JP5833626B2 - ラパチニブの調製プロセス及び中間体 - Google Patents

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Description

本発明は、ラパチニブ及びラパチニブジトシレートの新規な製造プロセス、並びに、新規なその中間体に関する。ラパチニブは、構造式(I)で示され、化学名が、N−[(3−クロロ−4−[(3−フルオロフェニル)メトキシ]フェニル]−6−[5−[(2−メチルスルホニルエチルアミノ)メチル]−2−フリル]キナゾリン−4−アミンである。
Figure 0005833626
ラパチニブは、そのジトシル酸塩として、特定のタイプの進行した又は転移性の、乳癌及び他の固形癌を治療するための経口薬として用いられるチロシンキナーゼ阻害剤である。ラパチニブジトシル酸塩は、2007年にFDAによって及び2008年にEMEAによって承認され、また、米国ではTykerb(登録商標)、欧州ではTyverb(登録商標)の商標でグラクソ・スミスクライン(GSK)によって供給されている。
物質ラパチニブは、特許文献1及び特許文献2において特許請求され、また、ラパチニブジトシレート及びその結晶形態は、特許文献3で特許請求されている。置換4−アニリノ−6−ヨード−キナゾリン(II)と2−(トリブチルスタニル)フラン(IIIa)との、パラジウムを介したカップリングを利用するラパチニブの合成は、特許文献2に開示され、また、特許文献3に示されている。特許文献3では、置換4−アニリノ−6−ヨード−キナゾリン(II)とフラン−2−イル−ボロン酸(IIIb)とのパラジウム触媒カップリングを利用する第二世代アプローチが開示されている。特許文献2及び特許文献3の2つの合成法で利用されたパラジウム触媒カップリング反応に続いて、物質ラパチニブが提供される前に、一つだけ(特許文献3)、又は二つ(特許文献2及び特許文献3)の、構造の合成修飾が用いられている(スキーム1)。
米国特許第6713485号明細書 米国特許第6727256号明細書 米国特許第7157466号明細書 国際公開第2010/017387号 国際公開第2009/079541号
Organic Process Research & Development 2005,9,198−205 Organic Process Research & Development 2003,7,733−742 Organic Process Research & Development 2009,13,429−433
EMEAのヒト用医薬品委員会(CHMP)は、金属触媒又は金属試薬の残渣の仕様限界に関するガイドラインと題されたガイドラインを発表し、パラジウムを含む金属への経口暴露に対する勧告を表明している。一日当たり10gの投与量を超えない量で消費される薬剤については、製剤中パラジウム濃度10ppm(百万分の一)の限界が推奨されている。これを考慮し、パラジウムを介したカップリング工程が合成経路の早い段階で行われ、その結果、パラジウムが一貫して低レベルのラパチニブ及びラパチニブトシル酸塩又は他の塩を提供で可能な、ラパチニブの調製に用いることができる代替の合成法が求められている。
Figure 0005833626
スキーム1
原薬、合成中間体、又はその両方の処理によって、原薬中のパラジウムのような金属のレベルを制御できる多数の方法がある。その処理は、結晶化、水抽出、金属吸収性濾過助剤を通した濾過(非特許文献1)、溶液からの金属の沈殿、クロマトグラフィー、及び金属捕集剤による処理(非特許文献2)を含む。パラジウムを介したカップリング工程を合成経路の川下に置くと、合成を収束できるが、原薬中のパラジウムレベルを下げる機会が減る。対照的に、パラジウムを介したカップリング工程を原薬から更に離して川上に動かして合成経路を再設計すれば、原薬中のパラジウムレベルを制御する機会が増える。更に、慎重な操作上の設計(沈殿や結晶化工程などにおいて)により、一貫して中間体中のパラジウムレベルを制御できる。本発明は、ラパチニブ及びラパチニブジトシレートの新規で効率的な製造プロセスにおいて、必要があれば、これらの後の二点を扱い、それらを利用した。
Figure 0005833626
スキーム2 − ラパチニブ及びラパチニブジトシレートの合成
特許文献2及び特許文献3に開示された従来法と対照的に、本発明は、市販の出発物質の式(Va)(6−ヨードキナゾリン−4(3H)−オン)及び(VIa)(5−ホルミルフラン−2−イルボロン酸)、又は式(V)及び(VI)のこれらの類縁体の使用に基づく式(IX)の化合物を提供する合成経路において、最も川上の段階で遷移金属触媒によるカップリング反応を行った。従って、本発明の1つの態様では、ラパチニブは式(IX)の新規化合物から作られる(スキーム2)。
本発明のもう一つの態様では、ラパチニブジトシレート一水和物は、水、DMSO、及びMeCNの混合物中でラパチニブジトシレートを結晶化させて調製される。
本発明のもう一つの態様では、式(IX)の新規化合物は、遷移金属と配位子から形成された触媒、及び塩基の存在下、有機溶媒と水とを含む好適な溶剤中で、市販の式(Va)(VIa)の化合物、又はそれらの、式(V)と(VI)の類縁体とのクロスカップリングによって合成される(スキーム3)。
Figure 0005833626
スキーム3
本発明は、非常に便利な式(IX)の化合物を調製する方法を提供する。適切なホスフィン配位子とパラジウム金属源を選択することによって、式(Va)(VIa)の化合物のクロスカップリング反応で必要とされる触媒がほんの少量となる。これは式(IX)の化合物の大規模製造に適用可能である。クロスカップリング反応後、濾過又は遠心によって、式(IX)の化合物から無機塩類及び触媒を分離できる。そして、粗生成混合物から式(IX)の化合物を結晶化して、高純度の式(IX)の化合物を提供する。このアプローチを用いた式(IX)の化合物は、パラジウム金属残渣が許容可能なレベルになっている。このパラジウム金属残渣は更なる川下の操作を伴って濃度を更に減らすことができ、パラジウム金属濃度が非常に低い原薬を提供できる。式(IX)の化合物の残渣パラジウム濃度は、好ましくは300ppm未満、より好ましくは250ppm未満、最も好ましくは150ppm未満である。本発明のプロセスを用いて調製した式(IX)の化合物から調製されるラパチニブジトシレート中のパラジウム金属残渣濃度は、好ましくは10ppm未満、より好ましくは5ppm未満、最も好ましくは3ppm未満である。
本発明のもう一つの態様では、パラトルエンスルホン酸の塩を含む中間体の処理の間でのアルコール溶媒の使用を避ける。世界監督機関は患者の安全を保証するため、遺伝毒性不純物(GTI)及び潜在的遺伝毒性不純物(PGI)を非常に低い濃度にして原薬を製造することを推奨又は要求している。製造プロセスで用いる化学物質由来の原薬中に存在しうる遺伝毒性不純物と潜在的遺伝毒性不純物のうち、スルホン酸と、MeOH、EtOH、及びi−PrOHを含む低分子量アルコールとから形成されるスルホン酸エステル(非特許文献3)は関心事である。
特許文献4では、式(IV)の化合物のトシレート塩を、濾過及び乾燥の前に、高温下MeOH、EtOH、又はi−PrOHで一定時間処理する。この操作は、メチル、エチル、及びイソプロピルのスルホン酸エステル生成の可能性を提供する。更に、式(IV)の化合物の生成、及びそれに続く還元的アミノ化によるラパチニブジトシレートへの転化において、我々は、i−PrOHなどのアルコールの使用(特許文献3で式(IV)の化合物のトシレート塩の還元的アミノ化において報告されている)を完全に避け、代わりに水の存在下での還元的アミノ化を行う。報告されているスルホン酸エステルの生成を避ける1つの方法は(非特許文献3)、プロセスで水を含有させるものであり、当然に、スルホン酸に接触するアルコールを存在させないものである。特許文献4や特許文献3などの場合に形成されるいかなるスルホン酸エステルも、川下のプロセスで破壊されるかもしれないが、その立証責任は、監督機関によって生産者に負わされるかもしれない。本プロセスでは、我々は、式(IV)の化合物と、パラトルエンスルホン酸及びアルコールとの接触を避け、代わりに式(IV)の化合物の塩酸塩を使用する。
式(IX)の化合物のIRスペクトルを示す。 式(IX)の化合物のDSC/TGA曲線を示す。 式(IX)の化合物の粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。 式(IX)の化合物の粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。 式(IX)の化合物H NMRスペクトルを示す。 式(IX)の化合物13C NMRスペクトルを示す。 (Xa).HClのH NMRスペクトルを示す。 (Xa).HClの13C NMRスペクトルを示す。 ラパチニブジトシレートの形態1のXRPDパターンを示す(形態1は特許文献3で開示される)。 ラパチニブジトシレート形態2のXRPDパターンを示す(形態2は特許文献5で開示される)。 新規結晶化プロセスで調製したラパチニブジトシレート一水和物のXRPDパターンを示す。
一実施態様では、ラパチニブを、
i)式(IX)の化合物を活性化し、
ii)活性化した式(IX)の化合物と3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)アニリン((VII))とを溶媒中で塩基存在下又は非存在下で反応させて、式(IV)の化合物又はその塩を製造し、そして、
Figure 0005833626
iii)2−(メチルスルホニル)エタンアミン((VIII))又はその塩(例えば、(VIII).HCl)で式(IV)の化合物又はその塩を還元的アミノ化してラパチニブを得て、製造する。
このように調製されたラパチニブは単離できるが、より好ましくは、ラパチニブを単離せずに、工程iii)の反応生成物混合物から、水分検査、及びp−トルエンスルホン酸存在下で結晶化をして、直接的に高純度ラパチニブジトシレート塩に転化できる。本発明のラパチニブジトシレートは、一水和物、及び(特許文献3で開示されているような)形態1、及び(特許文献5で開示されるような)形態2を含む以前に開示された多くの結晶形態に結晶化できる。
工程iでは、式(VII)の化合物との反応を容易にするために、式(IX)の化合物を活性化することが好ましい。この方法では、式(IX)の化合物式(X)の化合物に転化する(スキーム4)。ここで、X’は、式(VII)の化合物との反応で置換され得る脱離基である。例えば、X’は、ハロゲン化剤、スルホン化剤、ホスホニル化剤、又はアミド結合形成剤の一員でCl、Br、I、OSOR、OPOCl、6−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ、[OP(NR]BF、又はPFである。ここで、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリールである。また、ここで、NRは、ジアルキルアミン、又は環にNを含む複素環である。Rがアルキルであるときは、非環式でもよく、又、Rが共に環を形成して環式(5又は6員環など)でもよい。
Figure 0005833626
スキーム4
ハロゲン化剤は、X’=Clとなるように塩素化剤が好ましい。
塩素化剤は、SOCl、POCl、(COCl)、PCl、PCl、COClなどが好ましく、SOCl又はPOClが最も好ましい。これらの塩素化剤を用いるときは、DMF又はDMACなどのアミド、好ましくはDMFを、触媒量加えることが好ましい。これらの塩素化剤を用いるときは、式(Xa)の化合物の塩酸塩((Xa).HCl)を得ることが好ましい。
スルホン化剤は、MsCl、p−TsCl、TfOなどが好ましい。
臭素化剤は、POBr、PBrなどが好ましい。
X’=Clである(Xa).HClなどの式(X)の化合物又はその塩は、湿気及び他の求核剤(アルコールを含む)に敏感なため、湿気にさらされない条件下で処理(反応生成物混合物からの単離など)することが好ましい。式(X)又は(X).HClの化合物の調製に続き、それを濾過又は遠心分離によって反応生成物混合物から直接単離し、乾燥有機溶媒、好ましくは乾燥MeCN(カールフィッシャー滴定(KF)値が好ましくは100ppm以下)、で洗浄する。単離した式(X)又は(X).HClの化合物は、加熱又は非加熱で真空乾燥できるが、単離した式(X)又は(X).HClの化合物を次の反応段階で直接用いることが好ましく、そして、洗浄溶媒(例えばMeCN)で湿ったままのケーキとして用いることもできる。
工程ii)における溶媒は、THF、MeCN、DMF、DMAC、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラメチルウレア(TMU)、THF、又はMeCNとすることができ、好ましくは乾燥(好ましくはKF値が100ppm以下)THF、DMF、MeCNから選択され、最も好ましくはMeCN(好ましくはKF値が100ppm以下)である。
工程ii)における塩基の添加は任意であり、あまり好ましくない。塩基は、イミダゾール、DIPEA、EtNなどから選択できる。工程ii)をパラジウム系又は銅系触媒の存在下で行ってもよい。
一実施態様では、式(IV)の化合物の塩酸塩((IV).HCl)を実質的に溶解しない溶媒、好ましくはMeCN中で、(Xa).HClは、塩基なしで、式(VII)の化合物と反応し、(IV).HClを与える。反応完了後、(IV).HClを濾過で直接単離する。単離した(IV).HClは、精製又は未精製で工程iii)に用いる。好ましくは、単離した(IV).HClは、有機溶媒好ましくはTHF中で、塩基好ましくはNaOH水溶液の作用によって、遊離塩基形態、すなわち式(IV)の化合物に転化することによって精製される。また、分離した有機相に含まれる、式(IV)の化合物の遊離塩基は、酸と反応して塩に転化される。酸は、水溶性のHCl、HBr、p−TsOH、好ましくはHCl又はp−TsOHとすることができる。新しい式(IV)の化合物の塩は、濾過によって、超高純度かつ高力価検定で単離できる。
別の実施態様では、(Xa).HClは、DMF、DMAC、DMI、NMP、又はTMUなどの極性溶媒中で式(VII)の化合物と反応して、均一反応溶液を与える。反応完了後、水を加えて(IV).HClを沈殿させる。そして、(IV).HClを濾過で単離する。
工程iiiでは、市販の式(VIII)の化合物の塩酸塩((VIII).HCl)、塩基、カルボン酸、ヒドロキシ含有化合物、及び還元剤で式(IV)の化合物の塩を還元的にアミノ化してラパチニブを準備する。還元剤を加える前に、前記試薬をしばらく混合することが好ましい。水混和性溶媒を用いると好ましく、THFを用いるのが最も好ましい。有機塩基、好ましくはDIPEAを用いることができる。反応を促進するために、カルボン酸、好ましくは酢酸を加えることができる。
発明者らは、遊離塩基(VIII)の代わりに(VIII).HClを用いる場合、(VIII).HClの溶解を補助するために、ヒドロキシ含有化合物、最も好ましくは水を、好ましくは4.0モル当量から10.0モル当量で加えることができることを発見した。対照的に、発明者らは、アミノ化反応において、乾燥水非混和性溶媒などの水非混和性溶媒を用いる場合、又は事前に乾燥させた溶媒を用いる場合などの水が存在していない場合には、反応がより遅く進み、式(IV)の化合物が効果的に消費されないことを発見した。
更に、還元剤を加える時までに式(IV)の化合物が効果的に消費されない場合には、新たに形成したラパチニブが未反応の式(IV)の化合物と反応して望まれない不純物が生成する。しかし、水を加えると不純物生成が抑制されることを見出した。より純粋な形態で粗ラパチニブを調製できたので、これは、発明者による重要な発見であった。水を加える場合、4.0モル当量から10.0モル当量の水を用いることが好ましく、1.3モル当量から2.0モル当量過剰であると好ましく、1.3モル当量から1.6モル当量の(VIII).HClを用いることが最も好ましい。このようにして、HPLC純度5面積%未満にまで不純物を減らすことができた。還元剤は、好ましくはNaBH(OAc)であった。
この実施態様の方法を用いて調製したラパチニブは単離でき、また、より好ましくは、ラパチニブを単離せずに、工程iiiの反応生成物混合物から高純度ラパチニブジトシレート塩に直接転化できる。単離したラパチニブジトシレートは、HPLC純度が、97.0−99.9%、好ましくは>99.0%、最も好ましくは>99.8%である。工程iiiからの反応生成物をNaOH水溶液などの塩基性水溶液でクエンチし、分離し、そして有機相をNHCl水溶液などの酸性水溶液で洗浄する。次に有機相を濾過し、そしてp−トルエンスルホン酸存在下で有機相から結晶化して結晶形態1としてラパチニブジトシレートを得る。ラパチニブジトシレートは、濾過又は遠心分離、又は他の固体分離法で単離する。
本発明の実施態様により調製したラパチニブジトシレートを再結晶して、結晶形態1(特許文献3)及び形態2(特許文献5に開示される)を準備できる。
本発明のもう一つの態様では、DMSO、MeCN、及び水の混合物から構成される溶液から、ラパチニブジトシレートのアモルファス、結晶形態I、又は結晶形態IIの新規結晶法によって、(特許文献3で開示されるような)ラパチニブジトシレート一水和物を調製する。この結晶質のXRPD分析は、図10に示すようなXRPDパターンを与える。ラパチニブジトシレート一水和物の従来の調製方法は、THFと水からの結晶化を含む。この方法は、いくつかの操作上の課題を示すことができる。ラパチニブジトシレート形態Iは、従来法の結晶化溶媒であるTHF及び水に対して低溶解性なため、固体の溶解前にTHF及び水を予め混合し、加熱しなければならない。ラパチニブジトシレート一水和物は、ラパチニブジトシレート形態IよりもTHFと水の混合物に対する溶解性が低いので、粗ラパチニブジトシレート形態Iの溶解に続き、形態Iに比べて低溶解性なジトシレート一水和物が結晶化し始める。これは、研磨濾過(polish filtration)段階でこの結晶化が生じるときの操作上の問題になり、収率の損失につながり、フィルタの目詰まりを引き起こす。
ここで、本発明は、この問題が起きる可能性を軽減する、ラパチニブジトシレートのアモルファス、結晶形態I、又は結晶形態IIの新規な結晶化プロセスを提供する。この新規プロセスでは、最初にラパチニブジトシレートをDMSOに完全に溶解して、不要な一水和物形態の早期結晶化を起こさずに、研磨濾過をすることができる。次に、研磨濾過に続いてMeCN水溶液を加え、溶液をゆっくり冷却してラパチニブジトシレート一水和物を制御した方法で結晶化させる。このプロセスは、結晶化が起きる時に良好に制御できるので、工業生産規模で有利な新規結晶化プロセスである。
別の実施態様では、ラパチニブを以下によって製造する。
i)式(IX)の化合物を2−(メチルスルホニル)エタンアミン((VIII))又はその塩(すなわち(VIII).HCl)と反応させて式(XI)の化合物を製造し、
ii)式(XI)の化合物を活性剤で活性化して式(XII)の化合物を製造し、そして、
iii)式(XII)の化合物と式(VII)の化合物との反応によって、式(XII)の化合物をラパチニブに転化する。
工程iでは、DIPEAのような塩基の存在下及びAcOHの存在下、溶媒中、(VIII).HCl及び還元剤で式(IX)の化合物を還元的アミノ化できる。還元剤は、好ましくはNaBH(OAc)である。
工程iiでは、式(XI)の化合物を活性化して、工程iiiでの式(VII)の化合物との反応を容易にさせる。この方法では、式(XI)の化合物式(XII)の化合物に転化する(スキーム5)。ここで、X’は、式(VII)の化合物との反応で置換され得る脱離基である。例えば、X’は、ハロゲン化剤、スルホン化剤、ホスホニル化剤、又はアミド結合形成剤の一員でCl、Br、I、OSOR、OPOCl、6−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ、[OP(NR]BF、又はPFである。ここで、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリールである。また、ここで、NRは、ジアルキルアミン、又は環にNを含む複素環である。Rがアルキルであるときは、非環式でもよく、又は、Rが共に環を形成して環式(5又は6員環など)でもよい。活性剤は、ハロゲン化剤が好ましい。ハロゲン化剤は、X’=Clとなるように塩素化剤が好ましい。塩素化剤は、SOCl、POCl、(COCl)、PCl、PCl、COClなどが好ましく、SOCl又はPOClが最も好ましい。これらの塩素化剤を用いるときは、DMF又はDMACなどのアミド、好ましくはDMFを、触媒量加えることが好ましい。
Figure 0005833626
スキーム5
工程iiiでは、式(XII)の化合物を、有機溶媒中で任意の塩基存在下、式(VII)の化合物との反応でラパチニブに転化する。工程iii中の溶媒は、THF、MeCN、i−PrOH、MEK、DMF、DMAC、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチルピロリドン(NMP)、及びテトラメチルウレア(TMU)から選択できる。工程iiiにおける、塩基の添加は任意である。そして、塩基は、イミダゾール、DIPEA、EtNなどから選択できる。
このように調製したラパチニブは、上記のような結晶化、又はクロマトグラフィー(フラッシュ・クロマトグラフィー又は分取HPLCなど)で単離でき、又はラパチニブジトシレートに転化できる。
別の実施態様では、式(V)の化合物を式(VI)の化合物と反応させて、式(IX)の新規化合物を調製する。
Figure 0005833626
ここで、Xはハロゲンであり、好ましくはIである。
Figure 0005833626
ここで、BZは、B(OH)、B(OR)、[BF]M、BRなどであり、
Yは、CH=O、CH(OR)などであり、
CH(OR)とB(OR)は、環状又は非環状であり、
B(OR)は、ボロン酸無水物(すなわち、ボロキシン、又はボロン酸の環状三量体無水物として知られている。)とすることができ、
Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリルなどであり、
Mは、カリウムを含むアルカリ金属などの金属イオンである。
この反応は、有効量の触媒、塩基、及び溶媒の存在下で行う。
溶媒は、有機溶媒と水で構成されると好ましい。
(VI)の化合物は、式(VIa)のものであると好ましい。
Figure 0005833626
触媒は、遷移金属又は遷移金属塩と、配位子から構成されると好ましい。カップリング反応の前に、別途、配位子と遷移金属から触媒を事前に調製できる。また、カップリング反応混合物中に配位子と遷移金属を別々に加えてin situで調製できる。カップリング反応混合物中にin situで触媒を調製することが好ましい。
遷移金属又は遷移金属塩は、パラジウム又はパラジウム塩であると好ましい。遷移金属塩は、パラジウム塩であると最も好ましい。遷移金属がパラジウムである場合、Pd(OAc)、Pd(dba)、Pd(PPh 、Pd[P(t−Bu)などを用いることができる。触媒のパラジウム金属源として、Pd(OAc)を用いることが好ましい。
遷移金属がパラジウムの場合、配位子は、P(n−Bu)、P(t−Bu)、PCyP(o−Tol)、dppe、dppp、dppb、dppf、PhP、BINAP、BippyPhos、TrippyPhosを含む、鈴木−宮浦カップリング反応での使用についての文献で報告されたものから選択されるホスフィンであると好ましい。ホスフィン配位子は、P(t−Bu)又はその塩誘導体であると好ましい。ホスフィン配位子は、安定した塩[HP(t−Bu)]BFとして用意されるとより好ましい。
このカップリング反応には、様々なホスフィン配位子を用いることができたが、発明者らは、dppb、dppf、PhP、BINAP、BippyPhos、TrippyPhosのすべてが、パラジウム金属又はパラジウム金属塩と組み合わせて触媒にすると、低効率のカップリングになることを観測した。このようなことから、発明者らは、驚くべきことに、P(t−Bu)をPd(OAc)と組み合わせた場合、含水ジオキサン、含水DMAC、含水DMF、含水NMP、含水MeCN、含水DMSO(表1参照)などの種々の溶媒中で塩基NaCO又はKOAcを用いると、HPLCで決定した(Va)から式(IX)の化合物への良好な転化率(通常90%以上)によって特徴付けられるような比較的効率的な式(Va)(VIa)の化合物のカップリングを促進する触媒が得られることを発見した。発明者らは、P(t−Bu)を、そのテトラフルオロボレート塩[HP(t−Bu)]BFとして扱うと空気に安定で不燃性固体なため好ましいことを見出した。
パラジウム金属とホスフィン配位子とのモル比は変えられるが、発明者らは、P(t−Bu)とPd(OAc)から調製した触媒では約1:1のモル比が好ましいことを発見した。Pd(OAc)に対してP(t−Bu)を過剰モル量用いると、式(Va)(VIa)の化合物のカップリング効率に関する利点が得られた。
発明者らは、[HP(t−Bu)]BFとPd(OAc)から触媒をin situで調製する場合は、少量用いればよいことを発見した。触媒を式(Va)の化合物のモル量に対して0.5mol%と5mol%の間で用いることが好ましく、0.5mol%と2mol%の間が好ましい。
無機又は有機塩基を含む、鈴木−宮浦カップリング反応での使用についての文献で報告されたものなどの種々の塩基を用いることができる。好ましい塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物(Ba(OH)など)、又は水酸化アンモニウム(EtNOHなど)などの水酸化物、アルカリ金属アルコキシド(NaOMe又はNaOEtなど)又はアンモニウムアルコキシドなどのアルコキシド、又はアルカリ金属炭酸塩(NaCO、KCO、及びCsCOなど)又はアルカリ土類金属炭酸塩などの金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩(NaHCO又はKHCOなど)又はアルカリ土類金属重炭酸塩などの金属重炭酸塩、アミン(トリエチルアミン又はDIPEAなど)、又はアルカリ金属カルボン酸塩(カリウム酢酸塩など)のようなアルカリ金属カルボン酸塩、又はアルカリ金属リン酸塩(KPOなど)などの金属リン酸塩、である。最も好ましい塩基はカリウム酢酸塩(AcOK)である。
発明者らは、塩基の量は他の反応剤に応じて変えられるものの、塩基がNaCOであるときは式(VI)の化合物に対して0.8〜2.5の間のモル当量が好ましく、式(VI)の化合物に対して1.0〜1.5モル当量を用いるとより好ましいことを発見した。塩基がAcOKであるときは、式(VI)の化合物に対して1.0モル当量以上が好ましく、式(VI)の化合物に対して1.0モル当量を用いるとより好ましい。
反応溶媒として、水混和性有機溶媒と水の混合物が好ましいことを発見した。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル(MeCN)、ジオキサン、又は2−メチルフランと水との混合物を用いることができた。芳香族系溶剤又は含水アルコール溶媒を含む他の溶媒、及び鈴木−宮浦カップリング反応の使用についての文献で報告されたものも同様に有用かもしれない。
反応は、60〜95℃の間の温度で行ってもよい。また、この温度は、約80℃であってもよい。
溶媒は水とDMSOの混合物であると好ましい。DMSOは、式(V)(VI)の化合物式(IX)の化合物への効率的転化のための良い溶媒混合物を与えるとともに、MeCN、DMF、及びジオキサンのようなその他の使用可能な溶媒と比べて比較的毒性が低い。更に、我々の好ましいプロセス条件及び操作を用いて、溶媒としてDMSO及び水を用いたときに反応生成物混合物から式(IX)の化合物を結晶化できた。
DMSOのような水混和性有機溶媒及び水を反応に用いるときは、2つの溶媒成分の体積比が重要であることを発見した。式(Va)(VIa)の化合物の反応を均一系溶液で行うことが最も望ましいことを発明者は発見した。これによって、出発物質の生産物への良好な転化の効率的反応が可能になり、又、比較的低残渣パラジウムレベルで式(IX)の生成物を単離できる。反応を均一状態下で行うと式(IX)の化合物中の残渣パラジウム濃度は500ppm未満であったが、反応を不均一状態下で行うと式(IX)の化合物中の残渣パラジウム濃度は500ppmより多かった。例えば、DMSOとHOの2:1混合物(30体積量)を用いた場合、反応は不均一で、生成した式(IX)の化合物は536ppmの残渣パラジウム濃度を含んでいた。この場合には、反応が不均一であったので、熱濾過及び結晶化をせずに式(IX)の化合物を単離した。従って対照的に、カップリング反応の際に均一系反応溶液になる溶媒系を用いることが有利である。2つの溶媒成分を種々の体積比にして好適な反応温度の均一溶液が得られるが、これは溶媒に依存する。好適な反応温度範囲内で式(Va)(VIa)の化合物の溶媒としてDMSOを用いるときは、DMSOの水に対する体積比は5:1〜2:1の間が好ましく、約5:2が最も好ましい。
溶媒が体積比約5:2のDMSOと水で、式(Va)(VIa)の化合物を用いる場合、反応を約70℃〜100℃で行うことができるが、内部温度が約75℃〜85℃であると好ましい。
DMSOを水に対して約5:2にして溶媒が構成される場合、カップリング反応が完了したときに(反応液のHPLC分析で測定できる)、反応生成物混合物を約70℃〜100℃などで、任意であるが好ましくは、熱いうちに、かつ溶媒混合物中に式(IX)の化合物が溶解しているうちに濾過する。理論はともかく、熱濾過は、反応中に反応生成物混合物から沈殿するパラジウムのいくらかを除去するために機能し、それによって式(IX)の生成物中の残渣パラジウムレベルが減少すると思われる。従って、熱濾過工程は有利である。任意に、熱濾過工程に続けて更に熱水を式(IX)の化合物の均一溶液に加えることができ、そして、溶液が冷えて式(IX)の化合物が沈殿する。そして、式(IX)の化合物を濾過又は遠心分離又は固体単離の他の方法で単離する。
この様にして調製した式(IX)の化合物は、HPLC分析、並びにH及び13CNMR分光法で判断されるように高品質である(図4、図5参照)。本発明の方法を用いて調製した式(IX)の化合物のHPLC分析は、面積%基準のHPLC純度が98%より高く、通常、HPLC純度が99.0%以上であった。この反応は効率的であり、通常、90%より高い収率が得られ、しばしば収率が92〜95%の間であった。追加的な水を加え、冷却して、生成物混合物から式(IX)の化合物を沈殿させたとき、式(IX)の化合物は結晶であった。本発明の一実施形態としての式(IX)の化合物の結晶形態は、XRPDパターン(図3)、DSC曲線(図2)、及びIRスペクトル(図1)によって特性が示される。式(IX)の化合物のこの結晶形態は(Xa)式の化合物の合成に有用であるが、本発明はこの結晶形態の使用に限定されず、アモルファス、若しくは多形体又は溶媒和物のような他の結晶形態を式(IX)の化合物からの式(Xa)の化合物の合成に適用できる。
本発明のこの実施態様を用いて調製した式(IX)の化合物は、残渣パラジウムの許容しうる濃度の高品質なラパチニブ及びラパチニブジトシレートの調製に用いることができる。
(実施例)
実施例1: 5−(4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イル)フラン−2−カルバルデヒド(IX)の合成
Figure 0005833626
DMSOとHOの5:2(v/v)混合物(1400ml)を30分間、周囲温度下で窒素を用いて脱ガスした。5−ホルミルフラン−2−イルボロン酸((VIa);26.8g、193mmol)をこの混合物に加えて溶解した。[HP(t−Bu)BF (840mg、2.94mmol)及びPd(OAc)(680mg、2.94mmol)を加え、混合物を、窒素雰囲気下、周囲温度で20分間攪拌した。AcOK(18.8g、192mmol)を反応器中に加え、周囲温度で20分間攪拌した。6−ヨードキナゾリン−4(3H)−オン((Va);40g、147mmol)を加え、窒素下オイルバス中で80±5℃(内部温度)に加熱した。反応が完了したら(HPLC)、反応混合物を熱濾過し、次に、熱湯(400ml、80±5℃)を濾液に加えた。これを、ゆっくり0〜15℃に冷却し(固体が70℃(内部温度)で沈殿し始めた。)、次に、濾過した。濾過ケーキをHO(80ml)、次にMeCN(60ml)で洗浄し、減圧下60±5℃で6時間乾燥して、5−(4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イル)−フラン−2−カルバルデヒド((IX);34.6g、144mmol)を純度HPLC99.7%、HPLC収率97.6%で得た。
H NMR(300MHz,d6−DMSO):δ 7.47(d,J=3.8Hz,1H)、7.69(d,J=3.8Hz,1H)、7.77(d,J=8.6Hz,1H)、8.17(s,1H)、8.27(dd,J=8.6,2.1Hz,1H)、8.52(d,J=2.1Hz,1H)、9.66(s,1H); 13C NMR(75MHz,CDCl):δ 110.5、122.6、123.9、126.0、127.5、129.0、131.4、147.1、150.1、152.7、157.6、161.2、178.8; ESI−MS,Pos:[M+H]m/z241; IR(cm−1):1713、1671、1604、1462; m.p.:267℃。式(IX)の化合物のDSC/TGAを図2に示す。式(IX)の化合物の粉末X線回折パターンを図3に示す。パラジウムの残渣濃度:230ppm
実施例2: 5−(4−クロロキナゾリン−6−イル)フラン−2−カルバルデヒド塩酸塩((Xa).HCl)の合成
Figure 0005833626
還流で0.5時間予熱した、式(IX)の化合物(29g、0.121mol)、MeCN(435ml)、及びDMF(0.88g)の混合物中に、MeCN(145ml)中のSOCl(86.2g)を、N2雰囲気下1.5時間にわたって還流しながら滴下した。式(IX)の化合物の残量が2%未満(HPLC)の時に反応を終了した。反応が完全に終了しないときは、追加のSOClを加えた。混合物を約25±5℃(内部温度)に冷却し、次いで濾過し、MeCN(58ml)で洗浄して、HPLC純度82面積%の(Xa).HCl(MeCNで湿っている)約55gを得た。
(Xa).HCl: H NMR(300MHz,d6−DMSO):δ 9.68(s,1H)、9.17(s,1H)、8.57(d,J=2.0Hz,1H)、8.46(dd,J=8.6,2.1Hz,1H)、8.02(d,J=8.6Hz,1H)、7.74(d,J=3.8Hz,1H)、7.60(d,J=3.8Hz,1H)。(Xa).HClのH NMRスペクトルを図5に示す; 13C NMR(75MHz,d6−DMSO)δ 179.0、159.6、156.4、152.9、149.5、141.0、132.6、129.2、125.9、123.2、122.9、122.7、111.5;
(Xa).HClをカラムクロマトグラフィーで精製し(展開溶媒:)、純粋な式(Xa)の化合物を得た。
式(Xa)の化合物: H NMR(300MHz,d6−DMSO):δ 7.53(d,J=3.3Hz,1H)、7.68(d,J=3.3Hz,1H)、8.02(d,J=8.7Hz,1H)、8.42(d,J=8.4Hz,1H)、8.54(d,J=2.1Hz,1H)、8.90(s,1H)、9.64(s,1H); 13C NMR(75MHz、CDCl):δ 111.5、122.8、122.9、123.7、125.9、129.1、132.5、142.1、149.3、152.9、156.6、159.7、179.1
実施例3: 5−(4(3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル)フラン−2−カルバルデヒド塩酸塩((IV).HCl)の合成
Figure 0005833626
MeCN(580ml)中の、(Xa).HCl(MeCN溶媒で湿っている。29gの式(IX)の化合物から調整した。0.120mol)及び3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)アニリン((VII);27.3g、0.108mol)の混合物を、HPLC分析が反応完了を示すまで(約2時間)、還流下で攪拌した。混合物を室温(25±5℃)まで冷却し、濾過し、そしてMeCN(58ml)で洗浄した。湿った式(IV)の粗固体とTHF(870ml)の混合物を、2.0NのNaOH水溶液(348ml)で処理し、固体の大部分が溶解するまで3〜4時間攪拌した。混合物を珪藻土で濾過し、NaClの飽和水溶液(87ml)で洗浄した。有機相を10%HCl水溶液(174ml)で処理し、0.5時間攪拌した。得られた固体を濾過し、THF(87ml)で洗浄し、真空下60±5℃で16時間乾燥して、粗(IV).HCl(34g、0.067mol、HPLC純度:99%)を得た。
(IV).HCl: H NMR(300MHz、d6−DMSO): δ 9.69(s,1H)、9.52(s,1H),8.94(s,1H)、8.50(dd,J=8.8,1.7Hz,1H)、8.01(d,J=8.8Hz,1H)、7.97(d,J=2.5Hz,1H)、7.77(d,J=3.8Hz,1H)、7.73(dd,J=9.0,2.5Hz,1H)、7.69(d,J=3.8Hz,1H)、7.49(td,J=8.0,6.1Hz,1H)、7.41−7.28(m,3H)、7.20(td,J=8.4,2.2Hz,1H)、5.31(s,2H)
カラムクロマトグラフィーで式(IV)の遊離塩基を得る(EtOAc/DCM,1:4,v/vで展開)。
式(IV)の化合物 H NMR(300MHz,d6−DMSO): δ 5.28(s,2H)、7.19(td,J=8.7Hz,J=2.1Hz 1H)、7.34(m,4H)、7.43(d,J=3.6Hz,1H)、7.49(m,1H)、7.73(dd,J=8.7Hz J=2.7Hz,1H)、7.76(d,J=3.6Hz,1H)、7.88(d,J=9Hz,1H)、8.07(d,J=2.1Hz,1H)、8.32(dd,J=4.43Hz,J=1.95Hz,1H)、8.95(d,J=1.5Hz,1H)、9.68(s,1H)。
実施例4: N−(3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニル)−6−(5−((2−(メチルスルホニル)エチルアミノ)メチル)フラン−2−イル)キナゾリン−4−アミン ジトシレート (ラパチニブジトシレート)の合成
Figure 0005833626
2−(メチルスルホニル)エタンアミン塩酸塩((VIII).HCl;12.2g、76.7mmol)のTHF(600ml)懸濁液に、酢酸(14.1g、235mmol)を加え、続いてDIPEA(30.3g、235mmol)を加えた。周囲温度で0.5時間攪拌した後に、HO(4.2g、233mmol)及び(IV).HCl(30.0g、HPLC分析>99%、58.7mmol)を加えた。周囲温度(20℃)で4時間攪拌した後に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(37.4g、176mmol)を加え、HPLCが反応完了を示すまで、混合物を周囲温度(20℃±5℃;外部温度)で攪拌した。水酸化ナトリウムの10%水溶液(90ml)を加え、混合物を30分間攪拌した。有機相を25%NHCl水溶液(60ml)で洗浄し、濾過し、p−TsOH(40.4g、135mmol)で処理し、加熱して2時間還流した。混合物を周囲温度に冷却し、周囲温度で3時間攪拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキをTHFで二度洗浄し(各120ml)、次いで真空下70±5℃で6時間乾燥して、HPLC純度99.4%のラパチニブジトシレート43g(46.5mmol)を得た。
ラパチニブジトシレート H NMR(300MHz,d6−DMSO): δ 11.41(s,2H)、9.33(s,3H)、9.04(d,J=1.3Hz,2H)、8.93(s,2H)、8.41(dd,J=8.8,1.6Hz,2H)、7.91(d,J=2.6Hz,2H)、7.54−7.41(m,9H)、7.37−7.27(m,6H)、7.25(d,J=3.4Hz,2H)、7.22−7.13(m,2H)、7.08(dd,J=8.4,0.6Hz,8H)、6.87(d,J=3.5Hz,2H)、5.29(s,4H)、4.46(s,4H)、3.65−3.51(m,4H)、3.51−3.38(m,4H)、2.26(s,12H)。
ラパチニブジトシレートの溶液を、遊離塩基形態、ラパチニブ、に転化し、NaOH水溶液で洗浄し、次いで濃縮した。
ラパチニブ: H NMR(300MHz,d6−DMSO): δ 2.98(t,J=6.75Hz,1H)、3.04(s,1H)、3.29(t,J=6.6Hz,1H)、3.83(s,1H)、5.28(s,1H)、6.50(d,J=3.0Hz,1H)、7.08(d,J=3.3Hz,1H)、7.20(m,1H)、7.33(m,4H)、7.48(m,1H)、7.76(m,1H)、7.80(d,J=9Hz,1H)、8.04(d,J=2.75Hz,1H)、8.17(dd,J=8.7Hz,J=1.8Hz,1H)、8.56(s,1H)、8.75(d,J=1.8Hz,1H)。
実施例5a: ラパチニブジトシレートの精製
ラパチニブジトシレート(5.0g、5.4mmol、個々の不純物の最大値0.8%のHPLC純度96.5%)を70℃(内部温度)でDMSO(10ml)に溶解した。70〜80℃(内部温度)でMeCN(10ml)を混合物中に滴下し、この温度で1時間攪拌した。4時間かけて混合物を室温に冷却した。MeCN(30ml)を滴下し、混合物を1時間攪拌し、次いで濾過し、MeCN(10ml)で洗浄した。濾過ケーキを真空下60℃で16時間乾燥して、HPLC純度99.6%、HPLC収率78%で、(特許文献3で開示されたような)結晶形態1としてラパチニブジトシレート4.0gを得た。
実施例5b: ラパチニブジトシレートの精製
ラパチニブジトシレート(3g、3.25mmol、HPLC純度99.3%)をDMF(18ml)に80℃で溶解し、1時間攪拌した。混合物を熱濾過した。濾液にMeCN(18ml)を80℃で加えた。温度を70℃に下げ、結晶が沈殿した。混合物を70℃で1時間保ち、次いで60℃で1時間保った。混合物を更に0℃に冷却し、2時間攪拌した。ラパチニブジトシレートの結晶を濾過で単離し、真空下40℃で一晩乾燥した。HPLC純度99.9%のラパチニブジトシレート(2.5g、2.70mmol、収率83%)を得た。XRPD分析(図9)は、これが特許文献5で開示されるような形態2であることを示した。
実施例6: ラパチニブジトシレート一水和物の調製
ラパチニブジトシレート(2.0g、HPLC純度96.7%、2.1mmol)を80℃(内部温度)でDMSO(5ml)に溶解し、ラパチニブジトシレートが溶解したままで溶液を濾過した。次いで、MeCN(5ml、2.5P)と水(0.3ml)の混合物を濾過した溶液に70〜80℃(内部温度)で滴下した。混合物を10℃/hの割合で60℃まで冷却し、60℃に2時間保ち、次いでゆっくり50℃に冷却した。50℃で1時間保った後に、MeCN(15ml)を加え、次に混合物を20〜30℃に冷却し、20〜30℃で2時間攪拌した。スラリーを濾過し、MeCN(6ml)で洗浄し、そして濾過ケーキを真空下60℃で4時間乾燥して、ラパチニブジトシレート一水和物(1.7g、純度99.4面積%、1.8mmol)を得た。XRPD分析(図10)は、これが特許文献3で開示されるような一水和物結晶形態であることを示した。
実施例7: −(5−((2−(メチルスルホニル)エチルアミノ)メチル)フラン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン ((XI))の合成
Figure 0005833626
式(IX)の化合物(5g、21mmol)と2−(メチルスルホニル)エタンアミン塩酸塩(4.1g、33mmol)のTHF(150ml)懸濁液に、酢酸(5g、83mmol)を加え、その後DIPEA(10.5g、83mmol)を加えた。混合物を35℃(内部温度)で2.5時間攪拌し、次いで20℃(内部温度)に冷却した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(8.8g、42mmol)を加え、混合物を周囲温度で攪拌し、反応が完了した(TLC分析)。25%水酸化ナトリウム水溶液(10ml)と水(50ml)を加え、混合物を30分間攪拌した。液相を分離し、水層をTHF(50ml)で抽出した。抽出液を前の有機相に合わせ、混合物を飽和NHCl水溶液(50ml)で洗浄した。有機相を真空下で濃縮した。粗生成物を5%MeOHのDCMで展開してカラムクロマトグラフィーで精製し、画分に含まれる生成物の減圧溶媒留去後に、式(XI)の化合物(3.1g)を得た。
式(XI)の化合物: 1H NMR(300MHz,d6−DMSO): δ 2.94(dt,J=13.8Hz,J=7.05Hz,1H)、3.00(s,1H)、3.24(t,J=6.75Hz,1H)、3.77(s,1H)、6.42(d,J=3.3Hz,1H)、7.03(d,J=3.0Hz,1H)、7.68(d,J=8.4Hz,1H)、8.06(s,1H),8.09(dd,J=8.55Hz,J=2.25Hz,1H)、8.31(d,J=2.1Hz,1H)
実施例8: N−((5−(4−クロロキナゾリン−6−イル)フラン−2−イル)メチル)−2−(メチルスルホニル)エタンアミン ((XIIa))からのラパチニブの合
式(XI)の化合物(0.4g、1.15mmol)のトルエン(10ml)懸濁液に、POCl(0.21g、1.38mmol)を加え、続いてEtN(0.14g、1.38mmol)を加えた。90℃で2時間攪拌した後、混合物を周囲温度まで冷却し、MEK(20ml)中の式(VII)の化合物(0.6g、2.39mmol)を加えた。混合物を90℃で2時間攪拌し、周囲温度まで冷却し、1N水酸化ナトリウム水溶液(20ml)とTHFを加えた。水相を分離し、THFで二度抽出した(各20ml)。合わせたTHF相を濃縮して0.8gの粗生産物を得、それをカラムクロマトグラフィー(3%MeOHのDCMで展開)で精製してHPLC純度59%のラパチニブ(10mg、0.01mmol)を得た。
実施例9: 5−(4−クロロキナゾリン−6−イル)フラン−2−カルバルデヒド塩酸塩((Xa).HCl)の合成
反応が完了するまで(TLC分析)、式(IX)の化合物(0.6g、2.5mmol)、SOCl(15ml)、及びDMF1滴の混合物を還流下加熱した。揮発成分(SOClを含む)を減圧留去して、次工程に直接用いることができる粗(Xa).HCl(0.9g)得た。
実施例10: (IV).HClの合成
HPLC分析が反応完了を示すまで、(Xa).HCl(1.0g、2.7mmol)と3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)アニリン((VII);0.85g、3.4mmol)のTHF(20ml)混合物を60℃で加熱した。混合物を約25℃に冷却し、2.8NのNaOH水溶液(5ml、14mmol)を加え、撹拌した。有機相を分離し、そして、pH値が、生成物の沈殿を引き起こす1〜2になるように、2NのHCl水溶液を加えた。混合物を20分間攪拌し、濾過し、濾過ケーキを真空下40℃で乾燥して、粗(IV).HCl(1.15g、HPLC純度:97.8%、2.2mmol、HPLC収率78.0%)を得た。
実施例11: (IV).HClの合成
イミダゾール(1.4g、20.6mmol)、(Xa).HCl(2g、6.8mmol)、及び3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)アニリン((VII);1.8g、7.5mmol)のDMF(20ml、10P)溶液を、HPLC分析が反応完了を示すまで、攪拌しながら80±5℃(内部温度)で加熱した。0.5NのHCl水溶液(20ml)を70〜80℃でゆっくり加え、生成物が沈殿した。室温(25±5℃)まで冷却した後に、混合物を濾過し、水(20ml)で洗浄し、濾過ケーキを真空下60±5℃で16時間乾燥して、粗(IV).HCl(2.85g、HPLC純度89%、5.0mmol)を得た。
実施例12:−(4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イル)フラン−2−カルバルデヒド((IX))の他の合成
Figure 0005833626
NaCO(3.9g、36mmol)の、不活性ガス(窒素又はアルゴン)で脱ガスした含水ジオキサン(100ml、2:1 ジオキサン:HO)の40℃溶液に、[HP(t−Bu)]BF(0.52g、1.8mmol)とPd(OAc)(0.4g、0.18mmol)を加えた。混合物を窒素雰囲気下30℃(内部温度)で30分間攪拌し、そして次に、6−ヨードキナゾリン−4(3H)−オン((Va);5g、18mmol)と5−ホルミルフラン−2−イルボロン酸((VIa);4.1g、29mmol)を加えた。混合物を80℃(内部温度)に加熱し、TLC分析が反応完了を示すまで攪拌した。反応生成物混合物を周囲温度に冷却し、セライト(1g)で濾過し、濾過ケーキをn−BuOH(200ml)で洗浄した。合わせた濾液を分離し、有機相をNaCl飽和水溶液で二度洗浄した(各100ml)。有機相を真空下で約50mlまで濃縮し、残渣を攪拌しながら周囲温度に冷却し、生成物を沈殿させた。スラリーを濾過し、濾過ケーキをn−BuOH(40ml)で洗浄し、次に真空下60℃で乾燥して、式(IX)の化合物(4.5g、HPLC91%、16.5mmol)を得た。
H NMR(300MHz,d6−DMSO,1347−126−19): δ 7.47(d,J=3.6Hz,1H)、7.68(d,J=3.6Hz,1H)、7.77(d,J=8.7Hz,1H)、8.14(d,J=2.1Hz,1H)、8.28(dd,J=8.7Hz,J=2.1Hz,1H)、8.53(d,J=2.1Hz,1H)、9.64(s,1H)
実施例13: −(4−クロロキナゾリン−6−イル)フラン−2−カルバルデヒド ((Xa))の合成
Figure 0005833626
反応が完了するまで(TLC分析)、式(IX)の化合物(3g、12.5mmol)、SOCl(30ml)、及び1滴のDMFの混合物を80℃で加熱した。揮発成分を減圧留去して(SOClを含む)、式(Xa)の化合物を得、それをカラムクロマトグラフィー(EtOAc/DCM、1:8、v/vで展開)で精製して、式(Xa)の化合物の遊離塩基を得た。
式(Xa)の化合物 H NMR(300MHz,d6−DMSO): δ 7.53(d,J=3.3Hz,1H)、7.68(d,J=3.3Hz,1H)、8.02(d,J=8.7Hz,1H)、8.42(d,J=8.4Hz,1H)、8.50(s,1H)、8.90(s,1H)、9.64(s,1H)
Figure 0005833626

Claims (27)

  1. 式(IX)の化合物をラパチニブ又はその薬学的に許容できる塩に転化することを含む、ラパチニブ又はその薬学的に許容できる塩の調製プロセス。
    Figure 0005833626
  2. 式(IX)の化合物を転化する工程が、
    i)ハロゲン化剤、スルホン化剤、ホスホニル化剤、又はアミド結合形成剤で式(IX)の化合物を活性化することと、
    ii)活性化した式(IX)の化合物と、3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)アニリン(VII)とを反応させて、式(IV)の化合物、又はその塩を製造することと、及び、
    Figure 0005833626
    iii)式(IV)の化合物、又はその塩を、ラパチニブ又はその薬学的に許容できる塩に転化すること、
    を含む、請求項1のプロセス。
  3. ハロゲン化剤が塩素化剤である、請求項2のプロセス。
  4. 塩素化剤がSOCl、POCl、(COCl)、PCl、PCl、及びCOClからなる群から選ばれる、請求項3のプロセス。
  5. 工程ii)をパラジウム系又は銅系触媒の存在下で行う、請求項2のプロセス。
  6. i)式(IX)の化合物を2−(メチルスルホニル)エタンアミン(VIII)又はその塩と反応させて、式(XI)の化合物を製造することと
    Figure 0005833626
    i)式(XI)の化合物を活性剤で活性化して式(XII)の化合物を製造することと、及び
    Figure 0005833626
    (ここで、X’は脱離基である。)
    iii)式(XII)の化合物と式(VII)の化合物とを反応させて、式(XII)の化合物をラパチニブに転化すること
    Figure 0005833626
    含む請求項1のプロセス。
  7. i)請求項1に記載のプロセスでラパチニブジトシレートを調製し、そして前記ラパチニブジトシレート65〜80℃でジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解する工程と、
    ii)ラパチニブジトシレートが溶解した溶液に濾過操作を行う工程と、
    iii)ラパチニブジトシレートの前記ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液にアセトニトリル(MeCN)と水の混合物を65〜80℃で加える工程と、
    iv)ラパチニブジトシレート一水和物が結晶化するように溶液を冷却する工程と、及び、
    v)ラパチニブジトシレート一水和物結晶を単離する工程、
    を含むラパチニブジトシレート一水和物結晶の調製プロセス。
  8. 有効量の触媒、塩基、及び溶媒の存在下で、式(V)の化合物:
    Figure 0005833626
    (ここで、Xはハロゲンである。)
    を式(VI)の化合物:
    Figure 0005833626
    (ここで、
    BZは、B(OH)、B(OR)、又は[BF]M、BRであり、
    Yは、CH=O、又はCH(OR)であり、
    CH(OR)及びB(OR)は、環式又は非環式であり、
    B(OR)は、ボロン酸無水物でもよく、
    Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、又はアリルであり、
    Mは金属イオンである。)
    と反応させる工程を含む、式(IX)の化合物:
    Figure 0005833626
    の調製プロセス。
  9. XがIである、請求項のプロセス。
  10. 式(VI)の化合物が、式(VIa)又はそのボロン酸無水物形態のものである、請求項のプロセス。
    Figure 0005833626
  11. 触媒が、遷移金属又は遷移金属塩と、ホスフィン配位子とを有する、請求項のプロセス。
  12. 遷移金属又は遷移金属塩が、パラジウム又はパラジウム塩である、請求項11のプロセス。
  13. ホスフィン配位子が、P(t−Bu)又はその塩誘導体である、請求項11のプロセス。
  14. 塩誘導体が[HP(t−Bu)]BFである、請求項13のプロセス。
  15. 塩基が、水酸化物、アルコキシド、金属炭酸塩、金属重炭酸塩、アミン、金属カルボン酸塩、又は金属リン酸塩である、請求項のプロセス。
  16. 金属炭酸塩がNaCOである、請求項15のプロセス。
  17. 金属カルボン酸塩がAcOKである、請求項15のプロセス。
  18. 溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル(MeCN)、又は1,4−ジオキサンと水の混合物である、請求項のプロセス。
  19. 溶媒が、水とジメチルスルホキシド(DMSO)との混合物である、請求項18のプロセス。
  20. ジメチルスルホキシド(DMSO)のHOに対する体積比が、5:2である、請求項19のプロセス。
  21. 以下の工程を、粗反応生成物溶に溶解した式(IX)の化合物に対して行う、請求項のプロセス。
    i)溶解した式(IX)の化合物を、式(IX)の反応生成物が溶液に溶解したままになるような温度で、熱濾過する工程
    ii)熱水を式(IX)の化合物を含有する熱濾液に加える工程
    iii)溶液を冷却して式(IX)の化合物を結晶化させる工程
    iv)式(IX)の化合物を単離する工程
  22. 反応を60〜95℃の間の温度で行う、請求項のプロセス。
  23. 温度が80℃である、請求項22のプロセス。
  24. 式(IX)の化合物。
    Figure 0005833626
  25. 2θ±0.2で、4.38、12.65、13.34、及び15.59のピークを含む粉末X線回折パターンを示す、式(IX)の化合物の結晶形態。
    Figure 0005833626
  26. 式(Xa)の化合物。
    Figure 0005833626
  27. 式(XI)の化合物。
    Figure 0005833626
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