JP2008162809A - 単結晶引上装置及び単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶引上装置及び単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】同じルツボを用いて複数の単結晶を連続して引上げる場合、引上げられる全ての単結晶の熱履歴を同等にし、結晶特性を均一にすることのできる単結晶引上装置及び単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】ルツボ3の上方において育成中の単結晶Cを包囲するよう設けられヒータ4からの輻射熱を遮蔽し単結晶Cの引上げ方向の長さ寸法が可変自在な輻射シールド6と、輻射シールド6の長さ寸法を可変させるシールド長可変手段13,14,15,16と、装置全体の動作制御を行い、単結晶Cの引上げを制御する制御手段8bとを備え、前記制御手段8bが、シールド長可変手段13,14,15,16によって前記輻射シールド6の長さ寸法を可変させる制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によって単結晶を育成しながら引上げる単結晶引上装置及び単結晶の製造方法に関する。
シリコン単結晶の育成に関し、CZ法が広く用いられている。この方法は、ルツボ内に収容されたシリコンの溶融液の表面に種結晶を接触させ、ルツボを回転させるとともに、この種結晶を反対方向に回転させながら上方へ引上げることによって、種結晶の下端に単結晶を形成していくものである。
図8に示すように、従来のCZ法を用いた引上げ法は、先ず、石英ガラスルツボ51に原料ポリシリコンを装填し、ヒータ52により加熱してシリコン溶融液Mとする。しかる後、引上げ用のワイヤ50に取り付けられた種結晶Pをシリコン溶融液Mに接触させてシリコン単結晶Cを引上げる。
一般に、引上げ開始に先立ち、シリコン溶融液Mの温度が安定した後、図9に示すように、種結晶Pをシリコン溶融液Mに接触させて種結晶Pの先端部を溶解するネッキングを行う。ネッキングとは、種結晶Pとシリコン溶融液Mとの接触で発生するサーマルショックによりシリコン単結晶に生じる転位を除去するための不可欠の工程である。このネッキングによりネック部P1が形成される。また、このネック部P1は、一般的に、直径が3〜4mmで、その長さが30〜40mm以上必要とされている。
また、引上げ開始後の工程としては、ネッキング終了後、直胴部直径にまで結晶を広げるクラウン工程、製品となる単結晶を育成する直胴工程、直胴工程後の単結晶直径を徐々に小さくするテール工程が行われる。
ところで、この単結晶引上げ工程においては、通常、1つのルツボで複数回のシリコン単結晶の引上げ工程が行われる(特許文献1参照)。
即ち、1本の単結晶引上げ工程が終了すると、石英ガラスルツボに原料ポリシリコンが補充され(リチャージと呼ぶ)、再びシリコン融液となされて次の単結晶引上げ工程が行われる。尚、その場合には、毎回のリチャージの際に原料シリコンを速く溶融するために、ルツボ内にはある程度のシリコン融液が残存するよう育成する単結晶長が制御される。但し、最後に引上げられる単結晶については、ルツボ内にシリコン融液を残す必要がないため、ルツボ内の略全てのシリコン融液を用いて引上げ制御がなされている。
国際公開WO 02/068732 A1公報
前記のように、最後の単結晶の引上げにおいて、ルツボ内の略全てのシリコン融液を使用すると、その単結晶長は、それ以前に引上げられた単結晶よりも結晶長が長くなる。
しかしながら、その場合、最後に引上げられる単結晶と、それまでに引上げられた単結晶との間で、育成中の単結晶とヒータとの位置関係が異なる状態が生じるため、熱履歴が異なり、結晶特性に大きな差異が生じるという技術的課題があった。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、チョクラルスキー法によってルツボから単結晶を引上げる単結晶引上装置において、同じルツボを用いて複数の単結晶を連続して引上げる場合、引上げられる全ての単結晶の熱履歴を同等にし、結晶特性を均一にすることのできる単結晶引上装置及び単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係る単結晶引上装置は、ルツボ内の原料シリコンをヒータにより溶融してシリコン融液とし、チョクラルスキー法によって前記ルツボから単結晶を引上げる単結晶引上装置において、前記ルツボの上方において育成中の前記単結晶を包囲するよう設けられ前記ヒータからの輻射熱を遮蔽し前記単結晶の引上げ方向の長さ寸法が可変自在な輻射シールドと、前記輻射シールドの長さ寸法を可変させるシールド長可変手段と、装置全体の動作制御を行い、前記単結晶の引上げを制御する制御手段とを備え、前記制御手段が、前記シールド長可変手段によって、前記輻射シールドの長さ寸法を可変させる制御を行うことに特徴を有する。
このように構成することにより、引上げる単結晶の長さに応じた輻射シールドの長さ寸法に調整することができ、単結晶の長さに拘らず所望の熱履歴を得ることができる。
また、前記制御手段は、育成中の前記単結晶の引上げ方向の長さが所定長さを超えると、前記シールド長可変手段により、前記輻射シールドの長さ寸法を前記単結晶の引上げ速度に応じた速度で長尺化させることが望ましい。
このようにすることにより、同一のルツボを用いて複数の単結晶の引上げを行う場合、最後の単結晶の引上げにおいては、それまでの単結晶よりも引上げ方向の単結晶長が長くなると、単結晶の引上げ速度に応じた速度で輻射シールドを長尺化することができる。これにより、最後に引上げられる単結晶の長さが他の単結晶の長さよりも長くても、単結晶に対するヒータからの熱量を調整することができ、全ての単結晶の熱履歴を同等にすることができる。
また、前記輻射シールドは、第1の円筒部を有する下側シールドと、前記下側シールドの上方に昇降可能に設けられ、前記第1の円筒部に重畳可能な第2の円筒部を有する上側シールドとを備え、前記シールド長可変手段は、前記下側シールドに対し前記上側シールドを上昇または下降させることにより、前記第1の円筒部と前記第2の円筒部との重畳部分を縮小または増加させ、前記輻射シールドの長さ寸法を変化させることが望ましい。
また、前記制御手段は、育成中の前記単結晶の引上げ方向の長さが所定長さを超えると、前記シールド長可変手段により前記上側シールドを上昇させ、該上側シールドの上昇速度を、前記単結晶の引上げ速度の30%〜50%の速度に制御することが望ましい。
このようにすることで、輻射シールドを長尺化することができ、上側シールドの上昇速度を、単結晶の引上げ速度の30%〜50%とすることによって、最後に引上げる単結晶の熱履歴を、それまでに引上げた単結晶の熱履歴と同等にすることができる。
尚、上側シールドを単結晶引上げ速度の30%より低速で上昇させると、本発明の効果を得るには炉内の熱環境の変化が小さ過ぎ、逆に50%よりも高速で上昇させると、炉内の熱環境が急激に変化すると共に、炉内のガス流も急激に変化し、単結晶が有転位化し易くなる。
また、前記した課題を解決するために、本発明に係る単結晶の製造方法は、ルツボ内の原料シリコンをヒータにより溶融してシリコン融液とし、チョクラルスキー法によってルツボから単結晶を引上げる単結晶の製造方法において、育成中の前記単結晶の引上げ方向の長さが所定長さを超えると、前記ヒータからの輻射熱を遮蔽する輻射シールドの前記単結晶の引上げ方向の長さ寸法を前記単結晶の引上げ速度に応じた速度で前記単結晶の引上げ方向に長尺化させることに特徴を有する。
このようにすることにより、同一のルツボを用いて複数の単結晶の引上げを行う場合、最後の単結晶の引上げにおいては、それまでの単結晶よりも引上げ方向の単結晶長が長くなると、単結晶の引上げ速度に応じた速度で輻射シールドを長尺化することができる。これにより、最後に引上げられる単結晶の長さが他の単結晶の長さよりも長くても、単結晶に対するヒータからの熱量を調整することができ、全ての単結晶の熱履歴を同等にすることができる。
尚、育成中の前記単結晶の引上げ方向の長さが所定長さを超えると、前記輻射シールドの長さ寸法を長尺化させる速度を、前記単結晶の引上げ速度の30%〜50%に制御することが望ましい。
このようにすることで、上側シールドの上昇速度を、単結晶の引上げ速度の30%〜50%とすることによって、最後に引上げる単結晶の熱履歴を、それまでに引上げた単結晶の熱履歴と同等にすることができる。
本発明によれば、チョクラルスキー法によってルツボから単結晶を引上げる単結晶引上装置において、同じルツボを用いて複数の単結晶を連続して引上げる場合、引上げられる全ての単結晶の熱履歴を同等にし、結晶特性を均一にすることのできる単結晶引上装置及び単結晶の製造方法を得ることができる。
以下、本発明に係る単結晶引上装置及び単結晶の製造方法の実施の形態について図面に基づき説明する。図1は本発明に係る単結晶引上装置1の全体構成を示すブロック図であって、本発明に係る単結晶の製造方法は、この単結晶引上装置1により実施することができる。
図示する単結晶引上装置1は、円筒形状のメインチャンバ2aの上にプルチャンバ2bを重ねて形成された炉体2と、炉体2内に設けられたルツボ3と、ルツボ3に装填された半導体原料(原料ポリシリコン)Mを溶融するヒータ4と、育成される単結晶Cを引上げる引上げ機構5とを有している。
尚、ルツボ3は、二重構造であり、内側が石英ガラスルツボ3a、外側が黒鉛ルツボ3bで構成されている。
また、単結晶引上装置1は、シリコン溶融液Mの温度を制御するヒータ4の供給電力量を制御するヒータ制御部9と、ルツボ3を回転させるモータ10と、モータ10の回転数を制御するモータ制御部10aとを備えている。ヒータ制御部9とモータ制御部10aは、コンピュータ8の演算制御装置8bに接続され、コンピュータ8からの指令により動作するようになされている。
また、引上げ機構5は、モータ駆動される巻取り機構5aと、この巻取り機構5aに巻き上げられる引上げワイヤ5bを有し、このワイヤ5bの先端に種結晶Pが取り付けられている。
また、メインチャンバ2a内において、ルツボ3の上方且つ近傍には、単結晶Cの周囲を包囲するよう上部と下部が開口形成され、育成中の単結晶Cにヒータ4等からの余計な輻射熱を遮蔽すると共に、炉内のガス流を整流するための輻射シールド6が設けられている。この輻射シールド6は、二重構造になされ、下側シールド6aと、この下側シールド6aの円筒部(第1の円筒部)の内側面に重畳可能な円筒部(第2の円筒部)を有する上側シールド6bとからなり、各シールドは独立して昇降動作制御がなされるように構成されている。
即ち、下側シールド6aは複数のワイヤ13aによって支持され、ワイヤ13aはステッピングモータを有する巻き取り機構13によって長さ可変になされている。また、上側シールド6bは、同様に複数のワイヤ13bによって支持され、ワイヤ13bはステッピングモータを有する巻き取り機構14によって長さ可変になされている。
したがって、巻き取り機構13、14の動作を夫々制御することによって、下側シールド6aと上側シールド6bの昇降動作が制御される。このため、巻き取り機構13、14の動作を夫々制御し、下側シールド6aに対し上側シールド6bを上昇または下降させると、下側シールド6aと上側シールド6bとの重畳部分が縮小または増加し、輻射シールド6としての長さ寸法(シールド長)が長尺化または短尺化されるように構成されている。尚、巻き取り機構13、14は、夫々巻き取り機構制御部15、16によって回転数や回転方向が制御され、これら巻き取り機構制御部15、16は、コンピュータ8の演算制御装置8bに接続されている。
このように輻射シールド6においては、ワイヤ13a、13b、巻き取り機構13、14、巻き取り機構制御部15、16によってシールド長可変手段が構成されている。
また、下側シールド6a及び上側シールド6bにおける筒状体の内側面の傾斜角は、夫々60〜75°が好ましく、筒状体の内側面は育成される単結晶の近くに位置するのが好ましいが、結晶揺れ、ガス流等を考慮して設定がなされている。
また、図1に示すように単結晶引上装置1は、ルツボ3の高さを制御する昇降装置11と、昇降装置11を制御する昇降装置制御部11aと、成長結晶の引上げ速度と回転数を制御するワイヤリール回転装置制御部12とを備えている。これら各制御部11a、12はコンピュータ8の演算制御装置8bに接続されている。
尚、単結晶引上げ工程が進行するにつれ、シリコン融液Mの液面位置が低下するが、液面位置が変化すると、融液面からの酸素の蒸発量が変化し、単結晶の軸方向の酸素濃度が変化する。これを防止するため、液面位置を一定とするために、昇降装置11によってルツボ3の高さ位置が引上げ工程中において制御される。
また、前記のようにして液面位置が一定とされることで、輻射シールド6下端と溶融液面との間の距離(ギャップ)は、一定に保たれるが、そのギャップ寸法は、育成する単結晶の所望の特性に応じて決定される。
このように構成された単結晶引上装置1においては、最初に石英ガラスルツボ3aに原料ポリシリコンMを装填し、コンピュータ8の記憶装置8aに記憶されたプログラムに基づき図2のフローに沿って結晶育成工程が開始される。
尚、本実施の形態においては、同一のルツボ3を用いて複数の単結晶C(C0、C1、〜Cn-1、Cn)を連続して引上げるものとし、原料シリコンのリチャージの際に次回の引上げを考慮してルツボ3内に残された融液量の関係により、最後に引上げられる単結晶Cnの長さ(この実施形態では750mmとする)は、それ以前に引上げられた単結晶C0〜Cn-1の長さ(この実施形態では400mmとする)よりも長くなるものとする。
先ず、炉体2内を図示しない雰囲気制御手段により所定の雰囲気にした状態で、演算制御装置8bの指令によりヒータ制御部9を作動させてヒータ4を加熱し、石英ガラスルツボ3aの原料ポリシリコンMが溶融される(図2のステップS1)。
さらに、演算制御装置8bの指令によりモータ制御部10aと昇降装置制御部11aとが作動し、ルツボ3が所定の高さ位置において所定の回転速度で回転動作される。
そして、演算制御装置8bの指令により、ワイヤリール回転装置制御部12が作動し、巻取り機構5aが作動してワイヤ5bが降ろされる。そして、ワイヤ5bに取付けられた種結晶Pがシリコン溶融液Mに接触され、種結晶Pの先端部を溶解するネッキングが行われてネック部P1が形成される(図2のステップS2)。
尚、以降の引上げ工程においては、単結晶の成長と共にシリコン融液Mの液面が降下するため、液面位置を一定に保つよう、昇降装置制御部11aの制御により昇降装置11が動作し、ルツボ3の高さ位置が上昇制御される。
ネック部P1が形成されると、演算制御装置8bの指令によりヒータ4への供給電力や、引上げ速度(通常、毎分数ミリの速度)などをパラメータとして引上げ条件が調整され、クラウン工程(図2のステップS3)の後、直胴工程(図2のステップS4)が開始される。
ここで、単結晶C0〜Cn-1の引上げの場合(図2のステップS5)、単結晶長が所定長(400mm)となるまで直胴工程が行われる(図2のステップS6)。
尚、このとき、引上げ開始から終了までの間、輻射シールド6は、下側シールド6aと上側シールド6bとが係合した状態、即ち図3に示すように引上げ方向に最短状態のまま作業が行われる。
尚、輻射シールド6と融液面との間のギャップdは、引上げ工程中、所定値を維持するよう制御がなされるが、引上げ開始時において、演算制御装置8bの指令に基づき、巻き取り機構制御部15、16によって巻き取り機構13、14の回転数や回転方向が制御され、ギャップdが所定値となるよう輻射シールド6の高さ位置が設定される。
直胴工程が終了すると、テール工程(図2のステップS7)が実施され、次の引上げのための原料シリコンのリチャージが行われ(図2のステップS8)、ステップS1からの処理が繰り返される。
一方、ステップS5において、最後に引上げられる単結晶Cnの場合、単結晶長がそれ以前の単結晶長と同じ長さ(400mm)になるまでは、輻射シールド6は図3に示す最短状態で引上げが行われる。
そして、図4に示すように単結晶長Lが400mm以上になると(図2のステップS9)、ワイヤ13a、13b、巻き取り機構13、14、巻き取り機構制御部15、16からなるシールド長可変手段によって、輻射シールド6の長さ寸法を可変させる制御が行われる。具体的には、長尺化制御が開始される(図2のステップS10)。
この輻射シールド6の長尺化制御が開始されると、図4に示すように上側シールド6bが巻き上げ機構13の駆動により上昇する。これにより、上側シールド6bが下側シールド6aから分離し、輻射シールド6としての引上方向の長さ寸法が上側シールド6bの上昇に伴い長尺化される。これにより、単結晶Cnに対するヒータ4からの熱量が調整され、その熱履歴が他の単結晶と同等になるよう制御される。
尚、輻射シールド6の長尺化制御の間、下側シールド6aは静止した状態になされ、液面とのギャップdが一定に保持されるようになされている。
また、この長尺化制御において、下側シールド6aに対する上側シールド6bの上昇速度は、単結晶Cnの引上げ速度に応じた速度、好ましくは、単結晶引上げ速度の30%〜50%の上昇速度に制御される。ここで単結晶引上げ速度の30%より低速で上昇させると、炉内の熱環境の変化が小さく、単結晶Cnに対する熱履歴が単結晶C0〜Cn-1の熱履歴と異なるためである。逆に50%よりも高速で上昇させると、炉内の熱環境が急激に変化すると共に、炉内のガス流も急激に変化し、単結晶が有転位化し易くなるためである。
このようにして、最後の単結晶Cnの直胴工程を進め、結晶長が所定長(750mm)になると(図2のステップS11)、テール部の形成に移行し(図2のステップS12)、図5に示すように単結晶Cnを引上げて、引上げ工程を終了する。
尚、結晶長Lが所定長(750mm)になった状態で、輻射シールド6の引上げ方向の長さ寸法が175mm長尺化されていることが好ましい。そのように制御すれば単結晶C0〜Cnにおける熱履歴が同等となる。
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、同一のルツボ3を用いて複数の単結晶C0〜Cnの引上げを行う場合、最後の単結晶Cnの引上げにおいては、それまでの単結晶C0〜Cn-1よりも引上げ方向の単結晶長が長くなると、単結晶Cnの引上げ速度の30%〜50%の速度で輻射シールド6が長尺化するよう制御がなされる。
これにより、最後に引上げられる単結晶Cnの長さが他の単結晶C0〜Cn-1の長さよりも長くても、単結晶Cnに対するヒータからの熱量を調整することができ、全ての単結晶C0〜Cnの熱履歴を同等にすることができる。
尚、前記実施の形態においては、輻射シールド6の構成を下側シールド6aと上側シールド6bの2つに分離した構成としたが、本発明の単結晶引上装置においては、これに限定されず、3つ以上にシールドを分離してシールド長さを可変させる構成としてもよい。
また、前記実施の形態においては、シールド下端と融液面との間のギャップdを一定とするために、下側シールド6aの位置を固定した状態で、単結晶引上げと同時にルツボ高さを上昇させる制御を行う例を示した。しかしながら、本発明においては、その形態に限定されず、ルツボ位置を固定し、単結晶引上げと同時に輻射シールド6(下側シールド6a、上側シールド6b)を降下させることによって、前記ギャップdを一定にする制御を行ってもよい。
続いて、本発明に係る単結晶引上装置及び単結晶の製造方法について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記実施の形態に示した構成の単結晶引上装置を用い、実際に実験を行うことにより、その効果を検証した。
〔実施例1〕
実施例1では、本発明に係る単結晶の製造方法により同一のルツボ(直径300mm)を用いて3本の単結晶引上げを行い、結晶長に対する1150℃〜1080℃の通過時間を測定した。
また、チャージ量は250kgで1、2本目の単結晶長さは400mm、3本目の単結晶長さは750mmで引上げ制御を行った。
この実験結果を図6に示す。この図6のグラフに示されるように、全ての単結晶において、1150℃〜1080℃の通過時間が39分付近となり、熱履歴が同等となった。
また、3本目の引上げでは、結晶長が400mmを超えたところで輻射シールドの長尺化制御を開始したが、結晶長が750mmに達した時点で輻射シールドは175mm長尺化していた。
〔比較例1〕
比較例1では、実施例1と同一の単結晶引上装置において、同一のルツボ(直径300mm)を用いて3本の単結晶引上げを行い、結晶長に対する1150℃〜1080℃の通過時間を測定した。但し、3本目の単結晶引上げにおいて、輻射シールドの長尺化制御は行わずに全ての引上げを行った。
尚、また、チャージ量は250kgで1、2本目の単結晶長さは400mm、3本目の単結晶長さは750mmで引上げ制御を行った。
この実験結果を図7に示す。この図7のグラフに示されるように、3本目の単結晶において、結晶長が400mmを超えると、1150℃〜1080℃の通過時間が徐々に大きくなり、熱履歴が大きく異なる結果となった。
以上の実施例の実験結果から、本発明によれば、同一のルツボを用いて複数の単結晶の引上げを行う場合に、全ての単結晶の熱履歴を同等にすることができると確認した。
本発明は、チョクラルスキー法によって単結晶を引上げる単結晶引上装置及び単結晶の製造方法に関するものであり、半導体製造業界等において好適に用いられる。
図1は、本発明に係る単結晶引上装置の構成を模式的に示すブロック図である。 図2は、本発明に係る単結晶の製造方法による工程を示すフローである。 図3は、図2のフロー中における単結晶の直胴部を形成する状態を示す図である。 図4は、図2のフロー中における単結晶の直胴部を形成する他の状態を示す図である。 図5は、図2のフロー中における単結晶の直胴部を形成する他の状態を示す図である。 図6は、実施例1の結果を示すグラフである。 図7は、比較例1の結果を示すグラフである。 図8は、従来のCZ法を用いた引上げ法を説明するための図である。 図9は、従来のCZ法を用いた引上げ法を説明するための図である。
符号の説明
1 単結晶引上装置
2 炉体
2a メインチャンバ
2b プルチャンバ
3 ルツボ
3a 石英ガラスルツボ
3b 黒鉛ルツボ
4 ヒータ
5 引上げ機構
6 輻射シールド
6a 下側シールド
6b 上側シールド
8 コンピュータ
8a 記憶装置
8b 演算記憶装置(制御手段)
13 巻き上げ機構(シールド長可変手段)
13a ワイヤ(シールド長可変手段)
14 巻き上げ機構(シールド長可変手段)
14a ワイヤ(シールド長可変手段)
15 巻き上げ機構制御部(シールド長可変手段)
16 巻き上げ機構制御部(シールド長可変手段)
C 単結晶
M 原料ポリシリコン、シリコン溶融液
P 種結晶
P1 ネック部

Claims (6)

  1. ルツボ内の原料シリコンをヒータにより溶融してシリコン融液とし、チョクラルスキー法によって前記ルツボから単結晶を引上げる単結晶引上装置において、
    前記ルツボの上方において育成中の前記単結晶を包囲するよう設けられ前記ヒータからの輻射熱を遮蔽し前記単結晶の引上げ方向の長さ寸法が可変自在な輻射シールドと、前記輻射シールドの長さ寸法を可変させるシールド長可変手段と、装置全体の動作制御を行い、前記単結晶の引上げを制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段が、前記シールド長可変手段によって、前記輻射シールドの長さ寸法を可変させる制御を行うことを特徴とする単結晶引上装置。
  2. 前記制御手段は、育成中の前記単結晶の引上げ方向の長さが所定長さを超えると、前記シールド長可変手段により、前記輻射シールドの長さ寸法を前記単結晶の引上げ速度に応じた速度で長尺化させることを特徴とする請求項1に記載された単結晶引上装置。
  3. 前記輻射シールドは、第1の円筒部を有する下側シールドと、前記下側シールドの上方に昇降可能に設けられ、前記第1の円筒部に重畳可能な第2の円筒部を有する上側シールドとを備え、
    前記シールド長可変手段は、前記下側シールドに対し前記上側シールドを上昇または下降させることにより、前記第1の円筒部と前記第2の円筒部との重畳部分を縮小または増加させ、前記輻射シールドの長さ寸法を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された単結晶引上装置。
  4. 前記制御手段は、育成中の前記単結晶の引上げ方向の長さが所定長さを超えると、前記シールド長可変手段により前記上側シールドを上昇させ、該上側シールドの上昇速度を、前記単結晶の引上げ速度の30%〜50%の速度に制御することを特徴とする請求項3に記載された単結晶引上装置。
  5. ルツボ内の原料シリコンをヒータにより溶融してシリコン融液とし、チョクラルスキー法によってルツボから単結晶を引上げる単結晶の製造方法において、
    育成中の前記単結晶の引上げ方向の長さが所定長さを超えると、前記ヒータからの輻射熱を遮蔽する輻射シールドの前記単結晶の引上げ方向の長さ寸法を前記単結晶の引上げ速度に応じた速度で前記単結晶の引上げ方向に長尺化させることを特徴とする単結晶の製造方法。
  6. 育成中の前記単結晶の引上げ方向の長さが所定長さを超えると、前記輻射シールドの長さ寸法を長尺化させる速度を、前記単結晶の引上げ速度の30%〜50%に制御することを特徴とする請求項5に記載された単結晶の製造方法。
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