JP6169800B2 - チャネルと標識を持つ吸収性物品 - Google Patents

Description

本発明は、チャネルを持つコアと、印刷標識を持つ吸収性物品に関する。

尿又は糞便等の身体排出物を受容しかつ保持するための吸収性物品は、当該技術分野において周知である。これらの例としては、使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、及び成人失禁用物品が挙げられる。通常、使い捨ておむつは、着用者の身体に面する液体透過性トップシートと、着用者の衣類に面する液体不透過性バックシートと、液体透過性トップシートとバックシートとの間に介在する吸収性コアと、を含む。

使い捨て吸収性物品の重要な要素は、吸収性コア／吸収性構造体である。典型的な吸収性コア／構造体は、吸収性ゲル化材料（ＡＧＭ）又は超吸収性ポリマー（ＳＡＰ）とも呼ばれる、ヒドロゲル形成ポリマー材料等の超吸収性ポリマー材料を含む。この超吸収性ポリマー材料は、多量の体液、例えば尿を、使用中の吸収性物品によって吸収し、封じ込めることができ、それによってリウェットを低減し、皮膚の乾燥を良好に保つことを保証する。

超吸収性ポリマー材料は従来、パルプ、すなわちセルロース繊維を有する吸収性コア構造体に組み込まれる。吸収性コア構造体をより肉薄にするため、吸収性コア構造体内の当該セルロース繊維を削減又は除去することが提案されている。

しかしながら、セルロース繊維レベルの低い吸収性コア構造体は、体液を含んでいない状態では薄くとも、部分的に又は完全に充填されると、特に、吸収性物品の吸収性能の大部分を担う領域、例えば、おむつの前方領域、及び股部領域において、硬くなってしまうことが発見された。超吸収性ポリマー粒子、超吸収性ポリマー材料を含まない、特定の恒久的チャネルを設けることで、液輸送性が改善され、したがってより早い捕捉そしてより効率的な液体吸収が吸収性構造体全体で得られ、吸収性材料の量を減らしてもより高い性能が得られることが見出された。接着剤により吸収性材料又はチャネルを固定すると、チャネルの恒久性が高まり、吸収性構造体の使用中に、例えば吸収性構造体に摩擦を受けたり、吸収性構造体が濡れて、吸収性構造体が膨張したりしても、チャネルとしての状態が維持される。更に、例えば吸収性コア／構造体の前方領域及び／又は吸収性コア／構造体の股部領域に該チャネルを設けることで、使用時の性能を維持したまま、より柔軟性の高いおむつが得られる。

例えば吸収性、装着性の向上又は低価格化を図るために吸収性コアの機能性を変更すると、物品の工程能力及び／又は性能及び／又は外観に悪影響を及ぼす場合がある。そして物品又はその一部を、特定の外観を持つように変形する取り組みが行われている。例えば、物品の吸収性コアにチャネルが存在し、そのチャネルはより迅速かつ効率的な液体吸収のために設けられている旨を、介護者に伝達又は通知するよう物品が変形されてもよい。そのような通知又は伝達は、例えば外部の図柄及び／又は内部に印刷された接着剤により行われてもよい。

工程能力、技術的製品性能、消費者による伝達の確実さの兼ね合いを理解したうえで、その正しいバランスの上に立った製品設計を行うことが重要である。消費者による伝達に最適な工程を実施することで、製品の技術的性能に悪影響を及ぼす可能性がある。消費者による伝達に最適な設計、正しい技術的製品設計を実施することで、現行の製造にそぐわない工程が生じてしまう可能性もある。最適な工程と製品設計の組み合わせが、最適な消費者による伝達に繋がらないこともある。このように、優れた工程能力、技術的製品性能を示し、更に確実な消費者による伝達を成立させるような、チャネルを有する吸収性コアを備える改良された吸収性物品が求められている。

本発明は、吸収性物品であって、トップシートと、バックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に設けられた吸収性コアと、前記トップシートと前記吸収性コアとの間に設けられた印刷接着剤層とを備え、前記印刷接着剤層は前記トップシートを通じて視認可能である吸収性物品を対象とする。前記接着剤層の少なくとも一部は、前記吸収性物品の縦方向に長く延びる輪郭線の１組又は２組以上によるパターンを形成し、各組は、その幅方向の中心で前記縦方向に延びる前記吸収性物品の軸線に対して互いに対称となる。輪郭線の内最も内側の組の間の距離は、１５ｍｍ〜２５ｍｍであり、又は印刷接着剤層内の接着剤の量は、前記接着剤のパターン占有率が１５％〜３０％となるように設定される。

非限定的な一実施形態による、おむつの平面図である。 非限定的な一実施形態による、吸収性構造体の斜視図である。 非限定的な一実施形態による、吸収性コアの断面図である。 印刷された接着剤パターンの非限定的な実施形態の上面図を示す。 印刷された接着剤パターンの非限定的な実施形態の上面図を示す。 印刷された接着剤パターンの非限定的な実施形態の上面図を示す。 印刷された接着剤パターンの非限定的な実施形態の上面図を示す。 本発明に係る印刷された接着剤パターンの非限定的な実施形態の上面図を示す。 本発明に係る印刷された接着剤パターンの非限定的な実施形態の上面図を示す。 印刷された接着剤パターンの非限定的な実施形態の上面図を示す。 印刷された接着剤パターンの非限定的な実施形態の上面図を示す。

用語の定義
「吸収性物品」は、身体排出物を吸収し、収容する装置を指し、より具体的には、着用者の身体に接触し、又は近接して配置され、身体から***された様々な排出物を吸収し、収容する装置を指す。吸収性物品は、幼児用トレーニングパンツ及び成人用失禁下着等のパンツのような乳幼児及び成人用おむつ、生理用ナプキン及びパンティライナー等の女性用衛生製品、並びに成人用失禁パッド、胸当て、ケアマット、よだれかけ、創傷包帯製品等を含むことができる。吸収性物品としては、床洗浄物品、食品産業物品等を更に挙げることができる。本明細書で使用するとき、用語「体液」又は「身体排出物」には、これらに限定されるものではないが、尿、血液、膣***物、母乳、汗及び糞便が含まれる。

本明細書で使用するとき、「おむつ」とは、身体から排出される様々な***物を吸収及び収容するために着用者の皮膚に対して着装されることを意図する装置を指す。おむつは、一般に、着用者の腰及び脚を取り囲むように、乳幼児及び尿失禁者により胴体下部の周囲に着装される。おむつの例としては、乳幼児又は成人用おむつ、及びトレーニングパンツ等のパンツ様おむつが挙げられる。「トレーニングパンツ」という用語は、本明細書で使用するとき、乳幼児又は成人の着用者に合わせて設計されているウエスト開口部及び脚部開口部を備えている使い捨て衣類を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口部に挿入し、パンツを着用者の胴体下部の周囲位置にまで摺り上げることによって、着用者に対して定位置に配置することができる。パンツは、再締結可能な及び／又は再締結不可能な結合（例えば、縫い目、溶接、接着剤、粘着結合、締め具等）を使用する物品の一部分の相互接合を含むが、これらに限定されない好適な任意の技術により予備成形されてもよい。パンツは、物品の外周に沿った任意の位置において予備成形することができる（例えば、側面締着、前腰部締着）。

本明細書で使用するときは、「使い捨て」は、洗濯又は他の方法で、復元又は再利用することを一般的に意図していない（すなわち、単回使用後に廃棄され、かつリサイクル、堆肥化、又は別の方法で環境に適合するやり方で廃棄されてもよいことを意図している）物品を説明する目的で用いられている。

本明細書で使用するとき「吸収性構造体」とは、尿等の液体を吸収及び収容するために有用な三次元構造体を指す。吸収性構造体は、本明細書において更に説明がなされるように、吸収性物品の吸収性構造体であってもよく、又は単に吸収性物品の吸収性コアの一部、即ち吸収性コアの吸収性構成要素であってもよい。

本明細書で使用するとき、「超吸収性ポリマー材料」とは、遠心分離保持容量（Centrifuge Retention Capacity）試験（Ｅｄａｎａ ４４１．２−０１）で測定した場合に、その重量の少なくとも１０倍（通常少なくとも１５又は２０倍）の、脱イオン水に溶解した０．９％塩溶液を吸収することができる、実質的に非水溶性のポリマー材料を指す。

本明細書で使用するとき、「不織布材料」は、配向性繊維又は不規則に配向された繊維で製造されたウェブを指し、紙と、更なるニードル加工の有無を問わず、接合糸若しくは長繊維を組み込んだ織り製品、編み製品、タフテッド製品、ステッチで接合した製品、又は湿式粉砕によるフェルト製品とを除く。不織布材料及びその作製方法は、当該技術分野において既知である。一般に、スパンレイ法、メルトブロー法、カード法、エアレイ法、湿式レイ法、コフォーム、及びこれらの組み合わせを含むことができる不織布材料の製造プロセスは、繊維を成形平面上に置くことを含む。繊維は、天然繊維であっても人工繊維であってもよく、短繊維若しくは連続フィラメントであっても、又は現場で形成されたものであってもよい。

本明細書で使用するとき、「視認可能」とは、人間の肉眼で知覚可能であることを意味する。

本発明は、２０１３年１１月１２日に出願された米国特許出願第１４／０７７，３５５（代理人整理番号第１２６６１ＭＱ号）に開示されたような、チャネルと、チャネルの存在を伝達する印刷標識を有する吸収性コアを備える吸収性物品を提供する。更に、本発明はチャネルと、チャネルの存在を伝達する印刷標識を有する吸収性コアを備える吸収性物品を提供する。本発明は、米国特許出願１３／４９１，６４２、１３／４９１，６４３、１３／４９１，６４４、１３／４９１，６４８（全て出願日は２０１１年６月１０日）に開示されたチャネルを持つ吸収性物品に関する。

本明細書の吸収性構造体（１３）は、吸収性材料（５０）の吸収性層（１７）を有する支持シート（１６）を備える。吸収性材料（５０）は少なくとも超吸収性ポリマー部材を備え、任意で例えばパルプのようなセルロース又は変性セルロースのようなセルロース材料を有する。

吸収性構造体（１３）は更に、後述するような接着剤材料を１つ又は２つ以上有する。吸収性層（１７）は三次元構造で、前述の超吸収性ポリマー材料を実質的に含まない第１実質的長手方向チャネル（２６）と、第２実質的長手方向チャネル（２６）とを有する。前記チャネル（２６）は、後述のように、例えば前述の１つ又は２つ以上の接着剤材料（４０，６０）のようなその他材料を備えてもよい。

吸収性構造体（１３）及び吸収性層（１７）はそれぞれ、例えば構造体又は層の長手方向寸法に沿って延びる長手方向寸法と平均長さＬと、例えば構造体又は層の短手方向寸法に沿って延びる短手寸法と平均幅Ｗとを有する。吸収性構造体（１３）と吸収性層（１７）はそれぞれ、使用者の前部に対し使用される前方領域と、使用者の後部に対して使用される後方領域と、その間に設けられた股部領域を有し、各領域は構造体／層の短手方向幅に亘って延在し、構造体／層の平均長さの１／３の長さを有する。

吸収性構造体（１３）と吸収性層（１７）はそれぞれ、中央長手方向軸線Ｘ、前記中央長手方向軸線Ｘに垂直な中央短手方向軸線Ｙを有し、前記吸収性層（１７）と前記吸収性構造体（１３）はそれぞれ、構造体又は層の長手方向寸法に沿って延びる、対向する一組の長手方向側縁と、例えば使用者（着用者）の前部に対して使用される前短手方向縁と、使用者の後部に対して使用される後短手方向縁のような、対向する一組の短手方向縁（１９）とを有する。吸収性構造体（１３）又は吸収性層（１７）の長手方向側縁（１８）及び／又は横縁（１９）は、それぞれ中央長手方向軸線及び／又は中央短手方向軸線に対し平行であってもよく、うち１つ又は２つ以上は曲線を描き、例えば股部領域の短手方向寸法を小さくしてもよい。通常、長手方向側縁は長手方向Ｘ軸線に対して互いに対称となる。

吸収性層（１７）の中央長手方向軸線Ｘは、本明細書で長手方向側部（２０）と称する、吸収性層（１７）の第１及び第２長手方向側部（２０）を画定する。したがって、前記長手方向側部はそれぞれ、前記前方領域、股部領域、後方領域に存在するため、第１長手方向部の前方領域、第２長手方向部の前方領域のようなものが存在する。本明細書内の実施形態では、吸収性層（１７）の前記長手方向部は層のＸ軸線に対して互いに対称である。

吸収性層（１７）は、少なくとも第１チャネル（２６）及び第２チャネル（２６）を備え、当該チャネルは前記超吸収性ポリマー粒子を実質的に含まず（例えば含まず）、吸収性層（１７）の厚さ（高さ）方向に延在する。ごく少量の超吸収性ポリマー粒子が意図せずしてチャネル内に存在する場合があり、これは、全体的な機能に寄与しないことが理解されよう。吸収性層（１７）がセルロース化合物又はセルロースを含む場合には、いくつかの実施形態では前記第１及び第２チャネル（２６）はそのようなセルロース化合物／セルロース材料も含まない。

第１チャネル（２６）は、吸収性層（１７）の前記第１長手方向側部に存在し、第２チャネル（２６）は、吸収性層（１７）の前記第２長手方向側部に存在する。

第１及び第２チャネル（２６）は、それぞれ実質的に長手向に延在し、これは通常、各チャネルが短手方向より長手方向で長く延在することを意味し、また通常、長手方向の長さが短手方向の長さよりも少なくとも２倍長い。

そして、チャネル（２６）は完全に長手方向に延び、前記吸収性層（１７）の長手方向に平行（すなわち、前記長手方向軸線に平行）であってもよく、チャネル（２６）は曲率半径が、典型的には吸収性層の横方向の平均寸法と少なくとも等しい（任意でこの短手方向の平均寸法の少なくとも１．５倍又は少なくとも２．０倍である）ものとして湾曲していてもよく、更に、チャネル（２６）は直線であるが、長手方向軸線に平行な線に対して（例えば５°〜）３０°未満、例えば２０°未満、又は１０°未満の角度で傾斜してもよい。更に、チャネル間に角度があってもよく、その場合、前記角度は少なくとも１２０°、好ましくは少なくとも１５０°であり、これらのいずれかの場合においても、チャネルの長手方向の長さが短手方向の長さを超えるものとする。

いくつかの実施形態では、少なくとも前記股部領域に完全に又は実質的に短手方向のチャネルが存在してもよく、又はかかるチャネルが全く存在しなくてもよい。

前記第１及び第２のチャネル（２６）はそれぞれ、同チャネルが存在する前記吸収性層（１７）の平均幅Ｗの最小４％である平均幅Ｗ’を有し、例えば、Ｗ’は、Ｗの７％以上、かつ／又は、例えば、Ｗの２５％以下、若しくはＷの１５％以下、かつ／又は、例えば、５ｍｍ以上、かつ、例えば、２５ｍｍ以下、若しくは例えば、１５ｍｍ以下であってもよい。

前記第１及び第２のチャネル（２６）はそれぞれ、例えば、同チャネルが存在する前記吸収性層（１７）の平均長さＬの８０％以下であってもよい平均長さＬ’を有してもよく、チャネル（２６）が前方領域、股部領域、又は後方領域のみしか存在しない場合、Ｌ’は、例えば、Ｌの２５％以下、若しくはＬの２０％以下、かつ／又は、Ｌ’は例えば、Ｌの５％以上、若しくはＬの１０％以上であり、かつ／又はＬ’は、例えば、１０ｍｍ以上、若しくは２０ｍｍ以上であってもよく、チャネル（２６）が前記股部領域及び前方領域、並びに任意で後方領域に延在している場合、Ｌ’は、例えば、Ｌの８０％以下、若しくはＬの７０％以下、かつ／又はＬ’は、例えば、Ｌの４０％以上、若しくはＬの５０％以上であってもよい。チャネルが長手方向軸線に平行ではない場合、チャネルのＬ’の長さは、長手方向軸線に対する突出量として測定された長さとなる。

通常、チャネル（２６）はいわゆる「恒久的」チャネル（２６）と称されるものであってもよい。恒久的とは、着用者から摩擦がかかった場合にも、乾燥状態及び湿潤状態の両方で少なくとも部分的にチャネル（２６）としての状態が保たれることを意味する。恒久的チャネル（２６）は、前記吸収性部材（５０）及び／又は前記チャネル（２６）又は例えば前記吸収性層（１７）を固定する１つ又は２つ以上の接着剤材料及び／又は前記支持シート（１６）を前記チャネル（２６）又はその一部内に固定する接着剤材料を設けることで得られる。吸収性コア（７）は、特にチャネルを通じて第１支持シート（１６）及び第２支持シート（１６’）を接合することによって形成された、恒久的チャネルを含み得る。通常、チャネルを通じて両支持シートを接合するためには接着剤が用いられ得るが、例えば超音波接着、又は熱接着のような他の既知の手法により接合することも可能である。支持層は、チャネルに沿って連続的に接着されても、間欠的に接着されてもよい。

実際、発明者らは、チャネルが漏れの可能性を低減する迅速な液体の捕捉に寄与することを観察した。恒久的チャネルは、流体排出領域における吸収層の飽和を回避するのに寄与する（かかる飽和により、漏れのリスクが増す）。更に、予想に反して、（かかる材料を包含しないチャネルを提供することにより）吸収性構造体内の超吸収性ポリマー材料の全体量を減らしても、吸収性構造体又はおむつの流体処理特性が向上した。恒久的チャネルは更に、湿潤状態において、吸収性材料はコア内を移動できず、その意図した位置にとどまるため、より良い装着性及び流体吸収性をもたらすという更なる利点を有する。

図３に示す例では、１つ又は２つ以上の接着剤材料（６０）が、前記支持シート（１６）と、前記吸収性層（１７）との間又はその一部（例えば、本明細書では「第２の接着剤材料」と称される）に存在してもよい。例えば、本明細書中で述べるように、接着剤材料を前記支持シート（１６）のチャネル（２６）に対応する部分に塗布することで、支持シートが前記チャネル内で、前記接着剤によりチャネルの壁、その一部、又は更なる材料に接着されるようにしてもよく、かつ／又は接着剤を前記支持シート（１６）の吸収性材料（５０）に対応する部分に塗布することで、前記材料を固定し前記チャネル内へ更に移動しないようにしてもよく、例えば実質的に連続的及び／又は均一に、接着剤を実質的に支持シート（１６）の表面積全体に塗布してもよい。これは例えば、印刷、スロットコーティング又は吹き付けで塗布されたホットメルト接着剤であってもよい。

それに加えて又は代えて、吸収性構造体（１３）は、例えば前記吸収性材料（５０）を前記支持シート（１６）に組み合わせ／付着させて吸収性層（１７）を形成した後、前記吸収性層（１７）又はすでに前記支持シート（１６）により支持されたその一部に塗布された１つ又は２つ以上の接着剤材料（４０）（本明細書では、「第１接着剤材料」と称する）を有してもよい。これは、例えば後述するように、熱可塑性繊維接着剤であってもよい。いくつかの実施形態では、これは吸収性層（１７）に亘って、したがって吸収性材料（５０）に亘ってそしてチャネル（２６）内で連続的に塗布されて、上述のように吸収性層を固定し、任意で更に前記チャネル内で支持シートを接着するようにしてもよい。これは、例えば図３に示される。

例えば後述するように、第１及び第２接着剤材料は、例えば熱可塑性ホットメルト接着剤のような同種の接着剤であってもよく、したがって第１接着剤材料と第２接着剤材料とは塗布される位置が異なるものであることが理解されよう。

いくつかの実施形態では、前記１つ又は２つ以上の接着剤材料、例えば少なくとも前記第１接着剤材料又は前記第１及び第２接着剤材料がチャネル（２６）内に存在する。したがってそれは、チャネル（２６）の長手方向壁に存在している必要がある（吸収性層（１７）の高さ及び長さに沿って延在する）。支持シート（１６）材料が前記チャネル（２６）又はその一部内に折り込まれると、例えば支持シート（１６）は前記チャネル（２６）又はその一部内に入り込む起伏を有し、当該起伏は、使用中にチャネル（２６）が（少なくとも部分的に）維持されることが保証されるように、前記壁又は一部に固定されてもよい。

第１及び第２のチャネル（２６）は、吸収性層（１７）／構造体の中央長手方向軸線（Ｘ軸）に対して、互いに対称であってもよい。

いくつかの実施形態では、前記吸収性層（１７）の前記長手方向軸線に一致するチャネル（２６）は存在しない。チャネル（２６）は、自身の長手方向の寸法全体に亘って互いに離間していてもよい。最小離間距離Ｄ（輪郭線の内最も内部の組の間の距離）は、例えば少なくとも層の短手方向寸法Ｗの５％であり、或いは例えばＷの少なくとも１０％又はＷの少なくとも１５％である。

更に、流体漏洩のリスクを低減するために、長手方向の主チャネル（２６）は通常、収性層（１７）の短手方向縁（１９）及び／又は長手方向縁（１８）のいずれにも至らない。典型的には、チャネル（２６）と最も近い長手方向縁との間における最小距離Ｉ’は、Ｗの少なくとも５％、又は例えばＷの少なくとも１０％に相当し得る。いくつかの実施形態では、距離は例えば少なくとも１０ｍｍであり、チャネルと、吸収性層（１７）の最も近い短手方向縁との間の最小距離は、例えば層の平均長さＬの少なくとも５％であってもよい。

吸収性構造体は２つのチャネルのみを、例えば前方領域にのみ含むか、又は図２に示されるように、例えば中央（股）領域に含んでもよく、更に任意でチャネルは前方及び／又は後方領域に延在する。

吸収性構造体（１３）は、こうしたチャネル（２６）を３つ以上、例えば少なくとも４つ、少なくとも５つ、又は少なくとも６つ含んでもよい。これらのうちのいくつか又は全ては、互いに実質的に平行であってもよい。例えば全てが直線状でかつ完全に長手方向に沿ってもよく、及び／若しくは２つ又は３つ以上或いは全てが、長手方向軸線において互いに対称になっていてもよく、若しくは２つ又は３つ以上が、湾曲又は傾斜していてもよく、例えば、長手方向軸線において互いに対称で、かつ２つ又は３つ以上が、異なった湾曲状又は直線状になっており、かつ例えば長手方向の軸で互いに対称であってもよい。

例えば、吸収性層（１７）の前方領域は、典型的に層の長手方向軸線に対して対称な２つ又は３つ以上のチャネル（２６）を有してもよく、股部領域は典型的に層の長手方向軸線に対して対称な２つ又は３つ以上のチャネル（２６）を有してもよく、後者は任意で上述の適用可能な寸法及びその他の特徴を有し、前方領域及び／又は後方領域内まで延在してもよい。任意で、後方領域には追加のチャネルが存在してもよい。

第１及び第２チャネル（２６）と任意で追加のチャネル（２６）は、前記長手方向軸線に一致し、いずれのチャネル（２６）も含まない中央長手方向細長部が形成されるように前記吸収性層（１７）に配置され、前記吸収性材料（５０）は実質的に連続的に細長部内に存在してもよい。例えば、前記細長部は、Ｗの少なくとも５％又はＷの少なくとも１０％の最小幅Ｄ（輪郭線中の内最も内側の組間の距離）を有してもよい。

いくつかの実施形態では、２つの隣接するチャネル（２６）間の前記中央長手方向細長部における吸収性材料（５０）又は前記超吸収性ポリマー材料の平均坪量は、１平方メートルあたり少なくとも３５０、例えば１０００グラム以下であり、又は例えば１平方メートルあたり４５０グラム以上で、例えば１平方メートルあたり７５０グラム以下である。

いくつかの実施形態では、前記吸収性材料（５０）は、第１及び第２チャネルそれぞれと、そして更に任意で更なるチャネルと隣接しており、実質的に連続的に存在している。

典型的には、吸収性構造体（１３）は本明細書中では更なる材料と称する、吸収性層（１７）を覆う１つ又は２つ以上の更なる材料（例えば更なる材料層）を有し、更なる材料は、例えば本明細書では吸収性構造体（１３）の吸収性層（１７）に接触する表面上の接着剤を含む層であってもよい。したがって、更なる材料は吸収性構造体（１３）の前記吸収性層（１７）に隣接して設けられる表面上の接着剤材料を有してもよい。

このようにして得られる構造体を本明細書では「吸収性コア（７）」と称する。その例を図３に示す。

この更なる材料は、第２吸収性層（１７’）及び第２支持シート（１６’）を持つ更なる吸収性構造体であってもよく、その場合は両吸収性層（１７，１７’）は前記支持シート（１６；１６’）に挟まれ、これは本明細書で開示され、例えば図３に示される２つ又は３つ以上のチャネル（２６’）を持つ更なる吸収性構造体であってもよく、又はこれは本明細書で説明される、チャネルを有さない吸収性構造体であってもよく、更に／又は本明細書で説明される、接着剤を有さない吸収性構造体であってもよい。

第２吸収性構造体は第１吸収性構造体（１３）と同一であってもよく、又はこれらは本開示のチャネル（２６；２６’）を有する吸収性構造体であるが、例えば異なるチャネルを有する、有するチャネルの数が異なる、異なる接着剤を有する、接着剤の塗布され方が異なる、又はそれらの組み合わせといったように互いに異なってもよい。

第１吸収性構造体（１３）のチャネル（２６）又はそのいくつかと、第２吸収性構造体のチャネル（２６’）又はそのいくつかは、互いに一致し、重なっていてもよく、例えば完全に一致し重なってもよく、例えば部分的のみに一致し、部分的にのみ重なっていてもよく、又はチャネル（２６；２６’）のうちのいくつか又は全ては互いに一致していなくても重なっていなくてもよい。いくつかの実施形態では、それらは互いに実質的に同一であり、一方の構造体のチャネル（２６）は実質的に完全に他方の構造のチャネル（２６）に一致し、重なる。

いくつかの実施形態では、更なる材料は支持シート（１６）の一部であって、吸収性層（１７）を覆うように折り畳まれ、吸収性層（１７）を封入するように周縁に沿って封止される。

いくつかの実施形態では、更なる材料は更なる支持シート（１６’）であり、即ち吸収性構造体（１３）が支持シート（１６’）により覆われ、前記吸収性層は２つの支持シートの間に挟まれる。

いくつかの実施形態では、追加の材料は、例えば前記支持シート（１６）に封止された捕捉材料層及び／又は捕捉シートであってもよい。いくつかの実施形態では、追加の材料は、例えば上述した任意の追加の吸収性構造体又は追加の支持シート（１６’）を含み、捕捉材料層そして任意で更なる捕捉シートに組み合わされる。

追加の材料は、前記吸収性層（１７）に隣接して設けられる捕捉材料層であってもよく、捕捉材料層は任意で化学的に架橋されたセルロース繊維を含み、第２支持シート（１６’）に支持される。そして吸収性層（１７）と捕捉材料層は第１構造体の前記支持シート（１６）と、前記第２支持シート（１６’）との間に挟まれてもよい。捕捉材料層は更に、特に前記第１吸収性構造体（１３）のチャネル（２６）に実質的に完全に重なるチャネル（２６’）を有してもよい。

第１構造体の支持シート（１６）及び／又は捕捉材料層の第２支持シート（１６’）は、第１吸収性構造体（１３）のチャネル（２６）及び／又は存在するのであれば任意で捕捉材料層のチャネル（２６’）内又はそれらチャネル（２６，２６’）の一部内に折り込まれる。少なくともチャネル（２６，２６’）又はその一部内に１つ又は２つ以上の接着剤材料が存在してもよく、その１つ又は２つ以上の接着剤材料により、支持シート（１６，１６’）が前記チャネル（２６，２６’）内で互いに張り付けられてもよい。別の第２接着剤（６０’）が第２支持シート（１６’）と捕捉材料層との間に存在してもよい。別の接着剤が、熱可塑性接着剤（４０）に加えて捕捉材料層と吸収性層（１７）との間に設けられて、両層同士の接着性を増してもよい。

これらいずれの場合でも、吸収性層（１７；任意で１７’）が封入されるように、追加の材料はその後支持シート（１６）に対し、その周縁に沿って封止されてもよい。

これらいずれの場合でも、支持シート（１６）又は捕捉層／シートは前記チャネル（２６）又はその一部内に折り込まれて（起伏状態）もよい。ここで説明されるように、前記チャネル（２６）内で、それは本開示の吸収性構造体（１３）の支持シート（１６）に、例えば接着剤材料により接着されてもよい。それに代えて又はそれに加えて、それはチャネル（２６及び／又は２６’）又はその一部の壁に貼り付けられてもよい。

いくつかの実施形態では、吸収性構造体（１３）は前記吸収性層（１７）を覆う先述のような追加の材料を有し、加圧手段が前記支持シート（１６）及び／又は前記追加の材料を吸収性構造体（１３）の前記チャネル内及び／又は存在する場合には追加の（第２）吸収性構造体のチャネル（チャネル２６及び／又は存在する場合は２６’）内に押し込むようにしてもよく、これにより前記起伏の形成を促進及び／又はここで説明されるように接着剤材料が存在する場合には追加の材料と前記支持シート（１６）との貼り付けが促進される。材料の前記チャネル（２６及び／又は２６’）に一致する部分に選択的に設けられ、前記支持シート（１６）及び／又は前記追加の材料を吸収性構造体（１３）の前記チャネル内及び／又は存在する場合には追加の（第２）吸収性構造体のチャネル（チャネル２６及び／又は存在する場合は２６’）内に押し込むようにしてもよく、これにより前記起伏の形成を促進及び／又は本明細書で説明されるように接着剤材料が存在する場合には、前記チャネル（２６及び／又は２６’）内での追加の材料と前記支持シート（１６）との接着が促進される。

加圧手段は、支持シート（１６）の前記部分又は前記チャネル（２６及び／又は２６’）に一致する追加の材料と一致（すなわち嵌合）可能な、実質的に前記チャネル（２６及び／又は２６’）のサイズ、形状、パターンを持つ***部を持つ加圧ロールであってもよい。

いくつかの実施形態では、第２支持シート（１６’）がチャネル（２６及び／又は２６’）又はその一部内に折り込まれることができ、第１支持シート（１６）に接着できるよう、追加の（例えば第２の）支持シート（１６’）は吸収性構造体よりも大きな幅を有してもよい。

ここで説明されるように、吸収性コア（７）がチャネル（２６；２６’）を有する２つ（又は３つ以上）の吸収性構造体を有するいくつかの実施形態では、１つの吸収性構造体（１３）のチャネル（２６）の１つ若しくは２つ、又は３つ以上、或いは全ては、隣接する吸収性構造体のチャネル（２６’）に実質的に重なっていてもよい。このようにして得られた吸収性コア（７）は、チャネル（２６；２６’）が実質的に吸収性層（１７；１７’）の厚さ方向に延びるようにして、チャネル（２６；２６’）を持つ吸収性構造体の積層となる。

それに加えて、又は代えて、吸収性構造体（１３）のチャネル（２６）の１つ若しくは２つ以上、又は３つ以上、或いは全ては、隣接する吸収性構造体のチャネル（２６’）と重ならず、例えば隣接する構造体のチャネル（２６）と補完的であり得る。補完的とは、第２吸収性構造体のチャネル（２６’）が、第１吸収性構造体（１３）のチャネル（２６）の延長部を形成することを意味する。

いくつかの実施形態では、吸収性コア（７）は２つ又は３つ以上の吸収性構造体（１３）を有してもよく、うち１つは本開示の構造体であり、そして１つは（超吸収性ポリマー材料を有する）吸収性層（１７’）が設けられた支持シート（１６’）を有するが、チャネル及び／又は接着剤を有さない吸収性構造体（１３）である。

吸収性コア（７）に第２吸収性構造体が存在する場合、それは上述の通りにそして上述の理由から１つ又は２つ以上の接着剤を有してもよい。

例えば、それは少なくとも第１吸収性構造体（１３）のチャネル（２６）及び／又は存在するのであればそのチャネル（２６’）と一致するように存在してもよい。

吸収性層（１７）は、任意でセルロース系材料（例えば、セルロース、繊維形態の粉砕木材パルプを含む）と組み合わされた超吸収性ポリマー材料（例えば、粒子）を備える吸収性材料（５０）を備える。上述の追加の材料（例えば追加の第２吸収性構造体）は吸収性材料を備えてもよく、以下の内容が同様に該当してもよい。

いくつかの実施形態では、吸収性材料（５０）は、少なくとも６０重量％、又は少なくとも７０重量％の超吸収性ポリマー材料及び最大４０重量％又は最大３０％のセルロース系材料を含んでもよい。

いくつかの他の実施形態では、吸収性層（１７）は、実質的に吸収性ポリマー材料、例えば、粒子等からなる吸収性材料（５０）を含み、例えば５重量％未満のセルロース系材料（の吸収性材料（５０））が存在し、該吸収性層（１７）／吸収性構造体（１３）は、セルロース系材料を含まなくてもよい。

超吸収性ポリマー材料は典型的には粒子の形態をとる。吸収性層（１７）に使用するのに好適なものは、例えばＭｏｄｅｒｎ Ｓｕｐｅｒａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ，Ｆ．Ｌ．Ｂｕｃｈｈｏｌｚ，Ａ．Ｔ．Ｇｒａｈａｍ，Ｗｉｌｅｙ１９９８等に記載される超吸収体関連文献により公知の任意の超吸収性ポリマー粒子を含むことができる。吸収性ポリマー粒子は通常、逆相懸濁重合から得られるような球形、球状、又は不規則な成形粒子、例えば、ウインナソーセージ型成形粒子、又は楕円形の成形粒子等であってもよい。粒子は、より大きな不規則粒子を形成するために、必要に応じて少なくともある程度まで凝集させることもできる。

本明細書におけるいくつかの実施形態では、吸収性材料（５０）全体及び／又は前記粒子状超吸収性ポリマー材料は少なくとも例えばＣＲＣが例えば少なくとも２０ｇ／ｇ又は３０ｇ／ｇであるような高い収着能を持つ。上限は、例えば、最大１５０ｇ／ｇ、又は最大１００ｇ／ｇであり得る。

本明細書におけるいくつかの実施形態では、超吸収性ポリマー粒子を有する又はそれから成る吸収性材料（５０）は、例えばナトリウム対イオンついて有する６０％〜９０％、又は約７５％の中和度を有する、ポリアクリル酸ポリマー／ポリアクリレートポリマーから形成される。

超吸収性ポリマーは、内部及び／又は表面架橋されたポリアクリル酸塩及びポリアクリル酸ポリマーであってもよい。適した材料が、国際特許出願第ＷＯ ０７／０４７５９８号、又は例えば同第ＷＯ ０７／０４６０５２号、例えば同第ＷＯ ２００９／１５５２６５号、及び同第ＷＯ ２００９／１５５２６４号に記載される。いくつかの実施形態では、好適な超吸収性ポリマー粒子は、同第ＷＯ ２００６／０８３５８４号に更に具体的に記載されるような、現状の当該技術の製造工程によって得られてもよい。超吸収性ポリマー粒子は、内部で架橋されてもよく、すなわち、重合は、ポリマー網状組織へとフリーラジカル的に共重合され得る、２つ又は３つ以上の重合可能な基を有する化合物の存在下において行われる。有用な架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、欧州特許出願第Ａ ５３０ ４３８号に記載されるテトラアリルオキシエタン、欧州特許出願第Ａ ５４７ ８４７号、欧州特許出願第Ａ ５５９ ４７６号、欧州特許出願第Ａ ６３２ ０６８号、国際特許第ＷＯ ９３／２１２３７号、国際特許第ＷＯ ０３／１０４２９９号、国際特許第ＷＯ ０３／１０４３００号、国際特許第ＷＯ ０３／１０４３０１号、及び独国特許出願第Ａ １０３ ３１ ４５０号に記載されるジ−及びトリアクリレート類、独国特許出願第Ａ １０３ ３１ ４５６号、及び国際特許出願第Ａ １０３ ５５ ４０１号に記載されるような、アクリレート基とエチレン性不飽和基とを更に含む混合アクリレート類、又は例えば独国特許出願第Ａ １９５ ４３ ３６８号、独国特許出願第Ａ １９６ ４６ ４８４号、国際特許第ＷＯ ９０／１５８３０号、及び国際特許第ＷＯ ０２／３２９６２号に記載されるような架橋剤混合物、及び国際特許出願第ＷＯ ２００９／１５５２６５号に記載される架橋剤が挙げられる。超吸収性ポリマー粒子は、外表面架橋されてもよい、又はポスト架橋されてもよい）。有用なポスト架橋剤としては、ポリマーのカルボキシレート基と共有結合を形成可能な２つ又は３つ以上の基を含む化合物が挙げられる。有用な化合物としては、例えば欧州特許出願第Ａ ０８３ ０２２号、欧州特許出願第Ａ ５４３ ３０３号及び欧州特許出願第Ａ ９３７ ７３６号に記載されるアルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、ジ−又はポリグリシジル化合物、独国特許出願第Ｃ ３３ １４ ０１９号に記載される多価アルコール類、独国特許出願Ａ ４０ ２０ ７８０号に記載される環状炭酸塩、独国特許出願第Ａ １９８ ０７ ５０２号に記載されるＮ−（２−ヒドロキシエチル）−２−オキサゾリドン等の２−オキサゾリドン及びそれの誘導体、独国特許出願Ａ １９８ ０７ ９９２号に記載されるビス−及びポリ−２−オキサゾリドン、独国特許出願Ａ １９８ ５４ ５７３号に記載される２−オキソテトラヒドロ−１，３−オキサジン及びそれの誘導体、独国特許出願Ａ １９８ ５４ ５７４号に記載されるＮ−アシル−２−オキサゾリドン、独国特許出願Ａ １０２ ０４ ９３７号に記載される環状ウレアーゼ、独国特許出願Ａ １０３ ３４ ５８４号に記載される二環式アミドアセタール、欧州特許出願第Ａ １ １９９ ３２７号に記載されるオキセタン及び環状ウレアーゼ、並びに国際特許第ＷＯ ０３／０３１４８２号に記載されるモルホリン−２，３−ジオン及びそれの誘導体を含む。

超吸収性ポリマー又はその粒子は、コーティング剤でコーティングされる又は部分的にコーティングされる等の表面修飾を有してもよい。コーティングされた吸収性ポリマー粒子の例はＰＣＴ国際公開特許ＷＯ２００９／１５５２６５に開示されている。コーティング剤は、吸収性ポリマー粒子をより親水性にするようなものであってもよい。例えば、それはエーロシルのような親水性（すなわちヒューム度）シリカであってもよい。コーティング剤は、粒子上にエラストマーの（弾性の）膜コーティングを形成する弾性ポリマー、又は膜形成ポリマー、又は弾性膜形成ポリマー等のポリマーであってもよい。コーティングは、吸収性ポリマー粒子の表面上の均質な及び／又は均一なコーティングであってもよい。コーティング剤は０．１％〜５％のレベルで塗布されてもよい。

超吸収性ポリマー粒子は、４５μｍ〜４０００μｍの範囲の粒径、特に、４５μｍ〜約２０００μｍ、約１００μｍ〜約１０００μｍ、又は〜約８５０μｍの範囲の粒径分布を有し得る。粒子状の材料の粒径分布は、当該技術分野において既知のように、例えば、乾式篩分け分析試験（ＥＤＡＮＡ ４２０．０２「Ｐａｒｔｉｃｌｅ Ｓｉｚｅ ｄｉｓｔｒｉｂｕｔｉｏｎ」）によって決定され得る。

本明細書のいくつかの実施形態では、例えば、超吸収性材料は、例えば欧州特許出願第Ａ−０６９１１３３号に説明される方法で測定できるように、最大で２ｍｍ、５０μｍ〜２ｍｍ又は１ｍｍ、好ましくは１００、２００、３００、４００又は５００μｍ、若しくは〜１０００、〜８００、又は〜７００μｍの質量中央粒径の粒子形態である。本開示のいくつかの実施形態では、超吸収性ポリマー材料は、粒子の形態であり、少なくとも８０重量％は、５０μｍ〜１２００μｍのサイズであり、上記のその範囲の組み合わせの間の質量中央粒径を有する粒子である。加えて、又は本開示の別の実施形態において、前記粒子は、本質的に球体である。本開示の更に別の又は更なる実施形態において、超吸収性ポリマー材料は、比較的狭い範囲の粒径を有し、例えば粒子の大多数（例えば少なくとも８０重量％、少なくとも９０重量％、又は更には少なくとも９５重量％）は、５０μｍ〜１０００μｍ、１００μｍ〜８００μｍ、２００μｍ〜６００μｍの粒径を有する。

本明細書の吸収性構造体（１３）は、吸収性部材（５０）が支持、固定された支持シート（１６）を有する。追加の材料は、支持シート（１６’）であっても、それを備えるものであってもよく、以下の内容は同様に当該支持シート（１６’）に当てはまる。

この支持シート（１６）は、のちに個別の吸収性構造体（１３）に分割される個別シート又はウェブ材料であってもよく、詳細には、紙、フィルム、織布若しくは不織布、又はこれらのうちのいずれかの積層体であってもよい。

本明細書における幾つかの実施形態では、支持シート（１６）は、不織布、例えば、不織布ウェブ（カード不織材、スパンボンド不織布又はメルトブローン不織布、及びこれらのうちのいずれかの不織布積層体を含む等）である。

繊維は、天然繊維であっても人工繊維であってもよく、ステープル若しくは連続フィラメントでもよく、又はその場で形成されたものでもよい。市販の繊維は、通常、約０．００１ｍｍ未満〜約０．２ｍｍ超の範囲の直径を有し、幾つかの異なる形態、つまり、短繊維（ステープル繊維又は細断繊維として知られる）、連続単繊維（フィラメント又はモノフィラメント）、連続フィラメントの撚っていない束（トウ）、及び連続フィラメントの撚り束（編み糸）で提供される。繊維は、例えば異なるポリマーが鞘とコアとを形成する、例えば芯鞘型複合繊維であってもよい。不織布繊維は、メルトブロー法、スパンボンド法、溶剤紡糸法、電界紡糸法、及びカード法等、多くのプロセスによって形成することができる。不織布繊維の坪量は、通常、平方メートル毎グラム（ｇｓｍ）で表される。

本明細書における不織布は、親水性繊維から作製されてもよく、「親水性」は繊維又は繊維の表面を説明するものであり、これらの繊維等は、これらの繊維上に付着した水性流体（例えば、水性体液）によって湿る可能性がある。親水性及び湿潤性は、典型的には、接触角度、及び例えば不織布布地を通過する流体のしみ出し時間に関して定義される。これに関しては、「Ｃｏｎｔａｃｔ Ａｎｇｌｅ，Ｗｅｔｔａｂｉｌｉｔｙ ａｎｄ Ａｄｈｅｓｉｏｎ」と題する、Ｒｏｂｅｒｔ Ｆ．Ｇｏｕｌｄにより編集された、Ａｍｅｒｉｃａｎ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｓｏｃｉｅｔｙの刊行物（Ｃｏｐｙｒｉｇｈｔ １９６４）に詳述されている。繊維、又は繊維の表面は、流体と繊維若しくはその表面との間の接触角が９０°未満のとき、又は流体が繊維の表面全体に自然に広がる傾向があるときに流体によって濡らされる（すなわち、親水性）といわれ、通常は両方の条件が共存する。逆に、接触角が９０°より大きい場合及び流体が繊維の表面全体に自然に広がらない場合は、繊維又は繊維の表面は疎水性とみなされる。

本明細書における支持シート（１６）は、通気性であってもよい。したがって、本明細書において有用なフィルムは微小孔を含み得る。本明細書における不織布は、例えば、通気性であってもよい。支持シート（１６）は、ＥＤＡＮＡ法１４０−１−９９（１２５Ｐａ、３８．３ｃｍ^２）によって決定される空気透過率が、４０又は５０〜３００又は２００ｍ^３／（ｍ^２×分）のものであってもよい。或いは支持シート（１６）は、空気透過性がより低いものであってもよく、例えば、真空を含む可動面上により良好に保持されるように、例えば、空気不透過性であってもよい。

いくつかの実施例では、支持シート（１６）は、例えば、ＳＭＳ又はＳＭＭＳタイプの不織布積層体材料、不織布積層体ウェブである。

該起伏を容易に形成するために、支持シート（１６）は、６０ｇｓｍ未満、又は例えば、５０ｇｓｍ未満、例えば、５ｇｓｍ〜４０ｇｓｍ若しくは３０ｇｓｍである坪量を有してもよい。

支持シート（１６）は、ＣＤ延伸性又はＭＤ延伸性を有してもよい。

本明細書の一実施形態では、支持シート（１６）は、前記第１及び第２チャネル（２６）更に任意で前記追加のチャネル又はその一部内に（起伏状態で）折り込まれる起伏を有する。例えば、起伏はチャネルの長手方向寸法全体に亘って延在してもよく、例えば吸収性層（１７）／チャネルの平均高さ全体に延在してもよく、又はその７５％まで延在してもよく、又は吸収性層（１７）／チャネルの平均高さの５０％まで延在してもよい。これにより、前記チャネル（２６）に隣接する吸収性材料（５０）と前記層の前記チャネル（２６）との固定が促進される。

起伏は、前記チャネル（２６）の前記壁に、例えば前記第２接着剤材料のような前記１つ又は２つ以上の接着剤材料に接着されてもよい。これに代えて又は加えて、前記チャネル（２６）内で、支持シート（１６）は例えば前記第１及び／又は第２接着剤により、例えば第２支持シート（１６）のような前記追加材料に接着されてもよい。

吸収性コア（１３）は、１つ又は２つ以上の接着剤材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第１接着剤（４０）は、支持シート状に吸収性材料を固定する繊維状網状組織を形成する繊維であってもよい。

本明細書での吸収性コア（１３）は、１つ又は２つ以上の吸収性材料を備えてもよい追加の第２吸収性構造体を備えてもよく、以下の内容が同様に該当する。

これには、任意の好適な接着剤を使用でき、例えば、いわゆるホットメルト接着剤を使用できる。例えば、Ｈ．Ｂ．Ｆｕｌｌｅｒ Ｃｏ．（Ｓｔ．Ｐａｕｌ，ＭＮ）製造番号ＨＬ−１６２０−Ｂ等の噴霧可能なホットメルト接着剤が使用され得る。

接着剤材料は、吸収性材料の支持シートへの固定だけでなく、更に使い捨て物品の保管中及び／又は使用中に、吸収性構造体吸収性コア内のチャネルの形状維持にも供される。接着剤材料は、大量の吸収性材料がチャネル内に移動することを阻止することに供される。更に、後段で詳述するように、接着材料がチャネル内又は支持シートのチャネルに一致する部分に塗布される場合、それは吸収性構造体の支持シートを当該壁及び／又は追加の材料に接着することに供されてもよい。

特定の実施形態では、第１の接着材（４０）及び／又は第２の接着材（６０）は、熱可塑性接着材料であってもよい。

いくつかの実施形態では、第１接着剤（４０）は、支持シート上に吸収性材料を固定する繊維状網状組織を形成する繊維であってもよい。
熱可塑性接着繊維は、吸収性構造体の支持シートに部分的に接してもよく、チャネルにも塗布される場合、それは（更に）吸収性層を支持シートに固定する。

熱可塑性接着材料は、例えば、破断を伴わずに、また吸収性ポリマー粒子の膨張を抑制する大きな圧縮力を付与せずに、このような膨張を可能にすることができる。本開示で使用するのに適した熱可塑性接着材料（４０；６０）は、少なくとも熱可塑性ポリマーを、可塑剤、及び粘着付与樹脂等の他の熱可塑性希釈剤、及び抗酸化剤等の添加剤と一緒に含むホットメルト接着剤を包含する。代表的な好適なホットメルト接着材料（４０；６０）は、欧州特許第１４４７０６７（Ａ２）号に記載されている。いくつかの実施形態において、熱可塑性ポリマーは、１０，０００分子量超（Ｍｗ）、及び室温未満、又はー６℃＞Ｔｇ＜１６℃のガラス転移温度（Ｔｇ）を有する。いくつかの実施形態において、ホットメルト内におけるポリマーの濃度は、約２０重量％〜約４０重量％の範囲内にある。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは水の影響を受けないものでもよい。例示的なポリマーは、Ａ−Ｂ−Ａ三元ブロック構造、Ａ−Ｂ二元ブロック構造、及び（Ａ−Ｂ）ｎ放射状ブロックコポリマー構造を含む（スチレン）ブロックコポリマーであり、Ａブロックは、典型的にはポリスチレンを含む非エラストマーポリマーブロックであり、Ｂブロックは、不飽和共役ジエン又はその（部分的に）水素添加物である。Ｂブロックは一般的に、イソプレン、ブタジエン、エチレン／ブチレン（水素添加ブタジエン）、エチレン／プロピレン（水素添加イソプレン）、及びこれらの混合物である。

用いることができる他の好適な熱可塑性ポリマーとして、シングルサイト触媒又はメタロセン触媒を使用して調製されるエチレンポリマーであるメタロセンポリオレフィンがある。その場合、少なくとも１種類のコモノマーをエチレンと重合して、コポリマー、ターポリマー、又はより高次のポリマーを調製することができる。同様に使用可能なものとして、非晶質ポリオレフィン、又はＣ２〜Ｃ８のアルファオレフィンのホモポリマー、コポリマー又はターポリマーである非晶質ポリアルファオレフィン（ＡＰＡＯ）がある。

典型的にはホットメルト接着剤材料である熱可塑性接着剤材料は、一般に繊維の形態で存在する、即ち、ホットメルト接着剤は繊維に分解されることができる。幾つかの実施形態では、熱可塑性接着剤材料は、吸収性ポリマー粒子上に繊維性網状組織を形成する。典型的には、繊維は、約１μｍ〜約１００μｍ、又は約２５μｍ〜約７５μｍの平均厚さ、及び約５ｍｍ〜約５０ｃｍの平均長さを有することができる。特に、ホットメルト接着剤材料の層は、網状構造を含むように用意され得る。特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料は、支持シート（１６）当たり、０．５〜３０ｇ／ｍ^２、１〜１５ｇ／ｍ^２、又は１〜１０ｇ／ｍ^２、又は更には１．５〜５ｇ／ｍ^２の量で塗布されてもよい。

本開示で用いるのに好適な接着剤の典型的なパラメータは、１未満又は０．５未満の値の６０℃での損失角ｔａｎ δであり得る。６０℃での損失正接Δは、高い室温での接着剤の液体特性と関連がある。ｔａｎ δが低くなればなるほど、接着剤は液体よりも固体のような特性を示し、即ち流れ又は移動する傾向がより低下し、本明細書に記載の接着剤超格子構造が劣化し又は更に経時的に崩懐する傾向は低くなる。したがって、この値は、吸収性物品が高温気候下で使用される場合、特に重要であり得る。

例えばプロセス上の理由及び／又は性能上の理由から、熱可塑性接着剤は、ＡＳＴＭ Ｄ３２３６−８８により、１７５℃において、２７．２０ｐｍｐのスピンドルで２０分の予備加熱、及び１０分間の攪拌を使用して測定可能な、８００〜４０００ｍＰａ・ｓ、又は１０００ｍＰａ・ｓ、若しくは１２００ｍＰａ・ｓ、若しくは１６００ｍＰａ・ｓ〜３２００ｍＰａ・ｓ、若しくは３０００ｍＰａ・ｓ、若しくは２８００ｍＰａ・ｓ、若しくは２５００ｍＰａ・ｓの粘度を有することが有益であり得る。

熱可塑性接着剤材料は、ＡＳＴＭ Ｅ２８−９９（Ｈｅｒｚｏｇ法、グリセリン使用）で測定可能な、６０℃〜１５０℃、又は７５℃〜１３５℃，又は９０℃〜１３０℃、或いは１００℃〜１１５℃の温度の軟化点を有してもよい。

本明細書における一実施形態では、熱可塑性接着剤成分は親水性であり、ＡＳＴＭ Ｄ ５７２５−９９で測定した場合に９０°未満、又は８０°未満、又は７５°未満、或いは７０°未満の接触角を有していてもよい。

本発明の吸収性物品は、吸収性コアチャネルの機能と利点を消費者に伝達する標識を備えてもよい。そのような標識の非限定的な例は、印刷接着剤層、バックシート図柄、トップシート及び／又は捕捉層のエンボス加工、及びその組み合わせを含んでもよい。

印刷接着剤層は、チャネルの存在と利点を伝達するために使用できる標識の一種である。いくつかの実施形態では、コアにチャネルを持つ物品は、チャネルの吸収性やその他利点を示すパターン状に塗布された接着剤の層を有してもよい。この接着剤層は、支持層やいくつかの実施形態では捕捉層のような、トップシートとチャネルを有する吸収性コア基との間に設けられた基材に塗布されてもよい。いくつかの実施形態では、トップシートを通じて、印刷接着剤層は視認可能である。

いくつかの実施形態では、接着剤のような液体は、移動中の基材に塗布されてもよい。液体塗布装置は、スロットダイ塗布器と基材キャリアを含んでもよい。スロットダイ塗布器はスロット開口部と、第１リップと、第２リップとを含んでもよく、スロット開口部は、第１リップと第２リップとの間に設けられる。基材キャリアは１つ又は２つ以上のパターン要素を含んでもよく、接着剤を基材に吐出するスロットダイ塗布器を通過するように基材を移動させるように構成されてもよい。動作の際、基材の第１表面が基材キャリア上に設けられている場合、基材キャリアはスロットダイ塗布器のスロット開口部を通過するように第２表面を移動させる。そして、基材は断続的にスロットダイ塗布器とパターン要素のパターン表面との間で断続的に加圧される。基材が断続的に加圧されている際、スロットダイ塗布器から吐出された接着剤は、移動する基材の第２表面の、パターン表面により定義された形状とほぼ同一の形状を持つ領域に塗布される。いくつかの実施形態では、接着剤は基材と色が異なっていてもよい。接着剤は顔料又は染料であってもよい。移動する基材に対して、所定のパターンで接着剤を塗布することに関わるその他方法及び装置が、米国特許第８，１８６，２９６号に開示されている。いくつかの実施形態では、基材に印刷される液体は、接着剤を含まないインクであってもよい。

本明細書で使用される「パターン」という用語は、必ずしも反復型又は模倣式ではない装飾的又は特徴的デザインを意味し、以下のものを含むが、それらに限られない。大理石模様、市松模様、まだら模様、縞模様、幾何学模様、ブチ模様、らせん模様、渦巻き模様、整列型、まだら型、凹凸模様、スパイラル型、円形、輪郭付形状、レース模様、モザイク模様、星形、羽状、稲妻模様、ブロック状、凹凸状、プリーツ型、カップ状、凹状、凸状、編み型、テーパード状、及びその組み合わせ。印刷された接着剤層の曲線により、チャネルの１つ又は２つ以上の利点を消費者に通知してもよい。例えば、チャネルはより心地よい箇所に液体を分布させる導管であってもよく、トップシートを通じて介護者に視認可能な印刷接着剤層が物品の流体分布を通知又は伝達してもよい。

上述のように、本発明の吸収性構造体は通常、吸収性層を覆う追加の材料層のような、１つ又は２つ以上の追加の材料を有する。この層は、例えば吸収性構造体の吸収性層に接触する表面上の接着剤を含んでもよい。したがって、追加の材料は吸収性構造体の前記吸収性層に隣接して設けられる表面上の接着剤材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、追加の材料層は、接着剤がパターン状の外観を形成するように印刷された捕捉材料層であってもよい。したがって、接着剤は吸収性コアに隣接する捕捉層の表面上に印刷される。チャネルを持つ吸収性コアと、吸収性コアに隣接した捕捉層の表面に印刷された、印刷接着剤層に加えて、物品は更にトップシートを有してもよく、印刷接着剤層はトップシートを通じて視認可能である。いくつかの実施形態では、（インク又はインク付き接着剤）の印刷は、トップシートそのものになされてもよく、印刷される物質がインクの場合、デジタル印刷で印刷が行われてもよい。

いくつかの実施形態では、吸収性物品はバックシートに印刷された絵柄を含んでもよい。吸収性コアが流体を含むと、吸収性物質はバックシートに向けて垂直に膨張するが、吸収性物質を含まないチャネルは膨張しない。

この違いは、流体が吸収され、凹みが形成されると、チャネルがよりバックシートを通じて認識しやすくなるという点で有用である。これら凹みは吸収性物品が流体を吸収するにつれ、より明確となる。

バックシート側のチャネルで形成されたこれら凹みの深さは、吸収された流体の量に比例し、発明者らは、チャネルの領域に対応する、又は少なくとも介護者にそれを示すバックシート印刷を提供することで、介護者に対してより優れた外観がもたらされることを見出した。バックシート印刷は、チャネルの形状及び／又は位置に略一致する線又は曲線を含んでもよい。

バックシート絵柄は、同様に介護者にチャネルの属性を通知してもよい。いくつかの実施形態では、チャネルの視覚的通知は、バックシート印刷のみによりなされてもよい。いくつかの実施形態では、バックシート印刷は、チャネルの形状と輪郭に近似する曲線、線又はその他パターンであってもよい。いくつかの実施形態では、物品は印刷接着剤層とバックシート絵柄の両方を備えてもよく、その組み合わせは協同で又はそれぞれ独立してチャネルの特定の態様を強調させる。

上述の線の相対的長さは、比率として表現されてもよく、厳密であっても、プラスマイナス２％，３％，４％，５％，７％，１０％，１２％，１５％，１７％，２０％，２２％，２５％，２７％，３０％の許容誤差を持って表現されてもよく、単独又はその他長さ比率と組み合わせで表現されてもよく、許容誤差に対応する割合が加えられた後、長さは最も近い整数又は５の倍数に繰り上げられてもよい。

更に、いくつかの実施形態では、内部チャネルを視覚的に通知する絵柄は外部チャネルそのものの領域外及び／又は吸収性コアが存在する領域には延在せず、いくつかの実施形態では、内部チャネルを視覚的に通知する絵柄は内部及び外部チャネルそのものの領域及び／又は吸収性コアが存在する領域には延在しない。

更に、物品はエンボス加工のようなその他の又は追加の、吸収性コアチャネルを通知する視覚的目印を含んでもよい。エンボス加工はトップシート又は吸収性コア上に施してもよく、又はいくつかの実施形態では、トップシートと吸収性コアの両方に施された複数層エンボス加工を実施してもよい。例えば、熱エンボス加工を間隔が短く設定されたチャネル（超吸収性ポリマーを含まない）全体に施して視覚的存在感を増してもよい。吸収性コアチャネルの通知を促進するため、あらゆるエンボス加工を単独又は印刷との組み合わせで実施してもよい。更に、ライン作業中（吸収性物品の構成部品の組み立て中）又は当該組み立て前に、例えば構成部品の供給業者が構成部品そのものを製造する現場にて、トップシート、コア、又はその両方にあらゆるエンボス加工を施してもよい。

いくつかの実施形態では、印刷接着剤層又はバックシート印刷は、吸収性コアの大部分又は全体を網羅するパターンであってもよい。

別の実施形態では、印刷された接着剤層又はバックシートは、別々の領域にのみ印刷されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、印刷された接着剤層又はバックシート印刷は吸収性コアチャネルに重ならないよう又は交差しないように印刷されてもよい。本明細書で用いられる「重なる」という用語は、ある領域の一部を覆うこと、又は共通の領域を設けることを意味する。本明細書で使用するとき、用語「交差する」とは、互いに横断、若しくは交差する、又は狭まって融合する、物品を意味する。

吸収性物品構成要素（図柄吸収性物品構成要素を含む）がその他吸収性物品構成要素に取り付けられた際に正しい向きを向くことを保証するため、位置合わせを行ってもよい。位置合わせは、吸収性物品構成要素の位置を検出し、当該位置を設定点（操作者の所望の位置又は機会が設定した位置であってもよい）に対して比較するシステムを使用することを含んでもよい。システムは、上記比較に応じて吸収性物品構成要素の位置を調整してもよい。例えば、吸収性コアチャネルと印刷された接着剤層の位置を検出し、長さ制御システムにより、印刷された接着剤層の反復長を異ならせてもよい（米国特許第６，４４４，０６４号及び第６，９５５，７３３号に記載）。或いは、構成要素の、構成要素の長手又は縦方向位置を検出し、吸収性物品の所望の位置に対して制御するシステムを使用してもよく、第１構成要素が所望の位置に設けられることを保証するため、次に第１構成要素の第２構成要素への取り付けが発生する位置を異ならせてもよい。これは、複数の検出に基づき、平均位置、所望の位置からのずれを使用して、又は全発生よりも低い頻度で検出を行うことで実施可能である。更に、システムは第１吸収性物品構成要素上の第１位置と、第２吸収性物品構成要素上の第２位置とを検出し、第１位置と第２位置とを互いに比較し、設定点又は所望のずれ位置に対して比較してもよい。システムは、上記比較に応じて第１及び／又は第２吸収性物品構成要素の位置を調整してもよい。検出方法を組み合わせて使用してもよい。いくつかの実施形態では、印刷及び吸収性コアチャネルの視覚的印象を最適化するために位置合わせを行ってもよい。

いくつかの実施形態では、印刷された吸収性層、バックシート図柄又はいくつかの組み合わせのようなあらゆる印刷は、吸収性コアチャネルの形状又は輪郭に一致又はほぼ一致してもよい。いくつかの実施形態では、印刷は吸収性コアチャネルの形状又は輪郭に必ずしも一致又は重ならないが、それ以外の形でチャネルの存在及び／又は利点を使用者に伝達又は通知する。

本明細書における吸収性構造体（１３）又は吸収性コア（７）は、上述のような吸収性物品、特に固締可能おむつ（１）を含むおむつ（１）及び再固締可能な、幼児又は大人用のトレーニングパンツ又は生理用ナプキン又は成人用失禁下着パッドのような吸収性パッドに有用である。

吸収性物品は、本明細書で説明したような吸収性構造体（１３）又は吸収性コア（７）に加えて、トップシート及びバックシート、並びに例えば１つ又は２つ以上のサイドフラップ又はカフを含んでもよい。トップシート又はカフ又はサイドフラップは、当該技術分野では周知のスキンケア組成物又はローション若しくはパウダー、米国特許第５，６０７，７６０号、同第５，６０９，５８７号、同第５，６３５，１９１号、同第５，６４３，５８８号に述べられるものを含むパネルを含み得る。

本明細書における物品は、例えば不織布シートのような使用時に着用者に面するトップシート、及び／又は、当該技術分野において既知の孔あき成型フィルム等の孔あきシート、及びバックシートを含む。

バックシートは、当該技術分野において既知であるように、液体不浸透性であってもよい。いくつかの実施形態において、液体不透過性バックシートは、約０．０１ｍｍ〜約０．０５ｍｍの厚さを有する、熱可塑性フィルム等の、薄いプラスチックフィルムを含む。好適なバックシート材料は、典型的には通気性材料を含み、これは、蒸気をおむつ（１）から逃す一方で、依然として排出物が、バックシートを通過することを阻む。好適なバックシートフィルムとしては、インディアナ州テレホート所在のトレデガー・インダストリーズ社（Tredegar Industries Inc．）が製造する、Ｘ１５３０６、Ｘ１０９６２及びＸ１０９６４の商品名で販売されるものが挙げられる。

バックシート又はその任意の部分は、１つ又は２つ以上の方向に弾性的に延伸可能なものでもよい。バックシートは、当技術分野において既知の任意の付着手段によって、トップシート、本明細書の吸収性構造／コア、又はおむつの任意の他の要素に取り付けられ又は接合されてもよい。

本明細書におけるおむつは、レッグカフ及び／又はバリアカフを含んでもよい。すなわち物品は、対向するサイドフラップ及び／又はレッグカフ及び／又はバリアカフのペアを有し、ペアのそれぞれは、吸収性構造体又はコアの長手方向の片側に隣接して配置され、該構造体又はコアに沿って長手方向に延在し、通常、物品の長手方向において互いに対称となる。レッグカフ及びバリアカフが存在する場合には、各レッグカフは、通常、バリアカフから外側に配置される。カフは、物品の長さの少なくとも７０％に沿って長手方向に延びてもよい。カフは、物品のＸ−Ｙ平面（長手方向／横断方向）の外に、即ち、ｚ方向に、配置され得る自由な長手方向縁部を有してもよい。一対のサイドフラップ又はカフは、物品の長手方向軸において互いの鏡像であってもよい。カフは弾性材料を含み得る。

本明細書におけるおむつは、ウェストバンド、又は例えば弾性材料を含み得る前部ウェストバンド及び後部ウェストバンドを含み得る。

おむつ（１）は、サイドパネル、又はいわゆるイヤーパネルを含んでもよい。おむつ（１）は、前部及び後部、例えば前部及び後部のウェストバンドを締着するための締着手段を含んでもよい。締結装置は、締結タブが、おむつ（１）の後側区域に取り付けられ又は接合され、ランディング領域が、おむつの前側区域の一部分である、締結タブ及びランディング領域を含み得る。

捕捉層及び／又は捕捉材料層は吸収性構造体（１３）に組み合わされてもよく、吸収性コア（７）又はおむつ（１）に含まれてもよく、そのシステムは化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。このような架橋されたセルロース繊維は、所望の吸収特性を有し得る。代表的な化学的に架橋されたセルロース繊維については、米国特許第５，１３７，５３７号に開示されている。特定の実施形態では、化学的に架橋されたセルロース繊維は、グルコース単位に基づいて約０．５ｍｏｌ％〜約１０．０ｍｏｌ％のＣ_２〜Ｃ_９ポリカルボン酸架橋剤、又は約１．５ｍｏｌ％〜約６．０ｍｏｌ％のＣ_２〜Ｃ_９ポリカルボン酸架橋剤により架橋される。クエン酸は代表的な架橋剤の１つである。他の実施形態では、ポリアクリル酸を使用することもできる。更に、特定の実施形態によれば、架橋されたセルロース繊維は約２５〜約６０、又は約２８〜約５０、又は約３０〜約４５の保水値を有する。保水値を求めるための方法については、米国特許第５，１３７，５３７号に開示されている。特定の実施形態によれば、架橋されたセルロース繊維は、捲縮、撚糸、若しくはカールさせるか、又は捲縮、撚糸、及びカールさせることを含むこれらの組み合わせを行うことができる。

ある実施形態では、上部捕捉層及び下部捕捉層の一方又は両方は、不織布を含んでもよく、不織布は親水性であってもよい。更に、ある実施形態によると、上部捕捉層及び下部捕捉層の一方又は両方は、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよく、これらセルロース繊維は不織布材料の一部を形成しても形成しなくてもよい。代表的な実施形態によると、上部捕捉層は、架橋されたセルロース繊維を有さない不織布を含んでもよく、下部捕捉層は、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。更に、一実施形態によると、下部捕捉層は、天然又は合成高分子繊維等の他の繊維と混合された、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。代表的な実施形態によれば、このような他の天然又は合成ポリマー繊維としては、表面積の大きな繊維、熱可塑性結合繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ＰＥＴ繊維、レーヨン繊維、リオセル繊維、及びこれらの混合物を挙げることができる。上部及び下部捕捉層に好適な不織布材料にはスパンボンド、メルトブロー及び更なるスパンボンド層を含むＳＭＳ材料が挙げられるが、限定ではない。特定の実施形態では、永久的に親水性の不織布、特に耐久的に親水性のコーティングを有する不織布が望ましい。別の好適な実施形態は、ＳＭＭＳ構造体を含む。特定の実施形態では、不織布は多孔質である。

おむつ（１）は更に、身体***物を受容、及び分配、及び／又は固定することが可能な、トップシートと、吸収性構造体（１３）／吸収性コア（７）との間に配置される副層を含んでもよい。好適な副層としては、当該技術分野では周知の、捕捉層、サージ層、及び／又は糞便物貯蔵層がある。副層として使用するのに好適な材料としては、大径気泡連続発泡体、マクロ孔質耐圧縮性不織布嵩高品、連続及び独立気泡発泡体の大粒子成形物（マクロ及び／又はミクロ孔質）、嵩高不織布、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン発泡体若しくは粒子、多数の垂直配向の、ループ状繊維ストランドを含む構造、又は生殖器カバーシートに関して上述したような孔あき成形フィルムを含んでもよい。（本明細書で使用するところの「ミクロ多孔質」なる用語は、毛管作用により液体を輸送することが可能であるが、５０マイクロメートルよりも大きい平均孔径を有する材料を指す。「マクロ孔質」なる用語は、流体を毛管輸送するには大きすぎる小孔を有し、一般的には直径が約０．５ｍｍ（平均）よりも大きい小孔を有し、より詳細には直径が約１．０ｍｍ（平均）よりも大きいが、通常は１０ｍｍ未満、又は更には６ｍｍ未満（平均）の小孔を有する材料のことを指す。

吸収性物品又はおむつ（１）を組み立てる方法は、使い捨て吸収性物品を構築及び構成するための当該技術分野における既知の従来の技術を含む。例えば、バックシート及び／又はトップシートは、接着剤の均一な連続層、接着剤の模様付き層、又は接着剤の別個の線、螺旋、又は点の配列により、吸収性コアに結合させるか、又は互いに結合させることができる。条件を満たすと見出された接着剤は、Ｈ．Ｂ．Ｆｕｌｌｅｒ Ｃｏｍｐａｎｙ（Ｓｔ．Ｐａｕｌ，Ｍｉｎｎｅｓｏｔａ）によって、ＨＬ−１２５８又はＨ−２０３１の名称で製造されている。トップシート、バックシート、及び吸収性コア（１３）は様々な周知の構造で組み立てられることができ、好ましいおむつ（１）の構造は、概して１９９６年９月１０日に公開された、Ｒｏｅらによる米国特許第５，５５４，１４５号（発明の名称「複数ゾーン構造ゴム様膜ウェブ伸縮腰部機能付き吸収性物品」）、１９９６年１０月２９日に公開された、Ｂｕｅｌｌらによる米国特許５，５６９，２３４号（発明の名称「使い捨てプルオンパンツ」）、１９９９年１２月２１日に公開された、Ｒｏｂｌｅｓらによる米国特許６，００４，３０６号（発明の名称「多方向伸縮サイドパネル付き吸収性物品」）に記載されている。

上述のように、チャネルと、チャネルの存在を伝達する印刷標識を有する吸収性コアを備える吸収性物品の提供が求められている。更に、当該伝達を促進するために、チャネルと印刷された通知の特定の組み合わせを最適化することを可能とすることも求められている。

発明者らは、下敷き（図４ａに示す）とパターン一覧（図４ｂに示す）という２つの要素を有する通知を提供することを考えた。通知そのものは、接着剤、インク、又はその両方、又は接着剤とインクの混合物を含んでもよい。

しかし、吸収性物品の大量生産についての技術面とコスト面での実現可能性を満たした上で、介護者に対して十分な視覚的外観を持つ下敷きとパターン部の組み合わせを探す試みには困難を伴う。良好な工程能力、技術的製品性能を示し、更に確実な消費者伝達が可能な吸収性コアを提供するにあたり、チャネルの最も内側の輪郭線Ｄ間の距離が重要となり得る。輪郭線Ｄ間の距離が小さすぎると、製品装着及び材料包装により、工程能力が悪影響を受ける場合がある。更に、遅い捕捉速度により、製品性能が悪影響受ける可能性もある。接着剤除去のために十分な接触が得られず、工程能力が悪影響を受ける可能性があり、それにより汚染が生じる。更に、パターンが一貫して視認可能でないことそして色彩強度が低いことにより、消費者への伝達が悪影響を受ける可能性もある。

更に、良好な工程能力、技術的製品性能を示し、更に確実な消費者伝達が可能な吸収性コアを提供するにあたり、接着剤塗布面積が重要となり得る。接着剤塗布面積が小さすぎると、処理中のパッチの制御を維持するのに接着剤塗布範囲が不足することで、工程能力が悪影響を受ける可能性がある。更に、消費者のメッセージを伝達するのに十分な接着剤パターンが得られず、消費者による伝達が悪影響を受ける可能性もある。接着剤塗布面積が大きすぎると、処理を一貫して実施するのに接着剤が多すぎることで、工程能力が悪影響を受ける可能性がある。更に、吸収性についての通知がなくなってしまうことにつながり、消費者による伝達が損なわれる可能性もある。

図５ａ及び５ｂに示すような組み合わせは、視覚的条件は満たすが、技術面で実現性に欠ける。例えば、これらデザインは輪郭線間の空白のスペースが、例えば２５ｍｍを超えるほど広すぎ、製造の観点から実現困難と考えられる。つまり、このデザインでは接着剤によるパターン範囲が１５％未満であるため、吸収性物品構成要素を互いにつなぎ留めておくには接着剤の量が不十分である可能性があり、更に中央線の製造の困難となり得る。

図６ａ及び６ｂに示すような組み合わせは、視覚的条件は満たし、技術面にも実現可能である。例えば、これらデザインは接着剤の配置及び量のバランスが取れており、吸収性物品層構成要素が互いに十分接着でき、更に良好な流体処理と処理工程が可能となるものと考えられる。例えば、これらデザインは輪郭線間の空白のスペースが、例えば１５ｍｍ〜２５ｍｍとなり、製造の観点から実現可能と考えられる。つまり、このデザインは接着剤によるパターン範囲が１５％〜３０％となり、吸収性物品層構成要素が互いに接着することが十分可能な量の接着剤を適切に設けることができ、更に例えば約１５０Ｎの力を（ノズルから基材＋プレート）に付与する基準条件のため、中央線が確立していることから、製造にも適し得る。

図７ａ及び７ｂに示すような組み合わせは、視覚的条件を満たさず、技術面でも実現性に欠ける。例えば、これらデザインは背景と塗り潰しパターン間で十分なコントラストが得られないものと考えられる。つまり、このデザインでは接着剤によるパターン範囲が３０%を超えるため、適切な流体処理を実現するには接着剤が多すぎ、更に中央線の困難さ製造の困難となり得る。

このように、本発明のいくつかの実施形態では、輪郭線の内最も近接した組の間の距離は、約１０ｍｍ〜約３０ｍｍ、約１５ｍｍ〜約２５ｍｍ、約１８ｍｍ〜約２２ｍｍ、約２５ｍｍ未満、約１０ｍｍ超、約１５ｍｍ超である。

このように、本発明のいくつかの実施形態では、印刷された吸収性層を含む接着剤の量は、接着剤を有するパターン範囲が約１０％〜約３５％、約１５％〜約３０％、約２０％〜約２５％、約３５％未満、約３０％未満、約１０％超、約１５％超となるように設定される。

本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に指定のない限り、それぞれのかかる寸法は、記載された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「４０ｍｍ」と開示された寸法は、「約４０ｍｍ」を意味することを意図する。

本明細書で引用されているあらゆる文献は、あらゆる相互参照特許又は関連特許を含め、明示的に除外されたり、別段に限定されたりしている場合を除き、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、或いは他の任意の参照文献との任意の組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、この文献における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により取り入れられた文献における同じ用語のいずれかの意味又は定義と相容れない場合は、この文献においてその用語に割り当てられた意味又は定義に従うものとする。

本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正をなすことができることが当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。

Claims (6)

1. 吸収性物品であって、
   トップシートと、バックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に設けられた吸収性コアと、前記トップシートと前記吸収性コアとの間に設けられた印刷接着剤層とを備える吸収性物品であって、
   前記吸収性コアはチャネルを備え、
   前記印刷接着剤層は前記トップシートを通じて視認可能であり、
   前記印刷接着剤層の少なくとも一部は、前記吸収性物品の縦方向に長く延びる輪郭線の１組又は２組以上によるパターンを形成し、各組は、その幅方向の中心で前記縦方向に延びる前記吸収性物品の軸線に対して互いに対称となり、
   輪郭線の内最も内側の組の間の距離が１５ｍｍ〜２５ｍｍ、又は印刷接着剤層内の接着剤の量は、前記接着剤のパターン占有率が１５％〜３０％となるように設定される量であり、
   前記トップシートと前記吸収性コアとの間に設けられた捕捉層を更に備え、前記印刷接着剤層は前記捕捉層に印刷され、
   前記印刷接着剤層は、前記捕捉層の色とは、異なる色であり、
   前記捕捉層は、吸収性コアに隣接する表面を有し、前記印刷接着剤層は、前記捕捉層の吸収性コアに隣接する前記表面上に印刷される、
   吸収性物品。
2. 前記吸収性コアチャネルは輪郭を有し、前記印刷接着剤層は前記吸収性コアチャネルの前記輪郭に実質的に一致する、請求項１に記載の吸収性物品。
3. 前記吸収性物品は前記バックシートに印刷された図柄を更に有する、請求項１又は２に記載の吸収性物品。
4. 前記バックシートに印刷された前記図柄は、前記印刷接着剤層の前記パターンに実質的に一致する、請求項３に記載の吸収性物品。
5. 前記トップシートはエンボス部を有する、請求項１〜４のいずれか一項に記載の吸収性物品。
6. 前記チャネルと印刷された接着剤層のパターンは重ならない、請求項１〜５のいずれか一項に記載の吸収性物品。

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