JP6146589B2 - 超高分子量ポリエチレンを製造するための触媒系 - Google Patents

超高分子量ポリエチレンを製造するための触媒系 Download PDF

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Description

本発明は、触媒系、およびこの触媒系の存在下で超高分子量ポリエチレンを製造するプロセスに関する。
触媒を使用したポリエチレンの生産が当該技術分野において非常によく知られている。非常に特殊な部類のポリエチレンは、約1000000グラム/モルから6000000グラム/モルを優に上回る非常に高い平均分子量を有する超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)であるのに対し、高密度ポリエチレン(HDPE)は一般に約50000g/モルと300000g/モルの間のモル質量を有する。したがって、これらの線状ポリマーは、高密度ポリエチレンのものよりずっと高い平均分子量を有する。UHMWPEを得るためのポリマー合成が、非特許文献1に開示されている。分子量がより高いことにより、UHMWPEに特有な特徴の組合せが与えられ、そのポリマーが、低分子量のグレードではうまくいかない用途に適したものとなる。このポリエチレンの非常に高い分子量のために、優れた性質、例えば、非常に高い耐摩耗性、非常に高い耐衝撃性、非常に高い溶融粘度および低い動的摩擦係数がもたらされる。高分子量および高い溶融粘度のために、圧縮成形およびラム押出しのような特殊な加工方法が適用される。UHMWPEは、高分子量のために、溶融されたときに流動性が悪く、このポリマーをペレット形態に成形することは難しく、その製品は粉末形態で供給されなければならず、より重要なことには、粉末から加工しなければならない。その結果、主に粉末の性質により、製造プロセス並びに転化プロセスが決まる。例えば、この粉末は、貯蔵され、輸送されなければならず、その結果、UHMWPE粉末の嵩密度は非常に重要である。嵩密度が高いほど、輸送時の目詰まりが減少するであろうし、単位体積当たりの貯蔵可能な量を増加させることができる。嵩密度を増加させることによって、重合器内に存在する単位体積当たりのUHMWPEの質量を増加させることができ、重合器内の超高分子量ポリエチレン粉末の濃度を高めることができる。同様に、UHMWPEの加工中にも高い嵩密度が要求される。上述したように、典型的な加工手法は、ラム押出しと圧縮成形である。これら両方の方法は、原則として、粉末粒子の焼結を含む。例えば、非特許文献2を参照のこと。この焼結を有効にするために、結果として高い嵩密度になる緻密なポリマー粉末充填が達成されることが非常に重要である。UHMWPEの嵩密度は、300kg/m3を超え、より好ましくは350kg/m3を超え、さらにより好ましくは400kg/m3を超えるべきである。また、UHMWPE粉末の平均粒径も重要な特徴である。平均粒径(D50)は、好ましくは250マイクロメートルより小さく、より好ましくは200マイクロメートルより小さい。その上、(D90−D10)/D50として定義される「スパン(span)」として一般に知られている粒径分布は、低い、好ましくは2未満、さらにより好ましくは1.5未満であるべきである。
粗いポリマー粉末粒子の量が、UHMWPE粉末の粒径分布に関連する。これらの粗い粒子は、300μmより大きい粒径を有し、大抵、粉末粒子の凝集体の形態で存在する。これらの粗い粒子の質量分率は、最終的なUHMWPE物品の性質に悪影響を及ぼし得るので、できるだけ低いべきである。粗い粒子をなくす方法の1つは、最終的なUHMWPE粉末を、規定のメッシュサイズを有するスクリーンに通過させることである。これらの粗い粒子が重合中に形成されることは望ましくない。
ポリマー粉末粒子の形状が、触媒粒子の形状から移されることが知られており(例えば、非特許文献3)、これは複製現象としても知られている。一般に、この複製が生じる場合、ポリマーの平均粒径は、触媒収率、すなわち、触媒1グラム当たりに生成されるポリマーのグラム数の立方根に比例する。この比例のために、触媒の収率を減少させることによって、小さいポリマー粒子を生成することができるが、これにより、ポリマー中に触媒残留物が多くなり、ポリマーを製造するのに要する触媒費用が高くなってしまう。250μm未満、好ましくは200μm未満のポリマー粒径と組み合わせて、高い触媒活性が必要とされるので、このために、触媒に厳しい要件が課される。
特許文献1には、適正な嵩密度および粉末形態を有するUHMWPEを製造するのに適した触媒系が開示されている。実施例に関して、得られたUHMWPEの分子量は、一般に、多くのUHMWPE用途に適している。しかしながら、より分子量の高いUHMWPEを製造する必要性がそれでもある。低い重合温度を使用することによって、高い分子量のポリマーを製造することは周知の方法である。しかしながら、重合温度を低下させるには、発熱重合反応から放出される熱を除去するための冷却を増大させる必要があり、それゆえ、低い重合温度の使用は、経済的に好ましくない。
国際公開第2009/112254号パンフレット
Journal of Macromolecular Science Part C Polymer Reviews, Vol. C42, No 3, pp 355-371, 2002 H.L. Stein in Engineered Materials Handbook, Volume 2: Engineering Plastics, ASM International 1999 page 167-171 Dall’Occo et al, in "Transition Metals and Organometallics as Catalysts for Olefin Polymerization" (Kaminsky, W.; Sinn, H., Eds.) Springer, 1988, page 209-222
本発明の課題は、高い粉末嵩密度、狭いスパン、250μm未満の平均粒径を示すUHMWPEを生成し、非常にわずかしか粗い粒子を形成せず、高い触媒活性を示し、さらに、高い重合温度で非常に高い分子量のポリマーを生成できる触媒を提供することにある。
本発明による触媒系は、
I.(a)炭化水素溶液であって、
(1)有機酸素含有マグネシウム化合物またはハロゲン含有マグネシウム化合物、および
(2)有機酸素含有チタン化合物、
を含む炭化水素溶液と、
(b)式MeRn3-nを有する金属化合物(式中、Xはハロゲン化物であり、Meは、メンデレーエフの化学元素の周期表のIII族の金属であり、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)および式RmSiCl4-mのケイ素化合物(式中、0≦m≦2、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)の混合物と、
の反応であって、I(a)(2)からのチタンに対するI(b)からの金属のモル比が1未満である反応によって得られる固体反応生成物、
II.式AlR3を有する有機アルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)、および
III.1,2−ジアルコキシアルカン、1,2−ジアルコキシアルケンおよび高分子電子供与体の群より選択される外部電子供与体、
を含む。
本発明による触媒は、極めて高い分子量のポリマーを生成することができ、非常に少量しか粗いポリマー粒子を生じない。
この触媒の別の利点は、得られたUHMWPEが、高い触媒収率で、170μm未満の平均粒径を示すことである。
この触媒のさらに別の利点は、生産性が高いことである。
また、ポリマー中の触媒残留物が非常に少ない。
この触媒の追加の利点は、触媒を製造するための合成が、比較的単純であり、容易に入手できる比較的取扱いし易い化合物に基づいて、安価である。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記触媒系は、
I.(a)炭化水素溶液であって、
(1)有機酸素含有マグネシウム化合物またはハロゲン含有マグネシウム化合物、および
(2)有機酸素含有チタン化合物、
を含む炭化水素溶液と、
(b)式MeRn3-nを有する金属化合物(式中、Xはハロゲン化物であり、Meは、メンデレーエフの化学元素の周期表のIII族の金属であり、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)および式RmSiCl4-mのケイ素化合物(式中、0≦m≦2、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)の混合物と、
の反応であって、I(a)(2)からのチタンに対するI(b)からの金属のモル比が1未満である反応によって得られる固体反応生成物であり、
(c)式AlRnCl3-nを有するアルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)により後処理された、先に得られた固体反応生成物、
II.式AlR3を有する有機アルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)、および
III.1,2−ジアルコキシアルカン、1,2−ジアルコキシアルケンおよび外部高分子電子供与体の群より選択される外部電子供与体、
を含む。
本発明のさらに好ましい実施の形態によれば、外部電子供与体は、式(I):
Figure 0006146589
により表されるジアルコキシ炭化水素化合物であり、式中、C1−C2は、sp3および/またはsp2混成形態にある2つの炭素原子からなる接続基であり、置換基RおよびR’は、1〜10の炭素原子を有する炭化水素基であり、同じであっても異なってもよく、必要に応じて、O、N、またはSiを含有する他の基で置換されていてもよい。
炭化水素基の例としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基およびアラルキル基が挙げられる。
sp3および/またはsp2混成の意味は、当業者に公知であり、例えば、Henry Bent in Chem.Review, 1961 (3) pages 275-311に記載されている。
本発明の好ましい実施の形態によれば、外部電子供与体は、1,2−ジアルコキシアルカンおよび1,2−ジアルコキシアルケンから選択され、その例としては、1,2−ジメトキシベンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシベンゼン、2,3−ジメトキシトルエン、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシシクロヘキサン、1,2−ジメトキシプロパン、1,2−ジメトキシブタンおよび/または2,3−ジメトキシブタンが挙げられる。
1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンが適用されることがより好ましい。
外部高分子電子供与体の場合には、式(I)は、その高分子電子供与体内の繰返し構造単位を表す。外部高分子電子供与体の適切な例としては、ポリエチレングリコールおよび/またはポリエチレンオキシドが挙げられる。
メンデレーエフの化学元素の周期表のIII族の好ましい金属は、アルミニウムとホウ素である。
ハロゲン化物がClであることが好ましい。
混合物(b)の成分が、炭化水素溶液(a)との反応において、別々にまたは連続して使用される代わりに、混合物として使用されることが必須である。
式MeRn3-nを有する(b)からの金属化合物が式AlRn3-nを有するアルミニウム化合物であることが好ましく、式中、Xはハロゲンであり、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3である。
(a)からのチタンに対する(b)からの金属のモル比が1未満であることが好ましい。(b)からの金属がアルミニウムであることが好ましい。
有機酸素含有マグネシウム化合物またはハロゲン含有マグネシウム化合物を含む炭化水素溶液が、有機酸素含有マグネシウム化合物を含む炭化水素溶液であることが好ましい。
適切な有機酸素含有マグネシウム化合物の例としては、マグネシウムメチラート、マグネシウムエチラートおよびマグネシウムイソプロピラートなどのアルコキシド、並びにマグネシウムエチルエチラートなどのアルキルアルコキシドが挙げられる。適切なハロゲン含有マグネシウム化合物の例としては、ジハロゲン化マグネシウムおよびジハロゲン化マグネシウムの錯体が挙げられる。ハロゲン化物が塩素であることが好ましい。
有機酸素含有マグネシウム化合物がマグネシウムアルコキシドであることが好ましい。
マグネシウムアルコキシドがマグネシウムエトキシドであることが好ましい。
適切な有機酸素含有チタン化合物は、一般式[TiOx(OR)4-2xnにより表してよく、式中、Rは有機ラジカルを表し、xは0と1の間に及び、nは1と6の間である。
有機酸素含有チタン化合物の適切な例としては、アルコキシド、フェノキシド、オキシアルコキシド、縮合アルコキシド、カルボキシレートおよびエノラートが挙げられる。
有機酸素含有チタン化合物がチタンアルコキシドであることが好ましい。
適切なアルコキシドの例としては、Ti(OC254、Ti(OC374、Ti(OC494、およびTi(OC8174が挙げられる。
チタンアルコキシドがTi(OC494であることが好ましい。
式AlRn3-nを有するアルミニウム化合物の適切な例としては、三塩化アルミニウム、二臭化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、二塩化プロピルアルミニウム、二塩化n−ブチルアルミニウム、二塩化イソブチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムおよびトリ−n−ヘキシルアルミニウムが挙げられる。
ハロゲン化有機アルミニウムが塩化有機アルミニウムであることが好ましく、二塩化エチルアルミニウムであることがより好ましい。
式AlR3の有機アルミニウム化合物の適切な例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウムおよびトリオクチルアルミニウムが挙げられる。
有機酸素含有マグネシウム化合物および有機酸素含有チタン化合物の炭化水素溶液は、例えば、米国特許第4178300号および欧州特許出願公開第876318号の各明細書に開示されたような手法にしたがって調製することができる。それらの溶液は一般に透明な液体である。任意の固体粒子が含まれている場合、これらの粒子は、触媒合成における溶液に使用する前に、濾過によって除去することができる。
(b)中のアルミニウムの量は少ないべきであり、典型的に、(a)からのチタンに対する(b)からのアルミニウムのモル比は1未満である。
一般に、(a)からのチタンに対する(b)からのアルミニウムのモル比は1未満である。その比が0.8未満であることが好ましく、この比が0.6未満であることがより好ましい。
一般に、炭化水素溶液(a)中に存在する酸素に対するRmSiCl4-mからの塩素のモル比は、3未満、好ましくは2未満である。
一般に、チタンに対するマグネシウムのモル比は、3未満であり、チタンに対するマグネシウムのモル比が0.2と3の間に及ぶことが好ましい。
一般に、Tiに対する(b+c)中のアルミニウム化合物からのAlのモル比は、0.05と1の間に及ぶ。
一般に、Tiに対する(b+c)中のアルミニウム化合物からのAlのモル比は、0.05と0.8の間に及ぶ。
一般に、固体反応生成物(I)からのチタンに対する外部電子供与体(III)のモル比は、0.01から10に及ぶ。
一般に、触媒の平均粒径は、3μmと30μmの間に及ぶ。この平均粒径が3μmと10μmの間に及ぶことが好ましい。
一般に、粒径分布のスパンは2未満、好ましくは1未満である。
有機酸素含有マグネシウム化合物および有機酸素含有チタン化合物の炭化水素溶液の成分(Ib)との反応中、固体触媒前駆体が沈殿し、その沈殿反応後、得られた混合物は加熱され、還流されて、反応が終わらされる。
有機酸素含有マグネシウム化合物と有機酸素含有チタン化合物との間の第1の反応が行われ、その後、炭化水素溶媒により希釈されて、マグネシウムアルコキシドとチタンアルコキシドからなる可溶性錯体が得られ、その後、その錯体の炭化水素溶液と、式MeRn3-nを有する金属化合物および式RmSiCl4-mのケイ素化合物を含む混合物との間の反応によって、触媒が得られるであろう。
外部電子供与体が、重合中に重合反応器に加えられる。外部電子供与体は、固体反応生成物(I)の調製中または調製には使用されない。外部電子供与体の重合反応器への添加は、固体反応生成物(I)とは別でありかつ有機アルミニウム化合物(II)とは別であるか、または反応器に入れる前に、固体反応生成物(I)および/または有機アルミニウム化合物(II)のいずれかと予混合されても差し支えない。そのような予混合は、重合反応器への添加前にある期間に亘り行っても差し支えない:この予混合が1時間未満であることが好ましく、30分未満がより好ましい。
本発明の好ましい実施の形態によれば、超高分子量ポリエチレンを製造するための触媒系を調製するプロセスは:
I.(a)炭化水素溶液であって、
(1)有機酸素含有マグネシウム化合物またはハロゲン含有マグネシウム化合物、および
(2)有機酸素含有チタン化合物、
を含む炭化水素溶液と、
(b)式MeRn3-nを有する金属化合物(式中、Xはハロゲン化物であり、Meは、メンデレーエフの化学元素の周期表のIII族の金属であり、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)および式RmSiCl4-mのケイ素化合物(式中、0≦m≦2、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)の混合物とを、
I(a)(2)からのチタンに対するI(b)からの金属のモル比が1未満であるように反応させ、必要に応じて、
(c)得られた固体反応生成物を、式AlRnCl3-nを有するアルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)で後処理し、(I)からの反応生成物を、
II.式AlR3を有する有機アルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)と組み合わせる各工程を有してなり、
1,2−ジアルコキシアルカン、1,2−ジアルコキシアルケンおよび外部高分子電子供与体の群より選択される外部電子供与体が、有機アルミニウム化合物(II)とは別に重合系に加えられ、(I)からの固体反応生成物と30分未満に亘り予混合される。
本発明の好ましい実施の形態によれば、式MeRn3-nを有する金属化合物および式RmSiCl4-mのケイ素化合物を含む混合物は、式AlRn3-nを有するアルミニウム化合物および式RmSiCl4-mのケイ素化合物を含み、炭化水素中の溶液として使用されることが好ましい。
アルキルアルミニウムまたはハロゲン化アルキルアルミニウムの存在下でのその後の後処理工程も可能である。
添加順序は、有機酸素含有マグネシウム化合物および有機酸素含有チタン化合物を含有する炭化水素溶液を、式AlRn3-nを有するアルミニウム化合物および式RmSiCl4-mのケイ素化合物を含む混合物に添加するか、またはその逆であって差し支えない。
有機酸素含有マグネシウム化合物および有機酸素含有チタン化合物を含有する炭化水素溶液を、式AlRn3-nを有するアルミニウム化合物および式RmSiCl4-mのケイ素化合物を含む混合物に添加することが好ましい。
この反応の温度は、使用する炭化水素の沸点より低いどのような温度であって差し支えない。しかしながら、60℃未満、好ましくは50℃未満の温度を使用することが有益である。一般に、添加の期間は、10分より長いことが好ましく、30分より長いことがより好ましい。
マグネシウム化合物、好ましくは有機酸素含有マグネシウム化合物、および有機酸素含有チタン化合物を含む炭化水素溶液の、ハロゲン含有ケイ素化合物およびアルミニウム化合物の混合物との反応において、固体触媒前駆体が沈殿し、その沈殿反応後、得られた混合物が加熱されて、反応が終わらされる。この反応後、沈殿物は濾過され、炭化水素により洗浄される。例えば、多数回のデカンテーション工程のような、希釈剤からの固体の分離とその後の洗浄の他の手段を適用してもよい。全ての工程は、窒素または別の適切な不活性ガスの不活性雰囲気中で行うべきである。アルミニウム化合物による後処理は、濾過と洗浄工程の前、またはこの手法の後のいずれに行っても差し支えない。
有機酸素含有マグネシウム化合物および有機酸素含有チタン化合物を含む炭化水素溶液の成分(Ib)との反応中、固体が沈殿し、その沈殿反応後、得られた混合物が加熱され、還流されて、反応が終わらされる。
金属化合物が、式AlRn3-nを有するアルミニウム化合物であることが好ましく、式中、Xはハロゲン化物であり、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3である。
一般に、固体反応生成物中のチタンの10%超が、Ti3+状態にある。本発明の好ましい実施の形態によれば、固体反応生成物中のチタンの25%超が、Ti3+状態にある。
本発明はまた、超高分子量ポリエチレンの製造プロセスであって、
I.(a)炭化水素溶液であって、
(1)有機酸素含有マグネシウム化合物またはハロゲン含有マグネシウム化合物、および
(2)有機酸素含有チタン化合物、
を含む炭化水素溶液と、
(b)式MeRn3-nを有する金属化合物(式中、Xはハロゲン化物であり、Meは、メンデレーエフの化学元素の周期表のIII族の金属であり、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)および式RmSiCl4-mのケイ素化合物(式中、0≦m≦2、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)の混合物と、
の反応であって、(a)からのチタンに対する(b)からの金属のモル比が1未満である反応によって得られる固体反応生成物であり、必要に応じて
(c)式AlRnCl3-nを有するアルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)により後処理された、先に得られた固体反応生成物、
II.式AlR3を有する有機アルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)、および
III.1,2−ジアルコキシアルカン、1,2−ジアルコキシアルケンおよび高分子電子供与体の群より選択される外部電子供与体、
を含む触媒系の存在下でそのプロセスが行われることを特徴とするプロセスにも関する。
このプロセスにより、比較的高い重合温度でさえも、要求される性質を有するUHMWPEが得られる。本発明によるプロセスに前記触媒を使用すると、高い粉末嵩密度、狭いスパン、250マイクロメートル未満の平均粒径、低い分率の粗い粒子、および非常に高い分子量を有するポリマーが得られる。さらに、その触媒は高い触媒活性を有する。
一般に、本発明の超高分子量ポリエチレン粉末の嵩密度は、350kg/m3と600kg/m3の間に及び、好ましくは350kg/m3と550kg/m3の間に及ぶ。
超高分子量ポリエチレンポリマー粉末の疎充填嵩密度は、ASTM D1895/Aに概説された手法にしたがって、ポリマー粉末の嵩密度を測定することによって決定される。
重合反応は、気相中または有機溶媒の不在下でバルクで行っても、または有機希釈剤の存在下で液体スラリー中で行ってもよい。その重合は、バッチ式で行っても連続モードで行っても差し支えない。これらの反応は、酸素、水、または触媒毒として働くかもしれない任意の他の化合物の不在下で行われる。適切な溶媒の例としては、例えば、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、およびメチルシクロヘキサンなどのアルカンとシクロアルカン、および例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、エチルトルエン、n−プロピルベンゼン、およびジエチルベンゼンなどのアルキル芳香族化合物が挙げられる。
一般に、重合温度は20℃と200℃の間、好ましくは20℃と120℃の間に及ぶ。本発明の好ましい実施の形態によれば、重合温度は50℃と95℃の間に及ぶ。
重合中の全圧は大気圧であることが適しており、2〜40バール(1バール=100000Pa)であることがより好ましい。
前記ポリマーの分子量は、例えば、重合温度の調節、または分子量制御剤、例えば、水素またはアルキル亜鉛の添加などの、当該技術分野に公知のどのような手段によって制御しても差し支えない。UHMWPEの非常に高い分子量のために、例えば、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)またはサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により分子量を分析することは難しい。それゆえ、UHMWPEの希釈溶液、例えば、135℃でのデカリン中の希釈溶液の粘度を測定するのが一般的である。この粘度値は、その後、分子量値に変換することができる。
あるいは、DIN 53493にしたがって、いわゆる伸張応力を決定することができる。この伸張応力は、「流動値」と称されることもあり、その後、例えば、J. Berzen et al. in The British Polymer Journal, Vol. 10, December 1978, pp 281-287に開示されているように、分子量に変換することができる。
UHMWPEは、優れた衝撃強度および摩損耐性が要求される非常に様々な分野の物品に適用できる。医療分野において、UHMWPEは、膝、肩および臀部のインプラントに使用され、UHMWPEから製造された高強度繊維が、Ballistic Cloth(登録商標)、釣り糸およびネット、並びに鉱業に見られる。UHMWPEは、ホッパーまたはバンカーのライナーとして使用してもよい。
本発明は、超高分子量ポリエチレンの製造における1,2−ジアルコキシアルケン、1,2−ジアルコキシアルカンおよび高分子電子供与体の群より選択される外部電子供与体の使用にも関する。外部電子供与体が、1,2−ジアルコキシアルケンおよび1,2−ジアルコキシアルカンからなる群より選択されることが好ましい。
国際公開第2011/144431号パンフレットには、連鎖移動剤としての水素が実質的に存在せず、(a)Tiと、Mgと、ハロゲンと、1,2−ジエーテル、1,2−ジヒドロキシ化合物のモノまたはジエステル、および1,2−ジヒドロキシ化合物のモノエーテル−モノエステルからなる群より選択される内部電子供与体化合物とを含む固体成分を、(b)アルキルアルミニウム化合物と接触させることによって得られる生成物を含む触媒系の存在下で、エチレンを(共)重合させる工程を含む、エチレンポリマーの調製プロセスが開示されている。国際公開第2011/144431号パンフレットは、その供与体が固体成分の一部であるので、内部供与体に関する。MgCl2・nROHが、過剰の液体TiCl4および電子供与体と反応させられる。次いで、固体をTiCl4ともう一度反応させ、分離し、洗浄液中に塩素イオンが検出できなくなるまで、液体炭化水素で洗浄してもよい。この内部電子供与体は固体化合物の調製に使用され、例えば、この供与体は、チタン化合物と共に、MgCl2・nROH付加物に添加される。この供与体は、MgCl2・nROHおよびチタン化合物と最初に接触させ、その後洗浄しても差し支えない。内部供与体は、固体成分中に、0.1〜20質量%に及ぶ量で存在することが好ましいが、本発明においては、固体化合物は、国際公開第2011/144431号パンフレットに記載されたものに属するどの供与体化合物も実質的に含まない。
国際公開第2011/144431号パンフレットによる固体成分の調製に使用されるチタン化合物は、Ti−Cl結合を有しているが、本発明においては、固体成分の調製に使用されるチタン化合物は、塩素を実質的に含まない、有機酸素含有チタン化合物である。
国際公開第2011/144431号パンフレットによる固体成分中のチタン原子の70%超が、Ti4+状態にある。
ポリマーの平均粒径に関して、国際公開第2011/144431号パンフレットの実施例では、供与体の使用について、平均粒径が370μmと498μmの間であってよいので、供与体化合物を適用しないと教示している。UHMWPEにおける使用について、ポリマーの粒径は、好ましくは250μm未満、より好ましくは200μm未満であるべきである。本発明によるプロセスでは、170μm未満の平均粒径がもたらされる。
本発明を、以下の非限定的実施例によって説明する。
全ての実施例は、窒素雰囲気中で行った。
触媒懸濁液中の固体含有量は、窒素を流しながら10mlの触媒懸濁液を乾燥させ、その後、1時間に亘り排気し、続いて、得られた量の乾燥触媒を秤量することによって、三重に決定した。
触媒の平均粒径(D50)は、Malvern Mastersizer装置を使用して、ヘキサン希釈剤中でいわゆるレーザ光散乱法によって決定した。
ポリマー粉末の平均粒径および粒径分布(「スパン」)は、DIN53477にしたがって篩い分け分析によって決定した。
実験I
有機酸素含有マグネシウム化合物および有機酸素含有チタン化合物を含む炭化水素溶液の調製
100グラムの粒状Mg(OC252および150ミリリットルのTi(OC494を、還流冷却器および撹拌機を備えた2リットルの丸底フラスコに入れた。穏やかに撹拌しながら、混合物を180℃に加熱し、その後、1.5時間に亘り撹拌した。この最中に、透明な液体が得られた。この混合物を120℃に冷却し、その後、1480mlのヘキサンで希釈した。ヘキサンを添加する際に、混合物を67℃にさらに冷却した。混合物を2時間に亘りこの温度に保持し、その後、室温まで冷却した。得られた透明な溶液を窒素雰囲気下で貯蔵し、得られた状態で使用した。この溶液についての分析により、0.25モル/Lのチタン濃度が示された。
実験II
触媒の調製(特許文献1による)の調製
冷却器、撹拌機、バッフルおよび蠕動ポンプを備えた0.8Lのガラス製反応器に400mlのヘキサンを加えた。これに、17.3mlのSiCl4(152ミリモル)および3.5mlの二塩化エチルアルミニウム(EADC)(11.9ml)を加えた。この混合物は、撹拌機の速度を1700rpmに設定したときに、周囲温度であった。蠕動ポンプを通じて、実験Iに概説した手法にしたがって調製した溶液200mlを4時間の期間に亘り加えた。その後、得られた白色懸濁液を2時間に亘り還流した。このスラリーを周囲温度まで冷まし、濾過し、ヘキサンで3回洗浄した。最後に、ヘキサン中の固体を採集し、窒素雰囲気下で貯蔵した。サンプルを使用して、Neutron Activation Analysisを使用して、触媒の元素組成を決定した。得られた質量百分率:Ti:4.84±0.35質量%;Mg:12.3±0.9質量%;Al:0.66±0.05質量%;Cl:46.8±3.3質量%。X線蛍光法を使用して決定したSi含有量は4.2質量%であった。触媒のD50は、4.9μmであった。
比較例A
重合
希釈剤として5リットルの精製ヘキサンを使用して、10リットルのオートクレーブ中でエチレンの重合を行った。5リットルの精製ヘキサンに8ミリモルのトリイソブチルアルミニウムを加えた。この混合物を75℃に加熱し、4.0バールのエチレンで加圧した。この後、ヘキサン中の実験Iの40mgの固体生成物を、窒素過圧を使用して別の注入容器を通じて反応器に注入した。温度を75℃に維持し、エチレンを供給することによって、圧力を一定に維持した。150分後に反応を停止させた。この停止は、反応器を減圧し、冷却することによって行った。反応器の内容物をフィルタに通し、湿ったポリマー粉末を収集し、その後、乾燥させ、秤量し、分析した。結果が表1に纏められている。
比較例B
重合
重合を65℃の温度で行う一方で、エチレン圧を6.5バールに増加させたことが異なるだけで、比較例Aに記載されたように、エチレンの重合を行った。その結果が表1に纏められている。
実施例I
重合
ヘキサン中の5.3mlの0.00628Mのメチルオイゲノール(ME=1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼン)を、注入容器内の触媒スラリーに加え、重合容器に注入する前に、10分間に亘り接触させたことが異なるだけで、比較例Aに記載されたように、エチレンの重合を行った。その結果が表1に纏められている。
実施例II
反応を6.0バールの圧力で行ったことを除いて、比較例Aに記載されたように、エチレンの重合を行った。それに加え、ヘキサン中の10.6mlの0.00628Mのメチルオイゲノール(ME)を、注入容器内の触媒スラリーに加え、重合容器に注入する前に、10分間に亘り接触させた。その結果が表1に纏められている。
実施例III
ヘキサン中の21.2mlの0.00628Mのメチルオイゲノール(ME)を、注入容器内の触媒スラリーに加え、重合容器に注入する前に、10分間に亘り接触させたことを除いて、実施例IIに記載されたように、エチレンの重合を行った。その結果が表1に纏められている。
実施例IV
反応器をエチレンで加圧し、反応温度にする前に、ヘキサン中の10.6mlの0.00628Mのメチルオイゲノール(ME)を反応器に加えたことを除いて、比較例Aに記載されたように、エチレンの重合を行った。その結果が表1に纏められている。
比較例C
反応器をエチレンで加圧し、反応温度にする前に、外部供与体として1.5ミリモルのテトラエトキシシランを反応器に加えたことを除いて、比較例Aに記載されたように、エチレンの重合を行った。その結果が表1に纏められている。
Figure 0006146589
比較例AおよびBは、特許文献1による触媒が、重合温度を低下させることによってしか、より高い伸張応力を示すポリマーを製造できないことを示している。このことは、増加した冷却の要望とより低い温度のために、エネルギー的に望ましくない。
表1のデータは、メチルオイゲノール供与体が、非常に高い嵩密度および比較的少量の粗い粒子を維持しながら、高温でさえも、製造されるUHMWPEの伸張応力を増加させるのに、既に非常に低濃度で、極めて効果的であることを示している。
比較例Cは、テトラエトキシシランは、0.70N/mm2の伸張応力を達成するのに、比較的多量の外部供与体を適用しなければならないので、それほど効果的ではない供与体であることを示している。その上、外部供与体としてのテトラエトキシシランの使用により、300マイクロメートル超の粒子が多量もたらされる。

Claims (9)

  1. 触媒系において、
    I.(a)炭化水素溶液であって、
    (1)有機酸素含有マグネシウム化合物またはハロゲン含有マグネシウム化合物、および
    (2)有機酸素含有チタン化合物、
    を含む炭化水素溶液と、
    (b)式MeRn3-nを有する金属化合物(式中、Xはハロゲン化物であり、Meは、メンデレーエフの化学元素の周期表のIII族の金属であり、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)および式RmSiCl4-mのケイ素化合物(式中、0≦m≦2、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)の混合物と、
    の反応であって、I(a)(2)からのチタンに対するI(b)からの金属のモル比が1未満である反応によって得られる固体反応生成物、
    II.式AlR3を有する有機アルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)、および
    III.(i)1,2−ジアルコキシアルカン、(ii)1,2−ジアルコキシアルケン、および(iii)「−(O−C−C)−」を繰り返し単位とし、式中、C1−C2は、sp3および/またはsp2混成形態にある2つの炭素原子からなる接続基である、外部高分子電子供与体からなる群より選択される外部電子供与体、
    を含む触媒系。
  2. 前記触媒系は、
    I.(a)炭化水素溶液であって、
    (1)有機酸素含有マグネシウム化合物またはハロゲン含有マグネシウム化合物、および
    (2)有機酸素含有チタン化合物、
    を含む炭化水素溶液と、
    (b)式MeRn3-nを有する金属化合物(式中、Xはハロゲン化物であり、Meは、メンデレーエフの化学元素の周期表のIII族の金属であり、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)および式RmSiCl4-mのケイ素化合物(式中、0≦m≦2、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)の混合物と、
    の反応であって、(a)からのチタンに対する(b)からの金属のモル比が1未満である反応によって得られる固体反応生成物であり、
    (c)式AlRnCl3-nを有するアルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)により後処理された、先に得られた固体反応生成物、
    II.式AlR3を有する有機アルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)、および
    III.(i)1,2−ジアルコキシアルカン、(ii)1,2−ジアルコキシアルケン、および(iii)「−(O−C−C)−」を繰り返し単位とし、式中、C1−C2は、sp3および/またはsp2混成形態にある2つの炭素原子からなる接続基である、外部高分子電子供与体からなる群より選択される外部電子供与体、
    を含む、請求項1記載の触媒系。
  3. 前記外部電子供与体が、式(I):
    Figure 0006146589
    により表されるジアルコキシ炭化水素化合物であり、式中、C1−C2は、sp3および/またはsp2混成形態にある2つの炭素原子からなる接続基であり、置換基RおよびR’は、1〜10の炭素原子を有する炭化水素基であり、同じであっても異なってもよく、必要に応じて、O、N、またはSiを含有する他の基で置換されていてもよい、請求項1または2記載の触媒系。
  4. 前記外部電子供与体が、1,2−ジメトキシベンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシベンゼン、2,3−ジメトキシトルエン、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシシクロヘキサン、1,2−ジメトキシプロパン、1,2−ジメトキシブタンおよび/または2,3−ジメトキシブタンである、請求項3記載の触媒系。
  5. 前記外部電子供与体が1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンである、請求項4記載の触媒系。
  6. 請求項1から5いずれか1項記載の、超高分子量ポリエチレンを製造するための触媒系を調製するプロセスにおいて、
    I.(a)炭化水素溶液であって、
    (1)有機酸素含有マグネシウム化合物またはハロゲン含有マグネシウム化合物、および
    (2)有機酸素含有チタン化合物、
    を含む炭化水素溶液と、
    (b)式MeRn3-nを有する金属化合物(式中、Xはハロゲン化物であり、Meは、メンデレーエフの化学元素の周期表のIII族の金属であり、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)および式RmSiCl4-mのケイ素化合物(式中、0≦m≦2、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)の混合物とを、
    I(a)(2)からのチタンに対するI(b)からの金属のモル比が1未満であるように反応させ、必要に応じて、
    (c)得られた固体反応生成物を、式AlRnCl3-nを有するアルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり、0≦n≦3)で後処理し、(I)からの反応生成物を、
    II.式AlR3を有する有機アルミニウム化合物(式中、Rは、1〜10の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである)と組み合わせる各工程を有してなり、
    (i)1,2−ジアルコキシアルカン、(ii)1,2−ジアルコキシアルケン、および(iii)「−(O−C−C)−」を繰り返し単位とし、式中、C1−C2は、sp3および/またはsp2混成形態にある2つの炭素原子からなる接続基である、高分子電子供与体からなる群より選択される外部電子供与体が、前記有機アルミニウム化合物(II)とは別に重合系に加えられ、(I)からの固体反応生成物と30分未満に亘り予混合される、プロセス。
  7. 請求項1から5いずれか1項記載の触媒系または請求項6記載のプロセスにより得られる触媒系の存在下で重合が行われる、超高分子量ポリエチレンの製造プロセス。
  8. 請求項1から5いずれか1項記載の、(I)および(II)を含む触媒系の存在下で重合が行われ、該重合中に前記外部電子供与体が加えられる、超高分子量ポリエチレンの製造プロセス。
  9. 超高分子量ポリエチレンの製造における(i)1,2−ジアルコキシアルケン、(ii)1,2−ジアルコキシアルカン、および(iii)「−(O−C−C)−」を繰り返し単位とし、式中、C1−C2は、sp3および/またはsp2混成形態にある2つの炭素原子からなる接続基である、高分子電子供与体からなる群より選択される外部電子供与体の使用。
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