JP5604297B2 - 糖鎖付加glp−1ペプチド - Google Patents

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Description

本発明は、糖鎖付加GLP−1ペプチドに関する。
GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1:glucagon−like peptide−1)は、糖のホメオスタシスの制御に深く関与する腸起源のペプチドである。GLP−1は、グルカゴン前駆体のプレプログルカゴンの組織特異的な翻訳後プロセシングにより腸のL細胞において合成され、食事に反応して循環中へ放出される。このペプチドは、腸島軸(enteroinsular axis)の主要メディエーターであり、特定の受容体に結合することによって作用する。
GLP−1は、主として膵臓に作用し、β細胞によるインスリン放出をグルコース濃度依存的に促進することが知られている。また、グルカゴンの分泌を抑制し、胃の空洞化を遅らせ、末梢のグルコース処理を高める可能性が示唆されている。
GLP−1の投与によりインスリン非依存型糖尿病患者において食後のグルコースレベルが正常化され得ることから、GLP−1の治療薬としての可能性が示唆されている。また、GLP−1はインスリン依存型糖尿病患者において血糖コントロールを改善する作用も有している。さらに、GLP−1のインスリン放出促進作用は血漿グルコース濃度に依存しているため、低い血漿グルコース濃度ではGLP−1介在性のインスリン放出が低く、重篤な低血糖症を招かないメリットがある。従って、必要に応じ、血中GLP−1量をコントロールすることによって、安全性の高い糖尿病治療が可能になると考えられる。しかしながら、GLP−1の血中の半減期は、2〜6分と極めて短く、その治療剤としての可能性が限定されるという問題がある。
このような問題を解決する手段として、GLP−1を改変する試みがなされている。例えば、特許文献1には、少なくとも1個のポリエチレングリコール(PEG)分子に共役的に結合したGLP−1化合物を含むペグ化GLP−1化合物が開示されている。当該ペグ化GLP−1化合物では、各PEGがGLP−1化合物に、Cys又はLysアミノ酸にて、もしくはカルボキシ末端アミノ酸にて結合している。当該ペグ化GLP−1化合物は、少なくとも1時間の排出半減期を有する。
特許文献1によれば、非ペグ化(unPEGylated)ペプチドと比べて、半減期が延長され、クリアランスが遅延化された生理活性ペプチドが得られる。また、これらのペグ化(PEGylated)GLP−1化合物及び組成物は、糖尿病、肥満、過敏性腸症候群、ならびに血糖を低下させること、胃及び/又は腸運動性を抑制すること、及び、胃及び/又は腸内容排出を抑制すること、又は食物摂取を抑制すること等、健康状態の治療に有用であることが開示されている(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、PEGは、生体内で代謝されない化合物であるため、ペグ化GLP−1化合物の投与を続けると、PEGが生体内に蓄積され、生体に薬害を与える危険性がある(非特許文献1)。
また、半減期を延長するために、GLP−1やその改変体に糖鎖を付加する方法も提案されている(例えば、特許文献3及び4)。特許文献3には、GLP−1の26位、34位、および/又は37位に糖鎖付加アミノ酸を導入する方法等が記載されているが、糖鎖の種類や糖鎖を付加する位置が、必ずしも最適化されているとはいえない。一方、特許文献4には、分子量200KDa程度のヒアルロン酸修飾物をGLP−1アナログに結合させる方法が記載されている。しかしながら、このように巨大なヒアルロン酸分子を大量に製造する場合、長さや構造を均一にするのは困難であり、実際には各ヒアルロン酸の構造や長さにはかなりばらつきが生じているものと考えられる。医薬品として用いる場合には、長さや構造が均一な糖鎖付加ペプチドが必要とされる。
また、GLP−1に類似した構造で、同様の活性を有し、かつ、血中安定性の高い化合物として、トカゲ(Heloderma)の唾液から発見されたエキセンジン−4(exendin−4)(非特許文献2)が米国で上市されているが、exendin−4は非ヒト型配列であり、長期投与による中和抗体の出現やそれに伴う薬効の減弱が懸念される(非特許文献3〜5)。
一方、糖鎖は生体内において様々な役割を担っていることが明らかになってきており、その研究の重要性を認識されながらも、構造の複雑さや多様性によって研究が遅れている。組成が一定した糖ペプチドを得るための方法も試みられているが(特許文献2)、簡便さや大量生産の観点から充分な製造方法とは言えず、また、特に生体内に存在する長い糖鎖に関しては実用的な製造方法とはいえない。
特表2006−520818号公報 再表2005−095331号公報 再表2006−095775号広報 国際公開第2007/063907号パンフレット Toxicological Science,42,152−157(1998)。 J Biol Chem.267,402−5(1992) Vascular Health and Risk Management 2,69−77(2006) JAMA.298,194−206(2007) Endocrine Reviews 28,187−218(2007)
本発明の課題は、GLP−1と比べて、血中安定性が増大しており、さらに好ましくは、高い血糖値抑制活性を示す、糖鎖付加GLP−1ペプチドを提供することにある。
以上の課題を解決するために本発明は以下の特徴を有し得る。すなわち、本発明は、(a) GLP−1;
(b) GLP−1において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたペプチド;又は、
(c) GLP−1の類縁体;
において、少なくとも2個のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換されたことを特徴とする、GLP−1活性を有する糖鎖付加GLP−1ペプチドであり得る。
また、本発明は、
(a) GLP−1;又は、
(b) GLP−1において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたペプチドであって、GLP−1活性を有するペプチド;
において、少なくとも2個のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換されたことを特徴とする、GLP−1活性を有する糖鎖付加GLP−1ペプチドであり得る。
また、本発明は、
(a) GLP−1において、2以上のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換された糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、少なくとも1つの置換部位が、18、20、22、26、30、34又は36位である糖鎖付加GLP−1ペプチド;又は、
(b)(a)で定義される糖鎖付加GLP−1ペプチドにおいて、糖鎖付加アミノ酸以外のアミノ酸の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加された糖鎖付加GLP−1ペプチド;
であって、GLP−1活性を有する糖鎖付加GLP−1ペプチドであり得る。
また、本発明は、
(a) GLP−1において、2以上のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換された糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、いずれの置換部位も18、20、22、26、30、34又は36位からなる群から選択される糖鎖付加GLP−1ペプチド;又は、
(b)(a)で定義される糖鎖付加GLP−1ペプチドにおいて、糖鎖付加アミノ酸以外のアミノ酸の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加された糖鎖付加GLP−1ペプチド;
であって、GLP−1活性を有する糖鎖付加GLP−1ペプチドであり得る。
本発明において、糖鎖付加アミノ酸は、実施態様によっては、好ましくは糖鎖付加Asn又は糖鎖付加Cysであり得るが、これらに限定されない。
また、本発明において、糖鎖付加GLP−1ペプチドに結合した複数の糖鎖付加アミノ酸は、糖鎖やアミノ酸の種類において同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、本発明において、糖鎖付加アミノ酸においては、糖鎖とアミノ酸とがリンカーを介して結合することも、リンカーを介することなく結合することもできる。実施態様によっては、好ましくは、リンカーを介することなく(直接に)結合している。
また、本発明において、糖鎖は、4個以上の糖からなる糖鎖であることが、一般には好ましい。さらに、実施態様によっては、5個〜11個の糖からなる糖鎖であることが好ましい場合がある。
また、本発明において、糖鎖は、実施態様によっては、2本鎖複合型糖鎖が好ましい。また、実施態様によっては、ジシアロ糖鎖、モノシアロ糖鎖、アシアロ糖鎖、ジグルクナック糖鎖及びジマンノース糖鎖からなる群から選択される糖鎖であることが好ましい場合があるが、これらに限定されない。
また、本発明において、糖鎖は、実施態様によっては、以下の式で表される糖鎖が好ましい場合があるが、これらに限定されない。
[式中、R及びRは、同一又は異なって、
を示す。Acは、アセチル基を示す。]
また、本発明は、少なくとも1個のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換され、該糖鎖がオリゴヒアルロン酸である糖鎖付加GLP−1ペプチドであり得る。オリゴヒアルロン酸としては、例えば、N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸とからなる単位を1単位とした場合に、2単位(4糖)以上8単位以下の糖鎖を挙げることができ、2単位(4糖)や4単位(8糖)とすることができる。
また、本発明は、少なくとも1個のアミノ酸にリンカーを介して糖鎖が結合している糖鎖付加GLP−1ペプチドであり得る。リンカーが結合するGLP−1ペプチドのアミノ酸としては、例えばLysを挙げることができる。この場合、リンカーが、その糖鎖側の末端にアミノ酸を含んでいてもよい。リンカーの糖鎖側末端に含まれるアミノ酸としては、例えばAsnを挙げることができる。
本発明においては、糖鎖が実質的に均一であることが好ましく、例えば、90%以上均一、あるいは99%以上均一であることが好ましい。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、好ましくは、GLP−1と比較して増大した血中安定性を有する。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、GLP−1と比較して好ましくは5倍以上、さらに好ましくは10倍以上、さらに好ましくは20倍以上のOGTT(Oral Glucose Tolerance Test)における血糖値抑制活性を有し得る。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、GLP−1と比較して好ましくは20倍以上、より好ましくは30倍以上、さらに好ましくは50倍以上のDPP−IV耐性を有し得る。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドを新規な有効成分として医療用途に用いることができる。そのような医療用途としては、GLP−1に関連する疾患の治療又は予防が含まれる。そのような疾患の代表例は、例えば、糖尿病である。
以上述べた本発明の特徴の一又は複数を、任意に組み合わせたものも、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドであることはいうまでもない。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、GLP−1と比較して、血中安定性が増大し、また、本発明の一態様において、GLP−1と比較して、血糖値抑制活性が増大している。よって、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、GLP−1と比較して、その投与量及び投与回数を低減することができる。
また、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドに付加される糖鎖は、生体内で容易に分解されるので、その蓄積により生体に薬害を与えることはない。
また、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドに付加される糖鎖の一部又は全部は、ヒトを含む哺乳類、鳥類等の生体内に存在する糖鎖やその改変体であり、体内に投与しても副作用や抗原性を示す可能性が低い。アレルギー反応や、抗体産生が生じたり、それによって薬効が得られなくなったりする等の心配が少ない。
さらに、本発明で用いられる糖鎖には、比較的短いものが多いので、複雑な製造工程を経ずに、均一な構造のものを得ることができる。従って、大規模かつ安定に医薬品レベルの高品質な糖鎖付加GLP−1ペプチドを得ることができる。
図1は、糖鎖付加GLP−1ペプチド(26位,34位Cysジシアロ糖鎖付加GLP−1又は18位,36位Cysジシアロ糖鎖付加GLP−1)又はGLP−1の投与による血糖値上昇抑制作用を経口耐糖能試験(OGTT)により測定した結果を示す。26位,34位Cysジシアロ糖鎖付加GLP−1、18位,36位Cysジシアロ糖鎖付加GLP−1は0.9nmol/kg投与し、GLP−1は9nmol/kg投与した。 図2は、糖鎖付加GLP−1ペプチド(22位,30位Cysジシアロ糖鎖付加GLP−1、22位,36位Cysジシアロ糖鎖付加GLP−1又は30位,36位Cysジシアロ糖鎖付加GLP−1)又はGLP−1の投与による血糖値上昇抑制作用を経口耐糖能試験(OGTT)により測定した結果を示す。22位,30位Cysジシアロ糖鎖付加GLP−1、22位,36位Cysジシアロ糖鎖付加GLP−1、30位,36位Cysジシアロ糖鎖付加GLP−1は0.9nmol/kg投与し、GLP−1は9nmol/kg投与した。 図3は、糖鎖付加GLP−1ペプチド(36位Cys−ヒアルロン酸4糖付加GLP−1又は36位Cys−ヒアルロン酸8糖付加GLP−1)又はGLP−1の投与による血糖値上昇抑制作用を経口耐糖能試験(OGTT)により測定した結果を示す。36位Cys−ヒアルロン酸4糖付加GLP−1、36位Cys−ヒアルロン酸8糖付加GLP−1およびGLP−1は9nmol/kg投与した。 図4は、糖鎖付加GLP−1ペプチド(26位Lys−アシアロ糖鎖Asnリンカー修飾GLP−1)又はGLP−1の投与による血糖値上昇抑制作用を経口耐糖能試験(OGTT)により測定した結果を示す。26位Lys−アシアロ糖鎖Asnリンカー修飾GLP−1およびGLP−1は9nmol/kg投与した。 図5は、糖鎖付加GLP−1ペプチドの投与量が血糖値上昇抑制作用に与える影響を調べるために実施した経口耐糖能試験(OGTT)の結果を示す。18位,36位Cysジシアロ糖鎖付加GLP−1は0.9nmol/kg投与し、GLP−1は9nmol/kg投与した。
本明細書において「GLP−1」とは、グルカゴン様ペプチド−1(glucagon−like peptide−1)を示し、GLP−1(7−37)を指す。
GLP−1(7−37)は、下記のアミノ酸配列を有する。
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−Gly(配列番号2)
本発明において、「GLP−1の類縁体」とは、GLP−1と構造上類似したペプチド及び/又はGLP−1と重複した構造を有するペプチド、例えば:GLP−1のアミノ酸において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたペプチド;GLP−1のアミノ酸の1若しくは数個のアミノ酸が保存的に置換されたペプチド;GLP−1改変体;GLP−1活性を有するGLP−1のフラグメント;GLP−1活性を有する伸長GLP−1;並びにエキセンジン−4(以下、「Ex−4」と記載する場合もある。)及びその類縁体が挙げられる(Curr.Opin.Investig.Drugs 8,842−8(2007),J.Pharmacol.Exp.Ther.307,490−496(2003),Diabetes 50,2530−9(2001)等)。
本明細書中において、「アミノ酸」とは、その最も広い意味で用いられ、天然のアミノ酸のみならずアミノ酸変異体及び誘導体といったような非天然アミノ酸を含む。当業者であれば、この広い定義を考慮して、本明細書におけるアミノ酸として、例えば、天然タンパク原性L−アミノ酸;D−アミノ酸;アミノ酸変異体及び誘導体などの化学修飾されたアミノ酸;ノルロイシン、β−アラニン、オルニチンなどの天然非タンパク原性アミノ酸;及びアミノ酸の特徴である当業界で公知の特性を有する化学的に合成された化合物などが挙げられることを理解するであろう。非天然アミノ酸の例として、α−メチルアミノ酸(α−メチルアラニンなど)、D−アミノ酸、ヒスチジン様アミノ酸(2−アミノ−ヒスチジン、β−ヒドロキシ−ヒスチジン、ホモヒスチジン、α−フルオロメチル−ヒスチジン及びα−メチル−ヒスチジンなど)、側鎖に余分のメチレンを有するアミノ酸(「ホモ」アミノ酸)及び側鎖中のカルボン酸官能基アミノ酸がスルホン酸基で置換されるアミノ酸(システイン酸など)が挙げられる。GLP−1活性を有するGLP−1類縁体のいくつかは、非天然アミノ酸を含むことが知られる。好ましい態様において、本発明の化合物に含まれるアミノ酸は、天然アミノ酸のみからなる。
本明細書中において、アミノ酸の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたという場合、置換等されるアミノ酸の個数は、GLP−1活性を保持する限り特に限定されないが、1〜9個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個程度であるかあるいは全体の長さの20%以内、好ましくは10%以内である。置換又は付加されるアミノ酸は、天然のアミノ酸、非天然のアミノ酸又はアミノ酸アナログであり得、好ましくは天然のアミノ酸である。アミノ酸の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたGLP−1ペプチドの例としては、例えば、8位のAlaと35位のGlyを非天然アミノ酸のα−メチルアラニン(アミノイソブタン酸、Aibとも呼ぶ)で置換し、37位のGlyを欠失させ、36位のArgがアミド化されたBIM51077(Curr.Opin.Investig.Drugs 8,842−8(2007))が挙げられる。
本明細書中において、「アミノ酸の1若しくは数個のアミノ酸が保存的に置換された」とは、アミノ酸置換において、元のアミノ酸と置換されるアミノ酸との親水性指数及び/又は疎水性指数が類似している置換であって、そのような置換の前後で、GLP−1活性の明らかな低下又は消失を生じない置換をいう。
本明細書中において、「GLP−1改変体」とは、GLP−1を天然又は人工的に改変した化合物であり、そのような改変としては、例えば、GLP−1の1又は複数のアミノ酸残基の、アルキル化、アシル化(例えばアセチル化)、アミド化、カルボキシル化、エステル形成、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、リン酸化、水酸化、標識成分の結合等が挙げられる。
本明細書中において、「GLP−1活性を有するGLP−1のフラグメント」とは、GLP−1のN末端及び/又はC末端から1個又はそれ以上のアミノ酸が欠失し、かつGLP−1活性を維持したペプチドである。
本明細書中において、「GLP−1活性を有する伸長GLP−1」とは、GLP−1のN末端及び/又はC末端に1個又はそれ以上のアミノ酸が付加され、かつGLP−1活性を維持したペプチドである(例えば、Endocrinology,125,3109−14(1989)を参照)。
本明細書中において、「GLP−1のC末端(37位)にさらに、1若しくは数個のアミノ酸が付加されたペプチド」という場合、GLP−1のC末端に付加されたアミノ酸から順に、38位のアミノ酸、39位のアミノ酸・・・等と呼び、また、「GLP−1のN末端(7位)にさらに、1若しくは数個のアミノ酸が付加されたペプチド」という場合、GLP−1のN末端に付加されたアミノ酸から順に、6位のアミノ酸、5位のアミノ酸・・・等と呼ぶものとする。例えば、「GLP−1のC末端(37位)にさらに、1個のアミノ酸が付加されたペプチド」として、GLP−1の37位のGlyにAsn又はCysが結合したペプチドが挙げられる。
本発明の「糖鎖付加GLP−1ペプチド」は、少なくとも1個のアミノ酸が、糖鎖付加アミノ酸で置換されたことを特徴とする。
本明細書中において、「糖鎖付加GLP−1ペプチド」には、GLP−1の少なくとも1個のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換されたペプチド、上記GLP−1類縁体において少なくとも1個のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換されたペプチドが含まれ、それぞれ、さらに糖鎖付加アミノ酸以外のアミノ酸の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されていても、糖鎖付加GLP−1ペプチドに含まれる。これらのペプチドのC末端がアミド化されたペプチド(たとえば、His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH(配列番号3)のアミノ酸配列を有するGLP−1(7−36)NHの少なくとも1個のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換されたペプチド)も、糖鎖付加GLP−1ペプチドに含まれる。さらに、これらのペプチドの塩も、糖鎖付加GLP−1ペプチドに含まれる。
本明細書中において、塩は、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれであってもよい。酸付加塩を形成するために通常用いられる酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸及びp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、カルボン酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸等の有機酸である。塩基付加塩としては、水酸化アンモニウム又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等の無機塩基から誘導された塩が挙げられる。特に、薬学的に許容される塩が好ましい。
本明細書中において、「糖鎖付加アミノ酸」とは、糖鎖が結合したアミノ酸であり、ここで糖鎖とアミノ酸とは、リンカーを介して結合していてもよい。糖鎖とアミノ酸との結合部位に特に制限はないが、糖鎖の還元末端にアミノ酸が結合していることが好ましい。
糖鎖が結合するアミノ酸の種類に特に限定はなく、天然アミノ酸、非天然アミノ酸のいずれを用いることもできる。糖鎖付加アミノ酸が生体内に糖ペプチド(糖たんぱく質)として存在するものと同一又は類似の構造を有するという観点からは、糖鎖付加アミノ酸は、N−結合型糖鎖のような糖鎖付加Asn、O−結合型糖鎖のような糖鎖付加Ser及び糖鎖付加Thrが好ましく、特に糖鎖付加Asnが好ましい。
また、糖鎖とアミノ酸とがリンカーを介して結合している場合、リンカーとの結合容易性という観点からは、糖鎖付加アミノ酸のアミノ酸は、アスパラギン酸やグルタミン酸等の分子内に2つ以上のカルボキシル基を持つアミノ酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン等の分子内に2以上のアミノ基を持つアミノ酸、セリン、スレオニン、チロシン等の分子内に水酸基を持つアミノ酸、システイン等の分子内にチオール基を持つアミノ酸、アスパラギン、グルタミン等の分子内にアミド基を持つアミノ酸、が好ましい。特に、反応性の観点からは、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミンが好ましい。
なお、本発明の任意の糖鎖付加GLP−1ペプチドについて、糖鎖構造、糖鎖以外の構造、糖鎖の付加部位及び糖鎖の付加数が同一である場合に、糖鎖付加アミノ酸が、糖鎖付加Asn(リンカーを介さない)の場合と糖鎖付加Cys(リンカーを介する)の場合で、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドの血糖値上昇抑制活性に大きな違いはみられない。
糖鎖とアミノ酸とがリンカーを介して結合している場合、リンカーとしては、当該分野において用いられているものを広く使用することができるが、例えば、−NH−(CO)−(CH−CH−(式中、aは整数であり、目的とするリンカー機能を阻害しない限り限定されるものではないが、好ましくは0〜4の整数を示す。)、C1−10ポリメチレン、−CH−R−(ここで、Rは、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、アリール、置換されたアリール、炭素環基、置換された炭素環基、複素環基及び置換された複素環基からなる群より選択される基から水素原子が1つ脱離して生ずる基である)、−(CO)−(CH−(CO)−(式中、aは整数であり、目的とするリンカー機能を阻害しない限り限定されるものではないが、好ましくは0〜4の整数を示す。)等を挙げることができる。
糖鎖付加アミノ酸において糖鎖とGLP−1骨格上のアミノ酸がリンカーを介して結合している場合、リンカーが、糖鎖側の末端にアミノ酸を含むことも好ましい。アミノ酸の種類は特に限定されないが、好ましい例としてはAsnを挙げることができる。
糖鎖付加GLP−1ペプチドの糖鎖付加アミノ酸において、糖鎖とアミノ酸とがリンカーを介することなく結合している場合、糖鎖とアミノ酸とがリンカーを介して結合している場合と比較して、糖鎖付加GLP−1ペプチドの抗原性は低くなり得る。糖鎖付加GLP−1ペプチドの糖鎖付加アミノ酸において、糖鎖とアミノ酸とがリンカーを介して結合している場合、糖鎖とアミノ酸とがリンカーを介することなく結合している場合と比較して、糖鎖付加GLP−1ペプチドの血中安定性が高くなり得る。
なお、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、その記載(例えば、「アミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド」という記載)によって何ら製造方法が限定されるものではなく、後述のA法〜C法のいずれの方法で製造した糖鎖付加GLP−1ペプチドであっても、「アミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド」に含まれる。また、例えば、アミノ酸の結合していない糖鎖を、ペプチド上のアミノ酸に直接又はリンカーを介して結合した糖鎖付加GLP−1ペプチド;糖鎖付加GLP−1ペプチドにおいて、付加した糖鎖にさらに糖又は糖鎖を付加することですでに付加された糖鎖を伸長させた糖鎖付加GLP−1ペプチド;糖鎖付加アミノ酸のアミノ基及び/又はカルボキシル基に1又は数個のアミノ酸を結合させ、さらにこれを1又は複数のGLP−1フラグメントと連結させた糖鎖付加GLP−1ペプチド;アミノ酸の結合した糖鎖を、ペプチド上のアミノ酸にリンカーを介して結合した糖鎖付加GLP−1ペプチド、なども最終的な構造が一致している限り、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドに含まれる。
GLP−1のアミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する数は、血中安定性や血糖値抑制活性等の生理活性、最終的な糖鎖付加GLP−1ペプチドに存在するアミノ酸の個数や糖鎖付加前後の糖鎖付加GLP−1ペプチドの分子量、等により適宜調節すればよい。例えば、1〜5個置換することが好ましく、1〜3個置換することがより好ましい。本発明の一態様においては、2個以上置換することが好ましく、例えば、2〜5個置換することが好ましく、2〜3個置換することがより好ましい。簡便性の観点からは、1個の置換で所望の活性が得られるのであれば、1個の置換を選択することが好ましいであろう。一般に、GLP−1の1個のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換された糖鎖付加GLP−1ペプチドにおいて、糖鎖付加アミノ酸以外のアミノ酸の1個以上をさらに糖鎖付加アミノ酸で置換した場合、血中安定性は増大し、血糖値抑制活性は減少する傾向がある(但し、血中安定性が増大することで、減少した血糖値抑制活性を補償することが可能である)。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドにおいて、アミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する部位は、血中安定性や血糖値抑制活性により適宜調節することができる。
本発明の一態様において、GLP−1アミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する部位は、所望の活性に応じてGLP−1の任意の部位を選択することができ、例えばGLP−1の8、9、12、18、19、20、22、26、30、34、36及び38位(=37位のアミノ酸に糖鎖付加アミノ酸を付加)から選択される1以上の部位であり、好ましくは、18、20、22、26、30、34、36及び38位から選択される1以上の部位であり、例えば、18、26、30、34及び36位から選択される1以上の部位であり、特に30及び36位から選択される1以上の部位である。
本発明の一態様において、アミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する部位は、糖鎖付加GLP−1ペプチドの血中安定性という観点からは、GLP−1の任意の部位を選択することができ、例えばGLP−1の9、10、11、12、14、16、18、19、20、22、24、25、26、27、28、30、32、34、36及び38位(=37位のアミノ酸に糖鎖付加アミノ酸を付加)から選択される1以上の部位であり、好ましくは9、10、11、12、14及び28位から選択される1以上の部位であり、特に好ましくは9、10、11及び12から選択される1以上の部位である。特にGLP−1のN末端に近い部位のアミノ酸の置換も好ましい。特にGLP−1の2以上のアミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する部位の例として、例えばGLP−1の18位と36位の置換、26位と34位の置換、22位と30位の置換、22位と36位の置換、30位と36位の置換などを挙げることができる。
本発明の一態様において、アミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する部位は、糖鎖付加GLP−1ペプチドの血糖値抑制作用という観点からは、例えばGLP−1の18、20、22、26、30、34、36及び38位(=37位のアミノ酸に糖鎖付加アミノ酸を付加)から選択される1以上の部位であり、好ましくは18、26、30、34及び36位から選択される1以上の部位であり、特に30及び36位から選択され1以上の部位である。特にGLP−1の2以上のアミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する部位の例として、糖鎖付加GLP−1ペプチドの血糖値抑制作用という観点から、例えばGLP−1の18位と36位の置換、26位と34位の置換、22位と30位の置換、22位と36位の置換、30位と36位の置換などを挙げることができる。
本発明の一態様において、アミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する部位は、糖鎖付加GLP−1ペプチドのGLP−1活性のうち、cAMP合成能に関する観点からは、好ましくは22、26、27、30、34、36及び38位(=37位のアミノ酸に糖鎖付加アミノ酸を付加)から選択される1以上の部位であり、より好ましくは22、26、30、34、36及び38位から選択される1以上の部位である。
本発明の一態様において、アミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する部位は、GLP−1の8、9及び12位以外の部位から選択される1以上の部位である。
本発明の一態様において、アミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する部位は、GLP−1の7、10、13、15、19、21、28及び29位以外の部位から選択される1以上の部位、特に、7、10、15及び28位以外の部位から選択される1以上の部位である。
本発明の一態様において、アミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する部位は、GLP−1のGLP−1受容体への結合部位からも、決定することができる。
本発明の一態様において、2以上のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換されている場合に、アミノ酸を糖鎖付加アミノ酸で置換する部位は、上記のいずれの組み合わせも採用することができるがこれに限定されない。例えば、1の部位が上記の好ましい部位から選択され、他の部位がGLP−1の任意の部位から選択される組み合わせ;1の部位が上記の好ましい部位から選択され、他の部位がGLP−1のC末端(37位)にさらに付加された1若しくは数個のアミノ酸の任意の部位から選択される組み合わせ等もまた、本発明の好ましい一態様に含まれる。
本発明の一態様において、糖鎖付加アミノ酸以外のアミノ酸の1若しくは数個のアミノ酸の欠失、置換若しくは付加は、GLP−1における:
8位のAlaがGly,Ser,Thr,Leu,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸での置換;
9位のGluがAsp及びLys からなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
11位のThrがAla,Gly,Ser,Leu,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
12位のPheがTrp及びTyrからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
13位のThrがSerで置換;
14位のSerがAla,Gly,Thr,Leu,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
15位のAspがGluで置換;
16位のValがPhe,Ala,Gly,Ser,Thr,Leu,Ile,Tyr,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
17位のSerがAla,Gly,Thr,Leu,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
18位のSerがAla,Gly,Thr,Leu,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
19位のTyrがPhe,Trp,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
20位のLeuがAla,Gly,Ser,Thr,Leu,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
21位のGluがAsp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
22位のGlyがAla,Ser,Thr,Leu,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
23位のGlnがAsn,Arg,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
24位のAlaがGly,Ser,Thr,Leu,Ile,Val,Arg,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
25位のAlaが Gly,Ser,Thr,Leu,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
26位のLysがArg,Gln,Glu,Asp及びHisからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
27位のGluがAsp,Ile及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
28位のPheがTrpで置換;
29位のIleがLeu,Val及びAlaからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
30位のAlaがGly,Ser,Thr,Leu,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
31位のTrp がPhe,Tyr,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
32位のLeu がGly,Ala,Ser,Thr,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
33位のVal がGly,Ala,Ser,Thr,Leu,Ile,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
34位のLys がArg,Glu,Asp及びHisからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
35位のGly がAla,Ser,Thr,Leu,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
36位のArgがLys,Glu,Asp及びHisからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;及び/又は37位のGlyがAla,Ser,Thr,Leu,Ile,Val,Glu,Asp及びLysからなる群のいずれか1つのアミノ酸で置換;
であることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
本発明の一態様において、糖鎖付加アミノ酸以外のアミノ酸の欠失、置換若しくは付加が生ずる部位は、GLP−1の7、10、13、15、19、21、28及び29位以外の部位から選択される1以上の部位、例えば、7、10、15及び28位以外の部位から選択される1以上の部位であることが好ましい(Structure−Activity Studies of Glucagon−like Peptide−l,THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY Vol.269,No.9,Issue of March 4,pp.6276−6278.1994)。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドとしては、例えば、
一般式(1)
His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Xaa18−Xaa19−Leu−Glu−Xaa22−Gln−Ala−Ala−Xaa26−Glu−Phe−Ile−Xaa30−Trp−Leu−Val−Xaa34−Gly−Xaa36−Xaa37
[式中、Xaa18は、Ser、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa19は、Tyr、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa22は、Gly、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa26は、Lys、糖鎖付加Cys、糖鎖付加Asn、又は糖鎖付加Lysを示す。
Xaa30は、Ala、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa34は、Lys、糖鎖付加Cys、糖鎖付加Asn、又は糖鎖付加Lysを示す。
Xaa36は、Arg、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa37は、Gly、NH、Gly−糖鎖付加Cys又はGly−糖鎖付加Asnを示す。
Xaa18がSerであり、Xaa19がTyrであり、Xaa22がGlyであり、Xaa26がLysであり、Xaa30がAlaであり、Xaa34がLysであり、かつXaa36がArgである場合、Xaa37は、Gly−糖鎖付加Cys又はGly−糖鎖付加Asnを示す。]
で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドであって:2以上のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド;糖鎖がオリゴヒアルロン酸である糖鎖付加GLP−1ペプチド;糖鎖が高マンノース型糖鎖である糖鎖付加GLP−1ペプチド等が挙げられる。尚、糖鎖付加Cys、糖鎖付加Asn及び糖鎖付加Lysは、いずれも糖鎖とアミノ酸との間にリンカーを含んでもよい。本明細書において、一般式(1)で表されるペプチドを配列番号1で示す。
具体的には、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドとしては、例えば、
(a1)前記一般式(1)においてXaa18が糖鎖付加Cysを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号4);
(a2)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22が糖鎖付加Cysを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号5);
(a3)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26が糖鎖付加Cysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号6);
(a4)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30が糖鎖付加Cysを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号7)
(a5)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34が糖鎖付加Cysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号8)
(a6)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36が糖鎖付加Cysを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号9);
(a7)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGly−糖鎖付加Cysを示すペプチド(配列番号10);
(a8)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19が糖鎖付加Cysを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号11);
(a9)前記一般式(1)においてXaa18が糖鎖付加Asnを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号12);
(a10)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22が糖鎖付加Asnを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号13);
(a11)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26が糖鎖付加Asnを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号14);
(a12)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30が糖鎖付加Asnを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号15);
(a13)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34が糖鎖付加Asnを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号16);
(a14)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36が糖鎖付加Asnを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号17);
(a15)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGly−糖鎖付加Asnを示すペプチド(配列番号18);
(a16)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19が糖鎖付加Asnを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号19);
(a17)前記一般式(1)においてXaa18が糖鎖付加Cysを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示すペプチド(配列番号20);
(a18)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22が糖鎖付加Cysを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示す化合物(配列番号21);
(a19)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26が糖鎖付加Cysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示す化合物(配列番号22);
(a20)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30が糖鎖付加Cysを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示す化合物(配列番号23);
(a21)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34が糖鎖付加Cysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示す化合物(配列番号24);
(a22)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36が糖鎖付加Cysを示し、かつXaa37がNHを示すペプチド(配列番号25);
(a23)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19が糖鎖付加Cysを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示すペプチド(配列番号26);
(a24)前記一般式(1)においてXaa18が糖鎖付加Asnを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示すペプチド(配列番号27);
(a25)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22が糖鎖付加Asnを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示すペプチド(配列番号28);
(a26)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26が糖鎖付加Asnを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示すペプチド(配列番号29);
(a27)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30が糖鎖付加Asnを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示すペプチド(配列番号30);
(a28)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34が糖鎖付加Asnを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示すペプチド(配列番号31);
(a29)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36が糖鎖付加Asnを示し、かつXaa37がNHを示すペプチド(配列番号32);又は
(a30)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19が糖鎖付加Asnを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示すペプチド(配列番号33)等が挙げられる。
以上の糖鎖付加GLP−1ペプチドの例において、糖鎖は、例えばオリゴヒアルロン酸や、高マンノース型糖鎖であることが好ましい。
また、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドとしては、
(a31)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26が糖鎖付加Lysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号34);又は
(a32)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34が糖鎖付加Lysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号35)等も挙げられる。
以上の糖鎖付加GLP−1ペプチドの例においては、例えば、糖鎖付加Lysにおける糖鎖とLysがリンカーを介して結合していることが好ましい。
また、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドとしては、
(a33)前記一般式(1)においてXaa18が糖鎖付加Cysを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36が糖鎖付加Cysを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号36);
(a34)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22が糖鎖付加Cysを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30が糖鎖付加Cysを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号37);
(a35)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22が糖鎖付加Cysを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36が糖鎖付加Cysを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号38);
(a36)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26が糖鎖付加Cysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34が糖鎖付加Cysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号39);
(a37)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30が糖鎖付加Cysを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36が糖鎖付加Cysを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号40);
(a38)前記一般式(1)においてXaa18が糖鎖付加Asnを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36が糖鎖付加Asnを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号41);
(a39)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22が糖鎖付加Asnを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30が糖鎖付加Asnを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号42);
(a40)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22が糖鎖付加Asnを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36が糖鎖付加Asnを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号43);
(a41)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26が糖鎖付加Asnを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34が糖鎖付加Asnを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号44);
(a42)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30が糖鎖付加Asnを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36が糖鎖付加Asnを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号45)等も挙げられる。
以上の糖鎖付加GLP−1ペプチドの例において糖鎖は、例えば、2本鎖複合型糖鎖であることが好ましい。
また、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドとしては、
(a43)前記一般式(1)においてXaa18が糖鎖付加Cysを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22が糖鎖付加Cysを示し、Xaa26がLysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGly−糖鎖付加Cysを示すペプチド(配列番号46);
(a44)前記一般式(1)においてXaa18が糖鎖付加Cysを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22が糖鎖付加Cysを示し、Xaa26が糖鎖付加Cysを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がGlyを示すペプチド(配列番号47);
(a45)前記一般式(1)においてXaa18がSerを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22がGlyを示し、Xaa26が糖鎖付加Asnを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36が糖鎖付加Asnを示し、かつXaa37がGly−糖鎖付加Asnを示すペプチド(配列番号48);
(a46)前記一般式(1)においてXaa18が糖鎖付加Asnを示し、Xaa19がTyrを示し、Xaa22が糖鎖付加Asnを示し、Xaa26が糖鎖付加Asnを示し、Xaa30がAlaを示し、Xaa34がLysを示し、Xaa36がArgを示し、かつXaa37がNHを示すペプチド(配列番号49)等も挙げることができる。
以上の糖鎖付加GLP−1ペプチドの例において糖鎖は、例えば、2本鎖複合型糖鎖であることが好ましい。
また、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチド類縁体として、例えば、以下のアミノ酸配列を有するエキセンジン−4に糖鎖を付加したものを挙げることができる。
H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH(配列番号50)
糖鎖付加エキセンジン−4は、例えば、以下の一般式(2)で表わされる。
一般式(2)
H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Xaa12−Gln−Xaa14−Glu−Xaa16−Glu−Ala−Val−Xaa20−Leu−Phe−Ile−Xaa24−Trp−Leu−Lys−Xaa28−Gly−Xaa30−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
[式中、Xaa12は、Lys、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa14は、Met、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa16は、Glu、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa20は、Arg、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa24は、Glu、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa28は、Asn、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa30は、Gly、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa12、Xaa14、Xaa16、Xaa20、Xaa24、Xaa28及びXaa30の少なくとも1つは糖鎖付加Cysまたは糖鎖付加Asnである。](配列番号51)
この中でも、例えば、Xaa24及び/又はXaa30が糖鎖付加Cys又は糖鎖付加Asnであることが好ましく、特に、Xaa30が糖鎖付加Cysであることが好ましい。
また、本発明の糖鎖付加GLP−1のうち、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたGLP−1に糖鎖を付加した例として、例えば、以下のアミノ酸配列を有するBIM51077に糖鎖を付加したものを挙げることができる。
His−R2−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−R2−Arg−NH
[式中、R2は、α−メチルアラニンを示す。](配列番号52)
糖鎖付加BIM51077は、例えば、以下の一般式(3)で表わされる。
一般式(3)
His−R2−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Xaa18−Tyr−Xaa20−Glu−Xaa22−Gln−Ala−Ala−Xaa26−Glu−Phe−Ile−Xaa30−Trp−Leu−Val−Xaa34−R2−Xaa36−NH
[式中、R2は、α−メチルアラニンを示し、
Xaa18は、Ser、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa20は、Leu、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa22は、Gly、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa26は、Lys、糖鎖付加Cys、糖鎖付加Asn、又は糖鎖付加Lysを示す。
Xaa30は、Ala、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa34は、Lys、糖鎖付加Cys、糖鎖付加Asn、又は糖鎖付加Lysを示す。
Xaa36は、Arg、糖鎖付加Cys、又は糖鎖付加Asnを示す。
Xaa18、Xaa20、Xaa22、Xaa26、Xaa30、Xaa34及びXaa36のすくなくとも1つは糖鎖付加Cysまたは糖鎖付化Asnである。](配列番号53)
なお、エキセンジン−4やBIM51077のように、本来C末端がアミド化されているペプチドについては、当該C末端のアミノ酸に糖鎖を付加した糖鎖付加アミノ酸を合成する場合、C末端をアミド化しない場合もある。
本明細書中において、「糖鎖」とは、単位糖(単糖及び/又はその誘導体)が1つ以上連なってできた化合物をいう。単位糖が2つ以上連なる場合、各々の単位糖同士の間は、グリコシド結合による脱水縮合によって結合する。このような糖鎖としては、例えば、生体中に含有される単糖類及び多糖類(グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、シアル酸並びにそれらの複合体及び誘導体)の他、分解された多糖、糖タンパク質、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、糖脂質などの複合生体分子から分解又は誘導された糖鎖など広範囲なものが挙げられるがそれらに限定されない。糖鎖は直鎖型であっても分岐鎖型であってもよい。
また、本明細書中において、「糖鎖」には糖鎖の誘導体も含まれ、糖鎖の誘導体としては、例えば、糖鎖を構成する糖が、カルボキシル基を有する糖(例えば、C−1位が酸化されてカルボン酸となったアルドン酸(例えば、D−グルコースが酸化されたD−グルコン酸)、末端のC原子がカルボン酸となったウロン酸(D−グルコースが酸化されたD−グルクロン酸))、アミノ基又はアミノ基の誘導体(例えば、アセチル化されたアミノ基)を有する糖(例えば、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−D−ガラクトサミンなど)、アミノ基及びカルボキシル基を両方とも有する糖(例えば、N−アセチルノイラミン酸(シアル酸)、N−アセチルムラミン酸など)、デオキシ化された糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース)、硫酸基を含む硫酸化糖、リン酸基を含むリン酸化糖などである糖鎖が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において、好ましい糖鎖は、GLP−1に付加された場合(糖鎖付加アミノ酸の形でGLP−1のアミノ酸と置換された場合)に、GLP−1の血中安定性を増大させ、かつ、より好ましくは血糖値抑制活性を消失させない糖鎖である。本発明のある態様において、好ましい糖鎖は、GLP−1に付加された場合(糖鎖付加アミノ酸の形でGLP−1のアミノ酸と置換された場合)に、GLP−1の血糖値抑制活性を増大させる糖鎖である。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドにおける糖鎖は特に限定されず、生体内で複合糖質(糖ペプチド(又は糖タンパク質)、プロテオグリカン、糖脂質等)として存在する糖鎖であってもよいし、生体内では複合糖質として存在しない糖鎖であってもよい。
生体内で複合糖質として存在する糖鎖は、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドが生体に投与されるという観点から好ましい。かかる糖鎖としては、生体内で糖ペプチド(又は糖タンパク質)としてペプチド(又はタンパク質)に結合している糖鎖であるN−結合型糖鎖、O−結合型糖鎖等が挙げられる。好ましくは、N−結合型糖鎖が用いられる。N結合型糖鎖としては、例えば、高マンノース(ハイマンノース)型、複合(コンプレックス)型、混成(ハイブリッド)型を挙げることができ、特に好ましくは、複合型が良い。
本発明で使用する好ましい複合型糖鎖としては、例えば、下記一般式
[式中、R及びRは、同一又は異なって、
を示す。Acはアセチル基を示す。]
で表される糖鎖等が挙げられる。
尚、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドにおいては、糖鎖が生体内で複合糖質として存在する糖鎖であっても、O−結合型及びN−結合型以外の方法でGLP−1ペプチドに結合していてもよい。例えば、上述のとおり、糖鎖がリンカーを介してCysやLysに結合しているものも、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドに含まれる。
本発明の好ましい一態様において、糖鎖は、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸A〜C、ヘパリン、へパラン硫酸、ケラタン硫酸を含む、比較的低分子のグリコサミノグリカンである。これらの糖鎖は、アミノ糖(N−アセチルグルコサミン又はN−アセチルガラクトサミン)と、ウロン酸(グルクロン酸又はL−イズロン酸)とからなる二糖単位の繰り返しが直鎖状に連なっている。なお、本明細書において、比較的低分子のグリコサミノグリカンとは、例えば分子量が約10kDa以下、好ましくは6kDa以下、さらに好ましくは約4kDa以下であること、あるいは、糖の数が約50個以下、好ましくは30個以下、さらに好ましくは20個以下であることをいう。
本発明の一態様において、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドにおける糖鎖は、4個以上、例えば5個以上、7個以上、特に9個以上、11個以上の糖からなる糖鎖であることが好ましい。
本発明の好ましい一態様において、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドにおける糖鎖は、5〜11個、9〜11個又は11個の糖からなる糖鎖である。
本発明の好ましい一態様において、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドにおける糖鎖は、2本鎖の複合型糖鎖である。複合型糖鎖とは、2種類以上の単糖を含み、以下に示す基本構造と、Galβ1−4GlcNAcで示されるラクトサミン構造を有することを特徴とする。
2本鎖複合型糖鎖とは、基本構造の末端の2つのマンノースに、それぞれ0〜3糖からなる1本鎖の糖鎖が結合しているものをいう。2本鎖複合型糖鎖としては、例えば、以下に示すジシアロ糖鎖、
モノシアロ糖鎖、
アシアロ糖鎖、
ジグルクナック糖鎖、
ジマンノース糖鎖、
等が好ましく、より好ましくはジシアロ糖鎖である。
また、本明細書中において「ジシアロ糖鎖」、「モノシアロ糖鎖」、「アシアロ糖鎖」、「ジグルクナック糖鎖」、「ジマンノース糖鎖」には、上記化学式で示したもののほか、化学式で示した例と結合様式の異なるものも含まれ、かかる糖鎖も本発明の糖鎖として好ましく用いられる。かかる糖鎖としては、例えば、ジシアロ糖鎖又はアシアロ糖鎖においてシアル酸とガラクトースが(α2→3)結合で結合しているもの等が挙げられる。
また、本発明で用いられる高マンノース型糖鎖は、上述した複合型糖鎖の基本構造に、さらにマンノースが2個以上結合している糖鎖である。高マンノース型糖鎖は嵩高いので、ペプチドに高マンノース型糖鎖を結合させることにより血中安定性がより高くなりうる。哺乳類の高マンノース型糖鎖のように、5〜9個のマンノースを含む糖鎖が好ましいが、酵母の高マンノース型糖鎖のように、より多くのマンノースを含む糖鎖であってもよい。本発明に好ましく用いられる高マンノース型糖鎖としては、例えば、
ハイマンノース−5(M−5)
ハイマンノース−9(M−9)
等を挙げることができる。
本発明において、好ましい糖鎖としては、例えば、ヒト体内において、タンパク質と結合した糖タンパク質として存在する糖鎖(例えば、「FEBS LETTERS Vol.50,No.3,Feb.1975」に記載の糖鎖)と、同一の構造を有する糖鎖(構成糖の種類及びそれらの結合様式が同一の糖鎖)又はこれの非還元末端から1又は複数の糖を失った糖鎖である、下記表1〜4に記載の糖鎖を挙げることができる。
また、本発明の一態様において、好ましい糖鎖は、直鎖構造を有する糖鎖である。かかる糖鎖としては、例えば、オリゴヒアルロン酸が挙げられる。本明細書において、オリゴヒアルロン酸とは、N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸が交互に2〜32糖、好ましくは2〜16糖、より好ましくは4〜8糖、直鎖上に結合した糖鎖をいう。
本発明に用いられるオリゴヒアルロン酸のうち、特に好ましいものとして、N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸とからなる単位を1単位とした場合、2単位(4糖)以上8単位(16糖)以下の糖鎖が挙げられ、さらに好ましくは、2単位(4糖)〜4単位(8糖)、最も好ましくは2単位(4糖)である。
本発明に好ましく用いられるヒアルロン酸としては、例えば、
4糖のオリゴヒアルロン酸、
8糖のオリゴヒアルロン酸
等が挙げられる。
本発明の好ましい一態様において、本発明の糖ペプチドにおける糖鎖の構造は、均一である。本明細書中において、糖ペプチドにおける糖鎖の構造が均一であるとは、糖ペプチド間で比較した場合に、ペプチド中の糖鎖付加部位、糖鎖を構成する各糖の種類、結合順序、及び糖間の結合様式が同一であることをいい、少なくとも90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上の糖鎖の構造が均一であることを言う。糖鎖が均一である糖ペプチドは、品質が一定であり、特に医薬品の製造や、アッセイなどの分野において好ましい。均一な糖鎖の割合は、例えば、HPLC、キャピラリー電気泳動、NMR、質量分析等を用いた方法によって測定することが可能である。
本発明において、好ましい糖鎖付加GLP−1ペプチドは、例えば、後述の実施例1〜15において製造した糖鎖付加GLP−1ペプチド(配列番号54〜66)である。すなわち、以下のGLP−1の配列:
His−Ala−Glu−Gly10−Thr11−Phe12−Thr13−Ser14−Asp15−Val16−Ser17−Ser18−Tyr19−Leu20−Glu21−Gly22−Gln23−Ala24−Ala25−Lys26−Glu27−Phe28−Ile29−Ala30−Trp31−Leu32−Val33−Lys34−Gly35−Arg36−Gly37(配列番号2)において:
(b1)26位のLys及び34位のLysがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例1)(配列番号54);
(b2)18位のSer及び36位のArgがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例2)(配列番号55);
(b3)22位のGly及び30位のAlaがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例3)(配列番号56);
(b4)22位のGly及び36位のArgがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例4)(配列番号57);
(b5)30位のAla及び36位のArgがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例5)(配列番号58);
(b6)30位のAlaがオリゴヒアルロン酸4糖(HA−4)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例6)(配列番号59);
(b7)30位のAlaがオリゴヒアルロン酸8糖(HA−8)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例7)(配列番号60);
(b8)36位のArgがオリゴヒアルロン酸4糖(HA−4)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例8)(配列番号61);
(b9)36位のArgがオリゴヒアルロン酸8糖(HA−8)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例9)(配列番号62);
(b10)30位のAlaがオリゴヒアルロン酸16糖(HA−16)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例10)(配列番号63);
(b11)36位のArgがオリゴヒアルロン酸16糖(HA−16)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例11)(配列番号64);
(b12)36位のArgが高マンノース型糖鎖(M5)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例12)(配列番号65);
(b13)26位のLysに、リンカーを介してアシアロ糖鎖付加Asnが結合した糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例13)(配列番号66)である。
また、
(b14)以下のエキセンジン−4の配列:
H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu10−Ser11−Lys12−Gln13−Met14−Glu15−Glu16−Glu17−Ala18−Val19−Arg20−Leu21−Phe22−Ile23−Glu24−Trp25−Leu26−Lys27−Asn28−Gly29−Gly30−Pro31−Ser32−Ser33−Gly34−Ala35−Pro36−Pro37−Pro38−Ser39−NH(配列番号50)において:
30位のGlyがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例14)(配列番号67)である。
さらに、
(b15)以下のBIM51077の配列:
His−R2−Glu−Gly10−Thr11−Phe12−Thr13−Ser14−Asp15−Val16−Ser17−Ser18−Tyr19−Leu20−Glu21−Gly22−Gln23−Ala24−Ala25−Lys26−Glu27−Phe28−Ile29−Ala30−Trp31−Leu32−Val33−Lys34−R235−Arg36−NH[式中、R2はα−メチルアラニンを示す。](配列番号52)において:
26位のLysがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例15)(配列番号68)である。
また、
(b16)上記エキセンジン‐4の配列(配列番号50)において、30位のGlyが高マンノース型糖鎖(M5)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例16)である。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、当業者に公知のペプチド合成方法に、糖鎖付加工程を組み込むことで製造することができる。糖鎖付加に際しては、トランスグルタミナーゼに代表される、酵素の逆反応を利用する方法も用いることができるが、この場合、付加する糖鎖が大量に必要になる、最終工程後の精製が煩雑になる、糖鎖の付加位置及び付加可能な糖鎖が制限される、等の問題があるため、アッセイ用等の少量の合成には用いることが可能でも、医薬品製造等の大規模な製造には実用的な方法とは言えないことがある。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドの簡便な製造方法であって、かつ、糖鎖の構造が均一である糖鎖付加GLP−1ペプチドの安定した製造方法の具体例として、以下、糖鎖付加アミノ酸として糖鎖付加Asnを使用し、固相合成、液相合成等の公知のペプチド合成方法を適用することにより糖鎖付加GLP−1ペプチドを製造する方法(A法)、及びGLP−1の任意のアミノ酸をCysで置換したペプチドを公知のペプチド合成方法に従って製造し、その後、Cysに化学合成により糖鎖を付加し、糖鎖付加GLP−1ペプチドを製造する方法(B法)を例示する。さらに、糖鎖付加アミノ酸において糖鎖とアミノ酸がリンカーを介して結合しており、且つ、当該リンカーが糖鎖側末端にアミノ酸を含む糖鎖付加GLP−1ペプチドの製造例として、まず糖鎖付加Asnにリンカーの一端を結合した後、リンカーの他端にN−ヒドロキシコハク酸イミジル基を結合させ、N−ヒドロキシコハク酸イミジル基をGLP−1ペプチドのLys残基の側鎖アミノ基と反応させて、糖鎖付加GLP−1ペプチドを製造する方法(C法)を示す。これらの製造方法を参考に、当業者であれば様々な糖鎖付加GLP−1ペプチドを製造することが可能であり、得られる糖鎖付加GLP−1ペプチド及びその製造方法は、特に医薬品製造の分野において、非常に有用である。また、これらのA法〜C法は、2つ以上を組み合わせて行うことも可能である。アッセイなどに用いる少量の合成であれば、さらに、上記の方法に、転移酵素による糖鎖伸長反応を組み合わせることも可能である。なお、A法は、国際公開第WO2004/005330号パンフレット(US2005222382(A1))に、B法は、国際公開第WO2005/010053号パンフレット(US2007060543(A1))に、それぞれ記載されており、その開示は全体として本明細書に参照により組み込まれる。また、A法乃至C法において用いられる糖鎖構造が均一な糖鎖の製造に関しては、第WO03/008431号パンフレット(US2004181054(A1))、第WO2004/058984号パンフレット(US2006228784(A1))、第WO2004/058824号パンフレット(US2006009421(A1))、第WO2004/070046号パンフレット(US2006205039(A1))、第WO2007/011055号パンフレット等に記載されており、その開示は全体として本明細書に参照により組み込まれる。
糖鎖付加GLP−1ペプチドを製造する方法(A法)
先ず、(1)水酸基を有する樹脂(レジン)の水酸基と、脂溶性保護基でアミノ基窒素が保護されたアミノ酸のカルボキシル基をエステル化反応させる。この場合アミノ酸のアミノ基窒素を脂溶性保護基で保護しているので、アミノ酸同士の自己縮合は防止され、レジンの水酸基とアミノ酸のカルボキシル基が反応してエステル化が起こる。
次に(2)上記で得られたエステルの脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させ、(3)この遊離アミノ基と、脂溶性保護基でアミノ基窒素が保護された任意のアミノ酸のカルボキシル基とアミド化反応させ、
(4)上記脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させ、
(5)上記(3)及び(4)の工程を1回以上繰り返すことにより、任意の数の任意のアミノ酸が連結した、末端にレジンを結合し、他端に遊離アミノ基を有するペプチドが得られる。
(6)次に、脂溶性保護基でアミノ基窒素が保護された糖鎖アスパラギン(糖鎖付加アスパラギン)のアスパラギン部分のカルボキシル基と上記遊離アミノ基をアミド化反応させ、
(7)更に上記脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させ、
(8)この遊離アミノ基と、脂溶性保護基でアミノ基窒素が保護された任意のアミノ酸のカルボキシル基とアミド化反応させ、
(9)上記(7)及び(8)の工程を1回以上繰り返し、
(10)上記脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させることにより、任意の数の任意のアミノ酸が連結した、末端にレジンを結合し、他端に遊離アミノ基を有し、中間に糖鎖アスパラギンを有する糖ペプチドが得られる。
(11)そして、酸で樹脂(レジン)を切断することにより、糖鎖アスパラギンをペプチド鎖の任意の位置に有する糖ペプチドを製造することができる。
また、この糖鎖アスパラギンをペプチド鎖の端部に導入することもできる。
水酸基を有する樹脂(レジン)としては、通常、固相合成で使用する水酸基を有する樹脂(レジン)であればよく、例えば、Amino−PEGAレジン(メルク社製)Wangレジン(メルク社製)、HMPA−PEGAレジン(メルク社製)等を用いることができる。
アミノ酸としては全てのアミノ酸を用いることができ、例えば、天然アミノ酸である、セリン(Ser)、アスパラギン(Asn)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、アラニン(Ala)、チロシン(Tyr)、グリシン(Gly)、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)、ヒスチジン(His)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、スレオニン(Thr)、システイン(Cys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、プロリン(Pro)を挙げることができる。
脂溶性保護基としては、例えば9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、ベンジル基、アリル基、アリルオキシカルボニル基、アセチル基等の、カーボネート系又はアミド系の保護基等を挙げることができる。脂溶性保護基を導入するには、例えばFmoc基を導入する場合には9−フルオレニルメチル−N−スクシニミジルカーボネートと炭酸水素ナトリウムを加えて反応を行うことにより導入できる。反応は0〜50℃、好ましくは室温で、約1〜5時間程度行うのが良い。
脂溶性保護基で保護したアミノ酸としては、上記のアミノ酸を上記の方法で製造することができる。また、市販のものも使用することができる。例えば、Fmoc−Ser、Fmoc−Asn、Fmoc−Val、Fmoc−Leu、Fmoc−Ile、Fmoc−AIa、Fmoc−Tyr、Fmoc−Gly、Fmoc−Lys、Fmoc−Arg、Fmoc−His、Fmoc−Asp、Fmoc−Glu、Fmoc−Gln、Fmoc−Thr、Fmoc−Cys、Fmoc−Met、Fmoc−Phe、Fmoc−Trp、Fmoc−Proを挙げることができる。
エステル化触媒として、例えば1−メシチレンスルホニル−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)等の公知の脱水縮合剤を用いることができる。アミノ酸と脱水縮合剤との使用割合は、前者1重量部に対して、後者が、通常1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部である。
エステル化反応は、例えば、固相カラムにレジンを入れ、このレジンを溶剤で洗浄し、その後アミノ酸の溶液を加えることにより行うのが好ましい。洗浄用溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、2−プロパノール、塩化メチレン等を挙げることができる。アミノ酸を溶解する溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、DMF、塩化メチレン等を挙げることができる。エステル化反応は0〜50℃、好ましくは室温で、約10分〜30時間程度、好ましくは15分〜24時間程度行うのが良い。
この時固相上の未反応の水酸基を無水酢酸等を用いてアセチル化してキャッピングすることも好ましい。
脂溶性保護基の脱離は、例えば塩基で処理することにより行うことができる。塩基としては、例えばピペリジン、モルホリン等を挙げることができる。その際、溶媒の存在下行うのが好ましい。溶媒としては、例えばDMSO、DMF、メタノール等を挙げることができる。
遊離アミノ基と、脂溶性保護基でアミノ基窒素が保護された任意のアミノ酸のカルボキシル基とのアミド化反応は、活性化剤及び溶媒の存在下行うのが好ましい。
活性化剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(WSC/HCl)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジエチルシアノホスホネート(DEPC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスピロリジノホスホニウム(DIPCI)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)、ヒドロキシフタルイミド(HOPht)、ペンタフルオロフェノール(Pfp−OH)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスホネート(HATU)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロジ−4−オキサ−1,2,3−ベンゾトリアジン(Dhbt)等を挙げることができる。
活性化剤の使用量は、脂溶性の保護基でアミノ基窒素が保護された任意のアミノ酸に対して、1〜20当量、好ましくは1〜10当量、さらに好ましくは、1〜5当量とするのが好ましい。
溶媒としては、例えばDMSO、DMF、塩化メチレン等を挙げることができる。反応は0〜50℃、好ましくは室温で、約10〜30時間程度、好ましくは15分〜24時間程度行うのが良い。脂溶性保護基の脱離は、上記と同様に行うことができる。
樹脂(レジン)からペプチド鎖を切断するには酸で処理するのが好ましい。酸としては、例えばトリフルオロ酢酸(TFA)、弗化水素(HF)等を挙げることができる。
上記(6)の、脂溶性保護基でアミノ基窒素が保護された糖鎖アスパラギンのアスパラギン部分のカルボキシル基とペプチドの遊離アミノ基をアミド化反応させ、(7)の、上記脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる工程を、適宜追加することにより、少なくとも2以上の糖鎖アスパラギンをペプチド鎖の任意の位置に有する糖ペプチドを製造することができる。またこの時、異なる糖鎖アスパラギンを用いることにより2種以上の糖鎖アスパラギンをペプチド鎖の任意の位置に有する糖ペプチドを製造することもできる。
また上記(6)の、脂溶性保護基でアミノ基窒素が保護された糖鎖アスパラギンのアスパラギン部分のカルボキシル基とアミド化反応させ、(7)の、上記脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる工程を、最終工程、即ち工程(9)及び(10)に代えて行うことにより、少なくとも1以上の糖鎖アスパラギンをペプチド鎖に有する糖ペプチドを製造することができる。
また、上記工程(1)を行う際、脂溶性保護基でアミノ基窒素が保護されたアミノ酸に代えて、脂溶性保護基でアミノ基窒素が保護された糖鎖アスパラギンのアスパラギン部分のカルボキシル基を、レジンの水酸基とエステル化反応させることにより、C末端に糖鎖アスパラギンを有する糖ペプチドを製造することができる。このとき、工程(6)をさらに行ってもよく、行わなくてもよい。
このようにして、所望の位置を糖鎖付加Asnで置換した糖鎖付加GLP−1ペプチドを得ることができる。
糖鎖付加GLP−1ペプチドを製造する方法(B法)
先ず、Cysを含むペプチドを、固相合成法、液相合成法、細胞による合成、天然に存在するものを分離抽出する方法等により製造する。Cysの位置を変えることにより、所望の位置に糖鎖を付加することができる。
次に、ハロアセタミド化複合型糖鎖誘導体を上記で得たCysを含むペプチドと反応させることにより製造する。上記反応は、通常0〜80℃、好ましくは、10〜60℃、更に好ましくは15〜35℃で行うのが良い。反応時間は、好ましくは、通常30分〜5時間程度である。反応終了後は、適宜、公知の方法(例えば、高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC))で精製するのが良い。
ハロアセタミド化複合型糖鎖誘導体は、例えば、複合型アスパラギン結合型糖鎖の1位の炭素に結合している水酸基を、−NH−(CO)−(CH−CHX(Xはハロゲン原子、aは整数であり、目的とするリンカー機能を阻害しない限り限定されるものではないが、好ましくは0〜4の整数を示す。)で置換した化合物である。
具体的には、ハロアセタミド化複合型糖鎖誘導体とCys含有ペプチドとをリン酸緩衝液中、室温で反応させる。反応終了後、HPLCで精製することにより糖鎖付加Cysで置換した糖鎖付加GLP−1ペプチドを得ることができる。
糖鎖付加GLP−1ペプチドを製造する方法(C法)
先ず、Lysを含むペプチドを、固相合成法、液相合成法、細胞による合成、天然に存在するものを分離抽出する方法等により製造する。
次に、糖鎖付加アミノ酸に、グルタル酸を結合させる。例えば、糖鎖付加アミノ酸をDMSO溶液に溶解させ、この溶液に、グルタル酸−EDC混合のDMSO溶液を加え、室温で1日撹拌する。反応混合物を適宜希釈した後、分子量排除ゲルクロマトグラフィー等で分画することにより、α−アミノ基にグルタル酸を結合させた糖鎖付加アミノ酸を得ることができる。
次いで、グルタル酸結合糖鎖付加アミノ酸のDMSO溶液に、N−ヒドロキシコハク酸イミドのDMSO溶液およびEDCのDMSO溶液を加え、室温で6時間撹拌した後、EDCを不活化することにより、グルタル酸結合糖鎖付加アミノ酸のN−ヒドロキシコハク酸イミジルエステルを合成することができる。
続いて、GLP−1ペプチドのDMSO溶液に、DIPEA及びグルタル酸結合糖鎖付加アミノ酸のN−ヒドロキシコハク酸イミジルエステルを加え、室温で2時間撹拌した後、グリシン水溶液を加えて反応を停止し、適宜精製することにより、GLP−1ペプチドのLys残基にグルタル酸リンカーを介して糖鎖付加アミノ酸を結合させることができる。こうして、糖鎖付加アミノ酸において糖鎖とアミノ酸(Lys)がリンカーを介して結合し、該リンカーが糖鎖側の末端にアミノ酸(Asn)を含む糖鎖付加GLP−1が得られる。
GLP−1ペプチドの所望の部位のアミノ酸をLysに置換したり、GLP−1ペプチドの野生型に含まれるLys残基を他のアミノ酸で置換したりすることにより、所望の部位に糖鎖付加アミノ酸を結合させた糖鎖付加GLP−1ペプチドを得ることが可能である。また、C法によれば、野生型GLP−1に含まれるLysに糖鎖付加する場合、ペプチド骨格が野生型と同一の糖鎖付加GLP−1ペプチドを得ることができる。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、GLP−1活性を有する。
本明細書中において、「GLP−1活性」とは、GLP−1について公知の生理活性の一部又は全部をいう。GLP−1は、血糖値抑制作用のほか、例えば、膵島作用として、cAMP合成誘導に伴うインスリン分泌、膵島保護(アポトーシス抑制)、膵島増殖、膵外作用として、食欲抑制、消化管運動抑制、カルシトニン分泌促進、虚血時の心保護作用等を有することが知られる。従って、GLP−1活性とは、これらの作用に関連する生理活性の全部又は一部を指し、それぞれ、当業者に公知の手法を用いて測定することができる。
例えば、GLP−1活性のうち、血糖値抑制活性は、糖尿病マウス(db/dbマウス)における血糖値低下作用の測定や、経口耐糖能試験(OGTT: Oral Glucose Tolerance Test)における血糖値上昇抑制作用の測定などを用いて測定することができる。なお、本明細書中において、「血糖値抑制」とは、血糖値の上昇を抑制すること及び血糖値を低下させることのいずれの概念も含む。特に、本明細書中において、db/dbマウスにおける血糖値抑制作用を「血糖値低下作用」、OGTTにおける血糖値抑制作用を「血糖値上昇抑制作用」ということがある。
OGTTによる血糖値抑制活性は、マウスに強制的に糖を飲ませた際の血糖値上昇の抑制の測定によって判断することができる。例えば、後述の試験例2の手法を用いた場合、まず、被験化合物を一晩絶食させたマウスに投与し、その30分後にグルコース溶液を経口投与する。グルコース投与によりマウス血糖値は上昇し、投与後約30分後に最大となり徐々に減少する。グルコース投与後30分の血糖値を測定し、GLP−1投与の場合の血糖値と比較することで、糖鎖付加GLP−1ペプチドの血糖値抑制作用を測定することができる。この30分後の血糖値をGLP−1を投与した場合と比較した場合、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、好ましくは80%以下、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは40%以下、特に好ましくは30%以下の血糖値を示す。また、OGTTにおいて同程度の血糖値上昇抑制作用が確認された際の投与量を比較することで、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドの血糖値抑制活性の強さを判断することができる。例えば、GLP−1を10投与した場合と、ある糖鎖付加GLP−1ペプチドを1投与した場合で同じ血糖値抑制作用が得られる場合、該糖鎖付加GLP−1ペプチドの血糖値抑制活性は、GLP−1の10倍である。本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、GLP−1と比較して、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上もしくはそれ以上の血糖値抑制活性を有する。
なお、糖鎖付加GLP−1ペプチドが、GLP−1において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたペプチドに糖鎖付加したものである場合や、GLP−1類縁体に糖鎖付加したものである場合、GLP−1活性を比較する対象として、GLP−1類縁体や、その糖鎖付加GLP−1ペプチドと糖鎖付加アミノ酸以外のアミノ酸配列が同一であるGLP−1ペプチドを用いてもよい。
db/dbマウスを用いた血糖値抑制活性は、糖尿病マウスに被験化合物を投与後の血糖値の測定によって判断することができる。例えば、被験化合物投与後の血糖値を経時で測定し、例えば投与後120分の血糖値が投与時より低下していれば、血糖値低下作用を確認することができる。また、例えば投与後300分の血糖値を測定することで、血糖値低下作用の持続性も判断することができる。例えば、投与後120分の血糖値をGLP−1投与の場合と比較した場合、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、特に好ましくは60%以下、の血糖値を示す。また、投与後120分の血糖値を、投与時の血糖値と比較した場合、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下、特に好ましくは50%以下(例えば45%以下)の血糖値を示す。投与後300分の血糖値をGLP−1投与の場合と比較した場合、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下の血糖値を示す。また、投与後300分の血糖値を、投与時の血糖値と比較した場合、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下の血糖値を示す。
なお、血糖値抑制活性がGLP−1と比較して低い場合あっても、血中安定性が増大することで、この活性の低さを補償することができる。
例えば、GLP−1活性のうち、インスリン分泌活性は、in vitroでのcAMP合成能試験などを用いて測定することができる。GLP−1はGLP−1受容体と結合することにより細胞内cAMP濃度を上昇させ、インシュリン分泌を促進させる。従って、例えば、マウスGLP−1受容体発現CHO−K1細胞を糖鎖付加GLP−1ペプチドで刺激し、細胞内で合成されるcAMP量を測定し、EC50値をGLP−1と比較することで、糖鎖付加GLP−1ペプチドのインスリン分泌活性を測定することができる。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、GLP−1よりも増大した血中安定性を有する。血中安定性は当業者に公知の手法を用いて測定することができ、例えば、血漿中における安定性や、DPP−IV(ジペプチジルペプチダーゼIV)に対する耐性を測定し、半減期、AUC(薬物血中濃度−時間曲線下面積)等を指標に判断することができる。また、腎クリアランスの増大も血中安定性の増大に寄与する。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、GLP−1と比較して、血漿中における安定性が増大している。
DPP−IVに対する耐性は、例えば後述の試験例1のように、DPP−IV溶液中における半減期の測定により判断することができる。本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、GLP−1と比較して、DPP−IVに対する耐性が増大しており、例えば後述の試験例1の手法を用いてDPP−IVに対する耐性を測定した場合、その半減期は、GLP−1と比較して1.2倍以上、(例えば2倍以上)、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上、特に好ましくは20倍以上(例えば100倍以上)増大している。
また、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、好ましくは少なくとも1時間、より好ましくは少なくとも3、5、7、10、15、20時間及びさらに好ましくは少なくとも24時間の血中半減期を有する。
次に、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドを有効成分として含有する医薬組成物について説明する。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドを有効成分として含有する医薬組成物は、GLP−1に関連する疾患の治療又は予防に有効である。上述の通り、GLP−1には種々の作用が知られており、これらの作用に関連する疾患も様々である。例えば、GLP−1が、インスリン放出を刺激することにより、細胞によるグルコース取り込み及び血糖値の低下を引き起こすことが見出されている。また、胃及び/又は腸運動性を抑制すること、胃及び/又は腸内容排出を抑制すること並びに食物摂取を抑制することも見出されている。従って、GLP−1に関連する疾患には、例えば、非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)、インスリン依存性糖尿病、脳卒中(Efendicによる国際公開公報第WO00/16797号パンフレットを参照)、心筋梗塞(Efendicによる国際公開公報第WO98/08531号パンフレットを参照)、肥満(Efendicによる国際公開公報第WO98/19698号パンフレットを参照)、機能性消化不良、過敏性腸症候群(Efendicによる国際公開公報第WO99/64060号パンフレットを参照)、膵島移植が含まれる。本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドを有効成分として含有する医薬組成物は、特に糖尿病の治療又は予防に有効であり、より特定すれば、1型糖尿病の予防、2型糖尿病の治療に有効である。
上記医薬組成物は、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を用いて、通常の医薬組成物の形態に製剤したものである。
このような医薬組成物としては、例えば、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤等が挙げられる。
医薬組成物中に含有される本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドの量は、特に限定されず広い範囲内から適宜選択することができるが、通常、医薬組成物中に本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドを1〜70重量%含有させるのが好ましい。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドを有効成分として含有する医薬組成物は、さらに他の有効成分を含有することもできるし、他の有効成分を含有する医薬組成物と組み合わせて用いることもできる。また、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドを有効成分として含有する医薬組成物は、さらに異なる1以上の本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドを有効成分として含有することもできるし、異なる1以上の本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドを有効成分として含有する医薬組成物と組み合わせて用いることもできる。
本発明に係る医薬組成物の投与方法としては特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別、疾患の状態、その他の条件に応じた方法で投与される。錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合の投与方法としては、例えば、経口投与が挙げられる。また、注射剤の場合には、単独で、又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して、静脈内、筋肉内、皮内、皮下又は腹腔内に投与することができる。坐剤の場合には、直腸内に投与される。
上記医薬組成物の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度、その他の条件に応じて適宜選択すればよく、通常、体重1kgに対して本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドが0.1〜900nmol、好ましくは1〜90nmolとなる投与量である。本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドはGLP−1に比べ、血中安定性が非常に高く、また、一態様において、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドはGLP−1に比べ、血糖値抑制活性が非常に高いため、投与量を減らすことができるという利点がある。
上記医薬組成物の投与回数は、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度、その他の条件に応じて適宜選択すればよく、例えば、3回/1日、2回/1日、1回/1日、さらにはその血中安定性に応じて、より頻度の少ない投与回数(例えば、1回/週、1回/月など)も選択しうる。好ましくは、上記医薬組成物の投与回数は、1回以下/1日である。本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドはGLP−1に比べ、血中安定性が非常に高いため、投与回数を減らすことができるという利点がある。
本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドに付加された糖鎖は、体内の代謝系で容易に分解される。また、本発明の一態様において、該糖鎖は生体内で糖ペプチド(又は糖タンパク質)として結合して存在する構造を有する。従って、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチド及び該ペプチドを有効成分として含む医薬組成物は、生体内に投与しても副作用や抗原性を示すことがなく、アレルギー反応や、抗体産生により薬効が得られなくなる心配が少ないなどの利点を有する。
さらに、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドは安定して簡便に大量に供給することが可能であり、品質の安定した、高品質の医薬品の提供という観点からも、非常に有用である。
本発明はまた、本発明の糖鎖付加GLP−1ペプチドの有効量を投与することを特徴とする、GLP−1に関連する疾患の治療又は予防方法も提供する。
なお、本明細書において用いられる用語は、特定の実施態様を説明するために用いられるのであり、発明を限定する意図ではない。
また、本明細書において用いられる「含む」との用語は、文脈上明らかに異なる理解をすべき場合を除き、記述された事項(部材、ステップ、要素、数字など)が存在することを意図するものであり、それ以外の事項(部材、ステップ、要素、数字など)が存在することを排除しない。
異なる定義が無い限り、ここに用いられるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む。)は、本発明が属する技術の当業者によって広く理解されるのと同じ意味を有する。ここに用いられる用語は、異なる定義が明示されていない限り、本明細書及び関連技術分野における意味と整合的な意味を有するものとして解釈されるべきであり、理想化され、又は、過度に形式的な意味において解釈されるべきではない。
本発明の実施態様は模式図を参照しつつ説明される場合があるが、模式図である場合、説明を明確にするために、誇張されて表現されている場合がある。
第一の、第二のなどの用語が種々の要素を表現するために用いられるが、これらの要素はそれらの用語によって限定されるべきではないことが理解される。これらの用語は一つの要素を他の要素と区別するためのみに用いられているのであり、 例えば、第一の要素を第二の要素と記し、同様に、第二の要素は第一の要素と記すことは、本発明の範囲を逸脱することなく可能である。
以下において、本発明を、実施例を参照してより詳細に説明する。しかしながら、本発明はいろいろな態様により具現化することができ、ここに記載される実施例に限定されるものとして解釈されてはならない。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが何らこれらに限定されるものではない。
実施例1 26位,34位Cys−ジシアロ糖鎖付加GLP−1ペプチドの合成法
固相合成用カラムにAmino−PEGA resin(メルク社製)(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に洗浄した後、DMFで十分に膨潤させた。4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸(HMPB)(0.25mmol)、TBTU(0.25mmol)及びN−エチルモルホリン(0.25mmol)をDMF(2ml)に溶解させてカラムに入れ、室温で4時間攪拌した。樹脂をDMF及びDCMで十分に洗浄し、HMPB−PEGA resinを得、固相合成の固相として用いた。
Fmoc−Gly(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN−メチルイミダゾール(0.375mmol)をDCM(2ml)に溶解させて、固相合成用カラムに入れ、25℃で3時間攪拌した。
攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄した。Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を縮合させた。
Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸をN−メチルピロリドン(NMP)(1ml)に溶解させ、0.45M HCTU・HOBT/NMP(0.4mmol)を加えた後に、固相合成用カラムに加え、続いて0.9M DIPEA/NMP(0.8mmol)を固相合成用カラムに加えた。室温で20分間攪拌した後、樹脂をDCM及びDMFを用いて洗浄し、Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。この操作を繰り返し、Fmoc基で保護したアミノ酸(0.5mmol)を使用しアミノ酸を順次縮合させた。
Fmoc基で保護したアミノ酸にはFmoc−Gly,Fmoc−Arg(Pbf),Fmoc−Gly,Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Val,Fmoc−Leu,Fmoc−Trp(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ile,Fmoc−Phe,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Ala,Fmoc−Ala,Fmoc−Gln(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Leu,Fmoc−Tyr(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Val,Fmoc−Asp(OtBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Phe,Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Ala,Fmoc−His(Trt)を用い、固相樹脂上にGly−Arg(Pbf)−Gly−Cys(Trt)−Val−Leu−Trp(Boc)−Ala−Ile−Phe−Glu(OtBu)−Cys(Trt)−Ala−Ala−Gln(Trt)−Gly−Glu(OtBu)−Leu−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Val−Asp(OtBu)−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Gly−Glu(OtBu)−Ala−His(Trt)の31残基のペプチドを得た(配列番号69)。
得られたペプチドを形成した樹脂を一部固相合成用カラムにとり、トリフルオロ酢酸:水:TIPS(=95:2.5:2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加え、3時間室温で撹拌した。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ20 x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 8.0ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の26位及び34位のLysがCysで置換されたペプチドが得られた。
以下に示すブロモアセチル化したジシアロ糖鎖(a)(大塚化学株式会社製)10.5mgと上記で合成したペプチド鎖2.1mgを100mMリン酸緩衝液pH7.5、210μlに溶かし、37℃で4時間反応させた。
HPLCで原料消失を確認した後、そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の26及び34位のLysが糖鎖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(26,34Cys GLP−1−disialo)を0.1mg得た。
実施例2 18位,36位Cys−ジシアロ糖鎖付加GLP−1の合成法
固相合成用カラムにAmino−PEGA resin(メルク社製)(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に洗浄した後、DMFで十分に膨潤させた。4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸(HMPB)(0.25mmol)、TBTU(0.25mmol)及びN−エチルモルホリン(0.25mmol)をDMF(2ml)に溶解させてカラムに入れ、室温で4時間攪拌した。樹脂をDMF及びDCMで十分に洗浄し、HMPB−PEGA resinを得、固相合成の固相として用いた。
Fmoc−Gly(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN−メチルイミダゾール(0.375mmol)をDCM(2ml)に溶解させて、固相合成用カラムに入れ、25℃で3時間攪拌した。
攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄した。Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を縮合させた。
Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸をN−メチルピロリドン(NMP)(1ml)に溶解させ、0.45M HCTU・HOBT/NMP(0.4mmol)を加えた後に、固相合成用カラムに加え、続いて0.9M DIPEA/NMP(0.8mmol)を固相合成用カラムに加えた。室温で20分間攪拌した後、樹脂をDCM及びDMFを用いて洗浄し、Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。この操作を繰り返し、Fmoc基で保護したアミノ酸(0.5mmol)を使用しアミノ酸を順次縮合させた。
Fmoc基で保護したアミノ酸にはFmoc−Gly,Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Val,Fmoc−Leu,Fmoc−Trp(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ile,Fmoc−Phe,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ala,Fmoc−Gln(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Leu,Fmoc−Tyr(tBu),Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Val,Fmoc−Asp(OtBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Phe,Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Ala,Fmoc−His(Trt)を用い、固相樹脂にGly−Cys(Trt)−Gly−Lys(Boc)−Val−Leu−Trp(Boc)−Ala−Ile−Phe−Glu(OtBu)−Lys(Boc)−Ala−Ala−Gln(Trt)−Gly−Glu(OtBu)−Leu−Tyr(tBu)−Cys(Trt)−Ser(tBu)−Val−Asp(OtBu)−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Gly−Glu(OtBu)−Ala−His(Trt)の31残基ペプチドを得た(配列番号70)。
得られたペプチドを形成した樹脂を一部固相合成用カラムにとり、トリフルオロ酢酸:水:TIPS(=95:2.5:2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加え、3時間室温で撹拌した。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ20 x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 8.0ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の18位のSer及び36位のArgがCysで置換されたペプチドが得られた。
ブロモアセチル化したジシアロ糖鎖(a)(大塚化学株式会社製)10.5mgと上記で合成したペプチド鎖2.1mgを100mMリン酸緩衝液pH7.5、210μlに溶かし、37℃で4時間反応させた。HPLCで原料消失を確認した後、そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の18位のSer及び36位のArgが糖鎖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(18,36Cys GLP−1−disialo)を0.8mg得た。
実施例3 22位,30位Cys−ジシアロ糖鎖付加GLP−1の合成法
固相合成用カラムにAmino−PEGA resin(メルク社製)(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に洗浄した後、DMFで十分に膨潤させた。4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸(HMPB)(0.25mmol)、TBTU(0.25mmol)及びN−エチルモルホリン(0.25mmol)をDMF(2ml)に溶解させてカラムに入れ、室温で4時間攪拌した。樹脂をDMF及びDCMで十分に洗浄し、HMPB−PEGA resinを得、固相合成の固相として用いた。
Fmoc−Gly(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN−メチルイミダゾール(0.375mmol)をDCM(2ml)に溶解させて、固相合成用カラムに入れ、25℃で3時間攪拌した。
攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄した。Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を縮合させた。
Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸をN−メチルピロリドン(NMP)(1ml)に溶解させ、0.45M HCTU・HOBT/NMP(0.4mmol)を加えた後に、固相合成用カラムに加え、続いて0.9M DIPEA/NMP(0.8mmol)を固相合成用カラムに加えた。室温で20分間攪拌した後、樹脂をDCM及びDMFを用いて洗浄し、Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。この操作を繰り返し、Fmoc基で保護したアミノ酸(0.5mmol)を使用しアミノ酸を順次縮合させた。
Fmoc基で保護したアミノ酸にはFmoc−Gly,Fmoc−Arg(Pbf),Fmoc−Gly,Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Val,Fmoc−Leu,Fmoc−Trp(Boc),Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Ile,Fmoc−Phe,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ala,Fmoc−Gln(Trt),Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Leu,Fmoc−Tyr(tBu),Fmoc−Ser(Trt),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Val,Fmoc−Asp(OtBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Phe,Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Ala,Fmoc−His(Trt)を用い、固相樹脂にGly−Arg(Pbf)−Gly−Lys(Boc)−Val−Leu−Trp(Boc)−Cys(Trt)−Ile−Phe−Glu(OtBu)−Lys(Boc)−Ala−Ala−Gln(Trt)−Cys(Trt)−Glu(OtBu)−Leu−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Val−Asp(OtBu)−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Gly−Glu(OtBu)−Ala−His(Trt)の31残基ペプチドを得た(配列番号71)。
得られたペプチドを形成した樹脂を一部固相合成用カラムにとり、トリフルオロ酢酸:水:TIPS(=95:2.5:2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加え、3時間室温で撹拌した。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ20x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 8.0ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の22位のGly及び30位のAlaがCysで置換されたペプチドが得られた。
ブロモアセチル化したジシアロ糖鎖(a)(大塚化学株式会社製)7.9mgと上記で合成したペプチド鎖1.3mgを100mMリン酸緩衝液pH7.4、200μlに溶かし、37℃で4時間反応させた。HPLCで原料消失を確認した後、そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の22位のGly及び30位のAlaが糖鎖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(22,30Cys GLP−1−disialo)を1.0mg得た。
実施例4 22位,36位Cys−ジシアロ糖鎖付加GLP−1の合成法
固相合成用カラムにAmino−PEGA resin(メルク社製)(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に洗浄した後、DMFで十分に膨潤させた。4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸(HMPB)(0.25mmol)、TBTU(0.25mmol)及びN−エチルモルホリン(0.25mmol)をDMF(2ml)に溶解させてカラムに入れ、室温で4時間攪拌した。樹脂をDMF及びDCMで十分に洗浄し、HMPB−PEGA resinを得、固相合成の固相として用いた。
Fmoc−Gly(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN−メチルイミダゾール(0.375mmol)をDCM(2ml)に溶解させて、固相合成用カラムに入れ、25℃で3時間攪拌した。
攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄した。Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を縮合させた。
Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸をN−メチルピロリドン(NMP)(1ml)に溶解させ、0.45M HCTU・HOBT/NMP(0.4mmol)を加えた後に、固相合成用カラムに加え、続いて0.9M DIPEA/NMP(0.8mmol)を固相合成用カラムに加えた。室温で20分間攪拌した後、樹脂をDCM及びDMFを用いて洗浄し、Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。この操作を繰り返し、Fmoc基で保護したアミノ酸(0.5mmol)を使用しアミノ酸を順次縮合させた。
Fmoc基で保護したアミノ酸にはFmoc−Gly,Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Val,Fmoc−Leu,Fmoc−Trp(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ile,Fmoc−Phe,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ala,Fmoc−Gln(Trt),Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Leu,Fmoc−Tyr(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Val,Fmoc−Asp(OtBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Phe,Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Ala,Fmoc−His(Trt)を用い、固相樹脂にGly−Cys(Trt)−Gly−Lys(Boc)−Val−Leu−Trp(Boc)−Ala−Ile−Phe−Glu(OtBu)−Lys(Boc)−Ala−Ala−Gln(Trt)−Cys(Trt)−Glu(OtBu)−Leu−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Val−Asp(OtBu)−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Gly−Glu(OtBu)−Ala−His(Trt)の31残基ペプチドを得た(配列番号72)。
得られたペプチドを形成した樹脂を一部固相合成用カラムにとり、トリフルオロ酢酸:水:TIPS(=95:2.5:2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加え、3時間室温で撹拌した。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ20 x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 8.0ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の22位のGly及び36位のArgがCysで置換されたペプチドが得られた。
ブロモアセチル化したジシアロ糖鎖(a)(大塚化学株式会社製)11.9mgと上記で合成したペプチド鎖2.0mgを100mMリン酸緩衝液pH7.4、400μlに溶かし、37℃で1時間反応させた。HPLCで原料消失を確認した後、そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の22位のGly及び36位のArgが糖鎖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(22,36Cys GLP−1−disialo)を2.9mg得た。
実施例5 30位,36位Cys−ジシアロ糖鎖付加GLP−1の合成法
固相合成用カラムにAmino−PEGA resin(メルク社製)(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に洗浄した後、DMFで十分に膨潤させた。4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸(HMPB)(0.25mmol)、TBTU(0.25mmol)及びN−エチルモルホリン(0.25mmol)をDMF(2ml)に溶解させてカラムに入れ、室温で4時間攪拌した。樹脂をDMF及びDCMで十分に洗浄し、HMPB−PEGA resinを得、固相合成の固相として用いた。
Fmoc−Gly(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN−メチルイミダゾール(0.375mmol)をDCM(2ml)に溶解させて、固相合成用カラムに入れ、25℃で3時間攪拌した。
攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄した。Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を縮合させた。
Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸をN−メチルピロリドン(NMP)(1ml)に溶解させ、0.45M HCTU・HOBT/NMP(0.4mmol)を加えた後に、固相合成用カラムに加え、続いて0.9M DIPEA/NMP(0.8mmol)を固相合成用カラムに加えた。室温で20分間攪拌した後、樹脂をDCM及びDMFを用いて洗浄し、Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。この操作を繰り返し、Fmoc基で保護したアミノ酸(0.5mmol)を使用しアミノ酸を順次縮合させた。
Fmoc基で保護したアミノ酸にはFmoc−Gly,Cys(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Val,Fmoc−Leu,Fmoc−Trp(Boc),Cys(Trt),Fmoc−Ile,Fmoc−Phe,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ala,Fmoc−Gln(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Leu,Fmoc−Tyr(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Val,Fmoc−Asp(OtBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Phe,Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Ala,Fmoc−His(Trt)を用い、固相樹脂にGly−Cys(Trt)−Gly−Lys(Boc)−Val−Leu−Trp(Boc)−Cys(Trt)−Ile−Phe−Glu(OtBu)−Lys(Boc)−Ala−Ala−Gln(Trt)−Gly−Glu(OtBu)−Leu−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Val−Asp(OtBu)−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Gly−Glu(OtBu)−Ala−His(Trt)の31残基ペプチドを得た(配列番号73)。
得られたペプチドを形成した樹脂を一部固相合成用カラムにとり、トリフルオロ酢酸:水:TIPS(=95:2.5:2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加え、3時間室温で撹拌した。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ20 x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 8.0ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の30位のAla及び36位のArgがCysで置換されたペプチドが得られた。
ブロモアセチル化したジシアロ糖鎖(a)(大塚化学株式会社製)11.4mgと上記で合成したペプチド鎖2.1mgを100mMリン酸緩衝液pH7.4、400μlに溶かし、37℃で1時間反応させた。HPLCで原料消失を確認した後、そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の30位のAla及び36位のArgが糖鎖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(30,36Cys GLP−1−disialo)を1.6mg得た。
実施例6 30位Cys−ヒアルロン酸4糖(HA−4)付加GLP−1ペプチドの合成法
合成例1にて得られたヒアルロン酸4糖(以下、実施例において、オリゴヒアルロン酸を単に「ヒアルロン酸」と呼ぶこともある。)12.7mgに水25.4μl、ジメチルスルホキシド(DMSO)483μlを加えて溶かした。この溶液に炭酸水素アンモニウム200mgを加え37℃で30時間処理した後、凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品に炭酸水素ナトリウム22.4mg、水300μlを加え、予め17μlのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた無水ブロモ酢酸(アルドリッチ社製)34.9mgを加え、氷冷しながら1時間反応させた。1時間後、反応系を室温に戻しさらに1時間反応させた後、ゲルろ過にて精製を行い、以下に示すブロモアセチル化ヒアルロン酸4糖(I)11.5mgを得た。
得られたブロモアセチル化ヒアルロン酸4糖(I)2.4mgと合成例2で合成したGLP−1の30位のAlaがCysで置換されたペプチド(配列番号76)1.3mgを100mMリン酸緩衝液pH7.5、130μlに溶かし、37℃で1.5時間反応させた。HPLCで原料消失を確認した後、そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]にて精製し、30位のAlaがヒアルロン酸4糖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(30Cys GLP−1−HA−4)1.0mgを得た。
実施例7 30位Cys−ヒアルロン酸8糖(HA−8)付加 GLP−1ペプチドの合
成法
合成例1にて得られたヒアルロン酸8糖8.7mgに水17.4μl、ジメチルスルホキシド(DMSO)314μlを加えて溶かした。この溶液に炭酸水素アンモニウム100mgを加え37℃で45時間処理した後、凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品に炭酸水素ナトリウム7.6mg、水180μlを加え、予め7μlのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた無水ブロモ酢酸(アルドリッチ社製)13.8mgを加え、氷冷しながら1時間反応させた。1時間後、反応系を室温に戻しさらに1時間反応させた後、ゲルろ過にて精製を行い、以下に示すブロモアセチル化ヒアルロン酸8糖(II)7.3mgを得た。
得られたブロモアセチル化ヒアルロン酸8糖(II)2.9mgと合成例2で合成したGLP−1の30位のAlaがCysで置換されたペプチド(配列番号76)1.5mgを100mMリン酸緩衝液pH7.5、150μlに溶かし、37℃で1.5時間反応させた。HPLCで原料消失を確認した後、そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]にて精製し、30位のAlaがヒアルロン酸8糖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(30Cys GLP−1−HA−8)0.5mgを得た。
実施例8 36位Cys−ヒアルロン酸4糖(HA−4)付加 GLP−1ペプチドの合成法
合成例1にて得られたヒアルロン酸4糖12.7mgに水25.4μl、ジメチルスルホキシド(DMSO)483μlを加えて溶かした。この溶液に炭酸水素アンモニウム200mgを加え37℃で30時間処理した後、凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品に炭酸水素ナトリウム22.4mg、水300μlを加え、予め17μlのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた無水ブロモ酢酸(アルドリッチ社製)34.9mgを加え、氷冷しながら1時間反応させた。1時間後、反応系を室温に戻しさらに1時間反応させた後、ゲルろ過にて精製を行いブロモアセチル化ヒアルロン酸4糖(I)11.5mgを得た。
得られたブロモアセチル化ヒアルロン酸4糖(I)1.1mgと合成例3で合成したGLP−1の36位のArgがCysで置換されたGLP−1ペプチド(配列番号78)1.5mgを100mMリン酸緩衝液pH7.5、130μlに溶かし、37℃で1.5時間反応させた。HPLCで原料消失を確認した後、そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]にて精製し、36位のArgがヒアルロン酸4糖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(36Cys GLP−1−HA−4)0.9mgを得た。
実施例9 36位Cys−ヒアルロン酸8糖(HA−8)付加GLP−1ペプチドの合成法
合成例1にて得られたヒアルロン酸8糖8.7mgに水17.4μl、ジメチルスルホキシド(DMSO)314μlを加えて溶かした。この溶液に炭酸水素アンモニウム100mgを加え37℃で45時間処理した後、凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品に炭酸水素ナトリウム7.6mg、水180μlを加え、予め7μlのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた無水ブロモ酢酸(アルドリッチ社製)13.8mgを加え、氷冷しながら1時間反応させた。1時間後、反応系を室温に戻しさらに1時間反応させた後、ゲルろ過にて精製を行いブロモアセチル化ヒアルロン酸8糖(II)7.3mgを得た。
得られたブロモアセチル化ヒアルロン酸8糖(II)2.4mgと合成例3で合成したGLP−1の36位のArgがCysで置換されたGLP−1ペプチド(配列番号78)1.5mgを100mMリン酸緩衝液pH7.5、130μlに溶かし、37℃で2時間反応させた。HPLCで原料消失を確認した後、そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]にて精製し、36位のArgがヒアルロン酸8糖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(36Cys GLP−1−HA−8)0.5mgを得た。
実施例10 30位Cys−ヒアルロン酸16糖(HA−16)付加GLP−1ペプチドの合成法
合成例1にて得られたヒアルロン酸16糖11.6mgに水35μl、ジメチルスルホキシド(DMSO)680μlを加えて溶かした。この溶液に炭酸水素アンモニウム260mgを加え37℃で75時間処理した後、凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品に炭酸水素ナトリウム5.5mg、水230μlを加え、予め5.1μlのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた無水ブロモ酢酸(アルドリッチ社製)10.2mgを加え、氷冷しながら1時間反応させた。1時間後、反応系を室温に戻しさらに1時間反応させた後、ゲルろ過にて精製を行い、以下に示すブロモアセチル化ヒアルロン酸16糖(III)8.7mgを得た。
ブロモアセチル化ヒアルロン酸(III)16糖3.1mgと合成例2で合成したペプチド鎖(配列番号76)1.0mgを100mMリン酸緩衝液pH7.5、190μlに溶かし、10mMトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩水溶液10μlを加え、37℃で8時間反応させた。HPLCで原料の減少が見られなくなったため、そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の30位のAlaがヒアルロン酸16糖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(30Cys GLP−1−HA−16)を0.4mg得た。
実施例11 36位Cys−ヒアルロン酸16糖(HA−16)付加GLP−1ペプチドの合成法
実施例10にて調製したブロモアセチル化ヒアルロン酸16糖(III)4.9mgと合成例3で合成した36位CysGLP−1ペプチド鎖(配列番号78)1.2mgを100mMリン酸緩衝液pH7.5、190μlに溶かし、10mMトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩水溶液36μlを加え、37℃で4時間反応させた。HPLCで原料消失を確認した後、そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の36位のArgがヒアルロン酸16糖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(36Cys GLP−1−HA−16)を0.3mg得た。
実施例12 36位Cys高マンノース型糖鎖(M5)付加GLP−1ペプチドの合成法
大豆パウダー100gを、500mlのアセトンで2回、500mlのメタノールで2回洗浄し脱脂大豆パウダー61.4gを得た。
得られた脱脂大豆パウダー43.0gに水430ml、液化酵素T(HBI社製)4.3gを加え、撹拌しながら70℃で19時間反応させた。反応液を遠心分離(10000G、10分)して上清と沈殿物に分け、上清800mlを得た。さらに沈殿物に水430ml、液化酵素T4.3gを加えて再度70℃で19時間反応させ、反応液を遠心分離(10000G、10分)して上清と沈殿物に分け、上清600mlを得た。得られた上清を合わせ(計1400ml)、500mMのリン酸緩衝液pH7.0を100ml、オリエンターゼONS(HBI社製)3.0gを加え、撹拌しながら50℃で19時間反応を行った。反応後の液をろ過して不溶物を除き、ロータリーエバポレーターにて液量が400mlになるまで濃縮した。得られた液を分画分子量1Kの限外ろ過膜(Minimate TFF Capsule 1K membrane ポール社製)を用いて限外ろ過を行った。
6時間の処理の後、膜を透過しなかった液230mlを回収した。回収した液に1Mトリス−塩酸緩衝液pH8.0を20ml、アジ化ナトリウム250mg、アクチナーゼE(科研製薬社製)423.5mgを加え37℃で82時間反応させた。反応液をろ過して不溶物を除いた後、ロータリーエバポレーターにて液量が100mlになるまで濃縮した。濃縮液を半分ずつ2回にわけてSephadex−G25(φ25mm×100mm)カラムにて分画し、糖鎖含有画分のみを集めて濃縮し2.22gを得た。
得られた糖鎖含有画分に蒸留水21.0ml、エタノール14.9mlを加えて溶かし、炭酸水素ナトリウム1.13g、Fmoc−OSu 2.02gを加え室温で16時間反応させた。反応後アセトン250mlを加え沈殿物をメンブレンフィルター(φ47mm、保持粒子経0.5μm アドバンテック東洋社製)でろ過した。膜上に残った不溶物を蒸留水に溶かして回収し、ロータリーエバポレーターにて液量が10ml以下になるまで濃縮した。濃縮液をSephadex−G25(φ25mm×100mm)カラムにて分画し、糖鎖含有画分を集めて濃縮し1.37gを得た。
これをさらに蒸留水4mlに溶かしてODSカラム(ワコーゲル100C18、φ25mm×150mm)にて分画し、糖鎖含有画分のみを集めて濃縮し、粗精製糖鎖48.6mgを得た。粗精製糖鎖をHPLC[カラム:YMC−PackODS−AM φ20×250mm、溶離液:アセトニトリル/25mM酢酸アンモニウム緩衝液=82/18、流速:8.0ml/min]にて精製し、ハイマンノース型Man5GlcNAc糖鎖(M5糖鎖)13.0mgを得た。
得られたM5糖鎖11.0mgに水165μlを加えて溶かした。この溶液に炭酸水素アンモニウム200mgを加え室温で41時間処理した後、凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品に炭酸水素ナトリウム12.5mg、水110μlを加え、予め10μlのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた無水ブロモ酢酸(アルドリッチ社製)19.9mgを加え、氷冷しながら1時間反応させた。1時間後、反応系を室温に戻しさらに1時間反応させた後、ゲルろ過にて精製を行い、以下に示すブロモアセチル化M5糖鎖(b)7.9mgを得た。
得られたブロモアセチル化M5糖鎖(b)4.1mgと合成例3で合成した36位のArgがCysで置換されたGLP−1ペプチド(配列番号78)1.2mgを100mMリン酸緩衝液pH7.5、190μlに溶かし、100mMトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩水溶液24μlを加え、37℃で10時間反応させた。反応後、HPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の36位のArgが高マンノース型M5糖鎖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(36Cys GLP−1−M5)を0.3mg得た。
実施例13 26位Lys−アシアロ糖鎖Asnリンカー修飾Arg34GLP−1(7−37)ペプチドの合成法
(1)アスパラギン結合アシアロ糖鎖グルタル酸の合成
10mLのナス型フラスコにて、アスパラギン結合アシアロ糖鎖(50.6mg、28.7μmol)をDMSO−水(4:1、v/v、1.5mL)に溶解させた。この溶液に0.52Mのグルタル酸−EDC混合(1:1、mol/mol)のDMSO溶液(100μL、51.7μmol)を加え、室温にて1日間撹拌した。反応混合物を蒸留水(1.5mL)で希釈した後、分子量排除ゲルクロマトグラフィー(Sephadex G−25、φ1.5×45cm、蒸留水)で3回繰り返し分画した。凍結乾燥後、以下に示すアスパラギン結合アシアロ糖鎖グルタル酸(c)(51.4mg)を得た。(MALDI TOF Mass calculated for [M+Na]+ 1891.66,found 1891.78)
(2)アスパラギン結合アシアロ糖鎖グルタル酸N−ヒドロキシコハク酸イミジルエステルの合成
1.5mLのエッペンドルフチューブにて、アスパラギン結合アシアロ糖鎖グルタル酸(c)(17.2mg、9.2μmol)のDMSO(200μL)溶液に、0.44MのN−ヒドロキシコハク酸イミドのDMSO溶液(25μL、11.0μmol)および0.37MのEDCのDMSO溶液(75μL、27.6μmol)を加えた。室温にて6時間撹拌した後、DTT(5.7mg、36.8μmol)を加え、EDCを不活性化した(Grabarek,Z.,Gergely,J.Anal.Biochem.1990,185,131−135)。そのまま、以下に示すアスパラギン結合アシアロ糖鎖グルタル酸N−ヒドロキシコハク酸イミジルエステル(d)を含むこの混合液を糖リンカー試薬(0.03M溶液)としてペプチドとの縮合に用いた。
(3)26位Lys−アシアロ糖鎖Asnリンカー修飾Arg34GLP−1(7−37)の合成
1.5mLのエッペンドルフチューブにて、合成例4で合成したLys26Arg34GLP−1(7−37)(配列番号80)(2.8mg、0.83μmol)のDMSO(300μL)溶液に、DIPEA(4.8μL、27.6μmol)および上記にて調製した0.03Mの糖リンカー試薬(150μL、4.5μmol)を加えた。室温にて2時間撹拌した後、グリシン(2mg、26.6μmol)の水溶液(200μL)を加え反応を停止し、そのままHPLC[カラム:Zorbax 300SB−CN、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 1.0ml/min、;B液10→40%(0−8min)40→50%(8−20min)linear gradient]にて保持時間15.5minのピークの画分を集め、凍結乾燥後、以下に示す26位Lys−アシアロ糖鎖Asnリンカー修飾Arg34GLP−1(7−37)(0.7mg)を得た。(MALDI TOF Mass calculated for [M(average)+H] 5236.35,found 5236.1)
実施例14 30位−Cys−ジシアロ糖鎖付加エキセンジン−4の合成法
合成例5にて合成したEx−4の30位のGlyがCysで置換された39残基のペプチド12.0mgとブロモアセチル化したジシアロ糖鎖(a)(大塚化学株式会社製)36mgを100mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4、5mMトリスカルボキシエチルホスフィン 1mL中、37℃で1時間反応させた。そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ20x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 8ml/min、;B液35→50% 20min linear gradient]で精製し、Ex−4の30位のGlyがジシアロ糖鎖付加Cysで置換された糖鎖付加Ex−4ペプチド(30Cys Ex−4−disialo)を10.6mg得た。(M:C271H422N58O123S MALDI TOF Mass calculated for [M+H]6493.63,found 6494.33)
実施例15 26位−Cys−ジシアロ糖鎖付加BIM51077の合成法
合成例6にて合成したBIM51077の26位のLysがCysで置換された30残基のペプチド(2.4mg,0.72μmol)およびグアニジン(216mg)を蒸留水(240μL)に溶解し、順次TCEP水溶液(100mM、100μL)、ブロモアセチル化したジシアロ糖鎖(a)(10mg/mL,100μL,4.26μmol)ならびに 、500mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4,100μL)を加えた。37℃で2時間反応させた。そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、BIM51077の26位のLysがジシアロ糖鎖付加Cysで置換された糖鎖付加BIM51077ペプチド(26Cys BIM51077−disialo)を1.9 mg得た。(MALDI TOF Mass calculated for [M(average)+H] 5578.72,found 5578.74)
実施例16 30位−Cys−M5糖鎖付加エキセンジン−4の合成法
合成例5にて合成したEx−4の30位のGlyがCysで置換された39残基のペプチド1.2mgと実施例12で合成したブロモアセチル化したM5糖鎖(b)3.9mgを35mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4、1mMトリスカルボキシエチルホスフィン 0.17mL中、37℃で3時間反応させた。そのままHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ4.6x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 0.7ml/min、;B液35→50% 20min linear gradient]で精製し、Ex−4の30位のGlyが高マンノース型M5糖鎖付加Cysで置換された糖鎖付加Ex−4ペプチド(30Cys Ex−4−M5)を0.5mg得た。( M:C233H362N54O97S MALDI TOF Mass calculated for [M(average)+H]5504.74,found 5506.85)
以下の表5は、実施例1〜16で得られた糖鎖付加GLP−1ペプチドのMSスペクトルデータ(MALDI−TOF mass)である。
比較例1
固相合成用カラムにAmino−PEGA resin(100μmol)を入れ、DCM、DMFで十分に洗浄した後、DMFで十分に膨潤させた。4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸(HMPB)(0.25mmol)、TBTU(0.25mmol)、N−エチルモルホリン(0.25mmol)をDMF(2ml)に溶解させてカラムに入れ、室温で4時間攪拌した。樹脂をDMF及びDCMで十分に洗浄し、HMPB−PEGA resinを得、固相合成の固相として用いた。
Fmoc−Gly(0.50mmol)とMSNT(0.50mmol)、N−メチルイミダゾール(0.375mmol)をDCM(2ml)に溶解させて、固相合成用カラムに入れ、25℃で3時間攪拌した。
攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄した。Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を縮合させた。
Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸をNMP(1ml)に溶解させ、0.45MHCTU・HOBT/NMP(0.4mmol)を加えた後に,固相合成用カラムに加え、続いて0.9MDIPEA/NMP(0.8mmol)を固相合成用カラムに加えた。室温で20分間攪拌した後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄し、Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。この操作を繰り返し、Fmoc基で保護したアミノ酸(0.5mmol)を使用しアミノ酸を順次縮合させた。
Fmoc基で保護したアミノ酸にはFmoc−Gly,Fmoc−Arg(Pbf),Fmoc−Gly,Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Val,Fmoc−Leu,Fmoc−Trp(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ile,Fmoc−Phe,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ala,Fmoc−Gln(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Leu,Fmoc−Tyr(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Val,Fmoc−Asp(OtBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Phe,Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Ala,Fmoc−His(Trt)を用い、固相樹脂にGly−Arg(Pbf)−Gly−Lys(Boc)−Val−Leu−Trp(Boc)−Ala−Ile−Phe−Glu(OtBu)−Lys(Boc)−Ala−Ala−Gln(Trt)−Gly−Glu(OtBu)−Leu−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Val−Asp(OtBu)−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Gly−Glu(OtBu)−Ala−His(Trt)の31残基ペプチドを得た(配列番号74)。
DCM及びDMFを用いて洗浄した後、31残基のペプチド5μmol相当の樹脂をエッペンチューブに移した。
得られたペプチドを形成した樹脂を一部固相合成用カラムにとり、トリフルオロ酢酸:水:TIPS(=95:2.5:2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加え、3時間室温で撹拌した。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC(Cadenza column C18 100×10mm 展開溶媒A:0.1%TFA水溶液 B:0.1%TFA アセトニトリル:水=90:10 グラジエントA:B=95:5→5:95 15分 流速3.0ml/min)で精製し、GLP−1を得た。
合成例1 オリゴヒアルロン酸糖鎖の合成
ヒアルロン酸(資生堂社製、平均分子量120万)500mgにpH4の酢酸緩衝液100mlを加え溶けるまでよく撹拌した。ヒアルロニダーゼ(CALBIOCHEM社製、Bovine Testes由来)を2.5kU加え、37℃で2日間反応させた。この溶液を濃縮後、再度45mlの酢酸緩衝液(pH4)に溶かし、ヒアルロニダーゼ(CALBIOCHEM社製、Bovine Testes由来)を4.5kU加え、37℃でさらに2日間反応させた。反応液を分子量分画3kDa、1kDa限外ろ過膜(ミリポア社製)を用いて分画し、凍結乾燥して分子量1〜3kDaのヒアルロン酸画分268.4mgを得た。
得られた分子量1〜3kDaヒアルロン酸画分には複数種類のオリゴヒアルロン酸が含まれているため、これを分離するためにHPLCにて分取を行った。分子量1〜3kDaのオリゴヒアルロン酸画分を少量の水に溶解させHPLC[カラム:Shodex Asahipak NH2P−90 20F 9μm,φ20.0x300mm、移動相:180mM NaH2PO4 aq]にて数回に分けて精製し、溶出ピークごとに分画した。得られた画分をゲルろ過にて脱塩し、凍結乾燥してオリゴヒアルロン酸(4糖〜18糖)を得た。以下に各オリゴヒアルロン酸の収量を示す。
オリゴヒアルロン酸4糖22.5mg(t=10.0min)
オリゴヒアルロン酸6糖51.1mg(t=11.8min)
オリゴヒアルロン酸8糖52.7mg(t=14.0min)
オリゴヒアルロン酸10糖27.0mg(t=17.0min)
オリゴヒアルロン酸12糖9.6mg(t=21.4min)
オリゴヒアルロン酸14糖7.8mg(t=27.6min)
オリゴヒアルロン酸16糖4.1mg(t=36.0min)
オリゴヒアルロン酸18糖2.0mg(t=47.4min)
合成例2 GLP−1の30位がCysで置換されたペプチドの合成法
固相合成用カラムにAmino−PEGA resin(メルク社製)(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に洗浄した後、DMFで十分に膨潤させた。4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸(HMPB)(0.25mmol)、TBTU(0.25mmol)及びN−エチルモルホリン(0.25mmol)をDMF(2ml)に溶解させてカラムに入れ、室温で4時間攪拌した。樹脂をDMF及びDCMで十分に洗浄し、HMPB−PEGA resinを得、固相合成の固相として用いた。
Fmoc−Gly(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN−メチルイミダゾール(0.375mmol)をDCM(2ml)に溶解させて、固相合成用カラムに入れ、25℃で3時間攪拌した。
攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄した。Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を縮合させた。
Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸をN−メチルピロリドン(NMP)(1ml)に溶解させ、0.45M HCTU・HOBT/NMP(0.4mmol)を加えた後に、固相合成用カラムに加え、続いて0.9M DIPEA/NMP(0.8mmol)を固相合成用カラムに加えた。室温で20分間攪拌した後、樹脂をDCM及びDMFを用いて洗浄し、Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。この操作を繰り返し、Fmoc基で保護したアミノ酸(0.5mmol)を使用しアミノ酸を順次縮合させた。
Fmoc基で保護したアミノ酸にはFmoc−Gly,Fmoc−Arg(Pbf),Fmoc−Gly,Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Val,Fmoc−Leu,Fmoc−Trp(Boc),Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Ile,Fmoc−Phe,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ala,Fmoc−Gln(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Leu,Fmoc−Tyr(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Val,Fmoc−Asp(OtBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Phe,Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Ala,Fmoc−His(Trt)を用い、固相樹脂にGly−Arg(Pbf)−Gly−Lys(Boc)−Val−Leu−Trp(Boc)−Cys(Trt)−Ile−Phe−Glu(OtBu)−Lys(Boc)−Ala−Ala−Gln(Trt)−Gly−Glu(OtBu)−Leu−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Val−Asp(OtBu)−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Gly−Glu(OtBu)−Ala−His(Trt)の31残基ペプチドを得た(配列番号75)。
得られたペプチドを形成した樹脂を一部固相合成用カラムにとり、トリフルオロ酢酸:水:TIPS(=95:2.5:2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加え、3時間室温で撹拌した。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ20 x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 8.0ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の30位のAlaがCysで置換された31残基ペプチドが得られた(配列番号76)。
合成例3 GLP−1の36位がCysで置換されたペプチドの合成法
固相合成用カラムにAmino−PEGA resin(メルク社製)(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に洗浄した後、DMFで十分に膨潤させた。4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸(HMPB)(0.25mmol)、TBTU(0.25mmol)及びN−エチルモルホリン(0.25mmol)をDMF(2ml)に溶解させてカラムに入れ、室温で4時間攪拌した。樹脂をDMF及びDCMで十分に洗浄し、HMPB−PEGA resinを得、固相合成の固相として用いた。
Fmoc−Gly(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN−メチルイミダゾール(0.375mmol)をDCM(2ml)に溶解させて、固相合成用カラムに入れ、25℃で3時間攪拌した。
攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄した。Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を縮合させた。
Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸をN−メチルピロリドン(NMP)(1ml)に溶解させ、0.45M HCTU・HOBT/NMP(0.4mmol)を加えた後に、固相合成用カラムに加え、続いて0.9M DIPEA/NMP(0.8mmol)を固相合成用カラムに加えた。室温で20分間攪拌した後、樹脂をDCM及びDMFを用いて洗浄し、Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。この操作を繰り返し、Fmoc基で保護したアミノ酸(0.5mmol)を使用しアミノ酸を順次縮合させた。
Fmoc基で保護したアミノ酸にはFmoc−Gly,Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Val,Fmoc−Leu,Fmoc−Trp(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ile,Fmoc−Phe,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ala,Fmoc−Gln(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Leu,Fmoc−Tyr(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Val,Fmoc−Asp(OtBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Phe,Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Ala,Fmoc−His(Trt)を用い、固相樹脂にGly−Cys(Trt)−Gly−Lys(Boc)−Val−Leu−Trp(Boc)−Ala−Ile−Phe−Glu(OtBu)−Lys(Boc)−Ala−Ala−Gln(Trt)−Gly−Glu(OtBu)−Leu−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Val−Asp(OtBu)−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Gly−Glu(OtBu)−Ala−His(Trt)の31残基ペプチドを得た(配列番号77)。
得られたペプチドを形成した樹脂を一部固相合成用カラムにとり、トリフルオロ酢酸:水:TIPS(=95:2.5:2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加え、3時間室温で撹拌した。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ20 x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 8.0ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の36位のArgがCysで置換された31残基ペプチドが得られた(配列番号78)。
合成例4 GLP−1の34位がArgで置換されたペプチドの合成法
固相合成用カラムにAmino−PEGA resin(メルク社製)(100μmol)を入れ、塩化メチレン(DCM)、DMFで十分に洗浄した後、DMFで十分に膨潤させた。4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸(HMPB)(0.25mmol)、TBTU(0.25mmol)及びN−エチルモルホリン(0.25mmol)をDMF(2ml)に溶解させてカラムに入れ、室温で4時間攪拌した。樹脂をDMF及びDCMで十分に洗浄し、HMPB−PEGA resinを得、固相合成の固相として用いた。
Fmoc−Gly(0.50mmol)、MSNT(0.50mmol)及びN−メチルイミダゾール(0.375mmol)をDCM(2ml)に溶解させて、固相合成用カラムに入れ、25℃で3時間攪拌した。
攪拌後、樹脂をDCM、DMFを用いて洗浄した。Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。DMFで洗浄後、その後のペプチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を縮合させた。
Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸をN−メチルピロリドン(NMP)(1ml)に溶解させ、0.45M HCTU・HOBT/NMP(0.4mmol)を加えた後に、固相合成用カラムに加え、続いて0.9M DIPEA/NMP(0.8mmol)を固相合成用カラムに加えた。室温で20分間攪拌した後、樹脂をDCM及びDMFを用いて洗浄し、Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。この操作を繰り返し、Fmoc基で保護したアミノ酸(0.5mmol)を使用しアミノ酸を順次縮合させた。
Fmoc基で保護したアミノ酸にはFmoc−Gly,Fmoc−Arg(Pbf),Fmoc−Gly,Fmoc−Arg(Pbf),Fmoc−Val,Fmoc−Leu,Fmoc−Trp(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ile,Fmoc−Phe,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ala,Fmoc−Gln(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Leu,Fmoc−Tyr(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Val,Fmoc−Asp(OtBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Phe,Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Ala,Fmoc−His(Trt)を用い、固相樹脂にGly−Arg(Pbf)−Gly−Arg(Pbf)−Val−Leu−Trp(Boc)−Ala−Ile−Phe−Glu(OtBu)−Lys(Boc)−Ala−Ala−Gln(Trt)−Gly−Glu(OtBu)−Leu−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Val−Asp(OtBu)−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Gly−Glu(OtBu)−Ala−His(Trt)の31残基ペプチドを得た(配列番号79)。
得られたペプチドを形成した樹脂を一部固相合成用カラムにとり、トリフルオロ酢酸:水:TIPS(=95:2.5:2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加え、3時間室温で撹拌した。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ20 x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 8.0ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、GLP−1の34位のLysがArgで置換された31残基ペプチドが得られた(配列番号80)。
合成例5 エキセンジン−4の30位がCysで置換されたペプチドの合成法
固相合成用カラムにRink−Amido−PEGA resin(メルク社製)(100μmol)をDMFで洗浄後、ペプチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を縮合させた。
Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸(0.5mmol)を0.45M HCTU・HOBT/NMP(2.5mmol)に溶解させ、固相合成用カラムに加え、続いて0.9M DIPEA/NMP(2.5mmol)を加えた。室温で20分間攪拌した後、樹脂をDCM及びDMFを用いて洗浄し、Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。この操作を繰り返し、アミノ酸を順次縮合させた。
Fmoc基で保護したアミノ酸にはFmoc−Ser(tBu),Fmoc−Pro,Fmoc−Pro,Fmoc−Pro,Fmoc−Ala,Fmoc−Gly,Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Pro,Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Asn(Trt),Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Leu,Fmoc−Trp(Boc),Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Ile,Fmoc−Phe,Fomc−Leu,Fmoc−Arg(Pbf),Fmoc−Val,Fmoc−Ala,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Met,Fmoc−Gln(Trt),Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Ser(tBu)Fmoc−Leu,Fmoc−Asp(OtBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Phe,Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Gly,Fmoc−His(Trt)を用い、
固相樹脂にSer(tBu)−Pro−Pro−Pro−Ala−Gly−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Pro−Cys(Trt)−Gly−Asn(Trt)−Lys(Boc)−Leu−Trp(Boc)−Glu(OtBu)−Ile−Phe−Leu−Arg(Pbf)−Val−Ala−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Met−Gln(Trt)−Lys(Boc)−Ser(tBu)−Leu−Asp(OtBu)−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Gly−Glu(OtBu)−Gly−His(Trt)
の39残基ペプチドを得た(配列番号81)。
得られたペプチドを形成した樹脂を一部固相合成用カラムにとり、トリフルオロ酢酸:水:TIPS(=95:2.5:2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加え、3時間室温で撹拌した。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ20 x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 8.0ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、Ex−4の30位のGlyがCysで置換された39残基のペプチドが得られた。(MALDI TOF Mass calculated for [M+H]4230.60,found 4231.27)(配列番号82)
合成例6 BIM51077の26位がCysで置換されたペプチドの合成法
固相合成用カラムにRink−Amido−PEGA resin(メルク社製)(100μmol)をDMFで洗浄後、ペプチド鎖の伸長は以下に示す方法を用いて、順次アミノ酸を縮合させた。
Fmoc基でアミノ基を保護したアミノ酸(0.5mmol)を0.45M HCTU・HOBT/NMP(2.5mmol)に溶解させ、固相合成用カラムに加え、続いて0.9M DIPEA/NMP(2.5mmol)を加えた。室温で20分間攪拌した後、樹脂をDCM及びDMFを用いて洗浄し、Fmoc基を15分20%ピペリジン/DMF溶液(2ml)を用いて脱保護した。この操作を繰り返し、アミノ酸を順次縮合させた。
Fmoc基で保護したアミノ酸にはFmoc−Arg(Pbf),Fmoc−Aminoisobutyric Acid(Aib),Fmoc−Lys(Boc),Fmoc−Val,Fmoc−Leu,Fmoc−Trp(Boc),Fmoc−Ala,Fmoc−Ile,Fmoc−Phe,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Cys(Trt),Fmoc−Ala,Fmoc−Ala,Fmoc−Gln(Trt),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Leu,Fmoc−Tyr(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Val,Fmoc−Asp(OtBu),Fmoc−Ser(tBu),Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Phe,Fmoc−Thr(tBu),Fmoc−Gly,Fmoc−Glu(OtBu),Fmoc−Aib,Fmoc−His(Trt)を用い、固相樹脂上にArg(Pbf)−Aib−Lys(Boc)−Val−Leu−Trp(Boc)−Ala−Ile−Phe−Glu(OtBu)−Cys(Trt)−Ala−Ala−Gln(Trt)−Gly−Glu(OtBu)−Leu−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Val−Asp(OtBu)−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Gly−Glu(OtBu)−Aib−His(Trt)の30残基ペプチドを得た(配列番号83)。
得られたペプチドを形成した樹脂を一部固相合成用カラムにとり、トリフルオロ酢酸:水:TIPS(=95:2.5:2.5)を樹脂が十分に浸る程度に加え、3時間室温で撹拌した。樹脂をろ過して除き、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をHPLC[カラム:SHISEIDO UG−120(C18,5μm)、φ20 x250mm、グラジエント:A液:0.1%TFA水、B液:0.09%TFA/10%水/90%AN 8.0ml/min、;B液35→60% 20min linear gradient]で精製し、BIM51077の26位のLysがCysで置換された30残基のペプチド12mgが得られた。(MALDI TOF Mass calculated for [M(average)+H]3315.69,found 3314.72)(配列番号84)
以上の各実施例において製造された糖鎖付加GLP−1ペプチドは、以下のGLP−1の配列:
His−Ala−Glu−Gly10−Thr11−Phe12−Thr13−Ser14−Asp15−Val16−Ser17−Ser18−Tyr19−Leu20−Glu21−Gly22−Gln23−Ala24−Ala25−Lys26−Glu27−Phe28−Ile29−Ala30−Trp31−Leu32−Val33−Lys34−Gly35−Arg36−Gly37(配列番号2)において:
(b1)26位のLys及び34位のLysがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例1)(配列番号54);
(b2)18位のSer及び36位のArgがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例2)(配列番号55);
(b3)22位のGly及び30位のAlaがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例3)(配列番号56);
(b4)22位のGly及び36位のArgがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例4)(配列番号57);
(b5)30位のAla及び36位のArgがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例5)(配列番号58);
(b6)30位のAlaがヒアルロン酸4糖(HA−4)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例6)(配列番号59);
(b7)30位のAlaがヒアルロン酸8糖(HA−8)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例7)(配列番号60);
(b8)36位のArgがヒアルロン酸4糖(HA−4)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例8)(配列番号61);
(b9)36位のArgがヒアルロン酸8糖(HA−8)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例9)(配列番号62);
(b10)30位のAlaがヒアルロン酸16糖(HA−16)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例10)(配列番号63);
(b11)36位のArgがヒアルロン酸16糖(HA−16)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例11)(配列番号64);
(b12)36位のArgが高マンノース型糖鎖(M5)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例12)(配列番号65);
(b13)26位のLysに、リンカーを介してアシアロ糖鎖付加Asnが結合した糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例13)(配列番号66);である。
また、
(b14)以下のエキセンジン−4の配列:
H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH(配列番号50)において:
30位のGlyがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例14)(配列番号67)である。
さらに
(b15)以下のBIM51077の配列:
His−R2−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−R2−Arg−NH[式中、R2はα−メチルアラニンを示す。](配列番号52)において:
26位のがLysがジシアロ糖鎖付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例15)(配列番号68)である。
また、
(b16)上記エキセンジン‐4の配列(配列番号50)において、30位のGlyが高マンノース型糖鎖(M5)付加Cysに置換された糖鎖付加GLP−1ペプチド(実施例16)である。
実施例1〜15のいくつかの例について以下の試験例1及び/又は2を行った。
試験例1(ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)に対する耐性試験)
0.5mlのエッペンチューブ中に実施例で製造した糖鎖付加GLP−1ペプチド又は比較例1で製造したGLP−1を17.7nmolとDPP−IV(Dipeptidyl PeptidaseIV from porcine kidney、SIGMA社製)2.2mUとを加え、それぞれ100mMリン酸ナトリウム緩衝液全量で100μLになるように調製し、37℃で反応させた。反応液10μLを、あらかじめ別のエッペンチューブに用意した10%トリフルオロ酢酸15μLと混和させ、HPLCに20μLインジェクションし、原料の消失をモニターした(HPLC条件:カラム:SHISEIDOCAPCELPAK C18 UG120、φ4.6x250mm、展開溶媒A:0.1%TFA水溶液、展開溶媒B:0.09%TFAアセトニトリル/水=90/10、グラジェントA/B=65/30→30/60 20分 流速0.7ml/分)。DPP−IVに対する耐性の指標となる半減期(t1/2)を、糖鎖が付加していない比較例1のGLP−1の半減期(t1/2)を基準(=1)として、各実施例の糖鎖付加GLP−1ペプチドについて評価した値の代表的なものを表6に示す。
各実施例の糖鎖付加GLP−1ペプチドは、比較例1のGLP−1の2.1倍〜128倍のDPP−IV耐性を示した。
試験例2 経口耐糖能試験(OGTT: Oral Glucose Tolerance Test)
実施例で製造した糖鎖付加GLP−1ペプチド又は比較例1で製造したGLP−1のPBS溶液を、一晩絶食させたC57BL/6JJclマウス(10週齢、雄)に10ml/kgの投与量で腹腔内に投与した。30分後にグルコース溶液を1mg/gの投与量で経口投与した。グルコース投与前、グルコース投与30分後、60分後、120分後に眼窩採血を行い、アキュチェックアビバ(ロッシュダイアグノスティックス社)を用いて血糖値を測定した。代表的な結果を図1〜4に示す。以下の図中、例えば、GLP−1の26位と34位のアミノ酸がジシアロ糖鎖付加Cysで置換された糖鎖付加GLP−1ペプチドである「26,34Cys GLP−1−disialo」を必要に応じて「C26,C34」と記載することがある。他の糖鎖及びアミノ酸部位に関しても同様である。
次に18,36Cys GLP−1−disialoについて投与量を1/10(0.9nmol/kg)とし、GLP−1について投与量を9nmol/kgとして、OGTTを行い、比較した。結果を図5に示す。
投与量0.9nmol/kgの18,36Cys GLP−1−disialoの血糖値上昇抑制作用は投与量9nmol/kgのGLP−1とほぼ同等であった。18,36Cys GLP−1−disialoの血糖値上昇抑制作用はGLP−1に比べ10倍程度増大していた。
配列表フリーテキスト
配列番号1は、一般式(1)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号2は、GLP−1(7−37)である。
配列番号3は、GLP−1(7−36)NHである。
配列番号4は、(a1)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号5は、(a2)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号6は、(a3)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号7は、(a4)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号8は、(a5)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号9は、(a6)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号10は、(a7)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号11は、(a8)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号12は、(a9)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号13は、(a10)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号14は、(a11)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号15は、(a12)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号16は、(a13)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号17は、(a14)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号18は、(a15)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号19は、(a16)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号20は、(a17)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号21は、(a18)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号22は、(a19)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号23は、(a20)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号24は、(a21)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号25は、(a22)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号26は、(a23)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号27は、(a24)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号28は、(a25)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号29は、(a26)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号30は、(a27)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号31は、(a28)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号32は、(a29)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号33は、(a30)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号34は、(a31)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号35は、(a32)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号36は、(a33)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号37は、(a34)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号38は、(a35)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号39は、(a36)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号40は、(a37)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号41は、(a38)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号42は、(a39)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号43は、(a40)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号44は、(a41)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号45は、(a42)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号46は、(a43)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号47は、(a44)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号48は、(a45)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号49は、(a46)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号50は、エキセンジン−4である。
配列番号51は、一般式(2)で表わされる糖鎖付加エキセンジン−4である。
配列番号52は、BIM51077である。
配列番号53は、一般式(3)で表わされる糖鎖付加BIM51077である。
配列番号54は、(b1)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号55は、(b2)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号56は、(b3)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号57は、(b4)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号58は、(b5)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号59は、(b6)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号60は、(b7)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号61は、(b8)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号62は、(b9)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号63は、(b10)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号64は、(b11)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号65は、(b12)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号66は、(b13)で表される糖鎖付加GLP−1ペプチドである。
配列番号67は、(b14)で表わされる糖鎖付加エキセンジン−4である。
配列番号68は、(b15)で表わされる糖鎖付加BIM51077である。
配列番号69は、実施例1において合成された保護基を有する31残基ペプチドである。
配列番号70は、実施例2において合成された保護基を有する31残基ペプチドである。
配列番号71は、実施例3において合成された保護基を有する31残基ペプチドである。
配列番号72は、実施例4において合成された保護基を有する31残基ペプチドである。
配列番号73は、実施例5において合成された保護基を有する31残基ペプチドである。
配列番号74は、比較例1において合成された保護基を有する31残基ペプチドである。
配列番号75は、合成例2において合成された保護基を有する31残基ペプチドである。
配列番号76は、合成例2において合成された31残基ペプチドである。
配列番号77は、合成例3において合成された保護基を有する31残基ペプチドである。
配列番号78は、合成例3において合成された31残基ペプチドである。
配列番号79は、合成例4において合成された保護基を有する31残基ペプチドである。
配列番号80は、合成例4において合成された31残基ペプチドである。
配列番号81は、合成例5において合成された保護基を有する39残基ペプチドである。
配列番号82は、合成例5において合成された39残基ペプチドである。
配列番号83は、合成例6において合成された保護基を有する30残基ペプチドである。
配列番号84は、合成例6において合成された30残基ペプチドである。
本発明は、GLP−1と比べて、血中安定性が増大し、好ましくは、血糖値抑制活性の増大した、糖鎖付加GLP−1ペプチドを提供する。本発明は、特に医薬品の分野において有用である。

Claims (24)

  1. (a)配列番号2又は配列番号3のGLP−1ペプチドの少なくとも2個のアミノ酸がそれぞれ糖鎖付加アミノ酸で置換され、置換部位のそれぞれが、配列番号2又は配列番号3のGLP−1ペプチドの18、22、26、30、34及び36位からなる群から選択される、糖鎖付加GLP−1ペプチド又は、
    (b)前記(a)で規定される糖鎖付加GLP−1ペプチドのアミノ酸配列において、糖鎖付加アミノ酸以外の1若しくは数個のアミノ酸がさらに欠失、置換若しくは付加された糖鎖付加GLP−1ペプチド
    であることを特徴とする、糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記糖鎖はそれぞれ独立して2本鎖複合型糖鎖であり、
    前記糖鎖付加GLP−1ペプチドは、OGTT(経口耐糖能試験)において、グルコース投与後30分の血糖値を測定した場合に、GLP−1投与の場合に得られる血糖値の80%以下を示し、かつ、DPP−IV溶液中における前記糖鎖付加GLP−1ペプチドの半減期は、GLP−1の半減期の少なくとも2倍以上であり、及び、
    前記糖鎖のそれぞれは独立に、下記の式:
    [式中、R 及びR は、同一又は異なって、
    を示す。Acは、アセチル基を示す。]
    で表される糖鎖である、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  2. 請求項1に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記置換部位のそれぞれは、配列番号2又は配列番号3のGLP−1ペプチドの18、22、30及び36位からなる群から選択される、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  3. 請求項1又は2に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記糖鎖のそれぞれが独立に、ジシアロ糖鎖、モノシアロ糖鎖、アシアロ糖鎖、ジグルクナック糖鎖及びジマンノース糖鎖からなる群から選択される糖鎖である、糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記糖鎖が実質的に均一である、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記糖鎖のそれぞれがジシアロ糖鎖である、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  6. 請求項1、3〜5のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    糖鎖付加アミノ酸でそれぞれ置換される少なくとも2個のアミノ酸の置換部位は、配列番号2又は配列番号3のGLP−1ペプチドにおいて、18位と36位、26位と34位、22位と30位、22位と36位、及び、30位と36位からなる群から選択される、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって
    糖鎖付加アミノ酸でそれぞれ置換される少なくとも2個のアミノ酸の置換部位は、配列番号2又は配列番号3のGLP−1ペプチドにおいて、18位と36位、22位と30位、22位と36位、及び、30位と36位からなる群から選択される、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    糖鎖付加アミノ酸でそれぞれ置換される少なくとも2個のアミノ酸の置換部位は、配列番号2又は配列番号3のGLP−1ペプチドにおいて、22位と30位、又は、22位と36位である、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記糖鎖付加アミノ酸のそれぞれが、独立に、糖鎖付加Asn及び/又は糖鎖付加Cysである、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    以下の特性:
    GLP−1と比較して増大した血中安定性を有し;
    OGTT(経口耐糖能試験)において、GLP−1と比較して10倍以上の血糖値抑制活性を有し;及び/又は、
    DPP−IV溶液中における半減期は、GLP−1の半減期の20倍以上である、
    を有する
    糖鎖付加GLP−1ペプチド
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    DPP−IV溶液中における半減期は、GLP−1の半減期の30倍以上である、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  12. (a)配列番号2又は配列番号3のGLP−1ペプチド又は、
    (b)前記(a)で規定されるGLP−1ペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸がさらに欠失、置換若しくは付加されたペプチド
    おいて、少なくとも1個のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換された糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記糖鎖付加GLP−1ペプチドは、OGTT(経口耐糖能試験)において、グルコース投与後30分の血糖値を測定した場合に、GLP−1投与の場合に得られる血糖値の80%以下を示し、かつ、DPP−IV溶液中における前記糖鎖付加GLP−1ペプチドの半減期は、GLP−1の半減期の少なくとも2倍以上であり、
    記糖鎖がオリゴヒアルロン酸である糖鎖であり、及び、
    前記オリゴヒアルロン酸、N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸とからなる単位を1単位として2単位(4糖)以上、8単位(16糖)以下の糖鎖である
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  13. 請求項12に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記オリゴヒアルロン酸が、N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸とからなる単位を1単位として2単位(4糖)の糖鎖である、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  14. 請求項12又は13に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記糖鎖付加アミノ酸が、糖鎖付加Cysである、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記糖鎖が実質的に均一である
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  16. (a)配列番号2又は配列番号3のGLP−1ペプチド又は、
    (b)前記(a)で規定されるGLP−1ペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸がさらに欠失、置換若しくは付加されたペプチド
    において、少なくとも1個のアミノ酸が糖鎖付加アミノ酸で置換された糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記糖鎖付加GLP−1ペプチドは、OGTT(経口耐糖能試験)において、グルコース投与後30分の血糖値を測定した場合に、GLP−1投与の場合に得られる血糖値の80%以下を示し、かつ、DPP−IV溶液中における前記糖鎖付加GLP−1ペプチドの半減期は、GLP−1の半減期の少なくとも2倍以上であり、及び
    前記糖鎖付加アミノ酸において、糖鎖とアミノ酸がリンカーを介して結合しており、かつ、前記リンカーと結合しているアミノ酸がLysである、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  17. 請求項16に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記リンカーが、前記糖鎖側の末端にアミノ酸を含む、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  18. 請求項17に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記リンカーに含まれるアミノ酸がAsnである、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  19. 請求項1618のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドであって、
    前記糖鎖が実質的に均一である、
    糖鎖付加GLP−1ペプチド。
  20. 請求項19のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドを有効成分として含む医薬組成物。
  21. 請求項20に記載の医薬組成物であって、前記糖鎖が90%以上均一である医薬組成物。
  22. 請求項20または21に記載の医薬組成物であって、GLP−1に関連する疾患の治療又は予防のための医薬組成物。
  23. 請求項22に記載の医薬組成物であって、
    前記GLP−1に関連する疾患が糖尿病である
    医薬組成物。
  24. GLP−1に関連する疾患の治療又は予防用医薬の製造のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の糖鎖付加GLP−1ペプチドの使用。
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