JP6307272B2 - 豆乳類含有乳化液状調味料、豆乳類含有乳化液状調味料の後味改善方法 - Google Patents

豆乳類含有乳化液状調味料、豆乳類含有乳化液状調味料の後味改善方法 Download PDF

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Description

本発明は、食用油脂及び豆乳類を含有する乳化液状の調味料、及びそのような乳化液状の調味料の後味改善方法に関するものである。
近年、健康に対する関心は高まりつつあり、出来るだけ健康によい食品を摂取しようとする人々が確実に増えている。このような状況のもと、牛乳等の動物性脂肪や動物性蛋白質を含む食品に代わるものとして、植物性脂肪や植物性蛋白質を含む食品の価値が見直されてきている。植物性蛋白質のなかでも特に大豆蛋白質には、コレステロール値を低下させる効果が見出されており、それゆえ大豆蛋白質を主成分とする豆乳への関心が高まっている。また、加工技術の進歩から大豆臭が低減され、豆乳が飲みやすくなったため、飲用ばかりでなく牛乳の代替物として、種々の液状食品に豆乳類(豆乳、調製豆乳、豆乳飲料など)を利用することが種々試されている。
そして、上記のような豆乳類を含有する液状食品の具体例としては、例えば、ガム質、微結晶セルロース及び加工澱粉から選ばれる1種または2種以上、ならびに油脂を含有する豆乳スープなどが従来提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、これとは別の技術として、豆乳と野菜汁と乾燥おから粉末とを含有する液状食品(豆乳スープ、豆乳飲料、豆乳含有調味料など)が従来提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−167698号公報 特開2006−254803号公報
ところで、液状調味料に対して乳感やコクを付与したい場合、例えば牛乳等の動物性脂肪や動物性蛋白質を含有する液状調味料においては、単純に牛乳等の含有量を適宜増やせばよいと考えられる。しかしながら、豆乳類を含有する上記従来技術の液状調味料において、牛乳等の増量に頼らずに豆乳特有の好ましい風味及び食感(即ち、豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさ等)を十分に付与しようとすると、豆乳類の含有量をかなり多く設定する必要がある。その結果、豆乳特有の青臭さや、後味のくどさ(口に残る異味)が増してしまい、嗜好性が低下するという問題があった。つまり、従来の豆乳類含有液状調味料では、上記の問題を回避するべく豆乳類の含有量を抑える必要があったことから、豆乳特有の好ましい風味及び食感を十分に付与することができず、嗜好性の点で未だ改善の余地があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、豆乳類の含有量を抑えているにも関わらず、豆乳類特有の好ましい風味及び食感が付与されかつ豆乳類特有の後味が改善されており、良好な嗜好性を備えた豆乳類含有乳化状液体調味料を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、豆乳類含有乳化状液体調味料において豆乳類の含有量を抑えながら、豆乳類特有の好ましい風味及び食感を付与しつつ豆乳類特有の後味を確実に改善することができる方法を提供することにある。
そこで本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、本願発明者らは、乳化液状の調味料における豆乳類含有量、言い換えると大豆固形分量を少ない値に抑えた状況下において、特定の甘味料と特定の遊離アミノ酸とを組み合わせて用いることを思い付いた。また、その際に当該大豆固形分量を基準として上記両成分を所定分量ずつ含有させることで、豆乳類特有の好ましい風味及び食感を付与しつつ豆乳類特有の後味を確実に改善できるという知見を新規に得た。加えて、本願発明者らは上記乳化液状の調味料に対し、さらに焙煎大豆パウダーを含有させることの有効性や、すりごまやいりごまを含有させることの有効性についての知見も得た。そして、本願発明者らは上記の知見に基づいてさらに鋭意研究を進めることにより、下記の発明を完成させるに至ったのである。
上記の課題を解決するための手段[1]〜[6]を以下に列挙する。
[1]食用油脂及び豆乳類を含有する乳化液状の調味料であって、豆乳類を、調味料当たりの大豆固形分量の含有比率として0.09質量%以上0.90質量%以下含有し、高甘味度甘味料を大豆固形分1質量%に対して0.008質量%以上0.083質量%以下含有し、遊離アミノ酸としてアラニンを大豆固形分1質量%に対して0.6質量%以上1.7質量%以下含有することを特徴とする豆乳類含有乳化液状調味料。
[2]前記高甘味度甘味料がスクラロースであることを特徴とする手段1に記載の豆乳類含有乳化液状調味料。
[3]焙煎大豆パウダーを大豆固形分1質量%に対して0.6質量%以上2.5質量%以下含有することを特徴とする手段1または2に記載の豆乳類含有乳化液状調味料。
[4]すりごま及びいりごまのうちの少なくともいずれかを大豆固形分1質量%に対して5質量%以上含有することを特徴とする手段1乃至3のいずれか1項に記載の豆乳類含有乳化液状調味料。
[5]醸造酢を含有することを特徴とする手段1乃至4のいずれか1項に記載の豆乳類含有乳化液状調味料。
[6]食用油脂及び豆乳類を含有する乳化液状の調味料において、豆乳類を、調味料当たりの大豆固形分量の含有比率として0.09質量%以上0.90質量%以下含有させ、高甘味度甘味料を大豆固形分1質量%に対して0.008質量%以上0.083質量%以下含有させ、遊離アミノ酸としてアラニンを大豆固形分1質量%に対して0.6質量%以上1.7質量%以下含有させることにより、豆乳特有の好ましい風味及び食感を付与しつつ後味を改善することを特徴とする豆乳類含有乳化液状調味料の後味改善方法。
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によると、豆乳類の含有量を抑えているにも関わらず、豆乳類特有の好ましい風味及び食感(豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさ等)が付与され、かつ豆乳類特有のくどい後味が改善されており、良好な嗜好性を備えた豆乳類含有乳化状液体調味料を提供することができる。
請求項6に記載の発明によると、豆乳類含有乳化状液体調味料において豆乳類の含有量を抑えながら、豆乳類特有の好ましい風味及び食感(豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさ等)を付与しつつ豆乳類特有のくどい後味を確実に改善することができる方法を提供することができる。
以下、本発明の豆乳類含有乳化液状調味料、豆乳類含有乳化液状調味料の後味改善方法について詳細に説明する。
本発明の豆乳類含有乳化液状調味料は、少なくとも食用油脂、豆乳類を含有し、水相中においてそれらが均一に乳化・分散された性状の液状調味料のことを指している。
本発明における「食用油脂」としては特に限定されず、従来から乳化液状調味料にてよく用いられる種々の食用油脂を使用することができる。具体的にいうと、例えば、大豆油、菜種油、サフラワー油、コーン油、ひまわり油、米油、綿実油、パーム油、オリーブ油、ヤシ油、落花生油、ごま油などといった植物由来の食用油脂(食用植物油脂)や、豚脂(ラード)、牛脂、鶏脂、羊脂、鯨油などといった動物由来の食用油脂(食用動物油脂)を挙げることができる。これらの食用油脂は、未処理品としてそのまま用いてもよいほか、精製して用いたり、あるいは化学的処理や酵素処理を施して用いてもよい。また、上記の食用油脂は、単独で用いてもよいほか、2種以上組み合わせて用いても勿論よい。例えば、食用植物油脂を選択するような場合、乳化安定性や風味向上等の観点から、菜種油及びごま油のうちの少なくとも1種を用いることが好適であり、また、所定量の菜種油及びそれよりも少量のごま油を組み合わせて用いることも好適である。なお、本発明の液状調味料における食用油脂の含有量は特に限定されないが、例えば調味料当たり10質量%以上50質量%以下含有するように設定され、好ましくは15質量%以上45質量%以下含有するように設定される。
本発明における「豆乳類」とは、大豆や小豆などの豆類に水分を含ませた後にすり潰し、加熱、濾過して得られる乳状物のことを指し、豆乳類含有乳化液状調味料において、豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさ等を生じさせる主原料として位置付けられる。上記の豆乳類としては、より具体的にいうと、1)大豆を水に浸漬して膨潤させた後にすり潰し、水を加えて煮つめ、濾過しておからを除去したものや、2)大豆を蒸煮した後に磨砕、濾過しておからを除去したものや、3)大豆を原料とする市販の豆乳などが挙げられる(いわゆる無調整豆乳)。また、そのほかの豆乳類としては、先に列挙した無調整豆乳を飲みやすい味や香りに調製したもの(調製豆乳)や、無調整豆乳に果汁やその他の成分を添加したもの(豆乳飲料)などが挙げられる。本発明の豆乳類含有乳化液状調味料では無調整豆乳、調製豆乳、豆乳飲料のいずれを用いてもよいが、これらの中でも調製豆乳を用いることが風味・食感の向上等の観点から有利である。ちなみに、調製豆乳のなかでも、濃縮することにより大豆固形分量を10質量%以上まで高めた豆乳クリームを使用することが好適である。
本発明の豆乳類含有乳化液状調味料では、豆乳類の含有は必須であるもののその量を比較的少なめに抑えている。具体的には、豆乳類は、調味料当たりの大豆固形分量の含有比率として0.05質量%以上1.0質量%以下含有されている必要がある。その理由は、当該含有比率が0.05質量%未満であると、そもそも豆乳類の含有量が少なすぎて、他に好適な成分が配合されたとしても、十分な豆乳感やまろやかさを付与することが困難になるからである。一方、当該含有比率が1.0質量%超であると、逆に豆乳類の含有量が多くなりすぎて、他に好適な成分が配合されたとしても、後味がくどくなり青臭さを感じるようになるからである。なお、豆乳類は、調味料当たりの大豆固形分量の含有比率として0.09質量%以上0.90質量%以下含有されることが好ましい。
本発明の豆乳類含有乳化液状調味料は、上記の食用油脂及び豆乳類のほか、さらに所定量の高甘味度甘味料と、遊離アミノ酸として所定量のアラニンとを必須成分として含有している。
本発明において「高甘味度甘味料」とは、甘味度の高い甘味料のことを指し、具体的にはショ糖の甘さと比較して大幅に(例えば50倍以上)甘い甘味料のことを指すものとする。このような高甘味度甘味料の具体例としては、スクラロース(甘味度:600倍)、ステビア(甘味度:300倍)、アセスルファームK(甘味度:200倍)、サッカリン及びサッカリンナトリウム(甘味度:300倍)、アスパルテーム(甘味度:200倍)、ソーマチン(甘味度:2500倍)、カンゾウ抽出物(甘味度:250倍)、ネオテーム(甘味度:9000倍)等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。なお、甘味度とは、ショ糖1gを1とした場合の甘味料1g当りの甘味強度をいうと定義する。上記の高甘味度甘味料は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を併用してもよい。
本発明の豆乳類含有乳化液状調味料において、高甘味度甘味料は、大豆固形分1質量%に対して0.008質量%以上0.1質量%以下含有されている必要があり、好ましくは0.01質量%以上0.07質量%以下含有されていることがよい。高甘味度甘味料の含有量が上記範囲内であると、他の条件(即ち、所定量の食用油脂、豆乳類及びアラニン)が揃った場合に、豆乳類特有の好ましい風味及び食感(豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさ等)の付与、豆乳類特有のくどい後味の改善が達成されやすくなるからである。ここで、大豆固形分量を基準としたときの高甘味度甘味料の含有量が少なすぎると、豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさが十分に付与されにくくなる。また、大豆固形分量を基準としたときの高甘味度甘味料の含有量が多すぎると、この種の甘味料特有の不快な甘味が残るようになり、後味が悪くなってしまう。なお、本発明における高甘味度甘味料としてはスクラロースが特に好ましく、これを選択した場合に、豆乳類特有の好ましい風味及び食感(豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさ等)の付与、豆乳類特有のくどい後味の改善を確実に達成することができる。
アミノ酸の一種である「アラニン(α−アミノプロピオン酸)」は、示性式でCHCH(NH)COOHと表される化合物であって、疎水性アミノ酸あるいは非極性側鎖アミノ酸に分類される。アラニンはその分子内に不斉炭素を有するため、立体的に鏡像関係にあるL体とD体とが存在する。L体とD体とが等量ずつ含まれるアラニンのラセミ体は、DL−アラニンと称される。本発明の豆乳類含有乳化液状調味料においては、L−アラニン、D−アラニン、またはこれらの混合物(例えば、DL−アラニン)のいずれを選択してもよいが、旨味性が良いという点でDL−アラニンを選択することが好適である。
本発明の豆乳類含有乳化液状調味料において「アラニン」は、少なくとも遊離アミノ酸の状態で存在している必要がある。具体的にいうと、当該液状調味料は、遊離アミノ酸としてアラニンを大豆固形分1質量%に対して0.5質量%以上2.0質量%以下含有している必要があり、好ましくは0.6質量%以上1.7質量%以下含有されていることがよい。遊離アミノ酸としてのアラニンの含有量が上記範囲内であると、他の条件(即ち、所定量の食用油脂、豆乳類及び高甘味度甘味料)が揃った場合に、豆乳類特有の好ましい風味及び食感(豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさ等)の付与、豆乳類特有のくどい後味の改善が達成されやすくなるからである。ここで、大豆固形分量を基準としたときの当該アラニンの含有量が少なすぎると、豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさが十分に付与されにくくなる。また、大豆固形分量を基準としたときの当該アラニンの含有量が多すぎると、アラニン特有の不快な旨味が残るようになり、後味が悪くなってしまう。
なお、液状調味料中には遊離アミノ酸としてアラニン以外のアミノ酸が含まれていても構わないが、その場合における遊離アミノ酸の総含有量は、大豆固形分1質量%に対して15質量%以下であることが好ましい。大豆固形分量を基準としたときの遊離アミノ酸総含有量が多すぎても少なすぎても、豆乳類特有の好ましい風味及び食感の付与、後味の改善が達成されにくくなるからである。そしてこの場合、遊離アミノ酸の総含有量に占めるアラニンの含有量は特に限定されず任意であるが、強いて言えば10%以上であることが好ましい。
本発明の豆乳類含有乳化液状調味料には、さらに酵素失活大豆粉が含有されていてもよい。ちなみに、酵素が未だ失活していない生の大豆粉は、液状調味料に含有させた場合に青臭みを強くしてしまうため、風味改善の観点から好ましくない。上記酵素失活大豆粉としては、大豆に含まれる種々の酵素が失活していれば任意のものが使用可能であるが、例えば加熱大豆粉が好ましく、特には焙煎大豆粉(焙煎大豆パウダー)がより好ましい。このような焙煎大豆パウダーとしては、全粒の大豆、脱皮した大豆、または脱脂加工大豆を焙煎して微粉砕して得た大豆パウダーがより好ましい。なお、焙煎大豆パウダーに代表される酵素失活大豆粉の平均粒子径は、コク付与効果の点から例えば5μm〜100μmであることが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。
本発明では、焙煎大豆パウダーは大豆固形分1質量%に対して0.6質量%以上2.7質量%以下、より好ましくは1.0質量%以上2.6質量%以下、特に好ましくは1.4質量%以上2.5質量%以下含有されていることがよい。その理由は、上記範囲内に設定することで、後味のくどさを殆ど変えることなく、豆乳感を十分に強めることができるからである。ここで、大豆固形分量を基準としたときの焙煎大豆パウダー含有量が0.6質量%未満であると、豆乳感を十分に強めることができないおそれがあるからである。大豆固形分量を基準としたときの焙煎大豆パウダー含有量が2.7質量%超であると、青臭みが残ってしまうおそれがあるからである。
本発明の豆乳類含有乳化液状調味料には、さらに、すりごま(即ち粉砕ごま)及びいりごま(即ち焙煎ごま)のうちの少なくともいずれかが含有されていてもよい。すりごま及びいりごまの原料となる「ごま」としては特に制限はなく、白ごま、黒ごま、金ごま、茶ごまあるいはこれらを任意の比率で併用したものを用いることができる。この場合、すりごま及びいりごまのうちの少なくともいずれかは、液状調味料に任意の分量で含有されるが、例えば大豆固形分1質量%に対して5質量%以上含有されることが好適である。その理由は、大豆固形分を基準としたときに当該ごま(すりごま、いりごま)が上記分量以上含有されていると、豆乳において特有である青臭み等の異味を確実に低減することができるからである。なお、当該ごまは大豆固形分1質量%に対して5質量%以上100質量%以下含有されることが好適であり、さらには10質量%以上50質量%以下含有されることがより好適である。
本発明の豆乳類含有乳化液状調味料は、上記諸成分(食用油脂、豆乳類、高甘味度甘味料、アラニン、焙煎大豆パウダー、ごま)のほか、さらに酢酸、塩分、糖類、増粘剤、乳化剤などを含有していてもよい。
本発明において任意の成分である「酢酸」は、主として食酢に由来する成分であって、具体的には例えば、穀物酢、米酢、米黒酢、りんご酢、醸造アルコールを原料に製造される醸造酢や、合成酢等が挙げられる。これらの食酢は、単独で用いてもよいほか、2種以上併用してもよい。ここで、液状調味料における食酢の含有量は目的とする製品の種類に応じて任意に設定可能であるが、例えば0.1質量%以上30質量%以下に設定され、好ましくは0.5質量%以上20質量%以下に設定される。その理由は、食酢の含有量を上記範囲内とすることが、豆乳類特有の好ましい風味及び食感の付与、後味の改善の達成において有利であると考えられるからである。ちなみに、本発明の豆乳類含有乳化液状調味料において、すりごま・いりごまと、米酢や穀物酢等といった比較的低酸度(例えば16%以下)の醸造酢とを併用した場合、その相乗効果により豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさをいっそう確実に付与することができるようになる。
本発明において任意の成分である「塩分」は、食塩のほか、醤油や味噌等に由来するものであり、その含有量は目的とする製品の種類に応じて適宜設定される。同様に任意の成分である「糖類」の好適例としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グラニュー糖、上白糖、三温糖、中白糖、白ザラ糖、中ザラ糖、水あめ等が挙げられる。糖類の含有量も目的とする製品の種類に応じて適宜設定される。同様に任意の成分である「増粘剤」の好適例としては、例えば、グアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、モナトウガム、トラガントガム等といった増粘多糖類や、加工澱粉などが挙げられる。増粘剤の含有量も目的とする製品の種類に応じて適宜設定されるが、液状調味料に適度の粘度を付与するために、例えば0.5質量%以上含有させるようにしてもよい。同様に任意の成分である「乳化剤」としては、特に限定される任意のものが使用可能であるが、例えば加工卵黄や加工澱粉などが好適例として挙げられる。
さらに本発明の豆乳類含有乳化液状調味料には、出汁抽出液、柑橘類、調味料類、香料などが配合されていてもよい。出汁抽出液としては、肉類、魚介類、野菜類、キノコ類、海藻類などに含まれる旨味成分を抽出した液体のことを指すものであって、好適例としては魚節から抽出した液体などがある。柑橘類としては、例えば、ゆず、すだち、レモン、ミカン、カボス等が挙げられる。調味料類としては、例えば、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、本発明の豆乳類含有乳化液状調味料は、常温(20℃)にてB型粘度計(ローターNo.3、回転数:30rpmの条件)で測定した粘度が、500mPa・S以上10000mPa・S以下であることがよく、さらには700mPa・S以上4000mPa・S以下であることがよい。その理由は、粘度をこのような範囲内とすることが、豆乳類特有の好ましい風味及び食感の付与、後味の改善の達成において有利であると考えられるからである。
本発明の豆乳類含有乳化液状調味料は、食酢等の酸性成分を添加した場合には酸性を呈するものとなる。このような豆乳類含有酸性乳化液状調味料のpHとしては、7未満であれば特に限定されないが、風味向上や保存性等の観点から、例えば3.5以上5.0以下の範囲に設定されることがよい。また、当該液状調味料のブリックス値(Bx)としては特に限定されないが、適正粘度の達成といった観点から、例えば10%以上50%以下に設定されることがよい。
以下、実施形態の豆乳類含有乳化液状調味料をより具体化して行ったいくつかの試験について説明する。
(1)試験1(高甘味度甘味料とアミノ酸との併用効果を検証する試験)
この試験では、表1の配合量に従い以下の手順で豆乳類含有乳化液状調味料(豆乳含有乳化たれ)を作製した。まず、撹拌タンクに、水、食用油脂(菜種油)、調製豆乳(固形分18質量%の豆乳クリーム)、加工卵黄、高酸度酢、糖類(砂糖と果糖ぶどう糖液糖)、食塩、旨味調味料(グルタミン酸ナトリウム)、増粘剤といった基本原料を投入するとともに、各種高甘味度甘味料及び/または各種アミノ酸を投入した。この後、これら原料を均一に混合して増粘し、さらに乳化処理を行うことで、豆乳類含有乳化液状調味料(1000g)を作製した。そして、この試験では、高甘味度甘味料とアミノ酸との併用効果を検証する目的で、下記の複数のサンプル(1A〜1Gの7種類)を得た。
具体的にいうと、液状調味料1000g中に、高甘味度甘味料として0.03gのスクラロースを配合し、かつアミノ酸として2.0gのDL−アラニンを配合したものを「試験例1A」のサンプルとした。高甘味度甘味料として0.03gのスクラロースを配合し、かつアラニンに代わるアミノ酸として2.0gのグリシンを配合したものを「試験例1B」のサンプルとした。スクラロースに代わる高甘味度甘味料として0.03gのステビアを配合し、かつアミノ酸として2.0gのDL−アラニンを配合したものを「試験例1C」のサンプルとした。スクラロースに代わる高甘味度甘味料として0.03gの甘草を配合し、かつアミノ酸として2.0gのDL−アラニンを配合したものを「試験例1D」のサンプルとした。高甘味度甘味料を特に配合せず、アミノ酸として2.0gのDL−アラニンを配合したものを「試験例1E」のサンプルとした。高甘味度甘味料として0.03gのスクラロースを配合し、アミノ酸としてDL−アラニン等を特に配合しないものを「試験例1F」のサンプルとした。高甘味度甘味料として0.03gのスクラロースを配合し、DL−アラニンに代わるアミノ酸として2.0gのコハク酸二ナトリウムを配合したものを「試験例1G」のサンプルとした。
そしてこれら7種類のサンプルについてそれぞれ従来公知の成分分析を行い、大豆固形分量、スクラロース濃度、アラニン濃度を調査した結果が表1に示されている。なお、ここでいう「アラニン含有量」とはサンプル液中において遊離アミノ酸として存在しているものの濃度を指している。そして、このようにして求めた上記の結果から、まず調味料当たりの大豆固形分量を算出したところ、全ての試験例において0.18質量%であり、かなり少ない量に抑えられていることがわかった。次に、スクラロース濃度(便宜上「B」とする。)を、先に算出した大豆固形分量の値(便宜上「A」とする。)で除することにより、「大豆固形分量1質量%に対するスクラロース含有量」(即ち「B/A」値)を算出した。また、遊離アミノ酸として存在するアラニン濃度(便宜上「C」とする。)を、先に算出した大豆固形分量の値で除することにより、「大豆固形分量1質量%に対する遊離アミノ酸としてのアラニン含有量」(即ち「C/A」値)を算出した。これらの結果についても表1に示す。これによると、B/A値は、試験例1A、1B、1F及び1Gにて0.017であり、試験例1C、1D及び1Eにて0.000であった。また、C/A値は、試験例1A、1C、1D及び1Eにて1.1であり、試験例1B、1F及び1Gにて0.000であった。また、参考までに、遊離アミノ酸であるアラニンの含有量とグリシンの含有量とを測定したところ、試験例1Aではアラニン含有量が0.207質量%、グリシン含有量が0.004質量%であり、試験例1Bではアラニン含有量が0.012質量%、グリシン含有量が0.199質量%であった。
次にこれら7種類のサンプルについて下記の官能検査による評価を行った。具体的には、製造直後の各サンプルに関して、「豆乳感・コク」、「まろやかさ」、「後味のくどさ」、「青臭さ」及び「酸味」の5項目につき、5名の官能検査官による官能検査を行って評価した。なお、各評価項目について、◎(非常に好ましい)、○(好ましい)、△(やや好ましくない)、×(好ましくない)の4段階の絶対評価を行い、これらの結果を基にして総合評価(1点〜5点)を行った。その結果を同じく表1に示す。
表1に示されるように、上記7種類のサンプルのなかでは、「豆乳感・コク」がやや弱いとはいうものの、スクラロースとアラニンとを併用した試験例1Aのサンプルが総合評価で4点となり、最も高い評価となった。ステビアとアラニンとを併用した試験例1Cのサンプル、甘草とアラニンとを併用した試験例1Dのサンプルについては、まろやかさ、後味のくどさ、酸味の点でやや劣るが、総合評価で3点となり試験例1Aに次いで高い評価となった。一方、スクラロースとグリシンとの併用(試験例1B)、アラニン単独使用(試験例1E)、スクラロース単独使用(試験例1F)、スクラロースとコハク酸二ナトリウムとの併用(試験例1E)は、いずれも総合評価で1点となり低い評価となった。つまり、上記の評価結果から、この種の乳化液状調味料において豆乳類特有の好ましい風味及び食感をある程度付与しつつ豆乳類特有のくどい後味を改善するためには、高甘味度甘味料と遊離アミノ酸としてのアラニンとの併用効果が有効であることが実証された。また、高甘味度甘味料のなかでもスクラロースを選択し、これとアラニンとを併用することが非常に効果的であることも実証された。
Figure 0006307272
(2)試験2(スクラロースの好適含有量を決める試験)
この試験では、基本的に上記試験1の手順に準拠して、表2の配合量に従い豆乳類含有乳化液状調味料(豆乳含有乳化たれ)を作製した。この試験では、アラニンとの併用時においてスクラロース含有量が様々な値をとるように、スクラロースの配合量のみを変更することで複数のサンプル(2A〜2Fの6種類)を得た。具体的にいうと、液状調味料1000g中におけるスクラロースの配合量を0.010gとしたものを「試験例2A」、0.015gとしたものを「試験例2B」、0.020gとしたものを「試験例2C」、0.12gとしたものを「試験例2D」、0.15gとしたものを「試験例2E」、0.20gとしたものを「試験例2F」のサンプルとした。
そしてこれら6種類のサンプルについて、上記試験1と同様の成分分析を行った結果を表2に示す。これによると、調味料当たりの大豆固形分量はいずれも0.18質量%であり、遊離アミノ酸としてのアラニン濃度はいずれも0.20質量%であった。スクラロース濃度は試験例2A〜2Fにつき、0.0010質量%〜0.0200質量%の範囲の値となった。なお、大豆固形分量1質量%に対する遊離アミノ酸としてのアラニン含有量を示す「C/A」値は、いずれも1.1であった。一方、大豆固形分量1質量%に対するスクラロース含有量を示す「B/A」値は、試験例2Aにて0.006、試験例2Bにて0.008、試験例2Cにて0.011、試験例2Dにて0.067、試験例2Eにて0.083、試験例2Fにて0.111となった。
次にこれら6種類のサンプルについて、上記試験1と同様の官能試験による評価を行った結果を表2に示す。これによると、試験例2C及び2Dのサンプルが総合評価で4点となり、最も高い評価となった。試験例2Bのサンプルは、まろやかさの点でやや劣るが総合評価で3点となり、これについても比較的高い評価となった。試験例2Eのサンプルは、後味の点でやや劣るが総合評価で3点となり、これについても比較的高い評価となった。一方、「B/A」値が高い試験例2Fのサンプルでは、スクラロースに由来する不快な甘味が残り、他のものよりも後味が劣っていたため、総合評価で2点となった。「B/A」値が低い試験例2Aのサンプルでは、豆乳感・コク、まろやかさ、酸味の点で他のものより劣っていたため、総合評価で1点という低い評価となった。つまり、上記の評価結果から、この種の乳化液状調味料において豆乳類特有の好ましい風味及び食感をある程度付与しつつ豆乳類特有のくどい後味を改善するためには、大豆固形分量1質量%に対するスクラロース含有量(「B/A」値)を、0.008〜0.083とすべきであり、特には0.011〜0.067とすべきであることが分かった。
Figure 0006307272
(3)試験3(アラニンの好適含有量を決める試験)
この試験では、基本的に上記試験1の手順に準拠して、表3の配合量に従い豆乳類含有乳化液状調味料(豆乳含有乳化たれ)を作製した。この試験では、スクラロースとの併用時においてアラニン含有量が様々な値をとるように、アラニンの配合量のみを変更することで複数のサンプル(3A〜3Fの6種類)を得た。具体的にいうと、液状調味料1000g中におけるアラニンの配合量を0.5gとしたものを「試験例3A」、1.0gとしたものを「試験例3B」、1.5gとしたものを「試験例3C」、2.5gとしたものを「試験例3D」、3.0gとしたものを「試験例3E」、5.0gとしたものを「試験例3F」のサンプルとした。
そしてこれら6種類のサンプルについて、上記試験1と同様の成分分析を行った結果を表3に示す。これによると、調味料当たりの大豆固形分量はいずれも0.18質量%であり、スクラロース濃度はいずれも0.0030質量%であった。アラニン濃度は試験例3A〜3Fにつき、0.05質量%〜0.50質量%の範囲の値となった。なお、大豆固形分量1質量%に対するスクラロース含有量を示す「B/A」値は、いずれも0.017であった。一方、遊離アミノ酸としてのアラニン含有量を示す「C/A」値は、試験例3Aにて0.3、試験例3Bにて0.6、試験例3Cにて0.8、試験例3Dにて1.4、試験例3Eにて1.7、試験例3Fにて2.8となった。
次にこれら6種類のサンプルについて、上記試験1と同様の官能試験による評価を行った結果を表3に示す。これによると、試験例3C及び3Dのサンプルが総合評価で4点となり、最も高い評価となった。試験例3Bのサンプルは、まろやかさ、酸味の点でやや劣るが総合評価で3点となり、これについても比較的高い評価となった。試験例3Eのサンプルは、後味の点でやや劣るが総合評価で3点となり、これについても比較的高い評価となった。一方、「C/A」値が高い試験例3Fのサンプルでは、アラニンに由来するやや不快な旨味が残り、他のものよりも後味が劣っていたため、総合評価で1点という低い評価となった。「C/A」値が低い試験例3Aのサンプルでは、豆乳感・コク、まろやかさ、酸味の点で他のものよりかなり劣っていたため、総合評価で1点という低い評価となった。つまり、上記の評価結果から、この種の乳化液状調味料において豆乳類特有の好ましい風味及び食感をある程度付与しつつ豆乳類特有のくどい後味を改善するためには、大豆固形分量1質量%に対する遊離アラニンの含有量(「C/A」値)を、0.6〜1.7とすべきであり、特には0.8〜1.4とすべきであることが分かった。
Figure 0006307272

(4)試験4(焙煎大豆パウダーの好適含有量を決める試験)
この試験では、基本的に上記試験1の手順に準拠して、表4の配合量に従い豆乳類含有乳化液状調味料(豆乳含有乳化たれ)を作製した。この試験では、ともに好適量のスクラロースとアラニンとの併用時において、焙煎大豆パウダーの配合量のみを変更することで複数のサンプル(4A〜4Eの5種類)を得た。具体的にいうと、液状調味料1000g中に、焙煎大豆パウダーを1.0g配合したものを「試験例4A」、2.5g配合したものを「試験例4B」、3.0g配合したものを「試験例4C」、4.5g配合したものを「試験例4D」、5.0g配合したものを「試験例4E」のサンプルとした。
そしてこれら5種類のサンプルについて、上記試験1と同様の成分分析を行った結果を表4に示す。これによると、調味料当たりの大豆固形分量はいずれも0.18質量%であり、スクラロース濃度はいずれも0.0030質量%であり、アラニン濃度はいずれも0.20質量%であった。上記した「B/A」値はいずれも0.017であり、上記した「C/A」値は1.1であった。また、焙煎大豆パウダー濃度(便宜上「D」とする)は試験例4A〜4Eにつき、0.10質量%〜0.50質量%の範囲の値となった。なお、大豆固形分量1質量%に対する焙煎大豆パウダー含有量を示す「D/A」値は、試験例4Aにて0.6、試験例4Bにて1.4、試験例4Cにて1.7、試験例4Dにて2.5、試験例4Eにて2.8となった。
次にこれら5種類のサンプルについて、上記試験1と同様の官能試験による評価を行った結果を表4に示す。これによると、試験例4B、4C及び4Dのサンプルが総合評価で5点となり、上述した試験例1Aの結果をさらに上回る高い評価となった。即ち、豆乳感・コク、まろやかさ、後味のくどさ、青臭さ、酸味の点の全てについて良好であった。試験例4Aのサンプルは、豆乳感・コクがやや弱いとはいうものの、他の点については良好なため総合評価で4点となり、これについても高い評価となった。試験例4Eのサンプルは、若干青臭さがあるものの、他の点については良好なため総合評価で4点となり、これについても高い評価となった。つまり、上記の評価結果から、この種の乳化液状調味料において豆乳類特有の好ましい風味及び食感を付与しつつ豆乳類特有のくどい後味を改善するためには、焙煎大豆パウダーの添加が効果的であることが実証された。また、その場合において、大豆固形分量1質量%に対する焙煎大豆パウダー含有量(「D/A」値)を、0.6〜2.8とすべきであり、特には1.4〜2.5とすべきであることが分かった。
Figure 0006307272
(5)試験5(調製豆乳の好適含有量を決める試験)
この試験では、基本的に上記試験1の手順に準拠して、表5の配合量に従い豆乳類含有乳化液状調味料(豆乳含有乳化たれ)を作製した。この試験では、ともに好適量のスクラロースとアラニンとの併用時において、調製豆乳の配合量のみを変更することで複数のサンプル(5A〜5Dの4種類)を得た。具体的にいうと、液状調味料1000g中における調製豆乳の配合量を1.0gとしたものを「試験例5A」、5.0gとしたものを「試験例5B」、50.0gとしたものを「試験例5C」、80.0gとしたものを「試験例5D」のサンプルとした。
そしてこれら4種類のサンプルについて、上記試験1と同様の成分分析を行った結果を表5に示す。これによると、調味料当たりの大豆固形分量は、試験例5A〜5Dにて、0.02質量%〜1.44質量%の範囲の値となった。スクラロース濃度はいずれも0.0030質量%であり、アラニン濃度はいずれも0.20質量%であった。なお、試験例5Aでは「B/A」値が0.167で「C/A」値が11.1であった。試験例5Bでは「B/A」値が0.033で「C/A」値が2.2であった。試験例5Cでは「B/A」値が0.003で「C/A」値が0.2であった。試験例5Dでは「B/A」値が0.002で「C/A」値が0.1であった。
次にこれら4種類のサンプルについて、上記試験1と同様の官能試験による評価を行った結果を表5に示す。これによると、豆乳感が若干弱いものの試験例5B及び5Cのサンプルが総合評価で4点となり、最も高い評価となった。これに対して、試験例5Aのサンプルはそもそも豆乳含有量が少なすぎることから、好適量のスクラロースとアラニンとの併用にかかわらず豆乳感及びまろやかさが弱く、総合評価で1点という低い評価となった。試験例5Dのサンプルはそもそも豆乳含有量が多すぎることから、好適量のスクラロースとアラニンとの併用にもかかわらず青臭さや酸味を感じ、後味に劣るものであった。そのため、総合評価で1点という低い評価となった。つまり、上記の評価結果から、この種の乳化液状調味料において豆乳類特有の好ましい風味及び食感を付与しつつ豆乳類特有のくどい後味を改善するためには、調製豆乳を調味料当たりの大豆固形分量として0.09質量%〜0.90質量%含有させるべきであることが分かった。
(6)試験6(ごまの添加効果を検証する試験)
この試験では、基本的に上記試験1の手順に準拠して、表5の配合量に従い豆乳類含有乳化液状調味料(豆乳含有乳化たれ)を作製した。具体的には、当該液状調味料1000gの作製時において、基本原料等を混合して乳化処理を行った後、すりごま(焙煎したごまの粉砕物)を30.0g添加することで、試験例6Aのサンプルを得た。なお、このサンプルについては、好適量のスクラロースと好適量のアラニンとを併用するばかりでなく、好適量の焙煎大豆パウダーも使用した。上記試験1と同様の成分分析を行った結果、調味料当たりの大豆固形分量は0.18質量%、スクラロース濃度は0.0030質量%、アラニン濃度は0.20質量%、焙煎大豆パウダー濃度は0.25質量%、「B/A」値は0.017、「C/A」値は1.1、「D/A」値は1.4であった(表5参照)。これについて上記試験1と同様の官能試験による評価を行った結果、豆乳感・コク、まろやかさ、後味のくどさ、青臭さ、酸味の点の全てについて良好であったため、総合評価で5点となった(表5参照)。つまり、上記の評価結果から、この種の乳化液状調味料において豆乳類特有の好ましい風味及び食感を十分に付与しつつ豆乳類特有のくどい後味を確実に改善するためには、好適量のスクラロースと好適量のアラニンとの併用に加え、ごま(すりごま、いりごま)の添加が有効であることが実証された。
(7)試験7(特定の食酢の添加効果を検証する試験)
この試験では、基本的に上記試験1の手順に準拠して、表5の配合量に従い豆乳類含有乳化液状調味料(豆乳含有乳化たれ)を作製した。ここでは、当該液状調味料1000g中に、好適量のスクラロースと好適量のアラニンとを配合する一方で、食酢を変更(即ち、40.0gの高酸度酢から130.0gの米酢に変更)することで実施例7Aのサンプルとした。上記試験1と同様の成分分析を行った結果、調味料当たりの大豆固形分量は0.18質量%、スクラロース濃度は0.0030質量%、アラニン濃度は0.20質量%、焙煎大豆パウダー濃度は0.30質量%、「B/A」値は0.017、「C/A」値は1.1、「D/A」値は1.7であった(表5参照)。これについて上記試験1と同様の官能試験による評価(10点満点)を行った結果、豆乳感・コク、まろやかさ、後味のくどさ、青臭さ、酸味の点の全てについて極めて良好であったため、総合評価で8点となった(表5参照)。つまり、上記の評価結果から、この種の乳化液状調味料において豆乳類特有の好ましい風味及び食感を十分に付与しつつ豆乳類特有のくどい後味を確実に改善するためには、好適量のスクラロースと好適量のアラニンとの併用に加え、好適量の焙煎大豆パウダーを併用し、かつ、米酢のような比較的低酸度の醸造酢も併用することが有効であることが実証された。
Figure 0006307272
(8)まとめ
上述したように、本実施形態によると、豆乳類の含有量を抑えているにも関わらず、豆乳類特有の好ましい風味及び食感(豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさ等)が付与され、かつ豆乳類特有のくどい後味が改善されており、良好な嗜好性を備えた豆乳類含有乳化状液体調味料を提供することができる。また、豆乳類含有乳化状液体調味料において豆乳類の含有量を抑えながら、豆乳類特有の好ましい風味及び食感(豆乳感、豆乳特有のコク・まろやかさ等)を付与しつつ豆乳類特有のくどい後味を確実に改善することができる方法を提供することができる。
なお、本発明の実施形態は発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて以下のように変更してもよい。例えば、上記実施形態では本発明の豆乳類含有乳化液状調味料を豆乳類含有乳化たれとして具体化したが、これを豆乳類含有乳化液状のドレッシング、ぽん酢、ソース、つゆ等として具体化することも可能である。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
・前記調味料は、豆乳類含有酸性乳化液状調味料であること。
・前記調味料は、pHが3.5以上5.0以下の豆乳類含有酸性乳化液状調味料であること。
・前記調味料は、ブリックス値が10%以上50%以下の豆乳類含有酸性乳化液状調味料であること。
・前記豆乳類は調製豆乳であること。
・前記豆乳類は豆乳クリームであること。
・前記豆乳類は大豆固形分量が10質量%以上の豆乳クリームであること。
・前記調味料はさらに食酢を含有すること。
・前記調味料はさらに酸度16%以下の食酢を含有すること。
・前記調味料はさらに穀物酢を含有すること。
・前記調味料はさらに米酢を含有すること。
・前記食用油脂を、調味料当たり10質量%以上50質量%以下含有すること。
・前記食用油脂は食用植物油脂であること。
・前記食用油脂は菜種油またはごま油であること。
・前記高甘味度甘味料は、ショ糖の50倍以上の甘味を有するものであること。
・前記遊離アミノ酸の総含有量に占めるアラニンの含有量は10%以上であること。
・前記遊離アミノ酸の総含有量が、大豆固形分1質量%に対して15質量%以下であること。
・前記アラニンはDL−アラニンであること。
・前記調味料は、0.5質量%以上の増粘剤を含有すること。
・前記調味料は、乳化剤として加工卵黄を含有すること。
・前記調味料は、増粘剤及び乳化剤として、加工澱粉を含有すること。
・前記調味料は、常温にてB型粘度計で測定した粘度が、500mPa・S以上10000mPa・S以下であること。
・前記調味料は、常温にてB型粘度計で測定した粘度が、700mPa・S以上4000mPa・S以下であること。
・前記調味料が、たれ、ドレッシングまたはソースであること。

Claims (6)

  1. 食用油脂及び豆乳類を含有する乳化液状の調味料であって、
    豆乳類を、調味料当たりの大豆固形分量の含有比率として0.09質量%以上0.90質量%以下含有し、
    高甘味度甘味料を大豆固形分1質量%に対して0.008質量%以上0.083質量%以下含有し、
    遊離アミノ酸としてアラニンを大豆固形分1質量%に対して0.6質量%以上1.7質量%以下含有する
    ことを特徴とする豆乳類含有乳化液状調味料。
  2. 前記高甘味度甘味料がスクラロースであることを特徴とする請求項1に記載の豆乳類含有乳化液状調味料。
  3. 焙煎大豆パウダーを大豆固形分1質量%に対して0.6質量%以上2.5質量%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載の豆乳類含有乳化液状調味料。
  4. すりごま及びいりごまのうちの少なくともいずれかを大豆固形分1質量%に対して5質量%以上含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の豆乳類含有乳化液状調味料。
  5. 醸造酢を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の豆乳類含有乳化液状調味料。
  6. 食用油脂及び豆乳類を含有する乳化液状の調味料において、豆乳類を、調味料当たりの大豆固形分量の含有比率として0.09質量%以上0.90質量%以下含有させ、高甘味度甘味料を大豆固形分1質量%に対して0.008質量%以上0.083質量%以下含有させ、遊離アミノ酸としてアラニンを大豆固形分1質量%に対して0.6質量%以上1.7質量%以下含有させることにより、豆乳特有の好ましい風味及び食感を付与しつつ後味を改善することを特徴とする豆乳類含有乳化液状調味料の後味改善方法。
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