JP2012250493A - インクセット、印刷物および成形体 - Google Patents

インクセット、印刷物および成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】シート状をなす基材上に第1のインクと第2のインクとを塗布し、その塗布面に対して加工を施す際の加工性に優れるインクセット、印刷物および成形体を提供する。
【解決手段】インクセット10は、着色剤として顔料を含む第1のインク1Y(1)、1C(1)、1M(1)、1K(1)と、顔料を含まない第2のインク2(2)とを備える。第1のインク1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ、それを硬化させて厚さ5μmの膜としたとき、膜を150℃の環境下で延伸させた際に70%以上延伸するものである。第2のインク2は、それを硬化させて厚さ50〜200μmの膜としたとき、膜の弾性率が200MPa以下となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクセット、印刷物および成形体に関する。
例えば自動車の内装部品としての速度計の表示部となる表示板には、基板と、基板上にインクを用いて印刷してなる印刷層とを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。自動車の内装部品に用いられるインクとしては、一般的に、硬化時に延伸性が比較的高いものが用いられる。これは、真夏の炎天下での車内温度が50℃以上となることが理由の1つである。
しかしながら、単に延伸性が高いだけのインクを用いて印刷層を形成した場合、表示板に対し例えば絞り加工や抜き打ち等の機械加工を施すと、印刷層にひび割れや剥離が生じてしまい、表示板が使用不可能、すなわち、不良品となるという問題があった。
特開2001−343260号公報
本発明の目的は、例えばシート状をなす基材上に第1のインクと第2のインクとを塗布し、その塗布面に対して加工を施す際の加工性に優れるインクセット、第1のインクと第2のインクとで形成された印刷層に対して加工を施す際、その加工性に優れる印刷物、および、第1のインクと第2のインクとで形成された印刷層に対して機械加工を施す際、その加工が良好に行なわれる成形体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のインクセットは、着色剤としての顔料を含む第1のインクと、顔料を含まない第2のインクとを備えるインクセットであって、
前記第1のインクは、該第1のインクを硬化させて厚さ5μmの膜としたとき、該膜を150℃の環境下で延伸させた際に70%以上延伸するものであり、
前記第2のインクは、該第2のインクを硬化させて厚さ50〜200μmの膜としたとき、該膜の弾性率が200MPa以下となるものであることを特徴とする。
これにより、例えばシート状をなす基材上に第1のインクと第2のインクとを塗布し、その塗布面に対して加工を施す際の加工性に優れる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクと前記第2のインクとは、印刷媒体上に塗布される際、該印刷媒体の少なくとも一部の同じ箇所に塗布されることが好ましい。
これにより、例えばシート状をなす基材上に第1のインクと第2のインクとを塗布し、その塗布面に対して加工を施す際の加工性により優れる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクおよび前記第2のインクは、それぞれ、重合性化合物を含有し、
前記印刷媒体における前記第1のインクと前記第2のインクとが塗布される領域では、前記第1のインクが含有する重合性化合物の総質量が、前記第2のインクが含有する重合性化合物の総質量と同じかまたはそれよりも大となるように用いられることが好ましい。
これにより、例えばシート状をなす基材上に第1のインクと第2のインクとを塗布し、その塗布面に対して加工を施す際の加工性がさらに優れたものとなる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクは、重合開始剤および重合性化合物を含有し、該重合性化合物の総質量のうち、単官能重合性化合物が65質量%以上のものであることが好ましい。
これにより、硬化後の塗布面が延伸性が富むものとなり、加工性がさらに向上する。
本発明のインクセットでは、前記第2のインクは、重合開始剤および重合性化合物を含有し、該重合性化合物の総質量のうち、多官能重合性化合物が50質量%以上のものであることが好ましい。
これにより、硬化後の塗布面が例えば耐衝撃性、耐摩耗性(耐擦性)、耐傷性、耐溶剤性に優れたものとなり、加工性がさらに向上する。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクと前記第2のインクとは、それぞれ、同一の波長の紫外線が照射されることにより硬化するものであることが好ましい。
これにより、第1のインクと第2のインクとを一括して硬化させることができる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクと前記第2のインクとは、それぞれ、紫外線が照射されることにより硬化するものであり、該紫外線の波長は、350nm以上450nm以下であることが好ましい。
これにより、第1のインクと第2のインクとを一括して容易かつ確実に硬化させることができる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクと前記第2のインクとは、それぞれ、40度下での粘度が1mPa・s以上1000mPa・s以下のものであることが好ましい。
これにより、第1のインクと第2のインクとをそれぞれインクジェット方式で吐出した場合、その吐出が安定して行なわれる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクの40度下での粘度をμ、前記第2のインクの40度下での粘度をμとしたとき、((μ−μ)/μ)×100=±10[%]を満足することが好ましい。
これにより、第1のインクと第2のインクとをそれぞれインクジェット方式で吐出した場合、その吐出がさらに安定して行なわれる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクと前記第2のインクとは、それぞれ、40度下での表面張力が5mN/m以上200mN/m以下のものであることが好ましい。
これにより、第1のインクと第2のインクとを同じ領域に塗布した場合、その領域での濡れ広がり方が同じような挙動を示し、各インクが均一に広がり、色むらが生じるのを防止することができる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクの40度下での表面張力をf、前記第2のインクの40度下での粘度の表面張力をfとしたとき、((f−f)/f)×100=±10[%]を満足することが好ましい。
これにより、第1のインクと第2のインクとを同じ領域に塗布した場合、その領域での濡れ広がり方が同じような挙動を示し、各インクが均一に広がり、色むらが生じるのを確実に防止することができる。
本発明のインクセットでは、前記第2のインクは、実質的に無色のものであることが好ましい。
これにより、第1のインクと第2のインクとが混合しても、第1のインクの本来の色に対する変色を抑制または防止することができる。
本発明の印刷物は、印刷媒体と、
前記印刷媒体上に設けられ、着色剤として顔料を含む第1のインクと、顔料を含まない第2のインクとを用いて印刷して硬化してなる印刷層とを有し、
前記第1のインクは、該第1のインクを硬化させて厚さ5μmの膜としたとき、該膜を150℃の環境下で延伸させた際に70%以上延伸するものであり、
前記第2のインクは、該第2のインクを硬化させて厚さ50〜200μmの膜としたとき、該膜の弾性率が200MPa以下となるものであることを特徴とする。
これにより、第1のインクと第2のインクとで形成された印刷層に対して加工を施す際、その加工性に優れる印刷物が得られる。
本発明の成形体は、印刷媒体と、該印刷媒体上に設けられ、着色剤として顔料を含む第1のインクと、顔料を含まない第2のインクとを用いて印刷して硬化してなる印刷層とを有する印刷物に対して、機械加工を施してなる成形体であって、
前記第1のインクは、該第1のインクを硬化させて厚さ5μmの膜としたとき、該膜を150℃の環境下で延伸させた際に70%以上延伸するものであり、
前記第2のインクは、該第2のインクを硬化させて厚さ50〜200μmの膜としたとき、該膜の弾性率が200MPa以下となるものであることを特徴とする。
これにより、第1のインクと第2のインクとで形成された印刷層に対して良好に機械加工が施された成形体が得られる。
本発明のインクセットの実施形態を示す断面図である。 基材上に第1のインクと第2のインクとを塗布し、硬化する状態を示す断面図である。 本発明の印刷物の実施形態を示す断面図である。 本発明の成形体の実施形態を示す断面図である。 第1のインクの特性を説明するための斜視図である。 第2のインクの特性を説明するための斜視図である。 第1のインクからなる膜、第2のインクからなる膜、第1のインクと第2のインクとの混合インクからなる膜の回復率(変位回復量/最大変位量)を示すグラフである。
以下、本発明のインクセット、印刷物および成形体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のインクセットの実施形態を示す断面図、図2は、基材上に第1のインクと第2のインクとを塗布し、硬化する状態を示す断面図、図3は、本発明の印刷物の実施形態を示す断面図、図4は、本発明の成形体の実施形態を示す断面図、図5は、第1のインクの特性を説明するための斜視図、図6は、第2のインクの特性を説明するための斜視図、図7は、第1のインクからなる膜、第2のインクからなる膜、第1のインクと第2のインクとの混合インクからなる膜の回復率(変位回復量/最大変位量)を示すグラフである。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すインクセット10は、Y(イエロー)の第1のインク1Yと、C(シアン)の第1のインク1Cと、M(マゼンタ)の第1のインク1Mと、K(黒)の第1のインク1Kと、無色透明の第2のインク2とを備えている。なお、本実施形態では、第1のインク1Y、1C、1M、1K、第2のインク2は、それぞれ、5つの空間111に区画されたインクタンク11に貯留され、インクジェット方式で液滴として吐出される。以下では、第1のインク1Y、1C、1M、1Kを区別しない場合は、単に「第1のインク1」と言うことがある。また、第1のインク1と第2のインク2とを区別しない場合は、単に「インク」と言うことがある。
このようなインクセット10は、図3に示す印刷物100を製造する際に用いられる。また、印刷物100は、図4に示す成形体200の母材となるものである。この成形体200としては、特に限定されず、例えば、スピードメーター等の自動車の内装部品、電気製品の外装部品、お面、看板等が挙げられる。
図3に示す印刷物100は、印刷媒体としての基材(基板)101と、基材101上に設けられた印刷層102とで構成されている。印刷層102は、第1のインク1、すなわち、第1のインク1Y、1C、1M、1Kのうちの少なくとも1色のインクと、第2のインク2とを用いて印刷してなるものである(図2参照)。なお、基材101上への第1のインク1、第2のインク2の供給は、各インクをインクジェット方式で液滴として基材101上に吐出することにより行なわれる。そして、この基材101上のインクは、紫外線を照射することにより硬化して、印刷層102となる。
図4に示す成形体200は、印刷物100に対して、機械加工を施してなるものである。機械加工としては、特に限定されないが、例えば、絞り加工、曲げ加工等のように一部を延伸する変形加工、打ち抜き、切り取り等のようなせん断加工が挙げられる。図示の構成では、印刷物100の印刷層102が形成されている部分に、絞り加工により有底筒状の部位103が形成されている。また、印刷物100の印刷層102が形成されている部分の、有底筒状の部位103と異なる位置には、打ち抜き加工により開口104が形成されている。
まず、インクセット10について説明する。
[インクセット]
インクセット10は、着色剤としての顔料を含有する紫外線硬化型インクである第1のインク1と、顔料を含まない放射線硬化型インクである第2のインク2を備えている。
放射線硬化型インクは、高画質の画像を形成するために高感度で硬化するものが求められている。インクの高感度化を達成することにより、活性放射線の照射により高い硬化性が付与されるため、消費電力の低減や活性放射線発生装置への負荷軽減による高寿命化などの他、未硬化の低分子物質の揮発、形成された画像強度の低下などを抑制することができるなど、種々の利点をも有することになる。
第1のインク1は、(a−1)重合開始剤、および、(b−1)重合性化合物(第1の重合性化合物)を含有し、(b−1)重合性化合物の総質量のうち、単官能重合性化合物(以下、「単官能モノマー」ともいう。)が65質量%以上であることが好ましい。
第2のインク2は、(a−2)重合開始剤、および、(b−2)重合性化合物(第2の重合性化合物)を含有し、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、多官能重合性化合物(以下、「多官能モノマー」ともいう。)が50質量%以上であることが好ましい。
なお、インクにおいて、インク中の重合性化合物の総質量に対する単官能重合性化合物の質量比率を「単官能モノマー比率」ともいい、インク中の重合性化合物の総質量に対する多官能重合性化合物の質量比率を「多官能モノマー比率」ともいう。なお、単官能モノマー比率(%)及び多官能モノマー比率(%)は、小数点以下を四捨五入するものとする。
また、インクは、活性放射線の照射により硬化可能な放射線硬化型インクである。前記「活性放射線」とは、その照射によりインク中において開始種を発生させ得るエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広く、α線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、インクは、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインクであることが好ましい。
以下、インクの各成分について説明する。
(a)重合開始剤
重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤や公知のカチオン重合開始剤を使用することができる。重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とを併用してもよい。
また、重合開始剤は、外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合を開始するために使用される外部エネルギーは、熱及び活性放射線に大別され、それぞれ、熱重合開始剤及び光重合開始剤が使用される。活性放射線としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
また、インクは、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を使用する場合には、ラジカル重合開始剤を含有することが好ましく、重合性化合物としてカチオン重合性化合物を使用する場合には、カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。
<ラジカル重合開始剤>
ラジカル重合開始剤としては、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び、アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。ラジカル重合開始剤は、単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
<カチオン重合開始剤>
カチオン重合開始剤(光酸発生剤)としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C 、PF6、AsF 、SbF 、CFSO 塩を挙げることができる。第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。第4に、鉄アレーン錯体を挙げることができる。
また、インクにおいて、重合開始剤の総使用量は、それぞれ、重合性化合物の総使用量に対して、0.01〜35質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1.0〜20質量%であることがさらに好ましい。0.01質量%以上であると、インクを十分硬化させることができ、35質量%以下であると、硬化度が均一な硬化膜を得ることができる。
また、インクに後述する増感剤を用いる場合、重合開始剤の総使用量は、重合開始剤:増感剤の質量比で、重合開始剤:増感剤=200:1〜1:200であることが好ましく、50:1〜1:50であることがより好ましく、20:1〜1:5であることがさらに好ましい。
(b)重合性化合物
インクは、重合性化合物を含有する。
重合性化合物は、分子量が1,000以下であることが好ましく、50〜800であることがより好ましく、60〜500であることがさらに好ましい。
また、重合性化合物は、何らかのエネルギー付与により、ラジカル重合反応やカチオン重合反応、アニオン重合反応等の重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができるが、特に、前記重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起する、光重合性化合物として知られる各種公知の重合性化合物を使用することができる。
また、重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物を好ましく例示できる。
<ラジカル重合性化合物>
ラジカル重合性化合物は、特に制限はなく、公知のラジカル重合性化合物を用いることができるが、エチレン性不飽和化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、N−ビニル化合物、及び/又は、ビニルエーテル化合物であることがより好ましく、(メタ)アクリレート化合物、及び/又は、N−ビニル化合物であることがさらに好ましい。なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの両方を意味する。
第1のインク1にラジカル重合性化合物を使用する場合、第1のインク1は、(b−1)重合性化合物の総質量のうち、単官能ラジカル重合性化合物が67〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、85〜95質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、印刷層102が延伸性が富むものとなる。
第2のインク2にラジカル重合性化合物を使用する場合、第2のインク2は、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、多官能ラジカル重合性化合物が55〜100質量%であることが好ましく、60〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることがさらに好ましく、100質量%、すなわち、(b−2)重合性化合物が全て多官能ラジカル重合性化合物であることが特に好ましい。上記範囲であると、印刷層102が、例えば耐衝撃性、耐摩耗性(耐擦性)、耐傷性、耐溶剤性に優れたものとなる。本明細書では、耐衝撃性、耐摩耗性(耐擦性)、耐傷性、耐溶剤性を総称して「耐久性」と言うことがある。
また、ラジカル重合性化合物は、単官能であっても、多官能であってもよい。
単官能ラジカル重合性化合物としては、後述するN−ビニル化合物であることが好ましく、N−ビニルラクタム類であることがより好ましい。
また、第1のインク1における(b−1)重合性化合物としてラジカル重合性化合物を使用する場合、第1のインク1は、後述するN−ビニル化合物を含むことがさらに好ましく、N−ビニルラクタム類を含むことが特に好ましい。
多官能ラジカル重合性化合物としては、後述する多官能(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両方を意味する。
また、多官能ラジカル重合性化合物としては、2官能ラジカル重合性化合物と、3官能以上のラジカル重合性化合物とを組み合わせて使用することが好ましく、2官能ラジカル重合性化合物と、3官能ラジカル重合性化合物とを組み合わせて使用することがより好ましい。
第2のインク2における(b−2)重合性化合物としてラジカル重合性化合物を使用する場合、第2のインク2は、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、2官能ラジカル重合性化合物が30〜100質量%であることが好ましく、50〜95質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることがさらに好ましい。また、第2のインク2は、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、3官能以上のラジカル重合性化合物を5〜50質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましい。さらに第2のインク2は、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、3官能ラジカル重合性化合物を5〜50質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましい。
第1のインク1にラジカル重合性化合物を使用する場合、第1のインク1は、第1のインク1の総質量のうち、単官能ラジカル重合性化合物が50〜95質量%であることが好ましく、55〜90質量%であることがより好ましく、60〜85質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、印刷層102が延伸性(柔軟性)が富むものとなる。
第2のインク2にラジカル重合性化合物を使用する場合、第2のインク2は、第2のインク2の総質量のうち、多官能ラジカル重合性化合物が50〜98質量%であることが好ましく、55〜95質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、印刷層102が耐久性に優れたものとなる。
以下に、単官能ラジカル重合性化合物、及び、多官能ラジカル重合性化合物について説明する。
〔単官能ラジカル重合性モノマー〕
ラジカル重合性化合物としては、単官能ラジカル重合性モノマーを使用することができる。
単官能ラジカル重合性モノマーとしては、単官能アクリレート化合物、単官能メタクリレート類、単官能N−ビニル化合物、単官能アクリルアミド化合物、及び、単官能メタクリルアミド化合物が好ましく例示でき、単官能アクリレート化合物、単官能メタクリレート化合物、及び、単官能N−ビニル化合物がより好ましく例示できる。
第1のインク1が単官能ラジカル重合性モノマーを含有する場合、単官能ラジカル重合性モノマーは、単官能アクリレート化合物と単官能N−ビニル化合物とを、又は、単官能メタクリレート化合物と単官能N−ビニル化合物とを併用することが好ましく、単官能アクリレート化合物と単官能N−ビニル化合物とを併用することが特に好ましい。
単官能ラジカル重合性モノマーとしては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基及びN−ビニル基よりなる群から選択されるエチレン性不飽和二重結合基を1つのみ有し、かつ環状構造を有するモノマーを使用することがより好ましい。
また、好適に用いることができるラジカル重合性モノマーとしてエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
単官能アクリレート類、単官能メタクリレート類、単官能ビニルオキシ化合物、単官能アクリルアミド類及び単官能メタクリルアミド類としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピリジニル基、テトラヒドロフルフリル基、ピペリジニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基等の環状構造を有する基を有する単官能ラジカル重合性モノマーが好ましく挙げられる。
単官能ラジカル重合性モノマーとして、好ましくは、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロデシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、2−ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変成クレゾール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変成テトラヒドロフルフリルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−フタルイミドエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−2−フェニル)エチルアクリルアミド、N−ジフェニルメチルアクリルアミド、N−フタルイミドメチルアクリルアミド、N−(1,1’−ジメチル−3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル))プロピルアクリルアミド、5−(メタ)アクリロイルオキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサシクロヘキサン等を例示できる。
また、単官能ラジカル重合性モノマーとして、N−ビニル基を有し、環状構造を有する基を有するラジカル重合性モノマーを使用することが好ましい。中でもN−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルラクタム類を使用することが好ましく、N−ビニルラクタム類を使用することがさらに好ましい。
第1のインク1において、N−ビニル基を有する単官能環状重合性モノマーを、第1のインク1全体の〜40質量%含有することが好ましく、10〜35質量%含有することがより好ましく、12〜30質量%含有することがさらに好ましい。上記範囲において他の重合性化合物との良好な共重合性を示し、硬化性、耐ブロッキング性に優れるインクが得られる。
また、第1のインク1において、単官能N−ビニルラクタム類を、第1のインク1全体の1〜40質量%含有することが好ましく、10〜35質量%含有することがより好ましく、12〜30質量%含有することがさらに好ましい。
単官能N−ビニルラクタム類の使用量が上記の数値の範囲内であると、硬化性、硬化膜柔軟性、硬化膜の支持体への密着性に優れる。また、N−ビニルラクタム類は比較的融点が高い化合物である。N−ビニルラクタム類が40質量%以下の含有率であると、0℃以下の低温下でも良好な溶解性を示し、インクの取り扱い可能温度範囲が広くなり好ましい。
単官能ラジカル重合性モノマーとして、下記非環状単官能モノマーを使用することもできる。非環状単官能モノマーは比較的低粘度であり、例えば、インクを低粘度化する目的においても好ましく使用できる。ただし、硬化膜のべとつきを抑えることや、成形加工時にキズ等を発生させない高い膜強度を与えるという観点で、下記非環状単官能モノマーがインク全体に占める割合は、20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは15質量%以下である。
具体的には、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリテトラエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル等が挙げられる。
また、これらの他にも、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートフェニルエステル、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートフェニルエステル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−セチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、n−デシルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、n−トリデシルメタクリレート、n−セチルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、及び、アリルグリシジルエーテル等が例示できる。
さらに、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ラクトン変性可撓性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート等が例示できる。
〔多官能ラジカル重合性モノマー〕
ラジカル重合性化合物として、多官能ラジカル重合性モノマーを使用することができる。
多官能ラジカル重合性モノマーとしては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニルオキシ基、及び、N−ビニル基よりなる群から選択されるエチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する多官能重合性モノマーを好ましく例示できる。多官能重合性モノマーを含有することで、高い硬化膜強度を有するインクが得られる。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する多官能ラジカル重合性モノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン(メタ)アクリル系モノマーあるいはプレポリマー、エポキシ系モノマーあるいはプレポリマー、ウレタン系モノマーあるいはプレポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルであって、エチレン性不飽和二重結合基を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。
具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(PO)付加物ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、PO変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマーが挙げられる。さらに具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、シーエムシー社);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、(株)日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
これらの中でも、多官能ラジカル重合性モノマーとしては、以下のものを好ましく例示できる。
2官能ラジカル重合性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレートが好ましく例示できる。
さらに、ラジカル重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましい。
上述したラジカル重合性化合物として列挙されているモノマーは、反応性が高く、粘度が低く、また、支持体への密着性に優れる。
<カチオン重合性化合物>
カチオン重合性化合物としては、硬化性及び耐擦過性の観点から、オキセタン環含有化合物及びオキシラン環含有化合物が好適であり、オキセタン環含有化合物及びオキシラン環含有化合物の両方を含有する態様がより好ましい。
ここで、オキシラン環含有化合物(以下、「オキシラン化合物」ともいう。)とは、分子内に、少なくとも1つのオキシラン環(オキシラニル基、エポキシ基)を含む化合物であり、具体的にはエポキシ樹脂として通常用いられているものの中から適宜選択することができ、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。モノマー、オリゴマー及びポリマーのいずれであってもよい。
また、オキセタン環含有化合物(以下、「オキセタン化合物」ともいう。)とは、分子内に少なくとも1つのオキセタン環(オキセタニル基)を含む化合物である。
第1のインク1にカチオン重合性化合物を使用する場合、第1のインク1は、(b−1)重合性化合物の総質量のうち、単官能カチオン重合性化合物が65〜95質量%であることが好ましく、65〜85質量%であることがより好ましく、65〜75質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、印刷層102が延伸性が富むものとなる。
第2のインク2にカチオン重合性化合物を使用する場合、第2のインク2は、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、多官能カチオン重合性化合物が50〜90質量%であることが好ましく、52〜75質量%であることがより好ましく、55〜65質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、印刷層102が耐久性に優れたものとなる。
また、カチオン重合性化合物は、単官能であっても、多官能であってもよい。
単官能カチオン重合性化合物としては、単官能オキシラン化合物、及び/又は、単官能オキセタン化合物であることが好ましい。
多官能カチオン重合性化合物としては、2官能カチオン重合性化合物であることが好ましい。また、多官能ラジカル重合性化合物としては、多官能オキシラン化合物、及び/又は、多官能オキセタン化合物であることが好ましく、多官能オキシラン化合物と多官能オキセタン化合物とを併用することがより好ましい。
第1のインク1にカチオン重合性化合物を使用する場合、第1のインク1は、第1のインク1の総質量のうち、単官能カチオン重合性化合物が40〜95質量%であることが好ましく、45〜80質量%であることがより好ましく、45〜65質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、印刷層102が延伸性が富むものとなる。
第2のインク2にカチオン重合性化合物を使用する場合、第2のインク2は、第2のインク2の総質量のうち、多官能カチオン重合性化合物が35〜90質量%であることが好ましく、38〜75質量%であることがより好ましく、40〜60質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、印刷層102が耐久性に優れたものとなる。
以下、単官能カチオン重合性化合物、及び、多官能カチオン重合性化合物について詳細に説明する。
カチオン重合性化合物としては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−7,8−エポキシ−1,3−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,13−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
単官能オキセタン化合物の例としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
多官能オキセタン化合物の例としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタンが挙げられる。
なお、これらのカチオン重合性化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。
また、インク中の重合性化合物の総質量は、インクの総質量に対し、55〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましい。上記範囲内であると、硬化性に優れ、また、粘度が適度である。
また、重合性化合物の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法により合成することができる。また、入手可能な場合は、市販品を使用してもよい。
(c)着色剤
第1のインク1には、着色剤としての顔料が含有されている。顔料は、耐候性に優れ、色再現性に富む。また、インクに好適に使用し得る顔料(着色剤)は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、
緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、
黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、
白色顔料としては、Pigment White 6,18,21
などが目的に応じて使用できる。
また、着色剤は、インク又はインクジェット記録用インクに添加された後、適度に当該インク内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
着色剤は、インクの調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、あらかじめ溶剤又はラジカル重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散或いは溶解させた後、配合することもできる。
(d)分散剤
インクは、顔料をインク中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。
分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、「高分子分散剤」とは、質量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤としては、DisperBYK−101、DisperBYK−102、DisperBYK−103、DisperBYK−106、DisperBYK−111、DisperBYK−161、DisperBYK−162、DisperBYK−163、DisperBYK−164、DisperBYK−166、DisperBYK−167、DisperBYK−168、DisperBYK−170、DisperBYK−171、DisperBYK−174、DisperBYK−182(以上BYK Chemie社製)、EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(以上エフカアディティブ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース(Solsperse)3000,5000,9000,12000,13240,13940,17000,22000,24000,26000,28000,32000,36000,39000,41000,71000などの各種ソルスパース分散剤(アビシア社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108,L121,P−123((株)ADEKA製)及びイソネットS−20(三洋化成工業(株)製)、楠本化成(株)製「ディスパロン KS−860,873SN,874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
インク中における分散剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク全体の質量に対し、それぞれ0.05〜15質量%であることが好ましい。
(e)その他の成分
インクには、必要に応じて、前記成分以外の他の成分を添加することができる。
その他の成分としては、例えば、増感剤、共増感剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等が挙げられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の支持体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが例示できる。
以上のような成分を含有する第1のインク1と第2のインク2とは、硬化後の特性が互いに異なる。
第1のインク1は、第1のインク1を硬化させて厚さt5μmの膜1’としたとき、膜1’を150℃の環境下で延伸させた際に70%以上延伸する特性を有する(図5参照)。以下、この特性を「第1の特性」と言う。一方、第2のインク2は、第2のインク2を硬化させて厚さt50〜200μmの膜2’としたとき、膜2’の弾性率が200MPa以下となる特性を有する(図6参照)。以下、この特性を「第2の特性」と言う。膜1’と膜2’とを比較した場合、膜1’は、膜2’よりも延伸性に優れ、高弾性のものであり、膜2’は、低弾性のものである。
膜1’の延伸率(延伸性)は、次のように定義される。
図5(a)に示すように、長さL、厚さt、幅wの板状をなす樹脂製の基材300を用意する。基材300を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
そして、基材300上にインクジェット方式で第1のインク1を付与する。
次に、図5(b)に示すように、基材300上の第1のインク1に対して紫外線照射装置500から紫外線を照射する。このときの紫外線のピーク波長は、約390nmであり、紫外線総照射時間は、0.05〜5secである。
これにより、図5(c)に示すように、基材300上には、第1のインク1を硬化させてなる膜1’が形成される。この膜1’は、平面視で直径φdのほぼ円形をなす。また、膜1’の厚さtは、5μmである。
次に、図5(d)に示すように、膜1’が形成された基材300を例えばチャンバ(図示せず)内に収納して、当該チャンバ内を電熱器600で150℃に加熱し、その状態を維持する。
そして、基材300をその全長が2Lになるまで引張る。このときの引張り速さは、1.0mm/secである。
また、膜1’は、基材300の引張り変形に追従して、当該基材300と同じ方向に延伸する。このときの延伸量(延伸長さ)が△dとなる。
延伸率は、(△d/d)×100で定義され、その値が70%以上となる。
一方、膜2’の弾性率は、次のように定義される。
図6(a)に示すように、樹脂製の基材400を用意する。基材400を構成する樹脂材料としては、例えば、基材300と同様の材料を用いることができる。
そして、基材400上にインクジェット方式で第2のインク2を付与する。
次に、図6(b)に示すように、基材400上の第2のインク2に対して紫外線照射装置500から紫外線を照射する。このときの紫外線のピーク波長は、約390nmであり、紫外線総照射時間は、0.1〜10secである。一回の印刷では弾性率を測定し易い膜厚に達しないため、この印刷複数回繰り返して所望の膜厚を形成する。
これにより、図6(c)に示すように、基材400上には、第2のインク2を硬化させてなる膜2’が形成される。この膜2’は、平面視で直径φdのほぼ円形をなす。また、膜2’の厚さtは、50〜200μmである。
次に、図6(d)に示すように、基材400から膜2’を剥離する。そして、弾性率測定装置(例えば日本テクノプラス社製「CCシリーズ」)を用いて、この剥離された膜2’の弾性率を測定し、その測定値が200MPa以下となる。
以上のような第1の特性を有する第1のインク1と、第2の特性を有する第2のインク2とは、印刷物100を製造する際に、基材101上の一部または全部に塗布される。このとき、第1のインク1と第2のインク2とは、基材101上の同じ箇所に重ねて、すなわち、混合するように塗布される。その後、基材101上のインク(混合した第1のインク1と第2のインク2)を紫外線照射装置500から紫外線を照射して硬化させる。これにより、印刷層102が形成される。
なお、第2のインク2は、前述したように実質的に無色透明のものであるため、第1のインク1と第2のインク2とが混合しても、第1のインク1の本来の色に対する変色を抑制または防止することができる。
また、第1のインク1と第2のインク2とは、同一のピーク波長の紫外線で一括して硬化させることができる。この紫外線のピーク波長としては、特に限定されず、例えば、350nm以上450nm以下であるのが好ましく、380nm以上420nm以下であるのがより好ましい。
これに対し、第1のインク1が硬化するピーク波長と、第2のインク2が硬化するピーク波長とが異なる、すなわち、硬化波長域が異なる場合には、各ピーク波長の紫外線を照射しなければならない。しかしながら、同一のピーク波長の紫外線を用いることができることにより、印刷物100を製造する際、第1のインク1と第2のインク2とを硬化して印刷層102を形成する工程を容易かつ迅速に行なうことができる。
なお、同一のピーク波長の紫外線で第1のインク1と第2のインク2とを硬化させるには、例えば、各インクにそれぞれ同種(共通)の重合開始剤を含有させる方法等が挙げられる。
また、第1のインク1と第2のインク2とは、それぞれ、常温である25度近傍での粘度が1mPa・s以上1000mPa・s以下のものであるのが好ましく、1mPa・s以上50mPa・s以下のものであるのがより好ましい。さらに、インクジェットヘッドを40度に加熱して使用する場合、第1のインク1の40度下での粘度をμ、第2のインク2の40度下での粘度の粘度をμとしたとき、((μ−μ)/μ)×100=±10[%]を満足するのが好ましい。
上記範囲であると、第1のインク1と第2のインク2とをそれぞれインクジェット方式で吐出した場合、その吐出が安定して行なわれる。
また、第1のインク1と第2のインク2とは、それぞれ、常温である25度近傍での表面張力が5mN/m以上200mN/m以下のものであるのが好ましく、10mN/m以上40mN/m以下のものであるのがより好ましい。さらに、インクジェットヘッドを40度に加熱して使用する場合、第1のインク1の40度下での表面張力をf、第2のインク2の40度下での粘度の表面張力をfとしたとき、((f−f)/f)×100=±10[%]を満足するのが好ましい。
上記範囲であると、第1のインク1と第2のインク2とをそれぞれインクジェット方式で吐出した場合、その吐出が安定して行なわれる。また、第1のインク1および第2のインク2の基材101上での濡れ広がり方が同じような挙動を示し、各インクが均一に広がり、1つの印刷層102に色むらが生じるのを防止することができる。
なお、インクの粘度や表面張力の調整としては、例えば、界面活性剤等の添加物の含有量の調整によって行なうことができる。
以上のような構成の第1のインク1と第2のインク2とをシート状をなす基材101上に塗布し、硬化させたものが印刷物100となる。
次に、この印刷物100について説明する。
[印刷物]
図3に示すように、印刷物100は、基材101と、基材101上に直接または間接的に形成された印刷層102とを有している。
基材101の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種樹脂、各種ガラス、各種金属等を用いることができるが、機械加工を施して、変形させることができるという観点から樹脂材料が好ましい。
また、樹脂材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
また、印刷物100を上側(基材101側)から視認するよう構成する場合は、基材101を透明にする。一方、印刷物100を下側(印刷層102側)から視認するよう構成する場合は、基材101は、不透明でもよく、また透明でもよい。
印刷層102は、印刷により形成されたものである。この形成は、本実施形態では、例えば次のようにして行なわれる。
図2に示すように、印刷装置(図示せず)を用いて、インクジェット法により、基材101上に第1のインク1と第2のインク2と重ねて付与(塗布)する。その後、紫外線照射装置500から放射線をインクに向けて照射して、当該インクを化させる。これにより、印刷層102が形成される。
なお、基材101の厚さ、印刷層102の厚さとしては、成形体200が何であるか、すなわち、成形体200が何に用いられるものであるかにもよるが、例えば成形体200が自動車のスピードメーターのパネルである場合には、基材101の厚さが0.1mm〜2mmであるのが好ましく、0.3〜0.8mmであるのがより好ましい。印刷層102の厚さは、5〜200μmであるのが好ましく、5〜100μmであるのがより好ましい。
以上のような印刷物100に対して機械加工を施すことによって、成形体200が得られる。
次に、この成形体200について説明する。
[成形体]
図4に示すように、成形体200は、有底筒状の部位103と、開口104とを有している。有底筒状の部位103は、絞り加工を施すことにより形成される。開口104は、打ち抜きを施すことにより形成される。このような加工に用いる装置としては、NCマシン等のような工作機械を用いることができる。
ところで、成形体200を製造するにあたって、印刷物100に対して機械加工を施す場合、印刷層102の当該加工が施される部分や、その周辺部に、当該加工によって内部応力に変化が生じて、ひび割れや剥離等の不具合が起きることが懸念される。しかしながら、成形体200には、このような不具合が生じるのが防止される。以下、これについて説明する。
前述したように、印刷層102は、着色剤としての顔料を含有する第1のインク1と、無色透明の第2のインク2とからなる層である。第1のインク1は、前記第1の特性を有し、第2のインク2は、前記第2の特性を有する。
ここで仮に、印刷層102が第1のインク1のみからなる第1の場合と、印刷層102が第2のインク2のみからなる第2の場合とについて考察してみる。
第1の場合、TMA装置を用いて、30℃の環境下で印刷層102に対し一定の圧力を付与して、そのときの最大変位量(凹み量)と、圧力を解除したときの変位回復量(復元量)を複数回測定した。そして、回復率として、変位回復量を最大変位量で除したものを算出した。その結果、圧力の大きさ等の試験条件にもよるが、回復率が平均30%(誤差範囲±5%)であることが分かった(図7参照)。このことから、第1の場合、印刷層102は、塑性変形し易い層であると言うことができ、機械加工が施されると、ひび割れや剥離等の不具合が起きる。
一方、後者の場合には、回復率が平均80%(誤差範囲±10%)であることが分かった(図7参照)。このことから、第2の場合、印刷層102は、弾性変形し易い層であると言うことができる。なお、第2のインク2は、無色透明のものであり、それ単独で用いられることがないため、この印刷層102に対し機械加工が施された場合の評価を省略する。
しかしながら、本発明では、第1の場合、第2の場合と異なり、印刷層102が第1のインク1と第2のインク2とからなり、その混合比率にもよるが、回復率が平均55%(誤差範囲±3%)であることが分かった(図7参照)。図7からも明らかなように、本発明では、印刷層102は、第1の場合と第2の場合との中間の性質を有する層であると言うことができる。そして、印刷層102では、延伸性が富む第1の特性による効果と、弾性に富む第2の特性による効果との相乗効果により、当該印刷層102に機械加工が施されても、ひび割れや剥離等の不具合が起きるのが確実に防止される。
このように、第1の特性を有する、有色の第1のインク1に、第2の特性を有し、第1のインク1の色の変色が防止または抑制される無色透明の第2のインク2を混合する(重ねる)という簡単な構成で、印刷層102の耐久性が向上する。これにより、印刷層102(塗布面)を有する印刷物100に対し機械加工を施して、成形体200を製造する際、その加工性に優れる。また、例えば成形体200が自動車のスピードメーター場合、真夏の炎天下での車内温度が50℃以上となる等の様々な環境下で長期間印刷層102を高品質に保ったまま保管することもできる。
なお、印刷層102が形成される領域、すなわち、基材101における第1のインク1と第2のインク2とが重ねて塗布される領域では、第1のインク1が含有する前記(b−1)重合性化合物の総質量が、第2のインク2が含有する前記(b−2)重合性化合物の総質量と同じかまたはそれよりも大(例えば1.1倍以上)となっているのが好ましい。これにより、印刷物100を機械加工した(成形体200を製造する)際に印刷層102にひび割れや剥離等が生じるのがより確実に防止され、印刷層102が耐久性にさらに富むものとなる。
また、本発明と異なり、第1のインク1と第2のインク2とを基材101に塗布する以前に、これらインク同士を予め混合して基材101に塗布した場合と、有色の第1のインク1が第2の特性を有し、無色透明の第2のインク2が第1の特性を有する場合とについて考察してみる。
いずれの場合も結果として、印刷層102は、第1の特性による効果と第2の特性による効果との相乗効果を奏するものとはならず、ひび割れや剥離等の不具合が生じてしまう。前者の原因としては、インク同士を予め混合してしまうと、そのインク中での顔料の分散安定性が崩れてしまうからではないかと予想される。後者の原因としては、顔料が弾性を著しく低下させてしまうからではないかと予想される。
このように、第1のインク1と第2のインク2とは、基材101上で初めて混合され、第1の特性を第1のインク1が有し、第2の特性を第2のインク2が有する必要がある。
以上、本発明のインクセット、印刷物および成形体を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、インクセット、印刷物および成形体を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
なお、インクセットは、前記実施形態では4色の第1のインクを有するものであったが、これに限定されず、例えば、1色、2色、3色または5色の第1のインクを有するものであってもよい。
また、印刷物に対して機械加工を施すときに、当該印刷物を加熱しつつ、その加工を行なってもよい。
10……インクセット 1、1Y、1C、1M、1K……第1のインク 1’……膜 2……第2のインク 2’……膜 11……インクタンク 111……空間 100……印刷物 101……基材(基板) 102……印刷層 103……有底筒状の部位 104……開口 200……成形体 300、400……基材 500……紫外線照射装置 600……電熱器 φd、φd……直径 △d……延伸量 L……長さ t、t、t……厚さ w……幅

Claims (14)

  1. 着色剤としての顔料を含む第1のインクと、顔料を含まない第2のインクとを備えるインクセットであって、
    前記第1のインクは、該第1のインクを硬化させて厚さ5μmの膜としたとき、該膜を150℃の環境下で延伸させた際に70%以上延伸するものであり、
    前記第2のインクは、該第2のインクを硬化させて厚さ50〜200μmの膜としたとき、該膜の弾性率が200MPa以下となるものであることを特徴とするインクセット。
  2. 前記第1のインクと前記第2のインクとは、印刷媒体上に塗布される際、該印刷媒体の少なくとも一部の同じ箇所に塗布される請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第1のインクおよび前記第2のインクは、それぞれ、重合性化合物を含有し、
    前記印刷媒体における前記第1のインクと前記第2のインクとが塗布される領域では、前記第1のインクが含有する重合性化合物の総質量が、前記第2のインクが含有する重合性化合物の総質量と同じかまたはそれよりも大となるように用いられる請求項2に記載のインクセット。
  4. 前記第1のインクは、重合開始剤および重合性化合物を含有し、該重合性化合物の総質量のうち、単官能重合性化合物が65質量%以上のものである請求項1ないし3のいずれかに記載のインクセット。
  5. 前記第2のインクは、重合開始剤および重合性化合物を含有し、該重合性化合物の総質量のうち、多官能重合性化合物が50質量%以上のものである請求項1ないし4のいずれかに記載のインクセット。
  6. 前記第1のインクと前記第2のインクとは、それぞれ、同一の波長の紫外線が照射されることにより硬化するものである請求項1ないし5のいずれかに記載のインクセット。
  7. 前記第1のインクと前記第2のインクとは、それぞれ、紫外線が照射されることにより硬化するものであり、該紫外線の波長は、350nm以上450nm以下である請求項1ないし6のいずれかに記載のインクセット。
  8. 前記第1のインクと前記第2のインクとは、それぞれ、40度下での粘度が1mPa・s以上1000mPa・s以下のものである請求項1ないし7のいずれかに記載のインクセット。
  9. 前記第1のインクの40度下での粘度をμ、前記第2のインクの40度下での粘度をμとしたとき、((μ−μ)/μ)×100=±10[%]を満足する請求項1ないし8のいずれかに記載のインクセット。
  10. 前記第1のインクと前記第2のインクとは、それぞれ、40度下での表面張力が5mN/m以上200mN/m以下のものである請求項1ないし9のいずれかに記載のインクセット。
  11. 前記第1のインクの40度下での表面張力をf、前記第2のインクの40度下での粘度の表面張力をfとしたとき、((f−f)/f)×100=±10[%]を満足する請求項1ないし10のいずれかに記載のインクセット。
  12. 前記第2のインクは、実質的に無色のものである請求項1ないし11のいずれかに記載のインクセット。
  13. 印刷媒体と、
    前記印刷媒体上に設けられ、着色剤として顔料を含む第1のインクと、顔料を含まない第2のインクとを用いて印刷して硬化してなる印刷層とを有し、
    前記第1のインクは、該第1のインクを硬化させて厚さ5μmの膜としたとき、該膜を150℃の環境下で延伸させた際に70%以上延伸するものであり、
    前記第2のインクは、該第2のインクを硬化させて厚さ50〜200μmの膜としたとき、該膜の弾性率が200MPa以下となるものであることを特徴とする印刷物。
  14. 印刷媒体と、該印刷媒体上に設けられ、着色剤として顔料を含む第1のインクと、顔料を含まない第2のインクとを用いて印刷して硬化してなる印刷層とを有する印刷物に対して、機械加工を施してなる成形体であって、
    前記第1のインクは、該第1のインクを硬化させて厚さ5μmの膜としたとき、該膜を150℃の環境下で延伸させた際に70%以上延伸するものであり、
    前記第2のインクは、該第2のインクを硬化させて厚さ50〜200μmの膜としたとき、該膜の弾性率が200MPa以下となるものであることを特徴とする成形体。
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