JP5697356B2 - 波動歯車装置及びロボットアーム - Google Patents

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Description

本発明は、電動モータと電動モータの回転を減速する波動歯車減速機とを有する波動歯車装置、及び波動歯車装置を備えたロボットアームに関するものである。
従来、電動モータと波動歯車減速機(所謂、ハーモニックドライブ(登録商標))とを有する波動歯車装置が知られている。この種の波動歯車装置は、ロボットアームのリンクを揺動又は旋回させるために、リンクの関節部に設けられる。波動歯車減速機は、フレクスプラインと呼ばれている外側に歯を持つ薄い円筒状の柔軟な外歯車と、サーキュラスプラインと呼ばれている内側に歯を持つ内歯車と、ウェーブジェネレータと呼ばれているカム部材とから構成されている(特許文献1参照)。ウェーブジェネレータは、フレクスプラインを楕円状に変形させて、サーキュラスプラインに押し当てる楕円形状に形成されている。
図13に、従来の3つの波動歯車減速機の断面図を示す。まず、従来の波動歯車減速機について図13(a)を参照して説明すると、電動モータの固定子101が固定軸100に設けられ、その外周に回転子102が配されており、ウェーブジェネレータ103が回転子102に対して取り付けられている。ウェーブジェネレータ103の外周には、フレクスプライン104の開口端が装着されており、フレクスプライン104の他端は固定軸100に対して回転自在に支持されている。このフレクスプライン104の外周にはカバー106に固定したサーキュラスプライン105を配している。フレクスプライン104はウェーブジェネレータ103によって楕円状に撓められ、楕円の長軸両端の2カ所でサーキュラスプライン105と噛み合っている。回転子102で構成されるウェーブジェネレータ103が回転することで、フレクスプライン104とサーキュラスプライン105との間に相対回転が発生し、フレクスプライン104の一端に固定されたフランジ107より回転出力が取り出される。
次に、従来の別の波動歯車減速機について図13(b)を参照して説明すると、波動歯車減速機は、歯数の異なる2つのサーキュラスプライン111,112を備えている。これら2つのサーキュラスプライン111,112の内側には、フレクスプライン113が設けられ、フレクスプライン113を楕円形に撓ませて変形させ、その形状を回転させるウェーブジェネレータ115が設けられている。このウェーブジェネレータ115の回転により、フレクスプライン113と、2つのサーキュラスプライン111,112との噛合位置が変わる。そして、噛合位置が1周すると、2つのサーキュラスプライン111,112の歯数の差だけサーキュラスプライン111がサーキュラスプライン112に対して相対回転する。この減速機では、2つのサーキュラスプライン111,112のうち、一方を固定軸とし、他方を出力軸として使用する。
次に、従来の更に別の波動歯車減速機について図13(c)を参照して説明すると、波動歯車減速機は、入力軸120に固定された1個の楕円形のウェーブジェネレータ121と、外周に歯形を有する1個のフレクスプライン122と、を備えている。また、減速機は、外周の一部に設けられたアーム123aに固定され、かつフレクスプライン122に噛合する第1のサーキュラスプライン123と、その両側でフレクスプライン122に噛合する一対の第2のサーキュラスプライン125,126とを備えている。この減速機では、一対の第2のサーキュラスプライン125,126が連結棒124で連結され、一対の第2のサーキュラスプライン125,126が第1のサーキュラスプライン123に対して相対的に回転し、連結棒124が出力軸として使用される。
特開昭63−53340号公報 実公平4−48346号公報 実開昭61−11047号公報
産業用のロボットアームは、複数の関節部を直列につないで構成されている。それぞれの関節部に電動モータ及び波動歯車減速機を有する波動歯車装置が配設されるので、機械的なモデルは減速機の剛性を直列に接続したものとなる。従って、十分に高い剛性を持った減速機を使用しないと、ロボットアーム全体の剛性が不足する。もしロボットアームの剛性が低いと、ロボットアームの固有振動数が低下し、その結果、精度の低下、静定時間の長期化、最大動作速度の低下などの性能低下を引き起こす。つまり高い剛性をもった減速機はロボットアームにとって重要な要件である。
しかしながら、図13(a)に示す波動歯車減速機では、サーキュラスプライン105とフランジ107の間にかかる回転力は、その間にあるフレクスプライン104にかかる。フレクスプライン104に回転力がかかると、フレクスプライン104が柔軟な弾性体なので回転力でねじれ変形し、そのねじれ変形によって出力軸となるフランジ107が回転してしまう。つまり、図13(a)に示す従来の波動歯車減速機では、フレクスプライン104を出力軸としているので、剛性低下を引き起こす。
また、図13(b)に示す波動歯車減速機では、フレクスプライン113の一端部に位置するサーキュラスプライン111に対して他端部に位置するサーキュラスプライン112が相対的に回転することとなる。したがって、フレクスプライン113の各外歯には、サーキュラスプライン111に噛合する部分と、サーキュラスプライン111に噛合する部分とで互いに反対方向に力が作用する。つまり、フレクスプライン113の各端部において互いに反対方向に力が作用するので、フレクスプライン113は、この力によってねじれ変形しやすく、これが減速機の剛性低下を引き起こす。
これに対し、図13(c)に示す波動歯車減速機では、フレクスプライン122の中央部に位置するサーキュラスプライン123に対して、フレクスプライン122の両端部に位置する2つのサーキュラスプライン125,126が、相対的に回転する。2つのサーキュラスプライン125,126は、互いに同一方向に回転するので、フレクスプライン122の端部に作用する力は同一方向となる。したがって、フレクスプライン122の中央部と端部とで作用する力は反対方向であるが、両端部に作用する力は同一方向であるので、フレクスプライン122は、ねじれ変形しにくく、減速機の剛性の低下を抑制することができる。しかし、この波動歯車減速機では、2つのサーキュラスプライン125,126が、外部に張り出す連結棒124で連結されているので、サーキュラスプライン123を支持するアーム123aに連結棒124が衝突し、1回転以上、回転させることができない。このような構造の波動歯車減速機を有する波動歯車装置をロボットアームに使用すると、各リンクの可動範囲が小さくなってしまう。
そこで、本発明は、剛性が高く、回転に制限がない波動歯車装置及び波動歯車装置を備えたロボットアームを提供することを目的とするものである。
発明の波動歯車装置は、電動モータと、筒状の外輪部、及び前記外輪部の内側に突設され、内周に内歯が形成された内歯車を有する回転出力用の外輪部材と、前記内歯車と異なる歯数の外歯が外周に形成され、前記内歯車の内側に配置された筒状の外歯車、及び前記外歯車の両端側に配置された一対の筒状のフランジ部を有する可撓性部材で形成された可撓性歯車と、前記可撓性歯車の内側に配置され、前記可撓性歯車を半径方向の外側に撓ませて、前記外歯車を前記内歯車に部分的に噛合させ、前記電動モータの回転力が伝達されて回転することにより、噛合位置を周方向に移動させて、前記内歯車と前記外歯車との間に相対回転を生じさせる筒状のカム部材と、前記一対のフランジ部のうち対応するフランジ部がそれぞれ固定された一対の固定用プレートと、前記カム部材を貫通して前記一対の固定用プレートを連結した連結部材と、を備え、前記可撓性歯車は、前記外歯車と前記各フランジ部との間に形成され、前記カム部材の押圧により前記外歯車が半径方向の外側に突出するよう変形する一対の変形部を有することを特徴とするものである。
発明によれば、可撓性歯車の両端部が一対のフランジ部で構成され、一対のフランジ部が一対の固定用プレートに固定されているので、内歯車を有する外輪部材が外歯車を有する可撓性歯車に対して回転する。このとき、可撓性歯車が一対の固定用プレートに両持ち構造で固定されているので、可撓性歯車のねじれ変形が抑制され、剛性が向上する。しかも、一対の固定用プレートが筒状のカム部材を貫通する連結部材で連結されているので、外輪部材の回転により外輪部材が連結部材に衝突することがなく、内歯車を介して外輪部材を1回転以上回転させることができる。
本発明の第1実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す模式図である。 図1に示すII−II線に沿う概略断面図である。 本第1実施形態の剛性計算のための説明図であり、(a)は可撓性歯車と、第1の内歯車及び一対の第2の内歯車との噛み合い状態を示す図、(b)は可撓性歯車の外歯を示す図である。 参考例の剛性計算のための説明図であり、(a)はフレクスプラインと、2つのサーキュラスプラインとの噛み合い状態を示す図(b)はフレクスプラインの外歯を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す模式図である。 可撓性歯車の支持状態を説明するための図であり、(a)は、本第2実施形態の可撓性歯車の支持状態を示す図、(b)は、参考例の可撓性歯車の支持状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る波動歯車装置の可撓性歯車の説明図であり、(a)は、可撓性歯車の部分模式図、(b)は、可撓性歯車の展開図である。 可撓性歯車の別の実施形態を示す展開図である。 本発明の第4実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の第5実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の第6実施形態に係るロボットアームの概略構成を示す説明図である。 本発明の第6実施形態に係るロボットアームの根元に近い関節部に第1,第4実施形態の波動歯車装置を適用した例を示す。 従来の3つの波動歯車減速機の断面図であり、(a)〜(c)は、従来の各波動歯車減速機の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す模式図である。また、図2は、図1に示すII−II線に沿う概略断面図である。以下、波動歯車減速機の構成について説明する。図1に示すように、波動歯車装置50は、1つの電動モータ51と、波動歯車減速機52と、からなり、波動歯車減速機52に電動モータ51が組み込まれて一体に構成されている。この電動モータ51は、ブラシレスDCモータである。
以下、具体的な構成について説明すると、波動歯車装置50は、所謂サーキュラスプラインとなる外輪部材3を備えている。この外輪部材3は、筒状(本実施形態では円筒状)の外輪部3aと、外輪部3aの内側に突設され、内周に内歯が形成された環状(本実施形態では円環状)の第1の内歯車3bとを有する。外輪部材3は、剛体で形成されている。この外輪部材3は、回転軸心(図1中、二点鎖線zであり、以下、「z軸」という)を中心に回転する回転出力用のものであり、入力、即ち電動モータ51の回転を減速して出力する。
この外輪部材3の外輪部3aの内側であって、第1の内歯車3bの両端側には、内歯が内周に形成された一対の第2の内歯車2a,2bが配置されている。つまり、z軸方向に平行に、第1の内歯車3bの一端側に一方の第2の内歯車2aが配設され、第1の内歯車3bの他端側に他方の第2の内歯車2bが配設されている。一対の第2の内歯車2a,2bは、環状(本実施形態では円環状)に形成されている。そして、一対の第2の内歯車2a,2bは、第1の内歯車3bと回転軸心がz軸で同心であり、内周の半径が同一に形成されているが、内周に形成されている内歯の歯数が異なる。例えば、第1の内歯車3bには1周で100個の内歯が形成され、第2の内歯車2a,2bには1周で98個の内歯が形成されている。なお、第2の内歯車2aと第2の内歯車2bとは同一構成であり、歯数も同一に設定されている。
第1の内歯車3b及び一対の第2の内歯車2a,2bの内側には、外歯が外周に形成された所謂フレクスプラインである可撓性歯車1が配置されている。この可撓性歯車1は、可撓性部材で形成されており、薄肉円筒部と薄肉円筒部の外周に形成された外歯とからなり、z軸方向に直交する半径方向rに撓み変形可能に構成されている。可撓性歯車1は、第1の内歯車3bの幅と一対の第2の内歯車2a,2bの幅との和と略同一の幅に設定されている。そして、可撓性歯車1は、外歯がz軸方向と平行に形成されており、可撓性歯車1の中央部が第1の内歯車3bに噛合し、且つ可撓性歯車1の両端部が一対の第2の内歯車2a,2bに噛合するように配置されている。
可撓性歯車1の内側には、図2に示すように、外枠12及びベアリング11を介して外周が楕円形状の所謂ウェーブジェネレータであるカム部材10が配置されている。具体的には、カム部材10の外側にベアリング11が配置され、ベアリング11の外側に外枠12が配置されている。したがって、このカム部材10は、ベアリング11及び外枠12を介して可撓性歯車1を半径方向rに撓ませて、可撓性歯車1を第1の内歯車3b及び一対の第2の内歯車2a,2bに部分的に噛合させる。即ち、可撓性歯車1がカム部材10により楕円状に撓み、楕円長軸における2箇所の噛合位置で第1の内歯車3b及び一対の第2の内歯車2a,2bと可撓性歯車1とが噛合する。ここで、可撓性歯車1と3つの内歯車2a,2b,3bとが2箇所、すなわち楕円の長軸方向で噛み合うようにカム部材10の縦横比とサイズが調整して製作されている。カム部材10は、内周が円形の筒状の剛体で形成されている。ベアリング11は、複数の円筒コロ又は複数の球を有して構成される。このベアリング11により、外枠12がカム部材10の外周に沿って、すなわち楕円に沿って回転する。
カム部材10の内側には、電動モータ51が配置されている。具体的に説明すると、電動モータ51は、固定子51aと回転子51bとからなり、これら固定子51a及び回転子51bがカム部材10の内側に配置されている。固定子51aは、z軸を中心に環状に配置された複数(図2では6個)のコイル7からなる。つまり、固定子51aは、環状に形成されている。回転子51bは、固定子51a(コイル7)の両側に配置された複数の永久磁石13a,13bと、各永久磁石13a,13bが固定されるヨーク14a,14bと、各ヨーク14a,14bが固定されるモーターハウジング9a,9bを有している。一対のモーターハウジング9a,9bは、環状の形成されており、環状外縁部がカム部材10の内周に連結固定されている。これにより、カム部材10は、回転子51bに固定され、電動モータ51の回転力が伝達されて、回転子51bと一体にz軸を中心に回転することとなる。そして、カム部材10が回転することにより、第1の内歯車3b及び一対の第2の内歯車2a,2bと可撓性歯車1との噛合位置が周方向に移動し、第1の内歯車3bと一対の第2の内歯車2a,2bとの間に歯数の差に相当する相対回転を生じさせることができる。例えば、第1の内歯車3bが1周100個の内歯を有し、各第2の内歯車2a,2bが98個の内歯を有している場合について説明する。この場合、カム部材10が1回転したとき、歯数の差が2個分つまり2/100回転分、第1の内歯車3bが一対の第2の内歯車2a,2bに対して相対的に回転する。減速比は1:50である。
この電動モータ51は、回転位置に応じた電流をコイル7に流すことにより回転力を発生する。回転子51bの回転位置は、不図示のホール素子で磁石の位置を検出する方法、不図示のエンコーダを使って直接検出する方法によって検出される。
本第1実施形態では、波動歯車装置50は、外輪部3aの内側に配置された一対の円盤状の固定用プレート4a,4bを備えている。本第1実施形態では、一対の固定用プレート4a,4bは、中央部に貫通孔が形成された円環形状に形成されている。一対の固定用プレート4a,4bは、外径が第2の内歯車2a,2bと略同一の径に形成されている。そして、一方の固定用プレート4aの外周縁部には、一方の第2の内歯車2aが固定され、他方の固定用プレート4bの外周縁部には、他方の第2の内歯車2bが固定されている。したがって、一対の固定用プレート4a,4bには、それぞれ一対の第2の内歯車2a,2bのうち対応する第2の内歯車が固定されている。そして、一対の固定用プレート4a,4bの間に、一対の第2の内歯車2a,2bが配置されたこととなる。
一対の固定用プレート4a,4bは、連結部材としてのシャフト5で連結されている。具体的には、シャフト5が、一対の固定用プレート4a,4bにボルト等で連結されている。このシャフト5は、筒状に形成されており、軸中心がz軸に揃えて配置されている。つまり、シャフト5は、環状に形成された一対の固定用プレート4a,4bの内周縁部同士を連結している。従って、シャフト5は、筒状のカム部材10を貫通するようにカム部材10の内側に配置されていることとなる。つまり、シャフト5は、カム部材10の内周で囲まれる空間を通じて一対の固定用プレート4a,4bを連結する。ここで、シャフト5が筒状に形成されているので、シャフト5の内側を通じて電気配線や他の部材等を通すことができる。この一対の固定用プレート4a,4b及びシャフト5の連結構造により、一対の第2の内歯車2a,2bが、第1の内歯車3bに対してz軸を中心に相対的に一体に回転することとなる。言い換えると、第1の内歯車3bが一対の内歯車2a,2bに対してz軸を中心に相対的に回転することとなる。つまり、一対の第2の内歯車2a,2b、一対の固定用プレート4a,4b及びシャフト5により、内輪部材が構成され、外輪部材3が内輪部材に対して相対的に回転するよう構成されている。なお、一対の固定用プレート4a,4bの周端面と、外輪部材3の外輪部3aの内周面との間には、軸受け6a,6bが配置されている。つまり、外輪部材3の外輪部3aは、軸受け6a,6bを介して一対の固定用プレート4a,4bに支持されている。また、一対の固定用プレート4a,4bは、不図示の固定物に固定可能であり、少なくとも一方が不図示の固定物に固定される。
そして、シャフト5の外周には、環状に形成された固定子51aが固定されている。また、シャフト5と環状に形成された回転子51b(モーターハウジング9a,9b)との間には、軸受け8a,8bが配置され、回転子51bがシャフト5の周りをz軸を中心に回転する。
本第1実施形態では、波動歯車減速機52は、カム部材10、可撓性歯車1、第1の内歯車3bを有する外輪部材3、一対の第2の内歯車2a,2b、一対の固定用プレート4a,4b及びシャフト5を有して構成されている。そして、波動歯車装置50は、この波動歯車減速機52の内部に電動モータ51が内蔵されて構成されている。
以上の構成において、電動モータ51の固定子51aのコイル7に通電すると、永久磁石13a,13bを有する回転子51bが回転し、モーターハウジング9a,9bに固定されたカム部材10が回転する。このカム部材10の回転により、可撓性歯車1と第1の内歯車3b及び一対の第2の内歯車2a,2bとの楕円長軸方向の2つの歯合位置が回転する。そして、カム部材10が1回転したときに、第1の内歯車3bと一対の第2の内歯車2a,2bとの歯数の差に応じた分、第1の内歯車3bと一対の第2の内歯車2a,2bとの間に相対回転が生じる。ここで、固定用プレート4a(4b)が、不図示の固定物に固定されている場合、これに連結された一対の第2の内歯車2a,2bは固定物に対して回転せず、第1の内歯車3bが固定物に対して歯数の差で設定された減速比で回転することとなる。
次に、可撓性歯車1に作用する力による剛性の計算について説明する。図3は、剛性計算のための説明図であり、図3(a)は可撓性歯車1と、第1の内歯車3b及びその両側に配置された一対の第2の内歯車2a,2bとの噛み合い状態を示し、図3(b)は可撓性歯車1の外歯を示している。
波動歯車減速機52の出力軸となる外輪部材3にかかる回転力は、第1の内歯車3bが噛合する可撓性歯車1の中央部と、2つの第2の内歯車2a,2bが噛合する可撓性歯車1の両端部とにかかり、可撓性歯車1を変形させる方向に働く。この場合、可撓性歯車1は、2つの第2の内歯車2a,2bによって支えられ、図3(b)に示すように、可撓性歯車1の外歯の中央部に作用する力Fとは反対方向に、両端部に互いに同一方向に力F/2が働く。このように可撓性歯車1はいわゆる両持ち構造となるので、剛性が向上する。以下、その剛性を計算によって具体的に求める。なお、可撓性歯車1は薄肉円筒部と外歯とからなる。
減速機の剛性は、回転力と、その力による回転角度の比である。以下、数式では次の記号を用いる。
T:減速機にかかるトルク、R:可撓性歯車の半径、F:可撓性歯車の外歯にかかる力(F=T/R)、G:可撓性歯車の横弾性係数、E:可撓性歯車の縦弾性係数、ν:可撓性歯車のポワソン比、a:可撓性歯車の薄肉円筒部の厚さ。また、b:可撓性歯車の歯幅、c:可撓性歯車の歯高、L:可撓性歯車の幅(外歯の長さ)、n:噛み合う歯の数。
ここで、中央部の第1の内歯車3bの幅をL/2とし、両側部の第2の内歯車2a,2bの幅をL/4とする。力のかかる中心を第1の内歯車3bの中心と考えると、その反力として間隔3L/4の位置で両側の第2の内歯車2a,2bから力を受ける。したがって、可撓性歯車1の両端の部分が単純支持された梁の曲げ問題として考えることができる。以下、減速機の剛性を薄肉円筒部と、外歯の部分とに分けて考える。
(1)薄肉円筒部の剛性(本第1実施形態)
まず、外径2(R+a)、内径2R、長さ3L/8の円管のねじり剛性を考え、両側にあるのでその2倍が薄肉円筒部の剛性Knew1となる。
Figure 0005697356
ここで、
Figure 0005697356
を使った。
(2)外歯の剛性(本第1実施形態)
可撓性歯車1の外歯は、間隔3L/4の単純支持梁の曲げの問題なので、外力をF、変位をxとすると、次式の関係がある。
Figure 0005697356
Fを半径RでかかるトルクTで表し、xを半径Rでの回転角度θで表すと、1つの外歯の剛性Knew2は次のように書ける。
Figure 0005697356
n個の歯が噛み合っているとすると、本第1実施形態の減速機では剛性を次のように表すことができる。
Figure 0005697356
次に、参考例として、図13(b)に示すフレクスプライン113に、2つの歯数の異なるサーキュラスプライン111,112が噛み合っている減速機について剛性を計算する。図4は、剛性計算のための説明図であり、図4(a)はフレクスプライン113と、2つのサーキュラスプライン111,112との噛み合い状態を示し、図4(b)はフレクスプライン113の外歯を示している。図4(b)に示すように、フレクスプライン113の外歯にかかる力の中心をサーキュラスプライン111,112の中心と考えると、間隔L/2の位置で逆向きの力を受ける。減速機にかかる回転力は2つのサーキュラスプライン111,112の間にかかり、フレクスプライン113を変形させる。この場合、フレクスプライン113は、いわゆる片持ち構造なので、剛性が低い。次に、その剛性を計算によって具体的に求める。減速機の剛性は2つのサーキュラスプライン111,112の間にかかる相対的な回転力と、その力による相対的な回転角度の比である。図4(a)に示すように、フレクスプライン113は幅aの薄肉円筒部と、歯幅b,歯高cの外歯とからなる。減速機の剛性は、薄肉円筒部と外歯の部分とを合計することによって見積もることができる。
(3)薄肉円筒部の剛性(参考例)
外径2(R+a)、内径2R、長さL/2の円管のねじり角度は材料力学から計算でき、剛性Kold1は次のように書ける。
Figure 0005697356
(4)外歯の剛性(参考例)
フレクスプライン113の外歯は接触している2つのサーキュラスプライン111,112の内歯から力を受ける。フレクスプライン113の外歯を単純支持された長さL/2の梁と考えると、フレクスプライン113にかかる2つの力は異なる作用線上なので、この力に対する抗力は発生しない。従って減速機の剛性に寄与しない。
以上をまとめると参考例による減速機の剛性Koldは次式で見積もることができる。
Figure 0005697356
以上、式1〜式6を導き出したが、以下、本第1実施形態と比較例とを比較する。まず、薄肉円筒部の剛性については、本第1実施形態では、式1のKnew1であり、比較例の式5に示すKold1との剛性比をとると、全ての記号が約分されて、次のようになる。
Figure 0005697356
つまり、薄肉円筒部だけを考えてもおおよそ5倍の剛性向上が期待できる。
また、次のように数値を仮定する。E=200[GPa](鋼鉄),ν=0.3(鋼鉄),R=20[mm],a=0.3[mm],b=0.5[mm],c=0.5[mm],L=10[mm],n=30。そして、式4及び式6に代入して、Knew及びKoldを求めると、Knew=20.62[MNm/rad],Kold=3.87[MNm/rad]となる。
従って、本第1実施形態によれば、可撓性歯車1の両端部が一対の固定用プレート4a,4bに固定された一対の第2の内歯車2a,2bにより支えられる。したがって、第1の内歯車3bを有する外輪部材3が一対の第2の内歯車2a,2bに対して回転することとなる。このとき、図3(b)に示すように、可撓性歯車1の中央部には外輪部材3の第1の内歯車3bによる力Fが作用するが、可撓性歯車1の両端部には、中央部に作用する力と逆方向であって、互いに同じ方向に力F/2がそれぞれ作用する。したがって、従来と同じサイズの可撓性歯車1を使っても、可撓性歯車1のねじれ変形が抑制され、約5倍以上の剛性向上が可能である。しかも、一対の第2の内歯車2a,2bが一対の固定用プレート4a,4bに固定され、一対の固定用プレート4a,4bが筒状のカム部材10を貫通するシャフト5で連結されているので、外輪部材3の回転により外輪部材3がシャフト5に衝突することがない。したがって、第1の内歯車3bを介して外輪部材3を1回転以上回転させることができる。
更に、電動モータ51の配置として、固定子51aが、一対の固定用プレート4a,4bの間に配置されてシャフト5に固定されている。そして、回転子51bが、一対の固定用プレート4a,4bの間に配置されてカム部材10の内周に固定されている。これにより、回転子51bはカム部材10と一体に回転する。このように本第1実施形態では、固定子51a及び回転子51bの配置を工夫したことで、一対の固定用プレート4a,4bの間に固定子51a及び回転子51bが効率よく収納され、装置が小型に構成されている。したがって、この波動歯車装置50を不図示のロボットアームに適用すれば、小型のロボットを作製することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る波動歯車装置について説明する。本第2実施形態では、上記第1実施形態と波動歯車減速機の構成が異なるものである。図5は、本発明の第2実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す模式図である。なお、本第2実施形態において、上記第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。図5に示すように、波動歯車装置50Aは、所謂サーキュラスプラインとなる外輪部材3Aを備えている。この外輪部材3Aは、筒状(本実施形態では円筒状)の外輪部30aと、外輪部30aの内側に突設され、内周に内歯が形成された環状(本実施形態では円環状)の内歯車30bとを有する。外輪部材3Aは、剛体で形成されている。この外輪部材3Aは、回転軸心(図5中、二点鎖線zであるz軸)を中心に回転する回転出力用のものであり、入力、即ち電動モータ51の回転を減速して出力する。
外輪部材3Aの内側には、所謂フレクスプラインである可撓性歯車1Aが配置されている。この可撓性歯車1Aは、可撓性部材で形成されており、中央部に形成され、内歯車30bの内歯に噛合する外歯が外周に形成された外歯車1aを有している。この外歯車1aは、内歯車30bと異なる歯数に設定されている。
また、可撓性歯車1Aは、図6(a)に示すように、外歯車1aの両端に接続された撓み変形可能な薄肉板状の一対の変形部16a,16bを有している。さらにまた、可撓性歯車1Aは、各変形部16a,16bの外歯車1aが接続された一端とは反対側の他端に接続された変形部16a,16bより厚肉の一対のフランジ部15a,15bを有している。これら外歯車1a、一対の変形部16a,16b及び一対のフランジ部15a,15bは、筒状に形成されている。
一方の変形部16aは、外歯車1aと一方のフランジ部15aとの間に形成され、他方の変形部16bは、外歯車1aと他方のフランジ部15bとの間に形成されている。また、一対のフランジ部15a,15bのうち一方のフランジ部15aが一方の固定用プレート4aに固定され、一対のフランジ部15a,15bのうち他方のフランジ部15bが他方の固定用プレート4bに固定されている。これにより、図5に示すように、可撓性歯車1Aは、一対の固定用プレート4a,4bに対して回転不能に固定されている。そして、カム部材10が、ベアリング11及び外枠12を介して可撓性歯車1Aの外歯車1aを部分的に押圧し、一対の変形部16a,16bを部分的に撓み変形させて外歯車1aを部分的に半径方向rに突出させる。これにより、可撓性歯車1Aは、半径方向rに撓み変形可能に構成されている。
カム部材10は、ベアリング11及び外枠12を介して可撓性歯車1Aを半径方向rに撓ませて、可撓性歯車1Aを内歯車30bに部分的に噛合させる。即ち、可撓性歯車1Aがカム部材10により楕円状に撓み、楕円長軸における2箇所の噛合位置で内歯車30bと可撓性歯車1Aの外歯車1aとが噛合する。ここで、可撓性歯車1Aの外歯車1aと外輪部材3Aの内歯車30bとが2箇所、すなわち楕円の長軸方向で噛み合うようにカム部材10の縦横比とサイズが調整して製作されている。カム部材10は、内周が円形の筒状の剛体で形成されている。
そして、カム部材10は、回転子51bに固定され、電動モータ51の回転力が伝達されて、回転子51bと一体にz軸を中心に回転する。従って、カム部材10が回転することにより、外輪部材3Aの内歯車30bと可撓性歯車1Aの外歯車1aとの噛合位置が周方向に移動し、内歯車30bと外歯車1aとの間に歯数の差に相当する相対回転を生じさせることができる。例えば、内歯車30bが1周100個の内歯を有し、外歯車1aが98個の内歯を有している場合について説明する。この場合、カム部材10が1回転したとき、歯数の差が2個分つまり2/100回転分、内歯車30bが外歯車1aに対して相対的に回転する。減速比は1:50である。ここで、外歯車1aの歯数は、内歯車30bの歯数より少なくするとよい。これにより、外輪部材3Aは、電動モータ51の回転子51bの回転方向と同一方向に回転することとなる。電動モータ51の回転子51bの回転方向と逆方向に回転してもよければ、外歯車1aの歯数を、内歯車30bの歯数よりも多くすればよい。
なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、一対の固定用プレート4a,4bがシャフト5で連結されている。そして、一対の固定用プレート4a,4b間に電動モータ51が上記第1実施形態と同様に収納されている。ここで、シャフト5が筒状に形成されているので、シャフト5の内側を通じて電気配線や他の部材等を通すことができる。この一対の固定用プレート4a,4b及びシャフト5の連結構造により、一対の固定用プレート4a,4bに連結された外歯車1aを有する可撓性歯車1Aが、内歯車30bに対してz軸を中心に相対的に一体に回転することとなる。言い換えると、内歯車30bを有する外輪部材3Aが外歯車1aを有する可撓性歯車1Aに対してz軸を中心に相対的に回転することとなる。つまり、可撓性歯車1A、一対の固定用プレート4a,4b及びシャフト5により、内輪部材が構成され、外輪部材3が内輪部材に対して相対的に回転するよう構成されている。なお、一対の固定用プレート4a,4bは、不図示の固定物に固定可能であり、少なくとも一方が不図示の固定物に固定される。
本第2実施形態では、波動歯車減速機52Aは、カム部材10、可撓性歯車1A、内歯車30bを有する外輪部材3A、一対の固定用プレート4a,4b及びシャフト5を有して構成されている。そして、波動歯車装置50Aは、この波動歯車減速機52Aの内部に電動モータ51が内蔵されて構成されている。
以上の構成において、電動モータ51の固定子51aのコイル7に通電すると、永久磁石13a,13bを有する回転子51bが回転し、モーターハウジング9a,9bに固定されたカム部材10が回転する。このカム部材10の回転により、可撓性歯車1Aの外歯車1aと外輪部材3Aの内歯車30bとの楕円長軸方向の2つの歯合位置が回転する。そして、カム部材10が1回転したときに、外歯車1aと内歯車30bとの歯数の差に応じた分、外歯車1aと内歯車30bとの間に相対回転が生じる。ここで、固定用プレート4a(4b)が、不図示の固定物に固定されている場合、これに連結された可撓性歯車1Aは固定物に対して回転せず、外輪部材3A(内歯車30b)が固定物に対して回転することとなる。
ここで、図6(b)に示す参考例を参照しながら説明する。この図6(b)には、図13(a)に相当する片持ち構造のフレクスプライン104が図示されている。減速機にかかる回転力は、このフランジ107とサーキュラスプライン105の間にかかる。従って、フレクスプライン104は片側を支持し、もう一方の端から回転力を受けている。この場合、フレクスプライン104は、いわゆる片持ち構造なので、剛性が低かった。
これに対し、本第2実施形態における可撓性歯車1Aは、図6(a)に示すように、フランジ部15a,15bが変形部16a,16bを介して外歯車1aに一体に形成されている。そして、図5に示すように、フランジ部15a,15bが固定用プレート4a,4bに固定されている。したがって、減速機にかかる回転力は、2つのフランジ部15a,15bと内歯車30bの間にかかる。したがって、可撓性歯車1Aは両端部の2箇所を支持し、中央部で回転力を受けている。この場合、可撓性歯車1Aは、いわゆる両持ち構造なので、剛性が向上する。なお、両持ち構造とすることによって、剛性が向上できることは、上記第1実施形態で計算した通りである。
以上、本第2実施形態によれば、可撓性歯車1Aの両端部が一対のフランジ部15a,15bで構成され、一対のフランジ部15a,15bが一対の固定用プレート4a,4bに固定されている。したがって、内歯車30bを有する外輪部材3Aが外歯車1aを有する可撓性歯車1Aに対して回転する。このとき、可撓性歯車1Aが一対の固定用プレート4a,4bに両持ち構造で固定されているので、可撓性歯車1Aのねじれ変形が抑制され、剛性が向上する。しかも、一対の固定用プレート4a,4bが筒状のカム部材10を貫通するシャフト5で連結されているので、外輪部材3Aの回転により外輪部材3Aがシャフト5に衝突することがなく、内歯車30bを介して外輪部材3Aを1回転以上回転させることができる。
更に、電動モータ51の配置として、固定子51aが、一対の固定用プレート4a,4bの間に配置されてシャフト5に固定されている。そして、回転子51bが、一対の固定用プレート4a,4bの間に配置されてカム部材10の内周に固定されている。これにより、回転子51bはカム部材10と一体に回転する。このように本第2実施形態では、固定子51a及び回転子51bの配置を工夫したことで、一対の固定用プレート4a,4bの間に固定子51a及び回転子51bが効率よく収納され、装置が小型に構成されている。したがって、この波動歯車装置50Aを不図示のロボットアームに適用すれば、小型のロボットを作製することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る波動歯車装置について説明する。本第3実施形態では、上記第2実施形態における可撓性歯車の変形部の構成が異なるものであり、その他の構成は上記第2実施形態と同じである。図7は、本発明の第3実施形態に係る波動歯車装置の可撓性歯車の説明図であり、図7(a)は、可撓性歯車の部分模式図、図7(b)は、可撓性歯車の展開図である。この図7に示すように、可撓性歯車1Bの変形部16a,16bは、外歯車1aとフランジ部15a,15bとを繋ぐ薄肉の板状部材であり、この板状部分に可撓性歯車1Bの周方向(矢印C方向)に延びる複数のスリット22a〜22eが形成されている。これら複数のスリット22a〜22eは、貫通孔である。各スリット22a〜22eは、各変形部16a,16bにおいて、周方向C及び半径方向rに直交する方向(外歯車1aの外歯の長さ方向と平行な方向)に千鳥状に配置して形成されている。
ところで、可撓性歯車1Bは、可撓性歯車1Bの両端のフランジ部15a,15bが、固定用プレート4a,4b(図5参照)に固定されている。従って、可撓性歯車1Bは両端部が固定された状態であるので、その中央部は、カム部材10(図5参照)に押圧されて、変形部16a,16bが変形して外歯車1aが部分的に突出するように、楕円形状に変形する。そのため、変形部16a,16bには、繰り返しの応力がかかる。
そこで、本第3実施形態では、可撓性歯車1Bの両端部と中央部との間にスリット22a〜22eが形成された変形部16a,16bが設けられているので、近似的にその間を長い梁で接続したことと同じになり、半径方向rに変形しやすくなる。つまり、変形部16a,16bは、面外方向に変形しやすくなる。材料力学によれば面外方向の変形は曲げ変形なので、長さの3乗に比例して急激に大きくなる。しかし面内方向の変形、あるいは引張り方向の変形は長さの1乗でしか大きくならない。したがって、可撓性歯車1Bの面内方向の剛性と、面外方向の剛性の比率は、スリット22a〜22eの孔の寸法設計によって調節可能である。例えば面外方向には弱い剛性を持ち、面内方向には強い剛性をもつ可撓性歯車を設計できる。ここで、可撓性歯車1Bの外歯車1aを楕円に変形させる力は面外方向の力であり、減速機にかかる回転力は、可撓性歯車1Bの面内方向の力となる。従って、面外方向には弱い剛性を持ち、面内方向には強い剛性をもつ可撓性歯車1Bを設計すれば、減速機の剛性を犠牲にすることなく、楕円変形によって生じる繰返し応力を緩和できる。また、可撓性歯車1Bの各変形部16a,16bに形成されるスリット22a〜22eは、回転力がかかる方向、すなわち可撓性歯車1Bの周方向Cに沿って入れることで、ねじりトルクによって生じる変形が小さくなる。
なお、スリットは、1条であってもよいが、本第3実施形態では、複数のスリット22a〜22eを形成している。このように複数のスリット22a〜22eを形成すると、さらに応力緩和の効果が高い。
また、本第3実施形態では、可撓性歯車1Bがいわゆる両持ち構造で支持されているので、高い剛性を達成することができ、スリット22a〜22eが形成されていても、剛性の低下は僅かである。つまり、スリット22a〜22eのサイズを剛性の優位性が失われない範囲で設計すればよい。このように、可撓性歯車1Bにかかる応力を緩和できるので、小型で高寿命の装置を実現することができる。
なお、図8に示すように、各変形部16a,16bに、周方向Cに旋回してz軸方向に延びる1条の螺旋状のスリット22aが形成された可撓性歯車1Cであってもよく、この場合も、第3実施形態と同様の効果を奏するものである。また、スリットの数は、1条に限らず、複数であってもよい。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る波動歯車装置について説明する。本第4実施形態では、上記第1〜第3実施形態における波動歯車装置の電動モータの組み込み構造が異なるものである。すなわち、上記第1〜第3実施形態では、電動モータを一対の固定用プレートの間に配置しているが、本第4実施形態では、電動モータを、一対の固定用プレート外側に配置している。図9は、本発明の第4実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す模式図である。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
本第4実施形態では、波動歯車装置50Bは、図9に示すように、複数(本実施形態では2つ)の電動モータ53,53を備えている。これら2つの電動モータ53,53は、z軸を中心に対称に配置されている。各電動モータ53は、一対の固定用プレート4a,4bの外側に配置されている。つまり、各電動モータ53は、一対の固定用プレート4a,4bで囲まれて形成される領域に対して外側の領域に配置されている。そして、各電動モータ53は、一対の固定用プレート4a,4bのうち一方の固定用プレート4aに固定されている。一対の固定用プレート4a,4bは、z軸を中心とする筒状のシャフト5で連結されている。
各電動モータ53の回転軸54は、一方の固定用プレート4aを貫通して一対の固定用プレート4a,4bの間に突出している。また、回転軸54は、他方の固定用プレート4bも貫通している。そして、回転軸54は、その基端部が一方の固定用プレート4aに配置された軸受け17aを介して回転可能に支持されており、また、その先端部が他方の固定用プレート4bに配置された軸受け17bを介して回転可能に支持されている。そして、回転軸54の先端部が押さえ板19で軸受け17bに押さえつけられている。
所謂ウェーブジェネレータであるカム部材10Bは、外周が楕円形状で内周が円形状の筒状のカム部10aと、カム部10aの内周の中央部に内側に突出するように設けられた内歯が形成された内歯車10bとを有する。各電動モータ53の回転軸54にはカム部材10Bの内歯車10bの内歯に噛合する歯車(ピニオンギヤ)55が固定して設けられている。また、カム部材10Bのカム部10aの内周と一対の固定用プレート4a,4bとの間には、一対の軸受け18a,18bが設けられ、カム部材10Bがz軸を中心に回転可能に支持されている。
以上の構成により、電動モータ53,53に通電すると、回転力が発生し、回転軸54および歯車55が回転する。そして歯車55に噛み合っているカム部材10Bが、歯車55の回転により回転する。このカム部材10Bの回転により、可撓性歯車1と第1の内歯車3b及び一対の第2の内歯車2a,2bとの楕円長軸方向の2つの歯合位置が回転する。そして、カム部材10Bが1回転したときに、第1の内歯車3bと一対の第2の内歯車2a,2bとの歯数の差に応じた分、第1の内歯車3bと一対の第2の内歯車2a,2bとの間に相対回転が生じる。ここで、固定用プレート4a(4b)が、不図示の固定物に固定されている場合、これに連結された一対の第2の内歯車2a,2bは固定物に対して回転せず、第1の内歯車3bが固定物に対して歯数の差で設定された減速比で回転することとなる。例えば、カム部材10Bが1回転したとき、歯数の差が2個分つまり2/100回転分、第1の内歯車3bが一対の第2の内歯車2a,2bに対して相対的に回転する。ここで、電動モータ53の回転軸54と、カム部材10Bの内歯車10bとの減速比を10とすると、全体としては、1:500といった更に大きな減速比を実現することができる。つまり、本第4実施形態では、回転軸54に固定した歯車55とカム部材10Bの内歯車10bの歯数に応じて減速するため、さらに大きな減速比を実現することができる。
また、複数の電動モータ53,53が発生するトルクを合成してカム部材10Bを回転させるので、小さなモータを使っても高い回転力を発生することができる。なお、本第4実施形態では、2つの電動モータを取り付けた場合について説明したが、電動モータの数は、これに限定するものではなく、1以上の電動モータがあればよく、電動モータの数が変わっても減速機としての作用は同じである。より多くの電動モータを取り付ければ、電動モータを更に小さくすることができるし、反対に電動モータを1つにする設計も可能である。
以上、本第4実施形態によれば、波動歯車減速機52の外に電動モータ53,53を配置するので、上記第1〜第3実施形態において使用される内蔵タイプの電動モータより大出力のモータを使うことができる。また、複数の電動モータ53,53を配置することが可能になるので、さらに大きな出力が可能である。特に応用例として、ロボットアームの根元の第1軸に応用すれば、高速なロボットアームを提供できる。
なお、本第4実施形態では、減速機の構成が、上記第1実施形態における波動歯車減速機52と同様の場合について説明したが、上記第2実施形態における波動歯車減速機52Aと同様であってもよく、この場合も同様の作用効果を奏する。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る波動歯車装置について説明する。本第5実施形態では、電動モータの回転力をカム部材に伝達する伝達機構が上記第1〜第4(特に第4)実施形態と異なるものである。つまり、上記第4実施形態では、電動モータの回転軸に取り付けた歯車の回転力を直接カム部材の内歯車に伝達する機構について説明したが、本第5実施形態では、遊星歯車機構を用いた場合について説明する。図10は、本発明の第5実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す模式図である。なお、上記第4実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
波動歯車装置50Cは、1つの電動モータ53を備えている。電動モータ53は、z軸を回転中心とする回転軸54を有し、一対の固定用プレート40a,40bの外側に配置されて一対の固定用プレート40a,40bのうち一方の固定用プレート40aに固定されている。そして、回転軸54は、その基端部が一方の固定用プレート40aに配置された軸受け17aを介して回転可能に支持されており、また、その先端部が他方の固定用プレート40bに配置された軸受け17bを介して回転可能に支持されている。そして、回転軸54の先端部が押さえ板19で軸受け17bに押さえつけられている。
なお、本第5実施形態では、z軸に電動モータ53を配置したので、一対の固定用プレート40a,40bのうち一方の固定用プレート40aに一体に連結部材40cがz軸を避けた位置に形成されている。この連結部材40cに他方の固定用プレート40bがボルト26で連結されている。つまり、一対の固定用プレート40a,40bが、カム部材10Bを貫通する連結部材40cで連結されている。つまり、連結部材40cは、カム部材10Bの内周で囲まれる空間を通じて一対の固定用プレート40a,40bを連結する。
電動モータ53の回転軸54には、太陽歯車25が設けられ、太陽歯車25の外歯及びカム部材10Bの内歯車10bの内歯との間には、太陽歯車25の外歯及びカム部材10Bの内歯車10bの内歯に噛合する複数の遊星歯車24が設けられている。なお、図10では、1つの遊星歯車24だけが図示されており、その他の遊星歯車は不図示である。
各遊星歯車24は、回転軸20に固定されている。そして、遊星歯車24が固定された回転軸20が固定用プレート40a,40bに太陽歯車25に対して公転不能に支持され、且つ、固定用プレート40a,40bに自転可能に軸受け21a,21bを介して支持されている。つまり、電動モータ53の回転力が太陽歯車25及び遊星歯車24を介してカム部材10Bに伝達され、カム部材10Bが回転することとなる。
なお、カム部材10Bは、上記第4実施形態と同様に、固定用プレート40a,40bに対して軸受け18a,18bを介して回転可能に支持されている。また、外輪部材3の外輪部3aは、軸受け6a,6bを介して、固定用プレート40a,40bに回転可能に支持されている。
電動モータ53に通電すると、回転力が発生し、太陽歯車25が回転し、これに噛み合っている遊星歯車24を回転(自転)する。そして遊星歯車24に噛み合っているカム部材10Bが回転する。本第5実施形態では、太陽歯車25、遊星歯車24及び内歯車10bを有するカム部材10Bで遊星歯車減速機構が構成されている。従って、電動モータ53の回転は、減速してカム部材10Bに伝達されるため、大きな減速比を実現することができる。例えばフレクスプラインである可撓性歯車1と内歯車からなる波動歯車減速機部の減速比を1:50、電動モータ53の回転軸54とカム部材10Bの減速比を10とすると、1:500といった高い減速比を実現できる。
このように波動歯車減速機の外側に電動モータ53を配置するため、より大きなモータを使用することができる。特に産業用のロボットアームの第1軸は大きな回転力が必要となるので、本第5実施形態による波動歯車装置50Cを適用すると効果的である。
なお、本第5実施形態では、減速機の構成が、上記第1実施形態における波動歯車減速機52と略同様の場合について説明したが、上記第2実施形態における波動歯車減速機52Aと略同様であってもよく、この場合も同様の作用効果を奏する。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係る波動歯車装置を備えたロボットアームについて説明する。本第6実施形態のロボットアームは、上記第1〜第5実施形態のいずれかの波動歯車装置を備えている。図11に、ロボットアーム80の概略構成を示す。ロボットアーム80は、複数のリンク81〜87を備え、隣接する一対リンク同士を連結する関節部91〜96に上記第1〜第5実施形態で説明したいずれかの波動歯車装置が配置される。つまり、関節部の構成に応じて上記第1〜第5実施形態のいずれかの波動歯車装置を適用すればよい。このロボットアーム80は、産業用途として多用されているロボットの例である。なお、図11中、J1〜J6は、各関節部91〜96におけるリンク81〜87の回転方向であり、リンク81〜87は、直列につながっている。従って各関節部の波動歯車装置の波動歯車減速機の剛性も直列に繋がるため、ロボット先端での剛性は低くなりやすい。特にロボットの根元に近い関節部91,92には高い剛性が必要である。ロボット先端部からの距離が長いため、同じ大きさの外乱力でも根元の関節部91,92、特に関節部91にとっては大きな外乱トルクになるからである。
図12には、根元に近い関節部91,92に上記実施形態の波動歯車装置50B,50を適用した例を示す。なお、波動歯車装置50Bの構成については、上記第4実施形態で説明した通りであり、また、波動歯車装置50の構成については、上記第1実施形態で説明した通りである。第1のリンク81及び第2のリンク82との関節部91には、波動歯車装置50Bが設けられ、第2のリンク82及び第3のリンク83との関節部92には、波動歯車装置50が設けられている。
まず、第1のリンク81には、波動歯車装置50Bの固定用プレート4aが固定して設けられている。第2のリンク82のステー82Aには、波動歯車装置50Bの外輪部材3が固定され、第2のリンク82が第1のリンク81に対して回転可能となる。以上の構成において、まず、波動歯車装置50Bの電動モータ53を回転させると、回転軸54が回転し、歯車55に噛み合っているカム部材10Bが回転する。カム部材10Bが回転することにより、可撓性歯車1と外輪部材3の内歯車3bの噛合位置が変わるため、固定用プレート40a,40bに対して外輪部材3が回転する。これにより、第1(一方)のリンク81に対して第2(他方)のリンク82が1回転以上、回転可能となる。この波動歯車装置50Bの減速機は高い剛性をもっており、第2のリンク82の回転動作が安定し、しかも1回転以上回転できる。
一方、第2のリンク82のステー82Aには、波動歯車装置50の固定用プレート4a,4bが固定して設けられている。第3のリンク83には、波動歯車装置50の外輪部材3が固定され、第3のリンク83が第2のリンク82に対して回転可能となる。以上の構成において、波動歯車装置50の電動モータ51に通電すると、カム部材10が回転する。カム部材10が回転することにより、可撓性歯車1と外輪部材3の内歯車3bとの噛合位置が変わるため、固定用プレート4a,4bに対して外輪部材3が回転する。したがって、第2(一方)のリンク82に対して第3(他方)のリンク83が回転可能となる。この波動歯車装置50の減速機は高い剛性をもっており、第2のリンク82の回転動作が安定する。
本第6実施形態では、大きな回転力を必要とする関節部91に、波動歯車装置50よりも高い減速比の波動歯車装置50Bを適用している。したがって、ロボットアーム80の動作が安定する。特に、波動歯車装置50Bにおいて、複数の電動モータ53,53を有することにより、より大きな回転力を発生させることができる。
なお、上記第1〜第6実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上記第1〜第6実施形態では、カム部材の外形が楕円形状の場合について説明したが、可撓性歯車を変形させて外輪部材の内歯車に押し付け可能であればよいので、正確に楕円である必要はない。例えば中心のずれた2つの円と共通接線を結んだトラック形状であってもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、連結部材であるシャフト5が一対の固定用プレート4a,4bに対して別体であり、ボルト等により連結される場合について説明したが、連結部材を少なくとも一方の固定用プレートに一体に形成して連結してもよい。
また、上記第5実施形態では、連結部材40cが一方の固定用プレート40aに一体に形成されているが、これに限定するものではなく、他方の固定用プレート40bに一体に形成されていてもよい。また、連結部材40cを両方の固定用プレート40a,40bに対して別体に形成してボルト等で連結するようにしてもよい。
1,1A,1B,1C 可撓性歯車
2a,2b 第2の内歯車
3,3A 外輪部材
3a 外輪部
3b 第1の内歯車
4a,4b,40a,40b 固定用プレート
5 シャフト(連結部材)
10,10B カム部材
15a,15b フランジ部
16a,16b 変形部
22a〜22e スリット
24 遊星歯車
25 太陽歯車
30a 外輪部
30b 内歯車
40c 連結部材
50,50A,50B,50C 波動歯車装置
51 電動モータ
51a 固定子
51b 回転子
53 電動モータ
54 回転軸
55 歯車
80 ロボットアーム
81〜87 リンク
91〜96 関節部

Claims (8)

  1. 電動モータと、
    筒状の外輪部、及び前記外輪部の内側に突設され、内周に内歯が形成された内歯車を有する回転出力用の外輪部材と、
    前記内歯車と異なる歯数の外歯が外周に形成され、前記内歯車の内側に配置された筒状の外歯車、及び前記外歯車の両端側に配置された一対の筒状のフランジ部を有する可撓性部材で形成された可撓性歯車と、
    前記可撓性歯車の内側に配置され、前記可撓性歯車を半径方向の外側に撓ませて、前記外歯車を前記内歯車に部分的に噛合させ、前記電動モータの回転力が伝達されて回転することにより、噛合位置を周方向に移動させて、前記内歯車と前記外歯車との間に相対回転を生じさせる筒状のカム部材と、
    前記一対のフランジ部のうち対応するフランジ部がそれぞれ固定された一対の固定用プレートと、
    前記カム部材を貫通して前記一対の固定用プレートを連結した連結部材と、を備え
    前記可撓性歯車は、前記外歯車と前記各フランジ部との間に形成され、前記カム部材の押圧により前記外歯車が半径方向の外側に突出するよう変形する一対の変形部を有することを特徴とする波動歯車装置。
  2. 前記可撓性歯車は、前記可撓性歯車の前記一対の変形部が前記外歯に対して面対称に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の波動歯車装置。
  3. 前記変形部は、前記外歯車と前記フランジ部とを繋ぐ板状部分に形成された前記可撓性歯車の周方向に延びる少なくとも1条のスリットにより形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の波動歯車装置。
  4. 前記変形部は、前記外歯車と前記フランジ部とを繋ぐ板状部分に形成された前記可撓性歯車の周方向に旋回して軸方向に延びる少なくとも1条の螺旋状のスリットにより形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の波動歯車装置。
  5. 前記電動モータは、前記一対の固定用プレートの間に配置されて前記連結部材に固定された固定子と、前記一対の固定用プレートの間に配置されて前記カム部材の内周に固定され、前記カム部材と一体に回転する回転子と、を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の波動歯車装置。
  6. 前記電動モータは、前記一対の固定用プレートの外側に配置されて前記一対の固定用プレートのうち一方の固定用プレートに固定され、
    前記電動モータの回転軸が、前記一方の固定用プレートを貫通して前記一対の固定用プレートの間に突出し、
    前記カム部材の内周には、内歯が形成され、
    前記回転軸には前記カム部材の内歯に噛合する歯車が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の波動歯車装置。
  7. 前記電動モータは、前記一対の固定用プレートの外側に配置されて前記一対の固定用プレートのうち一方の固定用プレートに固定され、
    前記電動モータの回転軸が、前記一方の固定用プレートを貫通して前記一対の固定用プレートの間に突出し、
    前記カム部材の内周には、内歯が形成され、
    前記回転軸には、太陽歯車が設けられ、前記太陽歯車及び前記カム部材の内歯の間には、前記太陽歯車及び前記カム部材の内歯に噛合する複数の遊星歯車が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の波動歯車装置。
  8. 複数のリンクと、
    前記複数のリンクのうち一対のリンクを連結する関節部に設けられ、前記一対のリンクのうち、一方のリンクに対して他方のリンクを回転させる請求項1乃至のいずれか1項に記載の波動歯車装置と、を備えたことを特徴とするロボットアーム。
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