JP2004018697A - エチレン−共役ジエン系共重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン−共役ジエン系共重合体の製造方法 Download PDF

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稲富 敬
Makoto Sone
曽根 誠
Yutaka Naito
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Abstract

【課題】共役ジエンが共重合体主鎖中に1,2−シクロペンタン環として高い選択性で取り込まれ、かつ、内部オレフィンが少ない構造を有する、熱的、化学的安定性に優れたエチレン−共役ジエン系共重合体を得る。
【解決手段】(A)成分として、(i)マグネシウム含有化合物と(ii)チタンの酸素含有有機化合物を含有する均一溶液と(iii)ハロゲン化有機アルミニウム化合物とを反応して得られる固体触媒に(iv)特定の酸素含有有機化合物を添加した固体触媒と、(B)成分として有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に、エチレンと共役ジエンを重合する。
【選択図】  選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なエチレン−共役ジエン系共重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、特定の触媒の存在下にエチレンおよび共役ジエンを共重合することにより、特定の構造を有するエチレン−共役ジエン系共重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン−共役ジエン共重合体の製造法としては、遷移金属化合物を用いたエチレン−ブタジエン共重合体の製造法が既に知られている。
【0003】
例えば、Polymer Bulletin 8,473−478(1982)には、SiOをTiClで処理した固体触媒とアルキルアルミニウムからなる触媒の存在下、エチレン−ブタジエン共重合体を製造する方法が記載されている。また、Journal of Polymer Science:PartA:Polymer Chemistry,26,2487−2500(1988)において、塩化マグネシウムを共粉砕し、TiClで処理した触媒とアルキルアルミニウムからなる触媒の存在下、エチレン−ブタジエン共重合体を製造する方法が報告されている。しかし、これらのZiegler触媒と呼ばれる固体チタン触媒で重合した重合体は、もっぱら1,4−トランス付加によりブタジエンが共重合体に導入されるため、主鎖に内部オレフィンの形で、即ちトランスビニレンの形で二重結合が導入された共重合体が製造される。このため、成形加工時に熱劣化したり、時間の経過とともに成型品の物性が変化する等の問題が生じていた。
【0004】
最近、例えば、特許第2764163号公報、die Makromolecule Chemie 192,2591−2601(1991)等で、メタロセン触媒とアルミノオキサンからなる触媒の存在下に、エチレン−ブタジエン共重合体を製造すると、環状モノマーを用いていないにも関わらず、主鎖中に1,2−シクロペンタン環を有するユニークな重合体が製造できることが報告されている。このような1,2−シクロペンタン環は、1,2−付加でブタジエンが重合した後、1個のエチレンが重合し、その後、1,2−付加で側鎖に生成したビニル基が再挿入することで生成すると、Maurizio Galimbertiらは提唱している。しかし、この方法でエチレン−ブタジエン共重合体を製造した場合においても、1,2−シクロペンタン環が選択的に生成しているわけではなく、相当量のブタジエンが共重合体に1,4−付加反応により取り込まれ、主鎖に内部オレフィンの形で、即ちトランスビニレンの形で含まれていた。このため、前記のZiegler触媒によるエチレン−ブタジエン共重合体同様、成形加工時に熱劣化するなどの様々な問題解決には不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特定の触媒の存在下にエチレンおよび共役ジエンを共重合することにより、特定の構造を有するエチレン−共役ジエン系共重合体を製造する方法を提供することに有る。
【0006】
即ち、共役ジエンが共重合体主鎖中に1,2−シクロペンタン環として高い選択性で取り込まれ、かつ、内部オレフィンが少ない構造のエチレン−共役ジエン系共重合体を製造する方法を提供することに有る。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の固体遷移金属触媒と有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下、エチレンと共役ジエンを共重合することにより、共役ジエンが共重合体主鎖中に1,2−シクロペンタン環として高い選択性で取り込まれ、かつ、内部オレフィンが少ない構造のエチレン−共役ジエン系共重合体を製造し得る方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、(A)成分として、(i)金属マグネシウムと水酸化有機化合物、マグネシウムの酸素含有有機化合物、およびマグネシウムのハロゲン含有化合物から選ばれる少なくとも一員と(ii)少なくと1種のチタンの酸素含有有機化合物を含有する均一溶液と(iii)ハロゲン化有機アルミニウム化合物とを反応して得られる固体触媒であり、かつ、その固体触媒調製の任意の段階で(iv)2個以上の酸素原子を有するエーテル化合物、ポリエーテル化合物、エステル化合物およびジケトン化合物から選ばれる少なくとも一員(以下、酸素含有有機化合物という)を添加する方法により調製された固体触媒と(B)成分として有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に、エチレンと下記一般式(1)
CH=CH−CH=CH(C2m+1)     (1)
(mは0以上の整数である。)
で表される共役ジエンを共重合することにより、1,2−シクロペンタン環を有し、かつ、1,2−シクロペンタン環の数とトランスビニレンの数の比
(1,2−シクロペンタン環の数)/(トランスビニレンの数)
が5以上である重合体を製造することを特徴とするエチレン−共役ジエン系共重合体の製造方法に関する。
【0009】
本発明において、固体触媒成分(A)の調製に用いられる(i)の金属マグネシウムと水酸化有機化合物、マグネシウムの酸素含有有機化合物およびマグネシウムのハロゲン含有化合物から選ばれる少なくとも一員としては、以下のものが挙げられる。
【0010】
まず、金属マグネシウムと水酸化有機化合物を使用する場合において、金属マグネシウムとしては特に限定は無く、各種の形状、例えば粉末、粒子、箔またはリボンなど、いずれの形状のものも使用できる。また、水酸化有機化合物としては、アルコール類、有機シラノール、フェノール類が適している。
【0011】
該アルコール類としては、1〜18個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖脂肪族アルコール、脂環式アルコールまたは芳香族アルコールが使用できる。例として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、i−オクタノール、n−ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールなどが挙げられる。
【0012】
また、該有機シラノールとしては、少なくとも1個のヒドロキシル基を有し、かつ、有機基は1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、アリールアルキル基、アリール基およびアルキルアリール基から選ばれる。例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール、t−ブチルジメチルシラノールなどが挙げられる。
【0013】
さらに、該フェノール類としては、例えば、フェノール、キシレノール、ハイドロキノンなどが挙げられる。
【0014】
これらの水酸化有機化合物は、単独または2種類以上の混合物として使用される。
【0015】
加うるに、金属マグネシウムを使用して本発明で述べる固体触媒成分を得る場合は、反応を促進させる目的から、金属マグネシウムと反応したり、付加化合物を生成したりするような物質、例えば、ヨウ素、ハロゲン化アルキルなどのような極性物質を単独または2種類以上添加することが好ましい。
【0016】
次に、マグネシウムの酸素含有有機化合物を使用する場合において、マグネシウムの酸素含有有機化合物に属する化合物としては、マグネシウムアルコキシド類、例えば、メチラート、エチラート、イソプロピラート、デカノラート、メトキシエチラートおよびシクロヘキサノラート:マグネシウムアルキルアルコキシド類、例えば、エチルエチラート:マグネシウムヒドロアルコキシド類、例えば、ヒドロキシメチラート:マグネシウムフェノキシド類、例えば、フェノラートおよびナフトラート:マグネシウムカルボキシレート類、例えば、アセテート、ステアレート、ベンゾエート、フェニルアセテート、フタレート、アクリレートおよびオレエート:マグネシウムオキシメート類、例えば、ブチルオキシメート、ジメチルグリオキシメートおよびシクロヘキシルオキシメート:マグネシウムエノラート類、例えば、アセチルアセトナートが挙げられる。これらの酸素含有有機マグネシウム化合物は、単独または2種類以上の混合物として使用される。
【0017】
さらに、マグネシウムのハロゲン含有化合物を使用する場合において、マグネシウムのハロゲン含有化合物としては、MgF、MgCl、MgBr、MgI、MgCl(OH)等が例示できる。これらは無水物または水和物のいずれも用いることができ、例えば、MgClを例に取れば、MgCl、MgCl・6HO、MgCl・4HOおよびMgCl・2HOを挙げることができる。これら塩化マグネシウムは、50〜1000℃で、減圧下または気体流通下で焼成して用いることもできる。また、これらの塩化マグネシウムは、粉末、粒子、顆粒状のいずれの形状のものも用いることができる。また、塩化マグネシウムの反応性を向上させるために、ボールミル等の方法で粉砕したり、溶解−析出により表面積を大きくしたものを用いることも可能である。また、アルコール、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解させた状態で用いることもできる。
【0018】
本発明において固体触媒成分(A)の調製に用いられる(ii)のチタンの酸素含有有機化合物としては、一般式
[TiO(OR
で表される化合物が使用される。ただし、該一般式において、Rは炭素数1〜20、好ましくは1〜10の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、アリールアルキル基、アリール基およびアルキルアリール基などの炭化水素基を表し、aとbはa≧0、かつ、b>0でチタンの原子価と相容れるような数を表し、lは整数を表す。また、b≧2の場合においては、一つのRと他のRは炭素数1〜20、好ましくは1〜10の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、アリールアルキル基、アリール基およびアルキルアリール基などの炭化水素基の範囲内であれば、同一もしくは異なる炭化水素基であってもよい。
【0019】
該チタンの酸素含有有機化合物の具体的な例としては、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、ヘキサ−i−プロポキシジチタネートなどが挙げられる。さらに、これらのチタンの酸素含有有機化合物は、単独または2種類以上の混合物として使用される。
【0020】
本発明において固体触媒成分(A)の調製に用いられる(iii)のハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、一般式
AlX3−p
で表されるものが使用される。ただし、該一般式において、Rは1〜20個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表し、pは0<p<3の数、好ましくは0<p≦2の数を表す。また、Rは直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、アリール基およびアルキルアリール基から選ばれることが好ましい。
【0021】
該ハロゲン化有機アルミニウム化合物の具体例としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジプロピルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、i−ブチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、i−イソブチルアルミニウムセスキクロライド、トリエチルアルミニウムと三塩化アルミニウムの混合物などが挙げられる。
【0022】
これらのハロゲン化有機アルミニウム化合物は、単独または2種類以上の混合物として使用することができる。
【0023】
本発明において用いられる前記(i)のマグネシウム化合物および(ii)のチタン化合物の使用量は、これらが均一溶液を形成できる量比でなければならない。均一溶液を形成できない条件で触媒を調製した場合には、以降の反応が困難になり、得られた触媒の粉体形状が悪くなる、十分な重合活性が得られない等の問題を生じる。一方、チタンの酸素含有有機化合物を多くすると均一溶液が形成しやすくなる。しかし、チタンの酸素含有有機化合物が多すぎるとポリマー中のチタン残渣が多くなり、製品の着色などの問題を生ずるおそれがある。
【0024】
これらのことから、これらの反応剤の使用量としては、(i)のマグネシウム成分に対して、(ii)のチタンの酸素含有有機化合物が0.1〜2モル/モルの範囲であることが好ましい。
【0025】
本発明は、前述により例示した方法より得たマグネシウム、チタン等を含有する均一溶液と(iii)のハロゲン化有機アルミニウム化合物を反応させて得られた固体触媒を用いるものである。
【0026】
(iii)のハロゲン化有機アルミニウム化合物の量については、固体触媒が析出するのに十分な量以上であれば、特に制限はない。
【0027】
本発明は、上記の固体触媒を調製する任意の段階で(iv)の酸素含有有機化合物を添加する方法により調製された固体触媒を用いることを特徴とするものである。該方法で製造した触媒を用いることにより、エチレンと共役ジエンの共重合において、共役ジエンが共重合体主鎖中に1,2−シクロペンタン環として高い選択性で取り込まれ、かつ、内部オレフィンが少ない構造の共重合体形成能が向上する。
【0028】
この(iv)の酸素含有有機化合物としては、2個以上の酸素原子を有するエーテル化合物、ポリエーテル化合物、エステル化合物およびジケトン化合物から選ばれる少なくとも一員が用いられる。
【0029】
2個以上の酸素原子を有するエーテル化合物としては特に限定はないが、例えば、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジメトキシプロパン、ジメトキシブタン、ジエトキシエタン、ジエトキシプロパン、ジエトキシブタン、ジメチルジメトキシプロパン、ジエチルジメトキシプロパン、ジブチルジメトキシプロパン、エチルブチルジメトキシプロパン、ジメトキシテトラヒドロフラン、テトラメトキシプロパンおよびポリエーテル化合物としてはポリエチレンメチルエーテル等が挙げられる。
【0030】
2個以上の酸素原子を有するエステル化合物としては特に限定はないが、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチルなどが挙げられる。
【0031】
2個以上の酸素原子を有するジケトン化合物としては特に限定はないが、例えば、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、アセトニルアセトン等が挙げられる。
【0032】
上記(iv)の酸素含有有機化合物は単独で用いてもよく、また2種類以上を混合あるいは反応させて使用することもできる。また、重合反応中に重合反応溶媒への(iv)の酸素含有有機化合物の溶出割合が少なく、触媒の経時変化が少ないなどの理由から、2個以上の酸素原子を有するエーテル化合物、ポリエーテル化合物が特に好ましい。
【0033】
また、(iv)の酸素含有有機化合物の使用量は、酸素含有有機化合物と(i)のマグネシウム化合物のMgのモル比で、0.01≦酸素含有化合物/Mg≦20が好ましく、中でも0.01≦酸素含有化合物/Mg≦10が特に好ましい。この比が0.01より小さいと共役ジエンが1,2−シクロペンタン環として取り込まれない可能性があり、逆に20より大きいと重合活性が低くなるおそれがある。
【0034】
(iv)の酸素含有有機化合物の固体触媒への添加は、固体触媒調製の特定の段階に限定するものではなく、いずれの段階でも添加可能である。例えば、(i)のマグネシウム化合物、(ii)のチタン化合物を含有する均一溶液の調製段階に共存させておく方法、均一溶液それ自体へ添加する方法、均一溶液と(iii)のハロゲン化有機アルミニウム化合物の反応中に添加する方法もしくは均一溶液と(iii)のハロゲン化有機アルミニウム化合物との反応終了後の固体触媒へ添加する方法等が挙げられる。
【0035】
これら均一溶液の調製、均一溶液と(iii)のハロゲン化有機アルミニウム化合物の反応および(iv)の酸素含有有機化合物を添加する反応の反応条件は特に限定されるものではなく、通常−50〜300℃、好ましくは0〜200℃なる範囲の温度で、通常0.5〜50時間、好ましくは1〜6時間、不活性ガス雰囲気中で常圧または加圧下に行われる。また、例えば、特開平7−41513号公報で開示されたような、多段階で(iii)のハロゲン化有機アルミニウム化合物を反応させる方法も可能である。
【0036】
本発明の固体触媒の調製、すなわち上記の(i)のマグネシウム化合物、(ii)のチタン化合物を含有する均一溶液の調製、均一溶液と(iii)ハロゲン化有機アルミニウム化合物との反応、および(iv)酸素含有有機化合物との反応において、不活性溶媒を希釈剤として用いることも可能である。特に、(i)のマグネシウム化合物と(ii)のチタン化合物を含有する均一溶液の量が不十分な場合、または、後続の反応において著しく粘稠になり、反応が困難になる場合は、不活性有機溶媒の存在下で触媒調製を行うことが好ましい。
【0037】
不活性有機溶媒としては、当該技術分野で通常用いられるものはいずれのものでも使用でき、脂肪族、脂環族もしくは芳香族炭化水素類、またはそれらのハロゲン誘導体、あるいはそれらの混合物が挙げられる。例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼンなどが好ましく用いられる。
【0038】
かくして得られた固体触媒成分(A)は、残存する未反応物および副生成物を除去することなく、もしくは濾過や傾斜法により除去してから重合反応に用いることができる。
【0039】
また、この固体触媒成分(A)は、そのまま懸濁状態で重合に供することができるが、場合によっては溶媒から分離してもよく、さらには常圧あるいは減圧下で加熱して固体触媒の調製に用いた溶媒を除去し、乾燥した状態で使用することもできる。
【0040】
有機アルミニウム化合物(B)としては、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基を有するアルミニウム化合物が用いられる。具体的には、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウムなどが挙げられる。このほか炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアルミニウム水素化物を使用することができる。このような化合物としては、具体的にはジ−i−ブチルアルミニウム水素化物などを挙げることができる。また、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアルミニウムハライド、例えば、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−i−ブチルアルミニウムクロライド、またはアルキルアルミニウムアルコキシド、例えば、ジエチルアルミニウムエトキシドなども使用できる。
【0041】
本発明に用いられる共役ジエンは、下記一般式(1)
CH=CH−CH=CH(C2m+1)     (1)
(mは0以上の整数である。)
で表される。このような共役ジエンとして特に限定はないが、例えば1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン等が挙げられる。中でも安価で、共重合性がよい1,3−ブタジエンが好ましい。
【0042】
本発明において、エチレン、共役ジエンに加えて、共重合体の密度の調整等を目的として、下記一般式(2)
CH=CH(C2n+1)     (2)
(nは1以上の整数である。)
で表されるα−オレフィンを用いることも可能である。このようなα−オレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等を例示できる。
【0043】
本発明により製造されたエチレン−共役ジエン系共重合体は、共役ジエンが共重合体主鎖中に1,2−シクロペンタン環として高い選択性で取り込まれ、かつ、通常知られている反応である1,4−付加によるトランスビニレンの生成量が少ない、即ち内部オレフィンが少ない構造であることを特徴としている。従って、この特徴が発現されるためには、1,2−シクロペンタン環の数とトランスビニレンの数の比
(1,2−シクロペンタン環の数)/(トランスビニレンの数)
が5以上、より好ましくは10以上である。
【0044】
さらに、共重合体主鎖中の1,2−シクロペンタン環の数は、1000カーボンあたり0.2個以上、より好ましくは1個以上であるのがよい。
【0045】
また、30wt%の過酸化水素水に40℃で200時間浸漬処理した後のメルトインデックス(MI)値の変化が
|log(MI/MI)| < 0.25
(MIは過酸化水素水浸漬処理後に190℃で測定したMI値、MIは過酸化水素水浸漬処理前に190℃で測定したMI値を表す。また、MI、MI値は共に測定荷重2.16kgでの測定値を表す。ただし、測定荷重2.16kg荷重でのMI値が0.01以下の場合は、測定荷重21.6kgでの測定値を表す。)
であるのがよい。
【0046】
分子量は、数平均分子量で1000以上が好ましい。
【0047】
密度、分子量分布の指標である数平均分子量と重量平均分子量の比(Mw/Mn)等は特に制限はない。
【0048】
ここで、上記した範囲の物性値を有するエチレン−共役ジエン系共重合体は、熱的、化学的安定性に優れるものとなる。
【0049】
本発明のエチレン−共役ジエン系共重合体を製造する重合条件は、オレフィン重合における一般的な反応条件で行うことができる。すなわち、連続式またはバッチ式で20〜300℃の温度で重合を行う。重合圧としては特に限定はないが、加圧下、特に0.15〜200MPaの使用が適している。重合を不活性溶媒の存在下に行う場合には、不活性溶媒として通常使用されているいかなるものも使用し得る。
【0050】
重合を不活性溶媒の存在しない気相中で行う場合は、重合体の融点以下の温度でオレフィンガスの存在下で反応を行う。
【0051】
重合工程において使用する反応器としては、流動床型撹拌器、撹拌槽型撹拌器など当該技術分野で通常用いられるものであれば適宜使用することができる。流動床型撹拌器を用いる場合は、ガス状のオレフィンおよび/または不活性ガスを該系に吹き込むことにより、該反応系を流動状態に保ちながら行われる。撹拌槽型撹拌器を用いる場合、撹拌機としては、イカリ型撹拌機、スクリュー型撹拌機、リボン型撹拌機など種々の型の撹拌機を用いることができる。
【0052】
また、生成重合体の分子量は公知の手段、すなわち適当量の水素を反応系内に存在させるなどの方法により調節することができる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0054】
なお、重合操作、反応および溶媒精製は、すべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に用いた溶媒等は、すべて予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。さらに、反応に用いた化合物は、公知の方法により合成、同定したものを用いた。
【0055】
[物性測定]
HLMI/MI値:分子量分布の尺度として高負荷メルトインデックス(HLMI)とメルトインデックス(MI)の比を用いる。HLMI/MI値が小さいと分子量分布が狭いと考えられる。HLMIの測定はJIS−K−7210(1995年)の条件7に準拠して測定した。MIの測定はJIS−K−7210(1995年)の条件4に準拠して測定した。
【0056】
密度:サンプル樹脂を100℃の熱水に1時間浸漬し、その後室温まで放冷したものについて、23℃に保った密度勾配管を用いて測定した。
【0057】
トランスビニレン基:FT−IRの964cm−1のピークから算出した。なお、末端ビニル基、ビニリデン基の二重結合についても、FT−IRの908cm−1、888cm−1のピークからそれぞれ算出した。
【0058】
1,2−シクロペンタン環の数:die Makromolecule Chemie 192,2591−2601(1991)のアサインメントに基づき、13C−NMRにより求めた。化学シフトが24.5ppm、32.7ppm、35.8ppmおよび46.4ppmの各々のシグナルに相当する面積比からトランス−シクロペンタン環の数、23.0ppm、30.3ppm、31.0ppm、23.0ppmの各々のシグナルに相当する面積比からシス−シクロペンタン環の数を算出した。
【0059】
MI/MI:MIはサンプル樹脂を30wt%の過酸化水素水に40℃で200時間浸漬処理した後、190℃で測定した。MIは過酸化水素水浸漬処理前のサンプル樹脂を190℃で測定した。なお、MI、MI値はJIS−K−7210(1995年)の条件4に準拠して共に測定荷重2.16kgで測定した。ただし、測定荷重2.16kg荷重でのMI値が0.01以下の場合は、JIS−K−7210(1995年)の条件7に準拠して測定荷重21.6kgで測定した。
【0060】
実施例1
[固体触媒成分の調製]
攪拌装置を備えた3lのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末30.0g(1.23モル)およびチタンテトラブトキシド42.0g(0.123モル)を入れ、ヨウ素1.5gを溶解したn−ブタノール 100.6g(1.36モル)と2−エチル−ヘキサノール 176.9g(1.36モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下に140℃で2時間攪拌した。これにヘキサン2100mlを加えて、均一溶液を得た。
【0061】
この均一溶液61.9g(Mgとして0.042モル相当)を別途用意した500mlのガラスフラスコに入れ、1,2−ジメトキシエタン 0.76g(0.008モル)を加え、60℃で1時間攪拌を行った。ここで得られた均一溶液を45℃に冷却し、i−ブチルアルミニウムジクロライド 0.13モルを含むヘキサン溶液47mlを加え、70℃で1時間攪拌を行った。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で7回洗浄を行った。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分を得た。その一部を採取して、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾燥し、元素分析をしたところ、Tiは3.3重量%であった。
【0062】
[エチレン−ブタジエン共重合]
内容積2lのステンレススチール製電磁撹はん式オートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2lを仕込み、内温を80℃に調節した。その後、トリ−i−ブチルアルミニウム 0.22g(1.1ミリモル)および前記で得た固体触媒成分154mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.1MPaに調節した後、水素を0.5MPa、1,3−ブタジエン 48gを加え、次いでオートクレーブ内圧が1.2MPaになるように、連続的にエチレンを加えながら1.5時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスを追い出してポリマーを取り出し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
【0063】
その結果、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)値は3.1g/10分、HLMI/MIは31、密度は0.948g/cmのエチレン−ブタジエン共重合体215gが得られた。この重合体の1,2−シクロペンタン環の数は、トランスが炭素数1000個当たり1.8個、シスが0.20個だった。トランスビニレン基の数は、炭素数1000個あたり0.17個だった。従って、(1,2−シクロペンタン環の数)/(トランスビニレンの数)は12だった。
【0064】
なお、末端ビニル基の数は、炭素数1000個あたり0.09個、ビニリデン基は検出限界(<0.05個)以下だった。
【0065】
[過酸化水素水への浸漬試験]
環流管の付いた300mlのガラスフラスコに、30wt%の過酸化水素水200mlと前記[エチレン−ブタジエン共重合]で得られた共重合体15gを入れ、40℃に保持して200時間浸漬した。過酸化水素水を濾過した後、水で7回洗浄し、真空乾燥した。浸漬後のポリマーの2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)値は2.50g/10分で、|log(MI/MI)|=0.096だった。
【0066】
比較例1
[固体触媒成分の調製]
実施例1において、1,2−ジメトキエタンを用いなかった以外、実施例1と同様に触媒を調製した。
【0067】
[エチレン−ブタジエン共重合]
実施例1において、固体触媒成分を前記[固体触媒成分の調製]で調製した固体触媒成分20mgとした以外、同様の方法によりエチレン−ブタジエン共重合を行った。
【0068】
その結果、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)値は1.3g/10分、HLMI/MIは39、密度は0.947g/cmのエチレン−ブタジエン共重合体171gが得られた。この重合体は13C−NMRにおいて1,2−シクロペンタン環の化学シフトを検出できなかった。トランスビニレン基の数は、炭素数1000個あたり3.18個だった。従って、(1,2−シクロペンタン環の数)/(トランスビニレンの数)は0だった。
【0069】
なお、末端ビニル基の数は、炭素数1000個あたり0.19個、ビニリデン基は検出限界(<0.05個)以下だった。
【0070】
[過酸化水素水への浸漬試験]
実施例1において、共重合体を前記[エチレン−ブタジエン共重合]で得られた重合体とした以外、同様の方法により過酸化水素水への浸漬試験を行った。その結果、浸漬後のポリマーの2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)値は0.68g/10分で、|log(MI/MI)|=0.27だった。
【0071】
実施例2
[固体触媒成分の調製]
実施例1において、1,2−ジメトキエタンの代わりに、2,2−ジブチル−1,3−ジメトキシプロパン 1.8g(0.008モル)を用いた以外、実施例1と同様に触媒を調製した。
【0072】
[エチレン−ブタジエン共重合]
実施例1において、固体触媒成分を前記[固体触媒成分の調製]で調製した固体触媒成分103mgとした以外、同様の方法によりエチレン−ブタジエン共重合を行った。
【0073】
その結果、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)値は3.4g/10分、HLMI/MIは25、密度は0.948g/cmのエチレン−ブタジエン共重合体227gが得られた。この重合体の1,2−シクロペンタン環の数は、トランスが炭素数1000個当たり2.6個、シスが0.07個だった。トランスビニレン基の数は、炭素数1000個あたり0.17個だった。従って、(1,2−シクロペンタン環の数)/(トランスビニレンの数)は16だった。
【0074】
なお、末端ビニル基の数は、炭素数1000個あたり0.09個、ビニリデン基は検出限界(<0.05個)以下だった。
【0075】
[過酸化水素水への浸漬試験]
実施例1において、共重合体を前記[エチレン−ブタジエン共重合]で得られた重合体とした以外、同様の方法により過酸化水素水への浸漬試験を行った。その結果、浸漬後のポリマーの2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)値は2.4g/10分で、|log(MI/MI)|=0.16だった。
【0076】
実施例3
[固体触媒成分の調製]
攪拌装置を備えた3lのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末45.0g(1.85モル)およびチタンテトラブトキシド126g(0.370モル)を入れ、ヨウ素2.3gを溶解したn−ブタノール 151g(2.04モル)と2−エチル−ヘキサノール 265g(2.04モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下に140℃で2時間攪拌した。これにヘキサン2100mlを加えて、均一溶液を得た。
【0077】
この均一溶液80g(Mgとして0.085モル相当)を別途用意した500mlのガラスフラスコに入れ、70mlのヘキサンで希釈した。この均一溶液に、45℃でジエチルアルミニウムクロライド0.17モルを含むヘキサン溶液100mlを加え、70℃で1時間攪拌を行った。これを45℃に冷却した後、1,2−ジメトキシエタン 1.1g(0.012モル)を加え、1時間攪拌した。これに、i−ブチルアルミニウムジクロライド 0.34モルを含むヘキサン溶液126mlを加え、70℃で1時間攪拌を行った。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で7回洗浄を行った。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分を得た。その一部を採取して、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾燥し、元素分析をしたところ、Tiは4.2重量%であった。
【0078】
[エチレン−ブタジエン共重合]
実施例1において、固体触媒成分を前記[固体触媒成分の調製]で調製した固体触媒成分102mgとした以外、同様の方法によりエチレン−ブタジエン共重合を行った。
【0079】
その結果、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)値は3.2g/10分、HLMI/MIが28、密度は0.948g/cmのエチレン−ブタジエン共重合体125gが得られた。この重合体の1,2−シクロペンタン環の数は、トランスが炭素数1000個当たり2.0個、シスが0.15個だった。トランスビニレン基の数は、炭素数1000個あたり0.19個だった。従って、(1,2−シクロペンタン環の数)/(トランスビニレンの数)は11だった。
【0080】
なお、末端ビニル基の数は、炭素数1000個あたり0.08個、ビニリデン基は検出限界(<0.05個)以下だった。
【0081】
[過酸化水素水への浸漬試験]
実施例1において、共重合体を前記[エチレン−ブタジエン共重合]で得られた重合体とした以外、同様の方法により過酸化水素水への浸漬試験を行った。その結果、浸漬後のポリマーの2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)値は2.8g/10分で、|log(MI/MI)|=0.061だった。
【0082】
実施例4
[固体触媒成分の調製]
攪拌装置を備えた3lのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末50.0g(2.06モル)およびチタンテトラブトキシド210g(0.617モル)を入れ、ヨウ素2.5gを溶解したn−ブタノール 320g(4.32モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下に140℃で2時間攪拌した。これにヘキサン2100mlを加えて、均一溶液を得た。
【0083】
この均一溶液91g(Mgとして0.096モル相当)を別途用意した500mlのガラスフラスコに入れ、70mlのヘキサンで希釈した。この均一溶液に、45℃でi−ブチルアルミニウムジクロライド 0.58モルを含むヘキサン溶液210mlを加え、70℃で1時間攪拌を行った。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で7回洗浄を行った。これに、1,2−ジメトキシプロパン 1.7g(0.019モル)を加え、45℃で2時間攪拌し、生成物にヘキサンを加え、傾斜法で7回洗浄を行った。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分を得た。その一部を採取して、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾燥し、元素分析をしたところ、Tiは8.5重量%であった。
【0084】
[エチレン−ブタジエン共重合]
実施例1において、固体触媒成分を前記[固体触媒成分の調製]で調製した固体触媒成分100mgとした以外、同様の方法によりエチレン−ブタジエン共重合を行った。
【0085】
その結果、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)値は2.7g/10分、HLMI/MIは34、密度は0.948g/cmのエチレン−ブタジエン共重合体95gが得られた。この重合体の1,2−シクロペンタン環の数は、トランスが炭素数1000個当たり1.6個、シスが0.10個だった。トランスビニレン基の数は、炭素数1000個あたり0.23個だった。従って、(1,2−シクロペンタン環の数)/(トランスビニレンの数)は7.4だった。
【0086】
なお、末端ビニル基の数は、炭素数1000個あたり0.13個、ビニリデン基は検出限界(<0.05個)以下だった。
【0087】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、共役ジエンが共重合体主鎖中に1,2−シクロペンタン環として高い選択性で取り込まれ、かつ、内部オレフィンが少ない構造のエチレン−共役ジエン系共重合体が得られる。このようなエチレン−共役ジエン系共重合体は、熱的、化学的安定性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における触媒調製のフローである。

Claims (3)

  1. 遷移金属化合物と有機金属化合物からなる触媒成分の存在下、エチレン−共役ジエン系共重合体を製造するにあたって、
    (A)成分として、
    (i)金属マグネシウムと水酸化有機化合物、マグネシウムの酸素含有有機化合物、およびマグネシウムのハロゲン含有化合物から選ばれる少なくとも一員と
    (ii)少なくとも1種のチタンの酸素含有有機化合物を含有する均一溶液と
    (iii)ハロゲン化有機アルミニウム化合物とを反応して得られる固体触媒であり、かつ、その固体触媒調製の任意の段階で
    (iv)2個以上の酸素原子を有するエーテル化合物、ポリエーテル化合物、エステル化合物およびジケトン化合物から選ばれる少なくとも一員
    を添加する方法により調製された固体触媒と
    (B)成分として有機アルミニウム化合物
    からなる触媒の存在下に、
    エチレンと下記一般式(1)
    CH=CH−CH=CH(C2m+1)     (1)
    (mは0以上の整数である。)
    で表される共役ジエンを共重合することにより、
    1,2−シクロペンタン環を有し、かつ、1,2−シクロペンタン環の数とトランスビニレンの数の比
    (1,2−シクロペンタン環の数)/(トランスビニレンの数)
    が5以上である重合体を製造することを特徴とするエチレン−共役ジエン系共重合体の製造方法。
  2. エチレン、一般式(1)で表される共役ジエン、および下記一般式(2)
    CH=CH(C2n+1)     (2)
    (nは1以上の整数である。)
    で表されるα−オレフィンを共重合することを特徴とする請求項1に記載のエチレン−共役ジエン系共重合体の製造方法。
  3. 一般式(1)で表される共役ジエンが、1,3−ブタジエンであることを特徴とする請求項1乃至2に記載のエチレン−共役ジエン系共重合体の製造方法。
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