JP6158940B2 - スプレー装置を備えるエアロゾルヘアスプレー製品 - Google Patents

Description

エアロゾルヘアスプレー製品であって、この製品は、ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を格納するためのリザーバ２０４を囲む容器壁２０１を備える加圧可能な容器１１８と、容器１１８のリザーバ２０４からヘアスタイリング配合物を分注するために容器１１８に取り付けられたスプレー装置であって、このスプレー装置は弁２０５と、ノズルと、を備え、この弁は弁体１１３と、ステム１０７と、ばね手段１０８と、を備え、弁体１１３はインサート１０９を収容し、このインサートはインサートオリフィス１０９ａと、少なくとも２つのチャネル１１０ａ、１１０ｂと、を備え、チャネル１１０ａ、１１０ｂはインサートオリフィス１０９ａに関して接線方向に配置され、弁体１１３は少なくとも２つの蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂを備え、インサートオリフィス１０９ａは、リザーバ２０４内のヘアスタイリング配合物と流体連通することができる、スプレー装置と、を備える。

ヘアスプレーなどのヘアスタイリング製品は、異なるヘアスタイルを達成し、ある期間、適所に毛髪の房を保持するために使用される。一般的には、ヘアスプレーは、ヒトの毛髪などのケラチン含有繊維に適用するとき、繊維間接合部を形成する、膜形成ポリマーを含む。これらの結合は、一緒に繊維を「接着」させて、ヘアスタイルに保持を付与する。

エアロゾルヘアスプレー製品は、通常、耐圧容器、ノズル、噴射剤、及びヘアスタイリング配合物を含む。ヘアスプレー組成物は、通常、エアロゾルを形成するノズルを介して、そのような製品から放出される。例えば、米国特許出願公開第２００９／０１０４１３８Ａ１号を参照されたい。アルコールは、通常、例えば、表面張力を軽減させるために、ヘアスタイリング配合物中に使用される。しかしながら、高比率のアルコールは、毛髪の乾燥を感じさせ、傷みやすくさせる場合があり、一部のアルコールは、一部のユーザにアレルギー反応を起こす場合がある。加えて、エタノールは、環境に蓄積し、環境面での懸念を生じさせ得る、ＶＯＣ（揮発性有機化合物）である。エタノールはまた、引火性である。

米国特許第５，３０４，３６８Ａ号におけるＳｈｅｒｎｏｖら（以下「Ｓｈｅｒｎｏｖ」という）は、所定の寸法、具体的には、蒸気タップ及びステムオリフィスのサイズの作動式弁からの送達によってエアロゾル容器の総補充品として使用される、非発泡性かつ非粘性である、アルコールを含まない水性加圧毛髪固定スプレー製品に関する。米国特許出願公開第２０１３／００６８８４９Ａ１号におけるＢｉｒｋｅｌら（以下「Ｂｉｒｋｅｌ」という）は、毛髪スタイリング及び／又は整髪用エアロゾルヘアスプレー製品であって、容器と、スプレー装置と、噴射剤と、ヘアスタイリング配合物と、を含み、このヘアスタイリング配合物は、（ａ）少なくとも約５０％の水と、（ｂ）約０．０１％〜約２０％のヘアスタイリングポリマーであって、（メタ）アクリル酸又はそれらの単純なエステルであるモノマーの２つ以上のモノマーのアクリレートコポリマー；ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、エチルアクリレート、及びヒドロキシエチルメタクリレートのアクリレート／ヒドロキシエステルアクリレート（acrylateslhydroxyesters）コポリマー；ポリウレタン−１４／ＡＭＰ−アクリレートポリマーブレンド；並びにこれらの混合物からなる群から選択されるヘアスタイリングポリマーと、を含む製品に関する。米国特許出願公開第２００９／０１２４９６１Ａ１号におけるＨａｒｍａｎ（以下「Ｈａｒｍａｎ」という」）は、１．８ＭＰａの圧力において２００〜２７５℃の範囲のＨＤＴ（熱変形温度）を有するポリフェニレンスルホン（ＰＰＳＵ）などポリマー材料の弁体を有する、蒸気滅菌可能なエアロゾル弁に関する。

米国特許出願公開第２００９／０１０４１３８Ａ１号 米国特許第５，３０４，３６８Ａ号 米国特許出願公開第２０１３／００６８８４９Ａ１号 米国特許出願公開第２００９／０１２４９６１Ａ１号

したがって、より環境に配慮し、より環境を壊さずに利用可能であり、より刺激の低い、より手頃なヘアスプレー製品に対するニーズが常に存在する。しかしながら、エアロゾルヘアスプレー製品の１つ以上の特徴を変更することは、それらの間の相互関係が製品性能に影響を及ぼすため、困難であり得る。例えば、異なる噴射剤を使用すると、パッケージ作動圧力の許容不能な低下が生じることがあり、これにより、使用時の製品湿潤性、乾燥時間、粒径分布が増加し、その結果として満足できない保持力をもたらす。

したがって、前述のニーズを考慮すると、かかる改善されたヘアスプレーの設計時には、良好なヘアスプレー性能が維持されるべきである。性能上の利益には、例えば、保持力に優れる、保持時間が長い、耐湿性が良い、成形しやすい、乾燥時間が許容範囲である、髪触りが自然で柔軟性に優れる、手及び毛髪のべたつきが許容範囲であり及び／又はべたつかないことが包含され得る。特に消費者に関連性があるのは、べたつきのない優れた保持力及び許容範囲内の乾燥時間である。

第１の態様によると、本発明は、エアロゾルヘアスプレー製品に関し、この製品は、
ｉ．ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を格納するためのリザーバ２０４を囲む容器壁２０１を備える加圧可能な容器１１８と、
ｉｉ．ヘアスタイリング配合物であって、ヘアスタイリング配合物が、
（ａ）ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約３０重量％〜約６０重量％の水と、
（ｂ）ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約７重量％〜約１５重量％のヘアスタイリングポリマーであって、水溶性であるヘアスタイリングポリマーと、
（ｃ）ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約２重量％未満のアルコール（好ましくは、アルコールを実質的に含まない）と、を含む、ヘアスタイリング配合物と、を含み、
噴射剤を含まないヘアスタイリング配合物が、０．５ｍｍ ^２ ／秒（０．５ｃＳｔ）〜６ｍｍ ^２ ／秒（６ｃＳｔ）の運動粘度を有し、粘度が２０℃＋／−０．１℃で測定される、ヘアスタイリング配合物と、
ｉｉｉ．容器１１８のリザーバ２０４からヘアスタイリング配合物を分注するために容器１１８に取り付けられたスプレー装置であって、このスプレー装置は弁２０５と、ノズルと、を備え、この弁は弁体１１３と、ステム１０７と、ばね手段１０８と、を備え、弁体１１３はインサート１０９を収容し、このインサートはインサートオリフィス１０９ａと、少なくとも２つのチャネル１１０ａ、１１０ｂと、を備え、チャネル１１０ａ、１１０ｂはインサートオリフィス１０９ａに関して接線方向に配置され、弁体１１３は少なくとも２つの蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂを備え、インサートオリフィス１０９ａは、リザーバ２０４内のヘアスタイリング配合物と流体連通することができ、インサートオリフィス（１０９ａ）が０．５００ｍｍ（０．０２０インチ）〜１．７７８ｍｍ（０．０７０インチ）の直径を有する、スプレー装置と、を備える。

第２の態様によると、本発明は、毛髪のスタイリングを行うための、第１の態様による製品の使用法に関する。

第３の態様によると、本発明は毛髪のスタイリング方法に関し、
ｉ．第１の態様による製品を準備する工程と、
ｉｉ．ある送達量で製品に噴霧させる工程であって、この送達量は約０．２５ｇ／秒〜約０．４５ｇ／秒であり、放出組成物は噴霧され、放出組成物は、少なくとも約３５マイクロメートルの平均粒径分布（Ｄｖ５０）を有する粒子を含む、工程と、を含む。

原位置にあるエアロゾル弁の分解組立図を示す。 チャネルを明確に見ることができるようにインサートの下面を示す。Ｂ部分では、２つのインサートが並んで図示される。 容器に固定された弁を示す。 Ｓｈｅｒｎｏｖの分析であり、圧力（Ｙ軸、ｐｓｉｇ単位）と缶の残存内容物の割合（Ｘ軸、％）との関係を示す。５つの異なるグラフ（１〜４及び５）が示される。缶１では、製品は、３４％のＤＭＥ（噴射剤）と、７．２％のヘアスタイリング配合物と、を含む。缶２では、製品は、４０％のＤＭＥと、７．２％のヘアスタイリング配合物と、を含む。缶３では、製品は、３４％のＤＭＥ（噴射剤）と、６．１５％のヘアスタイリング配合物と、を含む。缶４では、製品は、４０％のＤＭＥ（噴射剤）と、６．１５％のヘアスタイリング配合物と、を含む。缶５は、Ｓｈｅｒｎｏｖで開示された、第５欄の下部の表に従って作成されたグラフである。

定義及び一般的考察
本発明の全ての実施形態において、全ての百分率は、特に記載のない限り、全組成物（又は配合）の重量に基づく。全ての比率は、特に記述のない限り、重量比である。全ての範囲は、包含的であり、かつ組み合わせ可能である。有効数字の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に指示がない限り、全ての数量は、「約」という単語によって修飾されるものと理解される。特に指示がない限り、全ての測定は、２５℃において周囲条件で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、約１気圧及び相対湿度約５０％における条件を意味する。列挙された成分に関連する重量は全て、有効濃度に基づいており、特に明記しない限り、市販の材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。単位「ｇ」はグラムを意味する。単位「ｍｉｃｒｏｎ」はマイクロメートルを意味する。「ＱＳ」あるいは「ＱＳＰ」は、１００％に対応する十分な数量を意味する。＋／−は標準偏差を示す。０．０１インチ＝０．２５４ｍｍであり、１ｍｍ＝０．０３９インチである（矛盾が存在する場合、インチでの測定値が決定的である）。

本明細書では、「含む」は、最終結果に影響しない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語は、用語「からなる」及び「から本質的になる」を包含する。本発明の組成物、方法、使用法、キット、及びプロセスは、本明細書で説明される、本発明の必須要素及び制約、並びに本明細書で説明される、追加成分若しくは任意成分、構成要素、工程、又は制約のいずれをも含み、それらからなり、本質的にそれらからなることができる。

量の範囲が記載されている場合、これらは、通常、指定の化合物（の群）の合計量に関する。例えば、「組成物は約０．１％〜約２０％のエチレン性モノマーを含む」は、組成物中のエチレン性モノマーの合計量（異なるかかるモノマーの混合物を含む）は、指定範囲内である必要がある。

用語「実質的に含まない」は、本明細書で使用するとき、組成物又は製剤の総重量に基づいて約１％未満、約０．８％未満、約０．５％未満、約０．３％未満、又は約０％を意味する。

「毛髪」とは、本明細書で使用するとき、頭皮の毛、顔面の毛、及び身体の毛を含む、哺乳類の毛を意味し、より好ましくは、ヒトの頭部及び頭皮上の毛を意味する。「毛幹」とは個々の毛髪の房を意味し、「毛髪」という用語と互換的に用いてよい。

本明細書で使用するとき、用語「美容的に許容可能な」は、説明される組成物、製剤、又は成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応性などを伴わず、ヒトのケラチン組織と接触させて使用するのに好適であることを意味する。本明細書で説明され、ケラチン組織に直接適用するという用途を有する全ての組成物及び製剤は、美容的に許容可能であるものに制限される。

本明細書で使用するとき、「誘導体」として所定の化合物のアミド誘導体、エーテル誘導体、エステル誘導体、アミノ誘導体、カルボキシル誘導体、アセチル誘導体、酸誘導体、塩誘導体及び／又はアルコール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。

本明細書で使用するとき、「モノマー」とは、開始剤の存在下で重合可能な個別の重合していない状態の化学的部分を意味する。本明細書で使用するとき、「エチレン性モノマー」は、オレフィン性炭素−炭素二重結合（Ｃ＝Ｃ）を含有し、開始剤の存在下で重合することができる化学種を意味する。

本明細書で使用するとき、「ポリマー」は、２つ以上のモノマーの重合によって形成される化学物質を意味する。本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」は、モノマーの重合、並びに天然ポリマーによって作製される全ての材料を含むものとする。１種のモノマーのみから作製されるポリマーは、ホモポリマーと呼ばれる。ポリマーは、少なくとも２つのモノマーから構成される。２種以上の異なる種類のモノマーから作製されるポリマーは、コポリマーと呼ばれる。異なるモノマーの分布は、統計的に又はブロックごとに計算することができ、本発明には双方とも適応する可能性がある。特に明記される場合を除いて、本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」は、ホモポリマー及びコポリマーを含むいかなる種類のポリマーも含む。

本明細書で使用するとき、用語「水溶性」は、十分に水に可溶性であり、２５℃の水中で材料の０．１重量％の濃度において裸眼で単一相溶液を形成する、任意の材料を指す。水溶性を実現するためには、水への材料の添加後に、混合物のｐＨ調整又は混合物の完全な中和が必要な場合がある。これらの方法は、例えば、水溶性ヘアスタイリングポリマー塗布産業において周知であり、通常、供給された材料サンプルを使用して指示される。水溶性は、通常、以下の手順で測定される。０．１重量％の材料を２５℃の蒸留水に添加し、必要に応じてｐＨ調整剤（pH adjusted）／中和剤を添加する。これを、６００ｒｐｍに設定した電磁撹拌器上で３０分間激しく撹拌する。次いで、溶液を１時間静置し、裸眼で相の数を観察する。例えば、その他の点では単相溶液である溶液中に任意の固形物が見える場合、２相と見なされる。

本明細書で使用するとき、用語「非水溶性」は、「水溶性」ではない任意の材料を指す。

用語「分子量」又は「Ｍ．Ｗｔ．」は、本明細書で使用するとき、特に記述のない限り、数平均分子量を指す。

「キット」は、本明細書で使用するとき、複数の構成要素、すなわち、キットオブパーツを含む包装単位を意味する。キットの例は、例えば、第１の組成物と、切り離して包装された第２の組成物とである。別のキットは、方法を含む塗布指示書と、組成物／製剤とを含み得る。

本明細書に記載されている実施形態及び態様は、他の実施態様及び／又は態様の要素又は成分を含むか又はこれらを組み合わせることが可能であるが、別段明記しない限り又は不相容性が明示されてされない限り、それらを組み合わせて明白に例証されない。

本発明の説明
ヘアスプレー消費者及びプロスタイリストは、許容範囲の性能を有する、入手可能なアルコール系ヘアスプレーのみを有する。本発明によって提供されるように、超低アルコール又はアルコールを含まないヘアスプレーの利益としては、より純粋な香り（アルコール臭不在のため）、観察される毛髪乾燥度の低下、及び毛髪を痛める効果の低減が挙げられる。更に、かかるスプレーは、より安全であり、より環境に配慮しており、より健康的に使用できる。本発明者らは、これらの新しい利益が、当初及び長時間の保持力、べたつかない、自然な毛髪の見た目及び髪触り、並びに放出組成物で毛髪を過剰に湿潤させ、その重みで毛髪を垂れ下げることなく、所望の当初ヘアスタイルを維持することなど、消費者及びスタイリストによって期待されるヘアスプレーの主たる利益に対していかなる欠点も提供することがないように、本発明のヘアスプレーを適合させた。ヘアスプレー塗布による過剰湿潤と、当初及び長期間の保持力を積極的に提供するスタイリングである、十分なヘアスタイリング（すなわち、膜形成）ポリマーの塗布とのバランスを取ることは困難である。アルコール系ヘアスプレーでは、アルコールは空気中に素早く蒸発するために、これは極めて小さい問題である。したがって、超低アルコール又はアルコールを含まないヘアスプレーの開発についてこのバランスを達成できるのは、配合物とスプレー特性との固有の組み合わせである。

消費者及びスタイリストが使い慣れているアルコール系ヘアスプレーと比較して同様の保持力水準を提供するために、本発明者らは、驚くべきことに、アルコール系ヘアスプレーと同様の範囲のヘアスタイリングポリマー量を毛髪に送達し、同時に、ヘアスタイリング配合物中の揮発性アルコールの代わりに高濃度の水が存在するために、より少ない総放出組成物を毛髪に送達して、過剰湿潤又は許容範囲外の長時間の乾燥時間を回避することが重要であることを見出した。アルコールを含まないヘアスプレー、特に定評のある、信頼性の高い性能をとりわけ缶の寿命にわたって有するヘアスプレーはほとんど存在しないため、これは、ヘアスプレー分野における新たな問題である。本発明者らは、毛髪に送達される水の全重量がヘアスプレー性能にとって重要であることを見出した。水分が多すぎると、乾燥時間が許容範囲外に長くなり、毛髪の内部イオン性相互作用を中断させて、毛髪が伸びて、所望のスタイルを失わせる過剰湿潤を生じさせる。典型的なアルコール系ヘアスプレーは、放出される組成物の合計量の３重量％〜４０重量％の水を送達する。超低アルコール又はアルコールを含まない本発明のヘアスプレーは、放出される組成物の合計量の約３０％〜６０％の水を送達してよく、したがって、毛髪に送達される水の合計量は、本明細書に記載のより低い噴霧量によって管理される必要がある。本発明者らは、水系ヘアスプレーの優れた性能は、ヘアスタイリング配合物中のヘアスタイリングポリマー濃度及びヘアスタイリング配合物の粘度を最適化して、特定の噴霧特性、具体的には送達量及び粒径分布を実現することにより実現できることを見出した。本発明者らの研究プログラムは、消費者及びスタイリストによって許容される優れた性能を実現するために水系ヘアスプレーが収まるべき範囲を定めた。

アルコール系ヘアスプレーの世界では、保持力を提供するために最終製品中でポリマー濃度を高くする必要はない。これは、毛髪を不利に過剰湿潤させることなく、送達量を増加させることによって、多量のポリマーを毛髪に送達できるからである。実際、文献には、優れた保持力は、アルコール系溶媒との関連においてのみ実現可能であるという先入観が存在する。したがって、本明細書に開示される本発明は、アルコール系ヘアスプレーに関する文献を水系ヘアスプレーに再適用できないため、複雑なバランスである。本発明のヘアスプレー配合物では、より少ない全噴霧量（特に水溶媒）を毛髪に送達する、したがって、消費者にとって同様の経済価値をなお維持する、特定の噴霧特性を通じて送達される処方ポリマー濃度の特定の組み合わせを使用して、従来のアルコール系ヘアスプレーのように期待される当初保持力、乾燥時間、並びに髪触りを維持する本発明の送達量及び粒径分布で、同水準の保持力、すなわちヘアスタイリングポリマーが毛髪に提供される。

本発明の特徴及び好ましい特徴の詳細については、以下に記載する。以下の説明は、準用される本発明の第１の態様及び他の態様に適用され、これらに好適である。

製品
第１の態様によると、本発明はエアロゾルヘアスプレー製品に関する。この製品は、ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤のためのリザーバを備える容器と、容器に取り付けられたスプレー装置と、を備える、エアロゾルヘアスプレー製品に関する。少なくとも１つの実施形態では、この製品は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約５０重量％〜約６５重量％のヘアスタイリング配合物、又は約５５重量％〜約６０重量％のヘアスタイリング配合物を含む。少なくとも１つの実施形態では、この製品は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約３５重量％〜約５０重量％の噴射剤、又は約４０重量％〜約４５重量％の噴射剤を含む。本明細書で使用するとき、特に明記しなくても、ヘアスタイリング配合物の詳細は、噴射剤とある程度混合する容器内に配置される前の配合物を指す。これは、噴射剤が液化ガス噴射剤であるためである。噴射剤の詳細について記載される場合も、特に明記しない限り、同様である。

この製品はエアロゾルヘアスプレー製品であり、したがって、ムース製品又は任意のポンプスプレー製品を含まない。

少なくとも１つの実施形態では、エアロゾルヘアスプレー製品は放出組成物を噴霧するためのものであり、この放出組成物は、４０マイクロメートル〜１００マイクロメートル、又は約６０マイクロメートル〜約９０マイクロメートルの平均粒径分布（Ｄｖ５０）を有する粒子からなる。少なくとも１つの実施形態では、エアロゾルヘアスプレー製品は、ある送達量で噴霧するためのものであり、この送達量は、約０．２５ｇ／秒又は約２８ｇ／秒〜約０．４５ｇ／秒である。

ヘアスタイリング配合物
この製品は、ヘアスタイリング配合物を含む。このヘアスプレー製品は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約２重量％未満のアルコールを含むか、又はアルコールを実質的に含まない。少なくとも１つの実施形態では、このヘアスタイリング配合物は、エタノール、イソプロパノール、及びプロパノールを実質的に含まない。少なくとも１つの実施形態では、このヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約１．８重量％以下、又は１．５重量％以下、又は約１重量％以下のアルコールを含む。少なくとも１つの実施形態では、このヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約１．８重量％以下、又は１．５重量％以下、又は約１重量％以下の脂肪族アルコールを含む。本明細書中に用いられている「脂肪族アルコール」は、芳香族基を含まないアルコールを意味する。超低濃度のアルコールを超えた場合はいずれも、毛髪を乾燥した感触の傷みやすい状態に放置し得、一部のアルコールは、一部のユーザにアレルギー反応を発生させ得るため、アルコールの量は重要である。加えて、エタノールを含有するエアロゾル製品は、環境面での懸念（例えば、エタノールはＶＯＣである）を有し得る。また、アルコールは、安全面での懸念（例えば、エタノールは引火性である）を有し得る。

粘度
少なくとも１つの実施形態では、噴射剤を含まないヘアスタイリング配合物は、約６ｍｍ²／秒（６ｃＳｔ）以下の運動粘度を有し、この粘度は２０℃＋／−０．１℃で測定される。ヘアスタイリング配合物の粘度が高すぎる場合、ヘアスタイリング配合物が濃厚になりすぎて、噴霧できない、かつ／又は目詰まりを起こすため、運動粘度は重要であり得る。非均質な放出組成物は、例えば、不規則なスプレイビーム、つまり噴霧ではなく「吹き返し」、及び／又は塊の放出をもたらす。運動粘度は、ウベローデ管によって測定される。運動粘度は、流体流に対する抵抗の測定値であり、その密度で除した絶対粘度に等しい。運動粘度のＳＩ単位は、ｍ²・ｓ^-1である。運動粘度のｃｇｓ（センチメートル／グラム／秒）物理単位は、ストーク（Ｓｔ）であり、センチストークス（ｃＳｔ）単位で表され得る。１ｃＳｔ＝１ｍｍ²・ｓ^-1＝１０^-6ｍ²・ｓ^-1。２０℃の水は、約１ｍｍ²／ｓ（１ｃＳｔ）の運動粘度を有する。ウベローデ管は、ＡＳＴＭ Ｄ ４４５及びＤ ４４６並びにＩＳＯ ３１０４及び３１０５に記載されるように、懸垂液面法によって透明ニュートン液体の運動粘度を測定するための粘度計である。ウベローデ管測定では、結果に対する温度の影響はない。他の運動粘度計では、指定の試験範囲と異なる温度は、結果に影響し得る。本明細書において、測定は、２０℃＋／−０．１℃で行った。この方法は、約０．６ｍｍ²／秒〜１００ｍｍ²／秒（約０．６ｃＳｔ〜１００ｃＳｔ）の測定に使用できる。ウベローデ粘度計の使用法に関する指示は、ＡＳＴＭ Ｄ ４４５を参照されたい。２０℃＋／−０．１℃において０．６〜３ｍｍ²／秒（０．６〜３ｃＳｔ）の粘度には、ウベローデ管サイズ０Ｃを使用する。２０℃＋／−０．１℃において２〜１０ｍｍ²／秒（２〜１０ｃＳｔ）の粘度には、ウベローデ管サイズ１を使用する。ＡＳＴＭ Ｄ４４５は、「Ｓｔａｎｄａｒｄ Ｔｅｓｔ Ｍｅｔｈｏｄ ｆｏｒ Ｋｉｎｅｍａｔｉｃ Ｖｉｓｃｏｓｉｔｙ ｏｆ Ｔｒａｎｓｐａｒｅｎｔ ａｎｄ Ｏｐａｑｕｅ Ｌｉｑｕｉｄｓ」である。ＡＳＴＭ Ｄ ４４６は、「Ｓｐｅｃｉｆｉｃａｔｉｏｎｓ ａｎｄ Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎｓ ｆｏｒ Ｇｌａｓｓ Ｃａｐｉｌｌａｒｙ Ｋｉｎｅｍａｔｉｃ Ｖｉｓｃｏｍｅｔｅｒｓ」である。

少なくとも１つの実施形態では、噴射剤を含まないヘアスタイリング配合物の運動粘度は、約０．５ｍｍ²／秒、又は約１ｍｍ²／秒、又は約１．２５ｍｍ²／秒、又は約１．５ｍｍ²／秒、又は約１．７５ｍｍ²／秒、又は約１．８ｍｍ²／秒〜約５．５ｍｍ²／秒、又は約５ｍｍ²／秒、又は約４．５ｍｍ²／秒、又は約４ｍｍ²／秒、又は約３．５ｍｍ²／秒、又は約３ｍｍ²／秒、又は約２．５ｍｍ²／秒、又は約２．３ｍｍ²／秒、又は約２．２ｍｍ²／秒、又は約２．１ｍｍ²／秒、又は約２．０ｍｍ²／秒（約０．５ｃＳｔ、又は約１ｃＳｔ、又は約１．２５ｃＳｔ、又は約１．５ｃＳｔ、又は約１．７５ｃＳｔ、又は約１．８ｃＳｔ〜約５．５ｃＳｔ、又は約５ｃＳｔ、又は約４．５ｃＳｔ、又は約４ｃＳｔ、又は約３．５ｃＳｔ、又は約３ｃＳｔ、又は約２．５ｃＳｔ、又は約２．３ｃＳｔ、又は約２．２ｃＳｔ、又は約２．１ｃＳｔ、又は約２．０ｃＳｔ）である。

送達量
少なくとも１つの実施形態では、送達量は０．２５ｇ／秒〜約０．４５ｇ／秒である。本明細書に記載のエアロゾルヘアスプレー製品の送達量は、ＡＳＴＭ Ｄ３０６９−９４「Ｓｔａｎｄａｒｄ Ｔｅｓｔ Ｍｅｔｈｏｄ ｆｏｒ Ｄｅｌｉｖｅｒｙ Ｒａｔｅ ｏｆ Ａｅｒｏｓｏｌ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ」に従って測定される。この試験では、製品の送達量は、所定の時間に放出された質量を測定することにより測定される。これは、所定の時間内で弁とアクチュエータとの組み合わせから排出された材料の量と相関する。この場合、缶は室温（２１℃）で、２秒間〜１０秒間の作動時間で試験された。次いで、送達量は、以下の式によって決定される。
送達量（ｇ／秒）＝質量放出（ｇ）／作動時間（秒）

送達量が約０．４５ｇ／秒を超える場合、毛髪上の乾燥時間は、消費者にとって長すぎて、満足しないであろう。従来のアルコール系ヘアスプレーと比較すると、これは、本発明の水系ヘアスプレーに固有のものである（揮発性アルコールを含有する、典型的な従来のヘアスプレーは、約０．５５ｇ／秒〜０．８５ｇ／秒の送達量を有する）。送達量は、通常、容器内部の圧力を変更することにより（圧力の増加は、より高速の送達量と相関する）、及び／又はスプレー装置内のオリフィス（ノズルのオリフィス、弁のオリフィス、及びディップチューブの内径）を変更することにより調整できる。通常、より小さい直径は、より遅い送達量と相関する。加えて、髪に送達される放出組成物の量はまた、ヘアスタイリング配合物対噴射剤の比率を変更することにより調整できる。ヘアスタイリング配合物に対して噴射剤の量を増加させると、噴射剤は配合物よりも低い密度を有するため、より高い噴射剤送達量及びより低い製品噴霧量を有するスプレーをもたらす。少なくとも１つの実施形態では、送達量は、約０．２６ｇ／秒、又は約０．２７ｇ／秒、又は約０．２８ｇ／秒、又は約０．２９ｇ／秒、又は約０．３０ｇ／秒、又は約０．３１ｇ／秒、又は約０．３２ｇ／秒、又は約０．３３ｇ／秒、又は約０．３４ｇ／秒、又は約０．３５ｇ／秒、又は約０．３６ｇ／秒、又は約０．３７ｇ／秒、又は約０．３８ｇ／秒、又は約０．３９ｇ／秒、又は約０．４０ｇ／秒〜約０．４４ｇ／秒、又は約０．４３ｇ／秒、又は約０．４２ｇ／秒、又は約０．４１ｇ／秒、又は約０．４０ｇ／秒、又は約０．３９ｇ／秒、又は約０．３８ｇ／秒である。

粒径分布
少なくとも１つの実施形態では、放出組成物は噴霧される。放出組成物は、少なくとも約３５マイクロメートルの平均粒径分布（Ｄｖ５０）を有する粒子を含む／からなる。この粒子は、ヘアスタイリング配合物を含む液滴である。平均粒径分布（Ｄｖ５０）は、消費者の許容範囲である必要がある、放出組成物の乾燥時間という観点で重要である。実際、より多くの粒子がより高い表面積対体積の比を有する（つまり、より短い乾燥時間を意味する）という点で、より小さい平均粒径分布（Ｄｖ５０）は有用である。一方、平均粒径分布（Ｄｖ５０）が低すぎると、スポット溶接をもたらすために十分なヘアスタイリングポリマーが毛髪に提供されないことを意味する。粒径分布の測定には、Ｍａｌｖｅｒｎ Ｓｐｒａｙｔｅｃ計器が使用される。Ｄｖ５０は、サンプル体積の５０％がこれよりも下の粒径を有する最大粒径を説明する用語であり、体積による中央粒径としても知られる。Ｍａｌｖｅｒｎ Ｓｐｒａｙｔｅｃ計器は、スプレー粒子のサイズを測定するためにレーザー回折法を使用する。スプレーを通過するレーザー光として散乱光の強度が測定される。次いで、このデータが分析されて、散乱パターンを形成した粒子のサイズを算出する。Ｍａｌｖｅｒｎ Ｓｐｒａｙｔｅｃ ２０００は、製造者の指示に従って使用される。試験サンプルは、２０℃〜２２℃の温度を有する。

少なくとも１つの実施形態では、放出組成物は、約３５マイクロメートル、又は約４０マイクロメートル、又は約４５マイクロメートル、又は約５０マイクロメートル、又は約５５マイクロメートル、又は約６０マイクロメートル〜約１４０マイクロメートル、又は約１２０マイクロメートル、又は約１１０マイクロメートル、又は約１００マイクロメートル、又は約９０マイクロメートル、又は約８５マイクロメートル、又は約８０マイクロメートル、又は約７５マイクロメートル、又は約７０マイクロメートル、又は約６５マイクロメートルの平均粒径分布（Ｄｖ５０）を有する粒子を含む／からなる。

水
ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約３０重量％〜約６０重量％の水を含む。水は、ヘアスタイリングポリマー及びヘアスタイリング配合物中の他の成分に溶媒を提供するため、重要である。水は、容易に入手可能である、極めて手頃である、環境を壊さずに利用可能であり、環境に配慮するという利点を有する。例えば、水はＶＯＣではない。更に、ヘアスタイリング配合物に有用な多数の成分が水に溶解する。すなわち、水溶性であり、これは別の利点である。少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約３３重量％、又は約３４重量％、又は約３５重量％、又は約３６重量％、又は約３７重量％、又は約３６重量％、又は約３８重量％、又は約３９重量％、又は約４０重量％、又は約４１重量％、又は約４２重量％、又は約４３重量％、又は約４４重量％、又は約４５重量％〜約５８重量％の水、又は約５７重量％、又は約５６重量％、又は約５５重量％、又は約５４重量％、又は約５３重量％、又は約５２重量％、又は約５１重量％、又は約５０重量％、又は約４９重量％、又は約４８重量％の水を含む。

ヘアスタイリングポリマー
ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約５．０重量％〜約１５重量％のヘアスタイリングポリマーを含む。ヘアスタイリングポリマーの量は、保持性能と毛髪上の湿潤性とのバランスを取る際に重要である。ヘアスタイリングポリマーの量は、保持性能を押し上げるが、最大噴霧可能粘度によって制約される。少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約５．５重量％、又は約６重量％、又は約７重量％、又は約８重量％、又は約９重量％〜約１４重量％、又は約１３重量％、又は約１２重量％、又は約１１重量％、又は約１０重量％のヘアスタイリングポリマーを含む。これらの量は、ヘアスタイリング配合物中のヘアスタイリングポリマーの合計量であってよい。

好ましいヘアスタイリングポリマー又はヘアスタイリングポリマーの混合物は、噴射剤の添加前に測定したときに、約６ｍｍ²／秒（６ｃＳｔ）以下の粘度をもたらす水溶性ヘアスタイリングポリマーである。次いで、ヘアスタイリングポリマーのこの水系ヘアスタイリング配合物は、液化ガス噴射剤と共に容器内で加圧される。圧力が解放されると、液体は、水及びヘアスタイリングポリマーに加えて、任意の任意成分を伴って噴出する。したがって、製品の噴霧時に均質の放出組成物が毛髪に送達されるためには、加圧された缶内のヘアスプレー配合物及び液化ガス噴射剤の均質混合物が極めて望ましい。均質性は、缶の加圧直後、又は加圧中に生じ得る。これはまた、製品の噴霧前に缶を振ることによっても実現し得る。例えば、他のエアロゾル製品（ムースなど）では、噴射剤が缶内の残存配合物に対して不溶性であることが一般的である。本発明の好ましいヘアスタイリングポリマー及びヘアスタイリングポリマーの混合物は、加圧された缶内で水及び液化ガス噴射剤と混合されたときに均質混合物を形成できる性能に基づいて選択される。

少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーは、水及び液化ガス噴射剤と均質混合物を形成するヘアスタイリングポリマーから選択される。少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーは、水及びジメチルエーテルと均質混合物を形成するヘアスタイリングポリマーから選択される。本明細書において「均質混合物」は、単一相を有する混合物を意味する。したがって、均質混合物の成分は、混合物全体で同一割合を有する。

本発明によるヘアスタイリングポリマーは、任意の水溶性膜形成ポリマー又はかかるポリマーの混合物であってよい。これには、ヒドロキシル基、アミン基、アミド基、又はカルボキシル基などポリマーを水溶性にする官能基を有する、天然又は合成起源のホモポリマー又はコポリマーが含まれる。

少なくとも１つの実施形態では、水溶性ヘアスタイリングポリマーは、特許請求の範囲の範囲で水中で希釈されると、透明又は半透明の安定溶液を形成する。特定のポリマー型に応じて、ポリマーを水に添加して水溶性を実現した後に配合物のｐＨの調整又は配合物の中和が必要であり得る。これらの方法は、水溶性ヘアスタイリングポリマー塗布産業において周知であり、通常、供給されたポリマーサンプルを使用して指示される。ヘアスタイリングポリマーは、２つの型、すなわち、（全体的に）合成ポリマー及び天然産物（及びこれらの化学修飾した誘導体）に分類でき、更に、３つの主要項目（天然起源ポリマー、半合成ポリマー、完全合成ポリマー）に分けることができる。少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーは、カチオン性ヘアスタイリングポリマー、アニオン性ヘアスタイリングポリマー、非イオン性ヘアスタイリングポリマー、及び両性ヘアスタイリングポリマーから選択される。ヘアスタイリングポリマーの分子量は、噴射剤を含まないヘアスタイリング配合物が指定の粘度要件範囲を満たすようにするべきである。少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーは、直鎖又は分枝鎖である。

少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーは、カチオン性ヘアスタイリングポリマー又はカチオン性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、四級化アクリレート又はメタクリレート；ビニルイミダゾールの第四級ホモポリマー又はコポリマー；第四級ジメチルジアリルアンモニウムクロリド（dimethdiallyl ammonium chloride）を含むホモポリマー又はコポリマー；非セルロース系カチオン性多糖類；カチオン性セルロース誘導体；キトサン及びその誘導体；並びにこれらの混合物からなる群から選択される。

少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、四級化アクリレート又はメタクリレートから選択される。少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、ａ）四級化ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド（例えば、四級化ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド）；又は四級化ジアルキルアミノアルキルアクリレート（例えば、四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート）のうちの少なくとも１つと、ｂ）ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどビニルラクタム；低級アルキル基（Ｃ１〜Ｃ４）によって窒素が置換されても置換されなくてもよい、アクリルアミド、メタクリルアミド（例えば、Ｎ−ｔｅｒｔブチルアクリルアミド）；アクリル酸及び／又はメタクリル酸のエステル（例えば、Ｃ１〜Ｃ４アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ｔｅｒｔ−ブチルアクリレート、及びこれらのメタクリレート誘導体）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたアクリレートエステル（例えば、ポリ（エチレングリコール）アクリレート）；ヒドロキシエステルアクリレート（例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート）；ヒドロキシアルキル化アクリルアミド；アミノアルキル化アクリルアミド（例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド）；アルキルアクリルアミン（例えば、ｔｅｒｔ−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート）；アルキルエーテルアクリレート（例えば、２−エトキシエチルアクリレート）；エチレン、スチレンなどモノエチレン性モノマー；ビニルエステル（例えば、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニル、ビニルｔｅｒｔ−ブチル−ベンゾエート）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル；ビニルエーテル；ハロゲン化ビニル；フェニルビニル誘導体；並びにアルキルエステル又はメタリルエステルからなる群から選択される１つ以上のモノマーと、を含むコポリマーである。対イオンは、メトサルフェートアニオン、又は塩化物若しくは臭化物などハロゲン化物のいずれかであってよい。

少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、ビニルイミダゾールの第四級ホモポリマー又はコポリマーである。少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、ａ）四級化ビニルイミダゾール（vinylimizazole）と、ｂ）１つ以上の他のモノマーと、を含むコポリマーである。他のモノマーは、ビニルピロリドンなどビニルラクタム又はビニルピロリドンなどビニルカプロラクタム／ＢＡＳＦによりＬｕｖｉｑｕａｔ ＦＣ−５５０として販売されるものなど四級化ビニルイミダゾール（ＰＱ−１６）；低級アルキル基（Ｃ１〜Ｃ４）によって窒素が置換されても置換されなくてもよい、アクリルアミド、メタクリルアミド（例えば、Ｎ−ｔｅｒｔブチルアクリルアミド）；アクリル酸及び／又はメタクリル酸のエステル（例えば、Ｃ１〜Ｃ４アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ｔｅｒｔ−ブチルアクリレート、及びこれらのメタクリレート誘導体）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたアクリレートエステル（例えば、ポリ（エチレングリコール）アクリレート）；ヒドロキシエステルアクリレート（例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート）；ヒドロキシアルキル化アクリルアミド；アミノアルキル化アクリルアミド（例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド）；アルキルアクリルアミン（例えば、ｔｅｒｔ−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート）；アルキルエーテルアクリレート（例えば、２−エトキシエチルアクリレート）；エチレン、スチレンなどモノエチレン性モノマー；ビニルエステル（例えば、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニル、ビニルｔｅｒｔ−ブチル−ベンゾエート）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル；ビニルエーテル；ハロゲン化ビニル；フェニルビニル誘導体；アルキルエステル又はメタリルエステルからなる群から選択されてよい。対イオンは、メトサルフェートアニオン、又は塩化物若しくは臭化物などハロゲン化物のいずれかであってよい。

少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドを含む。少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、第四級ジメチルジアリルアンモニウムクロリド及び別のモノマーを含む、ホモポリマー又はコポリマーである。かかる他のモノマーは、低級アルキル基（Ｃ１〜Ｃ４）によって窒素が置換されても置換されなくてもよい、アクリルアミド、メタクリルアミド（例えば、Ｎ−ブチルアクリルアミド）；ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどビニルラクタム；アクリル酸及び／又はメタクリル酸のエステル（例えば、Ｃ１〜Ｃ４アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ｔｅｒｔ−ブチルアクリレート、及びこれらのメタクリレート誘導体）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたアクリレートエステル（例えば、ポリ（エチレングリコール）アクリレート）；ヒドロキシエステルアクリレート（例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート）；ヒドロキシアルキル化アクリルアミド；アミノアルキル化アクリルアミド（例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド）；アルキルアクリルアミン（例えば、ｔｅｒｔ−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート）；アルキルエーテルアクリレート（例えば、２−エトキシエチルアクリレート）；エチレン、スチレンなどモノエチレン性モノマー；ビニルエステル（例えば、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニル、ビニルｔｅｒｔ−ブチル−ベンゾエート）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル；ビニルエーテル；ハロゲン化ビニル；フェニルビニル誘導体；アルキルエステル又はメタリルエステルからなる群から選択されてよい。対イオンは、メトサルフェートアニオン、又は塩化物若しくは臭化物などハロゲン化物のいずれかであってよい。

少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、非セルロース系カチオン性多糖類である。少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、トリアルキルアンモニウムカチオン基を含有するものなどグアーガムである。例えば、ＡｓｈｌａｎｄからＮ−Ｈａｎｃｅ ３２６９として入手可能なグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムなど。

少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、カチオン性セルロース誘導体である。少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、第四級アンモニウム（例えば、グリシジルトリメチル（glycidytrimethyl）アンモニウム、メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、又はメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム又はジメチルジアリルアンモニウム塩）を含む水溶性モノマーでグラフトされたヒドロキシアルキルセルロースなどセルロース誘導体（例えば、ヒドロキシメチル−、ヒドロキシエチル−、又はヒドロキシプロピルセルロース）のコポリマーである。例えば、Ａｋｚｏ ＮｏｂｅｌによってＣｅｌｑｕａｔ Ｌ２００として販売されるヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウム（dimethyldiallyammonium）クロリイド［ＰＱ４］など、又はＤｏｗ Ｐｅｒｓｏｎａｌ ＣａｒｅによってＵＣＡＲＥ ＪＲ１２５として販売される四級化ヒドロキシエチルセルロース［ＰＱ１０］など。

少なくとも１つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、キトサン及びその誘導体から選択される。キトサンの誘導体には、キトサンの塩が含まれる。この塩は、キトサン酢酸塩、乳酸、グルタミン酸塩、グルコン酸塩、又は好ましくは少なくとも８０％の加水分解度を有するピロリドンカルボン酸であり得る。好適なキトサンとしては、ＣｏｇｎｉｓによるＨｙｄａｇｅｎ ＨＣＭＦが挙げられる。

少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーは、アニオン性ヘアスタイリングポリマー又はアニオン性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。少なくとも１つの実施形態では、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、カルボン酸又はスルホン酸から誘導される基を含むものから選択される。酸単位を含有するコポリマーは、一般に、部分的に又は全体的に中和された形態、より好ましくは全体的に中和された形態で使用される。少なくとも１つの実施形態では、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、（ａ）アクリル酸などカルボン酸、又はメタクリル酸、若しくはクロトン酸、若しくはこれらの塩、又はＣ４〜Ｃ８モノ不飽和ポリカルボン酸若しくは無水物（例えば、マレイン酸、フマル酸（furamic）、イタコン酸、及びこれらの無水物）から誘導される少なくとも１つのモノマーと、（ｂ）アクリル酸及び／又はメタクリル酸のエステル（例えば、Ｃ１〜Ｃ４アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ｔｅｒｔ−ブチルアクリレート、及びこれらのメタクリレート誘導体）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたアクリレートエステル（例えば、ポリ（エチレングリコール）アクリレート）；ヒドロキシエステルアクリレート（例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート）；低級アルキル基（Ｃ１〜Ｃ４）によって窒素が置換されても置換されなくてもよい、アクリルアミド、メタクリルアミド；Ｎ−アルキル化アクリルアミド（例えば、Ｎ−ｔｅｒｔブチルアクリルアミド）；ヒドロキシアルキル化アクリルアミド；アミノアルキル化アクリルアミド（例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド）；アルキルアクリルアミン（例えば、ｔｅｒｔ−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート）；アルキルエーテルアクリレート（例えば、２−エトキシエチルアクリレート）；エチレン、スチレンなどモノエチレン性モノマー；ビニルエステル（例えば、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニル、ビニルｔｅｒｔ−ブチル−ベンゾエート）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル；ビニルエーテル；ハロゲン化ビニル；フェニルビニル誘導体；アリルエステル又はメタリルエステル；ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどビニルラクタム；アルキルマレイミド、ヒドロキシアルキルマレイミド（例えば、エチル／エタノールマレイミド）からなる群から選択される１つ以上のモノマーと、を含む。存在する場合、これらのポリマーの無水物官能基は、所望によりモノエステル化されるか、モノアミド化され得る。少なくとも１つの実施形態では、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、スルホン酸から誘導されるモノマーを含む。少なくとも１つの実施形態では、アニオン性ポリマーは、（ａ）ビニルスルホン、スチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アクリルアルキルスルホン酸、アクリルアミドアルキルスルホン酸又はこれらの塩などスルホン酸から誘導される少なくとも１つのモノマーと、（ｂ）アクリル酸及び／又はメタクリル酸のエステル（例えば、Ｃ１〜Ｃ４アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ｔｅｒｔ−ブチルアクリレート、及びこれらのメタクリレート誘導体）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたアクリレートエステル（例えば、ポリ（エチレングリコール）アクリレート）；ヒドロキシエステルアクリレート（例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート）；低級アルキル基（Ｃ１〜Ｃ４）によって窒素が置換されても置換されなくてもよい、アクリルアミド、メタクリルアミド；ヒドロキシアルキル化アクリルアミド；アミノアルキル化アクリルアミド（例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド）；アルキルアクリルアミン（例えば、ｔｅｒｔ−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート）；アルキルエーテルアクリレート（例えば、２−エトキシエチルアクリレート）；エチレン、スチレンなどモノエチレン性モノマー；ビニルエステル（例えば、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニル、ビニルｔｅｒｔ−ブチル−ベンゾエート）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル；ビニルエーテル；ハロゲン化ビニル；フェニルビニル誘導体；アリルエステル又はメタリルエステル；ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどビニルラクタム；アルキルマレイミド、ヒドロキシアルキルマレイミド（例えば、エチル／エタノールマレイミド）からなる群から選択される１つ以上のモノマーと、を含む。存在する場合、これらのポリマーの無水物官能基は、所望によりモノエステル化されるか、モノアミド化され得る。

少なくとも１つの実施形態では、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、水溶性ポリウレタンである。

少なくとも１つの実施形態では、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、ＢＡＳＦによってＵｌｔｒａｈｏｌｄ ８として販売されるものなどアクリル酸／エチルアクリレート／Ｎ−ｔｅｒｔ−ブチルアクリルアミドターポリマー；Ａｋｚｏ ＮｏｂｅｌによってＡｍｐｈｏｍｅｒとして販売されるものなどオクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチル／メタクリレートコポリマー；Ａｋｚｏ ＮｏｂｅｌによってＢａｌａｎｃｅ ＣＲとして販売されるものなどメタクリル酸／エステルアクリレート／エステルメタクリレート；Ａｋｚｏ ｎｏｂｅｌによってＢａｌａｎｃｅ ４７として販売されるものなどオクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー；Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌによって販売されるＡｃｕｄｙｎｅ １０００として知られるものなどメタクリル酸／ヒドロキシエチルメタクリレート／様々なアクリレートエステル；Ｄｏｗ ＣｈｅｍｉｃａｌによってＡｃｕｄｙｎｅ １８０として販売されるものなどアクリレート／ヒドロキシエチルメタクリレート；Ｄｏｗ ＣｈｅｍｉｃａｌによってＡｃｕｄｙｎｅ ＤＨＲとして販売されるものなどメタクリル酸／ヒドロキシエチルメタクリレート／様々なアクリレートエステル；ＤＳＭによってＴｉｌａｍａｒ Ｆｉｘ Ａ−１０００として販売されるものなどｎ−ブチルメタクリレート／メタクリル酸／エチルアクリレートコポリマーなどアクリル酸から誘導されるコポリマー；酢酸ビニル／ビニルｔｅｒｔブチルベンゾエート／クロトン酸ターポリマー及びＡｋｚｏ ＮｏｂｅｌによってＲｅｓｉｎ ２８２９３０として販売されるものなどクロトン酸／酢酸ビニル／ビニルネオドデカノエートターポリマーなどクロトン酸から誘導されるコポリマーから有利に選択される。スルホン酸から誘導される好ましいヘアスタイリングポリマーとしては、ＡｓｈｌａｎｄによってＦｌｅｘａｎ １３０として販売されるポリスチレンスルホン酸ナトリウム；ＥａｓｔｍａｎによってＥａｓｔｍａｎ ＡＱ ４８として販売されるものなどスルホポリエステル（ポリエステル−５としても知られる）：ＥａｓｔｍａｎによってＥａｓｔｍａｎ ＡＱ Ｓ３８として販売されるものなどスルホポリエステル（ポリエステル−５としても知られる）；ＥａｓｔｍａｎによってＥａｓｔｍａｎ ＡＱ ５５として販売されるものなどスルホポリエステル（ポリエステル−５としても知られる）が挙げられる。少なくとも１つの実施形態では、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、好ましくは、アクリル酸／エチルアクリレート／Ｎ−ｔｅｒｔ−ブチルアクリルアミドターポリマー（ＢＡＳＦによってＵｌｔｒａｈｏｌｄ ８として販売されるものなど）；Ａｍｐｈｏｍｅｒとして販売されるものなどオクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチル／メタクリレートコポリマー；Ａｋｚｏ ＮｏｂｅｌによってＢａｌａｎｃｅ ＣＲとして販売されるものなどメタクリル酸／エステルアクリレート／エステルメタクリレート；Ａｋｚｏ ｎｏｂｅｌによってＢａｌａｎｃｅ ４７として販売されるものなどオクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー；Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌによって販売されるＡｃｕｄｙｎｅ １０００として知られるメタクリル酸／ヒドロキシエチルメタクリレート／様々なアクリレートエステル；Ｄｏｗ ＣｈｅｍｉｃａｌによってＡｃｕｄｙｎｅ １８０として販売されるものなどアクリレート／ヒドロキシエチルメタクリレート；Ｄｏｗ ＣｈｅｍｉｃａｌによってＡｃｕｄｙｎｅ ＤＨＲとして販売されるものなどメタクリル酸／ヒドロキシエチルメタクリレート／様々なアクリレートエステル；ＤＳＭによってＴｉｌａｍａｒ Ｆｉｘ Ａ−１０００として販売されるものなどｎ−ブチルメタクリレート／メタクリル酸／エチルアクリレートコポリマーなどアクリル酸から誘導されるコポリマー；酢酸ビニル／ビニルｔｅｒｔブチルベンゾエート／クロトン酸ターポリマー及びＡｋｚｏ ＮｏｂｅｌによってＲｅｓｉｎ ２８２９３０として販売されるものなどクロトン酸／酢酸ビニル／ビニルネオドデカノエートターポリマーなどクロトン酸から誘導されるコポリマーから選択される。スチレンスルホン酸から誘導される好ましいヘアスタイリングポリマーとしては、ＡｓｈｌａｎｄによってＦｌｅｘａｎ １３０として販売されるポリスチレンスルホン酸ナトリウム；ＥａｓｔｍａｎによってＥａｓｔｍａｎ ＡＱ ４８として販売されるものなどスルホポリエステル（ポリエステル−５としても知られる）；ＥａｓｔｍａｎによってＥａｓｔｍａｎ ＡＱ Ｓ３８として販売されるものなどスルホポリエステル（ポリエステル−５としても知られる）；ＥａｓｔｍａｎによってＥａｓｔｍａｎ ＡＱ ５５として販売されるものなどスルホポリエステル（ポリエステル−５としても知られる）が挙げられる。

少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーはアニオン性ヘアスタイリングポリマーであり、このアニオン性ヘアスタイリングポリマーは、アクリル酸／エチルアクリレート／Ｎ−ｔｅｒｔ−ブチルアクリルアミドターポリマー；オクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチル／メタクリレートコポリマー；メタクリル酸／エステルアクリレート／エステルメタクリレート；オクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー；メタクリル酸／ヒドロキシエチルメタクリレート／様々なアクリレートエステル；アクリレート／ヒドロキシエチルメタクリレート；メタクリル酸／ヒドロキシエチルメタクリレート／様々なアクリレートエステル；ｎ−ブチルメタクリレート／メタクリル酸／エチルアクリレートコポリマーなどアクリル酸から誘導されるコポリマー；酢酸ビニル／ビニルｔｅｒｔブチルベンゾエート／クロトン酸ターポリマー：及びクロトン酸／酢酸ビニル／ビニルネオドデカノエートターポリマーなどクロトン酸誘導されるコポリマー、並びにこれらの混合物からから選択される。

少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーは、水中に分散したポリウレタンである。かかるポリウレタンとしては、アジピン酸、１−６ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジアミン、Ｎ−（２−アミノエチル）−３−アミノエタンスルホン酸、ＢａｙｅｒによってＢａｙｃｕｓａｎ Ｃ１００８として販売されるものなどナトリウム塩（ポリウレタン−４８としても知られる）など；及びイソホロンジイソシアネート、ジメチロールプロピオン酸、ＡｋｚｏＮｏｂｅｌによってＤｙｎａｍＸ Ｈ２０の名前で混合物として販売されるものなど４，４−イソプロピリデンジフェノール／プロピレンオキシド／エチレンオキシド（ポリウレタン（Polyurethene）−１４としても知られる）などが挙げられる。

少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーは、非イオン性ヘアスタイリングポリマー又は非イオン性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。好適な合成非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、（ａ）次の主モノマー、すなわち、ビニルピロリドン；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル：ポリエチレングリコール又はアクリルアミドなどポリアルキレングリコールにグラフトされたアクリレートエステルのうちの少なくとも１つと、（ｂ）ビニルエステル（例えば、酢酸ビニル又はビニルプロピオネート、ビニルｔｅｒｔ−ブチル−安息香酸塩）；アルキルアクリルアミン（例えば、ｔｅｒｔ−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート）；ビニルカプロラクタム；ヒドロキシアルキル化アクリルアミド；アミノアルキル化アクリルアミド（例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド）；ビニルエーテル；アルキルマレイミド、ヒドロキシアルキルマレイミド（例えば、エチル／エタノールマレイミド）など１つ以上の他のモノマーと、を含むホモポリマー及びコポリマーを含む。

少なくとも１つの実施形態では、非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、好ましくはビニルピロリドン／酢酸ビニルコポリマー（ＢＡＳＦによってＬＵＶＩＳＫＯＬ ＶＡ ６４として販売されるものなど、及びＡｓｈｌａｎｄによってＰＶＰＫ３０として販売されるビニルピロリドンホモポリマーなど）から選択される。

少なくとも１つの実施形態では、非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、ヒドロキシアルキルセルロース（例えば、ヒドロキシメチル−、ヒドロキシエチル−、又はヒドロキシプロピルセルロース）などセルロース誘導体及びデンプンである、水溶性天然ポリマーである。

少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーは、両性ヘアスタイリングポリマー又は両性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。好適な合成両性ヘアスタイリングポリマーとしては、酸及び塩基様モノマー；カルボキシベタイン又はスルホベタイン双性イオン性モノマー；及びアルキルアミンオキシドアクリレートモノマーを含むものが挙げられる。少なくとも１つの実施形態では、両性ヘアスタイリングポリマーは、（ａ）四級化ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド（例えば、四級化ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド）又は四級化ジアルキルアミノアルキルアクリレート（例えば、四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート）など塩基性窒素原子を含有する少なくとも１つモノマーと、（ｂ）アクリル酸、若しくはメタクリル酸、若しくはクロトン酸、又はこれらの塩など少なくとも１つのカルボシル基若しくはスルホン酸基、又はＣ４〜Ｃ８モノ不飽和ポリカルボン酸若しくは無水物（例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及びこれらの無水物）を含む、少なくとも１つの酸モノマーと、（ｃ）低級アルキル基（Ｃ１〜Ｃ４）によって窒素が置換されても置換されなくてもよい、アクリルアミド、メタクリルアミド（例えば、Ｎ−ｔｅｒｔブチルアクリルアミド）；ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどビニルラクタム；アクリル酸及び／又はメタクリル酸のエステル（例えば、Ｃ１〜Ｃ４アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ｔｅｒｔ−ブチルアクリレート、及びこれらのメタクリレート誘導体）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたアクリレートエステル（例えば、ポリ（エチレングリコール）アクリレート）；ヒドロキシエステルアクリレート（例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート）；ヒドロキシアルキル化アクリルアミド；アミノアルキル化アクリルアミド（例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド）；アルキルアクリルアミン（例えば、ｔｅｒｔ−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート）；アルキルエーテルアクリレート（例えば、２−エトキシエチルアクリレート）；エチレン、スチレンなどモノエチレン性モノマー；ビニルエステル（例えば、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニル、ビニルｔｅｒｔ−ブチル−ベンゾエート）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル；ビニルエーテル；ハロゲン化ビニル；フェニルビニル誘導体；アリルエステル又はメタリルエステルから選択される１つ以上のモノマーと、を含む。一実施形態では、両性ヘアスタイリングポリマーは、カルボキシベタインメタクリレート及びスルホベタインメタクリレートなど、少なくとも１つのカルボキシベタイン又はスルホベタイン双性イオン性モノマーを含む。少なくとも１つの実施形態では、両性ヘアスタイリングポリマーは、（ａ）カルボキシベタインメタクリレート及びスルホベタインメタクリレートなど、少なくとも１つのカルボキシベタイン又はスルホベタイン双性イオン性モノマーと、（ｂ）低級アルキル基（Ｃ１〜Ｃ４）によって窒素が置換されても置換されなくてもよい、アクリルアミド、メタクリルアミド（例えば、Ｎ−ｔｅｒｔブチルアクリルアミド）；ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどビニルラクタム；アクリル酸及び／又はメタクリル酸のエステル（例えば、Ｃ１〜Ｃ４アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ｔｅｒｔ−ブチルアクリレート、及びこれらのメタクリレート誘導体）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたアクリレートエステル（例えば、ポリ（エチレングリコール）アクリレート）；ヒドロキシエステルアクリレート（例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート）；ヒドロキシアルキル化アクリルアミド；アミノアルキル化アクリルアミド（例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド）；アルキルアクリルアミン（例えば、ｔｅｒｔ−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート）；アルキルエーテルアクリレート（例えば、２−エトキシエチルアクリレート）；エチレン、スチレンなどモノエチレン性モノマー；ビニルエステル（例えば、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニル、ビニルｔｅｒｔ−ブチル−ベンゾエート）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル；ビニルエーテル；ハロゲン化ビニル；フェニルビニル誘導体；アルキルエステル又はメタリルエステルからなる群から選択されるモノマーと、を含む。少なくとも１つの実施形態では、両性ヘアスタイリングポリマーは、少なくともアルキルアミンオキシドアクリレートを含む。少なくとも１つの実施形態では、両性ヘアスタイリングポリマーは、（ａ）エチルアミンオキシドメタクリレートと、（ｂ）低級アルキル基（Ｃ１〜Ｃ４）によって窒素が置換されても置換されなくてもよい、アクリルアミド、メタクリルアミド（例えば、Ｎ−ｔｅｒｔブチルアクリルアミド）；ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどビニルラクタム；アクリル酸及び／又はメタクリル酸のエステル（例えば、Ｃ１〜Ｃ４アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ｔｅｒｔ−ブチルアクリレート、及びこれらのメタクリレート誘導体）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたアクリレートエステル（例えば、ポリ（エチレングリコール）アクリレート）；ヒドロキシエステルアクリレート（例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート）；ヒドロキシアルキル化アクリルアミド；アミノアルキル化アクリルアミド（例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド）；アルキルアクリルアミン（例えば、ｔｅｒｔ−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート）；アルキルエーテルアクリレート（例えば、２−エトキシエチルアクリレート）；エチレン、スチレンなどモノエチレン性モノマー；ビニルエステル（例えば、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニル、ビニルｔｅｒｔ−ブチル−ベンゾエート）；ポリエチレングリコールなどポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル；ビニルエーテル；ハロゲン化ビニル；フェニルビニル誘導体；アルキルエステル又はメタリルエステルからなる群から選択されるモノマーと、を含む。かかる両性ヘアスタイリングポリマーの例は、ＣｌａｒｉａｎｔによってＤｉａｆｏｒｍｅｒ Ｚ ７３１ Ｎとして販売される、アクリレート／エチルアミンオキシドメタクリレートである。

少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーは、（メタ）アクリル酸又はこれらの単純なエステルのうちの１つの２つ以上のモノマーのアクリレートコポリマー；オクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー；ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、エチルアクリレート、及びヒドロキシエチルメタクリレートのアクリレート／ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー；ポリウレタン−１４／ＡＭＰ−アクリレートコポリマーブレンド；並びにこれらの混合物からなる群から選択される。

少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリング配合物は、非水溶性ポリマー、具体的には、非水溶性ヘアスタイリングポリマーを実質的に含まない。本発明では、水中で混和性ではないポリマーは避けるべきである。高分子量（＞２００，０００ｇ／モル）のポリマーは避けるべきであるか、ヘアスタイリング配合物が粘度要件を超えないように極めて低濃度でのみ使用するべきである。少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリング配合物は、２００，０００ｇ／モルを超える分子量を有するポリマーを実質的に含まない。少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリング配合物は、少なくとも２つの長鎖疎水性（例えば、１０個以上の炭素の直鎖脂肪酸）グラフトを含むポリマーを実質的に含まない。かかるグラフトを有するかかるポリマーは、毛髪にもたらされる膜の強さに寄与せずに粘度を押し上げ得る、ヘアスタイリング配合物中での結合性相互作用をもたらし得る。

任意成分
少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリング配合物は、パンテノール化合物及び／又はシリコーン化合物を含む。少なくとも１つの実施形態では、パンテノール化合物は、パンテノール、パントテン酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも１つの実施形態では、パンテノール化合物は、Ｄ−パンテノール（［Ｒ］−２，４−ジヒドロキシ−Ｎ−［３−１５−（ヒドロキシプロピル）］−３，３−ジメチルブタミド）、Ｄ／Ｌ−パンテノール、パントテン酸及びこれらの塩、パンテニルトリアセタート、ローヤルゼリー、パンテチン（panthetine）、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、パンガム酸、パントイルラクトース、ビタミンＢ複合体、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。パンテノール化合物は、優れた毛髪の外見及び髪触りの利点を提供するという観点で有用である。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約０．１重量％〜約０．６重量％、又は約０．１重量％〜約０．３重量％のパンテノール化合物を含んでよい。少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリング配合物は、シリコーン化合物を含む。シリコーンは、髪触りを滑らかにし、更には毛髪につやも与えるので有用である。少なくとも１つの実施形態では、シリコーン化合物はジメチコーン化合物である。少なくとも１つの実施形態では、シリコーン化合物は、ＰＥＧジメチコーン、例えばＰＥＧ−１２ジメチコーンである。

ヘアスタイリング配合物は、界面活性剤を更に含み得る。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して１重量％以下、又は０．６重量％以下、又は０．４重量％以下、又は０．３重量％以下の界面活性剤を含み得る。少なくとも１つの実施形態では、界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。カチオン性界面活性剤は、セトリモニウムクロリド（例えば、ＫａｏからのＱｕａｒｔａｍｉｎ ６０Ｌ−Ｇ；ＤＥＨＹＱＵＡＲＴ Ａ−ＣＡ／ＤＥＴＥＸ；ＡＲＱＵＡＤ １６−２５ ＬＯ）；コカミドプロピルヒドロキシスルタイン（例えば、ＲＥＷＯＴＥＲＩＣ ＡＭ ＣＡＳ）；コカミドプロピルベタイン（例えば、ＴＥＧＯ ＢＥＴＡＩＮ Ｆ ５０）；ベタイン；及びこれらの混合物からなる群から選択されてよい。非イオン性界面活性剤は、ヒマシ油ＰＥＧ−４０ Ｈ（例えば、ＮＥＯＤＯＬ１０ ９１−８）；ラウレス−４（例えば、ＤＥＨＹＤＯＬ ＬＳ ４ ＤＥＯ Ｎ）；ラウレス−９；デシルグルコシド（例えば、Ｐｌａｎｔａｃａｒｅ ２０００）；ポリソルベート２０（例えば、ＵＮＩＱＥＭＡからのＴＷＥＥＮ ２０ ＰＨＡＲＭＡ）；ＰＥＧ−２５硬化ヒマシ油（例えば、ＳＥＰＰＩＣからのＳＩＭＵＬＳＯＬ １２９２ ＤＦ）；ＰＥＧ−４０硬化ヒマシ油（例えば、ＢＡＳＦからのＣＲＥＭＯＰＨＯＲ ＣＯ ４１０）；ＰＰＧ−１−ＰＥＧ−９−ラウリルグリコールエーテル（例えば、Ｅｕｍｕｌｇｉｎ Ｌ）；シロキサンポリアルキレンオキシドコポリマー（ＭｏｍｅｎｔｉｖｅからのＳｉｌｗｅｔ（登録商標）Ｌ７６０４）；及びポリジメチルシロキサンメチルエトキシレート（ＭｏｍｅｎｔｉｖｅからのＳｉｌｗｅｔ（登録商標）Ｌ７６００）；並びにこれらの混合物からなる群から選択されてよい。好適なアニオン性界面活性剤は、ジオクチルナトリウムスルホコハク酸塩（ＤＯＳＳ又は１，４−ジオクトキシ−１，４−ジオキソブタン−２−スルホン酸）であり、これらの一例は、ＣｙｔｅｃからのＡｅｒｏｓｏｌ ＯＴ−７０ ＰＧである。少なくとも１つの実施形態では、界面活性剤は、ヒマシ油ＰＥＧ−４０ Ｈ；セトリモニウムクロリド；ラウレス−４；ラウレス−９；デシルグルコシド；コカミドプロピルヒドロキシスルタイン；ポリソルベート２０；シロキサンポリアルキレンオキシドコポリマー；ジオクチルナトリウムスルホスクシネート；及びこれらの混合物からなる群から選択される。

少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリング配合物は、中和剤を含む。好適な中和剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリイソプロパノールアミン（ＴＩＰＡ）、２−アミノブタノール、２−アミノメチルプロパノール（ＡＭＰ）、アミノエチルプロパンジオール、ジメチルステアラミン（Ａｒｍｅｅｎ １８ Ｄ）、ケイ酸ナトリウム、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン（Ｎｅｕｔｒｏｌ（登録商標）ＴＥ）、アンモニア（ＮＨ３）、トリエタノールアミン、トリメチルアミン（Ｔｒｉｓ ＡｍｉｎｏＵｌｔｒａ）、アミノメチルプロパンジオール（ＡＭＰＤ）が挙げられる。少なくとも１つの実施形態では、中和剤は２−アミノブタノール、アンモニア、又は２−アミノメチルプロパノールである。

ヘアスタイリング配合物は、少なくとも１種の防腐剤を含んでいてもよい。防腐剤は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約１．５重量％以下、又は０重量％〜１重量％、又は０．０１重量％〜１重量％の量で存在し得る。好適な防腐剤としては、フェノキシエタノール（例えば、Ｅｕｘｙｌ（登録商標）ＰＥ ９０１０）、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、ＰＨＭＢ（ポリ−アミノプロピルビグアニド）、ＩＳＰからのＯｐｔｉｐｈｅｎ（フェノキシエタノール＋カプリリルグリコール）、ＳｙｍｒｉｓｅからのＳｙｍｔｒｉｏｌ（１，２オクタンジオール及び１，２ヘキサンジオール、メチルベンジルアルコール）、オクチルサリチレート、１，３−ビス（ヒドロキシメチル）−５，５−ジメチルイミダゾリジン−２，４−ジオン（ＤＭＤＭヒダントイン；ＣｌａｒｉａｎｔによるＮｉｐａｇｕａｒｄ（登録商標）ＤＭＤＭＨ）、ＥＤＴＡ（Ｒｅｘａｔ）、ブチレングリコール（Ｄｅｋａｂｅｎ ＬＭＢ）、及びパラベンタイプ、例えば、メチルパラベン（例えば、Ｓｃｈｕｔｚ ＆ Ｃｏ．若しくはＳＬＩ ＣｈｅｍｉｃａｌｓからのＰＨＢメチルエステル、又はＮｉｐａｇｉｎ（登録商標）Ｍ）、プロピルパラベン（Ｓｏｌｖａｄｉｓ ＳｐｅｃｉａｌｔｉｅｓからのＰＨＢ−プロピルエステル）が挙げられる。

ヘアスタイリング配合物は、少なくとも１つの香料又は芳香剤を更に含んでもよい。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して最大約０．５重量％、又は約０重量％〜約０．４重量％、又は約０．０３重量％〜約０．３重量％の香料又は芳香剤を含んでよい。

少なくとも１つの実施形態では、ヘアスタイリング配合物は、腐食防止剤を含む。少なくとも１つの実施形態では、腐食防止剤はＥＤＴＡである。

ヘアスタイリング配合物は、ビタミンＢ１、Ｂ２、Ｂ６、Ｂ１２、Ｃなどの水溶性ビタミン、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸などの水溶性アミノ酸及びこれらの塩、ビタミンＡ、Ｄ、Ｅなどの不水溶性ビタミン、並びにこれらの塩及び／又は誘導体、チロシン、トリプタミンなどの不水溶性アミノ酸、粘度変性剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤（水溶性及び不水溶性）、真珠光沢助剤、発泡促進剤、追加の界面活性剤又は非イオン性共界面活性剤、殺シラミ薬、ｐＨ調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、紫外線吸収剤、ビタミン、ナイアシンアミド、カフェイン、並びにミノキシジルなどの、ビタミン及びアミノ酸を更に含んでよい。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約０．０１重量％〜約５重量％のビタミン及び／又はアミノ酸を含んでよい。ヘアスタイリング配合物は、無機顔料、ニトロソ、モノアゾ、ジアゾ化合物、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キノリン、オキサジン、アジン、若しくはアントラキノンタイプの化学物質、並びにインジゴイド、チオニンジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物、天然色である化合物、並びに水溶性成分などの顔料材料を更に含んでよい。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約０．０００１重量％〜約５重量％の色素材を含んでよい。ヘアスタイリング配合物は、化粧品用の殺生物剤として有用な抗菌薬を含有してよい。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約０．０１重量％〜約重量５％の抗菌剤を含んでもよい。

噴射剤
本製品は液化ガス噴射剤を含む。液化ガス噴射剤は、ジメチルエーテル（ＤＭＥ）、１，１−ジフルオロエタン（ＨＦＣ−１５２ａ）、１，１，１，２−テトラフルオロエタン（ＨＦＣ−１３４ａ）、ペンタン、ｎ−ブタン、イソ−ブタン、プロパン、トランス−１，３，３，３−テトラフルオロプロペン（ＨＦＯ−１２３４ｚｅ）、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。少なくとも１つの実施形態では、液化ガス噴射剤は、ジメチルエーテル（ＤＭＥ）又は１，１−ジフルオロエタン（ＨＦＣ−１５２ａ）である。少なくとも１つの実施形態では、液化ガス噴射剤はジメチルエーテルである。ジメチルエーテルは、ヘアスタイリング配合物と共に均質溶液を形成する点を考慮すると、本発明で有用である。

少なくとも１つの実施形態では、本製品は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約３５重量％〜約５０重量％の液化ガス噴射剤、又は約４０重量％〜約４５重量％の液化ガス噴射剤を含む。少なくとも１つの実施形態では、この製品は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約３５重量％〜約５０重量％のジメチルエーテル、又は約４０重量％〜約４５重量％のジメチルエーテルを含む。

少なくとも１つの実施形態では、液化ガス噴射剤及びヘアスタイリング配合物は、リザーバ内で自由に互いに連通する。少なくとも１つの実施形態では、液化ガス噴射剤及びヘアスタイリング配合物は、別個の区画に格納されない。

本製品は、加圧可能な容器を備える。リザーバ内部の圧力は、圧力計（ＧＣＡＳ ＃６０００１４３９）で測定することができる。少なくとも１つの実施形態では、容器内部の圧力は、２０℃で測定するとき、約１００ｋＰａ〜約７００ｋＰａ、又は約１５０ｋＰａ〜約５００ｋＰａ（約１ｂａｒ〜約７ｂａｒ、又は約１．５ｂａｒ〜約５ｂａｒ）である。少なくとも１つの実施形態では、噴射剤がイソブタン、プロパン、又はジメチルエーテルの場合、容器内部の圧力は、２０℃において、約３００ｋＰａ〜約４００ｋＰａ（約３ｂａｒ〜約４ｂａｒ）である。噴射剤がｎ−ブタンの場合、容器内部の圧力は、２０℃で測定するとき、約１．５ｋＰａ〜約２００ｋＰａ又は約１７０ｋＰａ〜約１９０ｋＰａ（約１．５ｂａｒ〜約２ｂａｒ、又は約１．７ｂａｒ〜約１．９ｂａｒ）であってよい。

少なくとも１つの実施形態では、本製品は、約５０％以下の揮発性有機化合物（ＶＯＣ）を含む。ＶＯＣは、健康面及び環境面での懸念を生じさせ得る。これは、特に製造に関係しており、特定の国々は、家庭用品に使用できるＶＯＣの量に対する規制を有する。実際、異なる規制上の要件を考慮して、例えば、欧州と北米では異なるヘアスプレー配合物を市販することは一般的である。したがって、低減されたＶＯＣを有するヘアスプレーは、世界規模で市販できるヘアスプレー製品を提供する観点から有用である。本明細書で使用するとき、ＶＯＣの定義に対するＵＳ規制法が本明細書において適用される。米国立法目的（Ｕ．Ｓ．ＥＰＡ ４０ ＣＦＲ ５１．１００［ｓ］）のためのＶＯＣの定義は、ごくわずかな光化学反応性も有さないこれらの有機化合物のみを定義する。

スプレー装置
本製品は、容器１１８のリザーバ２０４からヘアスタイリング配合物を分注するために容器１１８に取り付けられたスプレー装置であって、このスプレー装置は弁２０５と、ノズルと、を備え、この弁は弁体１１３と、ステム１０７と、ばね手段１０８と、を備え、弁体１１３はインサート１０９を収容し、このインサート１０９はインサートオリフィス１０９ａと、少なくとも２つのチャネル１１０ａ、１１０ｂと、を備え、チャネル１１０ａ、１１０ｂはインサートオリフィス１０９ａに関して接線方向に配置され、弁体１１３は少なくとも２つの蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂを備え、インサートオリフィス１０９ａは、リザーバ２０４内のヘアスタイリング配合物と流体連通することができる、スプレー装置を備える。

インサート１０９の特徴により、大量のヘッドスペース噴射剤ガスが弁２０５内のヘアスタイリング配合物のフローストリームに入ることができる。このヘッドスペース噴射剤ガスは、ヘアスプレー配合物のフローストリームに入るときに、少なくとも２つの蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂ及びチャネル１１０ａ、１１０ｂのために、噴射剤ガスに旋回運動を付与する、インサート１０９を介して弁体１１３内のヘアスタイリングフローストリームに注入される。付与された噴射剤ガスの円運動と相まった噴射剤ガスの量は、極めてより効率的に製品フローを粒子に粉砕することができ、したがって、その結果生じる放出組成物の粒径分布を向上させる、すなわち、小さくする。

少なくとも１つの実施形態では、弁体１１３は、弁の尾部１１５を備え、弁の尾部１１５は、ディップチューブ１１６を受容するオリフィスを有する。少なくとも１つの実施形態では、チャネル１１０ａ、１１０ｂは、インサート１１０の底部にある。少なくとも１つの実施形態では、インサートオリフィス１０９ａは、弁の尾部１１５に接続されたディップチューブ１１６を介してリザーバ２０４内のヘアスタイリング配合物と流体連通することができる。少なくとも１つの実施形態では、蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂは、チャネル１１０ａ、１１０ｂに集まっている。少なくとも１つの実施形態では、チャネル１１０ａ、１１０ｂは、インサートオリフィス１０９ａに集まっている。少なくとも１つの実施形態では、弁体１１３は、チャネル１１０に集まっていない蒸気タップを含まない。チャネル１１０に集まっていないかかる蒸気タップは、例示のために、図１の参照符号１１３ａとして図示される。かかる蒸気タップ、つまり蒸気収容孔（文献でこのように呼ばれることもある）は、本明細書において有用ではない。実際、この種類の蒸気タップは、十分な量の噴射剤ガスを導入しないか、十分に粒径を粉砕するためのフローストリームへの効率的な挿入をもたらさない。現在の弁２０５の特徴と組み合わせて使用された場合、少なくとも２つの蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂ及び少なくとも２つのチャネル１１０ａ、１１０ｂを通って流れる噴射剤ガスを偏向させるであろう。したがって、旋回効果は低減するであろう。

少なくとも１つの実施形態では、蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂは、約０．２２ｍｍ〜約０．２８ｍｍ×約０．３０ｍｍ〜約０．３６ｍｍ、又は約０．２４ｍｍ〜約０．２６ｍｍ×約０．３２ｍｍ〜約０．３４ｍｍのオリフィス寸法を有する。

少なくとも１つの実施形態では、インサート１１０の底面にあるチャネル１１０ａ、１１０ｂは、弁体１１３の内部平台に隣接して、弁体１１３内の蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂとガス連通する２つの内部ガス測定スロットを形成し、したがって、容器のヘッドスペースから弁体１１３の内部までの定量ガス経路を形成する。

少なくとも１つの実施形態では、弁体（１１３）は弁の尾部（１１５）を備え、弁の尾部（１１５）は、ディップチューブ（１１６）を受容するオリフィスを有し、ディップチューブ（１１６）は内径を有し、この内径は、約０．７６２ｍｍ（０．０３０インチ）〜約１．７７８ｍｍ（０．０７０インチ）、又は約０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜約１．６５１ｍｍ（０．０６５インチ）、又は約１．０１６ｍｍ（０．０４０インチ）〜約１．５２４ｍｍ（０．０６０インチ）、又は約１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）〜約１．３９７ｍｍ（０．０５５インチ）、又は約０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜約１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）である。少なくとも１つの実施形態では、ディップチューブ１１６は内径を有し、この内径は、約０．７６２ｍｍ（０．０３０インチ）〜約１．７７８ｍｍ（０．０７０インチ）、又は約０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜約１．６５１ｍｍ（０．０６５インチ）、又は約１．０１６ｍｍ（０．０４０インチ）〜約１．５２４ｍｍ（０．０６０インチ）、又は約１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）〜約１．３９７ｍｍ（０．０５５インチ）、又は約０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜約１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）である。

少なくとも１つの実施形態では、弁の尾部１１５のオリフィス（ディップチューブ１１６を受容する）は内径を有し、この内径は、約０．７６２ｍｍ（０．０３０インチ）〜約１．７７８ｍｍ（０．０７０インチ）、又は約０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜約１．６５１ｍｍ（０．０６５インチ）、又は約１．０１６ｍｍ（０．０４０インチ）〜約１．５２４ｍｍ（０．０６０インチ）、又は約１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）〜約１．３９７ｍｍ（０．０５５インチ）、又は約０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜約１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）である。少なくとも１つの実施形態では、インサートオリフィス（１０９ａ）は、弁の尾部（１１５）に接続されたディップチューブ（１１６）を介してリザーバ（２０４）内のヘアスタイリング配合物と流体連通することができ、弁の尾部（１１５）のオリフィスは内径を有し、この内径は、約０．７６２ｍ（０．０３０インチ）〜約１．７７８ｍｍ（０．０７０インチ）、又は約０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜約１．６５１ｍｍ（０．０６５インチ）、又は約１．０１６ｍｍ（０．０４０インチ）〜約１．５２４ｍｍ（０．０６０インチ）、又は約１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）〜約１．３９７ｍｍ（０．０５５インチ）、又は約０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜約１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）である。

少なくとも１つの実施形態では、インサートオリフィス１０９ａは、約０．５００ｍｍ（０．０２０インチ）〜約１．７７８ｍｍ（０．０７０インチ）の直径を有する。少なくとも１つの実施形態では、インサートオリフィス１０９ａは、約０．７６２ｍｍ（０．０３０インチ）〜約１．７７８ｍｍ（０．０７０インチ）、又は約０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜約１．６５１ｍｍ（０．０６５インチ）、又は約１．０１６ｍｍ（０．０４０インチ）〜約１．５２４ｍｍ（０．０６０インチ）、又は約１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）〜約１．３９７ｍｍ（０．０５５インチ）、又は約０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜約１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）の直径を有する。少なくとも１つの実施形態では、インサートオリフィス１０９ａは、少なくとも約０．７６２ｍｍ（０．０３０インチ）の直径を有する。

少なくとも１つの実施形態では、チャネル１１０ａ、１１０ｂは、約０．１２７ｍｍ（０．００５インチ）〜約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）、又は約０．２０３ｍｍ（０．００８インチ）〜約０．５０８ｍｍ（０．０２０インチ）、又は約０．２５４ｍｍ（０．０１０インチ）〜約０．３８１ｍｍ（０．０１５インチ）、又は約０．３８１ｍｍ（０．０１５インチ）〜約０．４５７ｍｍ（０．０１８インチ）の最大直径を有する断面を独立して有する。少なくとも１つの実施形態では、チャネル１１０ａ、１１０ｂは、約０．２２ｍｍ〜約０．２８ｍｍ×約０．３０〜約０．３６ｍｍ、又は約０．２４ｍｍ〜約０．２６ｍｍ×約０．３２ｍｍ〜約０．３４ｍｍの寸法（幅×高さ）を有する。

少なくとも１つの実施形態では、ステム１０７は、容器の内容物の排出口として作用するステムオリフィス１０５を有する。少なくとも１つの実施形態では、ステムオリフィス１０５は内径を有し、この内径は、約０．１２７ｍｍ（０．００５インチ）〜約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）、又は約０．２０３ｍｍ（０．００８インチ）〜約０．３４０ｍｍ（０．０１３インチ）、又は約０．２７９ｍｍ（０．０１１インチ）〜約０．３５６ｍｍ（０．０１４インチ）である。ある実施形態では、ステムオリフィス１０５は内径を有し、この内径は約０．２５４ｍｍ（０．０１０インチ）〜約０．５０８ｍｍ（０．０２０インチ）、又は約０．３８１ｍｍ（０．０１５インチ）〜約０．４５７ｍｍ（０．０１８インチ）である。

少なくとも１つの実施形態では、ばね手段１０８は、ばね１０８である。少なくとも１つの実施形態では、弁体１１３はキャスタレーション１１２を備える。

少なくとも１つの実施形態では、弁２０５は、ステム１０７上でステムガスケットの台座１０６に対して密閉し、それによってステムオリフィス１０５に通じるステム内の側孔を覆うステムガスケット１０４を更に備える。

少なくとも１つの実施形態では、弁体１１３、ステム１０７、及びインサート１０９はポリフェニレンスルホンで作製される。

本発明で使用するのに好適な弁は、Ｐｒｅｃｉｓｉｏｎ Ｖａｌｖｅ（Ｐｅｔｅｒｂｏｒｏｕｇｈ，ＵＫ）によって提供される、Ｅｃｏｓｏｌ（商標）装置である。かかる弁は、米国特許出願公開第２００９／０１２４９６１Ａ１号に開示されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。具体的には、米国特許出願公開第２００９／０１２４９６１Ａ１号の段落［００５３］〜［００６８］並びにその図１〜２は、参照することにより本明細書に組み込まれる。

本発明で使用するのに好適なノズルは、Ｋｏｓｍｏｓ、Ｓｅａｑｕｉｓｔ、及びＰｒｅｃｉｓｉｏｎ Ｖａｌｖｅから入手可能である。少なくとも１つの実施形態では、スプレー装置は、可変噴霧角度ノズル、可変レジンフラックスノズル、先細フローノズル、及び／又はらせん型噴霧器用ノズルを備える。かかるノズルは、欧州特許出願公開第２５７０１１０Ａ２号、同第２５７０１９２Ａ１号、同第２５７０１９１Ａ１号に開示されており、これらは、参照することにより本明細書に組み込まれる。具体的には、先細フローノズル及びらせん型噴霧器用ノズルは、欧州特許出願公開第２５７０１９１Ａ１号の図１〜２７を参照して段落１１９〜１７６に開示されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。

図面の詳細な説明
ステムガスケット１０４は、ステム１０７上でステムガスケットの台座１０６に対して密閉し、容器の内容物の排出口として作用するステムオリフィス１０５に通じるステム内の小型側孔を覆うように、ステム１０７上に予め組み付けられる。次いで、ステンレス鋼ばね１０８は、ステム成型部の底部に予め嵌め込まれる。インサート１０９は、弁体１１３内に予め組み込まれ、弁体１１３の内部平台に対してインサート１１０の底部に形成されたチャネル（図２の１１０ａ、１１０ｂを参照）を密閉するように固定して、弁体１１３上の外部スロット１１４と連通する、２つの内部ガス測定スロットを形成し、したがって、弁が後で容器１１８上に固定されると、容器のヘッドスペースから弁体１１３の内部への定量ガス経路を形成する。マウンティングカップ１０２は、カップガスケット１０３に予め嵌め込まれており、組み立てられた弁が標準的な工業手段によって容器に固定されると、容器カール部１１７に対して気密密閉を形成する。次いで、上記のサブアセンブリは、標準的な台座圧着工具を使用して一緒に圧着されて、完全に組み立てられた弁２０５となる。ステムガスケット１０４は、圧着処置によって厚さの５０％に圧縮され、マウンティングカップ１０２の台座は、圧着中に変形されて弁体１１３の外側表面にあるキャスタレーション１１２に係合し、ここで保持される。ポリエチレンディップチューブ１１６は押し嵌めされて、弁体１１５の尾部と密閉係合して、弁アセンブリを完成させる。従来のかしめ装置を使用して弁２０５及びディップチューブ１１６が容器カール部１１７に固定されて、弁２０５と容器１１８との間に気密密閉を形成する前に、容器１１８は、容器１１８内のヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤で部分的に充填されている。次いで、容器１１８は、ステムオリフィス１０５からガスを供給することにより、所望の使用圧力まで加圧される。弁体１１５の尾部の頂部にある流体測定孔（図示なし）は、ディップチューブ１１６を介して容器１１８の底部から弁体１１３に入るヘアスタイリング配合物を測定し、インサート１１０の底部にあるチャネル（図２の１１０ａ、１１０ｂを参照）を通って弁体１１３に入る噴射剤とヘアスタイリング配合物を混合する。外力の印加によりステム１０７が約１ｍｍを超えて押圧されると、ステムガスケット１０４は、ステムガスケットの台座１０６領域内の側孔から遠ざかる方向に変形し、容器１１８と外部環境との間に経路を開く。この外力が解放されると、ばね１０８は、ステムをその完全閉鎖位置に戻す。

ヘアスプレー配合物での充填後に、標準的な１インチ径エアロゾル弁２０５が容器１１８の頂部上に固定される。ステムオリフィス１０５は、ステム１０７の排出口である。容器１１８は、容器壁２０１と、ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を格納するためのリザーバ２０４と、を備える。弁２０５の作動は、外力を印加して、係合されたステム１０７を押圧し、それによって、弁２０５と係合する寸法のノズル（図示なし）を介してヘアスタイリング配合物及び噴射剤を外部環境に放出させることにより実現する。弁２０５は、ディップチューブ１１６を装備するハウジング２０７を備え、リザーバ２０４からヘアスタイリング配合物のフローへと噴射剤ガスを流入させて、弁２０５の開放操作時にディップチューブ１１６を立ち上げる、蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂを含む。蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂは、これらの断面積に対する弁体１１５の尾部の頂部にある（ディップチューブの頂部にある）流体測定孔（図示なし）の断面積の総比率が制御されて、所望の噴射剤／ヘアスタイリング配合物比率をもたらし得るような断面積を有する。

第１の態様の例示的実施形態
少なくとも１つの実施形態はエアロゾルヘアスプレー製品に関し、この製品は、
ｉ．ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を格納するためのリザーバ２０４を囲む容器壁２０１を備える加圧可能な容器１１８と、
ｉｉ．
（ａ）ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約３０重量％〜約６０重量％の水と、
（ｂ）ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約５．０重量％〜約１５重量％のヘアスタイリングポリマーであって、水溶性であるヘアスタイリングポリマーと、
（ｃ）ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して０．５重量％未満のアルコール（好ましくは、アルコールを実質的に含まない）と、を含むヘアスタイリング配合物であって、
噴射剤を含まないヘアスタイリング配合物が約１．８ｍｍ²／秒〜約５．５ｍｍ²／秒（約１．８ｃＳｔ〜約５．５ｃＳｔ）の運動粘度を有し、この粘度が２０℃＋／−０．１℃において測定される、ヘアスタイリング配合物と、
ｉｉｉ．容器１１８のリザーバ２０４からヘアスタイリング配合物を分注するために容器１１８に取り付けられたスプレー装置であって、このスプレー装置は弁２０５と、ノズルと、を備え、この弁は弁体１１３と、ステム１０７と、ばね手段１０８と、を備え、弁体１１３はインサート１０９を収容し、このインサートはインサートオリフィス１０９ａと、少なくとも２つのチャネル１１０ａ、１１０ｂと、を備え、チャネル１１０ａ、１１０ｂはインサートオリフィス１０９ａに関して接線方向に配置され、弁体１１３は少なくとも２つの蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂを備え、インサートオリフィス１０９ａは、リザーバ２０４内のヘアスタイリング配合物と流体連通することができる、スプレー装置であって、
容器内部の圧力が、２０℃において約３００ｋＰａ〜約５００ｋＰａ（約３ｂａｒ〜約５ｂａｒ）、又は２０℃において約３００ｋＰａ〜約４００ｋＰａ（約３ｂａｒ〜約４ｂａｒ）である、スプレー装置と、を備える。
少なくとも１つの実施形態はエアロゾルヘアスプレー製品に関し、この製品は、
ｉ．ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を格納するためのリザーバ２０４を囲む容器壁２０１を備える加圧可能な容器１１８と、
ｉｉ．
（ａ）ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約３０重量％〜約６０重量％の水と、
（ｂ）ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約７．０重量％〜約１４重量％のヘアスタイリングポリマーであって、水溶性であるヘアスタイリングポリマーと、
（ｃ）ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して０．５重量％未満のアルコール（好ましくは、アルコールを実質的に含まない）と、を含むヘアスタイリング配合物であって、
噴射剤を含まないヘアスタイリング配合物が約１．８ｍｍ²／秒〜約５．５ｍｍ²／秒（約１．８ｃＳｔ〜約５．５ｃＳｔ）の運動粘度を有し、この粘度が２０℃＋／−０．１℃において測定され、
アニオン性ヘアスタイリングポリマーを含む、ヘアスタイリング配合物と、
ｉｉｉ．容器１１８のリザーバ２０４からヘアスタイリング配合物を分配するために容器１１８に取り付けられたスプレー装置であって、このスプレー装置は弁２０５と、ノズルと、を備え、この弁は弁体１１３と、ステム１０７と、ばね手段１０８と、を備え、弁体１１３はインサート１０９を収容し、このインサートはインサートオリフィス１０９ａと、少なくとも２つのチャネル１１０ａ、１１０ｂと、を備え、チャネル１１０ａ、１１０ｂはインサートオリフィス１０９ａに関して接線方向に配置され、弁体１１３は少なくとも２つの蒸気タップ２１１ａ、２１１ｂを備え、インサートオリフィス１０９ａは、リザーバ２０４内のヘアスタイリング配合物と流体連通することができる、スプレー装置であって、
弁体１１３が弁の尾部１１５を備え、弁の尾部１１５がディップチューブ１１６を受容するオリフィスを有し、ディップチューブ１１６が内径を有し、この内径が約０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜約１．３９７ｍｍ（０．０５５インチ）であり、
ステム１０７が、容器の内容物の排出口として作用するステムオリフィス１０５を有し、ステムオリフィス１０５が内径を有し、この内径が約０．２０３ｍｍ（０．００８インチ）〜約０．３５６ｍｍ（０．０１４インチ）であり、
インサートオリフィス１０９ａが、弁の尾部１１５に接続されたディップチューブ１１６を介してリザーバ２０４内のヘアスタイリング配合物と流体連通することができ、弁の尾部１１５のオリフィスが内径を有し、この内径が０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜１．３９７ｍｍ（０．０５５インチ）である、スプレー装置と、を備える。

第２の態様
第２の態様は、毛髪のスタイリングを行うための、第１の態様による製品の使用法に関する。上記の態様に関する説明は、この態様にも適用され、好適な準用である。

第３の態様
第３の態様は、
ｉ．第１の態様による製品を準備する工程と、
ｉｉ．ある送達量で製品に噴霧させる工程であって、この送達量は約０．２５ｇ／秒〜約０．４５ｇ／秒であり、放出組成物は噴霧され、放出組成物は、少なくとも約３５マイクロメートルの平均粒径分布（Ｄｖ５０）を有する粒子を含む、工程と、を含む、毛髪のスタイリング方法に関する。

少なくとも１つの実施形態では、放出組成物は、約３５マイクロメートル、又は約４０マイクロメートル、又は約４５マイクロメートル、又は約５０マイクロメートル、又は約５５マイクロメートル、又は約６０マイクロメートル〜約１４０マイクロメートル、又は約１２０マイクロメートル、又は約１１０マイクロメートル、又は約１００マイクロメートル、又は約９０マイクロメートル、又は約８５マイクロメートル、又は約８０マイクロメートル、又は約７５マイクロメートル、又は約７０マイクロメートル、又は約６５マイクロメートルの平均粒径分布（Ｄｖ５０）を有する粒子を含む。少なくとも１つの実施形態では、放出組成物は、約４０マイクロメートル〜約１００マイクロメートルの平均粒径分布（Ｄｖ５０）を有する粒子を含む。放出組成物の粒子は、頭髪全体によく広がり、更に、十分な量のヘアスタイリングポリマーが各粒子（液滴）に存在して、十分な保持力（毛髪繊維のスポット溶接）を提供するため、４０マイクロメートル〜１００マイクロメートルのかかる平均粒径分布は、毛髪上の最適な乾燥時間を提供するために有用である。

少なくとも１つの実施形態では、当該平均粒径分布は、製品の寿命にわたって維持される。本明細書で使用するとき、「製品の寿命」は、完全な製品から、噴霧するのに不十分な量のヘアスタイリング配合物がリザーバに存在するまで、例えば、リザーバにヘアスタイリング配合物が実質的に存在しないまでを意味する。したがって、製品の寿命にわたってかかる平均粒径分布を維持することは、製品が「空」になるまで製品の優れた性能を期待できる消費者にとって利点である。かかる利益は、具体的には、弁の構造上の特徴に関連し、特に、インサート１０９がインサートオリフィス１０９ａと、少なくとも２つのチャネル１１０ａ、１１０ｂと、を備え、チャネル１１０ａ、１１０ｂがインサートオリフィス１０９ａに関して接線方向に位置付けられ、弁体１１３が少なくとも２つの蒸気タップ２１１を備えることに関連する。

少なくとも１つの実施形態では、送達量は、約０．２６ｇ／秒、又は約０．２７ｇ／秒、又は約０．２８ｇ／秒、又は約０．２９ｇ／秒、又は約０．３０ｇ／秒、又は約０．３１ｇ／秒、又は約０．３２ｇ／秒、又は約０．３３ｇ／秒、又は約０．３４ｇ／秒、又は約０．３５ｇ／秒、又は約０．３６ｇ／秒、又は約０．３７ｇ／秒、又は約０．３８ｇ／秒、又は約０．３９ｇ／秒、又は約０．４０ｇ／秒〜約０．４４ｇ／秒、又は約０．４３ｇ／秒、又は約０．４２ｇ／秒、又は約０．４１ｇ／秒、又は約０．４０ｇ／秒、又は約０．３９ｇ／秒、又は約０．３８ｇ／秒である。少なくとも１つの実施形態では、送達量は約０．２８ｇ／秒〜約０．４５ｇ／秒である。少なくとも１つの実施形態では、送達量は約０．３６ｇ／秒〜約０．４４ｇ／秒である。

上記の態様に関する説明は、この態様にも適用され、好適な準用である。

第３の態様の例示的実施形態
少なくとも１つの実施形態は、
ｉ．第１の態様による製品を準備する工程と、
ｉｉ．ある送達量で製品に噴霧させる工程であって、この送達量は約０．２８ｇ／秒〜約０．４５ｇ／秒であり、放出組成物は噴霧され、この放出組成物が４０マイクロメートル〜１００マイクロメートル、又は約６０マイクロメートル〜約９０マイクロメートルの平均粒径分布（Ｄｖ５０）を有する粒子からなる、工程と、を含む、毛髪のスタイリング方法に関する。

以下の実施例は、本発明の範囲に含まれる実施形態を更に説明及び実証するものである。これらの実施例はあくまで例示を目的として与えられるものであって、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。実施例には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの変形例が可能である。

凡例：¹＝Ｂａｌａｎｃｅ ＣＲ；²＝ＤｙｎａｍＸ Ｈ２０；³＝Ａｃｕｄｙｎｅ １０００；⁴＝Ａｍｐｈｏｍｅｒ；⁵＝Ｌｕｖｉｓｋｏｌ ＶＡ６４；⁶＝Ｌｕｖｉｑｕａｔ ＦＣ５５０；⁷＝Ｈｙｄａｇｅｎ（登録商標）ＨＣＭＦ；⁸＝Ｃｅｌｑｕａｔ Ｌ−２００。

表内の百分率は、水中の活性ポリマー原材料の百分率である。ヘアスプレー製品中の最終ヘアスタイリングポリマー濃度は、缶に加えられる噴射剤の量によって希釈される。噴射剤は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約３５重量％〜約５０重量％の量であってよい。上記の例示的配合物に選択される噴射剤の量は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して４０重量％のジメチルエーテル（ＤＭＥ）である。

実験
表２は、配合物のポリマー濃度、送達量、及び本明細書に記載の配合物粘度の限界の態様の相互に関連する組み合わせを説明するために２種類の従来のアルコール系ヘアスプレー製品と比較して、アルコールを含まないヘアスプレー製品の実施例を示す。以下の表の製品実施例１〜６は、同一のヘアスタイリング配合物（表１の実施例Ａ）に基づいており、６０％のヘアスタイリング配合物及び４０％のＤＭＥ噴射剤として調製した。しかしながら、ヘアスタイリングポリマーの量は異なる。なお、製品実施例１〜５は参考例である。

凡例：^*＝ヘアスタイリング配合物中；^〜＝放出組成物の；^#＝１回の使用は、７．７５秒間；Ｘ＝Ｗｅｌｌａｆｌｅｘ Ｌｅｖｅｌ ３ Ｓｔｒｏｎｇ Ｈｏｌｄヘアスプレー（〜４５％エタノール）；Ｙ＝Ｈｅｒｂａｌ Ｅｓｓｅｎｃｅｓ Ｖｏｌｕｍｉｚｉｎｇ Ｍａｘ Ｈｏｌｄヘアスプレー（〜２５％エタノール）；Ａ〜Ｆ＝以下の表３を参照；Ｎ／Ａ＝該当なし、すなわち、測定不能又は机上の例。

表２の分析：
○製品Ｘ及びＹは、エタノール系対照ヘアスプレー製品。
○製品１：特許請求の範囲の「少なくとも２つの蒸気タップ」とは若干異なる、１つの蒸気タップのみを備える弁／ノズルＣを使用する。
○製品２：ヘアスタイリング配合物は、特許請求の範囲の量とは若干異なる、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対してわずか４．８％のヘアスタイリングポリマーを含む。
○製品３：ヘアスタイリング配合物は、特許請求の範囲の量とは若干異なる、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対してわずか４．８％のヘアスタイリングポリマーを含む。
○製品５：ヘアスタイリング配合物（噴射剤なし）は、特許請求の範囲の運動粘度とは若干異なる、７〜１９ｍｍ²／秒（７〜１９ｃＳｔ）の運動粘度を有する。

表２からの結論：スプレー装置の特徴のうち、ヘアスタイリングポリマー濃度及びヘアスタイリング配合物の運動粘度を評価した。製品６の特定の組み合わせのみが、優れた性能を有する水系ヘアスプレーの基準をすべて満たした。製品４及び製品６は、アクチュエータインサートオリフィスが前者に対して後者の方が大きいという点で異なる。製品４は低保持力をもたらす。製品６は、より高い毛髪保持力を提供したため、より良好な性能を発揮する。製品６は、２つの蒸気タップを備える弁を有する。これらは、送達量を低減するために重要である。そして、送達量を低減することは、毛髪に湿潤性／水分を過剰投与しないために重要であり、水系ヘアスプレーに関する研究に特有であるため、特別かつ新たな発見である。しかしながら、送達量は、十分なポリマーを毛髪に送達して十分なヘアスタイル保持性能を得るために、ヘアスタイリング配合物中のヘアスタイリングポリマー濃度と最適なバランスを取る必要がある。更に、ヘアスタイリング配合物が、目詰まりすることなく、十分に機械的に粉砕しつつ、オリフィスを通って噴霧されるためには、その運動粘度が重要である。

Ｓｈｅｒｎｏｖ（米国特許第５，３０４，３６８号）の分析
参照文献であるＳｈｅｒｎｏｖの開示を試験する。Ｓｈｅｒｎｏｖの第Ｆ節（第４欄）には、以下の寸法を有する弁が使用されたと記載されている（５５〜６２行目）：ステムオリフィス０．２７９ｍｍ（０．０１１インチ）；蒸気タップ：０．４１ｍｍ（０．０１６インチ）；毛細管（capilliary tubing）ＩＤ：１．０１６ｍｍ（０．０４０インチ）。Ｓｈｅｒｎｏｖは、各容器には、０．４５７ｍｍ（０．０１８インチ）の出口オリフィスを有するアクチュエータが取り付けられていると述べている。次いで、噴霧量が「約０．４ｇ／秒であった」かつ「噴霧粒径が約５０マイクロメートルであった」状態（第４欄の６５〜６６行目）に進む。Ｓｈｅｒｎｏｖの第５欄の実施例の節では、試験結果がこの欄の下部に示されている。

Ｓｈｅｒｎｏｖの開示の正確度を試験するために、Ｓｈｅｒｎｏｖに開示されたスプレー装置及びパッケージに関する情報を使用して、４つのヘアスプレー製品（缶１、缶２、缶３、及び缶４）を調製した。缶１は、７．２％のヘアスタイリングポリマーと、３４％の噴射剤（ＤＭＥ）と、を含み、缶２は、７．２％のヘアスタイリングポリマーと、４０％の噴射剤（ＤＭＥ）と、を含み、缶３は、６．１５％のヘアスタイリングポリマーと、３４％の噴射剤（ＤＭＥ）と、を含み、缶４は、６．１５％のヘアスタイリングポリマーと、４０％の噴射剤（ＤＭＥ）と、を含む。使用されたヘアスタイリングポリマーは、本発明による水溶性ヘアスタイリングポリマーである。４つの缶（缶１〜４）すべてが許容範囲外の性能を示すことが判明した。具体的には、缶が異なると噴霧特性が非常に大きく異なること、また、ヘアスプレー配合物が次第に使い果たされるにつれて噴霧特性が大幅に変化すること、が判明した。本明細書に添付したこの図４は、圧力（Ｙ軸、ｐｓｉｇ［ポンド毎平方インチ］単位）と缶の残存内容物の割合（Ｘ軸、％）との関係を示す。ｘ軸の割合は、重量によって算出される。この図４には、５つの異なるグラフ（グラフ１〜４及び５）が示されている（凡例を参照）。グラフ１〜４は缶１〜４（測定値）に関し、缶５は、Ｓｈｅｒｎｏｖに開示された第５欄の下部にある表内の数字を使用して作成した。例えば、Ｓｈｅｒｎｏｖの当該表では、この表に記載されている製品は、１／４満量、すなわち２５％満量のとき、４２１ｋＰａ（６１ｐｓｉｇ）の圧力を有するべきであると述べられている。実際、グラフ５は非常に平坦なグラフを示しており、圧力は、１００％から２５％ Ｘへと最小限に減少する。しかしながら、缶１〜４では、状況がやや異なる。曲線は平坦ではなく、１００％ Ｘから５０％ Ｘへの大幅な圧力低下を示す。換言すれば、缶圧は、満量の缶と半満量の缶との間で著しく減少する。当然のことながら、これらの缶から放出された組成物の質及び特徴は大きく異なる。ヘアスタイリング配合物が使い果たされるにつれて大幅に変動するため、缶１〜４のいずれか１つによってもたらされる特定の送達量及び／又は平均粒径分布（Ｄｖ５０）について述べることはできない。更に、目詰まり及び流動に関する深刻な問題が観察されており、かかる特性の測定を困難にしている。しかしながら、いかなる場合においても、約５０％ Ｘ以下において、０．２ｇ／秒未満の送達量（又は目詰まりによる送達量なし）が缶１〜４のすべてについて観察される。

Ｓｈｅｒｎｏｖに開示される第５欄の下部の表内の値は再現されない。したがって、Ｓｈｅｒｎｏｖの開示は誤りであると結論づけられ、その教示は、当業者によって不適切なものとして却下されるであろう。

本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「４０ｍｍ」として開示される寸法は、「約４０ｍｍ」を意味することを意図する。

Claims (14)

1. エアロゾルヘアスプレー製品であって、前記製品が、
   ｉｖ．ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を格納するためのリザーバ（２０４）を囲む容器壁（２０１）を備える、加圧可能な容器（１１８）と、
   ｖ．ヘアスタイリング配合物であって、前記ヘアスタイリング配合物が、
   （ｄ）前記ヘアスタイリング配合物及び前記噴射剤の総重量に対して３０重量％〜６０重量％の水と、
   （ｅ）前記ヘアスタイリング配合物及び前記噴射剤の総重量に対して７重量％〜１５重量％のヘアスタイリングポリマーであって、水溶性であるヘアスタイリングポリマーと、
   （ｆ）前記ヘアスタイリング配合物及び前記噴射剤の総重量に対して２重量％未満のアルコール（好ましくは、アルコールを実質的に含まない）と、を含み、
   前記噴射剤を含まない前記ヘアスタイリング配合物が、０．５ｍｍ ^２ ／秒（０．５ｃＳｔ）〜６ｍｍ^２／秒（６ｃＳｔ）の運動粘度を有し、前記粘度が２０℃＋／−０．１℃で測定される、ヘアスタイリング配合物と、
   ｖｉ．前記容器（１１８）の前記リザーバ（２０４）から前記ヘアスタイリング配合物を分注するために前記容器（１１８）に取り付けられたスプレー装置であって、前記スプレー装置が、弁（２０５）と、ノズルと、を備え、前記弁が弁体（１１３）と、ステム（１０７）と、ばね手段（１０８）と、を備え、前記弁体（１１３）がインサート（１０９）を収容し、前記インサートがインサートオリフィス（１０９ａ）と、少なくとも２つのチャネル（１１０ａ、１１０ｂ）と、を備え、前記チャネル（１１０ａ、１１０ｂ）が前記インサートオリフィス（１０９ａ）に関して接線方向に配置され、前記弁体（１１３）が少なくとも２つの蒸気タップ（２１１ａ、２１１ｂ）を備え、前記インサートオリフィス（１０９ａ）が、前記リザーバ（２０４）内の前記ヘアスタイリング配合物と流体連通することができ、前記インサートオリフィス（１０９ａ）が０．５００ｍｍ（０．０２０インチ）〜１．７７８ｍｍ（０．０７０インチ）の直径を有する、スプレー装置と、を備える、製品。
2. 前記チャネル（１１０ａ、１１０ｂ）が前記インサートオリフィス（１０９ａ）に集まっている、請求項１に記載の製品。
3. 前記ヘアスタイリング配合物が、前記ヘアスタイリング配合物及び前記噴射剤の総重量に対して８重量％〜、又は９重量％〜１４重量％、又は〜１３重量％、又は〜１２重量％、又は〜１１重量％、又は〜１０重量％の前記ヘアスタイリングポリマーを含む、請求項１又は２に記載の製品。
4. 前記液化ガス噴射剤がジメチルエーテルであり、前記製品が、前記ヘアスタイリング配合物及び前記噴射剤の総重量に対して３５重量％〜５０重量％のジメチルエーテル、又は４０重量％〜４５重量％のジメチルエーテルを含む、請求項１〜３のいずれか一項に記載の製品。
5. 前記容器内部の圧力が、２０℃において３００ｋＰａ〜５００ｋＰａ（３ｂａｒ〜５ｂａｒ）、又は２０℃において４００ｋＰａ〜５００ｋＰａ（４ｂａｒ〜５ｂａｒ）である、請求項１〜４のいずれか一項に記載の製品。
6. 前記ヘアスタイリング配合物がパンテノール化合物及び／又はシリコーン化合物を含む、請求項１〜５のいずれか一項に記載の製品。
7. 前記ヘアスタイリングポリマーがアニオン性ポリマーである、請求項１〜６のいずれか一項に記載の製品。
8. 前記弁体（１１３）が弁の尾部（１１５）を備え、前記弁の尾部（１１５）がディップチューブ（１１６）を受容するオリフィスを有し、前記ディップチューブ（１１６）が内径を有し、前記内径が０．７６２ｍｍ（０．０３０インチ）〜１．７７８ｍｍ（０．０７０インチ）、又は０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜１．６５１ｍｍ（０．０６５インチ）、又は１．０１６ｍｍ（０．０４０インチ）〜１．５２４ｍｍ（０．０６０インチ）、又は１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）〜１．３９７ｍｍ（０．０５５インチ）、又は０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）である、請求項１〜７のいずれか一項に記載の製品。
9. 前記ステム（１０７）が、前記容器の内容物の排出口として作用するステムオリフィス（１０５）を有し、前記ステムオリフィス（１０５）が内径を有し、前記内径が０．１２７ｍｍ（０．００５インチ）〜０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）、又は０．２０３ｍｍ（０．００８インチ）〜０．３４０ｍｍ（０．０１３インチ）、又は０．２７９ｍｍ（０．０１１インチ）〜０．３５６ｍｍ（０．０１４インチ）、あるいは０．２５４ｍｍ（０．０１０インチ）〜０．５０８ｍｍ（０．０２０インチ）、又は０．３８１ｍｍ（０．０１５インチ）〜０．４５７ｍｍ（０．０１８インチ）である、請求項１〜８のいずれか一項に記載の製品。
10. 前記ヘアスタイリングポリマーが両性ポリマーであり、前記ヘアスタイリング配合物が界面活性剤を更に含み、前記噴射剤がジメチルエーテルである、請求項１〜９のいずれか一項に記載の製品。
11. 前記ヘアスタイリングポリマーがアニオン性ヘアスタイリングポリマーであり、前記アニオン性ヘアスタイリングポリマーが、アクリル酸／エチルアクリレート／Ｎ−ｔｅｒｔ−ブチルアクリルアミドターポリマー；オクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチル／メタクリレートコポリマー；メタクリル酸／エステルアクリレート／エステルメタクリレート；オクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー；メタクリル酸／ヒドロキシエチルメタクリレート／様々なアクリレートエステル；アクリレート／ヒドロキシエチルメタクリレート；メタクリル酸／ヒドロキシエチルメタクリレート／様々なアクリレートエステル；ｎ−ブチルメタクリレート／メタクリル酸／エチルアクリレートコポリマーなどアクリル酸から誘導されるコポリマー；酢酸ビニル／ビニルｔｅｒｔブチルベンゾエート／クロトン酸ターポリマー：及びクロトン酸／酢酸ビニル／ビニルネオドデカノエートターポリマーなどクロトン酸から誘導されるコポリマー、並びにこれらの混合物から選択される、請求項１〜７のいずれか一項に記載の製品。
12. 前記ヘアスタイリングポリマーが、（メタ）アクリル酸又はそれらの単純エステルであるモノマーのうちの２つ以上のモノマーのアクリレートコポリマー；オクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー；ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、エチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートのアクリレート／ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー；ポリウレタン−１４／ＡＭＰ−アクリレートコポリマーブレンド；並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の製品。
13. 前記インサートオリフィス（１０９ａ）が、弁の尾部（１１５）に接続されたディップチューブ（１１６）を介して前記リザーバ（２０４）内の前記ヘアスタイリング配合物と流体連通することができ、前記弁の尾部（１１５）のオリフィスが内径を有し、前記内径が、０．７６２ｍ（０．０３０インチ）〜１．７７８ｍｍ（０．０７０インチ）、又は０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜１．６５１ｍｍ（０．０６５インチ）、又は１．０１６ｍｍ（０．０４０インチ）〜１．５２４ｍｍ（０．０６０インチ）、又は１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）〜１．３９７ｍｍ（０．０５５インチ）、又は０．８８９ｍｍ（０．０３５インチ）〜１．１４３ｍｍ（０．０４５インチ）である、請求項１〜１２のいずれか一項に記載の製品。
14. 毛髪のスタイリング方法であって、
    ｉ．請求項１〜１３のいずれか一項に記載の製品を準備する工程と、
    ｉｉ．ある送達量で前記製品に噴霧させる工程であって、前記送達量が０．２５ｇ／秒〜０．４５ｇ／秒であり、放出組成物が噴霧され、前記放出組成物が、少なくとも３５マイクロメートルの平均粒径分布（Ｄｖ５０）を有する粒子を含む、工程と、を含む、毛髪のスタイリング方法。

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