JP6677918B2 - 転写シート - Google Patents

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Description

本発明は、転写シートに関し、より詳細には、基材と、基材上に、着色剤および(メタ)アクリル系樹脂を含んでなる熱溶融着色層とを備えてなる転写シートに関する。
現在、簡便な印刷方法として熱転写記録方法が広く使用されている。熱転写記録方法は、各種画像を簡便に形成できるため、印刷枚数が比較的少なくてもよい印刷物、例えば、身分証明書などのIDカードの作成や営業写真、あるいはパーソナルコンピュータのプリンタや、ビデオプリンタなどにおいて利用されている。
熱転写記録方式に用いられる熱転写シートは大別すると、加熱によって着色剤を含む熱溶融着色層が溶融軟化して熱溶融着色層が被転写体、すなわち受像シートに転写移行する、いわゆる溶融転写タイプの熱転写シートと、感熱により熱昇華着色層中の染料が昇華して染料が受像シートに移行する、いわゆる昇華タイプの熱転写シートとに分類される。ここで、身分証明書などのIDを作製する場合、特に、文字や数字等の単調な画像を形成する場合は、熱溶融型の熱転写シートが使用される。
熱溶融型の熱転写シートを用いて、文字や数字等の単調な画像を形成する場合、画像のカスレおよびツブレが発生してしまうことが問題となる。この問題を解決すべく、特許文献1において、基材と、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂および着色剤を含む着色層とを備える転写シートが提案されている。
このような画像のカスレおよびツブレが発生してしまうという問題は、特に、効率化のため印画速度を速めようとした場合に起こる。
特開2011−201180号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、印画速度を速めた場合であっても、画像のカスレおよびツブレを発生させることなく印画をすることが可能な、印画安定性の高い転写シートを提供することを主たる課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、剥離界面層であって、基材上に留まらず、転写される層(熱溶融着色層または剥離層)にガラス転移温度が70℃以上のポリエステル系樹脂を含有させることにより、上記課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
基材と、前記基材上に、熱溶融着色層を備えてなり、
前記熱溶融着色層が、ガラス転移温度が70℃以上のポリエステル系樹脂を含んでなる、転写シートが提供される。
すなわち、本発明の一態様によれば、
基材と、前記基材上に、剥離層と熱溶融着色層とを順に備えてなり、
前記剥離層が、ガラス転移温度が70℃以上のポリエステル系樹脂を含んでなる、熱転写シートが提供される。
本発明の上記態様においては、ポリエステル系樹脂の数平均分子量が、4000以上、200000以下であることが好ましい。
本発明の上記態様においては、熱溶融着色層または剥離層中の前記ポリエステル系樹脂の含有量が、熱溶融着色層または剥離層における固形分の総量に対して、2.5質量%以上、50.0質量%以下であることが好ましい。
本発明の上記態様においては、熱溶融着色層または前記剥離層が、塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂を含んでなることが好ましい。
本発明の上記態様においては、熱溶融着色層が、着色剤と、ガラス転移温度が70℃以上のアクリル系樹脂を含んでなることが好ましい。
本発明の上記態様においては、熱溶融着色層と面順次となるように熱昇華着色層をさらに備えてなることが好ましい。
印画速度を速めた場合であっても、高い印画安定性、すなわち、基材からの高い剥離性および被転写体への高い密着性を有し、印画によるカスレおよびツブレの発生を防止することができ、高品質の印画をすることが可能な転写シートを提供することができる。
本発明による転写シートの一実施形態を示した模式断面図である。 本発明による転写シートの一実施形態を示した模式断面図である。 実施例の評価における転写条件の印画パターン(白線および黒線)を示す図である。
本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準である。また、本明細書において、「剥離界面層」とは、転写の際の剥離界面に接する層のことを指す。
<転写シート>
一実施形態において、本発明による転写シートは、基材と、熱溶融着色層とを備えてなる。この場合、基材および熱溶融着色層が、剥離界面層に該当する。
また、一実施形態において本発明による転写シートは、基材と、該基材上に、離型層と熱溶融着色層とを順に備えてなる。この場合、離型層および熱溶融着色層が、剥離界面層に該当する。
また、一実施形態において本発明による転写シートは、基材と、該基材上に、剥離層と熱溶融着色層とを順に備えてなる。この場合、基材および剥離層が、剥離界面層に該当する。
また、一実施形態において本発明による転写シートは、基材と、該基材上に、離型層と剥離層と熱溶融着色層とを順に備えてなる。この場合、離型層および剥離層が、剥離界面層に該当する。
さらに、一実施形態において、本発明による転写シートは、基材の熱溶融着色層を形成させた面とは反対側の面に背面層をさらに備えてもよい。以下、本発明による転写シートの層構成を、図面を参照しながら説明する。
本発明による転写シートの一実施形態の模式断面図を図1に示す。図1に示される転写シート10は、基材11と、該基材11上に、離型層12と、剥離層13と、熱溶融着色層14とをこの順に備えてなり、基材11の離型層12と反対側の面に、背面層15をさらに備えてなるものである。
一実施形態において、本発明による熱転写シート10は、基材11と、該基材11上に、熱溶融着色層14および熱昇華着色層16を面順次備えていてもよい(図2参照)。
以下、本発明による転写シートを構成する各層について詳述する。
<基材>
本発明において基材は、熱溶融着色層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。このような基材の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。また、基材の厚さは、2μm以上、20μm以下であることが好ましく、4μm以上、10μm以下であることがより好ましい。
基材は、表面に易接着処理を行ったものを用いてもよい。易接着処理としては、例えば、基材と後述する熱溶融着色層などとの間に易接着層を形成する処理が挙げられる。このような易接着層としては、例えば、水性アクリル、水性ポリエステルおよび水性エポキシ化合物からなるものが好ましい。水性アクリルとは、水溶性あるいは水分散性アクリル系樹脂のことであり、アルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレートを主要な成分とするものが好ましく、当該成分が30モル%以上90モル%以下であって共重合されたものが好ましい。水性ポリエステルとは、水溶性あるいは水分散性ポリエステル系樹脂のことであり、かかるポリエステル系樹脂を構成する成分として、多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物を例示できる。水性エポキシ化合物とは、水溶性あるいは水分散性、好ましくは水溶性のエポキシ基を含有する化合物のことであり、分子内にエポキシ基を少なくとも一つ以上、好ましくは二つ以上含有するもののことである。かかる水性エポキシ化合物としては、グリコール、ポリエーテル、ポリオール類のグリシジルエーテル、カルボン酸類のグリシジルエステル、グリシジル置換されたアミン類等が挙げられるが、好ましくはグリシジルエーテル類である。易接着処理は、基材の表面に易接着性の塗膜を形成させる方法が好ましく用いられる。
また、その他の易接着処理として、基材の表面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、帯電防止層付与などの処理が挙げられる。
<熱溶融着色層>
本発明において熱溶融着色層は、転写シートと被転写体とを重ね合わせ、基材の裏面側(基材の熱溶融着色層が設けられていない側)を熱転写用のサーマルヘッドを備えたプリンタ等、従来公知の加熱手段を用いて加熱することにより、被転写体または中間転写記録媒体が備える受容層上に転写される層である。このように、熱溶融着色層を、被転写体上または中間転写記録媒体が備える受容層上に転写することにより、文字や数字等の画像を形成することができる。
熱溶融着色層は、剥離界面層に該当する場合、ガラス転移温度(Tg)が70℃以上のポリエステル系樹脂を含んでなる。ポリエステル系樹脂のTgは、70℃以上、120℃以下であることがより好ましく、80℃以上、100℃以下であることがさらに好ましい。なお、Tgは、DSC(示査走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求めることができる。
ポリエステル系樹脂の数平均分子量(Mn)は、4000以上、20000以下であることが好ましく、4000以上、15000以下であることがより好ましく、4000以上、10000以下であることがさらに好ましい。ポリエステル系樹脂のMnを上記数値範囲とすることにより、画像のカスレおよびツブレの発生を防止することができる。なお、Mnは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算による分子量である。
熱溶融着色層が剥離界面層に該当する場合、熱溶融着色層中のポリエステル系樹脂の含有量は、熱溶融着色層における固形分の総量に対して、1.0質量%以上、100.0質量%以下であることが好ましく、2.5質量%以上、50質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上、25質量%以下であることがさらに好ましい。ポリエステル系樹脂の含有量を上記数値範囲とすることにより、印画環境、経時変化等の影響があった際にも、印画安定性をより確保することができる。
本明細書において、ポリエステル系樹脂は、多価カルボン酸と、多価アルコールとの重縮合により得られるエステル基を有するポリマーを指す。多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカンジオール、2−エチル−ブチル−1−プロパンジオール、ビスフェノールAなどが挙げられる。さらに、ポリエステル系樹脂は、3種類以上の多価カルボン酸や多価アルコールの共重合体であってもよく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのモノマーやポリマーとの共重合体であってもよい。さらに、本明細書において、ポリエステル系樹脂には、ポリエステル系樹脂の変性体も含まれる。ポリエステル系樹脂の変性体としては、例えば、ポリエステルウレタン樹脂を挙げることができる。
また、熱溶融着色層は、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂を含んでなることが好ましい。
本発明において、塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂とは、(1)塩酸ビニルと酢酸ビニルとの重合体もしくはその誘導体、および(2)塩酸ビニルと酢酸ビニルと他のモノマーとの共重合体を含むものである。
塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂における塩化ビニルおよび酸酸ビニルの総含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。
熱溶融着色層が剥離界面層に該当する場合、熱溶融着色層中の塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂の含有量は、熱溶融着色層における固形分の総量に対して、20質量%以上、97.5質量%以下であることが好ましく、30質量%以上、80質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上、60質量%以下であることがさらに好ましい。塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂の含有量を上記数値範囲とすることにより、印画濃度をより高くすることができるとともに、被転写体への密着性を向上させることができる。熱溶融着色層が剥離界面層に該当しない場合、熱溶融着色層中の塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂の含有量は、熱溶融着色層における固形分の総量に対して、20質量%以上、97.5質量%以下であることが好ましく、30質量%以上、80質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上、60質量%以下であることがさらに好ましい。塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂の含有量を上記数値範囲とすることにより、印画濃度をより高くすることができるとともに、被転写体への密着性を向上させることができる。
また、熱溶融着色層は、着色剤および(メタ)アクリル系樹脂を含んでなることが好ましい。熱溶融着色層が(メタ)アクリル系樹脂を含んでなることにより、転写シートの転写性を向上させることができる。
着色剤としては、従来公知の着色剤を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。また、加熱により発色する物質や、被転写体の表面に塗布されている成分と接触することにより発色するような物質であってもよい。着色剤は、黒、白、シルバー、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーン、およびブルーからなる群から選択される少なくとも一つの色を呈するものがよい。例えば、着色剤としては、黒にはカーボンブラック、白には酸化チタン、およびシルバーにはアルミ等の無機材料、蛍光発光材料、赤外発光材料、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、およびブルーにはC.I.Pigmentに記載される各顔料を使用することが好ましい。
熱溶融着色層における着色剤の含有量は、2.5質量%以上、80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上、60質量%以下であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド、スチレンアクリル共重合体等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐擦過性及び、透明性をより向上させることができるという理由から、ポリメチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂の数平均分子量(Mn)は、20000以上、100000以下であることが好ましく、20000以上、100000以下であることがより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂のMnを上記数値範囲とすることにより、画像のカスレおよびツブレの発生を防止することができる。
(メタ)アクリル系樹脂のTgは、70℃以上、110℃以下であることが好ましく、90℃以上、110℃以下であることがより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂のTgを上記数値範囲とすることにより、熱溶融着色層の耐熱性を向上させることができ、印画安定性を向上させることができる。
熱溶融着色層が剥離界面層に該当する場合、熱溶融着色層中の(メタ)アクリル系樹脂の含有量は、熱溶融着色層における固形分の総量に対して、20質量%以上、97.5質量%以下であることが好ましく、30質量%以上、80質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上、60質量%以下であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル系樹脂の含有量を上記数値範囲とすることにより、印画濃度をより高くすることができるとともに、被転写体への密着性を向上させることができる。熱溶融着色層が剥離界面層に該当しない場合、熱溶融着色層中の(メタ)アクリル系樹脂の含有量は、熱溶融着色層における固形分の総量に対して、20質量%以上、97.5質量%以下であることが好ましく、30質量%以上、80質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上、60質量%以下であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル系樹脂の含有量を上記数値範囲とすることにより、印画濃度をより高くすることができるとともに、被転写体への密着性を向上させることができる。
熱溶融着色層は、その特性を損なわない範囲において、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリウレタンアクリレート等のウレタン系樹脂、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等のポリアミド系樹脂、アセタール系樹脂、およびポリカーボネート系樹脂等を含んでいてもよい。
熱溶融着色層の形成方法は特に限定されないが、従来公知の塗布方法により形成することができる。例えば、適当な溶剤中に上記したような材料を加えて、各成分を溶解または分散させて塗布液を調製した後、この塗布液を基材などの上に、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。また、乾燥時の塗布量は、0.2g/m以上、4.0g/m以下であることが好ましく、0.5g/m以上、1.5g/m以下であることがより好ましい。
<剥離層>
本発明において剥離層は、熱転写時に熱溶融着色層が基材から容易に剥離することが可能となるように、所望により設けられる層である。また、転写シートが、剥離層を備える場合、剥離層は、剥離界面層に該当し、基材と、熱溶融着色層との間に設けられ、熱溶融着色層とともに被転写体へ転写される。
剥離層は、Tgが70℃以上のポリエステル系樹脂を含んでなる。Tgのより好ましい数値範囲、Mnの好ましい数値範囲および含有量などは、上記したものと同様である。
また、剥離層は、塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂を含んでなることが好ましい。塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂の好ましい含有量などは上記したものと同様である。
剥離層は、その特性を損なわない範囲において、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオール系樹脂、セルロース系樹脂などを含んでいてもよい。
剥離層は剥離剤等の添加剤をさらに含んでもよい。剥離剤としては、シリコーンオイルおよび/またはワックス成分が用いられる。剥離層に、シリコーンオイルおよびワックス成分等の剥離剤を添加することで、印画により作製した画像のツブレおよびカスレを改善した転写シートを得ることができる。シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ−アラルキル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン等が挙げられ、エポキシ変性シリコーンオイルを用いることが好ましい。ワックス成分としては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワックス等が挙げられ、ポリエチレンワックスを用いることが好ましい。
剥離層の形成方法は特に限定されないが、従来公知の塗布方法により形成することができる。例えば、適当な溶剤中に上記したようなポリエステル系樹脂と、必要に応じて剥離剤等の添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗布液を調製した後、この塗布液を基材または離型層の上に、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。また、乾燥時の塗布量は、0.2g/m以上、3.0g/m以下であることが好ましく、0.5g/m以上、1.5g/m以下であることがより好ましい。
<離型層>
本発明において離型層は、熱転写時に熱溶融着色層または剥離層が基材から容易に剥離することが可能となるように、所望により設けられる層であり、熱転写時に基材側に留まる層である。離型層は、基材と、熱溶融着色層との間、または基材と、剥離層との間に設けることができる。
離型層は、離型性を有する材料により形成することが好ましく、例えば、バインダー樹脂と、離型剤等の添加剤とを含むことが好ましい。バインダー樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオール系樹脂、セルロース系樹脂、およびポリビニルアルコール等が挙げられ、ウレタン系樹脂およびアセタール系樹脂を用いることが好ましい。離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤、フッ素系化合物、ワックス、金属石鹸、およびフィラー等を挙げることができ、シリコーンオイルを用いることが好ましい。
離型層の形成方法は特に限定されないが、従来公知の塗布方法により形成することができる。例えば、適当な溶剤中に上記のバインダー樹脂と、必要に応じて離型剤等の添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗布液を調製した後、この塗布液を基材の上に、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。また、乾燥時の塗布量は、0.02g/m以上、1.0g/m以下であることが好ましく、0.05g/m以上、0.5g/m以下であることがより好ましい。
<背面層>
本発明において背面層は、熱転写する際の基材の裏面側(基材の熱溶融着色層が設けられていない側)からの加熱によるスティキングやシワ等の悪影響を防止するために、所望により設けられる層である。背面層を設けることによって、耐熱性に劣るプラスチックフィルムを基材とした熱転写シートにおいてもスティッキングが起こることなく熱印字が可能であって、プラスチックフィルムの持つ切れにくさ、加工のし易さ等のメリットが生かせる。
背面層は、バインダー樹脂と、滑り剤等の添加剤とを含むことが好ましい。背面層に用いられるバインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、アセタール系樹脂、およびポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。滑り剤としては、金属石鹸、ワックス、シリコーンオイル、脂肪酸エステル、フィラー、タルク等が挙げられる。
背面層の形成方法は特に限定されないが、従来公知の塗布方法により形成することができる。例えば、適当な溶剤中に上記のバインダー樹脂と、必要に応じて滑り剤等の添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗布液を調製した後、この塗布液を基材の上に、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。また、乾燥時の塗布量は、0.2g/m以上、3.0g/m以下であることが好ましく、0.4g/m以上、1.5g/m以下であることがより好ましい。
<熱昇華着色層>
本発明による転写シートは、所望により、熱昇華着色層を備えていてもよい。
熱昇華着色層は、昇華性染料を含んでなることが好ましく、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度などにより変退色しないものが好ましい。
昇華性染料は、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンなどのアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンなどのシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾなどのアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料などを使用することができる。より具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)などの赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)などの黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22などの青色染料を使用することができる。
熱昇華着色層は、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などのバインダー樹脂を含んでなることが好ましい。上記したバインダー樹脂のなかでも、耐熱性、染料の移行性などが優れる観点から、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましく、ポリビニルブチラールおよびポリビニルアセトアセタールが特に好ましい。
熱昇華着色層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。染料およびバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤などの添加剤を加え、トルエン、メチルエチルケトンなどの適当な有機溶剤に溶解させ、あるいは、水に分散させることにより得られる熱昇華着色層用塗布液(溶解液または分散液)を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーターなどの形成手段により、基材の一方の面に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。また、乾燥時の塗布量は、0.2g/m以上、1.5g/m以下であることが好ましく、0.4g/m以上、1.0g/m以下であることがより好ましい。
<被転写体>
本発明による転写シートの転写に使用可能な被転写体としては、特に限定されず、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布などいずれのものであってもよい。
<転写方法>
熱溶融着色層の被転写体への転写は、従来公知の熱転写プリンタを用いて、被転写体に直接行うことができ、また、被転写体が直接転写を行うことが困難なものである場合、中間転写記録媒体が備える受容層上へ、熱溶融着色層を転写後、この中間転写記録媒体の受容層を被転写体へ転写することによっても行うことができる。
熱転写プリンタは、例えば、昇華転写用、熱溶融転写用、保護層転写用というように別々に転写条件を設定してもよいし、また、共通のプリンタでそれぞれ印字エネルギーを適切に調整して行ってもよい。また、加熱手段として特に限定されず、熱板、ホットスタンパー、熱ロール、ラインヒーター、アイロンなどを用いて転写を行うこととしてもよい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材として、厚さ4.5μmのPETフィルム上に、下記組成の剥離層用塗布液を乾燥時1.0g/mになるように塗布して剥離層を形成した。剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量は、5質量%であった。
<剥離層用塗布液>
・塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂 95質量部
(日信化学工業株式会社製、商品名:ソルバインCNL(以下、場合により「CNL」と表す。))
・ポリエステル系樹脂 5質量部
(Tg:82℃、Mn:6000、ユニチカ株式会社製、商品名:UE−9885)
・メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 200質量部
次いで、剥離層上に下記組成の熱溶融着色層用塗布液を乾燥時1.0g/mになるように塗布して熱溶融着色層を形成した。
<熱溶融着色層用塗布液>
・カーボンブラック分散体 100質量部
(固形分46%、カーボンブラック40%、分散剤6%、メチルエチルケトン/トルエン=50/50)
・塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂 40質量部
(日信化学工業株式会社製、商品名:ソルバインCL)
・メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 50質量部
剥離層を形成した基材の面とは反対の面に、下記組成の背面層用塗布液を乾燥時1.0g/mになるように塗布して背面層を形成し、転写シートを得た。
<背面層用塗布液>
・ポリビニルブチラール樹脂 2.0質量部
(積水化学工業株式会社、商品名:エスレックBX−1)
・ポリイソシアネート 9.2質量部
(大日本インキ化学工業株式会社、商品名:バーノックD750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3質量部
(第一工業製薬株式会社、商品名:プライサーフA208N)
・タルク 0.3質量部
(日本タルク工業株式会社、商品名:ミクロエースP−3)
・トルエン 43.6質量部
・メチルエチルケトン 43.6質量部
(実施例2)
剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、20質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
(実施例3)
剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、40質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
(実施例4)
剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、100質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
(実施例5)
剥離層を設けず、熱溶融着色層用塗布液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。熱溶融着色層における固形分の総量に対する、熱溶融着色層中のポリエステル系樹脂の含有量は、20.0質量%であった。
<熱溶融着色層用塗布液>
・カーボンブラック分散体 100質量部
(固形分46%、カーボンブラック40%、分散剤6%、メチルエチルケトン/トルエン=50/50)
・塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂 22.8質量部
(日信化学工業株式会社製、商品名:ソルバインCL)
・ポリエステル系樹脂 17.2質量部
(Tg:82℃、Mn:6000、ユニチカ株式会社製、商品名:UE−9885)
・メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 50質量部
(実施例6)
ポリエステル系樹脂を、バイロンGK−640(Tg:79℃、Mn:13000、東洋紡績株式会社製)に変更し、剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、20質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
(実施例7)
ポリエステル系樹脂を、バイロン885(Tg:79℃、Mn:8000、東洋紡績株式会社製)に変更し、剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、20質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
(実施例8)
ポリエステル系樹脂を、バイロンUR−1700(Tg:92℃、Mn:16000、東洋紡績株式会社製)に変更し、剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、20質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
(実施例9)
熱溶融着色層用塗布液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
<熱溶融着色層用塗布液>
・カーボンブラック分散体 100質量部
(固形分46%、カーボンブラック40%、分散剤6%、メチルエチルケトン/トルエン=50/50)
・アクリル系樹脂A 40質量部
(Tg:105℃、Mw:40000、三菱レイヨン株式会社製、商品名:ダイヤナ−ルBR−83)
・メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 50質量部
(実施例10)
剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、20質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例9と同様にして、転写シートを得た。
(実施例11)
剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、40質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例9と同様にして、転写シートを得た。
(実施例12)
ポリエステル系樹脂を、バイロンGK−640(Tg:79℃、Mn:13000、東洋紡績株式会社製)に変更し、剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、20質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例9と同様にして、転写シートを得た。
(実施例13)
一方の面に水分散性アクリル樹脂を用いて表面易接着処理を施した厚さ4.5μmのPETフィルムを用意した。この基材の一方の面に、下記組成の離型層用塗布液を乾燥時0.5g/mになるように塗布して離型層を形成した。
<離型層用塗布液>
・ウレタン系樹脂 25質量部
・アセタール系樹脂 75質量部
(積水化学株式会社製、商品名:エスレックKS−5)
・トルエン/イソプロピルアルコール(1/1) 1900質量部
次いで、離型層上に塗布すること以外は、実施例2と同様にして、剥離層、熱溶融着色層および背面層を形成し、転写性シートを得た。
(比較例1)
ポリエステル系樹脂を、バイロン200(Tg:65℃、Mn:17000、東洋紡績株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
(比較例2)
剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、20質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
(比較例3)
剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、40質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
(比較例4)
ポリエステル系樹脂を、バイロン600(Tg:47℃、Mn:16000、東洋紡績株式会社製)に変更し、剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、20質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
(比較例5)
ポリエステル系樹脂を、バイロン220(Tg:53℃、Mn:3000、東洋紡績株式会社製)に変更し、剥離層における固形分の総量に対する、剥離層中のポリエステル系樹脂の含有量が、20質量%となるよう、ポリエステル系樹脂の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
[転写シートの性能評価]
上記の実施例および比較例で製造した転写シートについて、印画安定性の各評価を行った。
上記の実施例および比較例で製造した転写シートと、下記テストプリンターとを用いて、印画速度が3msec/line(印画電圧17.8V)、1.5msec/line(印画電圧25.2V)のぞれぞれの場合について、下記のようにして作製した中間転写記録媒体の受容層上へ、印画パターンを転写した。画像のカスレおよびツブレが発生しているか(白色細線部の再現性が良いほど画像のツブレが少なく、黒色細線部の再現性が良いほど画像のカスレが少ない。)を目視により確認し、以下の評価基準に従い、評価した。評価結果を表1にまとめた。
(テストプリンター)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ株式会社製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85%
印画パターン:図3に示す印画パターン(白線および黒線)

<中間転写記録媒体の作製>
厚さ16μmのPETフィルム上に、下記組成の剥離層用塗布液、保護層用塗布液および受容層兼ヒートシール層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗工、乾燥して、剥離層、保護層および受容層兼ヒートシール層を形成させて被転写体を得た。上記の各々の乾燥塗工量は、剥離層は1.0g/m、保護層は2.0g/m、受容層兼ヒートシール層は1.5g/mであった。
(剥離層用塗布液)
・アクリル系樹脂 29質量部
(Tg:105℃、Mw:25000、三菱レイヨン株式会社製、商品名:ダイヤナ−ルBR−87)
・ポリエステル系樹脂 1質量部
(東洋紡績株式会社製、商品名:バイロン200)
・メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 70質量部
(保護層用塗布液組成)
・ポリエステル系樹脂 30質量部
(東洋紡績株式会社製、商品名:バイロン200)
・メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 70質量部
(受容層兼ヒートシール層用塗布液)
・塩酸ビニル−酢酸ビニル系樹脂 20質量部
(日信化学工業株式会社製、商品名:ソルバインCNL)
・シリコーンオイル 1質量部
・メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 79質量部

<カスレ評価基準>
A:カスレがなく、良好である。
B:部分的にカスレがあるが、判読できる。
C:カスレがあり、判読が困難である。
D:全体的にカスレがあり、不良である。
<ツブレ評価基準>
A:ツブレがなく、良好である。
B:部分的にツブレがあるが、判読できる。
C:ツブレがあり、判読が困難である。
D:全体的にツブレがあり、不良である。
10 転写シート
11 基材
12 離型層
13 剥離層
14 熱溶融着色層
15 背面層
16 熱昇華着色層

Claims (6)

  1. 基材と、前記基材上に、熱溶融着色層を備えてなり、
    前記熱溶融着色層が、ガラス転移温度が70℃以上のポリエステル系樹脂を含み、
    前記熱溶融着色層が、剥離界面層であり、
    前記熱溶融着色層が、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂を含み、
    前記熱溶融着色層における固形分の総量に対して、前記塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂の含有量が、40質量%以上であり、
    前記熱溶融着色層と面順次となるように熱昇華着色層をさらに備えてなる、転写シート。
  2. 基材と、前記基材上に、剥離層と熱溶融着色層とを順に備えてなり、
    前記剥離層が、ガラス転移温度が70℃以上のポリエステル系樹脂を含み、
    前記剥離層が、剥離界面層であり、
    前記剥離層が、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂を含み、
    前記剥離層における固形分の総量に対して、前記塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂の含有量が、40質量%以上である、転写シート。
  3. 前記熱溶融着色層と面順次となるように熱昇華着色層をさらに備えてなる、請求項2に記載の転写シート。
  4. 前記ポリエステル系樹脂の数平均分子量が、4000以上、20000以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写シート。
  5. 前記熱溶融着色層または前記剥離層中の前記ポリエステル系樹脂の含有量が、前記熱溶融着色層または前記剥離層における固形分の総量に対して、2.5質量%以上、50.0質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写シート。
  6. 前記熱溶融着色層が、着色剤と、ガラス転移温度が70℃以上の(メタ)アクリル系樹脂を含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の転写シート。
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