JP2004287045A - 画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体に少なくとも帯電、露光、現像、転写工程を順次施すことによって転写媒体上にトナー画像を形成する画像形成方法において、該感光体にその最表面に粒子状物質を分散した被覆層を有する感光体を用い、該トナーに着色剤として少なくとも黒色酸化鉄化合物を含有するトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
1.電子写真方法(画像形成方法)の状況
複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用されている電子写真方法は、少なくとも電子写真感光体に帯電、露光、現像の工程を経た後、転写媒体にトナー画像の転写し、定着し、転写媒体上に安定画像を得る方法である。ここで、転写工程を終えた電子写真感光体は表面の残トナーをクリーニングする工程を経て、一連の画像形成動作が完了し、次の繰返し使用に供される。この電子写真方法の最大の特徴は、刷版である感光体が繰返し使用できることであり、面倒な製版工程が不要なことである。
この特徴故に電子写真方法を使用した複写機は利便性の高い簡易印刷機として、広くオフィスの事務作業に受け入れられて来た。更に、近年パーソナルコンピュータの技術が進展した結果、この出力装置として小型化され低コスト化された電子写真方法を用いたレーザープリンタがオフィスに進出した。オフィスのみならず必要部分に色の付いた画像得たい、或いはカラー画像を手軽に出力したいという要求は自然であり、現在電子写真方法を用いたカラーレーザープリンタの高精細化、安定化がこの方面の最大の開発目標になっている。
【0003】
2.感光体の状況
電子写真方法(画像形成方法)に使用される感光体には、セレン、セレンテルル、セレン砒素、アモルファスシリコン等の無機感光体が知られているが、近年、有機材料の光導電性を用いた有機感光体が設計の自由度、低コスト性、廃棄容易性等から広く利用されている。
有機感光体としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)等の光導電性高分子、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)等の電荷移動錯体を用いた単層型有機感光体、並びにトリフェニルアミン構造を有する化合物を代表とする電荷移動物質を電荷輸送層に用い、アゾ顔料、フタロシアニン顔料等の感光性顔料を含有した電荷発生層を積層した機能分離型の有機感光体が知られているが、現在設計の自由度が高い機能分離型有機感光体が汎用的である。
【0004】
この機能分離型の有機感光体は通常導電性基体上に電荷発生層を設け、その上に露光波長に透明性を有しかつホール移動性を有する電荷移動層を設けて基本構成とする。静電潜像形成メカニズムは、概略次の様に知られている。即ち感光体を帯電手段にて電荷移動層表面に負電荷を付与すると、これに見合った正電荷が導電性基体に蓄積する。この時感光体の内部に強い電界が形成される。次いで、感光体表面から露光すると光は電荷移動層を通過し電荷発生層に吸収され、電荷発生層中の顔料が電荷担体を生成する。この電荷担体は帯電によって形成された電界の助けによりホールと電子の対に分離し、ホールが電荷移動層に注入され移動し、表面の負電荷を中和する。一方、電荷発生層に残った電子は導電性基体の正電荷と結合する。その結果、露光部においては、表面の負電荷が中和された状態になり、非露光部は表面に負電荷が残留する状態になり、画像コントラストに応じた電荷のコントラストが形成され、静電潜像となる。
この様に光電変換作用による潜像形成に優れて用いられる有機感光体にも、弱点がある。例えば、無機感光体に比較して機械的耐久性、化学的耐久性が乏しいことが挙げられる。
【0005】
即ち、通常電荷移動物質は低分子化合物質が採用されるが、好適な高分子化合物に分散、混合し成膜性を付与して用いる。しかしながら電荷移動能を与えられた電荷移動層は、電子写真方式の印刷工程で繰返し使用するには未だ強度が不足する。特に、二成分現像剤を採用した現像部に有機感光体が曝された時、そして転写工程にて転写媒体である紙に接触した時、更に転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードにて擦られた時、柔らかい電荷移動層は機械的強度不足により摩耗することが知られている。
【0006】
かかる機械的耐久性の不足については、工程上の幾多の改良がなされている。例えば、前記のクリーニング工程に用いられるクリーニングブレードは、中でも最大の負荷を与えると言われているが、コスト高でも摩耗の少ないブラシを使う方法がある。特開平6−342236号公報、特開平8−202226号公報、特開平9−81001号公報等には、表面の摩擦係数を適切な範囲に制御して、ブレードのせん断力を軽減する方法がある。具体的にはトナーに滑剤を添加して感光体表面に供給する方法、クリーニング工程に滑剤の供給源を設けて有機感光体の外部から滑剤を供給する方法。更に、有機感光体の表面層に滑剤を添加する方法がある。しかし、何れの方法においてもある程度の改良効果があるものの満足の行くものではない。
【0007】
又、化学的耐久性について、電子写真方法は有機感光体への帯電が必須であるが、通常コロナ帯電法を用いる為、オゾン、NOX等の帯電生成物が繰り返す画像形成動作において継続的に生成している。これらは化学的に活性であり、有機感光体上に蓄積し、或いは表面と反応し、一部は感光層の内部に侵入して、静電特性あるいは画像特性に種々の悪影響を及ぼす。特に、高湿時に空気中の水分が感光体表面の帯電生成物又はこれと感光体表面の材料とが反応して生成した物質に吸収されると、表面抵抗が下がり、電荷を保持する能力が低下し画像ボケ等の異常画像が生じることが知られている。近年は、電子写真方式の画像形成装置に高精細のカラー画像が強く要求されていることから、致命的な欠陥ともなり得る。改良が進み以前とは格段に耐久性が上がり、安定化がなされつつある電子写真方式の印刷技術において、最大の課題であるとも言われている。
【0008】
これに対して、近年接触する部材を用いて帯電する接触帯電法あるいは転写方法が用いられる。これについては適切な導電性と弾性を有したブラシ、ローラ、ブレード等に電圧を印加して、感光体表面に接触させ、帯電、転写を行う方法が特開昭63−149668号公報、特開平7−281503号公報に見られる。
これらの接触帯電方式は非接触帯電方式と比較して、感光体に帯電、転写を行う電圧が小さくできる為、オゾン又はNOXの発生量が少ない。その結果、感光体の化学的劣化が少なくできるメリットがある。又、これらの中間的な方法として、帯電部材と感光体の間に微小なギャップを与え、直流又は交流を重畳した直流電圧を印加して帯電を行う近接帯電方法も採用され始めている。例えば特開昭56−104351号公報、特開昭57−178267号公報、特開昭58−139156号公報、特開昭58−150975号公報等に見られる様に接触帯電、近接帯電があり、これらは帯電効率が高く、オゾン、NOX等の帯電生成物の発生量が少ない為、画像ボケ等の画像欠陥が少ないことによる感光体の劣化に有利であり、その寿命が延びるメリットがある。しかし、これらの帯電方法によってもオゾン、NOXの発生量は皆無ではなく、電子写真方式の印刷の更なる高耐久高安定化には充分なものではなかった。
【0009】
また、帯電生成物が最表面に蓄積しないように、表面が僅かながらでも削れて常に更新されることによって化学的劣化を抑えることを目的とし、感光体表面の強度を落とし、意図的に削れる構造にすることによって感光体表面に発生したオゾン、NOX等の帯電生成物を除去する方法が提案されているが、感光体表面の機械的耐久性の面で問題が発生する。
【0010】
以上の様な機械的劣化、化学的劣化は有機感光体の静電特性、画像特性に影響を及ぼす。更に、高速に且つ長時間にわたって繰り返す画像形成動作が与える摩耗量は頻繁に感光体を交換するメンテナンスが要求されることになり、オフィスに大きな利便性を与える電子写真方法を用いた簡易印刷機のメリットを奪うことにもなる。
【0011】
有機系感光体において耐磨耗性を向上させる方法として、金属あるいは金属酸化物からなるフィラーを含有する保護層を設けるものが、特開昭57−30846号公報に開示されている。この方法は、フィラーの平均粒径を0.3μm以下として保護層の透明性を高め、残留電位の上昇を抑制しようとするものである。また、保護層にフィラーとともに電荷輸送物質を含有させる方法が、特開平4−281461号公報(特許文献1)に開示されており、耐磨耗性を維持しつつ、残留電位の上昇を抑制可能であるとしている。さらに、残留電位の上昇を抑制させるものとして、保護層中にフィラーとともに有機酸を含有させるもの(特開昭53−133444号公報、特開昭55−157748号公報)、電子受容性物質を含有させているもの(特開平2−4275号公報)が開示されている。
【0012】
また、保護層にフッ素原子含有樹脂微粒子を含有し、該表面保護層の表面粗さを一定の範囲とするものが、特開平6−130711号公報、特開2000−250245号公報に開示されていて、良好なクリーニング特性の維持を目的として、表面硬度と表面摩擦係数を設定するものが開示されている。一方、表面層に無機微粒子を含有するものが、特開平8−262756号公報、特開平9−190125号公報、特開平9−288372号公報、特開2001−265040号公報に開示されていて、表面粗さを規定し、トナー中に離型剤を含有させたり、クリーニングブレードを振動させる、あるいは、感光体表面に脂肪酸金属塩を供給するものが開示されている。
【0013】
しかしながら、これらの方法においては、フィラーによる耐磨耗性向上が図られているものの、トナー成分等によるフィルミングを生じやすいものであったり、耐磨耗性を高くしたために、感光体表面が削れることによって表面を更新し帯電生成物を除去するといった、感光体の化学的劣化への対処を行うことが難しかったりするという欠点があった。
【0014】
3.トナーの状況
前記電子写真方法にて、静電潜像を可視化する為に現像剤を用いる。現像剤としては、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる一成分現像剤とトナーとキャリアからなる二成分現像剤がある。この様な現像剤に用いられる電子写真用トナーに、通常、熱可塑性樹脂を、顔料、必要に応じてワックス等の離型剤や帯電制御剤と共に溶融混練した後、微粉砕し、分級する混練粉砕法により製造されている。この様にして得られるトナーに、必要ならば、流動性やクリーニング性を改善する為に、無機又は有機の微粒子をトナー粒子表面に添加することが行われる。
【0015】
近年ではカーボンブラックに変わる着色剤として、安全性が高く、熱伝導性の良い黒色金属化合物微粉末を用いる試みが提案されている。特許第2736680号公報(特許文献2)では平均粒径0.1〜0.5μmのFe2TiO5とFe2O3−FeTiO3固溶体との混合物が、特許第3101782号公報、特許第3108823号公報、特許第3174960号公報ではFeOを25〜30%含有した磁性酸化鉄が、特許第3224774号公報、特許第3261088号公報では残留磁化6emu/g以下のマグネタイトが、特開2000−319021号公報には内部にTi、表面にTiとFeからなる酸化鉄粒子が、特開2002−129063号公報では飽和磁化0.5〜10emu/g、粒径0.1〜0.4μm、Fe2TiO4で被覆されたルチル型TiO2混合相結晶が、特開2002−189313号公報では飽和磁化30emu/g以下、誘電損率50以下の金属化合物が、特開2002−196528号公報では飽和磁化40emu/g以下、含有量20重量部以下の金属化合物が考案されている。
【0016】
しかしながら、これらの黒色金属化合物では、着色剤としてカーボンブラックと同等レベルの黒色度を得ることは難しい。また、カーボンブラックと比較して金属化合物の比重が大きいため、得られるトナーの比重も従来のトナーと比較して大きいものとなる。そのため、感光体表面への研磨力が強く、磨耗により感光体の寿命を短くするといった欠点がある。
【0017】
【特許文献1】
特開平4−281461号公報
【特許文献2】
特許第2736680号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、カーボンブラックに代わる安全な着色剤を含有するトナーを用い、かつ、高耐久で繰り返し使用に対して安定に機能を維持する感光体を使用し、該着色剤の特色を生かした画像形成方法を提供することを目的とする。
また本発明は、上記感光体を有し、かつ上記トナーを装填したプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、本発明によれば上記課題は下記(1)〜(12)によって解決される。
(1)感光体に少なくとも帯電、露光、現像、転写工程を順次施すことによって転写媒体上にトナー画像を形成する画像形成方法において、該感光体にその最表面に粒子状物質を分散した被覆層を有する感光体を用い、該トナーに着色剤として少なくとも黒色酸化鉄化合物を含有するトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
(2)前記黒色酸化鉄化合物がチタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量%を含有することを特徴とする前記(1)に記載の画像形成方法。
(3)前記黒色酸化鉄化合物の平均1次粒子径が0.05〜2.0μmであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成方法。
(4)前記トナーの飽和磁価σsが0.5〜30emu/gであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成方法。
(5)前記トナーの重量平均粒径が3〜10μmであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成方法。
(6)前記トナーが樹脂成分としてポリエステルを含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成方法。
(7)前記感光体の最表面に含有されている粒子状物質が無機微粒子であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成方法。
(8)前記感光体の最表面に含有されている粒子状物質の比抵抗が1010Ωcm以上であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成方法。
(9)前記粒子状微粒子が表面密度0.18×1012〜4.0×1012個/m2で含有されていることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の画像形成方法。
(10)前記感光体が有機感光体であって、その感光層が、基板側から電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されていることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の画像形成方法。
(11)前記粒子状物質が感光体表面に露出した状態で画像形成すること又は/及び該露出部とトナーが接触して画像形成することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成方法。
(12)感光体及びトナーが装填されたプロセスカートリッジであって、該感光体がその最表面に粒子状物質を分散した被覆層を有する感光体であり、該トナーが着色剤として少なくとも黒色酸化鉄化合物を含有するトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明者らは、本発明の課題を解決するために鋭意検討し、カーボンブラックに代わる安全な着色剤として黒色酸化鉄化合物を用い、有機感光層の最表面に粒子状物質を分散した被覆層を設けた。そうすることで、黒色酸化鉄化合物の高比重に起因する強い研磨力に対して機械的強度を増加させた感光体の表面を、従来の粒子上物質を分散させた被覆層を有しない感光体ならば大きく削れる所、少しずつ適度に削らせることができ、以って感光体表面の機械的強度を維持しつつ、感光体表面から常に帯電生成物やフィルミング物質を除去することができ、感光体を高耐久化を達成することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0021】
本発明における有機感光体は、感光体最表面に粒子状物質を含有させ、耐磨耗性を強化させている。
この粒子状物質は変形容易な微粒子であっても良い。好ましくは変形しにくい微粒子が感光体表面にある含有率で均一に存在することである。粒子状物質は無機性或いは有機性の何れでもよいが、無機性の微粒子が好ましい。平均粒径は重量平均で1μm以下が好ましく、より好ましくは0.01〜1.0μm、更に好ましくは0.1〜0.8μmである。これより大きいとクリーニング部材にキズが付き、これより小さいと耐摩耗性に劣る。これによって、摺擦時にクリーニング部材が粒子状物質を介して有機感光体に接するので、せん断力を伴うクリーニング動作による感光体の摩耗を極めて少なく出来る。
【0022】
これを細かく見ると、画像形成動作が繰返されると感光体の表面にあったバインダー樹脂が摩耗して次第に無くなっていく。このとき、この無機微粒子がある場所はブレードが変形し削れないが、無機微粒子がない場所は有機性物質がむき出しになり、ブレードが表面を更に削ることになる。そして、次第に無機微粒子が表面に顔を出す様になる。この様な状態になると、実質的にブレードが無機微粒子の上を摺擦するだけで感光体の有機性表面に接する機会が乏しくなり、感光体の耐摩耗性が格段に向上すると推定される。但し、無機微粒子の表面における含有率がある値を超えると、この状態による上記効果がより良く発現する。
【0023】
通常感光体の処方或いは使い方にもよるが、無機微粒子に平均粒径0.3μmのアルミナを用いた場合、その表面の含有率5〜10wt%において僅かに磨耗が進むが、10〜60wt%において殆ど摩耗しない状態になる。体積%で表示すると、前者は1.5〜3vol%、後者が3〜30vol%である。摩耗の程度が異なるが1.5〜30vol%において、この状態が発現する。表面の粒子状物質の密度で0.18〜4.0×1010個/m2である。
【0024】
本発明において、好ましくは体積平均粒径が3〜10μmの小粒径トナーを用いて画像形成する。本発明の最表面に粒状性物質を含有させ耐摩耗性を有する有機感光体にこのトナーを適用すると転写効率が良いことと同時に、ウレタン等からなるブレードによるクリーニング性も良いことが判明した。これは、実機にての10000枚以上のコピー動作においても維持された。
【0025】
即ち、クリーニング時に球形のトナーが感光体表面に付着する状況において、例えば前記0.3μmの無機微粒子の表面における含有率がある値を越えたとき、トナーが接触するのは、殆どが感光体表面に突出している無機微粒子になる状況が現れる。つまり、無機微粒子のある表面の含有率以上で、トナーは無機微粒子の突出部分以外の感光体表面と接触しなくなるか、或いは接触するこが乏しくなる。
表面にある分散された微粒子による突起は、トナーと感光体間に有ってスペーサーの如き役目を果たしている。
【0026】
この作用は、概略10wt%以上の含有率から現れる。体積%で3vol%以上である。但し、実機試験による40wt%以上の含有率で50000枚を越える付近からフィルミング等の別の副作用により不具合となる場合があるので、10〜40wt%の含有率が好ましい。
【0027】
この効果が、10000枚以上の連続コピー動作においても持続するのは、感光体の表面にある無機微粒子がそれを支えバインダーとして存在する有機性物質が摩耗により役目を果たさなくなり、無機微粒子が表面から離脱してしまう状況においても、その下にある微粒子が新たに表面に顔を出し、突起になり、このトナーの接触点になると推察すれば理解できる。
【0028】
本発明のトナーは、樹脂成分、ワックス成分、着色剤を必須成分として含有し、着色剤として、チタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量%含有する黒色酸化鉄化合物を用いることが好ましい。
黒色酸化物化合物の構造としては、Fe2O3−FeTiO3固溶体を含有する多結晶粒子粉末であることが黒色でありかつ磁性が弱いという点から好ましい。
【0029】
本発明に係る黒色酸化鉄化合物は、例えば、粒子表面をチタン化合物で被覆したマグネタイト粒子粉末、マグネタイト粒子粉末とチタン化合物との混合粉末又は粒子表面をチタン化合物で被覆したヘマタイト粒子粉末を還元して得られた還元粉末のそれぞれを非酸化性雰囲気下700℃以上の温度で加熱焼成した後粉砕する方法によって得られる。粒子表面をチタン化合物で被覆したマグネタイト粒子粉末を原料として用いる場合には、磁化値が小さい粒子が得られやすく非磁性という点から好ましい方法である。
マグネタイト粒子粉末、ヘマタイト粒子粉末としては、粒状、球状、針状等いかなる形態の粒子でもよく、また、大きさは0.03〜1.5μm程度の粒子を使用することができる。
【0030】
原料粒子のサイズと生成物粒子のサイズは、相関であり、小さいサイズの原料粒子を用いると小さいサイズの生成物粒子が、大きいサイズの原料粒子を用いると大きいサイズの生成物粒子が得られる傾向にある。
チタン化合物としては、チタンの含水酸化物、水酸化物、酸化物のいずれをも使用することができる。マグネタイト粒子粉末と混合する場合には水溶性のチタン化合物を用いるのが好ましい。チタン化合物の量は、チタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量の範囲が好ましい。10重量%未満の場合には、得られる黒色顔料粒子粉末の磁化値が大きくなりトナーの現像能力が低下し、画像濃度が低くなる。45重量%を超える場合には非磁性の黒色顔料粒子粉末が得られるが、TiO2の生成量が多くなるためL値(明度)が高くなりトナー着色力が低下する。
Ti原子換算でFe原子に対する比率は蛍光X線分析装置を使用し、得られたメインピークの比率により求めることができる。
【0031】
黒色酸化鉄化合物の含有量は、通常5〜45重量部、好ましくは10〜30重量部である。
5重量部未満の場合、トナーの着色力が不十分となり、トナーが赤味を帯びた色になる。また、定着温度が充分に低下しない。45重量部以上の場合は、トナーの比重が大きくなりすぎて、現像能力が低下する。
【0032】
本発明では、トナーの飽和磁化σsは0.5〜30emu/gであることが好ましい。
トナーの飽和磁化が30emu/gを超える場合、磁気スリーブ、磁気ブラシなどの磁石を内蔵したトナー担時体との保持力が強くなり、感光体への現像性が悪化する。0.5emu/g未満の場合は、トナー担時体との保持力が弱くなり、トナー飛散、地汚れが悪化する。
トナーの飽和磁化の測定は、理研電子(株)製の磁化測定装置BHU−60を用い、内径7mmφ、高さ10mmのセルに充填したトナーに、磁界を10kOeまで掃引した際の履歴曲線から飽和磁化を求めた。
【0033】
本発明では、トナー中に含有する黒色酸化鉄化合物の平均一次粒径は0.05〜2.0μmが好ましく、トナー中での分散性の観点から0.1〜0.5μm範囲にあることが特に好ましい。
黒色酸化鉄化合物の平均1次粒子径は、日立透過型電子顕微鏡H−9000による電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示した。
【0034】
本発明では、トナーの重量平均粒径Dwは3〜10μmであることが好ましい。
この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。
重量平均粒径(Dw)が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。
重量平均粒径(Dw)が10μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
【0035】
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(Dw)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
【0036】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
【0037】
本発明では、ワックス成分としてカルナウバワックス及びまたはライスワックス及びまたはエステルワックスを含有することが好ましい。
カルナウバワックスはカルナウバヤシの葉から得られる天然のワックスであるが、特に遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものが結着樹脂中に均一分散が可能であるので好ましい。
ライスワックスは米糠から抽出される米糠油を精製する際に、脱ろうまたはウィンタリング工程で製出される粗ろうを精製して得られる天然ワックスである。
エステルワックスは単官能直鎖脂肪酸と単官能直鎖アルコールからエステル反応で合成される。
これらのワックス成分は単独または併用して使用される。ワックス成分の添加量は0.5〜20重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。
【0038】
本発明では、カルナウバワックス、ライスワックス、合成エステルワックスの他のワックス成分も使用可能である。例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等のようなポリオレフィンワックスなどである。
【0039】
本発明のトナーは、樹脂成分としてポリエステル樹脂を含有することが好ましい。ポリエステル樹脂は一般的に他の樹脂に比べ、耐熱保存性を維持したまま低温定着が可能であるため本発明には適した結着樹脂である。
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合によって得られる。使用されるアルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、1,4−ビス(ヒドロキシメタ)シクロヘキサン、及びビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、その他二価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール単量体を挙げることができる。また、カルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、フマール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸等の二価の有機酸単量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。ポリエステル樹脂のTgは58〜75℃が好ましい。
ポリエステル樹脂の使用量は、結着樹脂100重量部の内の30重量部以上が好ましい。30重量部以下の場合、耐熱保存性と低温定着性の両立が難しくなる。
【0040】
本発明のトナーの結着樹脂にはポリエステル樹脂以外の他樹脂も使用可能である。本発明に用いられる他の樹脂としては、従来より公知の樹脂が使用される。例えば、ポリスチレン、ポリ−α−スチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂などが挙げられる。また、これら樹脂の製造方法も特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合いずれも使用できる。
【0041】
本発明のトナーにおいては、極性を制御するために、荷電制御剤を配合することが可能である。この場合の荷電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物などが挙げられる。
【0042】
本発明のトナーの製造方法は、従来公知の方法でよく、樹脂成分、着色剤、ワックス成分、その他場合によっては荷電制御剤等をミキサー等を用いて混合し、熱ロール、エクストルーダー等の混練機を用い混練した後、冷却固化し、これをジェットミル等の粉砕で粉砕し、その後分級し得られる。
【0043】
上記トナーには必要に応じてその他、添加剤を添加する事も可能である。添加剤としては、シリカ、酸化アルミニウム類、酸化チタン類を例示することができる。高流動性を付与する事を主目的する場合には、例えば疎水化処理シリカあるいはルチル型微粒子酸化チタンとして平均一次粒径が0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.1μmの範囲ものから適宜選択でき、特に有機シラン表面処理シリカあるいはチタニアが好ましく、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%の割合で使用される。
【0044】
また、例えば本発明のトナーを二成分系乾式トナーとして使用する場合に混合して使用するキャリアとしては、ガラス、鉄、フェライト、ニッケル、ジルコン、シリカ等を主成分とする、粒径30〜1000μm程度の粉末、または、該粉末を芯材としてスチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂等をコーティングしたものから適宜選択して使用可能である。
【0045】
次に本発明で用いる感光体について以下に詳しく説明する。
本発明の感光体(潜像担持体)の基本的構成は導電性支持体、潜像担持層、粒子状物質を含有した表面層からなる。露光によって光キャリアーが発生するいわゆる感光体(I)としては、感光層が単層型(II)、及び電荷発生層と電荷輸送層に分離した積層型が使用可能である。そして、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層された積層感光層型(III)、及び導電性支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層された逆積層感光層型(IV)も使用可能である。
【0046】
粒子状物質はバインダー樹脂、或いはさらに低分子電荷輸送物質や高分子電荷輸送物質と、混合粉砕、分散し、塗工される。粒子状物質含有表面層中の粒子状物質の含有量は5〜60重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重量%であり、5重量%未満であると耐摩耗性が不足し、60重量%を超えると感光層の透明性が損なわれる。平均粒径は重量平均で1μm以下が好ましく、より好ましくは0.01〜1.0μm、更に好ましくは0.1〜0.8μmである。これより大きいとクリーニング部材にキズが付きクリーニング不良が発生し、これより小さいと耐摩耗性に劣る。粒子状物質が存在する表面の厚さは、感光体の層構成にもよるが、例えば、III、IVの積層型の場合、1〜15μmが好ましく、より好ましくは3〜8μmである。これより薄いと摩耗耐久性に劣り、これより厚いと残留電位が大きく電子写真特性上好ましくない。
【0047】
この層中を露光により発生する電荷担体が通過できる様に、低分子或いは高分子の電荷輸送物質の添加がなされることが好ましい。粒子状物質は、相互に接触して電荷担体の通路としての機能は必要とされておらず、相互に分離した状態が好ましい。粒子状物質の比抵抗は高くても低くても良く、画像ボケ等の防止から好ましくは高い比抵抗のものが良い。通常1010Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm〜1016Ω・cmである。
【0048】
本発明に用いられる粒子状物質としては、表面層の構成樹脂より硬い粒子状物質であれば使用可能であり、無機物質、有機物質が使用可能である。例えば、有機性の粒子状物質としては、ポリテトラフルオロエチレンの様なフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末、メラミン硬化樹脂粉末の様な硬い微粒子などが挙げられる。無機性の粒子状物質としては、銅、スズ、アルミニウム等の金属粉末、酸化チタン、シリカ、酸化錫、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、アンチモンを含有して酸化スズ、スズを含有した酸化インジウム等の金属酸化物、窒化ケイ素、硫酸バリウム等の無機材料が挙げられるが、好しくは酸化チタン、シリカ、ジルコニア、アルミナ等が挙げられる。
これら粒子状物質は分散性向上などの理由から無機物、有機物で表面処理されてもよい。一般に撥水性処理としてシランカップリング剤で処理したもの、あるいはフッ素系シランカップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理したもの。無機物処理としてはフィラー表面をアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理したものが使用可能である。
【0049】
バインダー樹脂として、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂が使用可能である。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、エポキシ樹脂等が挙げられるが、特に好ましいバインダー樹脂としては一般式(1)、及び(2)で示されるポリカーボネートである。
【化1】
【化2】
{式中、R4、R5、R6、R7はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基を表し、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す)または、
【化3】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R8、R9は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す。)を表す。ここで、R6とR7、R8とR9は、それぞれ同一でも異なってもよい。p、qは組成を表し、0.1≦p≦1、0≦q≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。}
【0050】
これらポリカーボネートは強靱性が高く、フィルム性が良いことが挙げられ、またこのフィラー層は電荷輸送機能をもたせるため低分子電荷輸送材との相溶性良いことが重要な条件であることから前記一般式(1)、及び(2)で示されるポリカーボネート好適である。これらポリカーボネートの繰り返し単位の具体例としては以下に挙げるが、限定されるものでない。
【0051】
【表1】
【0052】
粒子状物質含有表面層に電荷輸送機能を付与するために低分子電荷輸送物質を添加する事が出来、添加する電荷輸送物質としては正電荷輸送機能を有するドナー性物質、負電荷輸送機能を有するアクセプター性物質が使用可能である。これら電荷輸送性物質は潜像形成をしている感光体表面電荷の極性によって適宜選択する必要が有る。
【0053】
正電荷輸送材料(低分子)としては、例えば、オキサゾ−ル誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、イミダゾ−ル誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾ−ル誘導体、トリアゾ−ル誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾ−ル誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの低分子電荷輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。特に、下記一般式(3)で示される低分子輸送物質は移動度が速く上記バインダー樹脂との相溶性が良く好ましい。
【化4】
(式中、R1は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す、R2、R3は置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
【0054】
前記一般式(3)のR1は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができる。
アルキル基として好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アリール基としては、次に示すR2、R3と同様のものが挙げられる。
【0055】
R2、R3は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、スチリル基、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0056】
上述のアリール基は以下に示す基を置環基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基としては、上記のR1のアルキル基と同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR105)としては、R105は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基
【0057】
以下に、前記一般式(3)で示される低分子輸送物質の具体例を示すが、これらに限定されるものでない
【表2】
【0058】
上記粒子状物質含有層には、電荷輸送機能をもつ高分子物質と粒子状物質からなる構成もある。例えば、この高分子電荷輸送物質はカーボネート結合で連結され、フィルム性が良く電荷輸送機能をもつために低分子電荷輸送物質、あるいはイナートなバインダー樹脂の添加は不用であるが、必要に応じて低分子電荷輸送物質、イナートなバインダー樹脂の添加ができる。
【0059】
高分子電荷輸送物質としては、下記一般式(4)〜(13)で示される。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0060】
上記式中、R10は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R11、R12、R13はそれぞれ水素原子、又は独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R14、R15は置換もしくは無置換のアリール基、R16は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、Ar11、Ar12、Ar13、Ar18、Ar19、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28、Ar29は同一又は異なるアリレン基、p、qは組成を表し、0.1≦p≦1、0≦q≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。mは1〜5の整数、X1、X2は脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基を表し同一であっても異なってもよい。Y1、Y2、Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。Wは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表す。
【化15】
式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)
一般式(4)〜(13)の各基の具体例は一般式(1)及び(2)での説明と同様である。
【0061】
以下に、高分子電荷輸送物質の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
これら高分子輸送物質は単重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体の形式であるが別に限定されない。
【0065】
粒子状物質層は低分子輸送物質を10〜60重量%含有し、バインダー樹脂を35〜55重量%含有し、及び粒子状物質を5〜40重量%含有することが好ましい。
高分子電荷輸送物質は、電荷輸送性とバインダーとしての性能を同時に有するので、低分子電荷輸送物質とバインダー樹脂の一部又は全部を置換えても構わない。
低分子および/又は高分子電荷輸送物質が10重量%未満になると電荷移動性の低下に起因すると考えられる明部電位が上昇し、60重量%超えると膜強度が低下する。バインダー樹脂は低分子および/又は高分子電荷輸送物質、及び粒子状物質を固定させる為に使用され、35重量%未満であると粒子状物質層の脆化が発生し、55重量%を超えると低分子および/又は高分子電荷輸送物質、及び粒子状物質量とのバランスの点で電気特性、膜強度の点で好ましくない。粒子状物質量は5重量%未満であると、耐摩耗性の点で好ましくない、40重量%超えると膜の不透明化による地汚れなど画像劣化が発生する。但し、使用材料の性質、特徴によってこれらの好ましい範囲が変わる。
【0066】
分散溶媒としては、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロルメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が使用されろ。ボールミル、サンドミル、振動ミルなどを用いて分散、粉砕する。塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
【0067】
低分子輸送物質とバインダー樹脂から構成される電荷輸送層上に粒子状物質含有層を設ける場合、低分子電荷輸送層に用いられたバインダー樹脂と粒子状物質含有層に用いられるバインダー樹脂の構造が異なることが好ましい。これは電荷輸送層との界面を構成し、粒子状物質の電荷輸送層へ粒子状物質の拡散防止を図り電気特性の安定化を図るものである。
また、バインダー樹脂が同じ化学構造であっても、異なる化学構造の低分子輸送物質を使用することで、低分子輸送物質の溶解性が異なることになり、粒子状物質の拡散防止が可能である。
電荷輸送層と粒子状物質含有層の界面の形成は電気特性の安定化、及び粒子状物質の層内均一分布化に好ましく、これによる高耐久化、高感度化、高安定化を維持するものである。
【0068】
電荷発生層は電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダ−樹脂を添加して用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料或いは有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でタ−ミネ−トしたものや、ホウ素原子、リン原子等をド−プしたものが良好に用いられる。
【0069】
有機系材料としては、公知の材料を用いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
【0070】
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダ−樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカ−ボネ−ト、シリコ−ン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルホルマ−ル、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダ−樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。更に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。前述の粒子状物質含有層に使用された正孔輸送物質が使用できる。
【0071】
電荷発生層を形成する代表的方法には、真空薄膜作製法と溶液分散液を対象としたキャスティング法が挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロ−放電分解法、イオンプレ−ティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料からなる電荷発生層が良好に形成できる。後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダ−樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いて、ボ−ルミル、アトライタ−、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレ−コ−ト、ビ−ドコ−ト法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が好ましく、より好ましくは0.05〜2μmである。
【0072】
電荷輸送層は、電荷輸送材料とバインダ−樹脂を溶媒にて溶解し、塗工して形成する。電荷輸送層に使用できるバインダー樹脂としてはフィルム形成性の優れるビスフェノ−ルAタイプ、ビスフェノ−ルZタイプ、ビスフェノールCタイプ、あるいはこれら共重合体等のポリカ−ボネ−ト、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステル、メタクリル樹脂、ポリスチレン、酢酸ビニル、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などが好適に用いられる。これらのバインダ−は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
【0073】
電荷輸送層に使用される低分子電荷輸送物質として公知のものが使用できる。特に、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体(特開昭52−139065号公報、特開昭52−139066号公報に記載)イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体(特願平1−77839号公報に記載)、ベンジジン誘導体(特公昭58−32372号公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開昭57−73075号公報に記載)、ヒドラゾン誘導体(特開昭55−154955公報、特開昭55−156954号公報、特開昭55−52063号公報、特開昭56−81850号公報などの公報に記載)、トリフェニルメタン誘導体(特公昭51−10983号公報に記載)、アントラセン誘導体(特開昭51−94829号公報に記載)、スチリル誘導体(特開昭56−29245号公報、特開昭58−198043号公報に記載)、カルバゾール誘導体(特開昭58−58552号公報に記載)、ピレン誘導体(特願平2−94812号公報に記載)などを好適に使用することができる。また、前記粒状性物質含有層に使用できる電荷輸送材料を電荷輸送層にも使用できる。
【0074】
また、電荷輸送層としては高分子電荷輸送物質を溶解、塗工して使用することができる。高分子電荷輸送物質の例としては、前記の粒状性物質含有層に用いられた一般式(4)〜(13)で示される高分子電荷輸送物質が使用できる。特に、トリアリールアミンを主鎖にもつもの、或いは側鎖にもつものが挙げられる。また特開平5−202135号記載のトリアリールアミン骨格をもつアクリル樹脂、ポリビニルカルバゾールなどが用いられる。これらは電荷移動特性、化学的安定性等に優れ、使用する電荷輸送材料として有利である。高分子電荷材料を使用する電荷輸送層に、更に特性改善の為、低分子電荷輸送物質やイナートなバインダー樹脂の添加を行っても良い。
電荷輸送層の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは10〜40μm程度が適当である。
【0075】
また、本発明において電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレ−ト、ジオクチルフタレ−ト等一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダ−樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
【0076】
キャスティング法等で単層感光層を設ける場合、多くは電荷発生物質、低分子電荷輸送物質ならびにバインダー樹脂よりなる機能分離型の材料構成が挙げられる。即ち、電荷発生物質ならびに電荷輸送物質には、前記積層感光層に使用された材料を用いることができる。
また、低分子電荷輸送物質とバインダー樹脂の代わりとして高分子電荷輸送物質を用いることができる。こちらも前記の材料を使用することができる。
また、必要により可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることの出来るバインダ−樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げたバインダ−樹脂をそのまま用いることが出来る。他に、電荷発生層で挙げたバインダ−樹脂を混合して用いてもよい。
単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が好ましく、より好ましくは10〜40μm程度である。
【0077】
本発明に用いられる感光体には、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は、接着性の向上、露光がレーザー光線によってなされる場合生じるモワレの防止、下引き層上に塗工される層の塗工性改良の為に設ける。または残留電位を低減するなどの目的で設ける。一般に、下引き層は樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶媒にて塗布する為、一般の有機溶媒に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。
【0078】
これらの下引き層は、前述の感光層のごとく適当な塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、本発明の下引き層にはAl2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の導電率にもよるが、通常膜厚が0.5〜50μm好ましく1〜10μmである。
【0079】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
【0080】
モノフェノ−ル系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−トなど。
【0081】
ビスフェノ−ル系化合物
2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)など。
【0082】
高分子フェノ−ル系化合物
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロ−ル類など。
【0083】
パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0084】
ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0085】
有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネ−トなど。
【0086】
有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0087】
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0088】
本発明の感光体の感光層は導電性支持体に設けられる。導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらをD.I.,I.I.,押出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管などを使用することが出来る。
【0089】
【実施例】
以下、本発明を下記の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、部数はすべて重量部である。
【0090】
<トナーの製造例1>
スチレン−nブチルアクリレート共重合体 70重量部
Ti−Fe着色剤 20重量部
(Ti含有量:8.0重量%、平均一次粒径0.03μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
カルナウバワックス 5重量部
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径10.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.3重量部を混合し、本発明のトナーを得た。
飽和磁化σsは38emu/gであった。
本トナーと、平均粒径80μmの球形フェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアで、トナー濃度2.5重量部の現像剤を調整する。
【0091】
<トナーの製造例2>
スチレン−nブチルアクリレート共重合体 70重量部
カーボンブラック着色剤 20重量部
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
カルナウバワックス 5重量部
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径7.4μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.3重量部を混合し、比較のトナーを得た。
本トナーと、平均粒径80μmの球形フェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアで、トナー濃度2.5重量部の現像剤を調整する。
【0092】
<トナーの製造例3>
スチレン−nブチルアクリレート共重合体 70重量部
Ti−Fe着色剤 20重量部
(Ti含有量:15重量%、平均一次粒径0.03μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
カルナウバワックス 5重量部
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径10.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.3重量部を混合し、本発明のトナーを得た。
飽和磁化σsは32emu/gであった。
本トナーと、平均粒径80μmの球形フェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアで、トナー濃度2.5重量部の現像剤を調整する。
【0093】
<トナーの製造例4>
スチレン−nブチルアクリレート共重合体 70重量部
Ti−Fe着色剤 20重量部
(Ti含有量:40重量%、平均一次粒径0.30μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
カルナウバワックス 5重量部
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径10.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.3重量部を混合し、本発明のトナーを得た。
飽和磁化σsは0.4emu/gであった。
本トナーと、平均粒径80μmの球形フェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアで、トナー濃度2.5重量部の現像剤を調整する。
【0094】
<トナーの製造例5>
スチレン−nブチルアクリレート共重合体 70重量部
Ti−Fe着色剤 20重量部
(Ti含有量:25重量%、平均一次粒径0.45μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
カルナウバワックス 5重量部
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径10.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.3重量部を混合し、本発明のトナーを得た。
飽和磁化σsは4.1emu/gであった。
本トナーと、平均粒径80μmの球形フェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアで、トナー濃度2.5重量部の現像剤を調整する。
【0095】
<トナーの製造例6>
スチレン−nブチルアクリレート共重合体 70重量部
Ti−Fe着色剤 20重量部
(Ti含有量:20重量%、平均一次粒径0.20μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
カルナウバワックス 5重量部
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.1μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.3重量部を混合し、本発明のトナーを得た。
飽和磁化σsは1.6emu/gであった。
本トナーと、平均粒径80μmの球形フェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアで、トナー濃度2.5重量部の現像剤を調整する。
【0096】
<トナーの製造例7>
スチレン−nブチルアクリレート共重合体 35重量部
ポリエステル樹脂 35重量部
Ti−Fe着色剤 20重量部
(Ti含有量:20重量%、平均一次粒径0.20μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
カルナウバワックス 5重量部
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径7.3μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.3重量部を混合し、本発明のトナーを得た。
飽和磁化σsは1.4emu/gであった。
本トナーと、平均粒径80μmの球形フェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアで、トナー濃度2.5重量部の現像剤を調整する。
【0097】
<感光体の製造例1>
φ30mmアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液、粒子状物質層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成して、その上に下記粒子状物質塗工液はジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーで2時間粉砕して調製した。この液をスプレーで塗工して1.5μmの粒子状物質層を設け本発明の感光体を得た。
【0098】
〔下引き層用塗工液〕
【0099】
〔電荷発生層用塗工液〕
オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部
ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.2部
テトラヒドロフラン 50部
【0100】
〔電荷輸送層用塗工液〕
【化16】
【0101】
〔粒子状物質層用塗工液〕
【化17】
微粒子の表面密度は0.15×1012個/m2とした。
【0102】
<感光体の製造例2>
感光体の製造例1において、粒子状物質を塗工しない感光体を作成した。
【0103】
<感光体の製造例3>
感光体の製造例1の粒子状物質層用塗工液に用いる微粒子を下記のものにした以外は、製造例1と同様に作成した。
アルミナ微粒子
(比抵抗9×109Ω・cm、平均一次粒径0.3μm) 1部
【0104】
<感光体の製造例4>
感光体の製造例1の粒子状物質層用塗工液に用いる微粒子を下記のものにした以外は、製造例1と同様に作成した。
アルミナ微粒子
(比抵抗2×1012Ω・cm、平均一次粒径0.3μm) 1部
【0105】
<感光体の製造例5>
感光体の製造例4の粒子状物質層用塗工液に用いる微粒子の表面密度を2.0×1012個/m2とした以外は、製造例4と同様に作成した。
【0106】
実施例1〜9、比較例1、2
トナー及び感光体を、表6に示す組み合わせで用いて次に示す条件で画像形成し、各評価を行った。結果を表6に示す。
【0107】
(評価方法)
上記のように作成した現像剤および感光体を(株)リコー製複写機imagio6550に搭載して評価を行った。いずれの項目も、6%画像面積の画像チャートを10万枚ランニング出力をした後に評価した。結果を表6に示す。
【0108】
(1)感光体耐久性
10万枚ランニング出力をした後の感光体ドラムの膜厚を測定し、初期との差から評価を行った。
◎:0.5μm未満
○:0.5〜4.0未満
×:4.0μm以上
【0109】
(2)画像評価
10万枚ランニング出力をした後の画像サンプルを見て、地カブリ、中間調画像での白スジや黒スジ、濃淡ムラ等の感光体劣化による画像欠陥の有無及び、画像濃度、細線再現性、画像の鮮やかさ等を調べ、それらを総合的に判断した。
◎:特に優れる
○:優れる
△:少し劣る
×:極めて劣る
【0110】
(3)転写性
10万枚ランニング出力をした後の感光体の表面観察から、目視にて転写性の評価を行った。
◎:極めて良好
○:良好
△:少し悪い
×:極めて悪い
【0111】
(4)低温定着性
定着装置のヒーター温度を振ってコピーを行い、定着画像を得る。定着後の画像にメンディングテープ(3M社製)を貼り、直径100mm、厚さ20mmの鉄製円柱ブロックを円周方向に一定速度でテープ上を記録媒体に密着させた状態でころがした後、ゆっくり引き剥がす。その前後の画像濃度をマクベス濃度計により測定し、次式にて定着率を算出する。定着ローラーの温度を段階的に下げて、下記式で示す定着率が80%以下になるときの温度を定着温度とする。
定着率(%)=(テープ引き剥がし後の画像濃度/テープ付着前の画像濃度)×100
定着温度が低いほど低温定着性が良い。
【0112】
【表6】
【0113】
【発明の効果】
本発明により、カーボンブラックに代わる安全な着色剤として黒色酸化鉄化合物を用いたトナーを使用し、かつ感光体の最表面に粒子状物質を分散した被覆層を有する感光体とを組み合わせて行うものであることから、感光体表面の機械的強度を維持しつつ、感光体表面から常に帯電生成物やフィルミング物質を除去することができ、感光体の耐久性を向上させた画像形成方法を提供することができる。
また本発明により、上記特定のトナーと感光体とを具備するプロセスカートリッジを提供することができる。
Claims (12)
- 感光体に少なくとも帯電、露光、現像、転写工程を順次施すことによって転写媒体上にトナー画像を形成する画像形成方法において、該感光体にその最表面に粒子状物質を分散した被覆層を有する感光体を用い、該トナーに着色剤として少なくとも黒色酸化鉄化合物を含有するトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
- 前記黒色酸化鉄化合物がチタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量%を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記黒色酸化鉄化合物の平均1次粒子径が0.05〜2.0μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記トナーの飽和磁価σsが0.5〜30emu/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記トナーの重量平均粒径が3〜10μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記トナーが樹脂成分としてポリエステルを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記感光体の最表面に含有されている粒子状物質が無機微粒子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記感光体の最表面に含有されている粒子状物質の比抵抗が1010Ωcm以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記粒子状微粒子が表面密度0.18×1012〜4.0×1012個/m2で含有されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記感光体が有機感光体であって、その感光層が、基板側から電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記粒子状物質が感光体表面に露出した状態で画像形成すること又は/及び該露出部とトナーが接触して画像形成することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成方法。
- 感光体及びトナーが装填されたプロセスカートリッジであって、該感光体がその最表面に粒子状物質を分散した被覆層を有する感光体であり、該トナーが着色剤として少なくとも黒色酸化鉄化合物を含有するトナーであることを特徴とする電子写真用プロセスカートリッジ。
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