JP6009674B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6009674B2
JP6009674B2 JP2015529624A JP2015529624A JP6009674B2 JP 6009674 B2 JP6009674 B2 JP 6009674B2 JP 2015529624 A JP2015529624 A JP 2015529624A JP 2015529624 A JP2015529624 A JP 2015529624A JP 6009674 B2 JP6009674 B2 JP 6009674B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inflator
deflector
hook
cushion
ejection hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015529624A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015016324A1 (ja
Inventor
優斗 小林
優斗 小林
勝行 舘野
勝行 舘野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Autoliv Development AB
Original Assignee
Autoliv Development AB
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Autoliv Development AB filed Critical Autoliv Development AB
Application granted granted Critical
Publication of JP6009674B2 publication Critical patent/JP6009674B2/ja
Publication of JPWO2015016324A1 publication Critical patent/JPWO2015016324A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/20Arrangements for storing inflatable members in their non-use or deflated condition; Arrangement or mounting of air bag modules or components
    • B60R21/213Arrangements for storing inflatable members in their non-use or deflated condition; Arrangement or mounting of air bag modules or components in vehicle roof frames or pillars
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/20Arrangements for storing inflatable members in their non-use or deflated condition; Arrangement or mounting of air bag modules or components
    • B60R21/217Inflation fluid source retainers, e.g. reaction canisters; Connection of bags, covers, diffusers or inflation fluid sources therewith or together
    • B60R21/2171Inflation fluid source retainers, e.g. reaction canisters; Connection of bags, covers, diffusers or inflation fluid sources therewith or together specially adapted for elongated cylindrical or bottle-like inflators with a symmetry axis perpendicular to the main direction of bag deployment, e.g. extruded reaction canisters

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Description

本発明は、シリンダ型のインフレータに取り付けられるディフレクタ、およびこのディフレクタを取り付けたインフレータをクッション部に挿入したエアバッグ装置に関するものである。
近年の車両にはエアバッグがほぼ標準装備されている。エアバッグは、車両衝突などの緊急時に作動する安全装置であって、ガス圧で膨張展開して乗員を受け止めて保護する。エアバッグには、設置箇所や用途に応じて様々な種類がある。例えば、前後方向からの衝突から乗員を守るために、ステアリングの中央にはフロントエアバッグが設けられている。また、側面衝突やそれに続いて起こるロールオーバ(横転)から乗員を守るために、壁部の天井付近にはサイドウィンドウに沿って膨張展開するカーテンエアバッグが設けられ、座席の側部には乗員のすぐ脇へ膨張展開するサイドエアバッグが設けられている。
エアバッグには、ガスの供給源としてインフレータと呼ばれるガス発生装置が備えられている。インフレータにも、エアバッグの種類やその設置箇所に応じて様々な種類がある。例えば、フロントエアバッグにはディスク型(円板型)のインフレータが主に用いられていて、カーテンエアバッグやサイドエアバッグにはシリンダ型(筒型)のインフレータが主に用いられている。
エアバッグがクッション部(膨張展開する袋状の部分)の内圧を高く保つためには、クッション部の気密性を向上させる必要がある。例えば特許文献1に記載されているカーテンエアバッグでは、インフレータが挿し込まれるガス導入口の内側に弾性接着剤を塗布し、さらにそこへインフレータを挿し込んでからバンド状の締付部材で締め付けることで、ガス導入口付近における気密性を高めてガスの漏洩を防いでいる。
特開2005−178612号公報
インフレータにはディフレクタと呼ばれる整流器が取り付けられることがある。例えばシリンダ型のインフレータでは、ガスをインフレータの長手方向に導くためやインフレータの長手方向に直交する方向に導くために、インフレータの側面に沿ってこれを覆う筒形状のディフレクタが普及している。このようなディフレクタを備えることで、ガスの流れが整えられ、クッション部をより迅速に膨張展開させることが可能になる。しかしながら、ディフレクタはインフレータと共にクッション部内に挿入されるため、クッション部におけるインフレータ挿入口の径はディフレクタが挿入できる程度の大きさに設ける必要が生じる。このように径を大きくしたインフレータ挿入口は、気密性の点において不利になるおそれがある。また、インフレータ挿入口の径を大きくしたことでシワ等が生じると、ガスの漏洩だけでなく、高温、高圧のガスを局所的に集中させてバーストを招く原因ともなりかねない。
また、インフレータからのガスの噴出は数ミリ秒の間に瞬時に行われるため、そのガスの圧力によって相応の衝撃が発生し、ディフレクタやその周囲のクッション部に位置ずれが起きるおそれがある。特にインフレータの設置箇所付近のクッション部に位置ずれや不測のシワ等が生じると、ガスの漏洩を招いたり、さらには高温高圧のガスを局所的に集中させてバーストを招いたりしかねない。
本発明は、このような課題に鑑み、インフレータのサイズをさほど拡大させることなく取付け可能なディフレクタ、およびこのディフレクタを取り付けたインフレータを備えるガスの漏洩防止を図ることが可能なエアバッグ装置、さらにはィフレクタおよびクッション部の位置ずれを防ぐことが可能なエアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるディフレクタの代表的な構成は、シリンダ型で側面の所定箇所に複数のガス噴出孔を有するインフレータに取り付けられて、ガス噴出孔から噴出するガスを整流するディフレクタであって、当該ディフレクタは、インフレータの長手方向に沿って延び、インフレータの外周の一部分に沿った第1の円弧状断面を有するインフレータ保持部と、インフレータのガス噴出孔に対応した位置にてインフレータ保持部の幅方向両端からそれぞれ連続して設けられてインフレータのガス噴出孔付近に密着し、インフレータの稼動時にはガス圧でガス噴出孔からそれぞれ離間する2つの噴出孔カバー部と、を備え、インフレータの取付け前において、2つの噴出孔カバー部はそれぞれの内面がインフレータ保持部の内面の軌跡が描く円の内側に位置することを特徴とする。
上記のディフレクタは、インフレータに隙間無く密着する構成となっている。特に、噴出孔カバー部の内径がインフレータの外径よりも小さくなるようにして、インフレータの側面を押圧しこれに密着する。このような構成のディフレクタであれば、インフレータに取り付けたとしてもインフレータ全体のサイズ、特に外径をさほど拡大させない。したがって、このディフレクタであれば、例えばエアバッグ装置のクッション部に対して、より小さな径のインフレータ挿入口からでも挿入可能となる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるディフレクタの他の代表的な構成は、シリンダ型で側面の所定箇所に複数のガス噴出孔を有するインフレータに取り付けられて、ガス噴出孔から噴出するガスを整流するディフレクタであって、当該ディフレクタは、インフレータの長手方向に沿って延びるインフレータ保持部と、インフレータのガス噴出孔に対応した位置にてインフレータ保持部の幅方向両端それぞれから円弧を描くよう延びてインフレータのガス噴出孔付近に密着し、インフレータの稼動時にはガス圧でガス噴出孔からそれぞれ離間する2つの噴出孔カバー部と、を備え、インフレータの取付け前において、2つの噴出孔カバー部の内面の軌跡が描く円の内径は、インフレータの外径よりも小さいことを特徴とする。この構成のディフレクタであっても、インフレータに取り付けたとしてもその外径をさほど拡大させることなく、噴出孔カバー部がインフレータの側面を押圧するよう密着して把持することが可能になる。
上記の2つの噴出孔カバー部はそれぞれ、インフレータ保持部の第1の円弧状断面に比べて小さい曲率半径の第2の円弧状断面を有してもよい。この構成の噴出孔カバー部は、インフレータが取り付けられると、弾性変形してインフレータの側面に密着する。したがって、噴出孔カバー部は、インフレータの側面をさらに押圧するようにして密着するため、インフレータを把持することおよびガス噴出孔を覆うことが好適に行える。
上記2つの噴出孔カバー部はそれぞれ、インフレータ保持部の縁から連続する2つの側縁部と、インフレータの長手方向に直線的に延びている上縁部と、側縁部と上縁部との間に曲線的に設けられる2つの湾曲部と、を有するとよい。噴出孔カバー部はガスの噴出を受けて変形する部位であるが、その際に側縁部と上縁部との間に湾曲部を設けた角の無い構成とすることで、クッション部の布地を傷つけるおそれがなくなり、好適である。
上記課題を解決するために、本発明にかかるエアバッグ装置の代表的な構成は、袋状のクッション部を備えるエアバッグ装置であって、上記のディフレクタおよびインフレータと、クッション部に設けられてディフレクタを取り付けたインフレータが挿入されるインフレータ挿入口と、をさらに備えたことを特徴とする。この構成のエアバッグ装置であれば、上記のディフレクタおよびインフレータを備えることで、インフレータ挿入口の径をより小さくすることが可能になり、ガスの漏洩防止、およびシワの発生に由来するバーストを防止することができる。
上記のディフレクタはさらに、インフレータ保持部の所定箇所からインフレータ保持部の幅方向外側へ所定形状に突出する第1フック部を有し、クッション部は、挿入されたディフレクタの第1フック部が掛けられるフック通し孔を有してもよい。これら第1フック部およびフック通し孔を備えることで、ガス圧を受けた場合であってもディフレクタとクッション部との位置ずれを防ぐことができる。
上記のクッション部はカーテンエアバッグ用であって車室側壁に沿った形状を有してもよい。カーテンエアバッグ用のクッション部はシリンダ型のインフレータが使用されることが多いため、上述したディフレクタを取り付けたインフレータを好適に利用することが可能である。
当該エアバッグ装置はさらに、クッション部に挿入されたインフレータに対してクッション部の外側から取り付けられ、インフレータおよびクッション部を車室側壁に固定するインフレータブラケットを備えてもよい。上述したように、上記ディフレクタを取り付けたインフレータが挿入されるクッション部は、インフレータ挿入口等の径を小さくしてシワの発生を防ぐことができる。このように、シワの少ない構成であれば、インフレータブラケットも好適に取り付けることができる。
上記のインフレータブラケットは、ディフレクタの第1フック部に重なる形状および位置に設けられた第2フック部を有し、当該エアバッグ装置はさらに、フック通し孔から露出した第1フック部および第1フック部に重なった第2フック部に掛けて留められるフックタブを有するとよい。これらの構成により、ガスの噴出時においても、インフレータブラケットとディフレクタ、およびクッション部を位置ずれさせることなくその組付け姿勢を保持することができる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるエアバッグ装置の他の代表的な構成は、袋状のクッション部と、少なくとも一部分がクッション部に挿入されてクッション部にガスを供給する円筒型のインフレータと、インフレータにその長手方向に沿って取り付けられて、インフレータから噴出するガスを整流するディフレクタと、ディフレクタが取り付けられたインフレータにさらに取り付けられ、インフレータを車室側壁に固定するインフレータブラケットと、を備え、ディフレクタまたはインフレータブラケットのうち、一方はインフレータの径方向外側へ突出するフック部を有し、他方はフック部が挿入されてフック部と連結される連結部を有することを特徴とする。
上記のフック部と連結部とを利用することで、車室側壁に固定されるインフレータブラケットに対してディフレクタをより好適に連結することができる。したがって、ガス噴出時における圧力を受けても、ディフレクタはその姿勢を崩すことなく維持することが可能になる。
上記のクッション部は、インフレータが挿入されるインフレータ挿入口を有し、インフレータは、ディフレクタが取り付けられた状態でインフレータ挿入口に挿入されるとよい。前述したフック部と連結部とが連結しているため、ディフレクタはクッション部の内部に挿入されてもその姿勢を好適に維持することができる。
上記のクッション部は、インフレータ挿入口の近傍に設けられた帯状のフックタブを有し、フックタブは、フック部に留められる第1係留孔を有するとよい。このフックタブをインフレータに巻きつけて第1係留孔にてフック部に留めることで、インフレータ挿入口付近におけるクッション部の位置ずれやシワの発生等を防ぐことができる。そしてこれにより、クッション部について、ガスの漏洩防止、およびシワの発生に由来するバーストの防止を達成することが可能になる。
上記のインフレータブラケットは、所定箇所にフック部を有し、ディフレクタは、インフレータに沿った形状のディフレクタ本体部と、ディフレクタ本体部上におけるインフレータブラケットのフック部に対応した位置に設けられた連結部と、を有し、連結部は、ディフレクタ本体部からディフレクタ本体部の外側方向に突出し、フック部が挿入されてこれと連結する形状であってもよい。この構成により、ディフレクタとインフレータブラケットとを好適に連結することが可能になる。
上記のクッション部は、インフレータ挿入口の近傍に設けられ、インフレータ挿入口に挿入されたディフレクタの連結部を外部に露出させる第2係留孔を有し、インフレータブラケットは、インフレータ挿入口に挿入されたインフレータにクッション部の外側から取り付けられ、インフレータブラケットのフック部は、第2係留孔から露出した連結部に挿入されて連結部と連結されてもよい。この構成により、ディフレクタとインフレータブラケットとの連結、およびクッション部の位置ずれ等の防止を、好適に達成することが可能になる。
上記のディフレクタは、所定箇所にフック部を有し、インフレータブラケットは、インフレータに取り付けられ車室側壁に固定されるブラケット本体部と、ブラケット本体部上におけるディフレクタのフック部に対応した位置に設けられた連結部と、を有し、連結部は、ブラケット本体部からアーチ状に突出した形状を有し、アーチ状に突出した形状の内側から挿入されたフック部と連結ように構成されてもよい。この構成により、ディフレクタとインフレータブラケットとを好適に連結することが可能になる。
上記のクッション部は、インフレータ挿入口の近傍に設けられ、インフレータ挿入口に挿入されたディフレクタのフック部を外部に露出させる第3係留孔を有し、インフレータブラケットは、インフレータ挿入口に挿入されたインフレータにクッション部の外側から取り付けられ、インフレータブラケットの連結部は、第3係留孔から露出したフック部連結部が挿入されてこれと連結されてもよい。この構成によっても、ディフレクタとインフレータブラケットとの連結、およびクッション部の位置ずれ等の防止を、好適に達成することが可能になる。
上記のインフレータは、先端側の側面にガス噴出孔を有し、ディフレクタは、インフレータの外周の一部分に沿った第1の円弧状断面を有し、インフレータの長手方向に延びるインフレータ保持部と、インフレータのガス噴出孔に対応した位置にてインフレータ保持部の幅方向両端から連続して設けられてインフレータのガス噴出孔付近に密着し、インフレータの稼動時にはガス圧でガス噴出孔から離間する2つの噴出孔カバー部と、を有し、ディフレクタの2つの噴出孔カバー部のそれぞれの内面は、インフレータの取付け前において、インフレータ保持部の内面の軌跡が描く円の内側に位置するとよい。
上記のディフレクタは、全体的にインフレータに密着する構成となっている。特に、噴出孔カバー部の内径がインフレータの外径よりも小さくなるようにして、インフレータの側面を押圧して密着しこれを把持する。このような構成のディフレクタであれば、インフレータに取り付けたとしてもインフレータ全体のサイズ、特に外径をさほど拡大させることなく、インフレータに好適に取り付けることができる。したがって、このディフレクタであれば、例えばエアバッグ装置のクッション部に対して、より小さな径のインフレータ挿入口からでも挿入可能となる。
上記の2つの噴出孔カバー部はそれぞれ、インフレータの取付け前において、インフレータ保持部の第1の円弧状断面に比べて曲率半径の小さい第2の円弧状断面を有してもよい。この構成の噴出孔カバー部は、インフレータが取り付けられると、円弧状断面が広げるように弾性変形してインフレータの側面に密着する。したがって、噴出孔カバー部は、インフレータの側面をさらに押圧するようにして密着するため、インフレータを把持することおよびガス噴出孔を覆うことが好適に行える。
上記のインフレータは、先端側の側面にガス噴出孔を有し、ディフレクタは、インフレータの外周の一部分に沿った第1の円弧状断面を有し、インフレータの長手方向に延びるインフレータ保持部と、インフレータのガス噴出孔に対応した位置にてインフレータ保持部の幅方向両端から連続して設けられてインフレータのガス噴出孔付近に密着し、インフレータの稼動時にはガス圧でガス噴出孔から離間する2つの噴出孔カバー部と、を有し、ディフレクタの2つの噴出孔カバー部の内径は、インフレータの取付け前において、インフレータの外径よりも小さくてもよい。この構成によっても、噴出孔カバー部がインフレータの側面を押圧して密着し、これを把持することが可能になる。
上記のディフレクタは、2つの噴出孔カバー部の間に形成されてインフレータの長手方向に延びるスリットを有していて、2つの噴出孔カバー部は、スリットの長手方向両端が曲線的に広がった形状になるよう形成されていてもよい。噴出孔カバー部はガスの噴出を受けて変形する部位であるが、その際に縁の端が角の無い曲線的な形状であると、クッション部の布地を傷つけるおそれがなくなり、好適である。
本発明によれば、インフレータのサイズをさほど拡大させることなく取付け可能なディフレクタ、およびこのディフレクタを取り付けたインフレータを備えるガスの漏洩防止を図ることが可能なエアバッグ装置、さらにはディフレクタおよびクッション部の位置ずれを防ぐことが可能なエアバッグ装置を提供することが可能となる。
本発明のエアバッグ装置の第1実施形態としてカーテンエアバッグを例示した図である。 図1(b)のインフレータとその周囲の部材を拡大した斜視図である。 図2(b)のディフレクタを単独で例示した図である。 図3(a)のディフレクタを取り付けたインフレータをクッション部に挿入する過程を例示した図である。 本発明のエアバッグ装置の第2実施形態としてカーテンエアバッグを例示した図である。 図5(b)のインフレータとその周囲の部材を拡大した斜視図である。 図6(b)のディフレクタを単独で例示した図である。 図7(a)のディフレクタを取り付けたインフレータをクッション部に挿入する過程を例示した図である。 図6に例示したディフレクタおよびインフレータブラケットの変形例である。 図8に対応して図9の変形例のディフレクタおよびインフレータブラケットを例示した図である。
100 …カーテンエアバッグ、102 …クッション部、104 …ルーフサイドレール、105 …フロントピラー、106 …インフレータ、108 …車両、110 …サイドウィンドウ、112 …前部座席、114、116 …前部座席の横のチャンバ、118 …後部座席、120 …後部座席の横のチャンバ、126 …クッション部の上縁、128 …タブ、130 …ストラップ、132 …インフレータ取付部、134 …ディフレクタ、136 …インフレータブラケット、138 …ガス噴出孔、140 …コネクタ、142 …ベース部、144 …把持部、146 …インフレータブラケットのフック、148 …インフレータ保持部、150、150a、150b …噴出孔カバー部、152 …スリット、154、155 …噴出孔カバー部の湾曲部、156 …インフレータ保持部の縁、158、160 …噴出孔カバー部の側縁部、162 …噴出孔カバー部の上縁部、164 …インフレータ保持部の第1円弧状断面、166 …噴出孔カバー部の第2円弧状断面、168 …インフレータ挿入口、170 …ディフレクタの第1フック部、172 …インフレータ取付部のフック通し孔、174 …インフレータブラケットの第2フック部、176 …フックタブ、178 …フックタブの孔部、180 …バンド、200 …変形例のディフレクタ、202a、202b …噴出孔カバー部、204 …インフレータ保持部、300 …カーテンエアバッグ、302 …クッション部、304 …ルーフサイドレール、305 …フロントピラー、306 …インフレータ、308 …車両、310 …サイドウィンドウ、312 …前部座席、314、316 …前部座席の横のチャンバ、318 …後部座席、320 …後部座席の横のチャンバ、326 …クッション部の上縁、328 …タブ、330 …ストラップ、332 …インフレータ取付部、334 …ディフレクタ、336 …インフレータブラケット、338 …ガス噴出孔、340 …コネクタ、342 …ベース部、344 …把持部、346 …インフレータブラケットのフック、348 …インフレータ保持部、350、350a、350b …噴出孔カバー部、352 …スリット、354、355 …噴出孔カバー部の湾曲部、356 …インフレータ保持部の縁、358、360 …噴出孔カバー部の側縁部、362 …噴出孔カバー部の上縁部、364 …インフレータ保持部の第1円弧状断面、366 …噴出孔カバー部の第2円弧状断面、368 …インフレータ挿入口、370 …ディフレクタの連結部、372 …インフレータ取付部の第2係留孔、374 …インフレータブラケットのフック部、376 …フックタブ、378 …フックタブの第1係留孔、380a、380b …バンド、390 …変形例のディフレクタ、392a …噴出孔カバー部、394 …インフレータ保持部、400 …変形例のディフレクタ、402 …フック部、404 …変形例のインフレータブラケット、406 …連結部、408 …孔部、410 …変形例のクッション部、412 …第3係留孔
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明のエアバッグ装置の第1実施形態としてカーテンエアバッグ100を例示した図である。図1(a)は車両室内を車幅方向の車内側から見た図であって、カーテンエアバッグ100のクッション部102の収納形態を例示している。クッション部102は緊急時に膨張展開して乗員を保護する部位であって、図1(b)ではこのクッション部102の膨張展開時を例示している。なお、本願において「上」と表現する場合は着目点から見て車両天井方向を示し、「下」と表現する場合は着目点から見て車両床方向を示す。
図1(a)に例示するように、クッション部102は、巻回されて車両前後に長尺なロール状の収納形態となって、車両室内の側壁の上部(ルーフサイドレール104)に取り付けられ、設置される。通常は、ルーフサイドレール104はルーフトリム(図示省略)で覆われるため、設置されたクッション部102は車両室内からは視認不能である。なお、クッション部102の収納形態は、折り畳みによっても実現することができる。
カーテンエアバッグ100はガス発生装置であるインフレータ106をクッション部102の上部に備えていて、クッション部102はインフレータ106から供給されるガスの圧力によって膨張して乗員を拘束する。本実施形態で採用しているインフレータ106は、シリンダ型(筒型)のものである。現在普及しているインフレータには、ガス発生剤が充填されていてこれを燃焼させてガスを発生させるタイプや、圧縮ガスが充填されていて熱を発生させることなくガスを供給するタイプ、さらにはガス発生剤と圧縮ガスとを両方備えたタイプのものなどがある。インフレータ106としては、いずれのタイプも利用可能である。
図1(a)の状態において、車両108に側面衝突時やロールオーバ(横転)等が発生すると、まず車両108に備えられたセンサ(図示省略)が衝撃を感知し、これに起因してインフレータ106へ信号が発信される。この信号を受けることでインフレータ106は作動し、ガスをクッション部102へ供給する。クッション部102は、インフレータ106からのガスを受給すると、図1(b)に例示するように、車室の側壁(図1(a)のサイドウィンドウ110等)に沿うように下方へ向かって膨張展開し、乗員の保護を行う。
クッション部102は、カーテンエアバッグ用のものとして、車室内の側面に沿って拡がることのできる大きな形状となっている。クッション部102は、その表面を構成する2枚の基布を重ねて縫製や接着することや、OPW(One-Piece Woven)を用いての紡織などによって袋状に形成されている。
クッション部102の膨張領域は、乗員が接触し得る位置などを考慮して、複数の小部屋(チャンバ)に区画されている。例えば、車両前側には、前部座席112の乗員を受け止めることを目的としてチャンバ114、116等が設けられている。また、車両後側には、後部座席118の側方にはチャンバ120等が設けられている。
車両への取付部位として、クッション部102の上縁126にはタブ128が複数設けられている。タブ128は帯状であって、ボルト等を使用して、ルーフサイドレール104に取り付けられる。また、クッション部102の前端には、紐状のストラップ130が設けられている。ストラップ130は、クッション部102をフロントピラー105につなぐ部材であって、クッション部102の膨張展開時の揺動を抑えて展開挙動を安定させ、加えてクッション部102に車両前後方向への張力を与える働きを有している。
インフレータ106(図1(b)参照)は、クッション部102の上部中央付近のインフレータ取付部132に挿入されて取り付けられる。当該カーテンエアバッグ100では、インフレータ106の周囲の各構成要素に工夫を施し、ガスの漏洩防止等を図ることが可能になっている。
図2は、図1(b)のインフレータ106とその周囲の部材を拡大した斜視図である。図2(a)に例示するように、本実施形態ではインフレータ106の周囲にディフレクタ134を取り付け、さらにこれらにインフレータブラケット136を取り付けてルーフサイドレール104に固定する構成となっている。図2(a)ではクッション部102(図1(b)等参照)を省略しているが、インフレータ106およびディフレクタ134はその全体の大部分がクッション部102のインフレータ取付部132に挿入される。インフレータブラケット136は、インフレータ取付部132の外側からインフレータ106およびディフレクタ134に取り付けられる。
図2(b)は、図2(a)の各部材を分解した図である。図2(b)に例示するように、インフレータ106は、先端側の側面に円周方向に沿って複数のガス噴出孔138を有している。また、インフレータ106は、後端に車両側と電気的に接続するコネクタ140を有していて、このコネクタ140を通じて車両側から稼動信号等を受ける構成となっている。
ディフレクタ134はガスの整流器であって、インフレータ106に密着するように取り付けられる。このディフレクタ134は、インフレータ106のガス噴出孔138からガスが噴出すると、その一部が変形してガスを整流する。本実施形態のディフレクタ134は、ガスを、主にインフレータ106の長手方向に直交する方向であって、車両下方側へ向かって案内する。
インフレータブラケット136は、ルーフサイドレール104に接触して固定されるベース部142と、ベース部142の上方に設けられた把持部144とを有している。把持部144はインフレータに沿って円弧を描いていて、インフレータ106にインフレータ取付部132の外側から連結する。ベース部142のルーフサイドレール104への固定は、フック146などを利用するほか、ボルト等の各種締結部材やクリップ等が適宜利用される。
図3は、図2(b)のディフレクタ134を単独で例示した図である。図3(a)では、ディフレクタ134を、図2(b)とは反対側、すなわち車両下方側を上に向けて例示している。ディフレクタ134には、まず、インフレータ保持部148が設けられている。インフレータ保持部148は、インフレータ106(図2(b)参照)の長手方向に沿って設けられている部位であって、インフレータ106の円周の一部に沿った円弧を描いてインフレータ106を保持する。
インフレータ保持部148におけるインフレータ106のガス噴出孔138(図2(b)参照)に対応した位置には、噴出孔カバー部150が設けられている。噴出孔カバー部150は、インフレータ保持部の幅方向両端から、円弧を描いて2つ設けられている(噴出孔カバー部150a、および噴出孔カバー部150b)。
図3(b)は、図3(a)のディフレクタ134にインフレータ106を取り付けた図である。図3(b)に例示するように、噴出孔カバー部150は、インフレータ106の側面のうちガス噴出孔138付近に密着する。そして図3(c)のように、噴出孔カバー部150a、150bは、ガス噴出孔138からガスが噴出するとそのガス圧を受けて変形してガス噴出孔138から離間して互いの間のスリット152を広げ、ガスをこの拡大したスリット152およびその周辺から車両下方(図3(c)中上方)へ案内する。
ここで噴出孔カバー部150(代表して、噴出孔カバー部150a)には、クッション部102の布地を傷つけないよう、湾曲部154、155が設けられている。詳しく説明すると、噴出孔カバー部150aは、インフレータ保持部148の縁156から円弧状に連続する2つの側縁部158、160と、インフレータ106の長手方向に直線的に延びている上縁部162、および側縁部158、160と上縁部162との間に曲線的に設けられる2つの湾曲部154、155を有している。前述したように、噴出孔カバー部150aはガスの噴出を受けて変形する部位であるが、その際に側縁部158、160と上縁部162との間に湾曲部154、155を設けた角の無い構成とすることで、クッション部102の布地を傷つけるおそれがないため、好適である。
ディフレクタ134の形状は、インフレータ106に密着できるよう設定されている。まず、図3(d)は、図3(a)のディフレクタ134のインフレータ保持部148におけるA−A断面図である。図3(d)に例示するように、インフレータ保持部148は、インフレータ106の外周の一部分に沿った円弧状の断面(第1円弧状断面164)を有し、この形状によってインフレータ106の側面に接触してこれを保持する。
一方、図3(e)は、図3(a)のディフレクタ134の噴出孔カバー部150におけるB−B断面図である。図3(e)に例示するように、噴出孔カバー部150a、150bは、インフレータ106の取付け前において、それぞれの内面がインフレータ保持部148の内面の軌跡が描く円(仮想線で例示するインフレータ106の外周に一致)の内側に位置する構成となっている。したがって、噴出孔カバー部150a、150bは、インフレータ106が取り付けられると立ち上がるように弾性変形して、インフレータ106の側面を押圧するようにしてこれに密着する。
さらに本実施形態では、噴出孔カバー部150a、150bの有する円弧状の断面(第2円弧状断面166)は、インフレータ保持部148の第1円弧状断面164よりも小さい曲率半径に設定されている。したがって噴出孔カバー部150a、150bは、インフレータ106が取り付けられると、円弧を広げるようにも弾性変形して、インフレータ106の側面をさらに押圧するようにしてこれに密着する。これら構成によって、噴出孔カバー部150a、150bは、互いの間、およびインフレータ保持部148との間にてインフレータ106を把持し、そしてインフレータ106の側面に密着してガス噴出孔138をより好適に塞ぐことが可能になっている。
また、図3(f)は図3(e)のディフレクタ134の変形例である。このディフレクタ200は、ディフレクタ134と比較して、円弧状断面のサイズが異なる噴出孔カバー部202a、202bおよびインフレータ保持部204を備えている。この噴出孔カバー部202a、202bおよびインフレータ保持部204の内面の軌跡は同じ円を描いていて、この内面の径(内径)がインフレータ106の外径よりも小さく設定されている。なお、ディフレクタ200は、噴出孔カバー部202a、202bおよびインフレータ保持部204のサイズが噴出孔カバー部150a、150bおよびインフレータ保持部148のサイズと異なっているのみであり、他の構成および作用はディフレクタ134と同じである。
噴出孔カバー部202a、202bおよびインフレータ保持部204の内径は、インフレータ106の外径−1mm程度に設定されている。このサイズの噴出孔カバー部202a、202bおよびインフレータ保持部204によっても、インフレータ106が取り付けられる際にスリット152を広げるようにわずかに弾性変形し、そして取り付けられたインフレータ106の側面を押圧して密着し、これを把持することが可能になる。
なお、噴出孔カバー部202a、202bおよびインフレータ保持部204の内径の設定範囲としては、インフレータ106の外径の−0.3mm〜−1.5mm程度の範囲が好ましい。仮にサイズが上記範囲から外れた場合、例えば噴出孔カバー部202a等の内径がインフレータ106の外径とほとんど同じであると、噴出孔カバー部202a、202bのインフレータ106への密着が阻害されてクッション部102内への挿入時にずれるおそれがある。また例えば噴出孔カバー部202a、202bの内径が小さすぎると、ディフレクタ200のインフレータ106への取付けが困難になる。
上記説明したようにディフレクタ134およびディフレクタ200は、インフレータ106に隙間無く密着する構成となっている。したがってインフレータ106は、ディフレクタ134またはディフレクタ200を取り付けたとしても全体のサイズ、特に外径がさほど拡大しない。このディフレクタ134またはディフレクタ200を備えたインフレータ106であれば、例えばカーテンエアバッグ100のクッション部102に対して、より径の小さなインフレータ挿入口168(図4(a)参照)からでも挿入することができる。
図4は、図3(a)のディフレクタ134を取り付けたインフレータ106をクッション部102に挿入する過程を例示した図である。図4(a)に例示するように、インフレータ106は先にディフレクタ134を取り付け、クッション部102のインフレータ取付部132にインフレータ挿入口168から挿入される。インフレータ挿入口168はインフレータ取付部132に設けられた開口であり、インフレータ106はその大部分をインフレータ挿入口168からインフレータ取付部132内に挿入し、コネクタ140は外部に露出させた状態で設置される。
ここで本実施形態では、インフレータ106はディフレクタ134を取り付けたとしてもそのサイズがさほど変わらないため、インフレータ挿入口168の径をより小さく設定することが可能になっている。小さい径のインフレータ挿入口168であれば、インフレータ106との間の隙間を削減することができ、ガスの漏洩防止や、シワの発生に由来して招かれるバーストを防止することが可能になる。
ディフレクタ134には、図3(b)に例示したように、第1フック部170が設けられている。第1フック部170は、インフレータ保持部148の所定箇所からインフレータ保持部148の幅方向外側へL字形状に突出している。そして、図4(a)に例示するように、インフレータ取付部132は、フック通し孔172が設けられていて、挿入されたディフレクタ134の第1フック部170がこのフック通し孔172に掛けられる構成となっている。
図4(b)は、図4(a)を矢視Cに対応した図である。図4(b)に例示するように、インフレータブラケット136は、インフレータ取付部132の外側から、インフレータ106に取り付けられる。ここで、インフレータブラケット136には、第2フック部174が設けられている。第2フック部174はディフレクタ134の第1フック部170と同じL字形状であって、この第1フック部170に重なるよう、把持部144の所定の位置に設けられている。そしてインフレータ取付部132には、これら第1フック部170と第2フック部174とに掛けられるために、フックタブ176が設けられている。
図4(a)に例示するように、フックタブ176は帯状であって、先端側に孔部178を有している。そして、図4(c)に例示するように、フックタブ176はインフレータ106に巻きつけるようにして、孔部178をフック通し孔172から露出した第1フック部170およびこの第1フック部170に重ねられた第2フック部174に通し、掛けて留められる。このフックタブ176によると、ガスの噴出時にガス圧を受けても、インフレータブラケット136とディフレクタ134、およびクッション部102の位置ずれを防ぎ、その姿勢を揺動等させることなく安定して保持することが可能になる。
なお、インフレータ取付部132には、インフレータブラケット136と共に金属製のバンド180が巻きつけられる。これにより、インフレータブラケット136とインフレータ106等との連結が強くなり、また、インフレータ106とインフレータ取付部132との密着性も高められる。
以上のように、当該カーテンエアバッグ100では、インフレータ106に対してコンパクトな形状のディフレクタ134を取り付けていることで、小さな径のインフレータ挿入口168が実現可能になっている。これにより、ガスの漏洩が防止できるだけでなく、インフレータ挿入孔168(図4(a)参照)の付近におけるシワの発生を防ぐことができる。布地にシワが生じると、高温高圧のガスを局所的に集中させてバーストを起こさせる原因ともなりかねない。しかしながら、当該カーテンエアバッグ100であれば、インフレータ挿入孔168付近、およびインフレータブラケット136の取付部付近において、シワの発生を抑えることが可能になっている。
なお、本実施形態では、カーテンエアバッグ用のクッション部102を例に挙げて説明をしたが、ディフレクタ134の有する技術的思想はサイドエアバッグなど、シリンダ型のインフレータを利用し得る各種エアバッグ、およびエアバッグ以外のガスを必要とする装置に対して適宜実施することが可能である。
(第2実施形態)
図5は、本発明のエアバッグ装置の第2実施形態としてカーテンエアバッグ300を例示した図である。図5(a)は車両室内を車幅方向の車内側から見た図であって、カーテンエアバッグ300のクッション部302の収納形態を例示している。クッション部302は緊急時に膨張展開して乗員を保護する部位であって、図5(b)ではこのクッション部302の膨張展開時を例示している。なお、本願において「上」と表現する場合は注目箇所から見て車両天井方向を示し、「下」と表現する場合は注目箇所から見て車両床方向を示す。
図5(a)に例示するように、クッション部302は、巻回されて車両前後に長尺なロール状の収納形態となって、車両室内の側壁の上部(ルーフサイドレール304)に取り付けられ、設置される。通常は、ルーフサイドレール304はルーフトリム(図示省略)で覆われるため、設置されたクッション部302は車両室内からは視認不能である。なお、クッション部302の収納形態は、折り畳みによっても実現することができる。
カーテンエアバッグ300はガス発生装置であるインフレータ306をクッション部302の上部に備えていて、クッション部302はインフレータ306から供給されるガスの圧力によって膨張して乗員を拘束する。本実施形態で採用しているインフレータ306は、シリンダ型(円筒型)のものである。現在普及しているインフレータには、ガス発生剤が充填されていてこれを燃焼させてガスを発生させるタイプや、圧縮ガスが充填されていて熱を発生させることなくガスを供給するタイプ、さらにはガス発生剤と圧縮ガスとを両方備えたタイプのものなどがある。インフレータ306としては、いずれのタイプも利用可能である。
図5(a)の状態において、車両308に側面衝突時やロールオーバ(横転)等が発生すると、まず車両308に備えられたセンサ(図示省略)が衝撃を感知し、これに起因してインフレータ306へ信号が発信される。この信号を受けることでインフレータ306は作動し、ガスをクッション部302へ供給する。クッション部302は、インフレータ306からのガスを受給すると、図5(b)に例示するように、車室の側壁(図5(a)のサイドウィンドウ310等)に沿うように下方へ向かって膨張展開し、乗員の保護を行う。
クッション部302は、カーテンエアバッグ用のものとして、車室内の側面に沿って拡がることのできる大きな形状となっている。クッション部302は、その表面を構成する2枚の基布を重ねて縫製や接着することや、OPW(One-Piece Woven)を用いての紡織などによって袋状に形成されている。
クッション部302の膨張領域は、乗員が接触し得る位置などを考慮して、複数の小部屋(チャンバ)に区画されている。例えば、車両前側には、前部座席312の乗員を受け止めることを目的としてチャンバ314、316等が設けられている。また、車両後側には、後部座席318の側方にはチャンバ320等が設けられている。
車両への取付部位として、クッション部302の上縁326にはタブ328が複数設けられている。タブ328は帯状であって、ボルト等を使用して、ルーフサイドレール304に取り付けられる。また、クッション部302の前端には、紐状のストラップ330が設けられている。ストラップ330は、クッション部302をフロントピラー305につなぐ部材であって、クッション部302の膨張展開時の揺動を抑えて展開挙動を安定させ、加えてクッション部302に車両前後方向への張力を与える働きを有している。
インフレータ306(図5(b)参照)は、クッション部302の上部中央付近のインフレータ取付部332に挿入されて取り付けられる。当該カーテンエアバッグ300では、インフレータ306の周囲の各構成要素に工夫を施し、ガスの漏洩防止等を図ることが可能になっている。
図6は、図5(b)のインフレータ306とその周囲の部材を拡大した斜視図である。図6(a)に例示するように、本実施形態ではインフレータ306の周囲にディフレクタ334を取り付け、さらにこれらにインフレータブラケット336を取り付けてルーフサイドレール304に固定する構成となっている。図6(a)ではクッション部302(図5(b)等参照)を省略しているが、インフレータ306およびディフレクタ334はその全体の大部分がクッション部302のインフレータ取付部332に挿入される。インフレータブラケット336は、インフレータ取付部332の外側からインフレータ306およびディフレクタ334に取り付けられる。
図6(b)は、図6(a)の各部材を分解した図である。図6(b)に例示するように、インフレータ306は、先端側の側面に円周方向に沿って複数のガス噴出孔338を有している。また、インフレータ306は、後端に車両側と電気的に接続するコネクタ340を有していて、このコネクタ340を通じて車両側から稼動信号等を受ける構成となっている。
ディフレクタ334はガスの整流器であって、インフレータ306に密着するように取り付けられる。このディフレクタ334は、インフレータ306のガス噴出孔338からガスが噴出すると、その一部が変形してガスを整流する。本実施形態のディフレクタ334は、ガスを、主にインフレータ306の長手方向に直交する方向であって、車両下方側へ向かって案内する。
インフレータブラケット336は、ルーフサイドレール304に接触して固定されるベース部342と、ベース部342の上方に設けられた把持部344とを有している。把持部344はインフレータに沿って円弧を描いていて、インフレータ306にインフレータ取付部332の外側から連結する。ベース部342のルーフサイドレール304への固定は、フック346などを利用するほか、ボルト等の各種締結部材やクリップ等が適宜利用される。
図7は、図6(b)のディフレクタ334を単独で例示した図である。図7(a)では、ディフレクタ334を、図6(b)とは反対側、すなわち車両下方側を上に向けて例示している。ディフレクタ334のディフレクタ本体部335は全体としてインフレータ306に沿った形状になっていて、インフレータ保持部348と噴出孔カバー部350を含んでいる。まず、インフレータ保持部348が設けられている。インフレータ保持部348は、インフレータ306(図6(b)参照)の長手方向に沿って設けられている部位であって、インフレータ306の円周の一部に沿った円弧を描いてインフレータ306を保持する。
インフレータ保持部348におけるインフレータ306のガス噴出孔338(図6(b)参照)に対応した位置には、噴出孔カバー部350が設けられている。噴出孔カバー部350は、インフレータ保持部348の幅方向両端から、インフレータ306の外周に沿う円弧を描いて2つ設けられている(噴出孔カバー部350a、および噴出孔カバー部350b)。この2つの噴出孔カバー部350a、350bによって、これらの間にインフレータ306の長手方向に延びるスリット352が形成されている。
図7(b)は、図7(a)のディフレクタ334にインフレータ306を取り付けた図である。図7(b)に例示するように、噴出孔カバー部350は、インフレータ306の側面のうちガス噴出孔338付近に密着する。そして図7(c)のように、噴出孔カバー部350a、350bは、ガス噴出孔338からガスが噴出するとそのガス圧を受けて変形してガス噴出孔338から離間して互いの間のスリット352を広げ、ガスをこの拡大したスリット352およびその周辺から車両下方(図7(c)中上方)へ案内する。
ここで噴出孔カバー部350(代表して、噴出孔カバー部350a)には、クッション部302の布地を傷つけないよう、湾曲部354、355が設けられている。詳しく説明すると、噴出孔カバー部350aは、インフレータ保持部348の縁356から連続する2つの側縁部358、360と、インフレータ306の長手方向に直線的に延びている上縁部362、および側縁部358、360と上縁部362との間に曲線的に設けられる2つの湾曲部354、355を有している。これらによって、スリット352は、その長手方向両端が曲線的に広がった形状になっている。前述したように、噴出孔カバー部350aはガスの噴出を受けて変形する部位であるが、その際に側縁部358、360と上縁部362との間に湾曲部354、355を設けた角の無い構成とすることで、クッション部302の布地を傷つけるおそれがないため、好適である。
ディフレクタ334の形状は、インフレータ306に密着できるよう設定されている。まず、図7(d)は、図7(a)のディフレクタ334のインフレータ保持部348におけるD−D断面図である。図7(d)に例示するように、インフレータ保持部348は、インフレータ306の外周の一部分に沿った円弧状の断面(第1円弧状断面364)を有し、この形状によってインフレータ306の側面に接触してこれを保持する。
一方、図7(e)は、図7(a)のディフレクタ334の噴出孔カバー部350におけるE−E断面図である。図7(e)に例示するように、噴出孔カバー部350a、350bは、インフレータ306の取付け前において、それぞれの内面がインフレータ保持部348の内面の軌跡が描く円(仮想線で例示するインフレータ306の外周に一致)の内側に位置する構成となっている。したがって、噴出孔カバー部350a、350bは、インフレータ306が取り付けられると立ち上がるように弾性変形して、インフレータ306の側面を押圧するようにしてこれに密着する。
さらに本実施形態では、噴出孔カバー部350a、350bの有する円弧状の断面(第2円弧状断面366)は、インフレータ保持部348の第1円弧状断面364よりも曲率半径が小さく設定されている。したがって噴出孔カバー部350a、350bは、インフレータ306が取り付けられると、第2円弧状断面を広げるようにも弾性変形して、インフレータ306の側面をさらに押圧するようにしてこれに密着する。これら構成によって、噴出孔カバー部350a、350bは、互いの間、およびインフレータ保持部348との間にてインフレータ306を把持し、そしてインフレータ306の側面に密着してガス噴出孔338をより好適に塞ぐことが可能になっている。
また、図7(f)は図7(e)のディフレクタ334の変形例である。このディフレクタ390は、ディフレクタ334と比較して、円弧状断面のサイズが異なる噴出孔カバー部392a、392bおよびインフレータ保持部394を備えている。この噴出孔カバー部392a、392bおよびインフレータ保持部394の内面の軌跡は同じ円を描いていて、この内面の径(内径)がインフレータ306の外径よりも小さく設定されている。なお、ディフレクタ390は、噴出孔カバー部392a、392bおよびインフレータ保持部394のサイズが噴出孔カバー部350a、350bおよびインフレータ保持部348のサイズと異なっているのみであり、他の構成および作用はディフレクタ334と同じである。
噴出孔カバー部392a、392bおよびインフレータ保持部394の内径は、インフレータ306の外径−1mm程度に設定されている。このサイズの噴出孔カバー部392a、392bおよびインフレータ保持部394によっても、インフレータ306が取り付けられる際にスリット352を広げるようにわずかに弾性変形し、そして取り付けられたインフレータ306の側面を押圧して密着し、これを把持することが可能になる。
なお、噴出孔カバー部392a、392bおよびインフレータ保持部394の内径の設定範囲としては、インフレータ306の外径の−0.3mm〜−1.5mm程度の範囲が好ましい。仮にサイズが上記範囲から外れた場合、例えば噴出孔カバー部392a等の内径がインフレータ306の外径とほとんど同じであると、噴出孔カバー部392a、392bのインフレータ306への密着が阻害されてクッション部302内への挿入時にずれるおそれがある。また例えば噴出孔カバー部392a、392bの内径が小さすぎると、ディフレクタ390のインフレータ306への取付けが困難になる。
上記説明したようにディフレクタ334およびディフレクタ390は、全体的にインフレータ306に沿って隙間無く密着する構成となっている。したがってインフレータ306は、ディフレクタ334またはディフレクタ390を取り付けたとしても全体のサイズ、特に外径がさほど拡大しない。このディフレクタ334またはディフレクタ390を備えたインフレータ306であれば、例えばカーテンエアバッグ300のクッション部302に対して、より径の小さなインフレータ挿入口368(図8(a)参照)からでも挿入することができる。
図8は、図7(a)のディフレクタ334を取り付けたインフレータ306をクッション部302に挿入する過程を例示した図である。図8(a)に例示するように、インフレータ306は先にディフレクタ334を取り付け、クッション部302のインフレータ取付部332にインフレータ挿入口368から挿入される。インフレータ挿入口368はインフレータ取付部332に設けられた開口であり、インフレータ306はその大部分をインフレータ挿入口368からインフレータ取付部332内に挿入し、コネクタ340は外部に露出させた状態で設置される。
インフレータ挿入口368の径は、インフレータ306がディフレクタ334を取り付けたとしてもそのサイズがさほど変わらない構成であるため、より小さく設定することが可能になっている。小さい径のインフレータ挿入口368であれば、インフレータ306との間の隙間を削減することができ、ガスの漏洩防止や、シワの発生に由来して招かれるバーストを防止することが可能になる。
さらに本実施形態では、インフレータ306の設置箇所付近において、ディフレクタ334およびクッション部302の位置ずれを防ぐことが可能になっている。そのための構成として、図6(b)のディフレクタ334には連結部370が設けられ、インフレータブラケット336にはフック部374が設けられている。フック部374は、インフレータブラケット336の把持部344からインフレータ306の径方向外側へL字に突出している。そして連結部370は、フック部374に対応した位置にてディフレクタ334のインフレータ保持部348に設けられている。連結部370は、インフレータ保持部348の外側方向へ突出し、そこから車両上方へ屈曲してアーチ状に形成されている。この連結部370の内側には孔部375が設けられている。これら連結部370およびフック部374は、図6(a)に例示しているように、連結部370の孔部375にフック部374を挿入することで互いに連結される。
図8(a)に例示するように、クッション部302には、上述したフック部374および連結部370を係留するための孔が設けられている。まず、インフレータ挿入口368の付近には帯状のフックタブ376が設けられていて、このフックタブ376に第1係留孔378が設けられている。そして、インフレータ取付部332にも、第2係留孔372が設けられている。
連結部370は、インフレータ保持部348の縁に設けられていて、インフレータ挿入口368から挿入され、第2係留孔372に通される。図8(b)は図8(a)の矢視F
に対応した図であるが、図8(b)に例示するように、第2係留孔372に通された連結部370は外部に露出する。
インフレータブラケット336は、インフレータ取付部332の外側から、インフレータ306に取り付けられる。インフレータブラケット336のフック部374は、連結部の位置に対応して把持部344に設けられていて、連結部370の孔部375(図8(a)参照)に挿入されて連結される。そして、この連結部370に挿入されたフック部374へ、フックタブ376の第1係留孔378が引っ掛けられて留められる。
フックタブ376はクッション部302と同じ基布を利用して設けられていて、その先端側に第1係留孔378が形成されている。そして、図8(c)に例示するように、フックタブ376はインフレータ306に巻きつけるようにして、第1係留孔378をフック部370に通し、掛けて留められる。このようにしてフックタブ376を巻きつけて留めることで、ガスの噴出時にガス圧を受けても、インフレータブラケット336とディフレクタ334、およびクッション部302の位置ずれを防ぐことが可能になり、その姿勢を揺動等させることなく安定して保持できる。
上述のように、まず連結部370をインフレータ取付部332の内側から第2係留孔372に通して露出させてこれにフック部374を連結させる。これにより、ルーフサイドレール304に固定されるインフレータブラケット336に対して、インフレータ取付部332内のディフレクタ334をより好適に連結することができる。そして、フック部374に第1係留孔378を引っ掛けてクッション部302をディフレクタ334等に留める。これらによって、インフレータ306の稼動時においてガス圧を受けても、ディフレクタ334およびクッション部302の位置ずれの発生を抑えることができる。これにより、ディフレクタ334およびクッション部302の姿勢を崩すことなく維持でき、ガスの漏洩防止およびインフレータ挿入口368の付近におけるシワの発生を防ぐこともできる。布地にシワが生じると、高温高圧のガスを局所的に集中させてバーストを起こさせる原因ともなりかねない。しかしながら、当該カーテンエアバッグ300であれば、これらシワの発生を抑えてガスの漏洩防止、およびバーストの防止を図ることが可能になっている。また、これら構成によって、カーテンエアバッグ300の組立工程において、特別な機械やセンサー等を用いることなく、クッション部302とディフレクタ334、およびインフレータブラケット336の互いの位置関係を決定(位置決め)することが可能になる。
さらに、インフレータ取付部332には、インフレータブラケット336と共に金属製のバンド380a、380bが巻きつけられる。これにより、インフレータ取付部332とインフレータ306との密着性をさらに高めることができ、加えてインフレータブラケット336とインフレータ306等との連結も強化される。
なお、本実施形態では、カーテンエアバッグ用のクッション部302を例に挙げて説明をしたが、ディフレクタ334の有する技術的思想はサイドエアバッグなど、円筒型のインフレータを利用し得る各種エアバッグ、およびエアバッグ以外のガスを必要とする装置に対して適宜実施することが可能である。
(ディフレクタおよびインフレータブラケットの変形例)
図9は、図6に例示したディフレクタ334およびインフレータブラケット336の変形例である。この変形例では、図9(a)に例示するように、図6とは異なり、ディフレクタ400にはフック部402が設けられ、インフレータブラケット404には連結部406が設けられている。なお、ディフレクタ400およびインフレータブラケット404におけるフック部402および連結部406以外の構成は、図6に記載したディフレクタ334およびインフレータブラケット336の構成と同じである。また、ディフレクタ400は、図7(f)の噴出孔カバー部392a、392bおよびインフレータ保持部394を備えることも可能である。
フック部402は、ディフレクタ400のインフレータ保持部348の縁からインフレータ306の径方向外側へL字に突出している。そして連結部406は、フック部402に対応した位置にてインフレータブラケット404の把持部344から車両下方へアーチ状に突出して設けられていて、内側に孔部408が形成されている。これらフック部402および連結部406もまた、図9(b)に例示するように、連結部406の孔部408にフック部402を挿入することで互いに連結される。
図10は、図8に対応して変形例のディフレクタ400およびインフレータブラケット404を例示した図である。図10に例示するように、クッション部410のインフレータ取付部332には、第3係留孔412が設けられている。この第3係留孔412は、インフレータ挿入口368から挿入されたディフレクタ400のフック部402を外部に露出するための孔である。図10(b)に例示するように、フック部402はこの第3係留孔412から露出し、このフック部402にインフレータブラケット404の連結部406がインフレータ取付部332の外側から連結される。そして、図8(c)と同様に、フックタブ376の第1係留孔378がフック部に掛けられる。
これら変形例においても、フック部402と連結部406とを利用することで、インフレータブラケット404にディフレクタ400をより好適に連結することができる。そして、インフレータ306の稼動時においてガス圧を受けても、ディフレクタ400およびクッション部410の位置ずれの発生を抑えることが可能になる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態においては本発明にかかるエアバッグ装置を自動車が備えるカーテンエアバッグに適用した例を説明した。しかし、カーテンエアバッグ以外の他の種類のエアバッグ、例えばサイドエアバッグとして実現することもできる。また、それらエアバッグ装置は自動車以外の航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、カーテンエアバッグなど、シリンダ型のインフレータが適用されるエアバッグ装置に利用することができる。

Claims (18)

  1. 袋状のクッション部と、
    シリンダ型で側面の所定箇所に複数のガス噴出孔を有するインフレータと、
    前記インフレータに取り付けられて、該ガス噴出孔から噴出するガスを整流するディフレクタと、を備えるエアバッグ装置であって、
    前記ディフレクタは、
    前記インフレータの長手方向に沿って延び、該インフレータの外周の一部分に沿った第1の円弧状断面を有するインフレータ保持部と、
    前記インフレータのガス噴出孔に対応した位置にて前記インフレータ保持部の幅方向両端からそれぞれ連続して設けられて該インフレータの該ガス噴出孔付近に密着し、該インフレータの稼動時にはガス圧で該ガス噴出孔からそれぞれ離間する2つの噴出孔カバー部と、
    前記インフレータ保持部の所定箇所から該インフレータ保持部の幅方向外側へ突出する第1フック部と、
    有し
    前記インフレータの取付け前において、前記2つの噴出孔カバー部はそれぞれの内面が前記インフレータ保持部の内面の軌跡が描く円の内側に位置し、
    前記クッション部は、
    前記ディフレクタを取り付けた前記インフレータが挿入されるインフレータ挿入口と、
    挿入された前記ディフレクタの前記第1フック部が掛けられるフック通し孔と、
    を有することを特徴とするエアバッグ装置
  2. 袋状のクッション部と、
    シリンダ型で側面の所定箇所に複数のガス噴出孔を有するインフレータと、
    前記インフレータに取り付けられて、該ガス噴出孔から噴出するガスを整流するディフレクタと、を備えるエアバッグ装置であって、
    前記ディフレクタは、
    前記インフレータの長手方向に沿って延びるインフレータ保持部と、
    前記インフレータのガス噴出孔に対応した位置にて前記インフレータ保持部の幅方向両端それぞれから円弧を描くよう延びて該インフレータの該ガス噴出孔付近に密着し、該インフレータの稼動時にはガス圧で該ガス噴出孔からそれぞれ離間する2つの噴出孔カバー部と、
    前記インフレータ保持部の所定箇所から該インフレータ保持部の幅方向外側へ突出する第1フック部と、
    有し
    前記インフレータの取付け前において、前記2つの噴出孔カバー部の内面の軌跡が描く円の内径は、前記インフレータの外径よりも小さく、
    前記クッション部は、
    前記ディフレクタを取り付けた前記インフレータが挿入されるインフレータ挿入口と、
    挿入された前記ディフレクタの前記第1フック部が掛けられるフック通し孔と、
    を有することを特徴とするエアバッグ装置
  3. 前記2つの噴出孔カバー部はそれぞれ、前記インフレータの取付け前において、前記インフレータ保持部の第1の円弧状断面に比べて小さい曲率半径の第2の円弧状断面を有することを特徴とする請求項1または2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記2つの噴出孔カバー部はそれぞれ、
    前記インフレータ保持部の縁から連続する2つの側縁部と、
    前記インフレータの長手方向に直線的に延びている上縁部と、
    前記側縁部と前記上縁部との間に曲線的に設けられる2つの湾曲部と、
    を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置
  5. 前記クッション部はカーテンエアバッグ用であって車室側壁に沿った形状を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  6. 当該エアバッグ装置はさらに、前記クッション部に挿入された前記インフレータに対して該クッション部の外側から取り付けられ、該インフレータおよび該クッション部を車室側壁に固定するインフレータブラケットを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  7. 前記インフレータブラケットは、前記ディフレクタの第1フック部に重なる形状および位置に設けられた第2フック部を有し、
    当該エアバッグ装置はさらに、前記フック通し孔から露出した前記第1フック部および該第1フック部に重なった前記第2フック部に掛けて留められるフックタブを有することを特徴とする請求項に記載のエアバッグ装置。
  8. 袋状のクッション部と、
    少なくとも一部分が前記クッション部に挿入されて前記クッション部にガスを供給する円筒型のインフレータと、
    前記インフレータにその長手方向に沿って取り付けられて、該インフレータから噴出するガスを整流するディフレクタと、
    前記ディフレクタが取り付けられたインフレータにさらに取り付けられ、該インフレータを車室側壁に固定するインフレータブラケットと、
    を備え、
    前記ディフレクタまたはインフレータブラケットのうち、一方は前記インフレータの径方向外側へ突出するフック部を有し、他方は該フック部が挿入されて該フック部と連結される連結部を有することを特徴とするエアバッグ装置。
  9. 前記クッション部は、前記インフレータが挿入されるインフレータ挿入口を有し、
    前記インフレータは、前記ディフレクタが取り付けられた状態で前記インフレータ挿入口に挿入されることを特徴とする請求項に記載のエアバッグ装置。
  10. 前記クッション部は、前記インフレータ挿入口の近傍に設けられた帯状のフックタブを有し、
    前記フックタブは、前記フック部に留められる第1係留孔を有することを特徴とする請求項に記載のエアバッグ装置。
  11. 前記インフレータブラケットは、所定箇所に前記フック部を有し、
    前記ディフレクタは、前記インフレータに沿った形状のディフレクタ本体部と、該ディフレクタ本体部上における前記インフレータブラケットのフック部に対応した位置に設けられた前記連結部と、を有し、
    前記連結部は、前記ディフレクタ本体部から該ディフレクタ本体部の外側方向に突出し、前記フック部が挿入されてこれと連結する形状であることを特徴とする請求項から10のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  12. 前記クッション部は、前記インフレータ挿入口の近傍に設けられ、該インフレータ挿入口に挿入された前記ディフレクタの連結部を外部に露出させる第2係留孔を有し、
    前記インフレータブラケットは、前記インフレータ挿入口に挿入されたインフレータに前記クッション部の外側から取り付けられ、
    前記インフレータブラケットのフック部は、前記第2係留孔から露出した前記連結部に挿入されて該連結部と連結されることを特徴とする請求項11に記載のエアバッグ装置。
  13. 前記ディフレクタは、所定箇所に前記フック部を有し、
    前記インフレータブラケットは、前記インフレータに取り付けられ前記車室側壁に固定されるブラケット本体部と、該ブラケット本体部上における前記ディフレクタのフック部に対応した位置に設けられた前記連結部と、を有し、
    前記連結部は、前記ブラケット本体部からアーチ状に突出した形状を有し、該アーチ状に突出した形状の内側から挿入された前記フック部と連結されるように構成されることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  14. 前記クッション部は、前記インフレータ挿入口の近傍に設けられ、該インフレータ挿入口に挿入された前記ディフレクタのフック部を外部に露出させる第3係留孔を有し、
    前記インフレータブラケットは、前記インフレータ挿入口に挿入されたインフレータに前記クッション部の外側から取り付けられ、
    前記インフレータブラケットの連結部は、前記第3係留孔から露出した前記フック部連結部が挿入されてこれと連結されることを特徴とする請求項13に記載のエアバッグ装置。
  15. 前記インフレータは、先端側の側面にガス噴出孔を有し、
    前記ディフレクタは、
    前記インフレータの外周の一部分に沿った第1の円弧状断面を有し、該インフレータの長手方向に延びるインフレータ保持部と、
    前記インフレータのガス噴出孔に対応した位置にて前記インフレータ保持部の幅方向両端から連続して設けられて該インフレータの該ガス噴出孔付近に密着し、該インフレータの稼動時にはガス圧で該ガス噴出孔から離間する2つの噴出孔カバー部と、
    を有し、
    前記ディフレクタの2つの噴出孔カバー部のそれぞれの内面は、前記インフレータの取付け前において、前記インフレータ保持部の内面の軌跡が描く円の内側に位置することを特徴とする請求項8から14のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  16. 前記2つの噴出孔カバー部はそれぞれ、前記インフレータの取付け前において、前記インフレータ保持部の第1の円弧状断面に比べて曲率半径の小さい第2の円弧状断面を有することを特徴とする請求項15に記載のエアバッグ装置
  17. 前記インフレータは、先端側の側面にガス噴出孔を有し、
    前記ディフレクタは、
    前記インフレータの外周の一部分に沿った第1の円弧状断面を有し、該インフレータの長手方向に延びるインフレータ保持部と、
    前記インフレータのガス噴出孔に対応した位置にて前記インフレータ保持部の幅方向両端から連続して設けられて該インフレータの該ガス噴出孔付近に密着し、該インフレータの稼動時にはガス圧で該ガス噴出孔から離間する2つの噴出孔カバー部と、
    を有し、
    前記ディフレクタの2つの噴出孔カバー部の内径は、前記インフレータの取付け前において、前記インフレータの外径よりも小さいことを特徴とする請求項8から14のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  18. 前記ディフレクタは、前記2つの噴出孔カバー部の間に形成されて前記インフレータの長手方向に延びるスリットを有していて、
    前記2つの噴出孔カバー部は、前記スリットの長手方向両端が曲線的に広がった形状になるよう形成されていることを特徴とする請求項15から17のいずれか1項に記載のエアバッグ装置
JP2015529624A 2013-08-02 2014-07-31 エアバッグ装置 Active JP6009674B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013161826 2013-08-02
JP2013161826 2013-08-02
JP2013170417 2013-08-20
JP2013170417 2013-08-20
PCT/JP2014/070261 WO2015016324A1 (ja) 2013-08-02 2014-07-31 ディフレクタおよびエアバッグ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6009674B2 true JP6009674B2 (ja) 2016-10-19
JPWO2015016324A1 JPWO2015016324A1 (ja) 2017-03-02

Family

ID=52431851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015529624A Active JP6009674B2 (ja) 2013-08-02 2014-07-31 エアバッグ装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6009674B2 (ja)
CN (1) CN105377639B (ja)
WO (1) WO2015016324A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6494105B2 (ja) * 2015-08-06 2019-04-03 本田技研工業株式会社 インフレータ及びエアバッグ装置
CN108454554A (zh) * 2017-02-17 2018-08-28 高田(上海)汽车安全***研发有限公司 一种气囊的安装支架
DE102017215577B4 (de) * 2017-09-05 2023-11-23 Joyson Safety Systems Germany Gmbh Gasgeneratorträger zum Befestigen eines Gasgenerators eines Fahrzeuginsassen-Rückhaltesystems an einer Fahrzeugstruktur
KR102476217B1 (ko) * 2018-04-09 2022-12-09 아우토리브 디벨롭먼트 아베 에어백 장치
KR20200139409A (ko) * 2019-06-04 2020-12-14 현대모비스 주식회사 커튼 에어백장치
DE102020104986A1 (de) * 2020-02-26 2021-08-26 Zf Automotive Germany Gmbh Gassackmodul, Verfahren zum Austausch eines Gasgenerators eines Gassackmoduls sowie Verfahren zur Herstellung eines Gassackmoduls
JP2023082825A (ja) * 2021-12-03 2023-06-15 株式会社ダイセル ガス発生器及びエアバッグ装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH111151A (ja) * 1996-02-15 1999-01-06 Trw Vehicle Safety Syst Inc 車両安全装置
JP2003212078A (ja) * 2002-01-14 2003-07-30 Autoliv Asp Inc 膨張可能なカーテンの位置決めシステム及びその方法
JP2008081103A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Trw Automotive Gmbh 保持要素及び側面衝突エアバッグモジュール
US7370884B2 (en) * 2004-03-02 2008-05-13 Autoliv Asp, Inc. Expanding airbag inflator housing
JP2013112217A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Autoliv Development Ab ガス供給装置およびエアバッグ装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5533750A (en) * 1995-06-01 1996-07-09 Takata, Inc. Simplified inflatable restraint module
DE50205481D1 (de) * 2002-01-04 2006-02-02 Takata Petri Gmbh Ulm Gasstromverteiler für ein seitenairbagmodul
JP3922073B2 (ja) * 2002-04-02 2007-05-30 タカタ株式会社 外面展開型エアバッグ装置
GB2397806B (en) * 2003-01-31 2006-01-04 Autoliv Dev Improvements in or relating to an air-bag

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH111151A (ja) * 1996-02-15 1999-01-06 Trw Vehicle Safety Syst Inc 車両安全装置
JP2003212078A (ja) * 2002-01-14 2003-07-30 Autoliv Asp Inc 膨張可能なカーテンの位置決めシステム及びその方法
US7370884B2 (en) * 2004-03-02 2008-05-13 Autoliv Asp, Inc. Expanding airbag inflator housing
JP2008081103A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Trw Automotive Gmbh 保持要素及び側面衝突エアバッグモジュール
JP2013112217A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Autoliv Development Ab ガス供給装置およびエアバッグ装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015016324A1 (ja) 2015-02-05
JPWO2015016324A1 (ja) 2017-03-02
CN105377639A (zh) 2016-03-02
CN105377639B (zh) 2017-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6009674B2 (ja) エアバッグ装置
JP6428666B2 (ja) サイドエアバッグ装置を搭載した車両用シート
JP5922250B2 (ja) カーテンエアバッグ装置
JP6445797B2 (ja) エアバッグ及びエアバッグ装置
JP6214787B2 (ja) カーテンエアバッグ装置
JP5969792B2 (ja) 頭部保護エアバッグの組付方法
JP2012179923A (ja) カーテンエアバッグ装置
CN108025696B (zh) 侧面安全气囊装置
JP2015160452A (ja) エアバッグ及びエアバッグ装置
JP6085584B2 (ja) エアバッグ装置
JP6100126B2 (ja) エアバッグ装置
JP5968292B2 (ja) 車両用エアバッグのガスガイドおよびエアバッグ装置
JP2013086731A (ja) エアバッグ装置
JP6871974B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP5990156B2 (ja) カーテンエアバッグ装置
JP5972856B2 (ja) カーテンエアバッグ装置
JP5530747B2 (ja) ガス整流装置
JP6129761B2 (ja) 車両用エアバッグのガスガイドおよびエアバッグ装置
EP2703233B1 (en) Airbag device
JP6111054B2 (ja) カーテンエアバッグ装置
JP6379444B2 (ja) エアバッグ装置
JP5799002B2 (ja) カーテンエアバッグ装置およびカーテンエアバッグ装置製造方法
JP2019104314A (ja) 車両用エアバッグ設置構造
JP6450544B2 (ja) カーテンエアバッグ装置用取付構造およびカーテンエアバッグ装置
WO2014162955A1 (ja) エアバッグ装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160914

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6009674

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250