以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
<第1実施形態>
(コイン払出装置の全体構成)
本発明の一実施形態に係るコイン搬送装置20を備えたコイン払出装置1を図1〜図3に示す。このコイン払出装置1は、バラ積みされたコインCを所定の払出位置に搬送して一枚ずつ払いだす機能を有し、大まかにはコイン送出装置10とコイン搬送装置20とを含んで構成される。コイン払出装置1は、直径または厚みの異なる複数種類のコインCを払い出し可能であり、いわゆるサイズフリー対応のコイン払出装置として機能する。
(コイン送出装置)
まず、図1〜図6を参照しながら、コイン送出装置10について説明する。コイン送出装置10は、バラ積み状態のコインCを1枚ずつ分離して送り出す機能を有する。コイン送出装置10としては、上述した特開2012−221282号公報に開示された構成とほぼ同一のものを採用している。すなわち、コイン送出装置10は、多数のコインCを保留する保留ボウル102、その保留ボウル102を上向きに傾斜して支持し固定する取付ベース104、コインCを一つずつ区分けする回転ディスク106、回転ディスク106を駆動する駆動装置108、回転ディスク106からコインCを受け取るコイン受取手段112、およびコイン落下手段118を有している。
保留ボウル102は、多数のコインCをバラ積み状態に保留し、回転ディスク106に向けて送り込む機能を有する。保留ボウル102は、取付ベース104より前方(図3において右側)に突出し、回転ディスク106に近づくに従って深さが増し、換言すれば、底壁122が回転ディスク106に向かって下向きに傾斜しているヘッド部102Aと、コインCを投入するためのコイン投入口102Bと、取付ベース104に密接すると共に回転ディスク106の少なくとも下側の外周を囲う外装部102Cを有している。
底壁122の傾斜は、コインCが自重によって回転ディスク106側に滑落できる角度である。ヘッド部102Aは、回転ディスク106側が開放された、かいば桶形であり、その開放端部は取付ベース104に密着して固定されている。回転ディスク106の下部の前方には、図5に示すように、狭幅の縦溝124を形成し、落下したコインCが立ち易いようにしてある。縦溝124は外装部102Cに続いて形成された回転ディスク106に対し略平行な垂線に対し回転ディスク106側に傾斜する縦壁126と回転ディスク106及び外装部102Cによって形成され、その幅、換言すれば、回転ディスク106の上面と保留ボウル102の縦壁126との間隔は、最小コインの直径よりも小さく、かつ、最大厚みコインの厚みの5倍から10倍に設定され、回転ディスク106の回転方向下流側ほどその間隔が広まるように設定されている。コインCを立たせ、更に回転ディスク106側に傾け、コインCを最後の一枚まで後述のコイン係止体128に係止させて、払い出すことができるようにするためである。
外装部102Cは、円筒リング形であって、回転ディスク106の外周に近接配置される。よって、直径の異なるコインCは、保留ボウル102内にバラ積み状態に保留され、傾斜する底壁122上を自重によって滑り落ち、回転ディスク106に送り込まれる。さらに、回転ディスク106によって連れ回りされるコインCは、外装部102Cにより回転ディスク106上に留まるよう案内される。
取付ベース104は、回転ディスク106を回転自在に支持し、保留ボウル102が固定される等の機能を有する。取付ベース104は、図2の左右に配置された2つの水平な載置台部104Aと、載置台部104Aに対し傾斜する第1取付部104B(図5参照)と、第1取付部104Bの上端から鉛直上方に延びる第2取付部104C(図5参照)と、載置台部104Aに対して略直角に立設された支持側壁104L、104R(図2参照)とを含んでいる。載置台部104Aは、矩形の平板状であり、支持側壁104L、104Rと一体に形成されている。第1取付部104Bは、平板状であり、載置台部104Aに対し約60度の上向き角で傾斜し、その上向き上面104U側(図6参照)には、回転ディスク106が配置され、裏面側には駆動装置108(図5参照)が取付けられる。第2取付部104Cは、第1取付部104Bと一体で形成され、コイン搬送装置20を支持する。
回転ディスク106は、バラ積みされた直径が異なるコインCを一つずつ区分けし、コイン受取手段112に搬送する機能を有する。図4に示すように、回転ディスク106は円板であって、中央に円形の中央突起132、中央突起132の周囲にリング形の保持面134が形成され、保持面134に放射状にコイン係止体128が形成され、裏面は上向き上面104Uに近接配置されている。回転ディスク106は、上向きに傾斜し、図4において反時計方向に回転される。中央突起132の上面に突起133を形成し、これによってコインCを攪拌することが好ましい。
中央突起132の外周は支持棚136であり、支持棚136は保持面134に対し略直角をなし、保持面134からの突出量は使用が想定される最薄のコインCの厚みよりも低く設定されている。支持棚136は、コイン係止体128間の保持面134に一枚のみのコインCが保持されるようにする機能を有する。2枚のコインCが支持棚136に支持されないためである。
保持面134は、支持棚136に周面が支持されるコインCの一面と面接触してコインCを保持する機能を有する。保持面134は、中央突起132の外周に形成されたリング形の扁平面であり、水平面に対し約60度傾斜している。
コイン係止体128は、コインCの周面に接し、コインCを押動する機能を有する。コイン係止体128は、回転ディスク106の回転軸線に対し放射状に等間隔で固定状態に形成されたリブ状の凸条である。本実施形態において、コイン係止体128は正面視台形かつ断面台形であり、回転方向前端の押動縁138によってコインCを押動する。押動縁138は保持面134に対し垂直上方に伸び、その保持面134からの高さは、コインCを押動できる高さであればよい。しかし、押動縁138の高さが低い場合、コインCを押動する際の単位長さ当たりの接触圧力が高まるので、可及的に高いことが好ましい。他方、押動縁138の高さが所定量以上に高い場合、後述のコイン受取手段112のための乗上スロープ142の長さが長くなり、最小径コインが押動縁138に押されているときに乗上スロープ142に押し上げられ、最小径コインがコイン受取手段112から落下し易くなる。よって、最小径コインが押動縁138に押されているときに、乗上スロープ142に押し上げられない範囲で可及的に押動縁138を高く形成することが好ましい。
コイン係止体128の回転方向下流側縁144は、図4に示すように、コイン受取手段112を構成するコイン受取体145の受取縁146の全長が同時に保持面134に近接するよう押動縁138に対し傾斜して形成することが好ましい。コイン受取体145が保持面134に近接した時、保持面134とコイン受取体145との間にコインCが挟まれないためである。コイン係止体128の頂部147と下流側縁144は段付斜面149に形成されている。隣り合うコイン係止体128の間の保持面134にコインCの一面が面接触して保持される。よって、保持面134上の押動縁138と下流側縁144との間隔は、支持棚136側が狭く、回転ディスク106の周縁に近づくにしたがって順次拡大する形状であり、保持面134は中央突起132に対し倒立台形を呈する。支持棚136に使用が想定される最小径コインの一つが支持されている場合、他の最小径コインは支持棚136に支持されないよう設定されている。換言すれば、支持棚136に近接した位置において最小径コインの2個が保持面134に面接触しないように設定されている。2枚のコインCが連続払出されることを防止するためである。
乗上スロープ142は、コイン受取体145の受取縁146の支持棚136側の端部をこれに沿わせて保持面134から押し上げる機能を有する。図4に示すように乗上スロープ142は、支持棚136と押動縁138とがなすコーナーに形成され、保持面134からコイン係止体128の頂部147まで傾斜するスロープであり、最小径のコインCが支持棚136および押動縁138に接している場合、それらがなす三角形空間内に形成することが好ましい。乗上スロープ142が大きすぎる場合、コインCが受取縁146に案内されている状態においてコインCの一部が乗上スロープ142上に載ってしまい、コインCが受取縁146から落下しやすくなるからである。
駆動装置108は、回転ディスク106を所定の速度で回転駆動する機能を有する。本実施形態において駆動装置108は、電気モータ152および減速機154を含んでいる。減速機154が第1取付部104Bの裏面に固定され、その入力歯車には減速機154に固定された電気モータ152の出力歯車(図示せず)が噛み合っている。減速機154の出力軸(図示せず)は、第1取付部104Bを貫通し、回転ディスク106の中心部の嵌合孔(図示せず)に密に挿入され、固定されている。
なお、駆動装置108は過負荷防止機能を有している。すなわち、コイン詰まり等の異常により駆動装置108が過負荷状態となった場合、図示しない制御装置によって電気モータ152に逆極性の電流が流れ、回転ディスク106が逆回転される。これにより、異常が解消されて駆動装置108の負荷状態が正常になると、制御装置により回転ディスク106が再び正回転される。
コイン受取手段112は、回転ディスク106によって一つずつ区分けして送られてくるコインCを回転ディスク106の周方向へ移動させ、かつ、コイン係止体128に対する逃げ運動を行う機能を有する。本実施形態においてコイン受取手段112は、五角形の板体であり、押動縁138に面する端縁が直線状の受取縁146として形成され、他端部を遊動支持手段174によって遊動可能に支持され、かつ、中間部に押動縁138を付勢手段(図示せず)によって回転ディスク106側に付勢されているコイン受取体145である。
受取縁146は、支持棚136の近傍から回転ディスク106の周方向に一直線に伸び、押動縁138と対向関係にある場合(それらの間にコインCが位置する場合)、それら縁の延長線は鋭角をなすよう形成されている。換言すれば、図4に示すように受取縁146は、回転ディスク106の中心に対し上方にオフセットし、保持面134の周方向の幅の全長に面している。
遊動支持手段174は、コイン受取手段112を所定の範囲において上下左右の如何なる方向にも姿勢を変更できるように支持する機能を有する。詳しくは、コイン受取手段112の受取縁146が保持面134に近接した位置及び乗上スロープ142に接触しつつコイン係止体128を乗り越えることが出来る動きが可能である。
コイン落下手段118は、重なっているコインCがコイン受取手段112に到達しないよう、保持面134に接して保持されているコインCの上に載っているコインCを落下させる機能を有する。コイン落下手段118は、回転ディスク106の軸線よりも上方であって、かつ、回転ディスク106の周縁に相対して配置されている。換言すれば、コイン落下手段118は、回転ディスク106に対しおおよそ2時の位置であって、図4に示すように、回転ディスク106の保持面134に近接し、かつ、平行な平面内において進退可能に構成されている。
(コイン搬送装置)
次に、図1〜図11を参照しながら、コイン搬送装置20について説明する。コイン搬送装置20は、入口202から出口203に向かって延在するコイン案内通路210、出口203の上方に位置するコイン振分通路211、コイン振分通路211から図2の右側に位置する第1コイン出口204Rに向けて延在する第1出口通路220Rおよびコイン振分通路211から図2の左側に位置する第2コイン出口204Lに向けて延在する第2出口通路220Lを有するコイン案内部200と、一対のコイン押動体550A、550Bがそれぞれ設けられた12個の回転盤501〜512を有するコイン押動機構500と、出口203の上方に配置されたコイン弾出機構230と、第1出口通路220Rの入口220Raに出没可能なストッパ760を有するストッパ装置750と、第1出口通路220Rに配置された第1コイン検知センサ240Rと、第2出口通路220Lに配置された第2コイン検知センサ240Lと、を含んでいる。また、コイン搬送装置20は、コイン案内通路210をその延在方向において3分割する下部搬送ユニット21、中間搬送ユニット22および上部搬送ユニット23により構成されている。換言すれば、コイン搬送装置20において、下部搬送ユニット21および上部搬送ユニット23が中間搬送ユニット22を介して接続されることにより、コイン案内通路210が形成されるよう構成されている。コイン案内通路210の入口202は下部搬送ユニット21に設けられ、コイン案内通路210の出口203は上部搬送ユニット23に設けられている。また、後述するように、コイン振分通路211、第1出口通路220Rおよび第2出口通路220Lと第1コイン出口204Rおよび第2コイン出口204Lは、上部搬送ユニット23に設けられている。
次に、図4〜図11を参照しながら、コイン案内部200について説明する。コイン案内部200は、ベース体300と、ベース体300の表面302上に設けられたトッププレート400および入口ガイド部材450とを含んで構成される。ベース体300の表面302側には、図6、図7および図10に示すように、回転軸線701〜712の回りを回転可能に支持された回転盤501〜512が配置されている。回転軸線702〜712は、ベース体300の表面302に対して略直角である。
ベース体300の表面302は、図10に示すように、第1案内面部分222と第2案内面部分224とを有している。第1案内面部分222は、第1取付部104Bの上向き上面104Uと平行であり、換言すれば、回転ディスク106の保持面134と同様に水平面に対し約60度の傾斜角を有する。第2案内面部分224は、水平面に対し略直角であり、第1案内面部分222に対して約150度の角度で交わる。換言すれば、第1および第2案内面部分222、224は、互いに約30度の角度で交わる法線をそれぞれ有している。第1および第2案内面部分222、224の間には、第1曲面部分226が形成されている。換言すれば、第1および第2案内面部分222、224は、第1曲面部分226を介して滑らかに接続されている。
図10に示すように、回転軸線701、702は第1の軸配列線312上に所定間隔d1を置いて配置され、かつ、図5に示すように、ベース体300の側方(すなわち、コイン案内通路210の延在方向に略直角な方向であってベース体300の表面302に略平行である方向)から見て所定の角度αで交わるよう配置される。回転軸線701は第1案内面部分222に略直角であり、回転軸線702は第2案内面部分224に略直角であるため、角度αは約30度である。
回転軸線702〜712は、相互に略平行である。図10に示すように、回転軸線702、704、706、708、710、712は第1の軸配列線312上に所定間隔d2を置いて一列に配置され、回転軸線703、705、707、709、711は第2の軸配列線314上に所定間隔d2を置いて一列に配置されている。第1および第2の軸配列線312、314は互いに平行であって、所定間隔wを置いて配置されている。回転軸線703、705、707、709、711は、回転軸線702、704、706、708、710、712に対して、ベース体300の表面302において所定の距離だけ水平方向に離間している。換言すれば、回転軸線702〜712は、コイン案内通路210の延在方向に沿ってジグザク状に配置される。
トッププレート400の裏面404側には、図8および図9に示すように、入口202から出口203、第1コイン出口204Aおよび第2コイン出口204Bに向けて延在するコイン案内溝406が形成されている。コイン案内溝406は底面410と第1および第2側面412、414とを有している。トッププレート400は、その裏面404がベース体300の表面302に重ねられた状態で、ベース体300に固定されている。コイン案内溝406の幅wgは最大径のコインCの直径より僅かに大きくなるように設定され、深さdg(図11参照)は最大厚のコインCの厚さより僅かに大きくなるように設定されている。換言すれば、直径および厚さの異なる複数種類のコインCが、底面410と第1および第2側面412、414とによって案内されながら、コイン案内溝406の内部を通過可能となるように、コイン案内溝406の幅wgおよび深さdgが設定されている。さらに換言すれば、所定の範囲において直径または厚みのみが異なるコインCを搬送できるように設定されている。
コイン案内溝406の第1側面412は、回転軸線703、705、707、709、711を中心とする複数の円弧が接続されてなる曲線418に沿って形成されている。コイン案内溝406の第2側面414は、回転軸線702、704、706、708、710を中心とする複数の円弧が接続されてなる曲線416に沿って形成されている。
トッププレート400の表面402および裏面404は、ベース体300の表面302に対して略平行であり、ベース体300の表面302の形状に対応して湾曲している。そして、コイン案内溝406の底面410は、ベース体300の第1曲面部分226に対向する第2曲面部分228を有している。
トッププレート400は、その上部において左右方向(換言すれば、第3および第4案内面212、214に平行であって、水平方向)に突出して延在する右延在部400Rおよび左延在部400Lを有している。トッププレート400のコイン案内溝406は、その上端部において図9の左右方向に延在している。これにより、コイン案内溝406は、下方から上方に向けて蛇行しつつ延在する第1溝部407と、第1溝部407の上方に位置すると共に下端が第1溝部407に接続された第2溝部408と、第2溝部408を挟んで左右に配置されると共に一端が第2溝部408に接続された第3および第4溝部409R、409Lと、を含んで形成される。
トッププレート400の裏面404には、後述する回転盤501〜512の各コイン押動体550A、550Bが周回する際に、トッププレート400への接触を防止する円環状の溝422が回転軸線701〜712のそれぞれに対応して形成されている。トッププレート400は、ベース体300に対して位置合わせされた状態で固定される。
ベース体300の表面302と、トッププレート400のコイン案内溝406(より詳細には、第1溝部407)の底面410と、第1および第2側面412、414とにより、コイン案内通路210が構成される。換言すれば、トッププレート400のコイン案内溝406の第1および第2側面412、414がコイン案内通路210の第1および第2案内面212、214として機能する。また、トッププレート400のコイン案内溝406の底面410がコイン案内通路210の第3案内面216として機能し、ベース体300の表面302がコイン案内通路210の第4案内面218として機能する。そして、コイン案内通路210において、入口202から導入されたコインCの周面は、コイン案内通路210の第1および第2案内面212、214(すなわち、コイン案内溝406の第1および第2側面412、414)により案内される。また、コインCの表面および裏面の一方は、コイン案内通路210の第3案内面216(すなわち、コイン案内溝406の底面410)により案内され、コインCの表面および裏面の他方は、第4案内面218(すなわち、ベース体300の表面302)により案内される。
トッププレート400の第2溝部408の底面410とベース体300の表面302との間には、コイン振分通路221が形成される。トッププレート400の第3溝部409Rの底面410と後述の第1背面プレート352Rの表面との間には、第1出口通路220Rが形成される。トッププレート400の第4溝部409Lの底面410と後述の第2背面プレート352Lの表面との間には、第2出口通路220Lが形成される。コイン振分通路221の下端は、コイン案内通路210の上端である出口203に接続される。第1出口通路220Rおよび第2出口通路220Lのそれぞれの一端は、コイン振分通路221に接続される。換言すれば、コイン振分通路221と第1出口通路220Rとの間(換言すれば、境界)に第1出口通路220Rの入口220Raが形成され、コイン振分通路221と第2出口通路220Lとの間(換言すれば、境界)に第2出口通路220Lの入口220Laが形成される。第1出口通路220Rおよび第2出口通路220Lのそれぞれの他端は、第1コイン出口204Rおよび第2コイン出口204Lを構成する。
入口ガイド部材450は、トッププレート400と共にコイン案内通路210の入口202を形成するものである。図4および図6に示すように、入口ガイド部材450は、ほぼ五角形の取付部452と、取付部452から回転軸線701に向かって延びる突部456と、回転軸線701を中心軸とする円板体454とを有している。円板体454は、後述する回転盤501の中央部分に形成された凹部501aを覆うように、突部456の裏面側に配置される。図4に示すように、突部456は、その下向き側面458をコイン送出装置10のコイン送出口190に向けた状態で配置されている。突部456の下向き側面458は、コイン送出口190から送り出されるコインCの周面を案内し、コイン案内通路210の入口202にコインCを円滑に導入する機能を有している。
次に、図5〜図11を参照しながら、コイン押動機構500について説明する。コイン押動機構500は、図5〜図7および図10に示すように、回転軸線701〜712の回りを回転する回転盤501〜512を有している。回転盤501〜512は、ベース体300に配置された支軸801〜812に回転自在に支持されている。支軸801〜812は、回転軸線701〜712を中心軸線とする略円柱の外形状を有すると共に、略同一の直径を有している。回転盤501は、平面視略円形の外形状を有しており、中央に円形状の凹部501a(図6参照)が形成されている。換言すれば、回転盤501は、回転軸線701に平行な方向に突出する円環状の周辺部を有している。回転盤502〜512は、平面視略円形の外形状を有している。
回転盤501の表面には、回転盤501の外周に沿って屈曲して延びる略台形の平面形状を有し、かつ、回転軸線701に平行な方向に突出する柱状の外形状を有する一対のコイン押動体550A、550Bが設けられている。コイン押動体550A、550Bは略台形の底辺方向に向かってコインCを押動する機能を有するため、このような平面形状とすることによりコイン押動体550A、550Bの機械的強度および磨耗に対する耐久性を高めることができる。コイン押動体550A、550Bは回転盤501の周辺部において回転軸線701を挟んで対向して配置されており、換言すれば、コイン押動体550A、550Bは回転盤501において回転軸線701に対称に配置されている。コイン押動体550A、550Bは、回転盤501の回転に伴って回転軸線701の回りを周回してコインCを押動する機能を有する。
回転盤502〜512の表面には、回転盤501のコイン押動体550A、550Bと同様の平面形状を有し、かつ、回転軸線702〜712に平行な方向に突出する柱状の外形状を有する一対のコイン押動体550A、550Bがそれぞれ設けられている。回転盤502〜512のコイン押動体550A、550Bは、回転盤501のコイン押動体550A、550Bと同様に、回転盤502〜512の周辺部において回転軸線702〜712を挟んで対向して配置されており、換言すれば、回転盤502〜512のそれぞれにおいて対応する回転軸線702〜712に対称に配置されている。回転盤502〜512のコイン押動体550A、550Bは、対応する回転盤502〜512の回転に伴って対応する回転軸線702〜712の回りを周回してコインCを押動する機能を有する。
回転盤501および回転盤502のコイン押動体550A、550Bの高さ(換言すれば、回転盤501および回転盤502の表面からの突出長)は、回転盤503〜回転盤512のコイン押動体550A、550Bの高さに対して大きくなるよう設定されている。コインCの進行角度を変更しながらコインCを搬送するには、コインCが傾斜した状態であっても確実にコインCを押動する必要があるからである。回転盤503〜回転盤512のコイン押動体550A、550Bの高さは同一である。
コイン押動体550A、550Bは、回転盤501〜512と一体で形成してもよいし、別体で作製したものを適宜の方法により回転盤501〜512に固定して形成することもできる。本実施形態では、作製コストを低減する観点から一体で形成されている。また、コイン押動体550A、550Bは、円柱体であってもよいし、支持軸に円筒形のカラーを被せた回転自在なローラタイプとしてもよい。ローラタイプとした場合には、コイン押動体550A、550Bの磨耗が抑制されて耐久性を高められる利点がある。
上述したように、回転軸線702〜712は、第1および第2の軸配列線312、314上に交互にジグザグ状に配置される。第1の軸配列線312上に配置された回転軸線702、704、706、708、710、712に対応するコイン押動体550A、550Bは、第1の押動体グループを構成する。第2の軸配列線314上に配置された回転軸線703、705、707、709、711に対応するコイン押動体550A、550Bは、第2の押動体グループを構成する。回転盤502、504、506、508、510、512は第1の回転盤グループを構成し、回転盤503、505、507、509、511は第2の回転盤グループを構成する。
回転盤502〜512の裏面には、回転盤502〜512を回転駆動するための歯車902〜912がそれぞれ同軸で設けられている。回転盤502〜512および歯車902〜912には、図11に示す軸挿入孔560がそれぞれ形成されている。これらの軸挿入孔560には、対応する支軸802〜812がそれぞれ挿入されている。歯車902〜912は、回転盤502〜512と一体で形成してもよいし、別体で作製したものを適宜の方法により回転盤502〜512に固定して形成することもできる。回転盤502〜512と歯車902〜912とがそれぞれ一体で回転できればよい。本実施形態では、作製コストの低減と同軸精度を高めるという観点から一体で形成されている。
歯車902〜912は、互いに隣接するもの同士が噛み合っている。例えば、歯車903は歯車902、904と噛み合い、歯車905は歯車904、906と噛み合っている。以下同様にして、歯車907は歯車906、908と噛み合い、歯車909は歯車908、910と噛み合い、歯車911は歯車910、912と噛み合っている。そのため、図10に示すように、第1の回転盤グループに属する回転盤502、504、506、508、510、512は反時計方向に回転し、第2の回転盤グループに属する回転盤503、505、507、509、511は時計方向に回転する。すなわち、第1の回転盤グループに属する回転盤502、504、506、508、510、512と、第2の回転盤グループに属する回転盤503、505、507、509、511とが、互いに相反する方向に回転する。そのため、第1の回転盤グループに属する回転盤502、504、506、508、510、512のそれぞれに設けられたコイン押動体550A、550Bと、第2の回転盤グループに属する回転盤503、505、507、509、511のそれぞれに設けられたコイン押動体550A、550Bとが、互いに相反する方向に周回する。
回転盤502〜512のうちの隣接する二のものにおいて、コイン押動体550Aとコイン押動体550Bとが所定の回転位相差を保つように配置される。例えば、隣接する回転盤502および回転盤503のコイン押動体550Aが所定の回転位相差を保つように配置される。具体的には、図10に示すように、回転軸線702、703を含む平面Pを定義すると、回転盤502のコイン押動体550Aが平面Pに到達した際に、回転盤503のコイン押動体550Aが平面Pに対して歯車ピッチの1/2だけ手前の位置に到達するように、回転盤502のコイン押動体550Aと回転盤503のコイン押動体550Aとが配置される。同様に、回転盤502のコイン押動体550Bが平面Pに到達した際に、回転盤503のコイン押動体550Bが平面Pに対して歯車ピッチの1/2だけ手前の位置に到達するように、回転盤502のコイン押動体550Aと回転盤503のコイン押動体550Aとが配置される。回転盤503と回転盤504、回転盤504と回転盤505、回転盤505と回転盤506、回転盤506と回転盤507、回転盤507と回転盤508、回転盤508と回転盤509、回転盤509と回転盤510、回転盤510と回転盤511、回転盤511と回転盤512のそれぞれにおいても同様である。
このように、回転盤502〜512のコイン押動体550A、550Bは、回転軸線702〜712のうちの対応するものの回りを所定の回転位相差を保ちながら同期して周回する。しかも、回転盤502〜512のコイン押動体550A、550Bのうち、回転軸線が隣接するもの同士は互いに相反する方向に周回する。
図6および図18に示すように、回転盤501の裏面には、平歯車部分622とかさ歯車部分626とを有する歯車612が同軸で設けられている。回転盤502の歯車902の裏面には、平歯車部分624とかさ歯車部分628とを有する歯車614が同軸で設けられている。これら2つの歯車612、614は同一形状であり、かさ歯車部分626、628は約30度の円錐角をそれぞれ有している。換言すれば、かさ歯車部分626、628は回転軸線701と回転軸線702とがなす角度αに相当する円錐角をそれぞれ有している。
歯車612のかさ歯車部分626と歯車614のかさ歯車部分628とは互いに噛み合っている。そのため、回転盤501と回転盤502は、互いに相反する方向に回転する。すなわち、図10に示すように、回転盤501は時計方向に回転し、回転盤502は反時計方向に回転する。したがって、回転盤501のコイン押動体550A、550Bと回転盤502のコイン押動体550A、550Bとは、互いに相反する方向に周回する。回転盤501、502においても、回転盤501のコイン押動体550Aと回転盤502のコイン押動体550Aとが所定の回転位相差を保つように配置され、回転盤501のコイン押動体550Bと回転盤502のコイン押動体550Bとが所定の回転位相差を保つように配置される。これにより、回転盤501のコイン押動体550A、550Bと回転盤502のコイン押動体550A、550Bは、対応する回転軸線701、702の回りを互いに相反する方向に所定の回転位相差を保ちながら同期して周回する。
上記の通り、かさ歯車部分626、628は、回転軸線701と回転軸線702とがなす角度αに相当する円錐角を有している。そのため、歯車612、614を噛み合わせるという簡単な構成でありながら、回転軸線701、702のなす角度αを形成した状態で、回転盤501、502を回転駆動することができる。
平歯車部分622およびかさ歯車部分626は、一体で形成してもよいし、別体で作製したものを適宜の方法により互いに固定して形成することもできる。本実施形態では、作製コストの低減と同軸精度を高めるという観点から一体で形成されている。平歯車部分624およびかさ歯車部分628についても同様である。また、歯車612は回転盤501と一体で形成することができ、歯車614は歯車902と一体で形成することができる。一体で形成した場合には作製コストの低減と同軸精度を高める上で有利であり、本実施形態では一体で形成されているが、別体で作製したものを適宜の方法により互いに固定して構成することも勿論可能である。回転盤501、502と歯車612、614とがそれぞれ一体で回転できればどのように構成してもよい。
上記の通り、歯車612、614および歯車902〜912は、回転盤501〜512を駆動連結し、回転盤501〜512のうち隣接する一対の回転盤の一方および他方を互いに相反する回転方向に回転させる駆動連結機構950を構成する。
次に、図18を参照しながら、駆動力伝達機構600について説明する。駆動力伝達機構600は、コイン送出装置10の回転ディスク106の裏面側に配置された歯車602と、歯車602と噛み合う歯車604と、歯車604と同軸で設けられると共にトルクリミッタ611が装着された歯車610と、歯車610と噛み合う歯車606と、歯車606と同軸の歯車608とを含んでいる。歯車602は回転ディスク106に固定されており、歯車608は歯車612の平歯車部分622と噛み合っている。
コイン送出装置10の駆動装置108により回転ディスク106が回転すると、歯車602が回転ディスク106と一体で回転し、その回転駆動力は、歯車604、610、606および608を介して、歯車612に伝達される。回転駆動力を伝達された歯車612は回転し、その回転駆動力は歯車614を介して歯車902〜912へと伝達される。換言すれば、駆動装置108により駆動連結機構950が駆動されて回転盤501〜512の全てが回転する。
駆動力伝達機構600は、コイン送出装置10の回転ディスク106とコイン搬送装置20の回転盤501とが所定の回転速度差を有するよう構成される。すなわち、回転ディスク106が45度回転する毎に回転盤501が180度回転するように回転ディスク106および回転盤501の回転速度が設定される。このように回転速度を設定することにより、回転ディスク106が有する8つの押動縁138のそれぞれがコイン受取手段112と協働してコインCを送り出したときに、回転盤501のコイン押動体550A、550Bがその送り出されたコインCのそれぞれを押動するのに最適な位置へと移動する。換言すれば、回転ディスク106が有する8つの押動縁138のそれぞれにより送り出されたコインCの全ては、回転盤501のコイン押動体550A、550Bのいずれか一方によって確実に押動することが可能となる。
トルクリミッタ611の入力軸である中心軸(図示せず)には歯車604の回転軸(図示せず)が接続されて固定され、トルクリミッタ611の出力軸である外周面611bには歯車610の嵌合穴(図示せず)が嵌入されて固定される。これにより、歯車604に所定値以上の過大なトルクが作用したときに、そのトルクが遮断されて歯車604が空転する。換言すれば、コイン搬送装置20内においてコインCの噛み込みが生じるなどして、回転盤501〜512に所定値以上の過大な回転抵抗が加わった場合には、トルクリミッタ611の入力軸と出力軸との間で回転力を逃がし、回転盤501〜512を強引に回転させないようにするものである。これにより、関連する部品に過大な負荷をかけないので、耐久性が向上する利点がある。
次に、図4〜図6、図12〜図17を参照しながら、下部搬送ユニット21、中間搬送ユニット22および上部搬送ユニット23について説明する。上述した通り、コイン搬送装置20は、下部搬送ユニット21、中間搬送ユニット22および上部搬送ユニット23により構成される。下部搬送ユニット21は、図4〜図6に示すように、第1ベース部分300Aと、第1ベース部分300A上に設けられた第1トッププレート部分400Aとを含んでいる。第1ベース部分300Aには、図10に示すように、回転盤501〜504が配置される。換言すれば、回転軸線701〜704および回転盤501〜504は、下部搬送ユニット21に配置される。第1ベース部分300Aは、保留ボウル102と一体で形成されたカバー体180、第1部材306Aおよび第2部材308Aを有している。
カバー体180は第1取付部104Bの上向き上面104Uと平行に形成された傾斜面181を有し、カバー体180の左上部には開口188が形成されている。開口188の周囲には周壁184を有する凹部182が形成され、凹部182の一部はさらに後退して部分環状面186が形成されている。凹部182の底面183は、取付ベース104の第1取付部104Bの上向き上面104Uと平行であり、換言すれば、回転ディスク106の保持面134と同様に水平面に対し約60度の傾斜角を有する。凹部182の深さ(換言すれば、周壁184の高さ)は、最厚コインの厚さよりも大きく設定されている。開口188内には回転盤501が配置され、凹部182の右上部には上述の入口ガイド部材450が配置される。
第1ベース部分300Aの第1部材306Aは、左右それぞれの分割部分306Aa、306Abからなり、これらの分割部分306Aa、306Abを合わせた状態で、図7に示す貫通孔315の一部が形成される。第1ベース部分300Aの第2部材308Aは、平板状の第1プレート部308Aaと、第1プレート部308Aaの両側端から直角に延びる一対の第2プレート部308Abとを有する。第1プレート部308Aaには、支軸803、804が設けられている。回転盤503および歯車903の軸挿入孔560には支軸803が挿入され、回転盤504および歯車904の軸挿入孔560には、支軸804が挿入されている。第1プレート部308Aaの下部には開口308Acが形成されている。第2プレート部308Abを第2取付部104Cに固定することにより、第2部材308Aが第2取付部104Cに取り付けられている。第2取付部104Cには、開口308Acを通って第1プレート部308Aaから突出する支軸802が設けられている。回転盤502、歯車902および歯車614の軸挿入孔560には、支軸802が挿入されている。第2部材308Aが第2取付部104Cに取り付けられた状態では、第2部材308Aの第1プレート部308Aaと取付ベース104の第2取付部104Cとの間に、空間308Adが形成されるようになっている。この空間308Ad内には、歯車614の一部が収納される。第1ベース部分300Aの第1部材306Aは、その下部が部分環状面186上に配置された状態で、第2部材308A上に固定される。
取付ベース104の第1取付部104Bの左上部には、支軸801が設けられている。支軸801は、カバー体180(すなわち、保留ボウル102)を取付ベース104に取り付けた状態で、カバー体180の開口188に対して同軸となるように配置されている。回転盤501および歯車612の軸挿入孔(図示せず)には、支軸801が挿入されている。これにより、カバー体180の開口188内に回転盤501が配置される。さらに、取付ベース104の第1取付部104B上には、歯車604および歯車608が配置される。
第1トッププレート部分400Aは、回転軸線701〜704に対応する第1コイン案内通路部分210Aを形成するための第1コイン案内溝部分406Aを有している。上述の第2曲面部分228は、第1トッププレート部分400Aに形成されている。第1トッププレート部分400Aには、回転盤501〜504のコイン押動体550A〜550Bが回転軸線701〜704の回りを周回する際に接触を防止する溝422が形成されている。
中間搬送ユニット22は、図12および図13に示すように、第2ベース部分300Bと、第2ベース部分300B上に設けられた第2トッププレート部分400Bとを含んでいる。第2ベース部分300Bには、図10に示すように、回転盤505〜510が配置される。換言すれば、回転軸線705〜710および回転盤505〜510は、図12に示すように、中間搬送ユニット22に配置される。第2ベース部分300Bは、第1部材306Bおよび第2部材308Bを有している。
第2ベース部分300Bの第1部材306Bには、図7に示す貫通孔315の一部(図示せず)が形成される。第2部材308Bには、支軸805〜810が設けられている。回転盤505および歯車905の軸挿入孔560には、支軸805が挿入されている。同様に、回転盤506〜510および歯車906〜910の軸挿入孔560には、支軸806〜810が挿入されている。
第2トッププレート部分400Bは、回転軸線705〜710に対応する第2コイン案内通路部分210Bを形成するための第2コイン案内溝部分406Bを有している。第2トッププレート部分400Bには、回転盤505〜510のコイン押動体550A、550Bが回転軸線705〜710の回りを周回する際に接触を防止する溝422が形成されている(図9参照)。
上部搬送ユニット23は、図14〜図16に示すように、第3ベース部分300Cと、第3ベース部分300C上に設けられた第3トッププレート部分400Cと、第3トッププレート部分400Cに取り付けられたコイン弾出機構230と、第3ベース部分300Cの背面右側方に配置されたストッパ装置750と、第1出口通路220RにおけるコインCを検知する第1コイン検知センサ240Rと、第2出口通路220LにおけるコインCを検知する第2コイン検知センサ240Lと、を含んでいる。第3ベース部分300Cには、図15(A)に示すように、回転盤511、512が配置される。換言すれば、回転軸線711、712と回転盤511、512は、上部搬送ユニット23に配置される。第3ベース部分300Cは、第1部材306Cおよび第2部材308Cを有している。
第3ベース部分300Cの第1部材306Cには、図7に示す貫通孔315の一部(図示せず)が形成される。第2部材308Cには、支軸811、812が設けられている。回転盤511および歯車911の軸挿入孔560には、支軸811が挿入されている。回転盤512および歯車912の軸挿入孔560には、支軸812が挿入されている。
第3トッププレート部分400Cは、回転軸線711、712に対応する第3コイン案内通路部分210Cを形成するための第3コイン案内溝部分406Cを有している。第3トッププレート部分400Cには、回転盤511、512のコイン押動体550A、550Bが回転軸線747、712の回りを周回する際に接触を防止する溝422が形成されている(図9参照)。図15(A)に示すように、第3コイン案内通路部分210C(換言すれば、コイン案内通路210)の上端は、コイン案内通路210の出口203である。
図14(B)および図15(B)に示すように、第3ベース部分300Cの両側方には、第1背面プレート352Rおよび第2背面プレート352Lが配置されている。第1背面プレート352Rはトッププレート400の右延在部400Rの裏面に固定され、第2背面プレート352Lはトッププレート400の左延在部400Lの裏面に固定されている。これにより、図15(A)および図16(B)に示すように、上述した第1出口通路220Rおよび第2出口通路220Lが形成されると共に、第1コイン出口204Rおよび第2コイン出口204Lが形成される。また、コイン案内通路210の出口203の上方には、第1出口通路220Rおよび第2出口通路220Lの間に位置するコイン振分通路221が形成される。また、第1背面プレート352Rには、図16(B)に示す開口238が形成されている。後述するストッパ760は、開口238を介してコイン振分通路221と第1出口通路220Rの境界(すなわち、第1出口通路220Rの入口220Ra)に突出することができる。
コイン弾出機構230は、コイン振分通路221におけるコインCを第1コイン出口204Rまたは第2コイン出口204Lに向けて弾き出す機能を有している。図14(A)および図15(A)に示すように、コイン弾出機構230は、所定の部品を装着するための支持部材231と、一端が支軸239に回動可能に支持されたレバー233と、コインCの周面に接触する第1ローラ232Aおよび第2ローラ232Bと、レバー233の他端がコイン案内通路210の出口203に向かう方向に付勢する付勢手段234と、レバー233を所定の静止位置で受け止めて保持するストッパ235と、を含んで構成される。
支持部材231は、第3トッププレート部分400Cの表面(換言すれば、コイン案内通路210の第3および第4案内面216、218)に平行な板状の固定部231aと、固定部231aと直角をなすよう折り曲げられた下向き「コ」の字形の掛止部231bと、固定部231aと直角をなすよう折り曲げられて形成されたストッパ取付部231cと、を有している。固定部231a、掛止部231bおよびストッパ取付部231cは一体で形成され、固定部231aは第3トッププレート部分400Cの表面に固定されている。支軸239は、支持部材231の固定部231aに固定され、固定部231aの表面に対して垂立している。換言すれば、支軸239は、コイン案内通路210の第3および第4案内面216、218に対して略垂直な方向に延在する。
レバー233は、正面視略V字形の外形状を呈し、中央に形成された屈曲部233cと、屈曲部233cから支軸239に向けて延在する第1レバー部233aと、屈曲部233cから支軸239の反対側において斜め上方に向けて延在する第2レバー部233bと、を有している。屈曲部233cと第2レバー部233bの先端部には、コイン案内通路210の第3および第4案内面216、218に略垂直な支軸237A、237Bが取り付けられている。第1ローラ232Aの軸孔は支軸237Aに挿入され、第2ローラ232Bの軸孔は支軸237Bに挿入されている。これにより、第1ローラ232Aおよび第2ローラ232Bは、第3および第4案内面216、218に略垂直な回転軸線の回りに回転可能である。第1ローラ232Aおよび第2ローラ232Bは、コイン振分通路221においてコインと接触する第1コイン接触部および第2コイン接触部として機能する。第1ローラ232Aおよび第2ローラ232Bは、第3トッププレート部分400C(換言すれば、トッププレート400)に形成された開口236を介してコイン振分通路221内に侵入している。
本実施形態では、付勢手段234としてねじりバネ234aが使用されている。ねじりバネ234aのコイル部234aaには、支軸239が挿入されている。ねじりバネ234aの一端は掛止部237の溝に掛け止めされ、他端はレバー233に固定されている。これにより、レバー233が支軸239を中心に反時計方向に回転するよう付勢される。換言すれば、レバー233の自由端がコイン案内通路210の出口203に向かうよう付勢される。ストッパ235は、弾性を有する円板状であって、支持部材231のストッパ取付部234cに取り付けられている。付勢手段234で付勢されたレバー233の屈曲部233cの下面がストッパ235に当接することにより、レバー233は待機位置PR1に静止される。なお、付勢手段234としては、ねじりバネ234aに代えて弦巻バネを使用することも可能である。
ストッパ装置750は、コイン振分通路221において、コインCの第1出口通路220Rへの進入を阻止する機能を有している。ストッパ装置750は、図14(B)、図15(B)、図16(A)および図17に示すように、所定の部品を装着するための支持部材758と、支持部材758に対して揺動可能に支持された揺動体754と、揺動体754を所定の方向に付勢する付勢部材756と、揺動体754を変位させるソレノイド752と、含んで構成される。
支持部材758は、第1背面プレート352Rの裏面に平行な板状の固定部758aと、固定部758aの表面と直角をなすよう折り曲げられた垂立部758bと、垂立部758bの一部を切り起こして形成された掛止部758cと、を有している。垂立部758bは第1背面プレート352Rの裏面に対し直角であり、掛止部758cは第1背面プレート352Rの裏面に対し平行である。支持部材758の固定部758aは、第1背面プレート352Rの裏面に固定されている。支持部材758の垂立部758bの端部には、凹溝754dが形成されている。
揺動体754は、略L字形に屈曲した板状の外形状を呈し、支持部材758の固定部758aと対向する揺動レバー754bと、揺動レバー754bの一端において垂立する垂立部754aと、揺動レバー754bの他端において突出して形成された掛止部754cと、を有している。揺動レバー754bは平面視略矩形であって、その長辺に対応する2つの側面のそれぞれに凹溝754dが形成されている。揺動レバー754bの中央部近傍には、表面から裏面に向けて貫通する軸挿入孔754eが形成されている。垂立部754aは平面視略矩形であって、その先端は開口238(図16(B)参照)に向けて延在している。垂立部754aは、コイン振分通路221に位置するコインCの第1出口通路220Rへの進入を阻止するストッパ760である。ストッパ760は、上端が第2出口通路220L側に向かうよう内向きに傾斜している。揺動レバー754bの凹溝754dは、支持部材758の凹溝758dに挿入されている。これにより、揺動レバー754bの表面に対応する平面における移動が規制される。
付勢部材756は、一端が支持部材758の掛止部758cに掛け止めされ、他端が揺動体754の掛止部754cに掛け止めされた弦巻バネからなり、掛止部758cが掛止部754cに近づくよう付勢される。これにより、揺動体754は、支持部材758に対して一対の凹溝754dを支点として揺動することができ、これに伴ってストッパ760も移動する。
ソレノイド752は、円柱状の外形状を呈し、その底面が支持部材758の固定部758aの表面に固定されている。ソレノイド752は、その上面に対して出没可能なロッド752bを有している。ロッド752bの先端には、揺動レバー754bの軸挿入孔754eに対応する位置に連結軸752aが設けられている。連結軸752aは、揺動レバー754bの軸挿入孔754eに挿入された状態で揺動レバー754bに固定されている。これにより、ソレノイド752のロッド752bの移動に連動して揺動体754が揺動する。すなわち、ソレノイド752が消磁された状態では、図17(C)に示すように、ロッド752bが突出し、揺動体754が付勢部材756の付勢力によって支持部材758の固定部758aから離間する。このとき、ストッパ760は、第1出口通路220Rの入口220Raに対して没入する待機位置PS1に位置する。ソレノイド752が励磁された状態では、図17(D)に示すように、ロッド752bが没入し、これに連動して揺動体754が付勢部材756の付勢力に抗して反時計方向に移動する。このとき、ストッパ760は、開口236を介して第1出口通路220Rの入口220Raに突出する阻止位置PS2に位置する。したがって、ストッパ760は、ソレノイド752の消磁または励磁の状態に応じて、第1出口通路220Rの入口220Raに出没することができる。
コインCを第1コイン出口204Rから放出する場合、ストッパ760が待機位置PS1に位置するようソレノイド752が消磁される。コイン振分通路221に位置する(換言すれば、コイン案内通路210の出口203の上方に位置する)コインCが第1出口通路220Rに進入できるようにするためである。コインCを第2コイン出口204Lから放出する場合、ストッパ760が阻止位置PS2に位置するようソレノイド752が励磁される。コイン振分通路221に位置する(換言すれば、コイン案内通路210の出口203の上方に位置する)コインCが第1出口通路220Rに進入できないようにするためである。
第1コイン検知センサ240Rは、図14および図15に示すように、第1出口通路220Rを跨ぐように配置される。第1コイン検知センサ240Rは、チャネル型形状の樹脂製の外装ケース242を有し、2つの柱状部244の一方に投光器を内蔵すると共に他方に受光器を内蔵して対向配置された光電センサである。第1出口通路220RにおいてコインCが2つの柱状部244間を通過する際に光路を遮断し、それに基づいて出力されるコイン検知信号によりコインCが1つずつ検知される。第2コイン検知センサ240Lは、第2出口通路220Lを跨ぐように配置される。第2コイン検知センサ240Lは、第1コイン検知センサ240Rと同一の構成を有するため、対応する要素に同一の符号を付し、ここではその説明を省略する。
上述した下部搬送ユニット21、中間搬送ユニット22および上部搬送ユニット23が接続されることにより、図1〜図3、図7〜図10の状態が実現される。すなわち、第1〜第3ベース部分300A〜300Cによりベース体300が構成され、第1〜第3トッププレート部分400A〜400Cによりトッププレート400が構成される。第1〜第3コイン案内通路部分210A〜210Cが連通されてコイン案内通路210が構成される。また、図7に示すように、ベース体300において、第1〜第3ベース部分300A〜300Cの第1部材306A〜306Cが第1部材306を構成し、第1〜第3ベース部分300A〜300Cの第2部材308A〜308Cが第2部材308を構成する。
すなわち、ベース体300は第1部材306の上に第2部材308を積み重ねた構造体からなり、第2部材308には貫通孔315が形成される。貫通孔315は、同一の内寸法を有する11個の円形孔が一部を重複させた状態でジグザグ状に接続された平面形状を有し、かつ、図11に示すように、ベース体300の表面側に配置された内寸法の小さい第1開口315aと裏面側に配置された内寸法の大きい第2開口315bとを有している。貫通孔315の裏面側は第2部材308により閉鎖され、ベース体300には凹部316が形成される。
第1開口315a内には、回転盤502〜512が収納される。第2開口315b内には、回転盤502〜512に対応する歯車902〜912が収納される。凹部316の底面318には、支軸803〜812が設けられる。支軸803〜812は、図7および図11に示すように、ベース体300の裏面304側から第2部材308を介してネジ穴340に挿入された固定ネジ310により、ベース体300に固定される。
回転盤501〜512のそれぞれの表面は、ベース体300の表面302とほぼ面一になるよう配置される。そのため、回転盤501〜512のそれぞれの表面に設けられたコイン押動体550A、550Bは、ベース体300の表面302の上方に突出する。換言すれば、コイン押動体550A、550Bは、コイン案内通路210内にそれぞれ突出する。
コイン案内通路210内に突出したコイン押動体550A、550Bは、回転盤501〜512の回転に伴って対応する回転軸線701〜712の回りを周回し、コイン案内通路210内のコインCを1つずつ押動する。押動されたコインCは、第1および第2案内面212、214により周面が案内され、かつ、第3および第4案内面216、218により表面または裏面を案内されながらコイン案内通路210内を移動・搬送される。この場合、搬送可能なコインCの直径または厚みの範囲が広くなる。すなわち、コイン案内通路210内に突出したコイン押動体550A、550Bは第1および第2案内面212、214の間に配置されるので、第1および第2案内面212、214とコイン押動体550A、550Bとの間の間隔よりも大きく(換言すれば、第1および第2案内面212、214とコイン押動体550A、550Bの周回の軌跡との間に生じる間隔よりも大きく)、かつ、第1および第2案内面212、214の間隔よりも小さい範囲の直径を有するコインであれば、第1および第2案内面212、214のいずれか一方とコイン押動体550Aまたはコイン押動体550Bとにより支えられながら移動されて搬送が可能となる。したがって、搬送可能なコインCの直径範囲が広くなる。他方、回転盤501〜512のコイン押動体550A、550BのそれぞれによりコインCが一つずつ押動されて搬送されるので、コイン案内通路210内において隣接するコイン同士が重なり合うことがない。そのため、第3および第4案内面216、218の間隔を広く設定しても、コイン詰まりが生じることがない。したがって、搬送可能なコインCの厚み範囲が広くなる。
(コイン搬送装置の動作)
次に、図19〜図32を参照しながら、コイン搬送装置20の動作について説明する。ここでは説明を簡略化するため、1つのコインCが搬送されるものとする。
まず、コインCが第1コイン出口204Rから放出される場合について説明する。図19に示すように、コインCがコイン受取手段112の受取縁146に接触した状態でコイン係止体128に押動され、回転ディスク106の周方向に移動される。そして、コインCが回転ディスク106の外部に押し出された状態で、コインCはコイン係止体128の先端と周壁184で支えられた受け渡し位置に静止される。この受け渡し位置にあるコインCの周面に時計方向に回転する回転盤501のコイン押動体550Aが接触すると、当該コイン押動体550AによりコインCが押動され、入口202からコイン案内通路210に導入される。
回転盤501がさらに回転すると、コイン押動体550AによるコインCの押動が続けられ、図20に示すように、コインCはその周面がコイン案内通路210の第2案内面214に押し付けられながら上方に移動される。このとき、回転盤502の反時計方向の回転により回転盤502のコイン押動体550AがコインCに接近する。
次に、回転盤502のコイン押動体550AがコインCに接触してコインCを押動し、図21に示すように、コインCはコイン案内通路210の第1案内面212に案内されながら上方に移動される。
上記のコイン押動機構500の動作が繰り返されることにより、図22に示す状態となる。この状態から回転盤512が反時計方向にさらに回転すると、回転盤512のコイン押動体550AによりコインCが押動され、図23に示す状態となる。すなわち、図29(A)に示すように、回転盤512のコイン押動体550Aに押動されたコインCは、コイン案内通路210の出口203を通ってコイン振分通路221に導入されると共に、コイン案内通路210の第2案内面214に案内されつつ、コイン弾出機構230の第1ローラ232Aに接触する。コインCが第1コイン出口204Rから放出される場合、ストッパ760が待機位置PS1に位置し、第1出口通路220Rの入口220Raから没入している。このため、コイン振分通路221に位置するコインCは、ストッパ760によって進行を阻まれることなく、第1出口通路220Rに進入する。
回転盤512がさらに回転すると、図24および図29(B)に示すように、コインCは、第1ローラ232Aに接触した状態を維持しつつ、回転盤512のコイン押動体550Aによる上向きの押動力によって、コイン弾出機構230のレバー233を付勢手段234の付勢力に抗して図29(B)の時計方向に回動させる。これにより、レバー233は待機位置PR1から第1弾出位置PR2に移動し、コインCの周面が回転盤512のコイン押動体550A、第1出口通路220Rの底部220Rbおよび第1ローラ232Aに接触する状態が生起される。より詳しくは、コインCの周面が、コイン案内通路210の第2案内面214および第1出口通路220Rの底部220Rbの間に形成される角部CNと、第1ローラ232Aとの間に挟まれた状態が生起される。ここで、回転盤512のコイン押動体550AとコインCとの接点CP1とし、角部CNとコインCとの接点をCP2とし、第1ローラ232AとコインCとの接点をCP3とすると、接点CP2と接点CP3とを結ぶ仮想線L1上にコインCの中心CCが位置する状態が生起される。この状態でコインCが回転盤512のコイン押動体550Aによって押動されると、コイン弾出機構230の付勢手段234による付勢力により、第1出口通路220Rに向かう弾出力FRがコインCに作用する。換言すれば、コインCの最大径部分が第1ローラ232Aを通過した時点で、付勢手段234の弾性によりレバー233が待機位置PR1に向けて復帰し、その際の回動力によりコインCが第1コイン出口204Rに向かって弾き飛ばされる。
弾き飛ばされたコインCは、図25に示すように、第1出口通路220Rに案内されつつ第1コイン出口204Rに向けて移動し、その移動過程において第1コイン検知センサ240Rによって検知された後、第1コイン出口204Rから放出される。
次に、コインCが第2コイン出口204Lから放出される場合について説明する。図19〜図22に至る過程は、上記のコインCが第1コイン出口204Rから放出される場合と同じであるため、ここではその説明を省略する。図22に続く過程では、図26および図30(A)に示す状態となる。すなわち、回転盤512のコイン押動体550Aにより押動されたコインCは、コイン案内通路210の出口203を通ってコイン振分通路211に導入されると共に、コイン案内通路210の第2案内面214に案内されつつ、コイン弾出機構230の第1ローラ232Aに接触する。コインCが第2コイン出口204Lから放出される場合、ストッパ760が阻止位置PS2に位置し、第1出口通路220Rの入口220Raに突出している。このため、コイン振分通路211に位置するコインCはストッパ760によって第1出口通路220Rへの進入が阻止され、コインCの周面がストッパ760に接触する。
回転盤512がさらに回転すると、図27および図31(B)に示すように、コインCは、第1ローラ232Aおよびストッパ760に接触した状態を維持しつつ、回転盤512のコイン押動体550Aによる上向きの押動力によって、コイン弾出機構230のレバー233を付勢手段234の付勢力に抗して図31(B)の時計方向に回動させる。これにより、レバー233は待機位置PR1から第1弾出位置RP2よりも上方に位置する第2弾出位置PR3に移動し、コインCの周面が回転盤512のコイン押動体550A、ストッパ760および第1ローラ232Aに接触した状態が生起される。なお、ストッパ760は、上端が第2出口通路側にむかうよう内向きに傾斜している。そのため、ストッパ760に接触しながら上方に移動するコインCは、ストッパ760の斜め傾斜に沿って第2出口通路220L側(図31(B)の左側方)にも移動する。これにより、コインCの周面が回転盤512のコイン押動体550A、ストッパ760および第1ローラ232Aに接触した状態をより最適化することができる。ここで、回転盤512のコイン押動体550AとコインCとの接点CP4とし、ストッパ760とコインCとの接点をCP5とし、第1ローラ232AとコインCとの接点をCP6とすると、接点CP5と接点CP6とを結ぶ仮想線L2上にコインCの中心CCが位置する状態が生起される。この状態でコインCが回転盤512のコイン押動体550Aによって押動されると、コイン弾出機構230の付勢手段234による付勢力により、第2出口通路220Lに向かう弾出力FLがコインCに作用する。換言すれば、コインCの最大径部分が第1ローラ232Aを通過した時点で、付勢手段234の弾性によりレバー233が待機位置PR1に向けて復帰し、その際の回動力によりコインCが第2コイン出口204Lに向かって弾き飛ばされる。
レバー233の待機位置PR1への復帰の過程において、第2ローラ232Bは下方へ移動し、弾き飛ばされたコインCの周面に接触する。これにより、コインCの周面が第2出口通路220Lの底部220Lbに押しつけられて接触する。すなわち、コインCの周面が第2出口通路220Lの底部220Lbと接点CP7で接触し、第2ローラ232Bと接点CP8で接触する状態が生起される。これにより、第1ローラ232Aで弾き飛ばされたコインCの第2出口通路220Lの底部220Lbにおける跳ね返りが抑制されるので、コインCの軌道を安定することができる。
こうして弾き飛ばされたコインCは、図28に示すように、第2出口通路220Lに案内されつつ第2コイン出口204Lに向けて移動し、その移動過程において第2コイン検知センサ240Lによって検知された後、第2コイン出口204Lから放出される。
<第2実施形態>
図32は、本発明の第2実施形態のコイン搬送装置に適用される上部搬送ユニット23Aを示す。本実施形態のコイン搬送装置は、コイン弾出機構230Aが第2レバー部233bおよび第2ローラ232Bを有していない点で第1実施形態のコイン搬送装置20と相違する。それ以外は、第1実施形態のコイン搬送装置20と同一である。そのため、図32において第1実施形態のコイン搬送装置20に対応する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
コイン弾出機構230Aは、第1実施形態のコイン搬送装置20のコイン弾出機構230における第1レバー部233aに相当するレバー233Aを有している。レバー233Aの一端は支軸239に回動可能に支持され、レバー233Aの他端には支軸237が設けられている。ローラ232の軸孔は支軸237に挿入され、ローラ232は第3および第4案内面に略垂直な回転軸線の回りに回転可能である。ローラ232は、第1実施形態のコイン搬送装置20の第1ローラ232Aと同様に、コインCの周面に接触する接触部として機能する。
本実施形態のコイン搬送装置においても、コインCを第1コイン出口204Rから放出する場合、ストッパ760が待機位置に位置して没入するため、第1出口通路220RへのコインCの進入が許容される。したがって、第1実施形態のコイン搬送装置20と同様に、コインCの周面が回転盤512のコイン押動体550A、第1出口通路220Rの底部220Rbおよびローラ232に接触する状態が生起される。そして、コイン弾出機構230Aの付勢手段による付勢力により、第1出口通路220Rに向かう弾出力がコインCに作用し、コインCの最大径部分がローラ232を通過した時点で、付勢手段の弾性によりレバー233Aが待機位置に向けて復帰し、その際の回動力によりコインCが第1コイン出口204Rに向かって弾き飛ばされる。
コインCを第2コイン出口204Lから放出する場合、ストッパ760が阻止位置に位置して突出するため、第1出口通路220RへのコインCの進入が阻止される。したがって、第1実施形態のコイン搬送装置20と同様に、コインCの周面が回転盤512のコイン押動体550A、ストッパ760およびローラ232に接触した状態が生起される。そして、コイン弾出機構230Aの付勢手段による付勢力により、第2出口通路220Lに向かう弾出力がコインCに作用し、コインCの最大径部分がローラ232を通過した時点で、付勢手段の弾性によりレバー233Aが待機位置に向けて復帰し、その際の回動力によりコインCが第2コイン出口204Lに向かって弾き飛ばされる。