JP5842297B2 - 許容レベルのエネルギー損失を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ - Google Patents

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Description

本出願は、2011年2月28日出願の先行する米国仮特許出願第61/447,197号の、35 U.S.C.§119(e)に基づく利益を主張するものであり、参照によりその全内容が本明細書の一部とされる。
本開示は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ並びに関連の組成物及び方法に関する。
商業上及び臨床上、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、従来のヒドロゲルコンタクトレンズ(すなわち、シリコーン又はシリコーン含有成分を含まないヒドロゲルコンタクトレンズ)のよく知られた代替品である。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ配合物中のシロキサンの存在は、それから得られるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの特性に影響を及ぼすと考えられている。例えば、コンタクトレンズ中にシロキサン成分が存在すると、シロキサン成分を含まない従来のヒドロゲルコンタクトレンズに比べて酸素透過率が相対的に高くなると考えられている。さらに、シリコーン成分の存在により、シリコーン成分を含まない従来のヒドロゲルコンタクトレンズに比べて、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ表面に疎水性領域が存在する確率が増えるとも考えられている。第1世代のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズの湿潤性が望まれるものよりも低くなる傾向があったとしても、高レベルの酸素を提供した。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ表面の疎水性問題を克服するための技術が開発されてきた。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの流行に基づき、眼科的に適合する新規シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、例えば、許容レベルのエネルギー損失を有する新規シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの需要が引き続き存在する。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを記載している文献としては、米国特許第4711943号、同第5712327号、同第5760100号、同第7825170号、同第6867245号、米国特許出願公開第20060063852号、同第20070296914号、米国特許第7572841号、米国特許出願公開第20090299022号、同第20090234089号及び同第20100249356号が挙げられ、これらはそれぞれ参照によりその全内容が本明細書の一部とされる。
特定の構造を有するシロキサンモノマーを、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーと組み合わせて用いて重合性組成物を調製し得ること、及びこれらの重合性組成物を、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを作製するために使用すると、許容レベルのエネルギー損失を有するレンズが得られることが見出された。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのエネルギー損失のレベルは装用中のコンタクトレンズによって呈される眼上での動きに関連があり得ることから、コンタクトレンズのエネルギー損失レベルはコンタクトレンズの眼科的許容性に大きな影響を持ち得る。
新規シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが発明された。コンタクトレンズ中に存在する単一のシリコーンマクロマーのレベルを調整することによってシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのエネルギー損失を改善したアプローチとは異なり、本開示は、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーをコンタクトレンズ配合物に含めることで、式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、のシロキサンを含有する配合物から製造されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのエネルギー損失を改善することができ、かつ、その結果、眼科的に許容されるレベルのエネルギー損失を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが得られるという発見に関連する。本開示は新規シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに関する。本開示によるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合レンズ体を含む。重合レンズ体は、重合性組成物の反応生成物である。重合性組成物は複数のレンズ形成成分を含み、従って、組成物が重合された際に重合レンズ体が得られる。
一例において、本開示は、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するために使用される重合性組成物を対象とする。重合性組成物は、式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)の各R2は独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、で表される第1のシロキサンモノマーを含む。式(1)の第1のシロキサンモノマーに加えて、重合性組成物はまた、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーを含む。重合性組成物の成分は、得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有するような量で存在することができる。一例において、エネルギー損失は約27%〜約40%であり得る。別の例では、モジュラスは約30%〜約37%であり得る。
重合性組成物の一例において、式(1)で表される第1のシロキサンモノマーにおける式(1)のmは4であり、式(1)のnは1であり、かつ、式(1)のR1はブチル基である。式(1)で表される第1のシロキサンモノマーは、400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を持ち得る。
重合性組成物の別の例において、重合性組成物は少なくとも1種の架橋剤を含み得る。少なくとも1種の架橋剤は、重合性組成物中に約0.01〜約5.0単位質量部の総量で存在し得る。少なくとも1種の架橋剤は、少なくとも1種のビニル含有架橋剤を含み得る、又はからなり得る。少なくとも1種のビニル含有架橋剤は、重合性組成物中に約0.01〜約2.0単位質量部、又は約0.01〜約0.5単位質量部の量で存在し得る。重合性組成物中に存在する第1のシロキサンモノマーの量と重合性組成物中に存在するビニル含有架橋剤の総量の比は、単位質量部で100:1〜400:1であり得る。少なくとも1種のビニル含有架橋剤は少なくとも1種のビニルエーテル含有架橋剤を含み得る、又はからなり得る。
別の例では、重合性組成物は、少なくとも1種の親水性モノマーを含み得る。少なくとも1種の親水性モノマーは、1個のN−ビニル基を有する親水性アミドモノマーを含み得る。
第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーは、重合性組成物中に存在する第1のシロキサンモノマーの量と重合性組成物中に存在する第2のシロキサンモノマーの量の比が、単位質量部で少なくとも3:1となるように重合性組成物中に存在し得る。重合性組成物中に存在するシロキサンモノマーの総量は、約30〜約50単位質量部、例えば、約35〜約40単位質量部、約33〜約45単位質量部、又は約35〜約40単位質量部であり得る。
一例において、第2のシロキサンモノマーは式(2):
Figure 0005842297
式中、式(2)のR1は水素又はメチル基のいずれかから選択され;式(2)のR2は水素又はC1-4炭化水素基のいずれかから選択され;式(2)のmは0〜10の整数を表し;式(2)のnは4〜100の整数を表し;式(2)のa及びbは1以上の整数を表し;a+bは20〜500に相当し;b/(a+b)は0.01〜0.22に相当し;かつシロキサン単位の構造はランダム構造を含む、で表されるシロキサンモノマーであり得、第2のシロキサンモノマーは、7,000ダルトンより大きい数平均分子量を有する。式(2)のシロキサンの一例において、式(2)のmは0であり、式(2)のnは5〜10のうち1つの整数であり、式(2)のaは65〜90のうち1つの整数であり、式(2)のbは1〜10のうち1つの整数であり、かつ、式(2)のR1はメチル基である。
一例において、重合性組成物は、少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーをさらに含み得る。重合性組成物が少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーを含む場合、第3のシロキサンモノマーは式(3):
Figure 0005842297
式中、式(3)のR3は水素又はメチル基のいずれかから選択され;式(3)のmは0〜10の整数を表し;かつ式(3)のnは1〜500の整数を表す、で表されるシロキサンモノマーであり得る。式(3)のシロキサンの一例において、式(3)のR3はメチル基であり、式(3)のmは0であり、かつ、式(3)のnは40〜60のうち1つの整数である。
重合性組成物は、少なくとも1種の親水性モノマー、又は少なくとも1種の疎水性モノマー、又は少なくとも1種の架橋剤、又はそれらの任意の組合せをさらに含み得る。一例において、少なくとも1種の親水性モノマーは、少なくとも1種のN−ビニル基を有する親水性アミドモノマー、例えば、N−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)などを含み得る、又はからなり得る。
別の例では、本開示はまた、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを対象とする。重合性組成物は式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)の各R2は独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、で表される第1のシロキサンモノマーを含む。式(1)の第1のシロキサンモノマーに加えて、重合性組成物はまた、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーも含む。この例のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。
本開示はまた、本明細書に記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体から形成された複数のコンタクトレンズを含むコンタクトレンズのバッチも対象とする。一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、先行する請求項のいずれか1項に挙げられている複数のコンタクトレンズを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、完全に水和した際に、バッチの少なくとも20の個々のレンズに関して測定された値の平均に基づき、約30%wt/wt〜約70%wt/wtの平均平衡含水率(EWC)、又は少なくとも55バーラーの平均酸素透過率、又は90度未満の平均捕捉気泡動的前進接触角、又は70度未満の平均捕捉気泡静的接触角、又はそれらの任意の組合せを有する。
本開示はまた、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法を対象とする。その製造方法は、重合性組成物を準備する段階を含み、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)の各R2は独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、で表される第1のシロキサンモノマーを含む。式(1)の第1のシロキサンモノマーに加えて、重合性組成物はまた、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーも含む。該方法はまた、重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ内で重合させて重合レンズ体を形成する段階;重合レンズ体を洗浄液と接触させて重合レンズ体から抽出可能材料を除去する段階;及び重合レンズ体を水和してシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成する段階も含む。重合性組成物が重合されて重合レンズ体を形成し、かつ、重合レンズ体を処理して完全に水和下シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成すると、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を持ち得る。該方法は、重合レンズ体又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをコンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズパッケージング溶液中にパッケージングすることをさらに含み得る。
方法の一例において、方法の重合段階は、重合性組成物を無極性熱可塑性ポリマーから形成された成形表面を有するコンタクトレンズ金型アセンブリ内で重合させて重合レンズ体を形成することを含み得る。別の例では、方法の重合段階は、重合性組成物を極性熱可塑性ポリマーから形成された成形表面を有するコンタクトレンズ金型アセンブリ内で重合させて重合レンズ体を形成することを含み得る。
方法の一例において、方法の接触段階は、重合レンズ体を少なくとも1種の揮発性有機溶媒を含む洗浄液と接触させることを含み得る。別の例では、方法の接触段階は、重合レンズ体を、揮発性有機溶媒を含まない洗浄液と接触させることを含み得る。特定の一例において、重合レンズ体並びに重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ(the silicon hydrogel contact lens)は、製造中に揮発性有機溶媒を含む液体と接触することはない。
一例において、方法は、コンタクトレンズパッケージをオートクレーブ処理してシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ及びコンタクトレンズパッケージング溶液を滅菌する段階をさらに含み得る。
以上の重合性組成物、又は重合レンズ体、又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチ、又はコンタクトレンズ製造方法のいずれにおいても、第1のシロキサンモノマーは、式(1)のmが4であり、式(1)のnが1であり、式(1)のR1がブチル基であり、かつ、式(1)の各R2が独立に水素原子又はメチル基のいずれかである式(1)で表すことができる。重合性組成物の第2のシロキサンモノマーは、2個以上の重合性官能基を有するシロキサンモノマー、すなわち多官能性シロキサンモノマー、この場合には二官能性シロキサンモノマーであり得る。第2のシロキサンは、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有するシロキサンモノマーである。第2のシロキサンのさらなる例は、以下に記載されている。
重合性組成物の任意選択の少なくとも1種の架橋剤は、ビニル含有架橋剤を含み得る。例えば、任意選択の少なくとも1種の架橋剤は、ビニル含有架橋剤からなり得る(すなわち、重合性組成物中に存在する非ケイ素架橋剤の全てがビニル含有架橋剤である)。
重合性組成物、重合レンズ体、本レンズ、レンズ製品、レンズバッチ及びコンタクトレンズの製造方法のさらなる実施形態は以下の記載、実施例1〜28及び特許請求の範囲から明らかになる。以上及び以下の記載から認識できるように、本明細書に記載の特徴のそれぞれ及び全て、並びにそのような特徴の2以上の組合せのそれぞれ及び全て、並びに範囲を定義する1以上の値の組合せのそれぞれ及び全ては、このような組合せに含まれる特徴が互いに矛盾しない限り、本発明の範囲内に含まれる。さらに、いずれの特徴又は特徴の組合せ又は範囲を定義するいずれの値を、本発明の実施形態から特に排除してもよい。
本明細書に記載されるように、今般、式(1)の第1のシロキサンモノマー及び少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物からシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが形成され得ること、及びこれらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、完全に水和した際に、有利には約25%〜約45%のエネルギー損失レベルを持ち得ることが見出された。
本コンタクトレンズは、ポリマー成分と液体成分とを含む水和したレンズ本体を含む、又はからなる。このポリマー成分は、2種以上のシロキサンモノマー(すなわち、式(1)のシロキサンモノマー、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマー、及び所望による1種以上の付加的シロキサンモノマー)と、1種以上の非ケイ素反応性成分(すなわち、1種以上の親水性モノマー、又は1種以上の架橋剤、又は1種以上の疎水性モノマー、又はそれらの任意の組合せ)との単位を含む。従って、ポリマー成分は、2種以上のシロキサンモノマー(組成物のシロキサンモノマー成分として存在する2種以上のシロキサンモノマー)と1種以上の非ケイ素反応性成分とを含む重合性組成物の反応生成物であると理解することができる。本明細書で用いる場合、非ケイ素反応性成分は、その分子構造の一部として重合性二重結合を有すが、その分子構造内にケイ素原子を持たない成分であると理解される。重合性組成物の成分は、モノマー、マクロマー、プレポリマー、ポリマー、又はそれらの任意の組合せであり得る。式(1)の第1のシロキサンモノマーに加えて、重合性組成物は、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーをさらに含む。所望により、重合性組成物の成分は、少なくとも1種の親水性モノマー、又は少なくとも1種の疎水性モノマー、又は少なくとも1種の第3のシロキサンモノマー、又はそれらの任意の組合せをさらに含み得る。重合性組成物の少なくとも1種の架橋剤、少なくとも1種の親水性モノマー、及び少なくとも1種の疎水性モノマーは、ケイ素不含重合性成分であると理解される。本明細書で用いる場合、少なくとも1種の架橋剤は、単一の架橋剤を含むか、又は2種以上の架橋剤から構成される架橋剤成分を含むと理解することができる。同様に、任意選択の少なくとも1種の親水性モノマーは、単一の親水性モノマーを含むか、又は2種以上の親水性モノマーから構成される親水性モノマー成分を含むと理解することができる。任意選択の少なくとも1種の疎水性モノマーは、単一の疎水性モノマーを含むか、又は2種以上の疎水性モノマーから構成される疎水性モノマー成分を含むと理解することができる。任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、単一の第3のシロキサンモノマーを含むか、又は2種以上のシロキサンモノマーから構成される第3のシロキサンモノマー成分を含むと理解することができる。さらに、重合性組成物は、所望により、少なくとも1種の開始剤、又は少なくとも1種の有機希釈剤、又は少なくとも1種の界面活性剤、又は少なくとも1種の脱酸素剤、又は少なくとも1種の着色剤、又は少なくとも1種のUV吸収剤、又は少なくとも1種の連鎖移動剤、又はそれらの任意の組合せを含み得る。任意選択の少なくとも1種の開始剤、少なくとも1種の有機希釈剤、少なくとも1種の界面活性剤、少なくとも1種の脱酸素剤、少なくとも1種の着色剤、少なくとも1種のUV吸収剤、又は少なくとも1種の連鎖移動剤は非ケイ素成分であると理解され、非重合性成分又は重合性成分(すなわち、それらの分子構造の一部として重合性官能基を有する成分)のいずれかであり得る。
本開示の一例は、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを対象とし、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
ポリマー成分と液体成分の組合せは、人の眼に装着するのに好適な水和したレンズ本体として存在する。水和したレンズ本体は一般に凸の前面と一般に凹の後面を備え、10質量%(wt/wt)よりも大きい平衡含水率(EWC)を有する。よって、本コンタクトレンズはソフトコンタクトレンズであると理解することができる。なお、本明細書で用いる場合、ソフトコンタクトレンズとは、完全に水和した際に、破断することなくそれら自身で保持され得るコンタクトレンズを意味する。
当業界で理解されるように、1日使い捨てコンタクトレンズは、コンタクトレンズ製造者によって製造されたその密閉無菌パッケージ(プライマリパッケージ)から取り出され、人の眼に装着され、その日の終わりにその人がレンズを装用し終えた後に外されて廃棄される、未使用コンタクトレンズである。一般に、1日使い捨てコンタクトレンズのレンズ装用期間は8〜14時間であり、装用後には廃棄される。1日使い捨てレンズは、パッケージを開封するまで無菌であるので、眼に装着する前に洗浄したり洗浄液に曝したりされない。1日使い捨てシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、毎日取り替える使い捨てシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。対照的に、非1日使い捨てコンタクトレンズは、毎日よりも少ない頻度で(例えば、毎週、2週間毎、又は毎月)取り替えられる使い捨てコンタクトレンズである。非1日使い捨てコンタクトレンズは、定期的に眼から外して洗浄溶液で洗浄するか、又は眼から外すことなく、継続的に装用する。本コンタクトレンズは、1日使い捨てコンタクトレンズ又は非1日使い捨てコンタクトレンズのいずれであってもよい。
シリコーンヒドロゲル材料などの粘弾性材料にエネルギー負荷及び無負荷のサイクルがかけられると、応力−ひずみ曲線は、そのサイクル中にその系から(熱として)失われるエネルギーのために位相遅れ又はヒステリシスループを示す。エネルギー損失のパーセンテージは、当業者に公知のいくつかの方法を用いて求めることができる。例えば、サンプルを、例えば50mm/分などの一定速度で、100%ひずみまで伸ばし、その後、0%ひずみまで戻すことができる。サンプルにかけられた引張力に対して引張ひずみのパーセンテージをプロットすると、ヒステリシスループを示すプロットが得られる。その材料のエネルギー損失パーセンテージは、下式(B):
((エネルギー0から100%ひずみ−エネルギー100から0%ひずみ)/エネルギー0から100%ひずみ)×100 (B)
式中、エネルギー0から100%ひずみは、材料を100%ひずみにまで伸ばすためにかけられるエネルギーを表し、エネルギー100から0%ひずみは、材料が100%から0%ひずみに戻される際に解放されるエネルギーを表す、により計算することができる。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有し、かつ、エネルギー損失は、式(B):
((エネルギー0から100%ひずみ−エネルギー100から0%ひずみ)/エネルギー0から100%ひずみ)×100 (B)
式中、エネルギー0から100%ひずみは、レンズのサンプルを一定速度で100%ひずみにまで伸ばすためにかけられるエネルギーを表し、エネルギー100から0%ひずみは、レンズのサンプルが100%から0%ひずみに戻される際に解放されるエネルギーを表す、により計算される。
材料のエネルギー損失のパーセンテージは、供試材料の弾性の指標となる。エネルギー損失のパーセンテージが低いほど、材料が高レベルの弾性を持ち、粘稠度が低いことを示し、エネルギー損失のパーセンテージが高いほど、材料が低レベルの弾性を持ち、粘稠度が高いことを示す。エネルギー損失のパーセンテージが低いエラストマーほど、加重下で「弾力性(bouncy)」が高くなる傾向にあり、エネルギー損失のパーセンテージが高いエラストマーほど「コンプライアンス」が高くなる傾向にある。コンタクトレンズでは、「コンプライアンス」が高い材料ほど眼上での動きが小さくなる傾向があり、「弾力性」が高い材料ほど眼上での動きが大きくなる傾向がある。角膜の健康のためには眼上での動きが最小レベルであることが重要である。しかしながら、レンズが視力の改善を提供するためには、瞬きをしてもレンズ適正な位置に留まるように眼上での動きのレベルが最小であるべきである。よって、適当なレベルのエネルギー損失を達成することは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの開発において重要な因子となる。
本明細書に記載されるように、式(1)で表される第1のシロキサンモノマーと、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンとを含む重合性組成物を使用して、眼科的に許容されるレベルのエネルギー損失を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造することができることが見出された。第1のシロキサンと第2のシロキサンの重合単位を、所望により、第3のシロキサンモノマーの重合単位、又は少なくとも1種の架橋剤の重合単位、又は少なくとも1種の親水性モノマーの重合単位、又はそれらの任意の組合せと組み合わせて含むポリマーから形成されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、良好な角膜の健康を増進するために適当なレベルの眼上での動きを示すことができるとともに、これらの材料から形成されるレンズが良好な視力矯正を提供するために十分低いレベルの眼上での動きを示し得る。
本開示によれば、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するために使用される重合性組成物は、式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)の各R2は独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、で表される第1のシロキサンモノマーを含む。重合性組成物はまた、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーも含む。重合性組成物の成分は、得られるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、完全に水和した際に、約25%〜約45%、例えば、約27%〜約40%、又は約30%〜約37%のエネルギー損失を有するような量で存在することができる。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を有する。
また、本開示によれば、眼科的に許容されるレベルのエネルギー損失を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)の各R2は独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含有する重合性組成物から形成され得る。第1のシロキサンモノマーと第2のシロキサンモノマーの組合せを単独で、又は少なくとも1種の架橋剤、若しくは第3のシロキサンモノマー、若しくは親水性モノマー、若しくは疎水性モノマー、又はそれらの任意の組合せと組み合わせて使用することで、完全に水和した際に約25%〜約45%、又は約27%〜約40%、又は30%〜約37%の平均エネルギー損失レベルを有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するために使用できる重合性組成物を調製することが可能であることが見出された。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーと、(c)少なくとも1種のビニル含有架橋剤とを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。重合性組成物が少なくとも1種の架橋剤を含む場合、架橋剤の総量(すなわち、重合性組成物中に存在する全架橋剤の総単位部)は、約0.01〜約5単位部、又は約0.1〜約4単位部、又は約0.3〜約3.0単位部、又は約0.2〜約2.0単位部、又は約0.6〜約1.5単位部の量であり得る。
一例において、本重合性組成物が少なくとも1種のビニル含有架橋剤を含む場合、重合性組成物中に存在するビニル含有架橋剤の総量は、約0.01〜約2.0単位部、又は約0.01〜約0.80単位部、又は約0.01〜約0.30単位部、又は約0.05〜約0.20単位部の量、又は約0.1単位部の量であり得る。
重合性組成物が式(1)の第1のシロキサンモノマーと少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーと少なくとも1種の架橋剤とを含む場合、第1のシロキサンモノマーと少なくとも1種の架橋剤(すなわち、単一の架橋剤又は2種以上の架橋剤から構成される架橋剤成分)は、第1のシロキサンモノマーの総単位質量部と少なくとも1種の架橋剤の総単位質量部(すなわち、重合性組成物中に存在する全ビニル含有架橋剤の単位部の合計)が少なくとも10:1の比で重合性組成物中に存在し得る。例えば、比は、単位質量部で少なくとも25:1又は少なくとも50:1又は少なくとも100:1であり得る。一例において、少なくとも1種の架橋剤は、少なくとも1種のビニル含有架橋剤と少なくとも1種のメタクリレート含有架橋剤を含み得る。別の例では、少なくとも1種の架橋剤は、1種以上のビニル含有架橋剤だけからなり得る。別の例では、少なくとも1種の架橋剤は、少なくとも1種のビニルエーテル含有架橋剤を含み得る、又はからなり得る。さらに別の例では、少なくとも1種の架橋剤は、1種以上のビニル含有架橋剤だけからなり得る。特定の一例では、少なくとも1種の架橋剤は、少なくとも1種のビニルエーテル含有架橋剤を含み得る、又はからなり得る。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーと、(c)少なくとも1種のビニル含有架橋剤と、(d)少なくとも1種のメタクリレート架橋剤とを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
少なくとも1種の架橋剤が少なくとも1種のビニル含有架橋剤(すなわち、単一のビニル含有架橋剤又は2種以上のビニル含有架橋剤から構成されるビニル含有架橋剤成分)を含む、又はからなる場合、第1のシロキサンモノマー及び少なくとも1種のビニル含有架橋剤は、第1のシロキサンモノマーの単位部の合計数値と少なくとも1種のビニル含有架橋剤の単位部の合計数値(すなわち、重合性組成物中に存在する全ビニル含有架橋剤の単位部の合計)の比として少なくとも約50:1の比で重合性組成物中に存在し得る。例えば、この比は、単位質量部で約50:1〜約500:1、又は約100:1〜約400:1、又は約200:1〜約300:1であり得る。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーと、(c)少なくとも1種のビニル含有架橋剤とを含み、重合性組成物中に存在する第1のシロキサンモノマーの量と重合性組成物中に存在するビニル含有架橋剤の総量の比は、単位質量部で100:1〜400:1であり、かつ、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
重合性組成物が式(1)の第1のシロキサンモノマー、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーを少なくとも1種の架橋剤と組み合わせて含む場合、シロキサンモノマーと少なくとも1種のビニル含有モノマーは、重合性組成物中に存在する各シロキサンモノマーの単位部の合計数値(すなわち、第1のシロキサン及び第2のシロキサンモノマー及び存在する場合には第3のシロキサンモノマーなどの単位部の合計)と少なくとも1種のビニル含有架橋剤の単位部の合計数値(すなわち、重合性組成物中に存在する全ビニル含有架橋剤の単位部の合計)の比として少なくとも約100:1の比で重合性組成物中に存在し得る。例えば、この比は、単位質量部で約50:1〜約500:1、又は約100:1〜約400:1、又は約200:1〜約300:1であり得る。
一例において、重合性組成物中に存在するシロキサンモノマーの総量(すなわち、第1のシロキサンモノマー及び存在する場合には第2のシロキサンモノマー及び少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーの総単位部)は、約30〜45単位部、又は約36〜40単位部の量であり得る。
式(1)の第1のシロキサンモノマーの分子量は、2,000ダルトン未満である。一例において、第1のシロキサンモノマーの分子量は、1,000ダルトン未満であり得る。別の例では、第1のシロキサンモノマーの分子量は、400〜700ダルトンであり得る。第1のシロキサンモノマーのさらなる詳細は、米国特許出願公開第20090299022号から理解することができ、その全内容は参照により本明細書の一部とされる。式(1)から認識できるように、第1のシロキサンモノマーは、シロキサンモノマーの主鎖の一方の末端に存在する単一のメタクリレート重合性官能基を有する。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマー(該第1のシロキサンモノマーは、400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する)と、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマー(該第1のシロキサンモノマーは、400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する)と、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーと、(c)少なくとも1種のビニル含有架橋剤とを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
さらに別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマー(該第1のシロキサンモノマーは、400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する)と、(b)7,000ダルトン〜20,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
本コンタクトレンズの一例において、第1のシロキサンモノマーは、式(1)のmが4であり、式(1)のnが1であり、式(1)のR1がブチル基であり、かつ、式(1)の各R2が独立に水素原子又はメチル基のいずれかである式(1)で表すことができる。このような第1のシロキサンモノマーの一例は、本明細書の実施例1〜28においてSi1として示されている。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは4であり、式(1)のnは1であり、式(1)のR1はブチル基であり、かつ、式(1)の各R2は独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは4であり、式(1)のnは1であり、式(1)のR1はブチル基であり、かつ、式(1)の各R2は独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、で表される第1のシロキサンモノマー(該第1のシロキサンモノマーは、400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する)と、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
本明細書で用いる場合、分子量は、数平均分子量を意味すると理解される。数平均分子量は、通常の算術的平均、すなわち、モノマーのサンプル中に存在する個々の分子の分子量の平均である。モノマーのサンプル中の個々の分子は分子質量が互いにやや異なり得るので、そのサンプルにはあるレベルの多分散性が存在し得る。本明細書において、重合性組成物のシロキサンモノマー、又は他のいずれかのモノマー、マクロマー、プレポリマー、又はポリマーが多分散系である場合、用語「分子量」とは、そのモノマー又は成分の数平均分子量を意味する。一例として、シロキサンモノマーのサンプルは約15,000ダルトンの数平均分子量を持ち得るが、そのサンプルが多分散系である場合、そのサンプル中に存在する個々のモノマーの実分子量は、12,000ダルトン〜18,000ダルトンの範囲であり得る。
数平均分子量は、当業者に理解されているように、プロトン核磁気共鳴(NMR)末端基分析で決定された絶対的数平均分子量であり得る。分子量はまた、当業者に理解されているようにゲル浸透クロマトグラフィーを用いて決定してもよく、或いは化学物質の供給者によって提供されてもよい。
第1のシロキサンモノマー、第2のシロキサンモノマー、及び存在する場合には任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、重合性組成物のシロキサンモノマー成分を構成する(comprise)。第1のシロキサンモノマー、又は第2のシロキサンモノマー、又は任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマー、又はそれらの任意の組合せはそれぞれ、親水性シロキサンモノマー、又は疎水性シロキサンモノマーであり得、或いはシロキサンモノマーの分子構造中に存在するエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの単位のような任意の親水性成分の量と位置によって、親水性領域と疎水性領域の両方を有してもよい。
例えば、任意選択の第2のシロキサンモノマー、又は任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマー、又はそれらの任意の組合せは、シロキサン分子の主鎖内に親水性成分を含んでもよいし、シロキサン分子の1以上の側鎖内に親水性成分を含んでもよいし、又はそれらの任意の組合せであってもよい。例えば、シロキサンモノマーは、シロキサン分子の主鎖において重合性官能基に隣接して少なくとも1つのエチレングリコール単位を持ち得る。本明細書で用いる場合、隣接するとは、直接隣接する場合、及び10個以内の炭素原子だけ離れている場合の両方を意味するものと理解される。シロキサン分子の主鎖において重合性官能基と隣接する少なくとも1つのエチレングリコール単位は、1〜5単位の長さの炭素鎖によって重合性官能基から離れていてよい(すなわち、この場合、エチレングリコール単位は1〜5単位の長さの炭素鎖の1番目の炭素に結合し、重合性官能基は1〜5単位の長さの炭素鎖の最後の炭素に結合しており、言い換えれば、エチレングリコール単位と重合性基は直接隣接しているのではなく、炭素原子1〜5個だけ離れている)。シロキサンモノマーは、シロキサン分子の主鎖の両末端に存在する重合性官能基に隣接する少なくとも1つのエチレングリコール単位を持ち得る。シロキサンモノマーは、シロキサン分子の少なくとも1つの側鎖中に存在する少なくとも1つのエチレングリコール単位を持ち得る。シロキサン分子の少なくとも1つの側鎖中に存在する少なくとも1つのエチレングリコール単位は、そのシロキサン分子の主鎖のケイ素原子に結合している側鎖の一部であってもよい。シロキサン分子は、シロキサン分子の主鎖の両末端に存在する重合性官能基に隣接する少なくとも1つのエチレングリコール単位と、シロキサン分子の少なくとも1つの側鎖中に存在する少なくとも1つのエチレングリコール単位の両方を持ち得る。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)シロキサン分子の主鎖の両末端に存在する重合性官能基に隣接する少なくとも1つのエチレングリコール単位を有し、かつ、数平均分子量が少なくとも7,000ダルトンである、両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
モノマーの親水性又は疎水性は、例えばモノマーの水溶解度に基づくものなどの従来の技術を用いて決定することができる。本開示の目的では、親水性モノマーは、室温(例えば、約20〜25℃)にて水溶液中で肉眼的に可溶であるモノマーである。例えば、親水性モノマーは、当業者に知られているように標準的な振盪フラスコ法を用いて決定した場合に、20℃にて1リットルの水中で50グラム以上のモノマーが肉眼的に完全に可溶であるモノマーと理解することができる(すなわち、このモノマーは、水中で少なくとも5%wt/wtのレベルの可溶性である)。本明細書で用いる場合、疎水性モノマーとは、室温にて水溶液中で肉眼的に不溶であり、結果として、水溶液中に眼で識別できる分離相が存在するか、又は結果として、水溶液に曇りがあり、室温で撹拌した後に経時的に2つの異なる相が分離するモノマーである。例えば、疎水性モノマーは、20℃にて1リットルの水中で50グラムのモノマーが肉眼的に完全に可溶でないモノマーと理解することができる(すなわち、このモノマーは、水中で5%wt/wtに満たないレベルの可溶性である)。
本開示の一例において、第2のシロキサンモノマー又は任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、多官能性シロキサンモノマーであり得る。第2のシロキサンモノマーは2つの官能基、例えば2つのメタクリレート基を有するので、二官能性モノマーである。
任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、モノマーの主鎖の一方の末端に存在する重合性官能基を有するシロキサンモノマーであり得る。第3のシロキサンモノマーは、モノマーの主鎖の両末端に重合性官能基を有するシロキサンモノマーであってもよい。第3のシロキサンモノマーは、モノマーの少なくとも1つの側鎖に存在する重合性官能基を有するシロキサンモノマーであってもよい。第3のシロキサンモノマーは、モノマーの1つの側鎖だけに存在する重合性官能基を有するシロキサンモノマーであってもよい。
重合性組成物の任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、アクリレート含有シロキサンモノマー、言い換えれば、その分子構造の一部として少なくとも1つのアクリレート重合性官能基を有するシロキサンモノマーであり得る。一例において、アクリレート含有シロキサンモノマーは、メタクリレート含有シロキサンモノマー、すなわち、その分子構造の一部として少なくとも1つのメタクリレート重合性官能基を有するシロキサンモノマーであってもよい。
任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンは、少なくとも3,000ダルトンの数平均分子量を有するシロキサンモノマーであり得る。別の例では、シロキサンモノマーは、少なくとも4,000ダルトン、又は少なくとも7,000ダルトン、又は少なくとも9,000ダルトン、又は少なくとも11,000ダルトンの分子量を有するシロキサンモノマーであってもよい。
第2のシロキサンモノマー又は任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、20,000ダルトン未満の分子量を有するシロキサンモノマーであり得る。別の例では、シロキサンモノマーは、15,000ダルトン未満、又は11,000ダルトン未満、又は9,000ダルトン未満、又は7,000ダルトン未満、又は5,000ダルトン未満の分子量を有するシロキサンモノマーであってもよい。
任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、3,000ダルトン〜20,000ダルトンの分子量を有するシロキサンモノマーであり得る。別の例では、シロキサンモノマーは、5,000ダルトン〜20,000ダルトン、又は5,000ダルトン〜10,000ダルトン、又は7,000ダルトン〜15,000ダルトンの分子量を有するシロキサンモノマーであってもよい。
一例において、任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、2個以上の官能基を有し、かつ、少なくとも3,000ダルトンの数平均分子量を有する。
任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーとしては、ポリ(オルガノシロキサン)モノマー又はマクロマー又はプレポリマー、例えば、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、又は3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、又はトリメチルシリルエチルビニルカーボネート、又はトリメチルシリルメチルビニルカーボネート、又は3−[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート(トリス)、又は3−メタクリルオキシ(methaycryloxy)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(SiGMA)、又はメチルジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロールエチルメタクリレート(SiGEMA)、又はモノメタクリルオキシプロピル末端化ポリジメチルシロキサン(MCS−M11)、MCR−M07、又はモノメタクリルオキシプロピル末端化モノ−n−ブチル末端化ポリジメチルシロキサン(mPDMS)、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。本開示の重合性組成物の一例において、任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンは、本明細書に記載の1種以上の第1のシロキサンを含んでもよく、この場合、第2のシロキサンモノマー及び少なくとも1種の第3のシロキサンは、重合性組成物中に存在する第1のシロキサンと、分子量、分子構造、又は分子量と分子構造の両方が異なる。例えば、任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、重合性組成物の第1のシロキサンモノマー又は第2のシロキサンモノマーと分子量が異なる式(1)のシロキサンモノマーであってよい。別の例では、任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンは、以下の特許:米国特許出願公開第2007/0066706号、同第2008/0048350号、米国特許第3808178号、同第4120570号、同第4136250号、同第4153641号、同第470533号、同第5070215、同第5998498号、同第5760100号、同第6367929号及び欧州特許第080539号に開示されている少なくとも1種のシロキサンを含んでもよく、これらの全内容は参照により本明細書の一部とされる。
本コンタクトレンズの別の例において、任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、少なくとも4,000ダルトンの数平均分子量を有し、両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンであり得る。このようなシロキサンモノマーは二官能性であると理解される。
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズにおいて有用な二官能性シロキサンモノマーの一例として、第2のシロキサンモノマー又は任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、式(2):
Figure 0005842297
式中、式(2)のR1は水素原子又はメチル基のいずれかから選択され;式(2)のR2は水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかから選択され;式(2)のmは0〜10の整数を表し;式(2)のnは4〜100の整数を表し;かつa及びbは1以上の整数を表し;a+bは20〜500に相当し;b/(a+b)は0.01〜0.22に相当する、で表されるシロキサンモノマーであり得、かつ、シロキサン単位の構造はランダム構造を含む。シロキサンモノマーが式(2)で表されるモノマーである一例において、式(2)のmは0であり、式(2)のnは5〜15の整数であり、aは65〜90の整数であり、bは1〜10の整数であり、式(2)のR1はメチル基であり、かつ、式(2)のR2は水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかである、で表されるシロキサンモノマーであり得る。式(2)で表されるこのようなシロキサンモノマーの一例は、実施例1〜28においてSi2と略されている。式(2)で表されるこのシロキサンモノマーの数平均分子量は、約9,000ダルトン〜約10,000ダルトンであり得る。別の例では、式(2)で表されるシロキサンモノマーは、約5,000ダルトン〜約10,000ダルトンの分子量を持ち得る。式(2)で表されるシロキサンは2つの末端メタクリレート重合性官能基を有する(すなわち、メタクリレート基が分子のシロキサン主鎖の各末端に存在する)二官能性シロキサンであることが認識できる。このシロキサンモノマーのさらなる詳細は米国特許出願公開第20090234089号に見出すことができ、その全内容は参照により本明細書の一部とされる。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)式(2):
Figure 0005842297
式中、式(2)のR1は水素原子又はメチル基のいずれかから選択され;式(2)のR2は水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかから選択され;式(2)のmは0〜10の整数を表し;式(2)のnは4〜100の整数を表し;a及びbは1以上の整数を表し;a+bは20〜500に相当し;b/(a+b)は0.01〜0.22に相当し;かつ及びシロキサン単位の構造はランダム構造を含む、で表される第2のシロキサンモノマー(該第2のシロキサンモノマーは、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する)とを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)式(2):
Figure 0005842297
式中、式(2)のmは0であり、式(2)のnは5〜15の整数であり、aは65〜90の整数であり、bは1〜10の整数であり、式(2)のR1はメチル基であり、かつ、式(2)のR2は水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基であり、シロキサン単位の構造はランダム構造を含む、で表される第2のシロキサンモノマー(該第2のシロキサンモノマーは、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する)とを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
さらに別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマー(該第1のシロキサンモノマーは、400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する)と、(b)式(2):
Figure 0005842297
式中、式(2)のR1は水素原子又はメチル基のいずれかから選択され;式(2)のR2は水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかから選択され;式(2)のmは0〜10の整数を表し;式(2)のnは4〜100の整数を表し;a及びbは1以上の整数を表し;a+bは20〜500に相当し;b/(a+b)は0.01〜0.22に相当し;かつシロキサン単位の構造はランダム構造を含む、で表される第2のシロキサンモノマー(該第2のシロキサンモノマーは、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する)とを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズにおいて有用な二官能性シロキサンモノマーの別の例として、任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、式(3):
Figure 0005842297
式中、R3は水素原子又はメチル基のいずれかから選択され、式(3)のmは0〜10の整数を表し、かつ、式(3)のnは1〜500の整数を表す、で表すことができる。一例において、第2のシロキサンモノマーは式3で表され、R3はメチル基であり、式(3)のmは0であり、かつ、式(3)のnは40〜60のうち1つの整数である。
別の例では、任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、式(4)で表される二官能性シロキサンモノマーであってもよく、実施例1〜28においてSi3と略されている(Gelest, Inc., Morrisville, PAから製品コードDMS−R18として入手できる):
Figure 0005842297
一例において、式(4)のシロキサンは、約4,000〜約4,500ダルトンの数平均分子量を有する。
任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーとして使用可能なシロキサンモノマーの別の例としては、少なくとも1種のウレタン結合を有する単官能性シロキサンモノマー、例えば、式(5):
Figure 0005842297
式中、式(5)のnは0〜30であるか、又は10〜15である、で表される単官能性シロキサンモノマーが挙げられる。一例において、シロキサンモノマーは、式(5)のnが12〜13であり、かつ、約1,500ダルトンの分子量を有する式(5)のモノマーであり得る。このような単官能性シロキサンモノマーは、参照により本明細書の一部とされる米国特許第6,867,245号に記載されている。
任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーとして使用可能なシロキサンモノマーのさらに別の例としては、少なくとも2つのウレタン結合を有する二官能性シロキサンモノマー、例えば、式(6):
Figure 0005842297
式中、式(6)のnは約100〜150の整数であり、式(6)のmは約5〜約15の整数であり、hは約2〜8の整数であり、かつ、pは約5〜約10の整数である、で表される二官能性シロキサンモノマーが挙げられる。このような二官能性シロキサンモノマーのさらなる例及び式(6)の化合物の製造方法は、参照により本明細書の一部とされる米国特許第6,867,245号に記載されている。特定の例では、シロキサンモノマーは、2つのウレタン結合を有し、かつ、約5,000ダルトンより大きい分子量、例えば、約10,000ダルトンより大きい分子量、又は約15,000ダルトンより大きい分子量を有する二官能性シロキサンモノマーであり得る。
本コンタクトレンズの一例において、任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは、少なくとも4,000ダルトン、又は少なくとも7,000ダルトン、又は少なくとも9,000ダルトン、又は少なくとも11,000ダルトンの数平均分子量を持ち得る。シロキサンモノマーの数平均分子量は、20,000ダルトン未満であり得る。よって、文脈によっては、第2のシロキサンモノマーはマクロマーと考えられるが、それは重合性組成物の他の反応性成分を伴って形成されたポリマーの単位部を形成することから、モノマーと呼ばれる。
一例において、第1のシロキサンモノマーと第2のシロキサンモノマーは、第1のシロキサンモノマーと第2のシロキサンモノマーの比が単位部で少なくとも1:1となる、又は単位部で少なくとも2:1となるような量で重合性組成物中に存在し得る。例えば、第1のシロキサンモノマーと第2のシロキサンモノマーは、重合性組成物中に単位部で約2:1〜約10:1の比で存在し得る。別の例では、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーは、重合性組成物中に単位部で約3:1〜約6:1の比で存在し得る。一例において、第1のシロキサンモノマーと第2のシロキサンモノマーは、重合性組成物中に単位部で約4:1の比で存在し得る。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、重合性組成物中に存在する第1のシロキサンモノマーの量と重合性組成物中に存在する第2のシロキサンモノマーの量の比は、単位質量部で少なくとも3:1であり、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
重合性組成物中に存在するシロキサンモノマーの総量(例えば、重合性組成物中に存在する第1のシロキサンモノマー、第2のシロキサンモノマー、及び他の任意選択のシロキサンモノマーの単位部の合計)は、約10〜約60単位部、又は約25〜約50単位部、又は約35〜約40単位部であり得る。
本開示の重合性組成物は、式(1)の第1のシロキサンモノマーと少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーからなる第1の成分と、少なくとも1種の第3のシロキサンモノマー、又は少なくとも1種の架橋剤、又は少なくとも1種の親水性モノマー、又は少なくとも1種の疎水性モノマー、又はそれらの任意の組合せを含む第2の成分とを含むと理解することができる。任意選択の少なくとも1種の架橋剤は、単一の架橋剤として存在してもよいし、又は2種以上の単一の架橋剤を含む架橋剤成分として存在してもよい。本明細書で用いる場合、架橋剤及び架橋剤成分は非ケイ素架橋剤であり、従って、重合性組成物中に存在する多官能性シロキサンモノマーとは異なる。
本明細書で用いる場合、単位部は、単位質量部を意味するものと理解される。例えば、z単位部のシロキサンモノマーとy単位部の親水性モノマーを含むと記載されている配合物を調製するためには、zグラムのシロキサンモノマーとyグラムの親水性モノマーを合わせて合計y+zグラムの重合性組成物を得るか、又はzオンスのシロキサンとyオンスの親水性モノマーを合わせて合計y+zオンスの重合性組成物を得るなどによって組成物を調製することができる。組成物がさらに例えばx単位部の架橋剤などの付加的任意選択の成分を含む場合、xグラムの架橋剤をzグラムのシロキサンモノマー及びyグラムの親水性モノマーと合わせて合計x+y+zグラムの重合性組成物を得るなどである。組成物が、z単位部のシロキサンモノマーに加えて、例えば、第1の疎水性モノマー及び第2の疎水性モノマーからなる疎水性モノマー成分などの2成分から構成される成分要素を含む付加的な任意選択成分を含む場合、y単位部の親水性モノマー及びx単位部の架橋剤、w単位部の第1の疎水性モノマー及びv単位部の第2の疎水性モノマーを合わせて総量v+w+x+y+z単位部の重合性組成物を得る。このような重合性組成物中に存在する少なくとも1種の疎水性モノマーの単位部は、第1の疎水性モノマーの単位部と第2の疎水性モノマーの単位部の合計、例えば、本例ではv+w単位部であると理解される。一般に、重合性組成物の配合物は、合計量約90〜約110単位質量部の成分から構成される。重合性組成物の成分の量が本明細書において単位部として挙げられている場合、これらの成分の単位部は、約90〜110単位部の範囲の組成物の総量を与える配合物に基づく。一例において、単位質量部は、約95〜105単位質量部、又は約98〜102単位質量部の範囲の組成物の総量を与える配合物に基づき得る。
本開示によれば、架橋剤は、その分子構造の一部として2種以上の重合性官能基、例えば、2種又は3種又は4種の重合性官能基を有するモノマー、すなわち、多官能性モノマー、例えば、二官能性又は三官能性又は四官能性モノマーであると理解される。本明細書に開示されている重合性組成物において使用可能な非ケイ素架橋剤としては、例えば、限定されるものではないが、アリル(メタ)アクリレート、又は低級アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、又はポリ(低級アルキレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、又は低級アルキレンジ(メタ)アクリレート、又はジビニルエーテル、又はジビニルスルホン、又はジ及びトリビニルベンゼン、又はトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、又はペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、又はビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、又はメチレンビス(メタ)アクリルアミド、又はトリアリルフタレート及びジアリルフタレート、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。実施例1〜28に開示される架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、又はトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、又はトリエチレングリコールジビニルエーテル(TEGDVE)、又はそれらの任意の組合せが含まれる。一例において、架橋剤は、1500ダルトン未満、又は1000ダルトン未満、又は500ダルトン未満、又は200ダルトン未満の分子量を持ち得る。
一例において、架橋剤又は架橋剤成分は、ビニル含有架橋剤を含み得る、又はからなり得る。本明細書で用いる場合、ビニル含有架橋剤は、その分子構造中に存在する少なくとも2つの重合可能な炭素−炭素二重結合(すなわち、少なくとも2つのビニル重合性官能基)を有するモノマーであり、この場合、ビニル含有架橋剤のビニル重合性官能基中に存在する少なくとも2つの重合可能な炭素−炭素二重結合はそれぞれ、アクリレート又はメタクリレート重合性官能基中に存在する炭素−炭素二重結合よりも反応性が低い。本明細書で理解されるように、炭素−炭素二重結合はアクリレート及びメタクリレート重合性官能基中に存在するが、1以上のアクリレート又はメタクリレート重合性基を含む架橋剤(例えば、アクリレート含有架橋剤又はメタクリレート含有架橋剤)は、ビニル含有架橋剤とはみなされない。アクリレート又はメタクリレート重合性基の炭素−炭素二重結合よりも反応性の低い炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基としては、例えば、ビニルアミド、ビニルエステル、ビニルエーテル及びアリルエステル重合性官能基が挙げられる。よって、本明細書で用いる場合、ビニル含有架橋剤としては、例えば、ビニルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエステル、及びそれらの任意の組合せから選択される少なくとも2つの重合性官能基を有する架橋剤が含まれる。本明細書で用いる場合、混合型ビニル含有架橋剤は、その構造中に存在する、アクリレート又はメタクリレート重合性官能基中に存在する炭素−炭素二重結合よりも反応性の低い少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素二重結合(すなわち、少なくとも1つのビニル重合性官能基)と、その構造中に存在する、アクリレート又はメタクリレート重合性官能基中の炭素−炭素二重結合と少なくとも同等の反応性である炭素−炭素二重結合を有する少なくとも1つの重合性官能基とを有する架橋剤である。
重合性組成物中に存在する場合、ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分は、約0.01〜約2.0単位部、又は約0.01〜約0.80単位部、又は約0.01〜約0.30単位部、又は約0.05〜約0.20単位部の量、又は約0.1単位部の量で存在し得る。
一例において、架橋剤又は架橋剤成分は、非ビニル含有架橋剤、すなわち、ビニル含有架橋剤でない架橋剤を含み得る、又はからなり得る。例えば、非ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分は、アクリレート含有架橋剤(すなわち、少なくとも2つのアクリレート重合性官能基を有する架橋剤)、又はメタクリレート含有架橋剤(すなわち、少なくとも2つのメタクリレート重合性官能基)、又は少なくとも1種のアクリレート含有架橋剤及び少なくとも1種のメタクリレート含有架橋剤を含み得る、又はからなり得る。
重合性組成物中に存在する場合、非ビニル架橋剤又は架橋剤は、約0.01〜約5単位部、又は約0.1〜約4単位部、又は約0.3〜約3.0単位部、又は約0.2〜約2.0単位部の量で存在し得る。
架橋剤成分は、それぞれ異なる重合性官能基を有する2種以上の架橋剤の組合せを含み得るか、又はからなり得る。例えば、架橋剤成分は、1種のビニル含有架橋剤と1種のアクリレート含有架橋剤を含み得る。架橋剤成分は、1種のビニル含有架橋剤と1種のメタクリレート含有架橋基を含み得る。架橋剤成分は、1種のビニルエーテル含有架橋剤と1種のメタクリレート含有架橋剤を含み得る、又はからなり得る。
一例において、本開示の重合性組成物は、所望により少なくとも1種の親水性モノマーを含み得る。親水性モノマーは、その分子構造中に存在する重合性官能基を1個のみ有する非シリコーン重合性成分であると理解される。重合性組成物は単一の親水性モノマーを含むことができ、又は親水性モノマー成分として存在する2種以上の親水性モノマーを含むこともできる。本明細書に開示されている重合性組成物において親水性モノマー又は親水性モノマー成分として使用可能な非ケイ素親水性モノマーとしては、例えば、アクリルアミド含有モノマー、又はアクリレート含有モノマー、又はアクリル酸含有モノマー、又はメタクリレート含有モノマー、又はメタクリル酸含有モノマー、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。一例において、親水性モノマー又はモノマー成分は、メタクリレート含有親水性モノマーを含み得る、又はからなり得る。親水性モノマー又は親水性モノマー成分は非ケイ素モノマーであると理解される。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーと、(c)少なくとも1種の親水性モノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
本重合性組成物中に含むことができる親水性モノマーの例としては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、又は2−ヒドロキシエチルアクリレート、又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、又は2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、又は2−ヒドロキシブチルメタクリレート(HOB)、又は2−ヒドロキシブチルアクリレート、又は4−ヒドロキシブチルアクリレート、又はグリセロールメタクリレート、又は2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、又はポリエチレングリコールモノメタクリレート、又はメタクリル酸、又はアクリル酸、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーと、(c)少なくとも1種の親水性ビニル含有モノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
一例において、親水性モノマー又は親水性モノマー成分は、ビニル含有モノマーを含み得る、又はからなり得る。重合性組成物中に提供することができる親水性ビニル含有モノマーの例としては、限定されるものではないが、N−ビニルホルムアミド、又はN−ビニルアセトアミド、又はN−ビニル−N−エチルアセトアミド、又はN−ビニルイソプロピルアミド、又はN−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)、又はN−ビニルピロリドン(NVP)、又はN−ビニルカプロラクタム、又はN−ビニル−N−エチルホルムアミド、又はN−ビニルホルムアミド、又はN−2−ヒドロキシエチルビニルカルバメート、又はN−カルボキシ−β−アラニンN−ビニルエステル、又は1,4−ブタンジオールビニルエーテル(BVE)、又はエチレングリコールビニルエーテル(EGVE)、又はジエチレングリコールビニルエーテル(DEGVE)、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
別の例では、重合性組成物の親水性モノマー又は親水性モノマー成分は、親水性アミドモノマーを含み得る、又はからなり得る。親水性アミドモノマーは、1個のN−ビニル基を有する親水性アミドモノマー、例えば、N−ビニルホルムアミド、又はN−ビニルアセトアミド、又はN−ビニル−N−エチルアセトアミド、又はN−ビニルイソプロピルアミド、又はN−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)、又はN−ビニルピロリドン(NVP)、又はN−ビニルカプロラクタム、又はそれらの任意の組合せであり得る。一例において、親水性モノマー又は親水性モノマー成分は、N−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)を含む。例えば、親水性モノマー又はモノマー成分は、VMAを含み得る、又はからなり得る。特定の一例では、親水性モノマーはVMAであり得る。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーと、(c)1個のN−ビニル基を有する少なくとも1種の親水性アミドモノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、重合性組成物はN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)を含まず、かつ、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
別の例では、親水性ビニル含有モノマー又はモノマー成分は、ビニルエーテル含有モノマーを含み得る、又はからなり得る。ビニルエーテル含有モノマーの例としては、限定されるものではないが、1,4−ブタンジオールビニルエーテル(BVE)、又はエチレングリコールビニルエーテル(EGVE)、又はジエチレングリコールビニルエーテル(DEGVE)、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。一例において、親水性モノマー成分は、BVEを含む、又はからなる。別の例では、親水性モノマー成分は、EGVEを含む、又はからなる。さらに別の例では、親水性ビニル成分は、DEGVEを含む、又はからなる。
さらに別の例では、親水性ビニル含有モノマー成分は、第1の親水性モノマー又はモノマー成分と第2の親水性モノマー又は親水性モノマー成分の組合せを含み得る、又はからなり得る。一例において、第1の親水性モノマーは、第2の親水性モノマーとは異なる重合性官能基を有する。別の例では、第1の親水性モノマーの各モノマーは、第2の親水性モノマーとは異なる重合性官能基を有する。別の例では、第1の親水性モノマーは、第2の親水性モノマー成分の各モノマーとは異なる重合性官能基を有する。さらに別の例では、第1の親水性モノマー成分の各モノマーは、第2の親水性モノマー成分の各モノマーとは異なる重合性官能基を有する。
例えば、第1の親水性モノマー又はモノマー成分が1種以上のアミド含有モノマーを含む、又はからなる場合、第2の親水性モノマー又はモノマー成分は、1種以上の非アミドモノマー(すなわち、それぞれそれらの分子構造の一部としてアミド官能基を持たない1種以上のモノマー)を含み得る、又はからなり得る。別の例として、第1の親水性モノマー又はモノマー成分が1種以上のビニル含有モノマーを含む、又はからなる場合、第2の親水性モノマー又はモノマー成分は、1種以上の非ビニルモノマー(すなわち、それぞれそれらの分子構造の一部としてビニル重合性官能基を持たない1種以上のモノマー)を含み得る。別の例では、第1の親水性モノマー又はモノマー成分が、それぞれN−ビニル基を有する1種以上のアミドモノマーを含む、又はからなる場合、第2の親水性モノマー又はモノマー成分は、1種以上の非アミドモノマーを含み得る、又はからなり得る。第1の親水性モノマー又はモノマー成分が1種以上の非アクリレートモノマー(すなわち、それぞれそれらの分子構造の一部としてアクリレート又はメタクリレート重合性官能基を持たない1種以上のモノマー)を含む、又はからなる場合、第2の親水性モノマー又はモノマー成分は、1種以上のアクリレート含有モノマー、又は1種以上のメタクリレート含有モノマー、又はそれらの任意の組合せを含み得る、又はからなり得る。第1の親水性モノマー又はモノマー成分が1種以上の非ビニルエーテル含有モノマー(すなわち、それぞれそれらの分子構造の一部としてビニルエーテル重合性官能基を満たない1種以上のモノマー)を含む、又はからなる場合、第2の親水性モノマー又はモノマー成分は、1種以上のビニルエーテル含有モノマーを含み得る、又はからなり得る。特定の例では、第1の親水性モノマー又はモノマー成分は、それぞれN−ビニル基を有する1種以上のアミド含有モノマーを含み得るか、又はからなり得、かつ、第2の親水性モノマー又はモノマー成分は、1種以上のビニルエーテル含有モノマーを含み得る、又はからなり得る。
一例において、第1の親水性モノマー又はモノマー成分が、1個のN−ビニル基を含む親水性アミド含有モノマーを含む、又はからなる場合、第2の親水性モノマー又はモノマー成分は、ビニルエーテル含有モノマーを含み得る、又はからなり得る。特定の例では、第1の親水性モノマーはVMAを含むことができ、かつ、第2の親水性モノマー又はモノマー成分はBVE又はEGVE又はDEGVE又はそれらの任意の組合せを含むことができる。第1の親水性モノマーはVMAを含むことができ、かつ、第2の親水性モノマーはBVEを含むことができる。第1の親水性モノマーはVMAを含むことができ、かつ、第2の親水性モノマーはEGVEを含むことができる。第1の親水性モノマーはVMAを含むことができ、かつ、第2の親水性モノマーはDEGVEを含むことができる。第1の親水性モノマーはVMAを含むことができ、かつ、第2の親水性モノマー成分はEGVE及びDEGVEを含むことができる。
同様に、第1の親水性モノマーはVMAであり得、かつ、第2の親水性モノマー又はモノマー成分はBVE又はEGVE又はDEGVE又はそれらの任意の組合せを含むことができる。第1の親水性モノマーはVMAであり得、第2の親水性モノマーはBVEであり得る。第1の親水性モノマーはVMAであり得、かつ、第2の親水性モノマーはEGVEであり得る。第1の親水性モノマーはVMAを含むことができ、かつ、第2の親水性モノマーはDEGVEであり得る。第1の親水性モノマーはVMAであり得、かつ、第2の親水性モノマー成分はEGVEとDEGVEの組合せであり得る。
別の例では、非ケイ素親水性ビニル含有モノマーは、任意の分子量、例えば、400ダルトン未満、又は300ダルトン未満、又は250ダルトン未満、又は200ダルトン未満、又は150ダルトン未満、又は約75〜約200ダルトンの分子量を持ち得る。
親水性モノマー又は親水性モノマー成分が重合性組成物中に存在する場合、親水性モノマー又はモノマー成分は、重合性組成物中に、重合性組成物の30〜60単位部の量で存在し得る。親水性モノマー又はモノマー成分は、重合性組成物中に、40〜55単位質量部、又は45〜50単位質量部の量で存在し得る。重合性組成物の親水性モノマー成分が第1の親水性モノマー又はモノマー成分と第2の親水性モノマー又はモノマー成分を含む場合、第2の親水性モノマー又はモノマー成分は重合性組成物中に、重合性組成物の0.1〜20単位部の量で存在し得る。例えば、重合性組成物中に存在する30〜60単位部親水性モノマー又はモノマー成分の総量のうち、29.9〜40単位部は第1の親水性モノマー又はモノマー成分を含むことができ、かつ、0.1〜20単位部は第2の親水性モノマー又はモノマー成分を含むことができる。別の例では、第2の親水性モノマー又はモノマー成分は、重合性組成物中に、1〜15単位部、又は2〜10単位部、又は3〜7単位部存在し得る。
本明細書で用いる場合、ビニル含有モノマーは、その分子構造中に存在する単一の重合可能な炭素−炭素二重結合(すなわち、ビニル重合性官能基)を有するモノマーであり、この場合、フリーラジカル重合下では、このビニル重合性官能基中の炭素−炭素二重結合は、アクリレート又はメタクリレート重合性官能基中に存在する炭素−炭素二重結合よりも反応性が低い。言い換えれば、本明細書で理解されるように、アクリレート基及びメタクリレート基中に炭素−炭素二重結合が存在するが、単一のアクリレート又はメタクリレート重合性基を含むモノマーは、ビニル含有モノマーとはみなされない。アクリレート又はメタクリレート重合性基の炭素−炭素二重結合よりも反応性の低い炭素−炭素二重結合を有する重合性基の例としては、ビニルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、及びアリルエステル重合性基が挙げられる。よって、本明細書で用いる場合、ビニル含有モノマーの例としては、単一のビニルアミド、単一のビニルエーテル、単一のビニルエステル、又は単一のアリルエステル重合性基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、本開示の重合性組成物は、所望により、少なくとも1種の非ケイ素疎水性モノマーを含み得る。疎水性モノマーは、その分子構造中に存在する重合性官能基が1個だけである非シリコーン重合性成分であると理解される。重合性組成物の少なくとも1種の疎水性モノマーは1種の疎水性モノマーであってもよく、又は少なくとも2種の疎水性モノマーから構成される疎水性モノマー成分を含むこともできる。本明細書に開示されている重合性組成物において使用可能な疎水性モノマーの例としては、限定されるものではないが、アクリレート含有疎水性モノマー、又はメタクリレート含有疎水性モノマー、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。疎水性モノマーの例としては、限定されるものではないが、メチルアクリレート、又はエチルアクリレート、又はプロピルアクリレート、又はイソプロピルアクリレート、又はシクロヘキシルアクリレート、又は2−エチルヘキシルアクリレート、又はメチルメタクリレート(MMA)、又はエチルメタクリレート、又はプロピルメタクリレート、又はブチルアクリレート、又はビニルアセテート、又はビニルプロピオネート、又はビニルブチレート、又はビニルバレレート、又はスチレン、又はクロロプレン、又は塩化ビニル、又は塩化ビニリデン、又はアクリロニトリル、又は1−ブテン、又はブタジエン、又はメタクリロニトリル、又はビニルトルエン、又はビニルエチルエーテル、又はペルフルオロヘキシルエチルチオカルボニルアミノエチルメタクリレート、又はイソボルニルメタクリレート、又はトリフルオロエチルメタクリレート、又はヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、又はヘキサフルオロブチルメタクリレート、又はエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。特定の一例では、疎水性モノマー又はモノマー成分は、MMA、又はEGMA、又は両方を含み得る、又はからなり得る。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーと、(c)少なくとも1種の疎水性モノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
重合性組成物中に存在する場合、疎水性モノマー又はモノマー成分は、約5〜約25単位部、又は約10〜約20単位部の量で存在し得る。
一例において、疎水性モノマー成分は、それぞれ異なる重合性官能基を有する少なくとも2種の疎水性モノマーを含み得る。別の例では、疎水性モノマー成分は、それぞれ同じ重合性官能基を有する少なくとも2種の疎水性モノマーを含み得る。疎水性モノマー成分は、両方とも同じ重合性官能基を有する2種の疎水性モノマーを含み得る、又はからなり得る。一例において、疎水性モノマー成分は、2種の疎水性メタクリレート含有モノマーを含み得る、又はからなり得る。疎水性モノマー成分は、MMAとEGMAを含み得る、又はからなり得る。一例において、疎水性モノマー成分の少なくとも2種の疎水性モノマーはMMAとEGMAを含み得る、又はからなり得、重合性組成物中に存在するMMAの単位部とEGMAの単位部の比は約6:1〜約1:1であり得る。重合性組成物中に存在するMMAとEGMAの単位部の比は、MMAの単位部:EGMA単位部として約2:1であり得る。
重合性組成物は所望により、1種以上の有機希釈剤、1種以上の重合開始剤(すなわち、紫外線(UV)開始剤又は熱開始剤、又は両方)、又は1種以上のUV吸収剤、又は1種以上の着色剤、又は1種以上の脱酸素剤、又は1種以上の連鎖移動剤、又はそれらの任意の組合せを含み得る。これらの任意選択成分は、重合性成分であっても非重合性成分であってもよい。一例において、重合性組成物は、シロキサンと他のレンズ形成成分、例えば、任意選択の親水性モノマー、疎水性モノマー及び架橋剤との間の混和性を達成するために有機希釈剤を含まないという点で、希釈剤不含であり得る。さらに、本重合性組成物の多くは、本質的に水を含まない(例えば、含む水は3.0質量%又は2.0質量%以下である)。本明細書に開示されている重合性組成物は所望により1種以上の有機希釈剤を含んでもよく、すなわち、重合性組成物は有機希釈剤を含むことができ、又は2種以上の有機希釈剤を含む有機希釈剤成分を含むことができる。所望により本重合性組成物に含まれてよい有機希釈剤としては、例えば、限定されるものではないが、ペンタノール、又はヘキサノール、又はオクタノール、又はデカノール、又はそれらの任意の組合せなどの低級アルコールを含むアルコールが含まれる。含まれる場合には、有機希釈剤又は有機希釈剤成分は、重合性組成物中に約1〜約70単位部、又は約2〜約50単位部、又は約5〜約30単位部の量で提供することができる。
本重合性組成物は所望により1種以上の重合開始剤を含んでよく、すなわち、重合性組成物は1種の開始剤を含んでもよく、又は2種以上の重合開始剤を含む開始剤成分を含んでもよい。本重合性組成物中に含むことができる重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、又は有機過酸化物、又は両方が挙げられる。重合性組成物中に存在し得る開始剤としては、例えば、限定されるものではないが、ベンゾインエチルエーテル、又はベンジルジメチルケタール、又はα,α−ジエトキシアセトフェノン、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、又はベンゾインペルオキシド、又はt−ブチルペルオキシド、又はアゾビスイソブチロニトリル、又はアゾビスジメチルバレロニトリル、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。UV光開始剤は、例えば、ホスフィンオキシド、例えば、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、又はベンゾインメチルエーテル、又は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、又はDarocur(BASF、フローラム・パーク,NJ,USAから入手可能)、又はIrgacur(これもBASFから入手可能)、又はそれらの任意の組合せを含み得る。本明細書に開示されている実施例1〜28の多くでは、重合開始剤は熱開始剤2,2’−アゾビス−2−メチルプロパンニトリル(E.I. DuPont de Nemours & Co.,ウィルミントン,DE,USAからのVAZO−64)である。慣用される他の熱開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)(VAZO−52)及び1,1’−アゾビス(シアノシクロヘキサン)(VAZO−88)が挙げられる。重合開始剤又は開始剤成分は、重合性組成物中に、約0.01〜約2.0単位質量部の量で、又は約0.1〜約1.0単位質量部、又は約0.2〜約0.6単位質量部の量で存在し得る。
所望により、本重合性組成物は1種以上のUV吸収剤を含んでよく、すなわち、重合性組成物は1種のUV吸収剤を含んでよく、又は2種以上のUV吸収剤を含むUV吸収剤成分を含んでもよい。本重合性組成物中に含むことができるUV吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン、又はベンゾトリアゾール、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。本明細書に開示されている実施例1〜28の多くでは、UV吸収剤は、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート(UV−416)又は2−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−フェニル)エチルメタクリレート(Noramco、アセンズ,GA,USAからのNORBLOC(登録商標)7966)である。UV吸収剤又はUV吸収剤成分は、重合性組成物中に約0.01〜約5.0単位質量部の量、又は約0.1〜約3.0単位質量部、又は約0.2〜約2.0単位質量部の量で存在し得る。
着色レンズ製品及び透明レンズ製品の両方が考えられるが、本開示の重合性組成物はまた、所望により少なくとも1種の着色剤(すなわち、1種の着色剤又は2種以上の着色剤を含む着色剤成分)を含み得る。一例において、着色剤は、得られるレンズ製品に色をつけるのに有効な反応性色素又は顔料であり得る。重合性組成物の着色剤又は着色剤成分は1種の重合性着色剤を含んでもよく、又は非重合性着色剤、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。重合性着色剤は、その分子構造が重合性官能基を含む着色剤であってもよく、又はその分子構造がモノマー部分と色素部分の両方を含む着色剤であってもよく、すなわち、その着色剤はモノマー−色素化合物であり得る。着色剤の分子構造はβスルホン官能基を含んでもよく、又はトリアジン官能基を含んでもよい。着色剤としては、例えば、VAT Blue 6(7,16−ジクロロ−6,15−ジヒドロアントラジン−5,9,14,18−テトロン)、又は1−アミノ−4−[3−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリオ]−2−アントラキノンスルホン酸(C. I. Reactive Blue 19、RB−19)、又はReactive Blue 19とヒドロキシエチルメタクリレートのモノマー−色素化合物(RB−19 HEMA)、又は1,4−ビス[4−[(2−メタクリル−オキシエチル)フェニルアミノ]アントラキノン(Reactive Blue 246、RB−246、Arran Chemical Company、アスローン、アイルランド)、又は1,4−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオンビス(2−プロペノイック)エステル(RB−247)、又はReactive Blue 4、RB−4、又はReactive Blue 4とヒドロキシエチルメタクリレートのモノマー−色素化合物(RB−4 HEMA又は「Blue HEMA」)、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。一例において、着色剤又は着色剤成分は、重合性着色剤を含み得る。重合性着色剤成分は、例えば、RB−246、又はRB−274、又はRB−4 HEMA、又はRB−19 HEMA、又はそれらの任意の組合せを含み得る。モノマー−色素化合物の例としては、RB−4 HEMA及びRB−19 HEMAが挙げられる。モノマー−色素化合物のさらなる例は、米国特許第5944853号及び同第7216975号に記載されており、両方とも参照によりその全内容が本明細書の一部とされる。他の着色剤例は例えば、米国特許出願公開第2008/0048350号に開示されており、その開示は参照によりその全内容が本明細書の一部とされる。本明細書に開示されている実施例1〜28の多くでは、着色剤は、米国特許第4997897号に記載されているものなどの反応性青色色素であり、その開示は参照によりその全内容が本明細書の一部とされる。本発明に従って使用するのに好適な他の着色剤は、フタロシアニンブルー又はフタロシアニングリーンなどのフタロシアニン顔料、クロミック−アルミナ−コバルトオキシド(chromic-alumina-cobaltous oxide)、又は酸化クロム、又は赤、黄、茶及び黒色用の種々の酸化鉄、又はそれらの任意の組合せである。二酸化チタンなどの不透明化剤も配合することができる。ある特定の適用には、色の異なる着色剤の組合せを着色剤成分として使用することができる。使用する場合には、着色剤又は着色剤成分は、重合性組成物中に、約0.001〜約15.0単位部、又は約0.005〜約10.0単位部、又は約0.01〜約8.0単位部の範囲の量で存在し得る。
本開示の重合性組成物は、所望により、少なくとも1種の脱酸素剤、すなわち、1種の脱酸素剤又は2種以上の脱酸素剤を含む脱酸素剤成分を含み得る。本重合性組成物の脱酸素剤又は脱酸素剤成分として含むことができる脱酸素剤の例としては、例えば、ビタミンE、又はフェノール化合物、又は亜リン酸化合物、又はホスフィン化合物、又は酸化アミン化合物、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。例えば、脱酸素剤又は脱酸素剤成分はホスフィン含有化合物からなり得る、又はを含む。本明細書に開示されている実施例1〜28の多くでは、脱酸素剤又は脱酸素剤成分は、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン含有化合物、又はジフェニル(P−ビニルフェニル)ホスフィンなどのトリフェニルホスフィンの重合可能な形態である。
連鎖移動は、成長中のポリマー鎖の活性が別の分子へと移動し、最終的なポリマーの平均分子量が減少する重合反応である。本開示の重合性組成物は、所望により、少なくとも1種の連鎖移動剤を含んでよく、すなわち、1種の連鎖移動剤を含んでもよく、又は少なくとも2種の連鎖移動剤を含む連鎖移動剤成分を含んでもよい。本重合性組成物の連鎖移動剤又は連鎖移動成分として含み得る連鎖移動剤の例としては、例えば、チオール化合物、又はハロカーボン化合物、又はC3−C5炭化水素、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。本明細書に開示されている実施例1〜28の多くでは、連鎖移動剤はアリルオキシエタノールである。重合性組成物中に存在する場合、連鎖移動剤又は連鎖移動剤成分は、約0.01〜約1.5単位部、例えば、約0.1〜約0.5単位部の量で存在し得る。
本開示のコンタクトレンズは、動物又は人の眼の角膜に設置又は配置するように構成されているので、眼科的に許容されるコンタクトレンズである。本明細書で用いる場合、眼科的に許容されるコンタクトレンズは、下記のようないくつかの異なる特性のうち少なくとも1つを有するコンタクトレンズであると理解される。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、眼科的に許容される成分から形成され、かつ、眼科的に許容される成分中にパッケージングすることができ、従って、このレンズは細胞傷害性がなく、かつ、装用中に刺激成分及び/又は有毒成分を放出することはない。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、レンズの光学部(すなわち、視力矯正を提供するレンズの部分)に、眼の角膜と接触してその意図される使用に十分な透明度、例えば、可視光の少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%という透過率を持ち得る。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、その意図される寿命に基づく持続期間の間、レンズの取り扱い及び管理を容易にするのに十分な機械的特性を持ち得る。例えば、そのモジュラス、引張り強さ、及び伸び率は、挿入、装用、取り出し、及び所望により、レンズの意図される寿命までの洗浄に十分耐えるものであり得る。これらの特性の適当なレベルは、意図される寿命及びレンズの用途(例えば、1回使用1日使い捨て、1ヶ月多回使用など)によって異なる。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、角膜染色、例えば、8時間以上角膜にレンズを連続装用した後の表在的又は中等度角膜染色よりも重篤な角膜染色を実質的に抑制又は実質的に防止するのに有効な又は適当なイオノフラックスを持ち得る。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、レンズ装用中の眼の角膜に長時間角膜の健康を保つのに十分な量の酸素を到達させるのに十分な酸素透過率レベルを持ち得る。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、レンズ装用中の眼に実質的又は過度の角膜膨潤を生じさせないレンズであり得、例えば、一晩睡眠中の眼の角膜に装用した後の角膜膨潤は約5%又は10%以下である。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、レンズ装用中の眼の角膜上で、レンズと眼の間の涙液の流れを容易にするのに十分なレンズの動きを可能とする、言い換えれば、正常なレンズの動きを妨げるほどの力では眼にレンズを接着させず、かつ、眼上での動きが視力矯正を可能とするに十分低いレベルであるレンズであり得る。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、過度の又は著しい不快感及び/又は刺激作用及び/又は痛みなく眼にレンズを装用することを可能とするレンズであり得る。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、レンズ装用者に脂質及び/又はタンパク質の沈着のためにレンズを取り出させるほどの脂質及び/又はタンパク質の沈着を抑制又は実質的に防止するレンズであり得る。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、少なくとも1日間、コンタクトレンズ装用者によるコンタクトレンズの眼科的に適合する装用を助長するのに有効な含水率、又は表面湿潤性、又はモジュラス若しくはデザイン、又はそれらの任意の組合せのうち少なくとも1つを持ち得る。眼科的に適合する装用は、レンズ装用者による不快感がほとんど又は全くなく、角膜染色をほとんど又は全く生じないレンズの装用を意味するものと理解される。コンタクトレンズが眼科的に許容されるかどうかの判定は、眼科医により実施され、当業者に理解されているようなものなどの従来の臨床法を用いて行うことができる。
本開示の一例において、コンタクトレンズは、眼科的に許容される湿潤レンズ表面を持ち得る。例えば、コンタクトレンズは、重合レンズ体を形成するために用いる重合性組成物が内部湿潤剤を含まない場合、又は重合レンズ体を形成するために用いる重合性組成物が有機希釈剤を含まない場合、又は重合レンズ体が水、又は揮発性有機溶媒を含まない水溶液で抽出された場合、又は重合レンズ体が表面プラズマ処理を含まない場合、又はそれらの任意の組合せの場合に、眼科的に許容される湿潤レンズ表面を持ち得る。
コンタクトレンズ表面の湿潤性を高めるために当技術分野で慣用される1つのアプローチは、レンズ表面に処理を施すこと又はレンズ表面を改質することである。本開示によれば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、表面処理又は表面改質を施すことなく、眼科的に許容される湿潤レンズ表面を持ち得る。表面処理としては、例えば、レンズ表面の親水性を高めるプラズマ及びコロナ処理が挙げられる。本レンズ本体に1以上の表面プラズマ処理を適用することができるが、完全に水和した際に眼科的に許容される湿潤レンズ表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために必ずしもそうする必要はない。言い換えれば、一例において、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、表面プラズマ処理又はコロナ処理を施さなくてよい。
表面改質としては、レンズ表面に湿潤剤を結合させること、例えば、化学的結合又は別の形態の化学的相互作用によって少なくとも1つのレンズ表面に親水性ポリマーなどの湿潤剤を結合させることを含む。場合によっては、湿潤剤は、化学的結合又は別の形態の化学的相互作用によって、レンズ表面、並びにレンズのポリマーマトリックスの少なくとも一部、すなわち、レンズバルクの少なくとも一部に結合させることができる。本開示の眼科的に許容される湿潤レンズ表面は、少なくともレンズ表面に結合された湿潤剤(例えば、ポリマー材料又は非ポリマー材料)が存在しなくても眼科的に許容される湿潤性となり得る。本レンズに1種以上の湿潤剤を結合させることができるが、完全に水和した際に眼科的に許容される湿潤レンズ表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために必ずしもそうする必要はない。よって、一例において、本開示のレンズは、レンズの表面に結合された、例えば、ポリビニルピロリドンを含む親水性ポリマーなどの湿潤剤を含み得る。或いは、別の例では、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズ表面に結合された湿潤剤を含まなくてもよい。
レンズの湿潤性を高める別の方法は、レンズ本体を膨潤させ、その後、レンズ本体を低膨潤状態に戻す際にレンズ本体に湿潤剤を導入し、それにより、レンズ本体内に湿潤剤の一部を捕捉させることによって、レンズ本体又はコンタクトレンズ内に湿潤剤を物理的に捕捉させることである。湿潤剤はレンズ本体内に永久的に捕捉させることができ、又は装用中などにレンズから経時的に放出させることができる。本開示の眼科的に許容される湿潤レンズ表面は、重合レンズ体の形成後にレンズ本体に物理的に捕捉された湿潤剤(例えば、ポリマー材料又は非ポリマー材料)が存在しなくても眼科的に許容される湿潤性となり得る。本レンズ内に1種以上の湿潤剤を物理的に捕捉させることができるが、完全に水和した際に眼科的に許容される湿潤レンズ表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために必ずしもそうする必要はない。よって、一例において、本開示のレンズは、レンズ内に捕捉された、例えば、ポリビニルピロリドンを含む親水性ポリマーなどの湿潤剤を含み得る。或いは、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズ内に物理的に捕捉された湿潤剤を含まなくてもよい。本明細書で用いる場合、物理的に捕捉されたとは、湿潤剤及び/又は他の成分とポリマーマトリックスの間に存在する化学的結合又は化学的相互作用がほとんど又は全くなく、レンズのポリマーマトリックス内に湿潤剤又は他の成分を固定化することを意味する。これは、イオン結合、共有結合、及びファンデルワールス力などによってポリマーマトリックスに化学的に結合される成分とは対照的である。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの湿潤性を高めるために当技術分野で慣用される別のアプローチは、重合性組成物に1種以上の湿潤剤を加えることを含む。一例において、湿潤剤はポリマー湿潤剤であり得る。しかしながら、本開示のコンタクトレンズは、重合レンズ体を形成するために用いた重合性組成物が湿潤剤を含まない場合に眼科的に許容される湿潤レンズ表面を持ち得る。本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの湿潤性を高めるために本重合性組成物に1種以上の湿潤剤を含めることができるが、眼科的に許容される湿潤レンズ表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために必ずしもそうする必要はない。言い換えれば、一例において、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、湿潤剤を含まない重合性組成物から形成することができる。或いは、別の例では、本発明の重合性組成物は、湿潤剤をさらに含んでもよい。
一例において、湿潤剤は、内部湿潤剤であり得る。内部湿潤剤は、レンズのポリマーマトリックスの少なくとも一部に結合させることができる。例えば、内部湿潤剤は、化学的結合又は別の形態の化学的相互作用によってレンズのポリマーマトリックスの少なくとも一部に結合させることができる。場合によっては、湿潤剤は、同様にレンズ表面に結合させることもできる。内部湿潤剤はポリマー材料又は非ポリマー材料を含み得る。本レンズのポリマーマトリックス内に1種以上の内部湿潤剤を結合させることができるが、完全に水和した際に眼科的に許容される湿潤レンズ表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために必ずしもそうする必要はない。よって、一例において、本開示のレンズは、レンズのポリマーマトリックスの少なくとも一部に結合された内部湿潤剤を含み得る。或いは、別の例では、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズのポリマーマトリックスの少なくとも一部に結合された内部湿潤剤を含まなくてもよい。
別の例では、湿潤剤は、内部ポリマー湿潤剤であり得る。内部ポリマー湿潤剤は、相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)又はセミIPNの一部として重合レンズ体中に存在し得る。相互貫入ポリマーネットワークは、少なくとも2つのポリマーによって形成され、それぞれはそれら自体で架橋されているが、互いに架橋されているものはない。同様に、セミIPNも少なくとも2つのポリマーによって形成され、そのうち少なくとも1つはそれら自体で架橋されているが、他のポリマーとは架橋されておらず、かつ、他のものはそれら自体でも他のポリマーとも架橋されていない。本開示の一例において、コンタクトレンズは、重合レンズ体がレンズ本体中にIPN又はセミIPNとして存在する内部ポリマー湿潤剤を含まない場合に、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を持ち得る。或いは、コンタクトレンズは、レンズ本体中にIPN又はセミIPNとして存在する内部ポリマー湿潤剤を含み得る。
さらに別の例では、湿潤剤は、レンズ本体を形成するために用いた重合性組成物中に存在する架橋化合物、又はレンズ本体が形成された後に重合レンズ体内に物理的に捕捉された架橋剤であり得る。湿潤剤が架橋化合物である場合、レンズ本体の重合又は重合レンズ体内への架橋剤の捕捉の後に、続いて、この架橋化合物は、レンズ本体が湿潤剤に接触した際に、レンズ本体に第2の湿潤剤を結合させることができる。この架橋は製造工程の一部として、例えば、洗浄工程の際に起こり得るか、又はレンズ本体がパッケージング溶液に接触した際に起こり得る。この架橋はイオン結合、又は共有結合、又はファンデルワールス引力の形を採りうる。架橋剤はボロン酸部分又はボロン酸基を含んでもよく、その結果、重合したボロン酸部分若しくはボロン酸基は重合レンズ体中に存在するようになるか、又はボロン酸部分若しくはボロン酸基は重合レンズ体内に物理的に捕捉されるようになる。例えば、架橋剤がボロン酸の形態を含む場合、第2の湿潤剤はポリ(ビニルアルコール)の形態を含んでもよく、これはボロン酸形態と結合するようになる。所望により、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、架橋剤を含まないと理解することができる。一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合ボロン酸部分又はボロン酸基を含むボロン酸部分又はボロン酸基を含まなくてもよく、すなわち、具体的には、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例えば、ビニルフェニルボロン酸(VPB)を含むボロン酸の重合性形態などのボロン酸の形態を含まない重合性組成物から形成することができ、ビニルフェニルボロン酸(VPB)などのボロン酸の重合性形態に由来する単位を含まないポリマーから形成することができ、かつ、重合レンズ体又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、その中に物理的に捕捉された、重合形態又は非重合形態のボロン酸を含むボロン酸の形態を含まなくてもよい。或いは、重合性組成物、又は重合レンズ体、又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、又はそれらの任意の組合せは、少なくとも1種の架橋剤を含んでもよい。
重合性組成物に湿潤剤を含めること及びレンズ表面を改質することに加え、レンズ表面の湿潤性を高めるために、揮発性有機溶媒又は揮発性有機溶媒の水溶液中での重合レンズ体の洗浄が使用されている。本開示によれば、本重合レンズ体を揮発性有機溶媒又は揮発性有機溶媒の水溶液中で洗浄することができるが、完全に水和した際に眼科的に許容される湿潤レンズ表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために必ずしもそうする必要はない。言い換えれば、一例において、本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、製造工程の一部として、揮発性有機溶媒の溶液を含む揮発性有機溶媒に一度も曝されない。一例において、本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、湿潤剤を含まない重合性組成物から形成することができ、又は重合レンズ体及び/若しくは水和コンタクトレンズは、湿潤剤を含まなくてよく、若しくは表面処理なしでよく、若しくは表面改質なしでよく、若しくは製造工程中に揮発性有機溶媒に曝されず、又はそれらの任意の組合せであり得る。代わりに、例えば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、揮発性有機溶媒を含まない洗浄液、例えば、水、又は揮発性低級アルコールを含まない液体を含む、揮発性有機溶媒を含まない水溶液中で洗浄することができる。
レンズ本体を抽出するために揮発性有機溶媒を用いると、有機溶媒のコスト、それらの溶媒の処分のコスト、防爆生産装置を使用する必要、及びパッケージング前にレンズから溶媒を除去する必要などの要因のために、製造コストに多大な影響を及ぼす。しかしながら、揮発性有機溶媒を含まない水性液中で抽出した場合に、眼科的に許容される湿潤レンズ表面を有するコンタクトレンズを一貫して生産することができる重合性組成物を開発することは簡単なことではない。例えば、揮発性有機溶媒を含まない水性液中で抽出を行ったコンタクトレンズのレンズ表面には非湿潤領域の存在が見られることが多い。
従前に述べたように、本開示の一例において、コンタクトレンズは、それらの製造中に、低級アルコールなどの揮発性有機溶媒に一度も曝されていないコンタクトレンズである。言い換えれば、このようなレンズに用いた洗浄、抽出及び水和液、並びに湿式離型、又は湿式脱レンズ、又は洗浄、又は他の任意の製造段階に用いた液体は全て、揮発性有機溶媒を含まない。一例において、揮発性有機溶媒と接触していないこれらのレンズを形成するために用いた重合性組成物は、例えば、親水性ビニルエーテル含有モノマーなどの親水性ビニル含有モノマー又はモノマー成分を含み得る。ビニル含有親水性モノマー又はモノマー成分としては、例えば、VMAが挙げられる。ビニルエーテル含有モノマーとしては、例えば、BVE、又はEGVE、又はDEGVE、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。特定の一例では、ビニルエーテル含有モノマーは、例えばDEGVEなど、BVEよりも親水性の高いビニルエーテル含有モノマーであり得る。別の例では、重合性組成物の親水性モノマー成分は、ビニル含有モノマーであるがビニルエーテル含有モノマーではない第1の親水性モノマーと、ビニルエーテル含有モノマーである第2の親水性モノマーとの混合物であり得る。このような混合物としては、例えば、VMAと、例えばBVE、又はDEGVE、又はEGVE、又はそれらの任意の組合せなどの1種以上のビニルエーテルとの混合物が挙げられる。
存在する場合、親水性ビニルエーテル含有モノマー又はモノマー成分は、重合性組成物中に、約1〜約15単位部、又は約3〜約10単位部の量で存在し得る。ビニルエーテルでない親水性ビニル含有モノマーとの混合物として存在する場合、ビニルエーテルでない親水性ビニル含有モノマー又はモノマー成分部分と親水性ビニルエーテル含有モノマー又はモノマー成分とは、重合性組成物中に、ビニルエーテルでない親水性ビニル含有モノマー又はモノマー成分の単位部と親水性ビニルエーテル含有モノマー又はモノマー成分の単位部の比として、少なくとも3:1、又は約3:1〜約15:1、又は約4:1の比で存在し得る。
本開示に従い、眼科的に許容される湿潤レンズ表面を有するコンタクトレンズ、特に、製造中に揮発性有機溶媒と接触していないレンズを含め、揮発性有機溶媒を含まない液体中で抽出されたレンズを製造する別のアプローチは、重合性組成物中に含めるビニル含有架橋剤又は架橋剤成分の量を制限することであり得る。例えば、ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分は、重合性組成物中に、約0.01〜約0.80単位部、又は0.01〜約0.30単位部、又は約0.05〜約0.20単位部の量で、又は約0.1単位部の量で存在し得る。一例において、ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分は、約2.0単位部を超える、又は1.0単位部を超える、又は約0.8単位部を超える、又は約0.5単位部を超える、又は約0.3単位部を超える量のビニル含有架橋剤又は架橋剤成分を含むこと以外は同じ重合性組成物から製造されたコンタクトレンズに比べて改善された湿潤性を有するコンタクトレンズを製造するのに有効な量で重合性組成物中に存在し得る。
ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分の量を制限すれば湿潤性を改善することができるが、一例において、重合性組成物にビニル含有架橋剤又は架橋剤成分を含めると、結果として重合性組成物から形成されたコンタクトレンズの寸法安定性を改善することができる。よって、いくつかの重合性組成物では、ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分が、ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分を含まないこと以外は同じ重合性組成物から製造されたコンタクトレンズに比べて、寸法安定性が改善されたコンタクトレンズを製造するのに有効な量で重合性組成物中に存在し得る。
本開示に従い、眼科的に許容される湿潤表面を有するコンタクトレンズ、特に、揮発性有機溶媒を含まない液体中で洗浄されたレンズを製造するためのさらに別のアプローチは、組成物中に存在する親水性ビニル含有モノマー又はモノマー成分の単位質量部と組成物中に存在するビニル含有架橋剤又は架橋剤成分の単位質量部の比に基づいた量のビニル含有架橋剤又は架橋剤成分を重合性組成物に含めることができる。例えば、親水性ビニル含有モノマー又はモノマー成分の総単位部と、ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分の総単位部は、重合性組成物中に存在する全親水性ビニル含有モノマーの単位質量部と重合性組成物中に存在する全ビニル含有架橋剤の総単位質量部の比として、約125:1を超える比、又は約150:1〜約625:1、又は約200:1〜約600:1、又は約250:1〜約500:1、又は約450:1〜約500:1の比で重合性組成物中に存在し得る。
一例において、本開示のコンタクトレンズは、眼科的に適合するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。以降に述べるように、コンタクトレンズが眼科的に適合するかどうかを判定するためには、多くの異なる判定基準を評価することができる。一例において、眼科的に許容されるコンタクトレンズは、完全に水和した際に眼科的に許容される湿潤表面を有する。眼科的に許容される湿潤表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズ装用者の眼の涙膜に、レンズ装用者がシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを眼に設置又は装用することに関する不快感を受ける又は訴えるほどの悪影響を与えないシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズと理解することができる。
開示されている重合性組成物の例は、調製当初に混和性であり得、コンタクトレンズの商業的製造に十分な期間、例えば、約2週間、又は約1週間、又は約5日間、混和性を維持することができる。一般に、重合及び処理してコンタクトレンズとした場合、混和性の重合性組成物は眼科的に許容される透明度を有するコンタクトレンズをもたらす。
シロキサンモノマーと親水性モノマーの混和性を高めるために一般に用いられるアプローチは、重合性組成物に有機希釈剤を加えて、親水性モノマーと一般に、より疎水性のシロキサンモノマーの間の相溶化剤として働かせること、又は低分子量(例えば、2500ダルトン未満の分子量)のシロキサンモノマーだけを使用することを含む。一例において、上記のような第1のシロキサンの使用により、本開示の重合性組成物中に高分子量の第2のシロキサンと高レベルの任意選択の1種以上の親水性モノマーの両方を含めることが可能となる。また、本明細書に開示されている本重合性組成物中に1種以上の有機希釈剤を含めることができるが、本開示に従って混和性の重合性組成物を得るために必ずしもそうする必要はない。言い換えれば、一例において、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、有機希釈剤を含まない重合性組成物から形成される。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、重合性組成物は有機希釈剤を含まず、かつ、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を持ち得る。
捕捉気泡法を含む、接触角を測定する種々の方法が当業者に知られている。接触角は静的又は動的接触角であり得る。本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、120度未満、例えば、完全に水和した際に90度未満、完全に水和した際に80度未満、完全に水和した際に70度未満、又は完全に水和した際に65度未満、又は完全に水和した際に60度未満、又は完全に水和した際に50度未満の捕捉気泡動的前進接触角を持ち得る。本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に70度未満、又は完全に水和した際に60度未満、又は完全に水和した際に55度未満、又は完全に水和した際に50度未満、又は完全に水和した際に45度未満の捕捉気泡静的接触角を持ち得る。
本開示によれば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約30〜約70質量%の平衡含水率(EWC)を持ち得る。例えば、コンタクトレンズは、完全に水和した際に、約45質量%〜約65質量%、又は約50質量%〜約63質量%、又は約50質量%〜約67質量%、又は約55質量%〜約65質量%のEWCを持ち得る。EWCを決定する方法は当業者に公知であり、乾燥工程中のレンズからの質量損失に基づき得る。
本コンタクトレンズは、少なくとも55バーラー(Dk≧55バーラー)の酸素透過率(又はDk)、又は少なくとも60バーラー(Dk≧60バーラー)の酸素透過率、又は少なくとも65バーラー(Dk≧65バーラー)の酸素透過率を持ち得る。本レンズは、約55バーラー〜約135バーラー、又は約60バーラー〜約120バーラー、又は約65バーラー〜約90バーラー、又は約50バーラー〜約75バーラーの酸素透過率を持ち得る。酸素透過率を決定する種々の方法は当業者に公知である。
本コンタクトレンズは、少なくとも55バーラー(Dk≧55バーラー)の酸素透過率、又は約30%〜約70%のEWC、又は70度未満の捕捉気泡動的前進接触角、又は55度未満の捕捉気泡静的接触角、又はそれらの任意の組合せを持ち得る。一例において、コンタクトレンズは、少なくとも60バーラー(Dk≧60バーラー)の酸素透過率、又は約35%〜約65%のEWC、又は70度未満の捕捉気泡動的前進接触角、又は55度未満の捕捉気泡静的接触角、又はそれらの任意の組合せを持ち得る。別の例では、本コンタクトレンズは、少なくとも65バーラーの酸素透過率、又は約45%〜約65%のEWC、又は70度未満の捕捉気泡動的前進接触角、又は55度未満の捕捉気泡静的接触角、又はそれらの任意の組合せを持ち得る。
一例において、本コンタクトレンズは、少なくとも55バーラーの酸素透過率、約30%〜約70%のEWC、70度未満の捕捉気泡動的前進接触角、及び55度未満の捕捉気泡静的接触角を有する。
本コンタクトレンズは、完全に水和した際に、約8.0×10-3mm2/分未満、又は約7.0×10-3mm2/分未満、又は約5.0×10-3mm2/分未満のイオノフラックスを持ち得る。イオノフラックスを決定する種々の方法は常法であり、当業者に公知である。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約0.20MPa〜約0.90MPaの平均引張りモジュラスを持ち得る。例えば、平均モジュラスは、約0.30MPa〜約0.80MPa、又は約0.40MPa〜約0.75MPa、又は約0.50MPa〜約0.70MPaであり得る。
本明細書で用いる場合、コンタクトレンズ又はレンズ本体のモジュラスは、ヤングモジュラスとしても知られる引張りモジュラスを意味すると理解される。これは弾性材料の堅さの指標である。引張りモジュラスは、ANSI Z80.20規格に従う方法を用いて測定することができる。一例において、引張りモジュラスは、Instronモデル3342又はモデル3343機械的試験システムを用いて測定することができる。
一例において、本コンタクトレンズは、湿潤抽出可能成分を持ち得る。湿潤抽出可能成分は、乾燥及び抽出試験前に完全に水和させ、滅菌したコンタクトレンズの、メタノール抽出中の質量損失に基づいて決定される。湿潤抽出可能成分は、重合性組成物の未反応又は部分的に反応した重合性成分を含み得る。湿潤抽出可能成分は、非重合性成分を含む重合性組成物から形成されたレンズについて、レンズ本体が完全に処理されて滅菌コンタクトレンズとなった後のレンズ本体に残留する有機溶媒抽出可能材料からなる。揮発性有機溶媒を含む抽出液又は有機溶媒を含まない抽出液のいずれかでの製造中に抽出されたレンズでは、ほとんどの場合、実質的に全ての非重合性成分がレンズ本体から除去されており、従って、湿潤抽出可能成分は、重合性組成物の反応性重合性成分、すなわち、未反応の重合性成分及び部分的に反応した重合性成分から形成された抽出可能成分から本質的になり得る。希釈剤を含まない重合性組成物から製造されたレンズでは、湿潤抽出可能成分は、抽出試験前のレンズ本体の乾燥質量に対して約1%wt/wt〜約15%wt/wt、又は約2%wt/wt〜約10%wt/wt、又は約3%wt/wt〜約8%wt/wtの量でコンタクトレンズ中に存在し得る。希釈剤を含む重合性組成物から製造されたレンズでは、湿潤抽出可能成分は、希釈剤の一部、並びに未反応及び部分的に反応した重合性成分からなり得、抽出試験前のレンズ本体の乾燥質量に対して約1%wt/wt〜約20%wt/wt、又は約2%wt/wt〜約15%wt/wtレンズ、又は約3%wt/wt〜約10%wt/wtの量でコンタクトレンズ中に存在し得る。
一例において、本コンタクトレンズは乾燥抽出可能成分を含む。乾燥抽出可能成分は、乾燥及び抽出試験前の、洗浄、抽出(製造工程の一部として)、水和又は滅菌されていない重合レンズ体のメタノール抽出中の質量損失に基づき決定される。乾燥抽出可能成分は、重合性組成物の未反応又は部分的に反応した重合性成分を含み得る。希釈剤などの任意選択の非重合性成分が重合性組成物中に存在する場合には、乾燥抽出可能成分はさらに非重合性成分を含み得る。
希釈剤を含まない重合性組成物から製造されたレンズでは、レンズの乾燥抽出可能成分は、主として、重合性組成物の重合性成分(すなわち、未反応又は部分的に反応した重合性成分)が関与する乾燥抽出可能成分からなり、また、例えば、着色剤、及び脱酸素剤などの、少量(例えば、3%wt/wt未満)で重合性組成物中に存在する任意選択の非重合性成分が関与する乾燥抽出可能材料も含み得る。希釈剤を含まない重合性組成物から製造されたレンズでは、乾燥抽出可能成分は、抽出試験前のレンズ本体の乾燥質量に対して、レンズ本体の約1%wt/wt〜約30%wt/wt、又は約2%wt/wt〜約25%wt/wt、又は約3%wt/wt〜約20%wt/wt、又は約4%wt/wt〜約15%wt/wt、又は2%wt/wt〜10%wt/wt未満の量で重合レンズ体中に存在し得る。
多量(例えば、3%wt/wtを超える)の、希釈剤などの任意選択の非重合性成分を含む重合性組成物から製造されたレンズでは、乾燥抽出可能成分は、重合性組成物の反応性成分が関与する抽出可能材料、並びに非重合性成分が関与する抽出可能成分からなる。コンタクトレンズ中に存在する反応性成分及び非重合性成分が関与する乾燥抽出可能成分の総量は、抽出試験前の重合レンズ体の乾燥質量に対して約1%wt/wt〜約75%wt/wt、又は約2%wt/wt〜約50%wt/wtレンズ、又は約3%wt/wt〜約40%wt/wt、又は約4%wt/wt〜約20%wt/wt、又は約5%〜約10%の量からなり得る。重合性成分(すなわち、未反応又は部分的に反応した重合性成分)が関与する乾燥抽出可能成分の総量は、抽出試験前のレンズ本体の乾燥質量に対して、レンズ本体の約1%wt/wt〜約30%wt/wt、又は約2%wt/wt〜約25%wt/wt、又は約3%wt/wt〜約20%wt/wt、又は約4%wt/wt〜約15%wt/wt、又は2%wt/wt〜10%wt/wt未満の量であり得る。
以下、本教示に従って、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの特定の具体例を記載する。
一例(例A)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、R1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)の各R2は独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、で表される第1のシロキサンモノマーと、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーと、第3のシロキサンモノマー又は少なくとも1種の架橋剤又は少なくとも1種の親水性モノマー又は少なくとも1種の疎水性モノマー又はそれらの任意の組合せを含む任意選択の第2の成分とを含んでなる、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、コンタクトレンズは完全に水和した際に約30%〜約40%のエネルギー損失を有する。一例において、重合性組成物が第3のシロキサンモノマーを含む場合、第3のシロキサンモノマーは、2個以上の官能基を有し、かつ、少なくとも3,000ダルトンの数平均分子量を有する第3のシロキサンモノマーであり得る。別の例では、重合性組成物は少なくとも1種の架橋剤を含む場合、少なくとも1種の架橋剤は、少なくとも1種のビニル含有架橋剤からなり得る。
第2の例(例B)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例Aに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は親水性モノマー又はモノマー成分をさらに含む。一例において、親水性モノマー又はモノマー成分は、重合性組成物中に、約30単位部〜約60単位部の量で存在し得る。
第3の例(例C)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はBに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、かつ、重合性組成物は疎水性モノマー又はモノマー成分をさらに含み、具体的には、親水性モノマーは、メチルメタクリレート(MMA)を含む、又はからなる。
第4の例(例D)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はB又はCに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物はビニル含有架橋剤又は架橋剤成分をさらに含む。一例において、架橋剤又は架橋剤成分は、ビニルエーテル含有架橋剤又は架橋剤成分を含み得る、又はからなり得、具体的には、架橋剤又は架橋剤成分は、トリエチレングリコールジビニルエーテル(TEGVE)を含み得る、又はからなり得る。
第5の例(例E)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はB又はC又はDに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、熱開始剤又は熱開始剤成分をさらに含む。
第6の例(例F)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はB又はC又はD又はEに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、脱酸素剤又は脱酸素剤成分をさらに含む。
第7の例(例G)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はB又はC又はD又はE又はFに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、UV吸収剤又はUV吸収剤成分をさらに含む。
第8の例(例H)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はB又はC又はD又はE又はF又はGに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は着色剤又は着色剤成分をさらに含む。
第9の例(例I)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はB又はC又はD又はE又はF又はG又はHに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、式(2)で表される第2のシロキサンモノマーをさらに含み、式中、式(2)のR1は水素原子又はメチル基のいずれかから選択され;式(2)のR2は水素又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかから選択され;式(2)のmは0〜10の整数を表し;式(2)のnは4〜100の整数を表し;a及びbは1以上の整数を表し;a+bは20〜500に相当し;b/(a+b)は0.01〜0.22に相当し;かつシロキサン単位の構造はランダム構造を含む。一例として、第2のシロキサンモノマーは式(2)で表すことができ、式中、式(2)のmは0であり、式(2)のnは5〜10のうち1つの整数であり、aは65〜90のうち1つの整数であり、bは1〜10のうち1つの整数であり、式(2)のR1はメチル基であり、かつ、式(2)のR2は水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかである。
第10の例(例J)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はB又はC又はD又はE又はF又はG又はH又はIに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物はメタクリレート含有架橋剤又は架橋剤成分をさらに含み、具体的には、架橋剤又は薬剤成分は、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)を含み得る、又はからなり得る。この例では、重合性組成物が架橋剤成分の一部としてビニルエーテル含有架橋剤も含む場合、具体的には、架橋剤成分は、トリエチレングリコールジビニルエーテル(TGDVE)を、メタクリレート含有架橋剤(具体的には、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)を含み得る、又はからなり得る)と組み合わせて含み得る、又はからなり得る。この例では、重合性組成物は、それぞれ反応比の異なる2種の架橋剤を含み、すなわち、重合性組成物は、ビニル含有架橋剤及びメタクリレート含有架橋剤を含む、又はからなる架橋剤成分を含み、メタクリレート含有架橋剤は、より反応性の高い重合性官能基を有し、従って、ビニル含有架橋剤中に存在するビニル重合性官能基よりも速く反応すると認識することができる。
第11の例(例K)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はB又はC又はD又はE又はF又はG又はH又はI又はJに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、具体的には、アリルオキシエタノール(AE)を含み得る、又はからなり得る連鎖移動剤又は連鎖移動剤成分をさらに含む。
第12の例(例L)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はB又はC又はD又はE又はF又はG又はH又はI又はJ又はKに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、具体的には、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)を含み得る、又はからなり得る疎水性モノマー又は疎水性モノマー成分をさらに含む。
第13の例(例M)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はB又はC又はD又はE又はF又はG又はH又はI又はJ又はK又はLに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、親水性ビニルエーテル含有モノマー又はモノマー成分をさらに含み、例えば、親水性ビニルエーテル含有モノマー又はモノマー成分は、1,4−ブタンジオールビニルエーテル(BVE)、又はエチレングリコールビニルエーテル(EGVE)、又はジエチレングリコールビニルエーテル(DEGVE)、又はそれらの任意の組合せを含み得る、又はからなり得る。
第14の例(例N)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又はB又はC又はD又はE又はF又はG又はH又はI又はJ又はK又はL又はMに記載されているような重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、コンタクトレンズは、レンズを形成するために用いる重合性組成物が内部湿潤剤を含まない場合、又は重合レンズ体を形成するために用いる重合性組成物が有機希釈剤を含まない場合、又は重合レンズ体が揮発性有機溶媒を含まない液体中で抽出される場合、又はレンズが表面プラズマ処理、又はそれらの任意の組合せを含まない場合に、眼科的に許容される湿潤レンズ表面を有する。
以上の例A〜Nのいずれか又はそれぞれにおいて、並びに本明細書に開示されている他のいずれか又は全ての例において、第1のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の20〜45単位部であり得る。第1のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の25〜40単位部であり得る。第1のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の27〜35単位部であり得る。
以上の例A〜Nのいずれか又はそれぞれにおいて、並びに本明細書に開示されている他のいずれか又は全ての例において、任意選択の第2のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の1〜20単位部であり得る。第2のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の2〜15単位部であり得る。第2のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の5〜13単位部であり得る。別の例では、第1のシロキサンモノマーと第2のシロキサンの単位部の比は、少なくとも1:1、又は少なくとも2:1であり得る。
以上の例A〜Nのいずれか又はそれぞれにおいて、並びに本明細書に開示されている他のいずれか又は全ての例において、重合性組成物中に存在する親水性モノマー又はモノマー成分の量は、重合性組成物の1〜60単位部であり得る。親水性モノマー成分は、重合性組成物の4〜60単位部を構成し得る。親水性モノマーがVMAを含む、又はからなる場合、それは30〜60単位部の量で存在し得る。VMAは、重合性組成物中に約40〜約50単位部の量で存在し得る。親水性モノマー、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、又は2−ヒドロキシルブチルメタクリレート(HOB)、又はそれらの任意の組合せが親水性モノマー成分中の親水性モノマーとして重合性組成物中に存在する場合、それぞれ又は全ては約3〜約10単位部の量で存在し得る。
以上の例A〜Nのいずれか又はそれぞれにおいて、並びに本明細書に開示されている他のいずれか又は全ての例において、重合性組成物中に存在する疎水性モノマー又はモノマー成分の量は、重合性組成物の1〜30単位部であり得る。例えば、疎水性モノマー又はモノマー成分の総量は、重合性組成物の約5〜約20単位部であり得る。疎水性モノマーMMAが疎水性モノマーとして又は疎水性モノマー成分の一部として存在する重合性組成物において、MMAは約5〜約20単位部、又は約8〜約15単位部の量で存在し得る。
以上の例A〜Nのいずれか又はそれぞれにおいて、並びに本明細書に開示されている他のいずれか又は全ての例において、重合性組成物中に存在する架橋剤又は架橋剤成分の量は、重合性組成物の0.01〜4単位部であり得る。TEGDVEは、0.01〜1.0単位部の量で存在し得る。EGDMAは、0.01〜1.0単位部の量で存在し得る。TEGDMAは、0.1〜2.0単位部の量で存在し得る。これらの非ケイ素架橋剤のそれぞれは、重合性組成物中に単独で又は任意の組合せで存在し得る。
以上の例A〜Nのいずれか又はそれぞれにおいて、並びに本明細書に開示されている他のいずれか又は全ての例において、重合性組成物がEGMA、BVE、DEGVE、EGVE、又はそれらの任意の組合せを含む場合、それらはそれぞれ、重合性組成物の1〜20単位部の量で存在し得る。EGMAは、約2〜約15単位部の量で存在し得る。BVEは、1〜約15単位部の量で存在し得る。BVEは、約3〜約7単位部の量で存在し得る。DEGVEは、1〜約15単位部の量で存在し得る。DEGVEは、約7〜約10単位部の量で存在し得る。EGVEは、1〜約15単位部の量、又は約3〜約7単位部の量で存在し得る。
以上の例A〜Nのいずれか又はそれぞれにおいて、並びに本明細書に開示されている他のいずれか又は全ての例において、開始剤若しくは開始剤成分、着色剤若しくは着色剤成分、UV吸収剤若しくはUV吸収剤成分、脱酸素剤若しくは脱酸素剤成分、又は連鎖移動剤若しくは連鎖移動剤成分などの他の任意選択成分は、約0.01〜約3単位部の量で存在し得る。開始剤又は開始剤成分は、重合性組成物中に0.1〜1.0単位部の量で存在し得る。熱開始剤又は熱開始剤成分、例えば、Vazo−64が存在する場合には、それは約0.3〜約0.5単位部の量で存在し得る。着色剤又は着色剤成分は、0.01〜1単位部の量で存在し得る。反応性色素、例えば、Reactive Blue 246又はReactive Blue 247を着色剤として又は着色剤成分の一部として使用する場合には、それらはそれぞれ約0.01単位部の量で存在し得る。UV吸収剤又はUV吸収剤成分は、0.1〜2.0単位部の量で存在し得る。例えば、以下の実施例1〜28に記載のUV吸収剤UV1は、約0.8〜約1.0単位部、例えば、0.9単位部の量で存在し得;又は以下の実施例1〜28に記載のUV吸収剤UV2は、0.5〜2.5単位部、例えば、約0.9〜約2.1単位部の量で存在し得る。脱酸素剤又は脱酸素剤成分は、0.1〜1.0単位部の量で存在し得る。一例として、トリフェニルホスフィン(TPP)又はジフェニル(P−ビニルフェニル)ホスフィン(pTPP)又はそれらの任意の組合せを重合性組成物における脱酸素剤又は脱酸素剤成分として使用する場合には、それぞれ又は組合せは、0.3〜0.7単位部、例えば、約0.5単位部の量で存在し得る。連鎖移動試薬又は連鎖移動試薬成分は、重合性組成物中に、0.1〜2.0単位部の量で存在し得、以下の実施例1〜28の多くでは、0.2〜1.6単位部の量で存在し得る。例えば、連鎖移動試薬アリルオキシエタノール(AE)は、約0.3〜約1.4単位部の量で存在し得る。
以上の例A〜Nのいずれか又はそれぞれにおいて、並びに本明細書に開示されている他のいずれか又は全ての例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物中に、又は重合レンズ体、又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ中に存在する湿潤剤を含まなくてよい。同様に、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、表面処理又は表面改質を行わないレンズ表面を持ち得る。しかしながら、別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物中、重合レンズ体中、又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ中に少なくとも1種の湿潤剤(すなわち、単一の湿潤剤又は湿潤剤成分として存在する2種以上の湿潤剤)を含み得る。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、処理された又は改質されたレンズ表面を持ち得る。加えて、又はその代わりに、以上の例A〜Nのいずれか又はそれぞれ、並びに本明細書に開示されているシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの他のいずれか又は全ての例において、コンタクトレンズは、例えばボロン酸の形態などの架橋剤を含まないと理解することができる。
別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ及び方法に関して本明細書に記載されているそれぞれ及び全ての重合性組成物を含む、新規重合性組成物が提供される。重合性組成物は、それらが、重合性組成物の相分離を軽減する助けとなり得るアルコールなどの有機溶媒を含有しないという点で、希釈剤不含であり得る。しかしながら、このような希釈剤不含重合性組成物は、アリルオキシエタノールなどの1種以上の連鎖移動剤はやはり含み得る。しかしながら、所望により、重合性組成物は希釈剤又は希釈剤成分を含んでよく、それは1〜20単位部の量で存在し得る。
本明細書に記載されるように、式(1)で表される第1のシロキサンモノマーと、第2のシロキサンモノマー、又は少なくとも1種の架橋剤、又は両方に由来する単位を含む重合レンズ体を含む本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、そのバッチの少なくとも20の個々のレンズに関して測定された値の平均に基づき、約30%wt/wt〜約70%wt/wtの平均平衡含水率(EWC)、又は少なくとも55バーラーの平均酸素透過率、又は70度未満の平均捕捉気泡動的前進接触角、又は55度未満の平均捕捉気泡静的接触角、又はそれらの任意の組合せを有する。よって、本開示はまた、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチに関する。
本明細書で用いる場合、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、2個以上のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの群を意味し、多くの場合、バッチは、少なくとも10個、又は少なくとも100個、又は少なくとも1,000個のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを意味する。本開示によれば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、複数の、本明細書に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのいずれかを含む。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、本開示に従う複数のコンタクトレンズを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、バッチの少なくとも20の個々のレンズに関して測定された値の平均に基づき、少なくとも55バーラーの平均酸素透過率、完全に水和した際に約0.2MPa〜約0.9MPaの平均引張りモジュラス、完全に水和した際に70度未満の平均捕捉気泡動的前進接触角、及び完全に水和した際に55度未満の平均捕捉気泡静的接触角から選択される少なくとも2つの平均値を有する。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは複数のコンタクトレンズを含み、各コンタクトレンズは、重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、バッチの少なくとも20の個々のレンズに関して測定された値の平均に基づき、約25%〜約45%のエネルギー損失を有し、かつ、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、完全に水和した際に、約30%wt/wt〜約70%wt/wtの平均平衡含水率(EWC)、又は少なくとも55バーラーの平均酸素透過率、又は70度未満の平均捕捉気泡動的前進接触角、又は55度未満の平均捕捉気泡静的接触角、又はそれらの任意の組合せを有する。一例において、最初に、製造後短時間のうちに試験し、次いで、後の時点で再び試験した場合、レンズバッチは、その平均物理物理的寸法に変化を示し得る。本開示に従うレンズバッチは寸法的に安定であるので、それらはそれらの平均物理的寸法に許容されるレベルの変化を示し得る。本明細書で用いる場合、寸法安定性変動は、レンズバッチが最初に、その製造後短時間のうちに試験される際に測定された物理的寸法の値と、レンズバッチが後の時点で再び試験される際に測定された物理的寸法の値の間の、物理的寸法の値の変動を意味すると理解される。後の時点とは、例えば、最初の時点の少なくとも2週間後から最初の時点の7年後までであり得る。バッチのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、そのバッチからの代表数のレンズ、例えば、そのバッチからの20個のレンズのレンズ直径測定値の平均に基づき、プラス又はマイナス3パーセント(±3.0%)未満の平均寸法安定性変動を有する。レンズバッチについて、プラス又はマイナス3パーセント(±3.0%)未満の平均寸法安定性変動は、寸法的に安定なバッチであるとみなされ、ここで、平均寸法安定性変動は、最初の時点でそのレンズバッチの製造日から1日以内に測定した際の物理的寸法の値と、第2の時点での値の変動であり、第2の時点は、バッチが室温で保存される場合には、最初の時点から2週間から7年であり、又はバッチが高温で保存される場合(すなわち、加速化貯蔵寿命試験条件下)では、第2の時点は、室温で2週間から7年までのバッチの貯蔵の代表的な時点である。一例において、平均寸法安定性変動の判定に特に有用な加速化貯蔵寿命試験条件は70℃で4週間であるが、他の時間及び他の温度も使用可能である。平均寸法安定性変動は、最初に測定された代表的レンズの実直径(直径初期)と室温又は加速化貯蔵寿命条件下で貯蔵した後に測定された代表的レンズの実直径(直径最終)を用い、代表的レンズのそれぞれについて個々の寸法安定性変動の平均をとることにより決定される。最初に測定される代表的レンズと貯蔵後に測定される代表的レンズは同じレンズであっても異なるレンズであってもよい。本明細書で用いる場合、平均寸法安定性変動は、パーセント(%)として表される。個々の寸法安定性変動は、下式(A):
((直径最終−直径初期)/直径初期)×100 (A)
を用いて求められる。
平均で、バッチのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの直径は、目標値のどの直径においても3パーセント未満だけ変動する(±3.0%)。一例として、コンタクトレンズが14.20mmの目標直径(コード直径)を有する場合、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズバッチは13.77mm〜14.63mmの平均直径(バッチ内の集団の平均)を有することになる。一例において、寸法安定性変動は、プラス又はマイナス2パーセント(±2.0%)未満である。一例として、コンタクトレンズが14.20mmの目標直径(コード直径)を有する場合、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズバッチは13.92mm〜14.48mmの平均直径(バッチ内の集団の平均)を有することになる。好ましくは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズバッチの平均直径は、目標直径からプラス又はマイナス0.20mmを超える変動を示さず、一般に13.00mm〜15.00mmである。
加速化貯蔵寿命試験では、平均寸法安定性変動は、40℃を超える温度、例えば、50℃、又は55℃、又は65℃、又は70℃、又は80℃、又は95℃などの高温で一定期間貯蔵したコンタクトレンズについて決定することができる。又は、平均寸法安定性は室温(例えば、約20〜25℃)で一定期間貯蔵したコンタクトレンズについて決定することができる。
加速化貯蔵寿命試験では、下式を用いて、室温での所望の期間の貯蔵に相当する、特定の温度での貯蔵の月数を求めることができる。
所望の貯蔵寿命=[N×2y]+n (B)
式中、
N=加速化条件下での貯蔵の月数
y=加速係数
y=(試験温度−25℃)/10℃
n=試験開始時のレンズの月齢
この式に基づき、以下の貯蔵時間を算出した:35℃で6ヶ月の貯蔵は、25℃で1年の加齢に相当し、45℃で3ヶ月の貯蔵は、25℃で1年の加齢に相当し、55℃で3ヶ月の貯蔵は、25℃で2年の加齢に相当し、65℃で3ヶ月の貯蔵は、25℃で4年の加齢に相当する。
本開示はまた、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法も提供する。本教示によれば、本方法は重合性組成物を準備することを含む。重合性組成物、又はコンタクトレンズ配合物は、式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)の各R2は独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、で表される第1のシロキサンモノマーを含む。式(1)の第1のシロキサンモノマーの他、重合性組成物はまた、第2のシロキサンモノマー、又は少なくとも1種の架橋剤、又は両方を含む。重合性組成物の成分は、得られるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、完全に水和した際に、約30%wt/wt〜約70%wt/wt、例えば、約45%wt/wt〜約65%wt/wt又は約50%wt/wt〜約67%wt/wt、又は約50%〜約63%、又は約55%wt/wt〜約65%wt/wtの平衡含水率(EWC)を有するような量で存在し得る。
本方法はまた、重合性組成物を重合させて重合レンズ体を形成する段階も含み得る。重合性組成物を重合させる段階は、コンタクトレンズ金型アセンブリ内で行うことができる。重合性組成物は熱可塑性ポリマーから形成された金型で注型成形することができる。金型の成形面を形成するために使用される熱可塑性ポリマーは極性ポリマーを含んでもよく、又は無極性ポリマーを含んでもよい。或いは、重合性組成物は、スピンキャスティング、射出成形、続いてレンズ本体が旋盤形成される重合ロッドの形成など、当業者に公知の種々の方法を介してレンズへと形成することができる。
本方法はまた、重合レンズ体を洗浄液と接触させて、そうでなければ重合レンズ体、希釈剤などに物理的に固定化されない未反応モノマー、未架橋材料などの抽出可能材料を除去することも含み得る。洗浄液は、揮発性有機溶媒を含まない液体であってもよく、又は揮発性有機溶媒(例えば、揮発性有機溶媒又は揮発性有機溶媒の溶液であり得る)を含んでもよい。
本開示によれば、重合レンズ体は、ブリスターパック又はガラスバイアルなどのコンタクトレンズパッケージ内に、コンタクトレンズパッケージング溶液とともにパッケージングすることができる。パッケージング後、パッケージは密封してもよく、かつ、重合レンズ体及びコンタクトレンズパッケージング溶液を、例えば、密封パッケージをオートクレーブ処理することによって滅菌し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製品を得ることができる。
本方法は、これらの段階を繰り返して複数のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを生産することをさらに含み得る。
本方法のいずれにおいても、式(1)のmが4であり、式(1)のnが1であり、式(1)のR1がブチル基であり、かつ、式(1)の各R2が独立に水素原子又はメチル基のいずれかである式(1)で表されるモノマーなどの特定の第1のシロキサンモノマーを、重合性組成物中に提供することができる。
本方法のいずれにおいても、第2のシロキサンモノマー又は任意選択の少なくとも1種の第3のシロキサンモノマーは式(2):
Figure 0005842297
で表すことができ、式中、式(2)のR1は水素原子又はメチル基のいずれかから選択され;式(2)のR2は水素又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかから選択され;式(2)のmは0〜10の整数を表し;式(2)のnは4〜100の整数を表し;a及びbは1以上の整数を表し;a+bは20〜500に相当し;b/(a+b)は0.01〜0.22に相当し;かつ、シロキサン単位の構造はランダム構造を含む。一例として、シロキサンモノマーは、式(2)で表すことができ、式中、式(2)のmは0であり、式(2)のnは5〜15のうち1つの整数であり、aは65〜90のうち1つの整数であり、bは1〜10のうち1つの整数であり、式(2)のR1はメチル基であり、かつ、式(2)のR2は水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかである。
本方法において、重合レンズ体を洗浄液と接触させる段階は、抽出可能材料は本工程中に重合レンズ体から除去することができるので、抽出段階であると理解することができる。洗浄液が水又は揮発性有機溶媒を含まない水溶液を含む場合、接触段階は、抽出段階と水和段階の双方であると理解することができる。本方法の別の例において、接触段階は、重合レンズ体を、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコールなどの第1級アルコールを含有する液体などの揮発性有機溶媒を含む洗浄液と接触させることを含み得る。洗浄液は、イソプロピルアルコールなどの第2級アルコールを含むことができる。1種以上の揮発性有機溶媒を含有する洗浄液を使用すれば、重合レンズ体からの疎水性材料の除去の助けとなり得、従って、得られるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの湿潤性が高まり得る。このような方法は、揮発性有機溶媒系抽出段階であると理解することができる。他の方法では、接触段階は、重合レンズ体を、揮発性有機溶媒を含まない水性洗浄液と接触させることを含む。このような方法は、洗浄液に揮発性有機溶媒が含まれないので、完全に水性の洗浄段階であると理解することができる。このような方法に使用可能な水系洗浄液としては、脱イオン水などの水、生理食塩水溶液、緩衝溶液、又は脱イオン水単独の使用に比べて、重合コンタクトレンズ本体からの疎水性成分の除去を改善することができる、若しくは重合コンタクトレンズ本体のゆがみを軽減することができる界面活性剤若しくは他の不揮発性成分を含有する水溶液が挙げられる。
洗浄後、コンタクトレンズは、界面活性剤、抗炎症薬、抗菌薬、コンタクトレンズ湿潤剤などを含んでも含まなくてもよい緩衝生理食塩水溶液などのパッケージング溶液とともに、プラスチックブリスターパックなどのパッケージ内に入れることができ、密封及び滅菌することができる。本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをパッケージングするために使用されるパッケージング溶液は、レンズ表面の湿潤性を高めるために湿潤剤を含んでもよい。しかしながら、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ表面は、湿潤剤を含むパッケージング溶液と接触させる前に眼科的に許容される湿潤性表面を有すること、及びパッケージング溶液に湿潤剤を使用することは、すでに眼科的に許容されている湿潤性表面の湿潤性を高めることのみのためであること、従って、眼科的に許容される湿潤性表面を有するコンタクトレンズを提供する必要は必ずしもないことが理解されるであろう。
別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ及び方法に関して本明細書に記載されるそれぞれ及び全ての重合性組成物を含む新規な重合性組成物が提供される。重合性組成物は、それらが、重合性組成物の相分離の軽減を助けることがきるアルコールなどの有機溶媒を含まないという点で、希釈剤又は溶媒不含であり得る。しかしながら、このような希釈剤不含重合性組成物は、アリルオキシエタノールなどの1種以上の連鎖移動剤をさらに含むことができる。しかしながら、所望により、重合性組成物は、1〜20単位部の量で存在し得る希釈剤を含んでもよい。
本明細書に記載されるように、式(1)で表される第1のシロキサンモノマー、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーに由来する単位を含む重合レンズ体を含む本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。一例において、第2のシロキサンモノマーは、式(2)で表される第2のシロキサンモノマーであってよく、シリコーンヒドロゲルレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%、又は約27%〜約40%、又は約30%〜約37%のエネルギー損失を有する。よって、本開示はまた、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチにも関する。
本明細書で用いる場合、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、2個以上のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの群を意味し、多くの場合、バッチは、少なくとも10個、又は少なくとも100個、又は少なくとも1,000個のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを意味する。本開示によれば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、複数の、本明細書に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのいずれかを含む。
一例において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、本開示に従う複数のコンタクトレンズを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、完全に水和した際に、約25%〜約45%、又は約27%〜約40%、又は約30%〜約37%の平均エネルギー損失を有する。
別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、本開示に従う複数のコンタクトレンズを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズバッチは、完全に水和した際に、そのバッチの少なくとも20の個々のレンズに関して測定された値の平均に基づき、30%〜70%の平均平衡含水率(EWC)、又は少なくとも55バーラーの平均酸素透過率、又は約0.2MPa〜約0.9MPaの平均引張りモジュラス、又は70度未満の平均捕捉気泡動的前進接触角、又は55度未満の平均捕捉気泡静的接触角、又はそれらの任意の組合せを有する。
さらに別の例では、バッチのコンタクトレンズは、例えば、そのバッチからの20個のレンズなど、そのバッチからの代表数のレンズの平均レンズ直径測定値に基づいた平均寸法安定性変動を持ち得る。レンズバッチについて、プラス又はマイナス3パーセント(±3.0%)未満の平均寸法安定性変動は、室温で貯蔵した場合には、2週間から7年の期間にわたって、又は加速化貯蔵寿命試験条件下で保存した場合には、室温で2週間から7年の貯蔵に相当する期間及び温度で、寸法的に安定なバッチであるとみなされる。一例において、平均寸法安定性変動の判定に特に有用な加速化貯蔵寿命試験条件は70℃で4週間であるが、他の期間及び温度も使用可能である。平均寸法安定性変動は、室温又は加速化貯蔵寿命条件下で貯蔵する前(直径初期)と貯蔵後(直径最終)の代表的レンズの実直径を用い、代表的レンズの実直径代表的レンズのそれぞれについて個々の寸法安定性変動の平均をとることにより決定される。本明細書で用いる場合、平均寸法安定性変動は、パーセント(%)として表される。個々の寸法安定性変動は、下式(A):
((直径最終−直径初期)/直径初期)×100 (A)
を用いて求められる。
平均で、バッチのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの直径は、目標値のどの直径においても3パーセント未満だけ変動する(±3.0%)。一例として、コンタクトレンズが14.20mmの目標直径(コード直径)を有する場合、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズバッチは13.77mm〜14.63mmの平均直径(バッチ内の集団の平均)を有することになる。寸法安定性変動は、プラス又はマイナス2パーセント(±2.0%)未満であってもよい。一例として、コンタクトレンズが14.20mmの目標直径(コード直径)を有する場合、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズバッチは13.92mm〜14.48mmの平均直径(バッチ内の集団の平均)を有することになる。好ましくは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズバッチの平均直径は、目標直径からプラス又はマイナス0.20mmを超える変動を示さず、一般に13.00mm〜15.00mmである。
加速化貯蔵寿命試験では、平均寸法安定性変動は、40℃を超える温度、例えば、50℃、又は55℃、又は65℃、又は70℃、又は80℃、又は95℃などの高温で一定期間貯蔵したコンタクトレンズについて決定することができる。又は、平均寸法安定性は室温(例えば、約20〜25℃)で一定期間貯蔵したコンタクトレンズについて決定することができる。
加速化貯蔵寿命試験では、下式を用いて、室温での所望の期間の貯蔵に相当する、特定の温度での貯蔵の月数を下式(C)によって求めることができる。
所望の貯蔵寿命=[N×2y]+n (C)
式中、
N=加速化条件下での貯蔵の月数
y=加速係数
y=(試験温度−25℃)/10℃
n=試験開始時のレンズの月齢
この式に基づき、以下の貯蔵時間を算出した:35℃で6ヶ月の貯蔵は、25℃で1年の加齢に相当し、45℃で3ヶ月の貯蔵は、25℃で1年の加齢に相当し、55℃で3ヶ月の貯蔵は、25℃で2年の加齢に相当し、65℃で3ヶ月の貯蔵は、25℃で4年の加齢に相当する。
本開示はまた、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法も提供する。本教示によれば、本方法は重合性組成物を準備することを含む。重合性組成物、又はコンタクトレンズ配合物は、式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)の各R2は独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、で表される第1のシロキサンモノマーを含む。重合性組成物はまた、第2のシロキサンモノマーを含む。本開示の方法を用いて製造されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に約25%〜約45%のエネルギー損失、例えば、完全に水和した際に約27%〜約40%のエネルギー損失、又は完全に水和した際に約30%〜約37%のエネルギー損失を有する。一例において、第2のシロキサンモノマーは、2個以上の官能基を有し、かつ、少なくとも3,000ダルトンの数平均分子量を有するシロキサンモノマーであり得る。一例において、本方法は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であり、混和性の重合性組成物を準備すること、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ内で重合させて重合レンズ体を形成すること;重合レンズ体を洗浄液と接触させて重合レンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合レンズ体をコンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズパッケージング溶液中にパッケージングすることを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。
本方法はまた、重合性組成物を重合して重合レンズ体を形成する段階を含み得る。本開示の実施例1〜28に記載されている方法では、重合性組成物を重合させる段階は、コンタクトレンズ金型アセンブリ内で行う。重合性組成物は熱可塑性ポリマーから形成された金型で注型成形することができる。金型の成形面を形成するために使用される熱可塑性ポリマーは極性ポリマーを含んでもよく、又は無極性ポリマーを含んでもよい。他のいくつかの方法では、重合性組成物は、スピンキャスティング、射出成形、続いてレンズ本体が旋盤形成される重合ロッドの形成など、当技術分野で公知の種々の方法を介してレンズへと形成することができる。
本方法はまた、重合レンズ体を洗浄液と接触させて、そうでなければ重合レンズ体、希釈剤などに物理的に固定化されない未反応モノマー、未架橋材料などの抽出可能材料を除去することも含み得る。
一例において、本方法はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であり、混和性の重合性組成物を準備すること、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ内で重合させて重合レンズ体を形成すること;重合レンズ体を洗浄液と接触させて重合レンズ体から抽出可能材料を除去すること、ここで、接触段階は重合レンズ体を、揮発性有機溶媒を含まない洗浄液と接触させることを含み;及び重合レンズ体をコンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズパッケージング溶液中にパッケージングすることを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。
本方法によれば、重合レンズ体は、ブリスターパック又はガラスバイアルなどのコンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズパッケージング溶液中にパッケージングすることができる。パッケージング後、パッケージは密封してもよく、かつ、重合レンズ体及びコンタクトレンズパッケージング溶液を、例えば、密封パッケージをオートクレーブ処理することによって滅菌することができる。
本方法は、これらの段階を繰り返して複数のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを生産することをさらに含み得る。複数のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に約25%〜約45%の平均エネルギー損失、例えば、完全に水和した際に約27%〜約40%の平均エネルギー損失、又は完全に水和した際に約30%〜約37%の平均エネルギー損失を有する。
一例において、本方法はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であり、混和性の重合性組成物を準備すること、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ内で重合させて重合レンズ体を形成すること;重合レンズ体を洗浄液と接触させて重合レンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合レンズ体をコンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズパッケージング溶液中にパッケージングすることを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に約27%〜約40%、又は約30%〜約37%のエネルギー損失を有する。
別の例では、本方法はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であり、混和性の重合性組成物を準備すること、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマーと、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ内で重合させて重合レンズ体を形成すること;重合レンズ体を洗浄液と接触させて重合レンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合レンズ体をコンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズパッケージング溶液中にパッケージングすることを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に約25%〜約45%のエネルギー損失を有し、エネルギー損失は式(B):
((エネルギー0から100%ひずみ−エネルギー100から0%ひずみ)/エネルギー0から100%ひずみ)×100 (B)
式中、エネルギー0から100%ひずみは、レンズのサンプルを一定速度で100%ひずみにまで伸ばすためにかけられるエネルギーを表し、エネルギー100から0%ひずみは、レンズのサンプルが100%から0%ひずみに戻される際に解放されるエネルギーを表す、を用いて計算される。
所望により、複数のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの重合レンズ体は、2週間から7年の期間にわたってプラス又はマイナス3パーセント未満の寸法安定性変動を持ち得、寸法安定性変動(%)はレンズ直径から下式(B):
((直径最終−直径初期)/直径初期)×100 (B)
によって求められる。
一例において、本方法はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であり、混和性の重合性組成物を準備すること、重合性組成物は、(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、で表される第1のシロキサンモノマー(第1のシロキサンモノマーは400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する)と、(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーとを含み;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ内で重合させて重合レンズ体を形成すること;重合レンズ体を洗浄液と接触させて重合レンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合レンズ体をコンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズパッケージング溶液中にパッケージングすることを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に約25%〜約45%のエネルギー損失を有する。
本方法のいずれにおいても、式(1)のmが4であり、式(1)のnが1であり、式(1)のR1がブチル基であり、かつ、式(1)の各R2が独立に水素原子又はメチル基のいずれかである式(1)で表されるモノマーなどの特定の第1のシロキサンモノマーを、重合性組成物中に提供することができる。
本方法のいずれにおいても、第2のシロキサンモノマーは式(2):
Figure 0005842297
で表すことができ、式中、式(2)のR1は水素原子又はメチル基のいずれかから選択され;式(2)のR2は水素又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかから選択され;式(2)のmは0〜10の整数を表し;式(2)のnは4〜100の整数を表し;a及びbは1以上の整数を表し;a+bは20〜500に相当し;b/(a+b)は0.01〜0.22に相当し;かつ、シロキサン単位の構造はランダム構造を含む。一例として、第2のシロキサンモノマーは、式(2)で表すことができ、式中、式(2)のmは0であり、式(2)のnは5〜15のうち1つの整数であり、aは65〜90のうち1つの整数であり、bは1〜10のうち1つの整数であり、式(2)のR1はメチル基であり、かつ、式(2)のR2は水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかである。
本方法において、重合レンズ体を洗浄液と接触させる段階は、抽出可能材料は重合レンズ体から除去されるので、抽出段階であると理解することができる。本方法の別の例において、接触段階は、重合レンズ体を、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコールなどの第1級アルコールを含有する液体などの揮発性有機溶媒を含む洗浄液と接触させることを含む。洗浄液は、イソプロピルアルコールなどの第2級アルコールを含むことができる。1種以上の揮発性有機溶媒を含有する洗浄液を使用すれば、重合レンズ体からの疎水性材料の除去の助けとなり得る。このような抽出段階は、アルコール系抽出段階であると理解することができる。本方法の別の例では、接触段階は、重合レンズ体を、揮発性有機溶媒を含まない水性洗浄液と接触させることを含み得る。このような抽出段階は、水性抽出段階であると理解することができる。このような方法に使用可能な水性洗浄液としては、例えば、脱イオン水などの水、生理食塩水溶液、緩衝溶液、又は脱イオン水単独の使用に比べて、重合コンタクトレンズ本体からの疎水性成分の除去を改善することができる、若しくは重合コンタクトレンズ本体のゆがみを軽減することができる界面活性剤若しくは他の不揮発性成分を含有する水溶液が挙げられる。一例において、水性洗浄液を用いて洗浄すると、本開示のレンズ本体の表面は眼科的に許容される湿潤性表面を持ち得る。
洗浄後、コンタクトレンズは、界面活性剤、抗炎症薬、抗菌薬、コンタクトレンズ湿潤剤などを含んでも含まなくてもよい緩衝生理食塩水溶液などのパッケージング溶液とともに、プラスチックブリスターパックなどのパッケージ内に入れることができ、密封及び滅菌することができる。
以下の実施例1〜28は本発明の特定の態様及び利点を示すが、それらによって限定されないと理解すべきである。
以下の実施例の詳細に見ることで容易に判断できるように、実施例の配合物は全て、有機希釈剤を含まない。また、実施例の配合物はN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)を含まない。さらに、以下の実施例の配合物は全て、ポリマー湿潤剤を含まない。さらに、実施例の配合物は全て、1個のN−ビニル基を有する少なくとも1種の親水性アミドモノマーを含む。実施例の配合物の大多数は、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンを含む。
以下の化学物質は実施例1〜28に記載されるものであるが、略号によって記載される場合がある。
Si1:2−プロペン酸,2−メチル−,2−[3−(9−ブチル−1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ]エチルエステル(CAS番号1052075−57−6)(Si1はShin−Etsu Chemical Co., Ltd.,東京,日本から製品番号X−22−1622として入手)
Si2:α,ω−ビス(メタクリルオキシプロピル)−ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ω−メトキシ−ポリ(エチレングリコール)プロピルメチルシロキサン)(この化合物の合成は、参照により本明細書の一部とされる米国特許出願公開第20090234089号に記載のとおりに実施することができる)
Si3:ポリ(ジメチルシロキサン),メタクリルオキシプロピル末端化(CAS番号58130−03−3;Gelestから入手できるDMS−R18)
VMA:N−ビニル−N−メチルアセトアミド(CAS番号003195786)
DMA:N,N−ジメチルアクリルアミド(CAS番号2680−03−7)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(CAS番号868−77−9)
HOB:2−ヒドロキシルブチルメタクリレート(CAS番号29008−35−3)
EGMA:エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(CAS番号6976−93−8)
MMA:メチルメタクリレート(CAS番号80−62−6)
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート(CAS番号97−90−5)
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート(CAS番号109−16−0)
BVE:1,4−ブタンジオールビニルエーテル(CAS番号17832−28−9)
DEGVE:ジエチレングリコールビニルエーテル(CAS番号929−37−3)
EGVE:エチレングリコールビニルエーテル(CAS番号764−48−7)
TEGDVE:トリエチレングリコールジビニルエーテル(CAS番号765−12−8)
AE:2−アリルオキシエタノール(CAS番号111−45−5)
V−64:2,2’−アゾビス−2−メチルプロパンニトリル(CAS番号78−67−1)
UV1:2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート(CAS番号16432−81−8)
UV2:2−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−フェニル)エチルメタクリレート(CAS番号96478−09−0)
RBT1:1,4−ビス[4−(2−メタクリルオキシエチル)フェニルアミノ]アントロキノン(anthroquinone)(CAS番号121888−69−5)
RBT2:1,4−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオンビス(2−プロペノイック)エステル(CAS Reg.No.109561071)
TPP:トリフェニルホスフィン(CAS番号603−35−0)
pTPP:重合性TPP:ジフェニル(P−ビニルフェニル)ホスフィン(CAS番号40538−11−2)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順
実施例1〜28に示される化学化合物は、それぞれの実施例について、記載の単位部に相当する量で秤量し、合わせて混合物とした。この混合物を0.2〜5.0ミクロンのシリンジフィルターで濾過して瓶に取った。混合物は約2週間まで保存した。これらの混合物は、重合性シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆組成物、又は本明細書で用いる場合には、重合性組成物であると理解される。実施例1〜28では、挙げられている成分量は重合性組成物の単位質量部として示されている。
一定容量の重合性組成物を、その組成物を雌型金型部材のレンズ画定面と接触するように置くことによって注型成形した。以下の実施例1〜28の全てにおいて、雌型金型部材の成形面は無極性樹脂、具体的には、ポリプロピレンで形成されていた。雄型金型部材は、重合性組成物を収容するコンタクトレンズ型のキャビティを含むコンタクトレンズ金型アセンブリを形成するように雌型金型部材と接触させて置いた。以下の実施例1〜28では、雄型金型部材の成形面は無極性樹脂、具体的には、ポリプロピレンで形成されていた。
コンタクトレンズ金型アセンブリを窒素でフラッシュしたオーブン内において重合性組成物を熱により硬化させた。実施例1〜28の全てについて、コンタクトレンズ金型アセンブリを少なくとも約55℃の温度に約2時間曝した。本明細書に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを硬化させるために使用可能な硬化プロフィールの例は、コンタクトレンズ金型アセンブリを55℃の温度に40分間、80℃に40分間、及び100℃に40分間曝すことを含む。その他のコンタクトレンズも、最初の温度を55℃とする代わりに65℃とすることができること以外は同じ硬化プロフィールで製造することができる。
重合性組成物を重合させて、金型アセンブリ内に収容された重合レンズ体を形成した後、コンタクトレンズ金型アセンブリを離型して雄型及び雌型金型部材を分離した。重合レンズ体は雄型金型又は雌型金型に付着したままとなっていた。金型アセンブリが液体媒体と接触しない乾式離型法も使用可能であるし、又は金型アセンブリが例えば、水若しくは水溶液などの液体媒体と接触される湿式離型法も使用可能である。機械的乾式離型法は、金型部材を分離するために金型部材の一方又は両方の一部に機械的な力をかけることを含み得る。以下の実施例1〜28では全て、乾式離型法を使用した。
次に、重合レンズ体を雄型金型又は雌型金型から脱レンズし、脱レンズ済み重合レンズ体を得た。脱レンズ法の一例において、重合レンズ体は、レンズを雄型金型部材から手で剥がすこと、又は雄型金型部材を圧縮し、雄型金型部材及び重合レンズ体にガスを吹き付け、乾燥重合レンズ体を真空装置で雄型金型部材から取り出し、雄型金型部材を廃棄することによるなどの、乾式脱レンズ法を用いて雄型金型部材から脱レンズすることができる。他の方法では、重合レンズ体は、乾燥重合レンズ体を水又は水溶液などの液体離型剤と接触させることによる湿式脱レンズ法を用いて脱レンズすることができる。例えば、重合レンズ体が付着した雄型金型部材を、重合レンズ体が雄型金型部材から分離するまで液体を含有する容器に浸漬することができる。或いは、一定容量の液体離型剤を雌型金型に加えてその液体中に重合レンズ体を浸漬し、レンズ本体を雌型金型部材から分離することもできる。以下の実施例1〜28では、乾式脱レンズ法を使用した。分離後、ピンセットを使用して手動で、又は真空装置を使用して、レンズ本体を金型部材から取り出し、トレイに置くことができる。
次に、脱レンズ済みのレンズ製品を洗浄して重合レンズ体から抽出可能材料を除去し、水和させた。抽出可能材料は、レンズ本体の重合後でレンズ本体の抽出前には、重合レンズ体中に未反応形態、部分的に反応した形態、若しくは架橋形態、若しくは又はそれらの任意の組合せで残っている重合性組成物中に存在する重合性成分、例えば、モノマー、又は架橋剤、又は着色剤若しくはUV遮断剤などの任意選択の重合性成分、又はそれらの組合せを含んでいた。抽出可能材料はまた、重合レンズ体の重合後で重合レンズ体の抽出前に重合レンズ体中に残っている、重合性組成物中に存在する非重合性成分、例えば、任意選択の非重合性着色剤、又はUV遮断剤、又は希釈剤、又は連鎖移動剤、又はそれらの任意の組合せを含んでいた可能性もある。
雄型金型部材の圧縮及び雄型金型部材のガス流の吹き付けにより脱レンズすることを含む方法などの別の方法では、脱レンズ済みの重合コンタクトレンズ本体をレンズ担体又はトレイのキャビティに置くことができ、そこで脱レンズ済みの重合レンズ体を、例えば脱イオン水若しくはTween 80などの界面活性剤の水溶液などの揮発性有機溶媒を含まない水性抽出液、又はエタノール若しくはエタノールなどの揮発性有機溶媒の水溶液などの有機溶媒系抽出液といった抽出液の1容量以上と接触させることができる。
金型及びレンズを液体離型剤と接触させることにより湿式脱レンズを行うことを含むものなどの他の方法では、脱レンズ済みの重合コンタクトレンズ本体を、低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、又はそれらの任意の組合せなどの揮発性有機溶媒を含まない洗浄液を用いて洗浄し、レンズ本体から抽出可能成分を除去することができる。例えば、脱レンズ済みの重合コンタクトレンズ本体は、レンズ本体を、揮発性有機溶媒を含まない水性洗浄液、例えば、脱イオン水、又は界面活性剤溶液、又は生理食塩水、又はバッファー溶液、又はそれらの任意の組合せと接触させることにより洗浄して、レンズ本体から抽出可能成分を除去することができる。洗浄は最終的なコンタクトレンズパッケージ内で行うこともできるし、又は洗浄トレイ若しくは洗浄タンク内で行うこともできる。
以下の実施例1〜28では、乾式離型及び乾式脱レンズ段階の後に、乾式脱レンズ済みレンズ本体をトレイのキャビティに置き、脱レンズ済みの重合レンズ体を、重合レンズ体を1容量以上の抽出液と接触させることによって抽出し、水和させた。抽出及び水和工程に用いる抽出及び水和液は、a)揮発性有機溶媒系抽出液と揮発性有機溶媒不含水和液の組合せ、又はb)揮発性有機溶媒不含抽出及び水和液、すなわち、完全に水性系の抽出及び水和液からなった。具体的には、以下の実施例1〜5では、抽出及び水和工程は、別個のエタノール中での少なくとも二段階の抽出と、その後の50:50wt/wtエタノール:Tween 80水溶液での少なくとも1段階の抽出と、その後の脱イオン水中Tween 80の別個の溶液での少なくとも三段階の抽出及び水和段階を含み、各抽出又は抽出及び水和段階は約5分〜3時間とした。以下の実施例6〜25では、用いた抽出及び水和工程は、脱イオン水中Tween 80の別個の溶液での少なくと三段階の抽出及び水和を含み、各Tween 80溶液の温度は室温〜約90℃の範囲とし、各抽出及び水和段階は約15分〜約3時間とした。
洗浄し、抽出し、水和したレンズを、次に、リン酸緩衝生理食塩水パッケージング溶液を含んだコンタクトレンズブリスターパッケージに個別に入れた。ブリスターパッケージを密封し、オートクレーブにより滅菌した。
滅菌後、動的及び静的接触角を含む接触角、酸素透過率、イオノフラックス、モジュラス、伸び率、引張り強さ、及び含水率などのレンズ特性を本明細書に記載されるように測定した。
本コンタクトレンズでは、動的及び静的接触角を含む接触角は、当業者に公知の常法を用いて測定することができる。例えば、本明細書で提供されるコンタクトレンズの前進接触角及び後退接触角は、静滴法(sessile drop method)又は捕捉気泡法などの従来の液滴形状法を用いて測定することができる。
以下の実施例1〜28では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの前進接触角及び後退接触角は、Kruss DSA 100装置(Kruss GmbH,ハンブルグ)を用いて、D. A. Brandreth: "Dynamic contact angles and contact angle hysteresis", Journal of Colloid and Interface Science, vol. 62, 1977, pp. 205-212及びR. Knapikowski, M. Kudra: Kontaktwinkelmessungen nach dem Wilhelmy-Prinzip-Ein statistischer Ansatz zur Fehierbeurteilung", Chem. Technik, vol. 45, 1993, pp. 179-185、及び米国特許6,436,481号(これらは全て、参照により本明細書の一部とされる)に記載のとおりに測定することができる。
一例として、前進接触角及び後退接触角はリン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH=7.2)を用いた捕捉気泡法を用いて測定した。試験前に、レンズを石英面上で平板化し、少なくとも10分間PBSで再び水和させた。自動シリンジシステムを用いて空気泡をレンズの表面に置いた。この空気泡サイズを増減して後退角(気泡サイズを増していって得られるプラトー)及び前進角(気泡サイズを減らしていって得られるプラトー)を得た。
本レンズのモジュラス、伸び率、及び引張り強さの値は、例えば、ANSI Z80.20に従う試験法など、当業者に公知の常法を用いて測定することができる。本明細書に報告されているモジュラス、伸び率、及び引張り強さの値は、特注の方形コンタクトレンズ抜き型を用いて方形のサンプル片を作製するInstronモデル3342又は3343機械的試験システム(Instron Corporation,ノーウッド,MA,USA)及びBluehill Materials Testingソフトウエアを用いて測定した。モジュラス、伸び率及び引張り強さは、最低70%の相対湿度を有するチャンバー内で測定した。供試レンズは、試験前に少なくとも10分間、リン酸緩衝溶液(PBS)に浸漬した。レンズの凹面側を上に保持している間に、抜き型を用いてレンズの中央片を切り取った。この小片の厚さを較正済みのゲージ(Rehder electronic thickness gauge, Rehder Development Company,カストロバレー,CA,USA)を用いて測定した。ピンセットを用い、この小片を、較正済みのInstron装置のグリップに、各グリップのグリップ面の少なくとも75%に密着するように置いた。最大負荷(N)、引張り強さ(MPa)、最大負荷でのひずみ(%伸び率)、並びに引張り強さモジュラス(MPa)の平均及び標準偏差を測定するように設計された試験法を実施し、結果を記録した。
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのエネルギー損失パーセントは、当業者に公知の常法を用いて決定することができる。以下の実施例1〜28では、エネルギー損失パーセントは、10N力変換器(Instronモデルno.2519−101)及びTestProfilerモジュールを含むBluehill Materials TestingソフトウエアとともにInstronモデル3343(Instron Corporation,ノーウッド,MA,USA)機械的試験システムを用いて決定した。エネルギー損失は、最低70%の相対湿度を有するチャンバー内で決定した。試験前に、各レンズをリン酸緩衝溶液(PBS)中に少なくとも10分間浸漬した。ピンセットを用い、レンズを較正済みのInstron装置のグリップにのせた。この際には、レンズが各グリップのグリップ面の少なくとも75%に密着するようにできる限り対称にグリップとグリップの間に垂直にレンズを置いた。次に、このレンズに対して、50mm/分の速度で100%ひずみにまでレンズを伸ばし、その後、0%ひずみに戻すのに必要なエネルギーを求めるように設計された試験を行った。この試験は1レンズに1回のみ行った。試験が完了したところで、下式:失われたエネルギー(%)=(100%ひずみへのエネルギー−0%ひずみに戻すエネルギー)/100%ひずみへのエネルギー×100%を用いてエネルギー損失を計算した。
本レンズのイオノフラックスは、当業者に公知の常法を用いて決定することができる。以下の実施例1〜28のレンズでは、参照により本明細書の一部とされる米国特許第5,849,811号に記載の「イオノフラックス技術」と実質的に同様の技術を用いてイオノフラックスを測定した。測定の前に、水和したレンズを脱イオン水中で少なくとも10分間平衡化した。測定するレンズを雄型部分と雌型部分の間のレンズ保持デバイスに置いた。この雄型部分及び雌型部分はレンズとそれぞれの雄型部分と雌型部分の間に配置されたフレキシブルな封止リングを含んだ。レンズ保持デバイス内にレンズを配置した後、レンズ保持デバイスをネジ付き蓋内に置いた。この蓋をガラス管にねじで締めてドナーチャンバーを画定した。ドナーチャンバーに0.1モル濃度のNaCl溶液16mlを充填した。受容チャンバーには80mlの脱イオン水を充填した。伝導率測定器の導線を受容チャンバーの脱イオン水に浸し、受容チャンバーに撹拌子を加えた。この受容チャンバーを水浴に入れ、温度を約35℃に保持した。最後に、ドナーチャンバーを受容チャンバーに浸漬し、ドナーチャンバー内のNaCl溶液が受容チャンバー内の水と同レベルとなるようにした。受容チャンバー内の温度が35℃で平衡になったところで、2分ごとに少なくとも10分間伝導率の測定を行った。時間に対する伝導率のデータは実質的に直線であり、これを用いて供試レンズのイオノフラックス値を計算した。
本レンズの酸素透過率(Dk)は、当業者に公知の常法を用いて決定することができる。例えば、Dk値は、例えば、参照により本明細書の一部とされる米国特許第5,817,924号に記載されているようなMocon法を用い、MOCON(登録商標)Ox−Tran System(Mocon Inc.,ミネアポリス,MN,USA)のモデル指定下で市販の装置を用いて決定することができる。以下の実施例1〜28のレンズのDk値は、参照により本明細書の一部とされるChhabra et al. (2007), A single-lens polarographic measurement of oxygen permeability (Dk) for hypertransmissible soft contact lenses. Biomaterials 28: 4331-4342により記載されている方法を用いて決定した。
本レンズの平衡含水率(EWC)は、当業者に公知の常法を用いて決定することができる。以下の実施例1〜28のレンズでは、水和したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを水性液から取り出し、余分な表面水を拭き取り、秤量した。次に、秤量したレンズをオーブン内、80℃、真空下で乾燥させ、その後、乾燥したレンズを秤量した。水和レンズの質量から乾燥レンズの質量を差し引くことによって質量の差を求めた。含水率(%)は、(質量の差/水和質量)×100である。
レンズの湿潤抽出可能成分又は乾燥抽出可能成分のパーセンテージは、当業者に公知の方法に従い、重合レンズ体が可溶でない有機溶媒中でレンズを抽出することによって決定することができる。以下の実施例1〜28のレンズでは、ソックスレー抽出法を用いたメタノール抽出を使用した。湿潤抽出可能成分の決定に関しては、完全に飽和した滅菌済みコンタクトレンズのサンプル(例えば、各ロット少なくとも5レンズ)は、各レンズから余分なパッケージング溶液を除去し、それらを80℃の真空オーブンで一晩乾燥させることによって調製した。乾燥抽出可能成分の決定に関しては、洗浄、抽出、水和又は滅菌されていない重合レンズ体のサンプルは、レンズ本体を80℃の真空オーブンで一晩乾燥させることによって調製した。乾燥及び冷却した際、各レンズを秤量してその最初の乾燥質量(W1)を決定した。次に、各レンズを多孔性の積み重ね可能なテフロンシンブルの中に入れ、これらのシンブルを積み重ねて抽出カラムを形成し、カラムの一番上には空のシンブルを置いた。この抽出カラムを冷却器及び70〜80mlのメタノールが入った丸底フラスコに取り付けた小型のソックスレー抽出器内に入れた。この冷却器を介して水を循環させ、メタノールを穏やかに沸騰するまで加熱した。冷却されたメタノールが初めて現れた時から少なくとも4時間、レンズを抽出した。抽出したレンズを再び、真空オーブンにて80℃で一晩乾燥させた。乾燥及び冷却した際に、各レンズを秤量して抽出済みレンズの乾燥質量(W2)を得、各レンズについて以下の計算を行い、湿潤抽出可能成分を求めた:[(W1−W2)/W1]×100。
実施例1
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00232)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒系抽出液を含む洗浄液と揮発性有機溶媒不含液からなる水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi3に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00233)
さらに、このシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズバッチは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、30%wt/wt〜70%wt/wtの平均EWCを有していた。
(00234)
実施例2
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00235)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒系抽出液を含む洗浄液と揮発性有機溶媒不含液からなる水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi3に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00236)
さらに、これらのレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、52%wt/wtのEWC、0.63MPaのモジュラス、及び3.62(×10-3mm2/分)のイオノフラックスを有していた。
(00237)
実施例3
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00238)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒系抽出液を含む洗浄液と揮発性有機溶媒不含液からなる水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi3に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00239)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約52%wt/wtのEWC、約0.58MPaのモジュラス、約0.67%の湿潤抽出可能内容物、約30度の捕捉気泡静的接触角、及び約50.1度の捕捉気泡動的前進接触角を有していた。
(00240)
実施例4
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00241)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒系抽出液を含む洗浄液と揮発性有機溶媒不含液からなる水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00242)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、53%wt/wt〜54%wt/wtのEWC、約0.43MPaのモジュラス、約1.23%wt/wtの湿潤抽出可能内容物、約38度の捕捉気泡静的接触角、約50.0度の捕捉気泡動的前進接触角、2.5〜3.0(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、70バーラーのDk、約450%の伸び率、1.40MPaの引張り強さ、98%の透過率パーセント、36%のエネルギー損失、及び約21%の膨張率を有していた。抽出及び水和の前に試験した場合、重合レンズ体は、約17%wt/wtの乾燥抽出可能内容物を有していた。
(00243)
実施例5
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00244)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒系抽出液を含む洗浄液と揮発性有機溶媒不含液からなる水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均寸法安定性を有し、かつ、許容される平均引張りモジュラスを有していた。
(00245)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、60バーラーより大きい酸素透過率、約53%wt/wtのEWC、約2.90(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.40MPaのモジュラス、約425%の伸び率、約1.4MPaの引張り強さ、約37度の静的捕捉気泡接触角、約48〜52度の動的捕捉気泡前進接触角、約98%の光透過率、約1.30%wt/wtの湿潤抽出可能内容物、約35%〜約36%のエネルギー損失、及び約21%の膨張率を有し、かつ、80℃で少なくとも2週間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00246)
実施例6
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00247)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi3に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00248)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約55%wt/wtのEWC、約3.1(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約72バーラーのDk、約0.70MPaのモジュラス、約345%の伸び率、約2.4MPaの引張り強さ、20秒より長い水のブレークアップ時間(water break up time)、約3.9%wt/wtの湿潤抽出可能成分、及び約40%のエネルギー損失を有し、かつ、及び80℃で2週間より長く貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。抽出及び水和の前に試験した場合、重合レンズ体は、約11%wt/wtの乾燥抽出可能成分を有していた。
(00249)
実施例7
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00250)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi3に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00251)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約58%wt/wtのEWC、約4.14(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.77MPaのモジュラス、約349%の伸び率、約1.75MPaの引張り強さ、20秒より長い水のブレークアップ時間、約4.42%wt/wtの湿潤抽出可能内容物、及び約41%のエネルギー損失を有し、かつ、80℃で少なくとも2週間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00252)
実施例8
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00253)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00254)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約55%wt/wtのEWC、約4.19(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.61MPaのモジュラス、約275%の伸び率、約1.51MPaの引張り強さ、20秒より長い水のブレークアップ時間、及び約4.10%wt/wtの湿潤抽出可能成分を有し、かつ、80℃で2週間より長くプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00255)
実施例9
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00256)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00257)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約58%wt/wtEWC、約2.75(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.66MPaのモジュラス、約216%の伸び率、約0.87MPaの引張り強さ、20秒より長い水のブレークアップ時間、及び約4.56%wt/wtの湿潤抽出可能成分を有し、かつ、95℃で6日間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00258)
実施例10
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00259)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00260)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約56%wt/wtのEWC、約3.54(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.57MPaのモジュラス、約310%の伸び率、約1.90MPaの引張り強さ、20秒より長い水のブレークアップ時間、約4.74%wt/wtの湿潤抽出可能成分、及び約34〜36%のエネルギー損失を有し、かつ、80℃で7日間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。抽出及び水和の前に試験した場合、重合レンズ体は、約14.39%wt/wtの乾燥抽出可能成分を有していた。
(00261)
実施例11
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00262)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00263)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約57%wt/wtのEWC、約3.68(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.69MPaのモジュラス、約314%の伸び率、約1.30MPaの引張り強さ、20秒より長い水のブレークアップ時間、約1.81%wt/wtの湿潤抽出可能成分、及び約34%のエネルギー損失を有し、かつ、80℃で14日間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00264)
実施例12
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00265)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、3種のシロキサンモノマーSi1、Si2及びSi3に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00266)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約55%wt/wtのEWC、約3.06(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.85MPaのモジュラス、約284%の伸び率、約1.88MPaの引張り強さ、20秒より長い水のブレークアップ時間、約2.38%wt/wtの湿潤抽出可能成分、及び約36%のエネルギー損失を有し、かつ、80℃で14日間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00267)
実施例13
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00268)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00269)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約54%wt/wtのEWC、約3.57(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.66MPaのモジュラス、約274%の伸び率、約1.40MPaの引張り強さ、及び約3.8%wt/wtの湿潤抽出可能内容物を有し、かつ、80℃で7日間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00270)
実施例14
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00271)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、3種のシロキサンモノマーSi1、Si2及びSi3に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00272)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約0.81MPaのモジュラス、約351%の伸び率、約1.61MPaの引張り強さ、及び30%wt/wt〜70%wt/wtのEWCを有し、かつ、80℃で14日間プラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00273)
実施例15
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00274)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00275)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約3.33(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.74MPaのモジュラス、及び約222%の伸び率を有し、かつ、80℃で14日間プラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00276)
実施例16
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00277)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi3に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00278)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約57%wt/wtのEWC、約0.70MPaのモジュラス、約40%のエネルギー損失、及び約50〜約60度の捕捉気泡動的前進接触角を有し、かつ、80℃で14日間プラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00279)
実施例17
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00280)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00281)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約56%wt/wtのEWC、約0.50MPaのモジュラス、及び約47〜約51度の捕捉気泡動的前進接触角を有し、かつ、80℃で4.4週間プラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00282)
実施例18
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00283)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00284)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約55%wt/wtのEWC、約0.60MPaのモジュラス、及び約47〜約55度の捕捉気泡動的前進接触角を有し、かつ、80℃で2週間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00285)
実施例19
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00286)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00287)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約55%wt/wt〜約56%wt/wtのEWC、約0.71MPaのモジュラス、及び約45〜約47度の捕捉気泡動的前進接触角を有し、かつ、80℃で少なくとも2週間プラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00288)
実施例20
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00289)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00290)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約56%wt/wtのEWC、及び約0.65MPaのモジュラスを有し、かつ、80℃で2週間プラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00291)
実施例21
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00292)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00293)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約55%wt/wt〜約56%wt/wtのEWC、約0.53MPaのモジュラス、約51〜約53度の捕捉気泡動的前進接触角、及び約34%のエネルギー損失を有し、かつ、80℃で4.4週間プラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。
(00294)
実施例22
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性シリコーン組成物を得た。
Figure 0005842297
(00295)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00296)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、57%wt/wt〜58%wt/wtのEWC、約2.9(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.7MPaのモジュラス、約300%の伸び率、約1.5MPaの引張り強さ、約44〜約48度の捕捉気泡動的前進接触角、約5.10%wt/wtの湿潤抽出可能成分、及び約32%〜約33%のエネルギー損失を有し、かつ、80℃で4.4週間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。抽出及び水和の前に試験した場合、重合レンズ体は、約12.2%wt/wtの乾燥抽出可能成分を有していた。
(00297)
実施例23
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00298)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00299)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約55%wt/wt〜約56%wt/wtのEWC、約4.1(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.6MPaのモジュラス、約275%の伸び率、約1.2MPaの引張り強さ、約55〜約58度の捕捉気泡動的前進接触角、約4.6%wt/wtの湿潤抽出可能成分、約31%〜約32%のエネルギー損失、及び約27%の膨張率を有し、かつ、80℃で4.4週間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。抽出及び水和の前に試験した場合、重合レンズ体は、約10.6%wt/wtの乾燥抽出可能成分を有していた。
(00300)
実施例24
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00301)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00302)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約61%wt/wtのEWC、約3.8(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.5MPaのモジュラス、約279%の伸び率、約1.2MPaの引張り強さ、約45〜約47度の捕捉気泡動的前進接触角、約4.55%wt/wtの湿潤抽出可能成分、及び約30%〜約33%のエネルギー損失を有し、かつ、80℃で14日間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。抽出及び水和の前に試験した場合、重合レンズ体は、約13.65%wt/wtの乾燥抽出可能成分を有していた。
(00303)
実施例25
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00304)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00305)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約55%wt/wt〜約57%wt/wtのEWC、約3.6(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.7MPaのモジュラス、約285%の伸び率、約1.3MPaの引張り強さ、約47〜約53度の捕捉気泡動的前進接触角、約4.10%wt/wtの湿潤抽出可能成分、及び約34%〜約35%のエネルギー損失を有し、かつ、80℃で14日間貯蔵した後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性変動を有していた。抽出及び水和の前に試験した場合、重合レンズ体は、約9.80%wt/wtの乾燥抽出可能成分を有することが判明した。
(00306)
実施例26
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00307)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00308)
具体的には、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約36%〜約38%のエネルギー損失を有していた。
(00309)
実施例27
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00310)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00311)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約56%wt/wtのEWC、約3.6(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.46MPaのモジュラス、約196%の伸び率、約0.6MPaの引張り強さ、約7.28%wt/wtの湿潤抽出可能成分、及び約34%〜約38%のエネルギー損失を有していた。抽出及び水和の前に試験した場合、重合レンズ体は、約17.87%wt/wtの乾燥抽出可能成分を有することが判明した。
(00312)
実施例28
上記に示されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている手順を用い、以下の化学化合物を指定された量で混合し、濾過することによって重合性組成物を得た。
Figure 0005842297
(00313)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチをこの配合を用いて調製し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製及び試験手順に記載されている作製手順及び試験法に従い、乾式離型法、乾式脱レンズ法、及び揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を用いた洗浄工程を用いて試験した。このバッチのレンズは、それらの製造中に揮発性有機溶媒に曝されなかった。これらのコンタクトレンズは、2種のシロキサンモノマーSi1及びSi2に由来する単位を含んでいた。このコンタクトレンズバッチは、許容される平均エネルギー損失パーセントを有していた。
(00314)
さらに、これらのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験した場合、完全に水和した際に、約6.4(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.51MPaのモジュラス、約200%の伸び率、約0.67MPaの引張り強さ、及び約32%〜約34%のエネルギー損失を有していた。
(00315)
本明細書の開示は特定の例示的実施形態を示すが、これらの実施形態は例として示されるものであって、限定されるものではないと理解すべきである。典型的な実施形態について述べているが、上記の詳細な説明の意図は、さらなる開示によって定義される本発明の趣旨及び範囲内にある限り、実施形態の全ての変形、代替物、及び均等物を包含するものと解釈すべきである。
(00316)
以上に多数の刊行物及び特許が引用されている。これらの引用刊行物及び特許はそれぞれその全内容が参照により本明細書の一部とされる。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
前記重合性組成物が、
(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR 1 は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR 2 は水素原子又はメチル基である、
で表される第1のシロキサンモノマー、及び
(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである、第2のシロキサンモノマー、
を含み、
前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
〔2〕前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、完全に水和した際に、約27%〜約40%のエネルギー損失を有する、前記〔1〕に記載のコンタクトレンズ。
〔3〕前記エネルギー損失が式(B):
((エネルギー 0から100%ひずみ −エネルギー 100から0%ひずみ )/エネルギー 0から100%ひずみ )×100 (B)
式中、エネルギー 0から100%ひずみ は、レンズのサンプルを一定速度で100%ひずみにまで伸ばすためにかけられるエネルギーを表し、エネルギー 100から0%ひずみ は、レンズのサンプルが100%から0%ひずみに戻される際に解放されるエネルギーを表す、
を用いて計算される、前記〔1〕又は〔2〕に記載のコンタクトレンズ。
〔4〕前記第1のシロキサンモノマーにおいて、式(1)のmが4であり、式(1)のnが1であり、式(1)のR 1 がブチル基であり、かつ、式(1)の各R 2 が独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
〔5〕前記第1のシロキサンモノマーの数平均分子量が400ダルトン〜700ダルトンである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
〔6〕前記重合性組成物が少なくとも1種の架橋剤をさらに含む、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
〔7〕前記少なくとも1種の架橋剤がビニル含有架橋剤を含む、前記〔6〕に記載のコンタクトレンズ。
〔8〕前記重合性組成物中に存在するビニル含有架橋剤の総量が約0.01〜約2.0単位質量部である、前記〔7〕に記載のコンタクトレンズ。
〔9〕前記重合性組成物中に存在する第1のシロキサンモノマーの量と前記重合性組成物中に存在するビニル含有架橋剤の総量の比が単位質量部で100:1〜400:1である、前記〔8〕に記載のコンタクトレンズ。
〔10〕前記重合性組成物が少なくとも1種の親水性モノマーをさらに含む、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
〔11〕前記少なくとも1種の親水性モノマーが、1個のN−ビニル基を有する親水性アミドモノマーを含む、前記〔10〕に記載のコンタクトレンズ。
〔12〕前記重合性組成物中に存在する第1のシロキサンモノマーの量と前記重合性組成物中に存在する第2のシロキサンモノマーの量の比が単位質量部で少なくとも3:1である、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
〔13〕前記重合性組成物中に存在するシロキサンモノマーの総量が約35〜約40単位質量部である、前記〔1〕〜〔12〕のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
〔14〕前記第2のシロキサンモノマーが式(2):
Figure 0005842297
式中、式(2)のR 1 は水素又はメチル基のいずれかから選択され;式(2)のR 2 は水素又はC 1-4 炭化水素基のいずれかから選択され;mは0〜10の整数を表し;式(2)のnは4〜100の整数を表し;式(2)のa及びbは1以上の整数を表し;a+bは20〜500に相当し;b/(a+b)は0.01〜0.22に相当し;かつシロキサン単位の構造はランダム構造を含む、
で表される、前記〔1〕〜〔13〕のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
〔15〕前記第2のシロキサンモノマーにおいて、式(2)のmが0であり、式(2)のnが5〜10のうち1つの整数であり、式(2)のaが65〜90のうち1つの整数であり、式(2)のbが1〜10のうち1つの整数であり、かつ、式(2)のR 1 がメチル基である、前記〔14〕に記載のコンタクトレンズ。
〔16〕前記〔1〕〜〔15〕のいずれか一項に挙げられた複数のコンタクトレンズを含み、完全に水和した際に、バッチの少なくとも20の個々のレンズに関して測定された値の平均に基づき、約30%wt/wt〜約70%wt/wtの平均平衡含水率(EWC)、又は少なくとも55バーラーの平均酸素透過率、又は70度未満の平均捕捉気泡動的前進接触角、又は55度未満の平均捕捉気泡静的接触角、又はそれらの任意の組合せを有する、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチ。
〔17〕シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、以下の工程、
混和性の重合性組成物を準備する工程であって、前記重合性組成物が、
(a)式(1):
Figure 0005842297
式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR 1 は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR 2 は水素原子又はメチル基である、
で表される第1のシロキサンモノマー、及び
(b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである、第2のシロキサンモノマー、
を含む、工程、
前記重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ内で重合させて重合レンズ体を形成する工程、
前記重合レンズ体を洗浄液と接触させて前記重合レンズ体から抽出可能材料を除去する工程、及び
前記重合レンズ体をコンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズパッケージング溶液中にパッケージングする工程、
を含み、前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、約25%〜約45%のエネルギー損失を有する、方法。
〔18〕前記接触工程が、前記重合レンズ体を、揮発性有機溶媒を含まない洗浄液と接触させる工程を含む、前記〔17〕に記載の方法。
〔19〕前記第1のシロキサンモノマーの数平均分子量が400ダルトン〜700ダルトンである、前記〔17〕又は〔18〕に記載の方法。
〔20〕前記エネルギー損失が式(B):
((エネルギー 0から100%ひずみ −エネルギー 100から0%ひずみ )/エネルギー 0から100%ひずみ )×100 (B)
式中、エネルギー 0から100%ひずみ は、レンズのサンプルを一定速度で100%ひずみにまで伸ばすためにかけられるエネルギーを表し、エネルギー 100から0%ひずみ は、レンズのサンプルが100%から0%ひずみに戻される際に解放されるエネルギーを表す、
を用いて計算される、前記〔17〕、〔18〕又は〔19〕に記載の方法。

Claims (16)

  1. 重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
    前記重合性組成物が、
    (a)式(1):
    Figure 0005842297
    式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、
    で表される第1のシロキサンモノマー、及び
    (b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである、第2のシロキサンモノマー、
    を含み、
    前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、完全に水和した際に、5%〜5%のエネルギー損失を有する、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
  2. 前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、完全に水和した際に、7%〜0%のエネルギー損失を有する、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  3. 前記第1のシロキサンモノマーにおいて、式(1)のmが4であり、式(1)のnが1であり、式(1)のR1がブチル基であり、かつ、式(1)の各R2が独立に水素原子又はメチル基のいずれかである、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  4. 前記第1のシロキサンモノマーの数平均分子量が400ダルトン〜700ダルトンである、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  5. 前記重合性組成物が少なくとも1種の架橋剤をさらに含む、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  6. 前記少なくとも1種の架橋剤がビニル含有架橋剤を含む、請求項5に記載のコンタクトレンズ。
  7. 前記重合性組成物中に存在するビニル含有架橋剤の総量が.01〜.0単位質量部である、請求項6に記載のコンタクトレンズ。
  8. 前記重合性組成物中に存在する第1のシロキサンモノマーの量と前記重合性組成物中に存在するビニル含有架橋剤の総量の比が単位質量部で100:1〜400:1である、請求項7に記載のコンタクトレンズ。
  9. 前記重合性組成物が少なくとも1種の親水性モノマーをさらに含む、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  10. 前記少なくとも1種の親水性モノマーが、1個のN−ビニル基を有する親水性アミドモノマーを含む、請求項9に記載のコンタクトレンズ。
  11. 前記重合性組成物中に存在する第1のシロキサンモノマーの量と前記重合性組成物中に存在する第2のシロキサンモノマーの量の比が単位質量部で少なくとも3:1である、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  12. 前記重合性組成物中に存在するシロキサンモノマーの総量が5〜0単位質量部である、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  13. 請求項1に挙げられた複数のコンタクトレンズを含み、完全に水和した際に、バッチの少なくとも20の個々のレンズに関して測定された値の平均に基づき、0%wt/wt〜0%wt/wtの平均平衡含水率(EWC)、又は少なくとも55バーラーの平均酸素透過率、又は70度未満の平均捕捉気泡動的前進接触角、又は55度未満の平均捕捉気泡静的接触角、又はそれらの合せを有する、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチ。
  14. シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、以下の工程、
    混和性の重合性組成物を準備する工程であって、前記重合性組成物が、
    (a)式(1):
    Figure 0005842297
    式中、式(1)のmは3〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のnは1〜10のうち1つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ、式(1)のR2は水素原子又はメチル基である、
    で表される第1のシロキサンモノマー、及び
    (b)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有し両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである、第2のシロキサンモノマー、
    を含む、工程、
    前記重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ内で重合させて重合レンズ体を形成する工程、
    前記重合レンズ体を洗浄液と接触させて前記重合レンズ体から抽出可能材料を除去する工程、及び
    前記重合レンズ体をコンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズパッケージング溶液中にパッケージングする工程、
    を含み、前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和した際に、5%〜5%のエネルギー損失を有する、方法。
  15. 前記接触工程が、前記重合レンズ体を、揮発性有機溶媒を含まない洗浄液と接触させる工程を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1のシロキサンモノマーの数平均分子量が400ダルトン〜700ダルトンである、請求項14に記載の方法。
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