JP6819703B2 - 築炉方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鉄プロセスなどで使用される、炉体の少なくとも一部が耐火物で構成される炉の築炉方法に関するものであり、詳細には、レンガ積みを行うことなく、炉体形状に合わせて直接不定形耐火物材料を積層して炉体を築造する築炉方法に関するものである。
製鉄プロセスでは、高炉、コークス炉、転炉、タンディッシュ、加熱炉など様々な耐火炉が用いられる。これらの耐火炉では、炉体の寿命に応じて、溶射による表面補修、レンガの張り替え、鉄皮の更新、再建設などの補修、更新が行われる。
例えば、コークス炉は、燃焼ガスが通る燃焼室と、石炭を装入してコークスに乾留させるための炭化室が交互に数十個並んだ構造を有しており、これらは耐火物で構成されている。コークス炉の建設においては、数百人単位の築炉技術者が数ヶ月にわたって築炉作業を行う。コークス炉を構成する定型耐火物(レンガ)は、一般的な建築物用のレンガとは異なり、上面から見た形状が長方形、台形、L字型など、様々な形状をしており、さらに、それらレンガの側面、上面および底面には、ダボと呼ばれるズレ防止用の凹凸が設けられている。コークス炉は、このような非常に複雑な形状のレンガを組み合わせて作られるため、コークス炉の築炉は、経験を積んだ築炉工によって行われる。
コークス炉の築炉では、レンガを積む位置にコテを用いて所定の目地厚になるようにモルタルを塗布し、次いで、モルタルの上にレンガを積み上げるという作業を繰り返し行う必要がある。その際には、複雑な形状のレンガ表面にモルタルを均一に塗布する必要があるなど、非常に高度な技能が要求されるが、そのような技能を有する熟練した築炉工は常に不足している。また、手作業でモルタルの塗布とレンガの積み上げを行う築炉作業は、相当な重労働であるといえる。そのため、モルタルの塗布やレンガの積み上げ作業の時間短縮や労働負荷を低減することが求められている。
しかしながら、上述したようにレンガは複雑な形状をしているうえに、石炭を装入する炭化室は乾留後のコークスを押し出し易くするためにテーパー形状となっているため、炭化室を形成するレンガは寸法が少しずつ異なっており、そのレンガの種類は100種類ほどにも及ぶ。しかも、レンガは焼成して作られるため、2〜3mmの寸法誤差を含むのが一般的である。このようなレンガ形状の複雑さ、種類の多さ、寸法誤差のため、築炉作業の機械化は極めて困難であった。
特開2017−24979号公報
以上のように、従来技術では、コークス炉に代表されるような耐火炉の炉体を効率的に築造することができない。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、炉体の少なくとも一部が耐火物で構成される炉の築炉方法において、レンガ積み工法によることなく、炉体を効率的に且つ所望の施工精度で築造することができる築炉方法を提供することにある。したがって、例えばコークス炉を対象とする場合には、複雑な形状の多種類のレンガを熟練した築炉工が施工するといった築炉作業を全く不要ならしめる新たな築炉方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、炉体を築造する場所(領域)に付加製造装置(いわゆる3Dプリンタ)により不定形耐火物材料を積層させ、直に炉体を造形するという築炉方法を着想した。しかし、この築炉方法には、以下のような課題がある。例えば、特許文献1には、繊細かつ多様なデザインに造形されたセメント質硬化体を得る方法として、特定のセメント組成物と水の混練物により混練物層を形成する工程と、この混練物層を硬化させる工程とを繰り返すことで積層したセメント質造形物を得る方法が示されているが、このセメント質造形物の造形を付加製造装置(3Dプリンタ)を用いて行うとしている。特許文献1では、付加製造装置に適した造形性を有するセメント組成物が提案されており、ノズルからの押出性が良いこと、形状の保持性に優れていることが記載されている。しかし、明確な造形精度については記載されておらず、実施例の造形物の画像(図1)では、造形面に数cmのオーダで凹凸が見られる。本発明における代表的な築炉対象であるコークス炉では、特にコークスが通過する炭化室側の炉壁については2mm以内の施工精度が求められるため、特許文献1の方法では、そのような施工精度が満足できない。
したがって、上述したように付加製造装置により不定形耐火物材料を積層させて炉体を造形するだけでは、コークス炉の炭化室などで要求される高い施工精度を満足できないことが判った。そこで、本発明では、付加製造装置により不定形耐火物材料を積層させて直に炉体を造形するとともに、高い施工精度が求められる炉体領域については、積層造形物の造形面を研削して整形することにより、必要な施工精度を確保することとした。このような方法であれば、施工精度が必要な造形面だけを研削して整形すればよいので、施工に要する負荷(材料や労力など)を最小限に止めることができ、付加製造技術を利用した効率的な築炉が可能となる。
また、このような築炉法で炉体を築造する際のより好ましい条件について検討した結果、耐用性が高い炉体を効率的に築造するには、(i)積層造形物を複数のモジュールに分けて造形すること、(ii)隣接して造形される2つのモジュールの接続面にはモルタル目地を設けること、(iii)水平方向で隣接する2つのモジュールは階段状の接続面を有すること、(iv)隣接する2つのモジュールの接続面にダボを形成すること、(v)炉体の一部となる積層造形物を造形し、次いでその積層造形物の造形面を研削して整形する作業を、複数回繰り返すことにより炉体の築造を行うこと、などの条件が有効であることが判った。
すなわち、上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]炉体の少なくとも一部が耐火物で構成される炉の築炉方法であって、
不定形耐火物材料を出力するノズルを備えた付加製造装置を用い、該付加製造装置のノズルから出力された不定形耐火物材料を、炉体を築造する領域に積層させることにより、炉体を構成する積層造形物(s)を造形する工程(A)と、
該工程(A)で造形された積層造形物(s)の造形面の少なくとも一部を研削して整形する工程(B)を有することを特徴する築炉方法。
[2]上記[1]の築炉方法において、工程(A)では、積層造形物(s)を複数のモジュール(sm)に分けて造形することを特徴とする築炉方法。
[3]上記[2]の築炉方法において、隣接して造形される2つのモジュール(sm)の接続面にモルタル目地を設けることを特徴とする築炉方法。
[4]上記[3]の築炉方法において、1つのモジュール(sm(n))を造形した後、それに隣接するモジュール(sm(n+1))を造形する前に、モジュール(sm(n+1))との接続面となるモジュール(sm(n))の造形面にモルタル目地となるモルタルを塗布することを特徴とする築炉方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの築炉方法において、炉体の一部となる積層造形物(s)を造形する工程(A)を実施し、次いで、当該積層造形物(s)に対して工程(B)を実施する作業を、複数回繰り返すことにより炉体の築造を行うことを特徴とする築炉方法。
[6]上記[1]〜[4]のいずれかの築炉方法において、炉体の一部となる所定高さの積層造形物(s)を造形する工程(A)を実施し、次いで、当該積層造形物(s)に対して工程(B)を実施する作業を、炉高方向で複数回繰り返すことにより炉体の築造を行うことを特徴とする築炉方法。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの築炉方法において、水平方向で隣接して造形される2つのモジュール(sm)が階段状の接続面を有することを特徴とする築炉方法。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかの築炉方法において、隣接して造形される2つのモジュール(sm)の接続面にダボが形成されることを特徴とする築炉方法。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかの築炉方法において、炉がコークス炉であり、工程(B)では炭化室の内壁面となる積層造形物(s)の造形面を研削して整形することを特徴とする築炉方法。
[10]炉体の少なくとも一部が耐火物で構成される炉であって、
炉体の前記耐火物は、炉体が築造される領域に不定形耐火物材料を積層させて構成された積層造形物(s)からなり、該積層造形物(s)の表面の少なくとも一部が、整形された研削面(k)からなることを特徴とする炉。
[11]上記[10]の炉において、積層造形物(s)が複数のモジュール(sm)からなることを特徴とする炉。
[12]上記[11]の炉において、隣接する2つのモジュール(sm)の接続面にモルタル目地を有することを特徴とする炉。
[13]上記[11]又は[12]の炉において、水平方向で隣接する2つのモジュール(sm)が階段状の接続面を有することを特徴とする炉。
[14]上記[11]〜[13]のいずれかの炉において、隣接する2つのモジュール(sm)の接続面にダボが形成されていることを特徴とする炉。
[15]上記[10]〜[14]のいずれかの炉において、コークス炉であり、炭化室の内壁面が整形された研削面(k)からなることを特徴とする炉。
本発明によれば、炉体の少なくとも一部が耐火物で構成される炉の築炉方法において、レンガ積み工法によることなく、炉体を効率的に且つ所望の施工精度で築造することができる。
本発明の築炉方法の一実施形態を示すもので、付加製造装置のノズルから出力された不定形耐火物材料を、炉体を築造する領域に積層させることにより積層造形物を造形している状況を示す説明図 従来法によりレンガ(定型耐火物)を積み上げて構成されたコークス炉燃焼室の部分平面図 本発明の築炉方法において複数のモジュールに分けて造形された積層造形物を示す斜視図
本発明は、炉体の少なくとも一部が耐火物で構成される炉の築炉方法であり、不定形耐火物材料を出力するノズルを備えた付加製造装置を用い、この付加製造装置のノズルから出力された不定形耐火物材料を、炉体を築造する領域に積層させることにより、炉体を構成する積層造形物sを造形する工程(A)と、この工程(A)で造形された積層造形物sの造形面の少なくとも一部を研削して整形する工程(B)を有する。
図1は、本発明の築炉方法の一実施形態を示すものであって、本発明の工程(A)において、付加製造装置のノズルから出力された不定形耐火物材料を炉体を築造する領域に積層させることにより積層造形物sを造形している状況を示している。
図1において、1はアームロボット式の付加製造装置であり、この付加製造装置1はノズルから不定形耐火物材料(耐火物材料と水などの混練物)を出力し、これを積層させて3次元の造形物を形成することができる。
付加製造装置1は、関節式のロボットアーム2と、このロボットアーム2の先端に保持されたディスペンサ3と、このディスペンサ3の先端に取り付けられたノズル4を有している。
ロボットアーム2は複数の関節を有しており、3次元の任意の位置にノズル4を移動させることができる。
ディスペンサ3は、材料供給部5(容器)にホース6で接続されている。材料供給部5は不定形耐火物材料7(耐火物材料と水などの混練物。以下単に「材料7」という。)を収容し、この材料7をポンプ(図示せず)によりホース6を通じてディスペンサ3に供給する。
付加製造装置1には、ノズル4に振動を加えて材料を出力しやすくする機構を付設してもよい。また、ノズル4から出力された材料7の硬化を促進することで造形を容易にするために、ノズル4から出力された材料7に対して送風や加熱を行う機構を付設してもよい。
なお、図1の実施形態では、ディスペンサ3はロボットアーム2に保持されているが、ディスペンサ3は大きく、重量があるため、このようにディスペンサ3をロボットアーム2に保持させた構造の場合、アームロボットの可搬質量を上げるためにアームロボットを大型化する必要が生じたり、ディスペンサの干渉によりアームの可動範囲が制約されたりする場合がある。そのため、ロボットアーム2からディスペンサ3を分離し、ロボットアーム2にはノズル4のみを保持させ、ディスペンサ3からホースなどを通じてノズル4に材料7を供給するようにしてもよい。ただし、ディスペンサ3からの材料7の出力(供給)を正確に制御するという観点からは、ノズル4とディスペンサ3の距離は短くすることが好ましく、具体的には、ノズル4とディスペンサ3をつなぐホースなどの長さを2m以下とすることが好ましく、1m以下とすることがより好ましい。
本発明で使用する材料7は、耐火物材料の粉体に水を加えて混練することで得られた混練物である。耐火物材料の種類は、築炉対象とする炉の種類に応じて適宜選択されるが、例えば、コークス炉の場合には、通常、熱間強度と容積安定性を備える珪石系耐火物材料(例えば、SiO:96質量%、Al:0.8質量%、Fe:0.5質量%、CaO:2.7質量%)が用いられる。
以下、本発明法により築炉を行う場合の基本的な手順を説明する。
工程(A)において、付加製造装置1のロボットアーム2は、設計した炉の所定位置にノズル4を移動させ、必要な箇所(炉体を築造する領域)にノズル4を移動させつつ材料7を出力する。炉の水平面の全部又は一部に材料7を出力した後、その上にさらに材料7を出力して2層目を積層させる。このような積層を繰り返し、所望の高さの積層造形物sを造形する。
図2は、従来法によりレンガ(定型耐火物)を積み上げて構成されたコークス炉燃焼室の部分平面図である。本発明において、積層造形物sを得るために材料7を一度に積層させる炉水平方向での領域(炉水平方向での積層造形物sのサイズ)は、図2に示すようなレンガ1個分の領域でもよいし、レンガ数個〜数十個分程度の領域でもよいし、炉体全部でもよい。また、積層造形物sを得るために材料7を一度に積層させる炉高方向での領域(炉高方向での積層造形物sのサイズ)も、図2に示すようなレンガ1個分の領域でもよいし、レンガ数個〜数十個分程度の領域でもよいし、炉体全部(炉高全体)でもよい。
ただし、積層造形物sは、大きなサイズのものを一体物で造形すると熱膨張の関係で亀裂を生じやすく、最悪の場合には崩落の危険があるため、複数のモジュールsmに分けて造形することが好ましい。また、この場合、隣接して造形される2つのモジュールsmの接続面(接合面)にはモルタル目地8を設けることが好ましい。このモルタル目地8は、モジュールsmの熱膨張の吸収を目的として設けられる。モルタル目地8の厚さは特に制限はないが、一般には4〜6mm程度である。
1つのモジュールsmを造形するのに材料を積層させる領域(モジュールsmのサイズ)は、小さすぎると効率が悪く、大きすぎると熱膨張などによる亀裂を生じるおそれがあるので、例えば図2の例でいうと、一般的には、炉水平方向ではレンガ数個〜数十個分程度、炉高方向ではレンガ1個〜数個分程度とするのが適当である。
なお、材料7を積層させる造形途中で、必要に応じて、材料7を乾燥又は硬化させる工程を付加してもよい。
図3は、本発明法によりコークス炉燃焼室を築造するに際し、複数のモジュールsmに分けて造形された積層造形物sの一例を示すものである。この例では、積層造形物sは4つのモジュールsmに分けて造形されており、隣接して造形される2つのモジュールsmの接続面(接合面)にモルタル目地8が設けられている。図において、10が燃焼室、その両側の空間が炭化室11であり、したがって、燃焼室10の外壁面を構成する壁面12が炭化室11の内壁面となる。
また、水平方向で隣接する2つのモジュールsmの接続面が垂直面などの単一面で構成されると、接続面(モルタル目地8)の一部に小さい亀裂が生じた場合でも、亀裂が接続面全体に一気に拡がる恐れがあるので、図3に示すように、水平方向で隣接する2つのモジュールsmの接続面は階段状に構成することが好ましい。この階段の段数は任意であり(図3の実施形態では5段)、モジュールsmの高さに応じて決めればよい。
図3のように積層造形物sを複数のモジュールsmに分けて造形する場合、モジュールsm1→モジュールsm2→モジュールsm3→モジュールsm4と順次造形するが、隣接する2つのモジュールsmの接続面にモルタル目地8を設けるために、一般に、1つのモジュールsm(n)を造形した後、それに隣接するモジュールsm(n+1)を造形する前に、モジュールsm(n+1)との接続面となるモジュールsm(n)の造形面にモルタル目地8となるモルタルを塗布する。
モルタルの塗布は、従来のレンガ積み工法と同様にコテなどを用いた手作業で行ってもよいし、付加製造装置1のロボットアーム2先端のノズル4をモルタル出力用ノズルに付け替え、このノズルを用いて塗布を行ってもよい。或いは、モルタル塗布専用のロボットアームにモルタル出力手段(ノズルなど)を設け、これにより塗布を行ってもよい。モルタルを塗布する場合、必ずしもモルタルを積層して塗布する必要はなく、水平目地、垂直目地ともに1回(1層)で塗布してもよい。
さらに、隣接する2つのモジュールsmの接続面には、ダボが形成されることが好ましい。ダボとは、隣接する2つのモジュールsmの接続面に形成されるズレ防止用の凹凸のことであり、図2に示されるような隣接する2つのレンガ間に設けられるダボと同様に、隣接する2つのモジュールsmの一方に凹部が、他方に凸部が形成され、その凹部に凸部が嵌ることにより、モジュールsmどうしのズレが防止される。ダボは1つの接続面に対して2つ以上設けることができる。ダボの設け方は任意であり、モジュールsmを最初からダボを有する形状に造形してもよいし、モジュールsmを造形後に、その造形面をグラインダーなどで研削して形成してもよい。ダボを構成する凹部の深さと凸部の高さは特に制限はないが、一般には10〜20mm程度である。
工程(B)では、工程(A)で造形された積層造形物sの造形面の少なくとも一部を研削して整形し、必要な施工精度を確保する。この整形では、通常、所定の平坦度となるように研削がなされる。
この積層造形物sの造形面の研削による整形は、耐火物で構成される炉体のなかで、所定の施工精度が求められ、積層造形物sの造形面のままでは、その施工精度が確保できない部位(領域)について行えばよい。この研削を行う手段は任意であるが、通常はグラインダーなどの研削装置が用いられる。
コークス炉の場合、炭化室の内壁面は2mm以下の施工精度(内壁面の凹凸が2mm以下となるような表面平坦度)が求められるので、少なくとも炭化室の内壁面となる積層造形物sの造形面については、研削による整形を行うことが好ましい。図3の場合には、壁面12が炭化室11の内壁面となるので、工程(B)においては、少なくともこの面を研削して整形し、2mm以下の施工精度を有する研削面kとする。
グラインダーなどの研削装置による研削は、手作業で行ってもよいし、付加製造装置1のロボットアーム2先端のノズル4をグラインダーに付け替え、このグラインダーを用いて研削を行ってもよい。或いは、専用のロボットアームにグラインダーを設け、これにより研削を行ってもよい。
ここで、例えば、積層造形物sを得るために材料を一度に積層させる炉水平方向での領域(炉水平方向での積層造形物sのサイズ)を図2に示すようなレンガ1個分の領域とした場合、壁面(例えば、上述した炭化室の内壁面)の炉長方向での所定長さ範囲、例えば1mの範囲において、レンガに相当する個々の積層造形物sが1mの平均面に対して出っ張り・引っ込みしている場合がある。この出っ張り・引っ込み量を測定するために、壁面に1m程度の直線度の高い金属棒(アルミ棒など)を当て、金属棒と壁面間の隙間の大きさを定規などで測定する。若しくは、基準面に相当する位置に炉長方向で水糸を張り、目視の場合は水糸上方から観察して、壁面と水糸とのずれに定規を当ててずれ量(壁面と水糸との距離)を測定する。これらの測定により施工精度(壁面の表面平坦度)を確認する。仮にそれらの測定により壁面に2mmを超える凹凸が確認された場合は、研削量をその凹凸量として壁面の研削を行う。また、目視に代えてToFカメラやステレオカメラのような3次元測距カメラを用い、この3次元測距カメラで測定される壁面と水糸との水平方向でのずれ量(壁面と水糸との距離)を研削量として研削を行ってもよい。
壁面を研削する際の研削量は、研削開始点からの押し込み量で制御する。グラインダーなどの研削ヘッドに荷重計を取り付け、研削ヘッドが壁面に触れた瞬間を把握し、そこからの必要押し込み量(研削量)を計算し、その押し込み量で研削を行う。ロボットの先端に上述したようなカメラを取り付け、このカメラで水糸と壁面との距離を測定し、押し込み量(研削量)を決定ながら研削を行ってもよい。
研削後の凹凸精度は、研削量を決めた測定手法と同様の手法で確認すればよい。
本発明において工程(A)と工程(B)を実施する場合、工程(A)で炉体の全体を造形した後、工程(B)を実施してもよいが、足場の設置などを含めた実際的な施工性の観点からは、炉体の一部となる積層造形物sを造形する工程(A)を実施し、次いで、当該積層造形物sに対して工程(B)を実施する作業を、複数回繰り返すことにより炉体の築造を行うようにすることが好ましい。したがって、炉高方向での炉体の築造でも、炉体の一部となる所定高さ(例えば1〜3m程度)の積層造形物sを造形する工程(A)を実施し、次いで、当該積層造形物sに対して工程(B)を実施する作業を、炉高方向で複数回繰り返すことにより炉体の築造を行うようにすることが好ましい。
なお、図3のようなコークス炉の築造で工程(B)を実施する場合、グラインダーの切削屑が燃焼室10内部に入り込まないようにするため、一時的に燃焼室10の開口部に蓋をする措置をしてもよい。また、グラインダー作業を行う際に吸引機で切削屑を吸引回収してもよい。
なお、本発明法により築造された炉体を構成する耐火物は、炉の立ち上げ前に事前乾燥され、或いは炉を立ち上げた際の昇熱により乾燥・焼成される。
本発明法により築造された炉は、炉体の少なくとも一部が耐火物で構成される炉であって、炉体の前記耐火物は、炉体が築造される領域に不定形耐火物材料を積層させて構成された積層造形物sからなり、この積層造形物sの表面の少なくとも一部が、整形された研削面kからなる構造を有する。炉がコークス炉である場合は、少なくとも炭化室の内壁面を研削面kとすることが好ましい。
この炉の好ましい構造としては、(i)積層造形物sが複数のモジュールsmからなること、(ii)隣接する2つのモジュールsmの接続面にモルタル目地を有すること、(iii)水平方向で隣接する2つのモジュールsmが階段状の接続面を有すること、(iv)隣接する2つのモジュールsmの接続面にダボが形成されていること、などであり、その理由はさきに述べた通りである。
図1に示すような方法でコークス炉燃焼室を築造するに当たり、コークス炉燃焼室の一部を構成する図3に示すような積層造形物sを造形した。図2に示すような従来の炉体で使用されているレンガを基準とした場合、炉水平方向でレンガ6個分相当、炉高方向でレンガ6個分相当のサイズを1つのモジュールsmとし、複数のモジュールsmからなる積層造形物sを造形した。隣接する2つのモジュールsm間ではモルタルを手作業で塗布した。全炉長方向の約16m分を造形した後に、炭化室11の内壁面となる壁面12をグラインダーで研削し、±1mmの平坦度を達成した。これにより、本発明による築炉方法を用いることで、労働負荷を抑えつつ、十分な築炉精度を確保できることが確認できた。
1 付加製造装置
2 ロボットアーム
3 ディスペンサ
4 ノズル
5 材料供給部
6 ホース
7 材料
8 モルタル目地
10 燃焼室
11 炭化室
12 壁面
s 積層造形物
m,sm1,sm2,sm3,sm4 モジュール

Claims (15)

  1. 炉体の少なくとも一部が耐火物で構成される炉の築炉方法であって、
    不定形耐火物材料を出力するノズルを備えた付加製造装置を用い、該付加製造装置のノズルから出力された不定形耐火物材料を、炉体を築造する領域に積層させることにより、炉体を構成する積層造形物(s)を造形する工程(A)と、
    該工程(A)で造形された積層造形物(s)の造形面の少なくとも一部を研削して整形する工程(B)を有することを特徴する築炉方法。
  2. 工程(A)では、積層造形物(s)を複数のモジュール(sm)に分けて造形することを特徴とする請求項1に記載の築炉方法。
  3. 隣接して造形される2つのモジュール(sm)の接続面にモルタル目地を設けることを特徴とする請求項2に記載の築炉方法。
  4. 1つのモジュール(sm(n))を造形した後、それに隣接するモジュール(sm(n+1))を造形する前に、モジュール(sm(n+1))との接続面となるモジュール(sm(n))の造形面にモルタル目地となるモルタルを塗布することを特徴とする請求項3に記載の築炉方法。
  5. 炉体の一部となる積層造形物(s)を造形する工程(A)を実施し、次いで、当該積層造形物(s)に対して工程(B)を実施する作業を、複数回繰り返すことにより炉体の築造を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の築炉方法。
  6. 炉体の一部となる所定高さの積層造形物(s)を造形する工程(A)を実施し、次いで、当該積層造形物(s)に対して工程(B)を実施する作業を、炉高方向で複数回繰り返すことにより炉体の築造を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の築炉方法。
  7. 水平方向で隣接して造形される2つのモジュール(sm)が階段状の接続面を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の築炉方法。
  8. 隣接して造形される2つのモジュール(sm)の接続面にダボが形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の築炉方法。
  9. 炉がコークス炉であり、工程(B)では炭化室の内壁面となる積層造形物(s)の造形面を研削して整形することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の築炉方法。
  10. 炉体の少なくとも一部が耐火物で構成される炉であって、
    炉体の前記耐火物は、炉体が築造される領域に積層された不定形耐火物材料で構成される積層造形物(s)からなり、該積層造形物(s)の表面の少なくとも一部が、整形された研削面(k)からなることを特徴とする炉。
  11. 積層造形物(s)が複数のモジュール(sm)からなることを特徴とする請求項10に記載の炉。
  12. 隣接する2つのモジュール(sm)の接続面にモルタル目地を有することを特徴とする請求項11に記載の炉。
  13. 水平方向で隣接する2つのモジュール(sm)が階段状の接続面を有することを特徴とする請求項11又は12に記載の炉。
  14. 隣接する2つのモジュール(sm)の接続面にダボが形成されていることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の炉。
  15. コークス炉であり、炭化室の内壁面が整形された研削面(k)からなることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の炉。
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