JPH09309921A - 中空成形用エチレン系重合体 - Google Patents

中空成形用エチレン系重合体

Info

Publication number
JPH09309921A
JPH09309921A JP12598196A JP12598196A JPH09309921A JP H09309921 A JPH09309921 A JP H09309921A JP 12598196 A JP12598196 A JP 12598196A JP 12598196 A JP12598196 A JP 12598196A JP H09309921 A JPH09309921 A JP H09309921A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
olefin
component
polymer
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12598196A
Other languages
English (en)
Inventor
Isamu Yamamoto
勇 山本
Tadahiro Kaminari
忠宏 神成
Mitsuhiro Aiba
光弘 相場
Masayuki Shinohara
正之 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP12598196A priority Critical patent/JPH09309921A/ja
Publication of JPH09309921A publication Critical patent/JPH09309921A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】十分な座屈強度とESCRを有し、溶融パリソ
ンのカット性の良好なエチレン系重合体。 【解決手段】(1) メルトインデックスが0.01〜1.
0g/10分、密度が960〜973kg/m3 、か
つ、式(1) で定義されるPDIが110〜400である
エチレン系重合体。 PDI=ω2 /(ω1 ×10) ・・・(1) ω1 :動的弾性率G’1 =3×103 dyne/cm2における
角速度 ω2 :動的弾性率G’2 =3×105 dyne/cm2における
角速度 (2) (a) 成分のエチレンとα−オレフィンとの共重合体
と(b) 成分のエチレン単独重合体ないしはエチレンとα
−オレフィンとの共重合体からなるエチレン系重合体を
溶剤で洗浄しなお、(a) 成分の極限粘度〔η〕=10〜
13dl/g、α−オレフィン単位の含有量≦10重量
%、割合 11〜15重量%、(b) 成分の極限粘度
〔η〕=1.3〜1.8dl/g、α−オレフィン単位
の含有量≦5重量%、割合 89〜85重量%であるエ
チレン系重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空成形用に適し
たエチレン系重合体に関するものであって、詳しくは、
薄肉化しても十分な座屈強度と耐環境応力亀裂性(以
下、ESCRと称することがある。)を有し、かつ、溶
融パリソンのカット性の良好なエチレン系重合体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】中小型容器の分野では、環境問題やコス
トダウンの観点から容器1本当たりの樹脂使用量(目付
け)低減が要求されている。この目付け低減には容器の
薄肉化が必要であるが、単に薄肉化すれば、圧縮荷重に
対する抵抗性(座屈強度)が低下してしまうので、材料
の密度を上げて弾性率を高くする等の手段がとられてい
た。
【0003】しかし、材料の密度を上げると、中小型容
器の主要な用途である洗剤容器等では、内容物の作用に
よる破壊に対する抵抗性(耐環境応力亀裂性)が低下す
る。このESCRの低下は、成形加工技術により容器の
肉厚分布パターンやピンチオフ形状を調整することであ
る程度改善できるが、容器の生産性が低下したり、特殊
な成形機が必要となったりするのでコストアップとなっ
ている。
【0004】そこで、薄肉化するために密度を上げても
ESCRが低下しない中空成形用エチレン重合体組成物
が例えば特開平5−255440号公報や特開平7−2
42775号公報に提案されているが、ESCRと座屈
強度の関係は満足のいくものであるが、中空成形で重要
な工程である溶融パリソンのカット性、特にカッター刃
に熱をかけないコールドカットシステムにおけるカット
性に劣るという欠点がある。このカット性が劣ると、例
えばブローアップ時に挿入されるブローピンが切断でき
なかったパリソンに巻き込まれてブローアップできなか
ったり、ブローアップができても容器の目付けの変動が
大きくなり不良品となったりする。
【0005】なお、カッター刃に熱をかけるホットカッ
トシステムにすることでカット性はある程度改善される
が、カッター刃に溶融パリソンの樹脂が蓄積し、頻繁に
刃を清掃する必要があり、生産性や機器管理の面から望
ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、目付けを低
減しても十分な座屈強度とESCRを有する洗剤等の容
器が得られ、かつ、溶融パリソンのカット性の良好なエ
チレン系重合体を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、鋭意検討した結果、下記の特性を有するエチレン系
重合体とすることで目的を達成できることを見出し、本
発明を完成した。 (1)メルトインデックスが0.01〜1.0g/10
分であり、密度が960〜973kg/m3 であり、か
つ、下記の式(1) で定義させるPDIが110〜400
であることを特徴とする中空成形用エチレン系重合体。 PDI=ω2 /(ω1 ×10) ・・・(1) ω1 :動的弾性率G’1 =3×103 dyne/cm2における
角速度 ω2 :動的弾性率G’2 =3×105 dyne/cm2における
角速度 (2)下記(a) 成分のエチレンと他のα−オレフィンと
の共重合体と(b) 成分のエチレン単独重合体ないしはエ
チレンと他のα−オレフィンとの共重合体からなるエチ
レン系重合体を溶剤で洗浄することにより製造される上
記(1)に記載の中空成形用エチレン系重合体。
【0008】 (a) 成分:極限粘度〔η〕=10〜13dl/g α−オレフィン単位の含有量≦10重量% 割合 11〜15重量% (b) 成分:極限粘度〔η〕=1.3〜1.8dl/g α−オレフィン単位の含有量≦5重量% 割合 89〜85重量% (3)ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンのいずれか
の単独又は2種以上の混合物からなる溶媒を用いて、4
0〜90℃の温度範囲で洗浄する上記(2)に記載の中
空成形用エチレン系重合体。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の中空成形用エチレン系重
合体は、以下に示すメルトインデックス、密度及びPD
Iを満足するものであることを特徴とする。この重合体
のメルトインデックス(以下、MI)は、0.01〜
1.0g/10分、好ましくは0.1〜0.8g/10
分である。0.01g/10分未満であると、ボトルの
生産性が低下し、一方、MIが1.0g/10分を超え
ると、ドローダウンし易くなり、偏肉が発生し易くボト
ル成形が困難となるため、いずれも好ましくない。な
お、MIはJIS−K−6760に従い、190℃、荷
重2.16kgfで測定する。
【0010】また、重合体の密度は、960〜973k
g/m3 、好ましくは962〜968kg/m3 のもの
である。960kg/m3 未満であると、弾性率が低
く、薄肉化が困難となり、一方、密度が973kg/m
3 を超えると、耐衝撃性が低下するため、いずれも好ま
しくない。なお、密度はJIS−K−7112のD法に
従って測定する。試料ペレットはメルトインデックス計
を用いて190℃で溶融し、直径3mmのオリフィスか
ら押し出した棒状サンプルを小片に切り、この小片を自
動温度調節恒温槽を用いて、次の温度パターンの順序で
状態調節して、密度測定用のサンプルとする。まず昇
温速度97℃/時間で室温23℃から120℃へ1時間
で昇温する。次に、120℃で1時間保持する。さ
らに、降温速度129℃/時間で120℃から23℃へ
45分間で降温する。
【0011】さらに、本発明の中空成形用エチレン系重
合体は、以下に定義される重合体のPDIが、110〜
400の範囲、好ましくは120〜350の範囲のもの
である。110未満であると、ボトルESCRが低下す
る傾向にあり、一方、400を超えると、パリソンカッ
ト性が悪くなるだけでなく、得られるエチレン系重合体
の剛性とESCRとのバランスが悪化する傾向がみられ
るため、いずれも好ましくない。
【0012】このPDIは、粘弾性測定装置で、角速度
ωを変化させて動的弾性率G’を測定し、角速度ωと動
的弾性率G’の関係を求め、動的弾性率G’1 =3×1
3dyne/cm2における角速度ω1 と動的弾性率G’2
3×105 dyne/cm2における角速度ω2 から次の式(1)
により算出するものである。これは上記のようにパリソ
ンカット性と相関がある。
【0013】 PDI=ω2 /(ω1 ×10) ・・・(1) ω1 :動的弾性率G’1 =3×103 dyne/cm2における
角速度 ω2 :動的弾性率G’2 =3×105 dyne/cm2における
角速度 なお、粘弾性の測定は、レオメトリックス社製システム
IV動的粘弾性測定装置を使用し、板厚1mmのプレス成
形試験片により、窒素ガス雰囲気下、温度190℃、歪
み15%、コーン/プレートで角速度10-2〜102
ジアン/秒の条件において行う。本発明の中空成形用エ
チレン系重合体は、下記(a) 成分のエチレンと他のα−
オレフィンとの共重合体を重合した後に、(b) 成分のエ
チレン単独重合体ないしはエチレンと他のα−オレフィ
ンとの共重合体を重合する二段重合法又は(b) 成分を重
合した後に、(a) 成分を重合する二段重合法で得られた
エチレン系重合体を溶剤で洗浄することにより製造する
ことができる。好ましくは、(a) 成分を重合した後に、
(b) 成分を重合する二段重合法で得られたエチレン系重
合体を溶剤で洗浄することにより製造する方法である。
【0014】(a) 成分は、エチレンと他のα−オレフィ
ンとの共重合体であって、極限粘度〔η〕が10〜13
dl/gであり、α−オレフィン単位の含有量が10重
量%以下、好ましくは0.5〜5重量%の範囲で、この
割合は11〜15重量%である。(b) 成分は、エチレン
単独重合体ないしはエチレンと他のα−オレフィンとの
共重合体であって、極限粘度〔η〕が1.3〜1.8d
l/gであり、α−オレフィン単位の含有量が5重量%
以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくはエチレ
ン単独重合体であって、この割合は89〜85重量%で
ある。
【0015】上記エチレンと他のα−オレフィンとの共
重合体からなる成分(a) をさらに詳しく述べると、他の
α−オレフィンとしては、エチレン以外のもの、例えば
プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、オクテン−
1、4−メチルペンテン−1、ビニルシクロヘキサンな
どが挙げられる。これらの「他のα−オレフィン」は、
1種のみを用いてもよいし、或いは2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。また、ここで用いられる「他のα−
オレフィン」は、後述する(b) 成分において用いる「他
のα−オレフィン」とは、同一のものであってもよい
し、異なるものであってもよい。
【0016】このような他のα−オレフィン単位の含有
量は、(a) 成分においては10重量%以下、好ましくは
0.5〜5重量%の範囲である。ここで他のα−オレフ
ィン単位の含有量が10重量%を超えると、溶剤可溶成
分が増加するとともに、長時間にわたる連続運転が困難
になる。また、(a) 成分(エチレン共重合体成分)の極
限粘度〔η〕は、10〜13dl/gの範囲のものであ
る。ここで極限粘度〔η〕が10dl/g未満のもので
は、得られるエチレン系重合体のボトルESCRが不充
分となり、一方、極限粘度〔η〕が13dl/gを超え
ると、パリソンカット性が悪化するため、いずれも好ま
しくない。
【0017】次に、エチレン単独重合体又はエチレンと
他のα−オレフィンとの共重合体からなる成分(b) をさ
らに詳しく述べると、「他のα−オレフィン」として
は、上記したものが挙げられ、(a) 成分において用いる
「他のα−オレフィン」とは、同一のものであってもよ
いし、異なるものであってもよいことは、上記した通り
である。
【0018】このような他のα−オレフィン単位の含有
量は、(b) 成分においては5重量%以下、好ましくは3
重量%以下、より好ましはエチレン単独重合体である。
ここで他のα−オレフィン単位の含有量が5重量%を超
えると、得られるエチレン系重合体の剛性とESCRと
のバランスが悪化する傾向がみられるため、好ましくな
い。
【0019】また、(b) 成分の極限粘度〔η〕は1.3
〜1.8dl/gの範囲のものである。この極限粘度
〔η〕が1.3dl/g未満ではパリソンカット性が悪
化し、一方、極限粘度〔η〕が1.8dl/gを超える
と、得られる中空成形容器の剛性が低下するため、いず
れも好ましくない。なお、極限粘度〔η〕はデカリン
中、135℃で測定する。
【0020】上記(a) 成分及び(b) 成分を二段重合する
代表的な方法としては、(A)チタン含有固体触媒成分
と、(B)有機アルミニウム化合物と、(C)電子供与
体とからなる触媒の存在下に、エチレンと他のα−オレ
フィンとを重合させて、(a)成分を重合し、次にエチレ
ン単独又はエチレンと他のα−オレフィンとを重合させ
て、(b) 成分を重合する方法を挙げることができる。ま
た、上記触媒の存在下に、エチレン単独又はエチレンと
他のα−オレフィンとを重合させて、(b) 成分を重合
し、次にエチレンと他のα−オレフィンとを重合させ
て、(a) 成分を重合する方法を挙げることができる。
【0021】より詳しく述べると、上記した如き触媒の
所定量を、好ましくは不活性溶媒、例えばペンタン,ヘ
キサン,シクロヘキサン等の炭化水素溶媒に加え、この
触媒の存在下に、(イ)エチレンと他のα−オレフィン
とを重合させて、極限粘度〔η〕が10〜13dl/g
で、且つ、他のα−オレフィン単位の含有量が10重量
%以下のエチレン共重合体を、重合体全重量の11〜1
5重量%の割合で製造して(a) 成分を得る工程、(ロ)
エチレン単独又はエチレンと他のα−オレフィンとを重
合させて、極限粘度〔η〕が1.3〜1.8dl/gの
エチレン単独重合体又は他のα−オレフィン単位の含有
量が5重量%以下のエチレン共重合体を、重合体全重量
の89〜85重量%の割合で製造して(b) 成分を得る工
程を任意の順序で行うことにより、まずエチレン系重合
体を製造する。
【0022】このような二段重合法によるエチレン系重
合体の製造法は、例えば特開平3−277611号公報
に記載されている。本発明の中空成形用エチレン系重合
体は、上記のようにして得られたエチレン系重合体を、
溶剤で洗浄することにより、製造することができる。こ
の溶剤洗浄に使用する溶剤としては、例えばヘキサン,
ヘプタン,シクロヘキサン等の不活性溶剤が挙げられ
る。また、洗浄温度は、通常、40〜90℃、好ましく
は50〜80℃である。洗浄温度が40℃未満である
と、重合体中にヘキサン洗浄分の残量が多くなり、ボト
ルESCRの向上効果が低くなり、一方、洗浄温度が9
0℃を超えると、所望のヘキサン洗浄分以外の成分も溶
出し、ボトルESCRの向上効果が低くなるため、いず
れも好ましくない。
【0023】この溶剤洗浄は、スラリー重合の場合、上
記溶剤1リットルに対して、上記のようにして得られた
エチレン系重合体を200〜500gの割合でスラリー
分散させ、上記温度で攪拌することにより行なうことが
できる。ここでスラリー濃度が上記範囲未満であると、
所望のヘキサン洗浄分以外の成分も溶出し、ボトルES
CRの向上効果が低くなり、一方、スラリー濃度が上記
範囲を超えると、重合体中にヘキサン洗浄分の残量が多
くなり、ボトルESCRの向上効果が低くなるため、い
ずれも好ましくない。また、気相重合でも、適切な溶剤
と洗浄温度で洗浄すればよい。
【0024】また、本発明の中空成形用エチレン系重合
体は、(a) 成分のエチレンと他のα−オレフィンとの共
重合体と(b) 成分のエチレン単独重合体ないしはエチレ
ンと他のα−オレフィンとの共重合体をそれぞれ別々に
重合したものからなる組成物を上記のように溶剤で洗浄
することにより製造することもできる。さらには、(a)
成分のエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体と
(b) 成分のエチレン単独重合体ないしはエチレンと他の
α−オレフィンとの共重合体をそれぞれ別々に重合し、
上記のように溶剤で洗浄したものからなる組成物であっ
てもよい。
【0025】以上のようにして本発明の目的とする中空
成形用エチレン系重合体を製造することができる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 (1)固体触媒成分の調製 ジエトキシマグネシウム890g(7.8モル)を含有
するヘキサンスラリー7リットルに、テトラ−n−ブト
キシチタン20g(0.6モル)を溶解したヘキサン溶
液5リットルを、20℃にて添加した後、これにエチル
アルミニウムジクロリドの50重量%ヘキサン希釈液
9.4リットルを、攪拌しながら40℃で60分間かけ
て滴下し、さらに還流下に120分間反応させた。次い
で、反応液中に塩素が検出されなくなるまで乾燥ヘキサ
ンで洗浄し、その後、ヘキサンを加え、全容量を30リ
ットルとした。
【0027】(2)エチレン系重合体の製造 200リットル容の第1段目〔(イ)工程〕の重合反応
器に、エチレンを1.4kg/時間、ヘキサンを21リ
ットル/時間及びブテン−1を47g/時間の割合で連
続的に供給すると共に、前記(1)で得られた固体触媒
成分を、チタン換算で0.6ミリモル/時間、1−アリ
ル−3,4−ジメトキシベンゼン0.9ミリモル/時間
及びトリイソブチルアルミニウム18ミリモル/時間の
割合で導入し、共重合を行なった。このものの〔η〕、
α−オレフィン含有量はそれぞれ11dl/g、1.7
重量%であった。
【0028】このようにして得られた第1段目の重合反
応器の重合液を、連続的に200リットル容の第2段目
〔(ロ)工程〕の重合反応器に導いた。この第2段目の
重合反応器に、エチレンを8.6kg/時間、ヘキサン
を10リットル/時間の割合で連続的に供給すると共
に、水素を連続的に供給し、80℃で重合して、重合液
を得た。第2段目で生成したエチレン重合体の〔η〕
は、1.39dl/gであった。また、第1段目の共重
合体の割合が14重量%、第2段目のエチレン重合体の
割合が86重量%であった。
【0029】なお、第2段目で生成したエチレン重合体
の〔η〕は、次式で算出する。
【0030】
【数1】
【0031】(3)溶剤洗浄並びに中空容器の成形 上記(2)で得られた重合体に、スラリー濃度が360
g/リットルとなるようにヘキサンを加え、温度50℃
で洗浄した後、遠心分離器でヘキサンを分離し、表1に
示す性状を有する中空成形用エチレン系重合体を得た。
このMI、密度及びPDIを前述したようにして測定
し、表1に示す。
【0032】次に、この中空成形用エチレン系重合体を
成形材料として、下記の条件で中空ハンドルボトルを成
形した。用いた材料の物性と、成形して得られたボトル
の物性とを表1に示す。なお、材料のESCRはベル法
(ASTM D−1693)に準拠して測定した。 (i) 容器の成形 成形方法 成形機は、直径50mmの中空成形機(L/D=20、
CR=1.6 、日本製鋼所製)、ダイ/コア=72.5/
70.0mm(直径)を用い、設定温度は、シリンダ
ー,ヘッド,ダイのいずれも190℃で、金型温度は2
0℃とし、定格容量1.2リットルの試験用ハンドル付
容器を成形した。
【0033】 肉厚分布の調節 容器の座屈強度とESCRは、同一材料で目付けが同等
であっても、肉厚分布やピンチオフ特性が異なれば変化
する。そこで材料間の弾性率とESCRの違いによる容
器の座屈強度とESCRを評価するため、肉厚分布及び
ピンチオフ形状は、成形条件を調節することにより、そ
れらが同等となるように調節した。なお、ピンチオフ形
状は、ピンチオフパラメータ(%)で評価したが、該値
は、容器底部のピンチオフ形状を表した第1図のピンチ
オフ部(c) を挟んだ(a) 部,(b)部の肉厚を、それぞれ c
mm, a mm, b mm とすると、次の式(2) で表わされ、最
小肉厚は c (mm) で表わされる。 ピンチオフパラメータ(P/Oパラメータ)(%) =〔2c/(a+b)〕×100 ・・・(2)
【0034】 パリソンカット性 ヘッド温度 190℃、吐出量 10kg/hrの条件
で、パリソン径50mm、パリソン肉厚1〜1.5mm
の溶融パリソンを形成し、これをエアーシリンダーに接
続した短冊型カッターでカットする。このカッターは速
度150mm/秒で水平方向に移動させる。パリソンカ
ット性は、高速ビデオカメラに撮影し、カットされる瞬
間のパリソン変形角(θ、第2図に示す。)を測定し、
パリソンカット性を定量化し、評価する。パリソン変形
角が大きい程、カット性が良好であり、カット性が不良
のものは、θ=0とみなす。
【0035】(ii)容器の物性測定法 成形直後より24時間以上、23℃、湿度50%にて状
態調節した容器について、座屈強度及びESCRを下記
の方法により測定した。 座屈強度 水道水を定格容量注入した容器について、大型圧縮試験
機〔TENSILON/CTM-I-5000 、 (株) 東洋精機製作所製〕
を用いて、12.5 mm/min の圧縮速度で圧縮し、この圧縮
試験中に変形する容器が示す力が最大となった時点の力
を座屈強度とした。
【0036】 ボトルESCR 10%濃度のアンタロックス Co-630 水溶液を、容器定
格容量の10%充填した後、溶融樹脂で容器の口を密封
し、内部空気が漏れないようにした。このように調製し
た容器10本を65℃のオーブン中に設置して、容器が
液漏れするまでの時間を定期的に測定した。容器10本
中、5本が液漏れする時間を統計的に求めて、F50とし
て示した。
【0037】実施例2及び3 表1に示すようになるように、極限粘度、割合、α−オ
レフィン量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして
重合、洗浄、成形及び評価を行なった。用いた材料の物
性と、成形して得られた容器の物性とを表1に示す。
【0038】比較例1〜6 表1に示すようになるように、極限粘度、割合、α−オ
レフィン量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして
重合、洗浄、成形及び評価を行なった。用いた材料の物
性と、成形して得られた容器の物性とを表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、目付けを低減しても十
分な座屈強度とESCRを有し、かつ、溶融パリソンの
カット性が良好な中空成形用エチレン系重合体が得ら
れ、各種中空成形用容器の材料として極めて有効に利用
することができる。また、この中空成形用エチレン系重
合体は、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体
((a) 成分)を重合した後に、エチレン単独重合体ない
しはエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体((b)
成分)を重合する二段重合法又は(b)成分を重合した後
に、(a) 成分を重合する二段重合法で得られたエチレン
系重合体を溶剤で洗浄することにより容易に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、容器底部断面のピンチオフ形状を示
したものである。
【図2】第2図は、パリソンカット性の評価法について
示したものである。
【符号の説明】
第1図中、符号cはピンチオフ部の肉厚を示し、a,b
は、c部を挟んだ厚肉部の肉厚を示す。 第2図中、θはパリソン変形角を示す。
フロントページの続き (72)発明者 篠原 正之 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 出光石油 化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトインデックスが0.01〜1.0
    g/10分であり、密度が960〜973kg/m3
    あり、かつ、下記の式(1) で定義されるPDIが110
    〜400であることを特徴とする中空成形用エチレン系
    重合体。 PDI=ω2 /(ω1 ×10) ・・・(1) ω1 :動的弾性率G’1 =3×103 dyne/cm2における
    角速度 ω2 :動的弾性率G’2 =3×105 dyne/cm2における
    角速度
  2. 【請求項2】 下記(a) 成分のエチレンと他のα−オレ
    フィンとの共重合体と(b) 成分のエチレン単独重合体な
    いしはエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体から
    なるエチレン系重合体を溶剤で洗浄することにより製造
    される請求項1に記載の中空成形用エチレン系重合体。 (a) 成分:極限粘度〔η〕=10〜13dl/g α−オレフィン単位の含有量≦10重量% 割合 11〜15重量% (b) 成分:極限粘度〔η〕=1.3〜1.8dl/g α−オレフィン単位の含有量≦5重量% 割合 89〜85重量%
  3. 【請求項3】 ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンの
    いずれかの単独又は2種以上の混合物からなる溶媒を用
    いて、40〜90℃の温度範囲で洗浄する請求項2に記
    載の中空成形用エチレン系重合体。
JP12598196A 1996-05-21 1996-05-21 中空成形用エチレン系重合体 Pending JPH09309921A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12598196A JPH09309921A (ja) 1996-05-21 1996-05-21 中空成形用エチレン系重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12598196A JPH09309921A (ja) 1996-05-21 1996-05-21 中空成形用エチレン系重合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09309921A true JPH09309921A (ja) 1997-12-02

Family

ID=14923777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12598196A Pending JPH09309921A (ja) 1996-05-21 1996-05-21 中空成形用エチレン系重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09309921A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1231229A2 (en) * 2001-02-08 2002-08-14 Mitsui Chemicals, Inc. Ethylene polymer, preparation process thereof and molded articles of the same
WO2013087167A3 (en) * 2011-12-12 2013-08-15 Saudi Basic Industries Corporation A process for the production of bimodal polyethylene in the presence of this catalyst system
US9518135B2 (en) 2011-12-12 2016-12-13 Saudi Basic Industries Corporation Catalyst system for the production of ultra-high molecular weight polyethylene

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1231229A2 (en) * 2001-02-08 2002-08-14 Mitsui Chemicals, Inc. Ethylene polymer, preparation process thereof and molded articles of the same
EP1231229A3 (en) * 2001-02-08 2005-02-09 Mitsui Chemicals, Inc. Ethylene polymer, preparation process thereof and molded articles of the same
CN100335511C (zh) * 2001-02-08 2007-09-05 三井化学株式会社 乙烯系均聚物或乙烯与C3-C20的α-烯烃的无规聚合物的制造方法
US7592403B2 (en) 2001-02-08 2009-09-22 Mitsui Chemicals, Inc. Ethylene polymer, preparation process thereof and molded articles of the same
WO2013087167A3 (en) * 2011-12-12 2013-08-15 Saudi Basic Industries Corporation A process for the production of bimodal polyethylene in the presence of this catalyst system
CN103998471A (zh) * 2011-12-12 2014-08-20 沙特基础工业公司 在催化剂体系存在下制造双峰聚乙烯的方法
US9518135B2 (en) 2011-12-12 2016-12-13 Saudi Basic Industries Corporation Catalyst system for the production of ultra-high molecular weight polyethylene
US9587047B2 (en) 2011-12-12 2017-03-07 Saudi Basic Industries Corporation Process for the production of bimodal polyethylene in the presence of this catalyst system
EA029440B1 (ru) * 2011-12-12 2018-03-30 Сауди Бейсик Индастриз Корпорейшн Способ получения бимодального полиэтилена в присутствии данной системы катализатора

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0987279B1 (en) Branched polypropylene
KR100507455B1 (ko) 필름 생성을 위한 인성 및 가공성이 개선된 수지용 에틸렌-노보르넨 공중합체를 갖는 선형 저밀도 폴리에틸렌 블렌드
CA2498086C (en) Polyethylene compositions for injection molding
US9056970B2 (en) High-density polyethylene compositions, method of producing the same, closure devices made therefrom, and method of making such closure devices
JP3656324B2 (ja) プロピレン/エチレン−α−オレフィン系ブロック共重合体及びその製造方法
RU2405007C2 (ru) Реологически модифицированные, имеющие относительно высокую прочность расплава полиэтиленовые композиции и способы изготовления труб, пленок, листов и изделий, формованных раздувом
US11859040B2 (en) Catalyst for olefin polymerization
JP4365685B2 (ja) 耐衝撃性ポリオレフィン製品の製造用ポリオレフィンマスターバッチ
EA011690B1 (ru) Полиэтиленовая композиция для колпачков и крышек, изготавливаемых литьём под давлением (варианты), способ ее получения, изделие, включающее композицию, способ получения изделия и его применение
JPH10506952A (ja) 広い分子量分散を有する新規なポリプロピレン組成物
JP4999462B2 (ja) プロピレン系樹脂押出発泡体
EP3851463A1 (en) Olefinic polymer
JP4549444B2 (ja) プロピレン系重合体組成物および熱成形体
EP2130860A1 (en) Polymer
JPH10182742A (ja) エチレン系重合体及び中空成形体
JPH09309921A (ja) 中空成形用エチレン系重合体
KR100287996B1 (ko) 올레핀(공)중합체용예비활성화촉매,올레핀(공)중합용촉매및올레핀(공)중합체조성물및그제조방법
EP3916048A1 (en) Polypropylene resin, polypropylene fiber and method for preparing same
JP2000129045A (ja) ポリエチレン製クリーン容器
JPH11138618A (ja) ブロー成形体
JP3309786B2 (ja) ポリプロピレン組成物
JPH1180454A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物及びそのフィルム
JP2000136274A (ja) ポリプロピレン系フィルム
JP3341568B2 (ja) プロピレン・エチレンブロック共重合体組成物およびその製造方法
JP2003213053A (ja) ポリエチレン組成物