JP2018012610A - 水素製造装置及び水素製造方法 - Google Patents

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功夫 中川
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Hiroyuki Toyama
広幸 當山
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暁 山本
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Kojiro Nakagawa
幸次郎 中川
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智三 永塚
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Abstract

【課題】停止時に脱水素反応器内の脱水素触媒の劣化を低減することが可能な水素製造装置を提供する。【解決手段】有機ハイドライドを脱水素反応により分解する脱水素触媒を有する脱水素反応器と、脱水素反応器への有機ハイドライドの供給経路を開閉する開閉弁と、脱水素反応器を含む脱水素反応系を加熱する加熱器と、脱水素反応系の温度検出器と、分解された脱水素反応物を気液分離する気液分離器と、分離された気体成分を精製して水素を分離する精製器と、気液分離器と精製器との間に設けられ、気体成分の排出先を精製器又は装置外に切り替える切替弁と、装置内の異常を検出する異常検出部と、異常が検出された場合に、切替弁により排出先を装置外に切り替え、加熱器による加熱温度を停止基準温度に変更した後、温度検出器により検出された温度が停止基準温度以下になった場合に、開閉弁を閉弁させると共に加熱器を停止させる制御部とを有する水素製造装置。【選択図】図3

Description

本発明は、水素製造装置及び水素製造方法に関する。
有機ハイドライドの一種である芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により得られる脱水素反応物から水素を精製する水素製造装置が知られている。例えば、板状の脱水素触媒と板状部材とが積層された脱水素反応器を含む熱交換型有機ハイドライド脱水素システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されているシステムにおける停止処理では、脱水素反応器への有機ハイドライドの供給を停止して空気を供給しながら脱水素反応器の温度を低下させた後に、システムの全体が停止するように各部が制御される。
特開2011−251858号公報
しかしながら、脱水素反応器が高温の状態で空気が供給されると反応器内の脱水素触媒が劣化する可能性がある。このため、上記したシステムの停止処理を繰り返し行うと、脱水素触媒が劣化して脱水素反応器における脱水素反応の効率が低下する可能性がある。
また、従来から、脱水素反応器を含む水素製造装置では、異常発生時に直ちに窒素や空気により脱水素反応器から脱水素反応物等をパージして装置全体を停止させる場合があった。このように異常発生時に停止させる場合にも、高温状態の脱水素反応器に窒素や空気が供給されることで反応器内の脱水素触媒が劣化する場合がある。このため、異常が発生する度にこのような停止処理を実行すると、脱水素触媒が劣化して脱水素反応器における脱水素反応の効率が低下する可能性がある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、停止時に脱水素反応器内の脱水素触媒の劣化を低減することが可能な水素製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様における水素製造装置によれば、有機ハイドライドを脱水素反応により分解する脱水素触媒を有する脱水素反応器と、前記脱水素反応器への前記有機ハイドライドの供給経路を開閉する開閉弁と、前記脱水素反応器を含む脱水素反応系を加熱する加熱器と、前記脱水素反応系における温度を検出する温度検出器と、前記脱水素反応器において分解された脱水素反応物を気液分離する気液分離器と、前記気液分離器により分離された気体成分を精製して水素を分離する精製器と、前記気液分離器と前記精製器との間に設けられ、前記気体成分の排出先を前記精製器又は装置外に切り替える切替弁と、装置内の異常を検出する異常検出部と、前記異常検出部により異常が検出された場合に、前記切替弁により前記排出先を装置外に切り替え、前記加熱器による加熱温度を停止基準温度に変更した後、前記温度検出器により検出された温度が前記停止基準温度以下になった場合に、前記開閉弁を閉弁させると共に前記加熱器を停止させる制御部と、を有する。
本発明の実施形態によれば、停止時に脱水素反応器内の脱水素触媒の劣化を低減することが可能な水素製造装置が提供される。
実施形態における水素製造装置の構成を例示する図である。 実施形態における制御装置を含む構成を例示する図である。 実施形態における異常停止処理のフローチャートを例示する図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
図1は、本実施形態における水素製造装置1の構成を例示する図である。水素製造装置1は、例えば燃料電池自動車や水素エンジン車等に水素を供給する水素ステーション等に設けられ、脱水素反応により有機ハイドライドから水素を製造する。
図1に示されるように、水素製造装置1は、脱水素反応系1A及び水素分離系1Bを有する。脱水素反応系1Aは、脱水素反応器10により有機ハイドライドを水素と脱水素物質とに分解し、分解された水素及び脱水素物質と分解されなかった未分解反応物とを含む脱水素反応物を出力する。水素分離系1Bは、脱水素反応系1Aから出力される脱水素反応物から気液分離器35及び精製器30により水素を分離・精製して製品水素を出力する。
有機ハイドライドは、不飽和結合を有する有機化合物の水素化物であり、脱水素触媒を用いて水素と脱水素物質(不飽和結合を有する有機化合物)とを含む脱水素反応物に分解することができる。有機ハイドライドは、ガソリン等と同様に液体燃料としてタンクローリー等で水素製造装置1に輸送することができるため、常温常圧下で液体状のものが好ましい。以下では、有機ハイドライドとしてメチルシクロヘキサン(以下、「MCH」と称する)を用いた場合について説明するが、有機ハイドライドはこれに限られるものではない。
なお、不飽和結合を有する有機化合物とは、二重結合あるいは三重結合を分子内に一つ以上有し、常温常圧下で液状の有機化合物である。二重結合としては、炭素−炭素二重結合(C=C)、炭素−窒素二重結合(C=N)、炭素−酸素二重結合(C=O)、窒素−酸素二重結合(N=O)が例示される。三重結合としては、炭素−炭素三重結合、炭素−窒素三重結合が例示される。不飽和結合を有する有機化合物としては、貯蔵性及び輸送性の観点から、常温常圧下で液体状の有機化合物であることが好ましい。
不飽和結合を有する有機化合物としては、例えばオレフィン類、ジエン類、アセチレン類、ベンゼン、炭素鎖置換芳香族類、へテロ置換芳香族類、多環芳香族類、シフ塩基類、ヘテロ芳香族類、ヘテロ5員環化合物類、キノン類、ケトン類等が挙げられる。オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン等が挙げられる。ジエン類としては、アレン、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、へブタジエン、オクタジエン、ピペリレン、イソプレン等が挙げられる。アセチレン類としては、アセチレン、プロピン、ビニルアセチレン等が挙げられる。炭素鎖置換芳香族類としては、アルキル置換芳香族類等が挙げられる。アルキル置換芳香族類としては、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、クメン、安息香酸等が挙げられる。へテロ置換芳香族類としては、アニソール、ジメトキシベンゼン、フェノール、アニリン、N、N−ジメチルアニリン等が挙げられる。多環芳香族類としては、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、テトラセン、フェナントレン、テトラリン、アズレン等が挙げられる。シフ塩基類としては、2-aza-hept-1-en-1-yl-cyclohexane等が挙げられる。ヘテロ芳香族類としては、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン等が挙げられる。ヘテロ5員環化合物類としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール等が挙げられる。キノン類としては、ベンゾキノン、ナフトキノン等が挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
上記した不飽和化合物の中でも、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、テトラリン等(以下、「ベンゼン等」と称する)は、水素化の前後において非水溶性であり、水と相分離可能であるため、生成物としての回収が非常に容易である点において、アセトン等の水溶性の有機化合物よりも好ましい。これらベンゼン等として、純粋な化合物を用いても良いし、複数の化合物の混合物を用いても良い。
図1に示されるように、タンクローリー等により輸送されたMCHは、タンクT1に貯留される。タンクT1に貯留されているMCHは、ポンプP1により吸い上げられて脱水素反応系1Aに供給される。ポンプP1からの吐出流量は、フローコントローラ100により制御される。
ポンプP1から吐出されたMCH(L1)は、予熱器11により例えば20〜120℃に加熱される。予熱器11により加熱された液状のMCH(L2)は、蒸発器12によりさらに加熱されて蒸発し、例えば180℃の気化されたMCH(V1)となる。
蒸発器12によるMCH(L2)の加熱温度は、温度コントローラ204により制御される。温度コントローラ204は、例えば蒸発器12により加熱気化されたMCH(V1)の温度を検出する温度センサ等を有し、MCH(V1)の検出温度に基づいて蒸発器12の加熱温度を制御する。
蒸発器12により気化されたMCH(V1)は、加熱器13により例えば300℃まで加熱され、MCH(V2)として脱水素反応器10に供給される。
脱水素反応器10は、例えばシリコン系オイル等の熱媒体が流される流路を有し、脱水素触媒が充填されてMCH(V2)が供給される複数の配管が設けられている。脱水素反応器10は、熱媒ボイラ21から供給される熱媒体により加熱される。熱媒体は、例えば、脱水素反応器10内がMCH(V2)の脱水素反応が効率良く行われる300℃程度となるように、熱媒ボイラ21により350℃程度に加熱されて脱水素反応器10に供給される。
脱水素反応器10に供給されたMCH(V2)は、水素とトルエンに分解され、水素、トルエン、及び未分解のMCHを含む脱水素反応物V3として、例えば330℃程度の温度で脱水素反応器10から排出される。
脱水素反応物V3は、加熱器13において、加熱器13を通るMCH(V1)と熱交換を行う。加熱器13において熱交換した脱水素反応物V3は、例えば215℃程度に温度が下がった脱水素反応物V4となる。加熱器13を通った脱水素反応物V4は、予熱器11において、予熱器11を通るMCH(L1)と熱交換を行う。予熱器11において熱交換された脱水素反応物V5は、例えば140℃程度まで温度が下がった状態で水素分離系1Bに出力される。
予熱器11において脱水素反応物V4とMCH(L1)とが熱交換することで、蒸発器12におけるMCH(L2)と熱媒体との熱交換量を減らすことができ、熱媒体を加熱するためのエネルギー消費を抑制し、装置全体のエネルギー効率を高めることができる。
脱水素反応器10に供給される熱媒体L11は、熱媒ボイラ21において加熱される。脱水素反応器10を通って脱水素反応により吸熱された熱媒体L12は、蒸発器12においてMCH(L2)と熱交換してMCHを加熱気化させる。蒸発器12において温度が下がった熱媒体L13は、ポンプP2により再び熱媒ボイラ21に供給されて加熱される。
本実施形態では、熱媒体としてシリコン系オイルを用いているが、熱媒体はこれに限られるものではない。熱媒体は、タンクT2に貯留されており、熱媒体の循環系において熱媒体が不足する場合に適宜補給され、循環系において熱媒体が多い場合にはタンクT2に戻される。
熱媒ボイラ21は、供給されるLPガスG1及び空気G2を燃焼して熱媒体L13を加熱する。空気G2は、ブロア22により吸引されて熱媒ボイラ21に供給される。熱媒ボイラ21で燃焼した燃焼ガスG3は、燃焼排ガスとして装置外に排出される。熱媒ボイラ21により加熱された熱媒体は、脱水素反応器10及び蒸発器12等を通り、脱水素反応器10やMCHを加熱する。熱媒ボイラ21は、加熱器の一例であり、上記したように脱水素反応器10を含む脱水素反応系1Aを加熱する。
熱媒ボイラ21に供給される熱媒体の流量は、脱水素反応器10内の温度に基づいて温度コントローラ200により制御される。温度コントローラ200は、例えば脱水素反応器10内の温度を検出する温度センサを有し、脱水素反応器10内の温度に基づいてポンプP2を制御して熱媒体の流量を調整する。
また、熱媒ボイラ21に供給されるLPガスG1の流量は、脱水素反応器10に供給される熱媒体L11の温度に基づいて温度コントローラ201により制御される。温度コントローラ201は、例えば熱媒体L11の温度を検出する温度センサを有し、熱媒体L11の温度に基づいて制御弁を制御して熱媒ボイラ21で燃焼させるLPガスG1の流量を調整する。
なお、本実施形態では、熱媒ボイラ21により加熱した熱媒体で脱水素反応器10を加熱している。脱水素反応器10を熱媒体で加熱することで、例えばバーナーにより直接加熱する構成に比べて、脱水素反応器10をより均一に加熱することができるため脱水素反応器10の温度制御をより安定して行うことが可能になる。
本実施形態における脱水素反応系1Aでは、脱水素反応器10から排出される脱水素反応物V3の熱エネルギーを用いて加熱器13で脱水素反応器10に供給されるMCH(V1)を加熱する。また、加熱器13による熱交換後の脱水素反応物V4の熱エネルギーを用いて予熱器11で蒸発器12に供給されるMCH(L1)を予熱する。このように、脱水素反応物V3、V4の熱エネルギーを用いることで、熱媒体がMCHを加熱するのに必要なエネルギーを低減し、装置全体のエネルギー効率を向上させることが可能になっている。
加熱器13を通って予熱器11から排出された脱水素反応物V5は、水素分離系1Bに供給される。脱水素反応物V5は、冷却器31により例えば40℃程度まで冷却され、気液分離器35により気液分離される。気液分離器35で液状物質から分離されて水素含有量が高められた気体成分である脱水素反応物V6は、コンプレッサP3により加圧される。脱水素反応物V6は、加圧されることで温度が上昇するが、冷却器33により例えば90℃程度まで冷却される。
冷却器33により冷却された脱水素反応物V30は、精製器30に供給される。精製器30は、例えば膜分離機構や、圧力スイング吸着(PSA:Pressure Swing Adsorption)方式の水素分離器であるPSA装置や、温度スイング吸着(TSA:Temperature Swing Adsorption)方式等により、脱水素反応物V30を水素濃度が基準値未満の第1水素含有物と水素濃度が基準値以上の第2水素含有物とに分離する。
膜分離機構に採用される水素分離膜としては、コンプレッサP3から入力される圧力(例えば900kPa以上)に耐え得るものが好ましく、例えば、カーボン膜、パラジウム膜、ゼオライト膜等が挙げられる。耐圧性や小さい差圧での実用化の観点ではカーボン膜及びゼオライト膜が比較的好ましく、振動に対する機械的強度の観点からカーボン膜が特に好ましい。カーボン膜は、分子量の小さい水素を透過させ、トルエンや未分解物質等の相対的に分子量の大きいものを透過させない機能を有する。
コンプレッサP3は、例えば200kPaの脱水素反応物V6を900kPaまで昇圧し、脱水素反応物V30として精製器30に供給する。精製器30における分離時の差圧は例えば200kPaであり、精製器30により例えば90℃で700kPaの第2水素含有物V31が精製される。精製器30により精製された第2水素含有物V31は、冷却器34及びフローコントローラ101により、圧力及び温度が調整されて製品水素として水素製造装置1から外部に供給される。
ここで、圧力コントローラ400は、脱水素反応物V6を所定の圧力まで加圧するようにコンプレッサP3を制御する。所定の圧力は、例えば、圧力損失を考慮して精製器30における水素分離により生じる差圧200kPaと、精製器30により分離された第2水素含有物V31の外部出力の圧力700kPaとを合わせた圧力900kPa以上、ただし1MPa未満に設定される。
コンプレッサP3が脱水素反応物V6を加圧する圧量を上記した所定の圧力に設定することで、精製器30の後段に製品水素として必要な圧力に昇圧させるためのコンプレッサを設ける必要がなくなり、装置全体を小型化することができる。また、コンプレッサを分散配置することなく、大型のコンプレッサに集約することにより圧力効率を高めることができるため、精製器30による水素精製処理に必要なエネルギー及び製品水素の供給処理に必要となるトータルエネルギーを削減することができる。
なお、気液分離器35及び精製器30において液状物質として分離されたトルエン含有量の大きい液化物L21、L22は、タンクT3に回収される。タンクT3に回収された回収トルエンは、水素と反応させることにより水素化物(MCH)として再び使用することができる。
また、精製器30において分離された水素濃度が基準値未満の第1水素含有物G31は、フローコントローラ102により圧力が調整されて加熱器13を通って脱水素反応器10に供給される。第1水素含有物G31を脱水素反応器10に供給することで、脱水素反応器10内の脱水素触媒の劣化を抑制することができる。本実施形態では、第1水素含有物G31を脱水素反応器10の入力側(上流側)から入力することで、相対的に水素量が少ない入力側におけるコーキング現象の発生をより効果的に抑制することができる。なお、第1水素含有物G31をLPガスと共に熱媒ボイラ21に供給し、熱媒体L13を加熱する燃料として用いてもよい。
水素製造装置1に設けられている温度コントローラ202、203は、冷却器31、33から排出される脱水素反応物V6、V30の温度を検出し、各冷却器31、33に流入する冷却水の流量を調整することで温度制御を行っている。冷却器31、33は、必要冷却能力が小さいため、クーリングタワーを介して自然冷却した冷却水を用いている。
気液分離器35において液化したトルエンの排出量は、レベルコントローラ301により制御される。レベルコントローラ301は、検出する液面が所定高さ以上となった場合にバルブを開いてトルエンをタンクT3に排出する。
本実施形態における水素製造装置1には、MCHを貯留するタンクT1とポンプP1との間のMCHの供給経路に第1開閉弁401が設けられている。また、冷却器33と精製器30との間に第2開閉弁402が設けられている。また、気液分離器35とコンプレッサP3との間に切替弁として第1切替弁501及び第2切替弁502が設けられている。
第1開閉弁401、第2開閉弁402、第1切替弁501、及び第2切替弁502は、例えば電磁弁であり、後述する制御装置により制御されて開閉する。第1切替弁501及び第2切替弁502は、第1切替弁501が開弁して第2切替弁502が閉弁することで、気液分離器35から排出される脱水素反応物V6をコンプレッサP3を介して精製器30に導く。また、第1切替弁501が閉弁して第2切替弁502が開弁することで、脱水素反応物V6を水素製造装置1の外部に排出する。このように、第1切替弁501及び第2切替弁502は、気液分離器35から排出される脱水素反応物V6の排出先を、精製器30又は装置外に切り替える。
なお、本実施形態では、切替弁として第1切替弁501及び第2切替弁502により脱水素反応物V6の排出先を切り替えているが、脱水素反応物V6の排出先を精製器30又は装置外に切り替え可能であれば本実施形態とは異なる構成であってもよい。例えば、気液分離器35とコンプレッサP3との間に三方弁等を設けてもよい。また、例えば、コンプレッサP3と冷却器33との間や、冷却器33と精製器30との間に切替弁を設けてもよい。
図2は、本実施形態における水素製造装置1の制御装置50を含む構成を例示する図である。
制御装置50は、熱媒ボイラ21、精製器30、フローコントローラ100〜102、温度コントローラ200〜204、圧力コントローラ400、第1開閉弁401、第2開閉弁402、第1切替弁501、及び第2切替弁502に接続され、各部の動作を制御する。
制御装置50は、制御部51、異常検出部52を有する。制御装置50が有する制御部51及び異常検出部52等の機能は、例えば、CPUにより実行されるプログラムやメモリ、複数の回路等により実現される。
制御部51は、熱媒体が所定の温度に加熱されるように熱媒ボイラ21を制御する。より具体的には、制御部51は、熱媒ボイラ21へのLPガスや空気の供給量、熱媒体の流量等を制御する。また、制御部51は、脱水素反応物V30から水素が精製されるように精製器30に設けられているポンプや冷却器、凝縮器等を制御する。
また、制御部51は、フローコントローラ100〜102、温度検出器としての温度コントローラ200〜204、及び圧力コントローラ400を制御し、各部を流れるMCH、熱媒体、脱水素反応物、及び製品水素等の温度や流量、圧力を制御する。

異常検出部52は、フローコントローラ100〜102において検出されるMCH、水素、第2水素含有物V31の流量が、運転条件として設定されている所定範囲外となった場合に異常を検出する。また、異常検出部52は、温度コントローラ200〜204において検出される脱水素反応器10内の温度、熱媒体温度、脱水素反応物温度、MCH温度が、運転条件として設定されている所定範囲外となった場合に異常を検出する。また、異常検出部52は、圧力コントローラ400において検出される脱水素反応物の圧力が、運転条件として設定されている所定範囲外となった場合に異常を検出する。
制御部51は、異常検出部52により異常が検出された場合に、第1開閉弁401、第2開閉弁402、第1切替弁501、及び第2切替弁502を制御してそれぞれ開弁又は閉弁させながら異常停止処理を実行する。
図3は、本実施形態における異常停止処理のフローチャートを例示する図である。制御装置50の異常検出部52により水素製造装置1の異常が検出されると、図3に示される異常停止処理が実行される。
まずステップS101では、制御部51が、脱水素反応物を装置外に排出するように切替弁を切り替える。具体的には、制御部51は、第1切替弁501を閉弁させるとともに第2切替弁502を開弁させ、気液分離器35により分離される脱水素反応物V6の排出先を水素製造装置1の装置外にする。また、制御部51は、切替弁の制御と同時に、第2開閉弁402を閉弁させると共にコンプレッサP3及び精製器30を停止させる。このように、水素製造装置1において異常が発生した場合には、まず精製器30における水素の精製を停止し、脱水素反応物を装置外に排出させる。
次にステップS102では、制御部51が、熱媒ボイラ21の加熱温度を停止基準温度に変更する。本実施形態における停止基準温度は、MCHが気化する下限温度に近い150℃に設定されている。また、水素製造中に熱媒ボイラ21が熱媒体を加熱する温度は350℃に設定されている。そこで、制御部51は、熱媒ボイラ21の加熱温度を350℃から停止基準温度として設定されている150℃に変更する。
ステップS103では、制御部51が、蒸発器温度として蒸発器12において気化されたMCHの温度を温度コントローラ204により検出する。また、ステップS104では、制御部51が、ステップS103にて検出した蒸発器温度と停止基準温度とを比較する。蒸発器温度が停止基準温度より高い場合(ステップS104:NO)には、ステップS103に戻る。
熱媒ボイラ21の加熱温度が下げられることで、脱水素反応器10を通って循環する熱媒体の温度は徐々に停止基準温度まで低下していく。また、脱水素反応器10では、引き続き供給されるMCHと脱水素触媒との脱水素反応により吸熱されて内部の温度が低下していく。この間に脱水素反応器10から排出される脱水素反応物は、気液分離器35において気液分離されて装置外に排出される。
熱媒体の温度が低下して蒸発器温度が停止基準温度以下になった場合(ステップS104:YES)には、ステップS105に進む。ステップS105では、制御部51が、第1開閉弁401を閉弁させ、脱水素反応器10へのMCHの供給を停止する。
なお、本実施形態における異常停止処理では、停止基準温度と比較する脱水素反応系1Aの温度として、蒸発器13から排出されるMCHの温度を検出しているが、これに限られるものではない。例えば、脱水素反応系1Aにおいて循環する熱媒体の温度や、脱水素反応器10内の温度等を脱水素反応系1Aの温度として検出し、停止基準温度と比較してもよい。停止基準温度は、脱水素反応系1Aの温度検出対象に応じて適宜設定する。
次にステップS106では、制御部51が、熱媒ボイラ21を停止させる。より具体的には、熱媒ボイラ21へのLPガスや空気の供給を停止し、ポンプP2を停止させて熱媒体の循環を停止させる。MCHの供給及び熱媒体の循環が停止されることで、脱水素反応器10は、内部にMCHが満たされた状態で放熱して徐々に温度が低下していく。
ステップS107では、制御部51が、反応器温度として脱水素反応器10内の温度を温度コントローラ200により検出する。次にステップS108では、制御部51が、ステップS107にて検出した反応器温度と全停止基準温度とを比較する。ここで、全停止基準温度は、水素製造装置1の全体を停止させる温度であり、本実施形態では60℃に設定されている。反応器温度が全停止基準温度よりも高い場合(ステップS108:NO)には、ステップS107に戻る。反応器が放熱して全停止基準温度以下になるまで、ステップS107及びステップS108を繰り返し実行する。
脱水素反応器10が放熱して反応器温度が全停止基準温度以下になった場合(ステップS108:YES)には、ステップS109に進む。ステップS109では、制御部51が、図1には不図示の窒素供給部から脱水素反応器10に窒素を供給し、脱水素反応器10に残っているMCHや脱水素反応物をパージする。
次にステップS110では、制御部51が、切替弁を切り替えて脱水素反応物の排出先を装置外から精製器30に変更する。具体的には、制御部51は、第1開閉弁501を開弁させると共に第2開閉弁502を閉弁させることで、気液分離器35により分離される脱水素反応物の排出先を精製器30に戻し、水素製造装置1の各部を全て停止させる。
上記したように、本実施形態における異常停止処理では、異常発生時に直ぐに脱水素反応器10へのMCHの供給を停止せず、MCHの供給は継続しながら熱媒体の加熱温度を下げることで脱水素反応器10内の温度を低下させる。また、このときに脱水素反応器10から排出される脱水素反応物は装置外に排出する。
脱水素反応器10へのMCHの供給を継続することで、MCHと脱水素触媒との吸熱反応により脱水素反応器の温度をより早く停止基準温度まで下げることができる。また、異常発生後には脱水素反応物を装置外に排出することで、精製器30の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態における異常停止処理では、熱媒体の循環を停止して脱水素反応器10を放熱させ、反応器温度が全停止基準温度以下になった状態で脱水素反応器10を窒素でパージして水素製造装置1を停止させる。
例えば内部が高温に保たれている脱水素反応器10に窒素や空気を供給すると、内部の脱水素触媒が劣化する可能性がある。これに対して、本実施形態における異常停止処理では、内部がMCHで満たされた状態で脱水素反応器10の温度が低下した後に、窒素でパージして水素製造装置1を停止させることで、脱水素触媒の劣化を抑制して脱水素反応器10の長寿命化を図ることができる。なお、脱水素反応器10を窒素でパージせずに水素製造装置1を停止させてもよい。この場合においても、脱水素触媒の劣化を抑制することができる。
以上で説明したように、本実施形態における水素製造装置1によれば、異常発生時に脱水素反応器10内の脱水素触媒を劣化させることなく停止することができる。このため、本実施形態における水素製造装置1は、長期に渡って安定して水素を製造し続けることが可能になる。
以上、実施形態に係る水素製造装置及び水素製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。なお、上記した実施形態の各部における温度や圧力等は、例示した値に限定されるものではない。
1 水素製造装置
1A 脱水素反応系
1B 水素分離系
10 脱水素反応器
21 熱媒ボイラ(加熱器)
30 精製器
35 気液分離器
50 制御装置
51 制御部
52 異常検出部
100、101、102 フローコントローラ
200、201、202、203、204 温度コントローラ(温度検出器)
301 レベルコントローラ
400 圧力コントローラ
401 第1開閉弁(開閉弁)
402 第2開閉弁
501 第1切替弁(切替弁)
502 第2切替弁(切替弁)
C1 コンプレッサ(圧縮機)
P1、P2 ポンプ
P3 コンプレッサ

Claims (3)

  1. 有機ハイドライドを脱水素反応により分解する脱水素触媒を有する脱水素反応器と、
    前記脱水素反応器への前記有機ハイドライドの供給経路を開閉する開閉弁と、
    前記脱水素反応器を含む脱水素反応系を加熱する加熱器と、
    前記脱水素反応系における温度を検出する温度検出器と、
    前記脱水素反応器において分解された脱水素反応物を気液分離する気液分離器と、
    前記気液分離器により分離された気体成分を精製して水素を分離する精製器と、
    前記気液分離器と前記精製器との間に設けられ、前記気体成分の排出先を前記精製器又は装置外に切り替える切替弁と、
    装置内の異常を検出する異常検出部と、
    前記異常検出部により異常が検出された場合に、前記切替弁により前記排出先を装置外に切り替え、前記加熱器による加熱温度を停止基準温度に変更した後、前記温度検出器により検出された温度が前記停止基準温度以下になった場合に、前記開閉弁を閉弁させると共に前記加熱器を停止させる制御部と、を有する
    ことを特徴とする水素製造装置。
  2. 前記脱水素反応系において前記有機ハイドライドを加熱気化させて前記供給経路に供給する蒸発器を有し、
    前記温度検出器は、前記蒸発器により加熱気化された前記有機ハイドライドの温度を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素製造装置。
  3. 有機ハイドライドを脱水素反応により分解する脱水素触媒を有する脱水素反応器と、
    前記脱水素反応器を含む脱水素反応系を加熱する加熱器と、
    前記脱水素反応器において分解された脱水素反応物を気液分離する気液分離器と、
    前記気液分離器により分離された気体成分を精製して水素を分離する精製器と、を有する水素製造装置における水素製造方法であって、
    装置内の異常を検出する異常検出ステップと、
    前記異常検出ステップにより異常が検出された場合に、前記気液分離器から前記気体成分の排出先を前記精製器から装置外に切り替え、前記加熱器による加熱温度を停止基準温度に変更する異常処理ステップと、
    前記脱水素反応系における温度が前記停止基準温度以下になった場合に、前記脱水素反応器への前記有機ハイドライドの供給を停止し、前記加熱器を停止させる異常停止ステップと、を有する
    ことを特徴とする水素製造方法。
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