JP2021142737A - 熱転写シート及び印画物の製造方法 - Google Patents

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太一 川口
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Abstract

【課題】熱溶融転写方式で微小文字を表現する。【解決手段】熱転写シートは、基材と、前記基材上に面順次に設けられた第1熱溶融性インキ層及び第2熱溶融性インキ層と、を備える。前記第2熱溶融性インキ層は、前記第1熱溶融性インキ層よりも厚みが小さい。前記第2熱溶融性インキ層の平均厚みは0.5μm以上0.8μm以下である。前記基材と前記第2熱溶融性インキ層との間に剥離層が設けられていてもよい。前記剥離層の厚みは、前記第2熱溶融性インキ層の厚み以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、熱転写シート及び印画物の製造方法に関する。
従来、簡便な印刷方法として、熱転写方法が知られている。例えば、昇華性染料を含有する染料層を備える熱転写シートと、受像シートとを重ね合わせ、熱転写プリンタが備えるサーマルヘッドで熱転写シートを加熱し、染料層中の昇華性染料を受像シートに移行させて画像を形成する昇華型熱転写方式が知られている。
また、熱溶融性インキを含有する熱溶融性インキ層を備える熱転写シートと、受像シートとを重ね合わせ、熱転写プリンタが備えるサーマルヘッドで熱転写シートを加熱し、熱溶融性インキ層を受像シートに転写して画像を形成する熱溶融転写方式が知られている。熱溶融転写方式により形成される画像は、高濃度で鮮鋭性に優れているため、文字パターンや線画等の記録に適している。
偽造や改竄の抑制が求められる書類、カード等にマイクロ文字を印刷することが行われている。一般的な熱転写プリンタが備えるサーマルヘッドの解像度は300dpi(約84μm幅/ドット)であり、1文字を8×8ドットで表現する場合、計算上は、約1mmサイズの文字を印字できることになる。
しかし、実際に1mm程度の微小サイズの文字を熱溶融転写方式で印字する場合、印字つぶれ(転写不良)が目立ち、判読可能に印字することが困難であった。
特開平6−31955号公報 特開2004−306471号公報
本開示は、判読可能な微小文字を表現できる熱転写シート、及び微小文字が印字された印画物の製造方法を提供することを課題とする。
本開示の熱転写シートは、基材と、前記基材上に面順次に設けられた第1熱溶融性インキ層及び第2熱溶融性インキ層と、を備え、前記第2熱溶融性インキ層は、前記第1熱溶融性インキ層よりも厚みが小さいものである。
本開示の一態様では、前記第2熱溶融性インキ層の平均厚みは0.5μm以上0.8μm以下である。
本開示の一態様では、前記基材と前記第2熱溶融性インキ層との間に剥離層が設けられており、前記剥離層の厚みは、前記第2熱溶融性インキ層の厚み以下である。
本開示の一態様では、前記第2熱溶融性インキ層は複数のドット状に形成されている。
本開示の一態様では、前記基材上に、染料を含有する染料層が、第1熱溶融性インキ層及び第2熱溶融性インキ層と面順次に設けられている。
本開示の熱転写シートは、基材と、前記基材上に設けられた熱溶融性インキ層と、を備え、前記熱溶融性インキ層は、複数のドット状に形成されており、平均厚みが0.5μm以上0.8μm以下である。
本開示の印画物の製造方法は、本開示の熱転写シートの前記第1熱溶融性インキ層を加熱して、被転写体に前記第1熱溶融性インキ層を転写して画像を形成する工程と、前記第2熱溶融性インキ層を加熱して、前記被転写体に前記第2熱溶融性インキ層を転写して文字を形成する工程と、を備えるものである。
本開示によれば、熱溶融転写方式により判読可能な微小文字を表現できる。
本開示の実施形態に係る熱転写シートの平面図である。 図2aは図1のIIa-IIa線断面図であり、図2bは図1のIIb-IIb線断面図である。 別の実施形態に係る第2熱溶融性インキ層の断面図である。 別の実施形態に係る熱転写シートの平面図である。 図4のV-V線断面図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係る熱転写シート10の平面図であり、図2aは図1のIIa-IIa線断面図、図2bは図1のIIb-IIb線断面図である。
この熱転写シート10では、基材11の一方の面上に、イエロー染料層14Y、マゼンタ染料層14M、シアン染料層14Cの3色の染料層14と、第1熱溶融性インキ層12と、第2熱溶融性インキ層13とが面順次に繰り返し設けられている。熱転写性保護層(図示略)がさらに面順次に設けられていてもよい。
基材11の他方の面には、背面層15が設けられている。図3に示すように、基材11と第2熱溶融性インキ層13との間に剥離層16が設けられていてもよい。
第2熱溶融性インキ層13の厚さd2は、第1熱溶融性インキ層12の厚さd1よりも薄くなっている。
第1熱溶融性インキ層12の厚さd1は、1μm以上20μm以下程度が好ましい。厚さd1をこの範囲にすることで、第1熱溶融性インキ層12を転写した被転写体では、線画、バーコードや二次元コード等のコード画像、サイズの大きい文字等を高濃度かつ鮮鋭に表現できる。
第2熱溶融性インキ層13の厚さd2は、0.5μm以上1.0μm以下が好ましく、0.8μm以下がさらに好ましい。図3に示すように剥離層16が設けられている場合は、剥離層16の厚さを第2熱溶融性インキ層13の厚さd2以下にすることが好ましく、例えば、第2熱溶融性インキ層13と剥離層16の合計厚さが1.6μm以下となるようにすることが好ましい。厚さd2をこの範囲にすることで、転写感度が高くなり、印字つぶれが起きにくくなるため、第2熱溶融性インキ層13を転写した被転写体では、1mm程度の微小サイズの文字を高濃度かつ鮮鋭に表現できる。
第1熱溶融性インキ層12と第2熱溶融性インキ層13とは同じ材料で構成されることがコストの点から好ましい。剥離層16は、基材11と第1熱溶融性インキ層12との間に設けられていてもよい。
図4、図5に示すように、第2熱溶融性インキ層13Aを多数のドット状にすることで、平均厚みが、第1熱溶融性インキ層12の厚みd1より小さくなるようにしてもよい。ドット1つあたりの寸法Dは、10μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上60μm以下がより好ましい。平均厚みは、(ドット1つあたりの厚さd3)×(ドットの合計面積)÷(第2熱溶融性インキ層13Aのパネル面積)で求まる。この平均厚みが、上記のd2と同様に、0.5μm以上1.0μm以下、好ましくは0.8μm以下となるようにする。(ドットの合計面積)÷(第2熱溶融性インキ層13Aのパネル面積)で求まるドット面積率は50%以下が好ましい。
図1〜図3に示すように、ベタ塗布されている第2熱溶融性インキ層13は、パネル全体にわたって厚さd2がほぼ均一であるため、平均厚み=d2ということができる。
第1熱溶融性インキ層12及び第2熱溶融性インキ層13、13Aは、被転写体に直接転写してもよいし、中間転写媒体の転写層に転写してから、この転写層を被転写体に転写してもよい。
次に、熱転写シート10を構成する材料について説明する。
<基材>
熱転写シート10の基材11としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良い。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルムを用いることができる。また、樹脂フィルムの他に、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類や不織布等、又は紙や不織布と樹脂との複合体を用いることができる。基材の厚みは、0.5μm以上50μm以下が好ましく、3μm以上10μm以下がより好ましい。
<染料層>
染料層14は、昇華性染料を含む層として形成する。
染料としては、公知の熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本開示に使用可能であり、特に限定されない。これらの染料としてはジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン系、アセトフェノンアゾメチン,ピラゾロアゾメチン,イミダゾルアゾメチン,ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン,トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ,チオフェンアゾ,イソチアゾールアゾ,ピロールアゾ,ピラゾールアゾ,イミダゾールアゾ,チアジアゾールアゾ,トリアゾールアゾ,ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等があげられる。
染料層は、基材の一方の面に、これらの染料及びバインダー樹脂、必要に応じて顔料、導電剤の少なくとも1つを添加して、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、DMF等の適当な有機溶剤に溶解したり、あるいは有機溶剤や水等に分散させたりして、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング印刷法等の手段により塗布および乾燥することにより形成できる。染料層の厚みは、0.2μm以上6.0μm以下、好ましくは0.2μm以上3.0μm以下程度である。
<熱溶融性インキ層>
第1熱溶融性インキ層12及び第2熱溶融性インキ層13は、従来公知の着色材とバインダーを含む層であり、必要に応じて、鉱物油、植物油、ステアリン酸等の高級脂肪酸、可塑剤、熱可塑性樹脂、充填剤等の種々の添加剤を加えたものが使用される。バインダーとして用いられるワックス成分としては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等がある。更に、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワックスが用いられる。
バインダーとして用いられる樹脂成分としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセチルセルロース、ニトロセルロース、疎水変性セルロースナノファイバー、ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン、エチルセルロース又はポリアセタール等が挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂及び疎水変性セルロースナノファイバーが好ましい。また、剥離層16が設けられておらず、かつ中間転写媒体を用いて熱溶融性インキ層を被転写体に転写する場合、熱溶融性インキ層はポリエステルを含むことが好ましい。これにより、熱溶融性インキ層と被転写体との密着性を向上できる。
着色材は、特に限定されるものではなく、染料であっても、顔料であってもよく、カドミウムレッド、カドモポンレッド、クロムレッド、バーミリオン、ベンガラ、アゾ系顔料、アリザリンレーキ、キナクリドン、コチニールレーキペリレン等の赤系着色材、イエローオーカー、オーレオリン、カドミウムイエロー、カドミウムオレンジ、クロムイエロー、ジンクイエロー、ネイプルスイエロー、ニッケルイエロー、アゾ系顔料、グリニッシュイエロー等の黄系着色材、ウルトラマリン、岩群青、コバルト、フタロシアニン、アントラキノン、インジコイド等の青系着色材、シナバーグリーン、カドミウムグリーン、クロムグリーン、フタロシアニン、アゾメチン、ペリレン等の緑系着色材、カーボンブラック等の黒系着色材、シリカ、炭酸カルシウム及び酸化チタン等の白系着色材、アルミニウム、ニッケル、クロム、真鍮、錫、黄銅、青銅、亜鉛、銀、白金、金及びこれらの酸化物、並びに金属蒸着が施されたガラス等の粒子等金属顔料、並びにチタン、鉄、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム及びセリウム等の金属酸化物により被覆された鱗系状アルミナ顔料及び雲母顔料等のパール顔料等が挙げられる。
熱溶融性インキ層の溶融粘度を低くするために、熱溶融性インキ層にセルロースナノファイバーを配合してもよい。
熱溶融性インキ層は、着色材とバインダー成分と、さらに、これに必要に応じて水、有機溶剤等の溶媒成分を配合調整した熱溶融性インキ層形成用塗工液を、従来公知のホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の手段で塗布し、乾燥させることで形成できる。
図4、図5に示すような、ドット状の第2熱溶融性インキ層13Aは、熱溶融性インキ層形成用塗工液をグラビアコートやフレキソコートで塗布し、乾燥させることで形成できる。
<剥離層>
剥離層16は、熱転写時に第2熱溶融性インキ層13を剥離し易くするものであり、熱転写時に第2熱溶融性インキ層13と共に被転写体上に転写される層である。
剥離層はバインダー樹脂を含む。バインダー樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び酢酸ビニル−ビニルピロリドン共重合体等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。
中間転写媒体を用いて第2熱溶融性インキ層13を被転写体に転写する場合、剥離層はポリエステルを含むことが好ましい。これにより、剥離層と被転写体との密着性を向上できる。
剥離層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、剥離層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材上に塗布し、乾燥させることにより形成できる。
<背面層>
背面層15は、基材1の染料層14等が設けられた面とは反対側の面(裏面)に設けられ、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材との熱融着を抑制し、走行を滑らかにする。
背面層を形成する樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。
背面層は、滑り性付与剤、充填剤(タルクなど)を含んでもよい。これにより、熱転写シートの転写面と、熱転写シートの背面(背面層)との滑り性が良好になり、巻き上げ時のシワ等の発生に起因する巻き太りを抑制できる。滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサンなどのシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物および燐酸エステル系化合物であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
背面層は、上述した樹脂、滑り性付与剤及び充填剤を、適当な溶剤に溶解または分散させて背面層形成用インキを調製し、これを、基材フィルムの裏面に、塗布、乾燥して形成できる。塗布手段としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法などが挙げられる。背面層の厚みは、0.1μm以上2μm以下程度である。
(印画物の製造方法)
本開示の実施形態による印画物の製造方法では、まず、受像シートの受容層に、熱転写シート10の染料層14から、イエロー、マゼンタ及びシアンの染料を移行してカラー画像を形成する。次に、熱転写シート10の第1熱溶融性インキ層12を所定の画像パターンで加熱して受像シート上に転写し、受像シートに画像を形成する。続いて、熱転写シート10の第2熱溶融性インキ層13を所定の文字パターンで加熱して受像シート上に転写し、受像シートに微細な文字を形成する。
中間転写媒体を用いる場合は、中間転写媒体の転写層に対し、染料によるカラー画像形成、第1熱溶融性インキによる画像形成、第2熱溶融性インキによる微細文字形成等を行う。続いて、中間転写媒体からカード基材等の被転写体に対し、転写層を転写する。
次に、実験例を挙げて、本開示をさらに詳細に説明するが、本開示は、これら実験例に限定されるものではない。
(実験例1)
基材として、厚さ4.5μmのポリエステルフィルム(ルミラー(登録商標)#5A−F53 東レ(株))の一方の面に、下記組成の熱溶融性インキ層用塗工液1をベタ塗布し、乾燥して、厚さ1.2μmの熱溶融性インキ層を形成し、実験例1の熱転写シートを作製した。
(熱溶融性インキ層用塗工液1)
・カーボンブラック分散体 100質量部
(固形分46%、カーボンブラック40%、分散剤6%、メチルエチルケトン:トルエン=1:1)
・1%セルロースナノファイバー分散液 10質量部
(セルロースナノファイバー(セルフィルムC−25(PM) モリマシナリー(株))をベンジルアルコールに分散させ、ホモジナイザーを使用して、8000rpmで60分間分散処理を行い、1%分散液を調製した。)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 40質量部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・メチルエチルケトン 60質量部
・トルエン 60質量部
(実験例2)
熱溶融性インキ層の厚さを0.5μmとした以外は実験例1と同様にして、実験例2の熱転写シートを作製した。
(実験例3)
熱溶融性インキ層の厚さを0.3μmとした以外は実験例1と同様にして、実験例3の熱転写シートを作製した。
(実験例4)
実験例1の基材の一方の面上に、熱溶融性インキ層用塗工液1を50μmドットで塗布して乾燥し、平均厚みが0.5μmの熱溶融性インキ層を形成して、実験例4の熱転写シートを作製した。ドット1つあたりの厚みは1.25μm、ドット面積率(%)は40%であった。
(実験例5)
実験例1の基材の一方の面上に、熱溶融性インキ層用塗工液1を50μmドットで塗布して乾燥し、平均厚みが0.5μmの熱溶融性インキ層を形成して、実験例5の熱転写シートを作製した。ドット1つあたりの厚みは0.8μm、ドット面積率(%)は63%であった。
(実験例6)
実験例1の基材の一方の面上に、熱溶融性インキ層用塗工液1を100μmドットで塗布して乾燥し、平均厚みが0.8μmの熱溶融性インキ層を形成して、実験例6の熱転写シートを作製した。ドット1つあたりの厚みは1.0μm、ドット面積率(%)は80%であった。
(実験例7)
熱溶融性インキ層用塗工液1を下記組成の熱溶融性インキ層用塗工液2に変更した以外は実験例2と同様にして、実験例7の熱転写シートを作製した。
(熱溶融性インキ層用塗工液2)
・カーボンブラック分散体 100質量部
(固形分46%、カーボンブラック40%、分散剤6%、メチルエチルケトン:トルエン=1:1)
・1%セルロースナノファイバー分散液 10質量部
(セルロースナノファイバー(セルフィルムC−25(PM) モリマシナリー(株))をベンジルアルコールに分散させ、ホモジナイザーを使用して、8000rpmで60分間分散処理を行い、1%分散液を調製した。)
・アクリル樹脂 40質量部
(ダイヤナール(登録商標)BR−83 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 60質量部
・トルエン 60質量部
(実験例8)
熱溶融性インキ層用塗工液1を下記組成の熱溶融性インキ層用塗工液3に変更した以外は実験例2と同様にして、実験例8の熱転写シートを作製した。
(熱溶融性インキ層用塗工液3)
・カーボンブラック分散体 100質量部
(固形分46%、カーボンブラック40%、分散剤6%、メチルエチルケトン:トルエン=1:1)
・1%セルロースナノファイバー分散液 10質量部
(セルロースナノファイバー(セルフィルムC−25(PM) モリマシナリー(株))をベンジルアルコールに分散させ、ホモジナイザーを使用して、8000rpmで60分間分散処理を行い、1%分散液を調製した。)
・ポリエステル 40質量部
(バイロン(登録商標)GK−250 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 60質量部
・トルエン 60質量部
(実験例9)
実験例1の基材の一方の面上に、下記組成の剥離層用塗工液を塗布、乾燥して、厚さ0.5μmの剥離層を形成した。剥離層の上に熱溶融性インキ層用塗工液1をベタ塗布し、乾燥して、厚さ0.8μmの熱溶融性インキ層を形成して、実験例9の熱転写シートを作製した。
(剥離層用塗工液)
・アクリル樹脂 40質量部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱ケミカル(株))
・ポリエステル樹脂 5質量部
(バイロン(登録商標)220 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 60質量部
・トルエン 60質量部
(実験例10)
剥離層の厚さを1μmとした以外は実験例9と同様にして、実験例103の熱転写シートを作製した。
上記実験例において得られた熱転写シート、及び被転写体として、厚さ1000μmの大日本印刷(株)製のポリ塩化ビニル製カードを用い、下記の印字条件での印字が可能な評価プリンタを使用し、被転写体上に下記の印字条件でサイズ1mmの文字パターンを印字し、印画物を作製した。
(印字条件)
・サーマルヘッド:KGT−217−12MPL20(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値:3195(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印加電力:0.13(w/dot)
・1ライン周期:5(msec)
・印字開始温度:40(℃)
(視認性及び印字濃度の評価)
被転写体に印字された文字を目視にて観察し、下記評価基準に従い、視認性及び印字濃度を評価した。評価結果を表1にまとめた。
「視認性評価基準」
A:文字につぶれが見られず、容易に判読できた。
B:わずかに文字のつぶれが見られたが、文字の判読に問題がない程度であった。
C:文字の一部につぶれが見られたが、文字の判読は可能であった。
D:文字がつぶれて判読できなかった。
「印字濃度評価基準」
A:文字がとても濃い。
B:文字が濃い。
C:文字の一部に薄い部分があった。
D:文字が全体的に薄かった。
(密着性評価)
被転写体に印字された文字に、テープ(Scotch(登録商標) tape(BK−24) スリーエム社)を強く貼り付け、30分静置した。静置後、25℃、湿度50%の環境下において、剥離角180度にてテープを剥離した。剥離後の文字を下記評価基準に基づき評価した。評価結果を表1に示す。
「密着性評価基準」
A:剥離に伴う文字の欠陥の発生は見られなかった。
B:剥離後にわずかに文字が欠けていたが、文字の判読に問題がない程度であった。
C:剥離後に文字の一部が欠けていたが、文字の判読は可能であった。
NG:剥離後に文字が判読できなくなる欠陥が見られ、実用上問題があった。
(中間転写密着性評価)
上記実験例において得られた熱転写シートを用い、上記印字条件で、中間転写媒体(CXプリンタ用インクリボン&再転写フィルムセット CY−P340A (株)ジー・プリンテック)の転写層にサイズ1mmの文字パターンを印字した。続いて、被転写体として、上記のポリ塩化ビニル製カードを準備し、ラミネータ(ラミパッカーLPD3212 フジプラ(株))により、中間転写媒体の転写層を被転写体上に転写し、印画物を作製した。
被転写体に転写された転写層に、テープ(Scotch(登録商標) tape(BK−24) スリーエム社)を強く貼り付け、30分静置した。静置後、25℃、湿度50%の環境下において、剥離角180度にてテープを剥離した。剥離後の文字を下記評価基準に基づき評価した。評価結果を表1に示す。
「中間転写密着性評価基準」
A:剥離に伴う文字の欠陥の発生は見られなかった。
B:剥離後にわずかに文字が欠けていたが、文字の判読に問題がない程度であった。
C:剥離後に文字の一部が欠けていたが、文字の判読は可能であった。
NG:剥離後に文字が判読できなくなる欠陥が見られ、実用上問題があった。
Figure 2021142737
10 熱転写シート
11 基材
12 第1熱溶融性インキ層
13 第2熱溶融性インキ層
14 染料層
15 背面層
16 剥離層

Claims (7)

  1. 基材と、
    前記基材上に面順次に設けられた第1熱溶融性インキ層及び第2熱溶融性インキ層と、
    を備え、
    前記第2熱溶融性インキ層は、前記第1熱溶融性インキ層よりも厚みが小さいことを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記第2熱溶融性インキ層の平均厚みは0.5μm以上0.8μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記基材と前記第2熱溶融性インキ層との間に剥離層が設けられており、
    前記剥離層の厚みは、前記第2熱溶融性インキ層の厚み以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記第2熱溶融性インキ層は複数のドット状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱転写シート。
  5. 前記基材上に、染料を含有する染料層が、第1熱溶融性インキ層及び第2熱溶融性インキ層と面順次に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱転写シート。
  6. 基材と、
    前記基材上に設けられた熱溶融性インキ層と、
    を備え、
    前記熱溶融性インキ層は、複数のドット状に形成されており、平均厚みが0.5μm以上0.8μm以下であることを特徴とする熱転写シート。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の熱転写シートの前記第1熱溶融性インキ層を加熱して、被転写体に前記第1熱溶融性インキ層を転写して画像を形成する工程と、
    前記第2熱溶融性インキ層を加熱して、前記被転写体に前記第2熱溶融性インキ層を転写して文字を形成する工程と、
    を備える印画物の製造方法。
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