JP2021134338A - コークス炉の建設方法及びモジュールブロックの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以上の理由から、定型耐火物を積み上げる作業を、少ない人手で効率的に行う方法の開発が求められている。
(1)本発明のコークス炉の建設方法は、
コークス炉の建設場所以外の場所において、予め複数の定型耐火物を積み上げてモジュールブロックを製造する、モジュールブロック製造工程と、
前記モジュールブロックを前記コークス炉の建設場所へ運搬する、モジュールブロック運搬工程と、
運搬された前記モジュールブロックを設置する位置にモルタルを塗布する、モルタル塗布工程と、
前記モルタルが塗布された位置に、前記運搬されたモジュールブロックを設置する、モジュールブロック設置工程と、を含む、コークス炉の建設方法であって、
製造された前記モジュールブロックの輪郭を測定する、モジュールブロック形状測定工程と、
測定された前記モジュールブロックの輪郭に基づいて、前記モジュールブロックの合否を判定する、モジュールブロック合否判定工程と、
前記モジュールブロック合否判定工程において不合格であると判定された前記モジュールブロックの再準備を行う、モジュールブロック再準備工程と、をさらに含み、
前記モジュールブロック形状測定工程、前記モジュールブロック合否判定工程、及び前記モジュールブロック再準備工程は、前記モジュールブロック製造工程の後、前記モジュールブロック運搬工程に先立って行われることを特徴とする。
前記モジュールブロック再準備工程は、前記モジュールブロックの前記定型耐火物の前記嵌合凸部を削って前記嵌合凸部を小さくする、及び/又は、前記嵌合凹部を区画する部分を削って前記嵌合凹部を大きくすることで前記モジュールブロックの一部を修正することが好ましい。
前記モジュールブロック合否判定工程において、前記輪郭が測定された前記複数の同形状の前記モジュールブロックについて、前記仮想配置状態での干渉を評価し、
前記モジュールブロック再準備工程は、前記モジュールブロック合否判定工程において不合格であると判定された前記モジュールブロックを、前記干渉の評価結果が合格であると判定された前記モジュールブロックに交換することが好ましい。
ただし、据え付け箇所の1箇所の積算値とは、当該箇所での上記の差を意味する。
前記モジュールブロック再準備工程は、前記最適な全体配置の際に前記干渉の評価結果が不合格となる前記モジュールブロックのみを再準備することが好ましい。
コークス炉の建設場所以外の場所において、予め複数の定型耐火物を積み上げてコークス炉の建設用のモジュールブロックを製造する、モジュールブロックの製造方法であって、
製造された前記モジュールブロックの輪郭を測定する、モジュールブロック形状測定工程と、
測定された前記モジュールブロックの輪郭に基づいて、前記モジュールブロックの合否を判定する、モジュールブロック合否判定工程と、
前記モジュールブロック合否判定工程において不合格であると判定された前記モジュールブロックの再準備を行う、モジュールブロック再準備工程と、を含み、
前記モジュールブロック再準備工程は、複数の前記定型耐火物を積み上げ直して前記モジュールブロックを再度製造すること、又は、前記モジュールブロックの、前記仮想配置状態での干渉箇所を修正することを含むことを特徴とする。
図1は、コークス炉用の定型耐火物を積み上げたモジュールブロックの一例の模式的な上面図である。図2は、コークス炉用の定型耐火物を積み上げたモジュールブロックの一例の模式的な側面図である。図3は、モジュールブロックを順に据え付けて製作したコークス炉の炉壁の一例の模式的な部分側面図である。
モジュールブロック1の煉瓦の側面間や水平面間で、例えば図4、図5に例示したような嵌合凸部6と嵌合凹部7との接続が多数形成される。
なお、図6においては、モジュールブロック1の煉瓦の水平面間での嵌合凸部6と嵌合凹部7とがうまく嵌合しない様子を示しているが、モジュールブロック1の煉瓦の側面間での嵌合凸部6と嵌合凹部7とがうまく嵌合しない場合も同様に生じ得る。
また、図6においては、モジュールブロック1内での煉瓦の嵌合について説明したが、隣接するモジュールブロック1間の煉瓦の水平面間や側面間においても、同様に、嵌合凸部6と嵌合凹部7とがうまく嵌合しない場合が生じる。
図7に示すように、本実施形態のコークス炉の建設方法は、コークス炉の建設場所以外の場所において、予め複数の定型耐火物を積み上げてモジュールブロックを製造する、モジュールブロック製造工程(ステップS101)と、モジュールブロックをコークス炉の建設場所へ運搬する、モジュールブロック運搬工程(ステップS105)と、運搬されたモジュールブロックを設置する位置にモルタルを塗布する、モルタル塗布工程(ステップS106)と、モルタルが塗布された位置に、運搬されたモジュールブロックを設置する、モジュールブロック設置工程(ステップS107)と、を含む。
以下、各工程について詳細に説明する。
ここで、「コークス炉の建設場所以外の場所」とは、コークス炉の建設現場とは異なり、且つ、定型耐火物を積み上げてモジュールブロックを製造することができる場所であれば特に限定されず、任意の場所とすることができる。例えば、コークス炉の建設を行うための場所に設けられた仮上屋に隣接する土地等のコークス炉建設場所に隣接する場所、該コークス炉を製鉄所内に建設する場合であれば、該製鉄所内の他の場所などでモジュールブロック製造工程を行うことができる。また、モジュールブロックの製造は、コークス炉建設場所から離れた遠隔地で行うことも可能であるが、運搬にかかる時間やコストを考慮すると、コークス炉建設場所に隣接する場所で行うことが好ましい。モジュールブロック製造工程は、一箇所で集約的に行うことが効率上望ましいが、複数の場所で行って、それぞれの場所で製造されたモジュールブロックを、1つのコークス炉建設現場へ運搬、搬入して用いることもできる。
また、定型耐火物としては、煉瓦を例示することができる。また、定型耐火物は、モルタルを介して積み上げることができる。
煉瓦の積み上げは、任意の既知の手法で行うことができ、人手によって行うこともでき、あるいは、ロボット等によって行うこともできる。
ここで、モジュールブロックの構成する煉瓦の寸法の公差は、1〜2mmであり、煉瓦の積み付け精度も通常1〜2mmが必要とされる。このため、モジュールブロック1の輪郭の測定は、1mm程度の判別ができることが好ましい。そこで、本実施形態においては、モジュールブロック形状測定工程(ステップS102)において、上記の輪郭は、レーザ照射装置赤外線照射装置を用いて、該レーザ照射装置又は該赤外線照射装置からモジュールブロックの表面までの距離を測定することにより測定されることが好ましい。レーザ照射装置は、例えば測定精度30μmの仕様のレーザスキャナを用いることができる。これにより、モジュールブロックの周囲をスキャンすることでモジュールブロックの3次元点群を得ることができる。赤外線照射装置も、例えば測定精度1mmの仕様の任意の既知の赤外線照射装置を用いることができる。あるいは、本実施形態においては、モジュールブロック形状測定工程(ステップS102)において、上記の輪郭は、モジュールブロックを複数の視点から撮像した複数の画像を取得し、取得した複数の画像を用いたフォトグラメトリによって測定されることも好ましい。フォトグラメトリでは、異なる視点から撮影した2枚の画像中に写った同一の点に対し、三角測量の原理から3次元座標を求めることができる。モジュールブロックの周囲から複数(より好ましくは多数)の画像を撮影して、上記の原理を用いることにより、モジュールブロックの3次元点群を得ることができる。
また、モジュールブロック形状測定工程(ステップS102)においては、モジュールブロックの全面の輪郭を測定することが好ましい。
図8は、モジュールブロックの3次元点群の側面を示す模式図である。例えば、上記のレーザ照射装置を用いた手法や、フォトグラメトリを用いた手法により、図8に示すように、モジュールブロックの3次元点群を得ることができる。
ここで、図9は、モジュールブロックの3次元図面形状の側面を示す模式図である。図9に示すような図面形状を予め用意する。本実施形態では、モジュールブロック合否判定工程(ステップS103)において、測定された輪郭と予め用意された図面形状とを比較することで、モジュールブロックの合否が判定されることが好ましい。測定された輪郭と予め用意された図面形状とを比較することにより、図面形状からの出っ張り及び引っ込みの大きさを数値化することができる。なお、3次元点群は点群からポリゴン化した形状で取り扱っても良い。例えば、この出っ張りや引っ込みの大きさ(例えば1つのモジュールブロックにおける出っ張り及び引っ込みの最大値)が、所定の基準値以下(未満)である場合に、合格であると判定し、一方で、出っ張りや引っ込みの大きさが、所定の基準値超(以上)である場合に、不合格であると判定することができる。上記の基準値は、特に限定されるものではなく、コークス炉の仕様(平坦度の精度)等によって適宜決定することができ、例えば2mmとすることができる。
一方で、図7に示すように、本実施形態では、モジュールブロック合否判定工程(ステップS103)において、不合格であると判定されたモジュールブロックの再準備を行う(モジュールブロック再準備工程:ステップS104)。
ここで、モジュールブロック再準備工程(ステップS104)では、一例としては、複数の定型耐火物を積み上げ直してモジュールブロックを再度製造することができる。他の例では、モジュールブロック再準備工程(ステップS104)は、モジュールブロックの一部を修正することもできる。別の例では、モジュールブロック再準備工程(ステップS104)は、別の適切なモジュールブロックに交換することもできる。
なお、図7において図示を省略しているが、再度製造したモジュールブロックや一部を修正したモジュールブロックについては、再び、モジュールブロック形状測定工程(ステップS102)及びモジュールブロック合否判定工程(ステップS103)を経て、合格した場合にモジュールブロック運搬工程(ステップS105)に供するようにすることができる。また、不合格であると判定されたモジュールブロックを別のモジュールブロックに交換する場合には、同様の工程を経て合格であると判定されたモジュールブロックに交換して、モジュールブロック運搬工程(ステップS105)に供するようにすることができる。
従って、本実施形態のコークス炉の建設方法によれば、コークス炉の建設場所でのモジュールブロック据え付けの手直し作業を軽減し、且つ、高い精度で効率的にモジュールブロックを据え付けることができる。
図10は、モジュールブロックの仮想配置状態での干渉の様子を模式的に示す側面図である。図11は、図10の干渉箇所を示す拡大図である。
図10、図11に示す例では、嵌合凸部6と嵌合凹部7との位置がずれており、モルタルの目地厚が(ほぼ)なく、煉瓦と煉瓦とが(ほぼ)直接接する干渉箇所8が生じている。
この合否判定は、例えば、上記の図面形状との比較により合格であると1次判定されたモジュールブロックについて、さらなる合否判定を2次判定として行う形で行うことができる。干渉は、例えば、干渉の大きさ及び/又は個数によって評価することができる。例えば、干渉の大きさの最大値を指標としても良く、あるいは、干渉の大きさをその個数分だけ積算した値で数値化したものを指標とすることもできる。
上記指標の所定の基準値を予め設定し、干渉の評価の結果、干渉が基準値以下(未満)であれば、合格であると判定して、モジュールブロック運搬工程(ステップS105)に供するようにすることができる。一方で、干渉の評価の結果、干渉が基準値超(以下)であれば、不合格であると判定して、モジュールブロック再準備工程(ステップS104)に供する。この場合、モジュールブロック再準備工程(ステップS104)は、モジュールブロックの一部を修正することが好ましく、上記干渉箇所8を修正することがより好ましい。具体的には、モジュールブロック1の定型耐火物(本例では煉瓦)は、嵌合凸部6及び嵌合凹部7を有し、モジュールブロック再準備工程(ステップS104)は、モジュールブロックの定型耐火物の嵌合凸部6を削って該嵌合凸部6を小さくする、及び/又は、嵌合凹部7を区画する部分を削って該嵌合凹部7を大きくすることでモジュールブロックの一部(より好ましくは干渉箇所8)を修正することが好ましい。
図12は、干渉箇所の嵌合凸部を削って、再度モジュールブロックを仮想配置した際の、干渉していた部分を模式的に示す拡大図である。図12では、モルタルの目地厚が各所で一定以上確保することができている。
これにより、モジュールブロック間の干渉も事前に修正されるため、コークス炉の建設場所でのモジュールブロック据え付けの手直し作業をさらに軽減し、且つ、さらに高い精度でさらに効率的にモジュールブロックを据え付けることができる。
なお、嵌合凸部が極端に小さくなるのは、コークス炉の強度を向上させる観点からは好ましくないため、そのような場合には、嵌合凹部を大きくすることを併せて行うことが好ましい。
なお、例えば干渉の評価が不合格とされる場合をさらに2つの程度に分類し(例えば、基準値をもう1つ設定する)、干渉の大きさが比較的大きく不合格の場合には、上記のモジュールブロックの再度の製造を行い、干渉の大きさが比較的小さく不合格である場合には、干渉箇所の修正を行うようにすることもできる。
また、上記の例では、上記の図面形状との比較との組み合わせで、干渉の評価によるモジュールブロックの合否判定を行う場合(図面形状との比較で1次判定し、干渉の評価で2次判定する場合)を示したが、干渉の評価によるモジュールブロックの合否判定を、モジュールブロック合否判定工程(ステップS103)での単独の基準とすることもできる。あるいは、さらに別の判定基準を加えても良い。
図13は、複数のモジュールブロックを仮想配置した際の最適配置のモジュールブロックを選択する様子を示す概念図である。
本実施形態では、モジュールブロック形状測定工程(ステップS102)において、複数の同形状のモジュールブロックの輪郭を測定し、モジュールブロック合否判定工程(ステップS103)において、輪郭が測定された複数の同形状のモジュールブロックについて、仮想配置状態での干渉を評価することが好ましい。そして、本実施形態では、モジュールブロック再準備工程(ステップS104)は、モジュールブロック合否判定工程(ステップS103)において不合格であると判定されたモジュールブロックを、干渉の評価結果が合格であると判定された(より好ましくは最適である)モジュールブロックに交換することが好ましい。
これによれば、モジュールブロックを再製造や修正することなく、当該据え付け箇所に適したモジュールブロックを配置することができる。
上記の差は、隣接するモジュールブロック同士の据え付け面において、例えば100箇所で|Δd|を算出してその積算値を指標とすることができる。上記|Δd|を算出する箇所としては、嵌合凸部と嵌合凹部との組み合わせを含めるようにすることが好ましい。また、嵌合凸部と嵌合凹部との組み合わせ1箇所につき、3箇所以上で|Δd|を算出することがより好ましい。
すなわち、モジュールブロック形状測定工程(ステップS102)において、複数の同形状のモジュールブロックの輪郭を測定し、モジュールブロック合否判定工程(ステップS103)において、輪郭が測定された複数の同形状のモジュールブロックについて、仮想配置状態での干渉を評価して、最適な全体配置を算出することも好ましい。この最適な全体配置は、様々な方法が考えられる。例えば、最適な全体配置は、据え付け箇所の1箇所以上において、目標のモルタルの厚さと、仮想的配置状態での目地厚との差の積算値が最小となるような配置とすることができる。この場合、全ての隣接するモジュールブロック間において、少なくとも1箇所の据え付け箇所において、上記差を算出することが好ましい。あるいは、評価結果が不合格となるモジュールブロックの個数が最小となる配置を最適配置とすることもできる。そして、モジュールブロック再準備工程(ステップS104)は、最適な全体配置の際に干渉の評価結果が不合格となるモジュールブロックのみを再準備する。再準備は、再製造や一部修正とすることができる。
これによれば、再製造や一部修正するモジュールブロックの個数を低減ないし最小化することができるため、より効率的なコークス炉の建設が可能となる。
本発明の一実施形態にかかるモジュールブロックの製造方法は、コークス炉の建設場所以外の場所において、予め複数の定型耐火物を積み上げてコークス炉の建設用のモジュールブロックを製造する方法である。該方法は、製造されたモジュールブロックの輪郭を測定する、モジュールブロック形状測定工程(ステップS201)と、測定されたモジュールブロックの輪郭に基づいて、モジュールブロックの合否を判定する、モジュールブロック合否判定工程(ステップS203)と、モジュールブロック合否判定工程(ステップS203)において不合格であると判定されたモジュールブロックの再準備を行う、モジュールブロック再準備工程(ステップS204)と、を含む。
そして、モジュールブロック再準備工程(ステップS204)は、複数の定型耐火物を積み上げ直してモジュールブロックを再度製造すること、又は、モジュールブロックの一部を修正することを含む。
各工程の詳細については、コークス炉の建設方法の実施形態において、ステップS101〜ステップS104において説明したのと同様であるため、説明を省略する。
本実施形態のモジュールブロックの製造方法によれば、コークス炉の建設場所でのモジュールブロック据え付けの手直し作業を軽減し、且つ、高い精度で効率的にモジュールブロックを据え付けることができる。
モジュールブロック形状測定工程(ステップS201)において、輪郭は、レーザ照射装置を用いて、該レーザ照射装置からモジュールブロックの表面までの距離を測定することにより測定されることが好ましい。
あるいは、モジュールブロック形状測定工程(ステップS201)において、輪郭は、モジュールブロックを複数の視点から撮像した複数の画像を取得し、取得した複数の画像を用いたフォトグラメトリによって測定されることも好ましい。
また、モジュールブロック形状測定工程(ステップS201)において、モジュールブロックの全面の輪郭を測定することが好ましい。
さらに、モジュールブロック合否判定工程(ステップS203)において、測定された輪郭と予め用意された図面形状とを比較することで、モジュールブロックの合否が判定されることが好ましい。
また、モジュールブロック合否判定工程(ステップS203)において、輪郭が測定された複数のモジュールブロックをコンピュータ上で仮想的に配置した仮想配置状態での干渉によって、モジュールブロックの合否が判定されることも好ましい。
また、モジュールブロック再準備工程(ステップS204)は、複数の定型耐火物を積み上げ直してモジュールブロックを再度製造することが好ましい。
あるいは、モジュールブロック再準備工程(ステップS204)は、モジュールブロックの一部を修正することも好ましい。
この場合、モジュールブロックの定型耐火物は、嵌合凸部及び嵌合凹部を有し、モジュールブロック再準備工程(ステップS204)は、モジュールブロックの定型耐火物の嵌合凸部を削って嵌合凸部を小さくする、及び/又は、嵌合凹部を区画する部分を削って嵌合凹部を大きくすることでモジュールブロックの一部を修正することがより好ましい。
実施例1として、まず水平方向に6個分、鉛直方向に5段分の煉瓦を積んだモジュールブロックを4個(モジュールブロック9、モジュールブロック10、モジュールブロック11、モジュールブロック12)製造した。製造したモジュールブロックに対し、レーザスキャナを用いて輪郭の測定を行った。この測定は、測定精度0.085mmの高精度なハンディタイプの機材を用いて、モジュールブロックの全面に渡って測定を行った。理想的なモジュールブロック形状を図面形状の3Dデータとして予め準備し、測定したスキャナ点群データと比較する(差を取る)ことにより、モジュールブロックの倒れや凹凸を数値化した。その結果、モジュールブロック12については、下面の凹凸が最大で3mmあることがわかったが、その他のモジュールブロック9〜11については、基準値以下(2mm以下)であった。図14は、実施例1における、モジュールブロック再準備前でのモジュールブロックの配置を模式的に示す側面図である。各モジュールブロックを図14に示すように配置した。上下の各接合面にはモルタルの代用として高さ4mmのスペーサを設置した。また、図示右下の箇所は、実際のモジュールブロックではなく、架台14で代用した。モジュールブロック12を据え付けると、モジュールブロック9との合わせ面でせり上がり(干渉箇所13)、モジュールブロックが正しく収まらなかった。そこで、スペーサを±2mmの高さの範囲で調整したが、それでもモジュールブロックを正しく収めることができなかった。モジュールブロック12は、基準を満たしていないので、下面が凹凸2mm以下に収まるようにモジュールブロックを積み直して再製造した。図15は、実施例1における、モジュールブロック再準備後でのモジュールブロックの配置を模式的に示す側面図である。モジュールブロック12をモジュールブロック12´に再製造した上で、各モジュールブロックを再び図15に示すように配置した。上下の各接合面にはモルタルの代用として高さ4mmのスペーサを設置した。その結果、積み上げたモジュールブロック12´の上面の水平度や側面の倒れは2mm以内に収まっていて基準の許容範囲で積み上げが可能であった。
実施例2として、水平方向に6個分、鉛直方向に5段分の煉瓦を積んだモジュールブロックを4個(モジュールブロック15、モジュールブロック16、モジュールブロック17、モジュールブロック18)製造した。製造したモジュールブロックに対し、レーザスキャナを用いて輪郭の測定を行った。この測定は、測定精度0.085mmの高精度なハンディタイプの機材を用いて、モジュールブロックの全面に渡って測定を行った。理想的なモジュールブロック形状を図面形状の3Dデータとして予め準備し、測定したスキャナ点群データと比較する(差を取る)ことにより、モジュールブロックの倒れや凹凸を数値化した。その結果、全てのモジュールブロックについて、基準値以下(2mm以下)であることを確認した。図16は、実施例2における、モジュールブロック再準備前でのモジュールブロックの配置を模式的に示す側面図である。各モジュールブロックを図16に示すように配置した。上下の各接合面にはモルタルの代用として高さ4mmのスペーサを設置した。また、図示右下の箇所は、実際のモジュールブロックではなく、架台14で代用した。モジュールブロック18を据え付けると、モジュールブロック15との合わせ面及びモジュールブロック17との合わせ面で、ダボ(嵌合凸部)、ホゾ(嵌合凹部)で干渉箇所(19、20)が生じることがわかった。次に、コンピュータ上で仮想的に据え付けを行い、モジュールブロック間の干渉の有無を確認すると、同様に、モジュールブロック15との合わせ面及びモジュールブロック17との合わせ面で、ダボ(嵌合凸部)、ホゾ(嵌合凹部)で干渉箇所(19、20)が生じることがわかった。そこで、干渉箇所19については、ダボ(嵌合凸部)を削り、干渉箇所20については、ホゾ(嵌合凹部)を区画する部分を削ってホゾ(嵌合凹部)を大きくする修正を行い、コンピュータ上の仮想据え付けを再度行って干渉がなくなることを確認した。図17は、実施例2における、モジュールブロック再準備後でのモジュールブロックの配置を模式的に示す側面図である。上記の再度の仮想据え付けでの結果を得て、各モジュールブロックを再び図15に示すように配置した。上下の各接合面にはモルタルの代用として高さ4mmのスペーサを設置した。その結果、干渉箇所が生じることなく、基準値の許容範囲でモジュールブロックの積み付けが可能であった。
実施例3として、水平方向に6個分、鉛直方向に5段分の煉瓦を積んだモジュールブロックを複数個製造した。図18は、実施例3において、3個のモジュールブロックを据え付けた様子を模式的に示す図である。3個のモジュールブロックを図18に示す配置で、基準値の範囲内で据え付けを行った。このような据え付けセットを10セット作製した。そして、次に据え付けるモジュールブロックを10個用意した。各モジュールブロックに対し、レーザスキャナを用いて輪郭の測定を行った。この測定は、測定精度0.085mmの高精度なハンディタイプの機材を用いて、モジュールブロックの全面に渡って測定を行った。理想的なモジュールブロック形状を図面形状の3Dデータとして予め準備し、測定したスキャナ点群データと比較する(差を取る)ことにより、モジュールブロックの倒れや凹凸を数値化した。その結果、全てのモジュールブロックについて、基準値以下(2mm以下)であることを確認した。次に、上記の10セットの据え付けセット及び10個のモジュールブロックについて、コンピュータ上で仮想的な据え付けを全パターン行った。そして、各パターンにおいて、仮想的に据え付けた場合の目地厚を測定し、目標の目地厚と測定した目地厚との差の絶対値|Δd|を算出した。据え付け面において、ダボ(嵌合凸部)、ホゾ(嵌合凹部)の合わせが56箇所存在した。各ダボ(嵌合凸部)、ホゾ(嵌合凹部)に関して3箇所で|Δd|を算出し(計56×3=168箇所)、その積算値をそれぞれ計算した。その積算値が最小となる組み合わせでは、10セットの据え付けに対して、ダボ(嵌合凸部)、ホゾ(嵌合凹部)の干渉箇所は14箇所であり、これらは干渉部分を修正した。修正後に再度積み付けを行ったところ、基準値以下で据え付けが完了した。一方、上記積算値が最大となる組み合わせでは、10セットの据え付けに対して、ダボ(嵌合凸部)、ホゾ(嵌合凹部)の干渉箇所は31箇所であり、修正すべき箇所が2倍以上になった。
2:壁面煉瓦、
3:壁間煉瓦、
4:フリュー、
5:目地、
6:嵌合凸部、
7:嵌合凹部、
8:干渉箇所、
9:モジュールブロック、
10:モジュールブロック、
11:モジュールブロック、
12:モジュールブロック、
13:干渉箇所、
14:架台、
15:モジュールブロック、
16:モジュールブロック、
17:モジュールブロック、
18:モジュールブロック、
19:干渉箇所、
20:干渉箇所、
21:モジュールブロック、
22:モジュールブロック、
23:モジュールブロック
Claims (15)
- コークス炉の建設場所以外の場所において、予め複数の定型耐火物を積み上げてモジュールブロックを製造する、モジュールブロック製造工程と、
前記モジュールブロックを前記コークス炉の建設場所へ運搬する、モジュールブロック運搬工程と、
運搬された前記モジュールブロックを設置する位置にモルタルを塗布する、モルタル塗布工程と、
前記モルタルが塗布された位置に、前記運搬されたモジュールブロックを設置する、モジュールブロック設置工程と、を含む、コークス炉の建設方法であって、
製造された前記モジュールブロックの輪郭を測定する、モジュールブロック形状測定工程と、
測定された前記モジュールブロックの輪郭に基づいて、前記モジュールブロックの合否を判定する、モジュールブロック合否判定工程と、
前記モジュールブロック合否判定工程において不合格であると判定された前記モジュールブロックの再準備を行う、モジュールブロック再準備工程と、をさらに含み、
前記モジュールブロック形状測定工程、前記モジュールブロック合否判定工程、及び前記モジュールブロック再準備工程は、前記モジュールブロック製造工程の後、前記モジュールブロック運搬工程に先立って行われることを特徴とする、コークス炉の建設方法。 - 前記モジュールブロック形状測定工程において、前記輪郭は、レーザ照射装置又は赤外線照射装置を用いて、該レーザ照射装置又は該赤外線照射装置から前記モジュールブロックの表面までの距離を測定することにより測定される、請求項1に記載のコークスの建設方法。
- 前記モジュールブロック形状測定工程において、前記輪郭は、前記モジュールブロックを複数の視点から撮像した複数の画像を取得し、取得した前記複数の画像を用いたフォトグラメトリによって測定される、請求項1に記載のコークスの建設方法。
- 前記モジュールブロック形状測定工程において、前記モジュールブロックの全面の輪郭を測定する、請求項1〜3のいずれか一項の記載のコークス炉の建設方法。
- 前記モジュールブロック合否判定工程において、合格であると判定された前記モジュールブロックを前記モジュールブロック運搬工程に供する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコークス炉の建設方法。
- 前記モジュールブロック合否判定工程において、測定された前記輪郭と予め用意された図面形状とを比較することで、前記モジュールブロックの合否が判定される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコークス炉の建設方法。
- 前記モジュールブロック合否判定工程において、前記輪郭が測定された複数の前記モジュールブロックをコンピュータ上で仮想的に配置した仮想配置状態での干渉によって、前記モジュールブロックの合否が判定される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコークス炉の建設方法。
- 前記モジュールブロック再準備工程は、複数の前記定型耐火物を積み上げ直して前記モジュールブロックを再度製造する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコークス炉の建設方法。
- 前記モジュールブロック再準備工程は、前記モジュールブロックの一部を修正する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコークス炉の建設方法。
- 前記モジュールブロックの前記定型耐火物は、嵌合凸部及び嵌合凹部を有し、
前記モジュールブロック再準備工程は、前記モジュールブロックの前記定型耐火物の前記嵌合凸部を削って前記嵌合凸部を小さくする、及び/又は、前記嵌合凹部を区画する部分を削って前記嵌合凹部を大きくすることで前記モジュールブロックの一部を修正する、請求項9に記載のコークス炉の建設方法。 - 前記モジュールブロック形状測定工程において、複数の同形状の前記モジュールブロックの輪郭を測定し、
前記モジュールブロック合否判定工程において、前記輪郭が測定された前記複数の同形状の前記モジュールブロックについて、前記仮想配置状態での干渉を評価し、
前記モジュールブロック再準備工程は、前記モジュールブロック合否判定工程において不合格であると判定された前記モジュールブロックを、前記干渉の評価結果が合格であると判定された前記モジュールブロックに交換する、請求項7に記載のコークス炉の建設方法。 - 前記干渉の評価結果が最適である前記モジュールブロックは、据え付け箇所の1箇所以上において、目標のモルタルの厚さと、前記仮想的配置状態での目地厚との差の積算値が最小となるような前記モジュールブロックである、請求項11に記載のコークス炉の建設方法。
- 前記モジュールブロック形状測定工程において、複数の同形状の前記モジュールブロックの輪郭を測定し、
前記モジュールブロック合否判定工程において、前記輪郭が測定された前記複数の同形状の前記モジュールブロックについて、前記仮想配置状態での干渉を評価して、最適な全体配置を算出し、
前記モジュールブロック再準備工程は、前記最適な全体配置の際に前記干渉の評価結果が不合格となる前記モジュールブロックのみを再準備する、請求項7に記載のコークス炉の建設方法。 - 前記最適な全体配置は、据え付け箇所の1箇所以上において、目標のモルタルの厚さと、前記仮想的配置状態での目地厚との差の積算値が最小となるような、前記モジュールブロックの全体配置である、請求項13に記載のコークス炉の建設方法。
- コークス炉の建設場所以外の場所において、予め複数の定型耐火物を積み上げてコークス炉の建設用のモジュールブロックを製造する、モジュールブロックの製造方法であって、
製造された前記モジュールブロックの輪郭を測定する、モジュールブロック形状測定工程と、
測定された前記モジュールブロックの輪郭に基づいて、前記モジュールブロックの合否を判定する、モジュールブロック合否判定工程と、
前記モジュールブロック合否判定工程において不合格であると判定された前記モジュールブロックの再準備を行う、モジュールブロック再準備工程と、を含み、
前記モジュールブロック再準備工程は、複数の前記定型耐火物を積み上げ直して前記モジュールブロックを再度製造すること、又は、前記モジュールブロックの、前記仮想配置状態での干渉箇所を修正することを含むことを特徴とする、モジュールブロックの製造方法。
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