JP4545208B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、耐偏摩耗性、操縦安定性および耐ハイドロプレーニング性を有効に向上させ、併せて、車室内の騒音および振動を有利に低減できる空気入りタイヤに関するものである。
トレッドパターンがタイヤ赤道線に対して非対称となる、いわゆる非対称タイヤは、車両に装着されて車両の外側となる部分は操縦性の向上のために、一方、車両の内側となる部分は排水性の向上のためにそれぞれ機能を分離させて構成することが一般的であり(月刊タイヤ2001年3月号、新商品ハイライト5ミシュラン、「エナジーXH1」、「エナジーXT1」、「エナジーXT2」等)、これがため、車両の外側部分では、ネガティブ比を小さくして陸部剛性を大きくし、また車両の内側部分では、逆に、ネガティブ比を大きくして陸部剛性を小さくするトレッド構造が広く採用されている。
また、タイヤの、車両への装着状態での特性をみて検討したタイヤの構成としては、欧州特許出願公開第578216号明細書に開示されたものがあり、これもまた、各リブのネガティブ比を車の内側となる部分で大きくなるように規定したものである。
ところが、前者のタイヤは、タイヤへのキャンバ角の付与を考慮することなく構成されており、車両への実装着状態の下での性能の最適化が図られていなかったため、タイヤを実車に装着して、キャンバ角の付与下で負荷転動させた場合には、耐摩耗性、操縦安定性および耐ハイドロプレーニング性を十分に発揮させることができず、また、車室内の騒音および振動を有効に低減させることができない問題があり、そして、欧州特許出願公開第578216号明細書に開示された後者タイヤでは、車両の最内側に位置するショルダーリブのネガティブ比が、全てのリブ中で最小となるため、そのリブがとくに早期に摩耗するという問題があり、また、ネガティブ配分を規定するだけでは、これも、耐摩耗性、操縦安定性および耐ハイドロプレーニング性を十分に発揮させることができないという問題があった。
そこでこの発明は、従来技術が抱えるこのような問題点をことごとく解決した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
この発明は、従来技術に係るタイヤを車両に実際に装着するとともに、それが負荷転動される状態を詳細に観察した結果として、タイヤの実際の使用時の負荷転動に当っては、多くは、タイヤにキャンバ角が付与されることになり、このキャンバ角が、タイヤの摩耗、操縦安定性、排水性等に大きな影響を及ぼすことになるという知見を得たことに基づいてなされたものである。
すなわち、車両によっては、タイヤを装着した状態でそれに既にネガティブキャンバが付く場合がある一方で、車両への装着時にキャンバ零もしくはポジティブキャンバであっても、積載荷重の変化でネガティブキャンバになる場合があり、また、タイヤが装着された状態で既にネガティブキャンバが付く場合、積載荷重の変化でネガティブキャンバが大きくなることもあり、さらに、装着時のネガティブキャンバの有無に係わらず、制動時の前輪荷重の増加、コーナリング時のコーナ外側輪の荷重増加、車両の姿勢変化やサスペンションの動きでネガティブキャンバになることもある。これがため、多くは、タイヤのネガティブキャンバ姿勢での負荷転動に対してすぐれた耐摩耗性、操縦安定性、排水性等を発揮できるトレッドパターンを検討することが実用上重要である。
この一方で、この発明は、ホイールのリムとディスクとの連結部が、リムに取付けたタイヤの赤道面に対し、装着される車両の外側に位置する場合における、タイヤへの路面入力の、車軸への伝達を有効に制御するためになされたものでもある。
リムとディスクとの連結部が、タイヤ赤道面に対して車両の外側に位置する場合は、ホイールの半径方向断面内でみると、リムの、車両の内側方向への突出部分は、ディスクによって片持ち支持されているかの如く構造となり、そのリムの、車両の内側に位置するビードシートへのタイヤ側からの半径方向入力に対してはホイールの剛性がとくに低くなって、その半径方向が、ホイール自体の特に大きな変形をもたらし、このホイールの変形は車軸に伝達されることになり、これが車軸振動等の一因となるので、タイヤ、なかでも、ネガティブキャンバを付与されて、接地圧および接地長さともに、装着内側で大きくなるタイヤでは、路面入力の、リムへの伝達を抑制することが必要となる。
そこで、この発明では、トレッドに、たとえば、タイヤ赤道線に対して非対称に位置する二本以上の周溝を設けるとともに、タイヤ赤道線に最も近接して位置して、その赤道線上に延在することもある陸部列をリブとしてなり、リム組みタイヤへの空気圧の充填下で、キャンバ角を付与した状態で使用に供される空気入りタイヤにおいて、キャンバ角零のタイヤ姿勢を基準とし、キャンバ角の付与によってトレッドの接地長さが長くなる側の一方のショルダー陸部列を、トレッド周方向に直線状に連続して延びる細溝により幅方向に二分割して、トレッド端側に位置する一方の分割部分を狭幅リブとし、タイヤ赤道線側に位置する他方の分割部分に形成されることのある横溝の、トレッド円周方向での、単位幅当りのトータルボリュームを、タイヤ赤道線に対して、そのショルダー陸部列とはトレッドの反対側に区画される他方のショルダー陸部列に形成される同様の横溝のそれより小さくするとともに、この他方の分割部分に、溝から独立した複数の小孔を設け、他方のショルダー陸部列に形成される横溝の、トレッド幅方向に対する平均角度を15°以下とする。
負荷の作用の下で、タイヤにキャンバ角を付与した場合には、図1に接地面輪郭線を模式的に示すように、トレッド接地面内でのトレッド周方向の接地長さが、キャンバ角零のタイヤ姿勢を基準として、長くなる部分と短くなる部分とが生じ、接地長さの増加側では、ホイールリムが路面に接近して回転半径が小さくなる一方で、接地長さの減少側では回転半径が大きくなるので、たとえば、車両の直進走行状態の下では、接地長さの増加側部分には制動方向の力が作用して、そこに早期の摩耗を生じるという問題があった。
このような早期摩耗を抑制する従来技術としては、特開2001−354010号公報に開示されているように、ネガティブキャンバに設定された車両に装着したときに装着の内側となるショルダー陸部のタイヤ周方向剛性を、装着の外側となるショルダー陸部のタイヤ周方向剛性よりも大きくすることで、装着内側、いいかえれば、接地長さの増加側のショルダー陸部の、制動方向の耐摩耗性を高めるものがある。
ところが、このような構成だけによるときは、コーナリング等によってタイヤに、それの横方向から作用する力が増加した場合に、周方向剛性を大きくしたショルダー陸部の接地圧が大きくなって、そこに偏摩耗の核が発生し易いとの新たな知見を得た。
これに対しては、この発明に係るタイヤのように、接地長さの増加側のショルダー陸部列を、周方向に延びる細溝によって幅方向に二分割し、トレッド端側に位置する一方の分割部分を摩耗犠牲部として機能させる場合は、そこに発生した摩耗の、トレッドセンタ側に位置する他方の分割部分への進展を有利に抑制して、その他方の分割部分を早期の摩耗から保護することができる。
また、他方の分割部分に対しては、そこに形成されることのある横溝のトータルボリュームを、接地長さの減少側のショルダー陸部列に形成される横溝のそれより小さくして、接地面内で横溝の溝幅が低減されることに起因する、その分割部分での回転半径の減少を抑制して、他方の分割部分に作用する制動方向の力を緩和することにより、そこへの早期の摩耗の発生を有利に防止することができる。そしてまた、横溝のトータルボリュームのこの低減は、周方向の不均一摩耗であるヒールアンドトゥ摩耗の発生要因を減じる効果もある。
その上、この他方の分割部分に複数の小孔を設けて接地面内での剪断剛性を各方向について低減させることにより、その分割部分が制動方向に引き摺られても、またそこへの横力の入力が増えても、高い可撓性の下で力の負担を有利に軽減して、早期の摩耗を有利に緩和することができる。
しかもこのタイヤでは、タイヤ赤道線に最も近接して位置する陸部列をリブとすることで、高速道路走行時のように、タイヤへの比較的小さなスリップ角の付与時における操縦安定性にとくに大きく影響するそのタイヤ赤道線付近での幅方向陸部剛性を十分に高めて、すぐれた操縦安定性を実現することができる。
この一方で、トレッドの接地長さが短くなる側の他方のショルダー陸部列の幅方向剛性は、とくに、山道走行に代表されるような、比較的大きなスリップ角の付与時の操縦安定性に大きな影響を及ぼすことになるので、ここでは、そのショルダー陸部列に形成する横溝の、トレッド幅方向に対する平均角度を15°以下として、その陸部列の幅方向剛性の低下を抑制し、これにより、高い操縦安定性を確保しつつ、すぐれた耐摩耗性をもたらす。
ところで、耐ハイドロプレーニング性に関連して、タイヤにネガティブキャンバを付与した場合の、踏面水の排水状況を観察したところ、タイヤの赤道線付近では流線はほぼ前方、すなわち、トレッド周方向に向くのに対し、車両に装着されて装着外側となるショルダ部分では、トレッド幅方向に対して20°以下の角度で外側方向に向くことが明らかになり、装着の内側となる部分では、流線は、トレッド幅方向の位置に応じて、周方向から徐々に、トレッド幅方向の外側に向かうことが明らかになった。
このような排水流線に対しては、トレッド表面の溝を流線方向に延在させることで耐ハイドロプレーニング性を向上できることが知られており、このタイヤでは、タイヤ赤道線に最も近接して位置する陸部列を、対をなす周溝にて区画されるリブとして、両周溝を、赤道線付近の流線方向に延在させているので、赤道近傍域ではすぐれた耐ハイドロプレーニング性を発揮させることができる。そしてまた、このタイヤでは、トレッドの接地長さが短くなる側のショルダー陸部列には、装着外側のショルダー部分の流線と方向が合う15°以下の平均角度の横溝を設けているので、その陸部列にもまた、すぐれた耐ハイドロプレーニング性を発揮させることができる。
なおこのタイヤの、トレッドの接地長さが長くなる側の一方のショルダー陸部列は接地形状が丸くなり、タイヤが、水、路面と接触し始める踏み込み領域で、水を、タイヤ接地幅から外れた方向に効果的に排水でき、接地面内に水をつつみ込むことが少ないので、横溝等をもうけることなしに、耐ハイドロプレーニング性の悪化を防止することができる。
かかるタイヤにおいて好ましくは、一方のショルダー陸部列に設けた周方向細溝の溝幅を、溝底に比し、トレッド表面側で漸次にまたは段階的に広幅とする。
これによれば、踏面上の小石等の異物を細溝内に噛み込むことがあっても、異物の、そこからの抜け出しを容易にして、細溝内に異物を噛み込んだままタイヤが負荷転動することに起因する偏摩耗が、その細溝にて分割された、タイヤ赤道線側の他方の分割部分に発生するのを有効に防止する。
また好ましくは、他方の分割部分に設けた複数の小孔の、トレッド周方向のトータルボリュームを、それを区画する細溝側で、タイヤ赤道線側より大きくする。
この場合には、横力の負担が大きくなる接地端に近づくほどに分割部分の剛性を低減させて、入力を広い領域で受けることで応力をへらし、その分割部分の摩耗をより有効に防止することができ、また、分割部分の全体にわたってトータルボリュームを大きくする場合に比して高い操縦安定性やトレッド耐久性を確保することができる。
ここで、小孔のトータルボリュームは、たとえば、それらの開口寸法もしくは深さを変化させること、配設ピッチを変化させること等によって変化させることができる。
この一方で、他方の分割部分への小孔の形成領域をも含むトレッド構造を、−0.5のキャンバ角の付与姿勢での、最大負荷能力の40%の負荷の作用下で、小孔を設けた分割部分が小孔形成領域の少なくとも一部で接地するトレッド構造とした場合には、たとえばFF車両の制動時の後輪のように、前輪に比して負荷が小さくなり、接地幅が狭くなった場合にも、小孔の作用下での剛性の低減効果を有効に発揮させることができる。
また、一方のショルダー陸部列に設けた細溝によって分割して狭幅リブとした、トレッド端側の一方の分割部分の、トレッド端側の側面を、横断面輪郭線の外側に曲率中心をもつ凹曲面形状としたときは、摩耗犠牲部としてのその分割部分の摩耗体積の低減を図って、新品タイヤに対する外観変化を小さく抑え、摩耗外観を向上させることができる。
このようなタイヤにおいてより好ましくは、タイヤ赤道線に最も近接して位置する陸部列としてのリブの中心線を、タイヤ赤道線に対し、キャンバ角の付与によって接地長さが長くなる側に位置させるとともに、その陸部列に、トレッド幅方向に対して5〜45°の範囲の平均角度で延在し、2mm以下の溝幅を有する複数本の幅方向細溝を設ける。
ドライ踏面上を高速走行する場合等の路面グリップ力および操縦安定性の向上のためには、いわゆるたが効果をもたらすベルトの張力が最も大きくなって高いトレッド剛性をもたらすトレッド中央部分と、トレッドの接地長さが最長となっている部分との間または、それらの両者に跨がる位置に、トレッド幅方向の剛性が高く、ベルトの高張力部分にタイヤへの入力を迅速かつ確実に伝達できる陸部列、たとえばリブを設けることが好ましい。
しかるに、このようなリブで、トレッドゴムの、周方向の逃げ変形が許容されない場合には、そのリブに偏摩耗が発生するので、ここでは、トレッド幅方向の剛性を確保してなお、周方向の適度の逃げ変形を許容するべく、陸部列としてのリブに、幅が2mm以下の幅方向細溝を、5〜45°の延在角度で形成する。
ここで、溝幅を2mm以下とするのは、ゴムの周方向の逃げ変形の吸収のためには、わずかな溝幅が存在するだけで十分であり、それが2mmを超えるとパターンノイズが増加する他、陸部列の幅方向剛性の低下が大きくなることによる、また、細溝角度を5°以上とするのは、それ未満では、溝縁の路面への衝接に起因するパターンノイズの増加が否めず、その上限を45°とするのは、45°を超えると、陸部列の幅方向剛性が低くなりすぎることによる。
また好ましくは、このような幅方向細溝を、それの延在方向の中間部を境として、深さ方向で、たとえば、溝幅方向、トレッド周方向等に相互に離隔する方向へ、平坦面状、曲面状等に傾けて形成する。なおこの場合、相互に離隔する方向に傾く平坦面状部分等は、一の細溝につき三個以上形成することもできる。
これによれば、細溝の溝幅の存在下で、ゴムの周方向の逃げ変形を十分に許容してなお、トレッド幅方向では、その細溝を、開口位置より溝底側で相互に干渉させて、リブとしての陸部列の幅方向剛性の低下を効果的に防止することができる。
ところで、複数本のこのような幅方向細溝は、それらの少なくとも一部で、延在方向の両端をともに、陸部列としてのリブ内で終了させることができ、これによれば、リブの幅方向剛性を高く保って、操縦安定性を一層向上させることができる。
すなわち、ゴムの周方向逃げ変形の許容は、ゴムの逃げ場のないリブの幅方向中央部分でとくに必要となるので、そこには幅方向細溝を延在させても、リブの側壁近傍では、ゴムのリブ外側方向への逃げ変形が可能となる一方で、リブの側壁近傍は幅方向剛性が低いので、その部分からは、幅方向細溝を排除することで、リブの幅方向剛性の低下を抑えつつ、ゴムの周方向への逃げ変形を許容する。
また好ましくは、タイヤの赤道線に最も近接して位置する陸部列を、直線状に延びる一対の周溝で区画し、一方のショルダー陸部列側に位置する周溝の溝幅を、他方のショルダー陸部列側に位置する周溝の溝幅より広幅とする。
タイヤの扁平率等の相違に起因するトレッド接地形状の違いについてみるに、タイヤの実際の負荷転動時の接地形状の、最大幅と最大長さとを対比して、図2(a)に示すように、最大幅が最大長さより大きい場合は、図2(b)に示すように接地長さの方が大きくなる場合に比して周溝がより多くの水を排水するとの知見に従えば、前者のように、最大幅が最大長さより大きくなるときは、たとえば、排水の流線方向がほぼ周方向となるトレッド中央部分により多くの周溝を設けることにより、排水性を高めて耐ハイドロプレーニング性を向上させることができる。
ところで、周溝は、接地面内では、接地長さと等しい気柱管を形成し、気柱共鳴音の発生原因となることが知られているが、この気柱共鳴音は、気柱管の寸法が同一であっても、その大きさは、図3に示すように、トレッドの幅方向位置によって異なり、トレッドセンタ位置を境として、トレッドの接地長さが長い側の気柱共鳴音は、トレッド端側に向けて接地長さが短くなる側の共鳴音の増加割合に比して、より大きな割合で低下するとの新たな知見を得たことにより、ここでは、トレッドの接地長さが長くなる側の一方のショルダー陸部列側に位置する周溝を他の周溝より広い幅とし、これにより、共鳴音の発生を抑えつつ耐ハイドロプレーニング性の向上をもたらす。
また好ましくは、タイヤ赤道線に最も近接して位置する陸部列としてのリブの中心線を、タイヤ赤道線に対して、キャンバ角の付与によってトレッドの接地長さが長くなる側に偏せて位置させて、その陸部列に、長円形状等をも含むほぼ楕円形状をなす複数個の窪みを設け、各窪みの長軸を、トレッド幅方向に対して5〜45°の範囲の角度で延在させるとともに、この陸部列の一方のショルダー陸部列側を直線状に延びる周溝によって区画する。
赤道線近傍の中央域陸部列が集中して摩耗するのを防ぐには、周方向へのゴムの逃げ場を作るようにわずかな隙間を設ければ良いことは先に述べたが、ここでは、ゴムの逃げ場がなく、かつ幅方向剛性に対する寄与も少ない陸部列の中央部分に、幅方向細溝に代えて、ほぼ楕円形状の窪みを設けることで、ゴムの逃げ場をつくりながら幅方向剛性を確保する。
窪みの長軸方向がタイヤ幅方向に対して5°未満ではパターンノイズが大きくなりすぎ、45°を超えると、陸部列の幅方向剛性が下がりすぎる。
また上述したように、中央域陸部列を区画する、一方のショルダー陸部列側の周溝を直線状溝とすることで高い耐ハイドロプレーニング性をもたらすことができる。
ところで、複数個のほぼ楕円形状窪みの少なくとも一部に、窪みの長軸方向に延びて、陸部列側壁に開口するサイプを付設した場合には、接地時に窪み内に封じ込められて圧縮される空気をサイプを経て外部へ排出することができるので、窪み内の空気が封じ込められて高い圧縮圧力を持ちそれが蹴り出し時に解放されて音を出すのを防止することができる。
そしてまた好ましくは、周溝で区画されるそれぞれの陸部列における、トレッド幅方向の剛性の、接地長さの全体にわたる積分値を、隣接する陸部列の相互間で、大きい方の値の50%以内とする。
なおこの場合、周方向細溝によって幅方向に二分割される一方のショルダー陸部列の剛性は、細溝よりセンター寄りの分割部分のみの剛性とする。
ここで、「接地長さの全体にわたる積分値」は、たとえば、周溝で区画された各陸部列の幅方向剛性のトレッド全周にわたる総和を求め、実車装着時のその陸部列の接地長さを、空気圧を充填後の陸部列周長で除した値を、上記総和に乗じることで求めることができる。
より具体的には、たとえば、一の陸部列がモノピッチブロックの60個からなる場合は、一のブロックの幅方向剛性を求めてそれを60倍することで剛性の総和を求め、その値に、(ブロックの接地個数/60)を乗じることで積地長さの全体にわたる積分地を求めることができる。一方、バリアブルピッチブロックからなる場合は、各寸法のブロックの幅方向剛性を求め、一周中の各寸法のブロック個数をそれに乗じ、寸法毎の剛性を加算することで剛性総和を求めることができる。
操縦性の向上のためには、スリップ角の付与によってタイヤが発生するコーナリングフォースが大きいだけではなく、そのコーナリングフォースがスリップ角の増加に伴って線形に近い状態で増加することが重要である。
ところで、断面形状および構造が赤道面に対して対称なタイヤに内圧を充填すると赤道面上でのベルト張力が一番高くなる場合が多く、ベルト張力に基づくトレッド剛性もこの部分で最大となり、タイヤにキャンバーを付与しない状態の下での車両の直進走行時には、接地長の最長部分も赤道面上に位置することになって、赤道面上では、ベルト剛性、接地長さの両者が最大になるので、赤道面上のトレッド部分が最大のコーナリングフォースを発生する部分となる。
一方、キャンバを付与した状態での直進走行では接地長さが最大になる部分はタイヤ赤道面とは一致しなくなり、この場合は、トレッド陸部の剛性が同じの時は、接地長さの長い部分の方が大きなコーナリングフォースを発生する事が出来る。また、このキャンバ付きの直進走行からスリップ角が増加し始める時、最も大きなコーナリングフォースを発生する部分は、ベルト張力が最大の部分と、接地長さが最長になる部分の間に存在することが詳細な観察から明らかになった。
そして、スリップ角がさらに増加すると、スリップ角の増大に伴って、接地長さの最長部分が、コーナリングの外側に移動し、かつコーナリング外側での荷重負担が大きくなる。かかる場合にタイヤが発生するコーナリングフォースは、接地長さの増加と荷重負担の増加によりコーナリング外側位置で発生する量が増加する。
ところで、このようなコーナリングフォースは、それぞれの陸部列のトレッド幅方向の剛性が、トレッドの幅方向位置によって相違することによっても変化することになる。
そこで、陸部列の剛性の、トレッド幅方向での変動と、コーナリングフォースの変化との関係について検討したところ、陸部列の幅方向剛性の低下は一般に、コーナリングフォースの低下をもたらすことになるのに対し、隣接する陸部列の相互間での剛性低下が50%以内にあるときは、タイヤへのスリップ角の付与時の陸部列の捩れ変化によってその陸部列の接地長さが長くなり、コーナリングフォースに関しては、この接地長さの増加が剛性の低下を補うことになって、コーナリングフォースをほぼ一定に保ことができるとの知見を得た。この一方で、剛性低下が50%を超えると、剛性低下に見合った接地長さの増加をもたらすことが不可能となる。
これがためここでは、スリップ角の増加に伴うコーナリングフォースのほぼ線形状の増加を実現するべく、隣接する陸部列の相互間での、トレッド幅方向剛性の差を、大きい方の値の50%以内としている。
この発明に係る他の空気入りタイヤは、トレッドに、たとえば、タイヤ赤道線に対して非対称に位置する三本以上の周溝を設けるとともに、タイヤ赤道線に最も近接して位置する陸部列をリブとしてなり、キャンバ角を付与した状態で使用に供されるものであって、キャンバ角零のタイヤ姿勢を基準とし、キャンバ角の付与によってトレッドの接地長さが長くなる側の一方のショルダー陸部列に形成されることのある溝、サイプ、孔等のエッジの、トレッド幅方向の延在成分のトレッド周方向での、単位幅当りの総和を、タイヤ赤道線に対して、そのショルダー陸部列とはトレッド反対側に区画される他方のショルダー陸部列に設けられるエッジの、トレッド幅方向の延在成分のそれより小さくし、一方のショルダー陸部列のタイヤ赤道線側に隣接する第2の伸長側陸部側に、トレッド幅方向に対して45°以上の平均角度で延びる複数本の傾斜溝を設け、これらの傾斜溝を、少なくとも、一方のショルダー陸部列側の周溝に開口させたものである。
タイヤにキャンバ角を付与した場合には、接地長さが一番長い位置がタイヤの赤道線位置から変位して、水の一番溜まり易い部分もまた、タイヤ赤道線部分から、接地長さが長くなる側に移動するので、その水の溜まり易い部分に周溝を設けることで排水性を高めることができ、タイヤの耐ハイドロプレーニング性を向上させることができる。
この周溝よりさらに一方のショルダー陸部列側の幅方向外側領域では、水を幅方向外側に排水することで耐ハイドロプレーニング性を向上させることができ、この場合、溝は排水の流線に沿った方向に延在させることが、排水効率を高めるのに好ましいので、ここでは、排水流線の延在方向である、幅方向に対して45°以上の角度に対応させて、第2の伸長側陸部列に、45°以上の平均角度で延びる傾斜溝を設けて、耐ハイドロプレーニング性の一層の向上を担保する。
そして、このような傾斜溝を通る排水流は、幅方向の外側に向かうので、ここでは、それらの傾斜溝を、少なくとも、第2の伸長側陸部列の幅方向外側に延在する、一方のショルダー陸部列側の周溝に開口させて、排水の円滑にして迅速な流下を確実なものとする。
この一方で、キャンバ角の付与時の摩耗性能の向上のためには、先にも述べたように、接地長さが長くなる側の一方のショルダー陸部列の回転半径の減少を抑制することが有効であるので、ここでは、そのショルダー陸部列に形成されることのあるエッジの、トレッド幅方向の延在成分の総和を、反対側のショルダー陸部列のそれより小さくする。
ここで、他方のショルダー陸部列のタイヤ赤道線側、いいかえればトレッドセンタ側に隣接する第2の縮小側陸部列に、一端が周溝に開口し、他端がその陸部列内で終了する横溝を設けた場合には、その第2の縮小側陸部列を区画する一対の周溝のそれぞれへの同時の気柱共鳴の発生を防止して、騒音を有効に低減させることができる。
すなわち、ハイドロプレーニング性の向上のために周溝と横溝を多く設けるとタイヤの転動時の騒音が大きくなり、なかでも、隣接する周溝が横溝で連通された構成としたときは、周溝が接地長で区切られた管として発生する気柱共鳴音の周波数が隣接した周溝で同じになって、両周溝に同時に気柱共鳴が発生するので、特定の周波数の音が大きくなり、非常にうるさく聞こえることになる。
これに対し、横溝を、その一端が周溝に開口し、他端が陸部列内で終了するものとすることで、隣接する周溝相互の気柱共鳴周波数が変わり、同時の気柱共鳴音の発生を防止できるので、全体としては目立たない音にすることができる。
三次元的に見たタイヤ接地面付近はホーン状であり、キャンバが付与されている場合、接地長が短くなる側ではホーンの幅が広いので騒音をより大きくさせる効果がでてしまう。このためとくに、接地長さが短くなる側で周溝の気柱共鳴音周波数を変えることは騒音低下に効果が大きい。
かかるタイヤにおいて好ましくは、一方のショルダー陸部列を、周方向に延びる細溝によってトレッド幅方向に二分割するとともに、他方のショルダー陸部列に、トレッド幅方向に対して15°以下の平均角度で延びる横溝を設ける。
キャンバーを付与されたタイヤの負荷転動状況を観察すると、制動時に前輪で荷重が増加し、サスペンションが動きネガティブキャンバに加えてトーアウトとなるケースが有る。この場合、接地長さが長くなる装着内側のトレッド接地端には、制動方向の力に加えて横方向入力が作用し、接地端に、横力による摩耗が発生することは避けられないので、ここでは、周方向細溝によって分割した、トレッド端側の一方の分割部分だけを横力の作用の下に作為的に摩耗させることにより、その内側の分割部分に対しては横力の影響を緩和して、それを摩耗から有効に保護することとしている。
ちなみに、このような周方向細溝を装着外側に設けると、大きなスリップ角で走行した場合、外側分割部分が接地しめくれるような摩耗を示してしまい、このめくれた部分が核となって、偏摩耗を発生させてしまうので、装着外側にこの周方向細溝を付けるのは好ましくない。
また、ハイドロプレーニング現象についてみるに、キャンバの付与時には、キャンバ零の場合に対し、接地長さが短くなる側の他方のショルダー陸部列では流線が幅方向に近くなることがわかった。これは流線が周方向を向いている位置が、タイヤ赤道線部分から、接地長さが長くなる一方のショルダー陸部列側に動いて、キャンバ付与時に接地長さが短くなる側の接地形状が丸くなり、流線がより幅方向外側へ向いて、この流線と同じ方向への排水が効果的になるためであり、この時の流線は幅方向から15°以下となるためである。
これがためここでは、他方のショルダー陸部列の横溝角度を、その流線方向と対応する15°以下として、排水効率の向上ひいては、耐ハイドロプレーニング性のより一層の向上を企図する。
また好ましくは、他方のショルダー陸部列の、横溝によって区画されるブロックに、表面高さが、ブロック辺縁もしくはブロック中央部分に向けて、または、それらの両者に向けて漸減する周辺***部を設ける。
このような周辺***部は、特開200−71719号公報に開示されているように、ブロックの接地圧の均一化をもたらして、操縦安定性を高めることができる。
しかるに、このような周辺***部を設けたブロックを具えるタイヤを、キャンバ角の付与なしに負荷転動させる場合には、ブロックの踏み込みに際して、周辺***部の傾斜***面が路面に面をもって衝接することに起因する大きな打撃音が発生することになる。
これに対し、たとえば、ネガティブキャンバを付与して使用されるタイヤの、接地長さが短くなる側のショルダーブロックに周辺***部を設けた場合には、直進走行時には、その外側ショルダーブロックによる荷重負担が少ないので、周辺***部の存在に起因する騒音の増加は有効に防止することができる。一方、操縦のためにタイヤにスリップ角を付与したときは、それらのショルダーブロックが接地して、ネガティブキャンバの付与の有無にかかわらず、その部分の接地圧が高くなるので、周辺***部は、それ本来の機能の下で、ブロックの接地圧分布の均一化をもたらすことができる。ところで、スリップ角の付与時には、ブロックの滑りによる騒音が支配的になり、ブロックの路面打撃による騒音の影響は相対的に小さくなるので、それらのショルダーブロックに周辺***部を設けることで、騒音の増加なしに、操縦安定性を有利に向上させることができる。
そしてまた好ましくは、第2の伸長側陸部列の、傾斜溝で区画されるブロックの、踏み込み縁の高さおよび蹴り出し縁の高さのそれぞれを、トレッド幅方向で異ならせるとともに、高さの高いそれぞれの部分を、トレッド周方向へ、周方向位置に応じてトレッド幅方向の位置を変化させながら延在させる。
そして、より好ましくは、トレッド周方向に延びる高さの高いそれぞれの部分をトレッド周方向に連続させる。
たとえば、タイヤにネガティブキャンバを付与した場合は、装着外側の部分で、接地長さが短くなるとともに、接地圧が低くなるので、その外側部分では、ブロック等の、路面への衝接に起因する打撃音の発生は比較的少ないのに対し、装着内側の部分では、接地長さおよび接地圧がともに大きくなって、打撃音の発生割合が大きくなる。この場合、赤道線に近接する中央領域の陸部列はリブであるので、ブロックの衝接による騒音の発生は無く、また、内側ショルダー陸部列には、トレッドの幅方向に延びるエンジ成分が少ないので、これもまた、打撃音の発生割合が小さい。この一方で、第2の伸長側陸部列の、傾斜溝により区画されたブロックの発生騒音がとくに大きくなる。
そこでここでは、少なくとも、第2の伸長側陸部列のブロックにつき、踏み込み縁の高さおよび、蹴り出し縁の高さのそれぞれを、トレッド幅方向で異ならせると共に、高さの高いそれぞれの部分を、トレッド周方向へ、周方向位置に応じてトレッド幅方向の位置を変化させながら延在させることにより、踏み込み縁の、路面への衝接時間かをけて徐々に行わせてその衝接力を分散させることで、ブロックの接地初期の打撃音の発生を緩和し、そして、トレッド周方向に延びる、高さの高いそれぞれの部分の、トレッド幅方向位置を周方向位置に応じて変化させることに基づき、タイヤの転動によってブロックに生じる圧縮応力を、ブロック全体でゆるやかに受け止めて、ブロックによって発生される騒音レベルを抑制することができる。これをいいかえれば、高さの高い部分を、トレット幅方向に変化させない場合には、ブロックの一部分だけに大きな荷重が作用して圧縮時の応力が幅方向の一部分で局所的に増大し、入力のレベルとしては小さくならない。
そして、これらのことに加えて、トレッド周方向に延びる高さの高いそれぞれの部分をトレッド周方向に連続させた場合には、ブロックが路面に接触してから離れるまでの間の全体にわたって騒音レベルを低く抑えることができる。
また好ましくは、トレッド幅方向に対して40°以上の平均角度で延びる横溝および傾斜溝の少なくとも一方と、周溝とによって挟まれる、ブロックの鋭角隅部に、先端に向けて高さを漸減させる、平坦面、凸曲面等からなる傾斜面を設ける。
主には、中央領域陸部列のリブに隣接させて配設されて、排水性能の向上のために傾斜溝を形成される第2の伸長側陸部列では、ブロックの、トレッド幅方向の剛性を大きくすることが操縦安定性を高める上で有効である。すなわち、リブに隣接する第2の伸長側陸部列は、そのリブに対する剛性差を小さくすることがタイヤに付与したスリップ角の増加に伴うコーナリングフォースの増加を線形状に近付ける上で有利であるので、ここでは、第2の伸長側陸部列のブロックに傾斜面を設けることで、そのブロックの、トレッド幅方向の剛性を高め、併せて、排水性能の一層の向上を担保する。
ところで、周溝の、横溝および傾斜溝の少なくとも一方が開口する溝壁とは反対側の溝壁の、溝開口位置とトレッド幅方向に対向する位置に、溝内への突出部を設けた場合には、タイヤの負荷転動に当たって、横溝等の溝部に比して剛性の高い陸部の辺縁部分が、路面に衝接することに起因して発生する打撃音に関し、横溝等の溝部の剛性を、溝内への突出部によって有効に高めて、その溝部の剛性と陸部剛性との間の剛性差を緩和することにより、上述したよう騒音を有利に抑制することができ、このことは、タイヤへのキャンバの付与の有無にかかわらず同様である。
また好ましくは、トレッド幅方向に対して45°以上の平均角度で延びる、第2の伸長側陸部列に設けた傾斜溝の溝深さを、タイヤ赤道面側からトレッド端側に向けて、たとえば漸次に、またはステップ状に深くする。
第2の伸長側陸部列に設けられて排水性能の向上に寄与する傾斜溝による排水効率の向上のためには、それの横断面積をトレッド端側に向けて漸増させることまたは、十分大きな一定値とすることが好適であるが、中央領域陸部列に隣接する、この第2の伸長側陸部列を操縦安定性の向上に寄与させるためには、先にも述べたように、その陸部列のブロックの、トレッド幅方向の剛性を大きく確保することが有効であるので、ここでは、耐ハイトドロプレーニング性と、操縦安定性とを高い次元で両立させることを目的として、傾斜溝の溝深さを、赤道線側で浅くし、そこからトレッド端側に向けて深くすることにより、横断面積をトレッド端側へ向けて増加させる。
ここで、第2の伸長側陸部列に設ける傾斜溝の、タイヤ赤道線に対する延在方向はともに同方向とすることの他、トレッド周方向で交互に逆方向とすることもできる。
タイヤにネガティブキャンバを付与する場合には、第2の伸長側陸部列の傾斜溝が排水性能の向上に大きく寄与することは前述した通りであり、トレッドパターンが、回転方向を特定された方向性パターンであるときは、傾斜溝の、タイヤ赤道線に対する延在方向を所定の一定方向とする前者にあってその傾斜溝に所期した機能を十分に発揮させることができる。
しかるに、トレッドパターンが方向性が無く、かつ装着の内外が決まっている場合は、左右輪のタイヤは、相対的に逆方向に回転されることになるので、このようなパターンのタイヤにあっては、いずれの方向の回転に対してもすぐれた排水性能を確保するべく、傾斜溝の延在方向を、後者の場合のように、タイヤ赤道線に対し、トレッド周方向で交互に逆方向とすることが好ましい。
このような空気入りタイヤのホイール組立体は、先に述べた空気入りタイヤ、なかでも、請求項1〜5のいづれかに記載のタイヤをホイールに組付けて、ネガティブキャンバを付与して使用に供されるものとし、ホイールの、リムとディスクとの連結部を、タイヤ赤道面に対して、装着される車両の外側に位置させたものとすることができる。
車室内の静粛性を高めることを目的に、固体伝播音を主体に研究を行ったところ、従来は、ゴムなどの弾性体よりなるタイヤの弾性振動が主因であると考えられていたその固体伝播音には、ホイールの振動も大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。
また、タイヤのトレッド部から左右のサイドウォール部、左右のビード部およびホイールを経て車体側へ伝達されるタイヤ振動の、それぞれのサイドウォール部からホイールへの伝達率を調べると、ホイールディスクの表側に位置するリム端を経る伝達率と、ホイールディスクの裏側に位置するリム端を経る振動伝達率とは相違する場合が多く、そして、どちら側の振動が車軸振動を発生させ易いかは、ホイールディスクのリム、ひいては、タイヤ赤道面に対するオフセット量によらず、ホイールのリムとディスクとの連結位置によって決まることが明らかになった。たとえば、それらの連結位置がタイヤ赤道面より装着外側にある場合は、反対側の装着内側の振動は車軸に振動を発生させ易い。
従って、タイヤの装着内側となる側のショルダー陸部列では、圧縮剛性を小孔によって低下させて、路面凹凸等からタイヤへの入力対する反力を減少させることにより、車軸への振動の伝達を抑制して、車室内の静粛性を高めることができる。この一方で、装着外側となる側のショルダー陸部列については、剛性が大きくタイヤ入力に対する反力が大きくなっても、この部分では、ホイールから車軸への振動の伝達率が低いので、車軸の振動が大きくなることはなく、それによって静粛性が損われることもない。
さらに、トレッドに二本以上の周溝を設けるとともに、タイヤ赤道線に最も近接して位置する陸部列をリブとしてなり、キャンバ角を附与した状態で使用に供される、上述したような空気入りタイヤの陸部列を設計するに当っては、トレッドのそれぞれの陸部列のうち、タイヤの負荷転動によるクリープ変形量または温度上昇が、それぞれの陸部列の平均値より大きくなる陸部列に、複数の小孔もしくは窪みを設けるものである。
なおここでの「タイヤの負荷転動」は、JATMA YEAR BOOKその他の規格に規定されるリムに装着したタイヤに、それらに規定される空気圧を充填し、そして、実車への装着下で、車種毎の荷重条件、キャンバ角およびトゥ角条件等に従って転動させた場合をいうものとする。
通常のタイヤの新品時からの使用過程を観察すると、ゴムのクリープの影響でタイヤの形状が変化する、走行成長と呼ばれる現象があり、これを陸部に注目してみると、ベルト、トレッド部等を含むゴムが、走行中の温度や内圧、荷重等の作用下でそのクリープ変形を生じることになり、この変形はゴム等の弾性変形と異なり、陸部への入力等を取り除いても元に復元することはない。
このようなクリープ変形は、たとえば、二枚のスチールベルト層でトレッド部を補強した空気入りタイヤでは、トレッドショルダー域にとくに大きく発生して、トレッド幅方向断面内でのそのショルダー域のクラウン半径が大きくなり、また、二枚のスチールベルト層の端部分を、有機繊維コードからなるいわゆるレイヤをもって補強したタイヤでは、逆にトレッド中央域にとくに大きく発生する場合が多い。
このように、走行成長はタイヤが、それの使用過程で、初期の形状から遠去かって行くことを示し、その結果として、当初の性能を発揮できなくなり、特にトレッド部のクリープ変形の影響でクラウン部の形状が変化し摩耗性能が大きく悪化することになる。
ところで、ゴムのこのようなクリープ変形は、陸部への入力が同一であっても、温度が高いと大きくなるので、ここでは、タイヤの負荷転動によるクリープ変形量それ自体または温度上昇がとくに大きくなる部分で、陸部列の表面に複数の小孔もしくは窪みを設け、それらによって陸部の冷却を促進することで、クリープ変形、ひいては、走行成長の低減をもたらす。
ここで、小孔、窪み等に代えて、陸部列内に、両端がその陸部列内で終了する複数のサイプを設けることもでき、これによれば、陸部の、踏み込みおよび蹴り出しに際するサイプ開口の開放により、そこへのごみ詰まりを防止することができ、また、タイヤ温度より低温の空気をサイプ内に取り込んで、効率よくタイヤを冷却することができる。
そしてまた、これらのことに代えて、もしくは加えて、クリープ変形量または温度上昇の大きい陸部列の陸部壁面、いいかえれば陸部の側面に、外気との接触面積の増加をもたらす放熱手段、たとえば波状をなすジグザグ壁面、放熱フィン等を設けることもでき、これらによれば、陸部列の剛性低下等をもたらすことなく、また冷却機能を損うごみ詰まり等のおそれなしに陸部列を冷却することができる。
かくしてこの発明によれば、上記実施例からも明らかなように、タイヤへのキャンバ角の付与によって接地圧および接地長さがともに長くなる側のショルダー陸部列の耐摩耗性を向上させて、それとは反対側のショルダー陸部列との間の摩耗差を効果的に低減させることができ、しかも、操縦安定性および耐ハイドロプレーニング性の向上をもたらし、併せて、車室内騒音を有効に低減させることができる。
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基いて説明する。
図4はこの発明の実施の形態を示すトレッドパターンの展開図である。なお、タイヤの内部構造は、一般的なラジアルタイヤのそれと同様であるので図示を省略する。
ここでは、トレッドに二本以上、図では、トレッド周方向に直線状に連続して延びる四本の周溝1〜4を、タイヤ赤道線Eに対して非対称に形成することにより、その赤道線Eに最も近接して位置し、ここでは赤道線上に延在する中央域陸部列5を区画するとともに、キャンバ角零のタイヤ姿勢を基準として、キャンバ角の付与によってトレッドの接地長さが長くなる、図では左半部の側部領域に、トレッド端側に位置する一方のショルダー陸部列6と、このショルダー陸部列6と中央域陸部列5との間に位置する第2の伸長側陸部列7との二列の陸部列を区画し、また、キャンバ角の付与によって接地長さが短くなる、図の右半部の側部領域に、トレッド端側の他方のショルダー陸部列8と、このショルダー陸部列8と中央域陸部列5との間に位置する第2の縮小側域陸部列9との二列の陸部列を区画する。
そして、図に示すところでは、接地長さの長くなる側に幾分偏って位置する中央域陸部列5をリブとするとともに、一方のショルダー陸部列6を、トレッド周方向に延びる細溝10によってトレッド幅方向に二分割して、トレッド端側に位置する一方の分割部分を狭幅リブ11とする一方、トレッドセンタ寄りの分割部分をそれより幾分広い広幅リブ12とする。
またここでは、広幅リブ12に形成されることのある、図では設けていない横溝の、トレッド周方向でのトータルボリュームを、他方のショルダー陸部列8に形成される複数本の横溝13のそれより小さくし、その横溝13のトレッド幅方向に対する平均延在角度を好ましくは15°以下とする。
そしてさらには、広幅リブ12に、各溝から独立した複数の小孔14を形成し、好ましくは、それらの小孔14の、トレッド周方向のトータルボリュームを、たとえば図5に例示するように、細溝10側で、トレッドセンタ側より大きくする。
なおこの図に示すところでは、小孔14の形成密度を細溝10側で大きくすることで、小孔14のトータルボリュームを細溝側で大きくしているも、これに代えて、もしくは加えて、孔径および孔深さの少なくとも一方を細溝側で大きくして、所要のトータルボリュームをもたらすこともできる。
ところで、一方のショルダー陸部列6の周方向細溝10の溝幅は、図6に横断面図で例示するように、トレッド表面側に向けて、図示のように次第に、または段階的に広幅とすることが好ましく、また、この細溝10によって分割形成される狭幅リブ11は、それのトレッド端面の側面を、これも図6に例示するように、横断面輪郭線の外側に曲率中心をもつ凹曲面形状とすることが好ましい。
また好ましくは、キャンバ角の付与下でのタイヤの負荷転動に際し、最大負荷能力の40%の負荷の作用条件での、図7に曲線で囲って示すような接地域内に、広幅リブ12の小孔形成域の少なくとも一部が含まれるように、トレッド、ひいてはトレッド踏面を構成する。
加えて、図4に示すところでは、第2の伸長側陸部列7に、トレッド幅方向に対して、好ましくは45°以上の平均角度で延びる複数本の傾斜溝15を設け、それらの傾斜溝15を、少なくとも、トレッド端側に延在する周溝1に開口させる。
図ではそれぞれの端を、相互に隣接するそれぞれの周溝1,2に開口させた傾斜溝15は、タイヤの回転方向が一方向に特定される、方向性パターンのタイヤでは、赤道線Eに対するそれの傾き方向を一定方向として、十分な排水機能を発揮することができるが、回転方向が特定されないタイヤでは、いずれの方向の回転に対しても排水性能を確保するべく、それの、タイヤ赤道面Eに対する延在方向を、図示のように、トレッド周方向で交互に逆向きとすることが好ましい。
また、このような傾斜溝15は、十分な排水性能と、高い陸部剛性とを両立させるため、タイヤ赤道線側からトレッド端側に向けてそれの深さを次第に深くすることが好ましい。
そしてまた、トレッド幅方向に対して40°以上の平均角度で延びる傾斜溝15および他の横溝との関連において、それと周溝とによって挟まれる、ブロックの鋭角隅部、少なくとも図4に示すように、タイヤ赤道線側に位置する鋭角隅部に、先端に向けて高さを漸減させる、平坦面状、凸曲面状等をなす傾斜面16を設け、これにより、その鋭角隅部の剛性を確保するとともに、排水性の向上を図ることが好ましい。
さらに、図4に示すところでは、第2の縮小陸側部列9に、一端が周溝に開口し、他端が陸部列内で終了する複数本の横溝17を、トレッド周方向で、隣接するそれぞれの周溝3,4に交互に開口させて配設する。
図8は、他の実施形態を示すトレッドパターンの展開図であり、これは、中央域陸部列5の幅方向中心線Cを、タイヤ赤道線Eに対し、キャンバ角の付与によってトレッドの接地長さが長くなる側に位置させるとともに、その陸部列5に、トレッド幅方向に対して5〜45°の範囲の平均角度で延びる,2mm以下の溝幅の複数本の幅方向細溝18を設けて、リブとした陸部列5の周方向の変形を許容するものである。
ここでは、陸部列5の剛性バランス等の確保のために、周方向で交互に逆向きに延在させているこれらの幅方向細溝18の配設ピッチは、周方向に必要なゴムの逃げ変形と、幅方向剛性の確保とを考慮して選択することができる。
このようにして形成される複数本の幅方向細溝18は、少なくともそれらの一部のものにおいて、両端をともにリブ内で終了させることができ、また、各細溝18は、それの延在方向の中間部で、図9(a),(b)に破線で例示するように、深さ方向で相互に離隔する方向に、平面状、曲面状等に傾けて形成することが好ましい。
なおこの場合の傾き方向は、円周方向、もしくは、細溝開口と直交する方向等とすることができ、また、傾き部分は、一の細溝18に三個以上設けることもできる。
ところで、中央域陸部列5を区画する一対の直線状の周溝2,3は、図10に示すように、第2の伸長側陸部列7側に位置するものを、第2の縮小側陸部列9側に位置するものより広幅とすることが、排水性を高め、気柱共鳴音を抑制する上で好ましい。
図11は、他の形態を要部について示す図であり、これは、中央域陸部列5の中心線Cを、赤道線Eに対して、キャンバ角の付与によって接地長さが長くなる側に偏せて位置させ、そして、リブとしたその陸部列5に、ほぼ楕円状をなす窪み19を、その長軸が、トレッド幅方向に対して5〜45°の範囲の角度で傾く姿勢で複数個設けるとともに、それぞれの窪み19の長軸の延在方向をトレッド周方向で交互に逆方向とし、さらに、陸部列5の、第2の伸長側陸部列7の側を、直線状に延びる周溝2で区画したものである。
なおここで、窪み19は長円形状等とすることも可能であり、また、複数個の窪み19の少なくとも一部のものに、図11(b)に示すように、窪み19の長軸方向に延びるサイプ20を、たとえばその両端に付設することもできる。なお、サイプ20は、窪み19の一端側にのみ付設することもでき、また、サイプ20の長さは、陸部列内で終了するものとする他、周溝に開口するものとすることもできる。
このようにして構成されるそれぞれの陸部列において、それらのそれぞれのトレッド幅方向の剛性の、接地長さの全体にわたる積分値を、隣接する陸部列の相互間で、大きい方の値の50%以内とする。
図12はこのことを剛性指数をもって例示する図であり、これによれば、それぞれの陸部列の剛性指数は、図の左側の陸部列から順に、90、60、100、110および120となる。
図13は他の実施形態を示し、これはとくに、一方のショルダー陸部列6に形成されることのあるエッジ、図では、その陸部列6に設けた横溝21によって形成されるエッジ22の、トレッド幅方向の延在成分のトレッド周方向での総和を、他方のショルダー陸部列8に設けた横溝13によって形成されるエッジ23の、トレッド幅方向延在成分のそれより小さくし、併せて、第2の伸長側の陸部列7に、トレッド幅方向に対して45°以上の平均角度で延びて、少なくとも周溝1に開口する複数本の傾斜溝15を設けたものである。
なおこの図に示すところでは、第2の縮小側陸部列9に設けた横溝17の全てを、トレッド端側の周溝4だけに開口するものとし、それらの反対端は陸部列内で終了させている。
図14は、上述したところの変更例を示し、これは、一方のショルダー陸部列6の、細溝10で分割された広幅リブ12に、上述した横溝21に代えてサイプ24を設け、そのサイプ24でエッジを形成するとともに、他方のショルダー陸部列8に、横溝13に加えてサイプ25を設け、それらの両者でエッジを形成したものである。
以上に述べたようなタイヤにおいて、他方のショルダー陸部列8に設けた横溝13によって区画されるブロック26には、図15に幅方向断面図で示すように、ブロック辺縁およびブロック中央部分のそれぞれに向けて表面高さが漸減する周辺***部27を設けることができ、この周辺***部27は、ブロック26の接地に当って、それの接地面圧を均一にするべく機能する。
また、第2の伸長側陸部列7に設けた傾斜溝15によって区画されるブロック28では、それの平面形状が台形状であると平行四辺形状であるとの別なく、たとえば図16(a)に略線斜視図で示すように、踏み込み縁29の高さおよび蹴り出し縁30の高さのそれぞれをトレッド幅方向で異ならせるとともに、高さの高いそれぞれの部分を、図に斜線を施して示すように、トレッド周方向へ、周方向位置に応じてトレッド幅方向の位置を変化させながら延在させることができ、この場合、好ましくはそれらの両者を、図示のようにトレッド周方向に連続させて形成する。
なおこの図に示すところでは、踏み込み縁29の、最初に接地する高さの高い部分を、タイヤ赤道線側に偏せて、また、蹴り出し縁30の、路面から最も遅く離隔する高さの高い部分をトレッド端側に偏せて設けているも、高さの高い部分の偏り方向をこれとは逆にすることもでき、また、高さの高い部分の、トレッド周方向の延在態様を、たとえば図16(b)に示すような折れ曲がり形状とすることで、踏み込み緑29および蹴り出し緑30のそれぞれの、高さの高い部分をともにトレッド端側に偏せることもでき、それらの両者をこれとは逆方向に偏せることも可能である。
そしてさらに、高さの高い部分の廷在態様は、図16(c)に示すようなジグザグ形状とすることも可能である。
そしてまた、たとえば第2の伸長側陸部列7の傾斜溝15が開口するトレッドセンタ側の周溝3において、図17に示すように、傾斜溝15が開口する溝壁とは反対側の溝壁31の、溝15の開口位置とトレッド幅方向に対向する位置に、溝内への突出部32を溝底に一体化させて設けることができ、これによれば、タイヤの負荷転動に当っての、傾斜溝15の存在に起因する剛性差を、突出部32をもって緩和して、傾斜溝15の溝縁の、路面への衝接音を低減させることができる。
なおこの図に示すところでは、周溝2への傾斜溝開口に対し、一個おきに突出部32を設けているも、全ての開口に対応させて突出部32を設けることもできる。また、他の横溝の開口位置に対応させて突出部を設けることもできる。
図18は、以上に述べたようなタイヤの、ホイール組立体の形態を示す要部断面図であり、これは先に述べたいずれかの空気入りタイヤをホイールに組付けたところにおいて、ホイール33の、リム34とディスク35との連結部36を、タイヤ赤道面EPに対し、装着される車両の外側に位置させたものである。
これによれば、一方のショルダー陸部列6の圧縮剛性の低下に基き、タイヤから車軸への振動の伝達を有利に抑制することができる。
ところで、トレッドに二本以上の周溝を設け、タイヤ赤道線に最も近接して位置する陸部列をリブとしてなり、キャンバ角を付与した状態で使用に供される、以上に述べたいずれかの空気入りタイヤを設計するに当っては、規定のリムに組付けたタイヤに規定の空気圧を充填して、たとえば、適用車種に最適な設計を行う場合、その車種の設定条件を用いて負荷転動させた際、トレッドのそれぞれの陸部列のうち、クリープ変形量または温度上昇が、それぞれの陸部列の平均値より大きくなる陸部列に、複数の小孔もしくは窪みを設けることが好ましく、それらによって陸部列の内部冷却を促進することで、クリープ変形による走行成長を抑制することができる。
図19は、図4等に示すものと同様の陸部列配置を有するタイヤにおいて、それぞれのショルダー陸部列6,8のクリープ変形量または温度上昇がとくに大きかった場合について示すものであり、図19(a)は、一方のショルダー陸部列6の、細溝10で分割された広幅リブ12および、他方のショルダー陸部列8の、横溝13で区画したブロック26のそれぞれに、放熱用の複数の小孔37を設けたものである。なおこの図では、広幅リブ12を、横溝38によって区画してブロック列としているも、広幅リブ12からそれらの横溝38を省き得ることはもちろんである。
また、図19(b)は、広幅リブ12およびブロック26のそれぞれに、トレッド幅方向に長いほぼ楕円状の複数個の窪み39を設けたものである。なお、窪み39の数および形状は所要に応じて適宜に選択することができる。
そして、陸部列の冷却効果は、小孔および窪みに代えて、図14にの示すように、広幅リブ12およびブロック26のそれぞれに設けられて、両端がともに陸部列内で終了するそれぞれのサイプ24,25によってももたらすことができる。
従って、図19に示す場合にあってもまた、トレッド幅方向に延びる各種のエッジ成分の総和を、一方のショルダー陸部列6で、他方のショルダー陸部列8より小さくすることが、一方のショルダー陸部列6の早期の摩耗を抑制する上で好適である。
さらに、図20は、陸部列の冷却を、陸部壁面に設けた放熱手段によって行う場合を示し、図20(a)は陸部壁面に形成した、たとえばジグザグ状の凹凸面40を、そして、図20(b)は壁面に形成した羽根状部材41をそれぞれ放熱手段としたものである。
先に述べた小孔、窪みまたはサイプと共用することもできるこれらの凹凸面40もしくは羽根状部材41は、その形状を所要に応じて適宜に選択することができる。
実施例I
サイズが185/70 R14の実施例タイヤおよび比較例タイヤのそれぞれを、5.5Jのリムに、内圧210kPaで組み付けて乗用車に装着し、二名が乗車した状態での前輪のキャンパ角を−0.3°、後輪を−0.5°とした。
この車両で摩耗試験を実施した。試験条件は高速道路、一般路、山岳路を50%、40%、10%の割合で走行し、四輪の20000km走行後の摩耗量と、両側のショルダー陸部列の幅方向中央の走行成長量を測定した。
その結果を、比較例タイヤ1をコントロールとした指数で表1に示す。ここで指数値は大きい方が、摩耗量および走行成長量が少なく、性能が良いことを示す。
比較例1
図21に示すトレッドパターンを有し、中央域のリブの中心線をタイヤ赤道線より装着車両の内側(図中左が装着内側)に5mmシフトさせ、装着内側のショルダー陸部列を周方向細溝で分割するとともに広幅リブに小孔を設け、装着外側のショルダー陸部列に、幅方向に対して5°の角度で延びる横溝を設けてなる比較例タイヤ1を、リムとディスクがリム幅のほぼ中央で連結されているホイールAに組み付けたものである。
比較例2
比較例タイヤ1の装着内側のショルダー陸部列から小孔を除いた比較例タイヤ2を、図18に示すような、リムとディスクがリム幅の装着外側で連結されているホイールBに組み付けたものである。
実施例1
図19(a)に示すように、両ショルダ陸部列に小孔を設けた実施例タイヤ1(横溝38はない)を、図18に示すようなホイールBに組み付けたものである。
実施例2
図19(b)に示すように、窪みを設けた実施例タイヤ2を、図18に示すようなホイールBに組み付けたものである。
実施例3
装着内側のショルダー陸部列の広幅リブに、図20(a)に示す凹凸面を、装着外側のショルダー陸部列のブロックに、図20(b)に示す羽根状部材を設けた、小孔も窪みもない実施例タイヤ3を、ホイールAに組み付けたものである。
実施例4
装着内外側のショルダー陸部列のブロックに、図14に示すようなサイプを設け、装着内側のショルダー陸部列には、図14に示すサイプに加えて小孔を設けた実施例タイヤ4をホイールAに組み付けたものである。
Figure 0004545208
表1によれば、実施例1〜4は使用ホイールのいかんにかかわらず、装着内側の走行成長を有効に抑制することができ、摩耗性能を改善できることが解る。
実施例II
サイズが215/45 R17の、図22に示すトレッドパターンを有する実施例タイヤおよび比較例タイヤのそれぞれを、7.5J×17のリムに組み付けるとともに、充填内圧を220kPaとし、−0.5°のキャンパ角を付与して図の左側の接地長さが長くなるようにして、速度30kmでスリップ角を0度から5度まで変化させて発生するコーナリングフォースを測定した。
0度と1度の時のコーナリングフォースの差をCf1とし、0度と2.5度のコーナリングフォースの差をCf2、0度と5度の差をCf3とすると、Cf2/Cf1が2.5、Cf3/Cf1が5であれば線形にコーナリングフォースを発生しており、Cf2/Cf1が2.5より大きいとスリップ角の大きい所で非線形にコーナリングフォースが増大する事を示し、Cf2/Cf1が3より小さいと逆に、コーナリングフォースが非線形に減少することを示す。
それぞれの供試タイヤの、図22に示すそれぞれの陸部列についての、トレッド幅方向の剛性の、接地面内での積分値は表2に剛性指数で示す通りのものとし、測定したコーナリングフォースの比を表3に示す
なお表2の指数値は、剛性が高いものほど大きい値とした。
Figure 0004545208
Figure 0004545208
表3によれば、実施例タイヤ5〜7はいずれも、コーナリングフォースをほぼ線形に増加させ得るのに対し、比較例タイヤ3および5はスリップ角の大きいところで、また、比較例タイヤ4はスリップ角の小さいところから非線形となることが解る。
実施例III
サイズが235/45 R17の実施例タイヤおよび比較例タイヤを、8J×17のリムに、内圧210kPaで組み付けて乗用車に装着し、二名が乗車した状態での前輪のキャンバ角を−0.4°、後輪を−0.6°とした。
◎ この車両で摩耗試験を実施した。試験条件は高速道路、一般路、山岳路を50%、40%、10%の割合で走行し、20000km走行後の前二輪の、双方のショルダー陸部列の幅方向中央の摩耗量の比を求めた。100より大きい場合は装着内側が多く摩耗していることを示し、100より小さい場合は装着外側が多く摩耗していることを示す。
◎ この車両で水深6mmのプール内で、速度50km/hから加速試験を行い、テストドライバーによるハイドロプレーニングの発生速度の評価を行った。結果は左右輪で平均したハイドロプレーニング発生速度の指数で表現し、指数大が良とした。
◎ この車両でテストコースの平滑路面で騒音計測を行った。時速60kmの一定速度で走行し、ドライバーの車両中央部寄りの耳もとに置いたマイクにて計測。騒音は指数で示し、指数大が騒音が低いことを示す。
◎ この車両で、テストコースでのテストドライバーによる操縦安定性の官能評価を行った。結果は指数で表現し、指数大が良とした。
これらの試験結果を表4に示す。
〇比較例タイヤ6:図23に示すトレッドパターンを有するものであり、装着内側のショルダー陸部列には、幅方向に対して12°の横溝を、内側の第2の伸長側陸部列には55°の傾斜溝をそれぞれ設け、中央域はリブとし、外側の第2の縮小側陸部には35°の横溝を、外側のショルダー陸部列には12°の横溝をそれぞれ設けたものである。
〇比較例タイヤ7:図24に示すトレッドパターンを有するものであり、装着内側のショルダー陸部列はリブとし、第2の伸長側陸部には42°の傾斜溝を設け、中央域のリブにはサイプを設け、外側の第2の縮小側陸部列には32°の角度で延びて装着外側にのみ開口する横溝を、そして外側のショルダー陸部列には17°の横溝を設けたものである。
〇実施例タイヤ8:図25に示すトレッドパターンを有するものであり、内側のショルダー陸部列はリブとし、第2の伸長側陸部には装着内側にのみ開口する48°の傾斜溝を設け、中央域のリブにはサイプをそれぞれ設け、第2の縮小側陸部列には32°の、そして、外側ショルダー陸部列には、上方へ凸となる向きに湾曲する、平均角度が12°のそれぞれの横溝を設けたものである。
〇実施例タイヤ9:図26に示すトレッドパターンを有するものであり、第2の縮小側陸部列の横溝を装着の外側にのみ開口させた点だけで実施例タイヤ8と相違するものである。
〇実施例タイヤ10:図27に示すトレッドパターンを有するものであり、内側ショルダー陸部を細溝で二分割し、第2の伸長側陸部列に55°の傾斜溝を設け、中央域のリブにサイプを形成し、第2の縮小側陸部列に設けた32°の横溝を装着外側にのみ開口させ、外側ショルダー陸部列に5°の横溝を設けたものである。
〇実施例タイヤ11:図25に示すトレッドパターンを有し、第2の伸長側陸部列に設けた傾斜溝の角度を45°とした点および、外側ショルダー陸部列のブロックに、図15に示す周辺***部を設けた点で実施例タイヤ8と相違するものである。
〇実施例タイヤ12:図27に示すトレッドパターンを有し、第2の伸長側陸部列および第2の縮小側陸部列のそれぞれで、陸部の踏み込み縁の高さおよび、蹴り出し縁の高さのそれぞれを、トレッド幅方向で異ならせるとともに、高さの高いそれぞれの部分を、トレッド周方向へ、周方向位置に応じてトレッド幅方向位置を変化させながら延在させて、それらの部分を周方向に連続させた点で実施例タイヤ10と相違するものである。
〇実施例タイヤ13:図28に示すトレッドパターンを有するものであり、内側ショルダー陸部列の広幅リブにサイプを設け、第2の伸長側陸部列に設けた傾斜溝を、平均延在角度が60°の下方凸曲線とするとともに、この傾斜溝により区画されるブロックの鋭角隅部に、先端側に向けて高さを漸減する傾斜面を設けた点を除いて実施例10と同様の構成としたものである。
〇実施例タイヤ14:図29に示すトレッドパターンを有するものであり、第2の伸長側陸部列に設けた45°の傾斜溝の、中央域リブ側の開口位置に対応させて、その中央域リブの側壁に、開口の二個分を一ピッチとする突出部を設けたものであり、その他の構成は、図28に示すところと同様としたものである。
〇実施例タイヤ15:図30に示すトレッドパターンを有するものであり、第2の伸長側陸部列に設けた傾斜溝を、平均角度が60°の下方凸曲線とし、その傾斜溝の深さをトレッドセンタ側端で2mmとするとともに、トレッド端側に向けて漸次深くし、その深さを、ショルダー側周溝への開口端で6.5mmとした以外は、図27(実施例タイヤ10)に示したものと同様に構成したものである。
〇実施例タイヤ16:図31に示すトレッドパターンを有するものであり、ショルダー陸部列の分割広幅リブにサイプを設け、第2の伸長側陸部列に設けた傾斜溝を50°の角度とするとともに、それらの延在方向を円周方向で交互に逆向きとし、中央域リブにサイプを設け、第2の縮小側陸部列の横溝の一端を、円周方向で交互に隣接する周溝に開口させるとともに、それらの他端を陸部列内で終了させ、外側のショルダー陸部列の横溝角度を5°としたものである。
Figure 0004545208
表4によれば、実施例タイヤはいずれも、装着の内外側のそれぞれのショルダー陸部列の摩耗差を有利に低減させることができ、耐ハイドロプレーニング性、静粛性および操縦安定性をともに有効に向上させることができる。
実施例IV
PSR205/65R15、リム6JJ×15、内圧200kPa、荷重0.588kN、0.235kNの二水準。
キャンバ−0.5度で、伸長側の一方のショルダー陸部列についての室内摩耗試験と、室内でのハイドロプレーニング現象の発生試験を実施。
また車両に装着して一般道路を1000km走行し、一方のショルダー陸部列の細溝内に咬みこんだ石などの異物の個数を評価した。
比較例タイヤ8:パターンは図21に示すものと類似で、中央域のリブの中心線がタイヤ赤道線と一致し、接地長さの伸長側の一方のショルダー陸部列の***が無い、ショルダー周方向細溝幅が深さ方向でほぼ一定。
実施例タイヤ17:パターンは図19に示すものと類似で、接地長さ縮小側のショルダー陸部列の***無し、接地長さ伸長側のショルダー陸部列の***は図5のようにショルダー側で密、センター側で疎、センター陸部列には図9(b)の三分割タイプの三次元サイプ、ショルダー周方向細溝幅、が新品時のタイヤトレッド表面では3mm、溝底では0.5mmで表面から底へ幅が漸減。
性能は、比較例タイヤ8をコントロールとして指数にて表5に示し、指数は100より大が良とした。
Figure 0004545208
実施例V
サイズが215/45 R17の実施例タイヤと比較例タイヤとのそれぞれにつき、標準リムに組み込み、220kPaに調整してから、テストコースにて直進時の耐ハイドロプレーニング性と操縦安定性とを官能評価し、またセンター摩耗については、20000kmにわたって車両を走行させ、トレッドセンター部の摩耗量を評価した。その結果、比較例タイヤ9をコントロールとする指数にて表6に示した。
・比較タイヤ9
図21に示すトレッドパターンを有するものとし、中央域陸部列を18mm幅のリブとしたものである。
・実施例タイヤ18
図21に示すトレッドパターンの中央域のリブに、タイヤ幅方向に対して15°の角度でともに同方向に延びる複数本のサイプを、周方向に30mmの間隔をおいてリブの全幅にわたって形成し、サイプの深さを10mm、開口幅を0.4mmとするとともに、各サイプを、それの深さ方向で、図9(b)に示すよう、三つの分割部分として、タイヤ半径方向に対して±22.5°の角度に傾けたものである。
・実施例タイヤ19
図21に示すトレッドパターンの中央域のリブに、ともに周方向に傾斜する複数の楕円状窪みを周方向に30mmの間隔をおいて形成し、その窪みの長軸長さを13mm、その長軸の、タイヤ幅方向に対する傾き角を15°、短軸の長さを3mmとしたものである。
Figure 0004545208
キャンバ角の付与による接地形状の変化を示す図である。 周溝の排水性能への寄与の程度を示す説明図である。 気柱共鳴音の大きさと発生場所の相対関係を示すグラフである。 この発明に係るタイヤの実施形態を示すトレッドパターンの展開図である。 小孔のトータルボリュームの変更例を示す図である。 周方向細溝の形成例および、狭幅リブのトレッド端側側面の輪郭形状を例示する図である。 接地面の輪郭形状を例示する図である。 他の実施形態を示すトレッドパターンの展開図である。 中央域陸部列への幅方向細溝の形成例を示す平面図である。 周溝幅の相対関係を示す図である。 中央域陸部列への窪みの形成例を示す図である。 それぞれの陸部列の幅方向剛性の、接地長さの全体にわたる積分値を、指数をもって例示する説明図である。 他の実施形態を示すトレッドパターンの展開図である。 トレッドパターンの変更例を示す図である。 周辺***部を示す、ブロックの幅方向断面図である。 陸部の、高さの高い部分の形成例を示す略線斜視図である。 他の実施形態を要部について示す図である。 タイヤ・ホイール組立体の実施形態を示す要部断面図である。 他の実施形態を示す展開図である。 さらに他の実施形態を示す陸部の斜視図である。 比較例タイヤ1のトレッドパターンを示す展開図である。 実施例IIの供試タイヤのトレッドパターンを示す展開図である。 比較例タイヤ6のトレッドパターンを示す展開図である。 比較例タイヤ7のトレッドパターンを示す展開図である。 実施例タイヤ8および11のトレッドパターンを示す展開図である。 実施例タイヤ9のトレッドパターンを示す展開図である。 実施例タイヤ10および12のトレッドパターンを示す展開図である。 実施例タイヤ13のトレッドパターンを示す展開図である。 実施例タイヤ14のトレッドパターンを示す展開図である。 実施例タイヤ15のトレッドパターンを示す展開図である。 実施例タイヤ16のトレッドパターンを示す展開図である。
符号の説明
1〜4 周溝
5 中央陸部列
6 一方のショルダー陸部列
7 第2の伸長側陸部列
8 他方のショルダー陸部例列
9 第2の縮小側陸部列
10 細溝
11 狭幅リブ
12 広幅リブ
13,17,21,38 横溝
14,37 小孔
15 傾斜溝
16 傾斜面
18 幅方向細溝
19,39 窪み
20,24,25 サイプ
22,23 エッジ
26,28 ブロック
27 周辺***部
29 踏み込み縁
30 蹴り出し縁
31 溝壁
32 突出部
33 ホイール
34 リム
35 ディスク
36 連結部
40 凹凸面
41 羽根状部材
E タイヤ赤道線
Ep 赤道面
C 幅方向中心線

Claims (9)

  1. トレッドに三本以上の周溝を設けるとともに、タイヤ赤道線に最も近接して位置する陸部列をリブとしてなり、キャンバ角を付与した状態で使用に供される空気入りタイヤであって、
    キャンバ角零のタイヤ姿勢を基準とし、キャンバ角の付与によってトレッドの接地長さが長くなる側の一方のショルダー陸部列に形成されることのあるエッジの、トレッド幅方向の延在成分のトレッド周方向での、単位幅当りの総和を、タイヤ赤道線に対して、そのショルダー陸部列とはトレッドの反対側に区画される他方のショルダー陸部列に設けられるエッジの、トレッド幅方向の延在成分のそれより小さくし、一方のショルダー陸部列のタイヤ赤道線側に隣接する第2の伸長側陸部列に、トレッド幅方向に対して45°以上の平均角度で延びる複数本の傾斜溝を設け、これらの傾斜溝を、少なくとも、一方のショルダー陸部列側の周溝に開口させてなる空気入りタイヤ。
  2. 他方のショルダー陸部列のタイヤ赤道線側に隣接する第2の縮小側陸部列に、一端が周溝に開口し、他端がその陸部列内で終了する横溝を設けてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 一方のショルダー陸部列を、周方向に延びる細溝によってトレッド幅方向に二分割するとともに、他方のショルダー陸部列に、トレッド幅方向に対して15°以下の平均角度で延びる横溝を設けてなる請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 他方のショルダー陸部列の、横溝によって区画されるブロックに、表面高さが、ブロック辺縁もしくはブロック中央部分に向けて、または、それらの両者に向けて漸減する周辺***部を設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 第2の伸長側陸部列の、傾斜溝で区画されるブロックの踏み込み縁の高さおよび蹴り出し縁の高さのそれぞれを、トレッド幅方向で異ならせるとともに、高さの高いそれぞれの部分を、トレッド周方向へ、周方向位置に応じてトレッド幅方向の位置を変化させながら延在させてなる請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. トレッド幅方向に対して40°以上の平均角度で延びる横溝および傾斜溝の少なくとも一方と、周溝とによって挟まれる、ブロックの鋭角隅部に、先端に向けて高さを漸減させる傾斜面を設けてなる請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 周溝の、横溝および傾斜溝の少なくとも一方が開口する溝壁とは反対側の溝壁の、溝開口位置とトレッド幅方向に対向する位置に、溝内への突出部を設けてなる請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. トレッド幅方向に対して45°以上の平均角度で延びる、傾斜溝の溝深さを、タイヤ赤道線側からトレッド端側に向けて深くしてなる請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 第2の伸長側陸部列に設けた傾斜溝の、タイヤ赤道線に対する延在方向を、トレッド周方向で交互に逆方向としてなる請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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