JP5671546B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

一対のビードコア間にトロイダル状に跨る複数本のカーカスコードをゴム材料で被覆したプライからなるカーカス本体部と、前記カーカス本体部が前記ビードコアの回りにタイヤの内側から外側へ巻き返されてタイヤ径方向外側に延びるカーカス折返し部とを有するカーカスを骨格とする空気入りタイヤに関する。
車両のローリング、ピッチに対する安定性には、空気入りタイヤのビード部からサイドウォール部に亘る部分の強度が寄与している。とりわけ、大型車両用タイヤでは、乗用車用タイヤに比べて、ビード部から路面に接地するトレッド部までの間に位置するサイドウォール部が長い上に、大きな荷重が加わる。このため、ビード部がリムフランジに接触する接触部分を基点として、サイドウォール部がタイヤ幅方向外側に倒れる曲げ変形が起こりやすく、乗用車用タイヤに比べて、ローリング、ピッチに対する安定性が劣る。
これに対して、本出願人は、曲げ変形を防止する措置を提案している(特許文献1参照)。特許文献1では、一対のビードコア間にトロイダル状に跨る複数本のカーカスコードをゴム材料で被覆したプライからなるカーカス本体部と、カーカス本体部がビードコアの回りにタイヤの内側から外側へ巻き返されてタイヤ径方向外側に延びるカーカス折返し部とを有するカーカスを骨格とする空気入りタイヤにおいて、カーカス本体部とカーカス折返し部とに挟まれて、ゴム材料よりも100%伸長モジュラスが大きいスティフナーと呼ばれる充填材と、JIS A硬度50度〜85度のゴムを配置することにより、ビード部の剛性を高めている(特許文献1参照)。
特開2001−150910号公報
ところが、従来の空気入りタイヤであっても、高負荷がかかると、ビード部とリムフランジとの接触部分を基点としてサイドウォール部の曲げ変形が生じる。サイドウォール部がタイヤ幅方向外側に向けて倒れると、サイドウォール部の内部では、スティフナーとカーカスコードとの間に位置しカーカス本体部を被覆するゴム材料に、カーカス本体部に沿ってタイヤ径方向外側に引っ張られる歪みがかかる。
また、サイドウォール部がタイヤ幅方向外側に向けて倒れるときには、カーカス本体部とカーカス折返し部との間に配置されたスティフナーがカーカス本体部とカーカス折返し部に挟まれて圧縮される。スティフナーは、カーカス本体部に沿ったタイヤ径方向外側に膨張するため、膨張によって、ゴム材料がカーカス本体部に沿ってタイヤ径方向外側に引っ張られ、歪みが助長される。
スティフナーとカーカスコードとの間のゴム材料に歪みが繰り返し与えられると、スティフナーとゴム材料とが剥離し易くなったり、ゴム材料がカーカスコードから剥離し易くなり、ビード部からサイドウォール部に亘る部分の耐久性を低下させる原因となる。すなわち、空気入りタイヤにおいて、ビード部からサイドウォール部に亘る部分の剛性の確保と耐久性の低下防止を両立させるには、更なる改良が必要であった。
そこで、本発明は、ビード部からサイドウォール部に亘る部分の剛性の確保と、耐久性の向上とを高いレベルで両立させることが可能な空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の出願人は、空気入りタイヤがリムフランジから応力を受ける領域では、サイドウォール部の倒れ込みを防止するために第1充填材を配置したことによって、カーカスコードを被覆するゴム材料に過度の歪みがかかるため、空気入りタイヤがリムフランジから応力を受ける領域に第1充填材を配置しないことが肝要であることを見出した。そこで、出願人は、サイドウォール部の倒れ込みを防止するという第1充填材の本来の機能を損なわず、カーカス本体部の第1充填材に接するゴム材料に生じるせん断歪みを抑制できるような第1充填材とカーカス本体部との関係を詳細に検討した。
検討の結果、 0.2≦[(KSH−FH)/(OWH−FH)]≦0.28 を満たすと、サイドウォール部の変形によるゴム材料に加わる歪みを表す指標を最小にできることが判った。
本発明は、以下の特徴を有する。一対のビードコア間にトロイダル状に跨る複数本のカーカスコードをゴム材料で被覆したプライからなるカーカス本体部と、前記カーカス本体部が前記ビードコアの回りにタイヤの内側から外側へ巻き返されてタイヤ径方向外側に延びるカーカス折返し部とを有するカーカスを備える空気入りタイヤであって、前記カーカス本体部の法線における前記カーカス本体部と前記カーカス折返し部との距離が前記タイヤ径方向外側に向かうに連れて漸減する漸減領域を有し、前記カーカス本体部と前記カーカス本体部のタイヤ幅方向外側に位置する前記カーカス折返し部との間には、前記ビードコアからタイヤ径方向外側に順次配置された第1充填材と第2充填材とを有し、前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部は、前記漸減領域に位置しており、前記第1充填材及び前記第2充填材の一部は、少なくとも前記カーカス本体部を構成するゴム材料に接しており、前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部と前記第2充填材のタイヤ径方向内側の端部とはタイヤ幅方向に重なっており、前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部におけるタイヤ幅方向の厚みは、タイヤ径方向外側に向かうに連れて減少し、前記第2充填材のタイヤ径方向内側の端部は、前記空気入りタイヤのビード部において前記空気入りタイヤが装着される規格に定められたリムのリムフランジが接する接触部分よりもタイヤ径方向内側に位置しており、前記リムにおいてリム径を規定する位置を通るタイヤ軸方向線であるリムベースラインから前記カーカス折返し部の端部までの高さCHと、前記リムベースラインから前記カーカス本体部のタイヤ幅方向における最大幅を有するカーカス最大幅部までの高さOWHとが、
0.85OWH≦CH≦1.2OWH
を満たし、前記リムベースラインから前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部までの高さKSHと、前記高さOWHと、前記リムベースラインから前記リムフランジのタイヤ径方向外側の端部までの高さFHとが
0.2≦[(KSH−FH)/(OWH−FH)]≦0.28
を満たすことを要旨とする。
これにより、サイドウォール部の倒れ込みを防止するという第1充填材の本来の機能を損なわず、サイドウォール部の変形による第1充填材とゴム材料との剥離や、ゴム材料とカーカスコードとの剥離を防止でき、ビード部からサイドウォール部に亘る部分の耐久性の低下を防止できる。
従って、本発明の空気入りタイヤによれば、ビード部からサイドウォール部に亘る部分の剛性の確保と、耐久性の向上とを高いレベルで両立させることができる。
図1は、第1実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ径方向及びタイヤ幅方向断面図である。 図2は、第1実施形態に係る空気入りタイヤのビード部〜サイドウォール部を説明する構成図である。 図3は、図2の領域Aの拡大図である。 図4は、空気入りタイヤのビード部が変形する様子を説明する模式図である。 図5は、変形したビード部の拡大図である。 図6は、(KSH−FH)/(OWH−FH)の値に対する歪みの指標を有限要素法により算出した結果を示す図である。 図7は、第2実施形態に係る空気入りタイヤのビード部〜サイドウォール部を説明するタイヤ径方向及びタイヤ幅方向断面の拡大図である。 図8は、第3実施形態に係る空気入りタイヤのビード部〜サイドウォール部を説明するタイヤ径方向及びタイヤ幅方向断面の拡大図である。 図9は、第4実施形態に係る空気入りタイヤのビード部〜サイドウォール部を説明するタイヤ径方向及びタイヤ幅方向断面の拡大図である。 図10は、比較例の空気入りタイヤのビード部〜サイドウォール部を説明するタイヤ径方向及びタイヤ幅方向断面の拡大図である。 図11は、比較例のビード部〜サイドウォール部を説明するタイヤ径方向及びタイヤ幅方向断面の拡大図である。 図12は、空気入りタイヤの耐久試験の結果を示す図である。
本発明に係る空気入りタイヤの実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)第1実施形態、(2)第2実施形態、(3)第3実施形態、(4)第4実施形態、(5)その他の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。
(1)第1実施形態
第1実施形態について、以下の項目に従って説明する。具体的に、(1−1)空気入りタイヤの全体構成、(1−2)ビード部〜サイドウォール部の構成、(1−3)作用・効果について説明する。
(1−1)空気入りタイヤの全体構成
以下、図面を参照して、空気入りタイヤの全体構成を説明する。図1は、空気入りタイヤ1の構成を説明する説明である。空気入りタイヤ1は、ビードコア11を有する一対のビード部12と、一対のサイドウォール部13と、一対のサイドウォール部に連なるトレッド部14とを有する。図1には、ビードコア11、ビード部12、サイドウォール部13は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ赤道線CLに対する一方側のみ記されている。また、空気入りタイヤ1は、一対のビードコア11間にトロイダル状に跨るカーカス20を備える。トレッド部14の路面に接する接地面14Aとカーカス20との間には、複数のベルト層15が設けられている。
カーカス20は、カーカス本体部21と、カーカス折返し部22とを有する。カーカス折返し部22は、ビードコア11の回りにタイヤの内側から外側へ巻き返されてタイヤ径方向外側に延びる。実施形態では、カーカス折返し部22の端部22aは、カーカス20のタイヤ幅方向Wにおける最大幅を有するカーカス最大幅部20Wまで延びる。
トロイダル状のカーカス本体部21とビードコア11において折り返されたカーカス折返し部22との間には、ビードコア11からタイヤ径方向外側に順次配置されたスティフナー31と、パッドゴム32とが配置される。実施形態において、スティフナー31は、第1充填材を構成し、パッドゴム32は、第2充填材を構成する。
スティフナー31のタイヤ径方向外側の端部31Aとパッドゴム32のタイヤ径方向内側の端部32Aとはタイヤ幅方向Wに重なっている。スティフナー31は、タイヤ径方向外側に向かうに連れてタイヤ幅方向Wの厚みdが減少する。パッドゴム32のタイヤ径方向内側の端部32Aは、空気入りタイヤ1のビード部12において空気入りタイヤ1が装着される規格に定められた正規リム100のリムフランジ101が接する位置P1よりもタイヤ径方向内側に位置する。
スティフナー31の100%伸長モジュラスは、ゴム材料24の100%伸長モジュラスよりも大きく、ゴム材料24の100%伸長モジュラスは、パッドゴム32の100%伸長モジュラスよりも大きい。すなわち、スティフナー31の100%伸長モジュラスMn1と、パッドゴム32の100%伸長モジュラスMn2と、ゴム材料24の100%伸長モジュラスMn3とが
Mn1>Mn3>Mn2
を満たす。
正規リム100においてリム径を規定する位置を通るタイヤ軸方向線であるリムベースラインBLからスティフナー31のタイヤ径方向外側の端部31Aまでの高さKSHと、リムベースラインBLからカーカス最大幅部20Wまでの高さOWHと、リムベースラインBLからリムフランジ101のタイヤ径方向外側の端部101Aまでの高さFHとが
0.2≦[(KSH−FH)/(OWH−FH)]≦0.28
を満たす。
正規リム100においてリム径を規定する位置を通るタイヤ軸方向線であるリムベースラインBLからカーカス折返し部22の端部22aまでの高さCEと、リムベースラインBLからカーカス最大幅部20Wまでの高さOWHとが、
0.85OWH≦CE≦1.2OWH
を満たす。従って、カーカス折返し部22の端部22aは、カーカス20のタイヤ幅方向Wにおける最大幅を有するカーカス最大幅部20Wの近傍まで延びる。実施形態では、リムベースラインBLからカーカス折返し部22の端部22aまでの高さCEと、リムベースラインBLからカーカス最大幅部20Wまでの高さOWHとは、略等しい。高さCEと高さOWHとが、略等しいとは、|CE−OWH|×100/OWH≦15%の関係を少なくとも満たすことをいう。
また、リムベースラインBLからカーカス折返し部22の端部22aまでの高さCEと、リムベースラインBLから空気入りタイヤ1のタイヤ赤道線CLにおけるカーカス20までの高さSHとが、0.4SH≦CE≦0.6SHを満たす。
実施形態では、パットゴム32のタイヤ径方向外側の端部32Bは、カーカス最大幅部20W近傍に位置する。すなわち、リムベースラインBLからパットゴム32のタイヤ径方向外側の端部32Bまでの高さPSHと、リムベースラインBLからカーカス最大幅部20Wまでの高さOWHとは、略等しい。高さPSHと高さOWHとが、略等しいとは、|PSH−OWH|×100/OWH≦15%の関係を少なくとも満たすことをいう。
なお、高さKSH、高さOWH、高さFH、高さCE及び高さSHは、それぞれタイヤ径方向に沿った高さである。
また、正規リム100とは、規格に定められたリムである。規格とは、タイヤが生産又は使用される地域において有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では "THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC. の YEAR BOOK" 、欧州では"THE EUROPEAN TIRE AND RIM TECHNICAL ORGANIZATION の STANDARDS MANUAL"、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK"に規定されている。
(1−2)ビード部〜サイドウォール部の構成
図2は、空気入りタイヤ1のビード部12〜サイドウォール部13を説明する構成図である。図3は、図2における領域Aの拡大図である。すなわち、第1実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ径方向及びトレッド幅方向断面におけるスティフナー及びカーカスの拡大図である。
カーカス20は、一対のビードコア11間にトロイダル状に跨る複数本のカーカスコード23をゴム材料24で被覆したプライ25からなる。スティフナー31及びパッドゴム32の一部は、少なくともカーカス本体部21を構成するゴム材料24に接する。カーカス20は、カーカス本体部21の法線Hにおけるカーカス本体部21のコードの中心と、カーカス折返し部22のコードの中心との距離Gがほぼ一定になる平行領域Spを有する。ここで、距離Gがほぼ一定とは、距離Gの最小値をGsとするとき、
Gs≦G≦1.2Gs
の関係を少なくとも満たす。スティフナー31のタイヤ径方向外側の端部31Aは、平行領域Spに位置する。
実施形態では、リムベースラインからタイヤ径方向外側に向けて1.2FHに相当するビード部12の位置P2を通るカーカス本体部21の法線H1を定義したとき、法線H1上におけるカーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離G1と、ビードコア11のタイヤ幅方向の長さBWとが、
0.3BW≦G1≦0.4BW
を満たす。
なお、本実施形態では、カーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離G,G1とは、カーカス本体部21及びカーカス折返し部22を構成するカーカスコード23の中心間距離である。
(1−3)作用・効果
図4は、空気入りタイヤ1のサイドウォール部13が変形する様子を説明する模式図である。空気入りタイヤ1のサイドウォール部13が変形する様子を有限要素法解析を用いてシミュレーションすると、次のような変形がシミュレーションできる。空気入りタイヤ1に高負荷がかかると、ビード部12とリムフランジ101との接触部分を基点としてサイドウォール部13の曲げ変形が生じる。図4における一点鎖線は、変形前のサイドウォール部13を表し、実線は、変形後のサイドウォール部13を表す。サイドウォール部13がタイヤ幅方向外側に向けて倒れると、ビード部12からサイドウォール部13に連なる連結部分には、矢印方向の力が加わる。
このとき、カーカス本体部21は、中立軸となり、変形量が少なく、カーカス本体部21とカーカス折返し部22との間に配置されたスティフナー31、パッドゴム32は、カーカス本体部21とカーカス折返し部22に挟まれて圧縮されるように変形する。
図5は、変形したサイドウォール部13におけるカーカス20及びスティフナー31の様子を説明する拡大図である。サイドウォール部13がビード部12とリムフランジ101との接触部分を基点(中立軸)としてタイヤ幅方向外側に向けて倒れると、サイドウォール部13の内部では、スティフナー31とカーカスコード23との間に位置するゴム材料24に、カーカス本体部21に沿ってタイヤ径方向外側に引っ張られる歪みがかかる(図5における黒矢印f1)。カーカスコード23よりもタイヤ幅方向内側に位置するゴム材料24には、カーカス本体部21に沿ってタイヤ径方向内側に引っ張られる歪みがかかる(黒矢印f2)。
また、スティフナー31がカーカス本体部21とカーカス折返し部22に挟まれて圧縮されて、カーカス本体部21に沿ってタイヤ径方向外側に膨張する。このため、膨張によって、ゴム材料24がカーカス本体部に沿ってタイヤ径方向外側に引っ張られ、黒矢印f1方向の歪みが助長される。
有限要素法による変形の解析から、出願人は、サイドウォール部13の倒れ込みを防止するというスティフナー31の本来の機能を損なわず、カーカス本体部21のスティフナー31側のゴム材料24のせん断歪みを抑制できるようなスティフナー31とカーカス20の関係を詳細に検討した。
図6は、有限要素法による変形の解析の結果を示す図である。(KSH−FH)/(OWH−FH)の値を0.15〜0.35まで変化させて、歪みを表す指標を算出した。解析の結果、リムベースラインBLからスティフナー31のタイヤ径方向外側の端部31Aまでの高さKSHと、リムベースラインBLからカーカス最大幅部20Wまでの高さOWHと、リムベースラインBLからリムフランジ101のタイヤ径方向外側の端部101Aまでの高さFHとが、
0.2≦[(KSH−FH)/(OWH−FH)]≦0.28
を満たすと、サイドウォール部13の変形によるゴム材料24に加わる歪みを表す指標を低減できることが判った。サイドウォール部13の変形によるゴム材料24に加わる歪みを低減できることから、サイドウォール部13の変形によるスティフナー31とゴム材料24との剥離や、ゴム材料24とカーカスコード23との剥離を防止でき、ビード部12からサイドウォール部13に亘る部分の耐久性の低下を防止できる。
また、実施形態では、スティフナー31の100%伸長モジュラスMn1と、パッドゴム32の100%伸長モジュラスMn2と、ゴム材料24の100%伸長モジュラスMn3とが
Mn1>Mn3>Mn2
を満たすことにより、サイドウォール部13の変形によりスティフナー31に接するゴム材料24に変形が起きても、変形に追従しやすいため、せん断応力によるゴム材料24のダメージを抑制できる。従って、空気入りタイヤにおいて、ビード部12からサイドウォール部13に亘る部分の剛性の確保と、耐久性の向上とを高いレベルで両立させることができる。
空気入りタイヤ1では、カーカス折返し部22の端部22aをリムベースラインBLからカーカス折返し部22の端部22aまでの高さCEの位置に配置し、高さCEと、リムベースラインBLからタイヤ赤道線CLにおけるカーカスまでの高さSHとが、0.4SH≦CE≦0.6SHを満たす。この関係を満たすようにカーカス折返し部22の端部22aを配置することにより、カーカス折返し部22の端部22aから発生する周囲のゴムへの亀裂を防止できる。
また、空気入りタイヤ1では、リムベースラインBLからタイヤ径方向外側に向けて1.2FHに相当するビード部12の位置を通るカーカス本体部21の法線Hを定義するとき、法線H上におけるカーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離Gと、ビードコア11のタイヤ幅方向の長さBWとが、0.3BW≦G≦0.4BWを満たす。
リムベースラインBLからタイヤ径方向外側に向けた1.2FHに相当する位置P2では、カーカス本体部21及びカーカス折返し部22の曲げ変形が最も大きくなる。この部分において、カーカス本体部21及びカーカス折返し部22との距離Gを上述の範囲に近づけることにより、カーカス折返し部22に生じる圧縮歪みを低減できる。
(2)第2実施形態
第2実施形態について、図面を参照して説明する。具体的に、(2−1)ビード部〜サイドウォール部の構成、(2−2)作用・効果について説明する。図7は、第2実施形態に係る空気入りタイヤのビード部〜サイドウォール部を説明するタイヤ径方向及びタイヤ幅方向断面の拡大図である。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成には、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
(2−1)ビード部〜サイドウォール部の構成
第2実施形態として示す空気入りタイヤ2は、カーカス本体部21とカーカス折返し部22との間隔がタイヤ径方向外側に向かって変化する。第2実施形態の空気入りタイヤ2は、カーカス本体部21とカーカス折返し部22との間にスティフナー131と、パッドゴム132とが配置されている。
第2実施形態として示す空気入りタイヤ2は、リムベースラインBLからスティフナー131のタイヤ径方向外側の端部131Aまでの高さKSHと、リムベースラインBLからカーカス最大幅部20Wまでの高さOWHと、リムベースラインBLからリムフランジ101のタイヤ径方向外側の端部101Aまでの高さFHとが、
0.2≦[(KSH−FH)/(OWH−FH)]≦0.28
を満たす。
また、スティフナー131の100%伸長モジュラスMn1と、パッドゴム132の100%伸長モジュラスMn2と、ゴム材料24の100%伸長モジュラスMn3とが
Mn1>Mn3>Mn2
を満たす。
更に、カーカス20は、カーカス本体部21の法線OHにおけるカーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離G0がタイヤ径方向外側に向かうに連れて漸減する漸減領域Sdを有し、スティフナー131のタイヤ径方向外側の端部131Aは、漸減領域Sdに位置している。
更に、第2実施形態では、カーカス20は、漸減領域Sdよりタイヤ径方向外側には、カーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離Gが漸減領域Sdにおいて最小になる最短部201が形成される。最短部におけるカーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離は、Gminで表される。
また、最短部201よりもタイヤ径方向外側にカーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離Gが最大になる最長部202が形成される。最長部202におけるカーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離は、Gmaxで表される。
第2実施形態では、最長部202からタイヤ径方向外側に向けてカーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離が漸減する外側漸減領域Sdoを有する。最長部202を通るカーカス本体部21の法線H2と、サイドウォール部13の表面との交点P3と定義するとき、リムベースラインBLから交点P3までの高さHP3は、
HP3≦3.75FH
を満たす。
なお、本実施形態では、カーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離Gmin,Gmax,G0などは、カーカス本体部21及びカーカス折返し部22を構成するカーカスコード23の中心間距離である。
(2−2)作用・効果
空気入りタイヤ2によれば、漸減領域Sdよりタイヤ径方向外側には、カーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離Gが漸減領域Sdにおいて最小になる最短部201が形成される。カーカス本体部21とカーカス折返し部22との間のコード間距離を漸減する漸減領域Sdでは、カーカス折返し部22に生じる圧縮による変形が低減される。
また、最短部201からタイヤ径方向外側へ、カーカス本体部21とカーカス折返し部22との間の距離を漸増させて、最長部202を設けることにより、カーカス折返し部22が曲げの基点となる位置(中立軸)から離れ、カーカス折返し部22がタイヤ径方向外側に引っ張られるため、カーカス折返し部22に生じる圧縮による変形を低減させる効果が高められる。
これにより、サイドウォール部13の変形によるスティフナー131とゴム材料24との剥離や、ゴム材料24とカーカスコード23との剥離を防止でき、ビード部12からサイドウォール部13に亘る部分の耐久性の低下を防止できる。従って、空気入りタイヤ2において、ビード部12からサイドウォール部13に亘る部分の剛性の確保と、耐久性の向上とを高いレベルで両立させることができる。また、リムベースラインBLから3.75FHまでの間に最長部202を設定することにより、パッドゴムの比率を高めることができ、ゴム材料24に大きなせん断歪みがかかることを抑制できる。
(3)第3実施形態
第3実施形態について、図面を参照して説明する。具体的に、(3−1)ビード部〜サイドウォール部の構成、(3−2)作用・効果について説明する。図8は、第3実施形態に係る空気入りタイヤのビード部〜サイドウォール部を説明するタイヤ径方向及びタイヤ幅方向断面の拡大図である。第3実施形態において、第1,2実施形態と同一の構成には、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
(3−1)ビード部〜サイドウォール部の構成
第3実施形態として示す空気入りタイヤ3は、カーカス本体部21とカーカス折返し部22との間にスティフナー133と、パッドゴム134とが配置されている。
第3実施形態として示す空気入りタイヤ3は、リムベースラインBLからスティフナー133のタイヤ径方向外側の端部133Aまでの高さKSHと、リムベースラインBLからカーカス最大幅部20Wまでの高さOWHと、リムベースラインBLからリムフランジ101のタイヤ径方向外側の端部101Aまでの高さFHとが、
0.2≦[(KSH−FH)/(OWH−FH)]≦0.28
を満たす。
また、スティフナー133の100%伸長モジュラスMn1と、パッドゴム134の100%伸長モジュラスMn2と、ゴム材料24の100%伸長モジュラスMn3とが
Mn1>Mn3>Mn2
を満たす。
更に、スティフナー133のタイヤ径方向外側の端部133Aを通るカーカス本体部21の法線H4において、カーカス本体部21のコード中心とスティフナー133の端部133Aとの距離をDAと定義し、法線H4におけるカーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離G3と定義するとき、DAが0.25G3〜0.75G3の間にある。
(3−2)作用・効果
空気入りタイヤ3では、カーカス本体部21とスティフナー133の端部133Aとが直接接していないことから、スティフナー133の端部133Aによるカーカス本体部21のゴム材料24の歪みを低減できる。従って、サイドウォール部13の変形によるスティフナー133とゴム材料24との剥離や、ゴム材料24とカーカスコード23との剥離を防止でき、ビード部12からサイドウォール部13に亘る部分の耐久性の低下を防止できる。カーカス本体部21の法線H4におけるカーカス本体部21とカーカス折返し部22との距離G3とが0.25G3≦DA≦0.75G3を満たさない場合は、パッドゴム134の厚さが薄くなり、パッドゴム134に歪みが集中し、パッドゴム134とゴム材料との剥離が起こりやすくなるため、不適である。
(4)第4実施形態
第4実施形態について、図面を参照して説明する。具体的に、(4−1)ビード部〜サイドウォール部の構成、(4−2)作用・効果について説明する。図9は、第4実施形態に係る空気入りタイヤのビード部〜サイドウォール部を説明するタイヤ径方向及びタイヤ幅方向断面の拡大図である。第4実施形態において、第1乃至3実施形態と同一の構成には、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
(4−1)ビード部〜サイドウォール部の構成
第4実施形態として示す空気入りタイヤ4は、カーカス本体部21とカーカス折返し部22との間にスティフナー135と、パッドゴム136とが配置されている。
第4実施形態として示す空気入りタイヤ4は、リムベースラインBLからスティフナー135のタイヤ径方向外側の端部135Aまでの高さKSHと、リムベースラインBLからカーカス最大幅部20Wまでの高さOWHと、リムベースラインBLからリムフランジ101のタイヤ径方向外側の端部101Aまでの高さFHとが、
0.2≦[(KSH−FH)/(OWH−FH)]≦0.28
を満たす。
また、スティフナー135の100%伸長モジュラスMn1と、パッドゴム136の100%伸長モジュラスMn2と、ゴム材料24の100%伸長モジュラスMn3とが
Mn1>Mn3>Mn2
を満たす。
更に、スティフナー135のタイヤ径方向外側の端部135Aとカーカス本体部21との間、かつパッドゴム136のタイヤ径方向内側の端部136Aとカーカス本体部21との間に緩衝ゴム140が配置されている。緩衝ゴム140の100%伸長モジュラスMn4は、パッドゴム136の100%伸長モジュラスMn2の0.7〜1.0倍である。すなわち、0.7×Mn2≦Mn4≦Mn2を満たす。
(4−2)作用・効果
空気入りタイヤ4は、リムフランジから反力を受けやすい部分に緩衝ゴム140を配置することにより、カーカス本体部21とスティフナー135との剛性差を低減でき、ゴム材料24の歪みを低減できる。緩衝ゴムの100%伸長モジュラスがパッドゴム136の100%伸長モジュラスの70%以下になると、緩衝ゴムへ歪みが集中し、緩衝ゴムにダメージが集中しやすくなるため不適である。
(5)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例が明らかとなる。例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
実施形態では、スティフナー31の100%伸長モジュラスMn1と、パッドゴム32の100%伸長モジュラスMn2と、ゴム材料24の100%伸長モジュラスMn3とが、
Mn1>Mn3>Mn2
を満たしていたが、必ずしもこれに限られない。例えば、Mn1とMn2とMn3とが、
Mn1>Mn2>Mn3
を満たしてもよい。
実施形態では、リムベースラインBLからパッドゴム32のタイヤ径方向外側の端部32Bまでの高さPSHと、リムベースラインBLからカーカス最大幅部20Wまでの高さOWHとは略等しいと説明した。しかし、例えば、両者の関係は、PSH<OWHであってもよい。パッドゴムのタイヤ径方向外側の端部は、高さCEよりもタイヤ径方向内側に存在してもよい。この場合、カーカス折返し部22の端部22aに隣接して、亀裂の進展しにくいゴムを配置しやすくなる。その結果、カーカス折返し部22の端部22aから発生する周囲のゴムへの亀裂をより防止できる。亀裂の進展しにくいゴムとして、100%伸長モジュラスが、パッドゴム32の100%伸長モジュラスよりも小さいゴムを用いることができる。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
条件を変えて実施例1〜4、比較例1〜3の空気入りタイヤを作製し、下記条件のもとビード部からサイドウォール部に亘る部分の耐久性を調べる耐久試験を行った。実施例1は、図2に示す構造を有する空気入りタイヤ1であり、実施例2は、図7に示す構造を有する空気入りタイヤ2であり、実施例3は、図8に示す構造を有する空気入りタイヤ3であり、実施例4は、図9に示す構造を有する空気入りタイヤ4である。
また、比較例1の構造は、図10に示される。比較例2の構造は、図11に示される。比較例1,2は、図2,7に示す構造と類似しているが、スティフナーのタイヤ径方向外側の端部の位置が、図2,7に示す空気入りタイヤ1,2よりもタイヤ径方向外側に位置している点が異なる。比較例3は、図8に示す空気入りタイヤ3の距離DAと、距離G3との比を異ならせたものである。
タイヤサイズ:59/80R63
内圧:500kPaに設定し
リム:TRA正規リム
ドラム試験機:ドラム径7m
ドラム回転速度:8km/h
ドラム荷重:正規荷重996.4kNの150%〜180%(ステップロード方式) ステップロード方式とは、測定対象の空気入りタイヤに12時間にわたるドラム荷重を負荷するにあたり、スタート時正規荷重150%とし、以後正規荷重の10%を加えて、最終的に正規荷重の180%を負荷するものである。
12時間経過後の空気入りタイヤのビード部からサイドウォール部に亘る部分を解剖し、コードの破断やゴム材料の亀裂を直接目視にて調査した。耐久試験の結果を図12に示す。なお、結果は、比較例を100とする指標で表している。
図12に示す結果から、実施例1〜4の空気入りタイヤでは、カーカス折返し部におけるコード破断が無いことが判った。また、ゴム材料24の歪み指数が低減され、スティフナーに接するゴム材料の亀裂がないことが判った。
以上の結果から、本実施形態の空気入りタイヤによれば、ビード部からサイドウォール部に亘る部分の剛性の確保と、耐久性の向上とを高いレベルで両立させることが可能になることが判った。
なお、日本国特許出願第2010−207946号(2010年9月16日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
以上のように、本発明の空気入りタイヤによれば、ビード部からサイドウォール部に亘る部分の剛性の確保と、耐久性の向上とを高いレベルで両立させることができる。

Claims (8)

  1. 一対のビードコア間にトロイダル状に跨る複数本のカーカスコードをゴム材料で被覆したプライからなるカーカス本体部と、前記カーカス本体部が前記ビードコアの回りにタイヤの内側から外側へ巻き返されてタイヤ径方向外側に延びるカーカス折返し部とを有するカーカスを備える空気入りタイヤであって、
    前記カーカス本体部の法線における前記カーカス本体部と前記カーカス折返し部との距離が前記タイヤ径方向外側に向かうに連れて漸減する漸減領域を有し、
    前記カーカス本体部と前記カーカス本体部のタイヤ幅方向外側に位置する前記カーカス折返し部との間に、前記ビードコアからタイヤ径方向外側に順次配置された第1充填材と第2充填材とを有し、
    前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部は、前記漸減領域に位置しており、
    前記第1充填材及び前記第2充填材の一部は、少なくとも前記カーカス本体部を構成するゴム材料に接しており、
    前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部と前記第2充填材のタイヤ径方向内側の端部とはタイヤ幅方向に重なっており、
    前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部におけるタイヤ幅方向の厚みは、タイヤ径方向外側に向かうに連れて減少し、
    前記第2充填材のタイヤ径方向内側の端部は、前記空気入りタイヤのビード部において前記空気入りタイヤが装着される規格に定められたリムのリムフランジが接する接触部分よりもタイヤ径方向内側に位置しており、
    前記リムにおいてリム径を規定する位置を通るタイヤ軸方向線であるリムベースラインから前記カーカス折返し部の端部までの高さCEと、
    前記リムベースラインから前記カーカス本体部のタイヤ幅方向における最大幅を有するカーカス最大幅部までの高さOWHとが、
    0.85OWH≦CE≦1.2OWH
    を満たし、
    前記リムベースラインから前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部までの高さKSHと、
    前記高さOWHと、
    前記リムベースラインから前記リムフランジのタイヤ径方向外側の端部までの高さFHとが
    0.2≦[(KSH−FH)/(OWH−FH)]≦0.28
    を満たす空気入りタイヤ。
  2. 前記第1充填材の100%伸長モジュラスMn1と、前記第2充填材の100%伸長モジュラスMn2と、前記ゴム材料の100%伸長モジュラスMn3とが
    Mn1>Mn3>Mn2
    を満たす請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカスは、
    前記カーカス本体部の法線上における前記カーカス本体部と前記カーカス折返し部との距離が一定になる平行領域を有し、
    前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部は、前記平行領域に位置している請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カーカスは、
    前記漸減領域よりタイヤ径方向外側に、前記カーカス本体部と前記カーカス折返し部との距離が最大になる最長部と、
    前記最長部からタイヤ径方向外側に向けて前記カーカス本体部と前記カーカス折返し部との距離が漸減する外側漸減領域と
    を有し、
    前記最長部は、前記リムベースラインからタイヤ径方向外側に3.75FHまでの間に位置する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部を通る前記カーカス本体部の法線上における前記カーカス本体部と前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部との距離DAと、
    前記カーカス本体部の法線における前記カーカス本体部と前記カーカス折返し部との距離Gとが
    0.25G≦DA≦0.75G
    を満たす請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1充填材のタイヤ径方向外側の端部と前記カーカス本体部との間、かつ前記第2充填材のタイヤ径方向内側の端部と前記カーカス本体部との間に配置される第3充填材を有し、
    前記第3充填材の100%伸長モジュラスは、前記第2充填材の100%伸長モジュラスの0.7〜1.0倍である請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記高さCEと、
    前記リムベースラインから前記空気入りタイヤのタイヤ赤道線における前記カーカスまでの高さSHとが、
    0.4SH≦CE≦0.6SH
    を満たす請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記リムベースラインからタイヤ径方向外側に向けて1.2FHに相当する前記ビード部の位置を通る前記カーカス本体部の法線上における前記カーカス本体部と前記カーカス折返し部との距離G1と、
    前記ビードコアのタイヤ幅方向の長さBWとが、
    0.3BW≦G1≦0.4BW
    を満たす請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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