JP2005062658A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 離型剤含有トナーを使用する場合でも高品位画像の形成を可能にした上で、更なる高画質化のために小粒径キャリアを用いたときに生じるキャリア付着等を抑制することである。
【解決手段】 磁性キャリアCCがトナーTを保持して集合状態をなしている状態から磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずる磁性キャリア相互の変位に応じて磁性キャリア表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーT'を以って静電潜像を可視像化することにより、離型剤含有トナーを使用する場合でも高品位な画像形成を可能にする。しかも、磁性キャリアに次のようなキャリアを用いる。磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下である。1kOe磁場中における飽和磁化が66[emu/g]以上100[emu/g]以下、1000[V]のバイアスを印加した時の静抵抗が109Ω[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下である。
【選択図】 図5

Description

本発明は、複写機、カラー複写機、ファクシミリ、プリンタ等の静電画像形成プロセスに適用可能な現像装置、及び、この現像装置を用いた画像形成装置に関するものである。
現在、内部に磁石を有する現像剤担持体(以下、「現像スリーブ」という。)を、感光層を表面に設けた像担持体(以下、「感光体」という。)に対向配置して現像領域を構成し、離型剤を含有するトナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を現像スリーブに担持させて上記現像領域を通過させるときに、この現像領域で上記現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して上記感光体上の静電潜像を上記トナーで可視像化する現像装置が知られている。かかる現像装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に適用されていて、二成分現像剤を収納して感光体に対峙して配置される。
現像剤は、現像装置内の攪拌・混合により摩擦帯電させ、この静電電荷によってトナーを磁性キャリア表面に静電的に付着させている。このトナーを付着させた磁性キャリアは、内部に磁石を配置する現像スリーブ表面に磁力で引きつけられて、回転する現像スリーブ上を搬送される。現像スリーブが感光体に最近接する位置には、現像のための磁石(以下、「現像主磁石」と記す。)が現像スリーブ内部に配置されている。搬送される現像剤が、この現像主磁石に近づくにつれて、現像主磁石の磁力線に沿って、現像剤中の多数の磁性キャリア(以下、単に「キャリア」という。)が集合して穂又はチェーンを形成する。この多数の穂が、まるでブラシのように見えることから磁気ブラシと、一般に呼称され、この磁気ブラシの状態を利用する現像方式は磁気ブラシ現像と呼ばれている。
この磁気ブラシ現像では、誘電体であるキャリアが、感光体と現像スリーブとの間の電界強度を高めることで、磁気ブラシの穂の先端にいるキャリア表面からトナーが現像されると考えられている。したがって、これまでは、このキャリアが集合した穂によって形成される磁気ブラシがない部分はトナーの現像に利用されていなかった。そのために、トナーが現像できる部位は限られた領域であったために、現像されるトナーを多くすることは、他の条件を調整する下では非常に困難であった。しかしながら、この限られた領域の中で、高濃度の画像を得る現像方法が提案されている。例えば、特許文献1には、「磁性粒子の穂及び現像剤担持体上にトナー粒子を担持させ、像担持体と現像剤担持体間に現像剤担持体上のトナー粒子を像担持体へ飛翔させる電界を形成することにより、磁性粒子の穂に保持されたトナーと現像剤担持体に担持されたトナーとにより静電像を現像し、その際、交番電界を用いる現像方法」が提案されている。
電子写真方式における静電画像形成プロセスによる画像形成では、光導電性物質等の感光体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を付着させて可視像を形成した後、該トナー像を記録紙等の記録媒体に転写し、定着することで出力画像を得る。近年、電子写真方式を用いた画像形成の技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。一般に、乾式のトナー像を記録媒体に定着する方法として、平滑な表面を持ったローラーやベルトを加熱しトナーを圧着する接触加熱定着方法が多用されている。この接触加熱定着方法は熱効率が高く高速定着が可能であり、カラートナーに光沢や透明性を与えることが可能であるという利点がある反面、加熱定着部材表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後、剥離させるために、トナー像の一部が定着ローラー表面に付着して別の画像上に転移する、いわゆるオフセット現象が生じる。このオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で定着ローラー表面を形成し、さらにその定着ローラー表面にシリコーンオイル等の離型オイルを塗布する方法が一般に採用されていた。
この離型オイル塗布方法は、トナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、離型オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化しコスト高になってしまう。このため、モノクロトナーでは、溶融したトナーが内部破断しないように結着樹脂の分子量分布の調整等でトナーの溶融時の粘弾性を高め、さらにトナー中にワックス等の離型剤を含有させることにより、定着ローラーに離型オイルを塗布しない、或いはオイル塗布量をごく微量とする方法が採用される傾向にある。また、トナー中に離型剤を含有させるとトナーの付着性が高まり、記録媒体としての転写紙への転写性が低下し、さらにトナー中の離型剤がキャリア等の摩擦帯電部材を汚染して帯電性を低下させることにより耐久性が低下するという問題を生じる。
このような状況において、特許文献2では、軟化点90[℃]以上120[℃]以下の線型ポリエステル樹脂とカルナバワックスを用いたトナーが提案されている。また、特許文献3では、互いに相溶する軟化点の異なる樹脂とワックスからなるトナーが提案されている。また、特許文献4では、ポリエステル樹脂とワックスの溶融粘度を規定したトナーが提案されている。また、特許文献5では、軟化点90[℃]以上120[℃]以下のポリエステル樹脂とライスワックス、カルナバワックス及びシリコーンオイル含有したトナーが提案されている。また、特許文献6では、ワックス内包型の重合法トナーが提案されている。
従来の磁気ブラシ現像法は、既に成立した磁気ブラシによる磁性粒子が感光体に摺擦している領域で、この領域にあるキャリアの穂に保持されたトナー粒子と現像スリーブ上のトナー粒子で現像を行うものであり、十分な高濃度の画像を得ることが困難である。また、キャリアの穂が少ないため電極効果によりソリッド部つまり所謂ベタ部におけるベタ埋まりの良い滑らかな高品位の画像を得るのは困難である。更に、離型剤含有トナーは、凝集度が比較的高く、現像能力の低下やドット再現が劣るため、高品位画像を得るのは困難である。
また、従来の離型剤含有トナーでは、定着への耐オフセット性確保のため、離型剤含有トナー表面にワックスが露出しており、ワックスを含有しない離型剤含有トナーと比較して、凝集度が高い。一般的にトナーに対して、帯電性・転写性・地汚れ・トナー飛散・キャリア表面への汚染(スペント)などで、添加剤を付与するが、離型剤含有トナーでは、同分量の添加剤を付与してもその効果が得られにくい。
定着装置から離型オイル塗布装置を除去した構成とすれば、コスト面や構成面で有利となるが、従来の離型材含有トナーを使用した従来の磁気ブラシ現像法では、現像能力の低下やドット再現が劣るため、高品位画像を得るのは困難である。
特許文献7には、上記背景に鑑み、離型剤含有トナーを使用した場合でも、画像濃度が高く、ベタ埋まりがよく、ドット再現性に優れるなどの高品位画像の形成を可能にした現像装置が開示されている。具体的には、例えば、キャリアがトナーを保持して集合状態をなしている状態から現像スリーブ内部の磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずるキャリア相互の変位に応じてキャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを以って感光体上の静電潜像の可視像化する現像装置が開示されている。また、例えば、キャリアが現像スリーブ内部の磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がる穂を、現像領域で感光体に接触させることにより、キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを感光体に散布し、以って上記静電潜像の可視像化する現像装置も開示されている。これらの現像装置によれば、離型剤含有トナーを使用したとしても、上記高品位画像の形成が可能となる。
特許第2668781号公報 特開平8−220808号公報 特開平9−106105号公報 特開平9−304964号公報 特開平10−293425号公報 特開平5−61242号公報 特開2003−202755号公報
ところが、上記特許文献7に開示の現像装置により、高品位画像の形成は可能となったが、更なる高画質化の要求に伴い、トナー粒子を小粒径化する傾向にあり、これに伴ってキャリアも小粒径化する傾向にある。キャリアは小粒径になるほど磁化が小さくなり感光体へのキャリア付着が発生し易い。また、近年の機械の小型化の要求に伴い、感光体のドラム径や現像スリーブのスリーブ径を小径化する傾向にある。このドラム径やスリーブ径の小径化に伴い、現像領域下流(出口側)での磁気ブラシ穂先のキャリアに対する磁気拘束力が小さくなることからも、キャリア付着が発生し易くなる。このようなキャリア付着の発生により、感光体、感光体用クリーニングブレード、中間転写体などの劣化が促進されるとともに、画像上にキャリア付着による白抜けが発生する。
このようなキャリア付着を改善する方法として、キャリアの飽和磁化をある程度高くすることが考えられる。飽和磁化を高めることにより、小粒径でも磁気ブラシ穂先のキャリアに対する磁気拘束力がある程度維持できるようになる。キャリアの飽和磁化はキャリアの抵抗とある程度関係があり、飽和磁化を高めると抵抗が低くなり、逆に飽和磁化を低めると抵抗が高くなる傾向にある。ただし、厳密な相関関係があるわけではない。ここで、抵抗とは、キャリアを抵抗計測平行電極に投入し、所定のバイアスを印加した後一定の時間経過後に測定した抵抗値を体積抵抗率に変換した値であり、静抵抗と言われているものである。キャリア抵抗が低くなると、ベタ部現像後にキャリアに残るカウンターチャージが消散しやすくなり、カウンターチャージに起因するエッジ部へのキャリア付着が減少する。図5は、画像部と非画像部の電界の状態を示した模式図である。画像部は、トナーが現像スリーブ表面から感光体ドラム側へ転移する電界が形成される。非画像部では、トナーが感光体側へ転移する電界がなくなる。そして、画像部と非画像部との境界であるエッジ部Eでは、逆にキャリアが感光体ドラム側へ付着する電界であるエッジ電界が形成される。エッジ電界の強度は、キャリア抵抗が高いほど強くなり、キャリア抵抗が低いほどう弱くなるのである。キャリア抵抗が低くなると上記キャリア付着が減少するのであるが、その反面、電荷がリークし易くなる。また、現像バイアスとしてDCバイアスにACバイアスを重畳した重畳バイアスを印加するものでは、ACバイアスによって瞬時的に高い電圧が印加されるため、リークし易くなる。これらの条件が重なると、実際にキャリアを介して感光体と現像スリーブとの間でリークが発生し、感光体ドラム上の潜像を乱してしまう。このため画像がぼそつく所謂ボソツキ画像が発生する場合がある。
このようなボソツキ画像を防止するためには、磁性キャリアの抵抗がボソツキ画像が発生するほど低くなりすぎないようにある程度高めに設定すればよい。しかし、ボソツキ画像をキャリア付着と共に防止できる程度にキャリア抵抗を上げると、新たな副作用が発生する場合がある。それは、エッジ効果の増大によって生じる文字周辺抜けである。
二成分現像剤を用いる現像装置では、磁気ブラシを近接対向電極に見立てて、回り込み電界を抑えることが可能であり、エッジ効果を低減することが可能となる。また、対向電極を近接化するのと同様の状態をつくる他の方法として、キャリア抵抗を低くしたり、現像ギャップを狭くしたりする方法がある。よって、上記のようにキャリア抵抗を上げることは対向電極を遠くするのと同様の状態となり、エッジ効果が大きくなって文字周辺抜けが発生し易くなる。
以上のように、磁性キャリアの小粒径化によって生じるキャリア付着を防止する際に、ボソツキ画像、文字周辺抜け等他の副作用が生じる場合があることが分かった。従って、高品位画像の形成を可能とした上記特許文献7に開示の現像装置において、更なる高画質化を図るべく小粒径キャリアを用いる場合には、キャリア付着を抑制すると共に、上記した副作用もある程度の許容範囲内に抑えることが求められる。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、上記特許文献7に開示の現像装置の改良に係り、詳しくは、高画質化のために小粒径キャリアを用いた場合でも、キャリア付着の抑制を、ボソツキ画像と文字周辺抜けを共に許容範囲内に抑えつつ実現することができる現像装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、内部に磁石を有する現像剤担持体を、感光層を表面に設けた像担持体に対向配置して現像領域を構成し、トナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を上記現像剤担持体に担持させて上記現像領域を通過させるときに、この現像領域で上記二成分現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して上記像担持体上の静電潜像を上記トナーで可視像化する現像装置において、上記磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下、同じく磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、上記磁性キャリアへ1000[V]のバイアスを印加した時の該磁性キャリアの静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であり、上記磁性キャリアが上記トナーを保持して集合状態をなしている状態から上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずる磁性キャリア相互の変位に応じて磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを以って上記静電潜像の可視像化に供することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記磁性キャリアが上記トナーを保持して集合状態をなして上記現像剤担持体と共に上記現像領域に向けて移動し、上記現像領域の初期の段階で上記遊離トナーを発生させることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、内部に磁石を有する現像剤担持体を、感光層を表面に設けた像担持体に対向配置して現像領域を構成し、トナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を上記現像剤担持体に担持させて上記現像領域を通過させるときに、この現像領域で上記二成分現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して上記像担持体上の静電潜像を上記トナーで可視像化する現像装置において、上記磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下、同じく磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、上記磁性キャリアへ1000[V]のバイアスを印加した時の該磁性キャリアの静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であり、上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がる穂を、上記現像領域で上記像担持体に接触させることにより、磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを上記像担持体に散布し、以って上記静電潜像の可視像化に供することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、内部に磁石を有する現像剤担持体を、感光層を表面に設けた像担持体に対向配置して現像領域を構成し、トナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を上記現像剤担持体に担持させて上記現像領域を通過させるときに、この現像領域で上記二成分現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して上記像担持体上の静電潜像を上記トナーで可視像化する現像装置において、上記磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下、同じく磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、上記磁性キャリアへ1000[V]のバイアスを印加した時の該磁性キャリアの静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であり、上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がっているその穂の先端部を上記像担持体に接触させて移動させることにより、上記静電潜像を構成する画像部については上記像担持体と上記現像体担持体との間の電界及び上記像担持体と上記磁性キャリアとの間に生ずる電界により現像し、非画像部については既に上記像担持体上に付着しているトナーを上記像担持体上から上記穂を構成する磁性キャリアに引き戻しつつ現像することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、内部に磁石を有するドラム状の現像剤担持体を、感光層を表面に設けたドラム状の像担持体に対向させて配置することにより形成される凸曲面同士の近接した対向面間を以って現像領域を構成し、トナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を上記現像剤担持体に担持させて上記像担持体の回転とともに上記現像領域を通過させるときに、この現像領域で上記二成分現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して上記像担持体上の静電潜像を上記トナーで可視像化する現像装置において、上記磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下、同じく磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、上記磁性キャリアへ1000[V]のバイアスを印加した時の該磁性キャリアの静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であり、上記対向面間が最接近している領域及びその近傍を現像中域部とし、この現像中域部よりも上記像担持体の移動方向の上流側の上記現像領域を現像前域部、この現像中域部よりも上記像担持体の移動方向の下流側の上記現像領域を現像後域部とするとき、上記現像前域部で、上記磁性キャリアが上記トナーを保持して集合状態をなしている状態から上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずる磁性キャリア相互の変位に応じて磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを以って上記静電潜像の可視像化に供する現像態様と、上記現像前域部で、上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がった穂を、上記現像中域部で上記像担持体に強く接触させることにより、磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを上記像担持体に散布し、以って上記静電潜像の可視像化に供する現像態様を有し、少なくとも上記現像後域部で、上記静電潜像を構成する画像部については上記像担持体と上記現像体担持体との間の電界及び上記像担持体と上記磁性キャリアとの間に生ずる電界により現像し、非画像部については既に上記像担持体上に付着しているトナーを上記像担持体上から上記穂を構成する磁性キャリアに引き戻しつつ現像することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の現像装置において、上記現像前域部で、上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がった穂を、上記現像中域部で上記像担持体に強く接触させることに代えて、上記現像中域部以後では上記像担持体に対して非接触とし、この非接触状態で変位する磁性キャリア相互の変位により生ずる遊離トナーにより現像することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の現像装置において、上記現像領域には、上記遊離トナー又は上記磁性キャリに保持されたトナーを上記像担持体側へ移動させる電界を形成しておき、これらトナーを上記像担持体側に向けて移動させることに供することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の現像装置において、上記電界を直流電界としていることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の現像装置において、上記トナーは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂又はポリオール樹脂を用いていることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の現像装置において、上記トナーは離型剤を含有し、その離型剤の含有量はトナーの結着樹脂100重量部に対して2重量部以上10重量部以下であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の現像装置において、上記離型剤として、カルナウバワックス又は合成エステル系ワックスを使用することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項10又は11の現像装置において、上記トナーは添加剤を含有するトナーであって、その添加剤の含有量はトナーの母体粒子100重量部に対して1.0重量部以上3.6重量部以下であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の現像装置において、上記添加剤の粒径が、平均一次粒子径で0.02[μm]以上0.2[μm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項12又は13の現像装置において、上記添加剤として、シリカ、チタニア、アルミナのいずれか又は複数を使用していることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14の現像装置において、上記二成分現像剤を構成する磁性キャリアに対する上記トナーの被覆率を35[%]以上75[%]以下としたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、内部に磁石を有するドラム状の現像剤担持体を、感光層を表面に設けたドラム状の像担持体に対向させて配置し、この配置により形成される凸曲面同士の近接した対向面間を以って現像領域を構成し、離型剤含有トナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を上記現像剤担持体に担持させて上記像担持体の回転とともに上記現像領域を通過させるときに、この現像領域で上記二成分現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して上記像担持体上の静電潜像を上記トナーで可視像化する現像装置において、上記磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下、同じく磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、上記磁性キャリアへ1000[V]のバイアスを印加した時の該磁性キャリアの静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であり、上記対向面間が最接近している領域及びその近傍を現像中域部とし、この現像中域部よりも上記像担持体の移動方向の上流側の上記現像領域を現像前域部、この現像中域部よりも上記像担持体の移動方向の下流側の上記現像領域を現像後域部とするとき、上記現像前域部で、上記磁性キャリアが上記トナーを保持して集合状態をなしている状態から上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずる磁性キャリア相互の変位に応じて磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを以って上記静電潜像の可視像化に供し、上記現像中域部で、上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がる穂を、上記現像領域で上記像担持体に強く接触させることにより、磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを上記像担持体に散布し、以って上記静電潜像の可視像化に供し、上記現像中域部から後域部にかけて、上記静電潜像を構成する画像部については上記像担持体と上記現像体担持体との間の電界及び上記像担持体と上記磁性キャリアとの間に生ずる電界により現像し、非画像部については既に上記像担持体上に付着しているトナーを上記像担持体上から上記穂を構成する磁性キャリアに引き戻しつつ現像することを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項16の現像装置において、上記現像前域部で、上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がった穂を、上記現像中域部以後で上記像担持体に対して接触させることに代えて非接触とし、近接させて現像することを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項16又は17の現像装置において、上記現像剤担持体の周囲に形成される現像主磁力分布P1の上記現像剤担持体上における法線方向の磁気力のピーク位置M1が、上記像担持体と上記現像剤担持体との最接近位置M0から上記像担持体の移動方向の下流側に0[°]以上30[°]以下だけずらしたことを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、感光層を表面に設けた像担持体上の静電潜像を二成分現像剤を用いる現像装置で現像した後、この可視像をシート状媒体に転写後、加熱加圧定着して画像を得る画像形成装置において、上記現像装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18の現像装置を用いていることを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項19の画像形成装置において、上記像担持体は、導電性支持体上に、電荷発生物質が分散された電荷輸送層を設けた単層型、又は導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型の感光層を有することを特徴とするものである。
請求項1乃至18の現像装置並びに請求項19及び20の画像形成装置においては、トナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を現像領域で磁気ブラシの状態にして像担持体上の静電潜像を現像する。この二成分現像剤中の磁性キャリアとして、重量平均粒径が60[μm]以下の小粒径のものを用いる。これにより、磁性キャリアによる穂跡やハーフトーン画像のざらつき、即ち粒状性の悪化を防止することが可能となり、高画質化が可能となる。また、磁性キャリアの重量平均粒径の下限を20[μm]にする。これにより、流動性および現像剤へのストレスが悪くなり過ぎないようにする。以上のことから、磁性キャリアの重量平均粒径は20[μm]以上60[μm]以下の範囲とする。
そして、上記小粒径の磁性キャリアを用いる場合に発生しやすいキャリア付着を次のようにして抑制する。
まず、磁性キャリアの1×106/4π[A/m](1k[Oe])磁場中における飽和磁化を66×10-7×4π[Wb・m/kg](66[emu/g])以上にする。飽和磁化を高め、磁界発生手段による磁気ブラシの磁気拘束力を強めて、磁気ブラシ先端からのキャリア離れを生じにくくする。これにより、像担持体へのキャリア付着の抑制が可能な状況をつくる。また、磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化を100×10-7×4π[Wb・m/kg](100[emu/g])以下にする。これにより、磁気ブラシの穂が硬くなりすぎて穂跡が画像上に出ることを回避する。また、現像剤離れが悪くなり現像スリーブ上での現像剤の入れ替わりがわるくなって現像スリーブ上でのトナー濃度ムラが発生することによって画像濃度ムラが出ることを回避する。
更に、磁性キャリアの静抵抗をある程度低めの109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下の範囲とする。磁性キャリアの静抵抗と飽和磁化との間には、上述したようにある程度相関関係があり、飽和磁化を高くすると静抵抗が低くなる傾向にある。ただし、静抵抗を低くすると電荷がリークしやすくなり、これに起因してボソツキ画像が生じやすくなる。よって、静抵抗の下限を109[Ω・cm]としてこれを回避できるようにする。一方、磁性キャリアの飽和磁化を66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上としても、比較的静抵抗が高めの場合もある。そして、本発明者らが調べたところによると、後ほど表1で示すように静抵抗が1014[Ω・cm]を越えると文字周辺抜けが悪化し許容範囲を越えることが分かった。そこで、磁性キャリアの静抵抗を1014[Ω・cm]以下とし、文字周辺抜けも許容範囲内に抑える。
更に、現像電界発生手段による現像電界をDCバイアスのみとする。これは、静抵抗を上記のようにある程度低めに設定しているためリークが生じやすくなっている磁性キャリアに、リークの発生原因となるACバイアスを印加しないようにし、現像バイアスをリークが生じにくい状況にする。
以上、請求項1乃至20の発明においては、高画質化のために小粒径キャリアを用い、小粒径キャリアを用いたため生じやすくなるキャリア付着を防止するために、キャリアの飽和磁化をある程度高めに設定する。更に、飽和磁化が高めのために生じやすくなる画像のボソツキや文字周辺抜けを許容範囲内に抑えるために、磁性キャリアの静抵抗の範囲及び現像バイアス成分を上記範囲に限定する。したがって、請求項1乃至20の発明は、このように複数の条件を複合的に限定することより、小粒径キャリアを用いた場合に生じやすくなるキャリア付着の抑制を、ボソツキ画像と文字周辺抜け等の副作用を許容範囲内におさめつつ実施できるという優れた効果を奏する。
以下、本発明を、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像担持体としての感光体の周辺に、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等が順に配設されている。また、給紙トレイより転写紙を給紙する給紙搬送装置と、トナー像を転写された転写紙が感光体から分離した後、トナーを転写紙に定着する定着装置とを備えている。このように構成された画像形成装置では、回転する感光体の表面は帯電装置により一様に帯電された後、画像情報に基づき露光装置のレーザー光線等を照射され、感光体上に潜像形成を形成する。感光体上に形成された静電潜像に現像装置により帯電したトナーを付着させることでトナー像を形成する。一方、転写紙は給紙搬送装置により給紙トレイより給紙され、次いで感光体と転写装置とが対向する転写部に搬送される。そして転写装置により、転写紙に感光体上のトナー像とは逆極性の電荷を付与することで、感光体上に形成されたトナー像を転写紙へ転写する。次いで、転写紙は、感光体から分離され、定着装置に送られ、トナーを転写紙に定着することで画像が得られる。
図1において、感光層を表面に設けドラム状をした感光体100の周囲には、感光体100表面を帯電するための帯電装置101が設けられている。感光体100は図1において矢印で示す反時計回りの向きに回転される。この感光体100に対向し、所定の現像ギャップを有するようにして、内部に磁石を有するドラム状をした現像スリーブ111cが配置されている。ケース115内には、離型剤を含有した離型剤含有トナー(以下、単に「トナー」という。)とキャリアからなる二成分現像剤が収容されていて、撹拌スクリュー112,113の回転により撹拌されて現像スリーブ111cに供給される。ケース115の上部にはトナー供給手段としての構成部分があり、トナー収納部116が設けられていて、消費されたトナーに見合う適量分がケース115内に補給されるようになっている。
感光体100について、帯電装置101よりもその回転方向の下流部位には、予め帯電装置101により一様に帯電された帯電処理面に静電潜像を形成するためのレーザー光線Lbが照射される位置があり、この位置でのレーザー構成の照射により静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体は、現像スリーブ111cと対向した現像領域に至り、該静電潜像に帯電したトナーが付着してトナー像が形成される。なお、図1では、感光体100上のトナー像を記録紙へ転写するための転写装置、感光体100上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置、感光体100上の残留電位を除去するための除電装置等は省略してある。
このような構成において、感光体100上のトナー像は、図示省略の転写ベルトなどからなる転写装置によって、感光体100表面から、不図示の給紙トレイから搬送された記録紙へ転写される。この転写の際に感光体100に静電的に付着した記録紙は、感光体100から分離され未定着の記録紙上の離型剤含有トナー像は不図示の定着装置によって記録紙に定着される。一方、転写されずに感光体100上に残留したトナーは、クリーニング装置によって除去され回収される。残留トナーを除去された感光体100は除電ランプで初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。
現像ローラの構造を示した図2において、現像ローラ111は不動部材であるケース115に固定されている固定軸111a及びこの固定軸111aと一体の円柱状をした磁石支持体111bと、磁石支持体111bのまわりをギャップを介して覆っているドラム状の現像スリーブ111c及びこの現像スリーブ111cと一体的な回転部材111d等からなる。固定軸111aに対して回転部材111dは軸受111eを介して回転自在であり、回転軸111dは図示省略の回転駆動手段から動力を伝達されて回転駆動される。磁石支持体111bの外周部には、図3に示すように放射状に所定の間隔をおいて複数の磁石MGが固定されている。これらの固定磁石MGの周囲を現像スリーブ111cが回転されるわけである。
現像スリーブ111cとしては、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体が用いられ、円筒形の該現像スリーブ111cが不図示の回転駆動機構によって磁石MGのまわりを図1、図3の例では時計回りの向きに回転されるようになっている。これらの磁石MGは、現像スリーブ111cの周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成するためのものである。これらの磁石MGから発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤のキャリアによる穂が形成され、この穂を形成するキャリアCCに帯電したトナーが付着されて、磁気ブラシが構成される。現像スリーブ111cは感光体100に近接するように配置されていて、双方の対向面間に、現像が行われる領域としての現像領域が形成される。感光体100も現像スリーブ111cも共にドラム状をしているので、凸曲面同士の近接した対向面間を以って構成される現像領域は、最接近部を間にしてその両側に進むにつれて次第に間隔が広がるという対向面を構成する。磁気ブラシは現像スリーブ111cの回転によって現像スリーブ111cと同方向に搬送される。つまり、磁気ブラシは、間隔の広い対向空間から次第に間隔の狭い空間に移動し、最接近部を経てやがてまた間隔の広い対向空間を経て移動する。
図1において、現像スリーブ111c上に現像剤を汲み上げるための磁力分布P3、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁力分布P4、P5、現像領域で現像剤を穂立ちさせる現像主磁力分布P1、現像後の領域で現像剤を搬送する磁力分布P2などは、各磁石MGによるものである。これら各磁力分布に対応する各磁石MGは、現像スリーブ111cの半径方向に向けて配置されている。特に、現像主極を形成する主磁力分布P1を構成する磁石は、横断面の小さな磁石から構成されているが、サマリウム合金磁石、特にサマリウムコバルト合金磁石などを用いることもできる。希土類金属合金磁石のうち代表的な鉄ネオジウムボロン合金磁石では最大エネルギー積が358k[J/m3]であり、鉄ネオジウムボロン合金ボンド磁石では最大エネルギー積が80k[J/m3]前後である。このような磁石によって従来の磁石と異なり、相当に小サイズ化しても必要な現像スリーブ111c表面の磁力を確保できる。従来のフェライト磁石やフェライトボンド磁石などでは最大エネルギー積が36k[J/m3]前後、20k[J/m3]前後である。スリーブ径を大きくすることが許容される場合には、フェライト磁石やフェライトボンド磁石を用いて形状を大きくとり、あるいはスリーブ側に向いた磁石先端を細かく形成することで半値中央角を狭くすることが可能である。
現像剤としては、後で詳細に述べるが、概要を示すと次の通りである。
キャリアとしては、鉄、ニッケル、コバルト等の金属又はこれらと他の金属による合金、マグネタイト、γ−ヘマタイト、二酸化クロム、銅亜鉛フェライト、マンガン亜鉛フェライト等の酸化物、マンガン−銅−アルミニウム等のホイスラー合金等の等の強磁性体の粒子を用いることができる。さらに、この強磁性体の粒子を、スチレン−アクリル系、シリコーン系、フッ素系等の樹脂で被覆してもよい。これらは、トナーとの帯電性を考慮して適宜選択することができる。また、磁性体粒子を被覆する樹脂には、荷電制御剤、導電性物質等を添加してもよい。また、スチレン−アクリル系、ポリエステル系等の樹脂中にこれらの磁性体粒子を分散させたものであってもよい。
強磁性体の飽和磁化の強さは、小粒径キャリアの場合、1×106/4π[A/m]磁場中において、66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下(66[emu/g]以上100[emu/g]以下)が好ましい。66×10-7×4π[Wb・m/kg]未満では、飽和磁化の強さが低いために、搬送性が低下し、また、感光体100へのキャリア付着が多くなる。100×10-7×4π[Wb・m/kg]を越えると、飽和磁化の強さが高いために、磁気ブラシが強くなり、スキャベンジ効果が強く、ハーフトーン部にスキャベンジ跡が生じ、画像品質を低下させる。
図1において、現像剤の搬送方向(図において時計回り方向)における現像領域の上流側部分には、現像剤チェーン穂の穂高さ、すなわち、現像スリーブ111c上の現像剤層の厚みを規制する層厚規制部材としてのドクターブレード114が設けられていて、このドクターブレード114により規制されることにより一定量に整えられた後の現像剤により現像が行われる。ドクターブレード114は特に本発明では穂の高さ条件などが一定の条件に設定されることを狙いとしている。
図3に示すように、固定軸111aには接地されたバイアス用の電源VPが接続されている。固定軸111に接続された電源VPの電圧は、導電性の軸受111e、導電性の回転部材111dを経て現像スリーブ111cに印加される。一方、感光体100を構成する最下層の導電性支持体31は接地されている。こうして、現像領域には、トナーを感光体100側へ移動させる電界を形成しておき、トナーを感光体100側に向けて移動させることに供している。
次に、上記現像装置を用いた現像方法について説明する。
以下では、図4において、対向面間が最接近している領域の近傍やや現像スリーブ111cの移動方向の上流側の部位を現像中域部Bとし、この現像中域部Bよりも現像スリーブ111cの移動方向の上流側の現像領域を現像前域部A、この現像中域部よりも現像スリーブ111cの移動方向の下流側の現像領域を現像後域部Cと称して説明する。
〔キャリア相互の変位を利用した遊離トナーによる現像方法〕
本項は、主として請求項1、2、7及び8に対応する。ここで説明する現像方法は、キャリアがトナーを保持して集合状態をなしている状態から磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずるキャリア相互の変位に応じてキャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを以って静電潜像の可視像化に供する現像方法である。
この現像方法は、図4における現像前域部Aにおいて現れる現象を利用して行うことができる。この現像方法は、現像領域内で、トナーTを有するキャリアCCが集合した穂からトナーTを離脱させ、この離脱した遊離トナーTで現像する現像方法である。以下では、トナーも遊離トナーも同じものであるが、キャリアCCから離れたトナーということで、わかりやすいようにトナーTに「’」を付して遊離トナーT’として示すことにする。
この現像方法における現像前域部での二成分現像剤の状態を模式的に表した概略図である図5を参照しつつ説明する。ここで、現像領域を別の表現でいえば、感光体100と現像スリーブ111cとの対向領域のうち、キャリアCCが集合する穂が磁気ブラシを形成しているか又は現像スリーブ111c上に薄い現像剤層を形成しているかの状態にかかわらず、現像剤中のトナーTが感光体100に向かって現像される領域をいう。現像領域前域部は、現像中域部Bの上流側という定義もできるが、現象的に別の定義をすれば、現像主磁力分布P1の近傍に近づいた現像剤中のキャリアCCが、表面にトナーTを有しながら、複数のキャリアCCが集合して穂を形成し、さらに、その磁力線に沿ってキャリアCCの穂が立ち上がり始める領域ということもできる。
図3で既に説明したように、現像スリーブ111c内には、複数の磁石MGが設けられている。感光体100と現像スリーブ111cが対向するほぼ中央に二成分現像剤の磁気ブラシを形成するために形成されているのが現像主磁力分布P1、現像スリーブ111c上に現像剤を汲み上げるのが磁力分布P3、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送するのが磁力分布P4、P5、現像後の領域で現像剤をケース115に回収するのが磁力分布P2であり、これらは各磁石MGによるものである。
現像前域部AにおいてキャリアCCの穂が立ち上がる状況を模式的に示した図5、及び図1、図3において、磁石NGの配置により形成される磁力分布P1〜P5が立ち上がるのに応じて磁石の極性に係わらず磁気ブラシが形成され、磁力分布と磁力分布の間では薄い層になる。図5に示すように、それまでキャリアCCの集団である現像剤層中に閉じこめられていたキャリアCCは、互いに磁力を有しているために、磁力分布と磁力分布との間、例えば図1で磁力分布P5と磁力分布P1との間、では法線方向の磁力線は小さいが、互いに隣接する磁石の極性は逆極に構成していいるために現像スリーブ111c周方向の磁力線は大きくなりこのため、これが磁力分布P5、磁力分布P1間では磁力分布上のものと比較して薄いキャリアCCの集団である現像剤層を形成する力になっていて、キャリアCCが現像剤層の集団の中に留めておかれた状態になっている。この現像剤層が現像スリーブ111cの回動ト共に現像主磁石P1に近づいてくると、これにつれて、いくつかのキャリアCCが集合して穂を形成して立ち上がる。この穂を形成するために集合するキャリアCCの個数は、一般に現像剤規制部材114を通過する現像剤の量で決定されるが、それ以外にもキャリアCCの磁気的性質、現像主磁力分布P1の有する磁力の大きさ、現像主磁力分布P1を形成する磁石MGの形状、配置の仕方による磁力線の大きさ及び傾きによって決定される。
また、現像主磁力分布を形成する磁石MGは磁石支持体111bに固定されているが、現像スリーブ111cは回転しているために立ち上がり始めた穂の位置における磁力線の角度、大きさも変わっていく。このとき、キャリアCCの磁気応答性に遅れがあるため、磁力線に沿った形状に磁気ブラシがすぐに揃わない。さらに、多数のキャリアCCが集合した穂は、集団からの拘束力から抜け出して立ち上がるが、現像主磁力分布P1の大きな磁場が作用し、すべてのキャリアCCの磁気的な極性はは同一方向を向いているおり、互いに反発力が作用している。これらのために、キャリアCCの現像剤層が突然に割れて、キャリアCの穂が磁気ブラシとして立ち上がる。こうして、キャリアCCが穂を形成して立ち上がることで、その中にトナーTを閉じ込めていたキャリアCCの集団が空間的に解放され、さらに、キャリアCCの表面に吸着しているトナーTに大きな遠心力が作用することで、トナーTはキャリアCC表面から離脱して現像空間に解放されて、空間に遊離した遊離トナーT’となる。
このようにして生ずる遊離トナーT’の発生過程を、本発明では、キャリアCCが磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずるキャリア相互の変位に応じてキャリアの表面からトナーを離脱させると表現している。こうして、キャリアCC表面から離脱した遊離トナーT’は、キャリアCCとの静電的付着力、物理的付着力が作用していないために、現像電界等によって容易に移動させることができる。
図6は、図3における電源VPとして直流電源を用いた場合であって、反転現像方式における直流電界を印加しているときの現像状態を模式的に示した図である。有機顔料をキャリア生成材料に用いる感光体100では、一般に負極性の電荷を乗せて負極性のトナーで画像形成することが多く、本例もこれによる。もっとも、現像方式の中で、感光体100に乗せる帯電電荷の極性は大きな問題ではない。
レーザー光線Lbで書き込む場合、書込量を少なくするために文字部を露光するため、この部分の帯電電荷がキャリア生成材料から生成される正孔により中和されて、図6に示すように、画像部(文字部)の電位である画像部電位が低下する。この低下した電位の画像部に、図3において現像スリーブ111cに接続した電源VPにより負側に偏倚した直流電圧を印加することで、負極性の遊離トナーTに現像スリーブ111c側から画像部に向かうベクトルが作用して現像される。なお、図6において、非画像部では、実際には感光体100上の非画像部にはトナーTは存在しないが、仮に存在したとしても、非画像部側から現像スリーブ111c側へ向かうベクトルが作用することにより非画像部から確実に離間させられて地肌汚れが防止される。
本発明は、キャリアCCの粒径等の粉体特性、飽和磁化の強さ等の磁気特性と現像主磁力分布の飽和磁化の強さ等の磁気特性、幅及び形状等の形態特性によりキャリアCC表面のトナーTに作用する力を制御し、遊離トナーT’を発生させることができる。さらに、この遊離トナーT’を有する磁気ブラシを形成することで、感光体100上の潜像Lに対するトナーTの付着量を大きくすることができ、いわゆる現像性の高い現像方法を得ることができる。
本現像装置では、現像領域の最初の現像前域部Aで、低い現像バイアス電界でも現像できる遊離トナーT’を生じさせることで、現像剤含有のトナーについても、いわゆる現像性の高い現像方法を得ることができる。本例では、現像領域に入る初期の段階で上記遊離トナーT’を発生させることで、これに続く現像中域部以降の現像を強化する役割もあり、一層の現像性能の向上に寄与する。
なお、以上説明したような現像前域部AにおけるキャリアCCとトナーTの挙動は、実体顕微鏡(オリンパス社製:SZH10)とハイスピードカメラ(フォトロン社製:FASTCAM−ULtima−12)とを用いて、9000[コマ/秒]以上40500[コマ/秒]以下の撮影速度で撮影した映像により確認されている。また、以下に説明する現像中域部B、現像後域部Cについても、同じように確認されている。
〔穂を感光体に接触させて遊離トナーを散布する現像方法〕
本項は、主として請求項3に対応する。この現像方法は、キャリアが磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がる穂を、現像領域で像担持体に接触させることにより、キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを上記像担持体に散布し、以って静電潜像の可視像化に供する現像方法である。この接触の態様は、強く、或いは、衝突させるような態様を含んでいる。この現像態様は、上記現像前域部Aにおいて立ち上がる穂が、その後の状態として行う現像法でもある。
この現像方法は、図4に示すように、現像中域部B内で、表面にトナーTを有するキャリアCCから、トナーTを感光体100に散布して現像するものである。この感光体100へのトナーTの散布は磁気ブラシの穂が感光体100に強く接触することにより生ずる。
図7は、本現像装置における現像中域部BでキャリアCCの穂が感光体100に強く接触する状況を示す模式図である。
現像スリーブ111c上で、現像中域部BにおけるキャリアCCが集合して形成される穂の大きさ、特にその高さは、上述したように、キャリアCCの粒径等の粉体特性、飽和磁化の強さ等の磁気特性と現像主磁力分布P1の飽和磁化の強さ等の磁気特性、幅及び形状等の形態的特性により決定される。そのために、現像中域部Bでは、現像スリーブ111c上にあるキャリアCCの穂は、現像スリーブ111c上で滑る場合を除いて、ほぼ現像スリーブ111cと同じ速度で移動している。そのために、キャリアCCの穂の高さが現像スリーブ111cと感光体100との距離よりも高くなる場合は、現像主磁力分布P1の磁力線に沿って立ち上がる速度と現像スリーブ111cの周速の両方の速度を以って符号Fで示す方向から感光体100に強く接触する。
こうして感光体100に強く接触する前に、キャリアCCの穂が完全に立ち上がっていたとしても、現像スリーブ111cと感光体100の現像領域の中心部が最もその間の距離が狭くなっており、したがって、キャリアCCの穂は、次第に狭くなっていく方向に移動して行くため、キャリアCCの穂の高さが、現像スリーブ111cと感光体100との間の最近接部よりも大きい場合は、キャリアCCの穂は、現像スリーブ111cの周速から感光体100の周速を相殺した速度で感光体100に強く接触する。つまり、キャリアCCの穂の高さが現像スリーブ111cと感光体100との距離よりも高くなる状況は、凸状に湾曲した曲面同士が凸面側を対向して形成される現像中域部Bにおいて、現像スリーブ111cの回動に応じた磁気ブラシの移動により必然的に行われるのである。この強く接触するときに、キャリアCC上に静電的に付着しているトナーTが、衝撃によってキャリアCC表面から離脱し、遠心力による運動の慣性力、感光体100表面の静電潜像による電界と現像スリーブ111cと感光体100間に印加されている現像バイアス電界によって、矢印F1で示す向きに移動して感光体100上に現像される。この現像におけるバイアス電界の印加の方式は、直流でも、直流に交流を重畳した電圧でもよいが、現像の態様は上記した図6に準ずる。
こうして、キャリアCCから現像バイアスなど静電力以外の外力を利用して離脱された離型剤トナーTにより高性能の現像を行うことができる。
なお、現像中域部Bにおける現像態様については、現像前域部Aにおける現像に続く一連の現像態様として、次の現像も行われる。つまり、現像前域部Aでは、キャリアCCが集合して穂になり、立ち上がるときにトナーTがキャリアCCから離脱し、遊離トナーT’を生じた。これに、現像のための電界を印加することで、遊離トナーT’をそのまま感光体100に向かわせて現像した。さらに、現像前域部Aにつづく現像中域部Bでは、キャリアCCの穂がさらに感光体100に接触することから、キャリアCC上のトナーTを感光体100上に散布して、感光体100の静電潜像を現像した。そして、さらに、この接触により、先に現像されている感光体100上のトナーTを再びキャリアCC上に回収することが行われる。これにより、現像前域部A、現像中域部Bにおける現像で非画像部又は低電位の画像部に現像されたトナーTが引き戻されるので、地肌汚れがない高品位の画像を得る。
また、現像スリーブ111c上のキャリアCCが誘電体であるために、感光体100とキャリアCCが集合した穂では、さらに電界が強調された電界が生ずることにより、キャリアCC上に付着しているトナーTが、感光体100の静電潜像に現像される。
〔穂の先端部を感光体に摺擦させて行う現像方法〕
本項は、主として請求項4に対応する。この現像方法は、キャリアが磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がっているその穂の先端部を感光体100に接触させて移動させることにより、静電潜像を構成する画像部については感光体100と現像スリーブ111cとの間の電界及び100とキャリアCCとの間に生ずる電界により現像し、非画像部については既に感光体100上に付着しているトナーを感光体100上から上記穂を構成するキャリアCCに引き戻しつつ現像する現像方法である。
この現像方法は、主に図4中の現像後域部Cで行われる。このため、現像後域部Cにおいて、キャリアCCの磁気ブラシが、感光体100に摺擦して現像スリーブ111c上を搬送されるように設定する。
図8は現像領域後域部Cで、この現像方法におけるトナーTが現像される状況を模式的に示した図である。図8において、現像スリーブ111cと感光体100との間には、通常、トナーTを現像するための電界が印加されている(図3、図6)。既に説明したように、現像前域部A及び現像中域部Bでは、磁気ブラシを構成するキャリアCCから離れて現像されたために表面に存在するトナーTが少なくなっている。このため、帯電量が過多になったキャリアCCは、感光体100を接触しながら移動(摺擦)し、先に現像したトナーTに追いつく。そして、強く接触する。この衝撃力と、互いに逆極性に帯電していることから生ずる静電的なクーロン力とによって、キャリアCC表面に、先に現像したトナーTを吸着させて、感光体100から離脱させる。この場合、主に感光体100上の非画像部では、帯電装置101による静電荷が少ないために、トナーTを感光体100に吸着しておく電界が小さいことから、非画像部のトナーTを離脱させることが多い。これにより、非画像部における地汚れが改善、防止されて、高品位の画像を得ることができる。よって、この現像態様では、積極的にトナーTを付着させるのではなく、非画像部などから回収することで地肌汚れのない高画質を得る。
〔現像前域部、現像中域部、現像後域部のそれぞれにおける現像方法を通じて行う現像装置〕
本項は、主として請求項5、16に対応する。上記「キャリア相互の変位を利用した遊離トナーによる現像方法」の項で述べた現像前域部Aにおける現像方法、上記「穂を感光体に接触させて遊離トナーを散布する現像方法」の項で述べた現像中域部Bにおける現像方法、上記「穂の先端部を感光体に摺擦させて行う現像方法」の項で述べた現像後域部Cにおける現像方法は、図1乃至図3に示したような装置を使用する態様では、一連の現像方法として行われる。従って、この現像方法は、現像前域部Aで、キャリアCCがトナーTを保持して集合状態をなしている状態から磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずるキャリア相互の変位に応じてキャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを以って上記静電潜像の可視像化に供する現像態様と、現像前域部Aで、キャリアCCが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がった穂を、現像中域部Bで感光体100に強く接触させることにより、キャリアCCの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを感光体100に散布し、以って静電潜像の可視像化に供する現像態様を有し、現像後域部Cで、静電潜像を構成する画像部については現像スリーブ111cと感光体100との間の電界及び感光体100とキャリアCCとの間に生ずる電界により現像し、非画像部については既に感光体100上に付着しているトナーを感光体100上から穂を構成するキャリアに引き戻しつつ現像する現像方法であり、上記した各現像域における各特長を合わせ有するのであるから、画像濃度が高く、ベタ埋まりがよく、ドット再現性に優れると共に、地肌汚れのない高画質を得ることができる。
〔磁気力のピーク位置を変更した例〕
本項は、主として請求項18に対応する。現像剤搬送の磁力分布をなす下流側の磁力分布P2は主磁力分布P1の形成を補助する働きがあり、小さすぎるとキャリア付着を起こす。磁気ブラシは現像スリーブ111cの回転によって現像スリーブ111cと同方向、すなわち時計回りの向きに移送される。
図9に示すように、現像主磁力分布P1の現像スリーブ111c上における法線方向の磁気力のピーク位置M1が、感光体100と現像スリーブ111cとの最近接位置M0から感光体100の移動方向(反時計回り方向)における下流側になるように、磁石支持体111bの各磁石MGが配置されている。換言すれば、感光体100の中心と現像スリーブ111cの中心を結ぶ線分で示される最近接位置M0に対して現像スリーブ111cのまわりに現れる磁気力のピーク位置M1のなす角度θが0[°]以上30[°]以下の角度だけ感光体の移動方向の下流側にずれるようにしている。これにより、磁気ブラシが形成される初期段階における遊離トナーTの発生部位が、遊離トナーT’が感光体100上の静電潜像MLへ移動し易い最接近部を含む現像中域部にシフトするので、遊離トナーT’による現像が促進される。つまり、これまでの例で述べた現像領域前域部Aにおける遊離トナーT’の発生部位を、最近接位置M0に対向させるのである。
磁力分布P1をなす磁石MGと磁力分布P5をなす磁石MGとの極角度は60[°]であり、両磁石の中間で磁力が0になる点が30[°]である。さらに換言すれば、磁気ブラシが最近接位置M0又はその近傍で立ち上がるようにし、あるいは、感光体100の移動方向上流側における現像主磁力分布P1の裾野部分が、最近接位置M0又はその近傍に位置するようにしたものである。
〔第1の現像の実施例〕
後述する画像形成装置を用い、上述した構成を有する現像装置のもとで、かつ、以下の条件設定を行い、現像を行った。
(i)機械的条件
本例の画像形成装置における現像装置は、これまで述べた構成を基本としている。そこで、以下の説明でも、これまで述べた構成の部材を使用して説明する。先ず、キャリアCCの粉体特性及び磁気特性と現像主磁力分布P1を形成するための主磁石の磁気特性及び形態特性とを考慮して、キャリアCCが集合した穂が立ち上がるときに、キャリアCCからトナーTを離脱させるように設定している。
本例では、感光体100の感光体径60[mm]、感光体100の線速350[mm/秒]、現像スリーブ111cの径25[mm]、現像スリーブ111cの線速700[mm/秒]に設定した。したがって、感光体線速に対するスリーブ線速の比は2.0である。なお、本例では、現像スリーブ111cの線速の感光体100の線速に対する比(Vs/Vp)は最低0.9にまで下げても、なお必要な画像濃度を得ることができた。
また、感光体100と現像スリーブ111cとの間隔である現像ギャップは0.3[mm]に設定した。現像ギャップは、キャリア粒径が35[μm]であれば0.455[mm]以下、言い換えれば、キャリアCCの径の13倍以下に設定することが望ましい。現像ギャップがあまり狭くなると、磁気ブラシが感光体100に広範囲で接触するようになるために、横線細りや後端白抜け等の方向依存性が起こりやすくなる。逆に、現像ギャップが広すぎると、十分な電界が強度が得られず、孤立ドットやソリッド部でムラ等の画像欠陥を生ずる。電界強度を維持するために、印加する電圧を大きくすることも可能であるが、放電によるいわゆる白ポチと呼ばれるソリッド部の白く抜けた画像等の異常画像が発生しやすくなる。
ドクターブレードと現像スリーブ111cとの間隔であるドクターギャップは、0.50[mm]に設定されている。従来、ドクターブレードとしては非磁性材料のみからなる板状のものが使用されていたが、本実施形態におけるドクターブレードは、磁性材料からなる板を従来の非磁性の板に接合した構成を有している。磁性材料を用いることで、後述するように、穂高の揃った磁気穂が形成されやすくなる。
現像スリーブ111cの感光体100とは反対側の領域には、現像ケーシング内の現像剤を攪拌しながら現像スリーブ111cへ汲み上げるための攪拌スクリューが設けられている。
現像ケーシング内の現像剤は、トナーTとキャリアCCからなる現像剤であり、現像剤は図示しない駆動手段により回転速度500[rpm]で回転する攪拌スクリューで混合・攪拌され、トナーTが摩擦帯電される。このときのトナー帯電量(q/m)は、−5[μC/g]以上−60[μC/g]以下、好ましくは、−10[μC/g]以上−30[μC/g]以下がよい。
(ii)二成分現像剤
二成分現像剤としては以下の製造例に従うものを使用した。
<トナーの製造例>
結着樹脂:ポリエステル樹脂(テレフタル酸、フマル酸、ポリオキシプロピレン−(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリメリット酸から合成されたポリエステル樹脂、Tg:62[℃]、軟化点:106[℃])100部
着色剤:イエロートナー用顔料(ジスアゾイエロー顔料:C.I.PigmentYellow17)7.0部、マゼンタトナー用顔料(キナクリドン系マゼンタ顔料:C.I.PigmentRed122)7.0部、シアントナー用顔料(銅フタロシアニンブルー顔料:C.I.PigmentBlue15:3)3.5部、ブラックトナー用顔料(カーボンブラック:C.I.PigmentBlack7)6.0部
帯電制御剤:サリチル酸誘導体亜鉛塩2.5部
離型剤:カルナウバワックス(融点:85℃)5部
上記原材料を、ヘンシェルミキサーにて混合したのち、110[℃]に設定した2軸混練機にて溶融混練した。混練物を水冷後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いて母体粒子を得た。
更に、上記母体粒子を100部、添加剤であるシリカ(ヘキサメチルジシラザン表面処理品、平均一次粒子径:0.01[μm])0.8部、チタニア(イソブチルトリメトキシシラン表面処理品、平均一次粒子径:0.015[μm])1.0部を、ヘンシェルミキサーにて混合を行い、その後、さらに目開き100[μm]の篩により風篩を行い、製造例のトナー(重量平均径:6.8[μm])を得た。
ここで、トナーの粒度分布は種々の方法で測定可能であるが、本例においてはコールターマルチサイザーを用いて行なった。即ち、測定装置としてはコールターマルチサイザーIIe型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布を出力するインターフェイス日科機社製及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1[%]NaCl水溶液を調製した。
測定法としては、上記電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加え、更に測定試料を2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3分の分散処理を行った。さらに、別のビーカーに電解水溶液100〜200[ml]を入れ、その中に上記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、上記コールターマルチサイザーIIe型によりアパーチャーとして100[μm]アパーチャーを用い、50000個の粒子の平均を測定することにより行った。
<キャリアの製造例>
芯材:Cu−Znフェライト粒子(重量平均径:45[μm])5000部
コート材:トルエン450部シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50[%])450部、アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)10部、カーボンブラック10部
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調整し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。
さらに、得られたキャリアを電気炉で250[℃]で2時間焼成を行い、製造例のキャリア(膜厚:0.5[μm])を得た。
<現像剤の製造例>
上記製造例のトナー7部と、上記製造例のキャリア93部をターブラーミキサーで混合し、二成分現像剤を得た。
(iii)現像の態様
かかる条件のもとで、ここでは、上述した磁気力のピーク位置を変更したケースのもとでの現像の状況を図10により説明する。
磁気ブラシが形成される現像前域部Aに発生するクラウド状ないしスモーク状の遊離トナーT’は、その大部分が現像電界によって感光体100の画像部へ移動し易くなる。図10は、この遊離トナーT’による現像状況を段階的に説明したものである。
まず、図10(a)に示すように、磁気ブラシが形成される現像前域部Aにおいて、すなわち、磁気ブラシが現像スリーブ111cに押し付けられた状態から起き上がる位置で、衝撃力、遠心力等によりトナーTが動き得る空間が形成され、キャリアCC上のトナーT及びキャリアCCが集合する穂と穂との間に挟まれたトナーTが離脱させる。これによって、多数の遊離トナーT’がクラウド状ないしスモーク状に発生する。
この遊離トナーT’群は、図10(b)に示すように、現像電界により感光体100の静電潜像MLに引き付けられ、現像される。非画像部では、電界は現像スリーブ111c側へ向いており、遊離トナーT’はキャリアCCに戻るか現像スリーブ111c上に移動する。これにより、トナーTの使用効率を向上させることができるとともに、トナー飛散による装置内の汚れを防止することができる。また、本例では、感光体100と現像スリーブ111cが対向する部位において、図5に準じた直流電源により直流電界が印加される。
さらに本例では、現像中域部B及び現像後域部Cで磁気ブラシが感光体100に接触しているため、磁気ブラシ先端のキャリアCC(感光体100に近いキャリア)と感光体100との間に電極効果が働き、より画像部トナー層を均一化し、非画像部の地汚れトナーTを効率良くスキャベンジすることができる。また、従来の二成分接触現像方式に批べ、磁気ブラシが感光体と接触している時間が短いため、横線細りや後端白抜け等の方向依存性も起こらない。
本例で用いたキャリアCCの平均粒径は50[μm]、磁化の強さは60×10-7×4π[Wb・m/kg]、トナーTの平均粒径は7[μm]、トナー濃度は7[wt%]、トナー帯電量−25.5[μC/g]であった。感光体に対する現像スリーブ111cの線速比は1.4に設定した。現像条件は、帯電電位−700[V]、画像部電位−100[V]、非画像部電位−650[V]とした。これにより、ハーフトーン部でのザラツキがなく、ソリッド部でのベタ濃度も高く、ラインや文字の鮮鋭度も優れた高画質が得られることがわかった。
〔現像前域部、現像中域部、現像後域部のそれぞれにおいて穂の先端部を感光体に非接触で行う現像装置〕
本項は主として請求項6、17に対応する。この現像装置は、上述したように、現像前域部Aで、キャリアCCが磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がった穂を、現像中域部Bで感光体100に強く接触させることに代えて、現像中域部B以後では感光体100に対して非接触とし、この非接触状態で変位するキャリア相互の変位により生ずる遊離トナーにより現像することを内容としている。つまり、現像前域部、現像中域部、現像後域部のそれぞれにおいて穂の先端部を感光体に非接触で行うのである。例えば、現像スリーブ111cと感光体100との最接近距離である現像ギャップを調節したり、現像主磁力分布P1などの強さを調節することにより可能である。
現像前域部Aにおける現像態様は、上述した内容に準ずる。現像中域部B、現像後域部Cにおいては、現像スリーブ111cが回動するのに対して磁極P1〜P6が不動であるため、キャリアCCが変位し、この変位に伴い、上述した現象に順じてさらなる遊離トナーT’の発生による現像や、現像スリーブ111c上のキャリアCCが誘電体であるために、感光体100とキャリアCCが集合した穂では、さらに電界が強調された電界が生ずることにより、キャリアCC上に付着しているトナーTが、感光体100の静電潜像に現像されることを利用している。
このように、現像スリーブ111c上の磁気ブラシの穂が感光体100に接触することのない非接触状態に保つことで、現像前域部Aでは、キャリアCC表面から離脱した遊離トナーTで現像しその後、現像中域部Bから現像後域部Cに至る過程で磁気ブラシが現像スリーブ111cを搬送される間は、磁気ブラシの先端を感光体100に近接させることで、キャリアCC上のトナーTを現像するのである。
また、磁気ブラシが現像スリーブ111cを搬送される間は、磁気ブラシの先端が感光体100に非接触であるので、近接させても、既に感光体100に接触して現像されたトナーTを離脱させることがなく、現像前域部A等でのトナー付着量を低下させることがなく、画像品位を低下させることがない。
〔磁気力のピーク位置を変更した例〕
本項は、主として請求項18に対応する。本例においても、上述した構成に準じて磁気力のピーク位置を変更することができる。
〔第2の現像の実施例〕
ここでは、画像形成装置は上述した第1の現像の実施例と同じものを用いた。但し、磁気ブラシの感光体100との非接触状態を保つために、現像条件のうち、現像ギャップを0.8[mm]、現像電界の中の直流成分を−630[V]に設定した。その他の条件は、上記第1の現像の実施例に準ずる。
図11は、第2の実施形態における現像方法において現像領域でトナーTにより潜像Lを現像する状況を示す模式図である。磁気ブラシが形成される現像前域部Aに発生するクラウド状ないしスモーク状の遊離トナーTは、その大部分が現像電界によって感光体100の画像部へ移動し易くなる。図11は、この遊離トナーTによる現像状況を段階的に説明したものである。
まず、図11(a)に示すように、磁気ブラシが形成される現像前域部Aにおいて、すなわち、磁気ブラシが現像スリーブ111cに押し付けられた状態から起き上がる位置で、衝撃力、遠心力等によりトナーTが動き得る空間が形成され、キャリアCC上のトナーT及びキャリアCCが集合する穂と穂との間に挟まれたトナーTが離脱させる。これによって、多数の遊離トナーT’がクラウド状ないしスモーク状に発生する。この遊離トナーT’群は、図11(b)に示すように、現像電界により感光体100の静電潜像MLに引き付けられ、現像される。非画像部では、電界は現像スリーブ111c側へ向いており、遊離トナーT’はキャリアCに戻るか現像スリーブ111c上に移動する。これにより、トナーTの使用効率を向上させることができるとともに、トナー飛散による装置内の汚れを防止することができる。また、本例では、感光体100と現像スリーブ111cが対向する部位において、図5に準じた直流電源により直流電界が印加される。
〔二成分現像剤〕
<トナーの組成及び製造例>
本項は、主として請求項9乃至15に対応する。以下に、本発明で使用するのに適するトナーについて述べる。
本発明におけるトナーTの離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1重量部以上15重量部以下、好ましくは、2重量部以上10重量部以下である。1重量部未満では定着ローラへのオフセット防止効果が不十分であり、15重量部を越えると現像能力の低下や凝集トナーによる異常画像の発生や転写性・耐久性等が低下する。2重量部以上10重量部以下にすることで、ソリッド部における画像濃度が高く、かつ、ベタ埋まり、ドット再現性の良い高品位の画像を得ることができる。
ここで、離型剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス、密ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド、合成エステル系ワックス等及びこれらの各種変性ワックス等が挙げられる。これらの離型剤は、単独あるいは2種類以上組合わせて用いることができるが、特にカルナウバワックス、合成エステル系ワックスを使用することにより良好な離型性を得ることができる。
本発明におけるトナーTの添加剤の添加量は、母体粒子100重量部に対して、0.6重量部以上4.0重量部以下であることが好ましく、特に好ましくは、1.0重量部以上3.6重量部以下である。添加剤の添加量が、0.6重量部未満であると、トナーの流動性が低下し、トナー間の凝集度が増加するため、キャリアとの接触が不足し、十分な帯電性が得られず、また、転写性や耐熱保存性も不十分となり、また、地汚れやトナー飛散の原因にもなりやすい。また4.0重量部より多いと、流動性は向上するものの、ビビリ、ブレードめくれ等の感光体クリーニング不良や、トナーから遊離した添加剤による感光体等へのフィルミングが生じやすくなり、クリーニングブレードや感光体等の耐久性が低下し、定着性も悪化する。0.6重量部以上4.0重量部以下、特に好ましくは、1.0重量部以上3.6重量部以下にすることで、上記不具合をなくし、ソリッド部における画像濃度が高く、かつ、ベタ埋まり、ドット再現性の良い高品位の画像を得ることができる。
添加剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、Si、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物等が挙げられ、特にSi、Ti、Alの酸化物であるシリカ、チタニア、アルミナの何れか又は複数が好適に用いられる。
ここで、添加剤の含有量の測定には種々の方法があるが、蛍光X線分析法で求めるのが一般的である。すなわち、添加剤の含有量既知のトナーについて、蛍光X線分析法で検量線を作成し、この検量線を用いて、添加剤の含有量を求めることができる。
さらに、添加剤は、必要に応じ、疎水化、流動性向上、帯電性制御等の目的で、表面処理を施されていることが好ましい。表面処理に用いる処理剤としては、有機系シラン化合物等が好ましく、例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等が挙げられる。処理方法としては、有機シラン化合物を含有する溶液中に添加剤を浸積し乾燥させる方法、添加剤に有機シラン化合物を含有する溶液を噴霧し乾燥させる方法等があるが、本発明においては、いずれの方法も好適に用いることができる。
さらに、母体粒子に添加される添加剤の粒径は、流動性付与等の点から、平均一次粒子径で0.002[μm]以上0.2[μm]以下であることが好ましく、特に好ましくは、0.005[μm]以上0.05[μm]以下である。平均一次粒子径が0.002[μm]より小さい添加剤は、母体粒子表面に添加剤が埋め込まれやすくなるため、凝集を生じやすく、又、流動性も十分に得られない。さらに、感光体等へのフィルミングも発生しやすくなり、これらの傾向は特に高温高湿下において顕著である。加えて、平均一次粒子径が0.002[μm]より小さいと、どうしても添加剤同士の凝集が生じやすくなるため、これによっても、十分な流動性が得られにくくなる。平均一次粒子径が0.2[μm]より大きい添加剤は、トナーの流動性が低下するため、十分な帯電性が得られず、地汚れやトナー飛散の原因になりやすい。平均一次粒子径が0.1[μm]より大きい添加剤は、感光体表面を傷つけやすく、フィルミング等の原因にもなりやすい。なお、添加剤の粒径は、透過型電子顕微鏡により測定して求めることが出来る。
トナーは、結着樹脂に着色剤、帯電制御剤及び、上記のような離型剤等の他の材料を含有させた母体粒子に、さらに、上記記載のような添加剤等を外添させてなる。
トナーに使用される結着樹脂としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリブチラール、シリコーン樹脂等が挙げられ,これらは、単独あるいは2種類以上組合わせて用いることができ、特に、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂が好ましい。
結着樹脂としてポリエステル樹脂、ポリオール樹脂を使用することにより、定着装置に対する対オフセット性、つまりオフセットがされにくくなり、転写性、帯電の安全性に優れることに加え、凝集トナーが少なく、凝集トナーの転写抜けによる異常画像が少なくなる利点がある。
ここで、ポリエステル樹脂としては、各種のタイプのものが使用できるが、特に、
(1)2価のカルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物のいずれかから選ばれる少なくとも一種、
(2)下記の化1に示す一般式で示されるジオール成分(式中、R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜4のアルキレン基であり、またx、yは繰り返し単位の数であり、各々1以上であって、x+y=2〜16である。)、
Figure 2005062658
(3)3価以上の多価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物、及び、3価以上の多価アルコールのいずれかから選ばれる少なくとも一種、
上記(1)、(2)及び(3)とを反応させてなるポリエステル樹脂であることが好ましい。
ここで、上記(1)の2価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物の一例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらのモノメチル、モノエチル、ジメチル及びジエチルエステル、及び無水フタル酸、無水マレイン酸等があり、特にテレフタル酸、イソフタル酸及びこれらのジメチルエステルが耐ブロッキング性及びコストの点で好ましい。これらの2価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物はトナーの定着性や耐ブロッキング性に大きく影響する。すなわち、縮合度にもよるが、芳香族系のテレフタル酸、イソフタル酸等を多く用いると耐ブロッキング性は向上するが、定着性が低下する。逆に、セバシン酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸等を多く用いると定着性は向上するが、耐ブロッキング性が低下する。従って、他のモノマー組成や比率、縮合度に合わせてこれらの2価カルボン酸類が適宜選定され、単独又は組合わせて使用される。
上記(2)の上記化1の一般式で示されるジオール成分の一例としては、ポリオキシプロピレン−(n)−ポリオキシエチレン−(n′)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられるが、特に、2.1≦n≦2.5であるポリオキシプロピレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及び2.0≦n≦2.5であるポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。このようなジオール成分は、ガラス転移温度を向上させ、反応を制御し易くするという利点がある。なお、ジオール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール等の脂肪族ジオールを使用することも可能である。
上記(3)の3価以上の多価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物の一例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフトレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサトリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸及びこれらのモノメチル、モノエチル、ジメチルおよびジエチルエステル等が挙げられる。
上記(3)の3価以上の多価アルコールの一例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
ここで、3価以上の多価単量体の配合割合は、単量体組成物全体の1[モル%]以上30[モル%]以下程度が適当である。1[モル%]未満の時には、トナーの耐オフセット性が低下し、また、耐久性も悪化しやすい。一方、30[モル%]を越えると、トナーの定着性が悪化しやすい。
これらの3価以上の多価単量体のうち、特にベンゼントリカルボン酸、これらの酸の無水物又はエステル等のベンゼントリカルボン酸類が好ましい。すなわち、ベンゼントリカルボン酸類を用いることにより、定着性と耐オフセット性の両立を図ることができる。
ポリオール樹脂としては、各種のタイプのものが使用できるが、特に、(1)エポキシ樹脂と、(2)2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルと、(3)エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、(4)エポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるポリオール樹脂を用いることが好ましい。
上記(1)のエポキシ樹脂は、好ましくはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとエピクロロヒドリンを結合して得られたものである。特に、エポキシ樹脂が安定した定着特性や光沢を得るために数平均分子量の相違する少なくとも2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂で、低分子量成分の数平均分子量が360〜2000であり、高分子量成分の数平均分子量が3000〜10000であることが好ましい。さらに低分子量成分が20〜50重量%、高分子量成分が5〜40重量%であることが好ましい。低分子量成分が多すぎたり、分子量が360よりさらに低分子の場合は、光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性がある。高分子量成分が多すぎたり、分子量10000よりさらに高分子の場合は、光沢が不足したり、さらには定着性の悪化の可能性がある。
上記(2)の化合物としての、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物としては、以下のものが例示される。即ち、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物とビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。得られた付加物をエピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリン等でグリシジル化して用いてもよい。特に下記の化2に示す式で表わされるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルが好ましい。なお、下記の化2に示す式中、Rは−CH2−CH2−、−CH2−CHCH3 −又は−CH2−CH2−CH2−基であり、またn、mは繰り返し単位の数であり、各々1以上であって、n+m=2〜6である。
Figure 2005062658
2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルが、ポリオール樹脂に対して10〜40重量%含まれていることが好ましい。ここで量が少ないとカールが増すなどの不具合が生じ、また、n+mが7以上であったり量が多すぎると、光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性がある。
上記(3)のエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物としては、1価フェノール類、2級アミン類、カルボン酸類がある。1価フェノール類としては以下のものが例示される。即ち、フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノール、p−クミルフェノール等が挙げられる。2級アミン類としては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチル(エチル)ピペラジン、ピペリジン等が挙げられる。また、カルボン酸類としては、プロピオン酸、カプロン酸等が挙げられる。
上記(4)のエポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物としては、2価フェノール類、多価フェノール類、多価カルボン酸類が挙げられる。2価フェノール類としてはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられる。また、多価フェノール類としてはオルソクレゾールノボラック類、フェノールノボラック類、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンが例示される。多価カルボン酸類としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸が例示される。
これらのポリエステル樹脂やポリオール樹脂は、高い架橋密度を持たせると、透明性や光沢度が得られにくくなるため、好ましくは、非架橋もしくは弱い架橋(THF不溶分が5%以下)であることが好ましい。
これらの結着樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等のいずれも用いることが出来る。
次に、トナーに用いられる着色剤としては、従来公知の染料及び顔料が使用できる。黄色系着色剤としては、例えば、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー、(GR、A、RN、R),ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、ベンズイミダゾロンイエロー、イソインドリノンイエロー等が挙げられる。
赤色系着色剤としては、例えば、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイヤーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッド(F5R、FBB)、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パ−マネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ等が挙げられる。
青色系着色剤としては、例えば、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB,ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン等が挙げられる。
黒色系着色剤としては、例えば、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等が挙げられる。その他の着色剤としては、チタニア、亜鉛華、リトボン、ニグロシン染料、鉄黒等が挙げられる。
これらの着色剤は、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができ、含有量は、結着樹脂100重量部に対して、通常1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部である。
本発明に用いられるトナーには、必要に応じて、帯電制御剤、等の他の材料を添加することができる。
ここで、帯電制御剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ニグロシン染料、含クロム錯体、第4級アンモニウム塩等が挙げられ、これらはトナー粒子の極性により使い分ける。特に、カラートナーの場合、トナーの色調に影響を与えない無色又は淡色のものが好ましく、例えば、サリチル酸金属塩又はサリチル酸誘導体の金属塩(ボントロンE84、オリエント社製)等が挙げられる。これらの帯電制御剤は、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができ、含有量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.5〜8重量部、好ましくは1〜5重量部である。
次に、トナーの製造例の一例を以下に述べる。
(1)前述した結着樹脂、着色剤、又は必要に応じて帯電制御剤、離型剤、磁性体等をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分に混合する。
(2)バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等の熱混練機を用いて構成材料を十分に混練する。
(3)混練物を冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級し、母体粒子を得る。その他の製造法として、重合法、カプセル法等を用いることも可能である。これらの製造法の概略を以下に述べる。
〔重合法〕
(1)重合性モノマー、必要に応じて重合開始剤、着色剤等を水性分散媒中で造粒する。
(2)造粒されたモノマー組成物粒子を適当な粒子径に分級する。
(3)上記分級により得た規定内粒径のモノマー組成物粒子を重合させる。
(4)適当な処理をして分散剤を取り除いた後、上記により得た重合生成物をろ過、水洗、乾燥して母体粒子を得る。
〔カプセル法〕
(1)樹脂、必要に応じて着色剤等を混練機等で混練し、溶融状態のトナー芯材を得る。
(2)トナー芯材を水中に入れて強く撹拌し、微粒子状の芯材を作成する。
(3)シェル材溶液中に上記芯材微粒子を入れ、撹拌しながら、貧溶媒を滴下し、芯材表面をシェル材で覆うことによりカプセル化する。
(4)上記により得たカプセルをろ過後、乾燥して母体粒子を得る。
次いで、該母体粒子と添加剤をヘンシェルミキサー(三井三池社製)、メカノフュージョンシステム(細川ミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)等の混合機により十分混合し、必要に応じて、150[μm]程度以下の目開きの篩を通過させ、凝集物や粗大粒子等の除去を行う。
本発明に用いられるトナーには、上記の添加剤の他に、さらに他の添加剤を添加させることもできる。このような添加剤としては、例えば、滑剤として、テフロン(登録商標)、ステアリン酸亜鉛及びポリ弗化ビニリデン等が、研磨剤として、酸化セリウム、炭化ケイ素及びチタン酸ストロンチウム等が、導電性付与材として、酸化亜鉛、酸化アンチモン及び酸化スズ等が、それぞれ挙げられる。
本発明に用いられるトナーの粒径は、重量平均径で4[μm]以上9[μm]以下であることが好ましく、特に好ましくは、5[μm]以上8[μm]以下である。ここで、4[μm]よりも小粒径の場合には、現像時に地汚れやトナー飛散等が生じたり、流動性を悪化させトナーの補給やクリーニング性等を阻害する場合がある。また、8[μm]よりも大粒径の場合には、画像中のチリや、解像性の悪化等が問題となる場合があり、特に、カラー画像の場合においては、その影響が大きい。
ここで、キャリアとしては、従来公知のものが使用でき、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、及び、ガラスビーズ等が挙げられ、特に、これらの表面を樹脂等で被覆することが好ましい。この場合、使用される樹脂としては、ポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。この樹脂層の形成法としては、従来と同様、キャリアの表面に噴霧法、浸漬法等の手段で樹脂を塗布すればよい。樹脂の使用量としては、通常キャリア100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。樹脂の膜厚としては、0.02[μm]以上2[μm]以下であることが好ましく、特に好ましくは0.05[μm]以上1[μm]以下、更に好ましくは、0.1[μm]以上0.6[μm]以下であり、膜厚が厚いとキャリア及び現像剤の流動性が低下する傾向にあり、膜厚が薄いと経時での膜削れ等の影響を受けやすい傾向にある。
ここで、これらのキャリアの平均粒径は通常10[μm]以上100[μm]以下であるが、本実施形態では20[μm]以上60[μm]以下としている。トナーとキャリアとの混合割合は、一般にキャリア100重量部に対しトナー0.5〜10.0重量部程度が適当である。
下記の数1に示す式により算出される、キャリアに対するトナーの被覆率は、35[%]以上70[%]以下が適当である。
Figure 2005062658
被覆率が35[%]より小さいとキャリア表面に存在するトナー量が少なく、所望の現像能力が得られず、画像濃度の低下を引き起こすとともに、ハーフトーンでのぼそついた画像となり、高品位な画像が得られない。また、キャリアへの電界強度が強くなり、感光体100へキャリア付着することがある。被覆率が70[%]を超えるとキャリア表面の存在量が多くなり、トナーとキャリア間の静電的付着力が低下して、トナーがキャリアより離脱(飛散)し、現像装置周辺を汚してしまう不具合を生ずる。被覆率を35[%]以上70[%]以下とすることで、上記不具合が解消されると共に、静電潜像に対して忠実な現像特性が得られ、高品位画像を得ることができる。
〔感光体〕
本項は、主として請求項20に対応する。本発明に用いられる感光体100について図面に沿って説明する。図12(a)は、2層構成の感光体を表わす断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする単層感光層33が設けられている。この場合、少なくとも感光層表面にはフィラーが含有されてなる。図12(b)は、導電性支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37とが、積層された構成をとっている。この場合、少なくとも電荷輸送層37の表面にはフィラーが含有されてなる。図12(c)は、導電性支持体31上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする単層感光層33が設けられ、更に感光層表面にフィラーを含有したフィラー補強電荷輸送層39が設けられてなる。図12(d)は、導電性支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層37上にフィラーを含有したフィラー補強電荷輸送層39が設けられてなる。
導電性支持体31としては、体積抵抗1010[Ω・cm]以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体31として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に上記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
本発明における感光層は、電荷発生物質を電荷輸送層に分散させた単層型でも、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型でもよい。はじめに電荷発生層35と電荷輸送層37を順次積層させた積層型感光体について説明する。
電荷発生層35は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダ−樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることが出来る。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコンなどが挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でタ−ミネ−トしたものや、ホウ素原子、リン原子などをド−プしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
電荷発生層35に必要に応じて用いられるバインダ−樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカ−ボネ−ト、ポリアリレート、シリコ−ン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルホルマ−ル、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダ−樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。また、電荷発生層35のバインダー樹脂として、高分子電荷輸送物質を用いることが出来る。更に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
電荷発生層35に併用できる電荷輸送物質には電子輸送物質と正孔輸送物質とがあり、これらは更に低分子型の電荷輸送物質と高分子型の電荷輸送物質がある。以下、本発明では高分子型の電荷輸送物質を高分子電荷輸送物質と称する。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表される電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえば、オキサゾ−ル誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、イミダゾ−ル誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾ−ル誘導体、トリアゾ−ル誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾ−ル誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、以下に表される高分子電荷輸送物質を用いることができる。たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾ−ル環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開平7−325409号公報に例示されるトリアリールアミン構造を有する重合体等が挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層35は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層35を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロ−放電分解法、イオンプレ−ティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、キャスティング法によって電荷発生層35を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダ−樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボ−ルミル、アトライタ−、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成出来る。塗布は、浸漬塗工法やスプレ−コ−ト法、ビ−ドコ−ト法などを用いて行なうことができる。以上のようにして設けられる電荷発生層35の膜厚は、0.01[μm]以上5[μm]以下程度が適当であり、好ましくは0.05[μm]以上2[μm]以下である。
次に、電荷輸送層37について説明する。
電荷輸送層37は、電荷輸送成分とバインダ−成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成することができる。電荷輸送層37の膜厚は、10[μm]以上100[μm]以下程度が適当であり、解像力が要求される場合、10[μm]以上30[μm]以下程度が適当である。本発明において、バインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送物質として用いることのできる材料は、上述の低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質および高分子電荷輸送物質が挙げられる。低分子型の電荷輸送物質を用いる場合、この使用量は高分子化合物100重量部に対して20〜200重量部、好ましくは50〜100重量部程度が好ましい。また、高分子電荷輸送物質を用いる場合、電荷輸送成分100重量部に対して樹脂成分が0〜500重量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。
電荷輸送層37は後述のフィラー補強電荷輸送層39を設けない場合、少なくとも電荷輸送層37の表面部位には、耐摩耗性を向上する目的でフィラ−材料を添加する必要がある。有機性フィラ−材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコ−ン樹脂粉末、a−カ−ボン粉末等が挙げられ、無機性フィラ−材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。また、これらのフィラ−材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いられる。これらのフィラーは塗工液および塗工膜中の分散性向上を目的として、表面処理剤によるフィラー表面の改質が施されてもよい。これらのフィラ−材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。また、フィラ−の一次粒径の平均は、0.01[μm]以上0.8[μm]以下であることが電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。また、これらのフィラーを電荷輸送層全体に含有させることも可能であるが、露光部電位が高くなるような場合があるため、電荷輸送層の最表面側が最もフィラー濃度が高く、支持体側が低くなるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、支持体側から表面側に向かい、フィラー濃度を順次高くしたりするような構成にすることが好ましい。電荷輸送層37の表面側に含有される無機フィラー層の膜厚(表面からの深さ)は0.5[μm]以上であることが好ましく、より好ましくは2[μm]以上が好ましい。
フィラー補強電荷輸送層39を設ける場合、電荷輸送層37は、電荷輸送成分とバインダ−成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成することができる。電荷輸送層の膜厚は、10[μm]以上100[μm]以下程度が適当であり、解像力が要求される場合、10[μm]以上30[μm]以下程度が適当である。この場合の電荷輸送層37に用いることのできるバインダー成分は、例えば、前述の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。電荷輸送物質として用いることのできる材料も前述の低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質および高分子電荷輸送物質が挙げられる。また、必要により適当な酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.1〜200重量部、好ましくは、0.1〜30重量部、レベリング剤の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.001〜5重量部程度が適当である。
次、フィラー補強電荷輸送層39について説明する。
本発明におけるフィラー補強電荷輸送層39とは、少なくとも電荷輸送成分とバインダー樹脂成分とフィラーが含まれ、電荷輸送性と機械的耐性を併せ持つ機能層を指す。フィラー補強電荷輸送層39は、従来型の電荷輸送層に匹敵する高い電荷移動度を示す特徴を有し、これは表面保護層と区別される。また、フィラー補強電荷輸送層は、積層型感光体における電荷輸送層を2層以上に機能分離した表面層として用いられる。すなわち、この層はフィラーの含まれない電荷輸送層との積層で用いられ、単独で用いられる事が無い。このため、フィラーが添加剤として電荷輸送層中に分散された場合の電荷輸送層の単一層と区別される。
フィラー補強電荷輸送層39に用いられるフィラー材料としては、電荷輸送層37の説明に挙げたように、無機材料、特にシリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。また、これらのフィラ−材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いられる。これらのフィラーは塗工液および塗工膜中の分散性向上を目的として、前述と同様、表面処理剤によるフィラー表面の改質が施されてもよい。これらのフィラ−材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。また、フィラ−の一次粒径の平均は、0.01[μm]以上0.8[μm]以下であることが電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。
塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。フィラー補強電荷輸送層の膜厚は0.5[μm]以上であることが好まく、より好ましくは2[μm]以上が好ましい。
次に感光層が単層構成33の場合について述べる。
単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては、先に電荷輸送層37で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層35で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5[μm]以上25[μm]以下程度が適当である。
感光層が最表面層になるような構成においては、少なくとも感光層表面にフィラーを含有する必要がある。この場合にも、電荷輸送層の場合と同様に、感光層全体にフィラーを含有することもできるがフィラー濃度勾配を設けるか、複数層の感光層の構成とし、フィラー濃度を順次変えた構成にすることは有効な手段である。
本発明の感光体100においては、導電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al23 を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2 、SnO2 、TiO2 、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0[μm]よりも多く20[μm]以下が適当であり、好ましくは1[μm]以上10[μm]以下である。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。
これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノ−ル系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロ−ル類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネ−トなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ3’−ターシャリブチル5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2’チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
また、更なる高画質化を実現するために、本実施形態では、上述したようにキャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下のものを用いている。キャリアを粒径60[μm]以下の小粒径にし、磁性キャリアによる穂跡やハーフトーン画像のざらつき、即ち粒状性の悪化を防止することが可能となり、高画質化が可能となる。また、磁性キャリアを粒径20[μm]以上にし、流動性および現像剤へのストレスが悪くなり過ぎないようにする。以上のことから、磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下のものを用いている。
ところが、磁性キャリアは小粒径になるほど磁化が小さくなり感光体へのキャリア付着が発生し易い。また、近年の機械の小型化の要求に伴い、本実施形態においても、感光体として直径60[mm]以下、現像スリーブ7として直径30[mm]以下のものを用いている。このような感光体径やスリーブ径の小径化に伴い、現像領域下流(出口側)での磁気ブラシ穂先のキャリアに対する磁気拘束力が小さくなることからも、キャリア付着が発生し易くなる。キャリア付着の発生により、感光体100、クリーニングブレード(図示せず)など感光体に接触するよう設けられている部材の劣化が促進されるとともに、画像上にキャリア付着による白抜けが発生する。そこで、本実施形態の小粒径キャリアを用いる画像形成装置は、キャリア付着を抑制すると共に、キャリア付着を防止しようとすると生じる恐れのある副作用もある程度の許容範囲内に抑えられるようにしている。以下、この点について詳述する。
本実施形態では、上述したように、1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、1000[V]のバイアスを印加した時の静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であるキャリアを用いている。更に、少なくとも結着樹脂と粒子を有するコート膜を有するキャリアであって、この磁性キャリアの粒子径(D)と結着樹脂膜厚(h)との関係が1<[D/h]<10である。
磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化を66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上と高めに設定することで、現像スリーブ111c内部の磁石による磁気ブラシの現像スリーブ表面への磁気拘束力を強める。これによって、磁気ブラシ先端からのキャリア離れを生じにくくして感光体100へのキャリア付着を抑制できる状況をつくる。また、磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化を100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下にする。これによって、磁気ブラシの穂が硬くなりすぎて穂跡が画像上に出ることを回避する。また、現像剤離れが悪くなり現像スリーブ上での現像剤の入れ替わりがわるくなって現像スリーブ上でのトナー濃度ムラが発生することによって画像濃度ムラが出ることを回避する。
更に、磁性キャリアの静抵抗をある程度低めの109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下の範囲とする。磁性キャリアの静抵抗と飽和磁化との間にはある程度相関関係があり、飽和磁化を高くすると静抵抗が低くなる傾向にある。ただし、静抵抗を低くしすぎると電荷がリークしやすくなり、これに起因してボソツキ画像が生じやすくなる。よって、静抵抗の下限を109[Ω・cm]としてこれを回避できるようにする。また、磁性キャリアの飽和磁化を66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上としても、比較的静抵抗が高めの場合があり、静抵抗が高くなりすぎると文字周辺抜けが悪化して許容範囲を越える場合があることが本発明者らの研究によって分かった。そこで、本実施形態において磁性キャリアの静抵抗を1014[Ω・cm]以下とし、文字周辺抜けも許容範囲内に抑える状況をつくる。
更に、本実施形態では、現像スリーブ7に直流電源を接続し、現像電界を直流電界としている。これは、静抵抗を上記のようにある程度低めに設定しているためリークが生じやすくなっている磁性キャリアに、リークの発生原因となる交流バイアスを印加しないようにし、リークが生じにくい状況をつくるためである。
以上のように、本実施形態においては、高画質化のために小粒径キャリアを用い、小粒径キャリアを用いたために生じやすくなるキャリア付着を防止するためにキャリアの飽和磁化をある程度高めに設定する。更に、飽和磁化が高めのために生じやすくなる画像のボソツキや文字周辺抜けが許容範囲を越えることを回避するために、磁性キャリアの静抵抗の範囲及び現像バイアス成分を限定する。
以下に、本発明に関する特徴を有する場合にどのような効果が得られるかについて、上記構成要件を満足する実施例とそうでない比較例とをそれぞれ複数挙げて以下に説明する。但し、本発明はここで挙げる実施例に限定されるものではない。
先ず、後ほど示す実施例、比較例で使用した画像形成装置であるフルカラープリンタの各種設定条件は以下のとおりである。
<実施例プリンタ設定条件>
感光体線速: 350[mm/sec]
感光体径: 60[mm]
現像スリーブ/感光体の線速比:2
汲み上げ量: 50[mg/cm2
現像スリーブ径: Φ25[mm]
主極角度: 6[°]
主極磁束密度(P1): 120[mT]
主極下流側極磁束密度(P2):110[mT]
帯電電位VD: −600[V]
露光後電位VL: −60[V]
現像バイアスVb: −430[V]
<比較例プリンタ設定条件>
感光体線速: 350[mm/sec]
感光体径: 60[mm]
現像スリーブ/感光体の線速比:2
汲み上げ量: 50[mg/cm2
現像スリーブ径: Φ25[mm]
主極角度: 6[°]
主極磁束密度(P1): 120[mT]
主極下流側極磁束密度(P2):110[mT]
帯電電位VD: −420[V]
露光後電位VL: −60[V]
現像バイアスVb: −250[V]
尚、磁束密度の測定方法は、磁力分布測定器(株式会社エクセル・システムプロダクト製3次元磁気測定装置)、ガウスメータ((株)エー・デー・エス製)を用い、スリーブ突き当て方式で測定した。
また、現像スリーブ111cはV溝加工されたものである。また、ドクタ114は剛性であると共に磁性を有する材料である。ドクタ114は鉄、ステンレス等の金属材料からなるものに限らず、フェライト、マグネタイト等の磁性粒子を配合した樹脂材料で構成することも可能である。さらに、ドクタ自体を磁性材料で構成することなく、磁性材料で構成された金属板等の別部材をドクタ114に直接もしくは、間接的に固定する構成としてもよい。
また、実施例と比較例に用いた磁性キャリアは、以下のものである。
<実施例磁性キャリア>
アクリル樹脂溶液(固形分50[重量%])56.0部、グアナミン溶液(固形分77[重量%])15.6部、アルミナ粒子(0.3[μm]、固有抵抗1014[Ω・cm])160.0部、トルエン900部、ブチルセロソルブ900部を、ホモミキサーで10分間分散して被覆膜形成溶液を調合し、芯材として所定の平均粒径の焼成フェライト粉を用い、膜厚0.15[μm]になるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150[℃]で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き100[μm]の篩を用いて解砕し、キャリアとした。
尚、実施例磁性キャリアのコート膜に含まれる粒子の粒子径D=0.3[μm]と結着樹脂膜厚h=0.15[μm]の比D/hは2である。
<比較例磁性キャリア>
アクリル樹脂溶液(固形分50[重量%])56.0部、グアナミン溶液(固形分77[重量%])15.6部、トルエン900部、ブチルセロソルブ900部を、ホモミキサーで10分間分散して被覆膜形成溶液を調合し、芯材として所定の平均粒径の焼成フェライト粉を用い、膜厚0.15[μm]になるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150[℃]で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き100[μm]の篩を用いて解砕し、キャリアとした。
また、上記結着樹脂膜厚の測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。
尚、比較例キャリアのコート膜には粒子を含んでいない。よって、実施例磁性キャリアで示したコート膜に含まれる粒子の粒子径Dと結着樹脂膜厚hの比D/hは、比較例キャリアには適用できない。
上記プリンタの設定条件及び表1に示す実施例1〜5及び比較例1〜17の各種条件パターンで画像形成を行った。その画像をボソツキ画像、文字周辺抜け、粒状性、キャリア付着の4つの観点で評価した結果を同じく表1に示す。バイアスで「DC」としたものは現像電界として直流電界のみを印加したもの、「AC」としたものが直流バイアスに交流バイアスを重畳したものである。ACバイアスは、周波数:4.5[kHz]、Vpp:0.9[kV]、Duty:35である。
尚、磁性キャリアの飽和磁化は、次の方法で測定している。測定装置は、BHU−60型磁化測定装置(理研測定製)を用いる。測定試料を約1.0g秤量し、内径7[mm]φ、高さ10[mm]のセルにつめ、この装置にセットする。測定は印加磁場を徐々に加え1×106/4π[A/m]まで変化させ、1×106/4π[A/m]磁場中における磁化を求める。
評価結果の、「◎」は非常に良い、「○」は良い、「△」は悪い、「×」は非常に悪いという評価を示すし、[○]以上が許容範囲である。表1のうち、実施例1〜5、及び比較例10は、本発明の適用範囲に入るものである。ただし、比較例10は、実施例とはせず比較例として記載している。この比較例10を含めた比較例1〜17が実施例に対する比較例である。
Figure 2005062658
表1の結果より、次のことが分かる。キャリア付着は磁性キャリアの飽和磁化によって影響を受けやすく、飽和磁化が66未満の比較例6、9、12、15で発生している。この他、静抵抗が低い108[Ω・cm]となっている比較例11、17でも発生している。キャリア付着が発生するか否かは、飽和磁化が影響し、場合によって静抵抗も影響していることが分かる。
ボソツキは、現像バイアスとしてACバイアスを印加する場合に発生しやすく、重畳バイアスを用いた比較例1〜5で発生している。ただ、重畳バイアスを用いていても、磁性キャリアの飽和磁化が低めである比較例12、15では発生していない。これら2つの比較例は、上記したようにキャリア付着が発生するため好ましくない。また、ボソツキの発生は磁性キャリアの静抵抗によっても影響を受けやすく、静抵抗が低い108[Ω・cm]となっている比較例11、17では、現像バイアスにDCバイアスしか用いていないにもかかわらずボソツキが発生している。
図13は、キャリア付着防止のために磁性キャリアの飽和磁化を高めの70×10-7×4π[Wb・m/kg]にした場合Aと、従来のように低めの60×10-7×4π[Wb・m/kg]にした場合Bとでボソツキ画像の発生状態の違いを調べた結果を示すグラフである。このグラフは、いずれも重畳バイアスを印加し印加バイアス200[V]ごとにその実抵抗をとっている。尚、実抵抗の測定は、次のようにして行った。図14は、実抵抗測定装置の概略構成図である。この図に示すように、現像スリーブ111cに電源からバイアスを印加して磁気ブラシを形成させる。この現像スリーブに対向する感光体として治具感光体(アルミ製)100’を使用し、現像スリーブ111cと治具感光体100’との間の距離が0.35[mm]となるようそれぞれ配置する。現像スリーブ111cを回転させ、この現像スリーブにDCバイアスを印加する。そして、治具感光体100’に流れこんだ電流をマルチメータにより測定し、抵抗値に換算する。表2は、図2の測定結果を示したものである。
Figure 2005062658
表2及び図13に示す結果より、バイアスを印加したときの実抵抗は磁性キャリアの飽和磁化の高さによって違いがある。飽和磁化が高いAの方が、飽和磁化の低いBよりも低い印加電圧で測定不能な状態、即ちブレイクダウンした。ここで、ブレイクダウンとは、実抵抗が低くなりすぎて測定不能となるほどの大電流が流れることである。また、飽和磁化を高くすると、磁気ブラシ1本1本が太く、短くなることが目視観察より確認できた。これより、飽和磁化が高い場合、キャリア同士が密に集合して磁気ブラシを形成するため、現像領域における、実抵抗が低くなり、電荷がリークしやすくなってボソツキが発生すると分かった。
ボソツキの発生原因にキャリアの静抵抗が低すぎることも関係しているため、磁性キャリアのコート層などで静抵抗を高めにすることが考えられる。そして、ACバイアスでもリークしないようにすることができる。しかし、静抵抗が高すぎると、文字周辺抜けが悪化する場合がある。ここで、静抵抗とは、セル中にパッキング状態にした状態で測定する抵抗値である。そして磁性キャリアを抵抗計測平行電極:ギャップ2[mm]の電極間に投入し、直流バイアスを印加し30[sec]後の抵抗値をハイレジスト計で計測した値を体積抵抗率に変換した値である。比較例7、13では、1000[V]印加したときの静抵抗が1015[Ω・cm]であり、いずれも文字周辺抜けが「×」となっている。一方、比較例3、6など1000[V]印加したときの静抵抗が1014[Ω・cm]のものでは、いずれも文字周辺抜けが「○」となっている。これにより、文字周辺抜けを許容範囲に抑えるためにはキャリアの静抵抗はあまり高くしすぎないことが望ましい。尚、静抵抗と上記実抵抗との間には違いがある場合があり、静抵抗はパッキング状態での抵抗、実抵抗は磁気ブラシ状態での抵抗である。
以上のように、磁性キャリアの静抵抗は、低すぎるとボソツキが発生する恐れがあり、電荷注入によるキャリア付着が発生する恐れもある。一方、高すぎると、文字周辺抜けなどの異常画像が悪化する恐れがあり、画質の面ではできるだけ低くしたい。更に、現像バイアスにACバイアスを印加すると、印加電圧が大きいためDCバイアスのみに比して、静抵抗値設定範囲の下限を高くしなければならなくなる。よって、現像バイアスをDCバイアスのみとすることでACバイアスを印加するのに比較して、静抵抗を低めに設定することが可能となり、文字周辺抜けなどの異常画像が許容範囲を越えないような抵抗に設定することが可能となる。
次に、高画質な画像のもう1つの観点である粒状性を良好にするための構成と実施例について説明する。粒状性に影響を及ぼす条件の1つである現像ギャップGPを次のような条件にしている。現像ギャップPGが広すぎると、現像スリーブ7から感光体8へ向けて現像電界が届かず、再び現像スリーブ表面に戻る廻り込み電界等になりやすくなる。そして、トナーが画像部に均一に付着せず、特にハーフトーン画像でムラとなって粒状性が悪化する。そこで、粒状性を良好にするために、現像ギャップPGを比較的狭い0.4[mm]以下に設定している。尚、現像ギャップPGは狭くすると、文字周辺抜けやベタ・ライン付着量比(ベタパッチ部のトナー付着量とライン部付着量の比であり、1に近いほど良い)などを改善する効果があることは知られている。しかし、現像ギャップPGを小さくし過ぎるとギャップの微妙な変動で現像剤を挟んで現像スリーブ7と感光体8とが接触したり、その間にトナーが挟まれてパッキング状態になり現像スリーブ7にトナーが固着したりする恐れがある。現像ギャップの下限は0.2[mm]にしており、これは一般的な現像ギャップの下限である。
比較例10と16においては、現像ギャップPGを0.5[mm]と広くしており、粒状性が「×」である。また、基本的にボソツキのあるものは、粒状性も悪くなる。これに対して、実施例1〜5では、いずれも現像ギャップPGを0.2[mm]以上0.4[mm]以下としており、現像電界が感光体8の画像部に均一に届くため、粒状性が良好となる。尚、粒状性には磁性キャリアやトナーの粒径も関係し、本実施形態のように小粒径トナーを用いる構成では、更に粒状性が良好となる。
また、磁性キャリアとして少なくとも結着樹脂と粒子を有するコート膜を有し、粒子径Dと結着樹脂膜厚hが1<[D/h]<10の範囲であるものを用いた。飽和磁化が高い磁性キャリアを用いると、ドクタの上流側(スリーブ回転方向で上流側)の現像剤保持量が多くなり、現像剤に対して非常に高ストレスがかかる。このため、現像剤寿命(キャリア膜削れ、キャリア表面へのトナーの融着によるキャリア表面汚染等)が短くなる。しかし、本発明においては、粒子径Dと結着樹脂膜厚h上記の関係にある上記のようなキャリアを使用し、キャリアの高寿命化に対して改善効果を顕著にする。
この磁性キャリアは、被覆膜に比べ粒子の方が凸となるので、現像剤を摩擦帯電させるための攪拌により、トナーとの摩擦あるいはキャリア同士の摩擦で、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触を緩和することができる。これにより、帯電発生箇所である結着樹脂の膜削れ、トナー融着によるキャリア汚染を防止し、キャリア寿命を大幅に向上させることが可能となる。[D/h]が1以下の場合、粒子は結着樹脂中に埋もれてしまうため、粒子を添加した意味がなくなり効果が著しく低下して好ましくない。[D/h]が10以上の場合、粒子と結着樹脂との接触面積が少ないため充分な拘束力が得られず、またこの粒子が脱離しやすくなってしまうため好ましくない。また、トナーの帯電立ち上げ性を良好にするために、剛性かつ磁性を有するドクタなどを使用した場合には、さらに改善効果が顕著である。磁性ドクタを使用した場合、ドクタ部の現像剤保持量がさらに多くなるため、非常にストレスが大きくなるためである。ここで、磁性ドクタとは、鉄、ステンレス等の金属材料からなるものに限らず、フェライト、マグネタイト等の磁性粒子を配合した樹脂材料で構成することも可能である。さらに、ドクタ自体を磁性材料で構成することなく、磁性材料で構成された金属板等の別部材をドクタに直接もしくは間接的に固定する構成とすることによっても同様の効果を得ることができる。
図15は、本実施形態に用いた1<[D/h]<10であるキャリアC1と、比較例キャリアC2とを用いた場合それぞれについて、ランニング時における帯電量の変化を始めの帯電量を1としたときの割合で示した結果である。帯電量の低下は、ランニング時におけるキャリアへのトナースペントなどに起因するものである。帯電量は、低下率が始めの帯電量の0.8以下、即ち低下率が20[%]を越えると画像上問題が発生する。図15より、1<[D/h]<10であるキャリアC1では、ランニング枚数が100K枚でも帯電量は始めの0.8を上回っていた。これに対して比較例キャリアC2では、ランニング枚数が100K枚に達する前に帯電量が始めの0.8以下になった。この結果、粒子径(D)と結着樹脂膜厚(h)が1<[D/h]<10である少なくとも結着樹脂と粒子を有するコート膜を有する本実施例キャリアは、トナースペントに起因する帯電量低下を抑えることができる。尚、D/hの値の上限は、粒子の脱離回避の面でより好ましくは5である。
上記実施例1乃至5では、磁性キャリアの重量平均粒径を20[μm]以上60[μm]以下、飽和磁化を66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、1000[V]印加時の静抵抗を109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下としている。これによって、高画質化のために小粒径キャリアを用いつつ、キャリア付着の抑制を、ボソツキ画像と文字周辺抜けを共に許容範囲内に抑えつつ実現することができる。尚、本実施形態においては、主極磁束密度(P1)を120[mT]、主極下流側極磁束密度(P2)を110[mT]としている。しかし、この値に限定するものではなく、何れの磁極においても磁束密度がこれ以上であれば本件発明の効果を得ることができる。
以上、本実施形態に係る画像形成装置は、感光層を表面に設けた像担持体としての感光体100上の静電潜像を現像剤を用いる現像装置で現像した後、この可視像をシート状媒体に転写後、加熱加圧定着して画像を得るものである。この現像装置は、内部に磁石を有する現像剤担持体としての現像スリーブ111cを、感光体100に対向配置して現像領域を構成し、トナーTとこのトナーを保持する磁性キャリアCCとを含む現像剤を現像スリーブに担持させて現像領域を通過させるときに、この現像領域で現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して感光体100上の静電潜像をトナーTで可視像化するものである。本実施形態では、上記磁性キャリアCCとして、その重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下、1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、1000[V]のバイアスを印加した時の静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であるものを用いている。これにより、上述したように、小粒径キャリアを用いた場合に生じやすくなるキャリア付着の抑制を、ボソツキ画像と文字周辺抜け等の副作用を許容範囲内におさめつつ実施できる。しかも、この磁性キャリアCCがトナーTを保持して集合状態をなしている状態から上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずる磁性キャリア相互の変位に応じて磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーT’を以って上記静電潜像を可視像化する。この遊離トナーT’は、磁性キャリアCCとの静電的付着力、物理的付着力が作用していないために、現像電界等によって容易に移動させることができる。よって、離型剤含有トナーを使用した場合でも、画像濃度が高く、ベタ埋まりがよく、ドット再現性に優れるなどの高品位画像の形成が可能になる。特に、本実施形態では、上述したように、上記磁性キャリアCCがトナーTを保持して集合状態をなして現像スリーブ111cと共に現像領域に向けて移動し、その現像領域の初期の段階で遊離トナーT’を発生させるので、これに続く現像中域部以降の現像を強化する役割もあり、一層の現像性能の向上に寄与する。
また、本実施形態では、上述したように、磁性キャリアCCが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がる穂を、現像領域で感光体100に接触させることにより、磁性キャリア表面からトナーTを離脱させ、この離脱した遊離トナーT’を感光体100に散布し、以って上記静電潜像を可視像化する。これにより、磁性キャリアCCから現像バイアスなど静電力以外の外力を利用して離脱されたトナーT’により高性能の現像を行うことができる。
また、本実施形態では、上述したように、上記磁性キャリアCCが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がっているその穂の先端部を上記感光体100に接触させて移動させることにより、上記静電潜像を構成する画像部については上記感光体100と上記現像スリーブ111cとの間の電界及び上記感光体100と上記磁性キャリアCCとの間に生ずる電界により現像し、非画像部については既に上記感光体100上に付着しているトナーを上記感光体100上から上記穂を構成する磁性キャリアに引き戻しつつ現像する。これにより、地肌汚れのない高画質を得ることができる。
また、本実施形態では、上述したように、ドラム状の現像スリーブ111cを、ドラム状の感光体100に対向させて配置することにより形成される凸曲面同士の近接した対向面間を以って現像領域を構成する。そして、上記対向面間が最接近している領域及びその近傍を現像中域部とし、この現像中域部よりも上記感光体100の移動方向の上流側の上記現像領域を現像前域部、この現像中域部よりも上記感光体100の移動方向の下流側の上記現像領域を現像後域部とするとき、上記現像前域部で、上記磁性キャリアCCが上記トナーTを保持して集合状態をなしている状態から上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずる磁性キャリア相互の変位に応じて磁性キャリアCCの表面からトナーTを離脱させ、この離脱した遊離トナーT’を以って上記静電潜像を可視像化する現像態様と、上記現像前域部で、上記磁性キャリアCCが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がった穂を、上記現像中域部で上記感光体100に強く接触させることにより、磁性キャリアの表面からトナーTを離脱させ、この離脱した遊離トナーT’を上記感光体100に散布し、以って上記静電潜像を可視像化する現像態様を有し、少なくとも上記現像後域部で、上記静電潜像を構成する画像部については上記感光体100と上記現像刷りー部111cとの間の電界及び上記感光体100と上記磁性キャリアCCとの間に生ずる電界により現像し、非画像部については既に上記感光体100上に付着しているトナーTを上記感光体100上から上記穂を構成する磁性キャリアに引き戻しつつ現像する。よって、画像濃度が高く、ベタ埋まりがよく、ドット再現性に優れると共に、地肌汚れのない高画質を得ることができる。特に、本実施形態では、上述したように、上記現像前域部で、上記磁性キャリアCCが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がった穂を、上記現像中域部で上記感光体100に強く接触させることに代えて、上記現像中域部以後では上記感光体100に対して非接触とし、この非接触状態で変位する磁性キャリア相互の変位により生ずる遊離トナーT’により現像する。よって、現像領域の初期の段階で現像された離型剤含有トナー付着量を低下させることなく高画質を得ることができる。
また、本実施形態では、上述したように、上記現像領域には、上記遊離トナーT’又は上記磁性キャリCCに保持されたトナーTを上記感光体100側へ移動させる電界を形成しておき、これらトナーを上記感光体100側に向けて移動させる。これにより、電界の作用により離型剤含有トナーを静電潜像に付着させることができる。特に、本実施形態では、上述したように、上記電界を直流電界としているので、リークの発生原因となる交流バイアスを印加しないようにしてリークが生じにくい状況をつくり、ボソツキ画像の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記トナーTは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂又はポリオール樹脂を用いている。また、本実施形態では、上記トナーTは離型剤を含有し、その離型剤の含有量はトナーの結着樹脂100重量部に対して2重量部以上10重量部以下である。また、上記離型剤として、カルナウバワックス又は合成エステル系ワックスを使用する。また、上記トナーTは添加剤を含有するトナーであって、その添加剤の含有量はトナーの母体粒子100重量部に対して1.0重量部以上3.6重量部以下である。また、上記添加剤の粒径が、平均一次粒子径で0.02[μm]以上0.2[μm]以下である。また、上記添加剤として、シリカ、チタニア、アルミナのいずれか又は複数を使用している。また、磁性キャリアに対する上記トナーTの被覆率を35[%]以上75[%]以下としている。このような現像剤を用いることで、離型性を有し、画像濃度が高く、ベタ埋まりがよく、ドット再現性に優れるなどの高品位画像の形成を可能にする本発明の現像方法に適する現像剤を得ることができる。
また、本実施形態では、上述したように、ドラム状の現像スリーブ111cを、ドラム状の感光体100に対向させて配置し、この配置により形成される凸曲面同士の近接した対向面間を以って現像領域を構成している。上記対向面間が最接近している領域及びその近傍を現像中域部とし、この現像中域部よりも上記感光体100の移動方向の上流側の上記現像領域を現像前域部、この現像中域部よりも上記感光体100の移動方向の下流側の上記現像領域を現像後域部とするとき、上記現像前域部で、上記磁性キャリアCCが上記トナーTを保持して集合状態をなしている状態から上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずる磁性キャリア相互の変位に応じて磁性キャリアCCの表面からトナーTを離脱させ、この離脱した遊離トナーT’を以って上記静電潜像を可視像化し、上記現像中域部で、上記磁性キャリアCCが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がる穂を、上記現像領域で上記感光体100に強く接触させることにより、磁性キャリアCCの表面からトナーTを離脱させ、この離脱した遊離トナーT’を上記感光体100に散布し、以って上記静電潜像を可視像化し、上記現像中域部から後域部にかけて、上記静電潜像を構成する画像部については上記感光体100と上記現像スリーブ111cとの間の電界及び上記感光体100と上記磁性キャリアCCとの間に生ずる電界により現像し、非画像部については既に上記感光体100上に付着しているトナーTを上記感光体100上から上記穂を構成する磁性キャリアに引き戻しつつ現像する。これにより、画像濃度が高く、ベタ埋まりがよく、ドット再現性に優れると共に、地肌汚れのない高画質を得ることができる。特に、本実施形態では、上記現像前域部で、上記磁性キャリアCCが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がった穂を、上記現像中域部以後で上記感光体100に対して接触させることに代えて非接触とし、近接させて現像するので、現像領域の初期の段階で現像された離型剤含有トナー付着量を低下させることなく高画質を得ることができる。
また、本実施形態では、上述したように、上記現像スリーブ111cの周囲に形成される現像主磁力分布P1の上記現像スリーブ111c上における法線方向の磁気力のピーク位置M1が、上記感光体100と上記現像スリーブ111cとの最接近位置M0から上記感光体100の移動方向の下流側に0[°]以上30[°]以下だけずれている。これにより、再接近部位近傍で遊離トナーT’を多量に発生させることで遊離トナーT’による現像が促進される。
また、本実施形態の感光体100は、導電性支持体上に、電荷発生物質が分散された電荷輸送層を設けた単層型、又は導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型の感光層を有する。よって、離型性を有し、画像濃度が高く、ベタ埋まりがよく、ドット再現性に優れるなどの高品位画像の形成を可能にする現像装置に適する像担持体を得ることができる。
現像装置の構成を説明した断面図。 現像ローラの断面図である。 現像装置のバイアス電圧印加手段を説明した図。 現像領域における現像剤の状態を模視的に示した図。 現像前域部における現像剤の状態を模視的に示した図。 感光体上でトナーに作用する静電力を模視的に示した図。 現像中域部でキャリアの穂が像担持体に強く接触する状況を示す模式図。 画像形成装置の要部構成を説明した正面図。 磁気力のピーク位置M1を最接近位置M0からずらしたときの現像態様を模視的に示した図。 (a)乃至(c)は、現像領域で磁気ブラシが感光体に接触することがある態様で現像される様子を模視的に、段階を追って説明した図。 (a)乃至(c)は、現像領域で磁気ブラシが感光体に非接触で現像される様子を模視的に、段階を追って説明した図。 (a)は2層、(b)及び(c)は3層、(d)は4層からなる感光体の構成を説明した図。 磁性キャリアの飽和磁化とボソツキ画像の発生状態の関係を調べた結果を示すグラフ。 実抵抗測定装置の概略構成図。 実施例キャリアC1と、比較例キャリアC2とそれぞれについて、ランニング時における帯電量の変化を示したグラフ。
符号の説明
100 感光体
111c 現像スリーブ
T 離型剤含有トナー
T’ 遊離トナー
CC 磁性キャリア

Claims (20)

  1. 内部に磁石を有する現像剤担持体を、感光層を表面に設けた像担持体に対向配置して現像領域を構成し、トナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を上記現像剤担持体に担持させて上記現像領域を通過させるときに、この現像領域で上記二成分現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して上記像担持体上の静電潜像を上記トナーで可視像化する現像装置において、
    上記磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下、
    同じく磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、
    上記磁性キャリアへ1000[V]のバイアスを印加した時の該磁性キャリアの静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であり、
    上記磁性キャリアが上記トナーを保持して集合状態をなしている状態から上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずる磁性キャリア相互の変位に応じて磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを以って上記静電潜像の可視像化に供することを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1の現像装置において、
    上記磁性キャリアが上記トナーを保持して集合状態をなして上記現像剤担持体と共に上記現像領域に向けて移動し、上記現像領域の初期の段階で上記遊離トナーを発生させることを特徴とする現像装置。
  3. 内部に磁石を有する現像剤担持体を、感光層を表面に設けた像担持体に対向配置して現像領域を構成し、トナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を上記現像剤担持体に担持させて上記現像領域を通過させるときに、この現像領域で上記二成分現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して上記像担持体上の静電潜像を上記トナーで可視像化する現像装置において、
    上記磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下、
    同じく磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、
    上記磁性キャリアへ1000[V]のバイアスを印加した時の該磁性キャリアの静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であり、
    上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がる穂を、上記現像領域で上記像担持体に接触させることにより、磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを上記像担持体に散布し、以って上記静電潜像の可視像化に供することを特徴とする現像装置。
  4. 内部に磁石を有する現像剤担持体を、感光層を表面に設けた像担持体に対向配置して現像領域を構成し、トナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を上記現像剤担持体に担持させて上記現像領域を通過させるときに、この現像領域で上記二成分現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して上記像担持体上の静電潜像を上記トナーで可視像化する現像装置において、
    上記磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下、
    同じく磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、
    上記磁性キャリアへ1000[V]のバイアスを印加した時の該磁性キャリアの静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であり、
    上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がっているその穂の先端部を上記像担持体に接触させて移動させることにより、上記静電潜像を構成する画像部については上記像担持体と上記現像体担持体との間の電界及び上記像担持体と上記磁性キャリアとの間に生ずる電界により現像し、非画像部については既に上記像担持体上に付着しているトナーを上記像担持体上から上記穂を構成する磁性キャリアに引き戻しつつ現像することを特徴とする現像装置。
  5. 内部に磁石を有するドラム状の現像剤担持体を、感光層を表面に設けたドラム状の像担持体に対向させて配置することにより形成される凸曲面同士の近接した対向面間を以って現像領域を構成し、トナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を上記現像剤担持体に担持させて上記像担持体の回転とともに上記現像領域を通過させるときに、この現像領域で上記二成分現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して上記像担持体上の静電潜像を上記トナーで可視像化する現像装置において、
    上記磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下、
    同じく磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、
    上記磁性キャリアへ1000[V]のバイアスを印加した時の該磁性キャリアの静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であり、
    上記対向面間が最接近している領域及びその近傍を現像中域部とし、この現像中域部よりも上記像担持体の移動方向の上流側の上記現像領域を現像前域部、この現像中域部よりも上記像担持体の移動方向の下流側の上記現像領域を現像後域部とするとき、上記現像前域部で、上記磁性キャリアが上記トナーを保持して集合状態をなしている状態から上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずる磁性キャリア相互の変位に応じて磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを以って上記静電潜像の可視像化に供する現像態様と、上記現像前域部で、上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がった穂を、上記現像中域部で上記像担持体に強く接触させることにより、磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを上記像担持体に散布し、以って上記静電潜像の可視像化に供する現像態様を有し、少なくとも上記現像後域部で、上記静電潜像を構成する画像部については上記像担持体と上記現像体担持体との間の電界及び上記像担持体と上記磁性キャリアとの間に生ずる電界により現像し、非画像部については既に上記像担持体上に付着しているトナーを上記像担持体上から上記穂を構成する磁性キャリアに引き戻しつつ現像することを特徴とする現像装置。
  6. 請求項5の現像装置において、
    上記現像前域部で、上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がった穂を、上記現像中域部で上記像担持体に強く接触させることに代えて、上記現像中域部以後では上記像担持体に対して非接触とし、この非接触状態で変位する磁性キャリア相互の変位により生ずる遊離トナーにより現像することを特徴とする現像装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6の現像装置において、
    上記現像領域には、上記遊離トナー又は上記磁性キャリに保持されたトナーを上記像担持体側へ移動させる電界を形成しておき、これらトナーを上記像担持体側に向けて移動させることに供することを特徴とする現像装置。
  8. 請求項7の現像装置において、
    上記電界を直流電界としていることを特徴とする現像装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の現像装置において、
    上記トナーは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂又はポリオール樹脂を用いていることを特徴とする現像装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の現像装置において、
    上記トナーは離型剤を含有し、その離型剤の含有量はトナーの結着樹脂100重量部に対して2重量部以上10重量部以下であることを特徴とする現像装置。
  11. 請求項10の現像装置において、
    上記離型剤として、カルナウバワックス又は合成エステル系ワックスを使用することを特徴とする現像装置。
  12. 請求項10又は11の現像装置において、
    上記トナーは添加剤を含有するトナーであって、その添加剤の含有量はトナーの母体粒子100重量部に対して1.0重量部以上3.6重量部以下であることを特徴とする現像装置。
  13. 請求項12の現像装置において、
    上記添加剤の粒径が、平均一次粒子径で0.02[μm]以上0.2[μm]以下であることを特徴とする現像装置。
  14. 請求項12又は13の現像装置において、
    上記添加剤として、シリカ、チタニア、アルミナのいずれか又は複数を使用していることを特徴とする現像装置。
  15. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14の現像装置において、
    上記二成分現像剤を構成する磁性キャリアに対する上記トナーの被覆率を35[%]以上75[%]以下としたことを特徴とする現像装置。
  16. 内部に磁石を有するドラム状の現像剤担持体を、感光層を表面に設けたドラム状の像担持体に対向させて配置し、この配置により形成される凸曲面同士の近接した対向面間を以って現像領域を構成し、離型剤含有トナーとこのトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を上記現像剤担持体に担持させて上記像担持体の回転とともに上記現像領域を通過させるときに、この現像領域で上記二成分現像剤が上記磁石の磁力線に沿って集合して形成される磁気ブラシの状態を利用して上記像担持体上の静電潜像を上記トナーで可視像化する現像装置において、
    上記磁性キャリアの重量平均粒径が20[μm]以上60[μm]以下、
    同じく磁性キャリアの1×106/4π[A/m]磁場中における飽和磁化が66×10-7×4π[Wb・m/kg]以上100×10-7×4π[Wb・m/kg]以下、
    上記磁性キャリアへ1000[V]のバイアスを印加した時の該磁性キャリアの静抵抗が109[Ω・cm]以上1014[Ω・cm]以下であり、
    上記対向面間が最接近している領域及びその近傍を現像中域部とし、この現像中域部よりも上記像担持体の移動方向の上流側の上記現像領域を現像前域部、この現像中域部よりも上記像担持体の移動方向の下流側の上記現像領域を現像後域部とするとき、上記現像前域部で、上記磁性キャリアが上記トナーを保持して集合状態をなしている状態から上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がるときに生ずる磁性キャリア相互の変位に応じて磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを以って上記静電潜像の可視像化に供し、上記現像中域部で、上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がる穂を、上記現像領域で上記像担持体に強く接触させることにより、磁性キャリアの表面からトナーを離脱させ、この離脱した遊離トナーを上記像担持体に散布し、以って上記静電潜像の可視像化に供し、上記現像中域部から後域部にかけて、上記静電潜像を構成する画像部については上記像担持体と上記現像体担持体との間の電界及び上記像担持体と上記磁性キャリアとの間に生ずる電界により現像し、非画像部については既に上記像担持体上に付着しているトナーを上記像担持体上から上記穂を構成する磁性キャリアに引き戻しつつ現像することを特徴とする現像装置。
  17. 請求項16の現像装置において、
    上記現像前域部で、上記磁性キャリアが上記磁石の磁力線に沿う穂として立ち上がった穂を、上記現像中域部以後で上記像担持体に対して接触させることに代えて非接触とし、近接させて現像することを特徴とする現像装置。
  18. 請求項16又は17の現像装置において、
    上記現像剤担持体の周囲に形成される現像主磁力分布P1の上記現像剤担持体上における法線方向の磁気力のピーク位置M1が、上記像担持体と上記現像剤担持体との最接近位置M0から上記像担持体の移動方向の下流側に0[°]以上30[°]以下だけずらしたことを特徴とする現像装置。
  19. 感光層を表面に設けた像担持体上の静電潜像を二成分現像剤を用いる現像装置で現像した後、この可視像をシート状媒体に転写後、加熱加圧定着して画像を得る画像形成装置において、
    上記現像装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18の現像装置を用いていることを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項19の画像形成装置において、
    上記像担持体は、導電性支持体上に、電荷発生物質が分散された電荷輸送層を設けた単層型、又は導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型の感光層を有することを特徴とする画像形成装置。
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JP2012141635A (ja) * 2012-03-23 2012-07-26 Dowa Holdings Co Ltd 電子写真現像剤用キャリア粉および当該キャリア粉を含む電子写真現像剤
JP2014026296A (ja) * 2008-03-28 2014-02-06 Ricoh Co Ltd 現像装置並びにこれを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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