JP5576343B2 - ガラスロッドの製造装置および製造方法 - Google Patents
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Description
相対的に大きい外径のガラス母材を前記加熱炉の上部から当該加熱炉内に送り込む送り機構と、
相対的に小さな外径のガラスロッドになるように加熱炉の下部から前記ガラス母材を引き取る引き取り機構と、
前記送り機構による前記ガラス母材の送り速度(V1)と前記引き取り機構による引き取り速度(V2)との比(V2/V1)が、前記ガラス母材の外径(D)とガラスロッドの目標外径(d)とに基づいて決定される値((D/d)2)と一致するように、前記ガラス母材の送り速度(V1)と延伸されたガラスロッドの引取り速度(V2)とをコントロールするコントローラと、を有し、
前期コントローラは、
前記送り速度(V1)と引き取り速度(V2)との比を決定するためのガラス母材の外径(D)として、延伸されるガラス母材の延伸前の外径を当該ガラス母材の長手方向に沿って測定した測定外径データから取得する取得ユニットと、
前記送り速度(V1)を前記測定外径データの長手方向の変動に応じて変更する変更ユニットと、を有する。
相対的に大きい外径のガラス母材を加熱炉の上部から当該加熱炉内に送り込みつつ、相対的に小さな外径のガラスロッドになるように加熱炉の下部から前記ガラス母材を引き取るガラスロッドの製造方法、comprising:
前記ガラス母材の送り速度(V1)と引き取り速度(V2)との比(V2/V1)が、前記ガラス母材の外径(D)とガラスロッドの目標外径(d)とに基づいて決定される値((D/d)2)となるように、前記ガラス母材の送り速度(V1)と延伸されたガラスロッドの引取り速度(V2)とをコントロールし、
前記送り速度(V1)と引き取り速度(V2)との比を決定するためのガラス母材の外径(D)として、延伸されるガラス母材の延伸前の外径を当該ガラス母材の長手方向に沿って測定した測定外径データから取得し、
前記送り速度(V1)を前記測定外径データの長手方向の変動に応じて変更する。
まず、相対的に大きい外径を有するガラス母材201は、送り機構101により加熱炉120の上部から当該加熱炉120内に送り込まれる。加熱炉120内に送り込まれガラス母材201は、相対的に小さな外径のガラスロッドになるように加熱炉120の下部から引き取り機構110により引き取られる。このとき、コントローラ130は、ガラス母材201の送り速度V1と引き取り速度V2との比率(V2/V1)が、ガラス母材の外径Dとガラスロッドの目標外径dとにより規定される値(D/d)2となるように、送り機構101および引き取り機構110を制御する。すなわち、次式(1)を満たすように送り速度V1と引き取り速度V2を制御する。
V2/V1=(D/d)2 (1)
ガラス母材201は、加熱炉120内に上部から送り速度V1で送り込まれつつヒータ121によって加熱され、加熱炉120下部より引取り速度V2で引取られる。ここで、V2>V1とすることで、ガラス母材201に張力が作用する。ガラス母材201の加熱により軟化した領域が、この張力により延伸され、外径が徐々に縮径していく外径変動領域202をもつようになる。そして、ガラス母材201は、この外径変動領域202において縮径されて、相対的に小径のガラスロッド203となる。
L=VM/(π×(ND/2)2) (2)
両端にテーパー部を有する、ガラス母材の延伸領域(有効領域)の長さ1000mm、延伸開始位置の外径160.5mm、延伸終了位置の外径173mmで、延伸領域の外径が変動しているガラス母材を、ヒータ長130mm、延伸基準距離48mm、ガラスロッド目標外径150mm、延伸開始側の加熱準備領域の距離200mmとした条件で延伸を行った。延伸開始位置が、ヒータ中央部より152mm上方の位置となるようにガラス母材をセットし、ヒータ温度2050℃にて延伸を開始した。加熱準備領域の送り速度は13.3mm/minとし、延伸開始側テーパー部の150mmより太い領域は、数1式を用いて算出した引取り速度でガラスロッド径150mmφを目標径として延伸した。
両端にテーパー部を有する延伸領域の長さ1000mm、延伸開始端の外径160mm、延伸終了端の外径170.5mmで、延伸領域の外径が変動しているガラス母材を、ヒータ長130mm、延伸基準距離41mm、ガラスロッド目標外径150mm、延伸開始側の加熱準備領域の距離200mmとした条件で延伸を行った。送り速度V1は常に10mm/minで一定とした。延伸開始位置が、ヒータ中央部より159mm上方の位置となるようにガラス母材をセットし、ヒータ温度2050℃にて延伸を開始した。延伸開始側テーパー部の150mmより太い領域は、式(1)を用いて算出した引取り速度でガラスロッド径150mmφを目標径として延伸した。200mmの加熱準備領域がヒータ中央部を通過した時点のガラス母材の送り距離を0とし、ここから、ガラス母材をその延伸領域の長さである1000mm送った。この間、引取り速度は、送り速度と外径を基に式(1)より決定した。
両端にテーパー部を有する延伸領域の長さ1000mm、延伸開始端の外径161.2mm、延伸終了端の外径169mmで、延伸領域の外径が変化しているガラス母材を、ヒータ長130mm、延伸基準距離48mm、ガラスロッド目標外径150mm、延伸開始側の加熱助走なしの条件で延伸を行った。延伸開始位置が、ヒータ中央部より48mm下方の位置となるようにガラス母材をセットし、ヒータ温度2050℃にて延伸を開始した。
Claims (10)
- 相対的に大きい外径のガラス母材を加熱炉の上部から当該加熱炉内に送り込みつつ、相対的に小さな外径のガラスロッドになるように加熱炉の下部から前記ガラス母材を引き取るガラスロッドの製造方法であって、
前記ガラス母材の送り速度(V1)と引き取り速度(V2)との比(V2/V1)が、前記ガラス母材の外径(D)とガラスロッドの目標外径(d)とに基づいて決定される値((D/d)2)となるように、前記ガラス母材の送り速度(V1)と引取り速度(V2)とをコントロールするステップと、
前記送り速度(V1)と引き取り速度(V2)との比を決定するためのガラス母材の外径(D)を、ガラス母材の延伸前の外径を当該ガラス母材の長手方向に沿って測定した測定外径データから当該ガラス母材の移動位置に対応した測定外径(D1)を取得するステップと、
延伸処理によって変化した前記ガラス母材の外径を用いることなく、取得した前記測定外径に応じて前記送り速度(V1)を決定するステップと、
延伸処理によって変化した前記ガラス母材の外径を用いることなく、決定した前記送り速度(V1)と前記目標外径(d)と前記ガラス母材の移動位置に応じた測定外径とから決定するステップと、を有することを特徴とするガラスロッドの製造方法。 - 前記ガラス母材の外径を取得するステップは、加熱炉のヒータの基準位置から所定の距離(L)だけ離れ、かつ、ガラス母材の外径変形領域内にある位置における延伸前の測定外径(D1)を、前記測定外径データから取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記送り速度(V1)を決定するステップは、前記所定の距離の位置で取得した外径(D1)と、ガラス母材の外径とガラス母材の送り速度との関係を規定する外径/送り速度データとを用いて送り速度(V1)を変更する、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記外径/送り速度データは、ガラス母材の外径の増加にしたがって、前記送り速度を減少させ、ガラス母材の外径の減少にしたがって前記送り速度を増加させるように、前記関係を規定する、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記外径/送り速度データは、加熱炉のヒータの基準位置から、ガラス母材の外径変動領域内の変形状況に応じて決まる特定の位置までの距離であり、かつ、ガラス母材の送り速度またはおよび外径に応じて変化する、延伸されるガラス母材の延伸基準距離が前記前記所定の距離に維持されるように、前記関係を規定する、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記延伸基準距離は、前記送り速度およびガラス母材の外径の変化に対する変化量が、ガラスロッド目標径(d)と延伸前のガラス母材の外径(D)との比(d/D)である縮径比の大きさに応じて異なる、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 前記縮径比が、60〜95%の範囲内にある、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記ガラスロッド目標径(d)は110mm以上である、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 前記ガラス母材の有効領域の延伸開始位置が前記加熱炉のヒータの基準位置に達する前に、当該ガラス母材の加熱を開始し、前記ガラス母材の加熱を開始する位置と前記ガラス母材の有効領域の延伸開始位置との距離を、前記ヒータの長手方向の長さの1倍〜3倍の範囲に設定する、ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
- ガラス母材を加熱する加熱炉と、
相対的に大きい外径のガラス母材を前記加熱炉の上部から当該加熱炉内に送り込む送り機構と、
相対的に小さな外径のガラスロッドになるように加熱炉の下部から前記ガラス母材を引き取る引き取り機構と、
前記送り機構による前記ガラス母材の送り速度(V1)と前記引き取り機構による引き取り速度(V2)との比(V2/V1)が、前記ガラス母材の外径(D)とガラスロッドの目標外径(d)とに基づいて決定される値((D/d)2)と一致するように、前記ガラス母材の送り速度(V1)と延伸されたガラスロッドの引取り速度(V2)とをコントロールするコントローラと、を有し、
前記コントローラは、
前記送り速度(V1)と引き取り速度(V2)との比を決定するためのガラス母材の外径(D)を、ガラス母材の延伸前の外径を当該ガラス母材の長手方向に沿って測定した測定外径データから当該ガラス母材の移動位置に対応した測定外径(D1)を取得する取得ユニットと、
延伸処理によって変化した前記ガラス母材の外径を用いることなく、取得した前記測定外径に応じて前記送り速度(V1)を決定するユニットと、
延伸処理によって変化した前記ガラス母材の外径を用いることなく、決定した前記送り速度(V1)と前記目標外径(d)と前記ガラス母材の移動位置に応じた測定外径とから決定するユニットと、
を有することを特徴とするガラスロッドの製造装置。
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