JP5537945B2 - 吸蔵臭素を含有する固体臭素化芳香族有機化合物の処理 - Google Patents

吸蔵臭素を含有する固体臭素化芳香族有機化合物の処理 Download PDF

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Description

本発明は、固体の高臭素化芳香族有機化合物、特にデカブロモジフェニルエタン製品の吸蔵臭素含量を低下させるための方法に関する。本発明は、また、新規な、改善されたデカブロモジフェニルエタン製品の製造および提供にも関する。
種々の固体の高臭素化芳香族有機化合物、すなわち少なくとも約60重量%の全臭素を含有する化合物は、例えば熱可塑性ならびに/もしくは熱硬化性ポリマー樹脂もしくは他の可燃性材料用の難燃剤として有用である。このような化合物は、通常、臭素化触媒の存在において、ならびに過剰の臭素それ自身であってもよい液相を有する反応混合物において非臭素化芳香族化合物を過剰の臭素により臭素化することにより形成される。残念ながら、この方法で形成される多数のこのような高臭素化化合物は、この粒子または結晶内に捕捉された単体臭素も有する。このような臭素はしばしば吸蔵臭素と呼ばれる。この化合物におけるこのような臭素の存在は、捕捉された臭素が粒子に色を賦与し、難燃剤と、難燃剤を使用するポリマーの熱安定性を低下させることができるために、望ましくない。また、このような高臭素化化合物を難燃剤として含有する熱可塑性ポリマーの加熱加工時にも、臭素および/またはHBrが放出される可能性があり、このような加工装置の加工で使用される材料に対して、これらの物質は高腐食性である。
これらの高臭素化芳香族化合物は、通常の有機溶媒中で低い溶解性を有するために、通常の洗浄または再結晶化法によりこの化合物を精製することは経済的に実行可能でない。多すぎる溶媒が必要とされる。
(特許文献1);(特許文献2);(特許文献3);(特許文献4);および(特許文献5)は、なかんずく本発明が関係する高臭素化芳香族有機化合物の商業的に重要な構成員の一つのデカブロモジフェニルエタン製品の吸蔵臭素含量を有効に低下させるための商用のプロセス技術を述べている。このプロセス技術は、高い温度で予め磨砕し、乾燥した製品をオーブンでエージングすることを伴う。
(特許文献6)は、その特徴の一つとして臭素化ジフェニルアルカンを高温で芳香族溶媒処理して、色特性を改善することを述べている。このような高温処理において使用される芳香族溶媒は、臭素化ジフェニルアルカンが溶媒に溶解する温度において分解してはならないということが指摘されている。通常、このような温度は、175℃以上、しばしば200℃以上、例えば通常、約200℃から約300℃にあると述べられている。このような高温処理を行うためには、臭素化ジフェニルアルカンがこの溶媒に溶解し、好ましくは固体ジフェニルアルカン材料を本質的に含まない溶液を形成するのに充分に高い温度において臭素化ジフェニルアルカンを芳香族溶媒と接触させる。好ましい芳香族溶媒は、ビフェニル、ジフェニルアルカン、(例えば、CからC10アルキレン架橋を有する)、ジフェニルオキシド、ジフェニルスルホン、ジフェニルカーボネートなどの非縮合芳香族化合物、ならびにナフタレンまたはアルキルナフタレンなどのナフタレン誘導体などの縮合芳香族溶媒であると示されている。臭素化ジフェニルアルカンを完全に溶解させた後、この溶液を臭素化ジフェニルアルカンが沈澱する温度とせしめる。高い製品回収率が容易に達成可能であると述べられているが、示されている暫定的な数字は75%以上である。約90から95重量%以上もの範囲の回収率が述べられているが、この特許の溶媒法を使用することにより製品の少なくとも若干の損失を予期すべきであるように思える。また、好ましいジフェニルアルカンおよびジフェニルオキシドを含めて芳香族溶媒の多くは、室温で固体であるために、臭素化ジフェニルアルカンと芳香族溶媒の間の分離を行うには、
特別な方法が推奨される。一つのこのような方法は、臭素化製品と共に溶媒それ自身の固化を回避するのに熱濾過を含む。もう1つのこのような方法は、芳香族溶媒と臭素化ジフェニルアルカンの両方を固化させることを含む。次に、臭素化ジフェニルアルカン製品は可溶性ではないが、固体溶媒材料が可溶性である、もう1つの液体有機溶媒により生成固体混合物を処理することができる。次に、臭素化ジフェニルアルカン製品を得られる媒体から濾過することができる。この特許の高温芳香族溶媒法の実施においては、特別な熱濾過法を使用し、各々のこのような場合には、高温濾過から得られる濾液を通常の有機溶媒(メタノールまたはアセトン)により洗浄し、濾液を同一の溶媒中に再スラリー化し、この濾液を同一の溶媒により洗浄した。明らかに、このような特別な工程はこの方法の複雑性とコストを増す。
米国特許第6,518,468号 米国特許第6,603,049号 米国特許第6,768,033号 米国特許第6,958,423号 米国特許第6,974,887号 米国特許第5,457,248号
このように、吸蔵臭素含量の低下のためにこれまで使用されている方法は、この化合物を高温で加熱処理すること、または高温で化合物を溶媒に溶解し、この化合物を低温で溶液から析出させることを含むものであった。吸蔵臭素含量の低下を達成するためには複雑性およびコストの低い方法を見出すことができるならば、利点は大きい。
本発明は、少なくとも約60重量%の全臭素を含有する固体高臭素化芳香族有機化合物の吸蔵臭素含量の効率的な低下を可能とさせる、新しい、低コストの代替プロセス技術を提供する。本発明のプロセス技術は、デカブロモジフェニルエタン製品、特に本質的に過剰の臭素からなる液相中でジフェニルエタンを臭素化することにより形成されるデカブロモジフェニルエタン製品から吸蔵臭素を除去するのに特に有効である。通常、このような臭素化法は、アルミニウム箔、アルミニウム粉末、または他のアルミニウム金属またはアルミニウム合金の細分化された形のものであることができる、アルミニウム触媒を使用する。しかしながら、好ましくは、ハロゲン化アルミニウム触媒が使用され、このような触媒は、通常、塩化アルミニウムまたは臭化アルミニウムの形の場合には溶媒に添加される。他の態様においては、本発明は、新規な、改善されたデカブロモジフェニルエタン製品と、これらを製造するためのプロセス技術を提供する。
本発明のプロセス技術によれば、有機溶媒中で劣った溶解性を有する高臭素化粒子状有機化合物中の吸蔵臭素の含量の低下が可能となる。このプロセス技術で使用される粒子状有機化合物の粒子サイズは決定的でない。このような化合物は、極めて微細な粉末から例えば約300ミクロンの平均粒子サイズを有する粗い粒子のサイズ範囲のものであることができる。
本発明の態様の一つにしたがえば、約60℃から前記少なくとも1つの粒子状臭素化有機化合物の熱分解が起こり始める温度直下の温度までの範囲の1つ以上の温度において少なくとも約1時間の間不活性有機液体希釈剤中でこのような化合物の濃厚な攪拌スラリーを加熱し、この工程で生成固体の吸蔵臭素含量が低下され、前記期間の間のいかなる時点
においても工程における処理対象臭素化有機化合物の溶解量がスラリー中で約5重量%を超えないことを含んでなる、少なくとも約60重量%(好ましくは少なくとも約70重量%)の全臭素含量を有し、ならびに吸蔵臭素を含有する少なくとも1つの粒子状臭素化有機化合物中の吸蔵臭素の含量を低下させる方法が提供される。
いかなる時点におけるスラリー中の溶解臭素化有機化合物の重量パーセントの定量も次のように行うことができる。
a)スラリーの攪拌を少しの間中断し;
b)既知の量のスラリーの代表的な試料をスラリー温度で採取し;
c)スラリーをスラリー温度で濾過し;
d)濾液をスラリー温度で秤量し;
e)濾液の温度を室温(約25℃)まで低下させ、溶解臭素化有機化合物を沈澱させ;
f)沈澱固体を濾過により回収し;ならびに
g)回収澱固体を乾燥し、秤量する。
試料からのこれらの回収沈澱固体の重量は、反応温度における濾液中の溶解した臭素化有機化合物の重量を表し、これから溶解した臭素化有機化合物のパーセントを容易に計算することができる。
望ましいこととしては、生成固体は、濾過、遠心分離、脱水などの物理的分離法を使用することによりスラリーから回収される。スラリーから固体を単離する前に、攪拌スラリーが暴露される温度よりも低い温度までスラリーを冷却することができる。
本発明のもう1つの工程態様においては、上記のスラリー化工程を行う前に、少なくとも約60重量%の全臭素含量を有し、吸蔵臭素を含有する前記少なくとも1つの粒子状臭素化有機化合物は、粒子状固相化合物の形の間に約150から約230℃の範囲の温度で約3から約6時間の範囲の間加熱され、次に上記のスラリー化工程にかけられる。本発明のなおもう1つの工程態様においては、少なくとも約60重量%の全臭素含量を有する前記少なくとも1つの粒子状臭素化有機化合物の固体は、上記のスラリー化工程を行った後に、スラリーから回収され、約150から約230℃の範囲の温度で約3から約6時間の範囲の間加熱される。
本発明の工程にかけられる臭素化有機化合物中の吸蔵臭素の量は、操作性には決定的でない。いかなる量も存在することができる。このような臭素化有機化合物中の吸蔵臭素の量は、与えられた状況の経済性を評価する場合に考慮の中に入るだけである。化合物中に存在する吸蔵臭素の量を低レベルまで低下させるかあるいは全く無くするのが経済的に意味のあることならば、この方法を使用することが望ましい。しかしながら、存在する吸蔵臭素の量が小さく、最終使用者にとって関心のないものであれば、経済性は、この方法の使用に対しては軽視されがちである。
特許請求の範囲を含め、この明細書中で使用される時には、用語「吸蔵臭素」は、このような臭素が製品をフィルター上で水または通常の有機溶媒により慣用的に洗浄することにより化合物から除去されないほど強固にこの化合物の粒子内に保持されている遊離の単体臭素を意味する。また、特許請求の範囲を含め、この明細書中で使用される時には、用語スラリーに関して「濃厚な」は、攪拌もしくは非攪拌であっても、スラリーが少なくとも約20容積パーセントのこの工程にかけられる臭素化有機化合物を含有するということを意味する。
本発明の好ましい態様は、吸蔵臭素を含有する粒子状デカブロモジフェニルエタン製品中の吸蔵臭素の含量を低下させるのみならず、加えて、望ましい性質の新規の組み合わせ
を有する本発明の粒子状デカブロモジフェニルエタン製品の製造を可能とさせる方法である。これらの好ましい方法において使用されるデカブロモジフェニルエタン製品は、通常、約98から約99.9GC面積パーセントの範囲のデカブロモジフェニルエタンと、約0.1から約2GC面積パーセントの範囲の量でノナブロモジフェニルエタンを含有する。GCにより定量される少量のオクタブロモジフェニルエタンがこの製品中にも存在し得、その場合には、ノナブロモジフェニルエタンの量は約2GC面積パーセント未満である。一つのこのような好ましい方法は、時にこの明細書中では加熱・スラリー化法と呼ばれ、
>粒子状固相デカブロモジフェニルエタン製品を約150から約230℃の範囲の温度で少なくとも約3から約6時間の間加熱すること;および
>約60℃からデカブロモジフェニルエタン製品の熱分解が起こり始める温度直下の温度までの範囲の1つ以上の温度において前記加熱にかけたデカブロモジフェニルエタン製品から不活性有機液体希釈剤中の濃厚な攪拌スラリーを形成し、この工程で生成固体の吸蔵臭素含量が低下され、前記期間の間で前記スラリーが約5重量%以下(好ましくは、約3重量%以下の)の溶解した処理対象デカブロモジフェニルエタン製品を含有すること
を含んでなる。濃厚なスラリーを形成する前に、加熱された化合物を冷却するか、もしくは熱時に不活性有機液体希釈剤の中に導入することができる。
もう1つのこのような好ましい方法は、時にこの明細書中ではスラリー化・加熱法と呼ばれ、
>デカブロモジフェニルエタン製品から不活性有機液体希釈剤中で濃厚な攪拌スラリーを形成し、
約60℃からデカブロモジフェニルエタン製品の熱分解が起こり始める温度直下の温度までの範囲の1つ以上の温度においてこのようなスラリーを加熱し、この工程で生成固体の吸蔵臭素含量が低下され、前記期間の間で前記スラリーが約5重量%以下(好ましくは、約3重量%以下の)の溶解した処理対象デカブロモジフェニルエタン製品を含有すること;
および
>生成する粒子状固体をスラリーから回収し、約150から約230℃の範囲の温度で少なくとも約3から約6時間の間このような粒子状固体を加熱すること
を含んでなる。
この製品の1つ以上の少量成分、例えばノナブロモジフェニルエタン、オクタブロモジフェニルエタンなどの成分の量がデカブロモジフェニルエタン製品の熱分解が始まる温度に影響を及ぼす可能性があるので、上記2つの方法のいずれかを行う前に、使用される特定のデカブロモジフェニルエタン製品において熱分解が起こり始める温度を求めることが望ましい。これは、好ましくは緩慢な加熱と遅い温度の増加により行われる示差走査熱量測定法(DSC)を使用することにより行うことができる。一般的に言って、約98GC面積パーセントもしくは約98GC面積パーセント以上のデカブロモジフェニルエタンのそれ自身をアッセイするデカブロモジフェニルエタン製品は、熱分解を開始することなく約220℃から約230℃で加熱され得る。しかしながら、信頼し得る結果を確保するためには、このような製品では250℃もの高い温度は回避されなければならない。
上記から、デカブロモジフェニルエタン製品の熱分解の開始が存在する正確な温度がないということが判る。これは、このような温度が製品中の不純物含量と、加熱速度および時間により大きく影響を受ける可能性があるためである。熱分解が開始すると、HBrが放出され、これは分解の速度に及ぼす加速効果を有し得る。種々の熱分解開始温度に関するこれらの同一の原理は、他の高臭素化有機化合物にあてはまるとみなされる。
上記の好ましい方法(すなわち、加熱・スラリー化およびスラリー化・加熱法)の各々
においては、粒子状固体は、濾過、遠心分離、脱水などなどの物理的分離法を使用することによりスラリーから回収される。スラリーから固体を単離する前に、攪拌スラリーを暴露する温度よりも低い温度までスラリーを冷却することができる。
デカブロモジフェニルエタン製品の処理と関連して上記の加熱・スラリー化およびスラリー化・加熱法を述べる一方で、この工程で処理される特定の臭素化化合物の熱分解の開始を回避するのに適切な温度条件を用いて、同一のプロセス技術を使用して、他の高臭素化化合物の吸蔵臭素含量を低下することができる。例えば、デカブロモジフェニルオキシド製品をこのような工程のいずれかにかけることができる。また、上記の2つの方法のいずれかが2つのペンタブロモフェニル基の間のアルキレン架橋が2から6個の範囲の炭素原子、好ましくは2から3個の範囲の炭素原子を含有する、デカブロモジフェニルアルカン製品の吸蔵臭素含量の低減において使用可能である。上記のように、本発明のプロセス技術は、デカブロモジフェニルエタン製品の吸蔵臭素含量の低下に特によく適合していることが判明した。当業界でよく知られているように、デカブロモジフェニルエタンも1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタンとして知られている。
本発明のプロセス技術によって、吸蔵臭素の望ましく低下した含量を有する広範で多様な高臭素化の粒子状有機化合物の製造が可能となる。しかしながら、本発明の特徴は、上述の加熱・スラリー化およびスラリー化・加熱法が難燃剤としての使用のみならず、新しい材料組成物としての使用にこれらの特定の製品を極めて望ましいものとせしめるとみなされる性質の組み合わせを有する、新規のデカブロモジフェニルエタン製品の製造を可能とさせるということである。本発明の更なる態様を形成するこのような新規の製品がこの明細書中以降に述べられる。
本発明の上記および他の態様は、以降の説明と添付の特許請求の範囲からなお更に明白となるであろう。
本発明の方法は、約60重量%の、好ましくは約70重量%の、更に好ましくは約80重量%以上の全臭素含量を有し、ならびに吸蔵臭素を含有する広範で多様な固体臭素化有機化合物または固体臭素化有機化合物の混合物のいずれかに適用可能である。これらの化合物は、この化合物中の1つ以上の芳香族環上に複数の臭素原子置換基を含有し、したがって有機溶媒中で極めて劣った溶解性(例えば、ブロモベンゼン中のこれらの溶解性は160℃で100ml当り約2グラム以下である)を有する。このような化合物のいくつかの非限定的な例は、ヘキサブロモベンゼン、2,3,4,5,6−ペンタブロモトルエン、ペンタブロモフェニル、デカブロモビフェニル、デカブロモジフェニルエタン、別名1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、デカブロモジフェニルオキシド、テトラデカブロモジフェノキシ−ベンゼン、デカブロモジフェニルプロパン、デカブロモジフェニルブタン、デカブロモジフェニルスルフィド、ペンタデカブロモ−1,3,5−トリフェニルペンタン、デカブロモ−1−フェニル−3−トリルプロパン、および少なくとも約60重量%の全臭素含量を有する類似の臭素化難燃剤を含む。2つ以上のこのような化合物の混合物と、例えば、各々このような混合物が吸蔵臭素と、少なくとも約90重量%の臭素置換を含有する、少なくとも約90重量%のペル臭素化芳香族炭化水素を含有し、100重量%までの残余が本質的に同一化合物の低臭素化類似体からなる、好ましい混合物を本発明にしたがって処理することができる。このような混合物の第1のタイプの典型的な例は、いかなる相互比率であれデカブロモジフェニルエタンとノナブロモジフェニルエタンの混合物である。好ましい混合物の典型的な例は、約98重量%のデカブロモジフェニルオキシド、約1.8重量%のノナブロモジフェニルオキシド、および約0.2重量%以下のオクタブロモジフェニルオキシドからなる混合物である。好ましい混合物のもう1つの例は、約98重量%のデカブロモジフェニルエタン、約1.9重量%のノナブロモジフ
ェニルエタン、および約0.1重量%未満のオクタブロモジフェニルエタンからなる混合物である。本発明にしたがった処理に特に好ましい製品は、少なくとも約80重量%の臭素を含有するデカブロモジフェニルエタン製品である。すべての場合、この方法にかけられる高臭素化製品は少なくとも若干の吸蔵臭素を含有する。
このような化合物または化合物の混合物の全臭素含量の定量に使用する方法、およびこのような化合物または化合物の混合物の吸蔵臭素含量を定量するための方法は、この明細書中これ以降示される。必要な場合もしくは望ましい場合はいつでも、このような方法は、化合物または化合物の混合物の両方を本発明の方法にかけた前後にこれらの両方に適用可能である。しかしながら、このような分析をすべての場合に行うということは必要とされない。例えば、同一の方法で製造される同一の化合物の代表的な試料についてのランごと臭素化条件または連続的なランについての臭素化条件が一度確立され、使用される場合には、不定期的な分析または定期的な分析を使用して、引き続いて製造される代表的な試料についての全臭素および吸蔵臭素に対する値が以前の分析を基にこの製品に対して採用されている規格内にあるということを確認してもよい。
本発明の方法の実施において広範で多様な不活性有機液体希釈剤を使用することができる。主要な要求は、不活性有機液体希釈剤が工程時に臭素化化合物と反応して、化合物の化学組成を変えてはならない、すなわち、希釈剤はこの意味で不活性でなければならないということである。好ましい不活性有機液体希釈剤は、工程において放出される遊離単体臭素と、工程中で放出されるかもしれない臭化水素の少なくとも一部も溶解するか、さもなれば吸収するものである。このことによって、これらの材料(遊離単体臭素および/またはHBr)が雰囲気の中に逃散する可能性が低下し、このような材料または反応生成物のレベルが不活性有機液体希釈剤からこのような材料または反応生成物の一方または両方を回収するのに必要な段階を採用することを正当化するのに充分に高くなった(例えば、同一の不活性有機液体希釈剤を経時的に反復使用することにより)ならば、不活性有機液体希釈剤からこのような材料またはこれらの反応生成物を回収する機会が与えられる。
本発明の実施において使用される不活性有機液体希釈剤は、本発明にしたがって処理される固体の臭素化有機化合物または固体の臭素化有機化合物の混合物が濃厚なスラリーをこの中で形成し、いかなる所定の時点においても極めて少量の量のスラリーしか所定の不活性有機液体希釈剤に実際に溶解しないために、このように呼ばれる。本発明での使用を離れたこのような不活性有機液体希釈剤は、広範で多様な通常の有機化合物を溶解することができるので、一般に、有機溶媒として知られている。本発明の方法における不活性有機液体希釈剤として使用される液体溶媒のタイプの非限定的な例は、例えば、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、エーテル、エステル.カルボン酸、クロロカーボン、クロロ炭化水素、ブロモカーボン、ブロモ炭化水素(臭素芳香族炭化水素を含めて)、ブロモフルオロ炭化水素、ブロモクロロ炭化水素、および脂環式炭化水素化合物を含む。同一種類の溶媒(例えば、2つ以上の異なる飽和炭化水素、2つ以上のケトンなど)の2つ以上の混合物を含む液体溶媒の混合物と、2つ以上の異なる種類の溶媒(例えば、1つの飽和炭化水素と1つのケトン、1つ以上のエステルと1つ以上のブロモ炭化水素など)の混合物も所望ならば使用することができる。
使用される不活性有機液体希釈剤は、所定の方法での使用に選択される温度で液体状態になければならない。室温で固体であるが、室温以上の温度で液体となり、所定の工程での使用に選択される温度において液体を保つ不活性有機液体希釈剤が使用可能であるが、室温において(更に好ましくは室温以下の温度においても)ならびに所定の工程での使用に選択される温度において液体状態にある不活性有機液体希釈剤を使用することが好ましい。大気圧下の不活性有機液体希釈剤が所定の工程での使用に選択される温度において留去するならば、この方法は、大気圧以上の圧力下で実施可能である。別法としては、凝縮
系を使用して、不活性有機液体希釈剤を連続的に凝縮して、スラリーに戻すということを前提とすれば、不活性有機液体希釈剤が沸騰する温度において操作を行うことができる。
本発明の方法における不活性有機液体希釈剤としての使用に選択可能な典型的な不活性液体(および文献で報告されているこれらの近似的な沸騰温度)のいくつかの非限定的な例は、n−オクタン(b.p.126℃)、3−エチル−3−メチルペンタン(b.p.119℃)、1,4−ジメチルシクロヘキサン(b.p.121℃)、1−ノネン(b.p.150℃)、1,3−デカジエン(b.p.168−170℃)、トルエン(b.p.110℃)、o−キシレン(b.p.144℃)、四塩化炭素(b.p.77℃)、1−ブロモヘプタン(b.p.179℃)、ジブロモメタン(b.p.97℃)、1,2−ジブロモエタン(b.p.132℃)、クロロシクロヘキサン(b.p.143℃)、ブロモシクロヘキサン(b.p.163−165℃)、ブロモクロロメタン(b.p.68℃)、トリブロモメタン(b.p.149℃)、ジブロモフルオロメタン(b.p.65℃).シス−1,2−ジクロロエチレン(b.p.60℃)、ブロモベンゼン(b.p.155−156℃)、o−ブロモトルエン(b.p.182℃)、m−ブロモトルエン(b.p.184℃)、アセトン(b.p.56℃)、ブチルメチルケトン(b.p.128℃)、シクロペンタノン(b.p.131℃)、1,1−ジクロロ−2−プロパノン(b.p.120℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(b.p.162℃)、ジクロロエチルエーテル(b.p.179℃)、メチルエチルケトン(b.p.80℃)、酢酸(b.p.118℃)、プロピオン酸(b.p.141℃)、酢酸エチル(b.p.77℃)、ペルクロロエタン(b.p.138℃)、およびテトラクロロエチレン(b.p.121℃)を含む。ブロモベンゼンが本発明の方法に好ましい不活性有機液体希釈剤である。
本発明の実施において形成され、使用される濃厚なスラリー中に存在する臭素化有機化合物の量は、スラリー中の臭素化有機化合物の内容、不活性有機液体希釈剤として働く成分の内容、およびスラリーを加熱する温度などの因子に依って変わることができる。一般に言って、本発明で使用される濃厚スラリーは、少なくとも約20容積パーセントの臭素化有機化合物を含有し、100容積パーセントまでの残余は、通常、不活性有機液体希釈剤として働く1つ以上の成分である。通常、スラリー中の臭素化有機化合物の量は、スラリーの約25から約70容積パーセントの範囲に入る。
本発明の一つの態様においては、不活性有機液体希釈剤中のこのような化合物の濃厚なスラリーは、約60から約230℃の範囲(好ましくは約150から約160℃の範囲)の温度に少なくとも約1時間(好ましくは、約2から約3時間の範囲の間、更に好ましくは約4から約6時間の範囲)の間暴露され、固体が混合物から単離(回収)される。所望ならば、この混合物はこれらの固体の単離の前に低い温度まで冷却される。濃厚なスラリーは、不活性有機液体希釈剤を所望の範囲の温度まで予備加熱し、希釈剤が所望の範囲の1つ以上の温度にある間に処理対象の化合物と不活性有機液体希釈剤を混合することにより、形成され、高温に暴露可能である。濃厚なスラリーを形成するためのもう1つの方法は、希釈剤が所望の範囲の温度以下である間に処理対象の化合物と不活性有機液体希釈剤を混合し、次に攪拌しながら得られるスラリーを所望の範囲の1つ以上の温度まで加熱することである。これらの方法における他のバリエーションが可能であり、本発明の範囲内のものである。少なくとも加熱期間の全部でないとしても大部分の間、ならびに適用可能である場合にはスラリーの形成の間にもこのスラリーを攪拌することが望ましい。所望する場合には、温度が減少するにつれて、低下させた量の熱エネルギーを例えば漸次的に低下させた量でスラリーに印加することができる。上記のように、本発明の特徴は、スラリー化された臭素化芳香族化合物が不活性有機液体希釈剤にいかなる実質的な程度であれ溶解することができる温度以下でこの方法を行うということである。このように、本発明の方法は、いかなる時点においても約5重量パーセント以上の、好ましくは約3重量パーセ
ント以上の臭素化芳香族化合物が不活性有機液体希釈剤に溶解しない温度および溶媒で行われる。
本発明のもう1つの態様においては、不活性有機液体希釈剤中のこの化合物の濃厚なスラリーは、約50から約160℃の範囲の(好ましくは約50から約100℃の範囲の)1つ以上の温度において少なくとも約1時間の間(好ましくは約2から約3時間の範囲、更に好ましくは約4から約6時間の範囲の間)の間磨砕またはミル掛けにかけられる。場合によっては冷却、もしくは得られる混合物の低温までの冷却を可能とする。その後、この固体は、例えば遠心分離または濾過により混合物から単離(回収)される。先行する態様におけるように、臭素化芳香族化合物が不活性有機液体希釈剤に溶解する程度は最小である。すなわち、不活性有機液体希釈剤はこの工程においては約5重量パーセント以上の、好ましくは約3重量パーセント以上の臭素化芳香族化合物を溶液中に含有しない。
理論により拘束されるのを望むものではないが、本発明の工程においてスラリーは、スラリーの加熱時もしくは熱エネルギーの印加もしくは無印加でのスラリーの磨砕時に小量の溶解臭素化化合物と大量の非溶解臭素化化合物の間に形成される平衡の多数のサイクルを経るということが仮定されている。このように、スラリー中の全固体の小増分が溶解するにしたがって、吸蔵臭素としてその中に元々捕捉されている遊離単体臭素は、不活性有機液体希釈剤の中に放出され、生成する溶解固体が固体として自由に再生し、他の固体の新しい小増分が溶解して、捕捉された遊離単体臭素を放出し、次に固体に再生する。磨砕の態様においては、磨砕は、増分的溶解を促進し、粒子を物理的に破壊して、捕捉された遊離の単体臭素を放出させることもできる。
吸蔵臭素の放出のほかに、初期の固体臭素化化合物中に存在し得るイオン性臭素(すなわち、臭化物)塩が加工時に固体から不活性有機液体希釈剤の中に放出可能である。
不活性有機液体希釈剤を再使用もしくは工程に再循環可能である。不活性有機液体希釈剤がこのような成分の回収を望ましくするのに充分な量の遊離単体臭素とイオン性臭素(臭化物)塩および/またはHBrなどの他の臭素誘導体を含有する場合には、不活性有機液体希釈剤を処理して、このような臭素品を回収することができる。
固体高臭素化芳香族有機化合物を本発明にしたがった処理にかける前および/または後で固体の次の性質を求めるのに次の分析手順を使用しなければならない。ハンター色値試験の場合には、試験で使用される固体は、磨砕された試料であるということが推奨される。このように、商用規模のプラントからの試料は、通常、Raymondミル、Bepexミルまたは同等のハンマーミルで磨砕された製品の試料である。色試験対象の製品が実験室規模の操作からの製品である場合には、The Jet Pulverizer Company,Inc.,のモデル02−506から入手されるようなジェットミルで磨砕された試料について分析を行うということが推奨される。The Jet Pulverizer Companyの現在の所在地は1255 North Church Street,Moorestown NJ 08057−1166であり、現在の郵送アドレスはP.O.Box 212,Palmyra,NJ,08065−0212である。比較試験目的の製品試料は、可能な場合にはいつでも同一条件下で磨砕されなければならない。
シェーニガー法を用いる全臭素の定量
全臭素をシェーニガー法により定量する。この方法は、酸素リッチの雰囲気中で既知重量の試料を燃焼することを含む。遊離臭素を塩基性媒体中で亜ヒ酸ナトリウムにより臭化物に還元する。終点を知らせるのに銀チトロード電極を用い、電位差測定終点まで硝酸銀で滴定することにより、臭化物含量を定量する。自動電位差測定滴定装置は、動的ミリボ
ルト滴定または一定ミリボルト滴定が可能である、Metrohm 716もしくは736滴定装置または同等品であることができる、銀チトロード電極は、Metrohm 6.0430.100電極(カタログ番号2094850−7)または同等品である。標準テーパージョイントおよび白金キャリア付きのシェーニガー燃焼フラスコとトマス・オグ酸素フラスコ赤外着火器(Arthur H.Thomas、製品番号6516−G10)を使用する。所望ならば、トマス・オグ酸素フラスコ赤外着火器の代わりにハロゲン投射器用ランプのモデルDFN/DFC150W−125Vを使用することができる。脱イオン水または蒸留水、イソプロピルアルコール、等容量の濃硫酸と脱イオン水または蒸留水から形成される1:1硫酸溶液、60gのNaOHと60gのAsと1リットルの水を攪拌しながら混合することにより形成される苛性亜ヒ酸塩溶液、0.1N標準化硝酸銀溶液、粉末化ケーンシュガー、乾燥圧縮酸素、および蒸留水中の0.1%のメチルオレンジ指示薬溶液がこの方法で使用される薬品である。
固体試料についてシェーニガー法を行う場合、折った黒色濾紙上の0.00001g精度の精度で秤量した0.04から0.08gの試料の量を濾紙の内側に折りたたみ、トマス・オグ燃焼フラスコの白金試料ホルダーに入れる。試料が液体である場合には、風袋付き番号(tared number)3のゼラチンカプセル中の同一の精度で秤量した0.04から0.08gの試料にほぼ等容量の粉末化ケーンシュガーを添加し、カプセルをトマス・オグ燃焼フラスコの白金試料ホルダーに入れ、黒色の紙細片をカプセルと白金試料ホルダーの間に挿入する。次に、次の段階を行う。(a)燃焼フラスコに15mLの苛性亜ヒ酸塩溶液と3滴の水酸化アンモニウムを添加し、(b)フラスコを酸素で少なくとも2分間充分に掃気する。栓/試料ホルダーにシリコーングリースをたっぷりと塗布し、フラスコの頂部にホルダーを入れ、少なくとも更に1分間掃気する。フラスコに栓をし、栓に秤量した試料を付けた白金キャリアを取り付け、反転した時にフラスコが気密であるようにしっかり締める。シリコーングリースはジョイント表面全体の周りに連続したシールを形成しなければならない。いくらかでもギャップが存在する場合には、もっとグリースを足し、(c)反転した燃焼フラスコをトマス・オグ酸素フラスコ赤外着火器の中に入れ、着火器を紙と位置合わせし、赤外ランプをオンして、紙に着火することにより、試料に点火し、(d)試料が燃焼したならば直ちに、フラスコの内容物を数回渦を巻かせて、内壁を被覆し、(e)最初の5もしくは6分間ならびに場合によっては最後の20分間フラスコを時々シェークする一方で、フラスコを30分間静置し、(f)白金試料キャリアとフラスコの内壁を脱イオン水または蒸留水により充分にすすぐ。1個のKOHペレット、2滴のメチルオレンジ指示薬、および5−6個の沸石を加える。沸騰させ、容積が約40−50mLとなるまで過剰な水を蒸発させ、(g)200mLのトールビーカーの中にフラスコの内容物を定量的に移す。試料とすすぎ液の全容積はほぼ100−120mLでなければならない。IPAを用いて、2から3回の10mLのリンスを追加し、(h)磁気攪拌棒を投入し、ビーカーをマグネチックスターラーの上に置く。10mLの1:1HSOによりピンク色の終点まで酸性とする。溶液がなお黄色である場合には、1:1HSOの更なる5mLのアリコートを必要に応じて添加して、ピンク色の終点に到達させる。酸を添加するのにしたがって、溶解したCOが放出され、(i)銀チトロードを試料の中に導入し、メーカーの操作説明にしたがって自動滴定装置により0.1もしくは0.01N AgNO3により滴定し、(j)試料のみを除いて、すべて上記の段階によりブランク試験を行い、ならびに(k)重量%臭化物を
Figure 0005537945
により計算する。
式中、Sは試料の滴定に必要とされる硝酸銀のミリリットル数であり、Bはブランクの滴
定に必要とされる硝酸銀のミリリットル数であり、Nは硝酸銀溶液の規定数である。
遊離臭素およびイオン性臭素の定量
手始めに、当業者が製品粒子中の吸蔵臭素を遊離臭素と時には呼ぶということは言及する価値がある。
簡潔に言うと、デカブロモジフェニルエタンの吸蔵臭素および/またはイオン性臭素(臭化物)の定量に使用される方法は、次の通りである。の試料を1,2,4−トリクロロベンゼンに溶解して、吸蔵臭素と臭化物を放出させる。次に、亜硫酸ナトリウム水溶液を添加することにより、臭素を臭化物に還元する。この臭化物を水相の中に抽出し、イオンクロマトグラフィにより定量する。吸蔵臭素と臭化物の合計をこの結果から計算する。吸蔵臭素を定量するために、亜硫酸ナトリウムを使用せずに同一の手順を繰り返す。試料中の遊離臭化物からの臭化物と、吸蔵臭素の加水分解から形成される臭化物を水相の中に抽出し、イオンクロマトグラフィにより定量する。この非補正のイオン性臭化物の結果と全遊離単体臭素および臭化物の結果から、吸蔵臭素の含量を見積もる。吸蔵臭素の約半分を低臭素レベルにおいて式
Br+HO=>HBr+HOBr
にしたがって臭化物に変換する。それゆえ、吸蔵臭素は次のように見積られる。
遊離単体臭素のppm=2×(遊離単体臭素および臭化物の合計のppm−非補正イオン性臭化物のppm)。
イオン性臭素は次のように見積られる。
イオン性臭素のppm=吸蔵臭素および臭化物の合計のppm−吸蔵臭素のppm。
更に詳細には、デカブロモジフェニルエタン中の吸蔵臭素および/またはイオン性臭素(臭化物)の定量に使用される装置および方法は、次の通りである。
A)必要とされる装置は、Dionex DX−500イオンクロマトグラフまたは電導度検出器;Dionex PeakNetクロマトグラフィデータ収集および処理システム、およびDionex IonPac(登録商標)AG11−HCガードカラムを備えたDionex IonPac(登録商標)AS11−HCカラムを備えた同等品を含む。
B)イオンクロマトグラフィ操作条件は、(a)溶離液:EG40KOH勾配、(b)流量:1.5mL/分、(c)注入容積:25μL、(d)検出器範囲:200μS、(e)サプレッサー:ASRS−Ultra4mm、(f)サプレッサー電流:100mA、および(g)再生剤:オートサプレッションリサイクルモードを含む。
C)EG40操作条件を次の表に掲げた。
Figure 0005537945
D)必要とされる化学薬品は、(a)比抵抗17.8メグオーム−cm以上の脱イオン水、(b)1,2,4−トリクロロベンゼン、HPLCグレード、(c)亜硫酸ナトリウム、試薬グレード、および(d)0.1重量%の水中の亜硫酸ナトリウム溶液である。
E)標準化品質管理のために、標準溶液「B」を次の通り作製する。0.1287gの臭化ナトリウムを100mLの測容フラスコの中に秤取し、脱イオン水により容積まで希釈し、よく混合することにより、濃厚な臭化物標準溶液(1,000μg/mL)を作製する。これが標準溶液「A」である。100mLの濃厚な臭化物標準溶液を100μLの測容フラスコの中にピペットで秤取し、これを脱イオン水により所定の容積まで充填し、よく混合することにより、臭化物較正標準溶液「B」を作製する。これは、臭化物として1μg/mLの標準溶液「B」を提供する。二重の分析のために、後者の臭化物較正標準溶液の2つのアリコートを個別ポリシールオートサンプラーバイアルの中に装填する。
F)分析の実施の場合には、吸蔵臭素/臭化物定量用と非補正イオン性臭素(臭化物)定量用の両方の二重の試料を作製することが推奨され、そこで分析される各試料に対して合計で4つの試料調合液を使用する。詳細な分析手順は次のことを含む。
(a)ほぼ0.030gの試料を40mLのアンバーガラスEPAバイアルの中に秤取する。
(b)測容ピペットを用いて、20mLの1,2,4−トリクロロベンゼンをバイアルに添加し、バイアルをセプタムキャップによりきつくキャップし、バイアルを僅かに振り、超音波を印加して、試料を濡らす。
(c)20mLの1,2,4−トリクロロベンゼンのみを含有するブランクを上記のように作製する。
(d)試料が溶解するまで、バイアルを時々振りながらほぼ95℃で10分間加熱ブロックに入れる。
(e)イオン性臭素(臭化物)の定量のために、バイアルを浴から取り出して、正確に5mLの脱イオン水をセプタムキャップから注射器により直ちに添加する。バイアルはシールされた状態を保つ。
(f)全吸蔵臭素および臭化物の定量のために、バイアルを浴から取り出して、正確に5mLの脱イオン水中の亜硫酸ナトリウム溶液をセプタムキャップから注射器により直ちに添加する。バイアルはシールされたままとする。
(g)各バイアルをシェーカー上で20分間振る。
(h)使い捨てピペットを用いて、上の水相を除去し、GHP Polypro注射器フィルターにより濾過する。
(i)25μLの濾過された試料をイオンクロマトグラフの中に注入し、上記の操作条件を用いて分析する。
G)使用される計算は次の通りである。
a)この方法は、個別標準溶液「B」の二重注入から計算される応答因子を使用する。式
Figure 0005537945
を用いて、応答因子を計算する。
b)ブランク中の臭化物ピークの面積について各試料ランに対する臭化物ピークの面積を式

−A=A

にしたがって補正する。
式中、Aは試料ピークの面積であり、Aはブランクピークの面積であり、ならびにAは試料ピークの補正された面積である。
c)各試料調合液に対する補正された臭化物面積を使用して、式
Figure 0005537945
を用いて試料中の吸蔵臭素および臭化物の全濃度を定量する。
式中、Aは試料の補正された面積であり、RFは臭化物に対する応答因子であり、Wはグラムで表される試料の量(ほぼ0.03g)であり、ならびにVは水溶液の全容積(5mL)である。
d)全吸蔵臭素および臭化物(亜硫酸塩処理)と非補正イオン性臭素(亜硫酸塩非処理)に対する二重の平均結果から、式
ppm吸蔵臭素=2×(全吸蔵臭素と臭化物のppm)−(非補正臭素のppm)
を用いて、吸蔵臭素およびイオン性臭素(臭化物)のレベルを計算する。
ハンター色値試験
適切な試料器具付きのハンターラブ・カラークエストXE分光光度計を用いて、ハンター色値定量を行う。最初に光トラップと、次に装置に同梱された白色標準タイルを用いて、推奨されたシングルナンバーインデックスと大視野面積に対してこの装置を標準化しなければならない。標準化の後、使用される手順は次の通りである、
A)試料クランプを下げるか、もしくは取り外す。光カバー付きの反射試料シェルフ(ハンターラブ部品番号B02−1005−172)のシェルフを反射ポートに取り付ける。B)試料バッチからの粉末をすくい、50mmガラスセル(ハンターラブ部品番号13−8573−20)を頂部まで充たす。2インチ(50mm)試料の厚さによって、半透明粉末は反射測定に対して効果的に不透明となる。
C)試料カップを硬い表面上で一度軽く叩いて、粉末を沈下させ、次に粉末がセルの透明なガラス窓から読めるように、充填セルを反射ポートにぴったりと押し付ける。
D)試料セルを不透明なカバーにより被覆する。カバーによって測定を行う場合に外周光が粉末試料から検出器に達する可能性が最小化する。
E)粉末の単一の色読み値を得る。同一のバッチから少なくとも3回粉末を捨て、再充填し、読む。バッチの色を表す単一の色測定に対する3つの色読み値を平均する。多数回の読み値を平均することによって、不均一試料に関連する測定変動が最小化する。
F)試料バッチに対する平均色値を記録する。
G)ASTM法D1925−87を使用して、黄色指数(YI)を計算する。
中間の粒子サイズの決定
中間(平均)の粒子サイズを決定するために、クールターLS−250計数器または同等品を使用する。このクールター計数器の使用においてはこの小容積モジュールを使用する。メーカーの操作説明書に従う。別法としては、ホリバレーザー光散乱装置(例えば、Horiba LA900モデル7991)または同等品を使用することができる。この方法は、通常、約0.01グラムから約0.015グラムの範囲の量の粉末状試料を使用前に脱イオン水により洗浄されたきれいな乾燥したアルミニウムカップの中に秤取することを含む。装置オートサンプラーは、分散剤と超音波処理を用いて試料を水中に分散させる。粉末粒子がレーザー光ビームを散乱する測定セルにこの懸濁液を循環する。装置中の検出器は散乱される光の強度を測定する。装置中のコンピューターは、このような測定値から平均粒子サイズと粒子サイズ分布の両方を計算する。通常、所定の粉末状物質の10個の別々の代表的な試料をこの試験にかける。成功裏に使用された代替の装置は、この小容積のモジュールを用いたクールターLS−230装置である。
融点の決定
示差走査熱量測定装置(DSC)法を用いて、融点の定量を行う。使用される主要装置は、標準DSCセルとThermal Analyst 5000PCコントローラー付きのTA装置モデル2910DSCまたは同等品と、Sierra装置モデルA−2960などのガスフローメーターまたは同等品である。このDSCは、DSCオペレーターマニュアルに示されるように10℃/分の加熱速度と50cc/分の窒素ガスパージ速度を用いてベースライン勾配とオフセット、セル定数、および温度スケールに対して最近に較正されたものでなければならない。融点を定量するための方法は、DSC中で2から5mgの試験材料の試料を試験材料の融解吸熱から2℃/分で加熱することを含む。Thermal Analyst 5000PCコントローラーのユニバーサル分析ソフトウエアオプションを使用して、DSCの軌跡を表示する。S字状のベースラインオプションを用いて、融解吸熱を積分する。対象のパラメーターは、ベースラインと吸熱ピークの前縁上で最大勾配点において引かれた正接との交点の温度である、外挿開始温度である。この値を融点とする。多数個のピークが存在する場合には、個別ピークに対する結果を報告しなければならない。個別ピークの分解が不充分である場合には、「垂直ドロップライン構成」などの図式法を使用して、融解吸熱の面積を個別ピークと関連付ける。
デカブロモジフェニルエタン製品アッセイの定量
デカブロモジフェニルエタン製品のGCアッセイを得るためには、次の手順を使用しなければならない。
A)必要とされる装置は、フレームイオン化検出器、クールオンカラム温度および圧力プログラマブル入口、および温度プログラミング能力を備えたヒューレット/パッカード5890 Series IIガスクロマトグラフまたは同等品と、ヒューレット/パッカード7678または同等の自動注入装置を含む。VGのMultichromまたは同等品などのヒューレット/パッカード3396A積分器またはクロマトグラフデータシステムをデータ収集と分析に使用する。ガスクロマトグラフカラムは、溶融シリカ開管高温アルミニウムクラッドの12M×0.53mm、0.l5μ膜厚キャピラリーカラム(SGE12QCS/HT5−0,15;カタログ番号051585)である。
B)この方法において使用される化学薬品は、ジブロモメタン(99%);ヘリウム、ゼログレード;水素、ゼログレード;および空気、ゼログレードである。このガスクロマト
グラフ用の条件は、(a)検出器温度:350℃;(b)入口温度;70℃、125℃/分から350℃、ランの終わりまで保持;(c)10mL/分でのキャリアガスヘリウム;(d)入口圧力:4.0psig(約1.29×10Pa;10mL/分)、0.25psi/分から9.0psig(約1.63×10Pa)、ランの終わりまで保持;(e)オーブン温度:60℃、12℃/分から350℃、10分間保持;(f)注入モード:クールオンカラム;および(g)注入容積:2.0μLである。
C)この方法は次の段階を含む。
(a)ガスクロマトグラフ条件を上述のように設定する。1mLのジブロモメタンをクリンプトップバイアルに入れ、これを密封する。ジブロモメタンをオートインジェクターに入れ、ガスクロマトグラフの中に注入して、きれいな系を確保する;
(b)0.003グラムのデカブロモジフェニルエタン試料を15mLのガラスバイアルの中に秤取する;
(c)試料重量を10グラムまでとするのに充分なジブロモメタンを添加する;
(d)バイアルにキャップをし、よく振る;
(e)試料を含有するバイアルをほぼ90℃としたホットプレート上の試料ブロックの中に入れる。バイアルのキャップを若干ゆるめて、バイアル中の圧力蓄積を防止する。試料をホットプレート上に置くのと同時に2mLのクリンプトップバイアルをホットプレート上に置く;
(f)1時間後、試料をチェックし、試料が完全に溶解したことを確かめる;
(g)試料を加熱したクリンプトップバイアルの中に移し、バイアル中に密封する;
(h)できる限り迅速に試料をオートインジェクターに入れ、試料をガスクロマトグラフの中に注入する。試料が冷却するにつれてデカブロモジフェニルエタンが溶液から析出するので、試料を温めて注入することが重要である。
D)デカブロモジフェニルエタンおよび不純物の面積%として結果を報告する。この方法により求められる成分の面積%と、各化合物の既知の臭素含量により、パーセント臭素を定量する。例えば、純粋なデカブロモジフェニルエタンは82.27重量%の臭素を有し、純粋なノナブロモジフェニルエタンは80.59重量%の臭素を有する。
本発明により製造可能で、提供される新規のデカブロモジフェニルエタン製品は、ゼロから約105ppmの範囲の吸蔵臭素含量、少なくとも約180ミクロンの平均粒子サイズ、非磨砕試料を用いて少なくとも約83のハンター色L値、および非磨砕試料を用いて約30以下のハンター黄色指数を有することを特徴とする。本発明の好ましい新規のデカブロモジフェニルエタンは、この明細書中で述べられている分析手順を使用して次の性質の少なくとも1つを更に有する。
1)ガスクロマトグラフィによる約98から約99.9面積%の範囲のデカブロモジフェニルエタンアッセイ、
2)約350から約360℃の範囲のDSC融解温度、
3)約170未満の、更に好ましくは約50から約165ppmの範囲のイオン性臭素(臭化物)含量。
更なる性質1)を有するデカブロモジフェニルエタン製品が更に好ましく、更なる性質1)および2);もしくは1)および3);もしくは2)および3)を有するデカブロモジフェニルエタン製品がなお更に好ましい。なお更に好ましいのは、更なる性質1)、2)、および3)の3つすべてを有するデカブロモジフェニルエタン製品である。
次の実施例は、本発明を例示するが、本発明をそこで述べられているもののみに限定するようには意図されていない。実施例1−4においては、記述されている乾燥および磨砕またはオーブンエージングの方法にはかけない、米国特許第6,518,468号の開示にしたがって1,2−ジフェニルエタンの臭素化により形成される製品の湿ったフィルターケーキから得られるデカブロモジフェニルエタンを例示の出発材料として使用した。上
述の分析手順を用いて、この湿ったケーキ生成物は、810ppmの吸蔵遊離単体臭素と269ppmのイオン性臭素(臭化物)を含有するものであった。生成物の標準磨砕無しで得られるハンター色値(ここで、YIは黄色指数を表す)は、
L: 80.61
a: 6.39
b: 24.36
YI: 60.04
である。
ハンター色値は実際の粒子サイズに依存する。粒子サイズが小さいほど、黄色指数(YI)は低く、L(明度指数)は高い。この明細書中で報告されるすべての色値は、デカブロモジフェニルエタンの非磨砕試料に対するものである。
実施例1
デカブロモジフェニルエタンとアセトンをデカブロモジフェニルエタン30重量%とアセトン70重量%の比率で混合することにより、上記のデカブロモジフェニルエタンとアセトンの濃縮スラリーを形成した。このスラリーを加熱し、還流(約59℃)で4.5時間維持し、次に室温(約25℃)まで急速に冷却し、濾過して、固体を回収した。この固体を25℃で乾燥し、分析にかけた。分析データを表Iに要約する。
実施例2
濃厚スラリーをデカブロモジフェニルエタン28重量%とトルエンの72重量%の比率の同一のデカブロモジフェニルエタンとトルエンのもう1つの部分から形成したということを除いて、実施例1の手順を繰り返した。この実験からの乾燥固体についての分析データを表Iに要約する。
実施例3
濃厚スラリーをデカブロモジフェニルエタン18重量%とトルエンの82重量%の比率の同一のデカブロモジフェニルエタンとブロモベンゼンのなおもう1つの部分から形成したということを除いて、実施例1の手順を再度繰り返した。この実験からの乾燥固体についての分析データを表Iに要約する。
実施例4
濃厚スラリーをデカブロモジフェニルエタン18重量%とブロモベンゼン82重量%の比率の同一のデカブロモジフェニルエタンとブロモベンゼンのなおもう1つの部分から形成したということを除いて、実施例1の手順を再度繰り返し、濃厚なスラリーを還流で14時間保った。この実験からの乾燥固体についての分析データを表Iに要約する。表Iにおいては、用語「遊離臭素」は、製品中に吸蔵されている遊離単体臭素を指す。
Figure 0005537945
デカブロモジフェニルエタンの吸蔵臭素含量の低下が達成されたということが上記の結果から注目されるであろう。デカブロモジフェニルエタンの濃厚なスラリーの磨砕を含む本発明の態様を使用する場合、遊離臭素およびイオン性臭素についての類似の結果が期待される。磨砕はハンター色値を更に改善する。
適切な条件下で本発明を実施することにより他の固体の高臭素化芳香族有機化合物の吸蔵臭素含量の類似の低下または匹敵する低下が達成可能であると考えられる。
実施例5
Saytex(登録商標)8010難燃剤(Albemarle Corporation)の製造用の商用プラント施設で製造されるデカブロモジフェニルエタンの湿ったケーキの試料を取得し、2つの部分に分割した。試料の一方の部分をオーブン中200℃で6時間加熱し、他方の部分をオーブン中230℃で6時間加熱した。2つの加熱された試料の各々から2つの100グラムの試料を採取し、合計で4つの個別の100グラムの試料を得た。次に、200℃で加熱された個別試料の一方と、230℃で加熱された個別試料の一方を各々個別スラリーとして300mLのブロモベンゼンと共に156−158℃で6時間攪拌し、次に、濾過し、160℃で6時間乾燥して、ブロモベンゼンを除去した。それぞれ200℃および230℃で加熱された他方の2つの試料は本発明のスラリー化法にかけなかった。次に、物理的性質の差を評価するために、4つの試料の各々に対して選択された物理的性質を測定した。この結果を下記で表IIに示す。表中、使用される略語は次の意味を有する。中間のPSは中間の(すなわち、平均の)粒子サイズを表し;遊離Brは製品中に包蔵される遊離の単体臭素を表し;ならびにイオン性はイオン性臭素(臭化物)を表す。非磨砕試料を用いて、ハンター色値を通常の方法で報告する。
Figure 0005537945
表II中のデータから判るように、好適な高温への加熱と引き続いてのスラリー化の組み合わせは、ハンター色L値を改善し、黄色指数値を減少させ、平均粒子サイズを増加させ、遊離臭素含量を減少させ、ならびにイオン性物質の含量を減少させた。翻って平均粒子サイズの増加は、微細部分の含量の低下に一部つながり、これは製品の性質の取り扱い性を改善し、ダスト形成の可能性を低下させる。
この明細書またはこのクレーム中のどこであれ化学名または化学式により呼称される成分は、単数あるいは複数で呼称されようとも、化学名または化学型により呼称される別の物質(例えば、もう一つの成分、溶剤など)との接触前に存在したように識別される。このような変化、変形および/または反応は、特定の成分をこの開示にしたがって要求される条件下で合体することの自然の結果であるので、生成する混合物または溶液または反応媒体中でどのような予備的な化学変化、変形および/または反応が起こっても問題でない。このように、成分は、所望の操作の実施または所望の化学組成の形成と関連して合体される成分として識別される。また、特許請求の範囲は、物質、成分および/または成分を現在形(「含んでなる」、「である」、など)で参照することもあるが、物質、成分および/または成分は、この開示による1つ以上の他の物質、成分および/または成分と最初に接触、ブレンドまたは混合した直前の時点で存在したように参照される。このように、この物質、構成成分または成分が接触、ブレンドまたは混合の操作時化学的な反応あるいは変換により元来の同一性を喪失したかもしれないという事実は、この開示および化学者の通常の熟練により行われる場合には、この開示およびこのクレームの正確な理解と評価のためには実際的な重要性はない。
この明細書中で使用される時、表現「少なくとも約1時間」は、「約1時間以上」と同じことを意味する。同じことは語句「少なくとも約」が使用される他の例にも成り立つ。
特記しない限り、単数の冠詞は、この明細書中で使用される場合、特許請求の範囲をこの冠詞が参照する単一の要素に限定すると意図されているものでなく、そして限定的であると考えられるべきでない。むしろ、特記しない限り、単数の冠詞は、この明細書中で使用される場合には、1つ以上のこのような要素を網羅すると意図される。
この明細書のいかなる部分においても参照される特許または刊行物は各々およびすべて
、参照によりこの開示の中にこの明細書中に完全に説明されているように組み込まれている。
本発明は、この実施においてかなりの変形を受け易い。それゆえ、前出の説明は、本発明をこの明細書中上記に提示された特定の例示に限定するように意図されていず、限定的と解釈されるべきでない。

Claims (11)

  1. 少なくとも60重量%の全臭素含量を有し、吸蔵単体臭素を含有し、1つ以上の芳香族環上に複数の臭素原子置換基を含有する少なくとも1つの粒子状臭素化有機化合物中の吸蔵単体臭素の含量を低下させる方法であって、60℃から前記少なくとも1つの粒子状臭素化有機化合物の熱分解が起こり始める温度直下の温度までの範囲の1つ以上の温度において少なくとも1時間の間不活性有機液体希釈剤中のこの化合物の濃厚な攪拌スラリーを加熱し、この工程で生成固体の吸蔵単体臭素含量が低下され、前記期間の間のいかなる時点においても工程における溶解した処理対象臭素化有機化合物の量がスラリー中で5重量%を超えないことを特徴とする方法。
  2. 前記工程にかけられる粒子状臭素化有機化合物が初期において少なくとも70重量%の全臭素含量を有し、ならびに前記期間の間前記スラリーが3重量%以下の溶解した処理対象臭素化有機化合物を含有する、請求項1に記載の方法。
  3. デカブロモジフェニルエタン製品またはデカブロモジフェニルオキシド製品が前記工程にかけられる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記工程の実施に少なくとも60重量%の全臭素含量を有し、ならびに吸蔵単体臭素を含有する前記少なくとも1つの粒子状臭素化有機化合物が粒子状固相化合物の形の間に150から230℃の範囲の温度で1から6時間の範囲の間加熱され、次に請求項1に規定される工程にかけられる、請求項1に記載の方法。
  5. 請求項1に規定される前記工程を実施した後、少なくとも60重量%の全臭素含量を有し、ならびに若干の吸蔵単体臭素をなお含有する前記少なくとも1つの粒子状臭素化有機化合物が粒子状固相化合物の形の間に150から230℃の範囲の温度で1から6時間の範囲の間加熱される、請求項1に記載の方法。
  6. 少なくとも60重量%の全臭素含量を有し、吸蔵単体臭素を含有する粒子状固相デカブロモジフェニルエタン製品を150から230℃の範囲の温度で少なくとも1時間の間加熱すること;および
    60℃からデカブロモジフェニルエタン製品の熱分解が起こり始める温度直下の温度までの範囲の1つ以上の温度において前記加熱にかけたデカブロモジフェニルエタン製品から
    不活性有機液体希釈剤中の濃厚な攪拌スラリーを形成し、この工程で生成する固体の吸蔵単体臭素含量が低下され、前記期間の間で前記スラリーが5重量%以下の溶解した処理対象デカブロモジフェニルエタン製品を含有すること
    を含んでなる、吸蔵単体臭素含量が低下し、改善された性質の組み合わせを有するデカブロモジフェニルエタン製品を製造する方法。
  7. 前記濃厚なスラリーを形成する前に粒子状固相デカブロモジフェニルエタン製品が冷却される、請求項6に記載の方法。
  8. 少なくとも60重量%の全臭素含量を有し、吸蔵単体臭素を含有するデカブロモジフェニルエタン製品から不活性有機液体希釈剤中で濃厚な攪拌スラリーを形成し、60℃からデカブロモジフェニルエタン製品の熱分解が起こり始める温度直下の温度までの範囲の1つ以上の温度においてこのスラリーを加熱し、この工程で生成固体の吸蔵単体臭素含量が低下され、前記期間の間前記スラリーが5重量%以下の溶解した処理対象デカブロモジフェニルエタン製品を含有すること;および
    スラリーから生成する粒子状固体を回収し、150から230℃の範囲の温度で少なくとも1時間の間このような粒子状固体を加熱すること
    を含んでなる、吸蔵単体臭素含量が低下し、改善された性質の組み合わせを有するデカブロモジフェニルエタン製品を製造する方法。
  9. 前記期間の間スラリーが3重量%以下の溶解した処理対象製品を含有する、請求項2−8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 不活性有機液体希釈剤の50重量%以上が液体臭素化芳香族炭化水素である、請求項1−8のいずれか1つに記載の方法。
  11. 前記液体臭素化芳香族炭化水素がブロモベンゼンを含む、請求項10に記載の方法。
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