JP3966543B2 - 電子写真画像形成方法及び電子写真装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真画像形成方法及び電子写真装置に関し、詳しくはトナー中の外部添加剤の全表面積比率が0.5〜1.5で、かつ感光体の保護層表面とトナーの安息角が30度以下のトナーを用いる電子写真画像形成方法及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により像担持体(感光体)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像を行なって可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。
【0003】
電気的潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、加圧現像方法等が知られている。さらには、磁性トナーを用い、中心に磁極を配した回転スリーブを用い感光体上とスリーブ上の間を電界にて飛翔させる方法も用いられている。
【0004】
一成分現像方式は二成分方式のようにガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要なため、現像装置自体を小型化・軽量化出来る。さらには、二成分現像方式はキャリア中のトナーの濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要である。よって、ここでも現像装置が大きく重くなる。一成分現像方式ではこのような装置は必要とならないため、やはり小さく軽く出来るため好ましい。
【0005】
また、プリンター装置はLED、LBPプリンターが最近の市場の主流になっており、技術の方向としてより高解像度すなわち、従来400、600dpiであったものが800、1200dpiとなって来ている。従って、現像方式もこれにともなってより高精細が要求されてきている。また、複写機においても高機能化が進んでおり、そのためデジタル化の方向に進みつつある。この方向は、静電荷像をレーザーで形成する方法が主であるため、やはり高解像度の方向に進んでおり、ここでもプリンターと同様に高解像・高精細の現像方式が要求されてきている。このためトナーの小粒径化が進んでおり、特開平3−181952号公報、特開平4−162048号公報などでは特定の粒度分布の粒径の小さいトナーが提案されている。
【0006】
現像工程で感光体上に形成されたトナー像は転写工程で転写材に転写されるが、感光体上に残った転写残トナーはクリーニング工程でクリーニングされ、廃トナー容器にトナーは蓄えられる。このクリーニング工程については、従来ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング、ローラークリーニング等が用いられていた。装置面からみると、かかるクリーニング装置を具備するために装置が必然的に大きくなり、装置のコンパクト化を目指すときの問題になっていた。さらには、環境保全の観点より、トナーの有効活用と言う意味で廃トナーの少ないシステムが望まれており、転写効率の良いトナーが求められていた。
【0007】
また、トナーが小径化するに従い、転写でトナー粒子にかかるクーロン力に比して、トナー粒子の潜像担持体への付着力(鏡像力やファンデルワールス力など)が大きくなってきて、結果として転写残トナーが増加する傾向があった。
【0008】
さらに、ローラー帯電方式においては、帯電ローラーと静電潜像担持体間に発生する放電による静電潜像担持体表面の物理的・化学的な作用がコロナ帯電方式に比較して大きく、特に有機感光体/ブレードクリーニングとの組合せにおいて、感光体表面劣化に起因する摩耗が生じやすく、寿命に問題があった(直接帯電/有機感光体/一成分磁性現像方法/当接転写/ブレードクリーニングの組合せは、画像形成装置の低コスト化及び小型軽量化が容易であるため、低価格・小型軽量が要求される分野の複写機、プリンター、ファクシミリ等において主流の方式である。)。
【0009】
感光体の摩耗防止のため、感光体の最表層にフィラーを添加することによる摩耗防止(耐刷性の向上)が検討されている。感光体の表面層としての保護層の検討は、無機系感光体で始まり、例えば、特公平2−3171号公報、特公平2−7058号公報、特公平3−43618号公報などに記載されている。このように無機感光体の表面に保護層が設けられた場合には、保護層には比較的抵抗の低いフィラーが良好に用いられていた(特開昭63−254462、63−254463号公報)。このため、感光体が帯電される際、感光体表面に帯電されるというより、むしろ保護層バルクもしくは保護層/無機感光層界面に帯電される場合が多かった。確かに、潜像が感光体表面でなく、保護層内部(無機感光層との界面を含む)に形成された場合、感光体表面の形状(キズ等)の影響は少なくなるというメリットが見いだされた。しかしながら、表面層に保護層としての機能を持たせようとした場合、表面層中に添加するフィラーとしての導電性金属酸化物を多量に添加する必要がある。この場合、材料の選択により表面層の透明性を確保したとしても、表面層のバルクもしくは表面抵抗が低くなってしまうため、繰り返し使用時に画像ボケという欠点が出現する場合があった。このような欠点を解消するため、特公平2−7057号公報、特許番号2675035に、表面層中の導電性金属酸化物濃度を塗膜表面からの深さ方向において変化させる方法が開示されている。これにより、画像ボケ・流れを解消するものであった。
【0010】
また、画像ボケに対してプロセス中の処理により解消する方法として、感光体を加熱するドラムヒーターを搭載する手段が用いられている。感光体を加熱することによって画像ボケの発生は抑制できるものの、ドラムヒーターを搭載するには感光体の径が大きくなければならないため、電子写真装置の小型化に伴って、現在主流となりつつある小径感光体には適用できず、小径感光体の高耐久化が困難とされてきた。更に、ドラムヒーターの搭載によって装置が大型にならざるを得ず、消費電力が顕著に増加する上、装置の立ち上げ時には多くの時間を要する等、多くの課題を残しているのが実状であった。
【0011】
一方、有機系の電荷発生物質および電荷輸送物質を用いた感光体(俗に言うOPC)上に、前述のような技術を応用し、抵抗の低いフィラーを用いた表面層(保護層)を積層し、繰り返し使用の試験を行った場合、OPCとのマッチングが悪いためか、画像流れが生じた。また、無機系の感光体で有効であった導電性金属酸化物の表面層中に濃度分布を持たせる方法を用いた場合でも、ほぼ同様の結果であった。この原因については不明であるが、最近の有機感光体を用いた電子写真プロセスにおいては、デジタル信号を感光体上にドットして書き込むような使い方がなされ、このような使用状況は無機系感光体が感光体の主流であったころとは大きく異なっている。マシン側から要求される解像度のレベルが大きく変わり、この現象(欠点)が顕著になったという見方もできる。
【0012】
このような状況から、有機系感光体の表面層には、導電性でなく抵抗の高いフィラーを用いることが必須である。しかしながら、抵抗の高いフィラーを用いた場合には、残留電位が増加してしまうという問題が発生する場合がある。多く見られる残留電位の増加は、電子写真装置内では明部電位が高いことにつながり、画像濃度や階調性の低下を招くことになる。それを補うためには暗部電位を高くする必要があるが、暗部電位を高くすると電界強度が高くなり、地肌汚れ等の画像欠陥を生じさせるだけでなく、感光体の寿命をも低下させることにつながる。このような点に鑑み、フィラーを2種類混合させて使用するという考え方も試みられたが、抵抗の低いフィラーが感光体表面に多く存在すると、繰り返し使用時に画像ボケが発生するという問題は解消されず、根本的な解決には至っていない。
【0013】
従来技術において残留電位上昇を抑制させる方法としては、保護層を光導電層とする方法(特公昭44−834号公報、特公昭43−16198号公報、特公昭49−10258号公報)が開示されている。しかし、保護層による光の吸収によって感光層へ到達する光量が減少するため、感光体の感度が低下する問題が生じ、その効果はわずかであった。
【0014】
それに対して、フィラーとして含有される金属あるいは金属酸化物の平均粒径を0.3μm以下にすることによって(特開昭57−30846号公報)、保護層が実質的に透明となり、残留電位蓄積を抑制する方法が開示されている。この方法は残留電位の増加を抑制する効果は認められるものの、その効果は不十分であり、課題を解決するには至っていないのが実状である。それは、フィラーを含有させた場合に引き起こされる残留電位の増加は、電荷発生効率よりもフィラーの存在による電荷トラップやフィラーの分散性に起因する可能性が高いことによる。フィラーの平均粒径が0.3μm以上であっても分散性を高めることによって透明性を得ることが可能であるし、平均粒径が0.3μm以下であってもフィラーがかなり凝集していれば膜の透明性は低下することになる。
【0015】
残留電位上昇を抑制する別の手段としては、保護層中にルイス酸等を添加する方法(特開昭53−133444号公報)、保護層に有機プロトン酸を添加する方法(特開昭55−157748号公報)、電子受容性物質を含有させる方法(特開平2−4275号公報)、酸価が5(mgKOH/g)以下のワックスを含有させる方法(特開2000−66434号公報)が開示されている。これらの方法は、保護層/電荷輸送層界面での電荷の注入性を向上させ、また保護層に低抵抗部分が形成されることにより、電荷が表面にまで到達しやすくなることに起因していると考えられている。この方法は、残留電位の低減効果が認められるが、それによって画像ボケを引き起こしやすくなり、画像への影響が顕著に現れる副作用を有する。また、有機酸を添加した場合にはフィラーの分散性の低下を引き起こしやすくなるため、その効果は十分ではなく、課題の解決に至っていないのが実状である。
【0016】
また、高耐久化のためにフィラーを含有させた電子写真感光体において、高画質化を実現するためには、前述の画像ボケの発生や残留電位上昇を抑制させるだけでなく、電荷が保護層中のフィラーによって進行を妨げられることなく、感光体の表面まで電荷が直線的に到達することも重要である。それには保護層膜中のフィラーの分散性が大きく影響する。フィラーが凝集した状態では、電荷輸送層より保護層へ注入された電荷が表面へ移動する際、フィラーによって進行が妨げられやすくなり、結果的にトナーにより形成されたドットが散った状態となって解像度が大きく低下する。また、保護層を設けた場合に、フィラーによって書き込み光が散乱され光透過性が低下する場合も、同様に解像度に大きな悪影響を与えることになるが、この光透過性に与える影響もまたフィラーの分散性と密接に関係している。更に、フィラーの分散性は耐摩耗性に対しても大きく影響し、フィラーが強い凝集を起こし、分散性に乏しい状態では耐摩耗性が大きく低下する。従って、高耐久化のためにフィラーを含有させた保護層を形成した電子写真感光体において、同時に高画質化を実現するためには、画像ボケの発生や残留電位上昇を抑制させるだけでなく、保護層膜中のフィラーの分散性を高めることが重要である。
【0017】
しかし、それらを同時に解決できる有効な手段は見出されておらず、高耐久化のために感光体の最表面層にフィラーを含有させた場合、画像ボケや残留電位上昇の影響が強く現れ、高画質化に対する課題が今もなお残されているのが実状である。さらに、それらの影響を軽減させるために、ドラムヒーターを搭載する必要があることから、最も耐久性が必要とされる小径感光体の高耐久化が実現されておらず、それに伴い装置の小型化や消費電力の低減に対しても大きな障害となっているのが実状であった。
【0018】
また、光感度、分光感度域、無公害性、静電的耐久性等において無機系感光体を凌駕するようになってきた有機系感光体であるが、その長所を生かしきるために機械的耐久性の向上は急務であり、高耐久なマシン・プロセス設計上、その開発は熱望されているものであった。
更に、このように感光体の耐摩耗性が向上し、膜削れが感光体の寿命でなくなってくると、感光体の静電的な寿命が感光体の寿命律速になってくる。具体的には、感光体の帯電性の低下(特に局部的な電位のリーク)により、原稿にはない地肌部(白地)での点欠陥(地肌汚れ、黒ポチなど)が発生してしまう。この欠陥は、図面における点、英文原稿におけるピリオド、カンマなどと見間違えられることがあり、画像としては致命的な欠陥であると言える。
【0019】
また上述のように、高い転写効率を狙った画像形成方法に用いられるトナーと感光体は離型性に優れたものであることが要求されていた。特開平11−272003号公報などでは、感光体の最外層表面と純水の接触角が大きいことを特徴とする電子写真感光体が提案されている。しかしながら、純水と感光体の最外層表面の接触角を大きくしたところで、実際のトナーと感光体の離型性とは相関がなく、また該感光体によると転写効率及びクリーニング性が不十分で、さらなる改良が必要である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の従来技術の問題点を解決したトナー及び感光体を用いる電子写真画像形成方法及び電子写真装置を提供することにある。
すなわち本発明の課題は、転写性に優れ、転写残トナーが少なく、クリーニング部材へのフィルミング、感光体フィルミングが発生しないか、又はこれらの現象が抑制されたトナーを用いる電子写真画像形成方法及び電子写真装置を提供すること、並びに離型性と滑り性に優れ、長期間及び多数枚プリント後においても感光体削れが少なく、長寿命である感光体を用いる電子写真画像形成方法及び電子写真装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、トナーと感光体との離型性に着目し、上記課題を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
【0022】
すなわち、本発明によれば、下記第一乃至第八に記載の電子写真画像形成方法、及び第九乃至第二十一に記載の電子写真装置が提供される。
第一に、少なくとも帯電、露光、現像、転写の工程を経て転写材に画像を形成し、かつ転写残りトナーがクリーニング工程において回収される電子写真画像形成方法において、該現像工程に用いられるトナーはZ=(Ht・Wt)/(H・W)で算出される添加剤の全表面積比率Zが0.5≦Z≦1.5を満たすものであり、かつ用いられる感光体は導電性支持体上に少なくとも感光層と、バインダー樹脂、フィラーとして比抵抗1×1010Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物、及び酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物をフィラーに対して0.1〜20重量%含有する保護層とをその順に設けたものであって、しかも該感光体の保護層表面と該トナーの安息角が30度以下であることを特徴とする電子写真画像形成方法。
〔但し、上記記号は下記の数値を表す。
H:トナー粒子の比表面積(m/g)、
W:トナー粒子の重量含有率(%)、
Ht:添加剤の比表面積(m/g)、
Wt:添加剤の含有比率(%)〕
第二に、前記トナーが円形度0.95以上の球形トナーであることを特徴とする上記第一に記載の電子写真画像形成方法。
第三に、前記感光体のフィラー含有保護層が電荷輸送物質を含有するものであることを特徴とする上記第一又は第二に記載の電子写真画像形成方法。
第四に、前記電荷輸送物質が電子供与性基を有する重合体であることを特徴とする上記第三に記載の電子写真画像形成方法。
第五に、前記感光体の最表層に、これを構成する材料と相溶するシリコーンオイルを、最表層を構成する材料との相溶性の限界を超えた量添加したことを特徴とする第一乃至第四の何れかに記載の電子写真画像形成方法。
第六に、前記感光体に含有される電荷発生物質が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2°)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンであることを特徴とする上記第一乃至第五の何れかに記載の電子写真画像形成方法。
第七に、前記感光体に含有される電荷発生物質が、下記一般式(A)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする上記第一乃至第五の何れかに記載の電子写真画像形成方法。
【化5】
Figure 0003966543
[式(A)中、Cp、Cp下記一般式(B)で表されるカップラー残基を表し、同一でも異なっていても良い。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表し、同一でも異なっていても良い
【化6】
Figure 0003966543
(式(B)中、R203は、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環または置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す。)]
第八に、前記感光体の導電性支持体表面が陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする上記第一乃至第七の何れかに記載の電子写真画像形成方法が提供される。
【0023】
第九に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を経て転写材に画像を形成し、かつ転写残りトナーがクリーニング手段により回収される電子写真装置において、該現像手段に用いられるトナーはZ=(Ht・Wt)/(H・W)で算出される添加剤の全表面積比率Zが0.5≦Z≦1.5を満たすものであり、かつ用いられる感光体は導電性支持体上に少なくとも感光層と、バインダー樹脂、フィラーとして比抵抗1×1010Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物、及び酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物をフィラーに対して0.1〜20重量%含有する保護層とをその順に設けたものであって、しかも該感光体の保護層表面と該トナーの安息角が30度以下であることを特徴とする電子写真装置。
〔但し、上記記号は下記の数値を表す。
H:トナー粒子の比表面積(m/g)、
W:トナー粒子の重量含有率(%)、
Ht:添加剤の比表面積(m/g)、
Wt:添加剤の含有比率(%)〕
第十に、前記トナーが円形度0.95以上の球形トナーであることを特徴とする上記第九に記載の電子写真装置。
第十一に、前記感光体のフィラー含有保護層が電荷輸送物質を含有するものであることを特徴とする上記第九又は第十に記載の電子写真装置。
第十二に、前記電荷輸送物質が電子供与性基を有する重合体であることを特徴とする上記第十一に記載の電子写真装置。
第十三に、前記感光体の最表層に、これを構成する材料と相溶するシリコーンオイルを、最表層を構成する材料との相溶性の限界を超えた量添加したことを特徴とする上記第九乃至第十二の何れかに記載の電子写真装置。
第十四に、前記感光体に含有される電荷発生物質が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2°)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンであることを特徴とする上記第九乃至第十三の何れかに記載の電子写真装置。
第十五に、前記感光体に含有される電荷発生物質が、下記一般式(A)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする上記第九乃至第十三の何れかに記載の電子写真装置。
【化7】
Figure 0003966543
[式(A)中、Cp、Cp下記一般式(B)で表されるカップラー残基を表し、同一でも異なっていても良い。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表し、同一でも異なっていても良い
【化8】
Figure 0003966543
(式(B)中、R203は、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R204、R 05、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環または置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す。)]
第十六に、前記感光体の導電性支持体表面が陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする上記第九乃至第十五の何れかに記載の電子写真装置。
第十七に、前記電子写真装置において、帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする上記第九乃至第十六の何れかに記載の電子写真装置。
第十八に、前記帯電部材と感光体間の空隙が200μm以下であることを特徴とする上記第十七に記載の電子写真装置。
第十九に、前記電子写真装置において、帯電部材に直流成分に交流成分を重畳し、感光体に帯電を与えることを特徴とする上記第十七又は第十八に記載の電子写真装置。
第二十に、前記電子写真装置において、感光体表面にステアリン酸亜鉛を供給塗布することを特徴とする上記第九乃至第十九の何れかに記載の電子写真装置。
第二十一に、前記電子写真装置において、現像部に供給されるトナー中に粉末状ステアリン酸亜鉛を含有することを特徴とする上記第二十に記載の電子写真装置。
【0024】
本発明の電子写真画像形成方法及び電子写真装置は、外部添加剤の全表面積比率Zが0.5〜1.5の範囲内のトナーを使用し、かつ感光層の上に、バインダー樹脂、フィラーとして比抵抗1×10 10 Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物、及び酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物をフィラーに対して0.1〜20重量%含有する保護層を設けた感光体を使用し、しかも感光体の保護層表面とトナーの安息角が30度以下であるとしたことから、本発明によるとクリーニング部材へのフィルミング、感光体へのフィルミングが発生せず、また感光体削れが著しく改善されたものとなる。
【0025】
なお、使用するトナーは円形度0.95以上であることが好ましい。また感光体の保護層に含有されるフィラーは比抵抗1×1010Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物が好ましい。
また、該保護層に電荷輸送物質を含有することが好ましく、該電荷輸送物質は電子供与性基を有する重合体が好ましい。また該保護層に酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物を含有することが好ましく、また感光体の最表層に、シリコーンオイルを過剰量添加することが好ましく、さらに感光体に含有される電荷発生物質が、前記特定のチタニルフタロシアニン或いは前記一般式(A)で表されるアゾ顔料であることが好ましく、さらにまた前記感光体の導電性支持体表面が陽極酸化皮膜処理されたものであることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される静電潜像現像剤用トナーは、少なくともトナー粒子及び1種以上の外部添加剤からなり、トナー粒子は、結着樹脂及び着色剤を含有している。
【0027】
(トナー粒子及び外部添加剤)
本発明に用いられるトナーは、トナー中のZ=(Ht・Wt)/(H・W)で算出される添加剤の全表面積比率Zが0.5≦Z≦1.5を満たすものであり、かつ転写残りトナーがクリーニング工程において回収される電子写真画像形成方法に用いられる電子写真感光体において、該感光体のフィラーを含有する最外層表面と該トナーの安息角が30度以下であることが要求される。
【0028】
なお、上記記号は下記の数値を表す。
H:トナー粒子の比表面積(m2/g)、
W:トナー粒子の重量含有率(%)、
Ht:添加剤の比表面積(m2/g)、
Wt:添加剤の含有比率(%)
【0029】
また、ここでいう比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置[湯浅アイオニクス(株)社製MONOSORB MS−12型]を用いて測定した比表面積を表わす。
【0030】
全表面積比率ZがZ<0.5の場合は、該感光体の保護層表面と該トナーの安息角が30度以下を満たすことが困難であり、また、該トナーを一成分現像方法に用いる場合には、トナー流動性不足によるトナー補給不良が発生する。全表面積比率Zが1.5<Zの場合は、該感光体の保護層表面と該トナーの安息角が30度以下はほぼ満たされるが、クリーニング部材及び薄層規制部材へのフィルミングが発生する。さらに、感光体フィルミングが発生し、長期間及び多数枚プリント後では感光体削れが悪化し、寿命が極端に短くなってしまう。
【0031】
該感光体の保護層表面と該トナーの安息角が30度を超える場合は、耐久によるトナー及び感光体の劣化が生じる。
【0032】
本発明でいう流動度(トナーの安息角)は、以下のようにして求められる。ふるい上の試料100gを振動により自然落下させ、高さ5cmで直径5cmの円筒状容器に充填し、容器より上部に堆積しているトナーを擦り切り、充填された状態で感光体の保護層表面を塗工した平面アルミ板をのせる。円筒状容器と塗工された平面アルミ板を密着させたまま、上下を反転させ、円筒状容器を静かに上に抜き上げる。このときに形成されたトナーの堆積サンプルの安息角を求める。
【0033】
本発明におけるトナーの外部添加剤としては、無機微粒子や有機微粒子等の公知の外部添加剤を用いることができるが、その中でも、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウム及びりん酸カルシウム等の無機微粒子、フッ素含有樹脂微粒子、シリカ含有樹脂微粒子及び窒素含有樹脂微粒子等の有機樹脂微粒子が好ましい。また、目的に応じて外部添加剤表面に表面処理を施してもよい。表面処理剤としては、疎水化処理を行うためのシラン化合物、シランカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
【0034】
さらに、2種以上の粒径の異なる外部添加剤を含有することが好ましく、平均粒径で2〜5倍程度の粒径差のある外部添加剤を含有することが好ましい。2種以上の粒径の異なる外部添加剤を含有しない場合は、経時での外部添加剤のトナー母体への埋没が急激に進み、トナー流動性の悪化が急激に進んでしまう。従って、トナーの流動性が低下することによる画像むらが発生しやすく、またトナーへの付着力が強くなり難く、トナーからの脱離が容易に起こり、感材傷、画像ぬけの原因となる。2種以上の粒径の異なる外部添加剤を含有すれば、大粒径外部添加剤がスペーサーの役割を果たし、トナー流動性に効果がある小粒径外部添加剤のトナー母体への埋没が防止され、トナー流動性を維持できる。
【0035】
例えば、大きな粒径の外部添加剤とは、BET比表面積が20〜80m2/gの範囲にあるものを意味し、BET比表面積がこの範囲にあれば、種々の表面処理されたものが使用可能であり、特に、20〜50m2/gのものがより好ましい。20m2/g未満の場合はトナーの流動性が低下することによる画像むらが発生しやすく、またトナーへの付着力が強くなり難く、トナーからの脱離が容易に起こり、感材傷、画像ぬけの原因となる。小さな粒径の外部添加剤とは、BET比表面積が100〜250m2/gの範囲にあるものを意味し、BET比表面積がこの範囲にあれば、種々の表面処理されたものが使用可能であり、特に、120〜200m2/gのものがより好ましい。特に、トナーの付着力を低減するため効果がある。
【0036】
(母体トナー粒子)
本発明に用いられる母体トナー粒子は、円形度0.95以上であることが好ましい。従来主に用いられている気流式粉砕法により製造されたトナーは凹凸の多い形状であり、その凹凸に起因する研磨力により、軽度の初期段階のトナー融着物を感光体表面から掻き取り、融着が問題になるレベルにまで成長することは比較的少ないが、本発明のトナーは、従来の気流式粉砕法により製造されたトナーに比べて、「丸み」を帯びた形態を有しており、トナー粒子そのものの研磨性が低下しているために過酷な条件下では融着が発生しにくいものと考えている。その理由としては、トナーと感光体との摩擦抵抗が低減され、発生する摩擦熱が減少し融着が成長しなくなるものと考えている。
【0037】
本発明における円形度の測定は、東亞医用電子社製のフロー式粒子像分析装置(FPIA−1000)を用いて求めたものである。
【0038】
円形度0.95以上の母体トナー粒子の製造方法としては、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合にて重合し、その分散液と着色剤と共に必要に応じて、離型剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などの分散液を混合、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤と共に必要に応じて、離型剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などの溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤と共に必要に応じて、離型剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などの溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法などが挙げられる。また、結着樹脂と着色剤と共に必要に応じて、離型剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などを混練し、機械的衝撃力により粉砕し、分級して得る混練粉砕法などが挙げられる。さらには、気流式粉砕法にて得られた不定形トナー粒子に、熱エネルギーを与えて形状を変化させる製造方法、また、前記方法で得られたトナー粒子をコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法でもよい。
【0039】
本発明でトナー粒子の製造に用いる結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル及び酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン及びビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の、これらの単独重合体あるいは共重合体が挙げられ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリルニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
【0040】
本発明でトナー粒子の製造に用いる着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料・顔料が代表的なものとして挙げられる。
【0041】
本発明で用いるトナー粒子には、結着樹脂と着色剤の他に、必要に応じて、オフセット防止のための離型剤を添加することができる。離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のワックス類が挙げられる。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、中でも、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物の帯電制御剤を好適に使用することができる。
【0042】
本発明に用いられるトナー粒子は、通常のトナー粒子と同様に、5〜11μmの平均粒径を有するものが好ましく、4〜8μmの範囲のものがより好ましい。平均粒径が11μmを超えるとドット及びラインの潜像にトナー粒子が忠実に現像せず、写真画像の再現あるいは細線の再現が劣る場合がある。また、平均粒径が3μm未満ではトナー単位当たりの表面積が大きくなって、帯電性及びトナー流動性の制御が難しくなり、安定した画像が得られない場合がある。
【0043】
本発明におけるトナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等を用い求めたものである。
【0044】
以下、本発明に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図1は、本発明に使用する電子写真感光体の構成例を示す模式断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする単層感光層33が設けられ、感光層上に保護層39が設けられている。
【0045】
図2は、本発明に使用する電子写真感光体の別の構成例を示す模式断面図であり、感光層が、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37とが積層された構成であり、電荷輸送層37上に保護層39が設けられている。
【0046】
図3は、本発明に使用する電子写真感光体の更に別の構成例を示す模式断面図であり、感光層が、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35とが積層された構成であり、電荷発生層35上に保護層39が設けられている。
【0047】
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化錫、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状若しくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
【0048】
また、これらの中でも陽極酸化皮膜処理を簡便に行うことのできるアルミニウムからなる円筒状支持体が最も良好に使用できる。ここでいうアルミニウムとは、純アルミ系あるいはアルミニウム合金のいずれをも含むものである。具体的には、JIS1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金が最も適している。陽極酸化皮膜は各種金属、各種合金を電解質溶液中において陽極酸化処理したものであるが、中でもアルミニウムもしくはアルミニウム合金を電解質溶液中で陽極酸化処理を行ったアルマイトと呼ばれる被膜が本発明に用いる感光体には最も適している。特に、反転現像(ネガ・ポジ現像)に用いた際に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)を防止する点で優れている。
【0049】
陽極酸化処理は、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸などの酸性浴中において行われる。このうち、硫酸浴による処理が最も適している。一例を挙げると、硫酸濃度:10〜20%、浴温:5〜25℃、電流密度:1〜4A/dm2、電解電圧:5〜30V、処理時間:5〜60分程度の範囲で処理が行われるが、これに限定するものではない。このように作製される陽極酸化皮膜は、多孔質であり、又絶縁性が高いため、表面が非常に不安定な状況である。このため、作製後の経時変化が存在し、陽極酸化皮膜の物性値が変化しやすい。これを回避するため、陽極酸化皮膜を更に封孔処理することが望ましい。封孔処理には、フッ化ニッケルや酢酸ニッケルを含有する水溶液に陽極酸化皮膜を浸漬する方法、陽極酸化皮膜を沸騰水に浸漬する方法、加圧水蒸気により処理する方法などがある。このうち、酢酸ニッケルを含有する水溶液に浸漬する方法が最も好ましい。封孔処理に引き続き、陽極酸化皮膜の洗浄処理が行われる。これは、封孔処理により付着した金属塩等の過剰なものを除去することが主な目的である。これが支持体(陽極酸化皮膜)表面に過剰に残存すると、この上に形成する塗膜の品質に悪影響を与えるだけでなく、一般的に低抵抗成分が残ってしまうため、逆に地汚れの発生原因にもなってしまう。洗浄は純水1回の洗浄でも構わないが、通常は多段階の洗浄を行う。この際、最終の洗浄液が可能な限りきれい(脱イオンされた)ものであることが好ましい。また、多段階の洗浄工程のうち1工程に接触部材による物理的なこすり洗浄を施すことが望ましい。以上のようにして形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、5〜15μm程度が望ましい。これより薄すぎる場合には陽極酸化皮膜としてのバリア性の効果が十分でなく、これより厚すぎる場合には電極としての時定数が大きくなりすぎて、残留電位の発生や感光体のレスポンスが低下する場合がある。
【0050】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体31として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化錫、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0051】
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフルオロエチレンなどの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
【0052】
次に、感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層35と電荷輸送層37で構成される場合から述べる。
【0053】
電荷発生層35は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
【0054】
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ほう素原子、りん原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0055】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
【0056】
中でもアゾ顔料および/またはフタロシアニン顔料が有効に用いられる。特に下記一般式(A)で表されるアゾ顔料、およびチタニルフタロシアニン(特にCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2°)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン)が有効に使用できる。
【化9】
Figure 0003966543
[式(A)中、Cp、Cp下記一般式(B)で表されるカップラー残基を表し、同一でも異なっていても良い。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表し、同一でも異なっていても良い
【化10】
Figure 0003966543
(式(B)中、R203は、水素原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基を表す。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環または置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す。)]
【0057】
特に、前記Cp1とCp2が異なる構造の非対称アゾ顔料は、Cp1とCp2が同一構造である対称型のアゾ顔料よりも、光感度が良好な場合が多く、感光体の小径化、使用プロセスの高速化に対応できるものであり、有効に使用される。
また、ブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンの中でも、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.4〜9.4゜の範囲にピークを有さず、26.3゜にピークを有さないチタニルフタロシアニン(特開2001−19871号公報に記載)が特に有効に使用出来る。
これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
【0058】
必要に応じて電荷発生層35に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0059】
電荷発生層35を形成する方法には、大別して真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法が挙げられる。
【0060】
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、電荷発生層35として、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
【0061】
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系若しくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共に、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
【0062】
電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0063】
電荷輸送層37は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0064】
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0065】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、又は2種以上混合して用いられる。
【0066】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0067】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。
【0068】
また、電荷輸送層には電子供与性基を有する重合体を含有させることもできる。電子供与性基を有する重合体とは、電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質、あるいは電荷輸送層の成膜時には電子供与性基を有するモノマーあるいはオリゴマーの状態で、成膜後に硬化反応あるいは架橋反応をさせることで、最終的に2次元あるいは3次元の架橋構造を有する重合体も含むものである。
【0069】
これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層、あるいは架橋構造を有する重合体は耐摩耗性に優れたものである。通常、電子写真プロセスにおいては、帯電電位(未露光部電位)は一定であるため、繰り返し使用により感光体の表面層が摩耗すると、その分だけ感光体にかかる電界強度が高くなってしまう。この電界強度の上昇に伴い、地汚れの発生頻度が高くなるため、感光体の耐摩耗性が高いことは、地汚れに対して有利である。これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層は、自身が高分子化合物であるため成膜性に優れ、低分子分散型高分子からなる電荷輸送層に比べ、電荷輸送部位を高密度に構成することが可能で電荷輸送能に優れたものである。このため、高分子電荷輸送物質を用いた電荷輸送層を有する感光体には高速応答性が期待できる。
【0070】
高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖及び/又は側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、下記一般式(I)〜(X)で表される高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
【0071】
<一般式(I)で表される化合物>
【化11】
Figure 0003966543
[式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換若しくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式(a)で表される2価基を表す。
【0072】
【化12】
Figure 0003966543
{式中、R101、R102は各々独立して置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)又は下記一般式(b)で表される2価基を表す。
【0073】
【化13】
Figure 0003966543
(式中、pは1〜20の整数、qは1〜2000の整数、R103、R104は置換若しくは無置換のアルキル基又はアリール基を表す。)ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。}]
【0074】
<一般式(II)で表される化合物>
【化14】
Figure 0003966543
(式中、R7、R8は置換若しくは無置換のアリール基、Ar1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、一般式(I)の場合と同じである。)
【0075】
<一般式(III)で表される化合物>
【化15】
Figure 0003966543
(式中、R9、R10は置換若しくは無置換のアリール基、Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、一般式(I)の場合と同じである。)
【0076】
<一般式(IV)で表される化合物>
【化16】
Figure 0003966543
(式中、R11、R12は置換若しくは無置換のアリール基、Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、一般式(I)の場合と同じである。)
【0077】
<一般式(V)で表される化合物>
【化17】
Figure 0003966543
(式中、R13、R14は置換若しくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1、X2は置換若しくは無置換のエチレン基、又は置換若しくは無置換のビニレン基を表す。X、k、j及びnは、一般式(I)の場合と同じである。)
【0078】
<一般式(VI)で表される化合物>
【化18】
Figure 0003966543
(式中、R15、R16、R17、R18は置換若しくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、又はビニレン基を表し、同一であっても異なってもよい。X、k、j及びnは、一般式(I)の場合と同じである。)
【0079】
<一般式(VII)で表される化合物>
【化19】
Figure 0003966543
(式中、R19、R20は水素原子、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、一般式(I)の場合と同じである。)
【0080】
<一般式(VIII)で表す化合物>
【化20】
Figure 0003966543
(式中、R21は置換若しくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、一般式(I)の場合と同じである。)
【0081】
<一般式(IX)で表される化合物>
【化21】
Figure 0003966543
(式中、R22、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、一般式(I)の場合と同じである。)
【0082】
<一般式(X)で表される化合物>
【化22】
Figure 0003966543
(式中、R26、R27は置換若しくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、一般式(I)の場合と同じである。)
【0083】
これら高分子電荷輸送物質は単独で用いても構わないが、他の高分子電荷輸送物質と2種以上混合して用いても構わない。また、低分子電荷輸送物質を併用することも可能である。その他の電子供与性基を有する重合体としては、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報、特開20000−206723号公報、特開2001−34001号公報等に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることも可能である。
【0084】
本発明で使用される感光体において、電荷輸送層37中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー、あるいはオリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0085】
次に、感光層が単層構成33の場合について述べる。少なくとも上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光層が使用できる。単層感光層は、電荷発生物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。さらに、この感光層には上述した電荷輸送物質を添加した機能分離タイプとしても良く、良好に使用できる。また、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0086】
結着樹脂としては、先に電荷輸送層37で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層35で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、更に好ましくは50〜150重量部である。単層感光層の形成には、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。単層感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
【0087】
本発明に使用する感光体においては、導電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けることができる(図示せず)。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0088】
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に、本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0089】
本発明に用いる感光体においては、感光層保護の目的で、保護層39が感光層の上に設けられる。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0090】
また、保護層39には、耐摩耗性を向上する目的でさらにフィラーが添加される。フィラーとしては、無機フィラーとして酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化錫、酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム等が挙げられ、また有機フィラーとしてポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂、架橋ジメチルシロキサンのような架橋シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等の球状のものが挙げられる。特に、感光体表面の表面エネルギーを低下させる効果を併せ持つフィラーが良好に使用される。例えば、フッ素系樹脂やシリコーン樹脂の粒子が挙げられる。このようなフィラーを用いることにより感光体表面エネルギーを低下させることは、本願の効果をより一層顕著にするものである。
【0091】
本発明においては、電気絶縁性が高いフィラー(比抵抗が1×1010Ω・cm以上)が有効に使用できる。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
【0092】
本発明において使用するフィラーの比抵抗は以下のように定義される。フィラーのような粉体は、充填率によりその比抵抗値が異なるので、一定の条件下で測定する必要がある。本発明においては、特開平5−94049号公報(第1図)、特開平5−113688号公報(第1図)に示された測定装置と同様の構成の装置を用いて、フィラーの比抵抗値を測定し、この値を用いた。測定装置において、電極面積は4.0cm2である。測定前に片側の電極に4kgの荷重を1分間かけ、電極間距離が4mmになるように試料量を調節する。測定の際は、上部電極の重量(1kg)の荷重状態で測定を行い、印加電圧は100Vにて測定する。106Ω・cm以上の領域は、HIGH RESISTANCE METER(横河ヒューレットパッカード)、それ以下の領域についてはデジタルマルチメーター(フルーク)により測定した。これにより得られた比抵抗値を本発明の言うところの比抵抗値と定義するものである。
【0093】
また、使用するフィラーの体積平均粒径は、0.1μm〜2μmの範囲が良好に使用され、好ましくは0.3μm〜1μmの範囲である。この場合、平均粒径が小さすぎると耐摩耗性が十分に発揮されず、大きすぎると塗膜の表面性が悪くなったり、塗膜そのものが形成できなかったりするからである。
尚、本発明におけるフィラーの平均粒径とは、特別な記載のない限り体積平均粒径であり、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median系)として算出されたものである。また、同時に測定される各々の粒子の標準偏差が1μm以下であることが重要である。これ以上の標準偏差の値である場合には、粒度分布が広すぎて、本発明の効果が顕著に得られなくなってしまう場合がある。
【0094】
更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al23、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。
【0095】
表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30重量%が適しており、5〜20重量%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラー材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。フィラーの表面処理量に関しては、上述のようにフィラー量に対する使用する表面処理剤の重量比で定義される。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは1次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ない方が好ましい。
【0096】
また、保護層39には残留電位低減、光感度向上、高速応答性のため、電荷輸送物質が添加されることが好ましい。添加される電荷輸送物質は、前述の電荷輸送層35の説明の部分に記載された低分子電荷輸送物質が用いられる。また、前述の高分子電荷輸送物質も耐摩耗性向上、高速応答性等の点で、さらに良好に使用される。電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、保護層中における濃度傾斜を設けても構わない。耐摩耗性向上のため、表面側を低濃度にすることは有効な手段である。ここで言う濃度とは、保護層を構成する全材料の総重量に対する低分子電荷輸送物質の重量の比を表し、濃度傾斜とは上記重量比において表面側において濃度が低くなるような傾斜を設けることを示す。また、高分子電荷輸送物質を用いることは、感光体の耐久性を高める点で非常に有利である。
【0097】
更に、残留電位上昇を抑制するために、本発明では、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物を添加させることによって実現される。ここでいう酸価とは、1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義される。これらの酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物としては、一般に知られている有機脂肪酸や高酸価樹脂等、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物であればすべて使用することができる。しかし、非常に低分子の有機酸やアクセプター等はフィラーの分散性を大幅に低下させてしまう可能性があるため、残留電位低減効果が十分に発揮されなくなる場合がある。従って、感光体の残留電位を低減させ、かつフィラーの分散性を高めるためには低分子量ポリマーや樹脂、共重合体等、さらにはそれらを混合させて使用することが好ましい。それらの有機化合物の構造としては、立体障害が少ないリニアの構造を有することがより好ましい。分散性を向上させるためにはフィラーとバインダー樹脂との双方に親和性を持たせることが必要であり、立体障害が大きな材料は、それらの親和性が低下することにより、分散性が低下し、前述のような多くの問題を発生させることにつながる。
【0098】
酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物としては、特に、ポリカルボン酸の使用が好ましい。ポリカルボン酸としては、カルボン酸をポリマーあるいはコポリマー中に含む構造を有する化合物であって、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル酸やメタクリル酸を用いた共重合体、スチレン−アクリル共重合体等、カルボン酸を含む有機化合物あるいはその誘導体はすべて使用することが可能である。また、これらの材料は2種以上混合して用いることが可能であり、かつ有用である。場合によっては、これらの材料と有機脂肪酸とを混合させることによって、フィラーの分散性あるいはそれに伴う残留電位の低減効果が高まることがある。
【0099】
これらの酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物の添加量としては、含有されるフィラーに対して0.1〜20重量%であるが、必要最小量に設定することがより好ましい。添加量を必要以上に多くすると、画像ボケの影響が現れることがあり、添加量が少なすぎると残留電位の低減効果が十分に発揮されなくなる。また、有機化合物の酸価としては、10〜400mgKOH/gが好ましいが、より好ましくは30〜200mgKOH/gである。酸価が必要以上に高いと抵抗が下がりすぎて画像ボケの影響が大きくなり、酸価が低すぎると添加量を多くする必要が生じる上、残留電位の低減効果が不十分となる。ここで、有機化合物の酸価は前記添加量とのバランスにより決めることが必要である。ただし、有機化合物の酸価は残留電位低減効果に直接影響するものではなく、用いる有機化合物の構造あるいは分子量、フィラーの分散性等によって大きく影響される。
【0100】
また保護層には、感光体の表面エネルギーを低下させる目的で、表面エネルギーを低下させるべく各種添加剤を添加することが望ましい。例えば、シリコーンオイル、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、中でもシリコーンオイルが最も適当である。
一般に感光体の保護層は光学的に透明である。これは、保護層を画像光が透過する必要があるからである。従って、表面エネルギーを低下させるべく添加される材料は、保護層を形成する材料と相溶する必要がある。もちろん、画像光の波長より小さい微粒子として存在する場合には、光学的に透明であり得る場合も存在するが、可視光全域をカバーするのはかなり困難である。また製造を考えた場合、塗工液の分散安定性などを考慮する必要があり、設計が複雑になる。このような点を考えると塗工液の状態では“溶けている”状態(溶剤を介して溶解している状態)が好ましい。本発明におけるシリコーンオイルはこのような観点から選ばれたものであり、良好に使用される。
【0101】
感光体の最表層は感光層を保護する目的で積層された保護層である。保護層にシリコーンオイルが添加され、表面エネルギーを低下させた状態が形成されれば、本発明の目的はより効果的に達成される。また本発明の目的から、このような効果は長期にわたり継続的に得られることが必要である。この点を加味すると、上述のように保護層を構成する材料と相溶している状態では量的な観点から不足してくる場合が出てくる。このような場合、相溶性の限界を超えた量を添加することにより効果の持続性が改良できる。この際、シリコーンオイルは当然層内で析出することになるが、通常は保護層[保護層のみならず、その内側(支持体に近い側)に形成されている感光層]内部に析出し、結果的に感光体内部にシリコーンオイルがストックされた形(必要に応じて表面にブリーズアウトしてくる)になる。
【0102】
この場合、保護層が見た目で白濁し、画像光が感光体内部まで進行していないように見えるが、画像光の散乱程度には波長依存性があり、画像光が長波長側になればなるほど有利である。実際には、LD領域(赤色〜近赤外)では画像光は100%近く透過し、可視域(青色〜赤色)においてもほとんど問題になることはない。波長の短い紫外部では、その散乱の程度は顕著であるが、通常の電子写真プロセスにおいては、この領域の光を画像光として用いることはあまりなく、むしろ感光体にとって有害な光であるためカットして用いることが多く、全く問題にならない。
【0103】
保護層内に析出したシリコーンオイルの粒子もしくは液滴サイズは、画像特性に影響を及ぼす一つのファクターである。本発明に当たって検討した結果、このサイズが直径1μm以下であれば通常の画像に影響を与えないことが判明した。これ以上の大きさになると、画像の一部に影響を与えることがあるが、これは感光体内部で形成された光キャリアが、キャリア輸送性を持たないシリコーンオイル部を横切れないためであると思われる。非常にミクロな観点から観察すれば、1μm程度でも影響があるのかもしれないが、通常の電子写真プロセスに用いられるトナーの粒径、現像および転写の再現性等の点から、1μm程度の影響は観測されないためであると類推される。また、粒子もしくは液滴のサイズは保護層の膜厚とも関係する。検討の結果、膜厚の1/5よりも小さいサイズであれば、画像には影響しない。これは上述の理由とともに、光キャリアの表面(感光体表面もしくは支持体表面)方向への進行をこの程度のサイズなら、妨げることがないためであると類推される。
【0104】
また、シリコーンオイルを添加する層は保護層だけでなく、それよりも支持体に近い層(感光層)に同時に添加されても構わない。特に、相溶性を越えた量添加される場合には内部に蓄積された形の方が有利である場合もあり、実験的に確かめた後有効な手段を選択することが望ましい。この場合にも、上述とは逆に保護層側にしみ出すことがあるが特に問題はなく、また繰り返し使用において保護層側にブリーズアウトすることは先に述べたとおりである。
【0105】
本発明に用いられるシリコーンオイルとしては、公知のシリコーンオイル、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイルなど)が使用でき、この他、最表層の表面エネルギーを低下できるものであればいかなるものを用いることが出来る。中でも特に、メチルフェニルシリコーンオイルは有効に使用出来る。
【0106】
保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
【0107】
本発明に用いる感光体においては、感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である(図示せず)。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0108】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質及びレベリング剤を添加することが出来る。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
【0109】
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0110】
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
【0111】
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0112】
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0113】
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0114】
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0115】
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0116】
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
【0117】
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0118】
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0119】
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
【0120】
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
【0121】
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0122】
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0123】
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0124】
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0125】
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0126】
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
【0127】
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
【0128】
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0129】
各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0130】
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
【0131】
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0132】
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
【0133】
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0134】
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
【0135】
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0136】
(g)天然ワックス
カルナウバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
【0137】
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0138】
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0139】
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど。
【0140】
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
【0141】
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなど。
【0142】
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0143】
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル{2,2’チオビス(4−t−オクチル)フェノレート}ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
【0144】
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0145】
次に、図面を用いて本発明の電子写真装置を詳しく説明する。
図4は、本発明の電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
【0146】
図4において、感光体1は導電性支持体上に感光層とフィラーを含有する保護層(最表層)が設けられてなる。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
【0147】
帯電用部材8が感光体に接触若しくは近接配置されている。これらの帯電部材は、コロトロン、スコロトロンに代表されるチャージャによるコロナ帯電に比べ、低抵抗物質の発生源となるオゾンや窒素酸化物の発生が少なく、良好に使用される。特に、帯電部材と感光体表面が200μm以下(好ましくは100μm以下)に近接配置された非接触帯電ローラは、繰り返し使用における帯電部材の汚染が極めて少なく良好に使用される。
【0148】
また、近接配置した帯電部材とは、感光体表面と帯電部材表面の間に200μm以下の空隙(ギャップ)を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。空隙の距離から、コロトロン、スコロトロンに代表される公知の帯電器とは区別されるものである。本発明において使用される近接配置された帯電部材は、感光体表面との空隙を適切に制御できる機構のものであればいかなる形状のものでも良い。例えば、感光体の回転軸と帯電部材の回転軸を機械的に固定して、適正ギャップを有するような配置にすればよい。中でも、帯電ローラーの形状の帯電部材を用い、帯電部材の非画像形成部両端にギャップ形成部材を配置して、この部分のみを感光体表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる、あるいは感光体非画像形成部両端ギャップ形成部材を配置して、この部分のみを帯電部材表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる様な方法が、簡便な方法でギャップを安定して維持できる方法である。特に特願平13−211448号、特願平13−226432号に記載された方法は良好に使用できる。帯電部材側にギャップ形成部材を配置した近接帯電機構の一例を図5に示す。
【0149】
必要に応じて、転写前チャージャ12、転写チャージャ、分離チャージャ、クリーニング前チャージャ17が配置され、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電用部材により感光体に帯電を施す際、帯電部材に直流成分に交流成分を重畳した電界により感光体に帯電を与えることにより、帯電ムラを低減することが可能で効果的である。
【0150】
図6は、本発明の別の電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図6において、符号(1C)、(1M)、(1Y)及び(1K)はドラム状の感光体であり、この感光体(1C)、(1M)、(1Y)及び(1K)は図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(2C)、(2M)、(2Y)及び(2K)、現像部材(4C)、(4M)、(4Y)及び(4K)、クリーニング部材(5C)、(5M)、(5Y)及び(5K)が配置されている。帯電部材(2C)、(2M)、(2Y)及び(2K)は、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材(2C)、(2M)、(2Y)及び(2K)と、現像部材(4C)、(4M)、(4Y)及び(4K)の間の感光体表面に図示しない露光部材からのレーザー光(3C)、(3M)、(3Y)及び(3K)が照射され、感光体(1C)、(1M)、(1Y)及び(1K)に静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体(1C)、(1M)、(1Y)及び(1K)を中心とした4つの画像形成要素(ユニット)(6C)、(6M)、(6Y)及び(6K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(10)に沿って並置されている。転写搬送ベルト(10)は各画像形成ユニット(6C)、(6M)、(6Y)及び(6K)の現像部材(4C)、(4M)、(4Y)及び(4K)とクリーニング部材(5C)、(5M)、(5Y)及び(5K)の間で感光体(1C)、(1M)、(1Y)及び(1K)に当接しており、転写搬送ベルト(10)の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ(11C)、(11M)、(11Y)及び(11K)が配置されている。各画像形成要素(6C)、(6M)、(6Y)及び(6K)は現像装置内部のトナーの色が異なるのと、本発明に係わる黒トナー像形成用感光体(1K)が他の感光体と素管径が異なる((1K)の感光体の外周が、(1C)、(1M)、(1Y)の感光体の感光体の外周より長い)だけで、その他は全て同様の構成となっている。
【0151】
図6に示す構成のカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成要素(6C)、(6M)、(6Y)及び(6K)において、感光体(1C)、(1M)、(1Y)及び(1K)が矢印方向(感光体と連れ周り方向)に回転する帯電部材(2C)、(2M)、(2Y)及び(2K)により帯電され、次に露光部でレーザー光(3C)、(3M)、(3Y)及び(3K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。次に現像部材(4C)、(4M)、(4Y)及び(4K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像部材(4C)、(4M)、(4Y)及び(4K)は、それぞれC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像部材で、4つの感光体(1C)、(1M)、(1Y)及び(1K)上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。転写紙(7)は給紙コロ(8)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ(9)で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト(10)に送られる。転写搬送ベルト(10)上に保持された転写紙(7)は搬送されて、各感光体(1C)、(1M)、(1Y)及び(1K)との当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行なわれる。感光体上のトナー像は、転写ブラシ(11C)、(11M)、(11Y)及び(11K)に印加された転写バイアスと感光体(1C)、(1M)、(1Y)及び(1K)との電位差から形成される電界により、転写紙(7)上に転写される。そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙(7)は定着装置(12)に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体(1C)、(1M)、(1Y)及び(1K)上に残った残留トナーは、クリーニング装置(5C)、(5M)、(5Y)及び(5K)で回収される。なお、図6の例では、画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(6C)、(6M)、(6Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
【0152】
更に、図示しないが、感光体表面上にステアリン酸亜鉛を供給する部材を設けても良い。感光体表面上にステアリン酸亜鉛を供給する事により耐摩耗性が良好な状態でのフィルミング抑制が可能であり、さらにまた、該感光体を具備する電子写真プロセスにおいて、非画像形成時に感光体上へのトナー付着とクリーニング部でのトナー回収動作の繰り返しにより、耐摩耗性を保持した上での画像流れ抑制に効果を有するものである。また、前記ステアリン酸亜鉛の供給手段として、現像部中に存在する現像剤(トナー)中に、ステアリン酸亜鉛を含有させることは非常に有効な手段である。
【0153】
感光体上に供給するステアリン酸亜鉛の量は、多すぎる場合には転写出力画像上への出力量も多くなり、定着不良の原因となり好ましくない。また、ステアリン酸亜鉛の供給過剰により感光体表面の摩擦係数が0.1程度に低下した場合には画像濃度低下を引き起こし好ましくない。一方、少ない場合にはトナー成分の感光体上へのフィルミングが発生し、画像流れや中間調の不均一性を招き好ましくない。例えば、トナー中にステアリン酸亜鉛を含有させ感光体表面に供給する場合には、トナー中に0.1〜0.2重量%の含有量が好ましい。
【0154】
また、本発明による画像形成プロセスでは、非画像形成時に感光体へのトナー付着とクリーニング部でのトナー回収動作により耐摩耗性を保持した状態で感光体表面へのフィルミングの抑制と、さらに帯電による生成物の付着、堆積の抑制を達成することが可能である。これは感光体上の各種付着物がトナーとともに排出される清浄効果を有しているためと考えられる。このトナー付着及び回収動作は、中間調程度のトナー付着量と30秒程度の動作時間(感光体径30mm、線速125mm/sの場合)で効果的であり、これ以上の付着量、動作時間は、クリーニング部への負荷増大とトナー消費量の増加を考え好ましくない。感光体径、線速が異なる場合においては、上記と同様の動作条件になるように適宜調整すれば良い。
【0155】
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図4に示されるように転写ベルトを使用したものが有効に使用できる。
【0156】
また、図4に示される画像露光部10、除電ランプ7等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
【0157】
かかる光源等は、図4に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0158】
さて、図4に示される現像ユニット11により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙14に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニングブレード18により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブレードだけで行なわれることもあるが、クリーニングブラシなどを用いる場合もある、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0159】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0160】
【実施例】
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の配合における部数は全て重量部である。
【0161】
[ポリエステル樹脂の合成例]
(合成例1)
攪拌装置、温度計、窒素導入口、流下式コンデンサー、冷却管付き4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン740g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン300g、テレフタル酸ジメチル466g、イソドデセニル無水コハク酸80g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル114gをエステル化触媒とともに加えた。窒素雰囲気下で前半210℃まで常圧昇温し、後半210℃減圧にて撹拌しつつ反応させた。酸価2.3KOHmg/g、水酸基価28.0KOHmg/g、軟化点106℃、Tg62℃のポリエステル樹脂を得た(以下ポリエステル樹脂Aという)。
【0162】
(合成例2)
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン725g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン165g、テレフタル酸500g、イソドデセニル無水コハク酸130g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリイソプロピル170gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させ、酸価0.5KOHmg/g、水酸基価25.0KOHmg/g、軟化点109℃、Tg63℃のポリエステル樹脂を得た(以下ポリエステル樹脂Bという)。
【0163】
[ポリオール樹脂の合成例]
(合成例1)
攪拌装置、温度計、窒素導入口、冷却管付きセパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)378.4g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約2700)86.0g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のグリシジル化物191.0g、ビスフェノールF274.5g、p−クミルフェノール70.1g、キシレン200gを加えた。窒素雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.1839g加え、さらに160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、酸価0.0KOHmg/g、水酸基価70.0KOHmg/g、軟化点109℃、Tg58℃のポリオール樹脂を得た(以下ポリオール樹脂Aという)。
【0164】
(合成例2)
合成例1の装置を用いて、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)205.3g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約3000)54.0g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のグリシジル化物432.0g、ビスフェノールF282.7g、p−クミルフェノール26.0g、キシレン200gを加えた。窒素雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、さらに160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、酸価0.0KOHmg/g、水酸基価58.0KOHmg/g、軟化点109℃、Tg58℃のポリオール樹脂を得た(以下ポリオール樹脂Bという)。
【0165】
(母体トナーの製造例1)
結着樹脂 ポリエステル樹脂A 100部
着色剤 キナクリドン系マゼンダ顔料 4部
帯電制御剤 サリチル酸の亜鉛化合物 4部
▲1▼上記原材料を、ヘンシェルミキサーにより混合、
▲2▼120℃に設定したブスコニーダー(ブス社製)によって溶融混練、
▲3▼混練物を冷却後、ターボミル(ターボ工業社製)を用いた粉砕機によって微粉砕、
▲4▼風力分級機を用いて、分級し、
体積平均粒径:6.38μm、
比表面積:2.48m2/gのマゼンダ母体トナーaを得た。
【0166】
(製品トナーの製造例1)
母体トナーの製造例1の母体トナーa 100部に対し、シリカとしてHDK2000H(Wacker社製・BET比表面積:140m2/g)を0.7重量%及びAEROSIL RX50(日本アエロジル社製・BET比表面積:50m2/g)を0.5重量%、チタニアとしてMT150(テイカ社製・BET比表面積:65m2/g)を0.5重量%添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で十分混合して、電子写真用トナーAを得た。
【0167】
(製品トナーの製造例2)
母体トナーの製造例1の母体トナーa 100部に対し、シリカとしてTG−810G(CABOT社製・BET比表面積:230m2/g)を0.5重量%及びAEROSIL RX50(日本アエロジル社製・BET比表面積:50m2/g)を0.5重量%、チタニアとしてMT150(テイカ社製・BET比表面積:65m2/g)を0.5重量%添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で十分混合して、電子写真用トナーBを得た。
【0168】
(製品トナーの製造例3)
母体トナーの製造例1の母体トナーa 100部に対し、シリカとしてAEROSIL RX200(日本アエロジル社製・BET比表面積:200m2/g)を0.5重量%及びAEROSIL RX50(日本アエロジル社製・BET比表面積:50m2/g)を1.2重量%、チタニアとしてMT150(テイカ社製・BET比表面積:65m2/g)を0.5重量%添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で十分混合して、電子写真用トナーCを得た。
【0169】
(母体トナーの製造例2)
結着樹脂 ポリエステル樹脂B 100部
着色剤 キナクリドン系マゼンダ顔料 4部
帯電制御剤 サリチル酸のクロム化合物 4部
▲1▼上記原材料を、ヘンシェルミキサーにより混合、
▲2▼120℃に設定したブスコニーダー(ブス社製)によって溶融混練、
▲3▼混練物を冷却後、ターボミル(ターボ工業社製)を用いた粉砕機によって微粉砕、
▲4▼風力分級機を用いて、分級し、
体積平均粒径:6.69μm、
比表面積:2.34m2/gのマゼンダ母体トナーbを得た。
【0170】
(製品トナーの製造例4)
母体トナーの製造例2の母体トナーb 100部に対し、シリカとしてHDK2000H(Wacker社製・BET比表面積:140m2/g)を0.7重量%及びAEROSIL RX50(日本アエロジル社製・BET比表面積:50m2/g)を0.5重量%、チタニアとしてMT150(テイカ社製・BET比表面積:65m2/g)を0.5重量%を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で十分混合して、電子写真用トナーDを得た。
【0171】
(母体トナーの製造例3)
結着樹脂 ポリオール樹脂A 100部
着色剤 キナクリドン系マゼンダ顔料 4部
帯電制御剤 サリチル酸の亜鉛化合物 4部
▲1▼上記原材料を、ヘンシェルミキサーにより混合、
▲2▼120℃に設定したブスコニーダー(ブス社製)によって溶融混練、
▲3▼混練物を冷却後、ジェット気流を用いた粉砕機によって微粉砕、
▲4▼風力分級機を用いて、分級し、
体積平均粒径:5.36μm、
比表面積:4.12m2/gのマゼンダ母体トナーcを得た。
【0172】
(製品トナーの製造例5)
母体トナーの製造例3の母体トナーc 100部に対し、シリカとしてAEROSIL RX50(日本アエロジル社製・BET比表面積:50m2/g)を1.0重量%、チタニアとしてMT150(テイカ社製・BET比表面積:65m2/g)を0.5重量%を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で十分混合して、電子写真用トナーEを得た。
【0173】
(製品トナーの製造例6)
母体トナーの製造例2の母体トナーb 100部に対し、シリカとしてTG−810G(CABOT社製・BET比表面積:230m2/g)を1.0重量%及びAEROSIL RX50(日本アエロジル社製・BET比表面積:50m2/g)を1.8重量%、チタニアとしてMT150(テイカ社製・BET比表面積:65m2/g)を0.5重量%を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で十分混合して、電子写真用トナーFを得た。
【0174】
(感光体aの作製)
直径90mm、長さ391.7mmのアルミニウムシリンダー(材質:JIS1050)上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層、2μmの保護層からなる電子写真感光体を形成した。
【0175】
<下引き層塗工液>
二酸化チタン粉末 400部
メラミン樹脂 65部
アルキッド樹脂 120部
2−ブタノン 400部
【0176】
<電荷発生層塗工液>
下記構造のビスアゾ顔料 8部
【化23】
Figure 0003966543
下記組成のトリスアゾ顔料 6部
【化24】
Figure 0003966543
ポリビニルブチラール 5部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
【0177】
<電荷輸送層塗工液>
A型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化25】
Figure 0003966543
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 150部
【0178】
<保護層塗工液>
A型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【化26】
Figure 0003966543
テトラフルオロエチレン粒子 4部
(比抵抗:1×1015Ω・cm、平均一次粒径:0.3μm)
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 150部
【0179】
(感光体bの作製)
感光体aにおける保護層塗工液中物質のテトラフルオロエチレン粒子の代わりにアルミナ微粒子を使用すること以外は、同様にして感光体bを得た。
【0180】
(感光体cの作製)
感光体aにおける保護層塗工液を以下のものに変更した以外は、同様にして感光体cを得た。
【0181】
<保護層塗工液>
下記構造式の高分子電荷輸送物質 18部
【化27】
Figure 0003966543
テトラフルオロエチレン粒子 4部
(比抵抗:1×1015Ω・cm、平均一次粒径:0.3μm)
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 150部
【0182】
(感光体dの作製)
感光体aにおける保護層塗工液中物質のテトラフルオロエチレン粒子を使用しないこと以外は、同様にして感光体dを得た。
【0183】
(感光体eの作製)
感光体aにおける保護層塗工液中、電荷輸送物質を用いない以外は、同様にして感光体eを得た。
【0184】
(感光体fの作製)
感光体aにおける保護層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、同様にして感光体fを得た。
【0185】
<保護層塗工液>
A型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【化28】
Figure 0003966543
アルミナ微粒子 4部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液 0.1部
(酸価180mgKOH/g、BYKケミー社製)
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 150部
【0186】
(感光体gの作製)
感光体bにおける保護層塗工液を下記組成のもに変更した以外は、同様にして感光体gを得た。
【0187】
<保護層塗工液>
A型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【化29】
Figure 0003966543
アルミナ微粒子 4部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
メチルフェニルシリコーンオイル 0.1部
(信越シリコーン:KF50)
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 150部
【0188】
(感光体hの作製)
感光体aにおける電荷発生層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、同様にして感光体hを作製した。
【0189】
<電荷発生層塗工液>
図8に示すスペクトルを有するチタニルフタロシアニン 3部
ポリビニルブチラール 2部
2−ブタノン 120部
【0190】
(感光体iの作製)
感光体hの作製例において、導電性支持体を以下の陽極酸化皮膜処理を行い、次いで下引き層を設けずに、感光体hの作製例と同様に電荷発生層、電荷輸送層、保護層を設け、感光体iを得た。
【0191】
<陽極酸化皮膜処理>
支持体表面の鏡面研磨仕上げを行い、脱脂洗浄、水洗浄を行った後、液温20゜C、硫酸15vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて30分間陽極酸化皮膜処理を行った。更に、水洗浄を行った後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50゜C)にて封孔処理を行った。その後純水による洗浄を経て、6μmの陽極酸化皮膜が形成された支持体を得た。
【0192】
〔実施例1(参考例)
製品トナーAと感光体aを用いて実機評価を実施した。
【0193】
〔実施例2(参考例)
製品トナーBと感光体bを用いて実機評価を実施した。
【0194】
〔実施例3(参考例)
製品トナーCと感光体cを用いて実機評価を実施した。
【0195】
〔実施例4(参考例)
製品トナーDと感光体aを用いて実機評価を実施した。
【0196】
〔実施例5(参考例)
製品トナーBと感光体cを用いて実機評価を実施した。
【0197】
〔実施例6(参考例)
製品トナーAと感光体eを用いて実機評価を実施した。
【0198】
〔実施例7〕
製品トナーAと感光体fを用いて実機評価を実施した。
【0199】
〔実施例8(参考例)
製品トナーAと感光体gを用いて実機評価を実施した。
【0200】
〔実施例9(参考例)
製品トナーAと感光体hを用いて実機評価を実施した。
【0201】
〔実施例10(参考例)
製品トナーAと感光体iを用いて実機評価を実施した。
【0202】
〔比較例1〕
製品トナーEと感光体dを用いて実機評価を実施した。
【0203】
〔比較例2〕
製品トナーEと感光体cを用いて実機評価を実施した。
【0204】
〔比較例3〕
製品トナーFと感光体cを用いて実機評価を実施した。
【0205】
[実機評価]
実施例、比較例で得られたトナー及び感光体について、(株)リコー製「IPSIO Color5000」改造機を用いてコピーテストを実施し、以下の項目について評価を行った。改造機は、「Color5000」のプロセススピードを上げ一分間に8枚A4フルカラーコピーが採取できる状態に設定したものを用いた。また、コピーテストは、黒を含む3万枚フルカラーモードで実施した(実施環境は、23゜C、55%RHである)。コピーテスト開始直後と3万枚コピー実施後において、感光体及びクリーニング部材へのフィルミングと感光体の膜削れ(摩耗量)、得られた画像濃度を測定し、画質を評価した。
【0206】
画像濃度は、「X−rite938」(X−rite社製)を用いて測定した。画質は、画像の濃度ムラ、解像度低下等が無いか否かを、目視で評価した。
【0207】
[物性測定]
安息角測定については前記した方法にて測定した。測定作業チャート図を図7に示す。
【0208】
実施例及び比較例で使用したトナーの物性を表1に、また使用したトナーの安息角と円形度並びに画像評価結果を表2にそれぞれ示す。なお、実施例1〜6、8〜10は参考例である。
【0209】
【表1】
Figure 0003966543
【0210】
【表2】
Figure 0003966543
【0211】
表2より、本発明の実施例1〜10(実施例1〜6、8〜10は参考例である)のトナー及び感光体は、(株)リコー製「IPSIO Color5000」改造機を用いた3万枚コピーテストにおいて、感光体及びクリーニング部材へのフィルミングと感光体の膜削れ、及び得られた画像濃度、画像の濃度ムラ、解像度は良好な性能を示し、維持性の観点からも問題が無いことが分かる。また、保護層に電荷輸送物質が未添加の実施例6においては、実施例1と比較してわずかに画像濃度が低下しており、電荷輸送物質添加の効果が分かる。実施例1と実施例7の比較から、実施例7においては保護層のフィラー分散状態が良好であり、その結果解像度が良好であった。これより、酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物を保護層に含有させることの効果が分かる。実施例1と実施例8の比較から、保護層にシリコーンオイルを大量に添加(シリコーンオイルが液滴として存在する量)することにより、感光体表面エネルギーが低下し、その結果安息角も小さくなり、感光体へのフィルミングが明らかに防止されていることも分かる。また、同時に感光体の摩耗量も少なく、高耐久化に寄与できていることが分かる。実施例1と実施例9との比較から、実施例9の感光体の方が高感度であるため、書き込みの光量をかなり落とすことが出来た。その結果、解像度を改善することが出来た。実施例1と実施例10との比較から、実施例10の感光体の方が帯電性が安定であり、画像濃度ムラのない画像が出力された。
【0212】
一方、比較例1〜3のトナー及び感光体は、初期は特に問題なかったが、3万枚後では、感光体及びクリーニング部材へのフィルミングが発生し、感光体の膜削れ量は多く、また得られた画像の濃度低下、画像の濃度ムラ、解像度低下が発生してしまった。
【0213】
〔実施例11(参考例)
実施例1(参考例)で使用した複写機の帯電器をスコロトロンチャージャーから、接触方式の帯電ローラーに変更・改造して、実施例1と同様に30000枚の連続コピーを実施した。この際、感光体の未露光部電位が実施例1と同じ(−650V)になるように調整した。
【0214】
〔実施例12(参考例)
実施例11(参考例)で使用した複写機の帯電器を接触方式の帯電ローラーから、下記の帯電ローラーに変更・改造して、実施例11と同様に30000枚の連続コピーを実施した。印加電圧は実施例11と同様にDC成分のみとした。
<帯電ローラー>
実施例11で使用した帯電ローラーの両端5mm(この領域は非画像形成部)に厚さ80μmのテフロン(登録商標)テープを巻き付けて、図5に示すような近接配置用帯電ローラーを形成した。
【0215】
〔実施例13(参考例)
実施例12(参考例)の帯電条件を以下のように変更した以外は、実施例12と同様に連続コピーを実施した。
<帯電条件>
未露光部電位−650V
AC成分として、peak to peakで−1.2kV
を印した。
【0216】
以上の様に、実施例1、11〜13(いずれも参考例)の30000枚連続コピー後、高温高湿下(30°C、90%RH)でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行った。結果を表3に示す。
【表3】
Figure 0003966543
実施例1、11、12における問題点は、いずれも実使用上問題になるレベルではないが、実施例13の条件が最も優れている。
【0217】
〔実施例14(参考例)
実施例1(参考例)の条件のまま、5万枚の連続コピーを実施した。
【0218】
〔実施例15(参考例)
実施例14(参考例)において、使用した複写機を改造し、クリーニング部材と帯電部材の間にステアリン酸亜鉛供給部材を設けた(棒状のステアリン酸亜鉛が複写100枚後とに10秒間押し当てられる機構)。この条件下で、実施例14と同様に耐久性試験を行った。
【0219】
〔実施例16(参考例)
実施例14(参考例)において、現像部に供給するトナー中に0.15重量%の粉末状ステアリン酸亜鉛を添加した以外は、実施例14と同様に耐久性試験を行った。
【0220】
〔実施例17(参考例)
実施例16(参考例)において、1000枚の通紙毎に、非画像形成動作として明部電位までの露光とそれに対する現像部によるトナー現像及びクリーニング部による感光体表面のトナー回収動作のみの繰り返しを20秒間実施した以外は実施例16と同様に耐久性試験を行った。
【0221】
実施例14〜17(いずれも参考例)の実施後、高温高湿環境下で、画像出力を行った。また、実験終了後に感光体の表面観察を行った。結果を表4に示す。
【表4】
Figure 0003966543
【0222】
実施例14(参考例)の条件下では、50000枚まで耐久性試験を行うと、感光体表面にわずかにフィルミングを生じ、これに伴う画像抜けが発生した(ただし、問題になるレベルではない)。これに対し、実施例15、16(いずれも参考例)の様にステアリン酸亜鉛を感光体表面に供給することにより、フィルミングを防止することが出来た。更に、実施例17(参考例)のように感光体表面清浄化動作を行わせることで、高温高湿下(30°C、90%RH)でも画像ボケを完全に無くすことが出来た。
【0223】
(感光体jの作製)
感光体fにおける保護層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、同様にして感光体jを得た。
【0224】
<保護層塗工液>
A型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【化30】
Figure 0003966543
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液 0.1部
(酸価180mgKOH/g、BYKケミー社製)
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 150部
【0225】
(感光体kの作製)
感光体fにおけるにおける保護層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、同様にして感光体kを得た。
<保護層塗工液>
A型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【化31】
Figure 0003966543
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:1×106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液 0.1部
(酸価180mgKOH/g、BYKケミー社製)
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 150部
【0226】
〔実施例18および19(実施例19は参考例)
以上のように作製した感光体jおよび感光体kを、実施例7と同様に製品トナーAを用いて実機評価を行った。結果を実施例7の場合と合わせて表5に示す。
【0227】
【表5】
Figure 0003966543
【0228】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも帯電、露光、現像、転写の工程を経て転写材に画像を形成し、かつ転写残りトナーがクリーニング工程において回収される電子写真画像形成方法において、該現像工程に用いられるトナーは前記式のZ=(Ht・Wt)/(H・W)で算出される添加剤の全表面積比率Zが0.5≦Z≦1.5を満たすものであり、かつ用いられる感光体は導電性支持体上に少なくとも感光層と、バインダー樹脂、フィラーとして比抵抗1×10 10 Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物、及び酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物をフィラーに対して0.1〜20重量%含有する保護層とをその順に設けたものであって、しかも該感光体の保護層表面と該トナーの安息角が30度以下である画像形成方法及び電子写真装置を用いることで、画像濃度、画像の濃度ムラ、解像度において高品質な画像が得られ、さらに、感光体及びクリーニング部のフィルミングが発生せず、感光体の膜削れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する電子写真感光体の構成例を示す模式断面図である。
【図2】本発明に使用する電子写真感光体の別の構成例を示す模式断面図である。
【図3】本発明に使用する電子写真感光体のさらに別の構成例を示す模式断面図である。
【図4】本発明の電子写真装置を説明するための概略図である。
【図5】非接触帯電機構を示す概略図(ギャップ保持機構が帯電部材側に形成されている)。
【図6】本発明の別の電子写真装置を説明するための概略図である。
【図7】本発明の実施例における安息角測定作業チャート図である。
【図8】本発明の実施例9で用いた感光体hの電荷発生層中に含有されたチタニルフタロシアニンのXDスペクトル図である。
【符号の説明】
(図1〜図3)
31 導電性支持体
33 単層感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
(図4)
1 感光体
7 除電ランプ
8 帯電部材
10 画像露光部
11 現像ユニット
12 転写前チャージャ
13 レジストローラ
14 転写紙
15 転写ベルト
16 分離爪
17 クリーニング前チャージャ
18 クリーニングブレード
(図5)
29 感光体
30 帯電ローラー
31 ギャップ形成部材
32 金属シャフト
33 画像形成領域
34 非画像形成領域
(図6)
1C、1M、1Y、1K ドラム状感光体
2C、2M、2Y、2K 帯電部材
3C、3M、3Y、3K レーザー光
4C、4M、4Y、4K 現像部材
5C、5M、5Y、5K クリーニング部材
6C、6M、6Y、6K 画像形成要素(画像形成ユニット)
7 転写紙(記録紙)
8 給紙コロ
9 レジストローラ
10 転写ベルト
11C、11M、11Y、11K 転写ブラシ
12 定着装置

Claims (21)

  1. 少なくとも帯電、露光、現像、転写の工程を経て転写材に画像を形成し、かつ転写残りトナーがクリーニング工程において回収される電子写真画像形成方法において、該現像工程に用いられるトナーはZ=(Ht・Wt)/(H・W)で算出される添加剤の全表面積比率Zが0.5≦Z≦1.5を満たすものであり、かつ用いられる感光体は導電性支持体上に少なくとも感光層と、バインダー樹脂、フィラーとして比抵抗1×1010Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物、及び酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物をフィラーに対して0.1〜20重量%含有する保護層とをその順に設けたものであって、しかも該感光体の保護層表面と該トナーの安息角が30度以下であることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    〔但し、上記記号は下記の数値を表す。
    H:トナー粒子の比表面積(m/g)、
    W:トナー粒子の重量含有率(%)、
    Ht:添加剤の比表面積(m/g)、
    Wt:添加剤の含有比率(%)〕
  2. 前記トナーが円形度0.95以上の球形トナーであることを特徴とする請求項1記載の電子写真画像形成方法。
  3. 前記感光体のフィラー含有保護層が電荷輸送物質を含有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真画像形成方法。
  4. 前記電荷輸送物質が電子供与性基を有する重合体であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真画像形成方法。
  5. 前記感光体の最表層に、これを構成する材料と相溶するシリコーンオイルを、最表層を構成する材料との相溶性の限界を超えた量添加したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電子写真画像形成方法。
  6. 前記感光体に含有される電荷発生物質が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2°)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電子写真画像形成方法。
  7. 前記感光体に含有される電荷発生物質が、下記一般式(A)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電子写真画像形成方法。
    Figure 0003966543
    [式(A)中、Cp、Cp下記一般式(B)で表されるカップラー残基を表し、同一でも異なっていても良い。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表し、同一でも異なっていても良い
    Figure 0003966543
    (式(B)中、R203は、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環または置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す。)]
  8. 前記感光体の導電性支持体表面が陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電子写真画像形成方法。
  9. 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を経て転写材に画像を形成し、かつ転写残りトナーがクリーニング手段により回収される電子写真装置において、該現像手段に用いられるトナーはZ=(Ht・Wt)/(H・W)で算出される添加剤の全表面積比率Zが0.5≦Z≦1.5を満たすものであり、かつ用いられる感光体は導電性支持体上に少なくとも感光層と、バインダー樹脂、フィラーとして比抵抗1×1010Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物、及び酸価が10〜400(mgKOH/g)の有機化合物をフィラーに対して0.1〜20重量%含有する保護層とをその順に設けたものであって、しかも該感光体の保護層表面と該トナーの安息角が30度以下であることを特徴とする電子写真装置。
    〔但し、上記記号は下記の数値を表す。
    H:トナー粒子の比表面積(m/g)、
    W:トナー粒子の重量含有率(%)、
    Ht:添加剤の比表面積(m/g)、
    Wt:添加剤の含有比率(%)〕
  10. 前記トナーが円形度0.95以上の球形トナーであることを特徴とする請求項9記載の電子写真装置。
  11. 前記感光体のフィラー含有保護層が電荷輸送物質を含有するものであることを特徴とする請求項9又は10に記載の電子写真装置。
  12. 前記電荷輸送物質が電子供与性基を有する重合体であることを特徴とする請求項11に記載の電子写真装置。
  13. 前記感光体の最表層に、これを構成する材料と相溶するシリコーンオイルを、最表層を構成する材料との相溶性の限界を超えた量添加したことを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載の電子写真装置。
  14. 前記感光体に含有される電荷発生物質が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2°)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項9乃至13の何れかに記載の電子写真装置。
  15. 前記感光体に含有される電荷発生物質が、下記一般式(A)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする請求項9乃至13の何れかに記載の電子写真装置。
    Figure 0003966543
    [式(A)中、Cp、Cp下記一般式(B)で表されるカップラー残基を表し、同一でも異なっていても良い。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表し、同一でも異なっていても良い
    Figure 0003966543
    (式(B)中、R203は、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環または置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す。)]
  16. 前記感光体の導電性支持体表面が陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする請求項9乃至15の何れかに記載の電子写真装置。
  17. 前記電子写真装置において、帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする請求項9乃至16の何れかに記載の電子写真装置。
  18. 前記帯電部材と感光体間の空隙が200μm以下であることを特徴とする請求項17に記載の電子写真装置。
  19. 前記電子写真装置において、帯電部材に直流成分に交流成分を重畳し、感光体に帯電を与えることを特徴とする請求項17又は18に記載の電子写真装置。
  20. 前記電子写真装置において、感光体表面にステアリン酸亜鉛を供給塗布することを特徴とする請求項9乃至19の何れかに記載の電子写真装置。
  21. 前記電子写真装置において、現像部に供給されるトナー中に粉末状ステアリン酸亜鉛を含有することを特徴とする請求項20に記載の電子写真装置。
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