JP5712961B2 - 搬送装置のグリッパ - Google Patents
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Description
例えば、ホブ盤に関する特許文献1においては、ホブ盤において、テーブルに対してワークを自動交換するローダを配設することが開示されている。このローダは、サポートコラムに鉛直軸回りで回転する回転盤を設けて構成されており、回転盤には、180度位相をずらした把持部が設けられている。そして、一方の把持部で加工済のワークを把持した状態で、他方の把持部で未加工のワークを把持し、回転盤を180度回転させることでワークの搬出入を行っている。
上記搬送装置は、回転支持治具を介して上記円筒状ワークを支持して回転する回転装置と、刃具装着部に刃具を装着して上記円筒状ワークに加工を行う加工装置とを備えた回転加工機に配設されているとともに、複数の上記グリッパが旋回中心軸線の周りに配設され、該複数のグリッパを上記回転装置に順次対向させるよう旋回する旋回ローダとして構成されており、
上記挟持ガイドは、上記一対の挟持部を互いに平行な状態で移動させる平行ガイド部と、該平行ガイド部の両端部分において上記一対の挟持部の先端側を両側へ開かせる一対の開きガイド部とを有しており、
上記一対の挟持部は、上記平行ガイド部に沿って互いに接近して円筒状ワークを挟持する挟持位置と、上記開きガイド部に沿って互いに離隔して上記先端側が後退する退避位置とに移動可能であり、かつ、上記一対の挟持部が互いに接近したときに上下に重なって互いに係合する係合部を有しており、
上記グリッパは、上記回転装置に対向したとき、該回転装置に対向する位置に待機したままで、上記一対の挟持部を上記退避位置にして、該一対の挟持部が上記加工装置の上記刃具装着部から退避するよう構成されていることを特徴とする搬送装置のグリッパにある(請求項1)。
従来のグリッパが、一対の挟持部を平行移動させるだけ、又は一対の挟持部を回動させるだけの構造を有しているのに対し、本発明のグリッパは、平行移動と回動とを組み合わせることにより、複数種類のワーク等の把持と、周辺の装置との干渉の回避とを両立させたものである。
上記搬送装置のグリッパにおいては、上記平行ガイド部は、直線状に形成されており、上記一対の開きガイド部は、曲線状に形成されていてもよい(請求項2)。
この場合には、平行ガイド部及び一対の開きガイド部の形状が簡単である。
この場合には、ワークの搬送を行った位置にグリッパを待機させておいても、一対の挟持部が最も効果的に加工装置から退避することができる。そのため、ワークに加工を行う加工装置を、搬送装置のグリッパへ極力接近させることができる。
なお、一対の開きガイド部は、一対の挟持部が退避位置において、所定の角度(例えば挟持位置から60〜90°)開くように構成することもできる。
この場合には、一対の挟持部の内側面によって、円筒状ワークを位置決めを行って安定して挟持することができる。また、一対の挟持部の鍔部に円筒状ワークの下側角部を掛止させることにより、円筒状ワークの落下防止を行うことができる。
この場合には、一対の挟持部の鍔部によって、回転支持治具を位置決めを行って安定して挟持することができる。
この場合には、グリッパによって、回転装置及び加工装置に必要とされる回転支持治具及び刃具の段替えも行うことができ、グリッパの汎用性を一層高めることができる。
なお、グリッパは、刃具については、刃具が保持されたパレットを把持することにより、間接的に把持することができる。
搬送装置のグリッパ5は、図1〜図3に示すごとく、搬送装置としての旋回ローダ4に配設され、円筒状ワーク8を挟持する一対の挟持部51が挟持ガイド53に係合して構成されている。挟持ガイド53は、一対の挟持部51を互いに平行な状態で移動させる直線状の平行ガイド部531と、平行ガイド部531の両端部分において一対の挟持部51の先端側を両側へ開かせる曲線状の一対の開きガイド部532とを有している。一対の挟持部51は、図2に示すごとく、平行ガイド部531に沿って互いに接近して円筒状ワーク8を挟持する挟持位置511と、図3に示すごとく、開きガイド部532に沿って互いに離隔して先端側が後退する退避位置512とに移動可能である。
図1に示すごとく、本例の旋回ローダ4は、回転支持治具6を介して円筒状ワーク8を支持して回転する回転装置2と、刃具7を装着して円筒状ワーク8の外周に歯面81を切削加工する加工装置3とを備えたホブ盤1に配設されている。そして、本例の旋回ローダ4は、複数のグリッパ5が旋回中心軸線の周りに配設され、複数のグリッパ5を回転装置2に順次対向させるよう構成されている。本例のグリッパ5は、図4に示すごとく、回転装置2に対向したとき、一対の挟持部51を退避位置512にして、一対の挟持部51が加工装置3の刃具(ホブカッタ)7及び刃具7を支持する刃具装着部(ホブヘッド)31から退避するよう構成されている。
加工装置3は、刃具7を装着する刃具装着部31の回転中心軸線301を、水平方向に傾斜して向けられるよう構成されている。回転装置2は、上下方向に向く回転中心軸線201の回りに回転するよう構成されている。加工装置3は、回転装置2によって回転する円筒状ワーク8の外周を、回転する刃具7によって切削して、はすば状の歯面81を加工する。
加工装置3は、刃具装着部31を、回転可能であるとともに前後及び上下に移動させるよう構成されている。加工装置3は、旋回ローダ4に対して回転装置2が配設された方向の延長上に配設されている。
本例の各グリッパ5は、旋回ローダ4の旋回によって、図7、図8に示すごとく、回転装置2との間での加工前の円筒状ワーク8の供給及び加工後の円筒状ワーク8の取出、図9に示すごとく、回転装置2との間での回転支持治具6の供給及び取出、図10に示すごとく、加工装置3との間での刃具7の供給及び取出を行うよう構成されている。
回転支持治具6は、一方治具部61の上に他方治具部62が組み合わさった状態で、旋回ローダ4によって回転装置2まで搬送(運搬)される。
そして、バリ取り工具63は、一方治具部61が一方の回転支軸21に装着されたときに、支持アーム部632のストッパ溝64が回り止め部材65と係合することにより、一方の回転支軸21及び一方治具部61が回転する際に、一方治具部61の中心軸線の回りに回転しないようにすることができる。
加工装置3は、刃具装着部31を前進及び上下させて、この刃具装着部31に、グリッパ5に把持されたパレット70の刃具保持部72における刃具7を装着するよう構成されている。
本例のグリッパ5は、旋回中心支柱41の回りにおいて互いに90°ずれた位置の4箇所に配設されている。各グリッパ5は、旋回中心支柱41に対して、個別に上下移動可能である。なお、グリッパ5は、旋回中心支柱41の回りの2箇所もしくは3箇所、あるいは5箇所以上に等間隔に配設することもできる。
また、旋回ローダ4は、外部受渡位置502と内部受渡位置501とのいずれか一方でグリッパ5の各高さ位置を設定し、この各高さ位置を維持して外部受渡位置502と内部受渡位置501との他方へ旋回するよう構成されている。
図11に示すごとく、グリッパ5における一対の挟持部51は、円筒状ワーク8の2箇所に当接するV形状の内側面513と、内側面513の下端位置において突出する鍔部514とを有している。グリッパ5は、一対の挟持部51の内側面513によって円筒状ワーク8を挟み込んで、この円筒状ワーク8の位置決めを行うよう構成されている。また、鍔部514は、内側面513の形状に沿ってV形状に形成されている。
図7、図8に示すごとく、一対の挟持部51によって円筒状ワーク8を挟持するときには、各挟持部51のV形状の内側面513によって円筒状ワーク8の外周を挟み込み、鍔部514によって円筒状ワーク8の下側角部を掛止して、円筒状ワーク8の落下防止を行うことができる。
また、図12に示すごとく、他方治具部62等の上側部分622の外径が下側部分(中心軸部)621の外径よりも大きなものは、上側部分622を一対の挟持部51の上面に載置し、一対の鍔部514によって下側部分621の外周を挟み込むことができる。この場合には、一対の鍔部514によって他方治具部62の下側部分621を挟み込んで他方治具部62の位置決めを行う。
電動アクチュエータ及び一対のリニヤガイド43は、旋回中心支柱41に設けられたベースプレート44に配設されている。電動アクチュエータ及び一対のリニヤガイド43には、板形状のカムプレート52が取り付けられている。
各支持プレート57には、係合ピン572が立設されており、各ラック56には、係合ピン572を、挟持方向Lに直交する方向へスライドさせるためのスライド溝562が形成された連結プレート561が設けられている。
シリンダ54のロッド540がストロークする際には、一方のラック56Aが挟持方向Lの一方向へスライドするとともに、他方のラック56Bがピニオンギヤ55の回転を受けて挟持方向Lの他方向へスライドする。これにより、シリンダ54による駆動力のみで各ラック56にそれぞれ係合する一対の挟持部51を、挟持位置511と退避位置512との間で移動させることができる。
例えば、図13、図14に示すごとく、挟持ガイド53を、一対の挟持部51をスライドさせるレール52Aによって形成し、シリンダ54の駆動力をリンク522を介して一対の挟持部51へ伝達することにより、一対の挟持部51を挟持位置511と退避位置512との間で移動させることもできる。
従来のグリッパが、一対の挟持部を平行移動させるだけ、又は一対の挟持部を回動させるだけの構造を有しているのに対し、本例のグリッパ5は、平行移動と回動とを組み合わせることにより、複数種類の円筒状ワーク8等の把持と、加工装置3の刃具装着部31との干渉の回避とを両立させたものである。
また、一対の挟持部51が、挟持位置511から略90°開く退避位置512へ移動することにより、刃具装着部31との干渉を避けるために各挟持部51の先端側の形状を細くする必要がなくなる。そのため、一対の挟持部51の剛性を十分に確保することができる。
2 回転装置
3 加工装置
4 旋回ローダ(搬送装置)
5 グリッパ
51 一対の挟持部
511 挟持位置
512 退避位置
52 カムプレート
53 挟持ガイド
531 平行ガイド部
532 開きガイド部
8 円筒状ワーク
Claims (7)
- 搬送装置に配設され、円筒状ワークを挟持する一対の挟持部が挟持ガイドに係合して構成されたグリッパであって、
上記搬送装置は、回転支持治具を介して上記円筒状ワークを支持して回転する回転装置と、刃具装着部に刃具を装着して上記円筒状ワークに加工を行う加工装置とを備えた回転加工機に配設されているとともに、複数の上記グリッパが旋回中心軸線の周りに配設され、該複数のグリッパを上記回転装置に順次対向させるよう旋回する旋回ローダとして構成されており、
上記挟持ガイドは、上記一対の挟持部を互いに平行な状態で移動させる平行ガイド部と、該平行ガイド部の両端部分において上記一対の挟持部の先端側を両側へ開かせる一対の開きガイド部とを有しており、
上記一対の挟持部は、上記平行ガイド部に沿って互いに接近して円筒状ワークを挟持する挟持位置と、上記開きガイド部に沿って互いに離隔して上記先端側が後退する退避位置とに移動可能であり、かつ、上記一対の挟持部が互いに接近したときに上下に重なって互いに係合する係合部を有しており、
上記グリッパは、上記回転装置に対向したとき、該回転装置に対向する位置に待機したままで、上記一対の挟持部を上記退避位置にして、該一対の挟持部が上記加工装置の上記刃具装着部から退避するよう構成されていることを特徴とする搬送装置のグリッパ。 - 請求項1に記載の搬送装置のグリッパにおいて、上記平行ガイド部は、直線状に形成されており、上記一対の開きガイド部は、曲線状に形成されていることを特徴とする搬送装置のグリッパ。
- 請求項1又は2に記載の搬送装置のグリッパにおいて、上記一対の開きガイド部は、上記一対の挟持部の先端側が上記退避位置において略90°開くよう形成されていることを特徴とする搬送装置のグリッパ。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の搬送装置のグリッパにおいて、上記一対の挟持部は、上記円筒状ワークの2箇所に当接するV形状の内側面と、該内側面の下端位置において突出する鍔部とを有しており、
上記一対の挟持部の上記内側面によって上記円筒状ワークを挟み込んで該円筒状ワークの位置決めを行うよう構成されていることを特徴とする搬送装置のグリッパ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の搬送装置のグリッパにおいて、上記一対の挟持部は、V形状の内側面と、上記円筒状ワークの2箇所に当接するよう上記内側面の下端位置において突出するV形状の鍔部とを有しており、
上記一対の挟持部の上記鍔部によって上記回転支持治具を挟み込んで該回転支持治具の位置決めを行うよう構成されていることを特徴とする搬送装置のグリッパ。 - 請求項4又は5に記載の搬送装置のグリッパにおいて、上記一対の挟持部における上記係合部は、上記内側面の横方向の両端部において複数段形成されていることを特徴とする搬送装置のグリッパ。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の搬送装置のグリッパにおいて、上記グリッパは、上記円筒状ワーク、上記回転支持治具及び上記刃具を直接又は間接的に把持可能であり、
上記旋回ローダは、上記複数のグリッパを旋回させることにより、上記回転装置との間での上記円筒状ワークの受渡し、上記回転装置との間での上記回転支持治具の受渡し、上記加工装置との間での上記刃具の受渡しが可能であることを特徴とする搬送装置のグリッパ。
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