JP5650822B1 - 搬送装置のグリッパ及びそれを用いた回転加工機 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、ホブ盤に関する特許文献1においては、ホブ盤において、テーブルに対してワークを自動交換するローダを配設することが開示されている。このローダは、サポートコラムに鉛直軸回りで回転する回転盤を設けて構成されており、回転盤には、180度位相をずらした把持部が設けられている。そして、一方の把持部で加工済のワークを把持した状態で、他方の把持部で未加工のワークを把持し、回転盤を180度回転させることでワークの搬出入を行っている。
該ベース部に配設された駆動源と、
該駆動源による推力を受けて、互いに離れる離隔方向と互いに接近する接近方向とにスライドする一対の第1スライダーと、
該第1スライダーとそれぞれ一体化してスライド可能な一対の第2スライダーと、
該第2スライダーにおいてそれぞれ回動可能に設けられ、ワークを挟持するための挟持状態と、該挟持状態から開くように回動して先端部を後退させる退避状態とを形成可能な一対の挟持部と、
上記ベース部に配設され、上記離隔方向及び上記接近方向に平行な平行案内路と、該平行案内路から屈曲する屈曲案内路とが連続して形成された一対のガイド部と、
該ガイド部の上記平行案内路に係合するときに、上記第1スライダーと上記第2スライダーとをそれぞれ一体化させる一体化位置と、上記ガイド部の上記屈曲案内路に係合するときに、上記第1スライダーと上記第2スライダーとの一体化を解除させる解除位置とに移動可能な一対のストッパーと、を備えており、
上記第1スライダーと上記第2スライダーとの一体化が解除され、上記第1スライダーが上記離隔方向へスライドするときに、上記第1スライダーに設けられた係合部が、上記挟持部に設けられた被係合部に係合して、上記挟持部が上記挟持状態から上記退避状態に変化し、一方、上記第1スライダーと上記第2スライダーとの一体化が解除され、上記第1スライダーが上記接近方向へスライドするときに、上記第1スライダーに設けられた係合部が、上記挟持部に設けられた被係合部に係合して、上記挟持部が上記退避状態から上記挟持状態に変化するよう構成されていることを特徴とする搬送装置のグリッパにある。
該回転加工機は、ワーク支持治具を介して上記ワークとしての円筒状ワークを支持して回転する回転装置と、該回転装置によって回転する上記円筒状ワークに加工を行う加工装置と、複数の上記グリッパが旋回中心軸線の周りに配設され、該複数のグリッパを上記回転装置に順次対向させるよう旋回する搬送装置とを備えており、
上記グリッパは、上記回転装置に対向したとき、上記一対の挟持部を上記退避状態にして、該一対の挟持部が上記加工装置から退避するよう構成されていることを特徴とする搬送装置のグリッパを用いた回転加工機にある。
従来のグリッパは、一対の挟持部を平行移動させるだけ、又は一対の挟持部を回動させるだけの構造を有している。これに対し、本発明のグリッパは、一対の挟持部の平行移動と回動とを組み合わせることにより、複数種類のワーク等の挟持と、周辺の装置等との干渉の回避とを両立させたものである。
すなわち、第1スライダー、第2スライダー及び挟持部の動きをストッパーによって規制し、ストッパーによって、挟持部の回動の停止と回動の許容とを行う。また、第1スライダーが駆動源によって離隔方向へスライドする際に、ストッパーが屈曲案内路の端部に係合したときには、第2スライダー及びストッパーのスライドが拘束される。このとき、第1スライダーに設けられた係合部が挟持部に設けられた被係合部に係合して、第1スライダーをスライドさせようとする力が、第2スライダーに対して挟持部を回動させる力として作用する。これにより、一対の挟持部を退避状態にし、周辺の装置から退避させることができる。
また、上記グリッパを用いた回転加工機によっても、グリッパによる、大きさ・形状の異なる複数種類のワーク等の挟持と、周辺の装置等との干渉の回避とを両立させることができる。
上記搬送装置のグリッパにおいては、上記ガイド部は、上記平行案内路及び上記屈曲案内路が連続する長穴として形成されたガイドプレートによって構成されており、上記ストッパーは、上記長穴内をスライドするスライド軸部を有しており、上記第1スライダーが上記離隔方向へスライドするときに、上記スライド軸部が上記長穴の上記屈曲案内路に沿ってスライドして、上記ストッパーが上記一体化位置から上記解除位置へ移動して、上記第1スライダーが上記第2スライダーに対してスライド可能になり、一方、上記第1スライダーが上記接近方向へスライドするときに、上記スライド軸部が上記長穴の上記屈曲案内路に沿ってスライドして、上記ストッパーが上記解除位置から上記一体化位置へ復帰するよう構成されていてもよい。
この場合には、長穴を有するガイドプレートと、スライド軸部を有するストッパーとを用いた簡単な構成により、一対の挟持部の平行移動と回動とを組み合わせたグリッパを形成することができる。
この場合には、ワークの搬送を行った位置にグリッパを待機させておいても、一対の挟持部が最も効果的に加工装置から退避することができる。そのため、ワークに加工を行う加工装置を、搬送装置のグリッパへ極力接近させることができる。
この場合には、駆動源としての1つのシリンダーによって、一対の挟持部の平行移動及び挟持の各動作を行うことができる。
本例のグリッパ5は、図5、図6に示すごとく、ベース部51、駆動源52、一対の第1スライダー53、一対の第2スライダー54、一対の挟持部6、一対のガイド部55及び一対のストッパー56を備えている。
ベース部51は、搬送装置4に配設されてグリッパ5の土台となる部分である。駆動源52は、ベース部51に配設されており、グリッパ5の動作を形成する部分である。一対の第1スライダー53は、駆動源52による推力を受けて、互いに離れる離隔方向D1と互いに接近する接近方向D2とにスライドするよう構成されている。一対の第2スライダー54は、第1スライダー53とそれぞれ一体化してスライド可能に構成されている。
なお、図1〜図5は、分解した状態のグリッパ5を示し、図6は、ベース部51にカバー57が取り付いた状態のグリッパ5を示す。
図7に示すごとく、本例の搬送装置4は、ワーク支持治具7を介してワーク(円筒状ワーク)8を支持して回転する回転装置2と、回転装置2によって回転するワーク8に加工を行う加工装置3とを備えた回転加工機1において用いられる。搬送装置4は、複数のグリッパ5が旋回支柱部41の旋回中心軸線401の周りに配設され、複数のグリッパ5を回転装置2に順次対向させるよう旋回するよう構成されている。本例のグリッパ5は、一対の挟持部6を挟持状態601にして、一対の挟持部6にワーク8を挟持して搬送装置4によって旋回し、回転装置2に対向したとき、一対の挟持部6を退避状態602にして、一対の挟持部6が加工装置3の刃具(ホブカッタ)32及び刃具32を把持する刃具把持部(ホブヘッド)31から退避するよう構成されている。
加工装置3は、刃具32を、その軸部の回りに回転可能であるとともに、刃具把持部31を、前後、左右及び上下に移動可能にし、かつ軸部に直交する方向に旋回可能にしている。刃具把持部31は、刃具32の両側の軸部を把持するように構成されている。
回転装置2は、上治具部72及び下治具部71を介してワーク8を上下の両側から支持し、搬送装置4の旋回中心軸線401と平行な回転中心軸線201の回りに回転するよう構成されている。回転装置2の下支持部211は、モータ等の駆動源によって回転する回転テーブル20の上端部に取り付けられている。回転装置2の上支持部212は、搬送装置4の旋回支柱部41に、アクチュエータによって上下にスライド可能に設けられている。
本例のグリッパ5は、旋回ローダ部42の周方向において、互いに90°周方向にずれた位置の4箇所に設けられている。なお、グリッパ5は、旋回ローダ部42の回りの2箇所又は3箇所、あるいは5箇所以上に設けることもできる。
図6に示すごとく、本例の一対の挟持部6は、駆動源52としての1つのシリンダーによって、一対の挟持部6の平行移動及び挟持の各動作を行う。各挟持部6は、ワーク8としての円筒状ワークの2箇所に当接するV形状の挟持内側面63を有している。一対の挟持部6は、挟持状態601においては、互いに平行になってV形状の挟持内側面63が互いに対向し、退避状態602においては、互いに平行な状態から外側に略90°開くよう構成されている。一対の挟持部6が退避状態602において略90°開いた状態にあるときには、一対の挟持部6がグリッパ5の前方に突出する量を小さく抑えることができる。
ベース部51には、一対の第1スライダー53、一対の第2スライダー54、一対のストッパー56等を覆うカバー57が設けられている。
図5に示すごとく、ガイド部55は、平行案内路552及び屈曲案内路553が連続する長穴551として形成されたガイドプレート550によって構成されている。屈曲案内路553は、平行案内路552の端部から斜めに下降する状態で形成されている。ガイドプレート550は、ベース部51に取り付けられている。第2スライダー54は、第1スライダー53の下方において、第1スライダー53に対して横方向にスライド可能である。ストッパー56は、第2スライダー54に対して上下方向にスライド可能に配置されている。ストッパー56は、ガイドプレート550の長穴551内をスライドするスライド軸部561を有している。
第1スライダー53に設けられた係合部531と、挟持部6に設けられた被係合部62とは、互いに係合することが可能なラックギヤ及びピニオンギヤ、ローラ等によって構成することができる。係合部531と被係合部62とは、第1スライダー53がスライドする動きを、挟持部6の回動する動きに変換する種々の動力伝達部材によって構成することができる。
ストッパー56は、第1スライダー53と第2スライダー54とを一体化させる機能の他に、挟持部6を第2スライダー54に対して回動不能にする機能を有していてもよい。そして、ストッパー56は、一体化位置501にあるときに挟持部6の回動を停止し、解除位置502にあるときに、挟持部6の回動を許容することができる。この場合には、挟持部6の挟持状態601をより確実に維持することができる。
図1に示すごとく、挟持状態601にある一対の挟持部6によってワーク8を挟持するときには、駆動源52によって各第1スライダー53を離隔方向D1へスライドさせ、一対の挟持部6の間隔をワーク8の外形(外径)よりも拡大させる。次いで、一対の挟持部6の間にワーク8を配置した後、駆動源52によって各第1スライダー53を接近方向D2へスライドさせ、一対の挟持部6の間にワーク8を挟持する。こうして、一対の挟持部6を、挟持状態601を維持して平行移動させることにより、グリッパ5によって、種々の外形(外径)のワーク8を挟持することができる。
図2に示すごとく、一対の挟持部6を挟持状態601から退避状態602へ変化させる際に、スライド軸部561が平行案内路552に配置されているときであって、第1スライダー53が離隔方向D1へスライドするときには、ストッパー56が一体化位置501にある。そして、第2スライダー54が、ストッパー56を介して第1スライダー53によって離隔方向D1へ押される。このときには、第1スライダー53、第2スライダー54、挟持部6及びストッパー56が一体的にスライドし、一対の挟持部6は、挟持状態601を形成して、離隔方向D1へ平行移動する。
本例のグリッパ5は、一対の挟持部6が一対のガイド部55の平行案内路552に沿って接近方向D2へ移動することにより、大きさ・形状の異なる複数種類のワーク8等の把持が可能である。これにより、グリッパ5の汎用性を高めることができる。また、グリッパ5は、一対の挟持部6が一対のガイド部55の屈曲案内路553に沿って離隔方向D1へ移動することにより、一対の挟持部6の先端側が開くようにして、ワーク8に加工を行う加工装置3等から退避することができる。これにより、ワーク8に加工を行う際に、ワーク8の搬送を行った位置にグリッパ5を待機させておいても、このグリッパ5が加工装置3等に干渉しないようにすることができる。
2 回転装置
3 加工装置
4 搬送装置
5 グリッパ
501 一体化位置
502 解除位置
53 第1スライダー
54 第2スライダー
55 ガイド部
550 ガイドプレート
551 長穴
552 平行案内路
553 屈曲案内路
56 ストッパー
561 スライド軸部
6 挟持部
601 挟持状態
602 退避状態
Claims (5)
- 搬送装置に配設されるベース部と、
該ベース部に配設された駆動源と、
該駆動源による推力を受けて、互いに離れる離隔方向と互いに接近する接近方向とにスライドする一対の第1スライダーと、
該第1スライダーとそれぞれ一体化してスライド可能な一対の第2スライダーと、
該第2スライダーにおいてそれぞれ回動可能に設けられ、ワークを挟持するための挟持状態と、該挟持状態から開くように回動して先端部を後退させる退避状態とを形成可能な一対の挟持部と、
上記ベース部に配設され、上記離隔方向及び上記接近方向に平行な平行案内路と、該平行案内路から屈曲する屈曲案内路とが連続して形成された一対のガイド部と、
該ガイド部の上記平行案内路に係合するときに、上記第1スライダーと上記第2スライダーとをそれぞれ一体化させる一体化位置と、上記ガイド部の上記屈曲案内路に係合するときに、上記第1スライダーと上記第2スライダーとの一体化を解除させる解除位置とに移動可能な一対のストッパーと、を備えており、
上記第1スライダーと上記第2スライダーとの一体化が解除され、上記第1スライダーが上記離隔方向へスライドするときに、上記第1スライダーに設けられた係合部が、上記挟持部に設けられた被係合部に係合して、上記挟持部が上記挟持状態から上記退避状態に変化し、一方、上記第1スライダーと上記第2スライダーとの一体化が解除され、上記第1スライダーが上記接近方向へスライドするときに、上記第1スライダーに設けられた係合部が、上記挟持部に設けられた被係合部に係合して、上記挟持部が上記退避状態から上記挟持状態に変化するよう構成されていることを特徴とする搬送装置のグリッパ。 - 上記ガイド部は、上記平行案内路及び上記屈曲案内路が連続する長穴として形成されたガイドプレートによって構成されており、
上記ストッパーは、上記長穴内をスライドするスライド軸部を有しており、
上記第1スライダーが上記離隔方向へスライドするときに、上記スライド軸部が上記長穴の上記屈曲案内路に沿ってスライドして、上記ストッパーが上記一体化位置から上記解除位置へ移動して、上記第1スライダーが上記第2スライダーに対してスライド可能になり、一方、上記第1スライダーが上記接近方向へスライドするときに、上記スライド軸部が上記長穴の上記屈曲案内路に沿ってスライドして、上記ストッパーが上記解除位置から上記一体化位置へ復帰するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置のグリッパ。 - 上記挟持部の先端部が上記退避状態において略90°開くよう構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置のグリッパ。
- 上記一対の第1スライダーには、ギヤ部分が互いに対向する状態で上記接近方向へ突出するラックギヤがそれぞれ設けられており、
上記ベース部には、上記各ラックギヤに同時に噛み合うピニオンギヤが回転可能に設けられており、
上記駆動源としてのシリンダーによって、上記一対の第1スライダーのいずれか一方を駆動することによって、上記ラックギヤ及び上記ピニオンギヤを介して上記一対の第1スライダーの他方も同時に駆動するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の搬送装置のグリッパ。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の搬送装置のグリッパを用いて構成された回転加工機であって、
該回転加工機は、ワーク支持治具を介して上記ワークとしての円筒状ワークを支持して回転する回転装置と、該回転装置によって回転する上記円筒状ワークに加工を行う加工装置と、複数の上記グリッパが旋回中心軸線の周りに配設され、該複数のグリッパを上記回転装置に順次対向させるよう旋回する搬送装置とを備えており、
上記グリッパは、上記回転装置に対向したとき、上記一対の挟持部を上記退避状態にして、該一対の挟持部が上記加工装置から退避するよう構成されていることを特徴とする搬送装置のグリッパを用いた回転加工機。
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