JP7306602B1 - コークス炉の炉壁形状測定方法およびコークス炉の炉壁補修方法 - Google Patents

コークス炉の炉壁形状測定方法およびコークス炉の炉壁補修方法 Download PDF

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Abstract

炭化室からの輻射熱によるレーザー照射孔および検出孔の変形を防止できるコークス炉の炉壁形状測定方法を提供する。炉蓋12を取り外した炭化室10の外側にレーザー式3次元形状測定装置20を設置し、レーザー式3次元形状測定装置20によって炭化室10の炉壁形状を測定する炉壁形状の測定方法であって、炭化室10の炉内温度をTWとし、炉蓋12を取り外してからレーザー式3次元形状測定装置20で測定を開始するまでの時間をtとし、窯口11からレーザー式3次元形状測定装置20までの距離をLとすると、下記(1)式を満たすように時間tおよび距離Lを定めて炭化室10の炉壁形状を測定する。(10/t)/{(L+4)/5.5}2×TW4≦4.1×1012・・・(1)

Description

本発明は、コークス炉における炭化室の炉壁形状を測定する炉壁形状測定方法およびコークス炉の炉壁補修方法に関する。
鉄鋼業においては、石炭からコークスを製造するためにコークス炉が用いられている。近年、コークス炉は建設から40年を経過した老朽炉が多くなっている。コークス炉は、レンガを薄いモルタルの層で接着しながら積み上げて、前後左右から締め付けて形状を保つ構造になっている。コークス炉は、基礎の上に蓄熱室があり、その上側に高さ6m程度、幅400mm程度、奥行き16m程度の炭化室と呼ぶ空洞と、燃料ガスを燃焼させる幅900mm程度の燃焼室とが幅方向に交互に並び、上部にレンガの天井を配した構造になっている。
コークス炉では、燃焼室内部で燃料を燃焼させた熱を燃焼室の壁レンガを通して、炭化室を1000℃以上にし、炭化室上部の装炭孔から石炭を投入し、その石炭を乾留させてコークスを製造する。乾留後のコークスケーキは、炭化室の両端の高さ6m程度で幅400mm程度の窯口の一方から押出しラムを挿入し、炭化室内部のコークスケーキを他の一方の窯口から排出される。コークス炉では、建設完了後、内部で燃料を燃焼させ、レンガの温度を徐々に1000℃以上まで昇温させる。このレンガの温度は、コークス炉を休止するまで保ち続けられる。
燃焼室と炭化室を分ける壁レンガは炉壁と呼ばれ、燃焼ガスが炭化室に流入しないように遮蔽するとともに、燃焼熱を炭化室に伝え、天井を支える役割を担っている。炉壁には、常に天井荷重と炉締め力が作用し、押出し時には押出しラム荷重、押出し摩擦力が一時的に作用する。天井荷重と炉締め力は炉壁構造を安定にする役割があるが、老朽化が進むと炉壁に以下の問題が発生する。
(1)炉壁の接合部に隙間が出来る目地切れ。
(2)炉壁からレンガが1個ないし複数個外れてしまう欠損。
(3)炉壁の広い面でレンガが磨耗して減肉するエグレ。
(4)炉壁の広い面でレンガが倒れて炭化室側に出てくる張出し。
このような問題が発生した炉壁に炉締め力、押出し力が作用すると、レンガの倒壊が起こる場合がある。また、エグレ、欠損、張出し等によって炉壁に凹凸が生じると、炭化室の左右の炉壁面同士の間隔(窯幅)が設計寸法から変化してしまうので、コークスの押出し性が悪化する。このため、炉壁にエグレ、欠損又は張出しが生じると、エグレに対しては不定形材の吹き付けや溶射による肉盛り、欠損に対してはレンガの差し替え、張出しに対してはレンガの積替えなどの補修を行い、炉壁を健全な状態に復元している。
このような補修を行うには、炭化室の炉壁形状を測定し、炉壁の損傷や変形を検出することが必要になる。炭化室の炉壁形状を測定する方法として、特許文献1、2には、炭化室の外側にレーザー式3次元形状測定装置を設置し、レーザーを炭化室内の炉壁に照射して、炭化室の炉壁形状を測定するコークス炉の炉壁診断方法が開示されている。
特開2013-82909号公報 特開2014-218557号公報
レーザー式3次元形状測定装置を用いる場合、炭化室からの輻射熱から保護するため、当該装置を耐熱布等で遮熱する。しかしながら、炭化室の炉壁形状を測定するにはレーザーを炭化室の炉壁に照射し、炉壁からの反射光を受光する必要があるので、炉壁形状を測定している間は、レーザー照射孔および検出孔を耐熱布で遮熱することができない。このため、特許文献1、2に開示の炉壁診断方法では、炭化室からの輻射熱によってレーザー照射孔および検出孔が変形し、炉壁の形状が測定できなくなるという課題があった。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、炭化室からの輻射熱によるレーザー照射孔および検出孔の変形を防止できるコークス炉の炉壁形状測定方法およびコークス炉の炉壁補修方法を提供することである。
上記課題を解決できる本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 炉蓋を取り外した炭化室の外側にレーザー式3次元形状測定装置を設置し、前記レーザー式3次元形状測定装置を用いて前記炭化室の炉壁形状を測定するコークス炉の炉壁形状測定方法であって、下記(1)式を満たすように、前記炉蓋を取り外してから前記レーザー式3次元形状測定装置で測定を開始するまでの時間と、窯口から前記レーザー式3次元形状測定装置までの距離とを定めて前記炉壁形状を測定する、コークス炉の炉壁形状測定方法。
(10/t)/{(L+4)/5.5}×T ≦4.1×1012・・・(1)
ここで、Tは炭化室の炉内温度(K)であり、tは炉蓋を取り外してから前記レーザー式3次元形状測定装置で測定を開始するまでの時間(min)であり、Lは前記窯口から前記レーザー式3次元形状測定装置までの距離(m)である。
[2] 前記炉蓋を取り外してから前記レーザー式3次元形状測定装置で測定を開始するまでの時間は10分以上である、[1]に記載のコークス炉の炉壁形状測定方法。
[3] 前記炉蓋を取り外してから前記レーザー式3次元形状測定装置で測定を開始するまでの時間は60分以内である、[1]または[2]に記載のコークス炉の炉壁形状測定方法。
[4] [1]または[2]に記載のコークス炉の炉壁形状測定方法で測定された炉壁形状に基づいて前記炭化室の炉壁を補修する、コークス炉の炉壁補修方法。
[5] [3]に記載のコークス炉の炉壁形状測定方法で測定された炉壁形状に基づいて前記炭化室の炉壁を補修する、コークス炉の炉壁補修方法。
本発明によれば、上記(1)式を満足するように、コークス炉の炉蓋を取り外してから測定を開始するまでの時間と、窯口からの距離とを定めることでレーザー照射孔および検出孔の熱変形を防止できる。これにより、レーザー式3次元形状測定装置を用いてコークス炉の炉壁形状が測定できるようになり、当該測定によって得られる炉壁形状データに基づいてコークス炉の炉壁補修も実施できる。
図1は、本実施形態に係るコークス炉の炉壁形状測定方法で、炭化室10の炉壁形状を測定する状態を示す斜視模式図である。 図2は、炭化室から放出される輻射熱を説明する模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な一例を示すものであり、これらの例によって何ら限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るコークス炉の炉壁形状測定方法で、炭化室10の炉壁形状を測定する状態を示す斜視模式図である。図1に示すように、コークス炉1における炭化室10の炉壁形状は、炭化室10の前方のプラットフォーム30に設置されたレーザー式3次元形状測定装置20によって測定される。レーザー式3次元形状測定装置20は、レーザー照射孔から炉蓋12を外した状態の窯口11から炉壁13に向けて斜めにレーザー21を照射し、炉壁13からの反射光を検出孔で受光することで、炭化室10の炉壁形状を点群として測定する装置である。
レーザー式3次元形状測定装置20では、炭化室10の左右の炉壁形状を別々に測定することが好ましい。炭化室10は上側に高さ6m程度、幅400mm程度、奥行き16m程度の大きさで、窯口11が幅400mm程度、高さ6m程度の細長い構造になっている。炭化室10の外側からレーザー21を照射する場合に、左右両側の炉壁形状を一度に測定しようとすると、レーザー21の入射角度が炉壁13に対して浅くなる。このように浅い角度でレーザー21が入射すると、炉壁13が張り出している場合には、その奥が陰になってレーザー21が届かなくなり、炉壁形状が測定できなくなる。一方、炉壁形状を左右別々に測定することで、レーザー21の入射角度を炉壁13に対して大きくできるので、炉壁13が張り出している場合であっても炉壁形状を測定できる。
レーザー式3次元形状測定装置20によって測定された左右の炉壁形状データは、別々に評価してもよく、これら2つの炉壁形状データを炭化室10の周辺の基準物を元に合成して、一つの合成炉壁形状データとして評価してもよい。2つの形状データを別々に評価する場合には、測定した点群から平均平面を算出し、平均平面からの各点の距離を計算することで、炉壁13の凹凸状態を数値化できる。距離の計算は、各点と平均平面の法線方向の距離を計算してもよく、炭化室10の幅方向の距離を計算してもよい。このように2つの炉壁形状データを用いて炉壁13の凹凸状態を確認することができる。
炭化室10からコークスを押出す際には、幅400mm程度の炭化室10に、幅350mm程度の押出しラムを挿入する。このため、押出しラムが炭化室10内を円滑に通過できるかどうかは、左右の炉壁間の距離が重要になる。左右の炉壁間の距離を計算するには、左右の炉壁形状データを炭化室10の周囲の基準物を元に合成した一つの合成炉壁形状データを用いて左右の炉壁間の距離を計算することが好ましい。
具体的には、まず、窯口11の周辺に専用の基準体22を少なくとも2つ設置して、左右の炉壁形状の測定と同時にこの基準体22の位置も測定する。次に、それぞれの測定データの中の基準体22の中心位置を算出する。基準体22の位置関係は変わらないことから、左右それぞれの炉壁形状データ中の基準体22の中心位置の一対一の対応を見つけ、これらが重なるように一方の炉壁形状データを移動することで、2つの炉壁形状データを一つの合成炉壁形状データにまとめることができる。
基準体22は、レーザー式3次元形状測定装置20に専用に用いられるものであってもよく、位置の特定が容易なものが炭化室10の周囲にあれば、それを用いてもよい。窯口11付近には、炉枠とよばれる部材が設けられている。炉枠は、傷みが進むと取替え補修を行うことや、炉壁13を基準として取り付けされるので、上記基準体22に代えて、炉枠を基準に用いてもよい。これにより、左右の炉壁13の相対位置関係が明確になり、高い精度で一つの合成炉壁形状データを作成できる。
コークス炉はコークスケーキを押出す際に、コークスケーキと炉壁とがこすれにくくなるように、コークスケーキが押し出される側の窯幅を、押出しラムを挿入する側の窯幅よりも30mm程度広くするテーパー形状にしている。すなわち、奥行16mに対して30mm程度のテーパーが両側に設けられているので、個別の炉壁形状データから計算される平均平面を用いた凹凸状態の評価ではずれが生じる場合がある。これに対して、左右の炉壁形状データを合成した合成炉壁形状データを用いることで、窯幅の拡がり具合も明らかになるので、設計形状データと比較することで炉壁13の凹凸状態を正確に把握できる。
このように、レーザー式3次元形状測定装置20を用いることで、コークス炉1における炭化室10の炉壁形状を測定できる。さらに、炭化室10の炉壁形状を測定して得られる炉壁形状データを設計形状データと比較することで炉壁13の変形状態(炉壁の凹凸や窯幅の変化)を検出できるので、当該変形状態に基づくことで炉壁13の補修も容易に行うことができる。
一方、炭化室10の炉蓋12を取り外し、プラットフォーム30に設置されたレーザー式3次元形状測定装置20によって炉壁形状を測定しようとすると、レーザー照射孔および検出孔が炭化室10からの輻射熱によって変形してしまい、炉壁の形状が測定できなくなる場合があった。
そこで、本実施形態に係るコークス炉の炉壁形状測定方法では、炭化室10の炉蓋12を取り外してからレーザー式3次元形状測定装置20で炉壁形状の測定を開始するまでの時間を定めて、炭化室10の炉壁形状を測定する。炉蓋12を取り外してから所定時間が経過することで、炭化室10の炉内温度が下がり、炭化室10からの輻射熱が減少するのでレーザー照射孔および検出孔の変形が防止される。これにより、レーザー式3次元形状測定装置20を用いて炉壁形状が測定できるようになる。
具体的には、炭化室10の炉内温度が1150℃であって、窯口11からレーザー式3次元形状測定装置20までの距離が1.5mである場合、炭化室10の炉蓋12を取り外してから10分経過後にレーザー式3次元形状測定装置20を設置して測定すれば、レーザー照射孔および検出孔の変形がなく、レーザー式3次元形状測定装置20を用いて炉壁形状が測定できる。
炭化室10からの輻射熱は、炭化室10の炉内温度、炉蓋12を取り外してから測定を開始するまでの時間および窯口11からレーザー式3次元形状測定装置20までの距離によって変わる。このため、炭化室10の炉内温度をTとし、炉蓋12を取り外してから炉壁形状の測定を開始するまでの時間をtとし、窯口11からレーザー式3次元形状測定装置20までの距離をLとすると、下記(1)式を満たすように時間tおよび距離Lを定める。なお、本実施形態において炉壁形状の測定を開始するとは、レーザー式3次元形状測定装置20を設置して炉壁形状の測定を開始すること、もしくは、耐熱布で遮熱されたレーザー式3次元形状測定装置20の耐熱布を取り外し、炉壁形状の測定を開始することを意味する。
(10/t)/{(L+4)/5.5}×T ≦4.1×1012・・・(1)
ここで、Tは炭化室10の炉内温度(K)であり、tは炉蓋12を取り外してからレーザー式3次元形状測定装置20で測定を開始するまでの時間(min)であり、Lは窯口11からレーザー式3次元形状測定装置20までの距離(m)である。
このように時間tおよび距離Lを定めて炉壁形状を測定することで、レーザー照射孔および検出孔の変形がなく、レーザー式3次元形状測定装置20を用いて炭化室10内の炉壁13の形状を測定できるようになる。
図2は、炭化室から放出される輻射熱を説明する模式図である。図2を用いて上記(1)式を説明する。炉蓋12は、コークスサイド(コークスが押し出される側)とマシンサイド(押出しラムでコークスを押し出す側)の2カ所に設けられている。このため、炉壁13の全面を測定するには、各炉蓋12側の窯口11から炉壁13の中央8mまで測定すればよい。したがって、炉蓋12を取り外してから所定時間経過後において、炭化室10の炉内温度の代表的な温度位置は、炭化室10の奥行方向8mの中央位置(4mの位置)と考えられることから、この位置からの輻射熱を考えた。輻射熱のうち、輻射効果の時間は距離の2乗に反比例することから、炉蓋12を取り外してから10分経過後における窯口11からの距離Lの位置P2の輻射効果の時間は、窯口11からの距離1.5mの位置P1の輻射熱を基準に考えると下記(2)式で表すことができる。
10/{(L+4)/(1.5+4)}・・・(2)
また、輻射熱は温度の4乗に比例することから、炉蓋12を取り外してからレーザー式3次元形状測定装置20で測定を開始するまでの時間と炭化室10の炉内温度を考慮すると下記(3)式が導かれる。
(10/t)/{(L+4)/(1.5+4)}×T ・・・(3)
上記(3)式に炉内温度T:1150+273K、距離L:1.5m、時間t:10分を代入して計算した値が「4.1×1012」である。上述したように、炭化室10の炉内温度が1150℃であり、距離Lが1.5mであり、時間tが10分の条件であればレーザー照射孔および検出孔の変形がなかった。このため、上記(3)式が4.1×1012以下になるように距離Lおよび時間tを定めて炉壁形状を測定することでレーザー照射孔および検出孔の変形を防止できることがわかるので、上記(1)式が導かれる。
なお、高さ6mの炉壁にレーザー21を照射するには、レーザー式3次元形状測定装置20を窯口11から1.5m以上離して設置することが必要である。また、プラットフォーム30の大きさの制約からレーザー式3次元形状測定装置20を窯口11から3.0m以内に設置することが必要である。したがって、窯口11からレーザー式3次元形状測定装置20までの距離Lは、下記(4)式を満たす必要がある。
1.5≦L≦3.0・・・(4)
次に、レーザー照射孔および検出孔の変形を防止できる炭化室の炉内温度と、窯口11からの距離と、時間の関係について確認を行った結果を説明する。表1は、炭化室10の炉内温度が1150℃である場合の各条件における上記(1)式の左辺の値を示す表である。
Figure 0007306602000001
表1に示すように、炭化室10の炉内温度が1150℃である場合、上記黒枠内は上記(1)式の左辺の値が4.1×1012以下となった。この結果から、炭化室10の炉内温度が1150℃である場合には、窯口11からの距離Lを1.5m以上3.0m以下とし、炉蓋12を取り外してから炉壁形状の測定を開始するまでの時間tを10分以上とすればレーザー照射孔および検出孔の変形を防止できることがわかる。
表2は、炭化室10の炉内温度が1100℃である場合の各条件における上記(1)式の左辺の値を示す表である。
Figure 0007306602000002
表2に示すように、炭化室10の炉内温度が1100℃の場合、上記黒枠内は上記(1)式の左辺の値が4.1×1012以下となった。この結果から、炭化室10の炉内温度Tが1100℃である場合には、窯口11からの距離Lを1.5m以上3.0m以下とし、炉蓋12を取り外してから炉壁形状の測定を開始するまでの時間tを10分以上とすればレーザー照射孔および検出孔の変形を防止できることがわかる。
表3は、炭化室10の炉内温度が1000℃である場合の各条件における上記(1)式の左辺の値を示す表である。
Figure 0007306602000003
表3に示すように、炭化室10の炉内温度が1000℃の場合、上記黒枠内は上記(1)式の左辺の値が4.1×1012以下となった。この結果から、炭化室10の炉内温度が1100℃である場合には、窯口11からの距離を1.5m以上2.5m未満とし、炉蓋12を取り外してから炉壁形状の測定を開始するまでの時間を10分以上とすればレーザー照射孔および検出孔の変形を防止できることがわかる。同様に、窯口11からの距離を2.5m以上3.0m以下とし、炉蓋12を取り外してから炉壁形状の測定を開始するまでの時間を5分以上とすればレーザー照射孔および検出孔の変形を防止できることがわかる。
また、コークスの製造において、炭化室10の炉内温度が1150℃となるのはコークス炉の稼働率を135%にしてコークスを製造する場合である。ここで、稼働率135%とは、100の炭化室を備えるコークス炉であれば1日のうちに135回押し出してコークスを製造する操業を意味する。稼働率135%より高めてコークスを製造することはないことから、炉内温度1150℃は、炭化室10の炉内温度として最も高い温度であるといえる。この最も高い炉内温度で、且つ、窯口11からの距離が最も短い1.5mであっても炉蓋12を取り外してから炉壁形状の測定を開始するまでの時間を10分以上にすればレーザー照射孔および検出孔の変形を防止できる。このため、炉蓋12を取り外してから炉壁形状の測定を開始するまでの時間を10分以上にすることで、確実にレーザー照射孔および検出孔の変形を防止できることがわかる。
また、1000℃以上にして稼働していた炭化室10の炉内温度が600℃未満になると、炭化室10内のレンガが収縮して割れが発生する。このため、窯口11における炉内温度が600℃未満になる前に、炉壁形状の測定を終了することが好ましい。そこで、炉内温度が1000~1150℃における炉蓋12を取り外してからの時間と、窯口11における炉内温度との関係を確認した。その結果を下記表4に示す。
Figure 0007306602000004
表4に示すように、炉内温度が1000℃(稼働率100%)の場合であっても炉蓋12を取り外してから60分以内であれば、窯口11における炉内温度を600℃以上に維持された。この結果から、窯口11における炉内温度が600℃未満になるのを防止するには、炉壁形状の測定時間を5分とすると、炉蓋12を取り外してから60分以内にレーザー式3次元形状測定装置20で炉壁形状の測定を開始することが好ましい。これにより、測定後においても窯口11における炉内温度が600℃未満になることを防止でき、炭化室10内のレンガの割れを防止できる。
以上、説明したように、本実施形態に係るコークス炉の炉壁形状の測定方法では、上記(1)式を満足するように炭化室10の炉内温度、炉蓋12を取り外してから測定を開始するまでの時間および窯口11からレーザー式3次元形状測定装置までの距離を定めるので、レーザー照射孔および検出孔の熱変形を防止できる。これにより、レーザー式3次元形状測定装置を用いてコークス炉の炉壁形状が測定できるようになり、当該測定によって得られる炉壁形状データに基づいてコークス炉の炉壁補修も実施できるようになる。
次に、稼働率120%(炉内温度:1100℃)で操業されているコークス炉の炭化室を、レーザー式3次元形状測定装置を用いて炉壁形状を測定した実施例を説明する。レーザー式3次元形状測定装置を窯口から1.5mの位置に設置し、炉蓋を取り外してから炉壁形状の測定を開始するまでの時間を変えて、コークス炉の炉壁形状を測定した。炉蓋を取り外してからの時間、測定結果、装置の損傷の有無を確認した結果および上記(1)式の左辺の値を下記表5に示す。
Figure 0007306602000005
表5に示すように、上記(1)式の左辺が4.1×1012以下となった発明例1~6ではレーザー式3次元形状測定装置の破損がなく、炉壁形状の測定が完了できた。また、コークス炉の炭化室内のレンガの割れの発生も確認されなかった。一方、上記(1)式の左辺が4.1×1012以下を超える比較例1、2ではレーザー照射孔および検出孔に変形が生じ、炉壁形状の測定ができなかった。これらの結果から、上記(1)式を満足するように炉内温度、炉蓋12を取り外しから測定までの時間および窯口からの距離を定めることで、装置の破損を防止でき、レーザー式3次元形状測定装置で炉壁形状を測定できることが確認された。
1 コークス炉
10 炭化室
11 窯口
12 炉蓋
13 炉壁
20 レーザー式3次元形状測定装置
21 レーザー
22 基準体
30 プラットフォーム

Claims (5)

  1. 炉蓋を取り外した炭化室の外側にレーザー式3次元形状測定装置を設置し、前記レーザー式3次元形状測定装置を用いて前記炭化室の炉壁形状を測定するコークス炉の炉壁形状測定方法であって、
    下記(1)式を満たすように、前記炉蓋を取り外してから前記レーザー式3次元形状測定装置で測定を開始するまでの時間と、窯口から前記レーザー式3次元形状測定装置までの距離とを定めて前記炉壁形状を測定する、コークス炉の炉壁形状測定方法。
    (10/t)/{(L+4)/5.5}×T ≦4.1×1012・・・(1)
    ここで、Tは炭化室の炉内温度(K)であり、tは炉蓋を取り外してから前記レーザー式3次元形状測定装置で測定を開始するまでの時間(min)であり、Lは前記窯口から前記レーザー式3次元形状測定装置までの距離(m)である。
  2. 前記炉蓋を取り外してから前記レーザー式3次元形状測定装置で測定を開始するまでの時間は10分以上である、請求項1に記載のコークス炉の炉壁形状測定方法。
  3. 前記炉蓋を取り外してから前記レーザー式3次元形状測定装置で測定を開始するまでの時間は60分以内である、請求項1または請求項2に記載のコークス炉の炉壁形状測定方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載のコークス炉の炉壁形状測定方法で測定された炉壁形状に基づいて前記炭化室の炉壁を補修する、コークス炉の炉壁補修方法。
  5. 請求項3に記載のコークス炉の炉壁形状測定方法で測定された炉壁形状に基づいて前記炭化室の炉壁を補修する、コークス炉の炉壁補修方法。
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