以下、添付図面を参照して、本願の開示する入力装置、表示装置、入力装置の制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<1.入力装置の制御方法>
図1は、本発明の実施形態に係る入力装置10の制御方法を説明するための図である。本実施形態では、例えばカーナビゲーションシステムへ搭載される車載用の表示装置1が入力装置10を備える場合について説明する。
まず、図1を用いて本実施形態に係る表示装置1の概要について説明する。ここでは、例えばタッチパネルのように、表示装置1が入力装置10を備えるものとする。
図1に示すように、本実施形態に係る表示装置1は、入力装置10と表示部20を備える。表示部20は、例えば液晶ディスプレイなどであって、入力装置10によって受け付けられた入力操作に応じてユーザに画像を表示する。表示部20は、例えば地図など車両のナビゲーションを行うための画像やテレビ、インターネットの動画、あるいは静止画など画像を表示する。
入力装置10は、表示部20とは異なる場所に配置される。入力装置10は、ユーザからの入力操作を受け付ける。入力装置10は、操作部110と、操作部110の操作面120Aを振動させる振動素子130と、第1〜第3のスイッチ素子140a〜140cを有する。
操作部110は、例えば静電容量方式の情報入力機能を有する平板状のパッドである。操作部110は、操作面120Aを備える。ユーザが指U1やタッチペン等のポインティングデバイスで操作面120Aに接触すると、入力装置10は、操作面120Aを介してユーザの接触位置Cを検出する。
振動素子130は、例えば圧電素子であり、操作部110の操作面120Aを高周波(例えば、超音波周波数帯)で振動させる。例えばユーザの指U1が操作面120Aに接触した状態で振動素子130を振動させると、指U1と操作面120Aとの間の空気層の状態が変化し摩擦力が変化する。かかる状態で指U1を動かすと、変化した摩擦力に応じた触覚を指U1に与えることができる。また、振動素子130の振動状態を変化させることで、指U1と操作面120Aとの間の摩擦力の大きさを変化させることができ、指U1に与える触覚を変化させることができる。
第1〜第3のスイッチ素子140a〜140c(以下、スイッチ140とも記載する)は、それぞれ押下面150a〜150cを有し、押下面150a〜150cに対するユーザの押下操作を受け付ける。押下面150a〜150c(以下、押下面150とも記載する)は、操作面120Aと同一平面になるように、操作面120Aに隣接して配置される。なお、ここでは、押下面150a〜150cと操作面120Aとが同一平面上になるように配置しているが、これに限られない。押下面150a〜150cを、操作面120Aと滑らかな連続性を持った面上あるいは不連続部分のない面上に配置すればよく、例えば、押下面150a〜150cを、操作面120Aと同一曲面上になるように配置してもよい。
このように、本実施形態に係る入力装置10は、操作部110およびスイッチ140を介して入力操作を受け付けるとともに、振動素子130を用いて操作面120Aを振動させることで、ユーザに触覚を与える。以下、かかる入力装置10の制御方法について説明する。
入力装置10は、操作面120Aに対するユーザの接触位置Cを検出する。入力装置10は、検出した接触位置Cに応じて振動素子130を制御する。例えば、図1の矢印TB1に示すように接触位置Cが操作面120A上を移動している場合、入力装置10は、第1の振動状態になるように、振動素子130を制御する。
また、例えば、図1の矢印TB2に示すように、接触位置Cが操作面120Aと押下面150との間を移動する場合、入力装置10は、第2の振動状態になるように、振動素子130を制御する。
ここで、振動素子130の振動状態が第1の振動状態であるとは、例えば振動素子130が高周波で振動している状態を指す。振動素子130が高周波で振動している場合、操作面120Aとユーザとの接触面(例えば指U1)の間の摩擦力が低下し、ユーザの指U1が操作面120A上を滑りやすくなる。すなわち、入力装置10は、振動素子130の振動状態を第1の振動状態とすることで、ユーザの指U1に例えばつるつるとした滑らかな触覚を与えることができる。
また、振動素子130の振動状態が第2の振動状態であるとは、例えば振動素子130が振動していない状態を指す。振動素子130が振動していない場合、操作面120Aとユーザとの接触面(例えば指U1)の間に所定の摩擦力が発生し、ユーザの指U1が第1の振動状態と比べて操作面120A上を滑りにくくなる。すなわち、入力装置10は、振動素子130の振動状態を第2の振動状態とすることで、ユーザの指U1に例えば滑りにくい触覚を与えることができる。
ここで、ユーザの指U1が矢印TB1および矢印TB2の順に移動することで、操作面120Aから押下面150に移動するとする。この場合、入力装置10は、例えば接触位置Cが矢印TB1に沿った操作面120A上では振動素子130を第1の振動状態に制御することでなめらかな触覚を指U1に与え、矢印TB2で振動素子130を第2の振動状態に制御することで大きな抵抗感を指U1に与える。
このとき、ユーザは、操作面120Aから押下面150に移動するときに例えば段差を乗り越えるような大きな抵抗感を感じる。これにより、入力装置10は、操作面120Aと押下面150との境界をユーザに認識させることができる。
このように、本実施形態に係る入力装置10の制御方法では、操作面120Aを接触位置Cが移動する場合、振動素子130の振動状態を第1の振動状態とすることでユーザの指U1に滑らかな触覚を与え、操作面120Aと押下面150との間を移動する場合、振動状態を第2の振動状態とすることで滑りにくい触覚を与える。
これにより、入力装置10の操作面120Aと押下面150との間に物理的な境界を設けていない場合であっても、ユーザに操作面120Aと押下面150との境界を認識させることができる。したがって、例えば入力装置10の操作部110とスイッチ140とを一体形成することができるようになり、入力装置10のデザイン性の自由度を向上させることができる。
また、入力装置10のデザイン性を重視し、例えば操作面120Aと押下面150との間に物理的な境界を設けない場合であっても、ユーザに操作面120Aと押下面150との境界を認識させることができ、ユーザの入力操作における利便性を向上させることができる。
入力装置10のデザイン性という観点において、例えばタッチパッドのような操作部110とその周辺に配置されるスイッチ部140の各表面(操作面120Aおよび押下面150)を連続性のある面(例えば平面や曲面)にしたデザインが1つの代表的なデザインとして知られている。このようなデザインの場合、例えば手元を目視で確認せずに操作を行うブラインド操作に対しては、各操作部分(操作部110及びスイッチ部140)の領域の識別が困難で操作性にやや難がある。
そこで、本実施形態に係る入力装置10では、同一平面上に例えばタッチパッド等の操作部110とスイッチ部140とを配置することでデザイン性の自由度を向上させると共に、同一平面上の操作部110とスイッチ部140との間の移動を振動によって伝えることで、操作部110とスイッチ部140との行き来を、例えば手元を見ないブラインド操作で行うことができ、入力装置10に対する操作性を向上させることができる。
例えば、入力装置10を備える表示装置1が車両に搭載される場合、ユーザである運転者は、周囲の状況に気を配る必要があり、入力装置10を注視して入力操作を行えない可能性がある。このような場合であっても、振動素子130の振動状態を変化させてユーザに操作面120Aと押下面150との境界を認識させることで、ユーザが入力装置10を操作しやすくすることができる。
なお、ここでは、表示装置1が車両に搭載されるナビゲーションシステムの表示装置である場合について説明したが、これに限られない。例えば表示装置1が、タッチパッドやペンタブレットなどを有するパソコンなどであってもよい。以下、かかる制御方法によって制御される入力装置10を含む表示装置1についてさらに説明する。
<2.表示装置1の概要>
図2は、本実施形態に係る表示装置1の概要を示す図である。表示装置1は、図2に示すように車両内に搭載される。表示装置1は、表示部20および入力装置10を備える。表示装置1の表示部20は、例えば車両内の運転席の運転者から視認しやすい位置に配設される。
また、入力装置10は、例えばセンターコンソールのシフトレバー付近など、運転者から操作しやすい位置に配設される。図2の例では、入力装置10の周囲にパームレストPを配置している。入力装置10の周囲にパームレストPを設けることで、ユーザ(運転者)の入力操作による疲労を軽減することができる。
また、例えばパームレストPに図示しないスイッチを設け、ユーザがパームレストPを手のひらで押し込むことによってかかるスイッチを操作するようにしてもよい。なお、かかるスイッチが受け付ける入力操作としては、入力装置10によって選択した操作を決定する決定操作などがある。このように、入力装置10が入力操作を受け付ける手段としてパームレストPを備えるようにしてもよい。
表示部20を運転者であるユーザから視認しやすい位置に配置するとともに、入力装置10を運転者が操作しやすいように表示部20と離れた位置に配置することで、例えば運転者が入力操作を容易に行うことができる。
<3.表示装置1の詳細>
次に、図3を用いて表示装置1の詳細について説明する。図3は、本実施形態に係る表示装置1の構成を示すブロック図である。表示装置1は、入力装置10と、表示部20と、表示制御部30と、記憶部40とを備える。
<3.1.入力装置10>
入力装置10は、例えばタッチパッドやスイッチ等の情報入力デバイスであり、表示装置1に対するユーザによる入力操作を受け付け、ユーザの入力操作に応じた信号を表示制御部30に出力する。入力装置10は、操作部110と、振動素子130と、スイッチ140と、制御部160とを備える。
<3.1.1.操作部110>
操作部110は、例えばタッチパッドやペンタブレット等の平板状のセンサである。図4に示すように操作部110は、入力装置10の筐体170内に配置される。操作部110は、ユーザによる入力操作を受け付ける操作面120Aを備える。ユーザが操作面120Aに接触すると、操作部110はユーザの接触位置Cに応じたセンサ値を制御部160に出力する。
<3.1.2.振動素子130>
振動素子130は、例えば圧電素子(ピエゾ素子)などの圧電アクチュエータであって、制御部160から与えられた電圧信号に応じて伸縮することで操作部110を振動させる。図4の例では、振動素子130は、操作部110の操作面120Aと対向する面に配置される。なお、図4は、振動素子130およびスイッチ140の配置例を説明する模式図であって、説明に不要な構成要素の図示を省略している。図4(a)は、入力装置10の上面図であり、図4(b)は、図4(a)の線L1における入力装置10の断面図である。
なお、図4に示す振動素子130の個数および配置は一例であり、これに限られない。例えば1以上の振動素子で操作面120Aを振動させてもよい。このように、振動素子130の個数や配置は任意であるが、操作面120A全体を均一に振動させるような個数および配置とすることが望ましい。
また、ここでは、振動素子130として圧電素子を用いる場合について説明したが、これに限られず、例えば振動素子130が操作面120Aを超音波周波数帯で振動させる素子であってもよい。
<3.1.3.スイッチ140>
スイッチ140は、例えば押下面150を有し、押下面150に対するユーザの押下操作を検出する。ユーザがスイッチ140の押下面150を押下すると、例えば図示しない接点が接触し、スイッチ140に信号が流れる。例えばスイッチ140はかかる信号を制御部160に出力する。図4に示すようにスイッチ140は、入力装置10の筐体170内に、操作部110に隣接するよう配置される。
図4(a)の例では、スイッチ140は、第1〜第3のスイッチ素子140a〜140cを有する。各スイッチ素子140a〜140cは、対応する押下面150a〜150cの一辺が操作面120Aの外周の一辺と接するように配置される。また、図4(b)に示すように、各スイッチ素子140a〜140cは、押下面150a〜150cが操作面120Aと同一平面になるように配置される。
図4(b)に示すように、第1〜第3のスイッチ素子140a〜140cは、例えばバネのような弾性体を有し、ユーザがかかる弾性体を押し込むことで第1〜第3のスイッチ素子140a〜140cの図示しない接点が接触し、信号が流れる。またユーザが例えば押下面150a〜150cから指を離すと、弾性体の反発力によって押下面150a〜150cが元の位置に戻る。このように、第1〜第3のスイッチ素子140a〜140cは、いわゆる機械式のスイッチ手段である。
なお、ここでは、第1〜第3のスイッチ素子140a〜140cが機械式のスイッチ手段であるとしたが、これに限られない。第1〜第3のスイッチ素子140a〜140cは、ユーザの押下操作を検出できるスイッチであればよく、例えば押下面150に対して垂直な押圧力を検出可能な静電容量式のスイッチであってもよい。
図4では、スイッチ140の押下面150と操作部110の操作面120Aとをそれぞれ異なる平板で構成する場合について示したが、これに限られない。例えば押下面150と操作面120Aとを同一の平板で構成してもよい。あるいは、押下面150と操作面120Aとを例えば樹脂製のシートで覆うことで、一体形成するようにしてもよい。このように、入力装置10のデザイン性の自由度を向上させることができる。
また、例えば押下面150と操作面120Aとを同一の平板で構成し、振動素子130を用いて押下面150を振動させるようにしてもよい。あるいは、押下面150を振動させる振動素子を配置することで押下面150を振動させるようにしてもよい。これにより、同一平面上の押下面150と操作面120Aの間の移動を振動によって伝えることができ、押下面150と操作面120Aの行き来を、例えば手元を見ないブラインド操作で行うことができ、入力装置10に対する操作性を向上させることができる。
なお、図4に示すスイッチ素子の個数および配置は一例であり、これに限られない。例えば2つのスイッチ素子をそれぞれ操作面120Aの異なる辺と接するように配置してもよい。このように、スイッチ素子の個数や配置は任意であるが、例えばユーザが入力装置10を視認していなくとも入力操作を行えるような個数および配置とすることが望ましい。
<3.1.4.制御部160>
制御部160は、入力装置10の各部を制御する。また、制御部160は、操作部110またはスイッチ140を介して受け付けた入力操作に応じた信号を表示制御部30に出力する。制御部160は、検出部161と、移動判定部162と、スイッチ検出部(SW検出部)163と、押下判定部164と、振動制御部165とを備える。
<3.1.4.1.検出部161>
検出部161は、操作部110が出力するセンサ値に基づいて、操作面120Aに対するユーザの接触位置Cを検出する。例えば、検出部161が所定の周期でユーザの接触位置Cを検出することで、ユーザの指U1が操作面120A上を移動し接触位置Cが変化した場合であっても、検出部161はかかる変化に追従して接触位置Cを検出することができる。検出部161は、検出結果であるユーザの接触位置Cを移動判定部162へ出力する。
<3.1.4.2.移動判定部162>
移動判定部162は、検出部161の検出結果に基づいて、接触位置Cが操作面120A上を移動するか、接触位置Cが操作面120Aと押下面150との間を移動するかを判定する。例えば、移動判定部162は、接触位置Cが操作面120Aの隣接領域D1を移動する場合に、接触位置Cが操作面120Aと押下面150との間を移動すると判定する。また、接触位置Cが操作面120Aの隣接領域D1を除く移動領域D2を移動する場合に、接触位置Cが操作面120A上を移動すると判定する。
ここで、図5を用いて移動判定部162の判定方法について説明する。図5は、入力装置10の詳細を説明する模式図である。まず、隣接領域D1とは、操作面120Aの外周領域であって押下面150に隣接する領域を指す。図5(a)に示す例では、隣接領域D1は、操作面120Aのスイッチ素子140a〜140cと隣接する辺を長さとし、所定幅Wとする長方形状の領域である。
例えば図5(a)に示すように、ユーザU1の接触位置C1が移動領域D2内に位置する場合、移動判定部162は、接触位置C1が移動領域D2を移動するとして、接触位置Cが操作面120A上を移動すると判定する。
また、例えばユーザU2の接触位置C2が隣接領域D1内に位置する場合、移動判定部162は、接触位置C1が隣接領域D1を移動するとし、接触位置Cが押下面150と操作面120Aとの間を移動すると判定する。移動判定部162は、判定結果を振動制御部165および表示制御部30に出力する。
なお、上述した例では、接触位置Cが隣接領域D1に位置する場合に、移動判定部162が、接触位置Cが押下面150と操作面120Aとの間を移動すると判定するとしたが、これに限られない。例えば接触位置Cが操作面120A上に位置する場合に操作面120Aを移動し、接触位置Cが操作面120A上に位置しない場合に接触位置Cが押下面150と操作面120Aとの間を移動すると判定するようにしてもよい。
あるいは、隣接領域D1で検出された接触位置Cが、操作面120A上で検出されなくなった場合、または操作面120A上で検出されなかった接触位置Cが隣接領域D1で検出された場合に接触位置Cが押下面150と操作面120Aとの間を移動すると判定するようにしてもよい。
<3.1.4.3.SW検出部163>
SW検出部163は、押下面150に対するユーザの押下操作を検出するスイッチ手段である。SW検出部163は、スイッチ140がユーザの押下操作に応じて出力する信号を検出することで、かかる押下操作を検出する。SW検出部163は、検出結果を押下判定部164に出力する。
<3.1.4.4.押下判定部164>
押下判定部164は、SW検出部163の検出結果に応じて、スイッチ140のスイッチ素子140a〜140cのいずれかが押下されたか判定する。また、押下判定部164は、SW検出部163の検出結果に応じて、押下操作が終了したか否か、すなわち押下面150が元の状態に戻ったか否かを判定する。
このように、押下判定部164は、スイッチ140が押下されたか否かを判定するとともに、スイッチ140の押下面150の位置を判定する。押下判定部164は、判定結果を振動制御部165および表示制御部30に出力する。
<3.1.4.5.振動制御部165>
振動制御部165は、移動判定部162の判定結果に応じて、接触位置Cが操作面120A上を移動する場合に第1の振動状態になり、接触位置Cが操作面120Aと押下面150との間を移動する場合に第2の振動状態になるように、振動素子130を制御する。
例えば図5(a)に示すように、接触位置C1が移動領域D2に位置する場合、振動制御部165は、ユーザと操作面120Aとの間の摩擦力が低下する第1の振動状態になるように振動素子130を制御する。また、例えば接触位置C2が隣接領域D1に位置する場合、振動制御部165は、ユーザと操作面120Aとの間の摩擦力が増加する第2の振動状態になるように振動素子130を制御する。
ここで、図5(a)の矢印TB3に沿って指Uが移動する場合について説明する。指Uが矢印TB31に沿って移動する場合、接触位置Cは移動領域D2に位置する。したがって、この場合、振動制御部165は、振動素子130が第1の振動状態になるように制御する。これにより、入力装置10は、例えば図5(b)に示すように所定の抵抗感R1を指Uに与えることができ、ユーザはつるつるとした滑りやすい触覚によって指Uを移動させやすくなる。
指Uが矢印TB32に沿って移動する場合、接触位置Cは隣接領域D1に位置する。したがって、この場合、振動制御部165は、振動素子130が第2の振動状態になるように制御する。これにより、入力装置10は、例えば図5(b)に示すように抵抗感R1より大きい抵抗感R2を指Uに与えることができ、ユーザは滑りにくい触覚によって指Uを移動させにくくなる。
指Uが矢印TB33に沿って移動する場合、指Uは、スイッチ素子140bの押下面150bの摩擦力に応じた抵抗感を感じる。例えば押下面150が操作部110の操作面120Aと同じ素材で構成される場合、入力装置10は、例えば図5(b)に示すように抵抗感R2を指Uに与え、ユーザは滑りにくい触覚によって指Uを移動させにくくなる。
これにより、指Uが矢印TB3に沿って移動する場合、指Uが移動領域D2から隣接領域D1に移動したときに、図5(b)に示すように抵抗感Rが大きく増加する。そのため、入力装置10が、例えば移動領域D2と隣接領域D1とが接する辺で段差を乗り越えたような触覚を指Uに与えることができ、ユーザに操作面120Aと押下面150との境を認識させることができる。このため、例えば操作面120Aと押下面150が同一平面になるよう配置することで、操作面120Aと押下面150との境がわかりにくい場合であっても、かかる境をユーザが認識しやすくすることができる。
振動制御部165は、押下判定部164の判定結果に応じて振動素子130を制御する。例えば、指Uがスイッチ140を押下している場合、振動制御部165は、振動素子130が動作しないように制御する。
また、押下操作が終了した場合、振動制御部165は、振動素子130を所定の振動状態になるように制御する。例えば振動制御部165は、振動素子130が第2の振動状態になるように制御する。これにより、指Uがスイッチ140の押下面150から操作面120Aに移動する場合に、振動制御部165は、指Uに抵抗感R2を与えることができる。
さらに、指Uが操作面120Aの隣接領域D1から移動領域D2に移動した場合に、振動制御部165が、第1の振動状態になるように振動素子130を制御することで、指Uがスイッチ140の押下面150から操作面120Aに移動する場合にも例えば段差を降りるような触覚を指Uに与えることができる。
なお、振動素子130を用いて押下面150を振動させる場合、振動制御部165は、押下面150と指Uとの間の摩擦抵抗が変化するよう振動素子130を制御する。例えば図5(a)の矢印TB33において、振動制御部165が、第1の振動状態になるように、すなわち指Uに抵抗感R1を与えるように振動素子130を制御するようにしてもよい。
この場合、入力装置10が指Uに矢印TB32に沿って移動する場合にのみ大きな抵抗感R2を与えることになり、例えば指Uに凸部を乗り越えたような触覚を与えることができる。
また、指Uがスイッチ素子140a〜140c間を移動する場合に、振動制御部165は、押下面150と指Uとの間の摩擦抵抗が変化するよう振動素子130を制御するようにしてもよい。
例えばスイッチ素子140a〜140cの互いに隣接する辺に隣接領域を設け、振動制御部165は、ユーザの接触位置Cがかかる隣接領域に位置する場合に、第2の振動状態で振動するよう振動素子130を制御する。振動制御部165は、ユーザの接触位置Cが隣接領域を除く押下面150に位置する場合に、第1の振動状態で振動するよう振動素子130を制御する。
これにより、例えばユーザの接触位置Cが複数のスイッチ素子140a〜140c間を移動する場合に、隣接領域の触覚を変更することで複数のスイッチ素子140a〜140cの境をユーザに認識させることができる。
また、振動制御部165が、SW検出部163の検出結果に応じて振動素子130の振動状態を変更するようにしてもよい。例えば押下判定部164が、スイッチ140が押下操作されていると判定した場合に、振動制御部165は第1の振動状態になるように振動素子130を制御する。また例えば押下判定部164が、スイッチ140の押下操作が終了したと判定した場合に、振動制御部165は第2の振動状態になるように振動素子130を制御する。
これにより、例えば入力装置10は、スイッチ140を押下したユーザに、実際のより大きなストロークでスイッチ140を押下したような触覚を与えたり、スイッチ140をカチッと押し込んだような触覚を与えたりすることができ、ユーザの操作性を向上させることができる。
なお、操作面120Aと押下面150との間を移動する場合にかかる境界を通知する方法は、上述した触覚による通知に限られない。例えば、操作面120Aと押下面150との間を移動したときに音を出力することで通知するようにしてもよい。このとき、例えば図示しないスピーカを介して音を出力してもよく、あるいは振動制御部165によって振動素子130を可聴領域で振動させることで、振動の変化によって触感を変化させたり、操作面の可聴周波数の振動で音を出力したりするようにしてもよい。または、入力装置10そのものが振動するように振動素子130を制御することで、ユーザに直接振動を伝えるようにしてもよい。
<3.2.表示部20>
表示部20は、例えば液晶ディスプレイであって、表示制御部30が出力する画像をユーザに提示する。表示部20は、入力装置10とは離れた位置に配置される、いわゆる遠隔ディスプレイである。
<3.3.表示制御部30>
表示制御部30は、例えば入力装置10がユーザから受け付けた入力操作に基づいて、表示部20に表示させる画像を生成する。また、表示制御部30は、入力装置10が検出した操作面120A上の接触位置Cに応じた画像を生成する。表示制御部30は生成した画像を表示部20に出力する。表示制御部30は、表示部20を制御して、ユーザに画像を提示させる。
表示制御部30は、入力装置10の移動判定部162の判定結果に応じた画像を生成し、表示部20に表示させる。例えば、図6に示すように、矢印TBに沿ってユーザの指Uが操作面120Aから押下面150bに移動する場合、表示制御部30はスイッチ140が受け付ける押下操作に対応する画像G1を生成し、表示部20に表示させる。なお、図6は、表示部20に表示される画像G1の例を示す図である。
また、表示制御部30は、入力装置10の押下判定部164の判定結果に応じてスイッチ140に対応する画像G1の表示色を変更して表示部20に表示させる。例えば、押下操作されているスイッチ140に対応する画像G1の表示色を変更して表示部20に表示させることで、ユーザに押下したスイッチ140を通知する。このように表示制御部30は、SW検出部163が検出するスイッチ140の押下操作に対応する画像G1を表示部20に表示する。
また、押下判定部164が例えばユーザがいずれのスイッチ素子140a〜140cに接触しているか判定するようにしてもよい。この場合、表示制御部30は、ユーザが接触しているスイッチ140に対応する画像G1の表示色を変更して表示部20に表示させる。
このように、表示制御部30は、ユーザの接触操作に応じて入力装置10に対応する画像G1を表示部20に表示する。これにより、ユーザが入力装置10ではなく表示部20を視認しながら入力操作を行いやすくなる。
また、入力装置10の操作面120Aの摩擦力を変更することで入力装置10のスイッチ140の位置を触覚によってユーザに認識させるとともに、表示部20にスイッチ140に対応する画像G1を表示することでスイッチ140の位置を視覚によってもユーザに認識させる。これにより、ユーザの入力操作に対する操作性をさらに向上させることができる。
<3.4.記憶部40>
記憶部40は、例えば移動判定部162が接触位置Cの判定に用いる隣接領域D1や移動領域D2を記憶する。また、記憶部40は、移動判定部162や押下判定部164による判定結果を記憶する。記憶部40は、表示制御部30が生成する画像G1を記憶する。このように、記憶部40は、表示装置1の各部が行う処理に必要な情報や処理結果を記憶する。
記憶部40は、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。
<4.制御処理>
次に、本実施形態に係る入力装置10が実行する処理手順について図7を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る入力装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、入力装置10は、検出部161によってユーザの接触位置Cを検出したか否かを判定する(ステップS101)。検出部161が接触位置Cを検出しない場合(ステップS101;No)、入力装置10は処理を終了する。
検出部161が接触位置Cを検出した場合(ステップS101;Yes)、入力装置10は、接触位置Cが操作面120Aと押下面150との間を移動しているか否かを判定する(ステップS102)。
接触位置Cが操作面120Aと押下面150との間を移動している場合(ステップS102;Yes)、入力装置10は、振動素子130が第2の振動状態になるように制御し(ステップS103)、処理を終了する。
接触位置Cが操作面120Aと押下面150との間を移動していない、すなわち接触位置Cが操作面120A上を移動する場合(ステップS102;No)、入力装置10は、振動素子130が第1の振動状態になるように制御し(ステップS104)、処理を終了する。
<5.ハードウェア構成>
本実施形態に係る表示装置1は、図8に一例として示す構成のコンピュータ600で実現することができる。図8は、表示装置1の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
コンピュータ600は、CPU(Central Processing Unit)610と、ROM(Read Only Memory)620と、RAM(Random Access Memory)630と、HDD(Hard Disk Drive)640とを備える。また、コンピュータ600は、メディアインターフェイス(I/F)650と、通信インターフェイス(I/F)660と、入出力インターフェイス(I/F)670とを備える。
なお、コンピュータ600は、SSD(Solid State Drive)を備え、かかるSSDがHDD640の一部または全ての機能を実行するようにしてもよい。また、HDD640に代えてSSDを設けることとしてもよい。
CPU610は、ROM620およびHDD640の少なくとも一方に格納されるプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM620は、コンピュータ600の起動時にCPU610によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ600のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。HDD640は、CPU610によって実行されるプログラムおよびかかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。
メディアI/F650は、記憶媒体680に格納されたプログラムやデータを読み取り、RAM630を介してCPU610に提供する。CPU610は、かかるプログラムを、メディアI/F650を介して記憶媒体680からRAM630上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。あるいは、CPU610は、かかるデータを用いてプログラムを実行する。記憶媒体680は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)などの光磁気記録媒体やSDカード、USBメモリなどである。
通信I/F660は、ネットワーク690を介して他の機器からデータを受信してCPU610に送り、CPU610が生成したデータを、ネットワーク690を介して他の機器へ送信する。あるいは、通信I/F660は、ネットワーク690を介して他の機器からプログラムを受信してCPU610に送り、CPU610がかかるプログラムを実行する。
CPU610は、入出力I/F670を介して、ディスプレイ等の表示部20、スピーカ等の出力部、キーボードやマウス、ボタン、操作部110等の入力部を制御する。CPU610は、入出力I/F670を介して、入力部からデータを取得する。また、CPU610は、生成したデータを入出力I/F670を介して表示部20や出力部に出力する。
例えば、コンピュータ600が表示装置1として機能する場合、コンピュータ600のCPU610は、RAM630上にロードされたプログラムを実行することにより、検出部161と、移動判定部162と、SW検出部163と、押下判定部164と、振動制御部165とを含む入力装置10の制御部160および表示制御部30の各機能を実現する。
コンピュータ600のCPU610は、例えばこれらのプログラムを記憶媒体680から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワーク690を介してこれらのプログラムを取得してもよい。また、HDD640は、記憶部40が記憶する情報を記憶することができる。
<6.変形例>
以下に操作面を振動させることでユーザに触覚を与える入力装置10における、触感に与え方等について色々な実施形態の変形例をあげる。上記に説明した技術も含め、これらの触感付与技術はそれぞれ適宜組み合わせて用いることにより、多種多様な効果を持った触感をユーザに与えることが可能となる。
図9〜図13を用いて本実施形態の変形例を説明する。図9は、本変形例にかかる表示装置2の構成を示すブロック図である。本変形例に係る表示装置2の入力装置11は、図3に示す入力装置10の構成に加え、第2表示部190と、制御部260とを備える。制御部260は、図3に示す制御部160の構成に加え、領域判定部166と、第2表示制御部167とを備える。なお、図3に示す表示装置1と同じ構成には、同一符号を付し説明を省略する。
第2表示部190は、例えば液晶ディスプレイであり、図10(b)に示すように、操作部110の操作面120Aに対向する面に接するように配置される。ここで、操作部110は、例えばタッチパネルなど静電容量方式の情報入力機能を有する透過性のあるパネルである。入力装置11の操作部110は、図10に示すように、操作面120Aと押下面150との間に所定の高さを有する段差200を備える。かかる段差200は、操作面120Aと押下面150が形成される平面より高くなるように形成される。なお、図10は、本変形例に係る入力装置11の構成を示す模式図である。図10(a)は、入力装置11の上面図であり、図10(b)は、図10(a)の線L1における入力装置11の断面図である。
第2表示部190は、第2表示制御部167が生成した画像を表示する。ユーザは、第2表示部190の表示領域に表示された画像を透過性のある操作面120Aを介して視認することができる。なお、ここで、第2表示部190は、例えば解像度が表示部20より低く、表示部20より簡易的な表示手段であるものとする。
あるいは、例えば第2表示部190を複数のLEDライトなどの照明で構成してもよい。この場合、第2表示部190は、第2表示制御部167の指示に従い、LEDライトをオン・オフさせるようにする。
領域判定部166は、表示部20に表示される画像に基づいて操作面120Aに分割領域を設定する領域設定部168を備える。領域設定部168は、表示制御部30から表示部20に表示する画像に関する情報を受け取ると、かかる情報に基づいて操作面120Aを分割し、分割領域を設定する。
図11を用いて分割領域について説明する。図11は、分割領域D11〜D14を説明する図である。例えば、図11に示すように、表示部20に地図を示す画像G10と、表示装置2が受け付ける4つの操作に対応する画像G11〜G14が表示されているものとする。この場合、領域設定部168は、操作面120Aを画像G11〜G14に対応する4つの分割領域D11〜D14に境界線Lで分割する。
なお、図11に示す分割領域D11〜D14は一例であり、領域数および配置はこれに限られない。分割領域D11〜D14は、表示部20に表示される画像に対応するように設定されればよく、任意の数および配置としてよい。
領域判定部166は、検出部161の検出結果に基づいて、接触位置Cが操作面120Aの第1の領域(例えば分割領域D11)を移動するか、操作面120Aの第1の領域に隣接する第2の領域(例えば分割領域D12)を移動するか、または第1、第2の領域間を移動するかを判定する。すなわち、領域判定部166は、接触位置Cが、複数の分割領域D11〜D14内を移動するか、複数の分割領域D11〜D14間を移動するかを判定する。
領域判定部166は、例えば図12に示すように、領域設定部168が設定した分割領域D11〜D14の境界線Lを含む第2隣接領域D3を設定する。例えば図11に示すように、操作面120Aに2行2列の4つの分割領域D11〜D14が設定されている場合、第2隣接領域D3は、図12に示すように、4つの分割領域D11〜D14を含む幅Wの十字形状をした領域D3になる。なお、図12は、第2隣接領域D3を説明する図である。
領域判定部166は、検出部161による検出結果に基づいて、例えばユーザUの接触位置Cが第2隣接領域D3を除く移動領域D41〜D44に位置する場合、接触位置Cが移動領域D41〜D44を移動するとして、接触位置Cが操作面120Aの分割領域D11〜D14内を移動すると判定する。
また、例えばユーザUの接触位置Cが第2隣接領域D3内に位置する場合、領域判定部166は、接触位置Cが第2隣接領域D3を移動するとし、接触位置Cが分割領域D11〜D14間を移動すると判定する。領域判定部166は、判定結果を振動制御部165および第2表示制御部167に出力する。また、領域判定部166は、領域設定部168が設定した分割領域D11〜D14に関する情報を第2表示制御部167に出力する。
振動制御部165は、領域判定部166の判定結果に基づいて、接触位置Cが第1または第2の領域を移動する場合に第1の振動状態になり、接触位置Cが第1、第2の領域間を移動する場合に第2の振動状態になるように振動素子130を制御する。
例えば、図11、図12に示す例では、接触位置Cが移動領域D41〜D44に位置する場合、振動制御部165は、ユーザと操作面120Aとの間の摩擦力が低下する第1の振動状態になるように振動素子130を制御する。また、例えば接触位置Cが第2隣接領域D3に位置する場合、振動制御部165は、ユーザと操作面120Aとの間の摩擦力が増加する第2の振動状態になるように振動素子130を制御する。
これにより、接触位置Cが分割領域D11〜D14間を移動するときに、例えば分割領域D11〜D14の境界で段差を乗り越えたような触覚を指Uに与えることができ、ユーザに分割領域D11〜D14の境界を認識させることができる。このため、操作面120Aを複数の分割領域D11〜D14に分割した場合に、かかる分割領域D11〜D14をユーザが触角により認識することができるようになる。
なお、図12に示す例では、操作面120Aと押下面150との境界に設ける隣接領域D1が、段差200と同じ領域になるようにしている。これにより、ユーザの指Uが段差200を越えるときに、ユーザと段差200との間の摩擦力を増加させることができ、例えば段差200の高さが低い場合であっても、ユーザが段差200を認識しやすくなる。そのため、例えば操作面120Aと押下面150との間に段差200を設ける場合であっても、かかる段差200の高さを低く設定することができ、入力装置10のデザイン性の自由度を向上させることができる。このように、同一平面上に操作面120Aと押下面150とを配置することでデザイン性の自由度を向上させると共に、同一平面上の操作面120Aと押下面150との間の移動を振動と段差とによって伝えることで、操作面120Aと押下面150との行き来を、例えば手元を見ないブラインド操作で行うことができ、入力装置10に対する操作性を向上させることができる。
第2表示制御部167は、領域判定部166の判定結果や分割領域D11〜D14に関する情報に応じた画像を第2表示部190に表示させる。例えば、分割領域D11〜D14の境界線Lを第2表示部190に表示させる。あるいは、ユーザの接触位置Cが位置する分割領域(例えば分割領域D11)の背景色を他の分割領域(例えば分割領域D12〜D14)と異なる色にすることで、ユーザに指Uの操作面120Aにおける位置を通知するようにしてもよい。
また、第2表示制御部167は、表示部20に表示される画像に対応する画像を第2表示部190に表示するようにしてもよい。例えば図11に示すように、表示部20に「電話」という文字を含む画像G13が表示されている場合、対応する分割領域D13に例えば電話のアイコンを表示する。
このように、第2表示部190に、表示部20に表示する画像に対応する簡易画像を表示することで、ユーザが入力装置11を視認しながら入力操作を行うことができ、ユーザの操作の利便性を向上させることができる。
なお、上述した入力装置11では、例えば図10に示すように振動素子130を操作部110の略中央部に1つ配置しているが、振動素子130の数および配置はこれに限られない。例えば領域設定部168が設定する分割領域D11〜D14に対応するよう振動素子130を設けてもよい。図13では、例えば各分割領域D11〜D14の略中央部に振動素子130a〜130dを設けている。分割領域D11〜D14に対応するよう振動素子130を設けることで、分割領域D11〜D14ごとに操作面120Aを振動させることができる。
また、上述した入力装置10、11が図2に示すパームレストPを有しており、ユーザがパームレストPを手のひらで押し込むことによって図示しないパームレストPのスイッチを操作する場合、パームレストPを押し込む操作を行っているか否かに応じて、振動素子130の振動状態を変更するようにしてもよい。
例えば、SW検出部163がパームレストPの押下操作を検出している場合、振動制御部165は、振動素子130を第1の振動状態になるように制御し、SW検出部163がパームレストPの押下操作を検出していない場合、振動制御部165は、振動素子130を第2の振動状態になるように制御する。これにより、例えばパームレストPを押した状態で指が滑りやすくなり、ユーザは、パームレストPの押下操作と操作部110の接触操作とを同時に行いやすくなる。
また、上述した入力装置10、11の操作面120Aの任意の位置をユーザが触れたときに、振動素子130の振動状態を変更させるようにしてもよい。例えば振動制御部165は、検出部161の検出結果に基づき、操作面120Aの中央部を触れたときに、中央部以外の領域を触れているときの振動状態とは異なる振動状態となるように振動素子130を制御する。
これにより、例えばユーザが入力装置10、11を視認せずに操作面120Aに対して接触操作を行っている場合であっても、ユーザに操作面120Aの所定の位置を提示できるようになる。
また、上述した入力装置10、11が例えば指紋認証や静脈認証などの生体認証を用いてユーザ認証を行うようにしてもよい。例えばユーザごとに第1の振動状態や第2の振動状態など入力装置10、11の設定を変更できるようにしてもよく、振動制御部165がユーザの認証結果に応じて振動素子130を振動させるようにしてもよい。
また、上述した入力装置10、11のスイッチ140が例えば図示しないスピーカの音量調整や空調機の温度調整を行う入力操作を受け付ける場合、かかる音量や温度に応じてユーザに与える触覚を変更するようにしてもよい。
例えばユーザがスピーカの音量調整や空調機の温度調整を行う場合、振動制御部165は、所定の周期で振動素子130の動作周波数を切り替える、すなわち操作面120Aとユーザとの接触面の摩擦力の大小を切り替えるものとする。これにより、例えばユーザに凸凹とした触覚を与えることができる。これにより、ユーザにスピーカの音量や空調機の設定温度に応じた触覚を与えることができる。
このとき、例えばスピーカの音量が大きくなる、あるいは空調機の設定温度が高くなるにしたがって、動作周波数を切り替える所定周期を長くする。また、スピーカの音量が小さくなる、あるいは空調機の設定温度が低くなるにしたがって、動作周波数を切り替える所定周期を短くする。
また、例えばユーザがスピーカの音量を大きくする、あるいは空調機の設定温度を高くする場合、ユーザに押下面150が膨らんでいるような凸の触覚を与えるようにし、スピーカの音量を小さくする、あるいは空調機の設定温度を低くする場合、ユーザに押下面150がへこんでいるような凹の触覚を与えるようにしてもよい。これにより、ユーザは、どのような操作を行っているか触覚によって認識できるようになる。
また、例えば検出部161の検出結果に応じて、ユーザが操作面120Aの一定箇所を所定期間以上触れていると制御部160が判定すると、かかる判定結果に応じて表示制御部30および第2表示制御部167が所定の操作メニューボタンを表示部20および第2表示部190に表示するようにしてもよい。
かかる操作メニューボタンは、例えば円形のボタンであり、円周に沿って入力を受け付ける操作を示す画像が配置されているものとする。ユーザは、例えば操作メニューボタンの外周に沿って接触位置Cを移動させることで操作を選択する。
このとき、円形のボタンがユーザによる接触動作に応じて回転するのにあわせて、ユーザに凹凸の触覚を与えることで実際にダイアルを回しているような触覚を与えることができる。例えば、振動制御部165が所定の周期で振動素子130の動作周波数を切り替える、すなわち操作面120Aとユーザとの接触面の摩擦力の大小を切り替える。これにより、例えばユーザに凸凹とした触覚を与えることができる。
また、例えばファイルの完全削除など、操作を実行してしまうと、かかる操作の取り消しが行えない入力操作を受け付ける場合、入力装置10、11が、かかる入力操作を受け付けると取り消して元の状態に戻せない旨の警告を触覚で与えるようにしてもよい。例えば取り消しが行えない操作を受け付けるボタンにユーザの接触位置Cが近づくにつれて、操作面120A上の摩擦力を大きくする。
これにより、ボタンにユーザの接触位置Cが近づくにつれて、ユーザの指Uに与える抵抗感を増加させることができ、ユーザに警告を触覚で与えることができる。
また、ユーザが入力装置10、11に対して入力操作を行っている場合において、例えば車両に障害物が接近している場合、あるいはユーザが表示部20や入力装置10、11を注視している場合などユーザに危険を通知する必要が発生する場合がある。このとき、入力装置10、11が、特定の触覚をユーザに与えることで危険を通知するようにしてもよい。
例えば入力装置10、11は、ユーザに危険を通知する必要が発生すると、ユーザに与えていた触覚を大きく変化させることで、危険を通知する。例えば、大きな摩擦力をユーザに与えるように振動制御部165が振動素子130を制御している場合は、摩擦力がゼロに近づくように振動素子130を制御するようにする。これにより、指Uが急に滑るような触覚をユーザに与えることができる。
また、例えば、小さな摩擦力をユーザに与えるように振動制御部165が振動素子130を制御している場合は、摩擦力が最大になるように振動素子130を制御するようにする。これにより、滑らかに移動していた指Uを急に停止させるような触覚を与えることができる。
このように、入力装置10、11は、ユーザに与える触覚を急激に変化させることで危険を通知することができる。なお、例えば車両に障害物が接近しているか否かは、車両に搭載された図示しない接近センサの検出結果を用いて判定するものとする。また、ユーザが表示部20や入力装置10、11を注視しているか否かは、図示しない撮像装置による撮像画像に基づいてユーザの視線検出を行うことで判定するものとする。
なお、上述した実施形態および変形例では、表示装置1の表示部20および操作部110の形状を平板状としたが、これに限られない。例えば表示装置1の表示部20、操作部110およびスイッチ140の形状を、曲面を有する形状としてもよい。このとき、例えば操作部110およびスイッチ140の形状にあわせてユーザに与える触覚を変更してもよい。すなわち、振動制御部165が操作部110およびスイッチ140の形状およびユーザの接触位置Cに応じて、振動素子130の振動状態を変更するようにしてもよい。
例えば、接触位置Cがユーザから遠ざかる方向、すなわち曲面の極大値から極小値に向かって移動する場合、振動制御部165は、振動状態が第1の振動状態になるように振動素子130を制御する。これにより、操作面120A上の摩擦力が小さくなり、ユーザの指Uを滑りやすくすることができる。
あるいは、例えば接触位置Cがユーザに近づく方向、すなわち曲面の極小値から極大値に向かって移動する場合、振動制御部165は、振動状態が第2の振動状態になるように振動素子130を制御する。これにより、操作面120A上の摩擦力が大きくなり、ユーザの指Uが滑りにくくなる。なお、上述した振動状態は一例であり、例えば接触位置Cがユーザから遠ざかる場合に操作面120A上の摩擦力を大きくし、近づく場合に摩擦力を小さくしてもよい。
また、例えば表示部20にスイッチ140の押下操作を受け付ける画像が表示されている場合、ユーザの操作面120Aにおける接触位置Cからスイッチ140まで指Uが滑りやすくなるように、振動素子130の振動状態を変更するようにしてもよい。
例えば、入力装置10、11の制御部160、260が、接触位置Cからスイッチ140までの誘導軌跡を設定する。振動制御部165は、接触位置Cがスイッチ140までの誘導軌跡に沿って移動する場合に、ユーザと操作面120Aとの間の摩擦力が小さくなる、すなわち振動素子130が第1の振動状態になるように制御する。
また、振動制御部165は、接触位置Cがスイッチ140までの誘導軌跡から逸脱するように移動する場合に、ユーザと操作面120Aとの間の摩擦力が大きくなる、すなわち振動素子130が第2の振動状態になるように制御する。
以上のように、本実施形態および変形例に係る入力装置10、11は、検出部161と、スイッチ検出部163と、少なくとも一つの振動素子130と、振動制御部165と、を備える。検出部161は、操作面120Aに対するユーザの接触位置Cを検出する。スイッチ検出部163は、操作面120Aと同一平面上に当該操作面120Aと隣接するように配置される押下面150に対するユーザの押下操作を検出する。振動素子130は、操作面120Aを振動させる。振動制御部165は、検出部161の検出結果に基づいて、接触位置Cが操作面120A上を移動する場合に第1の振動状態になり、接触位置Cが操作面120Aと押下面150との間を移動する場合に第1の振動状態とは異なる第2の振動状態になるように、振動素子130を制御する。
これにより、操作面120Aと同一平面上に押下面150を配置しつつ、操作面120Aと押下面150との境界をユーザが認識できるようになる。したがって、入力装置10、11のデザイン性の自由度を向上させることができる。また、ユーザがスイッチ140の押下面150を認識しやすくなり、ユーザによる入力操作の利便性を向上させることができる。このように、同一平面上に操作面120Aと押下面150とを配置することでデザイン性の自由度を向上させると共に、同一平面上の操作面120Aと押下面150との間の移動を振動と段差によって伝えることで、操作面120Aと押下面150との行き来を、例えば手元を見ないブラインド操作で行うことができ、入力装置10に対する操作性を向上させることができる。
また、本実施形態および変形例に係る入力装置10、11は、検出部161の検出結果に基づいて、接触位置Cが操作面120Aの外周領域であって押下面150に隣接する隣接領域D1を移動する場合に、接触位置Cが操作面120Aと押下面150との間を移動すると判定する移動判定部162をさらに備える。また、振動制御部165は、移動判定部162の判定結果に基づいて振動素子130を制御する。
これにより、操作面120Aと押下面150との境界である隣接領域D1をユーザが認識できるようになる。したがって、かかる境界をユーザが認識しやすくなり、ユーザによる入力操作の利便性を向上させることができる。
また、本実施形態および変形例の入力装置10、11の振動素子130は、押下面150を振動させる。また、振動制御部165は、スイッチ検出部163の検出結果に応じて振動素子130の振動状態を変更する。
これにより、ユーザがスイッチ140の押下面150を認識しやすくなり、ユーザによる入力操作の利便性を向上させることができる。
また、本実施形態の変形例に係る入力装置11は、操作面120Aと押下面150との間に形成される段差200をさらに備える。
これにより、段差200が低くてもユーザが操作面120Aと押下面150との境界を認識しやすくなる。このため、段差200を低く形成できデザイン性の自由度を向上させることができるとともに、ユーザによる入力操作の利便性を向上させることができる。
また、本実施形態の変形例に係る入力装置11は、検出部161の検出結果に基づいて、接触位置Cが操作面120Aの第1の領域を移動するか、操作面120Aの第1の領域に隣接する第2の領域を移動するか、または第1、第2の領域間を移動するかを判定する領域判定部166を備える。また、振動制御部165は、領域判定部166の判定結果に基づいて、接触位置Cが第1または第2の領域を移動する場合に第1の振動状態になり、接触位置Cが第1、第2の領域間を移動する場合に第2の振動状態になるように振動素子130を制御する。
これにより、入力装置11の操作面120Aを第1および第2の領域に対応する複数の分割領域に分割することができ、かかる分割領域ごとに入力操作を受け付けることができるためユーザによる入力操作の利便性を向上させることができる。また、複数の分割領域の境界を摩擦力の変化を用いてユーザに認識させることで、操作面120Aに物理的な境界を設ける必要がなく、デザイン性の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態の変形例に係る入力装置11は、操作面120Aを介してユーザに表示対象を表示する第2表示部190と、領域判定部166の判定結果に基づいて、第1および第2の領域に対応する表示対象を第2表示部190に表示させる第2表示制御部167と、を備える。
これにより、第1および第2の領域に対応する分割領域を視覚情報によってもユーザに提示できるようになるため、ユーザによる入力操作の利便性を向上させることができる。
また、本実施形態および本変形例に係る表示装置1、2は、ユーザからの入力操作を受け付ける入力装置10、11と、操作面120Aとは異なる場所に配置され、接触位置Cに応じて、入力装置10、11に対応する画像を表示する表示部20と、を備える。
これにより、例えば表示部20をユーザが視認しやすい位置に、入力装置10、11をユーザが操作しやすい位置に配置することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、本実施形態および本変形例に係る表示装置1、2は、検出部161の検出結果に基づいて、接触位置Cが操作面120Aから押下面150へと移動する場合に、スイッチ検出部163に対応する画像を表示部20に表示させる表示制御部30を備える。
これにより、ユーザが表示部20を視認しながら入力操作を行いやすくなり、ユーザの利便性を向上させることができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。