JP2004267184A - 大豆原料のオカラ及び豆乳の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、豆腐加工に必要な呉の製造時に於いて清潔で、美味しく栄養価の高い口当たりの良いオカラを作ることを課題とし、併せて豆腐らしい真の豆腐の製造を可能として、アミノ酸やイソフラボン配糖体のメカニズムを解明し、産業廃棄物オカラではなく、優良食品原料として積極的に利用可能なオカラの製造を課題とする。
【解決手段】原料大豆洗浄後の浸漬水に、抗菌作用を有するアミノ酸を加え雑菌汚染のない短時間浸漬の大豆を磨砕と呼ばれる従来製法を使用せず、圧搾により呉を得る事で所望のオカラや豆乳が得られる。
【解決手段】原料大豆洗浄後の浸漬水に、抗菌作用を有するアミノ酸を加え雑菌汚染のない短時間浸漬の大豆を磨砕と呼ばれる従来製法を使用せず、圧搾により呉を得る事で所望のオカラや豆乳が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は大豆原料の呉の新規な製造に拘わる発明であって、本発明により得られる呉は、大豆を圧搾により分解処理する事で、此れから得られるオカラは、従来の食感の悪い栄養価の低い廃棄物オカラではなく、各種大豆エキスを豊富に含んだ新規な大豆加工食品の主要原料が可能となり、また、これから得られる豆乳の収量は、従来の製造方法に対し若干低いものであるが、極めて清潔で食味の良い新規な食感の豆乳や豆腐原料としの製造が可能となる。
【0002】
【従来の技術】
従来の大豆を原料とした豆乳や豆腐原料の呉を得ようとすれば、洗浄後の原料大豆を10時間前後の時間を経て吸水浸漬させ、このさい、原料大豆の浸漬水に殺菌剤やアルカリイオン水等を使用する事もあるが、多くは水道水あるいは清潔な地下水等を使用し、膨潤完了後の原料大豆から、磨砕と呼ばれる、所謂、注水をしながらの、臼引き加工により大豆を磨り潰し、豆乳及び豆腐原料を製造する方法や、大豆を粉砕して得られる粉末大豆に加水しこれを乳化する方法や、タンパク質分解酵素で乳化処理する方法があるが、これらはいずれも原料大豆からのタンパク抽出量の増量、収量アップを目的としたものである。
つまり、いかにして原料大豆から、より有効にかつ効率的に呉を得て、さらには、得られた呉から豆乳成分を限りなく回収し、或いは如何にしてオカラ排出を無くして抽出製造するかが製造技術上の重要なテーマであり、この点でより微細粉あるいはより細乳化あるいは高濃度乳化の製造技術を研究開発の方向としているのは明白である。
これらの技術を考えると、例えばオカラの出ない豆腐とは?豆腐の正体は?となってしまい、豆腐とは、煮大豆を限りなく水で薄めて成型した食品、となってしまう訳であって、これでは食味や栄養成分を無視した、餌、的な発想となってしまい、本来の食品としての豆腐と、異なった食品を食したことになる。
日本人が古来より食品として利用していたオカラが、近年の食文化の変化で嫌われ物となり、ひいては、オカラが産業廃棄物に指定され、これに要する処理料が経営を圧迫し、結果的に似て非なる食品を製造する事になる
つまり、従来の豆腐製造が、前記のようにオカラは豆腐製造業者にも食品残渣的意識が強く、オカラの内容物が本当のゴミになってしまい、結果的に産業廃棄物との認定を受ける事になった。
【0003】
【課題を解決するための課題】
前記の様に栄養価を積極的に残したオカラと、豆腐らしい豆腐を製造するための豆乳を得るためには、此れらに好適な呉を得なければ成らないのは当然であるが、従来製法から豆乳抽出収量を押さえただけでは課題の解決に成らない。
此れは、これらの旧来の製法では大豆の飽和膨潤が不可欠で此れを目的とした水中浸漬時間が極めて長く、大豆に付着されたバチルス属等の枯草菌だけでなく、各種雑菌の増繁殖を招くことになり、衛生管理的にも課題がある。
他方、大豆から得られるであろう成分を考えたときに、タンパク抽出等の栄養成分は当然であるが、食品には味覚の要素も重要であり、この点で一般に磨砕が細かければ、タンパクの抽出率は良いが、オカラと豆乳の分離が悪くなり、この逆で磨砕が粗ければオカラと豆乳の分離は良くなるが抽出は悪く、磨砕の速度が早ければ熱を生じ、タンパク変性を起こしかねず、この防止を目的として相当量の冷却水を必要とし、これらに起因する水分量や各種要素が豆腐や豆乳の味を左右する事になるが、これらは全て磨砕と呼ばれる旧来の大豆磨り漬し工程に起因するものである。
加えて豆乳の抽出量もしくは豆乳製造量の増加と豆乳中にミジンと呼ばれる微細な大豆の繊維成分が生じることで豆腐の食感が低下するだけでなく、豆乳とイソフラボン化合物の関係が豆乳の風味に重要な要素となっていることである。
つまり、豆腐の風味低下あるいは雑味の原因はイソフラボン配糖体とアグリコンの増加が起因となるが、前記の磨砕と呼ばれる工程の前工程に、大豆の浸漬と呼ばれる吸水膨潤工程が不可欠であって、此の際の大豆の水中浸漬が8時間以上と長時間を要すが、この時大豆中のエステル結合分解酵素と配糖体分解酵素が加水分解作用あるいは酸化により、マロニルイソフラボン配糖体をイソフラボン配糖体に、イソフラボン配糖体をアグリコンに変化させることであるが、これは、ひいては、アグリコンをステロイドサポニンやトリテルペノイドサポニンと成って、極めて永続性の泡沫発生物質を形成する事となるが、これ等は、魚類の違法漁法である魚類用毒物剤としてもよく知られた、極めて毒性の高い水溶性物質であるが、しかしながら極微量であれば、強心剤等として漢方薬等で利用される事のある、強力な溶血作用を有する物質ではあるが、豆乳や豆腐原料には不要な物質である上に、極めて強力かつ、永続的な泡沫物性によって豆腐製造時の多量の気泡発生の原因となり、品質を低下させる多くの品質阻害要因を併発し、この影響が豆腐の製造に極めて多く、これらの泡沫処理が豆腐製造の決め手になる上に、自然食品を標榜する豆腐において、多量のシリコン系等の消泡剤を使用する事となり安全性や食味の上からも課題があった。
これは大豆を豆乳に変化させる従来の工程で呉の製造が、浸漬吸水を経て磨砕工程となる、まさに、豆乳製造の必要条件と雑味や口溶けの悪さが同時進行的に産生されることにある、加えて前記の冷却水の加水による水分増加が呉の濃度低下を招き、これによって得られた豆乳を原料とした豆腐の保形成の低下を起こすと同時に食感としての、甘みや風味の低下を招いているが、これは豆乳の濃度低下が凝固剤の添加量や温度などの豆腐や豆乳製造の質的要素の低下原因と成るに外ならず、つまり、良質な豆乳を得ようとすれば良質な呉を製造するのが当然であり、豆腐は当然にして良質な豆乳が前提であるが、前記の逆で単に、豆乳濃度が高いと、豆乳粘度も高く、これでは舌触りの粗い口当たりも悪く、美味しい豆腐や豆乳にはならない。
本発明は、上記の問題点に鑑み考案されたもので、本発明では豆乳製造工程中の浸漬装置の衛生管理や、有害となる酵素の発生活性阻害や、食味を左右する豆乳へのミジンや、植物繊維成分の流入を防止し、静的、動的に拘わらず、大豆から熱や不純物を生ずる事なく純良な呉を得て、ひいては、食味の良い豆乳成分の抽出を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために本発明では、大豆から豆乳を抽出する際に、大豆の子葉細胞に無理な揉みほぐしの様な磨砕と呼ばれる所謂、高速度な臼引きやスリコギによる抽出、粉砕ではなく、圧搾による豆乳の抽出方法を中心としたものである、加えて旧来の製法では、原料大豆の浸漬時間を短縮すれば吸水量が低下することになるが、本発明による抗菌性のアミノ酸であるグリシンやアラニンと乳酸ナトリウムの作用で、大豆の不溶性ペクチンを水溶性のペクチン酸に、同時に蛋白質のポリペプチド鎖を形成している、水素結合を低下させる事で、容易にタンパク質が水を包合することになり本発明による効果である殺菌と蛋白質の柔軟性が同時に生じることになる、これは吸水浸漬時間の短縮で前記の雑味の素をなすアグリコンやステロイドサポニンやトリテルペノイドサポニンと呼ばれる生成物の産生を極端に抑制することが可能となった。
加えて、本発明に使用するアミノ酸の、マスキング効果により、大豆に含まれる苦みや、エグミの基である、ロイシンやアルギニン等の物質の有効成分を残したまま、エグミやニガミの味の調整が可能となり、口溶けや体に良い製品を製造できることになる。
【0005】このような解決課題について浸漬条件に検討を行ったところ、洗浄後の原料大豆を浸漬する際に使用直後の浸漬水中の細菌数は旧来製法ではPH6,4、摂氏15度の浸漬水に8時間の測定値では25×10と極めて大量に発生確認されているが、本考案のPH7,8摂氏15度の浸漬水3時間経過後の細菌数は殆ど0であって、本発明の浸漬水の衛生管理面の効果は確認された。
また、3時間経過後の大豆の吸水率は25gが48gと192%の膨潤となったが、豆乳抽出には十分な吸水率であり、これによって得られた豆乳の濃度としても十分であり、本発明に係るアミノ酸と乳酸ナトリウム添加水の抗菌下の短時間浸漬の効果は併せて確認された。
【0006】前記によって得られた浸漬吸水膨潤済みの清潔な大豆を磨砕と呼ばれる旧来の工程を使用せず、圧搾加工、詳しくはシャフト径25mmの回転可能な中心軸を有する直系30cm厚み3mmの円盤状でかつ平らな板に、直系3mmの子穴を5mmピッチに解放配列し、補強を伴った回転可能な圧搾回転板に、前記の3時間膨潤大豆、500gを重なることの無いように平らに配置し、前記の円盤と同型の円盤を上方より、覆いかぶせ、前記の円盤と円盤の空間が1mmになるよう圧力を加え、圧搾された大豆を回収し、大豆の50%相当量である250gの希釈水を加えて撹拌し、摂氏100度で5分間加熱後、遠心分離による固液濾過を行い320gの豆乳と430gの固形物を得ることができた、これは旧来の豆腐、豆乳製造の抽出量から見ると半分以下の豆乳収量であるが、極めて良質な豆乳が得られ、これを原料とした豆腐は甘く風味豊かな口溶けの良い豆腐を作ることができた。
これは圧搾による静的な豆乳抽出により摩擦熱等の発熱を生じる事無く、発熱防止の冷却水を必要としないために、極めて正確に計量された撹拌水だけで呉が得られる事で、品質が安定となる。
また、この抽出には、回転粉砕や擦りおろし、スリ潰す等のいわゆる磨砕と呼ばれる工程が全く無いために、植物性繊維が殆ど混入する事なく、結果的に豆乳濃度が自在に調整できる純良なオカラと豆乳原料の呉ができあがる。
加えて短時間低濃度のアミノ酸や乳酸ナトリウム添加の前記
【0003】に説明の如くの雑味要因となるイソフラボン化合物等の組成物の発生を抑制し、大豆中に微量に含まれているプロトペクチンを分解するプロトペクチナーゼ等の作用効果を高め、これを原料として製造された食味の良いオカラと豆乳や豆腐が製造可能となった。
【0007】
【発明の実際の形態】
原料大豆を脱皮し、洗浄水による洗浄工程を、可能な限り短時間で完了し、洗浄後の原料大豆を浸漬槽に投入し。
原料大豆の重量比4倍程度の水に、本発明に係るアミノ酸のグリシンやアラニンそれぞれ単独で、或いは併用使用しても良いが、この濃度が0,1%を越えて5%未満に濃度調整した物を、混合水溶液と成した浸漬水に、前記の洗浄済み大豆を、時間にして3時間以内の浸漬を行い。
膨潤完了後の前記の大豆を、浸漬槽から取り出し、圧搾工程とするが此の際に浸漬槽に残った残余の浸漬水を加えても良く、或いは最終の圧搾装置内の洗浄時に洗浄水として使用し、いずれの場合も浸漬に使用した浸漬水は全量を原料水として呉に加える事は良い。
圧搾完了後の呉であって、かつ前記の4倍程度に調整された呉を、好適な手段と時間を用いて加熱処理を行った後、固液分離工程を経て従来のオカラとは、異なった栄養豊富なオカラが入手できることになる。
此れは同時に大豆の子葉や胚軸に含まれるタンパク質や脂肪等の有用な成分が植物性不純物を含まずに、味や香りの良い豆乳が得られる。
【0008】
【発明の効果】
本発明の実施で作らる、アミノ酸の配合された浸漬水を使用した呉によって作られた、豆乳を原料とした豆腐は、収量は若干低下するが、体に良く甘く爽やかで口当たりの良い滑らかな豆腐の製造が可能となり、加えて栄養成分を豊富に含むオカラは所謂従来のオカラではなく、本発明とは別に出願申請した優良な加熱済み大豆食品の原料となり、1例を挙げれば、アミノ酸が極めて豊富に含まれる、大豆味噌となり、此れは現在広く味噌に加工利用されている[脱し大豆粕]等よりは遥かに優れた味噌となる。
この事からも産業廃棄物に認定されているオカラとは全く異なる物である。
【発明の属する技術分野】
本発明は大豆原料の呉の新規な製造に拘わる発明であって、本発明により得られる呉は、大豆を圧搾により分解処理する事で、此れから得られるオカラは、従来の食感の悪い栄養価の低い廃棄物オカラではなく、各種大豆エキスを豊富に含んだ新規な大豆加工食品の主要原料が可能となり、また、これから得られる豆乳の収量は、従来の製造方法に対し若干低いものであるが、極めて清潔で食味の良い新規な食感の豆乳や豆腐原料としの製造が可能となる。
【0002】
【従来の技術】
従来の大豆を原料とした豆乳や豆腐原料の呉を得ようとすれば、洗浄後の原料大豆を10時間前後の時間を経て吸水浸漬させ、このさい、原料大豆の浸漬水に殺菌剤やアルカリイオン水等を使用する事もあるが、多くは水道水あるいは清潔な地下水等を使用し、膨潤完了後の原料大豆から、磨砕と呼ばれる、所謂、注水をしながらの、臼引き加工により大豆を磨り潰し、豆乳及び豆腐原料を製造する方法や、大豆を粉砕して得られる粉末大豆に加水しこれを乳化する方法や、タンパク質分解酵素で乳化処理する方法があるが、これらはいずれも原料大豆からのタンパク抽出量の増量、収量アップを目的としたものである。
つまり、いかにして原料大豆から、より有効にかつ効率的に呉を得て、さらには、得られた呉から豆乳成分を限りなく回収し、或いは如何にしてオカラ排出を無くして抽出製造するかが製造技術上の重要なテーマであり、この点でより微細粉あるいはより細乳化あるいは高濃度乳化の製造技術を研究開発の方向としているのは明白である。
これらの技術を考えると、例えばオカラの出ない豆腐とは?豆腐の正体は?となってしまい、豆腐とは、煮大豆を限りなく水で薄めて成型した食品、となってしまう訳であって、これでは食味や栄養成分を無視した、餌、的な発想となってしまい、本来の食品としての豆腐と、異なった食品を食したことになる。
日本人が古来より食品として利用していたオカラが、近年の食文化の変化で嫌われ物となり、ひいては、オカラが産業廃棄物に指定され、これに要する処理料が経営を圧迫し、結果的に似て非なる食品を製造する事になる
つまり、従来の豆腐製造が、前記のようにオカラは豆腐製造業者にも食品残渣的意識が強く、オカラの内容物が本当のゴミになってしまい、結果的に産業廃棄物との認定を受ける事になった。
【0003】
【課題を解決するための課題】
前記の様に栄養価を積極的に残したオカラと、豆腐らしい豆腐を製造するための豆乳を得るためには、此れらに好適な呉を得なければ成らないのは当然であるが、従来製法から豆乳抽出収量を押さえただけでは課題の解決に成らない。
此れは、これらの旧来の製法では大豆の飽和膨潤が不可欠で此れを目的とした水中浸漬時間が極めて長く、大豆に付着されたバチルス属等の枯草菌だけでなく、各種雑菌の増繁殖を招くことになり、衛生管理的にも課題がある。
他方、大豆から得られるであろう成分を考えたときに、タンパク抽出等の栄養成分は当然であるが、食品には味覚の要素も重要であり、この点で一般に磨砕が細かければ、タンパクの抽出率は良いが、オカラと豆乳の分離が悪くなり、この逆で磨砕が粗ければオカラと豆乳の分離は良くなるが抽出は悪く、磨砕の速度が早ければ熱を生じ、タンパク変性を起こしかねず、この防止を目的として相当量の冷却水を必要とし、これらに起因する水分量や各種要素が豆腐や豆乳の味を左右する事になるが、これらは全て磨砕と呼ばれる旧来の大豆磨り漬し工程に起因するものである。
加えて豆乳の抽出量もしくは豆乳製造量の増加と豆乳中にミジンと呼ばれる微細な大豆の繊維成分が生じることで豆腐の食感が低下するだけでなく、豆乳とイソフラボン化合物の関係が豆乳の風味に重要な要素となっていることである。
つまり、豆腐の風味低下あるいは雑味の原因はイソフラボン配糖体とアグリコンの増加が起因となるが、前記の磨砕と呼ばれる工程の前工程に、大豆の浸漬と呼ばれる吸水膨潤工程が不可欠であって、此の際の大豆の水中浸漬が8時間以上と長時間を要すが、この時大豆中のエステル結合分解酵素と配糖体分解酵素が加水分解作用あるいは酸化により、マロニルイソフラボン配糖体をイソフラボン配糖体に、イソフラボン配糖体をアグリコンに変化させることであるが、これは、ひいては、アグリコンをステロイドサポニンやトリテルペノイドサポニンと成って、極めて永続性の泡沫発生物質を形成する事となるが、これ等は、魚類の違法漁法である魚類用毒物剤としてもよく知られた、極めて毒性の高い水溶性物質であるが、しかしながら極微量であれば、強心剤等として漢方薬等で利用される事のある、強力な溶血作用を有する物質ではあるが、豆乳や豆腐原料には不要な物質である上に、極めて強力かつ、永続的な泡沫物性によって豆腐製造時の多量の気泡発生の原因となり、品質を低下させる多くの品質阻害要因を併発し、この影響が豆腐の製造に極めて多く、これらの泡沫処理が豆腐製造の決め手になる上に、自然食品を標榜する豆腐において、多量のシリコン系等の消泡剤を使用する事となり安全性や食味の上からも課題があった。
これは大豆を豆乳に変化させる従来の工程で呉の製造が、浸漬吸水を経て磨砕工程となる、まさに、豆乳製造の必要条件と雑味や口溶けの悪さが同時進行的に産生されることにある、加えて前記の冷却水の加水による水分増加が呉の濃度低下を招き、これによって得られた豆乳を原料とした豆腐の保形成の低下を起こすと同時に食感としての、甘みや風味の低下を招いているが、これは豆乳の濃度低下が凝固剤の添加量や温度などの豆腐や豆乳製造の質的要素の低下原因と成るに外ならず、つまり、良質な豆乳を得ようとすれば良質な呉を製造するのが当然であり、豆腐は当然にして良質な豆乳が前提であるが、前記の逆で単に、豆乳濃度が高いと、豆乳粘度も高く、これでは舌触りの粗い口当たりも悪く、美味しい豆腐や豆乳にはならない。
本発明は、上記の問題点に鑑み考案されたもので、本発明では豆乳製造工程中の浸漬装置の衛生管理や、有害となる酵素の発生活性阻害や、食味を左右する豆乳へのミジンや、植物繊維成分の流入を防止し、静的、動的に拘わらず、大豆から熱や不純物を生ずる事なく純良な呉を得て、ひいては、食味の良い豆乳成分の抽出を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために本発明では、大豆から豆乳を抽出する際に、大豆の子葉細胞に無理な揉みほぐしの様な磨砕と呼ばれる所謂、高速度な臼引きやスリコギによる抽出、粉砕ではなく、圧搾による豆乳の抽出方法を中心としたものである、加えて旧来の製法では、原料大豆の浸漬時間を短縮すれば吸水量が低下することになるが、本発明による抗菌性のアミノ酸であるグリシンやアラニンと乳酸ナトリウムの作用で、大豆の不溶性ペクチンを水溶性のペクチン酸に、同時に蛋白質のポリペプチド鎖を形成している、水素結合を低下させる事で、容易にタンパク質が水を包合することになり本発明による効果である殺菌と蛋白質の柔軟性が同時に生じることになる、これは吸水浸漬時間の短縮で前記の雑味の素をなすアグリコンやステロイドサポニンやトリテルペノイドサポニンと呼ばれる生成物の産生を極端に抑制することが可能となった。
加えて、本発明に使用するアミノ酸の、マスキング効果により、大豆に含まれる苦みや、エグミの基である、ロイシンやアルギニン等の物質の有効成分を残したまま、エグミやニガミの味の調整が可能となり、口溶けや体に良い製品を製造できることになる。
【0005】このような解決課題について浸漬条件に検討を行ったところ、洗浄後の原料大豆を浸漬する際に使用直後の浸漬水中の細菌数は旧来製法ではPH6,4、摂氏15度の浸漬水に8時間の測定値では25×10と極めて大量に発生確認されているが、本考案のPH7,8摂氏15度の浸漬水3時間経過後の細菌数は殆ど0であって、本発明の浸漬水の衛生管理面の効果は確認された。
また、3時間経過後の大豆の吸水率は25gが48gと192%の膨潤となったが、豆乳抽出には十分な吸水率であり、これによって得られた豆乳の濃度としても十分であり、本発明に係るアミノ酸と乳酸ナトリウム添加水の抗菌下の短時間浸漬の効果は併せて確認された。
【0006】前記によって得られた浸漬吸水膨潤済みの清潔な大豆を磨砕と呼ばれる旧来の工程を使用せず、圧搾加工、詳しくはシャフト径25mmの回転可能な中心軸を有する直系30cm厚み3mmの円盤状でかつ平らな板に、直系3mmの子穴を5mmピッチに解放配列し、補強を伴った回転可能な圧搾回転板に、前記の3時間膨潤大豆、500gを重なることの無いように平らに配置し、前記の円盤と同型の円盤を上方より、覆いかぶせ、前記の円盤と円盤の空間が1mmになるよう圧力を加え、圧搾された大豆を回収し、大豆の50%相当量である250gの希釈水を加えて撹拌し、摂氏100度で5分間加熱後、遠心分離による固液濾過を行い320gの豆乳と430gの固形物を得ることができた、これは旧来の豆腐、豆乳製造の抽出量から見ると半分以下の豆乳収量であるが、極めて良質な豆乳が得られ、これを原料とした豆腐は甘く風味豊かな口溶けの良い豆腐を作ることができた。
これは圧搾による静的な豆乳抽出により摩擦熱等の発熱を生じる事無く、発熱防止の冷却水を必要としないために、極めて正確に計量された撹拌水だけで呉が得られる事で、品質が安定となる。
また、この抽出には、回転粉砕や擦りおろし、スリ潰す等のいわゆる磨砕と呼ばれる工程が全く無いために、植物性繊維が殆ど混入する事なく、結果的に豆乳濃度が自在に調整できる純良なオカラと豆乳原料の呉ができあがる。
加えて短時間低濃度のアミノ酸や乳酸ナトリウム添加の前記
【0003】に説明の如くの雑味要因となるイソフラボン化合物等の組成物の発生を抑制し、大豆中に微量に含まれているプロトペクチンを分解するプロトペクチナーゼ等の作用効果を高め、これを原料として製造された食味の良いオカラと豆乳や豆腐が製造可能となった。
【0007】
【発明の実際の形態】
原料大豆を脱皮し、洗浄水による洗浄工程を、可能な限り短時間で完了し、洗浄後の原料大豆を浸漬槽に投入し。
原料大豆の重量比4倍程度の水に、本発明に係るアミノ酸のグリシンやアラニンそれぞれ単独で、或いは併用使用しても良いが、この濃度が0,1%を越えて5%未満に濃度調整した物を、混合水溶液と成した浸漬水に、前記の洗浄済み大豆を、時間にして3時間以内の浸漬を行い。
膨潤完了後の前記の大豆を、浸漬槽から取り出し、圧搾工程とするが此の際に浸漬槽に残った残余の浸漬水を加えても良く、或いは最終の圧搾装置内の洗浄時に洗浄水として使用し、いずれの場合も浸漬に使用した浸漬水は全量を原料水として呉に加える事は良い。
圧搾完了後の呉であって、かつ前記の4倍程度に調整された呉を、好適な手段と時間を用いて加熱処理を行った後、固液分離工程を経て従来のオカラとは、異なった栄養豊富なオカラが入手できることになる。
此れは同時に大豆の子葉や胚軸に含まれるタンパク質や脂肪等の有用な成分が植物性不純物を含まずに、味や香りの良い豆乳が得られる。
【0008】
【発明の効果】
本発明の実施で作らる、アミノ酸の配合された浸漬水を使用した呉によって作られた、豆乳を原料とした豆腐は、収量は若干低下するが、体に良く甘く爽やかで口当たりの良い滑らかな豆腐の製造が可能となり、加えて栄養成分を豊富に含むオカラは所謂従来のオカラではなく、本発明とは別に出願申請した優良な加熱済み大豆食品の原料となり、1例を挙げれば、アミノ酸が極めて豊富に含まれる、大豆味噌となり、此れは現在広く味噌に加工利用されている[脱し大豆粕]等よりは遥かに優れた味噌となる。
この事からも産業廃棄物に認定されているオカラとは全く異なる物である。
Claims (5)
- 脱皮、洗浄後の原料生大豆から、オカラ、豆乳製造に必要な呉の製造工程で、脱皮後の原料大豆を浸漬吸水に使用する浸漬水を、酸性ではなく、中性又はPH10以下のアミノ酸を含む摂氏25度以下の浸漬水で、浸漬時間を3時間以内の短時間浸漬とした膨潤大豆を、加圧圧搾し呉となし、これを加熱、固液分離工程を経て良質なオカラを抽出し、残った液体を豆乳とする。
- 前記【請求項1】の加圧、圧搾の装置であって、大豆接触面の加圧装置表面部が金属又は鉱物、ゴム等の組成からなる、円筒状の回転可能な構造を有する事。
- 前記【請求項1】又は【請求項2】の発明であって、前記の使用するローラーが、対向する1対以上の複数のローラーによって構成されている事。
- 前記【請求項1】の加圧、圧搾が平面状を有し、積層、多段等、複数列に配設されること。
- 前記【請求項1】の浸漬水に使用するアミノ酸がグリシン又はアラニンを組成物とする単独で又は、併用混合使用して、浸漬水のアミノ酸濃度が0,1%を越えて5%以下である浸漬水。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003107088A JP2004267184A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 大豆原料のオカラ及び豆乳の製造方法 |
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JP2003107088A JP2004267184A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 大豆原料のオカラ及び豆乳の製造方法 |
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---|---|
JP2004267184A true JP2004267184A (ja) | 2004-09-30 |
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JP2003107088A Pending JP2004267184A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 大豆原料のオカラ及び豆乳の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004267184A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008259471A (ja) * | 2007-04-13 | 2008-10-30 | Takeo Ochi | 大豆の加工法と加工品の利用法 |
JP2013017483A (ja) * | 2011-06-16 | 2013-01-31 | Setsuo Shinkai | 豆乳の製造方法 |
JP2015123018A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 株式会社Mizkan Holdings | 豆乳類含有乳化液状調味料、豆乳類含有乳化液状調味料の後味改善方法 |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003107088A patent/JP2004267184A/ja active Pending
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