JP5993295B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、操縦安定性の低下を抑えながらタイヤの電気抵抗を減じた空気入りタイヤに関する。
近年、タイヤの転がり抵抗性能を高めながらタイヤの導電性を確保するため、図7に概念的に示す構造のタイヤが提案されている。
具体的には、転がり抵抗性能を減じるために、トレッドゴムaにおいて、その主要部をなすベース部a1とキャップ部a2とを、正接損失tanδが小さいシリカ配合のゴムによって形成している。又、タイヤの導電性を確保するため、前記ベース部a1とキャップ部a2とをタイヤ半径方向に貫通し、トレッド補強コード層bから接地面sまでのびる貫通端子部a3を設けるとともに、この貫通端子部a3に、電気抵抗の低い例えばカーボン配合のゴムを使用している(例えば特許文献1、2参照。)。
そしてこのようなタイヤの貫通端子部a3は、一般に、接地性の観点から、タイヤ赤道面Coに近い陸部Ycに配されている。なお前記「タイヤ赤道面Coに近い陸部Yc」とは、本例の如く、トレッド部が5本の陸部Yに区分されている場合、タイヤ赤道面Co上に配されるクラウン陸部Ycを意味し、又4本の陸部Yに区分されている場合、タイヤ赤道面Coにその両側で隣接するクラウン陸部Ycを意味する。
しかしながら本発明者の研究の結果、このようなタイヤでは、例えばトレッドゴムaの全体をシリカ配合のゴムで形成したタイヤに比して操縦安定性が劣ることが判明した。
その原因についてさらに研究した結果、以下のことが究明された。即ち、直進走行状態においては、接地面形状における接地長さ(周方向長さ)は、通常、クラウン陸部Ycで最も長くなる。そして、ハンドル操舵時の初期応答性は、前記直進走行状態において最も接地長さが長いクラウン陸部Ycの捻り剛性に大きな影響を受ける。従って、前記クラウン陸部Ycに貫通端子部a3を設けた場合、前記貫通端子部a3のゴムと、ベース部a1及びキャップ部a2のゴムとが異種配合となって前記クラウン陸部Ycの捻り剛性の低下を招き、それが原因して操縦安定性を低下させることが判明した。
又4輪車両では、一般に、前輪と後輪とには同一のタイヤが装着される。しかし、後輪には、通常、旋回性能の向上などを目的として、前後から見てハの字に傾く所謂ネガティブキャンバ角が付与されている。従って、後輪タイヤの直進走行状態では、前記前輪タイヤの場合とは異なり、前記クラウン陸部Ycよりも車両内側の陸部Yiにおいて接地長さが長くなる傾向がある。従って、後輪タイヤにおいて、この車両内側の陸部Yiに、貫通端子部a3を設けた場合には、前記陸部Yiの捻り剛性が減じて操縦安定性を低下させることになる。
従って、貫通端子部a3を有するタイヤの場合、操縦安定性の低下を抑えるためには、前記クラウン陸部Yc、及びこのクラウン陸部Ycよりも車両内側の陸部Yiには、貫通端子部を形成しないことが重要となる。
特開2010−264959号公報 特開2010−115935号公報
そこで発明は、クラウン陸部、及びこのクラウン陸部よりも車両内側の陸部には、貫通端子部を形成しないことを基本として、直進走行状態における接地長が最も長くなる陸部の捻り剛性の低下を抑え、前記貫通端子部に起因する操縦安定性の低下を抑制しうる空気入りタイヤを提供することを課題としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されしかもリムに組み付けられたときに該リムと電気的に導通するトレッド補強コード層と、該トレッド補強コード層のタイヤ半径方向外側に配されるトレッドゴムとを具え、かつ車両への装着の向きが指定された空気入りタイヤであって、
前記トレッドゴムは、前記トレッド補強コード層のタイヤ半径方向外側に隣接しかつシリカが配合された非導電性のゴムからなるベース部、前記べース部のタイヤ半径方向外側に隣接されて接地面を構成ししかもシリカが配合された非導電性のゴムからなるキャップ部、及び前記ベース部とキャップ部とを貫通してのび一端が前記接地面に露出しかつ他端が前記トレッド補強コード層に接続された導電性のゴムからなる貫通端子部を含み、
しかも、前記トレッド部は、該トレッド部にタイヤ周方向にのびる4本の周方向主溝を設けることにより、タイヤ赤道面上を周方向にのびるクラウン陸部、トレッド端に沿ってのびるショルダー陸部、及び前記クラウン陸部とショルダー陸部との間に配されるミドル陸部からなる合計5本の陸部に区分されるとともに、
前記貫通端子部は、車両装着時に車両外側に配される外のミドル陸部又は外のショルダー陸部のみに配されることを特徴としている。
また請求項2では、前記貫通端子部は、外のミドル陸部のみに配されることを特徴としている。
また請求項3では、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されしかもリムに組み付けられたときに該リムと電気的に導通するトレッド補強コード層と、該トレッド補強コード層のタイヤ半径方向外側に配されるトレッドゴムとを具え、かつ車両への装着の向きが指定された空気入りタイヤであって、
前記トレッドゴムは、前記トレッド補強コード層のタイヤ半径方向外側に隣接しかつシリカが配合された非導電性のゴムからなるベース部、前記べース部のタイヤ半径方向外側に隣接されて接地面を構成ししかもシリカが配合された非導電性のゴムからなるキャップ部、及び前記ベース部とキャップ部とを貫通してのび一端が前記接地面に露出しかつ他端が前記トレッド補強コード層に接続された導電性のゴムからなる貫通端子部を含み、
しかも、前記トレッド部は、該トレッド部にタイヤ周方向にのびる3本の周方向主溝を設けることにより、タイヤ赤道面両側で周方向にのびるクラウン陸部と、トレッド端に沿ってのびるショルダー陸部とからなる合計4本の陸部に区分されるとともに、
前記貫通端子部は、車両装着時に車両外側に配される外のショルダー陸部のみに配されることを特徴としている。
本発明は叙上の如く、トレッド部に5本の陸部を有すタイヤにおいては、車両装着時に車両外側に配される外のミドル陸部又は外のショルダー陸部のみに、貫通端子部を形成している。又トレッド部に4本の陸部を有すタイヤにおいては、車両装着時に車両外側に配される外のショルダー陸部のみに、貫通端子部を形成している。
即ち、直進走行状態において接地長が最も長くなる陸部には、貫通端子部を形成しない。そのため、ハンドル操舵時の初期応答性に最も影響が大きい陸部(直進走行状態において接地長が最も長くなる陸部)における捻り剛性を維持することができ、前記貫通端子部に起因する操縦安定性の低下を抑制することができる。
本発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。 貫通端子部を拡大して示す断面図である。 そのトレッドパターンの第1実施形態を示す展開図である。 (A)は前輪タイヤにおける直進時の接地面形状を示す概念図、(B)は後輪タイヤにおける直進時の接地面形状を示す概念図である。 トレッドパターンの第2実施形態を示す展開図である。 タイヤの電気抵抗測定装置を概念的に示す断面略図である。 従来タイヤの一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部2の内部に配されるトレッド補強コード層10とを具える。
前記カーカス6は、前記ビードコア5、5間を跨るトロイド状のカーカス本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるカーカス折返し部6bを具える。このカーカス6は、タイヤ周方向に対して例えば70〜90度の角度で配列したカーカスコードの配列体をトッピングゴムにて被覆した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。又前記カーカス本体部6aとカーカス折返し部6bとの間には、前記ビードコア5から半径方向外側に先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配設される。
又前記トレッド補強コード層10は、本例では、前記カーカス6に重置されるベルト層7と、そのさらに外側に重置されるバンド層9とから形成される。
前記ベルト層7は、タイヤ周方向に対して例えば15〜40度の角度で配列したベルトコードの配列体をトッピングゴムにて被覆した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。このベルト層7は、前記ベルトコードがプライ間相互で交差することでベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾を強固に補強する。又バンド層9は、タイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回されるバンドコードをトッピングゴムにて被覆した1枚以上、本例では1枚のバンドプライ9Aから形成される。このバンド層9は、前記ベルト層7を拘束し、操縦安定性や高速耐久性等を向上させる。
なお前記トレッド補強コード層10として、ベルト層7のみで形成することも、又はバンド層9のみで形成することもできる。又前記ベルトコード及びバンドコードを総称してトレッド補強コードと呼び、前記ベルトプライ7A、7B、及びバンドプライ9Aを総称してトレッド補強プライと呼ぶ場合がある。
ここで、前記カーカス6のタイヤ軸方向外側には、サイドウォール部3の外表面をなすサイドウォールゴム3Gと、ビード部4の外表面をなすクリンチゴム4Gとが配される。前記サイドウォールゴム3Gの半径方向外端部は、前記トレッド補強コード層10と接触している。又前記クリンチゴム4Gは、そのタイヤ半径方向外端部が前記サイドウォールゴム3Gに接続し、かつタイヤ半径方向内端部がリムJに接触する。そして本例では、これらのゴム3G、4G、及び前記カーカスプライ6Aのトッピングゴム、トレッド補強プライのトッピングゴムを、従来の一般的なタイヤと同様、ゴム補強剤としてカーボンブラックを高配合することにより体積固有電気抵抗値を1.0×10(Ω・cm)未満とした導電性のゴムにて形成している。従って、本例では、前記トレッド補強コード層10は、ゴム3G、4G、及びカーカスプライ6Aを介してリムJと導通しうる。なおトレッド補強コード層10からリムJへの導通経路は、これに限定されるものではなく、種々設定できる。
次に、前記トレッド補強コード層10の半径方向外側には、トレッドゴム2Gが配される。
前記トレッドゴム2Gは、前記トレッド補強コード層10とはタイヤ半径方向外側で隣接するベース部11、前記ベース部11とはタイヤ半径方向外側で隣接しかつ外面が接地面2Sを構成するキャップ部12、及び前記ベース部11とキャップ部12とを半径方向内外に貫通してのびる貫通端子部13を含む。
そして前記ベース部11及びキャップ部12は、非導電性のゴムから形成される。これに対して、前記貫通端子部13は、導電性のゴムからなり、図2に拡大して示すように、その一端13aは前記接地面2Sに露出し、かつ他端13bは前記トレッド補強コード層10に接続される。なお導電性のゴムは、前記した如く「体積固有電気抵抗値が1.0×10(Ω・cm)未満のゴムとして定義され、又非導電性のゴムは、「体積固有電気抵抗値が1.0×10(Ω・cm)以上のゴムとして定義される。
前記接地面2Sとは、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された正規状態のタイヤに正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させたときに該平面と接地するトレッド部2の表面を意味する。又前記接地面2Sにおけるタイヤ軸方向最外側の位置を、トレッド端Teという。
又前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"を意味するが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。前記「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"である。
又前記ベース部11及びキャップ部12の非導電性のゴムとして、シリカを多く配合したシリカリッチ配合ゴムが用いられる。このようなシリカリッチ配合ゴムは、キャップ部12においては、転がり抵抗性能を向上させながら、ウエットグリップ性能を高める。またベース部11においては、転がり抵抗性能を向上させながら、内部発熱を減じてベルト端剥離などの損傷を抑止する。なおベース部11では、路面と接触しないため、キャップ部12に比して耐摩耗性、耐カット性等への要求が少ない。従って、ベース部11ではキャップ部12に比してシリカ配合量を増やし、ベース部11の正接損失tanδ1を、キャップ部12の正接損失tanδ2よりも小に設定している。
このようなベース部11、キャップ部12、及び貫通端子部13は、本例では、それぞれ所定のゴム組成を有するテープ状のゴムストリップを螺旋状に巻き重ねる所謂ストリップワインド法によって形成される(前記特許文献1、2等参照。)。しかし、多層式ヘッドを具えたゴム押出し装置を用い、ベース部11、キャップ部12、及び貫通端子部13を一体化した一体押出し品として押し出し形成しうるなど、周知の種々の形成方法が採用できる。
又前記空気入りタイヤ1は、車両への装着の向きが指定されている。通常のタイヤでは、トレッドパターンとして非対称パターンが採用された場合にのみ、車両への装着の向きが指定される。しかしながら本発明のタイヤの場合、対称パターンの場合においても、車両への装着の向きが指定される。この装着の向きは、例えばサイドウォール部3に設けた表示部15によって示される。
次に、前記トレッド部2には、図3に示すように、タイヤ周方向にのびる4本の周方向主溝20が配される。これにより前記トレッド部2は、タイヤ赤道面Co上を周方向にのびるクラウン陸部Yc、トレッド端Teに沿ってのびるショルダー陸部Ys、及び前記クラウン陸部Ycとショルダー陸部Ysとの間に配されるミドル陸部Ymからなる合計5本の陸部Yに区分される。
前記陸部Yとしては、タイヤ周方向に連続してのびる周方向リブであってもよく又、横溝22によって分割された複数のブロックが周方向に並ぶブロック列であっても良い。本例では、クラウン陸部Ycが周方向リブとして形成され、又ショルダー陸部Ys及びミドル陸部Ymがブロック列として形成される場合が示される。なお前記周方向主溝20及び横溝22としては、従来的な種々の形状、サイズ(溝巾、溝深さを含む。)のものが採用される。
そして、前記5本の陸部Yのうち、車両装着時に車両外側に配される外のミドル陸部YmO又は外のショルダー陸部YsOのみに、前記貫通端子部13が形成され、前記クラウン陸部Yc及び車両装着時に車両内側に配される内のミドル陸部YmI又は内のショルダー陸部YsIには貫通端子部13は形成されない。
これは、ハンドル操舵時の初期応答性は、直進走行状態において最も接地長さが長い陸部Yの捻り剛性に大きな影響を受けるという本発明者の知見に基づく。即ち、前輪タイヤなどキャンバー角が付与されていないタイヤの場合、図4(A)に、直進走行状態の接地面形状Fを示すように、クラウン陸部Ycの接地長さが、他の陸部Ys、Ymに比して大であり、従って、ハンドル操舵時の初期応答性は、前記クラウン陸部Ycの捻り剛性に大きな影響を受ける。そのため、もし前記クラウン陸部Ycに貫通端子部13を形成した場合には、このクラウン陸部Ycの捻り剛性が減じる結果、初期応答性ひいては操縦安定性の低下を大きくする。従って、キャンバー角が付与されていないタイヤの場合、操縦安定性の低下を抑えるためには、前記クラウン陸部Yc以外の陸部Yに貫通端子部a3を形成する必要がある。
他方、後輪タイヤには、前後から見てハの字に傾く所謂ネガティブキャンバ角が付与される場合が多い。この場合、図4(B)に直進走行状態における接地面形状Fを示すように、クラウン陸部Ycよりも車両内側に配される内のミドル陸部YmI又は外のショルダー陸部YsIの接地長さが大となる。従って、ネガティブキャンバ角が付与される後輪タイヤの場合には、操縦安定性の低下を抑えるためには、前記内のミドル陸部YmI、及び外のショルダー陸部YsI以外の陸部Yに貫通端子部13を形成する必要がある。
又、4輪車両では一般に、前輪と後輪とに同一のタイヤが装着されるため、上記の2つの条件を満たす必要がある。従って、第1実施形態においては、外のミドル陸部YmO又は外のショルダー陸部YsOのみに貫通端子部13を形成することで、操縦安定性の低下を抑えることが可能となる。
又本発明者の研究の結果、外のショルダー陸部YsOに貫通端子部13を形成した場合、操縦安定性の低下抑制には効果があるものの、転がり抵抗性能については、外のミドル陸部YmOに貫通端子部13を形成した場合に比してやや劣ることが判明した。これは、ショルダー陸部Ysは、タイヤ転動時に最も動きが大きい陸部であり、そのためこの陸部に、正接損失tanδの高い貫通端子部13を形成した場合、発熱が大きくなって転がり抵抗性能の低下を招く。従って、貫通端子部13を前記外のミドル陸部YmOに形成することが最も好ましい。
次に、図5に、第2実施形態のタイヤ1のトレッドパターンを例示する。第2実施形態では、トレッド部2に、タイヤ周方向にのびる3本の周方向主溝20が設けられる。これにより、前記トレッド部2は、タイヤ赤道面Coの両側で周方向にのびるクラウン陸部Ycと、トレッド端Teに沿ってのびるショルダー陸部Ysとからなる合計4本の陸部Yに区分される。
そして、第1実施形態と同じ理由により、前記貫通端子部13は、車両装着時に車両外側に配される外のショルダー陸部YsOのみに形成され、クラウン陸部Yc、及び内のショルダー陸部YsIには形成されない。これにより、操縦安定性の低下を抑えることができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
(1)図1に示す内部構造をなし、かつ図3に示すトレッドパターンを有する空気入りタイヤ(サイズ:235/45R18)が表1に示す仕様にて試作され、各タイヤの導電性、操縦安定性、転がり抵抗性が測定された。各タイヤともキャップ部及びベース部にはシリカリッチの非導電性のゴムが、貫通端子部にはカーボンリッチの導電性のゴムがそれぞれ用いられた。配合等は各タイヤとも同一であり、貫通端子部の形成位置のみ相違する。なお表において、貫通端子部が形成されている陸部には○、貫通端子部が形成されていない陸部には×を記載している。表1に示されたパラメータ以外は、各タイヤとも同一である。
比較例1では、キャップ部及びベース部にシリカリッチの非導電性のゴムが使用されるが、貫通端子部は形成されていない。
<導電性>
図6に示されるように、絶縁板30(電気抵抗値が1012Ω以上)上に設置された金属板31(電気抵抗値は10Ω以下)と、導電性のタイヤ取付軸32と、電気抵抗測定器33とを含む測定装置を使用し、JATMA規定に準拠してテストタイヤTとリムJとの組立体の電気抵抗値を測定した。電気抵抗値が1.0×10Ω以下をokとした。なお各テストタイヤは、予め表面の離型剤や汚れが十分に除去されており、かつ、十分に乾燥した状態のものが使用された。また他の条件は、次の通りである。
リム材料:アルミニウム合金製
リムサイズ:18×7J
内圧:200kPa
荷重:5.00kN
試験環境温度(試験室温度):25℃
湿度:50%
電気抵抗測定器の測定範囲:10 〜1.6×1016Ω
試験電圧(印可電圧):1000V
<操縦安定性>
テストタイヤを、リム(18×7J)、内圧(200kPa)の条件にて、車両(国産3500cc、FR車)の全輪に、ドライアスファルトのテストコースを走行し、ハンドル操舵時の初期応答性と後輪タイヤの追従性とをドライバーの官能評価により、それぞれ比較例1を100とする指数で評価した。数値が大きいほど操縦安定性に優れている。
<転がり抵抗性>
転がり抵抗試験器を使用し、下記の条件での転がり抵抗が測定された。評価は、比較例1を100とする指数で評価した。数値が大きいほど転がり抵抗性に優れている。
リム:18×7J
内圧:200kPa
荷重:5.00kN
速度:80km/h
(2)同様に、図1に示す内部構造をなし、かつ図4に示すトレッドパターンを有する空気入りタイヤ(サイズ:235/45R18)が表2に示す仕様にて試作され、各タイヤの導電性、操縦安定性、転がり抵抗性が測定された。トレッドパターン以外は(1)と同様である。
Figure 0005993295
Figure 0005993295
表1、2に示すように、実施例のタイヤは、操縦安定性の低下を抑えながら導電性を確保しうるのが確認できる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
2S 接地面
2G トレッドゴム
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
10 トレッド補強コード層
11 ベース部
12 キャップ部
13 貫通端子部
20 周方向主溝
J リム
Te トレッド端
Y 陸部
Yc クラウン陸部
Ym ミドル陸部
Ys ショルダー陸部

Claims (3)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されしかもリムに組み付けられたときに該リムと電気的に導通するトレッド補強コード層と、該トレッド補強コード層のタイヤ半径方向外側に配されるトレッドゴムとを具え、かつ車両への装着の向きが指定された空気入りタイヤであって、
    前記トレッドゴムは、前記トレッド補強コード層のタイヤ半径方向外側に隣接しかつシリカが配合された非導電性のゴムからなるベース部、前記ベース部のタイヤ半径方向外側に隣接されて接地面を構成ししかもシリカが配合された非導電性のゴムからなるキャップ部、及び前記ベース部とキャップ部とを貫通してのび一端が前記接地面に露出しかつ他端が前記トレッド補強コード層に接続された導電性のゴムからなる貫通端子部を含み、
    しかも、前記トレッド部は、該トレッド部にタイヤ周方向にのびる4本の周方向主溝を設けることにより、タイヤ赤道面上を周方向にのびるクラウン陸部、トレッド端に沿ってのびるショルダー陸部、及び前記クラウン陸部とショルダー陸部との間に配されるミドル陸部からなる合計5本の陸部に区分されるとともに、
    前記貫通端子部は、車両装着時に車両外側に配される外のミドル陸部又は外のショルダー陸部のみに配されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記貫通端子部は、外のミドル陸部のみに配されることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されしかもリムに組み付けられたときに該リムと電気的に導通するトレッド補強コード層と、該トレッド補強コード層のタイヤ半径方向外側に配されるトレッドゴムとを具え、かつ車両への装着の向きが指定された空気入りタイヤであって、
    前記トレッドゴムは、前記トレッド補強コード層のタイヤ半径方向外側に隣接しかつシリカが配合された非導電性のゴムからなるベース部、前記ベース部のタイヤ半径方向外側に隣接されて接地面を構成ししかもシリカが配合された非導電性のゴムからなるキャップ部、及び前記ベース部とキャップ部とを貫通してのび一端が前記接地面に露出しかつ他端が前記トレッド補強コード層に接続された導電性のゴムからなる貫通端子部を含み、
    しかも、前記トレッド部は、該トレッド部にタイヤ周方向にのびる3本の周方向主溝を設けることにより、タイヤ赤道面両側で周方向にのびるクラウン陸部と、トレッド端に沿ってのびるショルダー陸部とからなる合計4本の陸部に区分されるとともに、
    前記貫通端子部は、車両装着時に車両外側に配される外のショルダー陸部のみに配されることを特徴とする空気入りタイヤ。
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