以下、図面を参照して、一実施形態に係るタッチパネル装置について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本タッチパネル装置は実施形態の構成には限定されない。
<第1の実施の形態>
<1.構成>
図1は、本実施形態のタッチパネルを有する車載用の表示装置のハードウェア構成の一例を示す構成図である。タッチパネル14を有する表示装置10(以下、タッチパネル装置10とも称す)は、例えば、図11で後述するAVN機(車載用オーディオ・ビジュアル・ナビゲーション一体機)の一部を構成する。タッチパネル装置10には、例えば、AVN機からナビゲーション、テレビジョン(TV)放送、DVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray(登録商標) Disc)等の再生画像、カメラ撮影画像、車両状態を示す描画画像といったAVN機が表示可能な各種のコンテンツが供給される。また、タッチパネル装置10には、例えば、AVN機の備えるBluetooth(登録商標)といった通信機
能、USB(Universal Serial Bus)といった外部インターフェース機能を用いて接続されたスマートフォンの連携する表示画面、ゲーム等のコンテンツが供給される。タッチパネル装置10は、例えば、AVN機から供給された様々なコンテンツを表示する表示デバ
イスとして機能すると共に、例えば、タッチパネル面に重畳させて接触させた操作指の接触位置を検出する入力デバイスとして機能する。
図1に例示のように、タッチパネル装置10は、接続バス17によって相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)11、主記憶装置12、補助記憶装置13、タッ
チパネル14、通信IF(Interface)15、入出力IF16を備える。タッチパネル1
4は、表示デバイス14a、タッチセンサ14bを含む。CPU11はプロセッサとも呼ばれる。ただし、CPUは、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPUがマルチコア構成であってもよい。
CPU11は、タッチパネル装置10全体の制御を行う中央処理演算装置である。CPU11は、補助記憶装置13に記憶されたプログラムを主記憶装置12の作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行うことで所定の目的に合致した機能を提供する。主記憶装置12は、CPU11がプログラムやデータをキャッシュしたり、作業領域を展開したりする記憶媒体である。主記憶装置12は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。補助記憶装置13は、CPU11により実行されるプログラムや、動作の設定情報などを記憶する記憶媒体である。補助記憶装置13は、例えば、HDD(Hard-disk Drive)やS
SD(Solid State Drive)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、USBメモリ、SD(Secure Digital)メモリカード等である。通信IF15は、タッチパネル装置10に接続するネットワークとのインターフェースである。入出力IF16は、タッチパネル装置10に接続するセンサや装置との間でデータの入出力を行うインターフェースである。なお、上記の構成要素はそれぞれ複数に設けられてもよいし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。また、上記の構成要素は、AVN機の構成要素に含まれるとしてもよい。
タッチパネル14は、表示デバイス14aの表面に接触位置の座標を検出するタッチセンサ14bを重畳させて組合せた電子デバイスである。表示デバイス14aは、例えば、LCD、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)パネル、有機
ELパネル等である。タッチセンサ14bは、例えば、静電容量方式のタッチセンサである。静電容量方式のタッチセンサでは、例えば、ITO(酸化インジウムスズtin-doped indium oxide)等の透明電極である受信側電極及び送信側電極が、縦横2層に交差するようマトリクス状に配置される。マトリクス状に配置された受信側電極と送信側電極とが交差する交点では、例えば、操作指等の接触によって発生した電極間の電界の変化が検出信号として検知される。タッチセンサ14bは、例えば、上記交点の検出信号から操作指等の接触状態を検知し、接触状態となった交点の位置から接触位置の座標を検出する。接触位置の座標は、例えば、タッチパネル14として組合せられた表示デバイス14aの左上角部を原点とし、表示デバイス14aの左右方向をX軸、上下方向をY軸とした(X,Y)の2次元座標として表される。
タッチパネル装置10では、CPU11のプログラムの実行により、移動操作処理部21の処理が提供される。但し、移動操作処理部21の少なくとも一部の処理がDigital Signal Processor(DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)等によって提供されてもよい。また、移動操作処理部21の少なくとも一部が、Field-Programmable Gate Array(FPGA)等の専用large scale integration(LSI)、その他のデジタル回路であ
ってもよい。また、移動操作処理部21の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。なお、タッチパネル装置10は、移動操作処理部21が参照し、或いは、管理するデータの格納先として、例えば、補助記憶装置13に有効領域DB201、部品管理DB202を備える。
移動操作処理部21は、例えば、タッチパネル14面で検出された接触操作に基づいて接触位置に対応する操作部品の表示位置の変更処理を行う。有効領域DB201には、タッチパネル14面における接触操作を有効とするための座標情報が格納される。部品管理DB202には、例えば、表示デバイス14aに表示される操作部品、操作部品の表示位置の座標情報、操作部品に関連付けられた操作機能(プログラム名)が対応付けて格納される。
タッチパネル装置10は、例えば、ユーザ操作が可能なようにタッチパネル14面を露出するようにして車両のセンターコンソール等に収容される。タッチパネル装置10は、表示デバイス14aに表示された操作部品の表示位置に対する操作指等の接触を検出し、該操作部品に関連付けられた操作機能を提供する。
<2.表示構成>
(従来例)
図2は、従来のタッチパネル14の表示構成を説明する説明図である。図2において、破線の矩形枠で囲まれた操作領域Aはタッチパネル14上の助手席側の端部領域を表し、破線の矩形枠で囲まれた操作領域Cはタッチパネル14上の運転席側の端部領域を表す。タッチパネル14の操作領域Aは、操作部品を表示する表示領域A1−A5を有し、同様にして、操作領域Cは、操作部品を表示する表示領域C1−C5を有する。また、破線の矩形枠で囲まれた操作領域Bは、例えば、AVN機から供給されるコンテンツが主に表示されるディスプレイ部B1が設けられる中央領域を表す。なお、ディスプレイ部B1の上部には、AVN機が再生可能なコンテンツを記録したCD(Compact Disc)、DVD、BDといった可搬型の記録媒体の挿入・排出口Z1が配置される。
従来のタッチパネル14においては、操作領域Aの表示領域A1−A5には、ディスプレイ部B1に対して助手席側に実装されていた複数のハードウェア部品の配置位置を変えずに、ハードウェア機能を模擬した操作部品として表示される。操作部品は、グラフィックユーザインターフェース(GUI)部品とも呼ばれる。
図2の、操作領域Cの表示領域C1−C5には、ディスプレイ部B1に対して運転席側に実装されていた複数のハードウェア部品の配置位置を変えずに、ハードウェア機能を模擬した操作部品として表示される。表示領域A1−A5、C1−C5に表示される操作部品には、ハードウェア部品で実装されていた操作ボタンの機能がアプリケーションプログラム(以下、アプリとも称す)を介して機能するように関連付けられる。
例えば、表示領域A1−A5に表示される操作部品には、助手席側にハードウェア部品として実装されていた操作ボタンの機能が配置位置を変えずに、アプリ機能として固定されて割り付けられる。同様にして、例えば、表示領域C1−C5に表示される操作部品には、運転席側にハードウェア部品として実装されていた操作ボタンの機能が配置位置を変えずに、アプリ機能として固定されて割り付けられる。ユーザは、ハードウェア部品として実装されていた操作ボタンと共通のインターフェースでタッチパネル14に表示された操作部品への接触操作を行っていた。
また、コンピュータプログラムの制御により、タッチパネル14における操作領域A、B、Cでは、それぞれに接触操作を検出する領域が独立して形成されていた。つまり、例えば、コンピュータプログラムの制御は、操作領域Aでは表示領域A1−A5に対する接触操作を検出し、応答するが、操作領域A内の表示領域A1−A5から離れた位置では接触操作を無視し、応答しない。
同様にして、コンピュータプログラムの制御は、操作領域Cを検出し、応答するが、操作領域C内の表示領域C1−C5から離れた位置に対する接触操作を無視し、応答しない。また、同様にしてコンピュータプログラムの制御は、操作領域B内のディスプレイ部B1に対する接触操作を検出し、応答するが、操作領域B内のディスプレイ部B1から離れた位置では接触操作を無視し、応答しない。
このため、従来のタッチパネル14では、ユーザの接触操作は、各領域内に表示された操作部品等への単独操作に限定されていた。
従来のタッチパネル14においては、操作領域Aの表示領域A1−A5に割り付けられた操作部品を、例えば、操作領域Cの表示領域C−C5に配置変更することはできなかった。このため、運転席のユーザが操作領域Aに表示された操作部品を操作する場合、手を伸ばしてユーザから離れた助手席側の、操作部品の表示位置に操作指等を接触させ、操作部品に割り付けられた機能を実行させるといった手間が生じていた。また、従来のタッチパネル14では、例えば、搭載される車両のハンドルの取付位置が、所謂、“右ハンドル”と“左ハンドル”のように異なる場合には、それぞれのハンドル取付位置に対応したタッチパネル14の開発が要求されていた。このため、タッチパネル14に関するコストが割高になる傾向にあった。
(本実施形態)
図3は、本実施形態に係るタッチパネル14の接触操作を有効とする領域の一例を示す図である。本実施形態に係るタッチパネル装置10では、タッチセンサ14bは、図2の操作領域A、C、及び、ディスプレイ部B1が表示される操作領域Bを統一した接触位置の座標を検出する。本実施形態に係るタッチパネル装置10は、従来では独立して区分けされていた操作領域A、B、Cを複合化して統一した接触位置を検出することで、例えば、接触状態を維持したまま継続して領域間を跨ぐ移動操作(以下、スライド操作とも称す)を検出することが可能となる。
図3において、左斜め斜線でハッチングされた領域Dは、例えば、本実施形態のタッチパネル装置10における接触操作を有効とする有効領域である。領域D1には、例えば、図2の表示領域A1−A5、C1−C5、及び、ディスプレイ部B1の表示領域が含まれる。領域D1では、例えば、表示領域A1−A5の各領域とディスプレイ部B1の表示領域、表示領域C1−C5の各領域とディスプレイ部B1の表示領域は有効領域として統一される。なお、タッチパネル装置10では、領域Dの座標範囲は、例えば、補助記憶装置13の有効領域DB201に管理される。また、各表示領域に表示される操作部品の表示位置、及び、操作部品に関連付けられたアプリ機能(プログラム名)は、補助記憶装置13の部品管理DB202に管理される。
タッチパネル装置10は、例えば、タッチパネル14面への操作指等の接触操作の開始位置に操作部品が存在する場合には、領域Dの座標範囲内でのタッチパネル14への接触操作として受け付ける。タッチパネル装置10は、受け付けた接触操作が領域D内での接触状態を維持したまま操作指等の移動を伴うスライド操作のときには、例えば、スライド操作の開始位置に表示された操作部品を移動さる。そして、タッチパネル装置10は、例えば、スライド操作の開始位置から移動させた操作部品をスライド操作の終了位置に表示する。
スライド操作の開始位置に配置されていた操作部品は、例えば、スライド操作の終了位置に再配置することが可能となる。タッチパネル装置10は、例えば、助手席側の表示領域A1−A5に表示された操作部品をスライド操作によって運転席側の表示領域C1−C5に移動することが可能となり、操作部品に関連付けられた機能を移動先の表示領域で使
用することが可能となる。
本実施形態のタッチパネル装置10では、タッチパネル14に表示される操作部品のユーザビリティを向上することが可能となる。以下、本実施形態に係るタッチパネル装置10の、タッチパネル14における操作部品の移動操作について説明する。
(ケース1)
図4は、運転席側の表示領域に表示された操作部品を助手席側の表示領域に移動する移動操作の一例を示す図である。図4の、表示領域A1−A5、C1−C5、ディスプレイ部B1、可搬型の記録媒体の挿入・排出口Z1については、図2を用いて説明した。また、図4の、表示領域A1−A5、C1−C5、ディスプレイ部B1は、図3を用いて説明した領域Dに含まれる。表示領域A1−A5、C1−C5、ディスプレイ部B1で発生したユーザの操作指等による接触は、接触操作としてタッチパネル装置10に受け付けられる。なお、上記の各表示領域、挿入・排出口Z1、領域Dについては、後述する図5−図9においても同様である。
図4において、タッチパネル14の運転席側の表示領域C2には、例えば、コンテンツとして供給される音量の増減を調節するvolume機能が操作部品“VOL”として表示されている。操作部品“VOL”は、volumeの略称である“VOL”の文字列を有するアイコンとして表示領域C2に表示される。操作部品“VOL”には、例えば、音量の増減を調整するアプリ機能が関連付けられている。補助記憶装置13の部品管理DB202には、例えば、操作部品“VOL”のアイコン(描画データ)、操作部品“VOL”に関連付けられるアプリ機能(プログラム名)、表示領域C2の座標情報が対応付けて格納される。表示領域C2の座標情報は、例えば、タッチパネル14上の左上角部の2次元座標と右下角部の2次元座標により表される。
タッチパネル装置10は、表示領域C2が表示されたタッチパネル14面への操作指T1の接触操作を受け付ける。タッチパネル装置10は、例えば、部品管理DB202を参照し、表示領域C2に対応する操作部品“VOL”のアイコンの描画データ、操作部品“VOL”に関連付けられたアプリ機能を特定する。
タッチパネル装置10は、例えば、表示領域C2で受け付けた接触操作の接触状態が継続したままで接触位置が移動するスライド操作を受け付ける。図4において、タッチパネル装置10が受け付けたスライド操作は、表示領域C2を接触操作の開始位置として、接触状態が継続したままで接触位置がディスプレイ部B1を中継して表示領域A2まで移動する。そして、タッチパネル14面に接触させた操作指T1は、表示領域A2内でタッチパネル14面から離脱し、接触状態が終了する。
なお、操作部品“VOL”のアイコンは、スライド操作の接触位置の移動と共に、ディスプレイ部B1内に表示され、移動する。ここで、タッチパネル装置10は、例えば、操作部品“VOL”のアイコンが、スライド操作に伴ってディスプレイ部B1内へ移動した後に、操作部品“VOL”のアイコンの配置元の表示領域C2の表示態様を変化させるとしてもよい。例えば、上記操作部品の配置元である表示領域C2を明滅、表示色の変更や背景色に近しい色へのぼかし表示といった表示態様の変化が例示される。
タッチパネル装置10は、スライド操作に伴って移動するアイコンの配置元である表示領域の表示態様の変化を、アイコンに対応付けられた操作部品が再配置されるまで継続する。タッチパネル装置10は、配置元の表示態様の変化を操作部品が再配置されるまで継続することで、スライド操作による操作部品の再配置の操作中であることを車両の乗員等に提示できる。タッチパネル装置10では、スライド操作に伴う操作部品の再配置につい
てのユーザビリティを向上することができる。なお、ディスプレイ部B1での移動中の操作部品についてのアイコン表示、及び、該操作部品の配置元の表示領域の表示態様の変化については、後述する図5−図10においても同様である。
タッチパネル装置10は、スライド操作に伴う接触位置の移動と共に、表示領域C2の操作部品“VOL”のアイコンを移動させる(E1)。そして、タッチパネル装置10は、タッチパネル14面に接触させた操作指T1が離脱した、スライド操作の終了位置を領域内に含む表示領域A2に対して操作部品“VOL”を再配置する。操作部品“VOL”のアイコンは、タッチパネル14の表示領域A2に表示される。
タッチパネル装置10では、例えば、車両のハンドルの取付位置(右ハンドル/左ハンドル)に合わせて運転席側及び助手席側に配置されていた操作部品を入れ替えることが可能になる。車両のハンドルの取付位置(右ハンドル/左ハンドル)のそれぞれに分かれていたタッチパネル装置10の意匠を共通化することが可能になるため、例えば、タッチパネル装置10の開発コスト、管理コストを低減することができる。
なお、タッチパネル装置10は、例えば、スライド操作によって再配置された操作部品“VOL”の、部品管理DB202に格納された管理情報を更新する。タッチパネル装置10は、例えば、操作部品“VOL”に対応付けて管理される座標情報を表示領域C2から再配置後の表示領域A2の座標情報に更新する。タッチパネル装置10は、部品管理DB202に格納された操作部品の管理情報を再配置された表示位置に更新することで、操作部品に係る最新状態の情報を管理できる。なお、タッチパネル装置10は、例えば、操作部品が配置される表示領域の座標情報を初期状態及び最新状態といった組合せで管理するとしてもよい。タッチパネル装置10では、初期状態の操作部品の配置位置と再配置された最新状態の操作部品の配置位置とを管理することができる。
(ケース2)
図5は、運転席側及び助手席側の表示領域に表示された操作部品をユーザニーズに合わせて再配置する移動操作の一例を示す図である。図5において、タッチパネル14の助手席側の表示領域A1には、例えば、挿入・排出口Z1に挿入された可搬型の記録媒体を取り出すためのeject機能が操作部品“EJEC”として表示されている。また、タッチパ
ネル14の運転席側の表示領域C3には、例えば、AVN機のオーディオを起動するaudio機能が操作部品“Audi”として表示されている。操作部品“EJEC”は、ejectの略称である“EJEC”の文字列を有するアイコンとして表示領域A1に表示され、操作部品“Audi”は、audioの略称である“Audi”の文字列を有するアイコンとして
表示領域C3に表示される。操作部品“EJEC”には、例えば、可搬型の記録媒体を取り出すためのアプリ機能、操作部品“Audi”には、AVN機のオーディオを起動するためのアプリ機能が関連付けられている。操作部品“EJEC”、操作部品“Audi”は、例えば、図4で説明した操作部品“VOL”と同様にして部品管理DB202で管理される。
図5において、タッチパネル装置10のユーザには、例えば、助手席側の表示領域A1に配置された操作部品“EJEC”を運転席側、運転席側の表示領域C3に配置された操作部品“Audi”を助手席側に配置したいといったニーズがあると想定する。タッチパネル装置10のユーザは、例えば、操作指T2を操作部品“EJEC”が表示された表示領域A1に重畳させて接触し、接触状態を維持したまま表示領域C1への移動を伴うスライド操作を行う。同様にして、ユーザは、例えば、操作指T3を操作部品“Audi”が表示された表示領域C3に重畳させて接触し、接触状態を維持したまま表示領域A5への移動を伴うスライド操作を行う。
タッチパネル装置10は、表示領域A1での操作指T2の接触操作を受け付けると共に、部品管理DB202を参照し、操作部品“EJEC”のアイコン、アプリ機能を特定する。タッチパネル装置10は、操作指T2のスライド操作に伴う接触位置の移動と共に、表示領域A1に配置された操作部品“EJEC”のアイコンを移動させる(E2)。タッチパネル装置10は、スライド操作の終了位置を領域内に含む表示領域C1に対して操作部品“EJEC”を再配置する。同様にして、タッチパネル装置10は、表示領域C3での操作指T3の接触操作を受け付けると共に、操作部品“Audi”のアイコン、アプリ機能を特定する。タッチパネル装置10は、スライド操作に伴う接触位置の移動と共に、表示領域C3の操作部品“Audi”のアイコンを移動させる(E3)。タッチパネル装置10は、スライド操作の終了位置を領域内に含む表示領域A5に対して操作部品“Audi”を再配置する。
タッチパネル装置10は、図4で説明した操作部品“VOL”と同様に、スライド操作によって再配置された操作部品“EJEC”、操作部品“Audi”の、部品管理DB202に格納された管理情報を更新する。タッチパネル14では、操作部品“EJEC”のアイコンは表示領域C1、操作部品“Audi”のアイコンは表示領域A5に表示される。タッチパネル装置10では、ユーザニーズに合わせて運転席側及び助手席側の表示領域に表示された操作部品を再配置することができる。
なお、操作部品の再配置は、運転席側の表示領域間、或いは、助手席側の表示領域間でも可能である。例えば、図5の表示領域A1に表示された操作部品“EJEC”を表示領域A5に再配置することができる。同様にして、図5の表示領域C3に表示された操作部品“Audi”を表示領域C1に再配置することができる。運転席側の表示領域間、或いは、助手席側の表示領域間で操作部品の再配置を行うことで、ユーザニーズに合わせて操作部品の表示順序を変更することができる。
ところで、操作部品の数量が、表示領域の設定数に満たない場合が想定される。例えば、操作の対象となるアプリ機能を割当てた操作部品の数量が、表示領域A1−A5、C1−C5の設定総数である「10」を下回る場合である。この場合には、タッチパネル14上には、操作部品が配置されないブランク(空き)状態の表示領域が表示されることになる。上記の場合には、タッチパネル装置10は、例えば、操作部品が配置されないブランク状態の表示領域の配色を、図2の表示領域間の配色と同色(或いは、類似色)にすることができる。タッチパネル装置10は、操作部品が配置された表示領域の識別性を相対的に高めることが可能となる。タッチパネル装置10は、操作機能に関連付けられた操作部品に限定した表示を行うことができる。
タッチパネル装置10は、さらに、該表示領域の外周領域の配色を、図2の表示領域間の配色と同色(或いは、類似色)にすることで、該表示領域の領域サイズや形状を変化させるとしてもよい。同様にして、表示領域の外周領域の配色をグラデーションにより変化させ、奥行きを表現するとしてもよい。タッチパネル装置10は、操作部品が配置される表示領域の領域サイズや形状を変化させることで、操作部品に対する優先度の設定が可能になり、操作部品が表示される表示領域のデザイン性を高めることが可能になる。
(ケース3)
図6は、運転席側、助手席側の表示領域に配置された操作部品の機能をディスプレイ部B1内に設定する移動操作の一例を示す図である。図6において、タッチパネル14の助手席側の表示領域A2には、例えば、図4で説明した操作部品“VOL”が表示されている。但し、部品管理DB202においては、図4で説明した情報に加え、ディスプレイ部B1内で接触操作が可能なインターフェースを提供するためのアイコンの描画データが対応付けて格納される。ディスプレイ部B1内で操作可能なインターフェースとして、例え
ば、表示領域B2に表示可能な棒状のバースライダーが例示できる。バースライダーには、例えば、接触によるドラッグ操作が可能な操作部品が含まれる。タッチパネル装置10は、例えば、ドラッグ操作が可能な操作部品のバースライダー内の相対的な表示位置に合わせて音量の増減を調節することができる。
タッチパネル装置10は、表示領域A2での操作指T4の接触操作を受け付けると共に、部品管理DB202を参照し、操作部品“VOL”のアイコン、アプリ機能を特定する。部品管理DB202には、上記のディスプレイ部B1内で接触操作が可能なインターフェースを提供するためのアイコンの描画データが含まれる。タッチパネル装置10は、スライド操作に伴う接触位置の移動と共に、表示領域A2の操作部品“VOL”のアイコンを移動させる(E4)。
タッチパネル装置10は、スライド操作の終了位置がディスプレイ部B1内である場合には、“VOL”の文字列を有するアイコンに替えて、ディスプレイ部B1内で接触操作が可能なインターフェースを提供するためのアイコンの描画データを表示領域B2に表示する。タッチパネル装置10では、例えば、表示領域B2に表示されたインターフェースを用いて表示領域A2に配置された操作部品への接触操作が可能となる。
なお、タッチパネル装置10は、スライド操作の終了位置がディスプレイ部B1の場合において、例えば、表示領域A1−A5、C1−C5に配置された操作部品のアイコンの表示形態を変えずに表示領域B2に表示するとしてもよい。例えば、操作部品“EJEC”の場合では、“EJEC”の文字列を有するアイコンを表示領域B2に表示するとしてもよい。タッチパネル装置10では、例えば、表示領域A1−A5、C1−C5に配置された操作部品の機能をディスプレイ部B1内に設定することができる。例えば、表示領域A1−A5、C1−C5に配置された操作部品の中のお気に入り機能等をディスプレイ部B1内に設定することができる。
(ケース4)
図7は、運転席側、助手席側の操作部品の表示数をユーザニーズに合わせて変更する移動操作の一例を示す図である。図7において、タッチパネル14の助手席側の表示領域A1には操作部品“EJEC”、表示領域A2には操作部品“Audi”が表示されている。表示領域A3には、例えば、AVN機から供給された音声を消音状態にするmute機能が操作部品“MUTE”として表示されている。操作部品“MUTE”は、“MUTE”の文字列を有するアイコンである。表示領域A4には操作部品“VOL+”、表示領域A5には操作部品“VOL−”が表示されている。操作部品“MUTE”には、例えば、AVN機から供給された音声を消音状態にするアプリ機能が関連付けられている。操作部品“VOL+”には、AVN機から供給された音声を増加させるアプリ機能が関連付けられている。操作部品“VOL−”には、AVN機から供給された音声を減少させるアプリ機能が関連付けられている。操作部品“EJEC”、操作部品“Audi”については、図5で説明した。上記の各操作部品は、例えば、図4で説明した操作部品“VOL”と同様にして部品管理DB202で管理される。
図7において、タッチパネル装置10のユーザには、例えば、助手席側の表示領域に、オーディオ操作に係る複数の操作部品を纏めて配置したいというニーズがあると想定する。オーディオ操作に係る操作部品には、例えば、再生中の音声等の箇所を飛ばしてスキップさせるアプリ機能が関連付けられた操作部品“>”、再生中の音声等の箇所を戻してスキップさせるアプリ機能が関連付けられた操作部品“<”が含まれるとする。また、操作部品“>”、操作部品“<”は、例えば、運転席側の表示領域C4、C5に配置されていると想定する。
タッチパネル装置10のユーザは、例えば、操作指T5を表示領域C4の所定箇所に重畳させて接触し、接触状態を維持したまま表示領域A1−A5が表示される助手席側の端部領域へのスライド操作を行う。ここで、所定箇所とは、例えば、表示領域の右上角部(C41)、右下角部(C42)、左上角部(C43)、左下角部(C44)等が例示できる。ユーザは、例えば、表示領域C4の右上角部C41に操作指T5を接触させた状態で、表示領域A1−A5が表示される助手席側の端部領域へのスライド操作を行い、接触させた操作指T5を離脱させる。
タッチパネル装置10は、例えば、表示領域の所定箇所に対する接触操作を受け付けると共に操作部品が表示された状態の表示領域をスライド操作に合わせて移動させる。例えば、表示領域C4に配置された操作部品“>”が表示領域C4と共にスライド操作に伴って移動する(E5)。タッチパネル装置10は、スライド操作が終了した助手席側の端部領域に、移動させた表示領域C4を新たな表示領域F1として追加する。表示領域F1には、表示領域C4に配置された操作部品“>”が表示される。
ユーザによって、表示領域C5についても同様のスライド操作が行われる。タッチパネル装置10は、例えば、表示領域C5の所定箇所に対する接触操作を受け付けると共に操作部品“<”が表示された状態の表示領域C5をスライド操作に合わせて移動させる。例えば、表示領域C5に配置された操作部品“<”が表示領域C5と共にスライド操作に伴って移動する(E6)。タッチパネル装置10は、スライド操作が終了した助手席側の端部領域に、移動させた表示領域C5を新たな表示領域F2として追加する。表示領域F2には、表示領域C5に配置された操作部品“<”が表示される。
上記操作の結果、表示領域F1、F2が新たに追加された助手席側の端部領域には、オーディオ操作に係る複数の操作部品が纏めて配置される。タッチパネル装置10では、オーディオ操作に係る操作部品“EJEC”、操作部品“Audi”、操作部品“MUTE”、操作部品“VOL+”、操作部品“VOL−”、操作部品“>”、操作部品“<”を助手席側の端部領域に纏めて配置することが可能になる。
なお、タッチパネル14の上下方向は一定のサイズである。このため、表示領域の数量を増加する場合には、例えば、表示領域間の距離を小さくする、表示領域のサイズを縮小するといった処理を行うとしてもよい。また、操作部品を含む表示領域の移動は、例えば、複数の表示領域を一括して行うとしてもよい。例えば、図7において、表示領域C4の左下角部及び表示領域C5の左上角部に対する同時接触が発生した場合には、表示領域C4、C5を一括して移動させるとしてもよい。タッチパネル装置10は、例えば、接触操作を受け付けた接触の範囲内に、表示領域C4の左下角部及び表示領域C5の左上角部が含まれることを条件に同時接触を特定できる。
(ケース5)
図8は、ディスプレイ部B1に表示された操作画面の機能を表示領域に設定する移動操作の一例を示す図である。図8において、ディスプレイ部B1に表示された表示画面は、例えば、AVN機のオーディオ機能を起動した場合に提供される操作画面の一例である。AVN機のオーディオ機能は、例えば、図5で説明したように、操作部品“Audi”に関連付けられたアプリ機能により提供される。
ディスプレイ部B1に表示された操作画面の領域B3には、例えば、AVN機のiPod(登録商標)接続機能を呼び出すためのアプリ機能が関連付けられた操作部品“iPod”のアイコンが表示される。同様にして、領域B4にはAVN機のFMラジオを呼び出すためのアプリ機能が関連付けられた操作部品“FM”のアイコン、領域B5にはAVN機のAMラジオを呼び出すためのアプリ機能が関連付けられた操作部品“AM”のアイコ
ンが表示される。
タッチパネル装置10は、例えば、ディスプレイ部B1での領域B3−B5への接触操作を受け付けると共に、AVN機を経由して、接触操作が発生した操作部品のアイコン(描画データ)、アプリ機能を特定する。タッチパネル装置10は、例えば、領域B3から表示領域A2へのスライド操作を特定し、表示領域A3の操作部品“iPod”のアイコンを移動させる(E7)。タッチパネル装置10は、スライド操作の終了位置を領域内に含む表示領域A2に対して操作部品“iPod”を追加表示する。そして、タッチパネル装置10は、部品管理DB202に格納された表示領域A2の管理情報を更新する。例えば、タッチパネル装置10は、操作部品“iPod”のアイコン(描画データ)、操作部品“iPod”に関連付け有られたアプリ機能を表示領域A2の座標情報に対応付けて格納する。タッチパネル装置10では、例えば、表示領域に対して、ディスプレイ部B1に表示された操作画面から、接触操作が可能な操作部品の機能を新たに割り付けることが可能となる。図7においては、ユーザは、例えば、オーディオ機能の操作画面を経由せずにAVN機が提供するiPod接続機能を呼び出すことが可能となる。
(ケース6)
図9は、表示領域に配置された操作部品の機能を削除する移動操作の一例を示す図である。図9において、タッチパネル14の助手席側の表示領域A2には、例えば、図7で説明した操作部品“MUTE”が表示されている。また、タッチパネル14のディスプレイ部B1には、ダストボックスB6が表示されている。ダストボックスB6には、例えば、表示領域に配置された操作部品のアイコン及びアプリ機能を表示領域から削除するための機能が関連付けられている。
タッチパネル装置10のユーザは、例えば、操作指T6を表示領域A2に表示された操作部品“MUTE”の表示位置に重畳させてタッチパネル14面に接触し、接触状態を維持したままダストボックスB6が表示された表示位置へのスライド操作を行う。操作指T6のタッチパネル14面への接触は、ダストボックスB6の表示領域でタッチパネル14面から離脱する。
タッチパネル装置10は、例えば、表示領域A2での操作指T6の接触操作を受け付けると共に、部品管理DB202を参照し、操作部品“MUTE”のアイコン、アプリ機能を特定する。タッチパネル装置10は、操作指T6のスライド操作に伴う接触位置の移動と共に、表示領域A2に配置された操作部品“MUTE”のアイコンを移動させる(E8)。タッチパネル装置10は、スライド操作の終了と共にダストボックスB6の表示領域に移動した操作部品“MUTE”のアイコンをタッチパネル14の表示画面上から消去する。タッチパネル装置10は、部品管理DB202に格納された操作部品“MUTE”の管理情報を更新する。タッチパネル装置10は、例えば、操作部品“MUTE”に対応付けられた表示領域A2の座標情報を削除し、部品管理DB202の管理情報を更新する。タッチパネル装置10では、例えば、表示領域に配置された操作部品の機能を削除することができる。
(ケース7)
図10は、表示領域に配置された操作部品の機能を移動する操作の一例を示す図である。図4−図9の移動操作では、運転席側および助手席側の表示領域への接触操作を検出し、表示領域を跨ぐスライド操作に伴って操作部品のアイコンを移動させるとして説明した。ケース7でのタッチパネル装置10は、例えば、各表示領域に近接するディスプレイ部B1内の領域への接触操作を検出し、移動対象となる操作部品のアイコンを特定する。そしてタッチパネル装置10は、特定した操作部品のアイコンを、ディスプレイ部B1内のスライド操作に伴って移動させる。スライド操作により、特定した操作部品は、例えば、
再配置先の各表示領域に近接するディスプレイ部B1内の領域に移動する。タッチパネル装置10は、例えば、ディスプレイ部B1内の再配置先の各表示領域に近接する領域に、移動後に停止したスライド操作の接触が一定時間を超えることを検出し、再配置先の各表示領域内に移動させた操作部品のアイコンを再配置する。
タッチパネル装置10は、上記の移動操作行うことで、表示領域に配置された操作部品の再配置を、ディスプレイ部B1内のスライド操作に限定して行うことが可能になる。上記の移動操作により、タッチパネル装置10では、図4−図9で説明したように、操作領域を跨がずに、各操作領域間の操作部品の再配置が可能となる。上記操作を可能とするタッチパネル装置10では、操作領域A、B、Cを複合化して統一した接触位置を検出しなくとも、各操作領域間の操作部品の再配置が可能となる。タッチパネル装置10は、表示領域A1−A5,C1−C5,ディスプレイ部B1を連結する領域に対して接触操作を検出しない構成であっても、表示領域A1−A5,C1−C5,ディスプレイ部B1間の操作部品の再配置が可能となる。
タッチパネル装置10は、例えば、運転手側の表示領域および助手席側の表示領域に近接するディスプレイ部B1内に、操作領域A,B,C間で再配置する操作部品を特定するための接触を検出する検出領域を設ける。タッチパネル装置10は、例えば、ディスプレイ部B1に対応するタッチパネル14上の領域を、一点鎖線の境界線G1で示すように、左端側(助手席側)から右端側(運転席側)へ向かって一定の距離範囲を区分けする。そして、タッチパネル装置10は、例えば、区分けされた上記タッチパネル14上の領域について、表示領域A1−A5の各外周枠の上側位置(座標)および下側位置(座標)と同一の座標となる座標区間を、それぞれの表示領域に対応する上記検出領域とする。
同様にして、タッチパネル装置10は、例えば、一点鎖線の境界線G2で示すように、ディスプレイ部B1の右端側(運転席側)から左端側(助手席側)へ向かって一定の距離範囲を区分けする。そして、タッチパネル装置10は、例えば、区分けされた上記タッチパネル14上の領域について、表示領域C1−C5の各外周枠の上側位置(座標)および下側位置(座標)と同一の座標となる座標区間を、それぞれの表示領域に対応する上記検出領域とする。
タッチパネル装置10は、上述のように、ディスプレイ部B1に対応するタッチパネル14上の領域を区分けすることで、検出領域への接触操作に基づいて、操作領域A,B,C間で再配置する操作部品の特定が可能となる。なお、図10において、一点鎖線の境界線G1およびG2で挟まれたディスプレイ部B1内の領域は、図6、8、9を用いて説明した、運転席側、助手席側の表示領域に配置された操作部品の機能が再設定される領域となる。
例えば、図6の表示領域B2は、一点鎖線の境界線G1およびG2で挟まれたディスプレイ部B1内の領域に表示される。また、一点鎖線の境界線G1およびG2で挟まれたディスプレイ部B1内の領域に、図8で説明した領域B3、B4、B5の操作部品のアイコンが表示される。同様にして、一点鎖線の境界線G1およびG2で挟まれたディスプレイ部B1内の領域に、図9で説明したダストボックスB6が表示される。
図10において、タッチパネル14の助手席側の表示領域A2には、例えば、図4等で説明した操作部品“VOL”が表示されている。また、図10において、破線枠で丸囲みされた領域B7は、表示領域A2の検出領域に接触されたユーザの接触領域である。同様にして、破線枠で丸囲みされた領域B8は、表示領域C4の検出領域に接触されたユーザの接触領域である。
図10では、タッチパネル装置10のユーザは、助手席側の表示領域A2に配置された
操作部品“VOL”を運転席側の表示領域C4に再配置するものと想定する。ユーザは、例えば、操作部品“VOL”が配置された表示領域A2の、ディスプレイ部B1内の検出領域に操作指T7を重畳させてタッチパネル14面に接触する。ユーザは、タッチパネル14面に接触させた操作指T7の接触状態を維持したまま、ディスプレイ部B1内の表示領域C4に対応する検出領域へのスライド操作を行う。ディスプレイ部B1内の表示領域C4の検出領域へ移動した操作指T8は、タッチパネル14面から離脱する。
タッチパネル装置10は、表示領域A2の検出領域に接触した操作指T7を検出する。タッチパネル装置10は、例えば、検出した操作指T7の接触位置が、所定の範囲内で一定時間に継続することを特定する。ここで、一定時間とは、表示領域A2に配置された操作部品の移動をユーザが意図しているかを判別するための時間である。タッチパネル装置10は、検出した操作指T7の接触位置が、所定の範囲内で一定時間に継続する場合には、部品管理DB202を参照し、表示領域A2に配置されている操作部品“VOL”のアイコン、アプリ機能を特定する。そして、タッチパネル装置10は、表示領域A2から、操作指T7の接触領域である領域B7に操作部品“VOL”のアイコンを移動する。領域B7へのアイコンの移動と共に表示領域A2は空白状態となる。
タッチパネル装置10は、操作指T7のスライド操作に伴う接触位置の移動と共に、表示領域A2から領域B7に移動した操作部品“VOL”のアイコンを移動させる(E9)。タッチパネル装置10は、接触状態を維持したままタッチパネル14面を移動した接触位置が、表示領域C4の検出領域であることを検出する(操作指T8)。なお、操作部品“VOL”のアイコンは、操作指T8の接触領域である領域B8に表示されている。
タッチパネル装置10は、例えば、検出した操作指T8の接触位置が、所定の範囲内で一定時間に継続することを特定する。ここで、一定時間とは、スライド操作に伴って移動した操作部品“VOL”の表示領域C4への再配置をユーザが意図しているかを判別するための時間である。そして、タッチパネル装置10は、検出した操作指T8の接触位置が、所定の範囲内で一定時間に継続する場合には、操作指T8の接触領域である領域B8から表示領域C4に操作部品“VOL”のアイコンを移動する。表示領域C4へのアイコンの移動と共に操作指T8の接触領域である領域B8に表示されたアイコンはタッチパネル14の画面上から消去される。操作指T8は、アイコンの表示領域C4への移動後にタッチパネル14面から離脱する。
タッチパネル装置10は、部品管理DB202に格納された操作部品“VOL”の管理情報を更新する。タッチパネル装置10は、例えば、操作部品VOL”に対応付けられた表示領域A2の座標情報を表示領域C4の座標情報に更新する。タッチパネル装置10では、ディスプレイ部B1内の接触操作に基づいて、表示領域A1−A5,C1−C5,ディスプレイ部B1間の操作部品の再配置が可能となる。
なお、領域B7から領域B8へのスライド移動の際に、操作指T7がタッチパネル14面から離脱した場合には、タッチパネル装置10は、移動した操作部品のアイコンを図6で説明した表示領域B2に表示すればよい。同様にして、タッチパネル装置10は、領域B8へ移動した操作指T8の接触が、一定時間を経過せずにタッチパネル14面から離脱した場合にも、移動した操作部品のアイコンを図6で説明した表示領域B2に表示すればよい。
<3.処理フロー>
図11は、タッチパネル装置10の操作部品を再配置する処理の一例を示すフローチャートである。図11に例示のフローチャートにおいて、処理の開始は、タッチパネル14面への操作指等の接触の検出のときが提示できる。タッチパネル装置10は、タッチパネ
ル14のタッチセンサ14bを介し、接触位置の座標を取得する(S1)。タッチセンサ14bは、例えば、10msといった一定周期で接触位置の座標をタッチパネル装置10のCPU11に出力する。なお、接触位置の座標は一定の範囲を有する。タッチパネル装置10は、例えば、取得した接触位置の座標を取得した時刻情報と対応付けて主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶する。
タッチパネル装置10は、有効領域DB201を参照し、取得した接触位置の座標が有効領域内であるかを判定する(S2)。タッチパネル装置10は、取得した接触位置の座標が有効領域内である場合には(S2,Yes)、タッチパネル14面で検出された接触をユーザの接触操作として受け付け、S3の処理に移行する。一方、タッチパネル装置10は、取得した接触位置の座標が有効領域内でない場合には(S2,No)、S1−S2の処理を繰り返す。
S3の処理では、タッチパネル装置10は、接触位置が表示領域の所定箇所であるかを判定する。タッチパネル装置10は、例えば、接触位置の座標範囲に表示領域A1−A5、C1−C5の右上角部、右下角部、左上角部、左下角部といった所定箇所の少なくとも一つの座標が含まれるか否かを判定する。タッチパネル装置10は、接触位置が表示領域の所定箇所である場合には(S3,Yes)、S4の処理に移行する。一方、タッチパネル装置10は、接触位置が表示領域の所定箇所でない場合には(S3,No)、S5の処理に移行する。
S4の処理では、タッチパネル装置10は、部品管理DB202を参照し、所定箇所が接触された表示領域内に配置された操作部品のアイコンの描画データ、アプリ機能、表示領域の座標情報といった管理情報を取得する。タッチパネル装置10は、取得した管理情報に新規追加フラグを付与し、主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶する。ここで、新規追加フラグとは、操作部品の移動先に対して新たに表示領域を追加するステータスを示す情報である。新規追加フラグは、例えば、“1”、“0”といった2値の状態を単一ビットで表す。タッチパネル装置10は、例えば、ステータス値を“1”とした新規追加フラグを管理情報に付与する。
S5の処理では、タッチパネル装置10は、接触位置に表示された操作部品の存在の有無を判定する。タッチパネル装置10は、接触位置に表示された操作部品が存在しない場合には(S5、“無”)、S1の処理に移行してS1−S5の処理を繰り返す。一方、タッチパネル装置10は、接触位置に表示された操作部品が存在する場合には(S5、“有”)、S6の処理に移行する。
S6の処理では、タッチパネル装置10は、例えば、部品管理DB202を参照し、接触位置に表示された操作部品のアイコンの描画データ、アプリ機能、表示領域の座標情報といった管理情報を取得する。また、タッチパネル装置10は、例えば、AVN機を経由して、ディスプレイ部B1に表示された操作部品のアイコン(描画データ)、アプリ機能を取得する。タッチパネル装置10は、接触位置に表示された操作部品についての管理情報を主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶する。
S7の処理では、タッチパネル装置10は、接触操作がスライド操作であることを判定する。タッチパネル装置10は、例えば、タッチパネル14面に接触された操作指が接触状態を維持しながら有効領域を移動することを特定する。タッチパネル装置10は、例えば、接触位置の変化がサンプリング周期の時系列上で連続する場合には、接触位置が移動していると特定する。そして、タッチパネル装置10は、例えば、表示領域A1−A5を表示する操作領域Aからディスプレイ部B1を表示する操作領域Bへの移動、表示領域C1−C5を表示する操作領域Cから操作領域Bへの移動、または、操作領域Bから操作領
域A、Cへの移動を特定した場合には、スライド操作と判定する。
タッチパネル装置10は、接触操作がスライド操作でない場合には(S7,No)、S8の処理に移行し、操作部品の管理情報に付与された新規追加フラグの有無を判定する。タッチパネル装置10は、操作部品の管理情報に付与された新規追加フラグが有る場合には(S8,“有”)、S1の処理に移行し、S1−S8の処理を繰り返す。表示領域の新規追加を伴う操作部品の再配置は行われないと判断できるからである。
一方、タッチパネル装置10は、操作部品の管理情報に付与された新規追加フラグが有る場合には(S8,“無”)、S9の処理に移行し、操作部品に関連付けられた操作機能を実行する。例えば、操作部品“EJEC”の場合には、タッチパネル装置10は、挿入・排出口Z1に挿入された可搬型の記録媒体を排出する。また、操作部品“Audi”の場合には、タッチパネル装置10は、AVN機のオーディオを起動し、図8に例示する操作画面をディスプレイ部B1の領域に表示する。S9の処理後、タッチパネル装置10は、図11に例示の処理を終了する。
S7の処理に戻り、接触操作がスライド操作である場合には(S7,Yes)、タッチパネル装置10は、S10の処理に移行し、接触状態が継続しているかを判定する。タッチパネル装置10は、接触状態が継続している場合には(S10,Yes)、S11の処理に移行する。S11の処理では、タッチパネル装置10は、タッチパネル14上の操作指の接触位置に移動した操作部品のアイコンを表示する。S11の処理後、タッチパネル装置10は、S10の処理に移行し、接触状態が終了するまでS10−S11の処理を繰り返す。
S10の処理において、接触状態が継続しない場合には(S10,No)、タッチパネル装置10は、S12の処理に移行する。S12の処理では、タッチパネル装置10は、接触状態が終了した(操作指が離脱した)位置の座標を取得し、取得した座標がディスプレイ部B1内であるかを判定する。タッチパネル装置10は、接触状態が終了した位置の座標がディスプレイ部B1内でない場合には(S12,No)、S13の処理に移行し、移動した操作部品の管理情報に付与された新規追加フラグの有無を判定する。
タッチパネル装置10は、移動した操作部品の管理情報に付与された新規追加フラグがない場合には(S13,“無”)、S14の処理に移行する。S14の処理では、タッチパネル装置10は、接触状態が終了した位置(スライド操作の終了位置)の座標を含む表示領域内に、移動した操作部品を再配置する。スライド操作の終了位置の座標を含む表示領域内には、スライド操作に伴って移動した操作部品が表示される。S14の処理後、タッチパネル装置10は、S21の処理に移行する。
S13の処理において、移動した操作部品の管理情報に付与された新規追加フラグがある場合には(S13,“有”)、S15の処理に移行する。S15の処理では、タッチパネル装置10は、例えば、接触状態が終了した位置(スライド操作の終了位置)の座標を含む領域内に表示領域を新規に追加し、スライド操作に伴って移動した操作部品を配置する。新規に追加された表示領域内には、スライド操作に伴って移動した操作部品が表示される。S15の処理後、タッチパネル装置10は、S21の処理に移行する。
S12の処理に戻り、タッチパネル装置10は、接触状態が終了した位置の座標がディスプレイ部B1内の場合には(S12,Yes)、S16の処理に移行する。S16の処理では、タッチパネル装置10は、接触状態が終了した位置の座標がダストボックスB6の表示範囲内かを判定する。タッチパネル装置10は、接触状態が終了した位置の座標がダストボックスB6の表示範囲内である場合には(S16,Yes)、S17の処理に移
行する。S17の処理では、タッチパネル装置10は、例えば、スライド操作に伴って移動した操作部品をタッチパネル14の表示画面上から消去する。S17の処理後、タッチパネル装置10は、S21の処理に移行する。
S16の処理に戻り、タッチパネル装置10は、接触状態が終了した位置の座標がダストボックスB6の表示範囲内でない場合には(S16,No)、S18の処理に移行する。S18の処理では、タッチパネル装置10は、部品管理DB202を参照し、操作部品の管理情報にディスプレイ部B1で描画される操作IF(インターフェース)の描画データが存在するか否かを判定する。
タッチパネル装置10は、ディスプレイ部B1で描画される操作IFの描画データが存在しない場合には(S18,No)、S20の処理に移行する。S20の処理では、タッチパネル装置10は、ディスプレイ部B1の所定の表示領域(領域B2)内に移動した操作部品を再配置する。ディスプレイ部B1の所定の表示領域内には、スライド操作に伴って移動した操作部品の文字列を有するアイコンが表示される。S20の処理後、タッチパネル装置10は、S21の処理に移行する。
一方、タッチパネル装置10は、ディスプレイ部B1で描画される操作IFの描画データが存在する場合には(S18,Yes)、S19の処理に移行する。S19の処理では、タッチパネル装置10は、部品管理DB202を参照し、操作部品の管理情報に含まれるディスプレイ部B1で描画される操作IFの描画データを取得する。タッチパネル装置10は、ディスプレイ部B1の所定の表示領域(領域B2)内に取得した描画データに基づく操作IFの操作画面を表示する(S20)。S20の処理後、タッチパネル装置10は、S21の処理に移行する。
S21の処理では、タッチパネル装置10は、スライド操作に伴って移動した操作部品の、部品管理DB202に格納された管理情報を最新(再配置後)の状態に更新する。例えば、表示領域C1から表示領域A1に移動した操作部品の管理情報では、表示領域A1の座標情報が対応付けられて更新される。S21の処理後、タッチパネル装置10は、図11に例示の処理を終了する。
以上の処理により、タッチパネル装置10は、表示領域に配置された接触操作が可能な表示部品に関連付けられた機能を、スライド操作を用いて、他の表示領域に変更できる。また、表示領域に配置する表示部品の数量をユーザニーズに合わせて変化させることができる。タッチパネル装置10では、従来、ハードウェア部品として実装されていた操作ボタンの機能をタッチパネルに複合することで、操作ボタンの機能配置を自由に変更することができる。タッチパネル装置10では、ハードウェア部品として実装されていた操作ボタンの操作感(フィーリング)を踏襲しながら、ユーザによるカスタマイズが可能になる。本実施形態のタッチパネル装置10によれば、タッチパネル14における、操作ボタンの機能を関連付けた操作部品のユーザビリティが向上できる。
また、タッチパネル装置10は、運転席側に配置されたボタン操作が可能な操作部品をスライド操作によって、助手席側の操作部品の表示領域内に再配置することができる。同様にして、タッチパネル装置10は、運転席側、助手席側の表示領域内に配置された操作部品をディスプレイ部の表示領域内にアイコンとして表示することができる。さらに、タッチパネル装置10は、運転席側、助手席側の表示領域内に配置された操作部品の操作インターフェースの操作態様を変化させてディスプレイ部の表示領域内に表示することができる。また、タッチパネル装置10は、運転席側、助手席側の表示領域内に配置された操作部品の機能をディスプレイ部の表示領域内に移動させて消去することができる。なお、タッチパネル装置10は、ディスプレイ部に表示された操作部品を運転席側、助手席側の
表示領域内に移動させて再配置することができる。タッチパネル装置10では、操作部品の配置先である表示領域に合わせて操作インターフェースを提供することができる。本実施形態のタッチパネル装置10によれば、ユーザが直感的に理解しやすい操作で操作部品に関連付けられた機能の再配置を行うことができる。
次に、図10のケース7についての、操作部品の再配置処理について説明する。図12は、ディスプレイ部B1へのスライド操作を使用して表示領域に配置された操作部品を他の表示領域、または、ディスプレイ部B1内に再配置する処理の一例を示すフローチャートである。図10を用いて説明したように、タッチパネル装置10では、運転手側および助手席側の表示領域に近接するディスプレイ部B1内に、操作領域A,B,C間で再配置する操作部品を特定するための接触を検出する検出領域が設けられる。以下の説明では、上記の検出領域を「所定の検出領域」とも称する。上記の検出領域は、例えば、タッチパネル装置10で実行されるコンピュータプログラム内に、各表示領域と対応付けられた座標情報として保持される。また、ディスプレイ部B1内の上記の検出領域には、接触操作が可能な操作部品は配置されないものとして説明する。
図12に例示のフローチャートにおいて、処理の開始は、タッチパネル14面への操作指等の接触の検出のときが提示できる。タッチパネル装置10は、タッチパネル14のタッチセンサ14bを介し、接触位置の座標を取得する(S31)。タッチセンサ14bは、例えば、10msといった一定周期で接触位置の座標をタッチパネル装置10のCPU11に出力する。なお、接触位置の座標は一定の範囲を有する。タッチパネル装置10は、例えば、取得した接触位置の座標を取得した時刻情報と対応付けて主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶する。
タッチパネル装置10は、例えば、コンピュータプログラム内に保持された表示領域毎の座標情報から、取得した接触位置の座標が、ディスプレイ部B1内の所定の検出領域であるかを判定する(S32)。タッチパネル装置10は、取得した接触位置の座標が所定の検出領域内である場合には(S32,Yes)、S37の処理に移行する。一方、タッチパネル装置10は、取得した接触位置の座標が所定の検出領域内でない場合には(S32,No)、S33の処理に移行する。
S33の処理では、タッチパネル装置10は、部品管理DB202を参照し、あるいは、AVN機を経由して、接触位置に存在する操作部品の有無を判定する。タッチパネル装置10は、接触位置に操作部品が存在しない場合には(S33、“無”)、S31の処理に移行して、図12に例示の処理を繰り返す。一方、タッチパネル装置10は、接触位置に操作部品が存在する場合には(S33、“有”)、S34の処理に移行する。
S34の処理では、タッチパネル装置10は、部品管理DB202を参照し、あるいは、AVN機を経由して、接触位置に存在する操作部品のアイコンの描画データ、アプリ機能といった管理情報を取得する。取得された管理情報は、主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶される。
S35の処理では、タッチパネル装置10は、接触操作がスライド操作であることを判定する。タッチパネル装置10は、例えば、タッチパネル14面に接触された操作指が接触状態を維持しながらディスプレイ部B1内を移動することを特定する。タッチパネル装置10は、例えば、接触位置の変化がサンプリング周期の時系列上で連続する場合には、接触位置が移動していると特定する。
タッチパネル装置10は、接触操作がスライド操作でない場合には(S35,No)、S36の処理に移行する。一方、タッチパネル装置10は、接触操作がスライド操作の場
合には(S35,Yes)、S42の処理に移行する。
S36の処理では、タッチパネル装置10は、操作部品に関連付けられた操作機能を実行する。例えば、タッチパネル装置10は、AVN機のオーディオを起動し、図8に例示する操作画面をディスプレイ部B1の所定領域に表示する。S36の処理後、タッチパネル装置10は、図12に例示の処理を終了する。
S37の処理では、タッチパネル装置10は、所定の検出領域で検出された接触が所定の位置範囲で一定時間に継続することを判定する。図10を用いて説明したように、検出された接触が所定の位置範囲で一定時間に継続する場合には、各表示領域に配置された操作部品の移動をユーザが意図しているものと判断できる。
タッチパネル装置10は、所定の検出領域で検出された接触が所定の位置範囲で一定時間に継続しない場合には(S37,No)、S31の処理に移行して、図12に例示の処理を繰り返す。一方、タッチパネル装置10は、所定の検出領域で検出された接触が所定の位置範囲で一定時間に継続する場合には(S37,Yes)、S38の処理に移行する。
S38の処理では、タッチパネル装置10は、部品管理DB202を参照し、検出領域に関連付けられた表示領域に配置されている操作部品の、アイコンの描画データ、アプリ機能、表示領域の座標情報といった管理情報を取得する。タッチパネル装置10は、部品管理DB202から取得した操作部品の管理情報を主記憶装置12の所定の領域に一時的に記憶する。
S39の処理では、タッチパネル装置10は、例えば、表示領域に配置されている操作部品のアイコンを接触位置に移動させる。なお、操作部品のアイコンが接触位置に移動すると共に、表示領域は空白状態となる。
S40の処理では、タッチパネル装置10は、スライド操作が行われていることを判定する。タッチパネル装置10は、例えば、タッチパネル14面に接触された操作指が接触状態を維持しながらディスプレイ部B1内を移動することを特定する。タッチパネル装置10は、例えば、接触位置の変化がサンプリング周期の時系列上で連続する場合には、接触位置が移動していると特定する。
タッチパネル装置10は、スライド操作が行われない場合には(S40,No)、S41の処理に移行する。一方、タッチパネル装置10は、スライド操作が行われる場合には(S40,Yes)、S42の処理に移行する。S41の処理では、タッチパネル装置10は、接触位置に移動させた操作部品のアイコンを移動元の表示領域に戻す。接触が所定の位置範囲で一定時間に継続した上で、スライド操作が行われない場合には、検出した接触は、各表示領域に配置されている操作部品の移動を意図するものではないと判断できるからである。S41の処理後、タッチパネル装置10は、S31の処理に移行して、図12に例示の処理を繰り返す。
S42の処理では、タッチパネル装置10は、接触状態が継続しているかを判定する。タッチパネル装置10は、接触状態が継続しない場合には(S42,No)、S16の処理に移行する。S16の処理に移行したタッチパネル装置10では、スライド操作の終了位置(操作指の離脱位置)に移動した操作部品を対象として、図11で説明したS16−S21の処理が実行される。タッチパネル装置10は、S21の処理後、図12に例示の処理を終了する。
一方、S42の処理において、タッチパネル装置10は、接触状態が継続している場合には(S42,Yes)、S43の処理に移行する。S43の処理では、タッチパネル装置10は、タッチパネル14上の操作指の接触位置に移動した操作部品のアイコンを表示する。そして、タッチパネル装置10は、スライド操作に伴って移動した、タッチパネル14上の操作指の接触位置の座標がディスプレイ部B1内の所定の検出領域であるかを判定する(S44)。
タッチパネル装置10は、スライド操作に伴って移動した、タッチパネル14上の操作指の接触位置の座標がディスプレイ部B1内の所定の検出領域でない場合には(S44,No)、S42の処理に移行する。一方、タッチパネル装置10は、スライド操作に伴って移動した、タッチパネル14上の操作指の接触位置の座標がディスプレイ部B1内の所定の検出領域である場合には(S44,Yes)、S45の処理に移行する。
S45の処理では、タッチパネル装置10は、ディスプレイ部B1内の所定の検出領域で特定された接触が、所定の位置範囲で一定時間に継続することを判定する。図10を用いて説明したように、特定された接触が所定の位置範囲で一定時間に継続する場合には、スライド操作に伴って移動した操作部品の、表示領域への再配置をユーザが意図していると判断できるからである。
タッチパネル装置10は、ディスプレイ部B1内の所定の検出領域で特定された接触が、所定の位置範囲で一定時間に継続する場合には(S45、Yes)、S46の処理に移行する。一方、タッチパネル装置10は、ディスプレイ部B1内の所定の検出領域で特定された接触が、所定の位置範囲で一定時間に継続しない場合には(S45、No)、S16の処理に移行する。S16の処理に移行したタッチパネル装置10では、スライド操作に伴って移動した操作部品を対象として、図11で説明したS16−S21の処理が実行される。タッチパネル装置10は、S21の処理後、図12に例示の処理を終了する。
S46の処理では、タッチパネル装置10は、スライド操作に伴って移動した操作部品の、表示領域への再配置を行う。タッチパネル装置10は、例えば、操作指の接触位置に表示された操作部品のアイコンを、所定の検出領域に関連付けられた表示領域に移動させる。操作指の接触位置に表示された操作部品のアイコンは、表示領域への移動と共に、ディスプレイ部B1内の画面上から消去される。
タッチパネル装置10は、S46の処理後、S21の処理に移行する。S21の処理では、タッチパネル装置10は、スライド操作に伴って移動した操作部品の、部品管理DB202に格納された管理情報を最新(再配置後)の状態に更新する。例えば、表示領域A2から表示領域C4に移動した操作部品の管理情報は、表示領域C4の座標情報が対応付けられて更新される。S21の処理後、タッチパネル装置10は、図12に例示の処理を終了する。
以上の処理により、タッチパネル装置10は、ディスプレイ部B1内のスライド操作に限定して、表示領域に配置された操作部品の機能を他の表示領域に再配置することができる。タッチパネル装置10では、操作領域A、B、Cを複合化して統一した接触位置を検出しなくとも、各操作領域間の操作部品の再配置が可能となる。タッチパネル装置10によれば、操作領域を跨がずに、各操作領域間の操作部品の再配置が可能となる。
<4.AVN機>
図13に、タッチパネル装置10を表示装置として備えたAVN機1を例示する。図13の、制御部101は、AVN機1の各部或いは接続された外部機器からの信号、また使用者の操作に基づく各操作部からの操作指示信号等の入力を受け、それら信号に基づきA
VN機1の各部、或いは外部機器を統括的に制御する制御部で、例えばマイクロコンピュータ(マイコン)により構成され、ROM等のメモリに記憶されたプログラムに従い動作する。
放送受信部102は、アンテナにより受信された放送波から、特定の周波数の放送波を選択受信し、復調して当該放送の音声信号及び画像信号を出力する受信部であり、同調回路、復調・復号回路、フレーム管理回路等により構成される。放送受信部102は制御部101からの制御信号により、そのオン/オフ、受信周波数の選択(選局)等の各種動作が制御される。
ディスク再生部103は、CD(Compact Disc)、MD(Mini Disc)、DVD、ブル
ーレイディスク等のディスクに記録されているデータをピックアップにより読込み、読み込んだデータに基づく、音声信号、映像信号を分配回路108に出力する。ディスク再生部103は、光学ピックアップ、ピックアップディスク駆動機構、ピックアップディスク駆動機構の制御回路、読取信号の復号回路等を備え、制御部101からの制御信号により、オン/オフ、読み込み位置等の各種動作が制御される。
HD(ハードディスク)再生部104は、磁気記録媒体であるハードディスクに記録された各種データから所望のデータを読み出し、読み出した画像信号、音声信号または文字信号等を分配回路108に出力する。ハードディスクには、MP3ファイル等の音楽データやJPEGファイル等の画像データ、ナビゲーション用の地図データ等が記録される。HD再生部104は、読取信号の復号回路等を備え、制御部101からの制御信号によりオン/オフ、読み出すデータ等の各種動作が制御される。
ナビゲーション部105は、ディスプレイ113に表示された地図上に自車位置や目的地までの経路を表示したり、交差点等で音声等により右左折等の進行方向案内を行ったり、VICS情報受信部106から交通情報を受信して表示したり、GPS情報受信部107から自車位置情報を受信して表示したりして、目的地までの経路案内を行う。ナビゲーション部105は、ナビゲーションのために利用される地図情報を記録するハードディスク、各種演算処理を行うCPU(Central Processing unit)、各種処理のためにデータ
を記憶するRAM(Random Access Memory)等のメモリ115を備える。ナビゲーション部105は、制御部101からの制御信号により、オン/オフ、各種動作が制御される。
VICS情報受信部106は、交通情報通信システム(VICS(登録商標):Vehicle Information and Communication System)に係る交通情報を受信し、受信した交通情報を出力する。VICS情報受信部106は、交通情報通信システムからのデータを受信する受信機(FM受信機、電波ビーコン受信機、光ビーコン受信機)、受信したデータを復号する復号回路等を備える。GPS情報受信部107は、GPS(登録商標)衛星からのGPS信号に基づき自車位置を検出し、検出した現在位置情報を出力する。GPS情報受信部107は、GPS信号を受信する受信回路、受信したGPS信号に基づき自車位置を算出する演算回路等を備える。
カメラ119は、車両の周囲を撮影し、動画データ(映像情報及び音声情報)を外部音声/映像入力部118を介して入力するカメラである。カメラ119で撮影した映像情報は映像処理が施され、分配回路108、画像調整回路109を介して複数のディスプレイ113に表示され、駐車アシスト等に利用される。また、カメラ119で撮影した動画データは、ドライブレコーダ等のために分配回路108を介してHD再生部104内のHDドライブ或いはメモリ115に記録されても良い。
外部音声/映像入力部118は、カメラ119の動画データをディスプレイ113に表
示させるための映像信号に変換する等の処理を行う。外部音声/映像入力部118は、制御部101からの制御信号により、オン/オフ、各種動作が制御される。
分配回路108は、制御部101の制御信号により、出力することが指定された各種ソース(放送受信部102、ディスク再生部103、HD再生部104、及びナビゲーション部105、外部音声/映像入力部118、図示しない外部記録媒体再生部等)の音声信号と画像信号とを画像調整回路109及び音声調整回路110に出力する。分配回路108は、リレーまたはスイッチングトランジスタ等の電子回路で構成されたスイッチ群を備える。
音声調整回路110は、制御部101の制御信号により、入力された音声信号に対し、音量、音声を調整し、調整した音声信号を出力する。音声調整回路110は、音声データを記憶するメモリ、音声データを演算処理するデジタルシグナルプロセッサ等の演算回路、トランジスタ、抵抗、コイル等により構成される増幅または減衰回路や共振回路等を備える。スピーカ111は、音声調整回路110から出力された音声信号を音声として出力する。
画像調整回路109は、制御部101の制御信号により、入力された画像信号に対し、輝度や色調、コントラストなどを調整し、調整した各画像信号を出力する。画像調整回路109は、画像データを記憶するメモリ、画像データを演算処理するデジタルシグナリングプロセッサ等の演算回路等を備える。
画像出力部112は、画像調整回路109から入力された画像信号と、制御部101からディスプレイ113に表示させる表示画像信号とを入力して画像合成等の処理を施し、当該処理を施した画像信号に基づきディスプレイ113を駆動する。
ディスプレイ113は、画像出力部112から入力された画像信号に基づき画像を表示する表示装置である。ディスプレイ113は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、冷陰極フラットパネルディスプレイ等である。ディスプレイ113は、バックライト、液晶パネル、タッチパネル装置10等を備える。
操作部114は、AVN機1に対して使用者が各種操作を行うための入力部であり、例えばタッチパネル、押釦スイッチ、回転操作スイッチ、ジョイスティック等である。操作部114は、AVN機1に対する使用者による各種操作の操作状態を制御部101に出力する。遠隔操作部116は、例えば、赤外線素子等を備えたリモコンである。遠隔操作部116は、操作部114と同様の機能を有する。
ETC車載器120は、ETC(登録商標:Electronic Toll Collection)システムにおいて、ETCレーン側の端末と通信して料金を自動で支払う機能を備えた車載器である。通信ユニット121は、アンテナに接続された、例えば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)等の無線通信のため
の通信インターフェースである。
<その他:コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記何れかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等
から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。さらに、SSD(Solid State Drive)は、コンピ
ュータ等から取り外し可能な記録媒体としても、コンピュータ等に固定された記録媒体としても利用可能である。