JP5593940B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
発明者は、非画像部直後の画像部先端が濃くなってしまう現象について調査したところ、現像剤担持体として用いられる現像スリーブが非画像部直後に位置するとその表面にトナーが付着していることを発見した。
画像部に対応する感光体上での電荷を除去して現像バイアスにより感光体の非画像部と同極性のトナーを付着させる反転画像形成を行う場合には、非画像部が現像スリーブを通過する際に感光体上の非画像部に残る電荷による電界によってトナーが現像スリーブ側に向け移動する力を受ける。このため、現像スリーブ表面でのトナー付着量が増加することになる。
このようにトナー付着量が増加している現像スリーブに対して感光体上での非画像部が通過した直後の画像部では、所定濃度のトナー付着量よりも多くトナーが付着する現象を生じ、これが非画像部直後の画像部先端での濃度異常、詳しくは画像部先端以外の画像部での濃度に比べて濃度が高くなる不具合を発生することになる。
非画像部直後の画像部先端での濃度が異常となる濃度偏差、いわゆる、ゴーストとなる現像履歴に関しては、現像工程にて現像スリーブ1周前の現像履歴が現像スリーブ上に残り、2周目の現像時に1周目の現像履歴が残像として発生することが原因していると考えられる。
(1)像担持体と、像担持体表面を一様帯電する帯電手段と、像担持体に対して画像情報に応じた書き込み走査を行う露光手段と、トナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体を備えて像担持体上に形成された静電潜像の可視像処理を行う現像手段と、可視像処理されたトナー像を記録材に転写する転写手段とを少なくとも備えた画像形成装置において、潜像担持体の周速をVpとし、現像剤担持体の周速をVsとし、現像剤担持体の直径をDsとした場合に、画像部直前の非画像部の像担持体移動方向での長さ(Lg)が、(1)式の関係を持つ場合に、
Lg≧π・Ds/(Vs/Vp)・・・(1)
画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さにおいて記録材へのトナー付着量を抑制するために、画像部直前の非画像部の像担持体移動方向の長さ(Lg)が大きいほど、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでのトナー付着量を抑制するように制御することを特徴とする画像形成装置。
Lg≧π・Ds/(Vs/Vp)・・・(1)
画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さにおいて記録材へのトナー付着量を抑制するために、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの像担持体に対する露光条件による静電気量、もしくは現像バイアスによるトナーの付着量は印字画素数に応じて設定され、予め定められた画素数以上の印字が行われた場合には予め定められた画素数より少ない印字が行われた場合に比べて像担持体に対する静電気量もしくはトナーの付着量を抑制すること特徴とする画像形成装置。
Lg≧π・Ds/(Vs/Vp)・・・(1)
画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さにおいて記録材へのトナー付着量を抑制するために、現像手段が前記非画像部を通過する回数を、(3)式により算出し、
Lg/(πDs(Vs/Vp)・・・(3)
通過回数の値が大きいほど、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでのトナー付着量を小さくする傾向に制御することを特徴とする画像形成装置。
Lg≧π・Ds/(Vs/Vp)・・・(1)
画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さにおいて記録材へのトナー付着量を抑制するために、前記像担持体の軸方向において分割された所定領域毎を対象として各領域において前記(1)式の関係を持つ場合には、所定領域毎に前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの露光量を小さくして記録材へのトナーの付着量を抑制するとともに、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの露光量、露光パワーまたは露光時間の少なくともいずれか一つ、もしくは転写バイアスあるいは現像バイアスを、前記画像部における画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さ以外の領域の画像部分を対象とする場合に対して小さくする傾向に制御する場合には、前記像担持体の移動方向と直角な方向に相当する主走査方向での前記所定領域の長さを、2/3mm未満に設定されることを特徴とする画像形成装置。
(5)(1)記載の画像形成装置において、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの偏差発生傾向の判別には、印字画素数に基づく画像濃度もしくは面積率の差が用いられ、これら画像濃度もしくは面積率によるトナーの残存状態が用いられ、該トナーの残存状態に基づき、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでのトナーの付着量を決定することを特徴とする画像形成装置。
前記(1)式を満足する場合に、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの現像手段に印加される現像バイアスの絶対値を基準値よりも小さくなるように制御して可視像処理することを特徴とする画像形成装置。
前記(1)式を満足する場合に、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さを対象とした前記転写手段への転写バイアスに用いられる電圧もしくは電流を小さく制御して画像転写を行うことを特徴とする画像形成装置。
Lg≧=π・Ds/(Vs/Vp)・・・(1)
画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さを対象として、トナー付着量を抑制する制御を行うようにして、記録材に転写される画像先端部での濃度偏差の発生を抑制することが可能となる。
まず、本発明に係る画像形成装置の詳細について説明すると次の通りである。
図1は、本実施形態に係る複写機の概略構成図である。
図1において複写機1000は、プリンタ部100、プリンタ部100上面に載せられて転写紙などの記録材を繰り出す給送装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置(以下、ADFという)400なども備えている。
上記プリンタ部100は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18Y、18C、18M、18Kからなる画像形成ユニット20を備えている。各符号の数字の後に付されたY、C、M、Kは、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラック用の部材であることを示している(以下同様)。プロセスカートリッジ18Y、18C、18M、18Kの他には、露光手段としての光書込ユニット21、中間転写ユニット17、2次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着ユニット25などが配設されている。
[光書込ユニット]
上記光書込ユニット21は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザー光を照射する。
[プロセスカートリッジ]
図2は、画像形成ユニット20を構成する上記プロセスカートリッジ18Y、18C、18M、18Kのうち、イエロー用のプロセスカートリッジ18Yと、シアン用のプロセスカートリッジ18Cとの概略構成を示す拡大図である。なお、他のプロセスカートリッジ18M、18Kについても、トナーの色が異なる点以外はそれぞれ同じ構成となっているので、これらの説明については省略する。
同図において、トナー像を生成する像生成部たるプロセスカートリッジ18Y18Cは、像担持体として用いられるドラム状の感光体40Y、40C、帯電器60、現像器61、ドラムクリーニング装置63、除電器64などを有している。
帯電手段たる上記帯電器60は、感光体40Y、40Cに対して、帯電バイアスが印加されながら回転駆動せしめられる回転帯電部材たる帯電ローラを所定の微小ギャップを介して対向させている。そして、この微小ギャップにて、帯電ローラ60から感光体40Y、40Cに放電を生じさせて、感光体40Y、40Cを一様帯電せしめる。帯電ローラ60を回転させるのは、放電直後のローラ表面を微小ギャップから退避させるとともに、放電していないローラ表面を微小ギャップに進入させることで、安定した放電を生じさせるためである。帯電部材として回転する部材としては、帯電ローラの他、帯電ドラムやローラ状の帯電ブラシなどを用いることができる。本複写機では、帯電ローラからの放電によって、感光体40Y、40Cの表面を−600(V)程度に一様帯電するようになっている。
[ドラムクリーニング装置]
Y用の感光体40Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト10に中間転写(1次転写)される。中間転写後の感光体40Yの表面は、ドラムクリーニング装置63によって転写残トナーがクリーニングされる。ドラムクリーニング装置63は、ファーブラシ76、回収ローラ77、スクレーパブレード78、回収スクリュウ79、クリーニングブレード75などを備えている。
[中間転写ユニット]
図3は、上記画像形成ユニット18Y、18C、18M、18K、中間転写ユニット17、2次転写装置22と、レジストローラ対49、定着ユニット25を示す拡大構成図である。中間転写ユニット17は、中間転写ベルト10やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、2次転写バックアップローラ16、4つの中間転写バイアスローラ62Y、62C、62M、62K、3つの接地ローラ74なども有している。
[2次転写装置]
上記中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している2次転写装置22が配設されている。記録材の搬送に用いられる搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方のローラは、上記中間転写ユニット17の2次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト10及び搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト10と、2次転写装置22の搬送ベルト24とが接触する2次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の2次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。
この2次転写バイアスの印加により、2次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト10上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト10上の4色トナー像に同期するように2次転写ニップに送り込まれた記録材には、この2次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が2次転写せしめられる。なお、このように一方の張架ローラ23に2次転写バイアスを印加する2次転写方式に代えて、記録材を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
[レジストローラ対]
上記2次転写ニップよりもベルト移動方向上流側には、レジストローラ対49が配設されている。後述の給送装置200からプリンタ部100内に給紙された図示しない記録材は、このレジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、上記中間転写ユニット17において、中間転写ベルト10上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って上記2次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ記録材を2次転写ニップにて4色トナー像に密着させるタイミングで送り出す。これにより、2次転写ニップでは、中間転写ベルト17上の4色トナー像が記録材に密着する。そして、記録材上に2次転写されて、白色の記録材上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された記録材Pは、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って2次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト22上から定着ユニット25に送られる。
[定着ユニット]
上記定着ユニット25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら移動せしめるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。これら定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、上記紙搬送ベルト24から受け取った転写紙をここに挟み込む。ベルトユニットにおいける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に図示しない熱源を有しており、これの発熱によって定着ベルト26を加圧する。加圧された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた記録材を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が記録材に定着せしめられる。
[全体構成での作用]
図示しない原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。
(a)2価のカルボン酸、その低級アルキルエステル、酸無水物の何れかから選ばれる少なくとも一種
(b)次の化学式1で示されるジオール成分
上記(a)の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、これらのモノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエステル、無水フタル酸、無水マレイン酸等がある。特にテレフタル酸、イソフタル酸、これらのジメチルエステルが耐ブロッキング性及びコストの点で好ましい。これらの2価カルボン酸、その低級アルキルエステル、酸無水物はトナーの定着性や耐ブロッキング性に大きく影響する。縮合度にもよるが、芳香族系のテレフタル酸、イソフタル酸等を多く用いると耐ブロッキング性は向上するが、定着性が低下する。逆に、セバシン酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸等を多く用いると定着性は向上するが、耐ブロッキング性が低下する。従って、他のモノマー組成や比率、縮合度に合わせてこれらの2価カルボン酸類を適宜選定して、単独又は組み合わせて使用することが望ましい。上記(b)の例としては、ポリオキシプロピレン−(n)−ポリオキシエチレン−(n′)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(n)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(n)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。特に、2.1≦n≦2.5であるポリオキシプロピレン−(n)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2.0≦n≦2.5であるポリオキシエチレン−(n)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。このようなジオール成分は、ガラス転移温度を向上させ、反応を制御し易くするという利点がある。なお、ジオール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1、2−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール等の脂肪族ジオールを使用することも可能である。
上記(c)における3価以上の多価カルボン酸、その低級アルキルエステル、酸無水物の例としては、1、2、4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1、3、5−ベンゼントリカルボン酸、1、2、4−シクロヘキサントリカルボン酸、2、5、7−ナフトレントリカルボン酸、1、2、4−ナフタレントリカルボン酸、1、2、4−ブタントリカルボン酸、1、2、5−ヘキサトリカルボン酸、1、3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1、2、7、8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸及びこれらのモノメチル、モノエチル、ジメチルおよびジエチルエステル等が挙げられる。
上記(c)における3価以上の多価アルコールの例としては、ソルビトール、1、2、3、6−ヘキサンテトロール、1、4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1、2、4−ブタントリオール、1、2、5−ペンタトリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1、2、4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1、3、5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。3価以上の多価単量体の配合割合は、単量体組成物全体の1〜30[モル%]程度が適当である。1[モル%]未満の時には、トナーの耐オフセット性が低下し、また、耐久性も悪化し易いからである。また、30[モル%]を超えると、トナーの定着性が悪化し易いからである。
(d)エポキシ樹脂
(e)2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物又はそのグリシジルエーテル
(f)エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物
(g)エポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物
上記(d)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとエピクロロヒドリンを結合して得られたものが良い。特に、エポキシ樹脂が安定した定着特性や光沢を得るべく、数平均分子量の相違する少なくとも2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂で、低分子量成分の数平均分子量が360〜2000であり、高分子量成分の数平均分子量が3000〜10000であることが好ましい。更に低分子量成分が20〜50[重量%]、高分子量成分が5〜40重量%であることが好ましい。低分子量成分が多すぎたり、分子量が360よりさらに低分子の場合は、光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性がある。また、高分子量成分が多すぎたり、分子量10000よりさらに高分子の場合は、光沢が不足したり、さらには定着性の悪化の可能性がある。
(1)結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型促進剤、磁性体等をヘンシェルミキサーの如き混合機によって十分に混合する。
(2)バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサー、連続式の2軸押出し機、連続式の1軸混練機などによって混合物を十分に混練する。連続式の2軸押し出し機としては、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機などが知られている。また、連続式の1軸混練機としては、ブッス社製コ・ニーダなどが知られている。
(3)混練物を冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機によって微粉砕する。そして、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機によって所定の粒度に分級して、母体粒子を得る。
(1)重合性モノマー、重合開始剤(必要に応じて)、着色剤等を水性分散媒中で造粒する。
(2)造粒されたモノマー組成物粒子を適当な粒子径に分級する。
(3)この分級によって得た規定内粒径のモノマー組成物粒子を重合反応させる。
(4) 適当な処理をして分散剤を取り除いた後、重合反応によって得られた重合生成物をろ過、水洗、乾燥して母体粒子を得る。
(1) 樹脂や着色剤等を混練機等で混練し、溶融状態のトナー芯材を得る。
(2)トナー芯材を水中に入れて強く撹拌し、微粒子状の芯材を作成する。
(3)シェル材溶液中に上記芯材微粒子を入れ、撹拌しながら、貧溶媒を滴下し、芯材表面をシェル材で覆ってカプセル化させる。
(4)これによって得られたカプセルをろ過後、乾燥して母体粒子を得る。
芯材
Cu−Znフェライト粒子(重量平均径:35μm):5000重量部
コート材
トルエン:450重量部
シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%):450重量部
アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン製):10重量部
カーボンブラック:10重量部
先に掲げたトルエン等からなる混合物をスターラーで10分間攪拌してコート材を得る。回転式底板ディスクや攪拌羽根が設けられた流動床内で旋回流を形成しながら噴霧するコーティング装置にこのコート材を投入して、上記芯材に塗布する。そして、得られた粒子を電気炉で250℃で2時間焼成して、0.5(μm)程度の厚みのコート膜が形成された磁性キャリアを得る。
フィラー補強電荷輸送層40cに用いられるフィラー材料としては、無機材料、シリカ、酸化チタン、アルミナなどが挙げられる。これらを2種類以上混合して用いてもよい。塗工液および塗工膜中の分散性向上を図るべく、表面処理剤によるフィラー表面の改質を施してもよい。フィラー材料については、電荷輸送物質や結着樹脂などと混合した溶媒等中で、適当な分散機によって分散せしめることができる。また、フィラ−材料の一次粒径の平均は、0.01〜0.8(μm)であることが、電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。フィラー材料を分散せしめた溶液の塗工方法としては、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法などを用いることができる。フィラー補強電荷輸送層40cの膜厚は、0.5(μm)以上であることが好まく、より好ましくは2(μm)以上がよい。
(a)フェノール系化合物
2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2、6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3'、5'-ジ-t-ブチルフェノール)、2、2'−メチレンービス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2、2'−メチレンービス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1、1、3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジーt−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3'、5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3、3'−ビス(4'−ヒドロキシー3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類等が用いられる。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N、N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N、N'−ジーイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N、N'−ジメチル−N、N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等が用いられる。
(c)ハイドロキノン類
2、5−ジーt−オクチルハイドロキノン、2、6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等が用いられる。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3、3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3、3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3、3'−チオジプロピオネート等が用いられる。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2、4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等が用いられる。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル等が用いられる。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル等が用いられる。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチル等が用いられる。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチル等が用いられる。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリン等が用いられる。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチル等が用いられる。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシル等が用いられる。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート等が用いられる。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチル等が用いられる。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステル等が用いられる。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミド等が用いられる。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシル等が用いられる。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチル等が用いられる。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレン等が用いられる。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が用いられる。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等が用いられる。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル等が用いられる。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール等が用いられる。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等が用いられる。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウ等が用いられる。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物等が用いられる。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2、2'、4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2、2'、4、4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2、2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノン等が用いられる。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2、4ジ−t−ブチルフェニル3、5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエート等が用いられる。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブチル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール等が用いられる。
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレート等が用いられる。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2、2'チオビス(4−t-オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェート等が用いられる。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2、2、6、6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7、7、9、9−テトラメチル−3−オクチル−1、3、8−トリアザスピロ〔4、5〕ウンデカン−2、4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン等が用いられる。
このような構成では、図4に示したように、フィラー補強電荷輸送層(40c)の膜削れによる感光体40の劣化を抑えることができる。
本発明では、背景技術において説明したように、非現像部(非画像部)直後に現像部(画像部)が現像位置に達した際には、記録材上に転写される画像において、図22に示すように、画像部先端の濃度が高くなる不具合に着目し、その不具合の解消を図るようになっている。
この場合の通常の制御におけるトナー付着量制御とは、同濃度の画像形成を行った場合の上記の付着量を少なくする制御がなされていない状態の付着量制御であり、たとえば、式(1)を満たす非画像部の後に、べた画像を有する画像を形成した際に、上記の画像先端部から所定の長さ以外の部分で行われるトナー付着量制御である。
なお、以下の説明において像担持体移動方向とした表現での像担持体は、感光体または転写画像を担持可能な転写体の両方またはいずれかを対象としていることを前置きしておく。
以下、その具体的な例を説明する。
本発明では、画像部直前の非画像部の像担持体移動方向の長さ(Lg)が、以下に挙げる(1)式の関係を満足する場合に、画像形成条件に用いられる、像担持体に対する露光条件、現像バイアス、および転写バイアスのいずれかもしくは複数の制御内容を変更する。
この結果、感光体上での画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さを対象として、上述した通常の制御におけるトナー付着量制御よりもトナー付着が抑制されるように制御して記録材上の画像内で画像先端部のトナー付着量が抑制されるようになっている。
(1)式において、画像部直前の非画像部の像担持体移動方向の長さ(Lg)は、画像情報に基づき記録材の移動方向先端端縁から画像形成開始位置までの距離を割り出すことで求められるものである。
Lg≧π・Ds/(Vs/Vp)・・・(1)
これらいずれの条件を用いた場合においても、記録材へのトナーの付着量を制御することにより、記録材上で画像先端から記録材移動方向に対する所定の長さでのトナー付着量が調整されることをねらいとしている。
露光条件には、露光量、露光エネルギー(露光パワー)または露光時間の少なくともいずれか一つが対象となり、上記(1)式の関係が成立する場合には、像担持体側において画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでのトナー付着量が標準での画像に比べて抑制されるように制御する。
次に挙げる露光条件の制御は、現像スリーブが非画像部を通過する回数が増えるほど、現像履歴によるトナー付着量が増加することを考慮して、現像スリーブが非画像部を通過する回数に基づき、画像部での画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さを対象としてこの領域での像担持体上のトナー付着量が通常の制御よりも小さくなるように露光量を設定する。
これにより、結果として記録材上のトナー付着量が調整される。
なお、以下に挙げる(2)式で得られる画像部先端から像担持体移動方向に対する所定の長さ(L)は、最低、現像スリーブ1周分に相当するが、前述したように、現像スリーブが非画像部を通過する回数が増えるほど、現像履歴によるトナー付着量が増加することから、非画像部の長さによっては1周分以上の長さにおいても濃度偏差が発生することを考慮して、係数n(1以上の整数)を乗ずる。
L=nπ・Ds/(Vs/Vp)・・・(2)
Lg/n(πDs/(Vs/Vp)・・・(3)
(3)式により何周通過するかを、算出した結果から標準での画像(画像部での画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さ以外の領域の画像部分)を対象として設定されている露光量P(J/m2)を、表1に示すように制御する。
表1に示す露光量の制御量に用いられる係数α1〜α3は、0以上1以下の実数であり、表1に示した結果を得るための露光量は露光時間を変化させて調整した。なお、露光量は、露光エネルギー(露光パワー)を対象としても良い。
なお、表2に示す結果では、露光量制御パラメータであるα1〜α3を全て同値とした。また、表2では、比較例として、露光制御を行わない場合も挙げてある。
・感光体周速Vp:245[mm/s]
・現像スリーブ直径Ds:25[mm] (現像スリーブ周長πDs≒78.5[mm])
・現像スリーブ周速Vs:490[mm/s] (現像スリーブと感光体との周速比Vs/Vp=2.0)
・感光体帯電電位:−600[V]
・現像スリーブ印加バイアス:−500[V]
・標準の画像部の露光量Pdef:0.263[mJ/m2]
・露光量制御パラメータ:α1=α2=α3=0.97
図7は、主走査方向で画像先端位置が一様でない、いわゆる、不規則に画像パターンが形成されている場合を示しており、図7(A)はプリントアウト対象となる原稿画像を示し、図7(B)は本発明での制御を行わない場合を示し、図7(C)は最先端の画像先端部を対象として本発明による制御を行った場合を示し、図7(D)は、主走査方向で分割された各画像の先端部を対象として本発明による制御を行った場合を示している。
これに対し、記録紙搬送方向において上流側および下流側にそれぞれ画像先端を有する画像のうちで、下流側に位置する画像、いわゆる、記録紙搬送方向において最先端側の画像よりも後方に画像先端を有する画像を対象として画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの露光量を、小さくするように制御した場合には、図7(C)に示すように、複数の画像パターンのうちで、符号P1で示す、最先端画像の画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの濃度偏差は抑制されることになる。しかし、最先端画像での画像先端から像担持体移動方向に対して所定長さのみが濃度偏差を抑制される対象領域となっているために、最先端画像の後方に画像先端を有する画像では、符号P2Bで示す位置に存在する画像先端から像担持体の移動方向に対する所定長さを対象とした制御は実行されない。このため、最先端後方に画像先端を有する画像では、その画像先端から像担持体移動方向に対する所定長さを対象とした濃度偏差が抑制されないままとなる。
図9から明らかなように、図9(B)で示す状態に比べて、主走査方向での制御対象領域の長さ、つまり、制御領域の幅を短くしていく方が、記録材上での濃度偏差の発生部を少なくして目立たなくできることが判る。
現像バイアスは、感光体へのトナー付着量に影響することから、本実施例では、表2、3に示した結果を得る場合と同様な条件に基づき、表4に示す制御を行った。
・感光体周速Vp:245(mm/s)
・現像スリーブ直径Ds:25(mm) (現像スリーブ周長πDs≒78.5 (mm))
・現像スリーブ周速Vs:490(mm/s)
(現像スリーブと感光体との周速比Vs/Vp=2.0)
・感光体帯電電位:−600(V)
・現像スリーブ印加バイアス:−500(V)
・現像バイアス制御パラメータ:z1=z2=z3=0.96
転写バイアス制御に関しては、先に説明した画像条件と同様に、現像履歴による画像部先端での濃度偏差を解消するために、現像履歴に応じた転写バイアスの設定を行うことで、画像部先端でのトナー濃度が他の部分よりも高くなるのを防止して濃度偏差を解消するようになっている。
感光体ドラム(便宜上、数字のみを用いる)40は、有機感光体からなり、感光層の静電容量が9.5E−7(F/m2)に設定されている。
現像装置61では、25φを持ち、線速450mm/sに設定された現像ローラの表面に担持される二成分系現像剤が用いられている。
2次転写により記録材上に一括転写された画像を定着するための定着装置25では、定着温度が165℃に設定された画像定着が行われる。
(ただし、η1>0、トナー帯電量−20μC/gで、ベルトの移動方向下流側の領域に画像部が存在する場合が対象)
I1=−10.53×η1+35.53・・・(5)
(ただし、η1>0、トナー帯電量−20μC/gで、ベルトの移動方向下流側の領域に全面非画像部が存在する場合が対象)
I1=5・・・(6)
(ただし、η=0の時、上記移動方向下流側の領域に画像部が存在する場合が対象)
この場合のI1は、中間転写ベルトの移動方向最上流側での1次転写電流であり、η1は、上記最上流側での印字率を意味している。
つまり、図12の結果において、一次転写率が最大となる一次転写電流の値は、印字率が高いほど小さく、印字率が低いほど大きくなることから、本実施例では、この結果に従い、印字率が高いほど一次転写電流が小さくなる制御が行われている。
上記(4)〜(6)式は、図12に示した実験結果を踏まえて導き出されたものであり、例えば、非画像部の直後のベタ画像(ベタ画像連続印字時約1.50)の画像濃度上昇が0.05程度(感光体上の現像後のトナー付着量増加が0.02mg/cm2程度)発生するときに、転写効率を約2%下げて濃度ムラを抑えるようになっている。
つまり、転写位置の一つである1次転写位置では、前述した実施例と同様に、非画像部直後の画像部先端には、非画像部と現像ローラとの対向回数や印字率によって現像履歴によるトナー濃度が異なる部分が発生する。
図13(B)には、図13(A)に示す本来の画像に対して一定の転写バイアス(電流、電圧)に設定した場合の画像部先端の状態が示されている。このように印字率に応じた転写バイアス制御を実行した場合でも、非画像部直後の画像部先端にはトナー濃度の高い(トナー付着量の多い)部分が現出する。
さらに、図14に示したように、画像濃度の履歴は、特に非画像部の直後から現像ローラが1周する間に相当する画像領域で顕著に現れ、画像の印字に伴い見えなくなる傾向を有するが、非画像部直後の画像がベタ画像ではなく、ハーフトーン画像の場合等では現像ローラが2周、3周する間、濃度差として認識されるため、図14において符号P3、P4で示すように、全面非画像部からの距離に応じて転写電流を制御することにより、一層の濃度ムラの低減が可能となる。ただし、いずれにしても現像ローラの1周に相当する範囲では、転写電流を下げる制御を行う。
また、中間転写ベルトや記録材の移動速度(以下、「プロセス速度」という)によって、単位時間当たりに転写されるトナーの量や放電電流量が変わるため、これらの要因が大きく変動するような画像形成装置では、式3の係数を補正する。特に、感光体の非画像部電位や、トナーの電荷量は一般に温湿度環境で変化するため、温湿度センサ16の情報に基づき、以下に挙げるように、前記した(4)〜(6)式を補正しても良い。
(変更式1)
I1=−(13.16+(Q1+20)/20×8.01)*η1+41.66(η1>0、トナー帯電量−20μC/g、下流の領域に画像がある時)
I1=−(10.53+(Q1+20)/20×8.01)η1+35.53(η1>0、トナー帯電量−20μC/gで、下流に全面非画像部領域が存在し、式2を満たす時)
ここで、Q1はトナー帯電量[μC/g]である。 この関数は、トナーの帯電量が大きくなるに従って、印字率100%のベタ画像印字時の一次転写電流量が多くなるように設定した実験式である。
(変更式2)
I1=(−13.16×η1+41.66)*vp/280
(η1>0、トナー帯電量−20μC/g、下流の領域に画像がある時)
I1=(−10.53×η1+35.53))*vp/280
(η1>0、トナー帯電量−20μC/gで、下流に全面非画像部領域が存在し、(4)式を満たす時)
ここで、vpはプロセス速度[mm/s]である。この関数では、プロセス速度が大きくなるに従って、一次転写電流量が多くなるように制御される。
さらに、関数を使わず、ステーション毎に、下流の非画像部の有無と、トナーの帯電量や印字率、感光体の帯電電位などに応じて予め定められたテーブルに基づいて制御しても良い。
なお、制御するうえで基準となる印字率は、一次転写ニップの出口部に限らず、一次転写ニップの中央や、一次転写ニップ内に存在する印字率の平均値を使うことも可能である。さらに、もっと粗い範囲で制御しても良く、例えば副走査方向の100画素毎や、画像一枚当たりの平均印字率を用いて採用してもよい。これに対応して、電流の制御も副走査方向の画素毎に行うのではなく、もっと粗く、例えば、一次転写ニップの幅/プロセス線速 秒毎や、1000画素単位、あるいは、画像一枚単位で制御しても、廃トナー量の削減に対して一定の効果が得られる。
特に、一成分現像器の現像ローラの材料が無垢またはアルマイト処理されたアルミやSUS、真鍮などの金属の場合は、表面の削れによって現像履歴が顕著になるため、本発明は特に有効である。また、スポンジなどからなるトナー供給ローラの押圧を強くするなどして、現像ローラへのトナーの供給を無理に高めて、現像履歴を抑える必要もないので、現像ローラの線速が早い場合の、摩擦による熱の発生や、これに伴うトナーの固着の低減も実現可能となる。なお、今回の発明で示した転写電流による現像履歴の対策は、一次転写電流の制御に限られるものではなく、二次転写電流で実施することも可能である。
濃度ムラを抑える目的では、現像器の現像スリーブに印加する電圧を制御する方法も考えられるが、感光体の露光位置から転写ニップまでの距離は、露光位置と現像ニップの距離に比べて長く、画像情報に基づいて制御する電圧を算出するための時間も確保できる点で有利である。
なお、図10に示した画像形成装置においては、中間転写ベルト10に対して各色の画像を順次転写する構成を対象としているが、これに代えて、図15に示すように、ベルトに直接転写紙Sを吸着しながら各画像ユニット間を移動させて転写紙に対して順次画像を転写する構成とすることも可能である。
図16において画像パターンが切り替わる場合は、この領域内において濃度偏差が発生することになるが、その濃度偏差の程度については、切り替わる地点を境とした前後の画像パターンの組み合わせによって異なる。
前後の画像パターンの画像濃度や面積率の差が大きい場合は濃度偏差が比較的大きくなり、前後の画像パターンの画像濃度や面積率の差が小さい場合は濃度偏差が比較的小さくなる。
また、濃度偏差は画像パターンの切り替わる順序にも影響しており、例えば画像濃度が高いパターンから低いパターンに切り替わる場合と、その逆では濃度偏差の程度や偏差の方向(濃くなる、薄くなる)は異なる。
発明者は、濃度偏差とトナー濃度との関係を実験したところ、図17に示すように、トナー濃度が変動すれば濃度偏差も変動するという結果を得た。図17に示す結果は、画像パターンが切り替わる前後の画像をパターンAとパターンBという2種類を用いて実験した結果であり、各パターンによって変動幅は異なるが、トナーの変動に応じて濃度偏差も変動することが判る。
以上のことから、トナー濃度の変動によって濃度偏差が大きくなる傾向の場合には、画像形成条件の制御量を大きくし、逆に濃度偏差が小さければ画像形成条件の制御量を小さくすることができるといえる。
感光体回転周速(Vp):205(mm/s)
現像スリーブ回転周速(Vs):369(mm/s)
現像スリーブの直径(Ds):18(mm)
以上の条件から、前述した(2)式により画像部先端から像担持体移動方向に対する所定の長さ(L)として、L=3.14×18/(369/205)≒31(mm)が求められる。
これに対して、図7に示したような前記主走査方向で画像先端位置が一様でなく、濃度偏差が起こる箇所に相当する画像先端が主走査方向で不規則に存在しているような場合には、その箇所のみを対象として濃度偏差の解消を図ることが望ましい。このため、本実施例では、主走査方向での露光量の調整(印字ポジションでの露光量調整)を行う。これにより、現像バイアスにより濃度偏差を解消できる場合にはそれのみを用いるようにして、必要以上に感光体への露光量調整をしないようにして感光体の光疲労を抑制しながら濃度偏差の解消を図るようにすることが望ましい。
図20には、図6に示した画像パターンを対象として、画像形成条件のうちで現像バイアス、転写電流および転写電圧のいずれかを制御対象とする場合が示されており、図21には図7に示した画像パターンを対象として画像形成条件のうちで露光量を制御対象とする場合が示されている。
なお、本発明において、トナーの付着量を抑制する制御というのは、トナーが付着しにくくなるような制御を指し、実際の付着量が減少するものではない。すなわち、通常の制御を行った場合にはより多くのトナーが付着してしまうので、トナーを付着しにくくして、濃度差を抑えることを示している。
10 中間転写ベルト
21 露光手段
40 感光体ドラム
60 帯電手段
61 現像手段
62 転写手段
Claims (10)
- 像担持体と、像担持体表面を一様帯電する帯電手段と、像担持体に対して画像情報に応じた書き込み走査を行う露光手段と、トナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体を備えて像担持体上に形成された静電潜像の可視像処理を行う現像手段と、可視像処理されたトナー像を記録材に転写する転写手段とを少なくとも備えた画像形成装置において、
潜像担持体の周速をVpとし、現像剤担持体の周速をVsとし、現像剤担持体の直径をDsとした場合に、画像部直前の非画像部の像担持体移動方向での長さ(Lg)が、(1)式の関係を持つ場合に、
Lg≧π・Ds/(Vs/Vp)・・・(1)
画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さにおいて記録材へのトナー付着量を抑制するために、画像部直前の非画像部の像担持体移動方向の長さ(Lg)が大きいほど、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでのトナー付着量を抑制するように制御することを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、像担持体表面を一様帯電する帯電手段と、像担持体に対して画像情報に応じた書き込み走査を行う露光手段と、トナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体を備えて像担持体上に形成された静電潜像の可視像処理を行う現像手段と、可視像処理されたトナー像を記録材に転写する転写手段とを少なくとも備えた画像形成装置において、
潜像担持体の周速をVpとし、現像剤担持体の周速をVsとし、現像剤担持体の直径をDsとした場合に、画像部直前の非画像部の像担持体移動方向での長さ(Lg)が、(1)式の関係を持つ場合に、
Lg≧π・Ds/(Vs/Vp)・・・(1)
画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さにおいて記録材へのトナー付着量を抑制するために、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの像担持体に対する露光条件による静電気量、もしくは現像バイアスによるトナーの付着量は印字画素数に応じて設定され、予め定められた画素数以上の印字が行われた場合には予め定められた画素数より少ない印字が行われた場合に比べて像担持体に対する静電気量もしくはトナーの付着量を抑制すること特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、像担持体表面を一様帯電する帯電手段と、像担持体に対して画像情報に応じた書き込み走査を行う露光手段と、トナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体を備えて像担持体上に形成された静電潜像の可視像処理を行う現像手段と、可視像処理されたトナー像を記録材に転写する転写手段とを少なくとも備えた画像形成装置において、
潜像担持体の周速をVpとし、現像剤担持体の周速をVsとし、現像剤担持体の直径をDsとした場合に、画像部直前の非画像部の像担持体移動方向での長さ(Lg)が、(1)式の関係を持つ場合に、
Lg≧π・Ds/(Vs/Vp)・・・(1)
画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さにおいて記録材へのトナー付着量を抑制するために、現像手段が前記非画像部を通過する回数を、(3)式により算出し、
Lg/(πDs(Vs/Vp)・・・(3)
通過回数の値が大きいほど、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでのトナー付着量を小さくする傾向に制御することを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、像担持体表面を一様帯電する帯電手段と、像担持体に対して画像情報に応じた書き込み走査を行う露光手段と、トナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体を備えて像担持体上に形成された静電潜像の可視像処理を行う現像手段と、可視像処理されたトナー像を記録材に転写する転写手段とを少なくとも備えた画像形成装置において、
潜像担持体の周速をVpとし、現像剤担持体の周速をVsとし、現像剤担持体の直径をDsとした場合に、画像部直前の非画像部の像担持体移動方向での長さ(Lg)が、(1)式の関係を持つ場合に、
Lg≧π・Ds/(Vs/Vp)・・・(1)
画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さにおいて記録材へのトナー付着量を抑制するために、前記像担持体の軸方向において分割された所定領域毎を対象として各領域において前記(1)式の関係を持つ場合には、所定領域毎に前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの露光量を小さくして記録材へのトナーの付着量を抑制するとともに、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの露光量、露光パワーまたは露光時間の少なくともいずれか一つ、もしくは転写バイアスあるいは現像バイアスを、前記画像部における画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さ以外の領域の画像部分を対象とする場合に対して小さくする傾向に制御する場合には、前記像担持体の移動方向と直角な方向に相当する主走査方向での前記所定領域の長さを、2/3mm未満に設定されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの偏差発生傾向の判別には、印字画素数に基づく画像濃度もしくは面積率の差が用いられ、これら画像濃度もしくは面積率によるトナーの残存状態が用いられ、該トナーの残存状態に基づき、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでのトナーの付着量を決定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または4に記載の画像形成装置において、
前記(1)式を満足する場合に、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さを対象とした前記露光手段での露光条件を像担持体の電位の変化が低くなる条件に制御して書き込み走査を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6記載の画像形成装置において、
前記露光条件として、露光量、露光パワーまたは露光時間の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、
前記(1)式を満足する場合に、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さでの現像手段に印加される現像バイアスの絶対値を基準値よりも小さくなるように制御して可視像処理することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、
前記(1)式を満足する場合に、前記画像先端から像担持体移動方向に対する所定の長さを対象とした前記転写手段への転写バイアスに用いられる電圧もしくは電流を小さく制御して画像転写を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至9のうちの一つに記載の画像形成装置において、
前記所定の長さは、nπ・Ds/(Vs/Vp)と設定されている(ただし、nは1以上の整数)ことを特徴とする画像形成装置。
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