JP5789183B2 - インクジェット記録用プライマー - Google Patents
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Description
なお、以下、本明細書においては、擦過性や剥れやすさなどの特性を「定着性」と称し、色ムラや線幅の不均一など画像品質に関わる特性を「描画性」と称する。
本発明者らは、種々の非吸収性被記録媒体上にインクジェットインクにより画像を形成する場合に、N−ビニルラクタム化合物、アクリルアミド系化合物およびN−ビニルアミド化合物からなる群から選択される少なくとも1種の密着促進成分を含有し、かつ、重合性化合物として2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを含有するプライマーインクが、画像の定着性および描画性を向上し得ることを見出し、本発明に至った。
[1]重合性化合物および重合開始剤を含有するプライマーインクであって、N−ビニルラクタム化合物、アクリルアミド系化合物およびN−ビニルアミド化合物からなる群から選択される少なくとも1種の密着促進成分、ならびに2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを含有し、プライマーインクの表面張力が25〜31mN/mであり、粘度が50mPa・s以下であるプライマーインク。
[2]ゲル化防止剤および表面調整剤をさらに含有する前記[1]に記載のプライマーインク。
[3]表面張力が25〜32mN/m である画像形成用インク組成物のためのプライマーとして用いる前記[1]または[2]に記載のプライマーインク。
本発明のプライマーインクは、N−ビニルラクタム化合物、アクリルアミド系化合物およびN−ビニルアミド化合物からなる群から選択される少なくとも1種の密着促進成分を含有する。
本発明のプライマーインクに含有し得るN−ビニルラクタム化合物としては、例えば、N−2−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。また、アクリルアミド系化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドおよび(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。N−ビニルアミド化合物としては、N−ビニルホルムアミドおよびN−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
特に、本発明のプライマーインクにおける密着促進成分としては、N−ビニルカプロラクタム、N−2−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、およびN−ビニルホルムアミドを用いることが好ましい。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリルアミド」とは、「アクリルアミド」または「メタクリルアミド」を表し、後述する「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリロイルオキシ」等の表記も同様の意味を有する。
具体的には、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物、マレイミド基を側鎖に有する高分子化合物、芳香核に隣接した光二量化可能な不飽和二重結合を有するシンナミル基、シンナミリデン基やカルコン基等を側鎖に有する高分子化合物などが挙げられる。中でも、重合開始剤から発生する活性ラジカルにより重合するラジカル重合性化合物が好ましい。
本発明のプライマーインクに含有し得るラジカル重合性化合物としては、特にラジカル重合開始剤から発生する開始種により重合または架橋反応するラジカル重合性のモノマーを用いることが好ましい。さらに、ラジカル重合性モノマーとしては、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物がより好ましく、少なくとも1個の末端エチレン性不飽和結合を有する化合物から選択される化合物であることが特に好ましい。例えば、(メタ)アクリレート類、芳香族ビニル類、ビニルエーテル類および内部二重結合を有する化合物(マレイン酸など)等が挙げられる。また、これらの化合物の化学的形態としては、モノマー、プレポリマー(すなわち2量体、3量体およびオリゴマー)およびそれらの共重合体、ならびにそれらの混合物が含まれる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明のプライマーインクにおける2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートの含有量は、プライマーインク100質量部に対して、好ましくは5質量部以上70質量部以下であり、より好ましくは10質量部以上60質量部以下である。
さらに、重合性化合物としてカチオン重合性化合物を用いることもできる。カチオン重合性化合物としては、何らかのエネルギー付与によりカチオン重合反応が開始され、これを含有する組成物を硬化させる機能を有する化合物であれば特に制限されず、モノマー、オリゴマーまたはポリマーのいずれの形態であってもよい。特に、カチオン重合開始剤から発生する開始種により重合する、光カチオン重合性化合物として知られる公知のカチオン重合性化合物を使用することができる。また、カチオン重合性化合物は単官能化合物または多官能化合物のいずれであってもよい。
ここで、本明細書において、オキシラン環含有化合物(以下、「オキシラン化合物」と称する場合がある)とは、分子内に、少なくとも1つのオキシラン環(オキシラニル基、エポキシ基)を含む化合物をいう。また、オキセタン環含有化合物(以下、「オキセタン化合物」と称する場合がある)とは、分子内に少なくとも1つのオキセタン環(オキセタニル基)を含む化合物をいう。
本発明のプライマーインクは、重合開始剤を含有する。本発明における重合開始剤は、活性光、熱、あるいはその両方のエネルギーの付与によりラジカルなどの開始種を発生し、上述した重合性化合物の重合反応または架橋反応を開始、促進させる化合物である。本発明において、重合開始剤は、熱または活性放射線によって重合反応または架橋反応を開始させるものが好ましく、活性放射線によって重合反応または架橋反応を開始させるものがより好ましい。プライマーインクが重合開始剤を含むことにより、被記録媒体に付与されたプライマーインクを活性放射線の照射または加熱によって硬化させることができる。
(g)アジニウム化合物の例としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号および特公昭46−42363号各公報記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
(h)メタロセン化合物の例としては、チタノセン化合物および鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物の好ましい例としては、たとえば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42,2924(1969)に記載の化合物等を挙げることができる。 また、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.29、1527(1964)記載の化合物を挙げることができる。
これらの重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、感度向上の目的で公知の増感剤と併用することもできる。
また、重合開始剤と重合性化合物との含有比は、質量比(重合開始剤:重合性化合物)で、0.5:100〜30:100であることが好ましく、1:100〜15:100であることがより好ましい。
本発明のプライマーインクは、印刷画像の性質によって再現性がより優れる場合は、着色材を含有してもよいが、高画質の印刷物を得る目的から、その上の画像形成用インクの描画性に影響を与えない透明であることが好ましい。
本発明のプライマーインクが着色材を含有する場合、その含有量は、プライマーインクの総質量に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましい。
被記録媒体に対する濡れ性を向上させ、ハジキを防止するために、本発明のプライマーインクは表面調整剤を含有することが好ましい。
本発明において使用し得る表面調整剤の具体例としては、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類および脂肪酸塩類等のアニオン性表面調整剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性表面調整剤、アルキルアミン塩類および第4級アンモニウム塩類等のカチオン性表面調整剤、シリコン系表面調整剤ならびにフッ素系表面調整剤などが挙げられる。
本発明のプライマーインクは、光重合開始剤の感度を向上させることを目的として、増感剤として増感色素を含有してもよい。好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類:多核芳香族類、キサンテン類、シアニン類、メロシアニン類、チアジン類、アクリジン類、アントラキノン類またはクマリン類に属しており、かつ350nm〜450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
また、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えてもよい。共増感剤の例としては、アミン類が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、およびp−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
本発明のプライマーインクは、保存性を高める観点および熱重合によるヘッド詰まりを防止する観点から、ゲル化防止剤を含有してもよい。ゲル化防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、IRGASTAB UV-10、IRGASTAB UV-22、およびFIRSTCURE ST−1(ALBEMARLE社製)等が挙げられる。ゲル化防止剤を含有する場合、その含有量は、プライマーインクの総量に対して、200〜20,000ppm添加することが好ましい。
本発明のプライマーインクは、必要に応じて公知の溶剤を含有し得る。溶剤は、プライマーインクの極性や粘度、表面張力、着色材の溶解性・分散性の向上、導電性の調整、および印字性能の調整などの目的で使用できる。
本発明のプライマーインクは、さらに、貯蔵安定剤、導電性塩類、およびその他の添加剤等を目的に応じて含有し得る。
その他の添加剤としては、ポリマー、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、およびpH調整剤等の公知の添加剤を適宜選択して使用することができる。紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、pH調整剤に関しては、具体的には例えば、特開2001−181549号公報に記載されている添加剤などを用いることができる。
具体的には、本発明のプライマーインクの表面張力は、25〜31mN/mである。プライマーインクの表面張力が25mN/mより小さいと、画像形成時に画像形成用インクに対するハジキが生じやすく画像が描画できない可能性があり、一方、31mN/mを超えると、画像形成時に画像形成用インクが広がりやすくにじむ可能性がある。また、25〜31mN/mの範囲を大きく外れる場合、IJP適性から外れインク自体が吐出不良となる可能性がある。
本発明において、本発明のプライマーインクとともに用いられる画像形成用インクについては特に制限はなく、従来、インクジェット方式に使用される公知のインク組成物を使用することができるが、エネルギー線硬化性の重合性化合物、および着色材として顔料を用いたインク組成物が好ましい。
以下、本発明のプライマーインクとともに用いるのに特に適した画像形成用インクについて説明する。なお、本明細書において、以下、「画像形成用インク組成物」とは、画像形成をするために用いられる画像形成用インクを構成する個々のインク組成物を意味する(通常、画像形成用インクは、複数の画像形成用インク組成物から構成される)。
重合性化合物の含有量は、画像形成用インク組成物の固形分(質量)に対して、50〜99.6質量%であることが好ましく、60〜99.0質量%であることが好ましい。
黒色顔料としては、カーボンブラック顔料等が好ましく挙げられる。また、一般には黒色、ならびにシアン、マゼンタ、およびイエローの3原色の顔料が用いられるが、その他の色相、例えば、金、銀色等の金属光沢顔料、無色または淡色の体質顔料なども目的に応じて用いることができる。
バイオレットの色を呈する顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンB)、C.I.ピグメントバイオレット2(ローダミン3B)、C.I.ピグメントバイオレット3(メチルバイオレットレーキ)、C.I.ピグメントバイオレット3:1(メチルバイオレットレーキ)、C.I.ピグメントバイオレット3:3(メチルバイオレットレーキ)、C.I.ピグメントバイオレット5:1(アリザリンマルーン)、C.I.ピグメントバイオレット13(ウルトラマリンピンク)、C.I.ピグメントバイオレット17(ナフトールAS)、C.I.ピグメントバイオレット23(ジオキサジンバイオレット)、C.I.ピグメントバイオレット25(ナフトールAS)、C.I.ピグメントバイオレット29(ペリレンバイオレット)、C.I.ピグメントバイオレット31(ビオランスロンバイオレット)、C.I.ピグメントバイオレット32(ベンズイミダゾロンボルドーHF3R)、C.I.ピグメントバイオレット36(チオインジゴ)、C.I.ピグメントバイオレット37(ジオキサジンバイオレット)、C.I.ピグメントバイオレット42(キナクリドンマルーンB)、C.I.ピグメントバイオレット50(ナフトールAS)等が市販品として入手可能である。
また、着色材を添加するにあたっては、必要に応じて、分散助剤として、各種着色材に応じたシナージストを用いることも可能である。着色材などの諸成分の分散媒として、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である重合性化合物を分散媒として用いてもよい。本発明のプライマーインクは、エネルギー線硬化型の液体であることが好ましいことから、これとともに用いる画像形成用インク組成物もエネルギー線硬化型の液体であることが好ましく、プライマーインクおよび画像形成用インクを被記録媒体上に適用後硬化させるため、これらは無溶剤であることが好ましい。形成した画像中に溶剤が残留すると、画像の耐溶剤性が低下したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じたりするためである。このような観点から、分散媒として重合性化合物を用い、中でも、粘度が低い重合性化合物を選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
なお、着色材の粒径は、公知の測定方法で測定することができる。具体的には、例えば、遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法または動的光散乱法により測定することができる。
着色材は単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、2種類以上の有機顔料または有機顔料の固溶体を組み合わせて用いることもできる。さらに、打滴する液滴および液体ごとに異なる着色材を用いてもよいし、同一の着色材を用いてもよい。
また、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000,12000、ソルスパース22000(アビシア社製)等の顔料誘導体もあわせて使用することができる。分散性および安定性に優れた前記分散剤を用いることにより、微粒子着色材を用いた場合でも、均一で安定な分散物が得られる。
また、本発明のプライマーインクは、無機系(例えば、ガラスなど)材料の被記録媒体に対しても優れた画像の定着性を実現し得る。
所望の画像に応じて、一色の画像形成用インク組成物のみを吐出する場合もあるが、フルカラー画像を形成するためには、多色の画像形成用インク組成物を順次または同時に吐出して画像形成を行う。なお、画像とは、文字、図表および写真等を含む光学的情報であって、モノクロ、モノカラーおよびフルカラーのいずれであってもよい。
本発明においては、プライマーインク自体もインクジェット方式で被記録媒体に付与される。したがって、上述したように、複数色の画像形成用インク組成物を多色インクセットとして用いる場合に、同時にプライマーインクをインクセットの1つとして使用することが好ましい。それゆえ、インクジェット記録方式・装置の構成によってプライマーインクの硬化過程は決まる。
本発明において、プライマーインクを塗布装置またはインクジェットノズル等を用いて被記録媒体上に付与することができる。また、画像形成用インクはインクジェットノズル等を用いて打滴し、プライマー層上に付与する。
インクジェットノズルによってプライマーインクを吐出する場合、わずかのタイムラグはあるが、ほぼ同時に画像形成用インクをインクジェットノズルにより打滴することによって、画像を形成する態様が好ましい。
塗布装置を用いてプライマーインクを被記録媒体上に塗布する場合、その後に画像形成用インク液滴をインクジェットノズルにより打滴することも可能である。
ガラス:MATSUNAMI社製 S9111
ガラスエポキシ:新神戸電機社製 KEL−GEF
ナイロン板:東洋プラスチック精工社製 6ナイロン板
実施例1(参考例)
表2に示す組成となるよう各成分を計り取り、混合物をマグネチックスターラーで30分間撹拌した。撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、この混合物を吸引ろ過し、プライマー層形成用のプライマーインクを調製した。
表2(実施例1〜10)または表3(実施例11〜13および比較例1〜6)に示す組成となるように、実施例1と同様にしてプライマーインクを調製した。
粘度は、R100型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃、コーン回転数10rpmの条件下で測定した。
表面張力は、全自動平衡式エレクトロ表面張力計ESB−V(協和科学社製)を用いて、25℃において測定した。
プラスチック製ビンに、着色材、分散剤、および重合性化合物(IOAとHDDA)を表4に示す配合量で計り取り、これに0.1mmジルコニアビーズ100部を加えて、この混合物をペイントコンディショナー(東洋精機社製)により2時間分散処理して、一次分散体を得た。次に、得られた一次分散体に、表5に示す配合量で残りの成分を加え、マグネチックスターラーにより混合物を30分撹拌した。撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、この混合物を吸引ろ過し、各画像形成用インク組成物を調製した。なお、これらのインクの粘度は21.3〜22.8mPa・s、表面張力は25.5〜31.4mN/mであった(測定方法は、上記プライマーインクにおける方法と同様である)。
以下に記載する手順にて、各被記録媒体上に各プライマーインクを付与し、さらにその上に各画像形成用インク組成物を用いて画像を形成し、印刷物を得た。
(2)印刷膜に、照射手段として紫外線LED(日亜化学工業社製「NLBU21W01−E2」)を用い、トータル照射光量が300mJ/cm2となるように、紫外線を照射して該当インクを硬化した。
(3)プライマー層を形成した上に、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置を用いて、画像形成用インクベタ印刷物をそれぞれ作成し、印刷膜厚5μmの印刷膜をそれぞれ形成した。このインクジェット記録装置はインク供給系として、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、およびピエゾヘッドを備えている。また、液滴サイズ約7pl、解像度600×600dpiでインクを射出できるよう、駆動周波数10KHzでインクジェット記録装置を駆動した。
(4)印刷膜に、照射手段として紫外線LED(日亜化学工業社製「NLBU21W01−E2」)を用い、トータル照射光量が300mJ/cm2となるように、紫外線を照射して該当インクを硬化した。
JIS K5600−5−6に規定された「碁盤目試験セロテープ(登録商標)剥離」に従って評価した。評価基準は下記のようにした。
碁盤目試験で剥がれ部分が10個以下 :○
碁盤目試験で剥がれ部分が11〜20個 :△
碁盤目試験で剥がれ部分が21個以上 :×
形成した画像を目視観察して、はじき、にじみ、色むらのない場合を○、いずれか1つでも認められた場合は×とした。
表5の試験結果が示す通り、本発明のプライマーインクを用いた印刷物は、非吸収性の被記録媒体において、画像の定着性を向上させ、高品質の画像を実現できることが実証された。比較例1〜比較例3のプライマーインクを用いて形成した画像の画質は良好なものの、被記録媒体に対する密着性が十分に得られなかった。比較例4のプライマーインクを用いて形成した画像は、プライマーインクの表面張力が本発明の規定より低く、画像形成用インクに対してはじきが発生した。比較例5のプライマーインクは、表面張力が本発明の規定より高いために、プライマーインクが均一に被記録媒体上に塗設できず、画像形成インクに色むらが発現した。比較例6のプライマーインクは、粘度が高いためインクジェット方式で被記録媒体に塗設することができなかった。したがって、プライマー上の画像の評価は行えなかった。
すべてのプライマーインクを、内側がポリエチレンでコートされたアルミ製パウチに充填し、これを60℃で30日間保管したところ、実施例13のプライマーインクのみがアルミ製パウチ内で重合し固体化していた。その他のプライマーインクの粘度および表面張力は共に初期の値に対し±5%の範囲の変化率であり、優れた保管適性を有していた。
Claims (3)
- アクリルアミド系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の密着促進成分、ならびに2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを含有し、25℃における表面張力が25〜31mN/mであり、25℃における粘度が50mPa・s以下であり、エネルギー線硬化型の画像形成用インク組成物と共に用いるプライマーインク。
- ゲル化防止剤および表面調整剤をさらに含有する請求項1に記載のプライマーインク。
- 25℃における表面張力が25〜32mN/mである画像形成用インク組成物のためのプライマーとして用いる請求項1または2に記載のプライマーインク。
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