され、熱媒体の循環系において熱媒体が不足する場合には当該循環系を構成する熱媒体ラインLN20に熱媒体が補給され、熱媒体が多い場合には当該循環系を構成する熱媒体ラインLN20から引き抜かれる。
熱媒ボイラ21には、バルブVL30を介したLPガスとブロア22を介した空気G2とが流入する。熱媒ボイラ21は、LPガスG1を燃焼することによって熱媒体を加熱する。熱媒ボイラ21で燃焼した燃焼ガスG3は、図示しない空気予熱器で空気G2と熱交換を行った後、燃焼排ガスとして大気に排出される。この空気予熱器を用いた空気予熱によってエネルギー効率を高めることができる。なお、熱媒ボイラ21による熱媒体の加熱制御は、制御部Cによってなされる。制御部Cは、触媒層温度センサT1が検出する脱水素反応器10内の温度をもとに、ポンプP2による熱媒ボイラ21への熱媒体流量を調整するとともに、熱媒ボイラ21で燃焼するLPガスG1の流量をバルブVL30の開度制御によって調整する。
なお、本実施の形態1では、熱媒ボイラ21を用いて熱媒体を加熱し、この加熱された熱媒体によって脱水素反応器10の加熱を行っている。このような熱媒体を用いた加熱機構を採用すると、例えばバーナーにより直接加熱する加熱機構に比べて、より均一に加熱することができるため、脱水素反応器10の温度制御をより安定して行うことができる。熱媒体を用いた加熱機構としては、液体状の熱媒体を用いたものには限られず、例えばLPガスをバーナーなどによって燃焼した燃焼ガスを直接、脱水素反応器10内に流入してMCHを加熱するような気体状の熱媒体を用いたものでもよい。また、加熱機構としては、熱媒体を用いたものには限られず、例えばバーナーにより直接加熱する機構を採用しても良い。
[水素精製系]
一方、予熱器11を介した脱水素反応物は、水素精製系1Bに流入する。脱水素反応物は、冷却器16で例えば140℃から40℃程度まで冷却され、気液分離器などの凝縮器24によって気液分離される。凝縮器24で液状物質として分離されない、水素含有量が高い脱水素反応物は、さらに図示しない冷却器で例えば40℃から15℃程度まで冷却されて気液分離される。凝縮器24で液状物質として分離されず、水素含有量がさらに高まった脱水素反応物は、コンプレッサP3によって加圧された脱水素反応物として水素精製器30に入力される。なお、コンプレッサP3によって加圧された脱水素反応物は、加圧によって温度上昇するため、水素精製器30に導入する前に、冷却器17によって例えば80℃〜100℃まで冷却される。
水素精製器30は、導入される脱水素反応物から水素を選択的に分離する機能を有するものであり、本実施の形態1では膜分離機構を用いたものが採用される。膜分離機構に採用される水素分離膜としては、コンプレッサP3から導入される圧力に耐え得る(例えば900kPa以上の耐圧性がある)膜として、カーボン膜、パラジウム膜、ゼオライト膜などが挙げられるが、耐圧性や小さい差圧での実用化の観点ではカーボン膜およびゼオライト膜が比較的好ましく、中でもカーボン膜が振動に対する機械的強度の観点で特に好ましい。カーボン膜は、分子量の小さい水素を透過させ、トルエンや未分解物質などの相対的に分子量の大きいものを透過させない機能を有している。コンプレッサP3は、200kPaの脱水素反応物を900kPaまで昇圧した脱水素反応物として水素精製器30に出力する。水素精製器30における水素分離時の差圧は、200kPaであるため、分離された水素V31は、90℃で700kPaとなる。水素V31は、図示しない冷却器で、40℃まで冷却し、700kPaの水素として高圧水素圧縮系1Cの高圧水素圧縮機40に導出される。すなわち、要求された外部圧力及び温度をもつ水素V31としてラインLN30に導出される。
水素精製器30における膜分離機構の水素分離膜を透過しなかった非透過ガスG31は、ラインLN31を介して脱水素反応器10の導入側に入力してもよい。非透過ガスG31には水素分離膜を透過できなかった水素が含まれる。非透過ガスG31内の水素が脱水素反応器10に導入されると、脱水素反応器10内の脱水素触媒の劣化を抑制することができる。
[高圧水素圧縮系]
高圧水素圧縮機40は、導入された水素V31を圧縮し、第2熱交換器41を介して蓄圧器42に貯蔵する。高圧水素圧縮機40は、導入された水素V31を80MPaまで圧縮する。高圧水素圧縮機40から導出される水素は900℃程度となる。そして、第2熱交換器41を介した水素は、圧力80MPaを維持したまま、500〜600℃程度まで冷却される。この冷却された水素が蓄圧器42に貯蔵される。その後、蓄圧器42に貯蔵された水素は、ディスペンサ43によって製品水素として外部に供給される。
[熱交換部と循環ラインの構成]
循環ラインLN40は、第1熱交換器12と第2熱交換器41との間で媒体を循環させる。すなわち、循環ラインLN40は、第2熱交換器41において高圧水素圧縮機40で圧縮された高圧水素の排熱を回収し、第1熱交換器12に供給する。循環ラインLN40内に流れる媒体の流量は、ポンプP4によって調整される。この流量調整は、制御部Cによって行われる。
熱交換部50は、第1熱交換器12を有し、第1熱交換器12は、ラインLN10内を流れるMCHと、熱媒体ラインLN20内を流れる熱媒体または循環ラインLN40内を流れる媒体と熱交換する。なお、熱媒体ラインLN20内を流れる熱媒体と循環ラインLN40内を流れる媒体とは同じ媒体を用いている。
熱交換部50内で、熱媒体ラインLN20は、第1熱交換器12の上流側にバルブVL21を設け、第1熱交換器12の下流側にバルブVL22を設けている。また、熱媒体ラインLN20には、バルブVL21の上流側とバルブVL22の下流側とを接続する熱媒体バイパスラインLN20aが設けられている。熱媒体バイパスラインLN20aには、バルブVL23が設けられている。
また、熱交換部50内で、循環ラインLN40は、第1熱交換器12の上流側にバルブVL41を設け、第1熱交換器12の下流側にバルブVL42を設けている。また、循環ラインLN40には、バルブVL41の上流側とバルブVL42の下流側とを接続する循環バイパスラインLN40aが設けられている。循環バイパスラインLN40aには、バルブVL43が設けられている。
バルブVL21〜VL23,VL41〜VL43は、制御部Cに接続される。制御部Cは、バルブVL21〜VL23,VL41〜VL43の開閉制御を行う。装置起動時は、高圧水素圧縮機40に導入される水素量が少ないため、第2熱交換器41による排熱回収量が少ない。このため、制御部Cは、装置起動時においてバルブVL23,VL41,VL42を閉とし、バルブVL21,VL22,VL43を開とし、熱媒体ラインLN20を介して導入される媒体を用いて有機ハイドライドを加熱し、装置起動後、装置が定常運転となった場合、バルブVL23,VL41,VL42を開とし、バルブVL21,VL22,VL43を閉とし、循環ラインLN40を介し、第2熱交換器41によって回収された高圧水素の排熱を用いて有機ハイドライドを加熱する。
なお、循環ラインLN40上には、制御部Cに接続される監視部60が設けられる。監視部60は、循環ラインLN40内を流れる媒体の流量及び温度を測定し、第2熱交換器41による回収熱量を求めて制御部Cに通知する。
また、制御部Cは、ラインLN10の第1熱交換器12の下流に設けられて有機ハイドライド加熱センサT2が検出する温度をもとに有機ハイドライドが蒸発されているか否かを検出する。制御部Cは、有機ハイドライドが蒸発されていない場合、第1熱交換器12に供給する総熱量を増大して有機ハイドライドを蒸発させる制御を行う。
[制御部によるバルブ制御処理]
つぎに、図2に示すフローチャートを参照して、制御部Cによる熱交換部50内のバルブ制御処理について説明する。まず、制御部Cは、装置起動時に、バルブVL23,VL41,VL42を閉とし、バルブVL21,VL22,VL43を開とし、熱媒体ラインLN20を流れる媒体によって有機ハイドライドを加熱する(ステップS101)。
その後、制御部Cは、監視部60が求めた回収熱量が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS102)。この所定値は、例えば、第1熱交換器12に導入される有機ハイドライドを蒸発させることができる回収熱量の値である。あるいは、所定値は、装置が定常運転に移行した時の回収熱量である。回収熱量が所定値以上でない場合(ステップS102,No)には、ステップS101に移行し、現在のバルブ開閉状態を維持する。一方、回収熱量が所定値以上である場合(ステップS102,Yes)には、バルブVL23,VL41,VL42を開とし、バルブVL21,VL22,VL43を閉とし、循環ラインLN40を介し、第2熱交換器41によって回収された高圧水素の排熱を用いて有機ハイドライドを加熱し(ステップS103)、ステップS102に移行する。
なお、熱媒体ラインLN20内を流れる熱媒体と循環ラインLN40内を流れる媒体とは異なる媒体であってもよい。この場合、ラインLN10内を流れるMCHと熱媒体ラインLN20内を流れる熱媒体との熱交換と、ラインLN10内を流れるMCHと循環ラインLN40内を流れる媒体との熱交換とは、個別に行われる。すなわち、熱媒体ラインLN20と循環ラインLN40とは合流しない個別のラインとする。
また、ラインLN10内を流れるMCHと熱媒体ラインLN20内を流れる熱媒体との熱交換と、ラインLN10内を流れるMCHと循環ラインLN40内を流れる媒体との熱交換とを物理的に分離した2つの熱交換器で構成してもよい。
本実施の形態1では、高圧水素の排熱を回収し、この回収熱量を用いて有機ハイドライドを加熱するようにしているので、装置全体としてのエネルギー効率を高めることができる。
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、制御部CがバルブVL21〜VL23,VL41〜VL43の開閉制御を行い、熱媒体ラインLN20を流れる熱媒体の熱量あるいは循環ラインLN40を流れる媒体の熱量を排他的に用いるものであったが、この実施の形態2では、制御部CがバルブVL21〜VL23,VL41〜VL43の開度調整制御を行うようにしている。本実施の形態2では、熱媒体ラインLN20と循環ラインLN40とはそれぞれ独立したラインとしている。したがって、熱媒体ラインLN20を流れる媒体と循環ラインLN40を流れる媒体とは異なっていてもよい。
制御部Cは、装置起動時に、バルブVL23,VL41,VL42を閉とし、バルブVL21,VL22,VL43を開とし、熱媒体ラインLN20内の媒体のみによって有機ハイドライドを加熱する。その後、制御部Cは、監視部60が求めた回収熱量の増大とともに、バルブVL23,VL41,VL42の開度を大きくし、バルブVL21,VL22,VL43の開度を小さくする。そして、装置が定常状態に達した時点で、バルブVL23,VL41,VL42を開とし、バルブVL21,VL22,VL43を閉として、循環ラインLN40の媒体のみによって有機ハイドライドを加熱する。
図3は、実施の形態2の制御部Cの開度調整制御による熱媒体ラインLN20内の媒体の熱量Q1の変化と循環ラインLN40内の媒体の熱量Q2の変化を示すタイムチャートである。図3に示すように、装置起動開始の時点t0における熱媒体ラインLN20が供給する熱量Q1は、脱水素反応器10に供給する熱量Qaと第1熱交換器12に供給する熱量Qcとの和である熱量Qcである。また、装置起動開始の時点t0における循環ラインLN40の熱量は0である。
その後、装置が定常運転状態となる時点t1までの間、循環ラインLN40内の媒体の熱量Q2は徐々に増大し、時点t1で熱量Qbとなる。一方、装置が定常運転状態となる時点t1までの間、熱媒体ラインLN20内の媒体の熱量Q1は、徐々に減少し、時点t1以降は、脱水素反応器10のみに供給する熱量Qaとなる。なお、時点t0〜t1の間において、熱媒体ラインLN20が第1熱交換器12に供給する熱エネルギーΔQ1は、循環ラインLN40のみで第1熱交換器12に供給する不足分を補う熱エネルギーΔQ2となる。
このような開度調整制御を行うことによって、装置が定常状態となるまでの装置起動時において循環ラインLN40が回収する熱量を有効利用することができる。
(実施の形態3)
上述した実施の形態1,2では、熱媒ボイラ21によって加熱された媒体が熱媒体ラインLN20を介して脱水素反応器10及び第1熱交換器12を経由するようにしていたが、この実施の形態3では、図4に示すように、循環ラインLN20は、脱水素反応器10のみを経由し、第1熱交換器12を経由していない。そして、第1熱交換器12における有機ハイドライドの加熱は、熱交換部50内に設けたヒータ51を用いている。
制御部Cは、装置起動時に、ヒータ51を用いて第1熱交換器12に、有機ハイドライドの蒸発に必要な熱量を供給し、装置起動後における循環ラインLN40を介した回収熱量の増大に伴って、蒸発に必要な熱量の不足分をヒータ51から供給するようにしている。
なお、ヒータ51は、電気式ヒータであっても、蒸気式ヒータであってもよい。さらには、燃焼式ヒータであってもよい。要は、独立して第1熱交換器12に熱量を供給できるものであればよい。
1 水素製造装置
1A 脱水素反応系
1B 水素精製系
1C 高圧水素圧縮系
10 脱水素反応器
10a 有機ハイドライド導入口
10b 脱水素反応物導出口
11 予熱器
12 第1熱交換器
13 加熱器
14 触媒管
15 触媒層
16,17 冷却器
20a 熱媒体導入口
20b 熱媒体導出口
21 熱媒ボイラ
22 ブロア
24 凝縮器
30 水素精製器
40 高圧水素圧縮機
41 第2熱交換器
42 蓄圧器
43 ディスペンサ
44 プレクーラ
50 熱交換部
51 ヒータ
60 監視部
C 制御部
G1 LPガス
G2 空気
G3 燃焼ガス
G31 非透過ガス
LN10,LN11,LN30,LN31 ライン
LN20,LN21,LN22 熱媒体ライン
LN20a 熱媒体バイパスライン
LN40 循環ライン
LN40a 循環バイパスライン
P1,P2,P4 ポンプ
P3 コンプレッサ
T1 触媒層温度センサ
T2 有機ハイドライド加熱センサ
V31 水素
VL21,VL22,VL23,VL30,VL41,VL42,VL43 バルブ

Claims (3)

  1. 導入される有機ハイドライドを加熱する第1熱交換器と、
    前記第1熱交換器で加熱された有機ハイドライドを水素と脱水素物質とに分解する脱水素触媒を有する脱水素反応器と、
    前記水素および前記脱水素物質を含んでなる脱水素反応物から水素を精製する水素精製器と、
    精製された水素を圧縮して高圧水素を生成する圧縮機と、
    前記高圧水素を冷却して外部に導出する第2熱交換器と、
    前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間で媒体を循環させ前記高圧水素の排熱を回収する循環ラインと、
    前記脱水素反応器及び前記第1熱交換器に熱を供給する熱媒体を加熱する熱媒ボイラと、
    を備え、
    前記第1熱交換器は、水素製造装置の起動運転時に前記熱媒ボイラが加熱した熱媒体を用いて有機ハイドライドを加熱し、前記水素製造装置の定常運転時に前記循環ラインを介した前記高圧水素の排熱を用いて前記有機ハイドライドを加熱することを特徴とする水素製造装置。
  2. 前記第1熱交換器に導入される有機ハイドライドを加熱するヒータを備え、
    前記第1熱交換器は、装置の起動時に前記ヒータを用いて前記有機ハイドライドを加熱し、装置の定常運転時に前記循環ラインを介した前記高圧水素の排熱を用いて前記有機ハイドライドを加熱することを特徴とする請求項1に記載の水素製造装置。
  3. 前記高圧水素の排熱回収量を監視する監視部と、
    前記排熱回収量をもとに前記熱媒ボイラによる熱媒体の加熱量を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の水素製造装置。
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