以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る信号表示灯を用いた生産システムの構成を説明するための概略構成図である。この生産システムは、複数の生産装置A,B,C,D,Eを含む。これらの複数の生産装置A,B,C,D,Eは、一つの工場に配置されていてもよいし、複数の工場に分散して配置されていてもよい。
生産装置A,B,C,D,Eには、それぞれ、信号表示灯1A,1B,1C,1D,1E(以下、総称するときには「信号表示灯1」という。)が備えられている。信号表示灯1A,1B,1C,1D,1Eには、それぞれ、生産装置A,B,C,D,Eに備えられた信号灯制御装置2A,2B,2C,2D,2E(以下、総称するときには「信号灯制御装置2」という。)から、制御信号線8A,8B,8C,8D,8E(以下、総称するときには「制御信号線8」という。)を介して、それぞれ複数の制御信号が与えられる。信号灯制御装置2は、生産装置A,B,C,D,Eの動作を制御するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)であってもよい。信号灯制御装置2は、信号表示灯1を制御するための複数の制御信号を出力する制御信号出力装置である。その複数の制御信号に従って、信号表示灯1の表示状態が変化する。信号灯制御装置2は、対応する生産装置A,B,C,D,Eの稼働状況に対応する制御信号を出力する。制御信号は、たとえば、正常動作中、部品欠品発生、部品欠品予告、管理者呼び出し要求、その他の異常発生を表す信号であってもよい。
信号表示灯1A,1B,1C,1D,1Eは、それぞれ、制御ユニット11A,11B,11C,11D,11E(以下、総称するときには「制御ユニット11」という。)と、表示部12A,12B,12C,12D,12E(以下、総称するときには「表示部12」という。)とを備えている。信号表示灯1A,1B,1C,1D,1Eは、必要に応じて、通信ユニット13A,13B,13C,13D,13E(以下、総称するときには「通信ユニット13」という。)をそれぞれ備えることができる。通信ユニット13は、無線通信ユニットであってもよいし、有線通信ユニットであってもよい。
各信号表示灯1は、通信ユニット13を介してネットワーク3に接続されている。ネットワーク3は、インターネットであってもよいし、イントラネットであってもよいし、ローカルエリアネットワークであってもよい。通信ユニット13が無線通信ユニットである場合には、通信ユニット13は、ネットワーク3に有線接続された無線通信機4を介して、ネットワーク3に接続されている。ネットワーク3には、さらに、情報表示端末5およびモバイル端末6を、無線接続または有線接続することができる。情報表示端末5は、典型的には、表示装置を備えたコンピュータの形態を有する。モバイル端末6は、典型的には、表示装置を備え、作業者が携帯可能なコンピュータの形態を有する携帯型情報端末である。
通信ユニット13は、信号灯制御装置2が発生した制御信号をネットワーク3に送出する。情報表示端末5およびモバイル端末6は、その制御信号を収集して、それぞれの表示画面に、生産装置A,B,C,D,Eの稼働状態を表示することができる。稼働状態の表示は、各生産装置に対応する信号表示灯1の表示状態を模擬した表示であってもよい。ネットワーク3には、通信ユニット13が送出した制御信号を収集して蓄積するサーバ(図示せず)が接続されていてもよい。この場合、情報表示端末5およびモバイル端末6は、そのサーバに蓄積された情報を取得して各表示画面に表示してもよい。
表示部12A,12B,12C,12D,12Eは、それぞれ、1つ以上の表示ユニット21,22,23,24,25を含む。具体的には、信号表示灯1Aの表示部12Aは、3段に積層された表示ユニット21G,21Y,21R(総称するときには「表示ユニット21」という。)を含む。また、信号表示灯1Bの表示部12Bは、5段に積層された表示ユニット22W,22B,22G,22Y,22R(総称するときには「表示ユニット22」という。)を含む。また、信号表示灯1Cの表示部12Cは、4段に積層された表示ユニット23B,23G,23Y,23R(総称するときには「表示ユニット23」という。)を含む。さらに、信号表示灯1Dの表示部12Dは、2段に積層された表示ユニット24M1,24M2(総称するときには「表示ユニット24」という。)を含む。そして、信号表示灯1Eの表示部12Eは、1段の表示ユニット25F(他の表示ユニットとともに総称するときには「表示ユニット25」という。)を含む。
各表示ユニット21〜25は、光源を内部に含み、他の表示ユニットの上段または下段に積層して結合することができるように構成されている。換言すれば、各表示ユニット21〜25は、他の表示ユニットを、その上段または下段に積層して結合することができる。また、各表示ユニット21〜25は、制御ユニット11の上段に積層して結合することができる。さらに、各表示ユニット21〜25は、その上段に通信ユニット13を積層して結合することができるように構成されている。「結合する」とは、この場合、機械的に結合し、かつ、電気的に接続することをいう。信号表示灯1は、一つの制御ユニット11と、これに積層された少なくとも一つの表示ユニットとを含み、バー状(もしくはタワー状)に構成されている。表示部12は、1以上の任意の数の表示ユニットを積層して構成することができ、表示ユニットの着脱によって、表示ユニットの数(段数)を増加したり減少したりすることができる。
各表示ユニットに含まれる光源は、LED(発光ダイオード)であってもよい。たとえば、参照符号の末尾が「G」の表示ユニット21G,22G,23Gは、緑色に発光する表示ユニットであり、緑色光源としての緑色LEDを含んでいてもよい。また、参照符号の末尾が「Y」の表示ユニット21Y,22Y,23Yは、黄色に発光する表示ユニットであり、黄色光源としての黄色LEDを含んでいてもよい。また、参照符号の末尾が「R」の表示ユニット21R,22R,23Rは、赤色に発光する表示ユニットであり、赤色光源としての赤色LEDを含んでいてもよい。さらに、参照符号の末尾が「W」の表示ユニット22Wは、白色に発光する表示ユニットであり、白色光源としての白色LEDを含んでいてもよい。同様に、参照符号の末尾が「B」の表示ユニット22B,23Bは、青色に発光する表示ユニットであり、青色光源としての青色LEDを含んでいてもよい。
表示ユニット24M1,24M2は、複数色発光型(マルチカラー型)の表示ユニットであり、たとえば、緑色光源としての緑色LEDおよび赤色光源としての赤色LEDを含んでいてもよい。緑色LEDを点灯させることにより緑色発光でき、赤色LEDを点灯させることにより赤色発光でき、緑色LEDおよび赤色LEDを同時点灯させることにより橙色発光できる。したがって、発光色が3色となる。表示ユニット25Fは、さらに多数(4以上)の色を発光することができるフルカラー型の表示ユニットである。表示ユニット25Fは、たとえば、緑色LED、赤色LEDおよび青色LEDを含む。これらのLEDをひとつだけ発光させることにより、緑色、赤色または青色を表示できる。緑色LEDおよび赤色LEDを発光させることによって、黄色発光できる。緑色LEDおよび青色LEDを発光させることにより、シアン色発光できる。赤色LEDおよび青色LEDを同時に発光させることにより、マゼンタ色発光できる。さらに、緑色LED、赤色LEDおよび青色LEDの同時発光によって、白色発光できる。
図2は、信号表示灯1の電気的構成例を説明するためのブロック図であり、一例として、生産装置Bに備えられた信号表示灯1Bの構成例が示されている。信号灯制御装置2Bは、前述のとおり、たとえば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)で構成されている。信号灯制御装置2Bは、制御信号線8(8B)によって、制御ユニット11に接続されている。制御ユニット11(11B)は、制御部31、外部通信インタフェース(I/F)32、内部通信インタフェース(I/F)33、外部メディアインタフェース(I/F)34、メモリ35、外部入出力部(I/O)36、およびディップ(DIP)スイッチ37を含み、コンピュータとしての形態を有している。制御部31は、CPU(中央処理ユニット)を含み、この制御部31に、外部通信インタフェース32、内部通信インタフェース33、外部メディアインタフェース34、メモリ35、外部入出力部36、およびディップスイッチ37が接続されている。
外部通信インタフェース32に制御信号線8が接続されている。内部通信インタフェース33には、表示部12(12B)を構成する複数の表示ユニット22(22W,22B,22G,22Y,22R)のうちの最下段の表示ユニット22Wが接続されている。外部メディアインタフェース34は、メディア40(外部メディア)を着脱自在に接続できるメディア接続部を提供する。メディア40は、メモリカード、USBメモリその他の着脱可能な記録媒体である。
メモリ35は、制御部31の動作プログラムのほか、制御部31が表示ユニット22等を制御するために必要な制御情報を記憶する。制御情報は、当該信号表示灯1(1B)の構成、とくに表示部12(12B)の構成を表す構成情報、制御信号に対して表示ユニット22の点灯状態を対応付ける点灯制御情報を含む。制御情報は、さらに、構成情報に基づいて点灯制御情報を自動生成するための標準点灯パターン情報を含む。
外部入出力部36には、作業者によって操作可能な操作スイッチ38が接続されていてもよい。たとえば、対応する生産装置Bに対して対処が必要な状況が発生したとき、作業者は、必要な対処を行うに際して操作スイッチ38を操作する。その操作信号が外部入出力部36から制御部31に入力される。制御部31は、作業者が対処中であることを表す表示態様となるように表示部12(12B)の表示ユニット22の点灯状態を制御する。ディップスイッチ37は、制御ユニット11(11B)が、表示部12(12B)の構成変更に対応しているかどうかを設定するスイッチであってもよい。表示部12の構成変更とは、具体的には、表示ユニット22の増段または減段を意味する。
表示ユニット22は、ユニット制御部41、下段内部通信インタフェース(I/F)42、上段内部通信インタフェース(I/F)43、信号報知部44、およびユニットメモリ45を含む。ユニット制御部41は、CPUを含み、このユニット制御部41に、下段内部通信インタフェース42、上段内部通信インタフェース43、信号報知部44、およびユニットメモリ45が接続されている。下段内部通信インタフェース42は、当該表示ユニット22の直下のユニット(制御ユニット11または別の表示ユニット22)との間での制御信号およびデータの通信を担う。上段内部通信インタフェース43は、当該表示ユニット22の直上のユニット(別の表示ユニット22または通信ユニット13)との間での制御信号およびデータの通信を担う。信号報知部44は、光源(たとえばLED)を備えており、信号光を発生するユニットである。
信号報知部44の動作(すなわち発光動作)は、ユニット制御部41によって制御される。具体的には、ユニット制御部41は、下段内部通信インタフェース42を介して制御ユニット11(11B)から送られてくる発光指令信号に応じて、信号報知部44を作動させる。
ユニットメモリ45は、たとえば不揮発性メモリで構成されていて、当該表示ユニット22の構成を表すユニット構成情報を記憶している。ユニット構成情報は、ユニット22の種類(制御ユニット、表示ユニット、通信ユニットの種別)を表す主仕様情報と、発光色情報その他の情報である副仕様情報とを含む。表示ユニットの場合には、副仕様情報は発光色情報を含む。発光色情報は、信号報知部44に備えられる光源(LED)によって発光可能な全ての発光色の情報を含む。副仕様情報は、さらに、光源の周囲を覆うグローブの色の情報を含んでいてもよい。ユニット制御部41は、制御ユニット11Bからユニット構成情報要求が与えられると、それに応答して、ユニットメモリ45からユニット構成情報を読み出して、制御ユニット11Bに向けて送信する。
通信ユニット13(13B)は、ユニット制御部51、内部通信インタフェース(I/F)52、外部無線通信インタフェース(I/F)54、およびユニットメモリ55を含む。ユニット制御部51は、CPUを含み、このユニット制御部51に、内部通信インタフェース52、外部無線通信インタフェース54、およびユニットメモリ55が接続されている。
内部通信インタフェース52は、当該通信ユニット13(13B)の直下のユニット(表示ユニット22R)との間での制御信号およびデータの通信を担う。この実施形態では、通信ユニット13(13B)は、信号表示灯1(1B)の最上段のユニットとなるように構成されているので、その上段のユニットとの接続のための内部通信インタフェースは備えていない。しかし、通信ユニット13は、上段のユニットとの接続のための内部通信インタフェースを備えて、2つの表示ユニットの間に積層したり、制御ユニットと表示部との間に積層したりできるように構成してもよい。外部無線通信インタフェース54は、ネットワーク3(図1参照)との間での無線通信を行うユニットであり、その動作は、ユニット制御部51によって制御される。具体的には、ユニット制御部51は、内部通信インタフェース52を介して制御ユニット11(11B)から送られてくる制御信号(発光指令信号)を無線信号によって外部無線通信インタフェース54から発信させる。ユニットメモリ55は、当該通信ユニット13(13B)の構成を表すユニット構成情報を記憶している。ユニット構成情報は、ユニット13(13B)の種類(制御ユニット、表示ユニット、通信ユニットの種別)を表す主仕様情報と、副仕様情報とを含む。通信ユニット13(13B)の場合には、副仕様情報は、無線電波の周波数、プロトコルの種類等の情報を含んでもよい。
ユニット制御部51は、制御ユニット11(11B)からユニット構成情報要求が与えられると、それに応答して、ユニットメモリ55からユニット構成情報を読み出して、制御ユニット11Bに向けて送信する。このとき、ユニット制御部41,51は、当該ユニットが制御ユニット11(11B)から数えて何番目のユニットであるかを表す情報を付加して制御ユニット11(11B)に情報を送信する。たとえば、制御ユニット11(11B)は、ユニット構成情報要求を送出するときに、ユニット段番号を付加する。ユニット段番号は、ユニットが下から数えて何段目かを表す番号である。制御ユニット11(11B)は、たとえば、ユニット段番号を初期値「1」として、送出する。ユニット制御部41,51は、制御ユニット11(11B)からユニット構成情報要求が与えられると、ユニット段番号を+1インクリメントし、そのインクリメントしたユニット段番号とともに当該ユニットのユニットメモリ45,55から読み出したユニット構成情報を制御ユニット11(11B)に返す。さらに、ユニット制御部41は、そのインクリメントしたユニット段番号を付加して、ユニット構成情報要求を上段のユニット22,13に渡す。これにより、制御ユニット11(11B)は、段番号とユニット構成情報とを対応付けたデータを、当該信号表示灯1(1B)を構成する全てのユニットから収集することができる。
その他の信号表示灯1A,1C〜1Eの構成も同様であるので、説明を省略する。
図3は、制御ユニット11の機能的な構成を説明するためのブロック図である。制御ユニット11は、前述のように、コンピュータとしての基本構成を有している。そして、CPUを含む制御部31が実行する動作プログラム(コンピュータプログラム)60が、メモリ35に格納されている。メモリ35は、書き込み可能な不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)を含む。メモリ35は、さらに、制御部31が表示ユニット21〜25を制御するために必要な制御情報70を記憶している。制御情報70は、当該信号表示灯1の構成、とくに表示部12の構成を表す構成情報71、および制御信号に対して表示ユニット21〜25の点灯状態を対応付ける点灯制御情報72を含む。
制御情報70は、さらに、構成情報71に基づいて点灯制御情報72を自動生成するために用いられる標準点灯パターン情報73を含む。標準点灯パターン情報は、表示部12の複数の構成態様をそれぞれ表す構成情報に対して、外部から入力される制御信号と表示ユニットの点灯状態との対応パターンを表す対応パターン情報である。すなわち、標準点灯パターン情報73は、複数種類の表示部12の構成に対する既定(標準)の点灯制御情報である。このように、メモリ35は、点灯制御情報記憶手段、構成情報記憶手段、および対応パターン記憶手段のための記憶領域を提供する。
制御部31は、動作プログラム60の実行によって実現される複数の機能処理部を備えている。その複数の機能処理部は、点灯制御部61、第1点灯制御情報登録部62、第2点灯制御情報登録部63、第1構成情報登録部64、および第2構成情報登録部65を含む。点灯制御部61は、外部通信インタフェース32が制御信号を受信すると、メモリ35に格納されている点灯制御情報72に従って、当該制御信号に対応付けられた点灯状態となるように表示ユニット21〜25を点灯制御する。第1点灯制御情報登録部62は、メモリ35に記憶された構成情報71に基づいて、点灯制御情報72を自動生成し、その点灯制御情報72をメモリ35に登録する。
第1点灯制御情報登録部62は、メモリ35に記憶された構成情報71に対応する標準点灯パターン情報73をメモリ35から読み出し、当該読み出された標準点灯パターン情報を点灯制御情報72としてメモリ35に書き込む。
第2点灯制御情報登録部63は、外部メディアインタフェース34にメディア40が装着されたことに応答して処理を開始し、そのメディア40に点灯制御情報が格納されているときに、その点灯制御情報を読み出して、メモリ35に登録する。
第1構成情報登録部64は、表示ユニット21〜25のユニットメモリ45および通信ユニット13のユニットメモリ55にそれぞれ記憶されたユニット構成情報を取得し、そのユニット構成情報を用いて作成した構成情報71をメモリ35に登録する。
第2構成情報登録部65は、外部メディアインタフェース34にメディア40が装着されたことに応答して処理を開始し、そのメディア40に構成情報が格納されているときに、その構成情報を読み出す。さらに、第2構成情報登録部65は、その読み出した構成情報と標準点灯パターン情報73とに基づき、当該構成情報に適合する点灯制御情報72を生成し、その点灯制御情報72をメモリ35に登録する。
図4は、信号灯制御装置2から信号表示灯1の制御ユニット11に与えられる制御信号としての出力データの例を示す。この例では、信号灯制御装置2は、複数種類(5種類)の出力データOP1〜OP5を信号表示灯1に与えることができる。たとえば、出力データOP1は、対応する生産装置が正常に稼働していることを表わす。出力データOP2は、生産装置が使用する少なくとも1つの部品がなくなったこと、すなわち部品欠品を表わす。出力データOP3は、生産装置が使用する少なくとも1つの部品が間もなく無くなること、すなわち部品欠品予告を表わす。出力データOP4は、生産装置が管理者の呼び出しが必要な状態であることを表わす。そして、出力データOP5は、その他の異常が生産装置に生じていることを表わす。
出力データOP1〜OP5は、1つだけ出力される場合もあり、複数の出力データが同時に出力される場合もある。とくに、出力データOP2は、出力データOP4または出力データOP5と同時に出力される場合がある。さらに、出力データOP3は、出力データOP4または出力データOP5と同時に出力される場合がある。
さらに、出力データOP2,OP4,OP5が同時に出力されたり、出力データOP3,OP4,IP5が同時に出力されたりする場合もある。
信号灯制御装置2から信号表示灯1に供給される制御信号は、デジタルデータであってもよいし、アナログ信号であってもよい。
図5A〜図5Eは、点灯制御情報72に従う信号表示灯1の表示例を説明するための図である。具体的には、図5Aは信号表示灯1Aの表示例を示し、図5Bは信号表示灯1Bの表示例を示し、図5Cは信号表示灯1Cの表示例を示し、図5Dは信号表示灯1Dの表示例を示し、図5Eは信号表示灯1Eの表示例を示す。これらの表示例は、点灯制御情報72の内容例を表す。つまり、点灯制御情報72の1つの例は、図5A〜図5Dに示すような表示例が実現されるように設定される。
図5Aに示すように、信号表示灯1Aにおいて、たとえば、制御ユニット11Aは、信号灯制御装置2Aからの入力データOP1に応答して、表示ユニット21Gを連続点灯状態とし、それによって緑色の信号光を放光させる。さらに、入力データOP2に応答して、表示ユニット21Yを連続点灯状態として、黄色の信号光を放光させる。また、入力データOP3が与えられると、制御ユニット11Aは表示ユニット21Yを点滅状態とする。それにより、黄色の光が間欠的に発光することになる。入力データOP4が与えられると、制御ユニット11Aは、表示ユニット21Rを点滅状態とし、それによって赤色の光を間欠的に放光させる。そして、入力データOP5が与えられると、制御ユニット11Aは表示ユニット21Rを連続点灯状態として、赤色の光を連続発光させる。こうして、5種類の入力データOP1〜OP5に対して表示ユニット21G,21Y,21Rを含む表示部12Aの点灯状態が5種類に変化する。よって、入力データOP1〜OP5にそれぞれ対応する表示状態を実現することができる。
次に、図5Bを参照すると、信号灯制御装置2Bが信号表示灯1Bの制御ユニット11Bに入力データOP1を与えると、制御ユニット11Bは、表示ユニット22Gを連続点灯させ、それによって緑色の光を発生させる。また、入力データOP2が与えられると、制御ユニット11Bは表示ユニット22Yを連続点灯状態として、黄色の光を連続発光させる。入力データOP3が入力されると、制御ユニット11Bは、表示ユニット22Wを連続点灯状態として、白色の光を連続発光させる。また、入力データOP4が与えられると、制御ユニット11Bは表示ユニット22Bを連続点灯状態として、青色の光を連続発光させる。さらに、入力データOP5が与えられると、制御ユニット11Bは表示ユニット22Rを連続点灯状態とし、赤色の光を連続発光させる。こうして、信号表示灯1Bにおいては、5種類の入力データOP1〜OP5に対して5色の連続発光動作を行うことができ、5種類の表示状態を実現できる。
次に図5Cを参照すると、信号灯制御装置2Cから信号表示灯1Cに入力データOP1が入力されると、制御ユニット11Cは、表示ユニット23Gを連続点灯状態とし、緑色の光を連続発光させる。入力データOP2が与えられると、制御ユニット11Cは、表示ユニット23Yを連続点灯状態として、黄色の光を連続発光させる。入力データOP3が与えられると、制御ユニット11Cは、表示ユニット23Yを点滅状態とし、それによって黄色の光を間欠的に発光させる。入力データOP4が与えられると、制御ユニット11Cは、表示ユニット23Bを連続点灯状態として、青色の光を連続発光させる。入力データOP5が与えられると、制御ユニット11Cは表示ユニット23Rを連続点灯状態として、赤色の光を連続発光させる。このようにして、4個の表示ユニット23B,23G,23Y,23Rを用いて、5種類の入力データOP1〜OP5に対応する5種類の表示状態を実現できる。
次に、図5Dを参照すると、信号灯制御装置2Dから信号表示灯1Dの制御ユニット11Dに入力データOP1が与えられると、制御ユニット11Dは、表示ユニット24M1,24M2を、いずれも緑色で連続点灯状態とし、それによって、表示ユニット24M1および24M2の両方から緑色の光が連続発光される。入力データOP2が与えられると、制御ユニット11Dは、表示ユニット24M1,24M2を赤色での連続点灯状態に制御する。それによって、赤色の連続発光状態となる。入力データOP3が与えられると、制御ユニット11Dは、表示ユニット24M1,24M2をいずれも緑色LEDおよび赤色LEDが同時に点滅する状態に制御する。それによって、緑色および赤色の混合色である橙色の光が間欠的に発光されることになる。入力データOP4が与えられると、制御ユニット11Dは、表示ユニット24M1,24M2をいずれも赤色点滅状態に制御する。それによって、赤色の光が間欠的に発生されることになる。入力データOP5が与えられると、制御ユニット11Dは、表示ユニット24M1,24M2を赤色で点灯する状態と、緑色LEDおよび赤色LEDが同時に点灯する状態とを交互に切り換える。それによって、赤色の光と橙色の光が交互に発光する発光状態となる。このようにして、マルチカラー表示型の2つの表示ユニット24M1,24M2を用いて、5種類の入力データOP1〜OP5に対応する5種類の表示状態を実現できる。
次に、図5Eを参照すると、信号灯制御装置2Eから信号表示灯1Eの制御ユニット11Eに入力データOP1が与えられると、制御ユニット11Eは、表示ユニット25Fを緑色連続点灯状態に制御する。それによって、表示ユニット25Fは緑色の連続発光状態となる。同様に、入力データOP2,OP3,OP4,OP5のそれぞれに対応して、制御ユニット11Eは、表示ユニット25Fを黄色、白色、青色、赤色の連続点灯状態にそれぞれ制御する。それにより、入力データに応じた光の連続発光状態となる。それによって、5種類の入力データOP1〜OP5に対応する5種類の発光状態(5色の連続点灯状態)を実現できる。
図6A、図6B、図6C、図6Dおよび図6Eは、制御ユニット11A,11B,11C,11D,11Eにそれぞれ備えられるメモリ35に格納される構成情報71の例を示す。
信号表示灯1Aは、制御ユニット11Aと、3段に積層された表示ユニット21G,21Y,21Rと、最上段に積層された通信用ユニット13Aとを含む。そこで、図6Aに示すように、制御ユニット11Aのメモリ35に格納される構成情報71は、主仕様情報および副仕様情報を含む。主仕様情報は、最下段の1段目が制御ユニットであり、その直上に積層された2段目のユニットが表示ユニットであり、さらにその直上に積層された3段目のユニットが表示ユニットであり、その直上に積層された4段目のユニットが表示ユニットであり、さらにその直上に積層された5段目のユニットが通信ユニットであり、その上、すなわち6段目のユニットが存在しないことを表わす。制御ユニットに対応する副仕様情報は、たとえば、10段の表示ユニットまたは通信ユニットが接続可能であること、およびメモリ付であることを表わす情報を含んでいてもよい。2段目のユニットである表示ユニット21Gに対応する副仕様情報は、たとえば、光源として緑色LEDを含むこと、および緑色グローブが装備されていることを含む。3段目のユニットである表示ユニット21Yに対応する副仕様情報は、光源として黄色LEDを含むこと、および黄色グローブが装着されていることを含んでいてもよい。4段目のユニットである表示ユニット21Rに対応する副仕様情報は、光源として赤色LEDを含むこと、赤色グローブが装備されていることを含んでいてもよい。5段目のユニットである通信ユニット13Aに対応する副仕様情報は、たとえば、発信する電波の周波数帯が2.4ギガヘルツであること、通信に用いるプロトコルが専用プロトコルであることを含んでいてもよい。6段目のユニットは存在しないので、6段目のユニットに対応する副仕様情報は存在しない。
図6Bおよび図6Cに示すように、信号表示灯1B,1Cの制御ユニット11B,11Cが備えるメモリ35に格納される構成情報71は、表示ユニットの段数が異なり、かつ表示ユニットの表示色が異なる点を除き、信号表示灯1Aの場合と同様である。
信号表示灯1D,1Eに関しても、図6Dおよび図6Eにそれぞれ示すように、同様の構成情報71がメモリ35に格納される。たとえば、表示ユニット24M1,24M2については、副仕様情報は、赤色および緑色の光源を有するマルチカラーLEDであること、透明グローブが装着されていることを含む。また、図6Eに示すように、フルカラータイプの表示ユニット25Fに対応する副仕様情報は、光源としてフルカラーLEDが備えられていること、透明グローブが装着されていることを含んでいてもよい。
図7Aおよび図7Bは、制御ユニット11のメモリ35に格納された標準点灯パターン情報73の例を説明するための図である。標準点灯パターン情報73は、信号表示灯1の構成に対応した表示部12の標準的な表示状態、すなわち各表示ユニット21〜25の標準的な点灯状態を定めた情報である。換言すれば、標準的な点灯制御情報である。制御部31は、構成情報71と標準点灯パターン情報73とに基づいて、表示ユニット21〜25の実際の制御に用いる点灯制御情報72を自動生成して、メモリ35に格納することができる(第1点灯制御情報登録部62の機能)。
図7Aは、入力データOP1〜OP5のうちの1つだけが入力される場合に対応する標準点灯パターン情報である1入力標準点灯制御情報73Aを示し、図7Bは、2つ以上の入力データが同時に入力される場合に対応する標準点灯パターン情報である複数入力標準点灯制御情報73Bを示す。
図7Aを参照すると、1入力標準点灯制御情報73Aは、表示部12の構成が、赤色(R)、黄色(Y)および緑色(G)の単色表示ユニットが1つずつ設けられて3段に積層された3段3色RYG仕様、赤色(R)、黄色(Y)、緑色(G)および青色(B)の単色表示ユニットが1つずつ設けられて4段に積層された4段4色RYGB仕様、赤色(R)、黄色(Y)、緑色(G)、青色(B)および白色(W)の5色の単色表示ユニットが1つずつ積層されて5段の表示部を形成する5段5色RYGBW仕様についての1入力標準点灯制御情報を含む(図7Aの(a)参照)。さらに、マルチカラー型表示ユニットが1つだけ設けられた1段マルチカラー仕様、マルチカラー型表示ユニットが2つ設けられて2段に積層された2段マルチカラー仕様に関する1入力標準点灯制御情報も含まれている(図7Aの(b)参照)。さらにまた、フルカラー型表示ユニットが1つだけ設けられた1段フルカラー仕様、フルカラー型表示ユニットが2段に積層された2段フルカラー仕様に関する1入力標準点灯制御情報も含まれている(図7Aの(c)参照)。
図7Aの(a)に示すように、3段3色RYG仕様に対しては、入力データOP1に緑色表示ユニットの連続点灯を対応付けた1入力標準点灯制御情報が含まれている。入力データOP2,OP3に対しては、黄色表示ユニットの連続点灯および点滅がそれぞれ対応付けられている。つまり、2つの入力データOP2,OP3が一つの黄色表示ユニットの点灯状態に対応づけられている。入力データOP4,OP5に対しては、赤色表示ユニットの点滅および点灯がそれぞれ対応付けられている。つまり、2つの入力データOP4,OP5が一つの赤色表示ユニットの点灯状態に対応づけられている。
同じく、図7Aの(a)に示すように、4段4色RYGB仕様に対する1入力標準点灯制御情報においては、入力データOP1に対して緑色表示ユニットの連続点灯が対応付けられている。また、入力データOP2,OP3に対しては、黄色表示ユニットの点灯および点滅がそれぞれ対応付けられている。つまり、2つの入力データOP2,OP3が一つの黄色表示ユニットの点灯状態に対応づけられている。さらに、入力データOP4,OP5に対しては、青色表示ユニットおよび赤色表示ユニットの連続点灯がそれぞれ対応付けられている。
同じく、図7Aの(a)に示すように、5段5色RYGBW仕様に対する1入力標準点灯制御情報においては、入力データOP1〜OP5に対して、それぞれ、緑色、黄色、白色、青色、および赤色表示ユニットの連続点灯が対応付けられている。
図7Aの(b)に示すように、1段マルチカラー仕様に対応する1入力標準点灯制御情報においては、入力データOP1に対して緑色の連続点灯が対応付けられ、入力データOP2に対して赤色および緑色の同時連続点灯が対応付けられ、入力データOP3に対して、緑色および赤色の同時点滅が対応付けられている。さらに、入力データOP4,OP5にそれぞれ対応して、赤色点滅、赤色連続点灯がそれぞれ対応付けられている。このように、つまり、5つの入力データOP1〜OP5が一つのマルチカラー型表示ユニットの点灯状態に対応付けられている。
同じく、図7Aの(b)に示すように、2段マルチカラー仕様に対応する1入力標準点灯制御情報においては、入力データOP1に対して、1段目および2段目の表示ユニットを緑色連続点灯状態とするパターンが設定されている。また、入力データOP2に対しては、1段目および2段目の表示ユニットをいずれも赤色連続点灯状態とするパターンが設定されている。さらに、入力データOP3に対しては、1段目および2段目の表示ユニットをいずれも緑色および赤色同時点滅状態とするパターンが設定されている。入力データOP4に対しては、1段目および2段目の表示ユニットをいずれも赤色点滅状態とするパターンが設定されている。そして、入力データOP5に対しては、1段目および2段目の表示ユニットを、赤色点灯状態と、緑色および赤色同時点灯状態とで交互に切り換えるパターンが設定されている。この例では、1段目と2段目とで点灯状態が反対となるように設定されている。このように、5つの入力データOP1〜OP5が2つのマルチカラー型表示ユニットの点灯状態に対応付けられている。
図7Aの(c)に示すように、1段フルカラー仕様に対応する1入力標準点灯制御情報においては、入力データOP1〜OP5に対して、それぞれ、表示ユニットを、緑色、黄色、白色、青色、赤色に連続点灯させるパターンが設定されている。つまり、5つの入力データOP1〜OP5が一つのフルカラー型表示ユニットの点灯状態に対応付けられている。
同じく、図7Aの(c)に示すように、2段フルカラー仕様に対応する1入力標準点灯制御情報においては、入力データOP1〜OP3に対しては、1段目の表示ユニットを緑色、黄色、白色でそれぞれ発光させるとともに、2段目の表示ユニットを消灯状態とするパターンが設定されている。また、入力データOP4,OP5に対しては、1段目の表示ユニットを消灯状態とし、2段目の表示ユニットを青色、赤色でそれぞれ連続点灯状態とするパターンが設定されている。このように、5つの入力データOP1〜OP5が2つのフルカラー型表示ユニットの点灯状態に対応付けられている。
次に図7Bを参照して、2つ以上の入力データが同時に入力されたとき、すなわち複数データ入力時の標準点灯パターン情報である複数入力標準点灯制御情報73Bについて説明する。
図7Bの(a)に示すように、3段3色RYG仕様に対する複数入力標準点灯制御情報73Bにおいては、2つの入力データOP2,OP4の同時入力に対して、黄色表示ユニットの連続点灯と赤色表示ユニットの連続点灯とを交互に切り換えるパターンが設定されている。また、入力データOP2,OP5の同時入力に対しては、黄色表示ユニットの点灯と赤色表示ユニットの点灯とを交互に切り換えるパターンが設定されている。さらに、2つの入力データOP2,OP4の同時入力に対しては、黄色表示ユニットのフラッシュ点灯と赤色表示ユニットのフラッシュ点灯とを交互に切り換えるパターンが設定されている。フラッシュ点灯とは、一定時間内に極短い時間間隔で複数回点滅する閃光期間とその後の滅灯時間(閃光期間の点滅間隔よりも長い時間)を組み合わせて1サイクルとした点滅状態のことをいう。また、2つの入力データOP4,OP5の同時に入力に対しては、赤色表示ユニットのフラッシュ点灯が設定されている。そして、その他の組み合わせで2つ以上のデータが同時入力された場合については、赤色表示ユニット、黄色表示ユニット、および赤色表示ユニットの同時フラッシュ点灯が設定されている。
同じく、図7Bの(a)に示すように、4段4色RYGB仕様に対応した複数入力標準点灯制御情報73Bにおいては、2つの入力データOP2,OP4の同時入力に対して、黄色表示ユニットの点灯と青色表示ユニットの点灯とを交互に切り換えるパターンが設定されている。2つの入力データOP2,OP5の同時入力に対しては、黄色表示ユニットおよび赤色表示ユニットの点灯を交互に繰り返すパターンが設定されている。2つの入力データOP3,OP4の同時入力に対しては、黄色表示ユニットのフラッシュ点灯および青色表示ユニットのフラッシュ点灯を交互に繰り返すパターンが設定されている。2つの入力データOP4,OP5の同時入力に対しては、赤色表示ユニットのフラッシュ点灯および青色表示ユニットのフラッシュ点灯を交互に繰り返すパターンが設定されている。そして、その他の組み合わせによる2つ以上のデータの同時入力に対しては、緑色、黄色、赤色、および青色の表示ユニットを同時フラッシュ点灯させるパターンが設定されている。
次に、図7Bの(b)に示すように、1段マルチカラー仕様に対応する複数入力標準点灯制御情報73Bにおいては、2つの入力データOP2,OP4の同時入力に対しては、緑色点灯と、緑色および赤色の同時点灯とを交互に切り換えるパターンが設定されている。2つの入力データOP2,OP5の同時入力に対しては、赤色点灯と、緑色および赤色の同時点灯とを交互に切り換えるパターンが設定されている。2つの入力データOP3,OP4の同時入力に対しては、緑色フラッシュ点灯と赤色フラッシュ点灯とを交互に切り換えるパターンが設定されている。2つの入力データOP4,OP5の同時入力に対しては、赤色フラッシュ点灯と赤色連続点灯とを交互に切り換える点灯状態が設定されている。その他の組み合わせによる2つ以上のデータの同時入力に対しては、赤色および緑色の同時フラッシュ点灯が設定されている。
また、図7Bの(c)に示すように、2段マルチカラー仕様に対する複数入力標準点灯制御情報73Bにおいては、2つの入力データOP2,OP4の同時入力に対して、1段目および2段目の表示ユニットに対しては、緑色点灯と、緑色および赤色の同時点灯とを交互に切り換えるパターンが設定されている。2つの入力データOP2,OP5の同時入力に対しては、1段目および2段目の表示ユニットを赤色連続点灯状態とするパターンが設定されている。2つの入力データOP3,OP4の同時入力に対しては、1段目および2段目の表示ユニットをそれぞれ緑色および赤色で互いに同期して点滅させるパターンが設定されている。2つの入力データOP4,OP5の同時入力に対しては、1段目および2段目の表示ユニットを同期して赤色で点滅させる表示パターンが設定されている。その他の組み合わせによる2つ以上のデータの同時入力に対しては、1段目の表示ユニットについては、赤色点灯と、緑色および赤色の同時点灯とで切り換え、2段目の表示ユニットについては、緑色および赤色点灯と、赤色点灯とで交互に切り換えるパターンが設定されている。
制御ユニット11に備えられた制御部31は、メモリ35に格納された構成情報71に基づいて、信号表示灯1の構成に該当する標準点灯パターン情報73を抽出する。そして、その抽出した標準点灯パターン情報73を、実際の制御に用いる点灯制御情報72として、メモリ35に格納する。その点灯制御情報72に基づいて、信号灯制御装置2から入力される制御信号(入力データ)に対応するように、表示部12の表示制御が実行される。
このように、入力データが一つだけ入力されるときと、複数の入力データが同時に入力されるときとで、異なる点灯状態を表示ユニットに設定する標準点灯パターン情報73が用意されている。
たとえば、信号表示灯1が3段RYG仕様の場合には、この仕様に対応した構成情報71がメモリ35に格納される。この場合、制御部31は、3段RYG仕様に対応した標準点灯パターン情報73、すなわち1入力標準点灯制御情報73A(図7Aの(a)参照)および複数入力標準点灯制御情報73B(図7Bの(a)参照)を読み出し、これらを点灯制御情報72としてメモリ35に登録する。その結果、点灯制御情報72は、1つのデータのみが入力されたときに対応した1入力点灯制御情報と、複数のデータが同時に入力されるときに対応した複数入力点灯制御情報とを有することになる。そして、1つのデータのみが入力されたときと、複数のデータが入力されたときとで、少なくとも1つの表示ユニットに対して異なる点灯状態が設定されることになる。また、1入力点灯制御情報は、2つの入力データOP2,OP3に対する表示が黄色表示ユニットで区別して実行され、別の2つの入力データOP4,OP5に対する表示が赤色表示ユニットで区別して実行されるように設定される(図7Aの(a)参照)。
また、信号表示灯1が2段マルチカラー仕様の場合には、この仕様に対応した構成情報71がメモリ35に格納される。この場合、制御部31は、2段マルチカラー仕様に対応した標準点灯パターン情報73、すなわち1入力標準点灯制御情報73A(図7Aの(b)参照)および複数入力標準点灯制御情報73B(図7Bの(c))参照)を読み出し、これらを点灯制御情報72としてメモリ35に登録する。その結果、点灯制御情報72は、1つのデータのみが入力されたときに対応した1入力点灯制御情報と、複数のデータが同時に入力されるときに対応した複数入力点灯制御情報とを有することになる。そして、1つのデータのみが入力されたときと、複数のデータが入力されたときとで、少なくとも1つの表示ユニットに対して異なる点灯状態が設定されることになる。また、1入力点灯制御情報は、1つの入力データを2段のマルチカラー型表示ユニットの点灯状態に対応付けるように設定される(図7Aの(b)参照)。
図8は、制御ユニット11に備えられた制御部31の動作例を説明するためのフローチャートであり、信号表示灯1に電源が投入された直後の動作が示されている。生産装置が稼働状態となると、すなわち生産装置に電源が投入されると、この生産装置から信号表示灯1に電力が供給され、信号表示灯1の電源が投入される(ステップS1)。この電源投入に応答して、制御部31は、当該信号表示灯1に備えられた全ての表示ユニットを点灯状態に保持して、電源投入がされたことを表示する(ステップS2)。このときの点灯状態は、たとえば、信号表示のための通常の点灯時の3分の1程度の明るさでの点灯状態とし、通常の信号表示の時の点灯状態とは異なる態様とすることが好ましい。制御部31は、さらに、信号灯制御装置2からの制御信号(信号灯制御データ)の入力を無効化し、制御信号を受け付けない状態となる(ステップS3)。そして、制御部31は、その動作モードを、初期設定モードへ移行させ(ステップS4)、初期設定モードにおける処理(ステップS5〜S14)を実行する。
初期設定モードにおいて、制御部31は、当該信号表示灯1の構成が可変かどうかを判断する(ステップS5)。すなわち、積層可能(スタッカブル)な表示ユニットを備えた信号表示灯であるのか、それとも、構成の固定された表示部を有する信号表示灯であるのかを判断する。この判断は、制御ユニット11に備えられたメモリ35の一部を不揮発性メモリとして、その不揮発性メモリに該当する情報を保持していてもよいし、ディップスイッチ37の設定によって該当する情報を与えるようにしてもよい。表示部12の構成が可変でないときには(ステップS5:NO)、制御部31は、点灯制御情報がメモリ35に登録済かどうかを判断する(ステップS6)。点灯制御情報が登録済であれば(ステップS6:YES)、制御部31は、信号灯制御装置2からの制御信号(信号灯制御データ)の入力を有効にする(ステップS7)。そして、制御部31は、全ての表示ユニットを一定時間点滅させた後に全消灯状態として(ステップS8)、初期設定の完了を報知した後、制御信号(信号灯制御データ)その他の信号の入力待ち状態に移行する(ステップS15)。初期設定の完了の報知(ステップS8)は、信号表示灯1にブザー等の聴覚系報知ユニットが備えられているときには、メッセージやメロディ等の音報知によって行ってもよい。
表示部12の構成が可変である場合には(ステップS5:YES)、制御部31は、構成情報を取得してメモリ35に登録するための動作を実行する(ステップS9〜S14。第1構成情報登録部64の機能)。
具体的には、制御部31は、表示部12に備えられた表示ユニットに対して、内部通信インタフェース33を介して、ユニット構成情報要求を送出する。これに応答して、各表示ユニットのユニット制御部51は、ユニットメモリ45からユニット構成情報を読み出して、制御部31に返す。そうして、全ての表示ユニットおよび通信ユニット13からユニット構成情報が収集され、メモリ35に格納されることによって、構成情報の取得を行うことができる(ステップS9)。
構成情報の取得を終えると、制御部31は、メモリ35に構成情報が登録済かどうかを判断する(ステップS10)。登録済であれば、制御部31は、取得した構成情報と登録済の構成情報とが一致するかどうかを判断する(ステップS11)。それらの情報が一致していれば、ステップS6からの処理に進む。
構成情報が未登録の場合(ステップS10:NO)、また取得した構成情報が登録済の構成情報と不一致である場合(ステップS11:NO)は、制御部31は、取得した構成情報を新たな構成情報としてメモリ35に登録する(ステップS12)。制御部31は、さらに、メモリ35に登録された構成情報を、通信ユニット13を介してネットワーク3に送出する(ステップS13)。この情報は、情報表示端末5およびモバイル端末6に取得されて、それらの端末5,6での表示に用いられる。
制御部31は、さらに、点灯制御情報を作成して、その点灯制御情報をメモリ35に登録する(ステップS14)。
この後の動作はステップS6に進む。
ステップS6において、制御部31は、点灯制御情報がメモリ35に登録済みかどうかを判断する。このとき、点灯制御情報が未登録の場合のほか、登録済みであっても、点灯制御情報が破損していれば、制御部31は、点灯制御情報が未登録であると判断する。すなわち、ステップS6における処理は、メモリ35に登録されている点灯制御情報が破損しているかどうかの判断を兼ねる。点灯制御情報が未登録または破損している場合には(ステップS6:NO)、制御部31の処理は、ステップS14に進んで、点灯制御情報を再登録するための処理が実行される。
図9は、点灯制御情報を登録するための処理(図8のステップS14)を説明するためのフローチャートである。制御部31は、点灯制御情報を自動生成して登録する自動設定登録モードが選択されているかどうかを判断する(ステップS21)。自動設定登録モードの設定は、たとえば、ディップスイッチ37で行うことができる。自動設定登録モードが選択されていれば(ステップS21:YES)、制御部31は、メモリ35に登録された構成情報71を参照する。そして、その構成情報71がメモリ35に登録されている標準点灯パターン情報73における構成ユニットの組み合わせに該当するかどうか、すなわち標準仕様かどうかを判断する(ステップS22)。標準仕様であると判断すると(ステップS22:YES)、制御部31は、構成情報71に該当する標準点灯パターン情報73を読み出し、点灯制御情報72としてメモリ35に登録する標準設定処理を実行する(ステップS23。第1点灯制御情報登録部62の機能)。
一方、自動設定登録モードが設定されていない場合(ステップS21:NO)、または構成ユニットの組み合わせが標準仕様でない場合(ステップS22:NO)には、制御部31は、手動設定用データの読込みが可能かどうかを判断する(ステップS24)。具体的には、外部メディアインタフェース34にメディア40が装着されているかどうかを判断する。メディア40が装着されていれば、このメディア40から点灯制御情報を読み出してメモリ35に登録する手動設定処理を実施する(ステップS25)。メディア40が未装着であれば、メディア40が装着されてその読み取りが可能となる状態を待機する。
図10は、メディア40を用いて点灯制御情報を登録する場合の制御部31の動作を説明するためのフローチャートである。外部のメディア40が装着されると(ステップS30)、制御部31は、全ての表示ユニットを一定時間点滅状態とし、その後に連続点灯状態として、メディア40を用いた点灯制御情報の登録モードに入ったことを報知する(ステップS31)。この報知は、聴覚系ユニットを用いて行うこともできる。
次いで、制御部31は、信号灯制御装置2からの制御信号(信号灯制御データ)の入力を無効化した後(ステップS32)、メディア40からのデータ読み込みを行う(ステップS33)。
制御部31は、読み込んだデータが、構成情報であるのか点灯制御情報であるのかを判断する(ステップS34)。構成情報であるときには、制御部31は、メディア40からその構成情報を新たな構成情報71としてメモリ35に登録する(ステップS35。第2構成情報登録部65の機能)。この後の処理は、図9のステップS22に移る。すなわち、構成ユニットの組み合わせが標準仕様であれば(ステップS22:YES)、メモリ35に登録されている標準点灯パターン情報73を参照して点灯制御情報72が自動生成され、メモリ35に登録される(ステップS23。第1点灯制御情報登録部62の機能)。
一方、メディア40に読み込んだデータが点灯制御情報であるときには(ステップS34)、制御部31は、その点灯制御情報を新たな点灯制御情報72としてメモリ35に登録する(ステップS36。第2点灯制御情報登録部63の機能)。
このようにして、予め構成情報または点灯制御情報を格納したメディア40を準備することによって、そのメディア40を用いて、構成情報または点灯制御情報をメモリ35に登録することができる。構成情報を登録したときには、その構成情報を用いて点灯制御情報が自動生成されて、その生成された点灯制御情報がメモリ35に登録される。構成情報または点灯制御情報がメモリ35に登録されたときには、制御部31は、表示部12を所定の報知パターンで作動させて、登録完了を報知することが好ましい。
図11は、通常動作モード(入力動作モード)における制御部31の動作を説明するためのフローチャートである。制御部31は、外部通信インタフェース32に与えられる制御信号(信号灯制御データ。入力データOP1〜OP5)を監視しており、その変化を検出する(ステップS41)。制御部31は、入力データOP1〜OP5に基づいて点灯制御情報72を参照し、入力データOP1〜OP5に該当する点灯制御情報72を読み出して、表示部12を構成する表示ユニットに点灯制御指令を与える(ステップS42。点灯制御部61の機能)。また、制御部31は、入力データOP1〜OP5を通信ユニット13に与える(ステップS43)。
各表示ユニットでは、ユニット制御部41が、制御部31からの点灯制御指令を下段内部通信インタフェース42で受信し、自己の表示ユニットに与えられた点灯制御指令に基づき、信号報知部44を制御する。また、ユニット制御部51は、下段内部通信インタフェース42から与えられた点灯制御指令を全て上段内部通信インタフェース43へと通過させる。それによって、全ての表示ユニットに点灯制御指令を与えることができる。
一方、制御部31は、外部通信インタフェース32で受信した入力データOP1〜OP5をそのまま内部通信インタフェース33から送出する(ステップS43)。表示ユニットは、それぞれ下段内部通信インタフェース42で受信した入力データOP1〜OP5をそのまま上段内部通信インタフェース43へと通過させる。それによって、通信ユニット13は、内部通信インタフェース53から入力データOP1〜OP5を取得する。そして、通信ユニット13のユニット制御部51は、受信した入力データOP1〜OP5を表わす無線電波を外部無線通信インタフェース54から発信する。
図12は、ユニット着脱時の制御部31の動作を説明するためのフローチャートである。表示ユニットおよび通信ユニットは他のユニットと積層可能に構成されているので、ユニットを増やしたり、ユニットを減らしたりすることができる。それによって、信号表示灯1の構成を変化させることができる。ユニットの追加および削除は信号表示灯1に通電されている状態で行うこともできる。その場合の動作が図12に示されている。この動作は、主として第1構成情報登録部64の働きによる。
ユニットの着脱が検出されると(ステップS51)、制御部31は、表示部12を構成する全ての表示ユニットを一定時間だけ点滅させた後、当該全ての表示ユニットを連続点灯状態とする(ステップS52)。このときの表示ユニットの点灯状態は、最大発光輝度の3分の1程度の輝度による発光によって行ってもよい。制御部31は、さらに、信号灯制御装置2からの制御信号(信号灯制御データ)の入力を無効化して、制御信号を受け付けない状態となる(ステップS53)。そして、制御部31は、内部通信インタフェース33からユニット構成情報要求を送出して、表示部12を構成する表示ユニットおよび通信ユニット13からユニット構成情報を取得する(ステップS54)。そして、その取得したユニット構成情報を、構成情報71としてメモリ35に登録する(ステップS55)。
こうして、信号表示灯1の通電中にユニットの着脱が行われると、それによって変化した構成に対応する構成情報がメモリ35に登録されることになる。それによって、その登録された構成情報に対応する点灯制御情報が作成されて、メモリ35に登録される。よって、その後は、その更新された点灯制御情報に基づき、構成変更後の信号表示灯1に対する制御動作が行われることになる。
以上のように、この実施形態によれば、表示部12に備えられた表示ユニットの点灯状態が複数の制御信号(制御データ)に応じて変化する。制御信号と表示ユニットの点灯状態との対応関係は、点灯制御情報72として、メモリ35に記憶されている。点灯制御部61は、制御信号を受信すると、点灯制御情報72に従って、表示ユニットの点灯状態を制御する。一方、表示部12の構成を表す構成情報71がメモリ35に記憶されている。この構成情報71に基づいて、第1点灯制御情報登録部62が、点灯制御情報72を作成して、メモリ35に登録する。
したがって、表示部12の構成に応じた構成情報71がメモリ35に適切に格納されれば、表示部12の構成に応じた点灯制御情報72が作成される。その作成された点灯制御情報72に基づいて、表示ユニットの点灯状態が制御信号に対応するように適切に制御されることになる。よって、表示部12の構成が変更されるときには、構成情報71がそれに応じて変更されれば良いので、複数種類の表示部12の構成に対応した適切な信号表示が可能になる。すなわち、表示部12の構成変更が容易であり、かつその構成変更に対する対応が容易な信号表示灯1を提供することができる。
また、この実施形態では、表示部12の複数種類の構成(標準仕様)に対応して、制御信号と表示ユニットの点灯状態との対応パターンを表す標準点灯パターン情報(対応パターン情報)がメモリ35に記憶されている。そして、第1点灯制御情報登録部62は、メモリ35に格納されている構成情報71に対応する標準点灯パターン情報73をメモリ35から読み出し、読み出された標準点灯パターン情報73を点灯制御情報72としてメモリ35に書き込む。これにより、表示部12の構成に対応した既定パターン(標準パターン)の点灯制御情報72が設定されることになる。よって、表示部12の構成に対応した点灯制御情報72を個別に作成しなくても、表示部12の構成に応じた点灯制御を即座に行うことができる。
また、この実施形態では、表示ユニットは、表示ユニットの構成を表すユニット構成情報を記憶したユニットメモリ45を有している。そして、第1構成情報登録部64は、表示ユニットのユニットメモリ45に記憶されたユニット構成情報を取得してメモリ35に格納する。これにより、ユニット構成情報が表示部12の構成を表す構成情報71を形成する。このように、表示ユニットからユニット構成情報を取得する構成であるので、表示部12の構成が変更されたときには、その変更された後の表示部12の構成に対応した構成情報71が自動的に取得されてメモリ35に登録される。そして、その登録された構成情報71に対応する適切な点灯制御情報72が作成されてメモリ35に格納される。したがって、表示部12の構成を変更すると、制御信号と表示ユニットの点灯状態との対応関係が、その変更後の構成に自動的に適合される。これにより、点灯状態の制御に支障を来すことなく、表示部12の構成変更を容易に行える。
また、この実施形態では、表示ユニットが、他の表示ユニットに積層可能に構成されており、それによって、表示部12は、表示ユニットの数の増減が可能に構成されている。表示ユニットの増減によって表示部12の構成が変更された場合には、変更後の表示部12の構成を表す構成情報71がメモリ35に登録されることによって、制御信号と表示ユニットの点灯状態との対応関係を、その変更後の表示部12の構成に適合させることができる。
また、この実施形態では、複数の制御信号(入力データ)を1つの表示ユニットの点灯状態に対応付ける点灯制御情報72が作成される場合がある。たとえば、図7Aの(a)の標準点灯パターン情報73を用いて作成された点灯制御情報72の場合が該当する。したがって、制御信号と表示ユニットの点灯状態との関係が一対一対応とは限らず、多対一対応の場合がある。よって、制御信号の数が表示ユニットの数よりも多い状態が許容される。それによって、表示部12の構成の自由度が高まるので、表示部12の構成変更に対する許容度が高く、その構成変更への対応が容易になる。
また、この実施形態では、点灯制御情報72が、1つの制御信号のみが入力されたときのための1入力点灯制御情報と、複数の前記制御信号が同時に入力されたときのための複数入力点灯制御情報とを含む場合がある。たとえば、図7Aの1入力標準点灯制御情報73Aおよび図7Bの複数入力標準点灯制御情報を用いて作成された点灯制御情報72の場合が該当する。この場合、1つの制御信号のみが入力されたときと、2つ以上の制御信号が同時に入力されたときとで、個別の点灯制御情報が設定されるので、制御信号の数が表示ユニットの数よりも多い状態が許容される。それによって、表示部12の構成の自由度が高まるので、表示部12の構成変更に対する許容度が高く、その構成変更への対応が容易になる。加えて、1入力時と、複数同時入力時とで異なる点灯状態を設定すれば、表示部12の表示パターンを増やすことができるので、より多くの情報を発信できる信号表示灯1を提供できる。
また、この実施形態では、点灯制御情報72が、1つの制御信号のみが入力された1入力時と、複数の制御信号が同時に入力された複数入力時とで、少なくとも1つの表示ユニットに対して異なる点灯状態を設定している。たとえば、図7Aの1入力標準点灯制御情報73Aおよび図7Bの複数入力標準点灯制御情報を用いて作成された点灯制御情報72の場合が該当する。より具体的には、3段3色RYG仕様の場合、赤色表示ユニット、黄色表示ユニットおよび緑色表示ユニットの点灯状態は、1入力時と複数同時入力時とで異なる。このような構成により、制御信号の数が表示ユニットの数よりも多い状態が許容される。それによって、表示部12の構成の自由度が高まるので、表示部12の構成変更に対する許容度が高く、その構成変更への対応が容易になる。加えて、少なくとも1つの表示ユニットは、1入力時と、複数同時入力時とで異なる点灯状態となるので、表示部12の表示パターンを増やすことができる。それによって、より多くの情報を発信できる信号表示灯1を提供できる。
また、この実施形態では、点灯制御情報72が、1つの制御信号を複数の表示ユニットの点灯状態に対応付けている場合がある。たとえば、図7Aの(b)において2段マルチカラー仕様の場合の標準点灯パターン情報73を用いて作成された点灯制御情報72が該当する。この構成により、制御信号の数が表示ユニットの数よりも少ない状態が許容される。それによって、表示部12の構成の自由度が高まるので、表示部12の構成変更に対する許容度が高く、その構成変更への対応が容易になる。加えて、制御信号と表示ユニットとの対応関係が自由に設定できるので、表示部12の表示パターンを増やすことができる。それによって、より多くの情報を発信できる信号表示灯1を提供できる。
また、この実施形態では、構成情報を予め格納したメディア40を外部メディアインタフェース34に装着すると、第2構成情報登録部65が、メディア40から構成情報を読み出して、メモリ35に登録する。これにより、第1点灯制御情報登録部62は、その構成情報を用いて点灯制御情報72を作成し、メモリ35に登録する。したがって、複雑な点灯制御情報を準備しなくとも、表示部12の構成を表す構成情報を準備することによって、表示部12の構成変更に容易に対応できる。
また、この実施形態では、点灯制御情報を記録したメディア40を外部メディアインタフェース34に装着すると、第2点灯制御情報登録部63が、そのメディア40から点灯制御情報を読み出して、メモリ35に登録する。これにより、任意に設定した点灯制御情報を読み込ませて、その点灯制御情報に従って信号表示灯1を作動させることができる。すなわち、表示部12の構成を、標準点灯パターン情報73に設定された標準仕様以外の構成とした場合にも対応することができる。
図13は、この発明の他の実施形態に係る信号表示灯1の構成を説明するためのブロック図である。この図13において、前述の図2の各部の対応部分には、図2の場合と同一参照符号を付す。
この実施形態では、表示ユニット22は、ユニット制御部、ユニットメモリ、下段内部通信インタフェースおよび上段内部通信インタフェースを備えておらず、代わりに、下段内部入出力部82および上段内部入出力部83を備えている。すなわち、表示ユニット22は、信号報知部44と、下段内部入出力部82と、上段内部入出力部83とを備えている。表示ユニット22が他のユニットと積層可能なことは、前述の第1の実施形態の場合と同様である。下段内部入出力部82は、当該表示ユニット22の直下に結合される他のユニットとの電気的接続(とくに制御信号の入出力のための電気的接続)のために用いられる。上段内部入出力部83は、当該表示ユニット22の直上に結合される他のユニットとの電気的接続(とくに制御信号の入出力のための電気的接続)のために用いられる。
また、制御ユニット11は、前述の第1の実施形態における外部通信インタフェースおよび内部通信インタフェースの代わりに外部入出力部92および内部入出力部93を備えている。ただし、制御ユニット11は、パーソナルコンピュータ等の情報機器100を接続するための外部通信インタフェース94を有している。外部入出力部92には、信号灯制御装置2(たとえばプログラマブルロジックコントローラ)から、複数の制御信号線を介して制御信号(オンまたはオフを表わす信号)が入力される。制御部31は、入力された制御信号に応じて、メモリ35に格納されている点灯制御情報を参照し、その点灯制御情報が表わすオン/オフ信号を内部入出力部93から表示部12へと送出する。
各表示ユニット22では、下段内部入出力部82から与えられる制御信号に応じて信号報知部44の光源(LED)が駆動されることになる。各表示ユニット22の下段内部入出力部82は当該表示ユニット22に対応する制御信号を信号報知部44に供給する一方で、当該表示ユニット22に対応しない制御信号は上段内部入出力部83へと通過させるように構成されている。信号報知部44は、下段内部入出力部82から与えられる制御信号に応じて駆動され、かつその供給される制御信号を上段内部入出力部83へと供給するように構成されている。
通信ユニット13は、前述の第1の実施形態における内部通信インタフェースの代わりに内部入出力部102を備えている。この内部入出力部102は、表示部12を構成する最上段の表示ユニット22の上段内部入出力部83に接続されている。よって、通信ユニット13は、内部入出力部102を介して、表示部12を構成する全ての表示ユニット22に対する制御信号を取得する。通信ユニット13のユニット制御部51は、その制御信号を表わす無線電波を外部無線通信インタフェース54からネットワーク3(図1参照)に向けて送出する。
この実施形態では、制御ユニット11に備えられた制御部31が、各表示ユニット22の信号報知部44を直接的に制御することになる。表示ユニット22には、当該ユニットの構成を表わすユニット構成情報を記憶したユニットメモリが備えられていない。そこで、制御ユニット11のメモリ35への構成情報の登録は、メディア40を用いて行うことが好ましい。点灯制御情報をメディア40に格納しておき、その点灯制御情報をメモリ35に登録してもよい。ただし、点灯制御情報の作成は、一般に多大な労力を要する作業となる。そこで、メディア40を用いて構成情報をメモリ35に登録し、メモリ35に予め登録されている標準点灯パターン情報を用いて点灯制御情報を自動生成および自動登録させることにより、作業者の労力を大幅に軽減することができる。それによって、信号表示灯1を設置するときおよび信号表示灯1の構成変更時における作業負担を大幅に軽減して、信号表示灯1を速やかに使用可能な状態とすることができる。
メモリ35への構成情報の登録は、情報機器100を外部通信インタフェース84に接続して行うこともできる。この場合も、メディア40を用いて構成情報を登録する場合と同様の効果を実現できる。すなわち、情報機器100を用いて点灯制御情報をメモリ35に登録するよりも、作業者の労力を大幅に軽減できる。
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、信号表示灯1が通信ユニット13を備えている例を示したが、通信ユニット13は、必ずしも備えられている必要はない。
また、前述の実施形態では、メモリ35に構成情報71、点灯制御情報72および標準点灯パターン情報73が格納されている例を示したが、これらの情報は、2つ以上のメモリに分散して記憶されていてもよい。
さらに、第1の実施形態にかかる表示ユニットに備えられたユニットメモリ45は、不揮発性メモリ等の半導体メモリであってもよいが、半導体メモリ以外の電気的記憶手段であってもよい。たとえば、ユニット構成情報を表す信号を生成できるディップスイッチや抵抗器等の素子でユニットメモリを構成することもできる。
また、前述の実施形態では、メディア40を外部メディアインタフェース34に接続することによって、その記憶情報が自動的に読み込まれてメモリ35に登録される構成を説明したが、使用者による何らかの操作(たとえば操作スイッチ38の操作)に応答して、メディア40の読み取りを開始する構成としてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。