JP6339837B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、スモールオーバラップ衝突とフルラップ衝突或いはオフセット衝突との双方における衝撃荷重の吸収性能を保証することのできる車体前部構造に関する。
近年、自動車を代表とする車両の衝突安全性の向上に関する技術開発が進められている。例えば、オフセット衝突では、従来のオフセット衝突よりもラップ量の少ないスモールオーバラップ衝突(微小ラップ衝突)に対する衝突安全性への関心も高い。
スモールオーバラップ衝突は、左右一対のフロントサイドフレームよりも車幅方向外側におけるオフセット衝突であり、この対策としては、フロントサイドフレームの車幅方向外側にガセットを固設し、このガセットを介して衝撃荷重をフロントサイドフレームに伝達させ、このフロントサイドフレームを曲げ変形させるなどして衝撃を吸収するようにした技術が多く採用されている。
例えば、特許文献1(特開2013−203320号公報)には、フロントサイドフレーム前部の車幅方向外側にガセットを設けると共に、このガセットの後方のフロントサイドフレームの車幅方向外側にビードにより脆弱部を形成し、更に、ガセットの先端とバンパビームとの間に間隙を形成した技術が開示されている。
この文献に開示されている技術によれば、スモールオーバラップ衝突時の衝撃荷重が、フロントサイドフレームの先端に直接連結され、或いはフロントサイドフレームの先端にクラッシュボックスを介して連結されているバンパビームに入力されると、フロントサイドフレームの先端、或いはクラッシュボックスが圧潰され、バンパビームの背面が後退してガセットに押し当てられる。すると、このガセットを介して衝撃荷重がフロントサイドフレームに伝達され、このフロントサイドフレームを、脆弱部を起点に車幅方向内側へ屈曲させてエンジン等のパワーユニットに衝突させることで衝撃を吸収するようにしている。
特開2013−203320号公報
ところで、上述した文献に開示されているように、ガセットの前端部を、ステーを介してフロントサイドフレームに固定すれば、スモールオーバラップ衝突時の衝撃荷重をガセットの前端面にて受け止め、この衝撃荷重をフロントサイドフレーム方向へ確実に伝達させることができる。
しかし、ガセットの前端部をフロントサイドフレームに対し、ステーを介して固定すると、フルラップ衝突(全突)やスモールラップ衝突よりもラップ量の大きいオフセット衝突の際に、その衝撃荷重を受けてフロントサイドフレームの前端部が後方へ変形すると、その変形によりステーを介してガセットが車幅方向内側へ呼び込まれてしまい、衝撃荷重の吸収特性を阻害する因子として機能してしまう可能性がある。このことは、ガセットの先端面をバンパビームに連結させた場合も同様に発生する。
本発明は、上記事情に鑑み、スモールオーバラップ衝突の際にはガセットを介して衝撃荷重をフロントサイドフレームへ良好に伝達することができ、又、フルラップ衝突或いはオフセット衝突の際にはガセットが衝撃吸収を阻害する因子として機能させることなく、良好な衝撃吸収性能を保証することのできる車体前部構造を提供することを目的とする。
本発明の第1は、車体の幅方向両側に設けられると共に該車体の前後方向へ延在するフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームの前部に設けられた軸圧潰部と、前記軸圧潰部の前端面に連結されて車幅方向へ延在するバンパビームと、後部に形成した固定部を前記フロントサイドフレームの車幅方向外側に固定し、該固定部から前方へ延在する本体部を車幅方向外側に拡開させて、該本体部の前端面を前記バンパビームの背面に対峙させるガセットとを有する車体前部構造において、前記本体部の前記前端面と前記バンパビームの背面との間に空隙部が設けられ、前記軸圧潰部と前記フロントサイドフレームとの一方に、フルラップ衝突或いはオフセット衝突の際の衝撃荷重を受けて車幅方向内側へ屈曲する変形容易部が設けられており、前記変形容易部が、前記軸圧潰部の車幅方向内側に設けられている。
本発明の第2は、車体の幅方向両側に設けられると共に該車体の前後方向へ延在するフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームの前部に設けられた軸圧潰部と、前記軸圧潰部の前端面に連結されて車幅方向へ延在するバンパビームと、後部に形成した固定部を前記フロントサイドフレームの車幅方向外側に固定し、該固定部から前方へ延在する本体部を車幅方向外側に拡開させて、該本体部の前端面を前記バンパビームの背面に対峙させるガセットとを有する車体前部構造において、前記本体部の前記前端面と前記バンパビームの背面との間に空隙部が設けられ、前記軸圧潰部と前記フロントサイドフレームとの一方に、フルラップ衝突或いはオフセット衝突の際の衝撃荷重を受けて車幅方向内側へ屈曲する変形容易部が設けられており、前記変形容易部が、前記軸圧潰部を車幅方向内側へ傾斜させた状態で前方へ延在させることで機能させている。
本発明の第3は、車体の幅方向両側に設けられると共に該車体の前後方向へ延在するフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームの前部に設けられた軸圧潰部と、前記軸圧潰部の前端面に連結されて車幅方向へ延在するバンパビームと、後部に形成した固定部を前記フロントサイドフレームの車幅方向外側に固定し、該固定部から前方へ延在する本体部を車幅方向外側に拡開させて、該本体部の前端面を前記バンパビームの背面に対峙させるガセットとを有する車体前部構造において、前記本体部の前記前端面と前記バンパビームの背面との間に空隙部が設けられ、前記軸圧潰部と前記フロントサイドフレームとの一方に、フルラップ衝突或いはオフセット衝突の際の衝撃荷重を受けて車幅方向内側へ屈曲する変形容易部が設けられており、前記変形容易部が、前記フロントサイドフレームの車幅方向外側であって前記ガセットの前記固定部後方に設けられている。
本発明によれば、ガセットの本体部の前端面とバンパビームの背面との間に空隙部を設け、又、フロントサイドフレームの前部に設けた軸圧潰部とフロントサイドフレームとの一方に、フルラップ衝突或いはオフセット衝突の際の衝撃荷重を受けて車幅方向内側へ屈曲する変形容易部を設けたので、スモールオーバラップ衝突の際にはガセットを介して衝撃荷重をフロントサイドフレームへ良好に伝達することができ、一方、フルラップ衝突或いはオフセット衝突の際にはバンパビームがクラッシュボックスを軸圧潰して後退する際に、軸圧潰部とフロントサイドフレームとの一方に設けた変形容易部が車幅方向内側へ屈曲変形して、ガセットの本体部を衝撃荷重の伝達経路から外れるようにしたので、ガセットが衝撃吸収を阻害する因子として機能せず、良好な衝撃吸収性能を保証することができる。
第1実施形態による車体前部のバンパ構造を示す要部拡大図 同、スモールオーバラップ衝突時の車体前部の挙動を示す概略平面図 同、フルラップ衝突直後の車体前部の挙動を示す概略平面図 同、フルラップ衝突時の車体前部の挙動を示す概略平面図 第2実施形態による車体前部のバンパ構造を示す要部拡大図 同、フルラップ衝突直後の車体前部の挙動を示す概略平面図 第3実施形態によるフルラップ衝突時の車体前部の挙動を示す概略平面図
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1〜図4に本発明の第1実施形態を示す。図1の符号1は車体前部に設けられているバンパユニットであり、このバンパユニット1は車幅方向左右に延在するバンパビーム2と、車幅方向左右に対向配設されて車体後方へ延在する一対のフロントサイドフレーム3と、バンパビーム2の背面とフロントサイドフレーム3との間に介装されている左右一対の軸圧潰部としてのクラッシュボックス4とを有している。
又、このバンパビーム2の後方であって、両フロントサイドフレーム3の間にエンジンルーム5が形成されており、このエンジンルーム5にエンジン6及び、このエンジン6の出力軸に連設するトランスミッション7等のパワーユニットが搭載されている(図2参照)。
尚、車種によっては、クラッシュボックス4を省略し、フロントサイドフレーム3の前端部をバンパビーム2の背面に固設すると共に、この前部をクラッシュボックスとして機能させるものもあるが、この場合は、フロントサイドフレーム3の前部が軸圧潰部となるため、本実施形態のクラッシュボックス4をフロントサイドフレーム3の前部4と読み換えて適用することができる。
バンパビーム2は、例えば矩形形の閉断面、或いは前部を開口するハット形断面を有する金属材で形成されており、車幅方向中央が前方へやや突出された状態で湾曲されている中央部2aと、この中央部2aの両側で車体前部のコーナー部に沿って後方へ所定角度で屈曲されたオフセット部2bとを有し、このオフセット部2bの中央部2a側の背面に、上述したクラッシュボックス4の先端が固設されている。
このクラッシュボックス4は筒状に形成され、衝突の際、バンパビーム2を介して入力される衝撃荷重によって軸方向へ蛇腹状に圧潰されて(以下、これを「軸圧潰」と称する)、衝撃エネルギの一部が吸収される。このクラッシュボックス4は、例えば、薄鋼板をプレス加工してハット形断面に形成された2つの半割部材の対向面を、スポット溶接等により最中状に接合することで形成されている。
又、このクラッシュボックス4の車幅方向内側の側面に変形容易部8が形成されている。本実施形態では、上下方向へ延在するビードを車体後方へ所定間隔毎に複数条(図においては3条)形成することで変形容易部8としている。
この変形容易部8はフルラップ衝突時にバンパビーム2を介してクラッシュボックス4に衝撃荷重が入力された際に、車幅方向外側と内側とに抗力差を生じさせて、クラッシュボックス4を車幅方向内側へやや傾斜させるためのものである。従って、この変形容易部8を、例えばクラッシュボックス4の車幅方向内側に切欠き部を形成し、この切欠き部を変形容易部8としても良い。或いはクラッシュボックス4を車幅方向左右に分割された最中構造とし、車幅方向内側の部材を外側の部材よりも薄板材で形成することで、車幅方向内側を変形容易部8としても良い。或いは、クラッシュボックス4の車幅方向外側に補強板を接合することで、相対的に車幅方向内側を変形容易部8とするようにしても良い。或いは、車幅方向外側に厚板を接合し、内側に薄板を接合することで、相対的に車幅方向内側を変形容易部8とするようにしても良い。又、同じ板厚の補強板であっても、内側の補強板の面積を外側の補強板の面積よりも小さくすることで、相対的に車幅方向内側を変形容易部8とするようにしても良い。
又、フロントサイドフレーム3の車幅方向外側にガセット9が配設されている。このガセット9はスモールオーバラップ衝突時の衝撃荷重をフロントサイドフレーム3の前部へ直接伝達させるものであり、矩形の筒状断面に形成された本体部(以下、「ガセット本体」と称する)9aと、このガセット本体9aの後端に連続して形成された固定部9bとを有している。この固定部9bのガセット本体9a側上下面に水平方向へ延在する二条のビード9cが形成されており、固定部9bはビード9cを起点に屈曲されるように設定されている。この固定部9bは、エンジン6(図2参照)の前後方向中央よりも車両前方側に位置するフロントサイドフレーム3の車幅方向外側の側面部にボルト等を介して固定されている。
又、ガセット本体9aは、その基部が固定部9bの前端から車幅方向外側に前開きに傾斜して前方へ延在され、その前端面9dがバンパビーム2のオフセット部2bの背面2cに臨まされている。このガセット本体9aの前端面9dとオフセット部2bの背面2cとの間に所定の空隙部10が設けられている。更に、ガセット本体9aの前端面9dの車幅方向内側、上方、及び下方の縁部にガイド部材12が対峙されており、このガイド部材12がオフセット部2bの背面2cに固設されている。この各ガイド部材12はスモールオーバラップ衝突の際の初期挙動において、ガセット本体9aの前端面9dをオフセット部2bの背面2c側へガイドするものである。
次に、このような構成による車体前部がスモールオーバラップ衝突、及びフルラップ衝突した際の挙動について説明する。
<スモールオーバラップ衝突>
先ず、スモールオーバラップ衝突時の車体前部の挙動について、図1、図2を参照して説明する。尚、同図の符号Boはオフセットバリアであり、相手車両や立ち木、電柱等を模している。
図1に示すように、車両のフロントサイドフレーム3よりも車幅方向外側(側端部)のバンパビーム2、すなわちオフセット部2bがオフセットバリアBoに近接し、このオフセット部2bがオフセットバリアBoに対して荷重Fで衝突(スモールオーバラップ衝突)すると、その反力である衝撃荷重がオフセット部2bを介してクラッシュボックス4に伝達され、このクラッシュボックス4からフロントサイドフレーム3に軸方向の圧縮荷重が伝達される。
一方、バンパビーム2のオフセット部2bは衝撃荷重を受けて後方へ変形し、その背面2cに固設されているガイド部材12にガイドされて、背面2cがガセット本体9aの前端面9dに衝突し、ガセット9に軸方向の圧縮荷重を伝達する。そして、このガセット本体9aに伝達された衝撃荷重が、固定部9bを経由してフロントサイドフレーム3の車幅方向外側の側面に対し、斜め前方から車幅方向内側へ押し込む方向に印加される。すると、ガセット9の固定部9bがビード9cを起点に屈曲され、ガセット本体9aの後端部がフロントサイドフレーム3を車幅方向内側へ屈曲変形させる。そして、この屈曲変形量が所定以上になると、フロントサイドフレーム3の屈曲部位がエンジン6に衝突する。
その後、車体に対するオフセットバリアBoの相対後退量(オフセットバリアBoに対する車体の相対前進量)がさらに大きくなると、フロントサイドフレーム3は、エンジン6を車幅方向における反対側(オフセットバリアBoと衝突していない側)に押圧して変位させる。このとき、フロントサイドフレーム3の前端部における未圧潰領域は、軸方向衝撃力にてエンジン6を反対側へ更に押出す押圧部材として機能する。
このように、車両のなかでも重量物であるエンジン6が車幅方向反対側へ押圧されることで、車両はオフセットバリアBoを回避する方向へ向きを変え、それによって、キャビンをスモールオーバラップ衝突から保護することができる。又、フロントサイドフレーム3は、上述した屈曲変形によって、それ自体がエネルギを吸収するエネルギ吸収体として機能させることができる。
<フルラップ衝突>
次に、フルラップ衝突時の車体前部の挙動について、図3、図4を参照して説明する。尚、同図の符号Bfはフルラップバリアであり、対向車、壁等を模している。
車両がフルラップバリアBfに近接し、このフルラップバリアBfに対してバンパビーム2の中央部2aが荷重Fでフルラップ衝突(全突)すると、中央部2aの前面に、その反力である衝撃荷重が印加される。中央部2aは車幅方向中央が前方へやや突出されているため、その中央が最初に衝撃荷重を受けて後方へ凹湾曲変形し、この湾曲変形により中央部2aの両端が車幅方向中央に引かれる。その結果、中央部2aの両端に連続するオフセット部2bの中央部2a側の背面2cに前端面を固設するクラッシュボックス4の前端部が車幅方向内側に呼び込まれる。
そして、バンパビーム2が受けた衝撃荷重がクラッシュボックス4に伝達されると、図3に矢印Aで示すように、このクラッシュボックス4は変形容易部8を起点として、車幅方向内側へやや屈曲された状態で軸圧潰される。これにより、バンパビーム2の中央部2aは更に後方へ凹湾曲変形し、この変形により、その両端に連設するオフセット部2bの端部が、図1の状態から図3の矢印Bで示すように車体前方へ開くように屈曲変形される。
すると、このオフセット部2bの背面2cとガセット本体9aの前端面9dとの間の空隙部10が車幅方向内側から外側へ拡開する楔状となり、オフセット部2bの背面2cに対して、ガセット本体9aの前端面9dの車幅方向内側の縁部9eが最も近接された状態で対峙される。その後、バンパビーム2に印加された衝撃荷重にてクラッシュボックス4が軸圧潰されて、バンパビーム2が車体後方へ相対移動し、オフセット部2bの背面2cに対し、ガセット本体9aの前端面9dの内側縁部9eが近接された状態で対峙されているため、この内側縁部9eが最初に押圧される。
すると、このガセット本体9aの前端面9dに対して、車幅方向内側の斜め前方から衝撃荷重が印加されるため、その押圧力によりガセット本体9aは、図3の矢印Cで示すように、固定部9bを起点として車幅方向外側へ傾斜され、その後、このガセット本体9aの前端面9dは、外方向へ傾斜されて、フルラップ衝突の際の衝撃荷重が伝達される経路から外れる(図4参照)。そのため、フルラップ衝突において、このガセット9が衝撃吸収を阻害する因子とて機能することがなく、良好な衝撃吸収性能を保証することができる。
[第2実施形態]
図5、図6に本発明の第2実施形態を示す。上述した第1実施形態では、バンパユニット1に設けられているクラッシュボックス4に変形容易部8を形成することで、フルラップ衝突の際に、この変形容易部8を起点としてクラッシュボックス4をやや内側へ傾倒させながら軸圧潰させるようにしている。これに対し、本実施形態によるクラッシュボックス11は、当初から車体前後方向の軸に対して内側へ角度θだけ傾斜させた状態でバンパビーム2に連設させることで、フルラップ衝突の際に、車幅方向内側へ傾斜させた状態で軸圧潰させるようにしたものである。従って、本実施形態では、クラッシュボックス11全体が変形容易部として機能する。尚、第1実施形態と同一の構成部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
すなわち、図5に示すように、クラッシュボックス11は、車幅方向中央を前後方向に通る線に平行な直線LSに対して、フロントサイドフレーム3の先端から車幅方向内側へ角度θだけ傾斜した状態で車体前方へ延在されてオフセット部2bの背面2cに連設されている。尚、ガセット9は第1実施形態と同じ構造であるため説明を省略する。
<スモールオーバラップ衝突>
スモールオーバラップ衝突時は、上述した第1実施形態と同様、図5に矢印で示すように、バンパビーム2の端部に連続するオフセット部2bの背面2cがガセット本体9aの前端面9dを押圧して、このガセット本体9aに軸方向の圧縮荷重を伝達する。すると、このガセット本体9aの後端がフロントサイドフレーム3の車幅方向外側の側面を押圧し、図2と同様、フロントサイドフレーム3を車幅方向内側へ屈曲変形させて、衝撃荷重を吸収する。
<フルラップ衝突>
一方、フルラップ衝突時は、上述した第1実施形態と同様、フルラップバリアBfからの反力を受けて、バンパビーム2の中央部2aが凹湾曲変形し、この湾曲変形により中央部2aの両端が車幅方向中央に引かれる。この中央部2aの両端に連続するオフセット部2bに前端面を固設するクラッシュボックス11は、フロントサイドフレーム3の先端から幅方向内側へ角度θだけ傾斜して前方へ延在されているため、図6に矢印Aで示すように、前端部が中央部2aの挙動に追従して車幅方向内側へ呼び込まれる。そして、バンパビーム2が受けた衝撃荷重がクラッシュボックス11に伝達されると、クラッシュボックス11は、車幅方向内側へやや傾斜された状態のまま軸圧潰される。
これにより、バンパビーム2の中央部2aは更に後方へ凹湾曲変形され、この変形により、その両端に連設するオフセット部2bの端部が、図5の状態から図6の矢印Bで示すように車体前方へ開くように屈曲変形される。その結果、オフセット部2bの背面2cとガセット本体9aの前端面9dとの間の空隙部10が車幅方向内側から外側へ拡開する楔状となり、オフセット部2bの背面2cに対して、ガセット本体9aの前端面9dの車幅方向内側の縁部9eが最も近接された状態で対峙される。
そのため、上述した第1実施形態と同様、クラッシュボックス11が軸圧潰されて、バンパビーム2が車体後方へ相対移動すると、オフセット部2bの背面2cがガセット本体9aの前端面9dの内側縁部9eを軸圧潰方向へ押圧する。これにより、ガセット本体9aの前端面9dに対しては、車幅方向内側の斜め前方から衝撃荷重が印加される状態となり、ガセット本体9aは、図6の矢印Cで示すように、固定部9bを起点として車幅方向外側へ傾斜されて、フルラップ衝突の際の衝撃荷重が伝達される経路から外れる。
このように、本実施形態では、クラッシュボックス11を、車幅方向内側へ角度θだけ傾斜させてオフセット部2bの背面2cに固設するようにしたので、上述した第1実施形態のように、クラッシュボックス4に変形容易部8を形成する必要がなく、構造の簡素化を実現することができる。
[第3実施形態]
図7に本発明の第3実施形態を示す。上述した第1,2実施形態ではバンパユニット1に設けられているクラッシュボックス4に変形容易部8を形成し、或いはクラッシュボックス11を車幅方向内側へ所定角度θだけ傾斜させることで、フルラップ衝突時にオフセット部2bがガセット9に設けられているガセット本体9aの前端面9dを車幅方向外側へ屈曲変形させる構造としている。これに対し、本実施形態では、フロントサイドフレーム3に変形容易部3aを形成し、フルラップ衝突時、フロントサイドフレーム3を車幅方向内側へ屈曲変形させることで、ガセット本体9aを車幅方向外側へ屈曲変形し易くするようにしたものであり、クラッシュボックス4’は従来と同様の構成を有している。尚、第1実施形態と同一の構成部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
すなわち、クラッシュボックス4’は、フロントサイドフレーム3の前端面から車幅方向中央を前後方向に通る線と平行に前方へ延在されて、その前端面がバンパビーム2のオフセット部2bの背面2cに固設されている。又、変形容易部3aはフロントサイドフレーム3の車幅方向外側面であって、ガセット9の固定部9bが固定されている部位の直後方に形成されている。本実施形態では、上下方向へ延在するビードを車体後方へ所定間隔毎に複数条(図においては条)形成することで変形容易部3aとしている。
この変形容易部3aはフルラップ衝突時にガセット本体9aからの軸方向荷重を受けて、フロントサイドフレーム3を車幅方向内側へ屈曲させる際の起点となる部位であり、複数条のビードに変えて、切欠き部を形成して変形容易部3aとしても良い。或いは、フロントサイドフレーム3の車幅方向内側の変形容易部3aに対峙する部位に補強板を接合することで、相対的に車幅方向外側を変形容易部3aとするようにしても良い。
このような構成では、スモールオーバラップ衝突時は、上述した第1実施形態と同様、バンパビーム2の端部に設けたオフセット部2bの背面2cがガセット本体9aの前端面9dを軸方向に押圧し、このガセット本体9aを介してフロントサイドフレーム3の車幅方向外側の側面を押圧し、フロントサイドフレーム3を、変形容易部3aを起点に車幅方向内側へ屈曲変形させて衝撃を吸収する。
一方、フルラップ衝突時は、フルラップバリアBfからの反力を受けて、バンパビーム2の中央部2aが押圧され、この中央部2aが後方へ凹湾曲変形しようとして、両側のクラッシュボックス4’は車幅方向内側へ引かれる。しかし、このクラッシュボックス4’が車体前後方向に沿って延在しているため、車幅方向内側へ屈曲し難く、従って、その衝撃荷重はクラッシュボックス4’を正面から軸圧潰させる方向に伝達される。
その結果、バンパビーム2は、その端部に設けられているオフセット部2bが、第1実施形態や第2実施形態のように車体前方へ大きく開くような挙動を示すことなく後退される。従って、フルラップ衝突直後は、オフセット部2bの背面2cがガセット本体9aの前端面9dをほぼ平行な状態で押圧し、その衝撃荷重を軸方向に伝達してフロントサイドフレーム3の車幅方向外側面を押圧する。
すると、このフロントサイドフレーム3は変形容易部3aを起点として車幅方向内側へ屈曲され、この屈曲変形によりガセット本体9aが、図7に矢印Cで示すように、車幅方向外側へ移動し、同図に一点鎖線で示すように傾斜され、フルラップ衝突の際の衝撃荷重が伝達される経路から外れる。
このように、本実施形態では、フロントサイドフレーム3に変形容易部3aを形成したので、クラッシュボックス4’は従来のままの構造で良く、従って、構造の簡素化を図ることができる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限るものではなく、例えば、各実施形態で示したフルラップ衝突の際のバンパユニット1、及びガセット9の挙動は、前述したスモールオーバラップ衝突よりもオーバラップ量の大きいオフセット衝突にもそのまま適用することができる。
1…バンパユニット、
2…バンパビーム、
2a…中央部、
2b…オフセット部、
2c…背面、
3…フロントサイドフレーム、
3a,8…変形容易部、
4,4’11…クラッシュボックス、
9…ガセット、
9a…ガセット本体、
9b…固定部、
9c…ビード、
9d…前端面、
9e…内側縁部、
10…空隙部、
12…ガイド部材、
Bf…フルラップバリア、
Bo…オフセットバリア

Claims (4)

  1. 車体の幅方向両側に設けられると共に該車体の前後方向へ延在するフロントサイドフレームと、
    前記フロントサイドフレームの前部に設けられた軸圧潰部と、
    前記軸圧潰部の前端面に連結されて車幅方向へ延在するバンパビームと、
    後部に形成した固定部を前記フロントサイドフレームの車幅方向外側に固定し、該固定部から前方へ延在する本体部を車幅方向外側に拡開させて、該本体部の前端面を前記バンパビームの背面に対峙させるガセットと
    を有する車体前部構造において
    前記本体部の前記前端面と前記バンパビームの背面との間に空隙部が設けられ、
    前記軸圧潰部と前記フロントサイドフレームとの一方に、フルラップ衝突或いはオフセット衝突の際の衝撃荷重を受けて車幅方向内側へ屈曲する変形容易部が設けられており、
    前記変形容易部、前記軸圧潰部の車幅方向内側に設けられている
    ことを特徴とする車体前部構造。
  2. 車体の幅方向両側に設けられると共に該車体の前後方向へ延在するフロントサイドフレームと、
    前記フロントサイドフレームの前部に設けられた軸圧潰部と、
    前記軸圧潰部の前端面に連結されて車幅方向へ延在するバンパビームと、
    後部に形成した固定部を前記フロントサイドフレームの車幅方向外側に固定し、該固定部から前方へ延在する本体部を車幅方向外側に拡開させて、該本体部の前端面を前記バンパビームの背面に対峙させるガセットと
    を有する車体前部構造において
    前記本体部の前記前端面と前記バンパビームの背面との間に空隙部が設けられ、
    前記軸圧潰部と前記フロントサイドフレームとの一方に、フルラップ衝突或いはオフセット衝突の際の衝撃荷重を受けて車幅方向内側へ屈曲する変形容易部が設けられており、
    前記変形容易部、前記軸圧潰部を車幅方向内側へ傾斜させた状態で前方へ延在させることで機能させている
    ことを特徴とする車体前部構造。
  3. 車体の幅方向両側に設けられると共に該車体の前後方向へ延在するフロントサイドフレームと、
    前記フロントサイドフレームの前部に設けられた軸圧潰部と、
    前記軸圧潰部の前端面に連結されて車幅方向へ延在するバンパビームと、
    後部に形成した固定部を前記フロントサイドフレームの車幅方向外側に固定し、該固定部から前方へ延在する本体部を車幅方向外側に拡開させて、該本体部の前端面を前記バンパビームの背面に対峙させるガセットと
    を有する車体前部構造において
    前記本体部の前記前端面と前記バンパビームの背面との間に空隙部が設けられ、
    前記軸圧潰部と前記フロントサイドフレームとの一方に、フルラップ衝突或いはオフセット衝突の際の衝撃荷重を受けて車幅方向内側へ屈曲する変形容易部が設けられており、
    前記変形容易部、前記フロントサイドフレームの車幅方向外側であって前記ガセットの前記固定部後方に設けられている
    ことを特徴とする車体前部構造。
  4. 前記本体部の前記前端面が前記バンパビームの両端に対して前記空隙部を介して平行に対峙されている
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車体前部構造。
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